JP2005266036A - 感光体、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、当該感光体の最表面のフッ素原子量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和する感光体であって、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60原子%である感光体及びそれを用いた電子写真装置さらに電子写真装置用プロセスカートリッジである。
【選択図】 図3
Description
しかしながら、感光体表面に潤滑剤を外添供給すると、リサイクル使用するトナーの中にこの潤滑剤が混入し、結果、トナーの変質を来してしまうことになる。
電子写真感光体の昨今のニーズとして、高い耐摩耗性と表面の低摩擦性が共に持続されることが望まれている。しかしながら、未だこれを満足する手段は見出されていない。
本発明に係る感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジは、以下の構成を採用する。
(1)感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、当該感光体の最表面のフッ素原子量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和する感光体であって、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60atm%であることを特徴とする感光体である。
(2)前記感光体の最表層のフッ素原子量が増加し、飽和する感光体の初期フッ素原子量からフッ素原子飽和量に達するまでの到達速度が、電子写真装置内での繰り返し使用100回転以下であり、かつ最表面の増加フッ素原子量は5atm%以上であることを特徴とする上記(1)記載の感光体である。
(3)感光体に接触する帯電部材、及び/または現像部材、及び/または転写部材、及び/またはクリーニング部材を有する電子写真装置であって、当該感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該感光体の最表面のフッ素原子飽和量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和し、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60atm%であることを特徴とする電子写真装置である。
(4)前記電子写真装置における感光体最表層のフッ素原子量が増加し、感光体の初期フッ素原子量からフッ素原子飽和量に達するまでの到達速度が、電子写真装置内でも繰り返し使用100回転以下であり、かつ最表面の増加フッ素原子量は5atm%以上であることを特徴とする上記(3)記載の電子写真装置である。
(5)前記電子写真装置に使用されるトナーは円形度0.96以上の球形トナーであることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載された電子写真装置である。
(6)帯電部材、現像部材、転写部材、クリーニング部材の少なくとも一つと、上記(1)又は(2)に記載された感光体とが着脱可能に一体形成されたことを特徴とする電子写真装置用のプロセスカートリッジである。
感光体は導電性支持体上に下引き層と、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが、積層形成されている。
この他に、かかる下引き層として、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる感光層の種類は、Se系、OPC系等のいずれも適用できる。無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。特に、環境に対して優しくかつ安価なOPCが良好である。これらのうち、OPC系について以下に簡単に説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層であって、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、必要に応じて、電荷輸送性物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送性物質も良好に用いられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性が良いことが要求される。
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
更に、電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。かかるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーなどが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
更に、電荷輸送層が感光体の最表層になる場合には、少なくとも電荷輸送層にフッ素樹脂微粒子を含有する。
塗工方法としては、浸漬塗工、スプレー塗工など公知の方法が考えられる。
フィラー材料としては、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料とがある。有機性フィラー材料としては、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
その中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方最密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。このようなフィラー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。
フィラーの平均一次粒径が0.05μmよりも小さすぎると耐摩耗性が不十分となる場合がある。一方、フィラーの平均一次粒径が1.0μmよりも大きすぎると潜像担持体に照射される光書き込み光が該フィラーで散乱して透過率が低下し、画像ボケや文字太りが生じてしまうことがある。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くの場合、かかる単層感光層は、電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送性物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷発生物質並びに電荷輸送性物質としては、前述した材料を用いることができる。
また、かかる単層感光層には、必要により、可塑剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いることができる。その他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
さらに、単層感光層が感光体の最表層となる場合には、少なくとも該単層感光層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子は本発明の分散状態で存在する。
これによって、前述の電荷輸送層の場合と同じ効果が得られる。
単層感光体の感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
更に、本発明に係る電子写真感光体の保護層には、接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えてもかまわない。
例えば、スプレー塗工においては、まず、塗工液の条件として、固形分濃度、混合溶媒の場合はその種類と混合比などがあり、スプレー装置の条件としては、塗工液の吐出量、霧化エア圧力、スプレー先端と被塗布部表面との距離、被塗布物表面の移動速度、重ね塗りの回数などが上げられる。例えば、塗工液の吐出量を小さくして、重ね塗り回数を増やすことで所望の膜厚の保護層を形成する場合は、よりドライな状態で塗膜が形成され、逆に吐出量を大きくして、重ね塗り回数を減らすと、よりウェットな状態で塗膜が形成されることになる。
こうして得られる保護層の膜厚は0.1〜15μmの範囲が適当であり、より好ましくは1〜10μmである。
X線光源:AlKα(モノクロ)
分析領域:100μmφ
電子中和銃使用、原子濃度は各元素のピーク強度より表面原子濃度を見積もる。表面原子濃度の計算にはPHI社の早相対感度因子を使用する。
図1は、本実施形態に係る電子写真装置(画像形成装置)の一例である。この装置は、中間転写ベルト7を有するタンデム方式の画像形成装置であり、本発明に関わる感光体ドラム20を各色で共有させるのではなく、各色用の感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkを備えている。また、ドラムクリーニングユニット5、除電ランプ3、露光光源1、現像ユニット2、ドラムを一様帯電せしめる帯電ローラ4も、各色用のものを備えている。本装置例においては、帯電ローラー4、現像用部材の2成分現像剤(図示せず)、中間転写ベルト7、クリーニングユニット5中のファーブラシ11、クリーニングブレード12が感光体に接触する接触部材である。本発明においては円形度0.96以上の球形トナーを好適に使用することができる。
図2は、本実施形態に係る電子写真用プロセスカートリッジの一例である。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電部材、現像部材、転写部材、クリーニング部材の少なくとも1つを含んだ一体型ユニットである。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図2に示すものが挙げられる。かかる電子写真用プロセスカートリッジは、感光体20、露光光源21、現像ユニット22、帯電ローラ24及びクリーニングユニット25などから構成されている。
<実施例1〜4、比較例1〜4>
感光体の製造例1
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製)]15重量部、メラミン樹脂[スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製)]10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末[タイペールCR−EL(石原産業社製)]90重量部を加えボールミルで12時間分散し、下引層用塗工液を作製した。
これをφ90mm、長さ392mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し130℃20分間乾燥し、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
次にポリビニルブチラール樹脂[XYHL(UCC社製)]4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これを下記構造式(1)に示す
感光体の製造例2における保護層の製造について、PFA分散液は製造例1と同様に行い、希釈液としてテトラヒドロフラン420重量部とシクロヘキサノン120重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート40重量部を溶解した樹脂液をもちいた。これに対して、PFA分散液を100重量部加えた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層形成用塗工液を作製した以外は製造例1と同様にして17本の感光体を作製した。
図1の電子写真装置を用いて本発明に関わる実験装置を組み込んだ。図1において中間転写ベルトは時計回りに、感光体は反時計回りに回転する。
図1の4つの感光体の1つ及びその周辺部材を1ユニットとし、左から順に ステーション1Bk(ブラック)、ステーション2M(マゼンタ)、ステーション3C(シアン)、ステーションY(イエロー)と名付け、現像部にはそれぞれ、ブラック、マゼンタ、シアン、イエロートナーを投入した。トナーは球形の重合トナーとし、トナーの円形度は0.996 体積平均粒径は4.5μmの物を採用し、著しくクリーニングが困難なトナーを用いた。またそれぞれのユニットにおいて、クリーニング条件は異なるように構成した。それぞれのクリーニング条件を表1に示す。
製造例1の感光体を上述の電子写真装置の第一ステーションから第四ステーションに搭載して、未使用品1本と50枚複写品計4本と2000枚複写品計4本と50000枚複写品計4本の合計13本複写履歴がある感光体を得た。それぞれの感光体について、感光体最表面のXPS分析を実施し、フッ素原子濃度を測定した。結果を表2、図2に示す。
製造例1,2の感光体をそれぞれ4本準備し、XPS分析用のサンプルと同様にして、図1の構成の電子写真装置を用いて複写試験を行った。評価は常温常湿環境下で5万枚まで複写試験を行い、ついで、低温低湿環境下で1000枚の複写試験を行い、クリーニング性の評価と感光体摩耗量の評価と異常画像の有無を調査した。結果を表4に示す。
4 帯電ローラ
5 クリーニングユニット
7 中間転写ベルト
11 ファーブラシ
12 クリーニングブレード
20 感光体ドラム
Claims (6)
- 感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、当該感光体の最表面のフッ素原子量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和する感光体であって、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60atm%であることを特徴とする感光体。
- 前記感光体の最表層のフッ素原子量が増加し、飽和する感光体の初期フッ素原子量からフッ素原子飽和量に達するまでの到達速度が、電子写真装置内での繰り返し使用100回転以下であり、かつ最表面の増加フッ素原子量は5atm%以上であることを特徴とする請求項1記載の感光体。
- 感光体に接触する帯電部材、及び/または現像部材、及び/または転写部材、及び/またはクリーニング部材を有する電子写真装置であって、当該感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該感光体の最表面のフッ素原子飽和量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和し、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60atm%であることを特徴とする電子写真装置。
- 前記電子写真装置における感光体最表層のフッ素原子量が増加し、感光体の初期フッ素原子量からフッ素原子飽和量に達するまでの到達速度が、電子写真装置内でも繰り返し使用100回転以下であり、かつ最表面の増加フッ素原子量は5atm%以上であることを特徴とする請求項3記載の電子写真装置。
- 前記電子写真装置に使用されるトナーは円形度0.96以上の球形トナーであることを特徴とする請求項3又は4に記載された電子写真装置。
- 帯電部材、現像部材、転写部材、クリーニング部材の少なくとも一つと、請求項1又は2に記載された感光体とが一体形成されたことを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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