JP2018034363A - 機能性被膜及び機能性被膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より耐久性の高い機能性被膜を提供すること。【解決手段】 撥水性透明被膜1は、ガラス基板Pの表面上に形成された、撥水機能を有する内側被膜10と、内側被膜10の表面上に形成された、撥水機能を有する外側被膜20と、を備える。また、内側被膜10の表面部分には、弾性を有するフッ素樹脂Rを含有した中間弾性層31が形成される。【選択図】 図1
Description
本発明は、機能性被膜及び機能性被膜の製造方法に関する。
機能性被膜の一種である撥水性被膜は、例えば自動車のフロントガラス等の表面上に形成される。自動車のフロントガラスの表面上に撥水性被膜を形成することにより、雨滴が除去され、或いは汚れの付着が防止される。
特許文献1は、シリカナノ微粒子等の無機酸化物微粒子により構成される表面凹凸構造を有する被膜を撥水処理することで、超撥水性を有する撥水性透明被膜を形成する技術を開示する。また、特許文献2は、基材表面に予め下地膜を形成し、この下地膜付き基材を最終製品に組付けた後に、下地膜上に機能性コーティング剤を塗布することにより機能性被膜を形成する方法を開示する。この方法によれば、最終製品の組み付け時に基材表面に下地膜のみが形成されており、この段階で下地膜の表面上には機能を発現するための被膜が形成されていない。よって、組み付け時における機能性被膜の損傷が防止される。
(発明が解決しようとする課題)
特許文献2に記載の機能性被膜は、組み付け時に下地膜上に機能を発現するための被膜が形成されていないために、組み付け時に機能性被膜が損傷することはないが、使用時に外部から衝撃が加えられた場合には、機能性被膜が損傷する虞がある。従って、特許文献2に記載の機能性被膜の耐久性は低い。
特許文献2に記載の機能性被膜は、組み付け時に下地膜上に機能を発現するための被膜が形成されていないために、組み付け時に機能性被膜が損傷することはないが、使用時に外部から衝撃が加えられた場合には、機能性被膜が損傷する虞がある。従って、特許文献2に記載の機能性被膜の耐久性は低い。
本発明は、より耐久性の高い機能性被膜及びそのような機能性被膜の製造方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、基材表面上に形成された、所定の機能を有する内側被膜(10)と、内側被膜の表面上に形成された、所定の機能を有する外側被膜(20)と、を備え、内側被膜の表面部分には、弾性を有する樹脂(R)を含有した中間弾性層(31)が形成されている、機能性被膜(1)を提供する。ここで、内側被膜の「表面部分」とは、内側被膜のうち、内側被膜の厚み方向において基材表面から遠い側の部分を意味する。
本発明は、基材表面上に形成された、所定の機能を有する内側被膜(10)と、内側被膜の表面上に形成された、所定の機能を有する外側被膜(20)と、を備え、内側被膜の表面部分には、弾性を有する樹脂(R)を含有した中間弾性層(31)が形成されている、機能性被膜(1)を提供する。ここで、内側被膜の「表面部分」とは、内側被膜のうち、内側被膜の厚み方向において基材表面から遠い側の部分を意味する。
本発明に係る機能性被膜は、少なくとも内側被膜と外側被膜とが積層された二層以上の積層構造を有する。また、内側被膜の表面部分には、弾性を有する樹脂を含む中間弾性層が形成される。この中間弾性層は、機能性被膜の厚さ方向における中間位置に形成される。従って、機能性被膜の使用時に外部から衝撃が加えられた場合に、外側被膜には大きな衝撃荷重が作用するものの、内側被膜に作用する衝撃荷重の大きさは、中間弾性層により衝撃荷重が吸収されることにより、低減される。このため上記の衝撃により外側被膜が剥離した場合であっても、外側被膜とともに内側被膜が剥離することが防止される。その結果、外側被膜の剥離部分に内側被膜が露出する。つまり、外側被膜の剥離部分が内側被膜によって補われる。これにより、機能性被膜が有する所定の機能を維持することができる。このように、本発明に係る機能性被膜は、使用時に外部から衝撃が加えられた場合においても機能を維持することができる。つまり、本発明によれば、耐久性の高い機能性被膜を提供することができる。
本発明に係る機能性被膜に備えられる外側被膜の表面部分には、弾性を有する樹脂を含有した表面弾性層(32)が形成されているとよい。ここで、外側被膜の「表面部分」とは、外側被膜のうち、外側被膜の厚み方向において内側被膜の表面から遠い側の部分を意味する。これによれば、機能性被膜の厚さ方向における中間部分のみならず、表面にも弾性層が形成される。そのため、機能性被膜の使用時に外部から衝撃が加えられた場合に、その衝撃は、まず外側被膜の表面部分に形成された表面弾性層に作用し、この表面弾性層により吸収される。斯かる表面弾性層による衝撃荷重の吸収により、機能性被膜の耐久性(耐衝撃性、耐摩耗性)をさらに向上させることができる。
本発明に係る機能性被膜が有する所定の機能は、耐衝撃性、耐摩耗性、耐熱性等、どのような機能であってもよいが、特に、所定の機能が撥水機能であるのがよい。すなわち、本発明に係る機能性被膜は、撥水性被膜であるのがよい。これによれば、本発明に係る機能性被膜(撥水性被膜)に外部から衝撃が加えられた場合においても、撥水機能を維持することができる。つまり、耐久性の高い撥水性被膜を提供することができる。この場合、本発明に係る機能性被膜は、撥水性透明被膜であるのがよい。これによれば、本発明に係る機能性被膜を自動車のフロントガラス等に被覆することによって、雨滴及び汚れの除去機能を長時間維持させることができる。
さらにこの場合において、内側被膜及び外側被膜の表面は、ともに、凹凸形状を有するとともに、撥水処理されているとよい。これによれば、撥水処理された外側被膜の表面に形成された凹凸により、撥水性能を高めることができる。また、撥水処理された内側被膜の表面に形成された凹凸により、内側被膜が表面に露出した際における撥水性能を高めることができる。なお、上記したように、内側被膜の表面部分には、中間弾性層が形成されている。従って、内側被膜の表面の凹凸形状は、中間弾性層の表面の凹凸形状とも言える。同様に、外側被膜の表面部分には、表面弾性層が形成される。従って、外側被膜の表面の凹凸形状は、表面弾性層の表面の凹凸形状とも言える。
さらにこの場合において、内側被膜及び外側被膜は、表面が撥水処理された複数のシリカナノ微粒子(S)により構成されるとよい。これによれば、複数のシリカナノ微粒子により内側被膜及び外側被膜を構成することにより、内側被膜の表面及び外側被膜の表面に、容易に、撥水能力を高めるような微細な凹凸を形成することができる。さらにこの場合、シリカナノ微粒子の大きさ(径)は、可視光波長よりも小さいとよい。具体的には、シリカナノ微粒子の径が400nm以下であるとよい。可視光波長以下の径のシリカナノ微粒子により内側被膜及び外側被膜を構成することにより、被膜に透明性を付与することができる。また、複数のシリカナノ微粒子により形成される内側被膜及び外側被膜は多孔質状であるので、内側被膜及び外側被膜の表面から弾性を有する樹脂を含有する溶液を浸透させることにより、容易に、弾性を有する樹脂を含有した弾性層(中間弾性層、表面弾性層)を、内側被膜の表面部分及び外側被膜の表面部分に形成することができる。
さらにこの場合において、中間弾性層及び表面弾性層に含有される弾性を有する樹脂は、フッ素樹脂(R)であるのがよい。これによれば、中間弾性層及び表面弾性層に含まれる弾性を有する樹脂として、シリカナノ微粒子の屈折率に近い屈折率を持つフッ素樹脂を用いることにより、被膜の透明性を維持することができる。
また、本発明は、基材表面上に、所定の機能を有する内側被膜(10)を形成する内側被膜形成工程と、内側被膜の表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した溶液を浸透させることにより、内側被膜の表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した中間弾性層(31)を形成する中間弾性層形成工程と、内側被膜の表面上に、所定の機能を有する外側被膜(20)を形成する外側被膜形成工程と、を含む、機能性被膜の製造方法を提供する。この場合、本発明に係る機能性被膜の製造方法は、上記工程に加え、外側被膜の表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した溶液を浸透させることにより、外側被膜の表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した表面弾性層(32)を形成する表面弾性層形成工程と、を含むとよい。また、所定の機能は撥水機能であるのがよい。さらに、内側被膜及び外側被膜の表面は、ともに、凹凸形状を有するとともに、撥水処理されているのがよい。さらに、内側被膜及び外側被膜は、表面が撥水処理された複数のシリカナノ微粒子(S)により構成されるとよい。さらに、弾性を有する樹脂がフッ素樹脂(R)であるのがよい。
上記した本発明に係る機能性被膜の製造方法によれば、使用時に外部から衝撃が加えられた場合においても機能を維持することができるような、耐久性の高い機能性被膜を製造することができる。また、中間弾性層形成工程にて、弾性を有する樹脂を含有した溶液を内側被膜の表面部分に浸透させて、内側被膜の表面部分に弾性を有する樹脂を含浸させることにより、容易に中間弾性層を形成することができる。また、表面弾性層形成工程にて、弾性を有する樹脂を含有した溶液を外側被膜の表面部分に浸透させて、外側被膜の表面部分に弾性を有する樹脂を含浸させることにより、容易に表面弾性層を形成することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、機能性被膜の一種である撥水性透明被膜について説明する。図1は、本実施形態に係る撥水性透明被膜の一部分の断面構造を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る撥水性透明被膜1は、ガラス基板P(基材)に形成される。
撥水性透明被膜1は、内側被膜10と外側被膜20とを有する。内側被膜10は、ガラス基板Pの表面上に形成され、外側被膜20は、内側被膜10の表面上に形成される。従って、撥水性透明被膜1は、内側被膜10と外側被膜20が積層された二層構造を有する積層体である。
内側被膜10は、主に、複数のシリカナノ微粒子Sにより構成される。同様に、外側被膜20も、主に、複数のシリカナノ微粒子Sにより構成される。各被膜を構成する複数のシリカナノ微粒子Sは、シロキサン結合により結合されている。
内側被膜10及び外側被膜20を構成する複数のシリカナノ微粒子Sの大きさは、可視光波長以下(約400nm以下)の大きさである。シリカナノ微粒子Sの大きさが可視光波長以下であることにより、被膜の透明性を確保することができる。
また、内側被膜10及び外側被膜20の厚さは、1μm以上であり且つ5μm以下であるとよい。内側被膜10及び外側被膜20の厚さが5μm以上であると、被膜を構成する複数のシリカナノ微粒子が凝集して可視光波長よりも大きな径の二次粒子を形成し、光の散乱が起こって被膜が白濁する。また、内側被膜10及び外側被膜20の厚さが1μm以下であると、被膜の耐久性が極めて低下する。従って、内側被膜10と外側被膜20が積層されてなる撥水性透明被膜1のトータルの厚さは、2μm以上且つ20μm以下、好ましくは、2μm以上且つ10μm以下であるのがよい。
内側被膜10を構成するシリカナノ微粒子S及び外側被膜20を構成するシリカナノ微粒子Sは、パーフルオロアルキル基を有する。パーフルオロアルキル基は撥水性を呈する。このため、それぞれのシリカナノ微粒子Sは撥水性を有する。
内側被膜10及び外側被膜20は、上述のように複数のシリカナノ微粒子Sにより構成されているので、それぞれの被膜の表面には、その表面に露出するシリカナノ微粒子Sが配列することにより、ナノオーダーレベルの非常に微小な凹凸が形成される。このような表面凹凸構造によるロータス効果及びその表面を構成するシリカナノ微粒子Sの撥水性によって、内側被膜10及び外側被膜20の表面は、高い撥水機能、例えば超撥水(接触角150°以上)レベルの撥水機能を有する。つまり、内側被膜10及び外側被膜20は、共に、所定の機能である撥水機能を有する。なお、本実施形態においては、内側被膜10と外側被膜20が積層されており、外側被膜20の表面が外部に露出している。このため、図1に示す状態においては、外側被膜20の表面が超撥水レベルの撥水機能を有することになる。また、上記したように各被膜を構成するシリカナノ微粒子Sの大きさが可視光波長以下であるため、各被膜は透明である。
また、内側被膜10の表面部分、すなわち、内側被膜10のうち、内側被膜10の厚み方向においてガラス基板Pの表面から遠い側の部分、言い換えれば、内側被膜10のうち、内側被膜10の厚み方向において外側被膜20に接している部分に近い側の部分に、中間弾性層31が形成される。
中間弾性層31は、内側被膜10の表面部分を構成するシリカナノ微粒子Sと、弾性を有する樹脂であるフッ素樹脂Rとにより構成される。すなわち、内側被膜10の表面部分に、フッ素樹脂Rを含有した中間弾性層31が形成される。中間弾性層31中のフッ素樹脂Rは、中間弾性層31中の複数のシリカナノ微粒子Sの表面に付着するとともに、複数のシリカナノ微粒子間の隙間に充填される。ここで、フッ素樹脂の屈折率は、シリカナノ微粒子の屈折率と空気の屈折率との中間の値である。つまり、フッ素樹脂の屈折率は、シリカナノ微粒子の屈折率に近い。従って、シリカナノ微粒子間の空隙をフッ素樹脂Rで埋めることにより、シリカナノ微粒子間を通る光の屈折率を滑らかに変化させることができる。これにより、シリカナノ微粒子の屈折率と空隙部分(空気)の屈折率との違いによる光の散乱が効果的に抑えられる。その結果、撥水性透明被膜1(内側被膜10)の透明性が確保される。
また、外側被膜20の表面部分、すなわち、外側被膜20のうち、外側被膜20の厚み方向において内側被膜10の表面から遠い側の部分、すなわち撥水性透明被膜1の最表面に近い部分に、表面弾性層32が形成される
表面弾性層32は、外側被膜20の表面部分を構成するシリカナノ微粒子Sと、弾性を有する樹脂であるフッ素樹脂Rとにより構成される。すなわち、外側被膜20の表面部分に、フッ素樹脂Rを含有した表面弾性層32が形成される。表面弾性層32中のフッ素樹脂Rは、表面弾性層32中の複数のシリカナノ微粒子Sの表面に付着するとともに、複数のシリカナノ微粒子間の隙間に充填される。上記したように、フッ素樹脂の屈折率は、シリカナノ微粒子の屈折率に近い。従って、シリカナノ微粒子間の空隙をフッ素樹脂Rで埋めることにより、シリカナノ微粒子の屈折率と空隙部分(空気)の屈折率との違いによる光の散乱が効果的に抑えられる。その結果、撥水性透明被膜1(外側被膜20)の透明性が確保される。
次に、上記構成の撥水性透明被膜1の製造方法について説明する。図2は、撥水性透明被膜1の製造工程を順に示す図である。図2に示すように、撥水性透明被膜1は、基板洗浄工程と、内側被膜形成工程と、中間弾性層形成工程と、外側被膜形成工程と、表面弾性層形成工程が、この順に実行されることにより、製造される。
(基板洗浄工程)
基板洗浄工程では、まず、ガラス基板Pを、1Nの水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)に16時間浸漬する。これによりガラス基板Pの表面が脱脂洗浄される。その後、ガラス基板Pを水酸化ナトリウム水溶液から引き上げ、ガラス基板Pを水洗する。
基板洗浄工程では、まず、ガラス基板Pを、1Nの水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬株式会社製)に16時間浸漬する。これによりガラス基板Pの表面が脱脂洗浄される。その後、ガラス基板Pを水酸化ナトリウム水溶液から引き上げ、ガラス基板Pを水洗する。
次いで、脱脂洗浄されたガラス基板Pを、4wt%のフッ化水素アンモニウム水溶液(和光純薬株式会社製)に30秒間浸漬する。これによりガラス基板Pの表面がエッチングされて、フレッシュな表面が露出する。その後、ガラス基板Pをフッ化水素アンモニウム水溶液から引き上げ、ガラス基板Pを洗浄する。以上の処理を経て、基板洗浄工程が完了する。
(内側被膜形成工程)
内側被膜形成工程では、まず、内側被膜の原料液を調製する。具体的には、IPA(イソプロピルアルコール)に15wt%のシリカナノ微粒子(粒子径:40〜100nm(動的光散乱法)を分散して形成したコロイダルシリカ(日産化学株式会社製:IPA−ST−UP)と、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS、化学式:Si(OC2H5)4、和光純薬株式会社製)と、トリエチル−1H,1H,2H,2H,ヘプタデカフルオロデシルシラン(東京化成工業株式会社製)を、10:4:1の割合で混合することにより、原料液を調製する。
内側被膜形成工程では、まず、内側被膜の原料液を調製する。具体的には、IPA(イソプロピルアルコール)に15wt%のシリカナノ微粒子(粒子径:40〜100nm(動的光散乱法)を分散して形成したコロイダルシリカ(日産化学株式会社製:IPA−ST−UP)と、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS、化学式:Si(OC2H5)4、和光純薬株式会社製)と、トリエチル−1H,1H,2H,2H,ヘプタデカフルオロデシルシラン(東京化成工業株式会社製)を、10:4:1の割合で混合することにより、原料液を調製する。
次いで、調製された原料液を、基板洗浄工程にて洗浄されたガラス基板Pの表面に滴下する。滴下した原料液をスピンコートして、ガラス基板Pの表面に原料液の被膜を形成する。次に、原料液の被膜が形成されたガラス基板Pと、ゾルゲル反応の触媒である25wt%アンモニア水(和光純薬株式会社製)とを、同一の密閉容器内に入れ、室温(25℃)で1時間保持する。これにより原料液中のTEOSのゾルゲル反応が進行する。このとき、TEOSの加水分解反応が進行してケイ素の水酸化物が生成される(反応式(1))とともに、シリカナノ微粒子に結合した水酸基とケイ素の水酸化物との重合反応が進行して、シリカナノ微粒子がシロキサン結合される(反応式(2))。こうしてシリカナノ微粒子がシロキサン結合されることにより形成される複数のシリカナノ微粒子の集合体により、内側被膜10がガラス基板Pの表面上に形成される。図3は、内側被膜形成工程にて、ガラス基板Pの表面上に形成された内側被膜10の断面を示す模式図である。図3に示すように、内側被膜10は、複数のシリカナノ微粒子Sにより多孔質状に構成される。また、内側被膜10の表面に露出したシリカナノ微粒子Sが表面上に配列することによって、内側被膜10の表面に、ナノオーダーレベルの極めて微小な凹凸が形成される。
また、上記ゾルゲル反応とともに、トリエチル−1H,1H,2H,2H,ヘプタデカフルオロデシルシランが加水分解して、パーフルオロアルキルシラノール(パーフルオロデカニルシラノール)が生成する(反応式(3))。
生成したパーフルオロアルキルシラノールとシリカナノ微粒子とが反応(縮合)して、シリカナノ微粒子の表面にパーフルオロアルキル基が結合する。図4に、パーフルオロアルキルシラノールとシリカナノ微粒子との反応(縮合)によりシリカナノ微粒子の表面にパーフルオロアルキル基が結合する様子を示す。なお、シリカナノ微粒子の表面において、隣り合うパーフルオロアルキルシラノール同士も反応(加水分解、縮合)して結合する。パーフルオロアルキル基は撥水性を有する。従って、シリカナノ微粒子にパーフルオロアルキル基が結合されることにより、シリカナノ微粒子が撥水性を有する。このようにして、撥水処理された複数のシリカナノ微粒子の集合体よりなる内側被膜10が、ガラス基板Pの表面上に形成される。なお、ガラス基板Pの表面には、基板洗浄工程にて洗浄されることにより、多数の水酸基が結合している。この水酸基とシリカナノ微粒子に結合した水酸基が反応(縮合)することにより、ガラス基板Pの表面にシリカナノ微粒子が結合する。このためガラス基板Pの表面に内側被膜10が密着する。以上の処理を経て、内側被膜形成工程が完了する。
(中間弾性層形成工程)
中間弾性層形成工程では、まず、フッ素樹脂が含まれる溶液(フッ素樹脂含有溶液)を調製する。本実施形態では、透明性の高い非晶質パーフルオロ樹脂を含む溶液である旭硝子株式会社製のサイトップ(登録商標)の原液を専用液で20倍に希釈することにより、フッ素樹脂含有溶液を調製する。
中間弾性層形成工程では、まず、フッ素樹脂が含まれる溶液(フッ素樹脂含有溶液)を調製する。本実施形態では、透明性の高い非晶質パーフルオロ樹脂を含む溶液である旭硝子株式会社製のサイトップ(登録商標)の原液を専用液で20倍に希釈することにより、フッ素樹脂含有溶液を調製する。
次いで、調製されたフッ素樹脂含有溶液を、内側被膜形成工程にてガラス基板Pの表面上に形成した内側被膜10の表面に滴下する。滴下した溶液をスピンコートにより膜状に形成し、その後、温度120度で1時間、熱処理する。これにより、フッ素樹脂含有溶液が多孔質状の内側被膜10の表面部分に浸透する。また、フッ素樹脂含有溶液中の溶媒が揮発することにより、内側被膜10の表面部分にフッ素樹脂が含浸される。このようにして、内側被膜10の表面部分に、フッ素樹脂を含有した中間弾性層31が形成される。以上の処理を経て、中間弾性層形成工程が完了する。
図5は、中間弾性層形成工程にて、表面部分に中間弾性層31が形成された内側被膜10の断面を示す模式図である。図5に示すように、中間弾性層31は、内側被膜10の表面部分を構成するシリカナノ微粒子Sと、内側被膜10の表面部分に含浸したフッ素樹脂Rとにより構成される。中間弾性層31中のフッ素樹脂Rは、中間弾性層31中の複数のシリカナノ微粒子の表面に付着するとともに、複数のシリカナノ微粒子間の空隙を埋めるようにシリカナノ微粒子間に充填される。なお、フッ素樹脂Rは、内側被膜10の表面に形成されている凹凸を埋めないように、内側被膜10の表面部分に設けられる。
(外側被膜形成工程)
外側被膜形成工程では、まず、内側被膜の原料液と同じ原料液を調製する。次いで、調製された原料液を、内側被膜10の表面(すなわち内側被膜10の表面部分に形成された中間弾性層31の表面)に滴下する。次いで、滴下した原料液をスピンコートして、内側被膜10の表面(中間弾性層31の表面)に原料液の被膜を形成する。その後、表面に原料液の被膜が形成された内側被膜10が表面に形成されたガラス基板Pと、ゾルゲル反応の触媒である25wt%アンモニア水(和光純薬株式会社製)とを、同一の密閉容器内に入れ、室温(25℃)で1時間保持する。これにより、内側被膜10の表面上(中間弾性層31の表面上)に、シリカナノ微粒子の集合体からなる外側被膜20が形成される。以上の処理を経て、外側被膜形成工程が完了する。
外側被膜形成工程では、まず、内側被膜の原料液と同じ原料液を調製する。次いで、調製された原料液を、内側被膜10の表面(すなわち内側被膜10の表面部分に形成された中間弾性層31の表面)に滴下する。次いで、滴下した原料液をスピンコートして、内側被膜10の表面(中間弾性層31の表面)に原料液の被膜を形成する。その後、表面に原料液の被膜が形成された内側被膜10が表面に形成されたガラス基板Pと、ゾルゲル反応の触媒である25wt%アンモニア水(和光純薬株式会社製)とを、同一の密閉容器内に入れ、室温(25℃)で1時間保持する。これにより、内側被膜10の表面上(中間弾性層31の表面上)に、シリカナノ微粒子の集合体からなる外側被膜20が形成される。以上の処理を経て、外側被膜形成工程が完了する。
図6は、外側被膜形成工程にて、内側被膜10の表面上(中間弾性層31の表面上)に形成された外側被膜20の断面を内側被膜10の断面とともに示す模式図である。図6に示すように、外側被膜20は、内側被膜10と同様に、複数のシリカナノ微粒子Sにより多孔質状に構成される。外側被膜20と内側被膜10(中間弾性層31)の接触界面においては、外側被膜20を構成するシリカナノ微粒子Sと内側被膜10(中間弾性層31)を構成するシリカナノ微粒子Sが部分的にシロキサン結合される。このため、外側被膜20は、所定の密着力で内側被膜10に密着する。また、外側被膜20の表面に露出したシリカナノ微粒子Sが表面上に配列することによって、外側被膜20の表面に、ナノオーダーレベルの極めて微小な凹凸が形成される。
(表面弾性層形成工程)
表面弾性層形成工程では、中間弾性層形成工程で用いたフッ素含有溶液と同一のフッ素含有溶液を、外側被膜20の表面に滴下する。次いで、滴下した溶液をスピンコートして膜状に形成し、その後、温度120度で1時間、熱処理する。これにより、フッ素樹脂含有溶液が多孔質状の外側被膜20の表面部分に浸透する。また、フッ素樹脂含有溶液中の溶媒が揮発することにより、外側被膜20の表面部分にフッ素樹脂が含浸される。このようにして、外側被膜20の表面部分に、フッ素樹脂を含有した表面弾性層32が形成される。以上の処理を経て、表面弾性層形成工程が完了する。
表面弾性層形成工程では、中間弾性層形成工程で用いたフッ素含有溶液と同一のフッ素含有溶液を、外側被膜20の表面に滴下する。次いで、滴下した溶液をスピンコートして膜状に形成し、その後、温度120度で1時間、熱処理する。これにより、フッ素樹脂含有溶液が多孔質状の外側被膜20の表面部分に浸透する。また、フッ素樹脂含有溶液中の溶媒が揮発することにより、外側被膜20の表面部分にフッ素樹脂が含浸される。このようにして、外側被膜20の表面部分に、フッ素樹脂を含有した表面弾性層32が形成される。以上の処理を経て、表面弾性層形成工程が完了する。
図7は、表面弾性層形成工程にて、表面部分に表面弾性層32が形成された外側被膜20の断面を内側被膜10の断面とともに示す模式図である。図7に示すように、表面弾性層32は、外側被膜20の表面部分を構成するシリカナノ微粒子Sと、外側被膜20の表面部分に含浸したフッ素樹脂Rとにより構成される。表面弾性層32中のフッ素樹脂Rは、表面弾性層32中の複数のシリカナノ微粒子の表面に付着するとともに、複数のシリカナノ微粒子間の空隙を埋めるように、シリカナノ微粒子間に充填される。なお、フッ素樹脂Rは、外側被膜20の表面に形成されている凹凸を埋めないように、外側被膜20の表面部分に設けられる。
以上の工程を経て、撥水性透明被膜1が製造される。製造された撥水性透明被膜1は、図1に示すように、ガラス基板Pの表面側から、内側被膜10と外側被膜20がこの順で積層されることにより構成される。また、内側被膜10の表面部分及び外側被膜20の表面部分には、フッ素樹脂Rを含有した弾性層(中間弾性層31、表面弾性層32)が形成される。
このようにして製造された撥水性透明被膜1の表面(外側被膜20の表面)には、ナノオーダーレベルの非常に微細な凹凸が形成される。また、非常に微細な凹凸を形成する各シリカナノ微粒子には、撥水性を有するフルオロアルキル基が結合している。よって、微細な凹凸によるロータス効果及びフルオロアルキル基の撥水性により、撥水性透明被膜1は、極めて高い撥水性、例えば超撥水性を呈する。
また、図1からわかるように、撥水性透明被膜1の内側被膜10の表面部分に形成された中間弾性層31は、撥水性透明被膜1の厚み方向における中間部分に位置する。つまり撥水性透明被膜1の厚み方向における中間部分には、弾性を有するフッ素樹脂Rを含有した中間弾性層31が形成されている。このため、例えば外部から撥水性透明被膜1の表面に衝撃が加えられて、撥水性透明被膜1に表面からクラックが生じたとしても、そのクラックは、図8に示すように中間弾性層31で止められる。つまり、外部からの衝撃荷重が中間弾性層31に吸収されることにより、その衝撃荷重が内側被膜10の内部に及ぼす影響を小さくすることができる。このため内側被膜10に作用する衝撃荷重の大きさを低減することができる。
また、外部からの衝撃により外側被膜20に形成されたクラックを起点として外側被膜20が剥離した場合であっても、内側被膜10にはクラックが形成されていないので、内側被膜10の剥離は防止される。この場合、図9に示すように、外側被膜20が剥離した部分の下部に位置する内側被膜10が外部に露出する。上記したように、内側被膜10の表面にもナノオーダーレベルの微細な凹凸が形成されており、且つ、微細な凹凸を形成する各シリカナノ微粒子は撥水処理されている。よって、内側被膜10が表面に露出した場合においても、露出した内側被膜10によって高い撥水性が発揮される。このように、本実施形態に係る撥水性透明被膜1によれば、外部から衝撃が加えられた場合においても機能(高い撥水性)を維持することができる。すなわち、本実施形態に係る撥水性透明被膜1は、高い耐久性(耐衝撃性)を有する。
また、撥水性透明被膜1の外側被膜20の表面部分、つまり撥水性透明被膜1の最表面部分にも、弾性を有するフッ素樹脂を含有した表面弾性層32が形成されている。このため、外部からの衝撃が撥水性透明被膜1に作用した場合に、その衝撃は、まず外側被膜の表面部分に形成された表面弾性層32に作用し、この表面弾性層32により吸収される。斯かる表面弾性層32による衝撃荷重の吸収により、撥水性透明被膜1の耐久性(耐衝撃性、耐摩耗性)がさらに向上する。
また、撥水性透明被膜1の内側被膜10及び外側被膜20は、可視光波長よりも小さい径のシリカナノ微粒子により構成される。加えて、内側被膜10の表面部分及び外側被膜20の表面部分に形成される各弾性層に含まれるフッ素樹脂の屈折率はシリカナノ微粒子の屈折率に近い。従って、撥水性透明被膜1の透明性が高い。つまり、本実施形態に係る撥水性透明被膜1は、高い撥水性、高い透明性、及び、高い耐久性を有する。従って、この撥水性透明被膜1を自動車のフロントガラス等に被覆することにより、雨滴及び汚れの除去機能を長時間維持させることができる。また、撥水性透明被膜1の表面が汚れてしまい、その汚れをふき取る際に外側被膜20が剥離しても、内側被膜10が表面に露出するために、撥水機能を維持することができる。従って、本実施形態に係る撥水性透明被膜1によれば、汚れをふき取った後においても、撥水機能を維持することができる。
(耐久性評価)
本実施形態に係る撥水性透明被膜1の耐久性(耐衝撃性)を評価した。耐久性の評価にあたり、まず、上記した基板洗浄工程、内側被膜形成工程、中間弾性層形成工程、外側被膜形成工程、表面弾性層形成工程を経て製造された本実施形態に係る撥水性透明被膜(被膜A)と、上記工程のうち基板洗浄工程、内側被膜形成工程及び中間弾性層形成工程を経て製造された撥水性透明被膜(被膜B)を用意した。被膜Aは、内側被膜と外側被膜が積層された二層構造を有し、被膜Bは、内側被膜のみが形成された単層構造を有する。
本実施形態に係る撥水性透明被膜1の耐久性(耐衝撃性)を評価した。耐久性の評価にあたり、まず、上記した基板洗浄工程、内側被膜形成工程、中間弾性層形成工程、外側被膜形成工程、表面弾性層形成工程を経て製造された本実施形態に係る撥水性透明被膜(被膜A)と、上記工程のうち基板洗浄工程、内側被膜形成工程及び中間弾性層形成工程を経て製造された撥水性透明被膜(被膜B)を用意した。被膜Aは、内側被膜と外側被膜が積層された二層構造を有し、被膜Bは、内側被膜のみが形成された単層構造を有する。
次に、用意した被膜A及び被膜Bの表面に、SiC粒子(100メッシュ径)を高さ20cmの上方位置から投下して衝突させた。この場合において、投下するSiC粒子の量(投下量)を徐々に増加させていき、その都度、衝突位置に水滴を滴下して、滴下した水滴の接触角を測定した。そして、各被膜A,Bについて、SiC粒子の投下量と接触角との関係を求めた。
図10は、SiC粒子の投下量(横軸)と接触角(縦軸)との関係を示すグラフである。図10中、グラフAが、被膜AについてのSiC投下量と接触角との関係を表し、グラフBが、被膜BについてのSiC投下量と接触角との関係を表す。図10に示すように、被膜Bにおいては、SiC投下量が30g以下であれば、130°以上の高い接触角を維持することができるが、SiC投下量が40g以上であると、接触角が125°を下回ってしまう。これに対し、被膜Aにおいては、SiC投下量が100g程度である場合であっても、接触角が130°以上である。被膜AにおいてSiC投下量が多くても接触角が高い状態が維持される理由は、SiC粒子の投下によって被膜A中の外側被膜20が剥離されても、その剥離部分に内側被膜10が露出するためであると予測される。この結果から、本実施形態に係る撥水性透明被膜1(被膜A)が高い耐久性(耐衝撃性)を有することがわかる。
(SEM観察)
次に、上記耐久性評価で用いた被膜A及び被膜Bの表面を、SEMにより観察した。この場合において、それぞれの被膜A,Bの表面にSiC粒子を投下する前に撮影したSEM画像(投下前SEM画像)、及び、280gのSiC粒子を投下した後に撮影したSEM画像(投下後SEM画像)により、SiC粒子の投下による各被膜A,Bの欠損状態を評価した。
次に、上記耐久性評価で用いた被膜A及び被膜Bの表面を、SEMにより観察した。この場合において、それぞれの被膜A,Bの表面にSiC粒子を投下する前に撮影したSEM画像(投下前SEM画像)、及び、280gのSiC粒子を投下した後に撮影したSEM画像(投下後SEM画像)により、SiC粒子の投下による各被膜A,Bの欠損状態を評価した。
図11は、SiC粒子の投下前後における被膜A,Bの表面を撮影したSEM画像である。図10(a)が、被膜Aの投下前SEM画像、図10(b)が被膜Aの投下後SEM画像、図10(c)が、被膜Bの投下前SEM画像、図10(d)が被膜Bの投下後SEM画像である。図10(b)からよくわかるように、被膜Aにおいては、SiC粒子の投下後においても、外側被膜20が部分的に残っており、且つ、外側被膜20が剥離した部分には内側被膜10が露出している。このため、膜全体としての撥水性能を維持することができる。これに対し、図10(d)に示すように、被膜Bにおいては、SiC粒子の投下によって膜全体が剥がれてしまっている。このため撥水機能が損なわれる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、本実施形態においては、機能性被膜としての撥水性透明被膜の例を説明したが、撥水性以外の所定の機能を有する被膜、例えば、耐摩耗性被膜、耐衝撃性被膜、耐熱性被膜、等に、本発明に係る機能性被膜を適用することができる。また、本実施形態においては、内側被膜10及び外側被膜20が積層された二層構造の機能性被膜について説明したが、内側被膜10と外側被膜20との間に一層又は複数層の中間被膜を介在させてもよい。また、本実施形態では、内側被膜10及び外側被膜20をシリカナノ微粒子により構成する例について説明したが、被膜を構成する成分は、被膜が有する機能に合わせて適宜選択することができる。また、上記実施形態では、中間弾性層31及び表面弾性層32をフッ素樹脂により構成する例について説明したが、これら弾性層を構成する成分は、被膜が有する機能に合わせて適宜選択することができる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…撥水性透明被膜(機能性被膜)、10…内側被膜、20…外側被膜、31…中間弾性層、32…表面弾性層、P…ガラス基板、S…シリカナノ微粒子、R…フッ素樹脂
Claims (8)
- 基材表面上に形成された、所定の機能を有する内側被膜と、
前記内側被膜の表面上に形成された、前記所定の機能を有する外側被膜と、
を備え、
前記内側被膜の表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した中間弾性層が形成されている、機能性被膜。 - 請求項1に記載の機能性被膜において、
前記外側被膜の表面部分には、弾性を有する樹脂を含有した表面弾性層が形成されている、機能性被膜。 - 請求項2に記載の機能性被膜において、
前記所定の機能が撥水機能である、機能性被膜。 - 請求項3に記載の機能性被膜において、
前記内側被膜及び前記外側被膜の表面は、ともに、凹凸形状を有するとともに、撥水処理されている、機能性被膜。 - 請求項4に記載の機能性被膜において、
前記内側被膜及び前記外側被膜は、表面が撥水処理された複数のシリカナノ微粒子により構成される、機能性被膜。 - 請求項5に記載の機能性被膜において、
前記弾性を有する樹脂がフッ素樹脂である、機能性被膜。 - 基材表面上に、所定の機能を有する内側被膜を形成する内側被膜形成工程と、
前記内側被膜の表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した溶液を浸透させることにより、前記内側被膜の前記表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した中間弾性層を形成する中間弾性層形成工程と、
前記内側被膜の表面上に、前記所定の機能を有する外側被膜を形成する外側被膜形成工程と、
を含む、機能性被膜の製造方法。 - 請求項7に記載の機能性被膜の製造方法において、
前記外側被膜の表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した溶液を浸透させることにより、前記外側被膜の前記表面部分に、弾性を有する樹脂を含有した表面弾性層を形成する表面弾性層形成工程と、
を含む、機能性被膜の製造方法。
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2016
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