JP4194932B2 - 感光層形成用塗工液とその製造方法、及び該塗工液を用いた電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ - Google Patents

感光層形成用塗工液とその製造方法、及び該塗工液を用いた電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体の感光層形成用塗工液の製造方法、該製造方法で製造される感光層形成用塗工液、該感光層形成用塗工液を用いた電子写真感光体、及び該電子写真感光体を具備した画像形成装置、画像形成方法、さらに該画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ及びファクシミリ装置等の画像形成装置においては、一様に帯電された感光体上に、画像データにより変調された書込光を照射して、感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された感光体に現像部よりトナーを供給してトナー画像を感光体上に形成して現像する。画像形成装置は、この感光体上のトナー画像を転写部で転写紙(記録紙)に転写した後、定着部で転写紙上に転写したトナーを加熱・加圧して定着させ、感光体表面に残留したトナーをクリーニング部でクリーニングブレードにより掻き取る等の方法により回収する。
このような電子写真方式を利用した画像形成装置においては、従来から感光体表面の摩擦係数を低下させることで、不要なトナーの付着を防止し、地肌汚れのない画像が得られることなどが知られている。また、表面摩擦係数の小さい感光体は、表面の摩耗量が減少し感光体寿命を延ばすことができる。
すなわち、感光体の寿命を決定する原因としては、感光体の感光層の摩耗があり、感光層がある一定量削り取られると、感光体の電気特性が変化して、適正な作像プロセスを行なえなくなる。この摩擦は、上記作像プロセスで、感光体と他の作像部である現像部や転写部等の接触する部位全てで発生するが、感光体表面の摩擦係数を低減させると、これらの接触部位で発生する摩耗を低減することができ、感光体の寿命を向上させることができる。
さらに、感光体表面の摩擦係数を低減させることで、感光体上に形成されているトナー像を被転写体に転写するときの転写率が向上することが知られている。すなわち、虫食い版画の抑制や、転写後の残トナーの量を低減することができるので、廃トナー量の低減などの効果もある。
さらに、最近では、電子写真の高画質化の要求から、乳化重合法や、懸濁重合法等を用いて製造される球形トナーのクリーニングに対して、高い効果が得られることが明らかになってきている。
一般的に感光体上の転写残トナーのクリーニングには、ウレタンゴムなどによって形成されたブレードをカウンター方向に当接させ、該ブレードによってトナーを除去する方法が用いられている。しかし、球形トナーは、該クリーニングブレードと感光体との当接部にもぐりこみ、すり抜けてしまうため、クリーニング不良となってしまう場合が多い。これに対して、感光体表面を低摩擦係数化することによって、球形トナーのすり抜けが抑えられ、クリーニング不良を抑制することができるのである。
このような感光体表面の低摩擦係数化の方法としては、特許文献1で提案されているように、感光体表面に潤滑剤を供給する機構が備わっている画像形成装置が従来提案され、実用化されている。しかしながら、感光体周辺にこのような機構を備えるために、装置の大型化、複雑化が避けられず、コストアップ、メンテナンス性の悪化などの不具合が発生する。
また、感光体の低摩擦係数化の異なる方法として、感光体表面層に摩擦係数を低減するような潤滑剤を添加することが提案されている。具体的には、特許文献2及び3などで提案されているものがある。
潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有樹脂(以下フッ素樹脂)、球状のアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などの粉末や、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粉末、シリコーンオイルなどの潤滑性液体などが知られている。特にフッ素原子を多量に含むフッ素樹脂は、表面エネルギーが著しく小さいので潤滑剤としての効果が大きい。この様なフッ素樹脂は、結晶性の微粒子として用いられ、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの結着材樹脂に分散させた後に、感光体の表面層や保護層として成膜される。
しかしながら、フッ素樹脂微粒子の含有量が比較的少ない場合、初期の感光体表面の摩擦係数は低減できても、繰り返し画像を出力すると徐々に摩擦係数が上昇してしまう。
そこで、低摩擦係数を持続させるための手段として、フッ素樹脂微粒子の添加量を増加させることが考えられる。しかし、フッ素樹脂微粒子の性質として、樹脂溶液中の凝集傾向が強く、均一な分散が困難であるといった問題がある。
例えば、フッ素樹脂微粒子の分散方法については、従来より様々な検討がなされ、提案されており、具体的には、特許文献4〜7などがある。
しかしながら、これらの方法で作製されているフッ素樹脂微粒子含有表面層は、いずれもその含有量が比較的小さいものがほとんどで、長期にわたって低摩擦係数を持続するには不充分である。また、含有量の多い記載がある特許文献4においても、分散後の粒径についての記載はなく、フッ素樹脂微粒子の含有量が高いので、より凝集しやすく、微細に分散することが困難であると考えられる。そのような塗工液を用いて塗膜を形成すると、塗膜中に巨大な二次凝集粒子が多く存在することとなり、塗膜表面の凹凸が大きくなってしまったり、塗膜表面のフッ素樹脂微粒子の局在化を引き起こしたりする。塗膜表面の凹凸が大きくなると、クリーニング不良やトナー画像の乱れを引き起こすことが考えられる。またフッ素樹脂微粒子の局在化は、感光体塗膜表面がミクロ的に摩擦係数が高い部分と低い部分が生じてしまうため、やはりクリーニング不良の原因となることが考えられる。さらに、フッ素微粒子の二次凝集径があまりに大きいと、レーザー光が凝集体上で散乱され、露光潜像の乱れ、光量が不足することによる電位コントラスト不足を引き起こし、異常画像の原因となることがある。
本発明者らの検討によって、フッ素微粒子のような凝集傾向が強い微粒子を多量に含有する塗工液を微細に分散する方法として、高速液衝突分散装置を用いて微粒子をある程度の大きさまで分散させた後、超音波を照射することで、さらに微細な分散を行なうことができることがわかってきた。
しかしながら、この塗工液の製造方法では、高速液衝突分散と超音波分散という2つの分散処理を行なわなければならず、製造コスト増加の要因となってしまう。さらに、超音波処理の前段階でポリカーボネート等のバインダー樹脂を添加する場合は、超音波照射によって該バインダー樹脂の主鎖が切断されて、分子量が小さくなってしまう。一般に、バインダー樹脂の分子量は大きいほど耐摩耗性などの耐久性が高いことが知られており、したがって、バインダー樹脂主鎖の切断は、耐摩耗性の低下を引き起こす要因となってしまう恐れがある。また、超音波処理の後段階で樹脂を添加する場合は、樹脂を溶解、もしくは溶液を添加するショックによって微粒子の分散性が劣化してしまう恐れがある。
さらに、高速液衝突分散を行なうと、衝突時のエネルギーが非常に大きいため、その圧力に応じて塗工液が高温になることが知られている。そのため、一般的には、高速液衝突分散装置の塗工液循環経路中にラジェーター等の熱交換器を設置し、液温を下げる処置がとられているが、それでも液衝突直後から熱交換器までの間は高温の状態となってしまう。液温が上がると、低沸点溶媒は沸騰してしまい安全面においても好ましくない。従って、低沸点溶媒を含有する塗工液は充分な圧力をかけることができず、良好な分散が行なえないという不具合が発生してしまう。また、検討の中で、液温が高いと、微粒子の再凝集が促進されて、微細化の効果が低減してしまうことなども明らかになってきた。
このように、高速液衝突分散による塗工液の製造には、様々な問題があり、これらを解決する良好な塗工液の製造方法が求められていた。
特開昭56−142567号公報 特開昭58−102949号公報 特開昭63−249152号公報 特開平6−130711号公報 特開平6−332219号公報 特開平8−184980号公報 特開2000−122312号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、低表面摩擦係数を持続し、かつ電子写真特性が良好で、長期的に安定した画像形成、クリーニングを行なうことができる安価で高耐久な電子写真感光体を得るための電子写真感光体感光層形成用塗工液の製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる感光層形成用塗工液の製造方法によって製造された感光層形成用塗工液を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる感光層形成用塗工液によって製造された電子写真感光体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる電子写真感光体を用いた画像形成装置、画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる電子写真感光体を用いた画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
そこで、本発明者等は上記課題を達成するために、高速液衝突分散による感光層形成用塗工液の製造方法について鋭意検討した結果、該塗工液が少なくとも有機溶媒と微粒子からなり、該微粒子を高速液衝突分散により溶媒中に略均一に分散する塗工液の分散過程で衝突分散された直後の塗工液の液温度を40℃未満に保持し、分散することを特徴とすることで、上記課題を解決し、良好な感光層形成用塗工液が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、上記塗工液の製造方法を用いることによって、液衝突分散によって微細化された微粒子の再凝集が抑制され、超音波照射などの後処理を施さなくても、分散後の平均粒径が好適な範囲となる塗工液が提供される。
また、本発明によれば、前記塗工液の製造方法において、高速液衝突分散時に塗工液に加えられる圧力が50MPa以上であることを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
すなわち、本発明の塗工液の製造方法を用いることによって、衝突分散直後の塗工液の液温度を40℃未満に保持しながら、塗工液に50MPa以上の高圧をかけることによって、さらに分散効率を上げつつ、再凝集を抑制することができ、分散後の平均粒径をより微細な範囲にすることができる。
また、本発明によれば、前記塗工液の製造方法において、前記高速液衝突分散において、塗工液の一部によって衝突分散される液を冷却し、かつ、衝突分散される塗工液と、冷却に用いられる塗工液が同じ循環経路を循環することで略均一に分散されること、さらに、循環経路中で塗工液を分岐させ、その分岐させた塗工液を、衝突直後の塗工液と合流させることで衝突後の塗工液を冷却する機構を持たせることを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
これによって、液衝突の極直後から液温を抑えることができ、先述の微粒子の再凝集を抑える効果が最大限に発揮でき、その結果、分散性が良好な塗工液を得ることができるものと考えられる。
また、本発明によれば、前記塗工液の製造方法において、前記微粒子として少なくともフッ素樹脂粒子を含有し、さらに該フッ素樹脂粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含有することを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
先述の通り、フッ素樹脂微粒子は摩擦係数を低減する潤滑剤として非常に有効であるが、凝集しやすく、分散が困難である。しかも、摩擦係数低減効果を長期間持続するには多量のフッ素樹脂微粒子を添加する必要があり、さらに分散を困難なものとする。しかしながら、本発明の分散方法を用いた塗工液の製造方法によれば、上記分散が困難なフッ素樹脂微粒子が含有していても、微細に分散することができるのである。
また、本発明によれば、前記塗工液の製造方法において、前記フッ素樹脂微粒子の平均一次粒径が0.05μm以上0.5μm以下で、かつ二次粒子の平均粒径が0.2μm以上2.0μm以下であることを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
先述の通り、感光層中のフッ素樹脂微粒子の粒径が大きいと塗膜表面の凹凸が大きくなりクリーニング不良や画像の乱れの原因となり、さらにレーザー光が散乱され露光潜像の乱れ、光量不足の原因となってしまい、いずれも異常画像を引き起こすことになる。
また、一次粒径が小さ過ぎると、さらに分散が困難になったり、分散時の表面積が大きくなるために、分散助剤の量もより多く必要となるため、該分散助剤が例えば残留電位による明部電位の上昇など、電子写真感光体の静電特性に副作用を引き起こす場合がある。また、二次粒子の平均粒径が0.2μm未満であると、形成される感光層中に含まれる二次粒子径も同様に小さくなってしまう。この場合、あまり微小なフッ素樹脂粒子ばかりが分散している塗膜表面となると、表面の低摩擦係数化に対する効果が不充分となり、クリーニング不良となってしまうことが考えられる。すなわち、感光体表面を低摩擦係数とすることでトナーが滑りクリーニング性が向上するという機構を考えたときに、表面のフッ素樹脂微粒子とトナーが接する面積が小さくなってしまう。そのため、トナーが感光体表面を滑るという効果が半減してしまい、クリーニング不良を引き起こすことが考えられる。
しかしながら、本発明の分散方法を用いた塗工液の製造方法によれば、上記フッ素樹脂微粒子の一次粒径、二次粒子の平均粒径が好適な範囲となり、上記不具合が発生しない良好な電子写真感光層を形成することができる。
また、本発明によれば、前記塗工液の製造方法において、前記塗工液において、少なくとも沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の占める割合が50%以上100%以下であること、さらに該有機溶媒の少なくとも1種類がテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メタノール又はエタノールであることを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
一般的に、電子写真感光体感光層形成用塗工液は、溶媒として有機溶媒を用いる場合がほとんどであるが、樹脂の溶解性や乾燥工程の容易性等から、少なくとも沸点40℃以上80℃以下であるような低沸点溶媒を用いる場合が多い。特に、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂の溶解には、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンなどが好適に用いられる。また、ポリアミド樹脂やシリコーン樹脂を用いる場合にはメタノールやエタノールを用いる場合もある。これら低沸点溶媒を高速液衝突分散させる場合、先述の通り、塗工液温度が沸点を超えてしまう懸念があり、高圧分散できないことがあった。そのため、分散が不充分となり、先述のような不具合が発生してしまうことがあった。しかしながら、本発明の分散方法を用いた塗工液の製造方法によれば、上記低沸点溶媒を用いた塗工液に置いても、塗工液が沸点を超えることが無く、より高圧をかけることができるので、分散効率が著しく向上し、良好な塗工液を得ることができる。
また、本発明によれば、前記塗工液の製造方法において、前記感光層形成用塗工液にフッ素系界面活性剤を含有すること、また、前記感光層形成用塗工液にフッ素系界面活性剤を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
フッ素樹脂微粒子は、非常に分散性が低く、凝集力が強いことが知られており、その分散に際して、分散剤を添加することが好ましいが、その中でも、フッ素系界面活性剤は特に効果が高い。また、フッ素系界面活性剤を高速液衝突分散の施す前にあらかじめ塗工液に添加することによって、分散直後からその効果が発揮されるため、再凝集の抑制効果がより大きく発揮されるものと考えられる。
また、本発明においては、前記感光層形成用塗工液にバインダー樹脂を含有すること、また、前記感光層形成用塗工液にバインダー樹脂を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
フッ素樹脂微粒子は単独では成膜性がほとんどないため、バインダー樹脂に添加する形で、感光層中に存在させることが好ましい。また、先述の通り、高速液衝突分散後にバインダー樹脂を溶解、もしくは樹脂溶液を添加することは、ソルベントショックなどで微粒子の分散性を劣化させる懸念がある。さらに、分散後にバインダー樹脂を添加するという工程が必要となり、製造工程の増加によるコスト増を招くことになる。従って、バインダー樹脂を高速液衝突分散を施す前にあらかじめ塗工液に添加することによって、これら不具合がいっきに解消されることになる。
また、本発明によれば、前記塗工液の製造方法において、前記感光層形成用塗工液が電荷輸送物質を含有すること、前記感光層形成用塗工液が電荷輸送物質を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
フッ素樹脂微粒子を添加した感光層は、その目的から最表層に用いられる場合がほとんどである。また、電子写真感光体は露光部の電荷発生層で発生した電荷が表面に移動し、表面の電荷をうち消すことで静電潜像を形成するため、良好な静電潜像を形成するには、電荷がスムーズに移動することが非常に重要である。従って、該感光層を構成する物質として、フッ素樹脂微粒子、バインダー樹脂に加え、電荷輸送物質を含有することが好ましい。さらに、バインダー樹脂と同様、高速液衝突分散を施す前にあらかじめ電荷輸送物質を添加しておくことが好ましい。
また、本発明によれば、前述の製造方法で製造された電子写真感光体感光層形成用塗工液が提供される。
該塗工液は、前述の通り、分散性が良好で、かつ塗工液の製造工程も大幅に簡略化することができるため、良好な電子写真感光体を、低コストで製造することができるのである。
また、本発明によれば、導電性支持体上に直接または下引き層を介して感光層を有する感光体において、該感光層が前述の感光層形成用塗工液を用いて形成されたこと、さらに前記感光層が複数の層を積層してなる積層型電子写真感光体において、該感光層の少なくとも最表層が前述の感光層形成用塗工液を用いて形成された電子写真感光体が提供される。
本発明の感光層形成用塗工液を用いた電子写真感光体は、塗工液中の微粒子の分散性が良好なため、塗膜形成後の塗膜中の微粒子の分散状態も良好であるため、長期間使用しても良好な画像が得られる好適な電子写真感光体となるのである。
また、本発明によれば、前記電子写真感光体において、前記感光層の最表層膜中で一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成される二次粒子の表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面にしめる(投影)面積比の合計が10%以上であること、その中でも、さらに前記フッ素樹脂微微粒子の一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子のうち、平均直径Dが0.2≦D≦1.5μmの範囲にある粒子の、表面にしめる投影面積比の合計が10%〜60%であること、また、前記フッ素樹脂微粒子の最表層にしめる割合が20vol%〜60vol%であることを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
すなわち、感光層最表層膜中の微粒子、特に低摩擦係数化を図り、フッ素樹脂微粒子を添加した場合、その一次粒子、及び二次粒子の存在状態が上記範囲となる場合に、感光体表面の低摩擦係数化が最大限に発揮され、その結果長期間使用しても良好な画像が得られる好適な電子写真感光体となるのである。
また、本発明によれば、少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が本発明の電子写真感光体であること、前記画像形成装置において、少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなること、前記最表層に含有されるフッ素樹脂微粒子が、前記接触部材によって最表層表面上に延びて被覆される画像形成装置、画像形成方法が提供される。
これによって、フッ素樹脂微粒子による低摩擦係数化が非常に効率よく発揮され、その結果、長期間使用しても摩擦係数低減効果が持続し、クリーニング不良等が発生せず、良好な画像が得られる画像形成装置、画像形成方法となるのである。
また、本発明によれば、前記画像形成装置、画像形成方法が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であること、または/及び前記画像形成装置が電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
すなわち、タンデム型とすることで、複数色のトナー画像を一度の通紙で転写することができるため、フルカラー画像をモノクロ画像なみに高速に出力することが可能となるのである。
さらに、感光体表面が低摩擦係数化されているため、トナーの転写効率が高く、転写残トナーを抑えることができるので、感光体上での混色を抑え、トナーリサイクルにも非常に有効である。さらに、中間転写体を介して転写材に二次転写することで、中間転写体上での複数色のトナー像の位置あわせが容易となり、色ズレを抑えた良好なフルカラー画像が得られ、さらに中間転写体を介するレイアウトによって、画像形成装置内のレイアウトの自由度が向上し、装置の小型化、メンテナンス性の向上などが達成された、画像形成装置、画像形成方法となるのである。
さらに、本発明によれば、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段の少なくとも一つと本発明の電子写真感光体とを具備してなる本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
これによって、電子写真感光体や、その他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行なうことができるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセス部材と電子写真感光体が一体となっているので、取り付け位置の精度向上などの利点もある。
本発明は、高速液衝突分散による感光層形成用塗工液の製造方法について、該塗工液が少なくとも有機溶媒と微粒子からなり、該微粒子を高速液衝突分散により溶媒中に略均一に分散する塗工液の分散方法であって、衝突分散された直後の塗工液の液温度を40℃未満に保持し、分散することを特徴とすることで、例えば、フッ素樹脂微粒子のような分散が極めて困難な微粒子も容易に分散することができ、さらに、超音波や樹脂溶解といった後処理を施すことなく、感光層形成の塗布工程に導入することができるので、製造コストも大幅に低減できる。さらに、該塗工液を用いて作製された最表層を有する電子写真感光体は、表面の摩擦係数を、長期間繰り返し使用後においても低減することができ、その結果、クリーニング不良を抑制し、感光体の耐摩耗性を向上することができる。特に、クリーニングが困難な、球形の重合トナーを用いても、クリーニング不良が発生せず、安定して良好な画像を出力できる電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像家生成装置、画像形成方法、および、該画像形成装置用プロセスカートリッジが提供されるという、極めて優れた効果を奏するものである。
以下、図面に沿って本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いられる高速液衝突分散装置は、任意の方法で高速流を発生させ、液体同士または液体を器壁に衝突させるなどして含有する微粒子を分散、乳化する機能を備えた装置を総称するものである。塗工液は、高圧、高流速によって生じる剪断力、キャビテーション、高周波、超音波などの効果によって、分散、乳化されるものと考えられている。微粒子が高速で具体的な装置としては、高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザーなどが挙げられる。
これらの装置を用い、高圧力をかけて液衝突分散を施すと、その高エネルギーによって液温が上昇してしまう。本発明では、液衝突後の液温度を40℃未満に保持する必要がある。その方法としては、衝突前の液を冷却しておき、液衝突後も40℃を越えないようにする、さらに液を循環して繰り返し衝突させる場合、熱が累積して液温が上昇しやすいので、循環経路の途中で熱交換器等を設置し、液温が40℃を越えない程度に充分に冷却させる方法や、液衝突が行なわれる部分を外部より冷却する方法などが挙げられる。
また、本発明者らが検討した結果、塗工液に印加する圧力はより高い方が微粒子化が進行し、好ましくは50MPa以上の圧力を印加することが好ましいということが明らかになった。より好ましくは100MPa以上の圧力をかけることで、比較的分散が困難なフッ素樹脂微粒子なども好適に分散することが可能である。しかしながら、100MPa以上の圧力がかかる場合、液温の上昇も著しく、あらかじめ冷却する方法では、40℃未満に保持しながら分散することは困難となってくる。
すなわち、例えば50MPaで分散するときに比べて、100MPaで分散するときの方が、塗工液をより低温にする必要があり、もはや室温の冷却水等では不充分となってしまう。この場合、大がかりな冷却装置によって、塗工液そのものを冷却したり、熱交換器を通す冷却媒を同様に冷却装置でかなり低温にするなどの対処が必要となり、製造装置の大型化、消費エネルギーの増大など、製造コストの著しい上昇を招いてしまうことになる。
また、液衝突が行なわれる部分を外部より冷却する方法でも同様に冷却温度をより低温にする必要がある。さらに、該部分は通常、肉厚な筐体であったり、ダイヤモンドが使われていたりして、熱伝導がスムーズに行なわれにくい構造であるため、外部から冷却しても液衝突部分の熱を充分に吸収することは困難である。
そこで、本発明においては、塗工液送流経路中で塗工液の一部を分岐させ、その分岐させた塗工液を衝突直後の塗工液と合流させることで、衝突後の塗工液を冷却する機能を持たせることとした。
具体的には、図9に示すとおり、まず、分散経路に塗工液が導入され、該塗工液は超高圧発生ポンプ(32)で任意の圧力で協力に流出される。塗工液は二手に分かれて液衝突部(33)内のノズルから非常に高圧力で吐出され、塗工液同士が衝突する。このとき、大きなエネルギーが働くため、液は高温となって液滞留部分(34)から熱交換器(37)へと流れ、冷却される。本発明においては、熱交換器を通り冷却された液を、分岐して一部を冷却用塗工液として先の液体流部分に導入する。これによって、液滞留部分の液温は低下することとなる。このような構造を持たせるには、塗工液を熱交換器の下流で分岐させ、液滞留部分に導入する経路を設けるだけでよく、特に冷却装置を新たに設置する必要がないため、設備をコンパクトにでき、また既存の設備をほとんどそのまま利用することができるので、製造コストの大幅な抑制ができる。
また、液衝突を複数回行なうような分散条件であれば、図9のような分散装置を直列に連ねてもよいし、塗工液流出部(39)と塗工液導入部(31)を結合して、循環経路としてもよい。ただし、循環経路とした場合は、冷却用塗工液として分岐した液は液衝突が行なわれないため、分散条件を液衝突回数で管理することが困難となる。したがって、必要に応じて循環時間で管理するなどの方法を実施する必要がある。発明者らの検討では、塗工液の液量と、液衝突分散に供される流量と分岐によって冷却液となる流量の比などから計算して、全液量が液衝突分散に供される循環を3回繰り返すよりも長い時間、連続的に分散させることで、略均一に分散が行き渡り、比較的シャープな粒度分布を示すことがわかった。
さらに、本発明の電子写真感光体感光層形成用塗工液の製造方法について、感光層形成用塗工液、電子写真感光体とともに詳しく説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の模式断面図であり、導電性支持体上に感光層を設けた構成の電子写真感光体を示している。図2、図3及び図4は各々本発明における電子写真感光体の他の構成例を示すものである。図2は、感光層が電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)より構成される機能分離型タイプの電子写真感光体を示し、図3は、導電性支持体と機能分離型タイプの感光層のCGL、CTLとの間に下引き層を入れた電子写真感光体を示している。図4は図3のタイプの感光層の上にさらに保護層を形成した電子写真感光体を示している。なお、本発明に係る電子写真感光体としては、導電性支持体上に少なくとも感光層を有していれば、上記以外のその他の層が形成されていてもよく、また、該感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
本発明において電子写真感光体に使用される導電性支持体としては、導電体もしくは導電処理をした絶縁体、例えばAl、Ni、Fe、Cu、Auなどの金属、もしくはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属あるいはIn、SnO等の導電材料の薄膜を形成したもの、樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、Al、Cu、Ni等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙等が使用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなく、板状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用できるが、ベルト状の支持体を用いると、内部に駆動ローラ、従動ローラーを設ける必要があるなど装置が複雑化したり、大型化する反面、レイアウトの自由度が増すなどのメリットがある。しかしながら、保護層を形成する場合は、該保護層の可撓性が不足して、表面にクラックとよばれる亀裂が入る可能性があり、それが原因で粒状の地肌汚れが発生することが考えられる。このようなことから、支持体としては剛性の高いドラム状のものが好ましく用いられる。
導電性支持体と感光層との間には、必要に応じて、下引き層を設けてもよい。かかる下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層は、一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
更に、かかる下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、かかる下引き層として、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けてもよい。
下引き層の膜厚は約0.1〜5μmが適当である。
本発明の電子写真感光体に用いられる感光層の種類は、Se系、OPC系等のいずれも適用できる。無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。特に、環境に対して優しくかつ安価なOPCが良好である。
本発明における感光層は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは積層型について述べる。はじめに、電荷発生層について説明することにする。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層であって、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、必要に応じて、電荷輸送性物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送性物質も良好に用いられる。
電荷発生層形成用塗工液に用いられる有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ等が挙げられ、これら有機溶媒は単独でも2種類以上混合して用いても良い。
特に、沸点が40℃以上、80℃以下のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることなどから、好適に用いられる。
電荷発生層形成用塗工液は、上記有機溶媒中に電荷発生材料と必要に応じてバインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法や、先に挙げた高速液衝突分散方法などが挙げられる。特に、本発明の高速液衝突分散方法は、メディアを用いないため、コンタミの混入を最小限に抑えることができ、さらに高温にならないため、熱に敏感なフタロシアニン顔料、アゾ顔料の分散に好適である。
電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層形成用塗工液を用いて、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性が良いことが要求される。
これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送性物質及び必要に応じて用いられるバインダー樹脂により構成される。かかる電荷輸送層は、これらの電荷輸送性物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。かかる電荷輸送層には、必要により、電荷輸送性物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
電荷輸送性物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、高分子電荷輸送性物質は、以下のような構造を有していてもよい。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
また、本発明に用いられる高分子電荷輸送性物質として更に有用なトリアリールアミン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルとしては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等に記載の化合物が例示される。
更に、電荷輸送層に併用できるバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は、約5〜100μm程度が適当であるが、近年の高画質化の要求から、電荷輸送層を薄膜化することが図られており、1200dpi以上の高画質化を達成するためには、より好ましくは5〜30μm程度が適当である。
本発明における電荷輸送層中には、ゴム、プラスチック、油脂類などに用いられる他の酸化防止剤や可塑剤などの添加剤を添加してもかまわない。
更に、電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。かかるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーなどが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
塗工方法としては、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行なうことができる。
更に、電荷輸送層が感光体の最表層になる場合には、電荷輸送層の表面部位に、耐摩耗性を向上する目的で微粒子を添加することもできる。耐摩耗性の向上についてに用いられる微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂微粒子、シリコ−ン樹脂微粒子、グアナミンホルムアルデヒド樹脂微粒子、a−カ−ボン粉末、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機微粒子が挙げられる。特にフッ素樹脂微粒子、その中でもさらにポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体は、先述の通り、電子写真感光体の表面摩擦係数を低減する効果により、耐摩耗性の向上だけでなく、トナーの転写効率の向上、転写残トナーのクリーニング性の向上などにより、異常画像の抑制や感光体の長寿命化に非常に有効である。
電荷輸送層形成用塗工液に用いられる有機溶媒としては、先述の電荷発生層形成用塗工液と同様の溶媒が用いられる。特に沸点40℃以上80℃以下のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、樹脂の溶解性、塗工後の乾燥容易性などから好適に用いられる。
電荷輸送層形成用塗工液は、上記有機溶媒中に電荷輸送物質とバインダー樹脂を溶解して製造する。さらに、上記目的で微粒子を分散させる場合においても、電荷発生層形成用塗工液と同様の分散方法を用いることができるが、フッ素樹脂微粒子などの分散が困難な微粒子を分散する際には、本発明の高速液衝突分散方法を用いることで、低コストで、良好な分散性を有した電荷輸送層形成用塗工液を得ることができる。
電荷輸送層中にフッ素樹脂微粒子を含有させる場合、より効率よく摩擦係数低減効果を得るためには、電荷輸送層の表面付近の含有量を多くすることが好ましい。すなわち、摩擦係数低減の効果を発揮するのは感光体表面に露出したフッ素樹脂微粒子であり、繰り返し使用による電荷輸送層の摩耗のために、もはや電子写真感光体としての機能を発揮できなくなる膜厚より上に含有させればよく、それより内部に含有したフッ素樹脂微粒子は無駄になってしまう上、逆に感光体の電子写真特性に悪影響を与える可能性もある。フッ素樹脂微粒子を電荷輸送層の表面付近に多く含有させる電子写真感光体の製造方法としては、例えば、フッ素樹脂微粒子を含有しない電荷輸送層形成用塗工液を塗布した後、フッ素樹脂微粒子を含有した電荷輸送層形成用塗工液を塗布するなどの方法が考えられる。
例えば、具体的に説明すると、電荷発生層上に、まずフッ素樹脂微粒子を含有しない電荷輸送層形成用塗工液を用いて第1の電荷輸送層を形成し、その上からフッ素樹脂微粒子の含有量が固形分比40vol%の電荷輸送層形成用塗工液を用いて第2の電荷輸送層を形成し、乾燥することによって、表面にフッ素樹脂微粒子を多く含有した電荷輸送層が形成できる。
また、最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子が最表層膜中において、一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の、表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面にしめる投影面積比の合計が10%以上である場合、感光体表面の摩擦係数が非常に小さく、しかも、その低い摩擦係数が繰り返し使用しても維持されるため、長期間にわたって良好なクリーニング性を維持し、かつ摩耗も非常に小さくなり、感光体の耐久性も高くなる。
ここで投影像の平均直径とは、最表層表面を略垂直方向から観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなし、その投影像について、重心を通る内径を角度2度刻みで測定した平均値である。
その理由については、明確にはわかっていないが、以下のようなことが考えられる。
一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の、表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面にしめる投影面積比の合計が塗膜表面に対して10%より小さい場合としては、次のような形態が考えられる。
第1の形態としては、表面層中のフッ素樹脂微粒子の含有量が少ない場合。
第2の形態としては、表面に露出しているフッ素樹脂微粒子(二次粒子も含む)のほとんどが0.15μmより小さい場合。
第3の形態としては、表面に露出しているフッ素樹脂微粒子のほとんどが3μmより大きい場合である。第1の形態では、前述の通り、表面の低摩擦係数が繰り返し使用において、維持できないため、やがてクリーニング不良などを引き起こすという可能性が考えられる。
第2の形態では、塗膜表面に露出している部分の平均直径が0.15μm未満と、あまり微小なフッ素樹脂粒子ばかりが分散している塗膜表面であるため、低摩擦係数化に対する効果が不充分となり、クリーニング不良となってしまうことが考えられる。すなわち、感光体表面を低摩擦係数とすることでトナーが滑りクリーニング性が向上するという機構を考えたときに、フッ素樹脂微粒子の一次粒子及び二次粒子とトナーが接する面積が小さくなってしまう。そのため、トナーが感光体表面を滑るという効果が半減してしまい、クリーニング不良を引き起こすことが考えられる。
さらに、第3の形態では、3μmよりも大きな粒子が多数表面に露出しているので、前述のように表面粗さが大きくなり、クリーニング不良を引き起こしたり、レーザー光を散乱して静電潜像のシャープネスの劣化、電位コントラストの減少などによる異常画像の発生が考えられる。
したがって、本発明に示すとおり、フッ素樹脂微粒子が最表層膜中において、一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の、表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面にしめる投影面積比の合計が10%以上であることが好ましいのである。
また、前記一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の(表面に露出した部分の投影像の)平均直径Dが0.2≦D≦1.5μmの範囲にある粒子の、表面にしめる(投影)面積比の合計が10%以上であることで、上記効果をさらに高めることができる。
これは、Dが適度な大きさである上記範囲にそろっており、かつ表面にしめる割合も上記範囲となることで、感光体表面がより均一に低摩擦係数化され、前述の不具合が解消され、さらに表面粗さの低減などの効果がより大きくなるものと考えられる。
本発明のフッ素樹脂微粒子が表面に露出している部分の投影像の平均直径、面積比の算出方法の例として、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察について説明するが、フッ素樹脂微粒子の露出状態が観察できるものであれば、この限りではない。
フッ素樹脂微粒子が分散された電子写真感光体の表面をSEMによって撮影し、得られたSEM像に映し出されているフッ素樹脂微粒子像を画像解析装置を用いて解析することで、微粒子の平均直径、個数、面積比等を得ることができる。このとき、SEM像として得られる画像は表面の略垂直方向より投影したものであるので、映し出されるフッ素樹脂微粒子の像も垂直方向の投影像である。ここで投影像の平均直径とは、観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなした投影像について、重心を通る内径を角度2度刻みで測定した平均値である。
画像解析装置は、このフッ素樹脂微粒子の投影像と、その周りのバインダー樹脂とが二値的に区別でき、その中で複数の一次粒子が凝集した二次粒子を大きな粒子として近似できるような条件を選択できることが必要である。さらに、該フッ素樹脂微粒子の投影像一つ一つについて、少なくとも平均直径、面積比が算出できるようなプログラムが備わっていることが必要である。そのような画像解析装置としては、高詳細画像解析システムIP−1000(旭エンジニアリング社製)のような専用装置や、画像解析ソフトImage−Pro Plus(プラネトロン社製)を導入したコンピュータ等を用いることができる。
SEM像は、加速電圧が高いと、表面付近の内部の様子までが画像情報として得られる場合がある。バインダー樹脂にフッ素微粒子を分散した系においては、加速電圧が高いと表面に露出していない、表面近傍に内在するフッ素樹脂微粒子まで透過して観察される場合があるため、該加速電圧の設定は、表面に露出したフッ素樹脂微粒子が映し出されるように調整する必要がある。
例えば、SEMとして電界放出形走査電子顕微鏡S−4200(日立製作所社製)を用いた場合、加速電圧としては、2kv〜6kv程度が好適であるが、これは、装置や感光体の材料などによって適宜調整する必要がある。
こうして得られた、表面のSEM画像を画像解析ソフトに取り込み、観察範囲においてカウントされた個々のフッ素樹脂微粒子の平均直径、面積比を算出させることによって、所望の感光体表面のフッ素樹脂微粒子の状態を観測することができるのである。
さらに、最表層中に含有するフッ素樹脂微粒子は20vol%〜60vol%であることが好ましく、さらに好ましくは、30vol%〜50vol%である。
これは、上記範囲で存在させることで、繰り返し使用においても、摩擦係数の低減効果が持続し、さらにより耐摩耗性が向上するためであるが、その理由としては、フッ素樹脂微粒子の含有率が上記範囲であり、かつ二次粒子が最表層中に非局在化するように塗膜を形成することで、摩耗により最表層が減少しても、内在する二次粒子が順次露出して、常にその表面にしめる投影面積比の合計が好適な範囲となり、また、必要以上にフッ素樹脂微粒子が存在しないために、最表層の機械的強度も好適な範囲に保たれるので耐摩耗性の低下も抑制されるためだと考えられる。
また、フッ素樹脂微粒子の分散を促進する分散剤として、フッ素系界面活性剤を添加することが好ましい。該界面活性剤を添加することで、フッ素樹脂微粒子の再凝集を抑制し、より微粒子化された感光層形成用塗工液を得ることができる。こうして得られた感光層は、フッ素樹脂とバインダー樹脂との親和性が高まり、フッ素樹脂のバインダー樹脂からの脱離が防止されるため、フッ素樹脂微粒子の分散性が向上するのみならず、より耐摩耗性の向上効果も得られるものと考えられる。
感光層形成用塗工液の製造方法に置いて、これら、微粒子、バインダー樹脂、電荷輸送物質、界面活性剤は、液衝突分散を施す前にあらかじめ混合しておくことが好ましい。すなわち、本発明においては、液衝突分散時の液温の上昇を抑制しているため、微粒子の再凝集が抑えられており、超音波処理などの後工程を省くことができる。従って、液衝突分散前にすべての構成物質を混合しておくことで、分散と同時に塗工液を完成させることができる。一般に、微粒子の分散は、分散工程の直後がもっとも良好で、その後は様々な要因によって経時で低下していくものである。例えば、樹脂液との混合工程における希釈や、電荷輸送物質の溶解工程における攪拌など、いずれも分散系にショックを与えるもので、分散性を劣化させる可能性が高い。したがって、分散と同時に塗工液が完成される製造工程を設計できると言うことは、塗工液の品質安定化などに著しい効果を発揮するのである。
次に、感光層が単層構成の場合について説明する。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くの場合、かかる単層感光層は、電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送性物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷発生物質並びに電荷輸送性物質としては、前述した材料を用いることができる。
また、かかる単層感光層には、必要により、可塑剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いることができる。その他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
さらに、単層感光層が感光体の最表層となる場合には、該単層感光層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子は本発明の分散状態で存在することが好ましい。
これによって、前述の電荷輸送層の場合と同じ効果が得られる。
また、前述の電荷輸送層の場合と同様に、表面付近のフッ素樹脂微粒子の含有量を多くすることが好ましく、その方法も同様の製造方法を用いることができる。
単層感光体の感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
単層感光層形成用塗工液も、前述の通り、構成する材料をあらかじめ混合しておくことが好ましい。
本発明の感光体においては、感光層の上に、保護層が設けられることもある。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、保護層を用いる場合、保護層が最表層となるので、該保護層中にフッ素樹脂微粒子を含有することが好ましい。保護層は主に耐摩耗性の向上を目的としている。本発明においては、フッ素樹脂微粒子を好適な分散状態で含有することで長期間繰り返し使用においても低摩擦係数が持続し、耐摩耗性が向上する。さらに、保護層は感光層の上に比較的小さな膜厚をもって設けられるため、感光体の電気特性への影響が比較的小さく、電荷輸送層にフッ素樹脂微粒子を含有させる場合よりも、含有量を大きくすることができたり、低摩擦係数化や耐摩耗性に特化した処方を用いて電荷輸送層と機能分離させることができるなどの利点がある。
また、保護層にはさらなる耐摩耗性を付与するためフッ素樹脂微粒子以外の微粒子を含有してもよい。該微粒子としては、前述のものを用いることができ、とくにシリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物微粒子がこのましく、これらの微粒子は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。
また、保護層に電荷輸送物質を含有させることも感光体の電気特性、特に繰り返し使用時の光感度劣化、残留電位の上昇を抑制するのに非常に有用である。これは、保護層にも電荷輸送性を持たせることで、感光体表面までスムーズに電荷が移動できるようになるためだと考えられる。かかる電荷輸送性物質としては、先に挙げた電荷輸送層で用いられる電荷輸送性物質を用いることができる。
更に、本発明に係る電子写真感光体の保護層には、接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えてもかまわない。
本発明の保護層形成用塗工液も前述の通り、構成する材料をあらかじめ混合しておくことが好ましい。
本発明にかかる保護層は、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ塗工等の常法の塗工方法を用いて感光層上に形成される。特に、量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、スプレー塗工が有利である。
しかしながら、塗工における各種条件によっても、感光体表面のフッ素樹脂微粒子の分散状態変わるので、塗工する際の条件設定は非常に重要である。
例えば、スプレー塗工においては、まず、塗工液の条件として、固形分濃度、混合溶媒の場合はその種類と混合比などがあり、スプレー装置の条件としては、塗工液の吐出量、霧化エア圧力、スプレー先端と被塗布部表面との距離、被塗布物表面の移動速度、重ね塗りの回数などが上げられる。例えば、塗工液の吐出量を小さくして、重ね塗り回数を増やすことで所望の膜厚の保護層を形成する場合は、よりドライな状態で塗膜が形成され、逆に吐出量を大きくして、重ね塗り回数を減らすと、よりウェットな状態で塗膜が形成されることになる。このように塗工中の塗膜の状態一つをとっても、表面のフッ素樹脂微粒子の状態に影響を及ぼすことが考えられる。従って、表面のフッ素樹脂微粒子が本発明のような状態になるように、各種塗工条件を検討し、好適な範囲を把握する必要がある。
こうして得られる保護層の膜厚は0.1〜15μmの範囲が適当であり、より好ましくは1〜10μmである。
次に本発明の画像形成装置について、図を参照して説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図である。なお、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図5に示すように、本発明に係る電子写真感光体を用いた画像形成装置は、本発明に係るドラム状の感光体(1)と、帯電チャージャ(3)と、転写前チャージャ(7)と、転写チャージャ(10)と、分離チャージャ(11)と、クリーニング前チャージャ(13)などから構成されている。なお、感光体(1)の形状は、ドラム状の形状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。また、各種チャージャーとしては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができる。
転写手段としては、一般には上記の帯電器が使用できるが、図示するような転写チャージャと分離チャージャとを併用したものが効果的である。
また、画像露光部(5)、除電ランプ(2)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図5に示される工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光を照射することができる。
さて、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上にトナーが残存する。このようなトナーは、クリーニングブラシ(14)及びブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシ又はブレード単独で行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段としては、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体に接触して摺擦する接触部材を具備させることができる。
加圧された接触部材としては、フッ素樹脂微粒子の露出部分の摺擦を目的とした接触部材を設けても良いし、帯電ローラーなどの接触帯電部材、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどのクリーニング部材、転写ベルト、中間転写ベルトなどの転写部材など一般的に画像形成装置に用いられる部材に加圧する機構を設けたようなものでもよい。ここでは、クリーニングブレード(15)によって感光体表面を摺擦する場合を例に挙げて説明する。クリーニングブレードは、感光体表面を略均等な圧力で感光体表面を押しながらほぼ全面を摺擦し、フッ素樹脂微粒子を均等に表面に付着させるという効果が大きく好ましい。
クリーニングブレードによってフッ素樹脂を被覆させる場合、クリーニングブレードの各種条件として、ブレード当接角10〜30度、当接圧力0.3〜4g/mm、ブレードとして用いるウレタンゴムのゴム硬度60〜70度、反発弾性、30〜70%、ヤング率30〜60kgf/cm2、厚さ1.5〜3.0mm、自由長7〜12mm、ブレードエッジの感光体への食い込み量0.2〜2mmの範囲が好適である。
図6には、本発明による画像形成装置を用いた別のプロセスの例を示す。図6において、感光体(22)は、本発明の電子写真感光体であり、駆動ローラ(23)により駆動され、帯電チャージャ(20)による帯電、光源(21)による像露光、現像(図示せず)、帯電器(25)を用いる転写、ブラシ(26)によるクリーニング、光源(27)による除電が繰返し行なわれる。
さらに、本発明を適用したフルカラー画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図において、潜像担持体たる感光体(56)は、図中反時計回りに回転駆動されながら、その表面がコロトロンやスコロトロンなどを用いる帯電チャージャ(53)によって一様帯電せしめられた後、図示しないレーザ光学装置から発せられるレーザ光(L)の走査を受けて静電潜像を担持する。この走査はフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報に基づいてなされるため、感光体ドラム(56)上にはイエロー、マゼンタ、シアン又はブラックという単色用の静電潜像が形成される。感光体ドラム(56)の図中左側には、リボルバ現像ユニット(50)が配設されている。これは、回転するドラム状の筺体の中にイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有しており、回転によって各現像器を感光体ドラム(56)に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを付着せしめて静電潜像を現像するものである。感光体ドラム(56)上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成され、これらはリボルバ現像ユニット(50)の各現像器によって順次現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる。
上記現像位置よりも感光体ドラム(56)の回転下流側には中間転写ユニットが配設されている。これは、張架ローラ(59a)、転写手段たる中間転写バイアスローラ(57)、2次転写バックアップローラ(59b)、ベルト駆動ローラ(59c)によって張架している中間転写ベルト(58)を、ベルト駆動ローラ(59c)の回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめる。感光体ドラム(56)上で現像されたイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像は、感光体ドラム(56)と中間転写ベルト(58)とが接触する中間転写ニップに進入する。そして、中間転写バイアスローラ(57)からのバイアスの影響を受けながら、中間転写ベルト(58)上に重ね合わせて中間転写されて、4色重ね合わせトナー像となる。
回転に伴って中間転写ニップを通過した感光体ドラム(56)表面は、ドラムクリーニングユニット(55)によって転写残トナーがクリーニングされる。このクリーニングユニット(55)は、クリーニングバイアスが印加されるクリーニングローラによって転写残トナーをクリーニングするものであるがファーブラシ、マグファーブラシ等からなるクリーニングブラシや、クリーニングブレードなどを用いるものであってもよい。
転写残トナーがクリーニングされた感光体ドラム(56)表面は、除電ランプ(54)によって除電せしめられる。除電ランプ(54)には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが用いられている。また、上記レーザ光学装置の光源には半導体レーザが用いられている。これら発せられる光については、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターにより、所望の波長域だけを用いるようにしてもよい。
一方、図示しない給紙カセットから送られてきた転写紙(60)を2つのローラ間に挟み込んでいるレジストローラ対(61)は、転写紙(60)を中間転写ベルト(58)上の4色重ね合わせトナー像に重ね合わせ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り込む。中間転写ベルト(58)上の4色重ね合わせトナー像は、2次転写ニップ内で紙転写バイアスローラー(63)からの2次転写バイアスの影響を受けて転写紙P上に一括して2次転写される。この2次転写により、転写紙(60)上にはフルカラー画像が形成される。
フルカラー画像が形成された転写紙(60)は、転写ベルト(62)によって紙搬送ベルト(64)に送られる。
搬送ベルトは(64)は、転写ユニットから受け取った転写紙(60)を定着装置(65)内に送り込む。
定着装置(65)は、送り込まれた転写紙(60)を加熱ローラとバックアップローラ(59b)との当接によって形成された定着ニップに挟み込みながら搬送する。
転写紙(60)上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受けて転写紙(60)上に定着せしめられる。
なお、図示を省略しているが、転写ベルト(62)や搬送ベルト(64)には、転写紙(60)を吸着させるためのバイアスが印加されている。また、転写紙(60)を除電する紙除電チャージャや、各ベルト(中間転写ベルト(58)、転写ベルト(62)、搬送ベルト(64))を除電する3つのベルト除電チャージャが配設されている。また、中間転写ユニットは、ドラムクリーニングユニット(55)と同様の構成のベルトクリーニングユニットも備えており、これによって中間転写ベルト(58)上の転写残トナーをクリーニングする。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の変形例である。この装置は、中間転写ベルト(87)を有するタンデム方式の画像形成装置であり、感光体ドラム(80)を各色で共有させるのではなく、各色用の感光体ドラム(80Y)、(80M)、(80C)、(80Bk)を備えている。また、ドラムクリーニングユニット(85)、除電ランプ(83)、ドラムを一様帯電せしめる帯電ローラ(84)も、各色用のものを備えている。なお、図7に示したプリンタではドラム一様帯電手段として帯電チャージャ(53)を設けていたが、この装置では帯電ローラ(84)を設けている。
タンデム方式では、各色の潜像形成や現像を並行して行なうことができるため、リボルバ式よりも画像形成速度を遙かに高速化させることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、下記実施例の態様に限定されるものではない。なお、下記の実施例及び比較例において使用する単位である「部」はいずれも重量基準である。
<実施例1>
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製))10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(タイペールCR−EL(石原産業社製))90重量部を加えボールミルで12時間分散し、下引層用塗工液を作製した。
これをφ90mm、長さ392mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し130℃20分間乾燥し厚み3.5μmの下引き層を形成した。
次にポリビニルブチラール樹脂(XYHL(UCC社製))4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これを下記構造式(1)に示す
Figure 0004194932

ビスアゾ顔料に10重量部を加え、ボールミルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて3時間分散を行なった。これを容器に取り出し固形分が1.5重量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に塗工し130℃20分間乾燥し厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、テトラヒドロフラン100重量部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.002重量部を溶解し、これに下記構造式(2)の電荷輸送物質10重量部を加えて電荷輸送層用塗工液を作製した。こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、その後110℃20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0004194932

次に、テトラヒドロフラン480重量部とシクロヘキサノン140重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂16重量部を溶解し、ついでポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子(PTFE)(商品名:ルブロンL−2、ダイキン社製、平均一次粒子径:約0.2μm)18重量部、フッ素系界面活性剤(商品名:モディパーF210、日本油脂社製)2重量部を混合し、よく攪拌した後、高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005、スギノマシン社製)の循環経路を図9のように改造して、塗工液の一部を液衝突部(チャンバー)に導入するようにした装置において、60MPa圧力下、1時間循環して、保護層形成用塗工液を作製した。このとき、塗工液の循環流量は0.3L/minであり、分岐させた冷却用塗工液の流量は0.03L/minとした。また、このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は17℃であった。こうして得られた保護層形成用塗工液の粒度分布は遠心式粒度分布測定装置(CAPA−700、堀場製作所製)をもちいて測定し、平均粒径(メジアン径:D50)を得た。さらにこの塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308、オリンポス社製)を用い、2kgf/cm2のエア圧でスプレー塗工を行ない、3回重ね塗りした後、130℃20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成し、実施例1の電子写真感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の表面の任意の観察点10点について、サンプリングした塗膜表面をFE−SEM(S−4200形走査型電子顕微鏡、日立製作所社製)を用い、加速電圧2kvにおいて4000倍の表面を撮影し、得られたSEM写真を画像処理ソフト(IMAGE Pro Plus)を用いて、PFA粒子(一次粒子、および凝集した二次粒子)の個数、各粒子の平均直径、面積、面積比を解析し、平均直径0.15〜3μmの粒子の面積比の合計をS1、0.2〜1.5μmの粒子の面積比の合計をS2として、算出した。
次に、本実施例に使用した重合トナーの製造例を示す。
1)単量体組成物の作製
スチレンモノマー 70部
n−ブチルメタクリレート 30部
ポリスチレン 5部
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛塩 2部
カーボンブラック 6部
上記の重合性単量体混合物をボールミルを用いて24時間分散混合して単量体組成物を調製した。
2)造粒、重合
攪拌機、温度計、不活性ガス導入管及び細孔径110,000Å、細孔容積0.42cc/g、10φ×50mmの多孔質ガラス管を備えたフラスコに2%ポリビニルアルコール水溶液400mlを取り、窒素ガスを送りながら室温で攪拌を行ない、反応容器中の酸素を窒素置換した。
ついで1)の単量体組成物113gにアゾビスイソブチルニトリル1.56gを加え攪拌溶解し、ポンプを用いて多孔質ガラス管を通過させて、ポリビニルアルコール水溶液中へ加え、加え終った後ポリビニルアルコールと単量体組成物の混合物を、前記ポンプと多孔質ガラス管を用いて約120ml/minの割合で2時間循環させた後、内温を70℃とし8時間重合させた。
その後室温まで冷却し一晩静置後、上澄液を除き水を加えて1時間攪拌後濾過、乾燥しトナーを得た。このトナーをコールターカウンターで粒子径を測定したところ、平均粒子径8.5μmで5〜0μm径の範囲にある粒子は全体の95%であり極めて狭い粒度分布であった。
また、形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当であり、この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度は0.98であった。
こうして得られた重合トナーをキャリアと4%のトナー濃度で混合して2成分現像剤とした。
このようにして得られた2成分現像剤と、前述の製造方法と同様にして作製した別の電子写真感光体をフルカラー複合機 Imagio Color 5100(リコー社製)の改造機(画像露光光源を655nmの半導体レーザーに交換、更に潤滑剤塗布手段を除去、クリーニングブレード当接圧、現像部とのギャップ等の条件を変更して、感光体の摩耗に対して負荷を加えたもの)に搭載して、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節したのち、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率6%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行ない、ランニング試験前後の感光層の膜厚の差から、摩耗量を測定した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いた。さらに、ランニング試験前の初期画像、ランニング試験後の耐久画像を出力し、画像品質についても評価を行なった。
ここで、クリーニング不良が原因と思われる地肌汚れについては、以下のようなランクを付けて評価した。
ランク5・・・地肌汚れがほとんどなく、良好なレベル
ランク4・・・わずかに地肌汚れが見られるがほとんど問題ないレベル
ランク3・・・やや地肌汚れが見られるが、実使用上問題ないレベル
ランク2・・・地肌汚れが目立ち、実使用上も好ましくないレベル
ランク1・・・実使用上、許容できないレベル
<実施例2>
保護層形成用塗工液の製造方法において、アルティマイザーの圧力を110MPaとした以外は実施例1と同様にして実施例2の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このとき、塗工液の循環流量は0.4L/minであり、分岐させた冷却用塗工液の流量は0.04L/minとした。また、このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は25℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<実施例3>
保護層形成用塗工液の製造方法において、アルティマイザーの圧力を160MPaとした以外は実施例1と同様にして実施例3の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このとき、塗工液の循環流量は0.5L/minであり、分岐させた冷却用塗工液の流量は0.05L/minとした。また、このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は34℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<実施例4>
保護層形成用塗工液の製造方法において、PTFEを9重量部、フッ素系界面活性剤を1重量部とした以外は実施例1と同様にして実施例4の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は16℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<実施例5>
保護層形成用塗工液の製造方法において、PTFEを54重量部、フッ素系界面活性剤を6重量部とした以外は実施例1と同様にして実施例5の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は16℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<実施例6>
保護層形成用塗工液の製造方法において、テトラヒドロフランとシクロヘキサノンの混合溶媒の代わりに、テトラヒドロフラン620重量部を用いた以外は実施例1と同様にして実施例6の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は17℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<実施例7>
保護層形成用塗工液の製造方法において、テトラヒドロフランとシクロヘキサノンの混合溶媒の代わりに、ジクロロメタン480重量部を用いた以外は実施例1と同様にして実施例7の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例7の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<実施例8>
保護層形成用塗工液の製造方法において、構造式(2)の電荷輸送物質10重量部を加えた以外は実施例1と同様にして実施例8の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は17℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例8の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<実施例9>
保護層形成用塗工液の製造方法において、有機溶媒をメタノール480重量部、n−ブタノール140重量部とし、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂の代わりにN−メトキシメチル化ポリアミド樹脂(商品名:ファインレジンFR101、鉛市工業社製)とした以外は実施例1と同様にして実施例9の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は18℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例9の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。ただし、保護層の膜厚は2μmとした。
<実施例10>
保護層形成用塗工液の製造方法において、有機溶媒をエタノール480重量部、n−ブタノール140重量部とし、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂の代わりにN−メトキシメチル化ポリアミド樹脂(商品名:ファインレジンFR101 鉛市工業社製)とした以外は実施例1と同様にして実施例10の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は18℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例10の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。ただし、保護層の膜厚は2μmとした。
<実施例11>
保護層形成用塗工液の製造方法において、テトラフルオロエチレン樹脂微粒子のかわりにテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル社製)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例11の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は16℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例11の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<実施例12>
保護層形成用塗工液の製造方法において、テトラフルオロエチレン樹脂微粒子のかわりにテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)(三井・デュポンフロロケミカル社製)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例12の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は17℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして実施例12の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<比較例1>
保護層形成用塗工液の製造方法において、循環経路を分岐せず、塗工液を全量チャンバーに導入した以外は、実施例1と同様にして比較例1の保護層形成用塗工液を作製し同様の評価を行なった。このときのチャンバーの温度を接触型温度計にて測定したところ、1時間循環中の温度は45℃であった。さらに該塗工液を用いて、実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製し、同様の評価を行なった。
<比較例2>
保護層形成用塗工液の製造方法において、循環経路を分岐せず、塗工液を全量チャンバーに導入した以外は、実施例2と同様にして比較例2の保護層形成用塗工液を作製しようとしたところ、分散開始後数分でチャンバーより流出する塗工液が沸騰する様子が確認されたため、分散を中止した。
こうして得られた評価結果を、表1に示す。
Figure 0004194932
実施例13〜16、比較例3
実施例1、4、5、11、比較例1の電子写真感光体(但し、基体としてφ30mm、長さ340mmの円筒状アルミニウム基体を用いた)を、図8の作像エンジンを搭載したコピースピード60枚/分(A4縦)のフルカラー複写機に搭載して、実施例1に記載の方法によって製造された重合トナー、現像剤を用い、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節した後、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行ないランニング試験前後の感光層の膜厚の差から、摩耗量を測定した。このとき、感光体の摩耗に対して負荷が加わるように、クリーニングブレード当接圧、現像部とのギャップ等の条件を調整した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いた。さらに、ランニング試験前の初期画像、ランニング試験後の耐久画像を出力し、画像品質についても評価を行なった。
こうして得られた評価結果を、表2に示す。
Figure 0004194932
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の一例の概略図である。 本発明の画像形成装置の他のプロセスを示す概略図である。 本発明の画像形成装置の例であるプリンタの概略構成図である。 本発明の画像形成装置の例であるプリンタの変形装置例の概略構成図である。 高速液衝突分散装置を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
20 帯電チャージャ
21 像露光光源
22 感光体
23 駆動ローラ
24 テンションローラ
25 転写チャージャ
26 クリーニングブラシ
27 除電光源
28 従動ローラ
31 塗工液導入部
32 超高圧発生ポンプ
33 液衝突部
34 液滞留部分
35 冷却用塗工液導入部
36 冷却用塗工液経路
37 熱交換機
38 塗工液分岐点
39 塗工液流出部
50 現像ユニット
53 帯電チャージャ
54 除電ランプ
55 ドラムクリーニングユニット
56 感光体
57 バイアスローラ
58 中間転写ベルト
59a 張架ローラ
59b バックアップローラ
59c ベルト駆動ローラ
60 転写紙
61 レジストローラ
62 転写ベルト
63 紙転写バイアスローラ
64 搬送ベルト
65 定着ユニット
L 露光
80 感光体
81 露光光源
82 現像ユニット
83 除電ランプ
84 帯電ローラ
85 クリーニングユニット
86 バイアスローラ
87 中間転写ベルト
88 レジストローラ
89 紙(像担持体)
90 紙転写バイアスローラ
91 転写ベルト
92 搬送ベルト
93 定着ユニット
94 ファーブラシ

Claims (33)

  1. 電子写真感光体の感光層形成用塗工液の製造方法において、該塗工液は少なくとも有機溶媒と少なくともフッ素樹脂を含有する微粒子からなり、該微粒子を高速液衝突分散により溶媒中に略均一に分散する塗工液の分散の際に、衝突分散された直後の塗工液の液温度を40℃未満に保持し、分散する分散段階を有することを特徴とする感光層形成用塗工液の製造方法。
  2. 前記高速液衝突分散段階で塗工液に加えられる圧力が50MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  3. 前記高速液衝突分散段階が、塗工液送流経路中で塗工液を分岐させ、その分岐させた塗工液を、衝突直後の塗工液と合流させることで衝突後の塗工液を冷却する機構で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  4. 前記高速液衝突分散段階で塗工液の一部によって衝突分散される液を冷却し、かつ、衝突分散される塗工液と、冷却に用いられる塗工液が同じ循環経路を循環することで略均一に分散されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  5. 前記フッ素樹脂粒子として、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする請求項4に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  6. 前記フッ素樹脂微粒子の平均一次粒径が0.05μm以上0.5μm以下で、かつ二次粒子の平均粒径が0.2μm以上2.0μm以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  7. 前記塗工液が、少なくとも沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  8. 前記塗工液における少なくとも沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の占める割合が50%以上100%以下であることを特徴とする請求項に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  9. 前記沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の少なくとも1種類がテトラヒドロフランであることを特徴とする請求項7又は8に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  10. 前記沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の少なくとも1種類がジクロロメタンであることを特徴とする請求項7又は8に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  11. 前記沸点40℃以上80℃以下の有機溶媒の少なくとも1種類がメタノール又はエタノールであることを特徴とする請求項7又は8に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  12. 前記感光層形成用塗工液にフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  13. 前記感光層形成用塗工液にフッ素系界面活性剤を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを特徴とする請求項12に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  14. 前記感光層形成用塗工液にバインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  15. 前記感光層形成用塗工液にバインダー樹脂を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを特徴とする請求項14に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  16. 前記感光層形成用塗工液が電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  17. 前記感光層形成用塗工液が電荷輸送物質を添加したのち、高速液衝突分散を施すことを特徴とする請求項16に記載の感光層形成用塗工液の製造方法。
  18. 電子写真感光体の感光層形成用塗工液において、請求項1乃至17のいずれかに記載の製造方法で作製されることを特徴とする感光層形成用塗工液。
  19. 導電性支持体上に直接または下引き層を介して感光層を有する感光体において、該感光層が請求項18に記載の感光層形成用塗工液を用いて形成されたことを特徴とする電子写真感光体。
  20. 感光層が複数の層を積層してなる積層型電子写真感光体において、該感光層の少なくとも最表層が請求項18に記載の感光層形成用塗工液を用いて形成されたことを特徴とする電子写真感光体。
  21. 前記感光層の少なくとも最表層が請求項18に記載の感光層形成用塗工液を用いて形成され前記最表層膜中で、フッ素樹脂微粒子の一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、平均直径Dが0.2≦D≦1.5μmの範囲にある粒子の、表面にしめる投影面積比の合計が10%〜60%であることを特徴とする請求項19又は20に記載の電子写真感光体。
  22. 前記フッ素樹脂粒子の最表層にしめる割合が20vol%〜60vol%であることを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載の電子写真感光体。
  23. 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項19乃至22のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  24. 少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなることを特徴とする請求項23に記載の画像形成装置。
  25. 前記最表層に含有されるフッ素樹脂微粒子が、前記接触部材によって最表層表面上に延びて被覆されることを特徴とする請求項24に記載の画像形成装置。
  26. 前記画像形成装置が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする請求項23乃至25のいずれかに記載の画像形成装置。
  27. 電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする請求項23乃至26のいずれかに記載の画像形成装置。
  28. 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置を用いた画像形成方法において、該電子写真感光体が請求項19乃至22のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
  29. 前記画像形成装置が、少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなることを特徴とする請求項28に記載の画像形成方法。
  30. 前記最表層に含有されるフッ素樹脂微粒子が、前記接触部材によって最表層表面上に延びて被覆されることを特徴とする請求項29に記載の画像形成方法。
  31. 前記画像形成装置が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする請求項28乃至30のいずれかに記載の画像形成方法。
  32. 前記画像形成装置が電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする請求項28乃至31のいずれかに記載の画像形成方法。
  33. 帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段の少なくとも一つと、請求項19乃至22のいずれかに記載の電子写真感光体とを具備し、該帯電手段、露光手段、現像手段若しくは転写手段の少なくとも一つか又は他の手段であってもよい電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を少なくとも一つ具備することを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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