JP2013257416A - 電子写真感光体、それを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、それを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】電子写真特性と耐摩耗性との双方を高水準で達成可能な電子写真感光体、それを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】導電性基体13b上に少なくとも感光層16bが形成された電子写真感光体20bであり、前記電子写真感光体20bの感光層側の最外層15bが、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂で構成されるバインダ樹脂と、フッ素系樹脂粒子と一般式(I):

(式中、Rは水素原子または置換基を有してもよいアルキル基であり、xは40〜99の整数であり、yは0〜10の整数であり、zは1〜50の整数であり、x+y+zは100である)で示されるポリビニルアセタール樹脂で構成される分散安定剤とを含有する電子写真感光体を特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真感光体、それを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
カールソン法の電子写真画像形成方法においては、電子写真感光体(「感光体」ともいう)を一様に帯電させた後、露光によって所望の画像様に電荷を消去して静電潜像を形成し、その静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成(可視化)し、次いでそのトナー像のトナーを紙などの被転写体に転写して定着させることにより画像を形成する。
しかし、感光体上の全てのトナーが転写されることはなく、一部のトナーが感光体上に残留し、この状態で繰り返し画像を形成した場合には、残留トナーの影響で潜像形成が乱されるために汚れのない高画質な画像(複写)を得ることができない。
そこで、ファーブラシ、磁気ブラシおよびブレードなどに代表されるクリーニング装置により、感光体上の残留トナーを除去している。クリーニング装置の中でも、性能、構成などの点からブレードが主として用いられている。
このように、感光体表面では、帯電、現像、転写およびクリーニングなどが繰り返され、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。特に、摺擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、異物の混入や紙詰まり処理時の衝撃などによる膜剥がれなどに対する機械的耐久性が要求される。
他方、有機系材料を主成分とする感光層を備えた有機感光体は、無機系材料を主成分とする感光層を備えた無機感光体に比べて、一般的に機械的強度に劣り、上記のような機械的外力による摺擦傷や摩耗が生じ易く、寿命が短い。
また、エコロジーの観点から近年使用されてきている接触帯電方式を用いたシステムでは、コロトロンによる非接触帯電方式を用いたシステムに比べて大幅に感光体の摩耗が増加することがある。
このように感光体の耐摩耗性が不十分であると、感度の低減による画像濃度の低下、帯電電位の低下による画像へのカブリの発生などの原因となる。
そこで、このような現象を回避すべく、感光体表面(感光層)の耐摩耗性を向上させる方法が検討されている。例えば、感光層中にシリカやアルミナのような無機微粒子やフッ素系樹脂粒子のような有機微粒子を分散させることにより、感光体の摩耗を低減する方法が提案されている。具体的には、特開昭63−221355号公報(特許文献1)には、感光層がフッ素系樹脂粉末(粒子)とフッ素系グラフトポリマーを含有する感光体が提案されている。上記の微粒子の中でもフッ素系樹脂粒子は特に凝集力が強く、分散性が低いことから、分散助剤としてグラフトポリマーを添加することにより、微粒子の分散性を改善している。
特開昭63−221355号公報
一般的に微粒子、特にフッ素系樹脂粒子は、分散性が低く凝集性が高いため、微粒子を感光体の表面層(最外層)に含有させると、表面層中の微粒子が不均一になり易い。そのため、微粒子の凝集を原因とする塗布膜欠陥の発生により、黒点や白点や濃度ムラといった画質異常が発生し、安定して良好な画質を得ることが困難になるという問題がある。さらに製造時においても、分散性が低いと微粒子が凝集・沈降するため、均一な感光体が製造できず、新たに塗布液を製造する、塗布液を再分散させる必要があるためコストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題点を解消して、電子写真特性と耐摩耗性との双方を高水準で達成可能な電子写真感光体、それを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、導電性基体上に少なくとも感光層が形成された感光体において、感光体の感光層側の最外層に、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂で構成されるバインダ樹脂と、フッ素系樹脂粒子と、特定のポリビニルアセタール樹脂で構成される分散安定剤とを含有させることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を解決するに至った。
かくして、本発明によれば、導電性基体上に少なくとも感光層が形成された電子写真感光体であり、前記電子写真感光体の感光層側の最外層が、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂で構成されるバインダ樹脂と、フッ素系樹脂粒子と、一般式(I):
(式中、Rは水素原子または置換基を有してもよいアルキル基であり、xは40〜99の整数であり、yは0〜10の整数であり、zは1〜50の整数であり、x+y+zは100である)
で示されるポリビニルアセタール樹脂で構成される分散安定剤とを含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、上記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置、転写した前記トナー像を前記被転写体に定着させて画像を形成する定着装置と、前記電子写真感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置とを備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置、露光により形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置および前記電子写真感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置から選択される少なくとも1種とを備えることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
本発明によれば、電子写真特性と耐摩耗性との双方を高水準で達成可能な電子写真感光体、それを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することができる。
すなわち、本発明によれば、本発明によるポリビニルアセタール系の分散安定剤を用いることにより、長期間フッ素系樹脂粒子が安定に分散されている塗布液を得ることができ、上記の効果を得ることができる。
また、本発明によれば、
分散安定剤が、一般式(I)おけるRが水素原子またはn−プロピル基であるポリビニルアセタール樹脂である場合に、
分散安定剤が、100〜3000の平均重合度を有するポリビニルアセタール樹脂である場合に、
フッ素系樹脂粒子が、0.02〜5μmの体積平均粒径を有する場合に、
分散安定剤が、フッ素系樹脂粒子に対して1〜30重量%の割合で、最外層のバインダ樹脂中に含まれる場合に、
導電性基体と感光層との間に中間層を有する場合に、
上記の効果がさらに発揮される。
本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
本発明の感光体は、導電性基体上に少なくとも感光層が形成された感光体であり、感光体の感光層側の最外層が、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂で構成されるバインダ樹脂と、フッ素系樹脂粒子と、一般式(I)で示されるポリビニルアセタール樹脂で構成される分散安定剤とを含有することを特徴とする。
本発明者らは、感光体の電子写真特性と耐久性との双方を高水準で達成可能でかつ、生産時の塗布液の長期安定化を達成すべく、種々の検討を行った結果、まず、残留電位の上昇により濃度低下を生じる現象は、分散剤(分散安定剤)が遊離した状態で表面層に存在することに起因し、また塗布液の長期保存時にフッ素系樹脂粒子が凝集する現象は、フッ素系樹脂粒子に吸着していた分散安定剤はかなり容易に脱着するため、長期間保存すると、確率論的に粒子の凝集が進むことに起因するとの知見を得た。
より具体的には、例えば、フッ素系樹脂粒子を分散安定剤としてフッ素系グラフトポリマーを使用して分散した系では、フッ素系グラフトポリマーの添加量は必要量を上回ることが多く、フッ素系樹脂粒子の表面に吸着しなかった余剰のフッ素系グラフトポリマーは、遊離した状態で表面層に存在することになる。この遊離したフッ素系グラフトポリマーは電荷を蓄積するトラップサイトを発現させる原因物質となる。そのため、高温高湿下での繰り返し使用の際に、残留電位の上昇により濃度低下が生じ易くなる。つまり、物理的耐久性は改善できても、安定した電子写真特性は得られない。また、フッ素系グラフトポリマーの粒子への吸着力は低く、また反対にフッ素系樹脂粒子の凝集力は強いため、塗布液中のフッ素系樹脂粒子はかなり短期間で凝集してしまう。
今回、この分散安定剤について種々の検討を行った結果、ポリビニルアセタール樹脂が最適であることを見出した。このポリビニルアセタール樹脂は、種々のフッ素系樹脂粒子の表面に強力に吸着するため、分散性が良好でかつ分散の長期安定化も図れる。また、遊離したポリビニルアセタール樹脂が存在した場合も、該樹脂はトラップサイトとなりにくいため、電子写真特性も良好であった。
本発明の感光体は、導電性基体に感光層を少なくとも有し、その表面層(感光層の最外層、すなわち導電性基体から最も遠い側に配置される層)が本発明によるポリビニルアセタール樹脂とフッ素系樹脂粒子とを含有するものであれば、その層構成などに特に限定はない。
本発明の感光層は電荷輸送能と電荷発生能とを併せ持つ機能一体型の感光層であってもよいし、電荷輸送層と電荷発生層とを含む機能分離型の感光層であってもよい。さらには、中間層および保護層などのその他の層を必要に応じて設けることもできる。
本発明の感光体において、機能一体型の感光層が表面層となる場合には、機能一体型の感光層に、本発明によるポリビニルアセタール樹脂とフッ素系樹脂粒子とが含有される。
また、電荷輸送層と電荷発生層とを含む機能分離型の感光層のいずれかの層が表面層となる場合には、表面層に該当する層(最外層)に本発明によるポリビニルアセタール樹脂とフッ素系樹脂粒子とが含有される。
さらに、感光層上に表面層として保護層が設けられる場合には、該保護層にポリビニルアセタール樹脂とフッ素系樹脂粒子とが含有される。
以下、本発明の(1)電子写真感光体、(2)画像形成装置および(3)プロセスカートリッジの実施形態について詳細に説明する。
(1)電子写真感光体
本発明の感光体は、上記の要件を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、次のような構成が挙げられる。
図1および2は本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1の感光体20aは、導電性基体13a上に、中間層14aと電荷発生層11aと電荷輸送層12aとがこの順で形成されている。
図2の感光体20bは、導電性基体13b上に、中間層14bと電荷発生層11bと電荷輸送層12bと保護層15bとがこの順で形成されている。
図1における電荷発生層11aと電荷輸送層12aおよび図2における電荷発生層11bと電荷輸送層12bは、それぞれ合わせて、感光層16aおよび16bという。
中間層14aおよび14bならびに保護層15bは任意の構成層であり、各層の説明において詳述する。
本発明の感光体は、感光層側の最外層が特定の構成を有することを特徴とするが、最外層は、図1の感光体20aでは電荷輸送層12a、図2の感光体20bでは保護層15bが相当する。
以下、感光体の各構成について説明する。
(1−1)導電性基体(導電性支持体)
導電性基体は、感光体の電極としての機能と支持部材としての機能を有し、その構成材料は、当該技術分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、チタンなどの金属材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる支持体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性基体の形状は、図3に示すような円筒状(ドラム状)に限定されず、シート状、円柱状、無端ベルト状などであってもよい。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
乱反射処理は、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスにおいて本発明による感光体を用いる場合に特に有効である。すなわち、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体の表面で反射されたレーザ光と感光体の内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像に現れて画像欠陥の発生することがある。そこで、導電性基体の表面に乱反射処理を施すことにより、波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
(1−2)中間層(下引き層)
本発明の感光体は、図1および2に示すように、導電性基体上に中間層を有していてもよい。
中間層は、導電性基体から感光層への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
また、導電性基体の表面を被覆する中間層は、導電性支持体の表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、感光層の成膜性を高め、導電性支持体と感光層との密着性(接着性)を向上させて、感光層の導電性基体からの剥離を抑えることができる。
また、中間層は1層とは限らず、複数の層で構成されていてもよい。
中間層としては、各種樹脂材料からなる樹脂層、アルマイト層などが用いられる。
樹脂層を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリアミド樹脂などの合成樹脂、ならびにこれらの合成樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよびエチルセルロースなども挙げられる。
これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂が好適に用いられる。好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどの重合ナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのようにナイロンを化学的に変性させた樹脂などを挙げることができる。
また、中間層には、金属酸化物粒子などの粒子を含有させてもよい。
中間層にこれらの粒子を含有させることによって、中間層の体積抵抗値を調節し、導電性基体からの感光層への電荷の注入を防止する効果を高めることができる。また、種々の環境下において感光体の電気特性を維持し、環境安定性を向上させることができる。
含有させ得る金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化スズなどの粒子が挙げられる。また、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物も用いることができる。
また、中間層には、光散乱粒子などの粒子を含有させてもよい。
中間層にこれらの粒子を含有させることによって、レーザ光の干渉による干渉縞が画像上に現れる画像欠陥も防ぐことができる。含有させ得る粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、有機高分子などが挙げられる。
また、中間層には、導電性を調節するために電子輸送物質を含んでいてもよい。
電子輸送物質としては、例えば、ペリレン系色素類、ジフェノキノンやナフトキノンの誘導体などのキノン類、テトラシアノエチレンやテレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノンやアリザリンなどのアントラキノン類が挙げられる。
中間層は、例えば、前記の樹脂を適当な溶剤中に溶解または分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体の表面に塗布することによって形成することができる。中間層に上記の金属酸化物粒子などの粒子を含有させる場合には、例えば、前記の樹脂を適当な溶剤に溶解させて得られる樹脂溶液中に、これらの粒子を分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体の表面に塗布することによって中間層を形成することができる。
中間層用塗布液の溶剤としては、水もしくは各種有機溶剤、またはこれらの混合溶剤が用いられる。その中でも、水、メタノール、エタノールもしくはブタノールなどの単独溶剤、または水とアルコール類、2種類以上のアルコール類、アセトンもしくはジオキソランなどとアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどの塩素系溶剤とアルコール類、THF、ジオキサンなどのエーテル類とアルコール類などの混合溶剤が好適に用いられる。
上記の金属酸化物粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミルなどのメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザーなどのメディアレス分散機などを用いる公知の分散方法を使用することができる。
中間層用塗布液中において、中間層用塗布液に使用されている溶剤の重量(D)に対する樹脂および金属酸化物の合計重量(C)の重量比(C/D)は、1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。
また、樹脂の重量(E)と金属酸化物の重量(F)との重量比(E/F)は、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
中間層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの中でも、特に浸漬塗布法は、前述のように、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、中間層を形成する場合にも好適に用いられる。
中間層の膜厚は、0.01〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜10μmである。
中間層の膜厚が0.01μmよりも薄いと、実質的に中間層として機能しなくなり、導電性基持体の欠陥を被覆して均一な表面性を得ることができず、導電性基体からの感光層への電荷の注入を十分に防止することができなくなる可能性があり、感光層の帯電性の低下を抑制できないおそれがある。
一方、中間層の膜厚を20μmよりも厚くすることは、浸漬塗布法によって形成する場合には中間層の形成が困難になるとともに、該中間層上に感光層を均一に形成することができず、感光体の感度が低下するおそれがあるので好ましくない。
(1−3)電荷発生層
電荷発生層は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を含有する。
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、オキソチタニウムフタロシアニン化合物などの金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料、ならびにセレンおよび非晶質シリコンなどの無機光導電性材料などが挙げられる。
これらの電荷発生物質は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が組合わされて使用されてもよい。
これらの電荷発生物質の中でも、フタロシアニン化合物、特に特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜および28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜および28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜および28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜および27.2゜に強い回折ピークを有するオキソチタニウムフタロシアニン結晶を使用することが好ましい。
電荷発生物質は他の増感染料(増感剤)と併用してもよい。増感剤を添加することによって、感光体の感度が向上し、更に繰返し使用による残留電位の上昇および帯電電位の低下などを抑えることができ、電気的耐久性を向上させることができる。
そのような増感染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などの増感染料が挙げられる。
電荷発生層には、結着性を向上させるために、バインダ樹脂が含有されてもよい。バインダ樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などが挙げられる。
共重合体樹脂の具体例としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などを挙げることができる。
バインダ樹脂は上記のものに限定されず、この分野において一般に用いられる樹脂をバインダ樹脂として使用することもできる。バインダ樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が併用されてもよい。
電荷発生層における電荷発生物質の割合は、10重量%以上、99重量%以下であることが好ましい。
電荷発生物質の割合が10重量%未満であると、感光体の感度が低下するおそれがある。一方、電荷発生物質の割合が99重量%を超えると、バインダ樹脂の含有量が低すぎて、電荷発生層の膜強度が低下する可能性がある。さらに、電荷発生層における電荷発生物質の分散性が低下して電荷発生物質の粗大粒子が増大し、消去されるべき部分以外の表面電荷が露光によって減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される、いわゆる黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなるおそれもある。
電荷発生層用塗布液は、例えば、適当な溶剤中に前述の電荷発生物質および必要に応じて前述のバインダ樹脂を加え、従来公知の方法で分散させることによって調製することができる。
電荷発生層用塗布液に使用される溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
これらの溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が混合されて混合溶剤として使用されてもよい。
電荷発生物質は、上記の溶剤中に分散される前に、予め粉砕機によって粉砕処理されてもよい。粉砕処理に用いられる粉砕機としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などが挙げられる。
電荷発生物質を溶剤中に分散させる際に用いられる分散機としては、例えば、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどを挙げることができる。また、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザーなどのメディアレス分散機も利用できる。このときの分散条件としては、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択する。
電荷発生層の形成方法としては、前述の電荷発生物質を導電性基体の表面に真空蒸着する真空蒸着法、前記の電荷発生物質を含む電荷発生層用塗布液を導電性基体の表面に塗布する塗布法などが挙げられる。これらの中でも簡便な塗布法が好適に用いられる。
電荷発生層用塗布液の塗布方法としては、例えば、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などが挙げられる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、好適に用いられる。
浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。なお、塗布方法はこれらに限定されるものではなく、塗布液の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を適宜選択することができる。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
電荷発生層の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体の感度が低下するおそれがある。一方、電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷移動が感光層表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体の感度が低下するおそれがある。
(1−4)電荷輸送層
電荷輸送層は、図1の感光体では最外層(表面層)に相当し、前述の通り、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂で構成されるバインダ樹脂と、フッ素系樹脂粒子と、特定のポリビニルアセタール樹脂で構成される分散安定剤とを含有する。
分散安定剤としてのポリビニルアセタール樹脂は、一般式(I):
(式中、Rは水素原子または置換基を有してもよいアルキル基であり、xは40〜99の整数であり、yは0〜10の整数であり、zは1〜50の整数であり、x+y+zは100である)
で示される。
一般式(I)のポリビニルアセタール樹脂は、酢酸ビニルポリマーを鹸化しポリビニルアルコールとした後、アルデヒド化合物と反応させることにより合成することができる。
一般式(I)におけるRのアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルなどが挙げられ、置換基を有してもよいアルキル基としては、トリフルオロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2-メトキシエチル基などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の優れた効果が得られる点、材料の入手し易さの点などで、Rが水素原子またはn−プロピル基であるポリビニルアセトアセタール樹脂が好ましい。
また、xは40〜99の整数であり、yは0〜10の整数であり、zは1〜50の整数であり、x+y+zは100である。好ましくは、xは60〜90の整数であり、yは1 〜7の整数であり、zは10〜40の整数であるのが好ましい。
分散安定剤は、100〜3000の平均重合度を有するポリビニルアセタール樹脂であるのが好ましい。
分散安定剤の平均重合度が、100未満では、分散安定効果が低くなることがある。一方、分散安定剤の平均重合度が、3000を超えると、高粘度となり分散が行いにくいことがある。
より好ましい分散安定剤の平均重合度は、200〜2000である。
一般式(I)のポリビニルアセタール樹脂の市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社の製品名:BL−1、BL−1H、BL−2、BL−2H、BL−5、BL−10、BL−S、BM−1、BM−2、BM−5、BM−S、BH−3、BH−6、BH−S;電気化学工業株式会社の製品名:#3000−1、#3000−2、#3000−4、#3000−K、#4000−2、#5000−A、#5000−D、#6000−C、#6000−EP、#6000−CS、#6000−AS;株式会社クラレの製品名:Mowital B16H、B20H、B30T、B30H、B30HH、B45M、B45H、B60T、B60H、B60HH、B75H、SB45M、SB60H、SB60HH、SB70HH、pioloform BL−16;Solutia Inc.の製品名:B−76、B−79、B−90、B−98などが挙げられる。
また、積水化学工業株式会社の製品名:BX−L、BX−1、BX−5、KS−1、KS−3、KS−5、KS−10などが挙げられる。
最外層、すなわち電荷輸送層における一般式(I)のポリビニルアセタール樹脂の含有量は、フッ素系樹脂粒子の最外層中の含有量(質量基準)に対して1〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは2〜16重量%である。
ポリビニルアセタール樹脂の含有量が1重量%以上では、電荷輸送層中におけるフッ素系樹脂粒子の分散を均一にすることができる。一方、ポリビニルアセタール樹脂の含有量が30重量%を超えると、高温高湿下での使用の際に、帯電電位が低下することがある。
フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびこれらのユニットが含有する共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂粒子などが挙げられる。
フッ素系樹脂粒子の4フッ化エチレン樹脂の市販品としては、ダイキン工業株式会社の製品名:ルブロンL-2、L-5、L-5F;株式会社喜多村の製品名:KTL-500F、KTL-1N、KTL-2N;旭硝子株式会社の製品名:FLUON PTFE L173J;テクノケミカル株式会社の製品名:microdispers−200;綜研化学株式会社の製品名:MP−300;三井・デュポンフロロケミカル株式会社の製品名:TLP−10F−1などが挙げられる。
テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)としては、三井・デュポンフロロケミカル株式会社の製品名:MP−101などが挙げられる。
テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)としては、三井・デュポンフロロケミカル株式会社の製品名:120−JRなどが挙げられる。
フッ素系樹脂粒子は、0.02〜5μmの体積平均粒径(平均一次粒径)を有するのが好ましい。
フッ素系樹脂粒子の体積平均粒径が0.02μm未満では、粒子の凝集が激しく極めて分散がし難く、また分散液の暗転性が低くなることがある。一方、フッ素系樹脂粒子の体積平均粒径が5μmを超えると、画質欠陥が発生し易くなる 。
より好ましいフッ素系樹脂粒子の体積平均粒径は、0.1〜3μmである。
なお、本発明において、体積平均粒径は、例えば、レーザ回折・散乱式粒度分析計(日機装株式会社製、型式:マイクロトラックMT3000II)を用いて、フッ素系樹脂粒子が分散された分散液と同じ溶剤に希釈した測定液で測定した値をいう。
電荷輸送層は、フッ素系樹脂粒子以外に有機粒子や無機粒子を含有していてもよい。
有機粒子としては、例えば、架橋したポリメチルメタクリレート樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド架橋物、エポキシ樹脂、ポリフェニルスルフィド樹脂(PPS)、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、スチレン-アクリル共重合体などが挙げられる。
これらの有機微粒子は、分散性向上、表面性改質、結晶度の調整などの理由から熱処理やレーザあるいは放射線の照射処理をされていてもよい。
より具体的には、ポリメチルメタクリレート樹脂としては、積水化成品工業株式会社の製品名:XX−31BM;株式会社日本触媒の製品名:エポスターMX100W、MX200Wなどが挙げられる。
メラミン・ホルムアルデヒド架橋物としては、株式会社日本触媒の製品名:エポスターS、S6などが挙げられる。
ポリフェニルスルフィド樹脂(PPS)としては、東レ株式会社の製品名:トレパールPPSなどが挙げられる。
また、無機微粒子としては、酸化珪素(シリカ)、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)などの酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの窒化化合物などが挙げられる。
これらの無機微粒子は、分散性向上、表面性改質などの理由から無機物、有機物で表面処理されていてもよい。一般に撥水性処理としては、シランカップリング剤での処理、フッ素系シランカップリング剤での処理、高級脂肪酸処理若しくは高分子材料などと共重合処理、無機物処理としてはアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理などが挙げられる。
より具体的には、酸化珪素(シリカ)としては、日本アエロジル株式会社の製品名:R972、R974、NY50、RX50;キャボットジャパン株式会社の製品名:TS610、TS612、TS620、TS630;信越化学工業株式会社の製品名:X−24-9163A;株式会社アドマテックスの製品名:SO−E1、SO−E2、SE100−GDT、SE100−SPTが挙げられる。
酸化チタンとしては、石原産業株式会社の製品名:TTO−55D、TTO−D−1、ST−21、PTー401M;堺化学工業株式会社の製品名:GTR100;テイカ株式会社の製品名:MT−500SASなどが挙げられる。
酸化亜鉛としては、石原産業株式会社の製品名:FZO−50;堺化学工業株式会社の製品名:FINEX30;テイカ株式会社の製品名:MZ−300;ハクスイテック株式会社の製品名:F−2などが挙げられる。
電荷輸送層は上記成分に加えて、電荷輸送層としての本来的機能を発現させるための電荷輸送材料、さらにはバインダ樹脂を含む。
かかる電荷輸送材料としては、例えば、ルバゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、多環芳香族系化合物、アニリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、芳香族アミン化合物、トリフェニルアミン系化合物およびその2量体、トリフェニルメタン系化合物、テトラフェニルブタジエン系化合物、エナミン系化合物およびスチルベン系化合物、ならびにこれらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリ−N−ビニルカルバゾールなどの重合体などのホール輸送物質;フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子輸送物質が挙げられる。これらの電荷輸送物質は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
バインダ樹脂には、電荷輸送物質との相溶性に優れるものが選ばれる。そのようなバインダ樹脂の具体例としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびこれらを構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、ならびにポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびフェノール樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂も挙げられる。
これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が混合されて使用されてもよい。
上記の樹脂の中でも、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリフェニレンオキサイド、特にポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂は、体積抵抗率が1013Ω・cm以上であり、電気絶縁性に優れており、また皮膜性および電位特性などにも優れているので、好適に用いられる。
電荷輸送層において、電荷輸送物質の重量(A)に対するバインダ樹脂の重量(B)の重量比(B/A)は、1.0〜2.5であることが好ましい。B/Aが2.5を超えると、バインダ樹脂の比率が高くなり過ぎ、感光体の感度が低下するおそれがある。他方、比率B/Aが1.0未満の場合、バインダ樹脂の比率が低くなり過ぎ、電荷輸送物質が結晶化し、画像欠陥が起こる可能性が高くなる。
電荷輸送層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じて、電荷発生層に含まれるものと同様の添加剤を適量含有していてもよい。
電荷輸送層には、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させるために、必要に応じて、可塑剤および/またはレベリング剤などの添加剤を添加してもよい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸エステルのような二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などを挙げることができる。
レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーン、ジフェニルシリコーンおよびフェニルメチルシリコーンなどのシリコーン系レベリング剤などを挙げることができる。
電荷輸送層には、必要に応じて、酸化防止剤および/または増感剤などの各種添加剤を含んでもよい。これによって、電位特性が向上するとともに、塗布液としての安定性が高まり、また、感光体を繰返し使用した際の疲労劣化を軽減し、耐久性を向上させることができる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール誘導体、ヒンダードアミン誘導体またはベンジルアミン誘導体が好適に用いられる。ヒンダードフェノール誘導体、ヒンダードアミン誘導体およびベンジルアミン誘導体は、任意の割合で混合して使用されてもよい。
ヒンダードフェノール誘導体、ヒンダードアミン誘導体またはベンジルアミン誘導体の使用量は、またはヒンダードフェノール誘導体、ヒンダードアミン誘導体およびベンジルアミン誘導体の合計使用量電荷輸送物質に対して0.1重量%以上20重量%以下の範囲にあることが好ましい。
使用量を0.1重量%以上とすることで、塗布液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に更なる効果を得ることができる。使用量が20重量%を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、THF、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
溶剤は、1種を単独で使用してもよく、または2種以上が混合して使用してもよい。
電荷輸送層を形成するのに用いられる電荷輸送層形成用塗布液中にフッ素系樹脂粒子 を分散させるための分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミルなどのメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザーなどのメディアレス分散機が利用できる。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
電荷輸送層形成用塗布液の調製方法については特に限定されるも のではなく、上述のフッ素系樹脂粒子とポリビニルアセタール樹脂とバインダ樹脂と電荷輸送材料と溶剤と必要に応じてその他の成分とを混合し、上述の分散機を用いて調製してもよいし、上述のフッ素系樹脂粒子とポリビニルアセタール樹脂と溶剤とを含む混合液Aおよびバインダ樹脂と電荷輸送材料と場合によっては各種の添加剤と溶剤とを含む混合液Bの2液を別々に準備した後に、これら混合液Aおよび混合液Bを混合し、上述の分散機を用いて調製してもよい。上述のフッ素系樹脂粒子とポリビニルアセタール樹脂とを溶剤中で混合することにより、フッ素系樹脂粒子の表面にポリビニルアセタール樹脂を十分に付着させることができる。また、バインダ樹脂を含む溶剤に上述のフッ素系樹脂粒子とポリビニルアセタール樹脂とを添加して混合液A'を準備し、この混合液A'と上述の混合液Bとを混合し、上述の分散機を用いて電荷輸送層形成用塗布液を調製することもできる。
予めフッ素系樹脂粒子とポリビニルアセタール樹脂とを添加して得られた混合液AおよびA'を用いて調製された電荷輸送層形成用塗布液により電荷輸送層を形成することにより、粒子に未吸着のポリビニルアセタール樹脂を減少させることができるため、感光体の感度を向上することができる。
混合液A'に含まれるバインダ樹脂の量は、フッ素系樹脂粒子に対して1〜70重量%であるのが好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。
最外層、すなわち電荷輸送層におけるフッ素系樹脂粒子の含有量は、フッ素系樹脂粒子を含む表面層中の含有物の全量(質量基準)に対して2〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。
フッ素系樹脂粒子の含有量が2重量%未満では、耐摩耗性の効果がほとんどなく、感光体の耐久性が向上できないことがある。一方、フッ素系樹脂粒子の含有量が30重量%を超えると、高温高湿下での使用の際に、電気特性が悪化することがある。
このようにして得られる電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、リング塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法、バーコート塗布法、ロールコート塗布法などの通常の方法を用いることができる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前述したように種々の点で優れているので、電荷輸送層を形成する場合にも多く利用されている。
電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmであることが好ましく、より好ましくは10〜40μmである。
電荷輸送層の膜厚が5μm未満では、感光体表面の帯電保持能が低下するおそれがある。一方、電荷輸送層の膜厚が50μmを超えると、感光体の解像度が低下する可能性がある。
(1−5)保護層(表面保護層)
本発明の感光体は、図2に示すように、表面層として保護層を有していてもよい。
保護層は、感光体の帯電時の電荷輸送層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善するために用いられる。保護層は、上述のフッ素系樹脂粒子とポリビニルアセタール樹脂と導電性材料を適当なバインダ樹脂、好ましくはポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂で構成されるバインダ樹脂中に含有させた塗布液を感光層上に塗布することにより形成される。
この導電性材料は特に限定されるものではなく、例えば、上述の電荷輸送材料、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズとアンチモン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体の担体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛または硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、あるいは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、または硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を被覆したものなどが挙げられる。
保護層に使用するバインダ樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリケトン樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの公知の樹脂が用いられる。また、これらは必要に応じて架橋させて使用することもできる。なお、特開2004−191869公報において、保護層のバインダ樹脂としてポリビニルアセタール樹脂が使用できると報告されているが、ポリビニルアセタール樹脂を保護層のバインダ樹脂として使用すると、H/H環境下で十分な帯電電位が得られないことが確認された。好ましくはポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂で構成されるバインダ樹脂である。
保護層におけるフッ素系樹脂粒子の含有量は、フッ素系樹脂粒子を含む表面層中の含有物の全量(質量基準)に対して10〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜40重量%以下である。
フッ素系樹脂粒子の含有量が10重量%未満では、摩耗により保護層が剥離する可能性が高くなる。一方、フッ素系樹脂粒子の含有量が50重量%を超えると、高温高湿下での使用の際に、電気特性が悪化することがある。
保護層を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビードー塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法などの通常の方法を用いることができる。また、保護層を形成するための塗布液に用いる
溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルヘンゼン、トルエン、シクロヘキサノンなどの通常の有機溶剤を単独であるいは2種以上を混合して用いることができるか、この塗布液が塗布される感光層を溶解しにくい溶剤を用いることが好ましい。
保護層形成用塗布液は、上述の電荷輸送層形成用塗布液の調製方法と同様にして調製することができる。また、感光層が機能一体型の単一層で構成される場合の感光層形成用塗布液は、上述の電荷輸送層形成用塗布液の調製方法において電荷輸送材料に加えて電荷発生材料を添加する以外は同様にして調製することができる。
保護層の膜厚は、1〜20μmであることが好ましく、より好ましは2〜10μmである。
保護層の膜厚が1μm未満では、ブレードまたは帯電ローラの接触等による外力を受けたとき、保護層が下層の感光層との界面から剥離し易くなる。これは、保護層の膜厚が薄い場合、外力を受けた時に保護層自体では抗し切れずに感光層との界面に常時力が負荷され、それが長期にわたると負荷されている力によって界面にずれが生じ易くなるためと考えられる。また、摩耗により保護層全てが電子写真感光体の寿命前に消失する可能性もある。一方、保護層の膜厚が20μmを超えると、キャリアが保護層内を移動する過程において拡散するので、文字太りなどの画像ボケが生じ易くなり、かつ感度低下および繰返しによる残留電位上昇が起こることがある。
(2)画像形成装置
本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、トナー像を被転写体に転写する転写装置、転写した前記トナー像を前記被転写体に定着させて画像を形成する定着装置、感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置とを備えることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、モノクロ、カラーを問わず、電子写真プロセスを利用する種々のプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機などであり得る。
図3は、本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
以下、図3を参照して画像形成装置の構成および画像形成動作について説明するが、以下の記載内容に限定されるものではない。
図3の画像形成装置100は、本発明の感光体1と、露光装置30と、帯電装置(帯電器)32と、現像装置(現像器)33と、転写装置(転写器)34と、搬送ベルト(図示せず)と、定着装置(定着器)35、クリーニング装置(クリーナ)36とを含んで構成される。符号51は被転写体(記録紙)を示す。このように画像形成装置100は、クリーニング装置36を備えているのが好ましい。
感光体1は、図示しない画像形成装置100本体に回転自在に支持され、図示しない駆動装置によって回転軸線44回りに矢符41方向に回転駆動される。駆動装置は、例えば動力源として電動機と減速歯車とを含んで構成され、その駆動力を感光体1の芯体を構成する導電性基体(導電性支持体)に伝えることによって、感光体1を所定の周速度で回転駆動させる。
感光体1の周囲には、帯電器32と、露光装置30と、現像器33と、転写器34と、クリーナ36とが、矢符41で示される感光体1の回転方向の上流側から下流側に向かってこの順序で設けられる。
帯電器32は、感光体1の表面(外周面)43を均一に所定の電位に帯電させる帯電装置である。図3において、帯電器32は帯電ローラなどの接触式帯電装置として示されているが、これに限定されることなく、例えばコロナ放電器などの非接触式帯電装置(例えばスコロトロン帯電器)であってもよい。
露光装置30は、例えば半導体レーザなどを光源として備え、光源から画像情報に応じて出力されるレーザビームなどの光31で、帯電された感光体1の表面43を露光し、これによって感光体1の表面43に画像情報に対応する静電潜像を形成させる。
現像器33は、感光体1の表面43に形成された静電潜像を現像剤(例えばトナー)によって現像し、可視像であるトナー画像を形成する現像装置であり、感光体1に対向して設けられる。現像器33は、例えば、感光体1の表面43に現像剤を供給する現像ローラ33aと、現像ローラ33aを感光体1の回転軸線44と平行な回転軸線まわりに回転可能に支持するとともにその内部空間に現像剤を収容するケーシング33bとを備える。
転写器34は、感光体1の表面43に形成されたトナー画像を、感光体1の表面43から被転写体である記録紙51上に転写させる転写装置である。図3において、転写器34は、コロナ放電器などの帯電装置を備え、記録紙51にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー画像を記録紙51上に転写させる非接触式の転写装置である。しかし、転写器34は、押圧力を利用して転写を行う接触式の転写装置であってもよい。接触式の転写装置としては、例えば、転写ローラを備え、感光体1の表面43に当接される記録紙51の当接面の反対面側から転写ローラを感光体1に対して押圧し、感光体1と記録紙51とを圧接させた状態で、転写ローラに電圧を印加することによって、トナー画像を記録紙51上に転写させるものなどを用いることができる。
クリーナ36は、画像転写後の感光体1の表面を清掃する清掃装置である。クリーナ36は、例えば、感光体1の表面43に押圧され、転写器34による転写動作後に感光体1の表面43に残留するトナーを表面43から剥離させるクリーニングブレード36aと、クリーニングブレード36aによって剥離された現像剤を収容する回収用ケーシング36bとを備える。
クリーナ36は、図示しない除電器と共に設けられる。
除電器は、感光体1の表面上に滞留した電荷を除去する装置であり、例えば除電ランプが挙げられる。
感光体1と転写器34との間を通過した後に記録紙51が搬送される方向には、転写されたトナー画像を定着させる定着装置である定着器35が設けられる。定着器35は、例えば、図示しない加熱装置を有する加熱ローラ35aと、加熱ローラ35aに対向して設けられ、加熱ローラ35aに押圧されて当接部を形成する加圧ローラ35bとを備える。
以下に画像形成装置100による画像形成動作について説明する。
まず、図示しない制御部からの指示に応じて、感光体1が駆動装置によって矢符41方向に回転駆動され、露光装置30からの光31の結像点よりも感光体1の回転方向の上流側に設けられる帯電器32によって、その表面43が正または負の所定電位に均一に帯電される。
次いで、制御部からの指示に応じて、露光装置30から、帯電された感光体1の表面43に対して光31が照射される。光源からの光31は、画像情報に基づいて、主走査方向である感光体1の長手方向に繰返し走査される。感光体1を回転駆動させつつ、光源からの光31を画像情報に基づいて繰返し走査することによって、感光体1の表面43に対して画像情報に対応する露光を施すことができる。この露光によって、光31が照射された部分の表面電荷が減少し、光31が照射された部分の表面電位と光31が照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、感光体1の表面43に静電潜像が形成される。
感光体1への露光と同期して、記録紙51が、搬送装置によって矢符42方向から転写器34と感光体1との間の転写位置に供給される。
次いで、光源からの光31の結像点よりも感光体1の回転方向の下流側に設けられる現像器33の現像ローラ33aから、静電潜像の形成された感光体1の表面43にトナーが供給される。これによって、静電潜像が現像され、感光体1の表面43に可視像であるトナー画像が形成される。感光体1と転写器34との間に記録紙51が供給されると、転写器34によってトナーと逆極性の電荷が記録紙51に与えられ、これによって感光体1の表面43に形成されたトナー画像が記録紙51上に転写される。
トナー画像が転写された記録紙51は、搬送装置によって定着器35に搬送され、定着器35の加熱ローラ35aと加圧ローラ35bとの当接部を通過する際に加熱および加圧される。これによって、記録紙51上のトナー画像が記録紙51に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された記録紙51は、搬送装置によって画像形成装置100の外部へ排紙される。
一方、トナー画像が記録紙51に転写された後に、さらに矢符41方向に回転する感光体1は、その表面43がクリーナ36に備わるクリーニングブレード36aによって擦過され、清掃される。このようにしてトナーが除去された感光体1の表面43は、除電ランプからの光によって電荷が除去され、これによって感光体1の表面43の静電潜像が消失する。その後、感光体1はさらに回転駆動され、再度感光体1の帯電から始まる一連の動作が繰返される。以上のようにして、連続的に画像が形成される。
(3)プロセスカートリッジ
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の感光体と、感光体を帯電させる帯電装置、露光により形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置および感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置から選択される少なくとも1種とを備えることを特徴とする
例えば、本発明のプロセスカートリッジは、本発明の感光体、帯電装置、現像装置およびクリーニング装置が支持部材に一体化されることで構成される。このようなプロセスカートリッジが画像形成装置100に組み込まれることにより、プロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置100に備えられることになる。
プロセスカートリッジが画像形成装置100に脱着可能であることにより、消耗時の交換が容易になる
以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
酸化アルミニウム(Al23)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン(粒子径:70nm、石原産業株式会社製、製品名:タイベークTTO−D−1)9重量部と、バインダ樹脂としての共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製、製品名:アミランCM8000)9重量部とを、1,3−ジオキソラン41重量部とメタノール41重量部との混合溶剤に加えた後、ペイントシェーカにて8時間分散処理して中間層用塗布液2kgを調製した。
得られた中間層用塗布液を塗工槽に満たし、これに導電性基体としての直径30mm、長手方向の長さ357mmのアルミニウム製円筒状導電性支持体を浸漬した後、引上げ、得られた塗膜を自然乾燥させて、導電性基体上に膜厚1.0μmの中間層を形成した。
次いで、電荷発生物質として、Cu−Kα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角2θ(誤差:2θ±0.2°)27.2°に回折ピークを示す結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニン2重量部と、バインダ樹脂としてのポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックBM−S)1重量部とを、メチルエチルケトン97重量部に混合し、ペイントシェーカにて8時間分散処理して電荷発生層用塗布液2kgを調製した。
得られた電荷発生層用塗布液を、中間層と同様の浸漬塗布法で、先に形成した中間層上に塗布し、得られた塗膜を自然乾燥させて、膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
次いで、フッ素系樹脂粒子としての4フッ化エチレン樹脂粒子(体積平均粒径:0.2μm、ダイキン工業株式会社製、製品名:ルブロンL−2)0.32重量部と、分散安定剤としてのポリビニルアセタール樹脂(一般式(I)におけるR=H、x=74±3%、y=3%以下、z=約25%、平均重合度約1250、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックKS−3)0.016重量部(フッ素系樹脂粒子に対して5重量%)を、テトラヒドロフラン2質量部に加えた後、室温で1日間攪拌混合して4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
次に、電荷輸送物質としてのN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン(日本蒸留工業株式会社製、製品名:HTM−101)1重量部、バインダ樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、製品名:ユーピロンZ400)1.8重量部、酸化防止剤としての2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を混合し、テトラヒドロフラン10.7重量部に混合溶解させた(B液)。
次に、B液にA液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を有する貫通式チャンバーを装着したメディアレス分散機(株式会社パウレック製、型式:マイクロフルイダイザーM−110P)を用いて、設定圧力100MPaの条件で分散処理を5回繰り返し、電荷輸送層用塗布液2kgを調製した。
得られた電荷発生層用塗布液を、中間層と同様の浸漬塗布法で、先に形成した電荷発生層上に塗布し、得られた塗膜を温度110℃で1時間乾燥させて、膜厚25μmの電荷輸送層(感光体の感光層側の最外層)を形成し、図1に示されるような実施例1の感光体を作製した。
[実施例2]
分散安定剤として、KS−3の代わりに、ポリビニルアセタール樹脂(一般式(I)におけるR=H、x=約66%、y=3%以下、z=33±3%、平均重合度約1350、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックBX−1)を用いること以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感光体を作製した。
[実施例3]
分散安定剤として、KS−3の代わりに、ポリビニルアセタール樹脂(一般式(I)におけるR=プロピル、x=68±3%、y=3%以下、z=約31%、平均重合度約470、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックBM−2)を用いること以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感光体を作製した。
[実施例4]
分散安定剤として、KS−3の代わりに、ポリビニルアセタール樹脂(一般式(I)におけるR=プロピル、x=63±3%、y=3%以下、z=約36%、平均重合度約250、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックBL−2)を用いること以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感光体を作製した。
[実施例5]
フッ素系樹脂粒子として、ルブロンL−2の代わりに、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)粒子(体積平均粒径:4μm、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、製品名:MP−100)を用いること以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感光体を作製した。
[実施例6]
フッ素系樹脂粒子として、ルブロンL−2の代わりに、ポリフェニレンスルフィド樹脂粒子(体積平均粒径:0.2〜0.5μm、東レ株式会社製、製品名:トレパールPPS)を用いること以外は、実施例1と同様にして、実施例6の感光体を作製した。
[実施例7]
フッ素系樹脂粒子として、ルブロンL−2の代わりに、シリカ粒子(体積平均粒径:0.3μm、株式会社アドマテックス製、製品名:SE100−SPT)を用いること以外は、実施例1と同様にして、実施例7の感光体を作製した。
[実施例8]
バインダ樹脂として、ユーピロンZ400の代わりに、ポリアリレート樹脂(ユニチカ株式会社製、製品名:U-ポリマー U-100)を用い、テトラヒドロフランの代わりにジクロロメタンを用いること以外は、実施例1と同様にして、実施例8の感光体を作製した。
[実施例9]
分散安定剤のポリビニルアセタール樹脂0.016重量部を0.0032重量部(フッ素系樹脂粒子に対して1重量%)に変更すること以外は、実施例1と同様にして、実施例9の感光体を作製した。
[実施例10]
分散安定剤のポリビニルアセタール樹脂0.016重量部を0.096重量部(フッ素系樹脂粒子に対して30重量%)に変更すること以外は、実施例1と同様にして、実施例10の感光体を作製した。
[実施例11]
実施例1と同様にして、導電性支持体上に中間層と電荷発生層とをこの順で形成した。
次いで、電荷輸送物質としてのN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン(日本蒸留工業株式会社製、製品名:HTM−101)1重量部、バインダ樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、製品名:ユーピロンZ400)1.4重量部を混合し、テトラヒドロフラン9.6重量部に混合溶解させ、電荷輸送層用塗布液2kgを調製した。
得られた電荷発生層用塗布液を、中間層と同様の浸漬塗布法で、先に形成した電荷発生層上に塗布し、得られた塗膜を温度110℃で1時間乾燥させて、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次いで、フッ素系樹脂粒子としての4フッ化エチレン樹脂粒子(体積平均粒径:0.2μm、ダイキン工業株式会社製、製品名:ルブロンL−2)1.25重量部と、分散安定剤としてのポリビニルアセタール樹脂(一般式(I)におけるR=H、x=74±3%、y=3%以下、z=約25%、平均重合度約1250、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックKS−3)0.0625重量部(フッ素系樹脂粒子に対して5重量%)を、テトラヒドロフラン6質量部加えた後、室温で1日間攪拌混合して4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
次に、電荷輸送物質としてのN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン(日本蒸留工業株式会社製、製品名:HTM−101)1重量部、バインダ樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、製品名:ユーピロンZ400)1.8重量部、酸化防止剤としての2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を混合し、テトラヒドロフラン10.6重量部に混合溶解させた(B液)。
次に、B液にA液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を有する貫通式チャンバーを装着したメディアレス分散機(株式会社パウレック製、型式:マイクロフルイダイザーM−110P)を用いて、設定圧力100MPaの条件で分散処理を6回繰り返し、保護層用塗布液2kgを調製した。
得られた保護層用塗布液を、中間層と同様の浸漬塗布法で、先に形成した電荷輸送層上に塗布し、得られた塗膜を温度110℃で1時間乾燥させて、膜厚5μmの保護層(感光体の感光層側の最外層)を形成し、図2に示されるような実施例11の感光体を作製した。
[比較例1]
分散安定剤のポリビニルアセタール樹脂を用いないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感光体の作製を試みたが、フッ素系樹脂粒子が分散せず、感光体を作製できなかった。
[比較例2]
分散安定剤として、KS−3の代わりに、含フッ素グラフトポリマー(東亞合成株式会社製、製品名:GF−400)を用いること以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感光体を作製した。
[比較例3]
保護層用塗布液のバインダ樹脂のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂の代わりに、ポリビニルアセタール樹脂(一般式(I)におけるR=H、x=74±3%、y=3%以下、z=約25%、積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックKS−3)を用いること以外は、実施例11と同様にして、比較例3の感光体を作製した。
しかし、得られた感光体は、以下に詳述するように、H/H環境下では帯電せず、感光体の特性を測定できなかった。
[評価]
作製した実施例1〜11および比較例1〜3の感光体について、以下のようにして(a)塗布液安定性、(b)耐刷性(耐摩耗性)および(c)電気特性を評価し、さらに(d)感光体性能の総合判定を行なった。
(a)塗布液安定性
感光体の感光層側の最外層用塗布液、すなわち実施例1〜10および比較例1〜2の電荷輸送層用塗布液ならびに実施例11および比較例3の保護層用塗布液について、それぞれレーザ回折・散乱式粒度分析計(日機装株式会社製、型式:マイクロトラックMT3000II)を用いて、分散直後と浸漬塗布装置に導入したまま1週間経過した後の粒度分布を測定した。
得られた結果から、塗布液安定性を次の判定基準により評価した。
G(優) :体積平均粒径10μm以上の粒子が体積分率で10%未満
B(不可):体積平均粒径10μm以上の粒子が体積分率で10%以上で実使用不可
(b)耐刷性
実施例1〜11および比較例1〜3の各実機評価用感光体を、帯電装置としてコロナ放電帯電器を備える市販の複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−3100FG)にそれぞれ搭載し、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N)環境下において、所定のパターンのテスト画像を記録用紙10万枚に実写させた後、搭載していた感光体を取り出して感光層の膜厚d1(μm)を測定し、予め測定しておいた作製時の感光層の膜厚d0から差引いた値(d0−d1)を膜減り量Δdとして求めた。
得られた結果から、耐刷性を次の判定基準により評価した。
VG(優) :Δdが5μm未満
G (良) :Δdが5μm以上8μm未満
NB(可) :Δdが8μm以上12μm未満
B (不可):Δdが12μm以上
(c)電気特性
実施例1〜11および比較例1〜3の各実機評価用感光体を、帯電装置としてコロナ放電帯電器を備え、画像形成過程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(ジェンテック社製、型式:CATE751)を取り付けて改造した市販の複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−3100FG)にそれぞれ搭載し、温度35℃、相対湿度85%の高温/高湿(H/H)環境下において、以下のようにして電気特性を評価した。なお、この複写機は、感光体表面を負に帯電して電子写真プロセスを行なう負帯電型の画像形成装置である。
帯電器による帯電動作直後の感光体の表面電位を帯電電位V0(V)として測定し、これを初期の帯電電位V01とした。またレーザ光によって露光を施した直後の感光体の表面電位を残留電位Vr(V)として測定し、これを初期の残留電位Vr1とした。
次いで、所定のパターンのテスト画像を記録用紙30万枚に連続して複写させた後、初期と同様にして帯電電位V0および残留電位Vrを測定し、これらを繰返し使用後の帯電電位V02および繰返し使用後の残留電位Vr2とした。
初期の帯電電位V01と繰返し使用後の帯電電位V02との差の絶対値を、帯電電位変化量ΔV0(=|V01−V02|)として求めた。
また、初期の残留電位Vr1と繰返し使用後の残留電位Vr2との差の絶対値を、残留電位変化量ΔVr(=|Vr1−Vr2|)として求めた。
得られた結果、帯電電位変化量ΔV0および残留電位変化量ΔVrから、電気特性を次の判定基準により評価した。
VG(優) :ΔV0が15V以下かつΔVrが105V以下
G (良) :ΔV0が15V以下かつΔVrが105Vを超え125V以下、
またはΔV0が15Vを超え30V以下かつΔVrが105V以下
NB(実使用上問題なし):ΔV0が15Vを超え30V以下かつ
ΔVrが105Vを超え125V以下
B (不良):ΔV0が30Vを超える、またはΔVrが125Vを超える
(d)感光体性能の総合判定
上記(a)〜(c)の評価結果から、感光体性能を次の判定基準により評価した。
VG(優良):塗布液安定性が優で、耐刷性および電気特性の安定性がいずれも優
G (良好):塗布液安定性が優で、耐刷性および電気特性の安定性のいずれかが良かつ他方が優または良
NB(実使用上問題なし):塗布液安定性が優で、耐刷性および電気特性の安定性のいずれかが実使用上問題なしかつ他方が不良でない
B (不良):塗布液安定性が不良、または耐刷性および電気特性の安定性のいずれか一方または両方が不良
以上の評価結果を表1に示す。
表1の実施例1〜11と比較例1〜3との比較から、本発明によるポリビニルアセタール系の分散安定剤は、フッ素系樹脂粒子を良好に分散させ、その長期安定性も高く、さらにこれを含有する塗布液から作製した実施例1〜11の感光体は、耐摩耗性および電気特性に優れ、さらに繰返し使用されても良好な電気特性を示すことがわかる。また、特開2004−191869公報に記載されているように、フッ素系樹脂粒子含有の保護層のバインダ樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を用いるとH/H環境下で電気特性が得られないこともわかった。
20a、20b 電子写真感光体
13a、13b 導電性基体(導電性支持体)
11a、11b 電荷輸送層
12a、12b 電荷輸送層
14a、14b 中間層
15b 保護層
16a、16b 感光層(積層型感光層)
1 電子写真感光体
30 露光装置
31 露光装置からの光
32 帯電器
33 現像器
33a 現像ローラ
33b ケーシング
34 転写器
35 定着器
35a 加熱ローラ
35b 加圧ローラ
36 クリーナ
36a クリーニングブレード
36b 回収用ケーシング
41、42 矢符
43 感光体の表面
44 回転軸線
51 被転写体(記録紙)
100 画像形成装置

Claims (8)

  1. 導電性基体上に少なくとも感光層が形成された電子写真感光体であり、前記電子写真感光体の感光層側の最外層が、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂で構成されるバインダ樹脂と、フッ素系樹脂粒子と、一般式(I):
    (式中、Rは水素原子または置換基を有してもよいアルキル基であり、xは40〜99の整数であり、yは0〜10の整数であり、zは1〜50の整数であり、x+y+zは100である)
    で示されるポリビニルアセタール樹脂で構成される分散安定剤とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記分散安定剤が、一般式(I)おけるRが水素原子またはn−プロピル基であるポリビニルアセタール樹脂である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記分散安定剤が、100〜3000の平均重合度を有するポリビニルアセタール樹脂である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記フッ素系樹脂粒子が、0.02〜5μmの体積平均粒径を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記分散安定剤が、前記フッ素系樹脂粒子に対して1〜30重量%の割合で、前記最外層のバインダ樹脂中に含まれる請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記導電性基体と前記感光層との間に中間層を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置、転写した前記トナー像を前記被転写体に定着させて画像を形成する定着装置と、前記電子写真感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置、露光により形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置および前記電子写真感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置から選択される少なくとも1種とを備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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