JP2015114348A - 電荷輸送層形成用塗布液、それを用いた電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

電荷輸送層形成用塗布液、それを用いた電子写真感光体および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れており、良好な分散性と良好な電気特性とを両立した電子写真感光体、および、それを作成する電荷輸送層塗布液を提供する。【解決手段】電荷輸送物質、結着樹脂および4フッ化エチレン樹脂微粒子を含む電荷輸送層形成用塗布液であり、前記結着樹脂が、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子を除いた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成した電荷輸送層において、25〜35mJ/mm2の範囲の表面自由エネルギー値を示し、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、(1)平均粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、(2)塗布液中の結着樹脂成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、(3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、(4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、電荷輸送層形成用塗布液、それを用いた電子写真感光体および画像形成装置に関する。より具体的には、本発明は、加熱乾燥固化後に特定の表面自由エネルギーを示す結着樹脂ならびに特定の粒子径および特定の割合の4フッ化エチレン樹脂微粒子を含む分散安定な電荷輸送層形成用塗布液、該電荷輸送層形成用塗布液を用いて作製される電子写真感光体および該電子写真感光体を備える電子写真画像形成装置(「画像形成装置」ともいう)に関する。
複写機、プリンタまたはファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置では、以下のような電子写真プロセスによって画像を形成する。
先ず、画像形成装置に備わる電子写真感光体(「感光体」ともいう)の感光層を、帯電器によって所定の電位に一様に帯電させる。次いで、画像情報に応じて露光手段から照射される光(例えばレーザー光)によって感光体を露光し、感光体に静電潜像を形成する。形成された静電潜像に対して現像手段から現像剤を供給し、現像剤の成分であるトナーと呼ばれる着色された微粒子を感光体の表面に付着させることによって静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する。さらに、形成されたトナー画像を、転写手段によって感光体の表面から記録紙などの転写材上に転写し、定着手段によって定着させる。
しかしながら、転写手段による転写動作の際に感光体表面のトナーがすべて記録紙に転写して移行されるのではなく、一部が感光体表面に残留する。また転写時に感光体と接触する記録紙の紙粉が感光体表面に付着したまま残留することもある。このような感光体表面の残留トナーおよび付着紙粉などの異物は、形成される画像の品質に悪影響を及ぼすので、クリーニング装置によって除去される。
また近年ではクリーナーレス化技術が進み、独立したクリーニング手段を有することなく、現像手段に付加されるクリーニング機能によって残留トナーを回収するシステム(いわゆる現像兼クリーニングシステム)で上記異物を除去する方法もある。この方法では、感光体表面をクリーニングした後、除電器などによって感光層表面を除電し、静電潜像を消失させる。
このような電子写真プロセスに用いられる感光体は、導電性材料から成る導電性基体上に、光導電性材料を含有する感光層が積層されて構成される。
感光体には、無機系の光導電性材料を用いた無機系感光体や、有機系の光導電性材料(有機光導電体「Organic Photoconductor;OPC」)を用いた有機系感光体が挙げられるが、近年の研究開発により、有機系感光体の感度および耐久性が向上したため、現在では有機系感光体がよく用いられている。
また、近年になって、感光層が電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに機能分離した積層型感光体が主流となってきている。また、その多くは、電荷発生物質を蒸着あるいは結着樹脂中に分散した電荷発生層の上に、電荷輸送能を有する電荷輸送物質を結着樹脂中に分子状に分散させた電荷輸送層を積層した負帯電型の感光体である。その他に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一結着樹脂中に均一分散且つ溶解させた単層型感光体も提案されている。更に、印画画像品質の向上のために、導電性基体と感光層との間に下引き層を設けることも行われている。
以上にて述べた有機系感光体の欠点として、有機系材料の性質上、感光体周りのクリーナ等の摺刷にともなう表面の摩耗があげられる。この欠点を克服するために、感光体表面の材料の機械的特性を向上させる取り組みが現在までなされている。
感光体表面の材料の機械的特性を向上させるための手法を示した文献として、特許文献1には、前記の保護層にフィラー粒子を含有させる点が示されている。さらに、フィラーとして表面にフッ素系粒子(フッ素樹脂の粒子)を加える検討もなされている(例えば特許文献2)。
フッ素系粒子の特徴として、材料由来の高い潤滑機能から、フィラーとして感光体の機械的特性を向上させる点だけでなく、潤滑性を付与することによって感光体プロセス中に接触する部材との摩擦力を低減させて感光体表面の耐刷性向上に寄与する点が挙げられる。
フッ素系粒子の一例としてポリテトラフルオロエチレン:4フッ化エチレン樹脂(PTFE)微粒子が挙げられる。PTFE微粒子は、材料として優れた潤滑機能を有する一方で、極性がないため粒子の凝集力が非常に大きく分散性が極端に悪いという欠点がある。それゆえ、PTFE微粒子を感光体の表面層に分散させる場合、分散助剤を使用する必要が生じ(例えば特許文献3)、結果として、感光体電気特性を悪化させることになる。また、感光体用の汎用樹脂、たとえば、ポリカーボネート樹脂を使用し、4フッ化エチレン樹脂微粒子を分散すると、1次的には1μm以下の凝集体が大多数となり分散が進行する(特許文献4)が、その経時安定性について問題がある。また、電気的な安定性についても、4フッ化エチレン樹脂粒子の添加による悪化傾向が見られる。
特開平1−172970号公報 特許3148571号公報 特許3186010号公報 特開2005−43765号公報
従来、フッ素系微粒子を感光体の表面層に添加する際に、表面自由エネルギーを下げる効果のない通常のポリカーボネート樹脂を、4フッ化エチレン微粒子を添加した感光体最表面層に導入した場合、繰り返し使用による感光体の電気特性が悪化する傾向がある。
また、塗液の分散安定性の観点から、通常のポリカーボネート樹脂を使用した場合、十分な経時で十分な分散安定性を得ることが難しい。
本発明は、耐摩耗性を維持しつつ、良好な電気特性および分散性を両立した電子写真感光体を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、感光体の最表面層用塗布液が、硬化後に特定の表面自由エネルギーを示す結着樹脂ならびに特定の粒子径および特定の割合の4フッ化エチレン樹脂微粒子を含有することにより、長期間に亘り分散安定性に優れ、該塗布液を用いて作製した電子写真感光体において、感光層、電荷輸送層、または感光層を覆う保護層が最表面層になっている電子写真感光体の製造において、最表面層が、加熱乾燥後に特定の表面自由エネルギーを示す結着樹脂ならびに特定の粒子径および特定の割合の4フッ化エチレン樹脂微粒子を含有することにより耐摩耗性を維持しつつ、良好な電気特性および分散性および分散安定性を両立した電子写真感光体を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、電荷輸送物質、結着樹脂および4フッ化エチレン樹脂微粒子を含む電荷輸送層形成用塗布液であり、
前記結着樹脂が、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子を除いた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成した電荷輸送層において、25〜35mJ/mm2の範囲の表面自由エネルギー値を示し、
前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、
(1)平均粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、
(2)塗布液中の全固体成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、
(3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、
(4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含む
ことを特徴とする電荷輸送層形成用塗布液が提供される。
また、本発明によれば、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、平均粒子径0.2〜0.4μmの1次粒子を含む、前記の電荷輸送層形成用塗布液が提供される。
また、本発明によれば、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、結着樹脂成分の5〜15重量%の範囲で含まれる、前記の電荷輸送層形成用塗布液が提供される。
また、本発明によれば、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、結着樹脂成分の8〜12重量%の範囲で含まれる、前記の電荷輸送層形成用塗布液が提供される。
また、本発明によれば、前記表面自由エネルギー値が、27〜32mJ/mm2の範囲である、前記の電荷輸送層形成用塗布液が提供される。
また、本発明によれば、導電性基体上に、少なくとも電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順で積層された積層型感光層、または導電性基体上に電荷発生物質および電荷輸送物質を含む感光層が積層された単層型感光層が積層された電子写真感光体であって、該感光体の最表面層が、少なくとも電荷輸送物質、結着樹脂および4フッ化エチレン樹脂微粒子を含み、
前記結着樹脂が、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子を除いた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成した電荷輸送層において、25〜35mJ/mm2の範囲の表面自由エネルギー値を示し、
前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、
(1)平均粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、
(2)前記最表面層中の結着樹脂成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、
(3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、
(4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含む
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記最表面層が、前記の電荷輸送層形成用塗布液により作製される、前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記電荷発生物質が、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示し、かつ7.3°、9.4°、9.7°及び27.3°に回折ピークを示すか、あるいは9.4°または9.7°に第1および第2の強いピークをそれぞれ示し、かつ少なくとも7.3°、9.4°、9.7°及び27.3°に回折ピークを示す結晶形のチタニルフタロシアニンである請求項6または7に記載の電子写真感光体である前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記導電性基体上に、下引き層を介して積層型感光層が積層されている前記の電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記積層型感光層が、電荷輸送物質の含有濃度が異なる2層の電荷輸送層から形成され、前記最表面層の電荷輸送層が4フッ化エチレン樹脂微粒子を含有する前記の電子写真感光体が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着する定着手段を備える画像形成装置が提供される。
本発明によれば、良好な電気特性および分散性を両立した電子写真感光体の作製を可能とし、長期に亘り分散安定な塗布液、および該塗布液を用いて作製される耐摩耗性に優れており、良好な分散性と良好な電気特性を両立した電子写真感光体の提供が可能である。
本発明の実施の形態1に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。 本発明の実施の形態3に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係る画像形成装置の構成の断面を示す模式図である。
本発明による電荷輸送層形成用塗布液は、少なくとも特定の結着樹脂ならびに特定の粒子径を有する4フッ化エチレン樹脂微粒子を特定の割合で含み、分散性が長期間良好であることを特徴とする。
また、本発明による電子写真感光体(以下、単に「感光体」と称することもある)は、導電性基体上に、電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順で積層され感光層が形成された積層型感光体か、また導電性基体上に、電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単一の感光層が形成された単層型感光層であってもよい。
したがって、本発明による上記の電荷輸送層形成用塗布液は、積層型感光体を作成する場合には、そのまま用いることができるし、単層型感光体を作製する場合には、電荷発生物質を添加して用いることができるのも本発明の1つの特徴である。
さらに、これらの単層型または積層型感光体は、別途最表面層として保護層が設けられていてもよいが、この場合、該保護層が前記の4フッ化エチレン樹脂微粒子を含むことが好ましい。
上記の単層型または積層型感光体は、下引き層を用いることにより、更に電気的に安定化することが可能である。
本発明の画像形成装置(電子写真画像形成装置)は、前記電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着する定着手段を備えることを特徴とするが、さらに、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段と、前記電子写真感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段とを備えてもよい。また、本発明の画像形成装置は、前記電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段とを備える構成であってもよい。
以下、本発明の実施の形態および実施例について、図1〜4を参照しながら具体的に説明する。なお、以下に記述する実施の形態および実施例は本発明の具体的な一例に過ぎず、本発明はこれらよって限定されるものではない。
実施の形態1
図1は、本実施の形態に係る電子写真感光体の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る電子写真感光体1は、導電性材料から成る円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面に形成される下引き層(中間層)15と、下引き層15の外周面に形成される感光層14とを有する。
感光層14は、図1に示すように、電荷発生層12および電荷輸送層13を有する。電荷発生層12は、下引き層15の外周面に積層されており、電荷発生物質を含有する。電荷輸送層13は、電荷発生層12の外周面に積層され、電荷輸送物質を含有する。
図1の例では、感光層14を構成する層のうち電荷輸送層13が、感光体1の表面層に相当する。
導電性基体11
導電性基体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、外側に配置される層(すなわち下引き層15および感光層14)の支持部材としても機能する。
導電性基体11の形状は、本実施の形態では円筒状であるが、円筒状に限定されるものではなく、円柱状、シート状または無端ベルト状などであってもよい。
導電性基体11を構成する導電性材料としては、例えばアルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金等の導電性金属、または、当該導電性金属の合金材料が挙げられる。あるいは、前記の導電性材料として、アルミニウム、酸化錫、金、酸化インジウム等の導電性金属、または、当該導電性金属の合金材料或いは金属酸化物を用いてもよい。
また、高分子材料(ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエステル、ポリオキシメチレンもしくはポリスチレンなど)、硬質紙またはガラスなどの表面に、前記の導電性金属からなる金属箔をラミネートまたは蒸着したものを前記導電性材料としてもよい。
あるいは、前記の高分子材料、硬質紙、またはガラスなどの表面に、導電性高分子、酸化錫、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものを前記導電性材料としてもよい。以上の導電性材料を所定の形状に加工することによって導電性基体11が形成される。
導電性基体11の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施すことが好ましい。
レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体表面で反射されたレーザ光と感光体内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。しかしながら、導電性基体11の表面に上記のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
下引き層(中間層)15
導電性基体11と感光層14との間に下引き層15がない場合、導電性基体11または感光層14の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥を生じることがある。
これに対し、下引き層15を設けると、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができる。したがって、感光層14の帯電性の低下を防ぐことができ、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。
さらに、下引き層15を設けることによって、導電性基体11の表面の凸凹を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層14の成膜性を高めることができる。また感光層14の導電性基体11からの剥離を抑え、導電性基体11と感光層14との接着性を向上させることができる。
下引き層15には、各種樹脂材料から成る樹脂層またはアルマイト層などが用いられる。上記樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびポリアミド樹脂などの樹脂、ならびに、これらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース、ニトロセルロースおよびエチルセルロースなども挙げられる。
これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることが好ましい。
好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどの、いわゆるナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などを挙げることができる。
そして下引き層15に電荷調整機能をもたせるために、下引き層15にフィラーが添加される。下引き層15に添加されるフィラーとしては金属酸化物微粒子が適用される。例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび酸化錫などの粒子を挙げることができる。金属酸化物の粒子径としては、0.01〜0.3μmが適当であり、好ましくは0.02〜0.1μmである。
下引き層15は、たとえば上記の樹脂を適当な溶剤中に溶解または分散させて下引き層用塗布液を作成し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布することによって形成される。下引き層15に前記の酸化物微粒子などを含有させる場合には、例えば前記の樹脂を適当な溶剤に溶解させて得られる樹脂溶液中に、金属酸化物微粒子を分散させて下引き層用塗布液を作成し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布することによって下引き層15を形成することができる。
下引き層用塗布液の溶剤には、水もしくは各種有機溶液、またはこれらの混合溶液が用いられる。たとえば、水、メタノール、エタノールもしくはブタノールなどの単独溶剤、または水とアルコール類の混合溶液、2種類以上のアルコールの混合溶液、アセトンもしくはジオキソランなどとアルコール類との混合溶液、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどのハロゲン系有機溶剤とアルコール類などとの混合溶剤が用いられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
前記の金属酸化物の微粒子を樹脂溶液(下引き層用塗布液)に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカなどを用いる一般的な方法を使用できる。また、微小空隙中に分散液を超高圧で通過させることによって発生する非常に強いせん断力を利用したメディアレスタイプの分散装置を利用することによって、より安定な分散塗液を製造することが可能となる。
下引き層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの中でも、特に浸漬塗布法は、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、下引き層15を形成する場合に多く利用されている。
下引き層15の膜厚は、0.01〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜10μmである。
下引き層15の膜厚が0.01μmよりも薄いと、実質的に下引き層15として機能しなくなり、導電性基体11の凸凹を被覆して均一な表面性を得ることができず、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができなくなり、感光層14の帯電性の低下が生じる。また、下引き層15の膜厚を20μmよりも厚くすることは、下引き層15を浸漬塗布法によって形成する場合に、下引き層15の形成が困難になるとともに、下引き層15上に感光層14を均一に形成することができず、感光体の感度が低下するので好ましくない。したがって、下引き層15の膜厚の好適な範囲を、0.01〜20μmが適当であると判断した。
電荷発生層12
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。
上記の電荷発生物質として有効な物質としては、有機系顔料を含む有機系光導電性材料および無機顔料を含む無機系光導電性材料が挙げられる。
上記有機系光導電性材料としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料が挙げられる。
また、上記無機系光導電性材料としては、セレン、セレン合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、その他の無機光導電体が挙げられる。
電荷発生物質は、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などの増感染料と組み合わせて使用してもよい。
電荷発生層12の形成方法としては、前記の電荷発生物質を導電性基体11の表面に真空蒸着する方法、または前記の電荷発生物質を適当な溶剤中に分散して得られる電荷発生層用塗布液を導電性基体11の表面に塗布する方法などが用いられる。
とくに、結着剤である結着樹脂を溶剤中に混合して得られる結着樹脂溶液中に、電荷発生物質を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を作成し、得られた塗布液(塗工液)を導電性基体11の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
電荷発生層12に用いられる結着樹脂としては、たとえばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂およびポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、ならびに、これらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。
共重合体樹脂の具体例としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などを挙げることができる。
結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用することができる。これらの樹脂は、1種を単独で使用しれてもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
電荷発生層用塗布液の溶剤には、例えばジクロロメタンもしくはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンもしくはシクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフランもしくはジオキサンなどのエーテル類;1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類;ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素類;またはN,N−ジメチルホルムアミドもしくはN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが用いられる。
上記の溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。上記の溶剤は、1種が単独で使用してもよく、2種以上の混合溶剤として使用してもよい。
電荷発生物質と結着樹脂とを含んで構成される電荷発生層12において、電荷発生物質の重量W1と結着樹脂の重量W2との比率W1/W2は、100分の10(10/100)〜100分の400(400/100)であることが好ましい。
前記比率W1/W2が10/100未満であると、感光体1の感度が低下することもある。
逆に、前記比率W1/W2が400/100を超えると、電荷発生層12の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大するので、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなることもある。
したがって、前記比率W1/W2の好適な範囲は10/100〜400/100であると判断した。
電荷発生物質は、結着樹脂溶液中に分散される前に、予め粉砕機によって粉砕処理されてもよい。
粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などを挙げることができる。
また、電荷発生物質を結着樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどを挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択するのが好ましい。
電荷発生層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの塗布方法のうちから、塗布の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を選択することができる。
これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面上に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体を製造する場合に多く利用されている。
なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層12の膜厚は、0.05〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下することもある。
逆に、電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12の内部での電荷移動が感光層12の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下することもある。
したがって、電荷発生層12の膜厚は、0.05〜5μmであると判断した。
電荷輸送層13
電荷発生層12の外周面には電荷輸送層13が設けられる。電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、電荷輸送物質を結着させる結着樹脂とを含む。
なお、電荷輸送層13には、耐摩耗性等を向上させる目的として、フィラー粒子を添加できる。
さらに、電荷輸送層13には、酸化防止剤、増感剤や必要に応じて可塑剤またはレべリング剤などの各種添加剤を添加できる。
また、電荷輸送層13には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。すなわち、成膜性、可撓性または表面平滑性を向上させるために、可塑剤またはレベリング剤などを電荷輸送層13に添加してもよい。上記可塑剤としては、たとえばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などを挙げることができる。また、上記レベリング剤としては、たとえばシリコーン系レベリング剤などを挙げることができる。
上記電荷輸送物質としては、エナミン誘導体、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体およびベンジジン誘導体などを挙げることができる。
電荷輸送層13を構成する結着樹脂には、透明性や耐刷性に優れるなどの理由から、当該分野で周知のポリカーボネートを主成分とするポリカーボネート樹脂が好適に選択される。
その他、上記のポリカーボネート樹脂以外に第2成分である結着樹脂として、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂、または、これらを構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、あるいは、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびフェノール樹脂またはポリカーボネート骨格とポリジメチルシロキサン骨格を有する共重合体樹脂などを用いることができる。
またこれらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂を用いてもよい。
これらの樹脂は単独で使用してもよく、また、2種以上の混合物を使用してもよい。
なお、上記のポリカーボネート樹脂が主成分であるとは、電荷輸送層を構成する総結着樹脂中におけるポリカーボネート樹脂の重量%が、最も高い割合を占めることを意味し、好ましくは50〜90重量%の範囲であることを意味する。
また、上記の第2成分である結着樹脂とは、電荷輸送層13を構成する結着樹脂の合計重量に対して、上記のポリカーボネート樹脂の含有量より低く、10〜50重量%の範囲で用いられ得る結着樹脂を意味する。
また、電荷輸送層における電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、重量比で10/10〜10/18の範囲が好ましい。
上記のフィラー粒子には、大別して、有機系フィラー粒子と金属酸化物を中心とする無機系フィラー粒子とがあるが、基本的な要件として以下の制約がある。すなわち、電荷輸送層13の比誘電率が、有機感光体の平均的な比誘電率(εr≒3)と比較して、εr>10のように著しく大きくなると、電荷輸送層13が不均一となって電気特性に弊害が生じると考えられるため、電荷輸送層13の比誘電率は比較的小さくすべきである。
この点を考慮すると、有機系フィラー粒子が金属酸化物よりも有利である。
さらに、有機系フィラー粒子のなかでも、フッ素系微粒子(フッ素系樹脂微粒子)が潤滑性に優れている。
そこで、本発明では、電荷輸送層13に添加するフィラー粒子であるフッ素系粒子として4フッ化エチレン樹脂(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)微粒子を使用するのが特徴である。
上記の4フッ化エチレン樹脂微粒子は、
(1)平均粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、
(2)電荷輸送層の結着樹脂成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、
(3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、
(4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含む
ことを特徴とする
なお、4フッ化エチレン樹脂微粒子を電荷輸送層に添加する場合には、光散乱および電荷輸送層13内での電気的キャリアへの弊害をできるだけ少なくするため、粒子径が小さい4フッ化エチレン樹脂微粒子を使用することが好ましい。そのため、本発明においては、平均1次粒子径が0.1〜0.5μm、より好ましくは0.2〜0.4μmであるPTFE微粒子が好適に用いられる。
PTFE微粒子の平均1次粒子径が0.1μより小さくなると、1次粒子同士の凝集が顕著になり光散乱が大きくなる。
またPTFE微粒子の平均1次粒子が0.5μmより大きくなると、それに伴い1次粒子による光散乱が大きくなる。
したがって、PTFE微粒子の平均1次粒子の粒径は0.1〜0.5μmが適正な範囲であると判断した。
また、好ましくは上記の4フッ化エチレン樹脂微粒子は、電荷輸送層における結着樹脂に対して1〜30重量%の範囲で含有されるのが好ましい。
前記の4フッ化エチレン樹脂粒子が、電荷輸送層における結着樹脂に対して1〜30重量%、より好ましくは5〜15重量%の範囲で含有されることによって、耐刷性に優れ、かつ電気特性の安定化を両立される感光体が提供される。
なお、電荷輸送層における結着樹脂に対する4フッ化エチレン樹脂微粒子の含有濃度が、1重量%未満では4フッ化エチレン樹脂微粒子の添加による感光体の耐摩耗性の改善効果が見られない。
また、電荷輸送層における結着樹脂に対する4フッ化エチレン樹脂微粒子の含有濃度が、30重量%以上では、感光体の電気特性の悪化が顕著となり、画像形成装置における実使用に耐えることができない。
また、フィラー粒子としての4フッ化エチレン樹脂粒子を分散させる方法としては、下引き層に添加する酸化物微粒子と同様に、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカなどを用いる一般的な方法を使用することができる。また、分散液を微小空隙中に超高圧で通過させることによって発生する非常に強いせん断力を利用したメディアレスタイプの分散装置を利用することによって、より安定な分散塗液を製造することが可能となる。
電荷輸送層13は、前記の電荷発生層12を塗布によって形成する場合と同様に、例えば適当な溶媒中に、電荷輸送物質、結着樹脂、前記フィラー粒子、および/または前記添加剤を溶解または分散させて電荷輸送層形成用塗布液を作成し、得られた塗布液(塗工液)を電荷発生層12の外周面上に塗布することによって形成される。
電荷輸送層形成用塗布液の溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
また、上記の溶媒に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶媒をさらに加えて使用することもできる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように種々の点で優れているので、電荷輸送層13を形成する場合にも多く利用されている。
電荷輸送層13の膜厚は、5〜40μm、より好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層13の膜厚が5μm未満であると、帯電保持能が低下するので好ましくない。
また、電荷輸送層13の膜厚が40μmを超えると、感光体1の解像度が低下するので好ましくない。
したがって、電荷輸送層13の膜厚の好適な範囲を、5〜40μmであると判断した。
感光層14に対する添加剤
感光層14の各層(電荷発生層12および電荷輸送層13)には、感度の向上を図り、さらに繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などを抑えるために、電子受容物質および色素などの増感剤を1種または2種以上添加してもよい。
上記電子受容物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物、またはジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料などを用いることができる。またこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどを用いることもできる。
上記色素としては、例えばキサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料または銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物を用いることができる。これらの有機光導電性化合物は光学増感剤として機能する。
また、感光層14の各層には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加してもよい。特に電荷輸送層14bには、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加することが好ましく、各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。
さらに、酸化防止剤の電荷輸送層13への添加により、オゾン、窒素酸化物などの酸化性ガスに対する感光層の劣化を低減することができる。上記酸化防止剤としては、フェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物またはアミン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体もしくはヒンダードアミン誘導体、またはこれらの混合物が好適に用いられる。
実施の形態2
(変形例)
上記実施の形態1では、感光層14が電荷発生層12と電荷輸送層13とで構成される形態を説明したが、図2に示す感光体1のように、感光層14が単一の層で形成されてもよい。つまり、導電性材料から成る円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層される層であって電荷発生物質及び電荷輸送物質を含有する感光層14とで形成されてもよい。この場合、本発明による電荷輸送層形成用塗布液に電荷発生物質を添加して分散し単層型感光層用塗布液とすることができる。
図2の構成において、感光層14の全体が感光体1の表面層であり、感光層14に対して、前記のPTFE微粒子が添加される。
実施の形態3
また、図3に示すように、電荷輸送層が複数形成されていてもよい。図3の感光体1は、導電性基体11と、導電性基体11の外周面に形成される感光層14とを備える。感光層14は、導電性基体11の外周面に形成される電荷発生層12と、電荷発生層12の外周面に形成される第1電荷輸送層13Aと、第1電荷輸送層13Aの外周面に形成される第2電荷輸送層13Bとを備えている。図3の感光体1においては、第1電荷輸送層13Aの電荷輸送物質の含有量と第2電荷輸送層13Bの含有量とが異なるように形成される。また、図3の構成においては、感光層14を構成する各層のうち第2電荷輸送層13Bが最表面層に相当し、第2電荷輸送層13Bに対して、前記の4フッ化エチレン樹脂微粒子が添加される。
また、感光層の外周面に保護層が形成されており、当該保護層を表面層とする感光体に対しても本発明の一態様を適用可能である。この態様では、保護層の結着樹脂に4フッ化エチレン樹脂微粒子が添加されるのが好ましい。
感光体の表面自由エネルギー
感光体の表面濡れ性を表す指標として、たびたび表面自由エネルギー(γ)が使われる。濡れ性を悪くする、すなわち表面のはじきを良くするためには、表面自由エネルギーが低い材料が使われる。PTFE微粒子はその代表的なもので広く用いられている。また、感光体表面(多くは電荷輸送層になるが)に使用される結着樹脂に表面自由エネルギーが低い成分を混合して感光層表面のγ値を下げ得る。
例えば、シロキサン骨格を有する繰り返し構造を共重合体として用いる場合がある。またフッ化エチレン骨格を含有する共重合結着樹脂を用いられる場合がある。
これらの共重合体の構成成分比を変化させることにより、形成される感光層表面の表面自由エネルギーをコントロールすることが可能となる。
実施の形態4
画像形成装置について
次に、本発明による感光体を備えた電子写真方式の画像形成装置について説明する。
図4は、本実施の形態の画像形成装置30の内部を示した断面模式図である。
画像形成装置30はレーザプリンタである。画像形成装置30は、感光体1、半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34、ミラー35、コロナ帯電器36、現像器37、転写紙カセット38、給紙ローラ39、レジストローラ40、転写帯電器41、分離帯電器42、搬送ベルト43、定着器44、排紙トレイ45、クリーナ46を備える。
感光体1は、図示しない駆動手段によって矢符47の方向に回転可能なように画像形成装置30に搭載される。半導体レーザ31から出射されるレーザビーム33は、回転多面鏡32によって走査される。結像レンズ34は、f−θ特性を有し、レーザビーム33をミラー35で反射させて感光体1の表面に結像させる。感光体1を回転させながらレーザビーム33を前記のように走査して結像させ、感光体1の表面に画像情報に対応する静電潜像が形成される。
コロナ帯電器36、現像器37、転写帯電器41、分離帯電器42およびクリーナ46は、矢符47で示す感光体1の回転方向上流側から下流側に向かってこの順序で設けられる。コロナ帯電器36は、レーザビーム33の結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられ、感光体1の表面を均一に帯電させる。均一に帯電された感光体1の表面にレーザビーム33が照射(露光)されることより、照射部位とそれ以外の部位とで帯電量に差異が生じて前記の静電潜像が形成される。
現像器37は、レーザビーム33の結像点よりも感光体1の回転方向下流側に設けられ、感光体1の表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。転写紙カセット38に収容される転写紙48は、給紙ローラ39によって1枚ずつ取出され、レジストローラ40によって、転写帯電器41に与えられる。転写帯電器41によってトナー像が転写紙48に転写される。分離帯電器42は、トナー像が転写された転写紙を除電して感光体1から分離する。
感光体1から分離された転写紙48は、搬送ベルト43によって定着器44に搬送され、定着器44によってトナー像が定着されることで画像が形成され、排紙トレイ45に排出される。なお、分離帯電器42によって転写紙48が分離された後、さらに回転を続ける感光体1は、その表面に残留するトナーおよび紙粉などの異物がクリーナ46によって清掃される。感光体1のうち清掃された箇所は除電器(除電ランプ)50によって除電される。このような一連の画像形成プロセスが、感光体1の回転によって繰り返される。
なお、画像形成装置30は、図4に示す構成に限定されるものではなく、感光体を使用するものであれば、モノクロプリンタおよびカラープリンタのいずれであってもよい。また、画像形成装置30は、電子写真プロセスを利用する種々のプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機などであり得る。
以下、実施例を用いて本実施の形態をさらに詳細に説明するが、本実施の形態は以下の記載に限定されるものではない。
実施例1
下引き層(中間層)の作製
酸化チタン(商品名:タイベークTTO−D−1、石原産業株式会社製)3重量部および市販のポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)2重量部を、メチルアルコール25重量部に混合し、混合物に対してペイントシェーカにて8時間分散処理を行って、下引き層形成用の塗布液3kgを作成した(分散処理後の混合物を塗布液とした)。そして、浸漬塗布法にて塗布液を導電性支持体に塗布した。具体的には、得られた塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体として直径30mm、長さ357mmのアルミニウム製のドラム状支持体を前記塗布液に浸漬した後引き上げ、膜厚1μmの下引き層(中間層)を形成した。
電荷発生層の作製
電荷発生物質として、CuKα1.541ÅのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示し、かつ7.3°、9.4°、9.7°及び27.3°に回折ピークを示すオキソチタニルフタロシアニンを電荷発生物質とし、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−2、積水化学工業株式会社製)を結着樹脂(結着樹脂)とする。そして、電荷発生物質1重量部と結着樹脂1重量部とをメチルエチルケトン98重量部に混合し、混合物をペイントシェーカにて8時間分散処理して、電荷発生層形成用の塗布液3リットルを作成した(分散処理後の混合物を塗布液とした)。そして、下引き層形成の場合と同様、浸漬塗布法にて電荷発生層形成用の塗布液を下引き層の表面に塗布した。すなわち、得られた電荷発生層形成用の塗布液を塗布槽に満たし、下引き層の形成されたドラム状支持体を塗布液に浸漬した後引きあげ、自然乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層の作製
平均1次粒子径約0.2μmを有する4フッ化ポリエチレン樹脂微粒子(ルブロンL2、ダイキン工業)6重量部に粒子分散剤としてGF−400(東亞合成)0.12重量部を加え、更に電荷輸送層結着樹脂として、TS2050(帝人化成)52.25重量部、低表面自由エネルギー(γ)ポリカーボネート:(ポリカーボネート骨格とポリジメチルシロキサン骨格を有する共重合体、粘度平均分子量(Mv):約50,000)2.75重量部、および以下の式:
で表される化合物1(T2269:東京化成工業社製、N,N,N',N',‐テトラキス(4−メチルフェニル)ベンジジン)を電荷輸送物質として35重量部使用した。
そして、テトラヒドロフランを溶剤として混合することで、固形分21重量%の懸濁液を作成した。その後、湿式乳化分散装置(NVL−AS160:吉田機械興業製)を用いて、設定圧力が100MPaの条件にて5pass操作を行って分散処理を施した。これにより、電荷輸送層形成用塗布液3kgを作成した(分散処理された液を前記塗布液とした)。
そして、浸漬塗布法にて電荷輸送層形成用の塗布液を電荷発生層表面に塗布した。すなわち、得られた電荷輸送層形成用の塗布液を塗布槽に満たし、電荷発生層の形成されたドラム状支持体を塗布液に浸漬した後引きあげ、120℃で1時間乾燥して膜厚28μmの電荷輸送層を形成した。このようにして、図1に示す構造の感光体を作製した。
またこの際上記電荷輸送層の処方から、4フッ化エチレン樹脂微粒子および分散剤を抜いた感光層を上記と同様に作成し、この感光体の最表面層の表面自由エネルギー:γ値を測定したところ34.8mJ/mm2であった。
尚、この時の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の76%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は4%であった。
実施例2
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、4フッ化エチレン樹脂微粒子8重量部および粒子分散剤としてGF−400(東亞合成)0.16重量部を加えた以外は、実施例1と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の76%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、3.8%であった。
実施例3
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、4フッ化エチレン樹脂微粒子10重量部および粒子分散剤としてGF−400(東亞合成)0.2重量部を加えた以外は、実施例1と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の76%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、3.9%であった。
実施例4
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、4フッ化エチレン樹脂微粒子12重量部および粒子分散剤としてGF−400(東亞合成)0.24重量部を加えた以外は、実施例1と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の76%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、4.0%であった。
実施例5
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、4フッ化エチレン樹脂微粒子14重量部および粒子分散剤としてGF−400(東亞合成)0.28重量部を加えた以外は、実施例1と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の73%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、4.2%であった。
実施例6
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、電荷輸送層結着樹脂として、TS2050(帝人化成)49.5重量部、上記低γポリカーボネート5.5重量部を加えた以外は、実施例3と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の74%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、0.6%であった。
実施例7
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、電荷輸送層結着樹脂として、TS2050(帝人化成)33重量部、上記低γポリカーボネート22重量部を加えた以外は、実施例3と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の73%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、0.3%であった。
実施例8
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、電荷輸送層結着樹脂として、TS2050(帝人化成)16.5重量部、上記低γポリカーボネート38.5重量部を加えた以外は、実施例3と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の73%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、0.3%であった。
実施例9
実施例1と同様に、下引き層を作成したのちオキソチタニルフタロシアニンの結晶形をX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°または9.7°に第1および第2の強いピークをそれぞれ示し、かつ少なくとも7.3°、9.4°、9.7°及び27.3°に回折ピークを示すものを使用した以外は実施例1と同様に電荷発生層を形成し、その後、電荷輸送層は、実施例3と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の76%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、4%であった。
比較例1
実施例3と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、電荷輸送層塗液に4フッ化エチレン微粒子および分散剤を投入せず、テトラヒドロフランを溶剤として混合攪拌して電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
比較例2
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、4フッ化エチレン樹脂微粒子4重量部および粒子分散剤としてGF−400(東亞合成)0.08重量部を加えた以外は、実施例1と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の76%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、3.8%であった。
比較例3
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、4フッ化エチレン樹脂微粒子18重量部および粒子分散剤としてGF−400(東亞合成)0.36重量部を加えた以外は、実施例1と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の76%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、4.5%であった。
比較例4
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、電荷輸送層結着樹脂として、TS2050(帝人化成)53.9重量部、上記低γポリカーボネート1.1重量部を加えた以外は、実施例3と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の83%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、0.2%であった。
比較例5
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、電荷輸送層結着樹脂として、TS2050(帝人化成)11重量部、上記低γポリカーボネート44重量部を加えた以外は、実施例3と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の73%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、0.3%であった。
比較例6
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、電荷輸送層結着樹脂として、TS2050(帝人化成)55重量部を加えた以外は、実施例3と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の95%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、0.2%であった。
比較例7
実施例1と同様に、下引き層および電荷発生層を作成した。その後、比較例6とどうようの配合比率で分散をおこなうが、分散条件を設定圧力が50MPaの条件にて5pass操作に変更して実施し、実施例3と同様に電荷輸送層形成用塗布液を作成し、次いで該塗布液を用いて感光体を作成した。
その際の1μm未満の1次あるいは2次粒子径の個数の含有割合は、全体の73%であった。また、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μm以上の粒子の体積頻度は、6.2%であった。
実施例および比較例の評価
塗膜中の1次粒子および1μ未満の2次粒子の分布評価
フッ素系樹脂粒子の「1次粒子」とは、フッ素系樹脂の分子間の結合を破壊することなく存在する最小単位の粒子をいい、「2次粒子」とは、1次粒子が複数個凝集して形成された粒子をいう。また、本明細書において「1次粒子と2次粒子との総数」とは、上述した「1次粒子」の個数と「2次粒子」の個数を合わせた個数を指すが、「1次粒子」の個数には、2次粒子を構成する1次粒子は勘定しなかった。
また、「1次粒子」の個数及び「2次粒子」の個数は、以下のようにして測定される。すなわち、TEM(透過型電子顕微鏡)などの顕微鏡を用いて、感光体の表面層を撮影してその写真を得る。そして、表面層写真において観察される「1次粒子」及び「2次粒子」の個数を目視により勘定することによって測定した。
表面自由エネルギーの測定
感光体表面自由エネルギーは、接触角測定機CA−X(協和界面株式会社製)および解析ソフトEG−11(協和界面株式会社製)によって求めた。
分散安定性の評価
実施例1〜9および比較例2〜7について、用いた電荷輸送層用の塗布液中の4フッ化エチレン樹脂粒子の分散状態の安定性(分散安定性)を、レーザ回折式粒度分布測定装置(マイクロトラックMT−3000II、日機装社製)を用いて評価した。
具体的には、各塗布液を分散終了後、直ちにサンプル管(50ml)中に40ml移しとり、恒温保管庫(20℃)で3ヶ月静置保管後の凝集粒子の凝集粒子径(メジアン径;D50)を測定した。
そして、ここで測定した凝集粒子径(攪拌後粒子径)を用いて分散安定性の評価を以下のように行った。
VG:非常に良好である(凝集粒子径<0.8μm)。
G:良好である(0.8≦凝集粒子径<1.5μm)。
NB:実使用可能なレベルである(1.5≦凝集粒子径<4.0μm)。
B:実使用不可である(4.0μm≦凝集粒子径)。
実写膜べり量の評価
上記、実施例1〜9および比較例1〜7で得られた感光体をデジタル複写機(商品名:MX−2600、シャープ株式会社製)を改造した試験用複写機に感光体を搭載した。そして、画像形成工程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(TREK JAPAN社製、mode1344)を設けた。なお、感光体を露光するための光源として波長780mmのレーザ光源を用いた。
各評価感光体ドラムについて、10万枚の実写前の感光体膜厚と10万枚の実写後の感光体膜厚との差を比較した10万枚実写による感光体膜厚の変化量を、渦電流式膜厚計(フィッシャー社製)を用いて測定し、測定値を感光体10万回転当たりの膜べり量に換算し、前記の変化量をそのまま膜べり量とした。この10万回転当たりの膜べり量に基づいて膜べり評価を以下のように行った。
VG:非常に良好である(膜べり量<0.8μm)。
G:良好である(0.8μm≦膜べり量<1.0μm)。
NB:やや良好である(1.0≦膜べり量<2.0μm)。
B:良好でない(2.0μm<膜べり量)。
電気特性の評価
実施例1〜9および比較例1〜7の感光体に対する電気特性(感度)を以下のようにして評価した。
上記のデジタル複写機(商品名:MX−2600、シャープ株式会社製)を改造した試験用複写機を用いて、実施例1〜9および比較例1〜7で作製した感光体について、常温/常湿(N/N)の環境下で、初期(印刷前)の感光体の表面電位VLおよび10万枚連続印刷後の感光体の表面電位VLを測定した。なお、本実施の形態においてN/N環境は、25℃且つ50%RH(相対湿度)を指す。また、表面電位VLは、露光時における黒地部分の感光体の表面電位、すなわち現像部での感光体の表面電位を指す。
つぎに、実施例1〜9および比較例1〜7について、10万枚連続印刷後の表面電位VLから初期の表面電位VLを引いた値ΔVLを算出した。そして、感光体の電気特性の評価を以下のように行った。
VG:非常に良好である(0≦ΔVL<15)。
G:良好である(15≦ΔVL<50)。
NB:実使用上問題なしである(50≦ΔVL<100)。
B:実使用不可である(100≦ΔVL)。
総合評価
上記の分散安定性、電気特性および電気特性の各評価結果を考慮して、以下の判断基準により、総合的に判定した。
VG:非常に良好である(上記3種個別判定の内2つ以上がVG、残りG)。
G:良好である (上記3種個別判定の内3つともG、若しくは2つVGで1つがNB)。
B:実使用不可である (上記3種個別判定の内1つ以上Bを含む)。
以上に示したように、感光体の最表面層に4フッ化エチレン樹脂微粒子を導入した層に微粒子のない状態での当該層の表面自由エネルギーが35mJ/mm2以下となるような感光体構成成分である結着樹脂を選択し、かつ凝集粒子径が1μm未満のものが、その総数の80%未満であり、かつ、塗工直前の微粒子分散塗液中の3μ以上の2次粒子の割合が5%以下にすることによって、塗液としての安定性にも優れた電荷輸送層形成用塗布液を提供できる。そして、該塗布液を用いて電子写真感光体を作製することにより、電気特性が安定した電子写真感光体および画像形成装置を提供することができる。
すなわち、低い表面自由エネルギー値を維持できるような分子構造ユニットを繰り返し構造中に含有する電荷輸送層結着樹脂を使用することにより、分散系中に分散剤によって分散する4フッ化エチレン樹脂微粒子の分散性を補間していると考えられる。結果として、分散状態の塗布液としての高い分散安定性を確保することが可能となるものと考えられる。
但し、過度の分散力を施して分散体を調製した場合には、比較定大きな2次粒子の凝集体を崩して1次的に1次粒子としての小粒子にまで分散できるが、この様な分散体は、経時に変化して分散状態の悪化傾向が大きくなることが見受けられた。
また、逆に低い表面自由エネルギー値を維持できるような分子構造ユニットを繰り返し構造中に含まない結着樹脂を使用して電荷輸送層形成用塗布液を調製した場合、1μm未満に分散した粒子を形成することが可能となるが、塗布液の状態での高い分散性を保持することができずに塗液性能が悪化し、該塗布液を用いて作製した感光体では、電気特性面の悪化をもたらす。またこのような悪化を防ぐために、分散剤を多量に添加すると塗布液としては分散体自体は安定化するが、該塗布液を用いて作製した電子写真感光体では、分散剤の増加により電気特性が大きく悪化するため、この様な電子写真感光体の実使用はできないことが判った。
したがって、本発明の規定の範囲で、各成分を使用することが必要であることが判った。
本発明は、長期的に使用でも電気的特性の劣化を生じない電子写真感光体を作製できる電荷輸送層形成用塗布液および該塗布液を用いて作製され、電子写真方式のプリンタ、複写機、複合機、ファクシミリ等の画像形成装置に搭載される電子写真感光体ならびに画像形成装置を提供できる。
1 電子写真感光体
11 導電性基体
12 電荷発生層
13,13A,13B 電荷輸送層
14 感光層
15 下引き層(中間層)
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
33 レーザビーム
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
47 矢符
48 転写紙
49 露光手段
50 除電器
かくして、本発明によれば、電荷輸送物質、結着樹脂および4フッ化エチレン樹脂微粒子を含む電荷輸送層形成用塗布液であり、
前記結着樹脂が、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子を除いた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成した電荷輸送層において、25〜35mJ/mm2の範囲の表面自由エネルギー値を示し、
前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、
(1)平均粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、
(2)塗布液中の全固体成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、
(3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、
(4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含むことを特徴とする電荷輸送層形成用塗布液が提供される。
また、本発明によれば、導電性基体上に、少なくとも電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順で積層された積層型感光層、または導電性基体上に電荷発生物質および電荷輸送物質を含む感光層が積層された単層型感光層が積層された電子写真感光体であって、該感光体の最表面層が、少なくとも電荷輸送物質、結着樹脂および4フッ化エチレン樹脂微粒子を含み、
前記結着樹脂が、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子を除いた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成した電荷輸送層において、25〜35mJ/mm2の範囲の表面自由エネルギー値を示し、
前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、
(1)平均粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、
(2)前記最表面層中の結着樹脂成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、
(3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、
(4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含む
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記電荷発生物質が、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示し、かつ7.3°、9.4°、9.7°及び27.3°に回折ピークを示すか、あるいは9.4°または9.7°に第1および第2の強いピークをそれぞれ示し、かつ少なくとも7.3°、9.4°、9.7°及び27.3°に回折ピークを示す結晶形のチタニルフタロシアニンである前記の電子写真感光体が提供される。
そこで、本発明では、電荷輸送層13に添加するフィラー粒子であるフッ素系粒子として4フッ化エチレン樹脂(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)微粒子を使用するのが特徴である。
上記の4フッ化エチレン樹脂微粒子は、
(1)平均粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、
(2)電荷輸送層の結着樹脂成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、
(3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、
(4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含む
ことを特徴とする

Claims (11)

  1. 電荷輸送物質、結着樹脂および4フッ化エチレン樹脂微粒子を含む電荷輸送層形成用塗布液であり、
    前記結着樹脂が、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子を除いた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成した電荷輸送層において、25〜35mJ/mm2の範囲の表面自由エネルギー値を示し、
    前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、
    (1)平均粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、
    (2)塗布液中の結着樹脂成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、
    (3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、
    (4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含む
    ことを特徴とする電荷輸送層形成用塗布液。
  2. 前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、平均粒子径0.2〜0.4μmの1次粒子を含む、請求項1に記載の電荷輸送層形成用塗布液。
  3. 前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、結着樹脂成分の5〜15重量%の範囲で含まれる、請求項1または2に記載の電荷輸送層形成用塗布液。
  4. 前記4フッ化エチレン樹脂微粒子が、結着樹脂成分の8〜12重量%の範囲で含まれる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電荷輸送層形成用塗布液。
  5. 前記表面自由エネルギー値が、27〜32mJ/mm2の範囲である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電荷輸送層形成用塗布液。
  6. 導電性基体上に、少なくとも電荷発生物質を含む電荷発生層および電荷輸送物質を含む電荷輸送層がこの順で積層された積層型感光層、または導電性基体上に電荷発生物質および電荷輸送物質を含む感光層が積層された単層型感光層が積層された電子写真感光体であって、該電子写真感光体の最表面層が、少なくとも電荷輸送物質、結着樹脂および4フッ化エチレン樹脂微粒子を含み、
    前記結着樹脂が、前記4フッ化エチレン樹脂微粒子を除いた電荷輸送層形成用塗布液を用いて形成した電荷輸送層において、25〜35mJ/mm2の範囲の表面自由エネルギー値を示し、
    (1)粒子径0.1〜0.5μmの1次粒子と、1次粒子の集合体である2次粒子の集合体である2次粒子とから構成され、
    (2)前記最表面層中の結着樹脂成分の1〜30重量%の範囲で含まれ、
    (3)80重量%未満の含有割合で1次粒子と粒子径1μm未満の2次粒子とを含み、
    (4)5重量%以下の含有割合で3μm以上の2次粒子を含む
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  7. 前記電子写真感光体の最表面層が、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電荷輸送層形成用塗布液により作製される、請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記電荷発生物質が、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示し、かつ7.3°、9.4°、9.7°及び27.3°に回折ピークを示すか、あるいは9.4°または9.7°に第1および第2の強いピークをそれぞれ示し、かつ少なくとも7.3°、9.4°、9.7°及び27.3°に回折ピークを示す結晶形のチタニルフタロシアニンである請求項6または7に記載の電子写真感光体である請求項6または7に記載の電子写真感光体。
  9. 前記導電性基体上に、下引き層を介して積層型感光層が積層されている請求項6〜8のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  10. 前記積層型感光層が、電荷輸送物質の含有濃度が異なる2層の電荷輸送層から形成され、前記最表面層の電荷輸送層が4フッ化エチレン樹脂微粒子を含有する請求項6〜9のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  11. 請求項6〜10のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着する定着手段を備える画像形成装置。
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