JP2013200477A - 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐磨耗性に優れかつ繰り返し使用にあたっても電気的に安定であり、長期にわたって安定して高品位の画質を有する画像を形成し得る電子写真感光体を提供することを課題とする。
【解決手段】導電性基体上に少なくとも感光層が形成された電子写真感光体であり、前記電子写真感光体の感光層側の最外層がフッ素系樹脂の熱処理品の微粒子を含み、かつ前記熱処理品が前記フッ素系樹脂の有する融点より20℃以上高く450℃以下の温度で熱処理されてなることを特徴とする電子写真感光体により、上記の課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐磨耗性に優れかつ繰り返し使用にあたっても電気的に安定であり、長期にわたって安定して高品位の画質を有する画像を形成し得る電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置に関する。
電子写真技術を用いて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置(「電子写真装置」ともいう)は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などに多用されている。
電子写真プロセスに用いられる電子写真感光体(「感光体」ともいう)は、導電性基体(「導電性支持体」ともいう)上に光導電性材料を含有する感光層が積層されて構成されている。
従来から、無機系光導電性材料を主成分とする感光層を備えた感光体(「無機系感光体」ともいう)が広く用いられてきたが、耐熱性、保存安定性、人体および環境に対する毒性、感度、耐久性、画像欠陥の発生、生産性、製造原価などのいずれかの点で欠点を有し、すべての点において満足のできるものが得られていない。
一方、有機系光導電性材料を主成分とする感光層を備えた感光体(「有機系感光体」または「OPC]ともいう)の研究開発が進み、現在では感光体の主流を占めてきている。
有機系感光体は、感度、耐久性および環境に対する安定性などに若干の問題を有するが、毒性、製造原価および材料設計の自由度などの点において、無機系感光体に比べて多くの利点を有している。例えば、有機系感光体は、感光層を浸漬塗布法に代表される容易かつ安価な方法で形成することができる。
有機系感光体は、有機系材料の性質上、感光体周りのクリーナなどの摺刷によってその表面が摩耗するという欠点を有する。
この欠点を克服する手段として、例えば、特許3148571公報(特許文献1)には、感光体の最表面層にフッ素系樹脂粒子を添加する技術が開示されている。フッ素系樹脂粒子は、その材料由来の高い潤滑機能から、フィラーとして、感光体の機械的特性を向上させる。また、それだけでなく、潤滑性を付与することにより、感光体のプロセス中に接触する部材との摩擦力を低減させて、感光体表面の耐刷性向上に寄与している。
しかしながら、フッ素系樹脂粒子の添加は、感光体特性の電気的な安定性を阻害する場合がある。これは、フッ素樹脂粒子の表面に形成されるであろう電気的なトラップによると想定される。これを改良する対策として、例えば、特開2006−71826号公報(特許文献2)には、予め熱処理したフッ素系樹脂粒子を感光体の最表面層に加える技術が開示されている。
特許第3148571号公報 特開2006−71826号公報
しかしながら、特許文献2の感光体では、フッ素系樹脂粒子の表面に存在するトラップ準位の低減が不十分であり、繰り返し使用に伴い感光体の電気特性の変動が生じるという課題がある。
すなわち、フッ素系樹脂粒子の添加により、優れた耐摩耗性と感光体特性の安定化とを図る必要がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解消して、耐磨耗性に優れかつ繰り返し使用にあたっても電気的に安定であり、長期にわたって安定して高品位の画質を有する画像を形成し得る電子写真感光体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、導電性基体上に形成された感光層を有する感光体において、その感光体の最表面層が融点より高い温度で熱焼成してなるフッ素系樹脂の微粒子を含有することにより、耐摩耗性に優れ、かつ繰り返し使用にあたっても電気的に安定な感光体を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、導電性基体上に少なくとも感光層が形成された電子写真感光体であり、前記電子写真感光体の感光層側の最外層がフッ素系樹脂の熱処理品の微粒子を含み、かつ前記熱処理品が前記フッ素系樹脂の有する融点より20℃以上高く450℃以下の温度で熱処理されてなることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、本発明の感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段を少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、耐磨耗性に優れかつ繰り返し使用にあたっても電気的に安定であり、長期にわたって安定して高品位の画質を有する画像を形成し得る電子写真感光体を提供することができる。
すなわち、本発明によれば、感光体の最上層に融点より高い温度で熱処理してなるフッ素系樹脂の微粒子を含有させることにより、フッ素系樹脂の微粒子の表面におけるトラップ、つまり徐電後の残留電位が低減あるいは連続した次プロセスにおける帯電電位低下を抑制し、耐磨耗性に優れ、長期にわたって電気的に安定な感光体を提供することできる。
また、本発明の感光体は、フッ素系樹脂がポリテトラフルオロエチレンである場合に、フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子が3μm以下、好ましくは1μm以下の1次粒子のメジアン径D50を有する場合に、フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子が最外層中に8〜20重量%含有されてなる場合に、また導電性基体と感光層との間に下引き層を有する場合に、上記の効果がさらに発揮される。
本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の要部の構成を示す模式側面図である。
本発明の感光体は、導電性基体上に少なくとも感光層が形成された電子写真感光体であり、前記電子写真感光体の感光層側の最外層がフッ素系樹脂の熱処理品の微粒子を含み、かつ前記熱処理品が前記フッ素系樹脂の有する融点より20℃以上高く450℃以下の温度で熱処理されてなることを特徴とする。
すなわち、本発明の特徴は、その最外層にフッ素系樹脂の熱処理品の微粒子を含有することにある。
まず、フッ素系樹脂微粒子の熱処理品の微粒子について説明し、その後で感光体の各構成について説明する。
熱処理前のフッ素系樹脂微粒子の樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);ポリパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、ポリパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などのポリパーフルオロ(アルキルビニルエーテル);ポリヘキサフルオロプロピレンなどが挙げられ、樹脂は、溶融加工できないという性質を損なわない範囲の量で変性されていてもよい。これらの樹脂は、1種を単独で2種以上を組み合わせて用いることができる。また、樹脂の製造方法としては、乳化重合法、懸濁重合法などが挙げられる。これらの樹脂の中でも、電気的/機械的安定性あるいは耐摩耗性の保持の点でPTFEが特に好ましい。
フッ素系樹脂の熱処理品は、そのフッ素系樹脂の有する融点より20℃以上高く450℃以下の温度(焼成)されてなる。
熱処理により、フッ素系樹脂の表面に存在する不純物が排除されると共に、その内部の構造的な欠陥なども排除され、融点以下の熱処理では得られない、電気的なトラップ準位のない感光体を形成できるものと考えられる。
熱処理温度の基準となるフッ素系樹脂の融点は、その種類や重合度により異なるが、一般に320〜350℃程度である。
熱処理温度は、フッ素系樹脂の有する融点より20℃以上高く450℃以下の温度であり、好ましくは400℃以下である。
熱処理温度がフッ素系樹脂の融点+20℃未満では、フッ素系樹脂微粒子の表面および内部におけるトラップ準位の排除が十分に進まず、本発明の効果が得られないことがある。一方、熱処理温度が450℃を超えると、フッ素樹脂の分解に伴う構造劣化が支配的となり、特性の悪化を招くことがある。
熱処理時間は、フッ素系樹脂の種類などにより適宜設定すればよいが、通常、1〜8時間程度である。
また、熱処理には、マッフル炉などの公知の焼成炉を用いることができ、ソルトバス焼成などの方法を用いることもできる。熱処理雰囲気は、通常、開放型の酸化雰囲気でよい。
重合や熱処理により得られたフッ素系樹脂の粗粒は、通常の粉体を微粒子化する技術、例えば、粉砕機、分級機などを用いて、所望の粒径に調整してもよい。
フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子は、4μm以下の1次粒子のメジアン径D50を有するのが好ましく、3μm以下がより好ましく、1μ以下がさらに好ましい。
1次粒子のメジアン径D50が4μmを超えると感光体表面の凹凸が激しくなり、書き込みレーザー光の散乱あるいは現像特性の位置ばらつきが大きくなり結果として、画質劣化を招くことがある。また、1次粒子のメジアン径D50の下限は0.1μm程度である。
フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子の粒子形状は、球形が好ましく、その球形度は0.7以上が好ましく、0.9以上がより好ましい。
上記の条件を満足するフッ素系樹脂の熱処理品の微粒子として、市販品を用いてもよく、例えば、実施例において用いた、株式会社喜多村よりフッ素樹脂潤滑用添加剤KT/KTLシリーズとして販売されている、品名KTL−1N、KTL−2Nなどが挙げられる。また、上記のシリーズには、フッ素系樹脂の未焼成品(熱処理されていないもの)、例えば、品名KTL−8Fなどがあるが、このような未焼成品については、上記の条件で熱処理して用いることができる。
本発明の感光体について図面を用いて説明するが、以下に示す形態は一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1〜3は、それぞれ本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1の感光体2は、導電性材料からなる円筒状の導電性基体11の外周面上に、下引き層15と感光層14とがこの順で積層されてなる。感光層14は、導電性基体11側から順次積層される、電荷発生物質を含有する電荷発生層12と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層13とからなる。このような感光層を「積層型感光層」ともいう。
本発明の感光層は、図2に示されるように、単一の層で構成されてもよい。
図2の感光体は、導電性基体11の外周面上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する感光層14とがこの順で積層されてなる。このような感光層を「単層型感光層」ともいう。
図3の感光体は、図1の感光体の変形例であり、図1の電荷輸送層13が、導電性基体11側から順次積層される、電荷輸送層13Aと電荷輸送層13Bとからなる。
(導電性基体11)
導電性基体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、上部に配置される層、すなわち下引き層15および感光層14の支持部材としても機能する。
導電性基体の構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属および合金材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、セルロース、ポリ乳酸などの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料または合金材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム、カーボンブラックなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性基体の形状としては、シート状、円筒状、円柱状、無端ベルト(シームレスベルト)状などが挙げられる。
導電性基体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
乱反射処理は、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスにおいて本発明による感光体を用いる場合に特に有効である。すなわち、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体の表面で反射されたレーザ光と感光体の内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像に現れて画像欠陥の発生することがある。そこで、導電性基体の表面に乱反射処理を施すことにより、波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
(下引き層(「中間層」ともいう)15)
本発明の感光体は、導電性基体11と電荷発生層12との間に下引き層15を有するのが好ましい。
下引き層15を設けることにより、導電性基体11表面の凸凹を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層14(本発明の場合には電荷発生層12)の成膜性を高め、感光層14の導電性基体11からの剥離を抑え、導電性基体11と感光層14との接着性を向上させることができる。
具体的には、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入が防止され、感光層14の帯電性の低下を防ぎ、画像のかぶり(いわゆる黒ぽち)を防止することができる。
下引き層は、例えば、樹脂材料を適当な溶剤に溶解させて下引き層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成することができる。また、導電性基体の構成材料がアルミニウムの場合には、その酸化によりアルマイトを含む層(アルマイト層)を形成し、下引き層とすることができる。
樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびポリアミド樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などの合成樹脂に加えて、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース、ニトロセルロースおよびエチルセルロースなどの天然高分子が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることが好ましい。
好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどの単独重合または共重合ナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などが挙げられる。
下引き層用塗布液の溶剤としては、水もしくは各種有機溶剤およびこれらの混合溶剤が用いられる。例えば、水、メタノール、エタノールもしくはブタノールなどの単独溶剤、または水とアルコール類、2種類以上のアルコール混液、アセトンもしくはジオキソランなどとアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどのハロゲン系有機溶剤とアルコール類などの混合溶剤が用いられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
また、下引き層は、電荷調整機能をもたせるために、金属酸化物粒子などのフィラー粒子を含有していてもよい。
金属酸化物粒子は、下引き層の体積抵抗値を容易に調節でき、感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持することができる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび酸化スズなどの粒子が挙げられ、その平均粒子径は0.01〜0.3μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは0.02〜0.1μmの範囲である。
下引き層用塗布液中における樹脂材料と金属酸化物との合計重量をA、下引き層用塗布液に使用されている溶剤の重量をBとするとき、両者の重量比率(A/B)は、1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。
また、樹脂材料の重量をC、金属酸化物の重量をDとするとき、両者の重量比率(C/D)は、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
下引き層に金属酸化物粒子などの粒子を含有させる場合には、例えば、樹脂材料を適当な溶剤中に溶解または分散させて得られる溶液中に、金属酸化物粒子を分散させて下引き層用塗布液を調製すればよい。
金属酸化物粒子を樹脂溶液中に分散させるために、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機およびペイントシェーカーなどの公知の装置を用いてもよい。
下引き層用塗布液の塗布方法は、塗布液の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を適宜選択すればよく、例えば、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などが挙げられる。
これらの塗布方法の中でも、浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体の製造に好適に用いることができる。浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置が設けられていてもよい。
自然乾燥により塗膜中の溶剤を除去してもよいが、加熱により強制的に塗膜中の溶剤を除去してもよい。
このような乾燥工程における温度は、使用した溶剤を除去し得る温度であれば特に限定されないが、50〜140℃程度が適当であり、80〜130℃程度が特に好ましい。
乾燥温度が50℃未満では、乾燥時間が長くなることがあり、また溶剤が充分に蒸発せず感光体層中に残ることがある。また、乾燥温度が約140℃を超えると、感光体の繰り返し使用時の電気的特性が悪化して、得られる画像が劣化することがある。
このような温度条件は、下引き層のみならず後述する感光層などの層形成や他の処理においても共通する。
下引き層の膜厚は特に限定されないが、好ましくは0.01μm以上20μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上10μm以下である。
下引き層の膜厚が0.01μm未満では、実質的に下引き層15として機能しなくなり、導電性基体11の凸凹を被覆して均一な表面性を得ることができず、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができなくなり、感光層14の帯電性の低下が生じることがある。
一方、下引き層の膜厚が20μmを超えると、下引き層15を浸漬塗布法によって形成することが困難になると共に、下引き層15上に感光層14を均一に形成することができず、感光体の感度が低下することがある。
(電荷発生層12)
電荷発生層は、照射された光を吸収することにより電荷を発生する電荷発生能を有する電荷発生物質を主成分とする。
電荷発生物質としては、当該分野で用いられる有機系顔料を含む有機系光導電性材料および無機顔料を含む無機系光導電性材料が挙げられる。
有機系顔料を含む有機系光導電性材料としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料が挙げられる。
また、無機顔料を含む無機系光導電性材料としては、セレンおよびその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、その他の無機光導電体が挙げられる。
上記の電荷発生物質の中でも、電荷発生効率およびその安定性の点で、フタロシアニン、特にチタニルフタロシアニン(TiOPc)およびχ型無置換フタロシアニン(H2Pc)が特に好ましい。
電荷発生層は、本発明の好ましい特性が損なわれない範囲内で、化学増感剤、光学増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、増感剤、レベリング剤、可塑剤、無機化合物もしくは有機化合物の粒子などから選ばれる1種または2種以上の公知の添加剤を適量含有していてもよい。これらの添加剤は、後述する電荷輸送層に含有されてもよく、電荷発生層および電荷輸送層の両方に含有されてもよい
化学増感剤および光学増感剤は、感光体の感度を向上させ、繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などを抑え、電気的耐久性を向上させる。
化学増感剤としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物;ジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料およびこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどが挙げられる。
光学増感剤としては、例えばキサンテン系色素、キノリン系顔料、銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料;エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料;メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料;カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料;シアニン染料;スチリル染料;ピリリウム塩染料およびチオピリリウム塩染料などが挙げられる。
酸化防止剤は、長期にわたって感度安定性を維持させることができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール:BHT)のようなヒンダードフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミンなどのアミン系酸化防止剤、ビタミンE、ハイドロキノン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄系化合物、有機燐系化合物などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の添加量は、電荷発生物質100重量部に対して0.1〜40重量部が好ましく、0.5〜15重量部が特に好ましい。
酸化防止剤の添加量が0.1重量部未満であると、塗布液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果が得られないおそれがある。また、酸化防止剤の添加量が40重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
レベリング剤および可塑剤は、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させることができる。
レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
電荷発生層は、公知の湿式法により形成することができる。
例えば、電荷発生物質および金属担持無機酸化物粒子、必要に応じて添加剤および結着樹脂を適当な溶剤に溶解または分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、得られた塗布液を導電性基体上または導電性基体上に形成された下引き層表面に塗布し、次いで乾燥して溶剤を除去する方法が挙げられる。
その他の工程およびその条件は、下引き層の形成に準ずる。
結着樹脂は、電荷発生層の機械的強度や耐久性、層間の結着性などを向上させることができ、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用できる。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂;フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
電荷発生層は、結着樹脂100重量部に対して、電荷発生物質10〜400重量部を含有するのが好ましい。
電荷発生物質の含有量が10重量部未満では、感光体の感度が低下することがある。一方、電荷発生物質の含有量が400重量部を超えると、電荷発生層の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大するので、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなることがある。
したがって、電荷発生物質の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、より好ましくは100〜300重量部であり、さらに好ましくは150〜250重量部である。
電荷発生層用塗布液の溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、およびN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤の1種を単独でまたは2種以上の混合溶剤として用いることができる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
構成物質を樹脂溶液に溶解または分散させるのに先立ち、電荷発生物質を予備粉砕してもよい。
予備粉砕は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの一般的な粉砕機を用いて行うことができる。
構成物質の樹脂溶液への溶解または分散は、例えば、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機を用いて行うことができる。このとき、容器および分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗布液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
電荷発生層の膜厚は特に限定されないが、好ましくは0.05μm以上5μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上1μm以下である。
電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感光体の感度が低下することがある。
一方、電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12内部での電荷移動が感光層14の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下することがある。
(電荷輸送層13)
電荷輸送層は、電荷発生層に含まれる電荷発生物質で発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、電荷輸送物質を結着させる結着樹脂とを主成分とし、必須成分としてフッ素系樹脂微粒子の熱処理品を、任意に公知の添加剤および結着樹脂を含有する。
電荷輸送物質としては、当該分野で用いられる化合物、例えば、エナミン誘導体、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体およびベンジジン誘導体などが挙げられる。
結着樹脂は、電荷発生層に含まれるものと同様の結着樹脂の1種または2種以上を使用できる。
これらの樹脂の中でも、ポリカーボネートを主成分とする樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリスチレン樹脂は、光化学的に安定で、電荷輸送物質との相溶性に優れ、さらに体積抵抗値が1013Ωcm以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性、透明性、耐刷性などにも優れるので好ましい。
ポリカーボネートを主成分とする樹脂は、ポリカーボネート樹脂の重量%が、電荷輸送層を構成する総結着樹脂中で最も高い割合を占めることを意味し、より好ましくは50〜90重量%の範囲を占めることを意味する。
また、第2成分の結着樹脂は、上記総結着樹脂中10〜50重量%の範囲で用いられ得る。
第2成分の結着樹脂は、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびこれらを構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、ならびにポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびフェノール樹脂ならびにこれらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独また2種以上の混合物を使用してもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質100重量部に対して、結着樹脂80〜250重量部を含有するのが好ましい。
結着樹脂の含有量が80重量部未満では、過度で電荷輸送物質の添加による帯電性の保持ができない、あるいは塗膜中での電荷輸送物質の凝集発生による画像欠陥の発生が起こることがある。一方、結着樹脂の含有量が250重量部を超えると、十分な電荷輸送能がなく、十分な露光後の電位低下が確保できないことがある。
したがって、結着樹脂の含有量は、電荷輸送物質100重量部に対して、より好ましくは100〜200重量部であり、さらに好ましい120〜180重量部である。
電荷輸送層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じて、電荷発生層に含まれるものと同様の添加剤を適量含有していてもよい。
特に、最表層となる感光層、積層型の場合には電荷輸送層は、他の部材との接触および摺刷での摩耗による性能劣化を防止するなどの目的でフィラーを含有するのが好ましい。
添加するフィラーとしては、有機系、無機系を問わず、使用することができるが、本発明では、必須のフィラーとして、フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子を含有する。
フィラー粒子の基本的な用件として、次のような制約がある。
(1)電荷輸送層13内での比誘電率が有機感光体の平均的な比誘電率(εr)≒3と比較して著しく大きくなる(例えば、εr>10)、電荷輸送層13が不均一となって電気特性に弊害が生じると考えられるが、比較的比誘電率の小さいものが大きな弊害を生じないと考えられるので、有機系フィラー粒子は、金属酸化物と比較して有利である。
(2)機械的特性からみると硬度の比較的高い金属酸化物のほうが有利である場合が多く、フィラーに潤滑性を求める場合には、フッ素樹脂微粒子のような材料の選択が有利となる。
また、光散乱および電荷輸送層13内での電気的キャリアーへの弊害をできるだけ少なくするため、フィラー粒子径が小さいものを使用することが好ましい。具体的なフィラー粒子の粒子径は、前述のとおりである。
フィラー粒子の添加量は、電荷輸送物質と結着樹脂との合計重量(電荷輸送層の固形分)に対して、0.1〜30重量%であるのが好ましい。
フィラー粒子の添加量が0.1重量%未満では、十分な耐刷性の向上が得られないことがある。一方、フィラー粒子の添加量が30重量%を超えると、感光層の光透過率の低下にともなう感度の悪化が著しくなる、あるいは、粒子の凝集にともなう感光体表面の平滑性が損なわれ画質低下が著しいことがある。
したがって、フィラー粒子の添加量は、より好ましくは8〜20重量%であり、さらに好ましくは9〜15重量%である。
添加方法としては、上記のような電荷輸送層への添加が挙げられるが、別途、後述するような保護層を電荷輸送層の上部に設け、ここにフィラーを添加してもよい。
電荷輸送層は、電荷発生層と同様に、電荷輸送物質、結着樹脂および必要に応じてフィラー粒子などの添加剤を適当な溶媒に溶解または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、得られた塗布液を電荷発生層表面に塗布し、次いで乾燥して溶剤を除去することにより形成することができる。
電荷輸送層用塗布液の溶剤としては、電荷発生層用塗布液の溶剤と同様のものが挙げられる。
電荷輸送層用塗布液の調製において、フィラー粒子を分散させる方法としては、下引き層に添加する酸化物微粒子と同様に、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカなどを用いる一般的な方法を使用することができる。また、微小空隙中に上記分散液を超高圧で通過させることによって発生する非常に強いせん断力を利用したメディアレスタイプの分散装置を利用することによってより、安定な分散塗液を調製することができる。
その他の工程およびその条件は、下引き層および電荷発生層の形成に準ずる。
電荷輸送層の膜厚は特に限定されないが、好ましくは5μm以上40μm以下であり、より好ましくは10μm以上30μm以下である。
電荷輸送層の膜厚が5μm未満では、帯電保持能が低下することがある。一方、電荷輸送層の膜厚が40μmを超えると、感光体1の解像度が低下することがある。
(保護層:図示せず)
本発明の感光体は、感光層14の表面に保護層(図示せず、「表面保護層」ともいう)を有していてもよい。
保護層は、感光層の摩耗性の改善やオゾン、窒素酸化物などによる化学的悪影響の防止機能を有する。
保護層は、例えば、適当な有機溶剤に結着樹脂、必要に応じてフィラー、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの添加剤、および金属化合物粒子やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素系樹脂などの粒子を溶解または分散させて保護層形成用塗布液を調製し、この保護層形成用塗布液を感光層の表面に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することによって形成できる。
保護層を設ける場合には、保護層が感光体の最外層になることから、保護層にフィラーとしてフッ素系樹脂微粒子の熱処理品を添加する。
その他の工程およびその条件は、下引き層、電荷発生層および電荷輸送層の形成に準ずる。
保護層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.1μm以上15μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上5μm以下である。
保護層の膜厚が0.5μm未満では、感光体1表面の耐摩耗性に劣り、耐久性が不十分になるおそれがあり、
一方、保護層の膜厚が10μmを超えると、感光体1の感度低下あるいは解像度低下のおそれがある。
(単層型感光体)
以上、積層型感光層を有する図1の感光体の構成について説明したが、本発明の感光体は、図2に示すような単層型感光層を有する感光体であってもよい。
単層型感光層は、電荷発生物質と、電荷輸送物質と、バインダ樹脂とを主成分として含有する。
単層型感光層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じて、電荷発生層に含まれるものと同様の添加剤を適量含有していてもよい。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および必要に応じて他の添加剤を適当な有機溶剤に溶解および/または分散して単層型感光層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体上に形成された下引層の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去することによって形成できる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層および電荷輸送層の形成に準ずる。
単層型感光層の膜厚は特に限定されないが、5〜50μmが好ましく、10〜40μmが特に好ましい。単層型感光層の膜厚が5μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下するおそれがあり、単層型感光層の膜厚が50μmを超えると、生産性が低下するおそれがある。
また、本発明の感光体は、図3に示すような複数層(図3では2層)の電荷輸送層からなる積層型感光層を有する感光体であってもよい。
構成材料や形成方法は、電荷発生層および電荷輸送層に準ずる。
複数層の電荷輸送層の最上面(導電性基体から最も離れた層)は、必須のフィラーとして、フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子を含有する。
電荷輸送層の膜厚は、複数層の合計膜厚が単層の電荷輸送層の膜厚程度であればよい。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段を少なくとも備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、後述するような、感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段および/または感光体に残留する表面電荷を除電する除電手段をさらに備えていてもよい。
図面を用いて本発明の画像形成装置(レーザプリンタ)の構成およびその画像形成動作について説明するが、以下の記載内容に限定されるものではなく、本発明の感光体を使用することができるものであれば、モノクロ、カラーを問わず、電子写真プロセスを利用する種々のプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機などであり得る。すなわち、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形、変更が可能であって、その他の形態は本明細書および図面の記載から容易に理解される。
図4は、本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
画像形成装置であるレーザプリンタ30は、本発明の図1の感光体1(または図2の感光体2)、半導体レーザ(または発光ダイオード)31、回転多面鏡32、結像レンズ34、ミラー35、帯電手段であるコロナ帯電器36、現像手段である現像器37、転写紙カセット38、給紙ローラ39、レジストローラ40、転写手段である転写帯電器41、分離帯電器42、搬送ベルト43、定着器44、排紙トレイ45、クリーニング手段であるクリーナ46および除電器(除電ランプ)50を含んで構成される。
なお、半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34およびミラー35は、露光手段49を構成する。
感光体1は、図示しない駆動手段によって矢符47の方向に回転可能なようにレーザプリンタ30に搭載される。半導体レーザ31から出射されるレーザビーム33は、回転多面鏡32によって感光体1の表面に対してその長手方向(主走査方向)に繰り返し走査される。結像レンズ34は、fθ特性を有し、レーザビーム33をミラー35で反射させて感光体1の表面に結像させて露光させる。感光体1を回転させながらレーザビーム33を前記のように走査して結像させることによって、感光体1の表面に画像情報に対応する静電潜像が形成される。
上記のコロナ帯電器36、現像器37、転写帯電器41、分離帯電器42よびクリーナ46は、矢符(感光体の回転方向)47で示す感光体1の回転方向上流側から下流側に向ってこの順序で設けられる。
また、コロナ帯電器36は、レーザビーム33の結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられ、感光体1の表面を均一に帯電させる。したがって、レーザビーム33が、均一に帯電された感光体1表面を露光することになり、レーザビーム33によって露光された部位の帯電量と露光されなかった部位の帯電量とに差異が生じて前記の静電潜像が形成される。
帯電器としては、コロナ帯電器に限定されず、コロトロン帯電器、スコロトロン帯電器、鋸歯帯電器、ローラ帯電器などであってもよい。
現像器37は、レーザビーム33の結像点よりも感光体1の回転方向下流側に設けられ、感光体1表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。転写紙カセット38に収容される転写紙48は、給紙ローラ39によって1枚ずつ取出され、レジストローラ40によって感光体1への露光と同期して転写帯電器41に与えられる。転写帯電器41によって、トナー像が転写紙48に転写される。転写帯電器41に近接して設けられる分離帯電器42は、トナー像が転写された転写紙を除電して感光体1から分離される。
感光体1から分離された転写紙48は、搬送ベルト43によって定着器44に搬送され、定着器44によってトナー像が定着される。このようにして画像が形成された転写紙48は、排紙トレイ45に向けて排紙される。なお分離帯電器42によって転写紙48が分離された後、さらに回転を続ける感光体1は、その表面に残留するトナーおよび紙粉などの異物がクリーナ46のクリーニングブレードまたはブラシクリーナによって清掃される。クリーナ46によってその表面が清掃された感光体1は、クリーナ46と共に設けられる除電ランプ50によってその表面が除電された後、さらに回転され、前記の感光体1の帯電から始まる一連の画像形成動作が繰り返される。
また、感光体を複数設けることで複数の異なるトナーを用いて重ね併せ画像を形成可能な構成も採用できる。この構成はタンデム方式と称される。
以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
酸化チタン粒子(粒子径:70nm、石原産業株式会社製、製品名:タイベークTTO−D−1)3重量部および樹脂材料として共重合ポリアミド樹脂(東レ株式会社製、製品名:アミランCM8000)2重量部を、メチルアルコール25重量部に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して下引き層形成用塗布液3kgを調製した。
得られた下引き層形成用塗布液を浸漬槽に満たし、これに導電性基体として直径30mm、長さ357mmのアルミニウム製のドラム状支持体を浸漬した後、引き上げ、得られた塗膜を自然乾燥させて、導電性基体上に膜厚1μmの下引き層を形成した。
次いで、電荷発生物質としてCuKα1.541ÅのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が27.3°に主要なピークを示すX線回折スペクトルを有するチタニルフタロシアニン1重量部および結着樹脂としてブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックBM−2)1重量部を、メチルエチルケトン98重量部に混合し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して電荷発生層形成用塗布液3リットルを調製した。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引き層形成の場合と同様の浸漬法で、先に設けた下引き層表面に塗布し、得られた塗膜を自然乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として下記構造式で示されるトリフェニルアミン系化合物(東京化成工業株式会社製、製品名:T2269)100重量部、結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、製品名:パンライトTS2050)180重量部およびフッ素樹脂の熱処理品の微粒子(1次粒子のメジアン径D50:3.5μm、400℃熱処理済、株式会社喜多村製、品名:KTL−2N)30重量部を混合し、テトラヒドロフランを溶剤として固形分21重量%の懸濁液を作成後、湿式乳化分散装置(株式会社パウレック製、型式:マイクロフルイダイザーM−110P)を用いて、設定圧力100MPaの条件で10pass処理して、電荷輸送層形成用塗布液3kgを調製した。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、下引き層形成の場合と同様の浸漬法で、先に設けた電荷発生層表面に塗布し、得られた塗膜を120℃で1時間乾燥させて、膜厚28μmの電荷輸送層を形成し、図1に示す積層型感光体を作製した。
[実施例2]
電荷輸送層塗布液の調製時に、フッ素樹脂の熱処理品の微粒子(1次粒子のメジアン径D50:2.5μm、400℃熱処理済、株式会社喜多村製、品名:KTL−1N)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感光体を作成した。
[実施例3]
電荷輸送層塗布液の調製時に、実施例1で用いたフッ素樹脂の熱処理品の微粒子をさらに微粉砕化して用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感光体を作成した。
微粉砕化には、超微粉砕システム(株式会社アイシンナノテクノロジー製、型式:ナノジェットマイザーNJ-50)を用いた。1次粒子のメジアン径D50は0.8μmであった。
[実施例4]
電荷輸送層塗布液の調製時に、電荷輸送物質としてトリフェニルアミン系化合物の代わりに、特許第3881651号公報に記載の方法で合成した下記構造式で示されるエナミン化合物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例4の感光体を作成した。
[実施例5]
電荷輸送層塗布液の調製時に、電荷輸送物質としてトリフェニルアミン系化合物の代わりに、下記構造式で示されるトリフェニルアミン系化合物(東京化成工業株式会社製、製品名:D2448)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例5の感光体を作成した。
[実施例6]
電荷輸送層塗布液の調製時に、実施例1で用いたフッ素樹脂の熱処理品の微粒子の代わりに、非熱処理のフッ素樹脂の微粒子(融点322℃、株式会社喜多村製、品名:KTL−8F)を熱処理し、微粉砕化したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の感光体を作成した。
熱処理は、マッフル炉を用いて350℃、1時間の条件で行った。
微粉砕化には、超微粉砕システム(株式会社アイシンナノテクノロジー製、型式:ナノジェットマイザーNJ-50)を用いた。1次粒子のメジアン径D50は2.0μmであった。
[実施例7]
電荷輸送層塗布液の調製時に、フッ素樹脂の熱処理品の微粒子30重量部を27重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例7の感光体を作成した。
[実施例8]
電荷輸送層塗布液の調製時に、フッ素樹脂の熱処理品の微粒子30重量部を45重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例8の感光体を作成した。
[実施例9]
電荷輸送層塗布液の調製時に、フッ素樹脂の熱処理品の微粒子30重量部を55重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例9の感光体を作成した。
[実施例10]
導電性支持体上に直接電荷発生層を形成し、下引き層を設けなかったこと以外は、実施例2と同様にして、実施例10の感光体を作成した。
[実施例11]
電荷輸送層塗布液の調製時に、フッ素樹脂の熱処理品の微粒子30重量部を20重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例11の感光体を作成した。
[実施例12]
電荷輸送層塗布液の調製時に、フッ素樹脂の熱処理品の微粒子30重量部を10重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例12の感光体を作成した。
[実施例13]
電荷輸送層塗布液の調製時に、フッ素樹脂の熱処理品の微粒子30重量部を90重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例13の感光体を作成した。
[比較例1]
非熱処理のフッ素樹脂の微粒子(融点322℃、株式会社喜多村製、品名:KTL−8F)を、マッフル炉を用いて融点近傍の322℃、1時間の条件で熱処理し、得られた微粒子を超微粉砕システム(株式会社アイシンナノテクノロジー製、型式:ナノジェットマイザーNJ-50)を用いて微粉砕処理をした。
得られたフッ素樹脂の熱処理品の微粒子(1次粒子のメジアン径D50:2.2μm)を電荷輸送層塗布液の調製時に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感光体を作成した。
[比較例2]
非熱処理のフッ素樹脂の微粒子(融点322℃、株式会社喜多村製、品名:KTL−8F)を、マッフル炉を用いて融点以下の290℃、1時間の条件で熱処理し、得られた微粒子を超微粉砕システム(株式会社アイシンナノテクノロジー製、型式:ナノジェットマイザーNJ-50)を用いて微粉砕処理をした。
得られたフッ素樹脂の熱処理品の微粒子(1次粒子のメジアン径D50:2.4μm)を電荷輸送層塗布液の調製時に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感光体を作成した。
[比較例3]
非熱処理のフッ素樹脂の微粒子(融点322℃、株式会社喜多村製、品名:KTL−8F)を、マッフル炉を用いて融点以下の200℃、1時間の条件で熱処理し、得られた微粒子を超微粉砕システム(株式会社アイシンナノテクノロジー製、型式:ナノジェットマイザーNJ-50)を用いて微粉砕処理をした。
得られたフッ素樹脂の熱処理品の微粒子(1次粒子のメジアン径D50:2.2μm)を電荷輸送層塗布液の調製時に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感光体を作成した。
[比較例4]
非熱処理のフッ素樹脂の微粒子(融点322℃、株式会社喜多村製、品名:KTL−8F)を、超微粉砕システム(株式会社アイシンナノテクノロジー製、型式:ナノジェットマイザーNJ-50)を用いて微粉砕処理をした。
得られたフッ素樹脂の微粒子の非熱処理品(1次粒子のメジアン径D50:2.1μm)を電荷輸送層塗布液の調製時に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感光体を作成した。
[比較例5]
電荷輸送層塗布液の調製時に、フッ素樹脂の微粒子の非熱処理品(1次粒子のメジアン径D50:0.3μm、融点347℃、株式会社喜多村製、品名:KTL−500F)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の感光体を作成した。
[比較例6]
フッ素樹脂の熱処理品の微粒子を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6の感光体を作成した。
[評価]
実施例1〜13および比較例1〜6において得られた感光体について、電気特性、画像特性および膜減り量を評価した。
得られた結果を表2に、下引き層の有無および感光体の構成材料、特にフッ素系樹脂微粒子の熱処理品については表1に示す。
[電気特性評価]
画像形成工程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(TREC JAPAN社製、型式:model 344)を取り付けて改造した、デジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−2600)に感光体を搭載した。光源として、波長780nmのレーザ光を使用した。
まず、上記の複写機を用いて、現像部での感光体の表面電位、具体的には帯電性をみるために露光プロセスを除いた暗中における感光体の表面電位V0および感度をみるために露光時における黒地部分の感光体の表面電位VLを測定した。これらの表面電位V0およびVLを、25℃/50%RH(相対湿度)の常温/常湿(「N/N」と略す)環境下で、初期および100,000枚連続繰り返しコピー直後(印字率5%のA4文字チャートを使用、表1では「100k枚実写後」と表記)について測定した。
初期および100,000枚連続繰り返しコピー直後のVLの差をΔVLとして求めた。
また、得られた結果を次の基準で評価した。
○:ΔVLが0≦ΔVL≦20(実使用上問題なし)
△:ΔVLが20<ΔVL≦40(実使用可能なレベル)
×:ΔVLが40<ΔVL(実使用不可)
得られた結果を表2に示す。
[画像特性評価]
100,000枚連続繰り返しコピー後については,電気特性評価と併せて、N/N環境下におけるかぶり、画像濃度および画像欠陥を評価した。
得られた結果を表2に示す。
(1)かぶり
初期および100,000枚連続繰り返しコピー後に、COLOR MEASURING SYSTEM(日本電色工業株式会社製、型式:Z−Σ90)を用いて、無地画像のかぶり量Wkを求め評価した。
上記の装置で三刺激値X、YおよびZを求め、Zの値をかぶり量とし、その結果を次の基準で評価した。
○○:Zが0.4未満(良好)
○:Zが0.4以上0.6未満(実使用上問題なし)
△:Zが0.6以上0.8未満(実使用可能なレベル)
×:Zが0.8以上(実使用不可)
(2)画像濃度
100,000枚連続繰り返しコピー後に、マクベス反射濃度計(サカタインクス株式会社製、型式:Machbes RD918)を用いて、黒ベタ画像の反射濃度を測定し、その結果を次の基準で評価した。
○○:画像濃度が1.4以上(良好)
○:画像濃度が1.3以上1.4未満(実使用上問題なし)
△:画像濃度が1.2以上1.3未満(実使用可能なレベル)
×:画像濃度が1.2未満(実使用不可)
(3)画像欠陥(黒ポチ)
100,000枚連続繰り返しコピー後に、無地画像を10枚プリントし、そのハードコピー(A3版)1枚当たりの、黒ポチ発生の周期性が感光体の周期と一致し、かつ目視可能な黒ポチ(直径0.4mm以上)の個数を計測し、その結果を次の基準で評価した。
○○:全てのハードコピーで黒ポチの発生頻度が3個/枚以下(良好)
○:全てのハードコピーで黒ポチの発生頻度が4〜7個/枚(実使用上問題なし)
△:全てのハードコピーで黒ポチの発生頻度が8〜10個/枚(実使用可能なレベル)
×:黒ポチの発生頻度が11個/枚以上のハードコピーが1枚以上(実用上問題あり)
[膜減り量]
100,000枚連続繰り返しコピー後に感光体層の膜厚を測定し、予め測定しておいた 実写前の感光体層 の膜厚との差から膜減り量(μm)を求め、その結果を次の基準で評価した。
○○:膜減り量が1.5[μm/100kドラム回転]以下(目標耐摩耗性以上の性能)
○:膜減り量が1.5[μm/100kドラム回転]より大きく2.4[μm/100kドラム回転]以下(目標耐摩耗性と同等レベル)
△:膜減り量が2.4[μm/100kドラム回転]より大きく3.3[μm/100kドラム回転]以下(目標耐摩耗性に若干至らない)
×:膜減り量が3.3[μm/100kドラム回転]より大きい(目標耐摩耗性に全く至らず)
表1および表2の結果から、次のことがわかる。
本発明の感光体(実施例1〜13)は、耐磨耗性に優れかつ繰り返し使用にあたっても電気的に安定であり、長期にわたって安定して高品位の画質を有する画像を形成し得ることがわかる。
1、2 電子写真感光体
11 導電性基体(導電性支持体)
12 電荷発生層
13、13A、13B 電荷輸送層
14 感光層
15 下引き層(中間層)
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
33 レーザビーム
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
47 矢符(感光体の回転方向)
48 転写紙(記録媒体)
49 露光手段
50 除電器(除電ランプ)

Claims (7)

  1. 導電性基体上に少なくとも感光層が形成された電子写真感光体であり、前記電子写真感光体の感光層側の最外層がフッ素系樹脂の熱処理品の微粒子を含み、かつ前記熱処理品が前記フッ素系樹脂の有する融点より20℃以上高く450℃以下の温度で熱処理されてなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンである請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子が、3μm以下の1次粒子のメジアン径D50を有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子が、1μm以下の1次粒子のメジアン径D50を有する請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記フッ素系樹脂の熱処理品の微粒子が、前記最外層中に8〜20重量%含有されてなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記導電性基体と前記感光層との間に下引き層を有する請求項1〜5いずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録媒体上に定着して画像を形成する定着手段を少なくとも備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2015225231A (ja) * 2014-05-28 2015-12-14 シャープ株式会社 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置

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