JP4194932B2 - 感光層形成用塗工液とその製造方法、及び該塗工液を用いた電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ - Google Patents
感光層形成用塗工液とその製造方法、及び該塗工液を用いた電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ Download PDFInfo
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Description
一般的に感光体上の転写残トナーのクリーニングには、ウレタンゴムなどによって形成されたブレードをカウンター方向に当接させ、該ブレードによってトナーを除去する方法が用いられている。しかし、球形トナーは、該クリーニングブレードと感光体との当接部にもぐりこみ、すり抜けてしまうため、クリーニング不良となってしまう場合が多い。これに対して、感光体表面を低摩擦係数化することによって、球形トナーのすり抜けが抑えられ、クリーニング不良を抑制することができるのである。
潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有樹脂(以下フッ素樹脂)、球状のアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などの粉末や、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粉末、シリコーンオイルなどの潤滑性液体などが知られている。特にフッ素原子を多量に含むフッ素樹脂は、表面エネルギーが著しく小さいので潤滑剤としての効果が大きい。この様なフッ素樹脂は、結晶性の微粒子として用いられ、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの結着材樹脂に分散させた後に、感光体の表面層や保護層として成膜される。
しかしながら、フッ素樹脂微粒子の含有量が比較的少ない場合、初期の感光体表面の摩擦係数は低減できても、繰り返し画像を出力すると徐々に摩擦係数が上昇してしまう。
例えば、フッ素樹脂微粒子の分散方法については、従来より様々な検討がなされ、提案されており、具体的には、特許文献4〜7などがある。
しかしながら、これらの方法で作製されているフッ素樹脂微粒子含有表面層は、いずれもその含有量が比較的小さいものがほとんどで、長期にわたって低摩擦係数を持続するには不充分である。また、含有量の多い記載がある特許文献4においても、分散後の粒径についての記載はなく、フッ素樹脂微粒子の含有量が高いので、より凝集しやすく、微細に分散することが困難であると考えられる。そのような塗工液を用いて塗膜を形成すると、塗膜中に巨大な二次凝集粒子が多く存在することとなり、塗膜表面の凹凸が大きくなってしまったり、塗膜表面のフッ素樹脂微粒子の局在化を引き起こしたりする。塗膜表面の凹凸が大きくなると、クリーニング不良やトナー画像の乱れを引き起こすことが考えられる。またフッ素樹脂微粒子の局在化は、感光体塗膜表面がミクロ的に摩擦係数が高い部分と低い部分が生じてしまうため、やはりクリーニング不良の原因となることが考えられる。さらに、フッ素微粒子の二次凝集径があまりに大きいと、レーザー光が凝集体上で散乱され、露光潜像の乱れ、光量が不足することによる電位コントラスト不足を引き起こし、異常画像の原因となることがある。
このように、高速液衝突分散による塗工液の製造には、様々な問題があり、これらを解決する良好な塗工液の製造方法が求められていた。
また、本発明の別の目的は、かかる感光層形成用塗工液の製造方法によって製造された感光層形成用塗工液を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる感光層形成用塗工液によって製造された電子写真感光体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる電子写真感光体を用いた画像形成装置、画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる電子写真感光体を用いた画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
すなわち、上記塗工液の製造方法を用いることによって、液衝突分散によって微細化された微粒子の再凝集が抑制され、超音波照射などの後処理を施さなくても、分散後の平均粒径が好適な範囲となる塗工液が提供される。
すなわち、本発明の塗工液の製造方法を用いることによって、衝突分散直後の塗工液の液温度を40℃未満に保持しながら、塗工液に50MPa以上の高圧をかけることによって、さらに分散効率を上げつつ、再凝集を抑制することができ、分散後の平均粒径をより微細な範囲にすることができる。
これによって、液衝突の極直後から液温を抑えることができ、先述の微粒子の再凝集を抑える効果が最大限に発揮でき、その結果、分散性が良好な塗工液を得ることができるものと考えられる。
先述の通り、フッ素樹脂微粒子は摩擦係数を低減する潤滑剤として非常に有効であるが、凝集しやすく、分散が困難である。しかも、摩擦係数低減効果を長期間持続するには多量のフッ素樹脂微粒子を添加する必要があり、さらに分散を困難なものとする。しかしながら、本発明の分散方法を用いた塗工液の製造方法によれば、上記分散が困難なフッ素樹脂微粒子が含有していても、微細に分散することができるのである。
先述の通り、感光層中のフッ素樹脂微粒子の粒径が大きいと塗膜表面の凹凸が大きくなりクリーニング不良や画像の乱れの原因となり、さらにレーザー光が散乱され露光潜像の乱れ、光量不足の原因となってしまい、いずれも異常画像を引き起こすことになる。
また、一次粒径が小さ過ぎると、さらに分散が困難になったり、分散時の表面積が大きくなるために、分散助剤の量もより多く必要となるため、該分散助剤が例えば残留電位による明部電位の上昇など、電子写真感光体の静電特性に副作用を引き起こす場合がある。また、二次粒子の平均粒径が0.2μm未満であると、形成される感光層中に含まれる二次粒子径も同様に小さくなってしまう。この場合、あまり微小なフッ素樹脂粒子ばかりが分散している塗膜表面となると、表面の低摩擦係数化に対する効果が不充分となり、クリーニング不良となってしまうことが考えられる。すなわち、感光体表面を低摩擦係数とすることでトナーが滑りクリーニング性が向上するという機構を考えたときに、表面のフッ素樹脂微粒子とトナーが接する面積が小さくなってしまう。そのため、トナーが感光体表面を滑るという効果が半減してしまい、クリーニング不良を引き起こすことが考えられる。
しかしながら、本発明の分散方法を用いた塗工液の製造方法によれば、上記フッ素樹脂微粒子の一次粒径、二次粒子の平均粒径が好適な範囲となり、上記不具合が発生しない良好な電子写真感光層を形成することができる。
フッ素樹脂微粒子は、非常に分散性が低く、凝集力が強いことが知られており、その分散に際して、分散剤を添加することが好ましいが、その中でも、フッ素系界面活性剤は特に効果が高い。また、フッ素系界面活性剤を高速液衝突分散の施す前にあらかじめ塗工液に添加することによって、分散直後からその効果が発揮されるため、再凝集の抑制効果がより大きく発揮されるものと考えられる。
フッ素樹脂微粒子は単独では成膜性がほとんどないため、バインダー樹脂に添加する形で、感光層中に存在させることが好ましい。また、先述の通り、高速液衝突分散後にバインダー樹脂を溶解、もしくは樹脂溶液を添加することは、ソルベントショックなどで微粒子の分散性を劣化させる懸念がある。さらに、分散後にバインダー樹脂を添加するという工程が必要となり、製造工程の増加によるコスト増を招くことになる。従って、バインダー樹脂を高速液衝突分散を施す前にあらかじめ塗工液に添加することによって、これら不具合がいっきに解消されることになる。
フッ素樹脂微粒子を添加した感光層は、その目的から最表層に用いられる場合がほとんどである。また、電子写真感光体は露光部の電荷発生層で発生した電荷が表面に移動し、表面の電荷をうち消すことで静電潜像を形成するため、良好な静電潜像を形成するには、電荷がスムーズに移動することが非常に重要である。従って、該感光層を構成する物質として、フッ素樹脂微粒子、バインダー樹脂に加え、電荷輸送物質を含有することが好ましい。さらに、バインダー樹脂と同様、高速液衝突分散を施す前にあらかじめ電荷輸送物質を添加しておくことが好ましい。
該塗工液は、前述の通り、分散性が良好で、かつ塗工液の製造工程も大幅に簡略化することができるため、良好な電子写真感光体を、低コストで製造することができるのである。
本発明の感光層形成用塗工液を用いた電子写真感光体は、塗工液中の微粒子の分散性が良好なため、塗膜形成後の塗膜中の微粒子の分散状態も良好であるため、長期間使用しても良好な画像が得られる好適な電子写真感光体となるのである。
すなわち、感光層最表層膜中の微粒子、特に低摩擦係数化を図り、フッ素樹脂微粒子を添加した場合、その一次粒子、及び二次粒子の存在状態が上記範囲となる場合に、感光体表面の低摩擦係数化が最大限に発揮され、その結果長期間使用しても良好な画像が得られる好適な電子写真感光体となるのである。
これによって、フッ素樹脂微粒子による低摩擦係数化が非常に効率よく発揮され、その結果、長期間使用しても摩擦係数低減効果が持続し、クリーニング不良等が発生せず、良好な画像が得られる画像形成装置、画像形成方法となるのである。
すなわち、タンデム型とすることで、複数色のトナー画像を一度の通紙で転写することができるため、フルカラー画像をモノクロ画像なみに高速に出力することが可能となるのである。
さらに、感光体表面が低摩擦係数化されているため、トナーの転写効率が高く、転写残トナーを抑えることができるので、感光体上での混色を抑え、トナーリサイクルにも非常に有効である。さらに、中間転写体を介して転写材に二次転写することで、中間転写体上での複数色のトナー像の位置あわせが容易となり、色ズレを抑えた良好なフルカラー画像が得られ、さらに中間転写体を介するレイアウトによって、画像形成装置内のレイアウトの自由度が向上し、装置の小型化、メンテナンス性の向上などが達成された、画像形成装置、画像形成方法となるのである。
これによって、電子写真感光体や、その他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行なうことができるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセス部材と電子写真感光体が一体となっているので、取り付け位置の精度向上などの利点もある。
本発明に用いられる高速液衝突分散装置は、任意の方法で高速流を発生させ、液体同士または液体を器壁に衝突させるなどして含有する微粒子を分散、乳化する機能を備えた装置を総称するものである。塗工液は、高圧、高流速によって生じる剪断力、キャビテーション、高周波、超音波などの効果によって、分散、乳化されるものと考えられている。微粒子が高速で具体的な装置としては、高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザーなどが挙げられる。
すなわち、例えば50MPaで分散するときに比べて、100MPaで分散するときの方が、塗工液をより低温にする必要があり、もはや室温の冷却水等では不充分となってしまう。この場合、大がかりな冷却装置によって、塗工液そのものを冷却したり、熱交換器を通す冷却媒を同様に冷却装置でかなり低温にするなどの対処が必要となり、製造装置の大型化、消費エネルギーの増大など、製造コストの著しい上昇を招いてしまうことになる。
具体的には、図9に示すとおり、まず、分散経路に塗工液が導入され、該塗工液は超高圧発生ポンプ(32)で任意の圧力で協力に流出される。塗工液は二手に分かれて液衝突部(33)内のノズルから非常に高圧力で吐出され、塗工液同士が衝突する。このとき、大きなエネルギーが働くため、液は高温となって液滞留部分(34)から熱交換器(37)へと流れ、冷却される。本発明においては、熱交換器を通り冷却された液を、分岐して一部を冷却用塗工液として先の液体流部分に導入する。これによって、液滞留部分の液温は低下することとなる。このような構造を持たせるには、塗工液を熱交換器の下流で分岐させ、液滞留部分に導入する経路を設けるだけでよく、特に冷却装置を新たに設置する必要がないため、設備をコンパクトにでき、また既存の設備をほとんどそのまま利用することができるので、製造コストの大幅な抑制ができる。
また、液衝突を複数回行なうような分散条件であれば、図9のような分散装置を直列に連ねてもよいし、塗工液流出部(39)と塗工液導入部(31)を結合して、循環経路としてもよい。ただし、循環経路とした場合は、冷却用塗工液として分岐した液は液衝突が行なわれないため、分散条件を液衝突回数で管理することが困難となる。したがって、必要に応じて循環時間で管理するなどの方法を実施する必要がある。発明者らの検討では、塗工液の液量と、液衝突分散に供される流量と分岐によって冷却液となる流量の比などから計算して、全液量が液衝突分散に供される循環を3回繰り返すよりも長い時間、連続的に分散させることで、略均一に分散が行き渡り、比較的シャープな粒度分布を示すことがわかった。
図1は、本発明の電子写真感光体の模式断面図であり、導電性支持体上に感光層を設けた構成の電子写真感光体を示している。図2、図3及び図4は各々本発明における電子写真感光体の他の構成例を示すものである。図2は、感光層が電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)より構成される機能分離型タイプの電子写真感光体を示し、図3は、導電性支持体と機能分離型タイプの感光層のCGL、CTLとの間に下引き層を入れた電子写真感光体を示している。図4は図3のタイプの感光層の上にさらに保護層を形成した電子写真感光体を示している。なお、本発明に係る電子写真感光体としては、導電性支持体上に少なくとも感光層を有していれば、上記以外のその他の層が形成されていてもよく、また、該感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
この他に、かかる下引き層として、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けてもよい。
下引き層の膜厚は約0.1〜5μmが適当である。
本発明における感光層は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは積層型について述べる。はじめに、電荷発生層について説明することにする。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層であって、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、必要に応じて、電荷輸送性物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送性物質も良好に用いられる。
特に、沸点が40℃以上、80℃以下のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることなどから、好適に用いられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層形成用塗工液を用いて、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送性物質及び必要に応じて用いられるバインダー樹脂により構成される。かかる電荷輸送層は、これらの電荷輸送性物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。かかる電荷輸送層には、必要により、電荷輸送性物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
また、本発明に用いられる高分子電荷輸送性物質として更に有用なトリアリールアミン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルとしては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等に記載の化合物が例示される。
更に、電荷輸送層に併用できるバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
更に、電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。かかるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーなどが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
更に、電荷輸送層が感光体の最表層になる場合には、電荷輸送層の表面部位に、耐摩耗性を向上する目的で微粒子を添加することもできる。耐摩耗性の向上についてに用いられる微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂微粒子、シリコ−ン樹脂微粒子、グアナミンホルムアルデヒド樹脂微粒子、a−カ−ボン粉末、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機微粒子が挙げられる。特にフッ素樹脂微粒子、その中でもさらにポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体は、先述の通り、電子写真感光体の表面摩擦係数を低減する効果により、耐摩耗性の向上だけでなく、トナーの転写効率の向上、転写残トナーのクリーニング性の向上などにより、異常画像の抑制や感光体の長寿命化に非常に有効である。
電荷輸送層形成用塗工液は、上記有機溶媒中に電荷輸送物質とバインダー樹脂を溶解して製造する。さらに、上記目的で微粒子を分散させる場合においても、電荷発生層形成用塗工液と同様の分散方法を用いることができるが、フッ素樹脂微粒子などの分散が困難な微粒子を分散する際には、本発明の高速液衝突分散方法を用いることで、低コストで、良好な分散性を有した電荷輸送層形成用塗工液を得ることができる。
ここで投影像の平均直径とは、最表層表面を略垂直方向から観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなし、その投影像について、重心を通る内径を角度2度刻みで測定した平均値である。
一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の、表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面にしめる投影面積比の合計が塗膜表面に対して10%より小さい場合としては、次のような形態が考えられる。
第2の形態としては、表面に露出しているフッ素樹脂微粒子(二次粒子も含む)のほとんどが0.15μmより小さい場合。
第3の形態としては、表面に露出しているフッ素樹脂微粒子のほとんどが3μmより大きい場合である。第1の形態では、前述の通り、表面の低摩擦係数が繰り返し使用において、維持できないため、やがてクリーニング不良などを引き起こすという可能性が考えられる。
これは、Dが適度な大きさである上記範囲にそろっており、かつ表面にしめる割合も上記範囲となることで、感光体表面がより均一に低摩擦係数化され、前述の不具合が解消され、さらに表面粗さの低減などの効果がより大きくなるものと考えられる。
フッ素樹脂微粒子が分散された電子写真感光体の表面をSEMによって撮影し、得られたSEM像に映し出されているフッ素樹脂微粒子像を画像解析装置を用いて解析することで、微粒子の平均直径、個数、面積比等を得ることができる。このとき、SEM像として得られる画像は表面の略垂直方向より投影したものであるので、映し出されるフッ素樹脂微粒子の像も垂直方向の投影像である。ここで投影像の平均直径とは、観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなした投影像について、重心を通る内径を角度2度刻みで測定した平均値である。
こうして得られた、表面のSEM画像を画像解析ソフトに取り込み、観察範囲においてカウントされた個々のフッ素樹脂微粒子の平均直径、面積比を算出させることによって、所望の感光体表面のフッ素樹脂微粒子の状態を観測することができるのである。
これは、上記範囲で存在させることで、繰り返し使用においても、摩擦係数の低減効果が持続し、さらにより耐摩耗性が向上するためであるが、その理由としては、フッ素樹脂微粒子の含有率が上記範囲であり、かつ二次粒子が最表層中に非局在化するように塗膜を形成することで、摩耗により最表層が減少しても、内在する二次粒子が順次露出して、常にその表面にしめる投影面積比の合計が好適な範囲となり、また、必要以上にフッ素樹脂微粒子が存在しないために、最表層の機械的強度も好適な範囲に保たれるので耐摩耗性の低下も抑制されるためだと考えられる。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くの場合、かかる単層感光層は、電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送性物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷発生物質並びに電荷輸送性物質としては、前述した材料を用いることができる。
また、かかる単層感光層には、必要により、可塑剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いることができる。その他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
さらに、単層感光層が感光体の最表層となる場合には、該単層感光層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子は本発明の分散状態で存在することが好ましい。
これによって、前述の電荷輸送層の場合と同じ効果が得られる。
また、前述の電荷輸送層の場合と同様に、表面付近のフッ素樹脂微粒子の含有量を多くすることが好ましく、その方法も同様の製造方法を用いることができる。
単層感光体の感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
単層感光層形成用塗工液も、前述の通り、構成する材料をあらかじめ混合しておくことが好ましい。
本発明の保護層形成用塗工液も前述の通り、構成する材料をあらかじめ混合しておくことが好ましい。
しかしながら、塗工における各種条件によっても、感光体表面のフッ素樹脂微粒子の分散状態変わるので、塗工する際の条件設定は非常に重要である。
例えば、スプレー塗工においては、まず、塗工液の条件として、固形分濃度、混合溶媒の場合はその種類と混合比などがあり、スプレー装置の条件としては、塗工液の吐出量、霧化エア圧力、スプレー先端と被塗布部表面との距離、被塗布物表面の移動速度、重ね塗りの回数などが上げられる。例えば、塗工液の吐出量を小さくして、重ね塗り回数を増やすことで所望の膜厚の保護層を形成する場合は、よりドライな状態で塗膜が形成され、逆に吐出量を大きくして、重ね塗り回数を減らすと、よりウェットな状態で塗膜が形成されることになる。このように塗工中の塗膜の状態一つをとっても、表面のフッ素樹脂微粒子の状態に影響を及ぼすことが考えられる。従って、表面のフッ素樹脂微粒子が本発明のような状態になるように、各種塗工条件を検討し、好適な範囲を把握する必要がある。
こうして得られる保護層の膜厚は0.1〜15μmの範囲が適当であり、より好ましくは1〜10μmである。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図である。なお、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図5に示すように、本発明に係る電子写真感光体を用いた画像形成装置は、本発明に係るドラム状の感光体(1)と、帯電チャージャ(3)と、転写前チャージャ(7)と、転写チャージャ(10)と、分離チャージャ(11)と、クリーニング前チャージャ(13)などから構成されている。なお、感光体(1)の形状は、ドラム状の形状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。また、各種チャージャーとしては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができる。
転写手段としては、一般には上記の帯電器が使用できるが、図示するような転写チャージャと分離チャージャとを併用したものが効果的である。
かかる光源等は、図5に示される工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光を照射することができる。
加圧された接触部材としては、フッ素樹脂微粒子の露出部分の摺擦を目的とした接触部材を設けても良いし、帯電ローラーなどの接触帯電部材、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどのクリーニング部材、転写ベルト、中間転写ベルトなどの転写部材など一般的に画像形成装置に用いられる部材に加圧する機構を設けたようなものでもよい。ここでは、クリーニングブレード(15)によって感光体表面を摺擦する場合を例に挙げて説明する。クリーニングブレードは、感光体表面を略均等な圧力で感光体表面を押しながらほぼ全面を摺擦し、フッ素樹脂微粒子を均等に表面に付着させるという効果が大きく好ましい。
図7は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図において、潜像担持体たる感光体(56)は、図中反時計回りに回転駆動されながら、その表面がコロトロンやスコロトロンなどを用いる帯電チャージャ(53)によって一様帯電せしめられた後、図示しないレーザ光学装置から発せられるレーザ光(L)の走査を受けて静電潜像を担持する。この走査はフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報に基づいてなされるため、感光体ドラム(56)上にはイエロー、マゼンタ、シアン又はブラックという単色用の静電潜像が形成される。感光体ドラム(56)の図中左側には、リボルバ現像ユニット(50)が配設されている。これは、回転するドラム状の筺体の中にイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有しており、回転によって各現像器を感光体ドラム(56)に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを付着せしめて静電潜像を現像するものである。感光体ドラム(56)上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成され、これらはリボルバ現像ユニット(50)の各現像器によって順次現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる。
搬送ベルトは(64)は、転写ユニットから受け取った転写紙(60)を定着装置(65)内に送り込む。
定着装置(65)は、送り込まれた転写紙(60)を加熱ローラとバックアップローラ(59b)との当接によって形成された定着ニップに挟み込みながら搬送する。
転写紙(60)上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受けて転写紙(60)上に定着せしめられる。
タンデム方式では、各色の潜像形成や現像を並行して行なうことができるため、リボルバ式よりも画像形成速度を遙かに高速化させることができる。
<実施例1>
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製))10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(タイペールCR−EL(石原産業社製))90重量部を加えボールミルで12時間分散し、下引層用塗工液を作製した。
これをφ90mm、長さ392mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し130℃20分間乾燥し厚み3.5μmの下引き層を形成した。
次にポリビニルブチラール樹脂(XYHL(UCC社製))4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これを下記構造式(1)に示す
ビスアゾ顔料に10重量部を加え、ボールミルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて3時間分散を行なった。これを容器に取り出し固形分が1.5重量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に塗工し130℃20分間乾燥し厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、テトラヒドロフラン100重量部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.002重量部を溶解し、これに下記構造式(2)の電荷輸送物質10重量部を加えて電荷輸送層用塗工液を作製した。こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、その後110℃20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、テトラヒドロフラン480重量部とシクロヘキサノン140重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂16重量部を溶解し、ついでポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子(PTFE)(商品名:ルブロンL−2、ダイキン社製、平均一次粒子径:約0.2μm)18重量部、フッ素系界面活性剤(商品名:モディパーF210、日本油脂社製)2重量部を混合し、よく攪拌した後、高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005、スギノマシン社製)の循環経路を図9のように改造して、塗工液の一部を液衝突部(チャンバー)に導入するようにした装置において、60MPa圧力下、1時間循環して、保護層形成用塗工液を作製した。このとき、塗工液の循環流量は0.3L/minであり、分岐させた冷却用塗工液の流量は0.03L/minとした。また、このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は17℃であった。こうして得られた保護層形成用塗工液の粒度分布は遠心式粒度分布測定装置(CAPA−700、堀場製作所製)をもちいて測定し、平均粒径(メジアン径:D50)を得た。さらにこの塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308、オリンポス社製)を用い、2kgf/cm2のエア圧でスプレー塗工を行ない、3回重ね塗りした後、130℃20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成し、実施例1の電子写真感光体を作製した。
1)単量体組成物の作製
スチレンモノマー 70部
n−ブチルメタクリレート 30部
ポリスチレン 5部
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛塩 2部
カーボンブラック 6部
上記の重合性単量体混合物をボールミルを用いて24時間分散混合して単量体組成物を調製した。
攪拌機、温度計、不活性ガス導入管及び細孔径110,000Å、細孔容積0.42cc/g、10φ×50mmの多孔質ガラス管を備えたフラスコに2%ポリビニルアルコール水溶液400mlを取り、窒素ガスを送りながら室温で攪拌を行ない、反応容器中の酸素を窒素置換した。
ついで1)の単量体組成物113gにアゾビスイソブチルニトリル1.56gを加え攪拌溶解し、ポンプを用いて多孔質ガラス管を通過させて、ポリビニルアルコール水溶液中へ加え、加え終った後ポリビニルアルコールと単量体組成物の混合物を、前記ポンプと多孔質ガラス管を用いて約120ml/minの割合で2時間循環させた後、内温を70℃とし8時間重合させた。
その後室温まで冷却し一晩静置後、上澄液を除き水を加えて1時間攪拌後濾過、乾燥しトナーを得た。このトナーをコールターカウンターで粒子径を測定したところ、平均粒子径8.5μmで5〜0μm径の範囲にある粒子は全体の95%であり極めて狭い粒度分布であった。
また、形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当であり、この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度は0.98であった。
こうして得られた重合トナーをキャリアと4%のトナー濃度で混合して2成分現像剤とした。
このようにして得られた2成分現像剤と、前述の製造方法と同様にして作製した別の電子写真感光体をフルカラー複合機 Imagio Color 5100(リコー社製)の改造機(画像露光光源を655nmの半導体レーザーに交換、更に潤滑剤塗布手段を除去、クリーニングブレード当接圧、現像部とのギャップ等の条件を変更して、感光体の摩耗に対して負荷を加えたもの)に搭載して、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節したのち、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率6%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行ない、ランニング試験前後の感光層の膜厚の差から、摩耗量を測定した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いた。さらに、ランニング試験前の初期画像、ランニング試験後の耐久画像を出力し、画像品質についても評価を行なった。
ランク5・・・地肌汚れがほとんどなく、良好なレベル
ランク4・・・わずかに地肌汚れが見られるがほとんど問題ないレベル
ランク3・・・やや地肌汚れが見られるが、実使用上問題ないレベル
ランク2・・・地肌汚れが目立ち、実使用上も好ましくないレベル
ランク1・・・実使用上、許容できないレベル
保護層形成用塗工液の製造方法において、アルティマイザーの圧力を110MPaとした以外は実施例1と同様にして実施例2の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このとき、塗工液の循環流量は0.4L/minであり、分岐させた冷却用塗工液の流量は0.04L/minとした。また、このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は25℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、アルティマイザーの圧力を160MPaとした以外は実施例1と同様にして実施例3の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このとき、塗工液の循環流量は0.5L/minであり、分岐させた冷却用塗工液の流量は0.05L/minとした。また、このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は34℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、PTFEを9重量部、フッ素系界面活性剤を1重量部とした以外は実施例1と同様にして実施例4の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は16℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、PTFEを54重量部、フッ素系界面活性剤を6重量部とした以外は実施例1と同様にして実施例5の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は16℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、テトラヒドロフランとシクロヘキサノンの混合溶媒の代わりに、テトラヒドロフラン620重量部を用いた以外は実施例1と同様にして実施例6の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は17℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、テトラヒドロフランとシクロヘキサノンの混合溶媒の代わりに、ジクロロメタン480重量部を用いた以外は実施例1と同様にして実施例7の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例7の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、構造式(2)の電荷輸送物質10重量部を加えた以外は実施例1と同様にして実施例8の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は17℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例8の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、有機溶媒をメタノール480重量部、n−ブタノール140重量部とし、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂の代わりにN−メトキシメチル化ポリアミド樹脂(商品名:ファインレジンFR101、鉛市工業社製)とした以外は実施例1と同様にして実施例9の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は18℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例9の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。ただし、保護層の膜厚は2μmとした。
保護層形成用塗工液の製造方法において、有機溶媒をエタノール480重量部、n−ブタノール140重量部とし、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂の代わりにN−メトキシメチル化ポリアミド樹脂(商品名:ファインレジンFR101 鉛市工業社製)とした以外は実施例1と同様にして実施例10の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は18℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例10の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。ただし、保護層の膜厚は2μmとした。
保護層形成用塗工液の製造方法において、テトラフルオロエチレン樹脂微粒子のかわりにテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル社製)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例11の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は16℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例11の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、テトラフルオロエチレン樹脂微粒子のかわりにテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)(三井・デュポンフロロケミカル社製)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例12の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は17℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例12の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、循環経路を分岐せず、塗工液を全量チャンバーに導入した以外は、実施例1と同様にして比較例1の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は45℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
保護層形成用塗工液の製造方法において、循環経路を分岐せず、塗工液を全量チャンバーに導入した以外は、実施例2と同様にして比較例2の保護層形成用塗工液を作製しようとしたところ、分散開始後数分でチャンバーより流出する塗工液が沸騰する様子が確認されたため、分散を中止した。
こうして得られた評価結果を、表1に示す。
実施例1、4、5、11、比較例1の電子写真感光体(但し、基体としてφ30mm、長さ340mmの円筒状アルミニウム基体を用いた)を、図8の作像エンジンを搭載したコピースピード60枚/分(A4縦)のフルカラー複写機に搭載して、実施例1に記載の方法によって製造された重合トナー、現像剤を用い、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節した後、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行ないランニング試験前後の感光層の膜厚の差から、摩耗量を測定した。このとき、感光体の摩耗に対して負荷が加わるように、クリーニングブレード当接圧、現像部とのギャップ等の条件を調整した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いた。さらに、ランニング試験前の初期画像、ランニング試験後の耐久画像を出力し、画像品質についても評価を行なった。
こうして得られた評価結果を、表2に示す。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
20 帯電チャージャ
21 像露光光源
22 感光体
23 駆動ローラ
24 テンションローラ
25 転写チャージャ
26 クリーニングブラシ
27 除電光源
28 従動ローラ
31 塗工液導入部
32 超高圧発生ポンプ
33 液衝突部
34 液滞留部分
35 冷却用塗工液導入部
36 冷却用塗工液経路
37 熱交換機
38 塗工液分岐点
39 塗工液流出部
50 現像ユニット
53 帯電チャージャ
54 除電ランプ
55 ドラムクリーニングユニット
56 感光体
57 バイアスローラ
58 中間転写ベルト
59a 張架ローラ
59b バックアップローラ
59c ベルト駆動ローラ
60 転写紙
61 レジストローラ
62 転写ベルト
63 紙転写バイアスローラ
64 搬送ベルト
65 定着ユニット
L 露光
80 感光体
81 露光光源
82 現像ユニット
83 除電ランプ
84 帯電ローラ
85 クリーニングユニット
86 バイアスローラ
87 中間転写ベルト
88 レジストローラ
89 紙(像担持体)
90 紙転写バイアスローラ
91 転写ベルト
92 搬送ベルト
93 定着ユニット
94 ファーブラシ
Claims (33)
- 電子写真感光体の感光層形成用塗工液の製造方法において、該塗工液は少なくとも有機溶媒と少なくともフッ素樹脂を含有する微粒子からなり、該微粒子を高速液衝突分散により溶媒中に略均一に分散する塗工液の分散の際に、衝突分散された直後の塗工液の液温度を40℃未満に保持し、分散する分散段階を有することを特徴とする感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記高速液衝突分散段階で塗工液に加えられる圧力が50MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記高速液衝突分散段階が、塗工液送流経路中で塗工液を分岐させ、その分岐させた塗工液を、衝突直後の塗工液と合流させることで衝突後の塗工液を冷却する機構で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記高速液衝突分散段階で塗工液の一部によって衝突分散される液を冷却し、かつ、衝突分散される塗工液と、冷却に用いられる塗工液が同じ循環経路を循環することで略均一に分散されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記フッ素樹脂粒子として、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする請求項4に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記フッ素樹脂微粒子の平均一次粒径が0.05μm以上0.5μm以下で、かつ二次粒子の平均粒径が0.2μm以上2.0μm以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記塗工液が、少なくとも沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記塗工液における少なくとも沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の占める割合が50%以上100%以下であることを特徴とする請求項7に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の少なくとも1種類がテトラヒドロフランであることを特徴とする請求項7又は8に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の少なくとも1種類がジクロロメタンであることを特徴とする請求項7又は8に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の少なくとも1種類がメタノール又はエタノールであることを特徴とする請求項7又は8に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記感光層形成用塗工液にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記感光層形成用塗工液にフッ素系界面活性剤を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを特徴とする請求項12に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記感光層形成用塗工液にバインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記感光層形成用塗工液にバインダー樹脂を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを特徴とする請求項14に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記感光層形成用塗工液が電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 前記感光層形成用塗工液が電荷輸送物質を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを特徴とする請求項16に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
- 電子写真感光体の感光層形成用塗工液において、請求項1乃至17のいずれかに記載の製造方法で作製されることを特徴とする感光層形成用塗工液。
- 導電性支持体上に直接または下引き層を介して感光層を有する感光体において、該感光層が請求項18に記載の感光層形成用塗工液を用いて形成されたことを特徴とする電子写真感光体。
- 感光層が複数の層を積層してなる積層型電子写真感光体において、該感光層の少なくとも最表層が請求項18に記載の感光層形成用塗工液を用いて形成されたことを特徴とする電子写真感光体。
- 前記感光層の少なくとも最表層が請求項18に記載の感光層形成用塗工液を用いて形成され、前記最表層膜中で、フッ素樹脂微粒子の一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、平均直径Dが0.2≦D≦1.5μmの範囲にある粒子の、表面にしめる投影面積比の合計が10%〜60%であることを特徴とする請求項19又は20に記載の電子写真感光体。
- 前記フッ素樹脂微粒子の最表層にしめる割合が20vol%〜60vol%であることを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項19乃至22のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなることを特徴とする請求項23に記載の画像形成装置。
- 前記最表層に含有されるフッ素樹脂微粒子が、前記接触部材によって最表層表面上に延びて被覆されることを特徴とする請求項24に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする請求項23乃至25のいずれかに記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする請求項23乃至26のいずれかに記載の画像形成装置。
- 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置を用いた画像形成方法において、該電子写真感光体が請求項19乃至22のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
- 前記画像形成装置が、少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなることを特徴とする請求項28に記載の画像形成方法。
- 前記最表層に含有されるフッ素樹脂微粒子が、前記接触部材によって最表層表面上に延びて被覆されることを特徴とする請求項29に記載の画像形成方法。
- 前記画像形成装置が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする請求項28乃至30のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記画像形成装置が電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする請求項28乃至31のいずれかに記載の画像形成方法。
- 帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段の少なくとも一つと、請求項19乃至22のいずれかに記載の電子写真感光体とを具備し、該帯電手段、露光手段、現像手段若しくは転写手段の少なくとも一つか又は他の手段であってもよい電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を少なくとも一つ具備することを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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JP2003417987A JP4194932B2 (ja) | 2003-12-16 | 2003-12-16 | 感光層形成用塗工液とその製造方法、及び該塗工液を用いた電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ |
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