JP2009042564A - 積層型電子写真感光体およびそれを備えた電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性材料からなる導電性支持体上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層された積層型感光層が形成されてなり、前記電荷輸送層が、主成分としての前記電荷輸送物質およびその結合剤としてのバインダ樹脂に加えて、酸化防止剤として特定のジアミン化合物をさらに含有し、前記ジアミン化合物の前記電荷輸送物質に対する含有量が0.5〜10重量%であり、前記バインダ樹脂の前記電荷輸送物質100重量部に対する含有量が120〜300重量部であることを特徴とする積層型電子写真感光体により、上記の課題を解決する。
【選択図】なし
Description
この電子写真プロセスは、基本的に(1)電子写真感光体(単に「感光体」ともいう)への均一な帯電、(2)像露光による静電潜像の形成、(3)静電潜像のトナーによる現像、(4)トナー像の転写材(例えば、記録紙)への転写(転写体を経由する場合もある)、(5)定着による画像形成および(6)残留トナーのクリーニングという6プロセスから構成される。
すなわち、電荷輸送層の電荷輸送物質の含有率を高くすることである程度の高速化が可能となるが、バインダ樹脂が少なくなるために耐摩耗性が劣化し、感光体のライフが短くなる。逆に、バインダ樹脂の量を多くすると耐摩耗性が向上する半面、光応答性が低下してしまうことになる。そして、このような状態で感光体を使用すると表面電位が充分に減衰していない状態で繰り返し使用されることになり、残留電位の上昇に伴う電位変化が増大し、早期に画像品質の低下を招くなどの弊害が発生する。
すなわち、繰返し使用にしたがって電位の低下、残留電位の上昇、感度の変化などが生じ、コピー品質の低下が起こり使用に耐えられなくなる。これらの劣化原因の全ては解明されていないが、いくつかの要因が考えられる。
例えば、特開平6−202357号公報(特許文献1)には、特定の高移動度を有する電荷輸送層と電荷発生物質として高感度のオキソチタニルフタロシアニンを含有する電荷発生層とを併用する技術が記載されている。
例えば、特開平6−75384号公報(特許文献2)には、感光層の摩耗量を規定し、感光体周辺のオゾン濃度を5ppm以上50ppm以下とすることで繰り返し使用下での感度劣化が抑制されるという技術が記載されている。これは、従来から感度劣化を促進する一要素と考えられてきたオゾン雰囲気を適切に濃度調整することにより感光層の摩耗に起因する感度劣化を抑制しようとするもので、従来の考えとは全く逆の方法である。
すなわち、本発明の積層型感光体は、その電荷輸送層に電荷輸送物質に対して特定量の、特定のジアミン化合物とバインダ樹脂とを含有するので、耐オゾン性、耐NOx性に優れ、低温環境下または高速プロセスで用いた場合にもそれらの特性が低下せず、光暴露によってもそれらの特性が低下しない積層型感光体を得ることができる。
したがって、本発明によれば、より長期間の使用でもオゾン雰囲気による悪影響を抑制でき、感度劣化の少ない高感度で高ライフの電子写真装置を提供することができる。
また、本発明によれば、電子写真装置における画像形成の現像において、金属酸化物を用いずに長寿命化を図ることができる。
図1および図2は、本発明の積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1の2層型の積層型感光体は、導電性支持体1上に、電荷発生物質2を含有する電荷発生層5と電荷輸送物質3を含有する電荷輸送層6とがこの順で積層された積層型感光層(「機能分離型感光層」ともいう)4が形成されている。
図2の3層型の積層型感光体は、導電性支持体1上に、下引き層(中間層)7と、電荷発生物質2を含有する電荷発生層5と電荷輸送物質3を含有する電荷輸送層6とがこの順で積層された積層型感光層4とがこの順で形成されている。
積層型感光層4は、電荷発生層5と電荷輸送層6とを逆順で形成した逆積層型であってもよいが、前記積層型が好ましい。
導電性支持体の構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属および合金材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料または合金材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
電荷発生層は、照射された光を吸収することにより電荷を発生する電荷発生能を有する電荷発生物質を主成分とし、任意に公知の添加剤およびバインダ樹脂(結合剤)を含有する。
具体的には、アゾ系顔料(カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有する、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料など)、ペリレン系顔料(ペリレンイミド、ペリレン酸無水物など)、多環キノン系顔料(キナクリドン、アントラキノン、ピレンキノンなど)、フタロシアニン系顔料(金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなど)、インジゴ系顔料(インジゴ、チオインジゴなど)、スクアリリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機顔料または染料、さらにセレン、非晶質シリコンなどの無機材料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などを挙げられる。
酸化防止剤としては、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄系化合物、有機燐系化合物などが挙げられる。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体1の表面に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質、必要に応じて添加剤およびバインダ樹脂を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体1の表面に、または導電性支持体1上に形成された下引き層7の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去する方法が挙げられる。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂;フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
バインダ樹脂の含有量が120重量部未満であると、感度特性は良好であるものの、帯電特性、膜の機械的強度、帯電プロセスにて発生するオゾン、NOxなどに対する画像安定性(ハーフトーン白抜け、黒帯発生)が低下し、バインダ樹脂の比率が高いときに比べて耐刷性が低くなり、感光層の摩耗量が増加することがあり、300重量部を超えると、バインダ樹脂の比率が高くなり、機械的強度は良好であるものの浸漬塗布法によって単層型感光層を形成する場合には、塗布液の粘度が増大するので、塗布速度低下を招き生産性が著しく悪くなることがある。また、塗布液の粘度の増大を抑えるために塗布液中の溶剤の量を多くすると、ブラッシング現象が発生し、形成された電荷輸送層に白濁が発生することがある。
予備粉砕は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの一般的な粉砕機を用いて行うことができる。
構成物質の樹脂溶液への溶解または分散は、例えば、ペイントシェーカ、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機を用いて行うことができる。このとき、容器および分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗布液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に導電性支持体1を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって導電性支持体1上に層を形成する方法である。この方法は比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体を製造する場合に多く利用されている。なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷輸送層は、電荷発生物質で発生した電荷を受け入れ、それを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、構造式(I)および/または構造式(II)で示されるジアミン化合物と、バインダ樹脂とを主成分として含有する。
具体的には、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質;
フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質が挙げられる。
ジアミン化合物の含有量が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。ジアミン化合物の含有量が0.5重量%未満であると、酸化防止剤としての効果を発揮できないことがあり、10重量%を超えると、逆に電荷トラップとなり、感度を悪化させることがある。
これらの樹脂の中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリフェニレンオキサイドは、構造式(I)および構造式(II)で示されるジアミン化合物との相溶性に特に優れ、さらに体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましい。
また、これらの中でも、樹脂自体の透明性の点でポリカーボネートが特に好ましく、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂がさらに好ましい。実施例に具体例を記載する。
バインダ樹脂の含有量が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。バインダ樹脂の含有量が120重量部未満であると、感光体の機械的強度が不足することがあり、300重量部を超えると、感光体全体として感度不足になることがある。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
本発明の積層型感光体は、導電性支持体1と積層型感光層4との間に下引き層7を有するのが好ましい。
下引き層は、導電性支持体から積層型感光層への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、積層型感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
また、下引き層7で導電性支持体1の表面を被覆する下引き層7は、導電性支持体1の表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、積層型感光層4の成膜性を高め、導電性支持体1と積層型感光層4との密着性を向上させることができる。
アルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどを共重合させた共重合ナイロン;N−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などが挙げられる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
金属酸化物粒子は、下引き層の体積抵抗値を容易に調節でき、積層型感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持できる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化スズなどが挙げられる。
下引き層形成用塗布液における樹脂材料と金属酸化物粒子との合計含有量をC、溶剤の含有量をDとするとき、両者の重量比率(C/D)は、1/99〜40/60が好ましく、2/98〜30/70が特に好ましい。
また、樹脂材料の含有量(E)と金属酸化物粒子の含有量(F)との重量比率(E/F)は、1/99〜90/10が好ましく、5/95〜70/30が特に好ましい。
なお、導電性支持体1の構成材料がアルミニウムの場合には、アルマイトを含む層(アルマイト層)を形成し、下引き層とすることができる。
表面保護層は、感光層表面を機械的ストレスから保護して感光体の耐久性を向上させる機能を有し、樹脂などで構成され、感光体の応答性を向上させるために、電荷輸送物質を含んでもよい。
樹脂は、電荷発生層5に含まれるものと同様のバインダ樹脂の1種または2種以上を使用できる。
電荷輸送物質は、電荷輸送層6に含まれるものと同様の電荷輸送物質の1種または2種以上を使用できる。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
有機溶剤は、電荷発生層の形成用塗布液の調製に用いられるものと同様の溶剤の1種または2種以上を使用できる。
感光体が画像形成装置に搭載されて使用される際には、コロナ放電器などから発生するオゾンおよび窒素酸化物などが感光体表面に付着し、被転写材の画像形成面方向に画像が流れる、いわゆる画像流れが発生するおそれがある。この画像流れを防止するために、感光層は、ある一定速度以上の速度で摩耗されるように構成される。このため、長期的な繰返し使用を考慮した場合には、表面保護層の膜厚は、0.1μm以上であることが好ましい。表面保護層の膜厚が0.1μm未満では、表面保護層が短期間に消失し、感光体の寿命が短くなるおそれがある。また表面保護層の膜厚が10μmを超えると、繰返し使用による残留電位の上昇および微細ドット再現性の低下などの解像度の低下などが生じるおそれがある。
このことからオゾン分子には感度安定性を向上させる作用と感度劣化を促進させる作用の両方があり、オゾン雰囲気下では常にこれらの作用が競合している状態にあるものと考えられる。
図3は、本発明の電子写真装置の構成を示す模式側面図である。
図3に示す電子写真装置は、積層型感光体として、例えば図1または図2に示される積層型感光体と同様の層構成を有する円筒状の積層型感光体11を搭載し、図示しない除電ランプを備える。
非接触帯電方式は、積層型感光体11と直接接触しないことから摺擦による感光体表面の摩耗や傷などがつきにくく、機械的耐久性に優れており、感光体の長寿命化が可能である。
また、積層型感光体11と転写器15との間を通過した後に記録紙17が搬送される方向には、転写されたトナー画像を定着させる定着手段である定着器が設けられる。定着器は、図示しない加熱手段を有する加熱ローラと、加熱ローラに対向して設けられ加熱ローラに押圧されて当接部を形成する加圧ローラとを備える。
積層型感光層の摩耗量の制御は、電荷輸送物質とバインダ樹脂との重量比の設定やバインダ樹脂の選択に加えて、現像、転写、残留トナーのクリーニングなど感光体の各プロセスにおける当圧接を調整することで行うことができる。
積層型感光層の摩耗量が10万回転当たり1.0μmを越えると、積層型感光体を高ライフドラムとして使用した際の膜減りが大きく、ライフに到達する前に感度低下などが発生することがある。
酸化チタン(商品名:タイベークTTO55A、石原産業株式会社製)7重量部および共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)13重量部を、メタノール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理して下引き層用塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体として直径30mm、全長340mmのアルミニウム製のドラム状支持体を浸漬した後引き上げ、自然乾燥して膜厚1μmの下引き層を形成した。
このようにして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部および構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部の代わりに、構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)150重量部および構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)150重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部および構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部の代わりに、構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)60重量部および構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)60重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(I)で示されるジアミン化合物0.5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(I)で示されるジアミン化合物10重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(I)で示されるジアミン化合物5重量部の代わりに構造式(II)で示されるジアミン化合物5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(I)で示されるジアミン化合物を用いないこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部および構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部の代わりに、構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)160重量部および構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)160重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量38,000)90重量部および構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部の代わりに、構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)50重量部および構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)50重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(I)で示されるジアミン化合物0.4重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(I)で示されるジアミン化合物11重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(I)で示されるジアミン化合物5重量部の代わりに構造式(II)で示されるジアミン化合物0.4重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
構造式(I)で示されるジアミン化合物5重量部の代わりに構造式(II)で示されるジアミン化合物11重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図2に示される積層型感光体サンプルを作製した。
実施例1と同様にして導電性支持体上に膜厚1μmの下引き層を形成した。
次いで、電荷発生材料としてオキソチタニルフタロシアニン8重量部をテトラヒドロフラン100重量部に混合し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した。
得られた分散液に、構造式(III)で示されるエナミン化合物100重量部、構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)90重量部、構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量21,500)90重量部、構造式(I)で示されるジアミン化合物5重量部、シリコンオイル0.02重量部、テトラヒドロフラン1400重量部を混合し、攪拌して感光層用塗布液を調製した。この感光層用塗布液を下引き層と同様の方法で、先に設けた下引き層表面に塗布し、温度130℃で乾燥して膜厚が25μmの単層型感光層を形成した。
このようにして、単層型感光体サンプルを作製した。
作製した感光体サンプルをそれぞれ市販のデジタル複写機(型式:AR−455M、シャープ株式会社製)に搭載し、レーザー露光部の初期表面電位VLおよび50,000枚の実写エージング(Aging)終了後におけるその変化量ΔVL、10万回転における感光層の摩耗量、ハーフトーン画像を確認し、繰返し使用時の画質を評価した。なお、比較例8については、デジタル複写機における帯電および転写の極性を正帯電に改造して評価を行った。
表1中、CTAは構造式(I)または(II)で示されるジアミン化合物、CTB(IV)
は構造式(IV)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂、CTB(V)は構造式(V)で示される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂、CTBはポリカーボネート樹脂、CTMは電荷輸送物質を意味する。
また、実施例1〜3の結果から、電荷輸送物質(A)とバインダ樹脂(B)との比率A/Bが10/12〜10/30の場合には、特に光感度特性、繰り返し使用における特性安定性、機械的耐久性に優れていることがわかる。
比較例1の結果から、構造式(I)および(II)で示されるジアミン化合物を含有しない積層型感光体は、耐オゾン性に問題があることがわかる。
また、比較例8の結果から、単層型感光体は、実施例1などの積層感光体に比べて感度特性が劣り、耐オゾン性にも弱いことがわかる。
2 電荷発生物質
3 電荷輸送物質
4 積層型感光層
5 電荷発生層
6 電荷輸送層
7 下引き層(中間層)
12 帯電手段(コロナ帯電器)
13 露光手段(半導体レーザ)
14 現像手段(現像器)
15 転写手段(転写器)
16 クリーニング手段(クリーニングブレード)
17 転写材(記録紙)
Claims (4)
- 前記バインダ樹脂が、2種類以上のポリカーボネート樹脂である請求項1に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記導電性支持体と前記積層型感光層との間に下引き層を有する請求項1または2に記載の積層型電子写真感光体。
- 少なくとも請求項1〜3のいずれか1つに記載の積層型電子写真感光体と、前記積層型電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記積層型電子写真感光体に対して露光を施す露光手段と、露光によって形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、現像によって形成されたトナー像を転写材上に転写する転写手段と、前記積層型電子写真感光体に残留するトナーをブレードクリーニングにより除去し回収するクリーニング手段とを備えることを特徴とする反転現像方式の電子写真装置。
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