JP2008165156A - 電子写真感光体およびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で備えた電子写真感光体において、当該電子写真感光体の最表面層がフィラー粒子を含有し、かつ該層中のフィラー粒子が、次式(I):
1.0×10-3 ≦ (df×b3)/(dm×a3) ≦ 2.5×10-2 (I)
(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは前記最表面層における固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)
を満足することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】図4
Description
先ず、装置に備わる電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)の感光層を、帯電器によって所定の電位に一様に帯電させる。
形成された静電潜像に対して現像手段から現像剤を供給し、感光体の表面に現像剤の成分であるトナーと呼ばれる着色された微粒子を付着させることによって静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する。
電子写真感光体としては、従来から、無機系光導電性材料を用いた電子写真感光体(以下、無機系感光体と称する)が用いられている。
すなわち、セレン系感光体および硫化カドミウム系感光体は、耐熱性および保存安定性に問題がある。さらにセレンおよびカドミウムは人体および環境に対して毒性を有するので、これらを用いた感光体は、使用後には回収し、適切に廃棄する必要がある。
また、無公害性の無機系感光体として注目されるa−Si感光体は、高感度および高耐久性などの長所を有する反面、プラズマ化学気相成長法を用いて製造されるので、感光層を均一に成膜することが難しく、画像欠陥が発生しやすいなどの短所を有する。さらに、a−Si感光体は、生産性が低く、製造原価が高いという短所も有する。
有機系感光体は、上記のように多くの利点を有することから、次第に電子写真感光体の主流を占めてきている。
また近年の研究開発によって、有機系感光体の感度および耐久性は向上されており、現在では特別な場合を除き、電子写真感光体として有機系感光体が用いられるようになってきている。
すなわち、機能分離型感光体は、有機系感光体の有する前記の利点に加え、感光層を構成する材料の選択範囲が広く、任意の特性を有する感光体を比較的容易に作製できるという利点をも有している。
上記積層型の機能分離型感光体では、電荷発生機能を担う電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送機能を担う電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層されて構成される積層型の感光層が設けられている。
一方、単層型の機能分散型感光体では、電荷発生物質と電荷輸送物質とが結着樹脂中に共に分散した単層型の感光層が設けられている。
耐刷性向上に向けた取り組みとして、感光体の最表面層に保護層を設ける(例えば、特開昭57−30846号公報:特許文献1)、その保護層に潤滑性を付与する(例えば、特開平1−23259号公報:特許文献2)、保護層を硬化させる(例えば、特開昭61−72256号公報:特許文献3)、保護層にフィラー粒子を含有させる(例えば、特開平1−172970号公報:特許文献4)などの方法が知られている。
これら保護層は、感光層の基本機能を損なわないという観点から可能な限り薄層化することが基本的には望まれる。
例えば、感光体と表面保護層との間に界面が形成され感光体と表面保護層との間の成分がそれぞれ分離した層構造となっている場合、長期間にわたる使用により保護層が剥離することがある。さらに、長期の繰り返し使用により、露光部電位が上昇することがある。
逆に表面保護層と感光層が連続的な層構成である場合、すなわち感光層が表面保護層形成用の表面保護層塗布液により溶解される場合には、その溶解状況によっては画像特性が悪化することがある。
潤滑剤としてはステアリン酸亜鉛やシリコーン系若しくはフッ素系の潤滑剤が挙げられている。
1.0×10-3 ≦ (df×b3)/(dm×a3) ≦ 2.5×10-2 (I)
(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは前記最表面層における固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)
を満足することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
すなわち、本発明によれば、感光体の電荷輸送層は大幅に耐刷性を高めることが可能になるので、耐刷性以外の感度を含めた性能を適切に設定するための電荷輸送物質、結着樹脂比、その他添加剤等の選択の幅が広がる。このため、電荷輸送物質、結着樹脂比、その他添加剤等を適切に選定することによって、長期間の使用に際しても、感度を低下させることなく、摩耗量が軽減され、また高品質な画像を得ることができるより優れた感光体を作製することができる。
また、このような感光体を備えた画像形成装置は、感光体が充分な耐刷性及び耐久性を有して長期間安定して動作するので、高品位画像を長期間維持でき、したがって画像形成装置の低コスト化及びメンテナンスフリーが実現できる。
実施の第1形態
図1は、本発明の実施の第1形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の第1形態の電子写真感光体1(以下、感光体と略称する)は、導電性材料から成る円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層される層であって電荷発生物質を含有する電荷発生層12と、電荷発生層12の上にさらに積層される層であって電荷輸送物質を含有する電荷輸送層13を含む。電荷発生層12と電荷輸送層13とは、感光層14を構成する。すなわち、感光体1は、積層型感光体である。
導電性基体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに、他の各層12および13の支持部材としても機能する。
なお導電性基体11の形状は、本実施の第1形態では円筒状であるけれども、これに限定されることなく円柱状、シート状または無端ベルト状などであってもよい。
またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエステル、ポリオキシメチレンもしくはポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどの表面に、上記金属箔をラミネートしたもの、上記金属材料を蒸着したもの、または導電性高分子、酸化錫、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。
導電性基体11の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。
上記の電荷発生物質として有効な物質としては、有機系顔料を含む有機系光導電性材料および無機顔料を含む無機系光導電性材料が挙げられる。
上記有機系顔料を含む有機系光導電性材料としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料が挙げられる。
また、上記無機顔料を含む無機系光導電性材料としては、セレンおよびその合金、ヒ素-セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、その他の無機光導電体が挙げられる。
で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
前記比率W1/W2が10/100未満であると、感光体1の感度が低下する。
したがって、前記比率W1/W2の好適な範囲を、10/100以上、400/100以下とした。
粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などを挙げることができる。
これらの塗布方法のうちから、塗布の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を選択することができる。
電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下する。
逆に、電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12内部での電荷移動が感光層14の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下する。
電荷発生層12上には電荷輸送層13が設けられる。電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、電荷輸送物質を結着させる結着樹脂、さらに感光体の耐久性を向上させるフィラー粒子とを含んで構成することができる。
で示されるアミン系化合物を、電荷輸送物質として含有する電子写真感光体が提供される。
また、上記の第2成分としての樹脂は、上記総結着樹脂中10〜50重量%の範囲で用いられ得る。
一般に、感光体表面の濡れ性を制御し、異物等の付着を抑制する目的にはフッ素系材料を中心とする有機系フィラー粒子が用いられる。一方、耐刷性向上を目的とした用途には無機系フィラー粒子が主に用いられる。
無機系フィラー粒子の特徴としては、材料としての硬度が高く、結着樹脂に分散しやすいものがよく、例えば、酸化珪素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)などの酸化物、あるいは、窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化化合物が挙げられる。
1.0×10-3 ≦ (df×b3)/(dm×a3) ≦ 2.5×10-2 (I)
(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは前記最表面層における固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)
で規定される範囲にて、感光体は良好な耐刷性を示す。
なお、上記感光体最表面層の固形媒質は、電荷輸送層を構成する結着樹脂と電荷輸送物質を意味し、均一分布するのは、フィラー粒子となる。
また、前記最表面層における固形分の平均密度dmは、構成する固形分の配合比や密度をもとに計算により決定することができる。
言い換えると、本関係式においては、フィラー粒子が均一に「充填」されていることが前提となるため、塗液/塗膜中での分散が均一であり、かつ、上記式(I)に対応するフィラー粒子の添加量が規定されて初めて本請求内容を満足することとなる。
また、平均フィラー粒子間距離aは、例えば電荷輸送層の表面および/または断面の顕微鏡(例えばTEMおよび/またはSEMおよび/または原子間力観察)観察に基づいて求めることもできる。
具体的には、前記フィラー粒子が100nm以下の粒径を有するシリカが好適であり、好ましくは70〜0.1nm、さらに好ましくは40〜1nm、より好ましくは30〜5nmの範囲の平均粒子径を有するシリカが好ましい。
そして、電子写真感光体の優れた特性を引き出すためには、該電子写真感光体の際表面の塗膜を形成するための分散液中あるいは塗膜形成後の分散状態の把握は必須項目である。
同一塗液処方にて2種類の分散を実施した場合、分散処理後の塗液中での粒度分布状態の違いを比較した結果を図2に示す。図2の(1)は、2種類のポリカーボネート樹脂GH503((商標)、出光興産株式会社製)とポリカーボネート樹脂TS2040((商標)、帝人化成株式会社製)をそれぞれ1.55gおよびシリカ(TS−610(商標)、平均粒径:17nm、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)3.1gをテトラヒドロフラン55.9gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液の粒度分布を測定(UPA-150(日機装)を使用)した結果である。
この結果から、上記の方法では1次粒子径に近い状態まで安定に分散されていることが判る。
他方、図2の(2)は、同一液をペイントシェーカーにて5時間分散処理した結果である。この方法では、用いた平均粒子径17nmのシリカが、ミクロンオーダーの凝集体を形成していることが判る。
したがって、分散液中での均一かつ1次粒径に近い分散体の形成が、塗膜中でも反映され、結果として耐刷性に優れた最表面層を形成することとなる。
ここで、「1次粒径に近い分散体」とは、出現頻度の最も高い凝集径(ピーク凝集径)が単体粒子の平均粒径(一次粒径)の10倍以内にある分散体をいう。
また、上記レベリング剤としては、たとえばシリコーン系レベリング剤などを挙げることができる。
電荷輸送層13の膜厚が5μm未満であると、帯電保持能が低下する。また、電荷輸送層13の膜厚が40μmを超えると、感光体1の解像度が低下する。
したがって、電荷輸送層13の膜厚の好適な範囲を、5μm以上40μm以下とした。
したがって、酸化防止剤の使用量の好適な範囲を、電荷輸送物質100重量部当たり、0.1重量部以上50重量部以下とした。
図3は、本発明実施の第2形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体2は、実施の第1形態の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
すなわち、導電性基体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性基体11または感光層14の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥を生じることがある。
本実施形態の電子写真感光体2では、前記のように導電性基体11と感光層14との間には中間層15が設けられているので、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができる。したがって、感光層14の帯電性の低下を防ぐことができ、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。
この中間層15には、各種樹脂材料から成る樹脂層またはアルマイト層などが用いられる。
これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることが好ましい。
中間層15の膜厚が0.01μmよりも薄いと、実質的に中間層15として機能しなくなり、導電性基体11の凸凹を被覆して均一な表面性を得ることができず、導電性基体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができなくなり、感光層14の帯電性の低下が生じる。
したがって、中間層15の膜厚の好適な範囲を、0.01μm以上、20μm以下とした。
感光体の乾燥温度としては、約50℃〜約140℃が適当であり、特に約80℃〜約130℃の範囲が好ましい。感光体の乾燥温度が約50℃未満では乾燥時間が長くなり、また、乾燥温度が約140℃を越えると、繰返し使用時の電気的特性が悪くなり感光体を使用して得られる画像も劣化する。
図4は、本発明実施の第3形態である画像形成装置30の構成を簡略化して示す配置側面図である。図4に示す画像形成装置30は、本発明の実施の第1形態の感光体1を搭載するレーザプリンタである。以下図4を参照してレーザプリンタ30の構成および画像形成動作について説明する。
画像形成装置であるレーザプリンタ30は、感光体1、半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34、ミラー35、帯電手段であるコロナ帯電器36、現像手段である現像器37、転写紙カセット38、給紙ローラ39、レジストローラ40、転写手段である転写帯電器41、分離帯電器42、搬送ベルト43、定着器44、排紙トレイ45およびクリーニング手段であるクリーナ46を含んで構成される。
感光体1は、図示しない駆動手段によって矢符47の方向に回転可能なようにレーザプリンタ30に搭載される。半導体レーザ31から出射されるレーザビーム33は、回転多面鏡32によって感光体1の表面に対してその長手方向(主走査方向)に繰返し走査される。結像レンズ34は、f−θ特性を有し、レーザビーム33をミラー35で反射させて感光体1の表面に結像させて露光させる。感光体1を回転させながらレーザビーム33を前記のように走査して結像させることによって、感光体1の表面に画像情報に対応する静電潜像が形成される。
図5は、本発明の実施の第4形態である画像形成装置の構成の概略を示す。
図示した画像形成装置は、電子写真感光体1と、帯電器36と、露光手段49と、現像器37と、転写器52と、定着器44と、クリーナ46と、潤滑剤塗布装置51と除電器50とを含んでなる。帯電器36、露光手段49、現像器37、転写器52、クリーナ46、潤滑剤塗布装置51および除電器50は、感光体1の周囲に、矢符で示される感光体1の回転方向の上流側から下流側に向かってこの順序で設けられている。
[帯電器]
帯電器36は、感光体1の外周表面を正または負の所定の電位に帯電させる帯電手段であり、例えばコロナ放電器などの非接触式帯電手段(例えばスコロトロン帯電器)であってもよいし、帯電ローラなどの接触式帯電手段であってもよい。後者の帯電ローラの場合、感光体表面に高い耐刷性が要求されるが、本発明の画像形成装置においては感光体の耐久性が向上しているので問題なく使用することができる。
露光手段49は、例えば感光体1の回転軸方向の走査により、感光体1の外周表面に対して画像情報に応じた光を照射できる露光手段である。露光手段は、例えば半導体レーザを光源として備えている。
現像器37は、感光体1の表面に形成された静電潜像を、現像剤(例えばトナー)によって現像し、可視像であるトナー画像を形成する現像手段であり、感光体1に対向して設けられる。現像器37は、例えば、感光体1の外周表面にトナーを供給する現像ローラと、現像ローラを感光体1の回転軸と平行な回転軸のまわりに回転可能に支持すると共にその内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシングとを備える。
転写器52は、感光体1の外周表面上のトナー画像を、図示しない搬送手段によって感光体1と転写器52との間に供給される記録媒体である転写紙上に転写させる転写手段である。転写器52は、例えば、コロナ放電器などの帯電手段を備え、転写紙にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー画像を転写紙上に転写させる非接触式の転写手段である。
定着器44は、転写された画像を定着させる定着手段である。定着器44は、例えば、図示しない加熱手段を有する加熱ローラと、加熱ローラに対向して設けられ、加熱ローラに押圧されて当接部を形成する加圧ローラとを備える。
クリーナ46は、トナー画像の転写後に感光体1の外周表面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段である。クリーナ46は、例えば、感光体1の外周表面に押圧されてそこに残留するトナーを剥離させるクリーニングブレードと、クリーニングブレードによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシングとを備える。
潤滑剤塗布装置51は、感光体1の外周表面に潤滑剤を塗布して感光体表面に該潤滑剤を付与する手段である。潤滑剤塗布装置51は、好ましくはクリーナ46の直後に、感光体1に対して当接可能に配置される。潤滑剤塗布装置の塗布接触部分はスポンジ状のもの、ソフト素材のハニカム構造上のもの、繊維束のもの等様々な形態があるが、これら部材に潤滑剤を練りこんで形成される。
潤滑剤の材料としては脂肪酸塩等のアルカリ金属石鹸やポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂等が挙げられるが、より良好に摩擦係数を下げるものとしてステアリン酸亜鉛、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
潤滑剤の粒子径は10〜300nmが好ましい。
また、潤滑剤塗布膜の厚さは10〜300nmが適当である。この範囲であれば、必要な潤滑効果が得られ、また画像に対する影響(例えば画像濃度低下や画像流れ)も少ないからである。
除電器50は、感光体1の外周表面上に滞留した電荷を除去する手段である。除電器50は、例えば除電ランプである。
感光体1が、図示しない駆動手段によって回転駆動されると、先ず帯電器36によって感光体1の表面が正または負の所定電位に一様に帯電される。次いで、露光手段49から感光体1の表面に対して画像情報に応じた光が照射される。この露光により表面電荷が除去され、感光体1の表面に画像情報に従うパターンで静電潜像が形成される。
トナー画像は、転写器52によって、供給された紙上に転写される。紙上に転写された画像は、定着器44で加熱定着されて堅牢な画像となる。
こうして印写プロセスが完了し、画像が形成された記録紙は、図示されない搬送手段によって画像形成装置の外部へ排出される。
その後、感光体1はさらに回転駆動され、再度感光体1の帯電から始まる一連の動作が繰返される。以上のようにして、連続的に画像が形成される。
これら一連の画像形成動作は、図示しない制御部によってそのタイミングが制御される。
〔酸化チタン〕
商品名:TTO−MI−1、石原産業(株)製
Al2O3およびZrO2にて表面処理された樹枝状ルチル型酸化チタン(チタン成分85%)
〔アルコール可溶性ナイロン樹脂〕
商品名:CM8000、東レ(株)製
商品名:S−LEC BX−1、積水化学工業(株)製
〔ポリカーボネート樹脂〕
商品名:GH−503、出光興産(株)製
商品名:TS2040、帝人化成(株)製
商品名:スミライザーBHT、住友化学工業(株)製
商品名:Irganox1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
〔シリカ〕
商品名:TS−610、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク 製
平均粒径17nm
商品名:SO−E1、(株)アドマテックス製
平均粒径0.25μm
商品名:SO-E5、(株)アドマテックス製
平均粒子径1.5μm
商品名:NanoTek Al2O3、シーアイ化成(株)製
平均粒径31nm
商品名:スミコランダムAA−04、住友化学工業(株)製
平均粒径0.4μm
商品名:SZ2000
〔ポリテトラフルオロエチレン〕
商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製
以下において、これらの各成分については、その商品名を記載する。
まず、直径:30mm、長さ:340mmのアルミニウム製導電性基体上に種々の条件にて感光層を形成し、実施例および比較例として準備した感光体について説明する。
酸化チタン(TTO−MI−1)3g、アルコール可溶性ナイロン樹脂(CM−8000)3g、メタノール60gおよび1,3−ジオキソラン40gとをペイントシェイカにて10時間分散処理し、中間層用塗布液を調製した。調製した中間層用塗布液を、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状支持体上に膜厚0.9μmとなるように浸漬塗布法によって成膜し自然乾燥した。
電荷輸送層用塗液として、ポリカーボネート樹脂(TS2040)1.25gおよびシリカ(TS−610、平均粒子径:17nm)1.25gをテトラヒドロフラン22.5gに混合して、実施例1と同様にボールミルで5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)138.75gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン984gに混合して溶解した。その他については、実施例1と同様にして、実施例2の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、ポリカーボネート樹脂(TS2040)3.1gおよびシリカ(TS−610、平均粒子径:17nm)3.1gをテトラヒドロフラン55.8gに混合して、実施例1と同様にボールミルで5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)136.9gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン992gに混合して溶解した。その他については、実施例1と同様にして、実施例3の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、ポリカーボネート樹脂(TS2040)4.65gおよびシリカ(TS−610、平均粒子径:17nm)4.65gをテトラヒドロフラン83.7gに混合して、実施例1と同様にボールミルで5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)135.35gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン998gに混合して溶解した。その他については、実施例1と同様にして、実施例4の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、フィラー粒子をアルミナ(スミコランダムAA-04平均粒子径:400nm)に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例5の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、フィラー粒子をシリカ(X-24-9163A、平均粒子径:100nm)に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例6の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、フィラー粒子をシリカ(SO-E5、平均粒子径:1.5μm)に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例7の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液を調製する際に、電荷輸送物質として上記構造式(3)で示されるトリアリールアミン化合物100gを用いた以外は、実施例3と同様にして、実施例9の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、酸化防止剤(スミライザーBHT)を添加しないこと以外は、実施例3と同様にして、実施例11の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、ポリカーボネート樹脂(TS2040)3.1gおよびシリカ(TS−610、平均粒子径:17nm)3.1gをテトラヒドロフラン55.8gに混合して、ペイント・シェーカーにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。その後、実施例1と同様にして粒度分布を測定したところ、明らかに1次粒子径より極めて大きな粗大凝集体が形成されていることを確認した。他は、実施例3と同様にして比較例1の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、ポリカーボネート樹脂(TS2040)1.2gおよびシリカ(TS−610、平均粒子径:17nm)1.2gをテトラヒドロフラン21.6gに混合して、実施例1と同様にボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)139.8gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解し、これに一次分散塗液2.4gを添加混合し、15時間攪拌処理して電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。その他については、実施例1と同様にして、比較例2の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、ポリカーボネート樹脂(TS2040)5.0gおよびシリカ(TS−610)5.0gをテトラヒドロフラン90gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調整した。次に、電荷輸送物質として上記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)135.0gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン1005.6gに混合して溶解した。その他については、実施例1と同様にして、比較例3の感光体を作成した。
電荷輸送層用塗液として、電荷輸送物質として上記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)140gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解した。その他については、実施例1と同様にして、比較例4の感光体を作成した。
[電気特性評価]
上記の試験用複写機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン社製:モデル344)を設けた。この複写機を用い、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−650Vに調整し、その状態でレーザ光により露光(0.4μJ/cm2)を施した場合の感光体の表面電位を露光電位VL(V)として測定した。
この露光電位VLの絶対値が小さい程、高感度であると評価した。
○:|VL|<90(V)
△:90(V)≦|VL|< 150(V)
×:150(V)≦|VL|
上記のAR−450改造機に備わるクリーニング器のクリーニングブレードが、感光体に当接する圧力、いわゆるクリーニングブレード圧を初期線圧で21gf/cm(2.06×10-1N/cm)に調整した。
N/N環境中で、各感光体につき、印字率6%のA4サイズ文字テストチャートを記録紙10万枚に形成して耐刷試験を行なった。
○:削れ量d<0.8μm/100k回転
△:0.8μm/100k回転≦削れ量d<1.0μm/100k回転
×:1.0μm/100k回転≦削れ量d
耐刷試験後の感光体の画質の低下レベルを調査するため、ハーフトーン画像における濃度ムラ評価した。濃度ムラの判定基準としては、以下の通りである。
○:目視にて、ハーフトーン画像に濃度ムラなし。良好な画像。
△:目視にて、ハーフトーン画像に濃度ムラあり。実使用上問題ないレベル。
×:目視にてハーフトーン画像に濃度ムラあり。実使用上問題となるレベル。
上記3項目の判定結果を基に、下記のとおり判定する。
◎:3項目すべて○
○:3項目とも○或いは△
×:少なくとも1つ以上×
また、実施例3、6、7の比較より、粒子径の小さい方が、より電気特性の安定化がなされることが判った。
また、特定の窒素系化合物すなわち、化学式(2)および化学式(4)で表されるブタジエン系電荷輸送物質を含有する実施例3および8で示した感光体においては、100,000枚実写後においても、画像濃度のムラが生じず、実施例9、10と比較して、より安定した画像を提供することを確認した。
また、実施例3と実施例11との比較により、酸化防止剤の添加によっても、上記酸化性ガスに対する耐性が向上していることも明らかとなった。
酸化チタン(TTO−MI−1)3gおよびアルコール可溶性ナイロン樹脂(CM8000)3gを、メチルアルコール60gと1,3−ジオキソラン40gとの混合溶剤に加え、ペイントシェーカーにて10時間分散処理して中間層用塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満たし、前記アルミニウム製導電性基体を浸漬後引上げ、自然乾燥して層厚0.9μmの中間層を形成した。
続いて、電荷輸送物質として前記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(GH−503)76.3g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)62.4gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン963gに混合して溶解した。
この溶解液を前記電荷輸送層用一次分散塗布液に混合して、ボールミルにてさらに1時間分散処理した電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。この塗布液を、浸漬塗布法にて前記の電荷発生層上に塗布し、130℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成し、実施例12の感光体を作製した。式(I)中、(df×b3)/(dm×a3)=Rf(平均フィラー粒子間距離に対する相対フィラー粒子径と定義)とすると、この感光体において、Rf=6.72×10-3(df:2.0、b≒17、dm=1.3、a≒104)である。
電荷輸送層用一次分散塗布液としてポリカーボネート樹脂(GH−503)2.2g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)1.7gおよびシリカ(TS−610)3.7gをテトラヒドロフラン66gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として前記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(GH−503)75.0g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)61.3gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン929gに混合して溶解した。この溶解液を前記電荷輸送層用一次分散塗布液に混合して、ボールミルにてさらに1時間分散処理した電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。それ以外は、実施例12と同様にして感光体を作製し、評価を行った。この感光体において、Rf=2.03×10-2(df:2.0、b≒17、dm=1.3、a≒72)である。
評価機装着の潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン(ルブロンL−2)を用いた以外は、実施例12と同様にして感光体を作製し、評価を行った。
電荷輸送層用一次分散塗布液としてポリカーボネート樹脂(GH−503)0.8g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)0.7gおよびシリカ(TS−610)1.5gをテトラヒドロフラン27gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として前記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(GH−503)109.2g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)89.3gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン1199gに混合して溶解した。この溶解液を前記電荷輸送層用一次分散塗布液に混合して、ボールミルにてさらに1時間分散処理した電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。それ以外は、実施例12と同様にして感光体を作製し、評価を行った。この感光体において、Rf=6.72×10-3(df:2.0、b≒17、dm=1.3、a≒104)である。
電荷輸送層用塗布液の電荷輸送物質として下記構造式(6)
電荷輸送層用一次分散塗布液としてポリカーボネート樹脂(GH−503)0.7g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)0.6gおよびアルミナ(NanoTek Al2O3)1.2gをテトラヒドロフラン22gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した以外は、実施例12と同様にして感光体を作製し、評価を行った。この感光体において、Rf=6.80×10-3(df:3.9、b≒31、dm=1.3、a≒236)である。
中間層、電荷発生層までは実施例12と同様に作製した。次に電荷輸送層物質としてとして前記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(GH−503)77g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)63gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解し、第一の電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、130℃で30分乾燥して層厚22μmの第一の電荷輸送層を形成した。次に実施例12と同様に電荷輸送層用二次分散塗布液を調製し、この塗布液を、浸漬塗布法にて第一の電荷輸送層上に塗布し、130℃で1時間乾燥して層厚6μmの第二の電荷輸送層を形成し、実施例18の感光体を作製し、実施例12と同様の評価を行った。
評価機として潤滑剤付与機能を外したAR−450M改造機を用いた以外は、実施例12と同様にして感光体を作製し、評価を行った。
電荷輸送層用一次分散塗布液としてポリカーボネート樹脂(GH−503)0.007g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)0.006gおよびシリカ(TS−610)0.012gをテトラヒドロフラン0.22gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として前記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(GH−503)77.0g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)63.0gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解した。この溶解液を前記電荷輸送層用一次分散塗布液に混合して、ボールミルにてさらに1時間分散処理した電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。それ以外は、実施例12と同様にして感光体を作製し、評価を行った。この感光体において、Rf=6.75×10-5(df:2.0、b≒17、dm=1.3、a≒482)である。
電荷輸送層用一次分散塗布液としてポリカーボネート樹脂(GH−503)4.0g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)3.3gおよびシリカ(TS−610)7.4gをテトラヒドロフラン132gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として前記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(GH−503)73.0g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)59.7gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン877gに混合して溶解した。この溶解液を前記電荷輸送層用一次分散塗布液に混合して、ボールミルにてさらに1時間分散処理した電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。それ以外は、実施例12と同様にして感光体を作製し、評価を行った。この感光体において、Rf=4.08×10-2(df:2.0、b≒17、dm=1.3、a≒57)である。
電荷輸送層用一次分散塗布液としてポリカーボネート樹脂(GH−503)6.7g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)5.5gおよびシリカ(TS−610)12.3gをテトラヒドロフラン221gに混合して、ボールミルにて5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を調製した。次に、電荷輸送物質として前記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(GH−503)70.3g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)57.5gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン809gに混合して溶解した。この溶解液を前記電荷輸送層用一次分散塗布液に混合して、ボールミルにてさらに1時間分散処理した電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。それ以外は、実施例12と同様にして感光体を作製し、評価を行った。この感光体において、Rf=6.83×10-2(df:2.0、b≒17、dm=1.3、a≒48)である。
第二の電荷輸送層用塗布液として比較例6の分散塗布液を用いた以外は、実施例18と同様にして感光体を作製し、評価を行った。
電荷輸送層用分散塗布液として比較例6の分散塗布液を用いた以外は、実施例19と同様にして感光体を作製し、評価を行った。
中間層、電荷発生層までは実施例12と同様に作製した。次に電荷輸送層物質としてとして前記構造式(2)で示されるブタジエン系化合物100g、ポリカーボネート樹脂(GH−503)77g、ポリカーボネート樹脂(TS2040)63gおよび酸化防止剤(スミライザーBHT)5gをテトラヒドロフラン980gに混合して溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を、浸漬塗布法にて電荷発生層上に塗布し、130℃で1時間乾燥して層厚28μmの電荷輸送層を形成して比較例10の感光体を作製し、実施例12と同様の評価を行った。
評価機として潤滑剤付与機能を外したAR−450M改造機を用いた以外は、比較例10と同様にして感光体を作製し、評価を行った。
温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿環境中で、感光体をAR−450M改造機に装着し、波長780nmレーザ光を0.4μJ/cm2照射し、露光後の表面電位から感度を評価した。
◎:VL≦60、
○:60<VL≦90、
△:90<VL≦150、
×:VL>150
同様に温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿環境中で、感光体毎に印字率6%のA4サイズ文字テストチャートを記録紙10万枚に画像を形成して耐刷試験を行なった。
耐刷試験開始時と記録紙10万枚画像形成後(すなわち100K回転後)の感光層の層厚みを、膜厚測定装置(商品名:F−20−EXR、フィルメトリックス社 製)を用いて測定し、耐刷試験開始時の層厚みと記録紙10万枚画像形成後の層厚みとの差から感光体ドラムの膜べり量を求めた。膜べり量が多い程、耐刷性が悪いと評価した。
◎:Δd≦0.2μm/100K回転、
○:0.2μm/100K回転<Δ≦0.8μm/100K回転、
△:0.8μm/100K回転≦Δd<1.0μm/100K回転、
×:Δd>1.0μm/100K回転
上記3項目の判定結果を基に、下記のとおり判定する。
◎:3項目すべて○以上
○:3項目とも○或いは△
×:少なくとも1つ以上×
評価結果を合わせて表3に示す。
他方、電荷輸送層にフィラー粒子が平均フィラー粒子間距離に対する相対フィラー粒子径Rf>2.5×10-2の感光体を備えた比較例6、7の画像形成装置では、Rf値が増加するにつれ感度が低下し、耐刷性は良好なものの画像不良(画像流れ)が発生した。
感光体の表面に潤滑剤を付与しなかった画像形成装置において、電荷輸送層におけるRf値が1.0×10-3≦Rf≦2.5×10-2を満たす実施例19は、Rf値がRf>2.5×10-2の比較例9と比較すると、耐刷性についてはほぼ匹敵する一方で、感度については良好であり及び画像不良の発生も抑制されていることが、表2からと同様に確認できる。
11 導電性基体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 感光層
15 中間層
30 レーザプリンタ(画像形成装置)
31 半導体レーザ
32 回転多面鏡
34 結像レンズ
35 ミラー
36 コロナ帯電器
37 現像器
38 転写紙カセット
39 給紙ローラ
40 レジストローラ
41 転写帯電器
42 分離帯電器
43 搬送ベルト
44 定着器
45 排紙トレイ
46 クリーナ
47 矢符
48 転写紙
49 露光手段
50 除電器
51 潤滑剤塗布装置
52 転写器
Claims (7)
- 導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で備えた電子写真感光体において、当該電子写真感光体の最表面層がフィラー粒子を含有し、かつ該層中のフィラー粒子が、次式(I):
1.0×10-3 ≦ (df×b3)/(dm×a3) ≦ 2.5×10-2 (I)
(式中、aは平均フィラー粒子間距離(nm)を意味し、bは平均フィラー粒子径(nm)を意味し、dfはフィラー粒子の密度(g/cm3)を意味し、dmは前記最表面層における固形分の平均密度(g/cm3)を意味する)
を満足することを特徴とする電子写真感光体。 - 前記フィラー粒子が酸化珪素である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記フィラー粒子が100nm以下の平均粒子径を有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記電子写真感光体が、さらに酸化防止剤を含有する請求項1〜4に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の表面に潤滑剤が付与される請求項6に記載の画像形成装置。
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