JP2013134374A - 電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 像流れ、およびクリーニングブレードの欠損がなく、長期間にわたって露光むらの発生を抑制することができる感光体、およびこの感光体を備え、小型化および低コスト化に対応した画像形成装置を提供する。
【解決手段】 電子写真感光体は、導電性基体11と、電荷発生層12と、フィラー含有電荷輸送層13と、表面側電荷輸送層14とを含む。フィラー含有電荷輸送層13は、電荷輸送材料と、平均1次粒子径が0.06μm以上0.3μm以下のフィラー粒子2とを含有する。フィラー含有電荷輸送層13上に積層される表面側電荷輸送層14は、電荷輸送材料を含有し、フィラー粒子2は含有しない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体、およびそれを備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンタまたはファクシミリ装置などとして用いられる電子写真方式の画像形成装置(以下、単に「電子写真装置」と記載する)では、以下のような電子写真プロセスを経て画像を形成する。
先ず、画像形成装置に備わる電子写真感光体(以下、単に「感光体」と記載する)表面を、帯電手段によって所定の電位に一様に帯電させる。次いで、一様に帯電させた感光体を、露光手段から画像情報に応じて照射されるレーザ光などの光によって露光し、感光体表面に静電潜像を形成する。感光体表面に形成された静電潜像に対して、現像手段から現像剤を供給し、感光体の表面に現像剤の成分であるトナーと呼ばれる着色された微粒子を付着させる。これによって感光体表面の静電潜像が現像され、トナー像として顕像化される。
顕像化されたトナー像は、転写手段によって感光体表面から記録紙などの転写材上に転写され、その後、定着手段によって定着される。転写手段による転写動作によって記録紙に転写して移行されることなく、感光体表面に残留した残留トナー、および転写時に感光体と接触することで感光体表面に付着した紙粉などの異物は、形成される画像の品質に悪影響を及ぼすことから、感光体表面に接触するように設けられたクリーニング装置によって除去される。
このような電子写真プロセスに用いられる感光体は、導電性材料から成る導電性基体上に、光導電性材料を含有する感光層が積層されて構成される。
光導電性材料としては、無機系の光導電性材料と、有機系の光導電性材料とがあり、有機系の光導電性材料は、有機光導電体(Organic Photoconductor;略称:OPC)と呼ばれる。
有機系光導電性材料を用いた感光体(以下、「有機系感光体」と記載する)は、感度、耐久性および環境に対する安定性などに若干の問題を有する。しかしながら、有機系感光体は、無機系感光体に比べて、毒性、製造原価および材料設計の自由度などの点において、多くの利点を有する。また、有機系感光体は、浸漬塗布法に代表される容易かつ安価な方法で感光層を形成することが可能である。
さらに、近年の研究開発によって、感度および耐久性が向上していることから、有機系感光体は、電子写真感光体の主流を占めてきており、現在では特別な場合を除き、感光体としては有機系感光体が用いられる。
感光体は、露光手段によって露光されるため、電荷発生機能と、電荷輸送機能とを有するが、有機系感光体の性能は、特に、電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の物質にそれぞれ分担させたことで著しく改善される。このように電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の物質にそれぞれ分担させた感光体は、機能分離型感光体と呼ばれる。
すなわち、機能分離型感光体は、有機系感光体の有する前述の利点に加え、感光層を構成する材料の選択範囲が広く、任意の特性を有する感光体を比較的容易に作製できるという利点をも有している。
機能分離型感光体は、積層型と単層型との2種類に分類されるが、現状、積層型の感光体が、機能設計上の材料選択の自由度の点で有利であり、広く用いられる。
積層型の機能分離型感光体の感光層は、電荷発生機能を担う電荷発生材料を含有する電荷発生層と、電荷輸送機能を担う電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とが積層されて構成される。
近年、電子写真装置は画像形成装置の中でも高速記録性に優れていることから、オフィスユースだけでなくパーソナルユースにおいても幅広く用いられ始めている。これに伴い、装置の小型化やマシントラブルの抑制化に対する具体化が市場から強く要求されている。
また、電子写真装置では、感光体に対して、前述の帯電、露光、現像、転写、クリーニングおよび除電の動作が種々の環境下で繰返し実行される。そのため、感光体には光応答性に優れていること、それに加えて、環境安定性、電気的安定性および機械的外力に対する耐久性(耐刷性)に優れることが求められる。機械的外力は、具体的にはクリーニングブレードによって付与される。
耐刷性を付与する方法として、特許文献1には、感光体の最表面に保護層を設け、その保護層に金属を含有させた感光体が開示されている。また、特許文献2には、最表面層に設けた保護層に潤滑性を付与した感光体が開示されている。特許文献3には、最表面層に設けた保護層を硬化させた感光体が開示されている。特許文献4〜7には、最表面層に設けた保護層にフィラー粒子を含有させた感光体が開示されている。
また、特許文献8には、電荷輸送媒質100重量部に対し、疎水性酸化チタン微粉末を1重量部から30重量部含有することにより、機械的強度を向上させた感光体が開示されている。特許文献9には、像保持部材の絶縁層ないし光導電層中にフィラーを含ませることにより、感光体の機械的強度を向上させた感光体が開示されている。特許文献10には、感光体表面層または電荷輸送層中にフィラーを含有させることにより、感光体表面の硬度の強化、または滑性を付与した積層型電子写真感光体が開示されている。
しかしながら、上記のようにして耐刷性を向上させ、感光層の摩耗を抑制した感光体は、クリーニングブレードを用いても長期間の使用によって生じた感光体表面の汚染物質が除去されにくく、感光体表面の抵抗値が低下する問題がある。
また、感光体の表面にフィラー粒子が含有された感光体は、クリーニングブレードがフィラー粒子と接触することで欠けたり、感光体表面に露出したフィラー粒子によって像流れが発生する。クリーニングブレードが欠けると、欠けた部分を残留トナーが通過し、残留トナーが除去されないので、画像不良の原因になる。このことから、感光体の耐刷性は高い方が好ましいが、極端に高いことは実用的でないと判断される。
高画質の画像を形成する方法として、特許文献11には、感光体に用いる電荷輸送材料をイオン化ポテンシャルが特定値範囲の電荷輸送材料に限定することで、画像ボケやトナーのフィルミング発生を抑制する感光体が開示されている。また、感光体表面の汚染を予防することで高画質画像を形成する方法があり、特許文献12には、感光層に、潤滑成分として、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂を含有させた感光体が開示されている。
しかしながら、特許文献12の感光層に含有させる潤滑成分には、酸化されやすいものもあり、残留電位の蓄積性に対して不利となるケースが少なくない。また、特許文献11,12に開示の感光体は、装置の工夫を加えないと滑性が持続できないケースも多く、プロセスに対して適用範囲の狭い技術と言える。また、多くの場合、滑性成分はバインダ成分との親和性が低く、滑性成分が膜の脆化を促進してしまうことがある。
このような問題を解決するため、感光体のみの設計だけでなく、さらにプロセス上の工夫を組み込むことで、高画質画像を形成する方法があり、特許文献13には、感光体の帯電方式を注入帯電方式とする画像形成装置やヒーターを設けた画像形成装置が開示されている。
しかしながら、特許文献13に開示の画像形成装置は、装置の小型化や低コスト化に対して不利であり、昨今の市場ニーズに応える技術とは言い難い。
また、一般的に、感光体は長期間の使用によって摩耗するが、磨耗の程度は感光体の面内で均一ではなく、大なり小なり偏在的である。これは、感光体と、クリーニングブレード、帯電ロール、中間転写体などの部材との接触具合などにより、感光体が面内で不均一に摩耗するためである。
感光体表面がその面内において偏磨耗し、感光層の膜厚むらが発生すると、干渉の効果によって感光層への入射光の透過率が感光体面内の位置によって異なるので、感光体表面において露光むらが発生するという問題が起こる。露光むらが発生すると、画像濃度むらとなり、画質が低下する。
このような問題を解決するために、特許文献14,15には、感光層の屈折率n1と、最表層(表面層)の屈折率n2とが、規定の関係式を満たす感光体が開示されている。特許文献14,15に開示の感光体によれば、感光層へ入射する光の光量低下を抑制することができ、露光むらの発生を抑制することができる。
特開昭57−30846号公報 特開平1−23259号公報 特開昭61−72256号公報 特開平1−172970号公報 特開2006−99035号公報 特開昭52−2531号公報 特開昭60−57346号公報 特開昭61−251860号公報 特開平11−249333号公報 特開平7−295278号公報 特開平8−184976号公報 特開平6−75386号公報 特開平11−202525号公報 特開2004−151519号公報 特開2009−230117号公報
一般的に、感光体の表面には微小な凸部があり、また、長期間の使用によって表面にきずなどの微小な凹部ができる。きずは、クリーニングブレードとの摺擦などによって生じる。
画像形成装置内において、感光体は、帯電手段によって表面が均一に帯電された後、露光手段から照射された光によって露光されるが、感光体表面に凸部および凹部があると、露光手段から照射された光は、凸部および凹部において反射してしまう。そのため、感光体表面の凸部および凹部に対応する部分は露光させることができず、露光むらが発生する。
特許文献14,15に開示の感光体でも、凸部および凹部に起因する露光むらの発生を充分に抑制することができず、画像濃度むらを充分に抑制することができない。
本発明の目的は、像流れ、およびクリーニングブレードの欠損がなく、長期間にわたって露光むらの発生を抑制することができる感光体、およびこの感光体を備え、小型化および低コスト化に対応した画像形成装置を提供することである。
本発明は、導電性基体と、
前記導電性基体上に積層され、電荷発生材料を含有する電荷発生層と、
前記電荷発生層上に積層され、電荷輸送材料と、平均1次粒子径が0.06μm以上0.3μm以下のフィラー粒子とを含有するフィラー含有電荷輸送層と、
前記フィラー含有電荷輸送層上に積層され、電荷輸送材料を含有し、フィラー粒子を含有しない表面側電荷輸送層と、を含むことを特徴とする電子写真感光体である。
また本発明は、表面側電荷輸送層に含有される前記電荷輸送材料が、下記一般式(1)で表わされるエナミン化合物であり、
前記表面側電荷輸送層は、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、その表面に押込み最大荷重5mNを負荷した場合の弾性仕事率ηHUが47%以上であることを特徴とする。
Figure 2013134374
(式中、ArおよびArはそれぞれ、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を示す。Arは、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルキル基を示す。ArおよびArはそれぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルキル基を示す。ただし、ArおよびArが共に水素原子になることはない。ArおよびArは、原子または原子団を介して互いに結合し、環構造を形成してもよい。aは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは1〜6の整数を示す。mが2以上のとき、複数のaは、同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。Rは、水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してもよいアルキル基を示す。R,RおよびRはそれぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。nは0〜3の整数を示し、nが2または3のとき、複数のRは同一でも異なってもよく、複数のRは同一でも異なってもよい。ただし、nが0のとき、Arは置換基を有してもよい複素環基を示す。)
また本発明は、前記フィラー粒子が、フッ素系樹脂または酸化珪素からなることを特徴とする。
また本発明は、前記フィラー粒子が、前記フィラー含有電荷輸送層の全固形分に対して1重量%以上20重量%以下含有されることを特徴とする。
また本発明は、前記導電性基体から前記電荷発生層に電荷が注入されることを防止するための中間層が、前記導電性基体と前記電荷発生層との間に形成されることを特徴とする。
また本発明は、前記電荷発生材料が、X線回折スペクトルで、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)7.3°、9.4°、9.7°および27.3°に回折ピークを有し、かつ最大回折ピークが9.4°または9.7°にある結晶型のオキソチタニルフタロシアニンであることを特徴とする。
また本発明は、前記電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記電子写真感光体に対して、単色光を照射することで露光し、静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
転写された前記トナー像を記録媒体上に定着して、画像を形成する定着手段と、
前記電子写真感光体に残留するトナーを除去して回収するクリーニング手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
また本発明は、前記露光手段が、単色光としてレーザ光を照射することを特徴とする。
本発明によれば、電子写真感光体は、導電性基体と、電荷発生層と、フィラー含有電荷輸送層と、表面側電荷輸送層とを含む。
電荷発生層は、導電性基体上に積層され、電荷発生材料を含有する層である。電荷発生層上に積層されるフィラー含有電荷輸送層は、電荷輸送材料と、平均1次粒子径が0.06μm以上0.3μm以下のフィラー粒子とを含有する。フィラー含有電荷輸送層上に積層される表面側電荷輸送層は、電荷輸送材料を含有し、フィラー粒子は含有しない。
フィラー粒子を含有しない表面側電荷輸送層が最表面に形成されており、フィラー粒子が電子写真感光体の表面に露出していないので、クリーニングブレードが欠けることを防止することができるとともに、像流れの発生を抑制することができる。
また、電荷発生層上にフィラー含有電荷輸送層が形成されていることによって、露光手段から出射された単色光が、フィラー粒子内を通過して、電荷発生層の表面方向に拡散する。そのため、凸部または凹部に対応する電荷発生層の前記部分にも単色光を充分に到達させることができるので、電荷発生層において電荷を発生させる必要がある全ての部分から均一に電荷を発生させることができる。したがって、感光体では、表面に凸部や凹部が存在する場合にも、露光むらの発生を抑制することができる。
また本発明によれば、表面側電荷輸送層に含有される電荷輸送材料が、上記一般式(1)で表わされるエナミン化合物である。また、表面側電荷輸送層は、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、その表面に押込み最大荷重5mNを負荷した場合の弾性仕事率ηHUが47%以上である。
弾性仕事率ηHUが47%未満では、外部応力に対して弾性回復が小さく加わった力がそのまま表面側電荷輸送層の変形につながりやすく、磨耗やきずを引き起こしやすくなる。さらに、表面側電荷輸送層に摺擦するクリーニングブレードの反転などが起こりやすくなる。
上記一般式(1)で表わされるエナミン化合物を含むことで、弾性成分を含む表面側電荷輸送層において、弾性仕事率ηHUが47%以上とすることによって、表面側電荷輸送層が摩耗しにくくなり、また、きずもつきにくくなる。さらに、クリーニングブレードの反転なども起こりにくくなるので、高画質な画像を安定して形成することができる。
また本発明によれば、フィラー粒子が、フッ素系樹脂または酸化珪素からなるので、感光体の電気的および機械的耐久性を向上させることができるとともに、露光むらの発生を安定して防止することができる。
また本発明によれば、フィラー粒子が、フィラー含有電荷輸送層の全固形分に対して1重量%以上20重量%以下含有されるので、単色光が拡散される範囲を適度な範囲に調整でき、高精度に露光できるとともに、電荷輸送材料による電荷の輸送を妨げることを防止することができる。
また本発明によれば、導電性基体から電荷発生層に電荷が注入されることを防止するための中間層が、導電性基体と電荷発生層との間に形成される。
中間層が形成されることによって、導電性基体からの電荷発生層への電荷の注入を防止することができるので、表面側電荷輸送層の帯電性の低下を防ぐことができる。したがって、表面側電荷輸送層における、露光によって消去されるべき部分以外の電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。
また本発明によれば、電荷発生材料が、X線回折スペクトルで、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)7.3°、9.4°、9.7°および27.3°に回折ピークを有し、かつ最大回折ピークが9.4°または9.7°にある結晶型のオキソチタニルフタロシアニンである。
このような結晶型のオキソチタニルフタロシアニンは、露光手段からの光に対する感度が高い。そのため、このような結晶型のオキソチタニルフタロシアニンを電荷発生材料として用いることによって、露光手段からの光に対して、高感度に電荷を発生させることができるので、感光体表面に凸部や凹部が存在し、感光体に入射する光が減少したとしても、必要な部分を露光させることができ、高精細な画像を形成することができる。
また本発明によれば、画像形成装置は、本発明の電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを備える。
帯電手段は、電子写真感光体を帯電させる。露光手段は、帯電された電子写真感光体に対して、単色光を照射することで露光し、静電潜像を形成する。現像手段は、静電潜像を現像してトナー像を形成する。転写手段は、トナー像を記録媒体上に転写する。定着手段は、転写されたトナー像を記録媒体上に定着して、画像を形成する。クリーニング手段は、電子写真感光体に残留するトナーを除去して回収する。
本発明の画像形成装置は、クリーニング手段の欠けを防止できるとともに、像流れおよび露光むらの発生を抑制できる本発明の電子写真感光体を備える。したがって、高画質な画像を形成することができる。
また本発明によれば、露光手段が、単色光としてレーザ光を照射するので、安定して高画質な画像を形成することができる。
本発明の第1の実施形態である電子写真感光体1の構成を示す断面図である。 図1(b)に示す感光層25の拡大断面図である。 電荷発生材料として好適な結晶型のオキソチタニルフタロシアニンのX線回折パターンを示す図である。 単色光33の拡散範囲と、拡散させた単色光33の強度とを示すグラフである。 表面側電荷輸送層14に付与する荷重と、押し込み深さとを示すグラフである。 本発明の第2形態である感光体3の構成を示す断面図である。 感光体1を備える画像形成装置30の構成を簡略化して示す図である。
1、感光体
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態である電子写真感光体1の構成を示す断面図である。本実施形態の電子写真感光体(以下、単に「感光体」と記載する)1は、円筒状の部材であり、図1(a)は、感光体1のその軸線方向に垂直な断面図である。図1(b)は、感光体1をその軸線を含む一平面で切断した断面図である。
感光体1は、導電性材料から成る円筒状の導電性基体11と、導電性基体11の外周面上に積層される層であって、電荷発生材料を含有する電荷発生層12と、電荷発生層12の上に積層される層であって、電荷輸送材料とフィラー粒子とを含有するフィラー含有電荷輸送層13と、フィラー含有電荷輸送層13上に積層される層であって、電荷輸送材料を含有し、フィラー粒子2を含有しない表面側電荷輸送層14とを含む。
フィラー含有電荷輸送層13と、表面側電荷輸送層14とで、電荷輸送層15を構成し、電荷発生層12と、電荷輸送層15とで、感光層を構成する。感光体1は、積層型感光体である。
本実施形態の感光体1には、重要な特徴が2つある。
1つ目は、感光体1の最表面に、フィラー粒子2を含有しない表面側電荷輸送層14が形成されており、フィラー粒子2が感光体1の表面に露出していないことである。
感光体1は、後述する画像形成装置内で使用され、画像形成装置内において、クリーニングブレードが接触している。クリーニングブレードが感光体1表面を摺擦することで、感光体1表面からオフセットトナーなどが除去されるという効果があるが、仮に、感光体1の表面にフィラー粒子2が露出していると、そのフィラー粒子2と接触することで、クリーニングブレードが欠けてしまうおそれがある。また、露出しているフィラー粒子2に、帯電装置などから発生するオゾン、NOxなどの酸化性ガスが吸着することによって、感光体表面におけるフィラー粒子2が露出している部分が低抵抗化し、帯電されないことから、像流れが発生する。
本実施形態の感光体1は、フィラー粒子を含有しない表面側電荷輸送層14が最表面に形成され、フィラー粒子2が感光体1の表面に露出していないので、クリーニングブレードが欠けることを防止することができる。また、像流れの発生を抑制することができる。
2つ目は、電荷発生層12上に、フィラー含有電荷輸送層13が形成されていることである。
図2は、図1(b)に示す感光層25の拡大断面図である。
感光体1の表面には微小な凸部17があり、また、長期間の使用によって表面にきずなどの微小な凹部18ができる。きずは、クリーニングブレードとの摺擦などによって生じる。
後述する画像形成装置30内において、感光体1は、帯電手段36によって表面が均一に帯電された後、露光手段49から照射された単色光33によって露光される。
露光手段49から照射された単色光33は、表面側電荷輸送層14表面に対して垂直に入射し、フィラー含有電荷輸送層13を通過して、電荷発生層12に到達する。電荷発生層12において、単色光33が到達した部分からは、電荷が発生し、その電荷が発生した部分に対応する感光体1表面の部分では、帯電量が低下する。このようにして露光が行われた結果、感光体1表面に静電潜像が形成される。
しかしながら、露光手段から照射された単色光33は、図2に示すように、凸部17および凹部18において、表面側電荷輸送層14に入射されずに反射してしまう。そのため、電荷発生層12において凸部17および凹部18に対応する部分、すなわち、凸部17や凹部18がなければ、単色光33が到達するが、凸部17や凹部18部分が存在するために単色光33が到達しない部分からは、電荷が発生しにくい。
本実施形態の感光体1は、電荷発生層12上に、フィラー含有電荷輸送層13が形成されており、表面側電荷輸送層14から入射された単色光33が、フィラー粒子2内を通過することによって光学距離が変わり、電荷発生層12の表面方向に拡散する。そのため、凸部17または凹部18に対応する電荷発生層12の前記部分にも単色光33を充分に到達させることができるので、電荷発生層12において電荷を発生させる必要がある全ての部分から均一に電荷を発生させることができる。したがって、感光体1では、表面に凸部17や凹部18が存在する場合にも、露光むらの発生を抑制することができる。
以下では、感光体1の具体的な構成について詳細に記載し、その後、本発明の第2の実施形態である感光体3について記載する。
(導電性基体)
導電性基体11は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、電荷発生層12、フィラー含有電荷輸送層13および表面側電荷輸送層14の支持部材としても機能する。
導電性基体11の形状は、本実施形態では円筒状であるけれども、これに限定されることなく円柱状、シート状または無端ベルト状などであってもよい。
導電性基体11を構成する導電性材料としては、たとえばアルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの導電性金属または合金材料;アルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金や酸化インジウムなどの導電性の金属、合金または金属酸化物を用いることができる。
またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエステル、ポリオキシメチレンもしくはポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどの表面に、上記金属箔をラミネートしたもの、上記金属材料を蒸着したもの、または導電性高分子、酸化錫、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。
これらの導電性材料は所定の形状に加工されて使用される。
導電性基体11の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。
後述する本発明の画像形成装置30では、露光手段49が、単色光33としてレーザ光33を照射するが、レーザ光33の波長が揃っているので、感光体1表面で反射されたレーザ光33と感光体1内部で反射されたレーザ光33とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。
しかしながら、導電性基体11の表面に上記のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
(電荷発生層)
電荷発生層12は、単色光33を吸収することによって電荷を発生する電荷発生材料を主成分として含有する。
電荷発生材料として有効な物質としては、有機系顔料を含む有機系光導電性材料および無機顔料を含む無機系光導電性材料が挙げられる。
有機系顔料を含む有機系光導電性材料としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料が挙げられる。
また、電荷発生材料としては、図3に示すような、Cu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)7.3°、9.4°、9.7°および27.3°に明確な回折ピークを有し、かつ最大回折ピークが9.4°または9.7°である結晶型のオキソチタニルフタロシアニンを用いることがより好ましい。図3は、電荷発生材料として好適な結晶型のオキソチタニルフタロシアニンのX線回折パターンを示す図である。
このような結晶型のオキソチタニルフタロシアニンは、露光手段からの単色光33に対する感度が高い。そのため、このような結晶型のオキソチタニルフタロシアニンを電荷発生材料として用いることによって、露光手段からの単色光33に対して、高感度に電荷を発生させることができ、感光体1表面に凸部17や凹部18が存在し、感光体1に入射する単色光33が減少したとしても、必要な部分を露光させることができ、高精細な画像を形成することができる。
また、無機顔料を含む無機系光導電性材料としては、セレンおよびその合金、ヒ素-セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、その他の無機光導電体が挙げられる。
電荷発生材料は、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などの増感染料と組合わされて使用してもよい。
電荷発生層12の形成方法としては、電荷発生材料を導電性基体11の表面に真空蒸着する方法、または電荷発生材料を適当な溶剤中に分散して得られる電荷発生層用塗布液を導電性基体11の表面に塗布する方法などが用いられる。
これらの中でも、結着剤である結着樹脂を溶剤中に混合して得られる結着樹脂溶液中に、電荷発生材料を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を調製し、得られた塗布液を導電性基体11の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
まず、電荷発生層12に用いられる結着樹脂としては、たとえばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂およびポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。
共重合体樹脂の具体例としては、たとえば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などを挙げることができる。
結着樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂を結着樹脂として使用することができる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
電荷発生層用塗布液の溶剤には、たとえばジクロロメタンもしくはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンもしくはシクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンなどのエーテル類、1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素類、またはN,N−ジメチルホルムアミドもしくはN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが用いられる。
上記の溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。上記の溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、2種以上の混合溶剤として使用してもよい。
電荷発生材料と結着樹脂とを含んで構成される電荷発生層12において、電荷発生材料の重量W1と結着樹脂の重量W2との比率W1/W2は、100分の10(10/100)以上100分の400(400/100)以下であることが好ましい。
前記比率W1/W2が10/100未満であると、感光体1の感度が低下する。前記比率W1/W2が400/100を超えると、電荷発生層12の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生材料の分散性が低下して粗大粒子が増大するので、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなる。したがって、前記比率W1/W2の好適な範囲を、10/100以上、400/100以下とした。
電荷発生材料は、結着樹脂溶液中に分散される前に、予め粉砕機によって粉砕処理されてもよい。
粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などを挙げることができる。
また、電荷発生材料を結着樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカー、ボールミルおよびサンドミルなどを挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択する。
電荷発生層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。
これらの塗布方法のうちから、塗布の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を選択することができる。
これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に導電性基体11を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって導電性基体11の表面上に電荷発生層12を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、電子写真感光体を製造する場合に多く利用されている。なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層12の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1μm以下である。
電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下する。電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12内での電荷移動が感光層25の表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下する。
(フィラー含有電荷輸送層)
電荷発生層12上には、フィラー含有電荷輸送層13が設けられる。フィラー含有電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生材料が発生させた電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送材料と、電荷輸送材料を結着させる結着樹脂、さらにフィラー粒子2を含んで構成される。
電荷輸送材料としては、エナミン誘導体、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体およびベンジジン誘導体などを挙げることができる。
また、これらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリマー、たとえばポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリ(1−ビニルピレン)、ポリ−g−カルバゾリルエチルグルタメート、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレンおよびポリ(9−ビニルアントラセン)なども挙げられる。
電荷輸送材料としては、下記一般式(1)で表わされるエナミン化合物を用いることがより好ましい。
Figure 2013134374
(式中、ArおよびArはそれぞれ、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を示す。Arは、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルキル基を示す。ArおよびArはそれぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルキル基を示す。ただし、ArおよびArが共に水素原子になることはない。ArおよびArは、原子または原子団を介して互いに結合し、環構造を形成してもよい。aは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは1〜6の整数を示す。mが2以上のとき、複数のaは、同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。Rは、水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してもよいアルキル基を示す。R,RおよびRはそれぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。nは0〜3の整数を示し、nが2または3のとき、複数のRは同一でも異なってもよく、複数のRは同一でも異なってもよい。ただし、nが0のとき、Arは置換基を有してもよい複素環基を示す。)
上記一般式(1)で示されるエナミン化合物のうち、特性、原価および生産性などの観点から特に優れた化合物としては、ArおよびArが共にフェニル基であり、Arがフェニル基、トリル基、p−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基またはチエニル基であり、ArおよびArのうちの少なくともいずれか一方がフェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、チエニル基またはチアゾリル基であり、R,R,RおよびRが共に水素原子であり、nが1であるものを挙げることができる。
上記一般式(1)で示されるエナミン化合物の具体例としては、たとえば以下の表1〜表32に示す例示化合物No.1〜No.222を挙げることができるけれども、前記一般式(1)で示されるエナミン化合物は、これらに限定されるものではない。
なお、表1〜表32では、各例示化合物を前記一般式(1)の各基に対応する基で表している。ただし、表1〜表32において、ArおよびArが原子または原子団を介して互いに結合し、環構造を形成したものを例示する場合には、Arの欄からArの欄に渡って、ArおよびArが結合する炭素−炭素二重結合と、その炭素−炭素二重結合の炭素原子と共にArおよびArが形成する環構造とを合わせて示す。
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フィラー含有電荷輸送層13を構成する結着樹脂には、透明性や耐刷性に優れるなどの理由から、当該分野で周知のポリカーボネートを主成分とする樹脂が好適に選択される。
その他に、第2成分として、たとえばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびこれらを構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、ならびにポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびフェノール樹脂などが挙げられる。またこれらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂も挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、また、2種以上の混合物を使用してもよい。
なお、上記の主成分とは、ポリカーボネート樹脂の重量%が、電荷輸送層を構成する総結着樹脂中で最も高い割合を占めることを意味し、より好ましくは50〜90重量%の範囲を占めることを意味する。
また、上記の第2成分としての樹脂は、上記総結着樹脂中10〜50重量%の範囲で用いられ得る。
また、フィラー含有電荷輸送層13における電荷輸送材料と結着樹脂との割合は、重量比で10/10〜10/18の範囲が好ましい。
フィラー粒子2には、大別して、有機系フィラーと金属酸化物を中心とする無機系フィラーがある。一般に、感光体表面の濡れ性を制御し、異物などの付着を抑制する目的でフッ素系樹脂からなる有機系フィラーが用いられ、耐刷性向上を目的とした用途に無機系フィラーが主に用いられる。
有機系フィラーを構成するフッ素樹脂としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およびこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
無機系フィラーとしては、材料としての硬度が高く、結着樹脂に分散しやすいものが好ましい。たとえば、酸化珪素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)などの酸化物、あるいは、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの窒化化合物からなる粒子が挙げられる。特に、電荷郵送層中での光散乱を考慮した結果、フィラー粒子2以外の成分の屈折率との差が小さい酸化珪素(シリカ)が好適である。
これらのうち、フィラー粒子2としては、フッ素系樹脂からなる粒子またはシリカ(酸化珪素:SiO2)粒子を用いることがより好ましい。フィラー粒子2として、フッ素系樹脂からなる粒子またはシリカ粒子を用いることによって、感光体の電気的および機械的耐久性を向上させることができるとともに、露光むらの発生を安定して防止することができる。
さらに、フィラー含有電荷輸送層13中での光の散乱を考慮すると、フィラー粒子2として、シリカ粒子を用いることが最も好ましい。
シリカは、フィラー含有電荷輸送層13での媒質である結着樹脂との屈折率の差が小さいので、電荷発生層12における単色光33を到達させたい部分へ、露光手段49から照射された単色光33を精度よく到達させることができる。
なお、フィラー含有電荷輸送層13の厚みをd、フィラー含有電荷輸送層13の屈折率をnとし、フィラー粒子2の粒径をrP、フィラー粒子2の屈折率をnPとした場合、照射された波長λの単色光33は、フィラー粒子2を通過するときには、光学距離が(d−rP)n+rP・nPであるのに対して、フィラー粒子2を通過しないときには、光学距離がdnとなる。
この差rP(n−nP)がλ/4n以上であれば、フィラー粒子2を通過した単色光33と通過しない単色光33とで位相がπ/2以上ずれるので、単色光33が拡散されて、露光むらの発生が抑制される。
露光むらの発生を抑制するためには、単色光33を適度な範囲に拡散させることと、拡散させた単色光33の強度が充分に大きいことが必要となる。単色光33が拡散される範囲が広すぎると、露光させたい部分ではない非露光領域まで露光されてしまうおそれが高くなる。また、拡散させた単色光33の強度が弱ければ、電荷発生層12から電荷を充分に発生させることができない。
フィラー粒子2による単色光33の拡散範囲および強度は、主に、フィラー粒子2の平均1次粒子径と、フィラー粒子2の含有量とに依存する。図4は、単色光33の拡散範囲と、拡散させた単色光33の強度とを示すグラフである。
図4に示すグラフは、光学シミュレーションにて作成されたものであり、屈折率1.5のフィラー粒子を、屈折率1.7のポリカーボネートに均一に分散させた厚さ0.03mmの樹脂板の一主面側に、0.001mmの間隔を空けて測定面を配置し、他主面側から、強度が0.5W/mmの単色光33を照射したという条件でシミュレーションしたものである。
x軸は、単色光33を照射した位置から測定面の中心までの距離を示し、y軸は、測定面の中心における単色光33の強度を示す。
図4のグラフにおいて、線aは、平均1次粒子径が20nmのフィラー粒子2を、10重量%含有させた樹脂板に単色光33を照射したデータである。線bは、平均1次粒子径が100nmのフィラー粒子2を、10重量%含有させた樹脂板に単色光33を照射したデータである。線cは、平均1次粒子径が300nmのフィラー粒子2を、10重量%含有させた樹脂板に単色光33を照射したデータである。線dは、平均1次粒子径が300nmのフィラー粒子2を、10重量%含有させた樹脂板に単色光33を照射したデータである。線eは、平均1次粒子径が500nmのフィラー粒子2を、10重量%含有させた樹脂板に単色光33を照射したデータである。線fは、平均1次粒子径が300nmのフィラー粒子2を、20重量%含有させた樹脂板に単色光33を照射したデータである。線gは、平均1次粒子径が300nmのフィラー粒子2を、30重量%含有させた樹脂板に単色光33を照射したデータである。なお、単色光33の強度(%)は、樹脂板に照射した単色光33の強度に対する、測定面の中心で測定された単色光33の強度の割合である。
線a〜gの全てに当てはまる傾向として、単色光33を照射した位置から測定面の中心までの距離が長くなるほど、測定面の中心における単色光33の強度が小さくなっている。すなわち、広い範囲に拡散するほど、単色光33の強度は小さくなる。
また、単色光33を照射した位置から測定面の中心までの距離が同じであっても、フィラー粒子2の平均1次粒子径が小さいほど、測定面の中心における単色光33の強度が小さくなることがわかる。
また、単色光33を照射した位置から測定面の中心までの距離が同じであっても、フィラー粒子2の含有量が少ないほど、測定面の中心における単色光33の強度が小さくなることがわかる。
すなわち、フィラー粒子2の平均1次粒子径が小さくなり、フィラー粒子2の含有量が少なくなるほど、拡散範囲が狭くなって、測定面の中心における単色光33の強度も小さくなる。
さらに、電荷発生層12とフィラー粒子2との距離も、拡散範囲および強度に関係する。電荷発生層12とフィラー粒子2との距離が短ければ、単色光33の拡散範囲も狭くなり、かつ拡散した単色光33の強度が高くなる。電荷発生層12とフィラー粒子2との距離が長ければ、それだけ広い範囲に単色光33が拡散するが、その分、拡散した単色光33の強度は弱くなる。
本実施形態では、フィラー粒子2に入射する前の単色光33の強度をできるだけ維持しつつ、適度な範囲に拡散させることが好ましい。したがって、フィラー粒子2を、電荷発生層12により近い位置、すなわち電荷発生層12に直接積層される層に含有させた。
この電荷発生層12と、フィラー粒子2との距離も考慮した、フィラー粒子2の平均1次粒子径の好ましい範囲は、0.06μm以上0.3μm以下であり、フィラー粒子2のフィラー含有電荷輸送層13の全固形分に対する好ましい含有量は、1重量(wt)%以上20重量(wt)%以下である。
フィラー粒子2の平均1次粒子径が0.06μm未満であると、露光手段49から照射された単色光33を拡散させることができず、露光むらの発生を抑制することができない。フィラー粒子2の平均1次粒子径が0.3μmを超えると、露光手段から照射された単色光33が不所望に広い範囲にまで拡散されるので、非露光領域まで露光されるおそれがある。また、電荷輸送材料による電荷の輸送を妨げる原因になる。
フィラー粒子2の含有量が1重量%未満であると、単色光33を充分に拡散させることができず、露光むらが発生するおそれがある。また、充分な耐刷機能が得られない。フィラー粒子2の含有量が20重量%を超えると、電荷輸送材料による電荷の輸送が妨げられやすくなり、露光むらが発生しやすくなる。また、感光体1のくり返し使用による感度劣化が顕著になり、感光体1としての機能が失われる。
フィラー含有電荷輸送層13が、電荷発生層12の外周面上に形成された感光体1において、フィラー粒子2の平均1次粒子径が、0.06μm以上0.3μm以下であり、フィラー粒子2の含有量が、1重量%以上20重量%以下であることによって、単色光33が拡散される範囲を適度な範囲に調整でき、高精度に露光できるとともに、電荷輸送材料による電荷の輸送を妨げることを防止することができる。
フィラー粒子の添加にあたっては、均一な粒子分散状態を形成するために、当業者に公知のボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカーなどさまざまな分散手法を用いることができる。
フィラー含有電荷輸送層13には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。すなわち、成膜性、可撓性または表面平滑性を向上させるために、可塑剤またはレベリング剤などをフィラー含有電荷輸送層13に添加してもよい。
上記可塑剤としては、たとえばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などを挙げることができる。
また、上記レベリング剤としては、たとえばシリコーン系レベリング剤などを挙げることができる。
フィラー含有電荷輸送層13は、電荷発生層12を塗布によって形成する場合と同様に、たとえば適当な溶媒中に、電荷輸送材料、結着樹脂、フィラー粒子、ならびに必要な場合には前記の添加剤を溶解または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、得られた塗布液を電荷発生層12上に塗布することによって形成される。表面側電荷輸送層14も、フィラー粒子2を用いないこと以外は同様にして形成することができる。
電荷輸送層用塗布液の溶剤としては、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
また上記の溶媒に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶媒をさらに加えて使用することもできる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
電荷輸送層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように種々の点で優れているので、フィラー含有電荷輸送層13を形成する場合にも多く利用されている。
フィラー含有電荷輸送層13の膜厚は、1μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上15μm以下である。
(表面側電荷輸送層)
表面側電荷輸送層14は、フィラー粒子2を含まないことと、後述する弾性仕事率ηHUの好ましい範囲が規定されていること以外は、フィラー含有電荷輸送層13と同様である。
弾性仕事率ηHUについて説明する。
固体材料に荷重が負荷された場合、押し込み中に費やされる機械的仕事量Wtotalは、その一部だけが塑性変形仕事量Wplastとして使われ、残りは荷重除去時の弾性回復仕事量(弾性変形仕事量)Welastとして解放される。また、弾性回復仕事量(弾性変形仕事量)Welastには、瞬時弾性変形成分と遅延弾性変形成分とが含まれる。弾性仕事率ηHUは材料の粘弾性を表し、特に弾性回復に寄与するパラメータである。
本実施の形態における弾性仕事率ηHUは、以下の通り求められる。図5は、表面側電荷輸送層14に付与する荷重と、押し込み深さとを示すグラフである。図5に示すヒステリシスライン8は、感光体1の表面に押込み荷重負荷を開始して予め定める押込み最大荷重Fmaxに達するまでの押込み過程(A→B)、押込み最大荷重Fmaxで一定時間t保持する負荷荷重保持過程(B→C)、除荷を開始して荷重零(0)に達して除荷を完了するまでの除荷過程(C→D)の変形(押込み深さ変化)履歴を示す。
このヒステリシスライン8のうち、機械的仕事量WtotalはW=∫Fdhであるので、荷重増大中の押し込み深さ曲線(A→B)と押し込み深さh1で囲まれる面積で表される。その内の弾性回復仕事量Welastは荷重除去中の押し込み深さ曲線(C→D)と押し込み深さh2で囲まれる面積で表される。この仕事量の比率が弾性仕事率ηHUであり、式(2)によって表される。
ηHU(%)=Welast/Wtotal×100 …(2)
ただし、Wtotal=Welast+Wplast
このような弾性仕事率ηHUは、たとえばフィッシャースコープH100Vによって求めることができる。
本実施形態において、表面側電荷輸送層14の弾性仕事率ηHUは、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、表面に押込み最大荷重5mNを負荷した場合の弾性仕事率ηHUであり、47%以上であることが好ましい。
表面側電荷輸送層14の弾性仕事率ηHUを限定する理由について説明する。
表面側電荷輸送層14は、樹脂および前記一般式(1)で表されるエナミン化合物のような低分子物質の混合物から成るので完全な塑性体に成りえず、必ずいくらか弾性成分を含んでいる。弾性仕事率ηHUが小さくなる方向とは、外部応力が加わったときの弾性回復が小さい、つまり塑性体に近づくと考えられる。
弾性仕事率ηHUが47%未満では、外部応力に対して弾性回復が小さく加わった力がそのまま表面の変形につながりやすく、磨耗やきずを引き起こしやすくなる。さらに、荷重を負荷する物質によっては感光体表面の変形が少ないまでもたとえばクリーニングブレードの反転などが起こりやすくなる。したがって、表面側電荷輸送層14の弾性仕事率ηHUを、47%以上を好適とした。
表面側電荷輸送層14の膜厚は、1μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上15μm以下である。
フィラー含有電荷輸送層13および表面側電荷輸送層14からなる電荷輸送層15の膜厚は、5μm以上40μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下である。電荷輸送層15の膜厚が5μm未満であると、帯電保持能が低下する。電荷輸送層15の膜厚が50μmを超えると、感光体1の解像度が低下する。したがって、電荷輸送層15の膜厚の膜厚の好適な範囲を5μm以上40μm以下とした。
(電子受容物質および増増剤)
電荷発生層12、フィラー含有電荷輸送層13および表面側電荷輸送層14からなる感光層25の各層には、感度の向上を図り、さらに繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などを抑えるために、電子受容物質および色素などの増感剤を1種または2種以上添加してもよい。
電子受容物質としては、たとえば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物、またはジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料などを用いることができる。またこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどを用いることもできる。
色素としては、たとえばキサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料または銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物を用いることができる。これらの有機光導電性化合物は光学増感剤として機能する。
(酸化防止剤および紫外線吸収剤)
感光層25の各層には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加してもよい。特に電荷輸送層15には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加することが好ましく、各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。さらに、電荷輸送層15には、酸化防止剤を添加するのが特に好ましい。この酸化防止剤の電荷輸送層への添加により、オゾン、窒素酸化物などの酸化性ガスに対する感光層の劣化を低減することができる。
上記酸化防止剤としては、フェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物またはアミン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体もしくはヒンダードアミン誘導体、またはこれらの混合物が好適に用いられる。
(2)第2実施形態
図6は、本発明の第2形態である感光体3の構成を示す断面図である。図6は、感光体3を、その軸線方向に垂直な方向からみたものである。本実施形態の感光体3は、第1実施形態の感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
感光体3において注目すべき点は、導電性基体11と感光層25との間に、中間層16が設けられていることである。
導電性基体11と感光層25との間に中間層16がない場合、導電性基体11から感光層25に電荷が注入され、感光層25の帯電性が低下し、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像にかぶりなどの欠陥が発生することがある。特に、反転現像プロセスを用いて画像を形成する場合には、露光によって表面電荷の減少した部分にトナーが付着してトナー画像が形成されるので、露光以外の要因で表面電荷が減少すると、白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが発生し、画質の著しい劣化の生じることがある。
導電性基体11と感光層25との間に中間層16がない場合、導電性基体11または感光層25の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥を生じることがある。
本実施形態である感光体3では、前記のように導電性基体11と感光層25との間に中間層16が設けられているので、導電性基体11からの感光層25への電荷の注入を防止することができる。したがって、感光層25の帯電性の低下を防ぐことができ、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。
さらに中間層16を設けることによって、導電性基体11表面の凸凹を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層25の成膜性を高めることができる。また感光層25の導電性基体11からの剥離を抑え、導電性基体11と感光層25との接着性を向上させることができる。
以下、中間層の構成について詳細に記載する。
(中間層)
中間層16には、各種樹脂材料から成る樹脂層またはアルマイト層などが用いられる。
上記樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびポリアミド樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース、ニトロセルロースおよびエチルセルロースなども挙げられる。これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることが好ましい。
好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、たとえば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などを挙げることができる。
中間層16は、金属酸化物粒子などの粒子を含有してもよい。中間層16に金属酸化物粒子を含有させることによって、中間層16の体積抵抗値を調節し、導電性基体11からの感光層25への電荷の注入を防止する効果を高めることができるとともに、各種の環境下において感光体の電気特性を維持することができる。
金属酸化物粒子としては、たとえば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび酸化錫などの粒子を挙げることができる。
中間層16は、たとえば上記の樹脂を適当な溶剤中に溶解または分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布することによって形成される。中間層16に前記の金属酸化物粒子などの粒子を含有させる場合には、たとえば前記の樹脂を適当な溶剤に溶解させて得られる樹脂溶液中に、これらの該金属酸化物粒子を分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性基体11の表面に塗布することによって中間層16を形成することができる。
中間層用塗布液の溶剤には、水もしくは各種有機溶剤、またはこれらの混合溶剤が用いられる。たとえば、水、メタノール、エタノールもしくはブタノールなどの単独溶剤、または水とアルコール類、2種類以上のアルコール混液、アセトンもしくはジオキソランなどとアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどのハロゲン系有機溶剤とアルコール類などの混合溶剤が用いられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
前記の粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカーなどを用いる一般的な方法を使用することができる。
中間層用塗布液中において、樹脂および金属酸化物の合計重量Cと、中間層用塗布液に使用されている溶剤の重量Dとの比率C/Dは、1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。また樹脂の重量Eと金属酸化物の重量Fとの比率E/Fは、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
中間層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの中でも、特に浸漬塗布法は、前記のように、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、中間層16を形成する場合にも多く利用されている。
中間層16の膜厚は、0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上10μm以下である。
中間層16の膜厚が0.01μmよりも薄いと、実質的に中間層16として機能しなくなり、導電性基体11の凸凹を被覆して均一な表面性を得ることができず、導電性基体11からの感光層25への電荷の注入を防止することができなくなり、感光層25の帯電性の低下が生じる。中間層16の膜厚を20μmよりも厚くすることは、中間層16を浸漬塗布法によって形成する場合に、中間層16の形成が困難になるとともに、中間層16上に感光層25を均一に形成することができず、感光体の感度が低下するので好ましくない。したがって、中間層16の膜厚の好適な範囲を、0.01μm以上20μm以下とした。
(乾燥工程)
以上のような電荷発生層12、フィラー含有電荷輸送層13、表面側電荷輸送層14、中間層16などを作製する場合、これらの層を乾燥させる乾燥工程が行われることが好ましい。
感光体の乾燥温度としては、約50℃〜140℃が適当であり、特に約80℃〜130℃の範囲が好ましい。感光体の乾燥温度が約50℃未満では乾燥時間が長くなり、また、乾燥温度が約140℃を越えると、繰返し使用時の電気的特性が悪くなり感光体を使用して得られる画像も劣化する。
2、画像形成装置
図7は、本発明の実施の一形態である画像形成装置30の構成を簡略化して示す図である。図7に示す画像形成装置30は、感光体1を搭載するレーザプリンタである。
画像形成装置30であるレーザプリンタ30は、感光体1、半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34、ミラー35、帯電手段であるコロナ帯電器36、現像手段である現像器37、転写紙カセット38、給紙ローラ39、レジストローラ40、転写手段である転写帯電器41、分離帯電器42、搬送ベルト43、定着器44、排紙トレイ45およびクリーニング手段であるクリーナ46を含んで構成される。なお、上記の半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像レンズ34およびミラー35は、露光手段49を構成する。半導体レーザ31からは、単色光33としてレーザ光33が照射される。
感光体1は、図示しない駆動手段によって矢符47の方向に回転可能なようにレーザプリンタ30に搭載される。半導体レーザ31から出射されるレーザ光33は、回転多面鏡32によって感光体1の表面に対してその長手方向(主走査方向)に繰返し走査される。結像レンズ34は、レーザ光33をミラー35で反射させて感光体1の表面に結像させて露光させる。感光体1を回転させながらレーザ光33を前記のように走査して結像させることによって、感光体1の表面に画像情報に対応する静電潜像が形成される。
前記のコロナ帯電器36、現像器37、転写帯電器41、分離帯電器42よびクリーナ46は、矢符47で示す感光体1の回転方向上流側から下流側に向ってこの順序で設けられる。
また、コロナ帯電器36は、レーザ光33の結像点よりも感光体1の回転方向上流側に設けられ、感光体1の表面を均一に帯電させる。したがって、レーザ光33が、均一に帯電された感光体1表面を露光することになり、レーザ光33によって露光された部位の帯電量と露光されなかった部位の帯電量とに差異が生じて前記の静電潜像が形成される。
現像器37は、レーザ光33の結像点よりも感光体1の回転方向下流側に設けられ、感光体1表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。転写紙カセット38に収容される転写紙48は、給紙ローラ39によって1枚ずつ取出され、レジストローラ40によって感光体1への露光と同期して転写帯電器41に与えられる。転写帯電器41によって、トナー像が転写紙48に転写される。転写帯電器41に近接して設けられる分離帯電器42は、トナー像が転写された転写紙を除電して感光体1から分離する。
感光体1から分離された転写紙48は、搬送ベルト43によって定着器44に搬送され、定着器44によってトナー像が定着される。このようにして画像が形成された転写紙48は、排紙トレイ45に向けて排紙される。なお分離帯電器42によって転写紙48が分離された後、さらに回転を続ける感光体1は、その表面に残留するトナーおよび紙粉などの異物がクリーナ46によって清掃される。クリーナ46によってその表面が清掃された感光体1は、クリーナ46と共に設けられる図示しない除電ランプによって除電された後、さらに回転され、前記の感光体1の帯電から始まる一連の画像形成動作が繰返される。
本発明の画像形成装置は、図7に示す画像形成装置の構成に限定されるものではなく、上記感光体を使用することができるものであれば、モノクロ、カラーを問わず、電子写真プロセスを利用する種々のプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機などであり得る。
(フィラー粒子の平均1次粒子径)
フィラー粒子の平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて100個のフィラー粒子の1次粒子径(定方向径)を計測し、その算術平均とした。
(実施例1)
<電荷発生材料の作製>
o−フタロジニトリル40g、四塩化チタン18g、α−クロロナフタレン500mlを窒素雰囲気下200〜250℃で3時間加熱撹拌して反応させ、100〜130℃まで放冷後、熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄してジクロロチタニウムフタロシアニン粗生成物を得た。
この粗生成物を、室温にてα−クロロナフタレン200ml、次いでメタノール200mlで洗浄後、さらにメタノール500ml中で1時間熱懸洗を行う。濾過後、得られた粗生成物を、水500ml中で、pHが6〜7になるまで、熱懸洗を繰り返した。その後、乾燥してオキソチタニルフタロシアニン中間結晶を得た。さらに、この結晶を、メチルエチルケトンに混合し、ペイントシェーカー装置により直径2mmのガラスビーズと共にミリング処理し、メタノールで洗浄した後、乾燥することで、図3に示すような回折ピークを有する結晶性のオキソチタニルフタロシアニン(オキソチタニルフタロシアニン結晶)を得た。
<電荷発生層の形成>
得られたオキソチタニルフタロシアニン結晶1.8重量部と、ブチラール樹脂(積水化学社製:エスレックBX−1)1.2重量部と、ポリジメチルシロキサン−シリコーンオイル(信越化学社製:KF−96)0.06重量部と、ジメトキシエタン87.3重量部と、シクロヘキサノン9.7重量部とを混合し(混合比率=90/10)、ペイントシェーカーにて分散して電荷発生層用塗布液:3L(リットル)を調整した。この塗布液を塗布槽に満たし、アルミニウム製導電性基体を浸漬後引上げ、自然乾燥して層厚0.3μm の電荷発生層を形成した。
<フィラー含有電荷輸送層の形成>
ポリカーボネート樹脂(TS2040:帝人化成社製)44重量部およびシリカ微粒子(平均1次粒子径:115nm、TG−C190:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)44重量部をテトラヒドロフラン181.4重量部に混合して、メディアとしてZrO2ビーズ(φ3mm)を用いるボールミルで5時間分散処理してフィラー含有電荷輸送層用一次分散塗布液:400gを調製した。なお、この段階でフィラー粒子が均一に分散し、上記シリカの1次粒子径に対応する分散状態が保持されていることを、粒度分布測定装置(UPA-150、日機装)を用いて確認した。
次に、電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物(No.61のエナミン化合物)113重量部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)186.4重量部をテトラヒドロフラン1118重量部に混合して溶解した。この溶液1.98Kgに前記フィラー含有電荷輸送層用一次分散塗布液320gを混合し、15時間撹拌処理してフィラー含有電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、先に形成した電荷発生層上に塗布し、熱処理後、層厚10μmとなるようにフィラー含有電荷輸送層を形成した。このフィラー含有電荷輸送層でも、シリカの1次粒子径に対応する分散状態が保持されていた。
フィラー含有電荷輸送層においてシリカの1次粒子径に対応する分散状態が保持されているか否かは、FIB(Focused Ion Beam、収束イオンビーム、Quanta2003D、FEI社製)またはウルトラミクロトーム(RM2265、ライカ製)を用いて、実施例1の感光体から超薄膜切片(厚さ200nm)を作製し、TEM(Transmission Electron Microscope)により、超薄膜切片のフィラー含有電荷輸送層にあたる部分を観察して、画像処理ソフト(ニレコ社製画像処理解析装置、Luzex AP、Adobe製Photoshop6.0)で解析することで確認した。なお、後の実施例2〜13の感光体でも同様の方法で、フィラー含有電荷輸送層において、フィラー粒子の1次粒子径に対応する分散状態が保持されていることを確認した。
<表面側電荷輸送層の形成>
電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物(No.61のエナミン化合物)5重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(TS2040)9重量部と、酸化防止剤としてスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.05重量部とを混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤として表面側電荷輸送層用塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、先に形成したフィラー含有電荷輸送層上に塗布し、温度130℃で1時間熱処理してトータル層厚が26μmの表面側電荷輸送層を形成した。このようにして、実施例1の感光体を作製した。
作製した感光体は、後述する複写機に搭載し、780nmのレーザ書き込み光源を用いて評価をおこなった。この際フルデューティ露光時の感光体表面での単一ビーム径は、≒60μ(1/e2で評価)であることを前もって実測した。
(実施例2)
酸化チタン(商品名:タイベークTTO−D−1、石原産業株式会社製)3重量部および市販のポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)2重量部を、メチルアルコール25重量部に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理し、中間層形成用塗工液3リットルを調製した。得られた中間層用塗布液を塗布槽に満たし、アルミニウム製導電性基体を浸漬後引上げ、自然乾燥して層厚1μmの中間層を形成した。
中間層の上に、実施例1と同様にして、電荷発生層、フィラー含有電荷輸送層および表面側電荷輸送層を順次形成し、実施例2の感光体を作製した。
(実施例3)
フィラー含有電荷輸送層および表面側電荷輸送層の形成に用いる電荷輸送材料として、例示化合物No.61のエナミン化合物の代わりに、表1に示す例示化合物No.1のエナミン化合物を用いること以外は実施例2と同様にして、実施例3の感光体を作製した。
(実施例4)
フィラー含有電荷輸送層および表面側電荷輸送層の形成に用いる電荷輸送材料として、例示化合物No.61のエナミン化合物の代わりに、表16に示す例示化合物No.106のエナミン化合物を用いること以外は実施例2と同様にして、実施例4の感光体を作製した。
(実施例5)
表面側電荷輸送層の形成に用いる電荷輸送材料として、例示化合物No.61のエナミン化合物の代わりに、表16に示す例示化合物No.106のエナミン化合物を用いること以外は実施例2と同様にして、実施例5の感光体を作製した。
(実施例6)
実施例2で用いたシリカ微粒子の代わりに、平均1次粒子径が300nmのシリカ微粒子(SO−E1、アドマテックス製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例6の感光体を作製した。
(実施例7)
実施例2で用いたシリカ微粒子の代わりに、平均1次粒子径が65nmのシリカ微粒子(TG−C390、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例7の感光体を作製した。
(実施例8)
実施例2で用いたシリカ微粒子の代わりに、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(PTFE、平均1次粒子径:300nm、ルブロンL-2、ダイキン工業株式会社製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例8の感光体を作製した。
(実施例9)
実施例2と同様にして、中間層および電荷発生層を、アルミニウム製導電性基体上に形成した。
<フィラー含有電荷輸送層の作製>
ポリカーボネート樹脂(TS2040、帝人化成社製)2.6重量部およびシリカ微粒子(平均1次粒子径:115nm、TG−C190:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)2.6重量部をテトラヒドロフラン56重量部に混合して、メディアとしてZrO2ビーズ(φ3mm)を用いるボールミルで5時間分散処理してフィラー含有電荷輸送層用一次分散塗布液を125g調製した。なお、この段階でフィラー粒子が均一に分散し、上記シリカの1次粒子径に対応する分散状態が保持されていることを、粒度分布測定装置(UPA-150、日機装)を用いて確認した。
次に、電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物No.61のエナミン化合物113重量部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)186.4重量部をテトラヒドロフラン1118重量部に混合して溶解した。この溶液1.98Kgに前記フィラー含有電荷輸送層用一次分散塗布液100gを混合し、15時間撹拌処理してフィラー含有電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、先に形成した電荷発生層上に塗布し、熱処理後、層厚10μmとなるようにフィラー含有電荷輸送層を形成した。
<表面電荷輸送層>
電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物No.61のエナミン化合物5重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(TS2040)9重量部と、酸化防止剤としてスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.05重量部とを混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤として表面側電荷輸送層用塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、先に形成したフィラー含有電荷輸送層上に塗布し、温度130℃で1時間熱処理して、トータル層厚が26μmの表面側電荷輸送層を形成した。このようにして、実施例9の感光体を作製した。
(実施例10)
実施例2と同様にして、中間層および電荷発生層をアルミニウム製導電性基体上に形成した。
<フィラー含有電荷輸送層の作製>
ポリカーボネート樹脂(TS2040:帝人化成社製)100重量部およびシリカ微粒子(平均1次粒子径:115nm、TG−C190、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)100重量部をテトラヒドロフラン517重量部に混合して、メディアとしてZrO2ビーズ(φ3mm)を用いるボールミルで5時間分散処理してフィラー含有電荷輸送層用一次分散塗布液を1.25kg調製した。なお、この段階でフィラー粒子が均一に分散し、上記シリカの1次粒子径に対応する分散状態が保持されていることを、粒度分布測定装置(UPA-150、日機装)を用いて確認した。
次に、電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物No.61のエナミン化合物113重量部、およびポリカーボネート樹脂(TS2040)186.4重量部をテトラヒドロフラン1118重量部に混合して溶解した。この溶液1.98Kgに前記電荷輸送層用一次分散塗布液1kgを混合し、15時間撹拌処理してフィラー含有電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、先に形成した電荷発生層上に塗布し、熱処理後、層厚10μmとなるようにフィラー含有電荷輸送層を形成した。
<表面側電荷輸送層の作製>
電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物No.61のエナミン化合物5重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(TS2040)9重量部と、酸化防止剤としてスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.05重量部とを混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤として表面側電荷輸送層用塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、先に形成した電荷輸送層上に塗布し、温度130℃で1時間熱処理してトータル層厚が26μmの表面側電荷輸送層を形成した。
このようにして、実施例10の感光体を作製した。
(実施例11)
電荷発生材料として、実施例2で用いた電荷発生材料の代わりに、特開昭64−17066号公報に開示されている製造例にしたがって得られた、結晶のX線回折スペクトルが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.5°、9.7°、11.6°、14.9°、24.0°、および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例11の感光体を作製した。
(実施例12)
電荷発生材料として、実施例2で用いた電荷発生材料の代わりに、特開平5−188614号公報に開示されている製造例にしたがって得られた、結晶のX線回折スペクトルが、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.6°、および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例12の感光体を作製した。
(実施例13)
フィラー含有電荷輸送層および表面側電荷輸送層の形成に用いる電荷輸送材料として、例示化合物No.61のエナミン化合物の代わりに、下記式(3)のブタジエン系化合物を用いたこと以外は実施例2と同様にして、実施例13の感光体を作製した。
Figure 2013134374
(比較例1)
実施例2と同様にして、中間層および電荷発生層をアルミニウム製導電性基体上に順次形成した。
電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物No.61のエナミン化合物5重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(TS2040)9重量部と、酸化防止剤としてスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.05重量部とを混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、電荷発生層上に塗布し、温度130℃で1時間熱処理して、層厚が26μmの電荷輸送層を形成した。これによって、電荷輸送層として、フィラー粒子を含まない層が1層だけ形成された比較例1の感光体を作製した。
(比較例2)
実施例2と同様にして、中間層および電荷発生層をアルミニウム製導電性基体上に順次形成した。
ポリカーボネート樹脂(TS2040:帝人化成社製)44重量部およびシリカ微粒子(平均1次粒子径:115nm、TG−C190、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)44重量部をテトラヒドロフラン181.4重量部に混合して、メディアとしてZrO2ビーズ(φ3mm)を用いるボールミルで5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液を400g調製した。なお、この段階でフィラー粒子が均一に分散し、上記シリカの1次粒子径に対応する分散状態が保持されていることを、粒度分布測定装置(UPA-150、日機装)を用いて確認した。
次に、電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物No.61のエナミン化合物113重量部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)186.4重量部をテトラヒドロフラン1118重量部に混合して溶解した。この溶液1.98Kgに前記電荷輸送層用一次分散塗布液320gを混合し、15時間撹拌処理して電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、先に形成した電荷発生層上に塗布し、温度130℃で1時間熱処理して、層厚が26μmの電荷輸送層を形成した。これによって、電荷輸送層として、フィラー粒子を含む層が1層だけ形成された比較例2の感光体を作製した。
(比較例3)
実施例2と同様にして、中間層および電荷発生層をアルミニウム製導電性基体上に順次形成した。
電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物No.61のエナミン化合物5重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(TS2040)9重量部と、酸化防止剤としてスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.05重量部とを混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調製し、浸漬塗布法にて、先に形成した電荷発生層上に塗布し、熱処理後、層厚13μmとなるように電荷輸送層を形成した。
さらにこの上に、ポリカーボネート樹脂(TS2040:帝人化成社製)44重量部およびシリカ微粒子(平均1次粒子径:115nm、TG−C190:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)44重量部をテトラヒドロフラン181.4重量部に混合して、メディアとしてZrO2ビーズ(φ3mm)を用いるボールミルで5時間分散処理して電荷輸送層用一次分散塗布液400gを調製した。なお、この段階でフィラー粒子が均一に分散し、上記シリカの1次粒子径に対応する分散状態が保持されていることを、粒度分布測定装置(UPA-150、日機装)を用いて確認した。
次に、電荷輸送材料として前述の表9に示す例示化合物No.61のエナミン化合物113重量部、ポリカーボネート樹脂(TS2040)186.4重量部をテトラヒドロフラン1118重量部に混合して溶解した。この溶液1.98Kgに前記電荷輸送層用一次分散塗布液320gを混合し、15時間撹拌処理して電荷輸送層用二次分散塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布法にて、先に形成した電荷輸送層上に塗布し、温度130℃で1時間熱処理して、トータル層厚が26μmの電荷輸送層を形成した。これによって、表面側の電荷輸送層にフィラー粒子を含む比較例3の感光体を作製した。
(比較例4)
実施例2で用いたシリカ微粒子の代わりに、平均1次粒子径が1μmのシリカ微粒子(SO−E3、アドマテックス製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較例4の感光体を作製した。
(比較例5)
実施例2で用いたシリカ微粒子の代わりに、平均1次粒子径が17nmのシリカ微粒子(TS610、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、比較例5の感光体を作製した。
(評価)
実施例1〜13および比較例1〜5の各感光体を、試験用に改造したデジタル複写機MX−C381(シャープ株式会社製)に装着し、印字率6%のA4サイズチャートを用い100,000枚画像形成することによって、感度、耐刷性、および画像の高精細度について評価した。
[電気特性評価]
上記の試験用複写機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(トレック・ジャパン社製:モデル344)を設けた。この複写機を用い、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境中において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を−600Vに調整し、その状態でレーザ光により黒ベタ印字を施した場合の感光体の表面電位を露光電位VL(V)として測定した。
この露光電位VLの絶対値が小さい程、高感度であると評価した。尚、表面電位の測定は、下記の耐刷性評価の実施前後で実施し、安定性指標とした。すなわち、初期、耐刷試験後ともに安定して露光電位VLが低くなることが良好であるとした。
また、耐刷試験後ドラムの偏磨耗による膜厚むらの確認のためドラム1周内の露光電位の電位差を測定し、ΔVLとした。
[高精細性の評価]
実施例、比較例の感光体に対して、ハーフトーン画像(1ドット画像)を1200×1200dpi解像度で形成し、この初期のハーフトーン画像について、光学顕微鏡を用いて、ドットの再現性、散逸状態、輪郭の先鋭度を観察することで、ドット形成状態(高精細性)を評価した。
高精細性の評価基準は以下の通りである。
◎:極めて良好。ドット径が露光ビーム径を再現。ドットの輪郭は極めて鋭敏。トナーの飛び散り極小。
○:良好。ドット径が露光ビーム径をほぼ再現。ドットの輪郭は鋭敏。トナーの飛び散り小。
△:やや劣る。ドットの再現性あり。トナーの飛び散り増加しているが、実使用上問題ないレベル。
×:非常に悪い。ドットの再現性悪化。トナーの飛び散り多く、実使用上問題となるレベル。
[画像濃度むらの評価]
耐刷試験後の感光体の画質の低下レベルを調査するため、耐刷試験後に形成したハーフトーン画像における濃度むら評価した。
濃度むらの評価基準は、以下の通りである。
◎:極めて良好。ハーフトーン画像に濃度むらなし。良好な画像。
○:目視にて、ハーフトーン画像に濃度むらややあるが目立たず、実使用上問題とならないレベル。
×:目視にて、ハーフトーン画像に濃度むらあり。実使用上問題となるレベル。
下記に、本評価に使用した感光体の種類ならびに評価結果のまとめを付す。
評価結果を表33〜36に示す。
Figure 2013134374
Figure 2013134374
Figure 2013134374
Figure 2013134374
実施例1〜13においては、長期間の繰り返し使用に対しても異常画像の発生が少なく、安定して高画質画像が得られる感光体およびそれを用いた画像形成装置を提供できることがわかった。
実施例1において、高精細性を阻害していた粒上の黒ドットは、実施例2に示すとおり、中間層を設けることによって改善された。
実施例3および実施例5の電荷輸送材料の変更においては、初期および耐刷試験後の電気特性および画像特性とも同等の性能が得られることを確認した。
シリカ粒子の平均1次粒子径が300nmである実施例6、PTFEの平均1次粒子径が300nmである実施例8、フィラー粒子の含有量が20重量%である実施例10では、初期電位と画像の高精細性の若干の悪化が確認され、フィラー粒子の平均1次粒子径が65nmである実施例7、フィラー粒子の含有量が1重量%である実施例9では、耐刷試験後の周方向電位むらΔVLおよび画像濃度むらが若干悪化した。
また、実施例11、12に示す感光体で用いられる電荷発生層中の光導電材料は、実施例2で用いられる特定の光導電材料と比較してやや劣ることが確認された。
実施例13で用いた電荷輸送材料は、実施例1〜12で用いられる特定の電荷輸送材料と比較してやや耐刷性が劣ることによる電位むら、画像濃度むらの悪化が確認された。
比較例1〜5においては、感度およびその耐刷試験後の安定性、あるいは画質の高精細性に明らかな劣化傾向が確認された。
比較例1では、フィラー粒子が含有されていないことにより、耐刷試験後の画像の偏磨耗による電位むらVLおよび画像濃度むらの悪化が見られた。
フィラー粒子を電荷輸送層全体に含む比較例2では、感度の悪化が著しく、またフィラー粒子を表面層に含む比較例3では、感度悪化はないもの初期画像ボケおよび耐刷試験後のクリーニングブレード欠損によるクリーニング不良スジが画像濃度むらに見られた。
フィラー粒子の平均1次粒子径が大きすぎる比較例4では、光散乱による感度の劣化および画像の高精細性の悪化が著しかった。また、フィラー粒子の平均1次粒子径が小さすぎる比較例5では、フィラー粒子を含有させる効果がみられず比較例1と同様な結果となった。
1,3 感光体
2 フィラー粒子
11 導電性基体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 電荷輸送層
15 感光層

Claims (8)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に積層され、電荷発生材料を含有する電荷発生層と、
    前記電荷発生層上に積層され、電荷輸送材料と、平均1次粒子径が0.06μm以上0.3μm以下のフィラー粒子とを含有するフィラー含有電荷輸送層と、
    前記フィラー含有電荷輸送層上に積層され、電荷輸送材料を含有し、フィラー粒子を含有しない表面側電荷輸送層と、を含むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 表面側電荷輸送層に含有される前記電荷輸送材料が、下記一般式(1)で表わされるエナミン化合物であり、
    前記表面側電荷輸送層は、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、その表面に押込み最大荷重5mNを負荷した場合の弾性仕事率ηHUが47%以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2013134374
    (式中、ArおよびArはそれぞれ、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を示す。Arは、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルキル基を示す。ArおよびArはそれぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルキル基を示す。ただし、ArおよびArが共に水素原子になることはない。ArおよびArは、原子または原子団を介して互いに結合し、環構造を形成してもよい。aは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子または水素原子を示し、mは1〜6の整数を示す。mが2以上のとき、複数のaは、同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。Rは、水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してもよいアルキル基を示す。R,RおよびRはそれぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。nは0〜3の整数を示し、nが2または3のとき、複数のRは同一でも異なってもよく、複数のRは同一でも異なってもよい。ただし、nが0のとき、Arは置換基を有してもよい複素環基を示す。)
  3. 前記フィラー粒子が、フッ素系樹脂または酸化珪素からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記フィラー粒子が、前記フィラー含有電荷輸送層の全固形分に対して1重量%以上20重量%以下含有されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記導電性基体から前記電荷発生層に電荷が注入されることを防止するための中間層が、前記導電性基体と前記電荷発生層との間に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記電荷発生材料が、X線回折スペクトルで、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)7.3°、9.4°、9.7°および27.3°に回折ピークを有し、かつ最大回折ピークが9.4°または9.7°にある結晶型のオキソチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
    帯電された前記電子写真感光体に対して、単色光を照射することで露光し、静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    転写された前記トナー像を記録媒体上に定着して、画像を形成する定着手段と、
    前記電子写真感光体に残留するトナーを除去して回収するクリーニング手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記露光手段が、単色光としてレーザ光を照射することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025912A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 三菱化学株式会社 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2015161913A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 シャープ株式会社 画像形成装置
JP2016066052A (ja) * 2014-05-29 2016-04-28 株式会社リコー 光導電体とそれを用いた画像形成方法、光導電体の製造方法および画像形成装置

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