JP2005266036A - 感光体、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

感光体、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 トナー特に球形トナーのクリーニング性を長期にわたって信頼性良く確保し、クリーニング不良による地汚れのない良好な画像を長期にわたって得られる電子写真装置を得ること、感光体から画像を転写する時に発生する虫食い状の画像抜けとチリ画像の発生を回避すること、従来の感光体単独の能力では成し得なかった感光体を高耐久化する電子写真装置を装置構成として得ることである。
【解決手段】 感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、当該感光体の最表面のフッ素原子量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和する感光体であって、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60原子%である感光体及びそれを用いた電子写真装置さらに電子写真装置用プロセスカートリッジである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複写機、静電印刷、プリンタ、静電記録などに用いられる電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置さらに電子写真装置用プロセスカートリッジに関する。
複写機、レーザープリンタなどに応用される電子写真装置で使用される電子写真感光体は、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機感光体が主流であった時代から、現在では、地球環境への負荷低減、低コスト化、および設計自由度の高さで無機感光体よりも有利な有機感光体(OPC)が広く利用されるようになっている。
この有機感光体は層構成別に分類することができ、例えば、(1)ポリビニルカルバゾ−ル(PVK)に代表される光導電性樹脂やPVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体を導電性支持体上に設ける均質単層型、(2)フタロシアニンやペリレンなどの顔料を樹脂中に分散させたものを導電性支持体上に設ける分散単層型、(3)導電性支持体上に設ける感光層を、アゾ顔料などの電荷発生物質を含有する電荷発生層(CGL)と、トリフェニルアミンなどの電荷輸送物質を含有する電荷輸送層(CTL)に機能分離した積層型に分類することができる。
積層型の場合、電荷発生層の上に電荷輸送層を設ける構造と、これと逆の構造があり、前者が一般的で後者を特に逆層と呼ぶ場合がある。特に積層型は高感度化に有利であり、加えて、高感度化や高耐久化に対する設計上の自由度が高いこともあって、現在、有機感光体の多くがこの層構成を採っている。
近年では地球環境保全に配慮したモノづくりの重要度が増すに至り、感光体はサプライ製品(使い捨てされる製品)から機械部品としての転換が求められている。これには感光体のロングライフ化が必要であり、この対応として感光層の上に保護層が加えられるケースが一般的となっている。
また、電子写真に用いられる現像用トナーは、トナー製造時の地球環境負荷低減の向上や高画質化に有利な重合トナー、球形トナー、および小粒径トナー(大凡、6μm以下)を使用することが主流となりつつある。これらのトナーに対するクリーニング性を確保することや現像後に残留するトナーを再利用するために感光体はその表面の摩擦係数が低く且つ繰り返し使用時にも持続することが望まれている。
これに対し重合トナーのクリーニング性は感光体表面にステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を塗布して感光体表面の摩擦係数を低減化する(以下、このことを簡単に低表面エネルギー化と称す。)ことでクリーニング性能は確保されることが知られている(非特許文献1参照。)。
しかしながら、感光体表面に潤滑剤を外添供給すると、リサイクル使用するトナーの中にこの潤滑剤が混入し、結果、トナーの変質を来してしまうことになる。
他の手段として、感光体の最外層にシリコーン化合物、フッ素樹脂微粒子、脂肪酸エステル等の潤滑剤を含有する手段が提案されている。特に重合トナーのクリーニング性に対して、感光体の最外層にフッ素原子含有樹脂微粒子を含有する手段が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
感光体表面の低表面エネルギー化に対してフッ素原子含有樹脂微粒子を含有することは有効であるが、かかる手段のみでは耐久による感光体表面の摩擦係数上昇を伴い、初期の低表面摩擦係数を持続することは困難である。この場合、使用間もなく感光体表面の摩擦係数が上昇し、クリーニング性が不十分となる結果、感光体の交換が必要となる。
また、感光体表面の摩擦係数を低減化するためにはフッ素原子含有樹脂微粒子は所定量以上の濃度で含有させる必要があるが、この場合、特許文献3、特許文献4に記される如く膜強度の脆化を招いてしまう。また、これらの公報に規定される含有量に調製してもフッ素原子含有樹脂微粒子を含有することにより感光体の耐摩耗性は劣化してしまうケースが多い。
電子写真感光体の昨今のニーズとして、高い耐摩耗性と表面の低摩擦性が共に持続されることが望まれている。しかしながら、未だこれを満足する手段は見出されていない。
百武信男,丸山彰久,重崎聡,奥山裕江,Japan Hardcopy Fall Meeting,24−27,2001) 特開平11−218953号公報 特開平11−272003号公報 特開平7−13381号公報(段落番号[0013]) 特開平10−142816号公報(段落番号[0026])
本発明の目的は、トナー特に球形トナーのクリーニング性を長期にわたって信頼性良く確保し、クリーニング不良による地汚れのない良好な画像を長期にわたって得られる電子写真装置を得ること、感光体から画像を転写する時に発生する虫食い状の画像抜けとチリ画像の発生を回避すること、従来の感光体単独の能力では成し得なかった感光体を高耐久化する電子写真装置を装置構成として得ることである。
本発明者らは鋭意検討した結果、感光体の表層にフッ素樹脂粒子を含有させ、感光体の表面自由エネルギーの低減をはかり、球形トナーのクリーニング性を確保しようと志向した場合、感光体最表層には所定量以上のフッ素樹脂粒子が必要であり、さらにフッ素樹脂粒子が感光体表面で露出後、延展し、感光体表面を一様にフッ素樹脂粒子成分で被覆することが重要であり、XPSで感光体最表面の分析を行った場合にはフッ素原子量が感光体最表面全体の20〜60atm%必要であること、その範囲にフッ素原子量を制御することによって球形トナーのクリーニング性は長期にわたって安定的に確保されることを見出した。
本発明に係る感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジは、以下の構成を採用する。
(1)感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、当該感光体の最表面のフッ素原子量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和する感光体であって、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60atm%であることを特徴とする感光体である。
(2)前記感光体の最表層のフッ素原子量が増加し、飽和する感光体の初期フッ素原子量からフッ素原子飽和量に達するまでの到達速度が、電子写真装置内での繰り返し使用100回転以下であり、かつ最表面の増加フッ素原子量は5atm%以上であることを特徴とする上記(1)記載の感光体である。
(3)感光体に接触する帯電部材、及び/または現像部材、及び/または転写部材、及び/またはクリーニング部材を有する電子写真装置であって、当該感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該感光体の最表面のフッ素原子飽和量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和し、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60atm%であることを特徴とする電子写真装置である。
(4)前記電子写真装置における感光体最表層のフッ素原子量が増加し、感光体の初期フッ素原子量からフッ素原子飽和量に達するまでの到達速度が、電子写真装置内でも繰り返し使用100回転以下であり、かつ最表面の増加フッ素原子量は5atm%以上であることを特徴とする上記(3)記載の電子写真装置である。
(5)前記電子写真装置に使用されるトナーは円形度0.96以上の球形トナーであることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載された電子写真装置である。
(6)帯電部材、現像部材、転写部材、クリーニング部材の少なくとも一つと、上記(1)又は(2)に記載された感光体とが着脱可能に一体形成されたことを特徴とする電子写真装置用のプロセスカートリッジである。
本発明に従えば、トナー特に球形トナーのクリーニング性が長期にわたって信頼性良く確保される他、感光体から画像を転写する場合の虫食い状の画像抜け、チリ画像を回避でき、さらには電子写真装置内でフッ素樹脂微粒子を摺擦・押圧することにより感光体表面に強固にフッ素樹脂が被覆していることから、従来の感光体単独の能力ではなしえなかったような耐摩耗性に優れた、削れにくい感光体が得られる。
(本発明にかかわる感光体の例)
感光体は導電性支持体上に下引き層と、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが、積層形成されている。
本発明において電子写真感光体に使用される導電性支持体としては、導電体もしくは導電処理をした絶縁体、例えばAl、Ni、Fe、Cu、Auなどの金属、もしくはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属あるいはIn23、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの、樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、Al、Cu、Ni等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙等が使用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなく、板状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用できるが、ベルト状の支持体を用いると、内部に駆動ローラー、従動ローラーを設ける必要があるなど装置が複雑化したり、大型化する反面、レイアウトの自由度が増すなどのメリットがある。しかしながら、保護層を形成する場合は、該保護層の可撓性が不足して、表面にクラックとよばれる亀裂が入る可能性があり、それが原因で粒状の地肌汚れが発生することが考えられる。このようなことから、支持体としては剛性の高いドラム状のものが好ましく用いられる。
導電性支持体と感光層との間には、必要に応じて、下引き層を設けてもよい。かかる下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層は、一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に溶剤を用いた感光層が塗布されることを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
更に、かかる下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、かかる下引き層として、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けてもよい。
下引き層の膜厚は約0.1〜5μmが適当である。
本発明の電子写真感光体に用いられる感光層の種類は、Se系、OPC系等のいずれも適用できる。無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。特に、環境に対して優しくかつ安価なOPCが良好である。これらのうち、OPC系について以下に簡単に説明する。
本発明における感光層は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは積層型について述べる。はじめに、電荷発生層について説明することにする。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層であって、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、必要に応じて、電荷輸送性物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送性物質も良好に用いられる。
電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共に、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性が良いことが要求される。
これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送性物質及び必要に応じて用いられるバインダー樹脂により構成される。かかる電荷輸送層は、これらの電荷輸送性物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。かかる電荷輸送層には、必要により、電荷輸送性物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤などの添加剤を適量添加することもできる。
電荷輸送性物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、高分子電荷輸送性物質は、以下のような構造を有していてもよい。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
また、本発明に用いられる高分子電荷輸送性物質として更に有用なトリアリールアミン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルとしては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等に記載の化合物が例示される。
更に、電荷輸送層に併用できるバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は、約5〜100μm程度が適当であるが、近年の高画質化の要求から、電荷輸送層を薄膜化することが図られており、1200dpi以上の高画質化を達成するためには、より好ましくは5〜30μm程度が適当である。
本発明における電荷輸送層中には、ゴム、プラスチック、油脂類などに用いられる他の酸化防止剤や可塑剤などの添加剤を添加してもかまわない。
更に、電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。かかるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーなどが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
塗工方法としては、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行なうことができる。
更に、電荷輸送層が感光体の最表層になる場合には、少なくとも電荷輸送層にフッ素樹脂微粒子を含有する。
電荷輸送層中にフッ素樹脂微粒子を含有させる場合、より効率よく摩擦係数低減効果を得るためには、電荷輸送層の表面付近の含有量を多くすることが好ましい。すなわち、摩擦係数低減の効果を発揮するのは感光体表面に露出したフッ素樹脂微粒子であり、繰り返し使用による電荷輸送層の摩耗のために、もはや電子写真感光体としての機能を発揮できなくなる膜厚より上に含有させればよく、それより内部に含有したフッ素樹脂微粒子は無駄になってしまう上、逆に感光体の電子写真特性に悪影響を与える可能性もある。フッ素樹脂微粒子を電荷輸送層の表面付近に多く含有させる電子写真感光体の製造方法としては、例えば、フッ素樹脂微粒子を含有しない電荷輸送層形成用塗工液を塗布した後、フッ素樹脂微粒子を含有した電荷輸送層形成用塗工液を塗布するなどの方法が好適である。
例えば、具体的に説明すると、電荷発生層上に、まずフッ素樹脂微粒子を含有しない電荷輸送層形成用塗工液を用いて第1の電荷輸送層を形成し、その上からフッ素樹脂微粒子の含有量が固形分比40vol%の電荷輸送層形成用塗工液を用いて第2の電荷輸送層を形成し、乾燥することによって、表面にフッ素樹脂微粒子を多く含有した電荷輸送層が形成できる。
塗工方法としては、浸漬塗工、スプレー塗工など公知の方法が考えられる。
本発明にかかわるフッ素樹脂としては、分子中にフッ素原子を含有する合成高分子が好適であり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(四ふっ化エチレン樹脂:略称PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(四ふっ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂:略称PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(四ふっ化エチレン・6ふっ化プロピレン共重合樹脂:略称FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(四ふっ化エチレン・エチレン共重合樹脂:E/TFE)、ポリビニリデンフルオライド(ふっ化ビニリデン樹脂:PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(三ふっ化塩化エチレン樹脂:略称PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(三ふっ化塩化エチレン・エチレン共重合樹脂:略称E/CTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフロロジメチルジオキソール共重合樹脂(略称TFE/PDD)、ポリビニルフルオライド(ふっ化ビニル樹脂:略称PVF)等が挙げられる。
フッ素樹脂は、その特性として、フッ素分子の影響から樹脂自体に潤滑性を持つ。そのため、フッ素樹脂自体が潤滑材の役目を果たす。これは、フッ素分子の分極率が小さいためフッ素化合物の分子間凝集エネルギーが低いこと、構造的に分子鎖表面が滑らかなこと、配向によって摩擦抵抗が緩和されること等によると考えられる。複合材料を潤滑材として使用する場合、低分子量PTFE以外の被複合材料も感光体に接触し、その影響が出る場合がある。ここで、被複合材料をフッ素樹脂とすれば、フッ素樹脂の特質である潤滑性が低分子量PTFEと共に感光体に付加され、潤滑性が向上することになる。
最表層における該フッ素樹脂微粒子の含有量としては、20vol%〜90vol%が好適である。本発明の範囲となるように、表面に分散して露出している必要がある。含有量が20vol%より小さいと、表面に露出する微粒子の投影面積比が小さくなってしまい、低摩擦係数の持続性が低下してしまうことがあり、また含有量が90vol%よりも大きいと、必然的にバインダー樹脂の含有量が小さくなり、塗膜の機械的強度が低下してしまうことが考えられる。
また、該フッ素樹脂微粒子の一次粒径は、本発明の好適な一次粒子、および二次粒子の平均直径を満たすためには大きすぎても小さすぎても好ましくない。具体的には平均粒径が0.1〜0.3μmの範囲にあるものが好ましい。
また、本発明の感光体は、電荷輸送層が最表層になる場合には、電荷輸送層にフッ素樹脂微粒子以外のフィラーを含有しても良い。
フィラー材料としては、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料とがある。有機性フィラー材料としては、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
無機材料からなるフィラーは、有機材料からなるフィラーに比べ硬度が高いため、感光体最表層の耐摩耗性をより向上させることができる。ところが、一般的に、潜像担持体の耐摩耗性を向上させると該潜像担持体の表面部はほとんど摩耗しなくなるが、帯電時に発生するオゾン、NOx等の反応性ガスによって該表面部が低抵抗化し、次第に該表面部の静電荷が保持されなくなり、該静電荷が表面方向に移動してしまうことが知られている。その結果、静電潜像が滲んでしまい、該静電潜像がトナーなどで現像されたときに見られる画像ボケや画像流れと呼ばれる異常画像が起こるようになる。そこで、本発明で用いるフィラーとしては1010Ωcm以上という高い抵抗を有することが好ましい。このようなフィラーを用いることで、感光体の最表面の低抵抗化が抑えられ、上記異常画像の発生を大幅に抑制することができる。
これらのフィラーの中で、特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらのフィラー材料は他の金属酸化物微粒子に比べ価格が安く入手も容易なため、感光体の製造コスト低減を図ることが可能となる。
その中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方最密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。このようなフィラー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。
これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、0.05〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.3μmである。
フィラーの平均一次粒径が0.05μmよりも小さすぎると耐摩耗性が不十分となる場合がある。一方、フィラーの平均一次粒径が1.0μmよりも大きすぎると潜像担持体に照射される光書き込み光が該フィラーで散乱して透過率が低下し、画像ボケや文字太りが生じてしまうことがある。
表面層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また感光体を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、5〜60重量%が好ましい。また、これらのフィラーを電荷輸送層全体に含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなるような場合があるため、電荷輸送層の最表面側が最もフィラー含有率が高く、導電性支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、導電性支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度が順次高くしたりするような構成にすることが好ましい。
次に、感光層が単層構成の場合について説明する。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くの場合、かかる単層感光層は、電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送性物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷発生物質並びに電荷輸送性物質としては、前述した材料を用いることができる。
また、かかる単層感光層には、必要により、可塑剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いることができる。その他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
さらに、単層感光層が感光体の最表層となる場合には、少なくとも該単層感光層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子は本発明の分散状態で存在する。
これによって、前述の電荷輸送層の場合と同じ効果が得られる。
また、前述の電荷輸送層の場合と同様に、表面付近のフッ素樹脂微粒子の含有量を多くするのが好ましく、その方法も同様の製造方法を用いることができる。
単層感光体の感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、感光層の上に、保護層が設けられた形態が最も好適である。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、保護層を用いる場合、保護層が最表層となるので、該保護層中にフッ素樹脂微粒子を含有する。保護層は主に耐摩耗性の向上、或いは潤滑性などの機能付与を目的としている。本発明においては、フッ素樹脂微粒子を好適な分散状態で含有することで長期間繰り返し使用においても低摩擦係数が持続し、耐摩耗性が向上する。さらに、保護層は感光層の上に比較的小さな膜厚をもって設けられるため、感光体の電気特性への影響が比較的小さく、電荷輸送層にフッ素樹脂微粒子を含有させる場合よりも、含有量を大きくすることができ、低摩擦係数化や耐摩耗性に特化した処方を用いて電荷輸送層と機能分離させることができるなどの利点がある。
また、保護層にはさらなる耐摩耗性を付与するためにフィラー材料を含有してもよい。フィラーとしては、前述のものを用いることができ、また、これらのフィラー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。
また、保護層に電荷輸送物質を含有させることも感光体の電気特性、特に繰り返し使用時の光感度劣化、残留電位の上昇を抑制するのに非常に有用である。これは、保護層にも電荷輸送性を持たせることで、感光体表面までスムーズに電荷が移動できるようになるためだと考えられる。かかる電荷輸送性物質としては、先に挙げた電荷輸送層で用いられる電荷輸送性物質を用いることができる。
更に、本発明に係る電子写真感光体の保護層には、接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えてもかまわない。
本発明にかかる保護層は、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ塗工等の常法の塗工方法を用いて感光層上に形成される。特に、量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、スプレー塗工が有利である。
しかしながら、塗工における各種条件によっても、感光体表面のフッ素樹脂微粒子の分散状態が変わるので、塗工する際の条件設定は非常に重要である。
例えば、スプレー塗工においては、まず、塗工液の条件として、固形分濃度、混合溶媒の場合はその種類と混合比などがあり、スプレー装置の条件としては、塗工液の吐出量、霧化エア圧力、スプレー先端と被塗布部表面との距離、被塗布物表面の移動速度、重ね塗りの回数などが上げられる。例えば、塗工液の吐出量を小さくして、重ね塗り回数を増やすことで所望の膜厚の保護層を形成する場合は、よりドライな状態で塗膜が形成され、逆に吐出量を大きくして、重ね塗り回数を減らすと、よりウェットな状態で塗膜が形成されることになる。
このように塗工中の塗膜の状態一つをとっても、表面のフッ素樹脂微粒子の状態に影響を及ぼすことが考えられる。従って、表面のフッ素樹脂微粒子が本発明のような状態になるように、各種塗工条件を検討し、好適な範囲を把握する必要がある。
こうして得られる保護層の膜厚は0.1〜15μmの範囲が適当であり、より好ましくは1〜10μmである。
本発明において、最表面のフッ素原子量は走査型X線光電子分光装置(XPS)によって測定される。XPSの測定条件は、
X線光源:AlKα(モノクロ)
分析領域:100μmφ
電子中和銃使用、原子濃度は各元素のピーク強度より表面原子濃度を見積もる。表面原子濃度の計算にはPHI社の早相対感度因子を使用する。
また電子写真装置内において、感光体の繰り返し使用100回転以下でフッ素原子飽和量が飽和するのが好ましい。短時間でフッ素原子飽和量が安定するため、電子写真装置の製造後早期の利用が可能となるからである。但しフッ素原子飽和量の飽和・安定には、感光体の最表層の材料・硬度と選択するフッ素樹脂粒子の種類、分散状態やクリーニングブレード線圧、トナー硬度、トナー外添剤硬度、それぞれの粒径、帯電ハザード等も関連する。
(電子写真装置の一例)
図1は、本実施形態に係る電子写真装置(画像形成装置)の一例である。この装置は、中間転写ベルト7を有するタンデム方式の画像形成装置であり、本発明に関わる感光体ドラム20を各色で共有させるのではなく、各色用の感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkを備えている。また、ドラムクリーニングユニット5、除電ランプ3、露光光源1、現像ユニット2、ドラムを一様帯電せしめる帯電ローラ4も、各色用のものを備えている。本装置例においては、帯電ローラー4、現像用部材の2成分現像剤(図示せず)、中間転写ベルト7、クリーニングユニット5中のファーブラシ11、クリーニングブレード12が感光体に接触する接触部材である。本発明においては円形度0.96以上の球形トナーを好適に使用することができる。
(電子写真用プロセスカートリッジの一例)
図2は、本実施形態に係る電子写真用プロセスカートリッジの一例である。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電部材、現像部材、転写部材、クリーニング部材の少なくとも1つを含んだ一体型ユニットである。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図2に示すものが挙げられる。かかる電子写真用プロセスカートリッジは、感光体20、露光光源21、現像ユニット22、帯電ローラ24及びクリーニングユニット25などから構成されている。
以下、本発明を実施例によって説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。
<実施例1〜4、比較例1〜4>
感光体の製造例1
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製)]15重量部、メラミン樹脂[スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製)]10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末[タイペールCR−EL(石原産業社製)]90重量部を加えボールミルで12時間分散し、下引層用塗工液を作製した。
これをφ90mm、長さ392mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し130℃20分間乾燥し、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
次にポリビニルブチラール樹脂[XYHL(UCC社製)]4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これを下記構造式(1)に示す
Figure 2005266036
ビスアゾ顔料に10重量部を加え、ボールミルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて3時間分散を行った。これを容器に取り出し固形分が1.5重量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に塗工し130℃20分間乾燥し厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、テトラヒドロフラン100重量部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.002重量部を溶解し、これに下記構造式(2)の電荷輸送物質10重量部を加えて電荷輸送層用塗工液を作製した。こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、その後110℃20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2005266036
次に、テトラヒドロフラン56重量部とシクロヘキサノン24重量部の混合溶媒に、パーフルオロアルコキシ樹脂微粒子(PFA)(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル社製)18重量部、分散助剤(商品名:モディパーF210 日本油脂社製)2重量部を混合し、高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005 スギノマシン社製)において、100MPa圧力下、1時間循環して、PFA分散液を得た。また、テトラヒドロフラン420重量部とシクロヘキサノン120重量部の混合溶媒に、ポリアリレート樹脂(商品名:U−100 ユニチカ社製)10重量部を溶解した樹脂液を作成し、これに前記PFA分散液100重量部を加えた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層形成用塗工液を作製した。こうして得られた保護層形成用塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308 オリンポス社製)を用い、2kgf/cm2のエア圧でスプレー塗工を行い、3回重ね塗りした後、130℃20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成し、17本の感光体を作製した。
感光体の製造例2
感光体の製造例2における保護層の製造について、PFA分散液は製造例1と同様に行い、希釈液としてテトラヒドロフラン420重量部とシクロヘキサノン120重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート40重量部を溶解した樹脂液をもちいた。これに対して、PFA分散液を100重量部加えた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層形成用塗工液を作製した以外は製造例1と同様にして17本の感光体を作製した。
電子写真装置の構成
図1の電子写真装置を用いて本発明に関わる実験装置を組み込んだ。図1において中間転写ベルトは時計回りに、感光体は反時計回りに回転する。
図1の4つの感光体の1つ及びその周辺部材を1ユニットとし、左から順に ステーション1Bk(ブラック)、ステーション2M(マゼンタ)、ステーション3C(シアン)、ステーションY(イエロー)と名付け、現像部にはそれぞれ、ブラック、マゼンタ、シアン、イエロートナーを投入した。トナーは球形の重合トナーとし、トナーの円形度は0.996 体積平均粒径は4.5μmの物を採用し、著しくクリーニングが困難なトナーを用いた。またそれぞれのユニットにおいて、クリーニング条件は異なるように構成した。それぞれのクリーニング条件を表1に示す。
Figure 2005266036
(感光体最表層のフッ素量の確認)
製造例1の感光体を上述の電子写真装置の第一ステーションから第四ステーションに搭載して、未使用品1本と50枚複写品計4本と2000枚複写品計4本と50000枚複写品計4本の合計13本複写履歴がある感光体を得た。それぞれの感光体について、感光体最表面のXPS分析を実施し、フッ素原子濃度を測定した。結果を表2、図2に示す。
Figure 2005266036
次に製造例2の感光体を用いて、製造例1の感光体と同様にして電子写真装置内で繰り返し使用を実施し、フッ素原子量の推移を調べた結果を表3、図3に示す。
Figure 2005266036
実際の複写試験
製造例1,2の感光体をそれぞれ4本準備し、XPS分析用のサンプルと同様にして、図1の構成の電子写真装置を用いて複写試験を行った。評価は常温常湿環境下で5万枚まで複写試験を行い、ついで、低温低湿環境下で1000枚の複写試験を行い、クリーニング性の評価と感光体摩耗量の評価と異常画像の有無を調査した。結果を表4に示す。
Figure 2005266036
表4から明らかなようにこの発明に従えば、従来困難であったフッ素樹脂粒子によるクリーニング性の持続と耐久性が両立できる。そのためにはフッ素樹脂粒子が最表面のフッ素原子含有量で20〜60atm%と安定して保持されていることが重要であると解る。
本発明に係る電子写真装置の一例を示す図である。 本発明に係る電子写真装置用プロセスカートリッジの一例を示す図である。 製造例1における感光体最表面のフッ素原子量の推移を示すグラフである。 製造例2における感光体最表面のフッ素原子量の推移を示すグラフである。
符号の説明
3 除電ランプ
4 帯電ローラ
5 クリーニングユニット
7 中間転写ベルト
11 ファーブラシ
12 クリーニングブレード
20 感光体ドラム

Claims (6)

  1. 感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、当該感光体の最表面のフッ素原子量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和する感光体であって、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60atm%であることを特徴とする感光体。
  2. 前記感光体の最表層のフッ素原子量が増加し、飽和する感光体の初期フッ素原子量からフッ素原子飽和量に達するまでの到達速度が、電子写真装置内での繰り返し使用100回転以下であり、かつ最表面の増加フッ素原子量は5atm%以上であることを特徴とする請求項1記載の感光体。
  3. 感光体に接触する帯電部材、及び/または現像部材、及び/または転写部材、及び/またはクリーニング部材を有する電子写真装置であって、当該感光体の最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該感光体の最表面のフッ素原子飽和量が電子写真装置内での繰り返し使用により増加し、飽和し、最表面のフッ素原子飽和量が20〜60atm%であることを特徴とする電子写真装置。
  4. 前記電子写真装置における感光体最表層のフッ素原子量が増加し、感光体の初期フッ素原子量からフッ素原子飽和量に達するまでの到達速度が、電子写真装置内でも繰り返し使用100回転以下であり、かつ最表面の増加フッ素原子量は5atm%以上であることを特徴とする請求項3記載の電子写真装置。
  5. 前記電子写真装置に使用されるトナーは円形度0.96以上の球形トナーであることを特徴とする請求項3又は4に記載された電子写真装置。
  6. 帯電部材、現像部材、転写部材、クリーニング部材の少なくとも一つと、請求項1又は2に記載された感光体とが一体形成されたことを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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