JP2002287389A - 特定の結晶型のオキソチタニルフタロシアニンの製造方法およびそれを用いた有機電子写真感光体 - Google Patents

特定の結晶型のオキソチタニルフタロシアニンの製造方法およびそれを用いた有機電子写真感光体

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JP2002287389A
JP2002287389A JP2001093858A JP2001093858A JP2002287389A JP 2002287389 A JP2002287389 A JP 2002287389A JP 2001093858 A JP2001093858 A JP 2001093858A JP 2001093858 A JP2001093858 A JP 2001093858A JP 2002287389 A JP2002287389 A JP 2002287389A
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Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
Arihiko Kawahara
在彦 川原
Rikiya Matsuo
力也 松尾
Koichi Toriyama
幸一 鳥山
Yoshimi Kojima
義己 小島
Satoshi Katayama
聡 片山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光感度特性が良好で結晶型も安定な特定の結
晶型オキソチタニルフタロシアニンおよびそれを用いた
電子写真感光体を容易に作製する手段を提案することに
よって、常に安定して良質な有機電子写真感光体を安価
に提供する。 【解決手段】 X線回折スペクトルがブラッグ角(2θ
±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示し、かつ
少なくとも7.3°および9.7°に回折ピークを示す
結晶型を、シクロヘキサノンを含有する溶剤中に分散
し、9.4°または9.7°に最大回折ピークを示し、
かつ少なくとも7.3°、9.4°、9.7°および2
7.3°に回折ピークを示す結晶型に変換させたオキソ
チタニルフタロシアニンを、有機電子写真感光体の電荷
発生層に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
およびファクシミリ装置などの画像形成装置に用いられ
る有機電子写真感光体、およびそれに用いるオキソチタ
ニルフタロシアニンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体(以下、単に「感
光体」とも称す)に用いられる材料は、その開発の進歩
により、従来から用いられてきた無機系の材料から、有
機の光導電性材料(OPC)が多く使用されるようにな
っている。
【0003】無機系材料を用いた無機系感光体の代表的
なものとしては、アモルファスセレン(a−Se)、ア
モルファスセレンひ素(a−AsSe)などから成るセ
レン系の感光体、色素増感した酸化亜鉛(ZnO)、硫
化カドミウム(CdS)などを結着樹脂中に分散した感
光体、およびアモルファスシリコン(a−Si)を使用
した感光体などがある。
【0004】セレン系の感光体およびCdSを使用した
感光体は、耐熱性および保存安定性に問題があり、毒性
を有するので、その廃棄は公害をもたらす原因となる。
またZnO樹脂分散系感光体は、低感度であり、かつ耐
久性が低いという点から、現在はほとんど使用されてい
ない。また、a−Si感光体は、無公害性の無機感光体
として注目され、高感度および高耐久性などの長所を有
する。しかしa−Si感光体は、プラズマCVD(Chem
ical Vapor Deposition)法を用いる製造プロセスに起
因する画像欠陥などの欠点、および生産性の低さに起因
するコストアップという欠点を有している。このように
無機系材料には様々な欠点がある。
【0005】一方、有機系光導電性材料を用いた電子写
真感光体は、感度、耐久性および環境に対する安定性な
どに若干の問題はあるが、毒性、原価、材料設計の自由
度などにおいて無機系材料に比べて多くの利点がある。
また有機系材料は、感光層を浸漬塗布に代表される容易
かつ低原価の製造方法により形成可能である。さらに有
機系感光体は、近年、特に研究が重ねられて急激に感度
および耐久性の向上が図られてきている。
【0006】以上のことから現在では、電子写真感光体
には、特別な場合を除き有機系材料が主流を占めてきて
いる。
【0007】また近年、いわゆるアナログ機である白色
光を光源とした画像形成装置に代わり、単色光のレーザ
光を光源とし、高速化、高画質およびノンインパクト化
をメリットとしたレーザビームプリンタなどのいわゆる
デジタル機が広く普及し、その要求に耐え得る感光体の
開発が望まれている。特に小型で高信頼性の赤色半導体
レーザ光が光源として使用される場合、この光源の波長
が800nm前後と長波長であることから、該波長域に
対して高感度な特性を有する感光体が強く望まれてい
る。
【0008】従来実用化されてきた公知のビスアゾ系化
合物などは、短波長または中波長域では良好な感度を示
すが、長波長域では感度が低いため、半導体レーザを光
源とする装置での実用化は困難である。長波長域で比較
的感度の良好な有機系材料としては、スクエアリウム酸
メチン系色素、インドリン系色素、シアニン系色素、ピ
リリウム系色素などが知られているが、いずれも実用的
安定性としての繰返し特性に欠けるのが現状である。そ
の他、フタロシアニン系化合物も長波長域に良好な感度
を有することが知られており、前記色素に比べ実用安定
性が比較的良好なため、近年盛んに研究されている。
【0009】フタロシアニン類は、中心金属の有無や種
類によって感度ピークおよび物性が異なるだけでなく、
その結晶型の違いによっても物性が大きく変化すること
が知られている(澤田学:染料と薬品 第24巻、第6
号、122頁(1979))。そのため、感光体は結晶
型の検討までを含めて研究開発することが重要である。
たとえば、電子写真用感光体において、特定の結晶型が
選択されている例がいくつか報告されている。無金属フ
タロシアニンを用いた感光体(たとえば特開昭60−8
6551号公報)、アルミニウムを含有するフタロシア
ニンを用いた感光体(たとえば特開昭63−13346
2号公報)、そのほか中心金属としてチタニウム(たと
えば特開昭59−49544号公報)、インジウム、ガ
リウムなど、種々の中心金属を有するフタロシアニンを
用いた感光体が知られており、ほとんどが特定の結晶型
を選択している。
【0010】近年、それらフタロシアニン類の中でも高
感度を示すオキソチタニルフタロシアニンの研究が精力
的に行われている。オキソチタニルフタロシアニンだけ
でも、電子写真学会誌、第32巻、第3号、282頁の
記載のとおり、X線回折スペクトルの回折角の違いから
数多くの結晶型に分類されている。具体的に、特徴的な
結晶型を示すと、特開昭61−217050号公報およ
び特開昭61−239248号公報にはα型、特開昭6
2−67094号公報にはA型、特開昭63−366号
公報および特開昭63−198067号公報にはC型、
特開昭63−20365号公報、特開平2−8256号
公報および特開平1−17066号公報にはY型、特開
平3−54265号公報にはM型、特開平3−5426
4号公報にはM−α型、特開平3−128973号公報
にはI型結晶が記載されている。特開昭62−6709
4号公報には、IおよびII型結晶が記載されている。
【0011】オキソチタニルフタロシアニンの結晶にお
いて構造解析から格子定数が判っているものは、C型、
PhaseI型およびPhaseII型である。Pha
seII型は三斜晶系、PhaseI型およびC型は単
斜晶系に属する。これらの公知の結晶格子定数から、前
記公報に記載された結晶型を解析すると、A型およびI
型はPhaseI型に属し、α型およびB型はPhas
eII型に属し、M型はC型に属する。同様の解析が、
文献(J.of Imaging Science and TechnologyVol.37, N
o.6, 1993, p.605〜609)において説明されている。
【0012】しかし、これらのオキソチタニルフタロシ
アニンはまだ感度が低く、繰返し使用に対する電位安定
性が劣っており、反転現像を用いる電子写真プロセスで
は、白地部に黒斑点が発生する地カブリを起こしやすい
などの問題がある。また帯電性が劣るため、充分な画像
濃度が得難いという問題もある。
【0013】前記問題を解決する手段として、特開平1
0−237347号公報では、X線回折スペクトルにお
いてブラッグ角(2θ±0.2)9.4°または9.7
°に最大回折ピークを示し、かつ少なくとも7.3°、
9.4°、9.7°、27.3°に回折ピークを示す新
規な結晶型オキソチタニルフタロシアニン、それを用い
た電子写真感光体、およびそれを用いた画像形成方法が
提案されている。その提案された新規な結晶型オキソチ
タニルフタロシアニンおよびそれを用いた感光体は、前
述の従来の結晶型オキソチタニルフタロシアニンと比較
して、高感度かつ高品質な画像を提供することが可能で
ある。また繰返し使用に対する電位安定性に優れ、反転
現像を用いる電子写真プロセスでの地カブリなどの発生
が非常に少ない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述の新規な結晶型オ
キソチタニルフタロシアニンの結晶型は非常に不安定で
あり、その結晶型を得ることは容易ではない。折角得ら
れても、そのオキソチタニルフタロシアニン結晶を電荷
発生層用塗布液などに分散調製する際に、得られた所定
の結晶型を維持できず結晶型が変化してしまい、初期の
目的の感光体特性を得られないことがある。さらには、
調製した電荷発生層用塗布液を塗布する際に、膜厚にム
ラが生じたり、輪状の縞模様、液タレ、基体下端部の帯
状液溜まりなどの外観不良が発生することがある。また
電荷発生層用塗布液は顔料分散液であるため、分散性が
悪い場合、顔料同士の凝集などによる黒ポチ、白ポチが
発生することがある。
【0015】本発明の目的は、光感度特性が良好で結晶
型も安定な特定の結晶型オキソチタニルフタロシアニン
およびそれを用いた電子写真感光体を容易に作製する手
段を提案することによって、常に安定して良質な有機電
子写真感光体を安価に提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機電子写真
感光体の電荷発生層に用いるオキソチタニルフタロシア
ニンの製造において、X線回折スペクトルがブラッグ角
(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示
し、かつ少なくとも7.3°および9.7°に回折ピー
クを示す結晶型のオキソチタニルフタロシアニンを、シ
クロヘキサノンを含有する溶剤中に分散し、9.4°ま
たは9.7°に最大回折ピークを示し、かつ少なくとも
7.3°、9.4°、9.7°および27.3°に回折
ピークを示す結晶型のオキソチタニルフタロシアニンに
変換させることを特徴とするオキソチタニルフタロシア
ニンの製造方法である。
【0017】本発明に従えば、X線回折スペクトルがブ
ラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピー
クを示し、かつ少なくとも7.3°および9.7°に回
折ピークを示すオキソチタニルフタロシアニンから、シ
クロヘキサノンで分散することによって結晶型変換する
ことにより、長波長域での感度が著しく高くかつ高耐久
性であるブラッグ角(2θ±0.2°)9.4°または
9.7°に最大回折ピークを示し、かつ少なくとも7.
3°、9.4°、9.7°、27.3°に回折ピークを
示す結晶型オキソチタニルフタロシアニンを安定して容
易に効率よく得ることが可能となる。
【0018】また本発明は、前記オキソチタニルフタロ
シアニンが、四塩化チタンを原材料として合成されるこ
とを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、有機チタン化合物、ハロ
ゲン化チタニル化合物に代表される電子写真感光体用の
オキソチタニルフタロシアニンを作製するための原材料
の中で、四塩化チタンを用いてオキソチタニルフタロシ
アニンを合成して結晶型変換するので、その結晶型変換
後のオキソチタニルフタロシアニンを用いて、低原価
に、最も光応答性(感度)や繰返し使用による安定性に
優れた感光体を提供することが可能となる。
【0020】また本発明は、前記結晶変換後のオキソチ
タニルフタロシアニン中の塩素含有量を1.0重量%以
下に制御することを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、結晶型変換前のオキソチ
タニルフタロシアニンの合成において、合成途中での純
水や溶剤での洗浄時間、回数、硫酸処理時の比率や洗浄
回数などの処理条件を変更して、結晶型変換後のオキソ
チタニルフタロシアニンの塩素含有量を1.0重量%以
下に制御することによって、オキソチタニルフタロシア
ニンに含有される塩素量が1.0重量%を超えると、結
晶構造上の欠陥サイトを形成するおそれがあり、それが
感度不足、黒ポチや白ポチなどの画像欠陥を発生する原
因となり、さらには繰返し使用時の残留電位上昇や感度
低下を引起す要因にもなるなどの不具合を発生する可能
性を低減することができる。
【0022】また本発明は、導電性基体上の感光層に、
請求項1〜3のいずれかの製造方法によって製造された
オキソチタニルフタロシアニンを含有することを特徴と
する有機電子写真感光体である。
【0023】本発明に従えば、前記結晶型変換されたオ
キソチタニルフタロシアニンを感光層に含有することに
より、高感度にして残留電位が少なく、電位特性が安定
でかつ良質な画像特性を有する優れた有機電子写真感光
体を提供することが可能である。
【0024】また本発明は、前記感光層が少なくとも電
荷発生層と電荷輸送層とからなり、該電荷発生層は、前
記オキソチタニルフタロシアニンおよび2種以上の非ハ
ロゲン系の有機溶剤を含む電荷発生層用塗布液が塗布さ
れて形成されていることを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、非ハロゲン系有機溶剤を
使用するので、地球環境や作業者などへの悪影響のない
安全な作製方法で、特定の結晶型のオキソチタニルフタ
ロシアニンを含有した有機電子写真感光体を提供するこ
とができる。また、2種以上の非ハロゲン系有機溶剤を
使用するので、電荷発生材料の性能を充分に引出すこと
ができるとともに、溶剤同士の蒸発速度、沸点、蒸気
圧、表面張力、比重などの違いから、乾燥時に発生しや
すい塗布膜の濃淡ムラが生じることがない。
【0026】また本発明は、前記有機溶剤が、ジメトキ
シエタンとシクロヘキサノンとの混合溶剤であることを
特徴とする。
【0027】本発明に従えば、結晶型変換する際にも使
用して、電荷発生層用塗布液中で、結晶型変換後のブラ
ッグ角(2θ±0.2)9.4°または9.7°に最大
回折ピークを示し、かつ少なくとも7.3°、9.4
°、9.7°、27.3°に明瞭な回折ピークを示すオ
キソチタニルフタロシアニン結晶を安定させることがで
きるシクロヘキサノンと、ジメトキシエタンとの混合溶
剤を用いるので、蒸発速度が非常に遅いシクロヘキサノ
ン単独では塗布性が好ましくないが、種々の溶剤の中で
比較的蒸発が速くてシクロヘキサノンと混合しても塗布
性が良好で、かつ前記特定の結晶型のオキソチタニルフ
タロシアニンが最良な感光体特性を示すことができるジ
メトキシエタンとの混合によって、その塗液寿命を通じ
て常に安定かつ均一な塗布膜を提供することができる。
【0028】また本発明は、前記電荷発生層用塗布液
が、ポリジメチルシロキサン構造のレベリング剤を含有
することを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、電荷発生層用塗布液にシ
リコーンオイルを含有させることにより、塗料の表面張
力を低下させて顔料同士の分散性および下地層表面との
界面エネルギ差を少なくして濡れ性を改善することによ
って、塗布液の分散性、安定性、塗布性を向上させるこ
とができるので、膜厚ムラ、輪状の縞模様、液タレ、基
体下端部の帯状液溜まりなどの外観不良、分散性が悪い
場合の顔料同士の凝集などによる黒ポチ、白ポチが発生
することを防止することが可能である。これによって、
特に、塗布液が前記混合溶剤で構成される場合でも、混
合溶剤の組成比がずれて、塗布膜にタレや白濁/露結を
生じたり、分散性や溶解性が悪くなったり、物性の異な
る溶剤同士を混合するための塗布ムラを生じやすいなど
の不都合を回避することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて詳細に説明する。本発明の実施の一形態によるオキ
ソチタニルフタロシアニンの製造方法では、特定の結晶
型のオキソチタニルフタロシアニンを製造する。そのオ
キソチタニルフタロシアニンの基本構造は、下記一般式
(1)で示される。
【0031】
【化1】 (式中、X1〜X4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基またはアルコキシ基を表し、k,l,mおよびnは各
々0〜4の整数を表す。)
【0032】オキソチタニルフタロシアニンの合成方法
は、モーザーおよびトーマスの「フタロシアニン化合
物」(MOSER and Thomas.“Phthalocianine Compound
s”)に記載されている公知の方法など、いずれによっ
てもよい。たとえば、o−フタロジニトリルと四塩化チ
タンとを加熱融解またはα−クロロナフタレンなどの有
機溶媒の存在下で加熱する方法、1,3−ジイミノイソ
インドリンとテトラブトキシチタンとをN−メチルピロ
リドンなどの有機溶媒で加熱する方法などにより、ジク
ロロチタニウムフタロシアニンを収率よく得ることがで
きる。得られたジクロロチタニウムフタロシアニンを塩
基または水で加水分解することによって、オキソチタニ
ルフタロシアニンが得られる。
【0033】チタン化合物としては、例示した四塩化チ
タンの他、三塩化チタンおよび四臭化チタンなどのハロ
ゲン化チタニル化合物、ならびに例示したテトラブトキ
シチタンに代表される有機チタン化合物などを用いるこ
とができる。有機チタン化合物は、感光体特性に影響を
及ぼす生成物の塩素含有量をほとんどゼロに制御するこ
とが可能であるが、本発明における結晶型のオキソチタ
ニルフタロシアニンには、製造原価が比較的安価であ
り、また感光体特性である光応答性が種々の材料の中で
最もよい四塩化チタンを用いることが好ましい。
【0034】有機溶媒としては、例示したα−クロロナ
フタレンおよびN−メチルピロリドンの他、トリクロロ
ベンゼン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレ
ン、メトキシナフタレン、ジフェニルエーテル、ジフェ
ニルメタン、ジフェニルエタン、エチレングリコールジ
アルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエ
ーテル、トリエチレングリコールアルキルエーテルな
ど、反応に不活性な高沸点有機溶剤が好ましい。
【0035】前述のような反応によって生成したジクロ
ロチタニウムフタロシアニンは、濾別後、その反応に用
いた溶剤で洗浄することによって、反応時に生成した不
純物や未反応の原料を取除く。溶剤で洗浄したジクロロ
チタニウムフタロシアニンを、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどのアルコール類や、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル
類などの不活性溶剤で洗浄し、反応および洗浄に用いた
溶剤を除去する。
【0036】次いで、洗浄されたジクロロチタニウムフ
タロシアニンは、洗液のphが約5〜7になるまで繰返
し熱水で処理された後、濃硫酸に溶解される。溶解処理
されたジクロロチタニウムフタロシアニンは、再度純水
で洗浄(精製)処理して濾別され、乾燥されてオキソチ
タニルフタロシアニンが得られる。該オキソチタニルフ
タロシアニンは、本発明の実施の一形態における特定の
結晶型に変換される前のオキソチタニルフタロシアニン
である。
【0037】この結晶型変換前のオキソチタニルフタロ
シアニンの合成においては、処理条件を変更することに
よって、結晶型変換後のオキソチタニルフタロシアニン
の塩素含有量を制御することが可能である。具体的に
は、処理条件として、合成途中での純水や溶剤での洗浄
時間、回数、硫酸処理時の比率や洗浄回数などを変更す
ることによって塩素含有量を制御することができる。オ
キソチタニルフタロシアニンに含有される塩素量が1.
0重量%を超えると、結晶構造上の欠陥サイトを形成す
るおそれがある。これは、感度不足、黒ポチや白ポチな
どの画像欠陥が発生する原因となり、さらには繰返し使
用時の残留電位上昇や感度低下を引起す要因にもなる。
したがって、前記塩素含有量を1.0重量%以下に制御
することによって、前述の不具合が発生する可能性を低
減することができる。
【0038】得られた結晶型変換前のオキソチタニルフ
タロシアニンは、そのX線回折スペクトルがブラッグ角
(2θ±0.2°)27.3°に明瞭な回折ピークを示
す以外はピーク幅が幅広くなっているが、その他ブラッ
グ角7.3°、9.7°などにも回折ピークを有する。
【0039】次に、結晶型変換前のオキソチタニルフタ
ロシアニンを結晶型変換して、ブラッグ角(2θ±0.
2°)9.4°または9.7°に最大回折ピークを示
し、かつ少なくとも7.3°、9.4°、9.7°、2
7.3°に回折ピークを示すオキソチタニルフタロシア
ニンを得る。
【0040】結晶型変換の方法は、得られた結晶型変換
前のオキソチタニルフタロシアニンを、少なくともシク
ロヘキサノンを含有した溶剤中にペイントシェーカ、ボ
ールミル、ダイノーミルなどを用いて分散させることに
より行われる。種々の有機溶剤の中でもシクロヘキサノ
ンを用いて分散した場合、本発明の実施の一形態におけ
る特定の結晶型に収率よく変換することができ、かつ結
晶型を安定して保つことが可能である。溶剤は、シクロ
ヘキサノン単独またはジメトキシエタンとの混合溶剤が
好ましい。これらの溶剤を用いれば、後述の電荷発生層
用塗布液を調製する際、前記特定の結晶型を安定に、か
つ良好な塗布性を有するようにすることができる。その
際、オキソチタニルフタロシアニン1重量部に対してシ
クロヘキサノン4〜10重量部の分散割合で調合される
ことが望ましい。なお、シクロヘキサノンおよびジメト
キシエタンは、非ハロゲン系有機溶剤であるため、塩素
系有機溶剤に代表されるオゾン層破壊などの地球環境に
対する負荷が少ない。
【0041】また、結晶型変換に必要な分散を施した後
に、ブチラール樹脂と、ジメトキシエタン/シクロヘキ
サノンと、ポリジメチルシロキサン構造のシリコーンオ
イルとを所定量混合し、2次分散して本発明における特
定の結晶型を示すオキソチタニルフタロシアニンを含有
した電荷発生層用塗布液としてもよい。電荷発生層用塗
布液にシリコーンオイルを含有させることにより、塗料
の表面張力を低下させて顔料同士の分散性、および下地
層表面との界面エネルギ差を少なくして濡れ性を改善す
ることによって、塗布液の分散性、安定性、塗布性を向
上させることができる。すなわち、膜厚ムラ、輪状の縞
模様、液タレ、基体下端部の帯状液溜まりなどの外観不
良、分散性が悪い場合の顔料同士の凝集などによる黒ポ
チ、白ポチが発生することを防止することが可能であ
る。多くの検討によって、本発明においては、特にポリ
ジメチルシロキサン構造のシリコーンオイルが最も効果
的であることが判明している。
【0042】以上のようにして本発明における特定の結
晶型のオキソチタニルフタロシアニンを得ることができ
るが、前述の本実施の一形態による製造方法のみに限定
されるものではなく、いかなる製造方法により製造され
ても本発明の特定ピークを示す限り包含するものであ
る。
【0043】次に、前記特定の結晶型のオキソチタニル
フタロシアニンを用いる有機電子写真感光体について説
明する。この本発明の実施の形態による有機電子写真感
光体は、積層型感光体および単層型感光体のいずれの構
成であってもよい。なお、本発明による有機電子感光体
材料は以下に記載の内容に限定されるものではない。
【0044】まず、積層型感光体について説明する。積
層型感光体は、基体上に、電荷発生材料を含有する電荷
発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とを積層し
た感光層を有して構成される。
【0045】基体としては、導電性を有するもの、たと
えばアルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステン
レス、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、
チタン、金、白金などの金属および合金材料を用いるこ
とができる。その他、アルミニウム、アルミニウム合
金、酸化錫、金や酸化インジウムなどを蒸着または塗布
したポリエステルフィルム、紙および金属フィルム、導
電性粒子を含有したプラスチックや紙、ならびに導電性
ポリマを含有するプラスチックなどを用いることができ
る。これらの材料は、円筒状、円柱状または薄膜シート
状に加工して用いられる。特に本実施の形態における導
電性基体は、該導電性基体上に後述するように各層が浸
漬塗布法によって塗布形成されるため、円筒状であるこ
とが好ましい。
【0046】導電性基体上への感光層の形成にあたり、
導電性基体の傷および凸凹の被覆、繰返し使用時の帯電
性の劣化防止、低温/低湿環境下での帯電特性の改善な
どの理由により、導電性基体と感光層との間に下引き層
を設ける場合がある。本実施の形態では、下引き層が設
けられる。
【0047】下引き層の材料としては、従来から、ポリ
アミド、共重合ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ
ウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、カゼイン、セルロース、ゼラチンなどが知られてお
り、特にアルコール可溶性の共重合ナイロンが多く用い
られる。これらを水および各種有機溶剤、特に水、メタ
ノール、エタノール、ブタノールの単独溶剤、または各
種混合溶剤に分散し、下引き層用塗布液を調製する。各
種混合溶剤としては、水とアルコール類との混合溶剤、
2種類以上のアルコール類の混合溶剤、アセトンおよび
ジオキソランなどとアルコール類との混合溶剤、ジクロ
ロエタン、クロロホルムおよびトリクロロエタンなどの
塩素系溶剤とアルコール類との混合溶剤が挙げられる。
【0048】また下引き層用塗布液には、必要に応じ
て、特に下引き層の体積抵抗率の調節、低温/低湿環境
下での繰返しエージング特性の改善などの理由で、酸化
亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム、シリカ、
酸化アンチモンなどの無機顔料を、ボールミル、ダイノ
ーミル、超音波発振機などの分散機を用いて分散含有さ
せてもよい。下引き層中の無機顔料の割合は30〜95
重量%の範囲が好ましい。
【0049】本実施の形態において、導電性基体上に積
層される各層は、浸漬塗布法によって塗布形成される。
その浸漬塗布法は、感光材料を含有する塗布液を満たし
た塗布槽に円筒状導電性基体を浸漬した後、一定速度ま
たは任意に変化させた速度で引上げることにより、感光
体の層を形成する方法である。この浸漬塗布法は比較的
簡単で、生産性および原価の点で優れているため、電子
写真感光体を製造する場合に多く利用されている。
【0050】図1は、浸漬塗布に使用される浸漬塗布装
置の一例を示す構成図である。塗布槽4には感光体材料
を含む塗布液5が収容される。この塗布槽4内の塗布液
5中に、チャッキング装置8によって基体上端部を密閉
保持された円筒状の導電性基体1が浸漬される。浸漬に
あたってチャッキング装置8は、モータ3を備える昇降
機2によって下降され、基体1が塗布液5に漬けられ
る。充分浸漬した後、チャッキング装置8は、昇降機2
によって上昇される。昇降機2は、モータ3の回転量を
制御および確認することによって、所望の深さだけ基体
1を塗布槽4に浸漬することができる。なお、塗布槽4
が昇降して塗布する構成であってもよい。浸漬にあた
り、塗布槽4からオーバフローした塗布液は矢符13方
向へ流れて補助タンク7に回収される。補助タンク7で
は、塗布液の粘度が一定になるように粘度測定計16お
よび溶剤追加装置10によって調整され、羽根を備えた
撹拌装置12にて撹拌される。その後、塗布液は、フィ
ルタ9を介して液中の異物を濾過しながらポンプ6によ
って塗布槽4に戻され、再び塗布液5で満たされた塗布
槽4では、次の浸漬塗布が行われる。
【0051】このような浸漬塗布装置などを用いて、前
述のようにして調製した下引き層用塗布液を導電性基体
表面に塗布する。下引き層の膜厚は、乾燥後0.1〜5
μm程度になるように塗布される。
【0052】下引き層上には、電荷発生層用塗布液を浸
漬塗布することによって電荷発生層が形成される。電荷
発生層用塗布液は、光照射により電荷を発生する電荷発
生材料を主成分とし、必要に応じて公知の結着樹脂、可
塑剤、増感剤を含有する。
【0053】本実施の形態においては、電荷発生材料と
して、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ
±0.2°)9.4°または9.7°に最大回折ピーク
を示し、かつ少なくとも7.3°、9.4°、9.7
°、27.3°に明瞭な回折ピークを示すオキソチタニ
ルフタロシアニン結晶を含有する。特定の結晶型のオキ
ソチタニルフタロシアニンを含有する感光体は、高感度
かつ高品質な画像を提供することができるとともに、繰
返し使用に対する電位安定性に優れ、反転現像を用いる
電子写真プロセスでの地カブリなどの発生が非常に少な
くなる。
【0054】前記特定の結晶型のオキソチタニルフタロ
シアニンは、他の電荷発生材料と併用してもよく、当該
特定の結晶型のオキソチタニルフタロシアニンとは結晶
型において異なるフタロシアニン系顔料、アゾ顔料、ペ
リレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔
料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系
顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピ
リリウム色素などが挙げられる。当該特定の結晶型のオ
キソチタニルフタロシアニンとは結晶型において異なる
フタロシアニン系顔料としては、α型、β型、Y型、ア
モルファスのオキソチタニルフタロシアニンを含む金属
フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲン化無
金属フタロシアニンなどが挙げられる。またアゾ顔料と
しては、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、
トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オ
キサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベ
ン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチ
リルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料が挙げられる。
【0055】特に高い電荷発生能を有する顔料として、
無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシア
ニン顔料、ガリウム(クロル)フタロシアニン顔料、金
属フタロシアニンと無金属フタロシアニンとの混晶、フ
ローレン環やフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、
芳香族アミンから成るビスアゾ顔料およびトリスアゾ顔
料が挙げられ、高い感度を有する感光体を提供すること
ができる。
【0056】他の電荷発生材料との併用は、任意の光減
衰曲線に容易に調整することが可能であり、画像形成プ
ロセス設計する上で自由度が広がり優位である。
【0057】結着樹脂としては、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹
脂を溶解させる溶剤としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジオキソラン、ジメトキシエタンなど
のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒などを用
いることができる。
【0058】特に、本発明の実施の形態における電荷発
生層用塗布液は、前記特定の結晶型のオキソチタニルフ
タロシアニン結晶、結着樹脂としてのブチラール樹脂、
シリコーンオイル、および2種以上の非ハロゲン系有機
溶剤の混合溶剤で構成されるものが好ましい。混合溶剤
は、ジメトキシエタンとシクロヘキサノンとの混合溶剤
が最も好ましい。溶剤として非ハロゲン系有機溶剤を使
用するので、地球環境や作業者などへの悪影響がなく安
全に感光体を作製することができ、それを2種以上混合
して用いることにより、溶剤同士の蒸発速度、沸点、蒸
気圧、表面張力、比重などの違いから、乾燥時に発生し
やすい塗布膜の濃淡ムラが生じ難くなる。特に、電荷発
生層用塗布液中で前記特定の結晶型を安定させるには、
前述の結晶型変換に使用したシクロヘキサノンを塗布液
用溶剤として用いることが好ましいが、シクロヘキサノ
ンは蒸発速度が非常に遅く、単独では塗布性が好ましく
ない。そこで、種々の溶剤の中で比較的蒸発が速くてシ
クロヘキサノンと混合しても塗布性が良好で、かつ前記
特定の結晶型のオキソチタニルフタロシアニンが最良な
感光体特性を示すことができるジメトキシエタンと、シ
クロヘキサノンとの混合溶剤を使用すれば、塗布寿命を
通じて常に安定かつ均一な塗布膜を提供することができ
る。
【0059】前述のような混合溶剤で構成された塗布液
は、溶剤の沸点、蒸気圧、蒸発速度などの違いにより自
然蒸発時の蒸発量が異なるので、塗布液中の混合溶剤比
率を含めて組成比が変化することがある。混合溶剤の組
成比がずれた場合、塗布膜にタレや白濁、露結を生じた
り、分散性や溶解性が悪くなったりする。また、物性の
異なる溶剤同士を混合するので、特にその塗布性におい
て、塗布膜中の溶剤が蒸発する際の表面張力の変化など
によって塗布ムラを生じることがある。
【0060】したがって、前述のような混合溶剤を使用
する塗布液にシリコーンオイルを含有させることによ
り、塗料の表面張力を低下させて顔料同士の分散性、お
よび下地層表面との界面エネルギー差を少なくして濡れ
性を改善して、塗布液の分散性、安定性、塗布性を向上
させることができるので、膜厚ムラ、輪状の縞模様、液
タレ、基体下端部の帯状液溜まりなどの外観不良、分散
性が悪い場合の顔料同士の凝集などによる黒ポチ、白ポ
チが発生することを防止することが可能である。特にポ
リジメチルシロキサン構造のシリコーンオイルが最も効
果的である。
【0061】たとえば、前記特定の結晶型のオキソチタ
ニルフタロシアニンは、前述のように、シクロヘキサノ
ン単独またはシクロヘキサノンとジメトキシエタンとの
混合溶剤に分散されて、当該特定の結晶型に変換される
ので、その分散液に、ブチラール樹脂、ジメトキシエタ
ンとシクロヘキサノンとの混合溶剤、およびポリジメチ
ルシロキサン構造のシリコーンオイルを所定量混合した
2次分散を、電荷発生層用塗布液として用いることがで
きる。
【0062】電荷発生層の作成方法としては、真空蒸着
で直接電荷発生材料である化合物を成膜する方法および
結着樹脂溶液中に電荷発生材料を分散した塗布液を塗布
して成膜する方法があるが、一般に後者の方法が好まし
く、本実施の形態においては、浸漬塗布方法を採用す
る。結着樹脂溶液中への電荷発生材料の混合分散の方法
および電荷発生層用塗布液の塗布方法は、下引き層と同
様の方法が用いられる。
【0063】電荷発生層中の電荷発生材料の割合は、3
0〜90重量%の範囲が好ましい。電荷発生層の膜厚は
0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1.5μmが最
も好ましい。
【0064】電荷発生層上には電荷輸送層が設けられ
る。その電荷輸送層は、電荷発生材料が発生した電荷を
受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送材料、結
着樹脂、必要に応じて公知の可塑剤、増感剤などを含有
する。
【0065】電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、
オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1
−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、ス
チリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン
誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、ト
リフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合
物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチア
ゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質が
挙げられる。また、電子受容性物質として、フルオレノ
ン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフ
ェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピ
リジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シ
ンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラ
シアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ブロマニ
ル、クロラニル、ベンゾキノンなどが挙げられる。
【0066】電荷輸送層を構成する結着樹脂としては、
電荷輸送材料と相溶性を有するものであればよく、たと
えばポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、
ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリケト
ン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルア
ミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン
樹脂、およびそれらの共重合樹脂などが挙げられる。こ
れらを単独または2種以上混合して用いてもよい。中で
もポリスチレン、ポリカーボネート、共重合ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリエステルなどの樹脂は、
体積抵抗率が1013Ω以上あり、成膜性および電位特性
などにも優れている。
【0067】前記結着樹脂を溶解させる溶剤は、メタノ
ール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオ
キソランなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロロメ
タン、ジクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン炭化水素、
ベンゼン、クロロベンゼン、トルエンなどの芳香族類な
どを用いることができる。
【0068】電荷輸送層用塗布液は、結着樹脂溶液中へ
電荷輸送材料を溶解して調製される。電荷輸送材料の割
合は、30〜80重量%の範囲が好ましい。結着樹脂溶
液中への電荷輸送材料の混合分散の方法および電荷輸送
層用塗布液の塗布方法は、下引き層と同様の方法が用い
られる。電荷輸送層の膜厚は、10〜50μmが好まし
く、より好ましくは15〜40μmである。なお、電荷
発生層上に電荷輸送層を形成するのが通常であるが、そ
の逆も可能である。
【0069】これらの層は、前述の方法にて順次塗布形
成された後に、または各層が塗布形成されるごとに、熱
風または遠赤外線などの乾燥機を用いて乾燥され、感光
体の層形成が完了される。乾燥は40℃〜130℃で1
0分間〜2時間程度が好ましい。
【0070】また、電子写真用感光体の感光層には、1
種または2種以上の電子受容物質や色素を含有させるこ
とによって、感度の向上を図り、繰返し使用時の残留電
位の上昇や疲労などを抑えるようにしてもよい。該電子
受容物質としては、たとえば無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、無水フタル酸および4−クロルナフタル酸無水物
などの酸無水物、テトラシアノエチレンおよびテレフタ
ルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベ
ンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノンお
よび1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン
類、2,4,7−トリニトロフルオレノンおよび2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環また
は複素環ニトロ化合物が挙げられ、これらを化学増感剤
として用いることができる。
【0071】色素としては、たとえばキサンテン系色
素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン
系顔料および銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合
物が挙げられ、これらを光学増感剤として用いることが
できる。
【0072】さらに感光層には、周知の可塑剤を含有さ
せることによって、成形性、可撓性、機械的強度を向上
させるようにしてもよい。可塑剤としては、二塩基酸エ
ステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エ
ステル、塩素化パラフィン、エポキシ型可塑剤などが挙
げられる。また、感光層には、必要に応じてポリシロキ
サンなどのゆず肌防止のためのレベリング剤、耐久性向
上のためのフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化
合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合
物、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよび
それらの誘導体、アミン系化合物、有機硫黄化合物なら
びに有機燐化合物などの酸化防止剤、紫外線吸収剤など
を含有してもよい。
【0073】次に、単層型感光体について説明する。単
層型感光体は、積層型と同様の基体上に、前述の結着樹
脂中に前述の電荷発生材料を分散させた感光層や、前述
の電荷輸送材料を含む電荷輸送層中に電荷発生材料を顔
料粒子の形で分散させた感光層が挙げられる。感光層内
に分散される電荷発生材料の量は、0.5〜50重量%
が好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。感
光層の膜厚は5〜50μmが好ましく、より好ましくは
10〜40μmである。この単層型の場合にも積層型と
同様、感光層には、成膜性、可撓性、機械的強度などを
改善するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するため
の添加剤、分散安定向上のための分散補助剤、塗布性を
改善するためのレベリング剤、界面活性剤、その他の添
加剤が加えられてもよい。
【0074】単層型感光体は、オゾン発生が少ない正帯
電型画像形成装置用の感光体になる利点があり、また塗
布されるべき感光層が一層のみであるため、製造コスト
や歩留まりが積層型に比べてよい点も挙げられる。
【0075】以上のようないずれの感光体処方および層
構成においても、前記各層用塗布液は、図1に示した浸
漬塗布装置に代表される製造装置に用いられ、各層が塗
布形成されて感光体が作製される。特に該浸漬塗布装置
において、顔料分散塗布液である電荷発生層用塗布液を
用いる場合、塗布液の分散性を安定させるため、図示し
ない超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設け
てもよい。
【0076】上述の各層用塗布液に用いられる溶剤は、
その範囲に限定されるわけではないが、非ハロゲン系、
特に非塩素系の有機溶剤を使用することが、地球環境や
作業者などの安全性を考慮する上で好ましい。
【0077】また、積層型および単層型のいずれの感光
層上にも、最表面層として、従来公知のたとえば熱可塑
性あるいは熱硬化性ポリマを主体とするオーバコート層
を設けてもよい。
【0078】このようにして本発明の実施の形態による
有機電子写真感光体が得られる。その特徴は、感度波長
域の極大値が800nm付近に存在するため、長波長域
の光、特に半導体レーザおよびLED(light emitting
diode)に最適な感光波長域を有することである。ま
た、電荷発生材料として用いた特定の結晶型のオキソチ
タニルフタロシアニンは、溶剤、熱、機械的歪力に対す
る結晶安定性に優れ、きわめて結晶型が安定であるの
で、有機電子写真感光体は、感光体としての感度、帯電
能、電位安定性に優れるという特徴を有する。
【0079】次に、前記有機電子写真感光体を搭載する
画像形成装置について説明する。なお、本発明による画
像形成装置は、以下に記載の内容に限定されるものでは
ない。
【0080】図2は、本発明の実施の形態による有機電
子写真感光体21を搭載したレーザプリンタ30を示す
図である。画像形成装置であるレーザプリンタ30は、
感光体21、半導体レーザ31、回転多面鏡32、結像
レンズ34、ミラー35、コロナ帯電器36、現像器3
7、転写紙カセット38、給紙ローラ39、レジストロ
ーラ40、転写帯電器41、分離帯電器42、搬送ベル
ト43、定着器44、排紙トレイ45およびクリーナ4
6を含んで構成される。
【0081】感光体21は、図示しない駆動手段によっ
て図中の矢符47の方向に回転可能なようにして、レー
ザプリンタ30に搭載される。半導体レーザ31からの
レーザビーム33は、回転多面鏡32によって感光体2
1の表面に対してその長手方向(主走査方向)に繰返し
走査される。結像レンズ34は、f−θ特性を有し、レ
ーザビーム33をミラー35で反射させて感光体21の
表面に結像させて露光させる。感光体21を回転させ、
レーザビーム33を上述のようにして走査して結像させ
ることによって、感光体21の表面には静電潜像が形成
される。
【0082】コロナ帯電器36は、レーザビーム33の
結像点よりも感光体21の回転方向上流側に設けられ、
感光体21の表面を均一に帯電させる。現像器37は、
前記結像点よりも回転方向下流に設けられ、感光体21
にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像す
る。転写紙カセット38に収容された転写紙は、給紙ロ
ーラ39によって1枚ずつ取出され、レジストローラ4
0によって感光体21への露光と同期して、現像器37
のさらに回転方向下流側に設けられる転写帯電器41に
与えられ、トナー像が転写紙に転写される。該転写帯電
器41に近接してさらに回転方向下流側には分離帯電器
42が設けられ、該分離帯電器42はトナー像が転写さ
れた転写紙を除電して感光体21から分離する。
【0083】分離された転写紙は、搬送ベルト43によ
って定着器44に搬送されて、トナー像が転写紙に定着
される。このようにして画像が形成された転写紙は、排
紙トレイ45に定着される。なお、分離帯電器42のさ
らに回転方向下流側であって前記コロナ帯電器36の回
転方向上流側には、感光体21表面に残留するトナーを
清掃するクリーナ46が図示されない除電ランプととも
に設けられる。感光体21を回転させることによって画
像形成が繰返される。
【0084】なお、レーザプリンタ30の構成は図2に
示されるものに限らず、本発明に係る感光体が使用可能
であれば、異なる構成であってもかまわない。たとえ
ば、感光体21の外径が40mm以下の場合には、分離
帯電器42を設けなくてもかまわない。
【0085】また感光体21を、コロナ帯電器36、現
像器37およびクリーナ46のうちの少なくともいずれ
か1つと一体的に構成して、プロセスカートリッジとし
てもかまわない。たとえば、感光体21、コロナ帯電器
36、現像器37およびクリーナ46のすべてを組込ん
だプロセスカートリッジ、感光体21、コロナ放電器3
6および現像器37を組込んだプロセスカートリッジ、
感光体21とクリーナ46とを組込んだプロセスカート
リッジ、感光体21と現像器37とを組込んだプロセス
カートリッジが構成可能である。プロセスカートリッジ
を用いると、プリンタなどにおける交換が容易となる。
【0086】また、帯電器36としては、前記コロナ帯
電器のほかに、コロトロン帯電器、スコロトロン帯電
器、鋸歯帯電器およびローラ帯電器などを用いてもかま
わない。現像器37としては、接触式および非接触式の
うち少なくともいずれか一方を用いてもかまわない。ク
リーナ46としては、ブレードクリーナやブラシクリー
ナなどを用いてもかまわない。
【0087】また、図示しない除電ランプは、現像バイ
アスなどの高圧をかけるタイミングなどを工夫すること
により、設けなくてもかまわない。特にドラム径の小径
のもの、低速のローエンドプリンタなどでは、設けられ
ないものが多い。
【0088】以下に具体的な実施例をもって、本発明に
係るオキソチタニルフタロシアニンの製造方法およびそ
れを用いた有機電子写真感光体を説明する。なお、本発
明に係る感光体は、以下に記載の内容に限定されるもの
ではない。
【0089】(合成例1)o−フタロジニトリル26.
5gとα−クロロナフタレン170mlの混合物中に窒
素気流下で7.0gの四塩化チタンを滴下し、190〜
210℃の温度で4.5時間反応させた。析出したジク
ロロチタニウムフタロシアニンを濾別し、α−クロルナ
フタレンで洗浄した後、クロロホルムで洗浄し、続いて
メタノールで洗浄した。次いでアンモニア水中で還流し
て加水分解を完結させた後、水洗に続いてメタノール洗
浄して乾燥した後、オキソチタニルフタロシアニン2
1.8gを得た。
【0090】次いで、得られたオキソチタニルフタロシ
アニンを10倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の水に
あけて析出させ、濾別した後にウェットケーキを1,2
−ジクロルエタンで処理して、結晶型変換前のオキソチ
タニルフタロシアニンを得た。得られた結晶型変換前の
オキソチタニルフタロシアニンについて、以下の条件で
X線回折スペクトルを測定した。なお、後述する合成例
1および比較合成例2で得られるオキソチタニルフタロ
シアニン、ならびに比較例1で得られる感光体中のオキ
ソチタニルフタロシアニンについても、同様の条件で測
定した。
【0091】 X線源 CuKα=1.54050Å 電圧 30kV 電流 50mA スタート角度 5.0deg. ストップ角度 35.0deg. ステップ角度 0.01deg. 測定時間 1deg./min. 測定方法 θ/2θ スキャン方法
【0092】図3は、本発明の合成例1における結晶型
変換前のオキソチタニルフタロシアニン結晶のX線回折
スペクトルを示す図である。この結晶は、ブラッグ角
(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを持
ち、かつ少なくとも7.3°、9.7°にも回折ピーク
を有する結晶型である。
【0093】次いで、得られた結晶型変換前のオキソチ
タニルフタロシアニン1gとシクロヘキサノン5gを、
直径2mmのガラスビーズ30gとともにペイントシェ
ーカで1時間分散処理することにより、結晶型変換後の
オキソチタニルフタロシアニンを得た。得られた結晶型
変換後のオキソチタニルフタロシアニンについて、前記
条件でX線回折スペクトルを測定した。
【0094】図4は、本発明の合成例1による結晶型変
換後のオキソチタニルフタロシアニン結晶のX線回折ス
ペクトルを示す図である。この結晶は、ブラッグ角(2
θ±0.2°)9.4°に最大回折ピークを示し、かつ
7.3°、9.7°、27.3°に回折ピークを有する
本発明による結晶型のオキソチタニルフタロシアニンで
あることが判る。
【0095】また、得られた結晶型変換後のオキソチタ
ニルフタロシアニン中の塩素含有量を燃焼法により測定
した結果、0.04重量%であった。
【0096】(比較合成例1)o−フタロジニトリル4
0gと、四塩化チタン18gと、α−クロロナフタレン
500mlとを窒素雰囲気下200〜250℃で3時間
加熱撹拌して反応させた後、100〜130℃まで放冷
した。その後、加熱濾過し、100℃に加熱したα−ク
ロロナフタレン200mlで洗浄してジクロロチタニウ
ムフタロシアニン粗生成物を得た。
【0097】次いで、粗生成物を室温にてα−クロロナ
フタレン200mlに続いてメタノール200mlで順
次洗浄後、さらにメタノール500ml中で1時間熱懸
洗を行った。濾過して得られた粗生成物を濃硫酸100
ml中で撹拌、溶解させた後、不溶物を濾取する。その
硫酸溶液を水300ml中に注ぎ、析出した結晶を濾取
し、水500ml中でpHが6〜7になるまで熱懸洗を
繰返した。その結晶を再度濾取し、ウェットケーキをジ
クロロメタンで処理し、メタノールで洗浄した後、乾燥
してオキソチタニルフタロシアニン結晶を得た。得られ
たオキソチタニルフタロシアニン結晶は、図4と同様の
X線回折スペクトルを示し、合成例1で得られた本発明
による結晶型のオキソチタニルフタロシアニンと同じ結
晶型であった。また、得られたオキソチタニルフタロシ
アニン結晶中の塩素含有量は、検出限界以下であった。
【0098】(比較合成例2)1,3−ジイミノイソイ
ンドリン28.0gとスルホラン190mlとを混合
し、チタニウムトライソプロポキシド16.0gを加
え、窒素雰囲気下に150℃で2時間反応させた。放冷
後、析出物を濾別し、順次、クロロホルム、2%−塩酸
水溶液、水、メタノールで洗浄して乾燥した後、チタニ
ルフタロシアニン21.5gを得た。
【0099】次いで、得られたチタニルフタロシアニン
を20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の水に析出さ
せ、濾別、乾燥後にo−ジクロルベンゼンで処理して、
結晶型変換前のオキソチタニルフタロシアニンを得た。
得られた結晶型変換前のオキソチタニルフタロシアニン
について、前記条件でX線回折スペクトルを測定した。
【0100】図5は、本発明の比較合成例2における結
晶型変換前のオキソチタニルフタロシアニン結晶のX線
回折スペクトルを示す図である。この結晶は、ブラッグ
角(2θ±0.2°)9.3°、10.6°、13.2
°、15.1°、20.8°、26.3°にピークを持
つ結晶型である。
【0101】次いで、得られた結晶型変換前のオキソチ
タニルフタロシアニンについて、合成例1と同様にして
ペイントシェーカで分散して結晶型変換を行ったが、本
発明に係る結晶型のオキソチタニルフタロシアニンを得
ることはできなかった。
【0102】(比較合成例3)合成例1における合成途
中で、オキソチタニルフタロシアニン結晶の水洗回数を
減らした以外は、合成例1と全く同様にして、本発明に
係る結晶型のオキソチタニルフタロシアニンを得た。そ
のオキソチタニルフタロシアニン中の塩素含有量は1.
1重量%であった。
【0103】(比較合成例4)合成例1における結晶型
変換のための分散において、溶剤としてシクロヘキサノ
ン5gの代わりに同量のテトラヒドロフランを使用した
以外は、合成例1と全く同様に行ったが、本発明に係る
結晶型を得ることはできなかった。
【0104】(比較合成例5)1,3−ジイミノイソイ
ンドリン30.0gとα−クロロナフタレン250ml
とを混合し、テトラブトキシチタン22.0gを加えて
窒素雰囲気下140℃で2時間加熱し、続いて175℃
で4時間反応させた。自然冷却後、析出物を濾別し、α
−クロロナフタレンに続いてクロロホルムで洗浄し、さ
らに2%−塩酸水溶液で洗浄に続いて水洗し、最後にメ
タノール洗浄して乾燥した後、オキソチタニルフタロシ
アニン24.5gを得た。
【0105】次いで、得られたオキソチタニルフタロシ
アニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の水に
あけて析出させ、濾別した後にウェットケーキを1,2
−ジクロルエタンで処理して、合成例1における結晶型
変換前の結晶と同様の結晶型のオキソチタニルフタロシ
アニンを得た。
【0106】次いで、前記結晶型のオキソチタニルフタ
ロシアニンについて合成例1と同様の方法で結晶型変換
を行い、合成例1と同様に本発明の結晶型のオキソチタ
ニルフタロシアニンを得た。そのオキソチタニルフタロ
シアニン中の塩素含有量は、0.08重量%であった。
【0107】合成例1および比較合成例1〜5によるオ
キソチタニルフタロシアニンの結晶型と、後述する実施
例1および比較例1〜6の感光体について、使用したオ
キソチタニルフタロシアニンの合成方法、結晶型および
塩素含有量、電荷発生層の塗布ムラ、ならびに感光体特
性とを表1にまとめて示す。○は良好、×は不良であっ
たことを示す。
【0108】
【表1】
【0109】(実施例1および比較例1〜3)メタノー
ル56.4重量部と1,3−ジオキソラン37.6重量
部との混合溶媒(混合比率=60/40)に、ルチル型
の酸化チタン(石原産業社製:TTO−M−1)2.1
重量部と結着樹脂として共重合ナイロン樹脂(東レ社
製:CM4000)3.9重量部とを混合し、ペイント
シェーカにて8時間分散して下引き層用塗布液を調製し
た。この塗布液を円筒状導電性基体上に図1に示した浸
漬塗布装置を用いて、乾燥後膜厚が1.0μmになるよ
うに塗布し、均一な下引き層塗布膜である中間層を形成
した。
【0110】次いで、各々、合成例1、比較合成例1,
3,5の合成方法で合成したオキソチタニルフタロシア
ニン結晶1.8重量部と、ブチラール樹脂(積水化学社
製:エスレックBM−2)1.2重量部と、ポリジメチ
ルシロキサン−シリコーンオイル(信越化学社製:KF
−96)0.06重量部と、ジメトキシエタン77.6
重量部と、シクロヘキサノン19.4重量部とを混合し
(混合比率=80/20)、ボールミルで12時間分散
し、実施例1、比較例1〜3の4種の電荷発生層用塗布
液をそれぞれ調製した。
【0111】上述のようにして形成した中間層上に、下
引き層塗布と同様の浸漬塗布装置を用いて乾燥後膜厚が
0.4μmになるように、各電荷発生層用塗布液をそれ
ぞれ塗布し、表1に示すようにCG塗布ムラのない均一
な電荷発生層をそれぞれ形成することができた。
【0112】次いで、ブタジエン系電荷輸送材料(高砂
香料工業社製:1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−4,4−1,3−ブタジエン)8.4重量部
と、ポリカーボネート樹脂(出光興産株式会社製:タフ
ゼットB−300)12.6重量部と、ポリジメチルシ
ロキサン構造のシリコーン系レベリング剤(信越化学工
業社製:KF−96)0.03重量部とをテトラヒドロ
フラン79重量部に加えて45℃で加熱し、完全に溶解
させた後、自然冷却して電荷輸送層用塗布液を調製し
た。この電荷輸送層用塗布液を、図1の浸漬塗布装置を
用いて乾燥後膜厚が17μmとなるように塗布し、形成
した電荷輸送層を最後に80℃、1時間乾燥して、LB
P電子写真感光体を作製した。
【0113】作製した感光体を図2に示したような画像
形成装置に搭載して確認したところ、実施例1および比
較例1はライフを通じて良質な画像特性を示したが、比
較例2は光応答性も悪く、地カブリが発生した。また比
較例3は、地カブリなどの画像欠陥は発生せず良好であ
ったが、光応答性が若干劣っており、所定の画像濃度が
得られなかった。
【0114】また、塗布液調製後3カ月に再度同様に感
光体を作製したが、実施例1は初期と同様に安定した感
光体特性であったが、比較例1は感度が悪くなってい
た。その電荷発生層用塗布液中のオキソチタニルフタロ
シアニンの結晶型を確認した。
【0115】図6は、本発明の比較例2で調製した塗布
液の調製後3カ月のオキソチタニルフタロシアニン結晶
のX線回折スペクトルを示す図である。塗布液調製直後
の図4の回折ピークを有する結晶型とは異なり、図4の
ような本発明の結晶型から変化していることが判る。
【0116】(比較例4)電荷発生材料として合成例1
における結晶型変換前のオキソチタニルフタロシアニン
を用いた以外は、実施例1と全く同様にして感光体を作
製した。
【0117】作製した感光体を図2に示したような画像
形成装置に搭載して確認したところ、実施例1と同様に
良質な画像特性を示したが、ライフテストにおいては変
動が大きく安定した画像を得ることができなかった。
【0118】(比較例5)実施例1の電荷発生層用塗布
液において、溶剤としてジメトキシエタンとシクロヘキ
サノンとの混合溶剤の代わりにメチルエチルケトン単独
溶剤97重量部を用いて分散した以外は、実施例1と全
く同様にして感光体を作製した。
【0119】調製した塗布液中のオキソチタニルフタロ
シアニンの結晶型を確認したところ、X線回折スペクト
ルにおいて、図4のような、ブラッグ角(2θ±0.2
°)9.4°または9.7°に最大回折ピークを示し、
かつ少なくとも7.3°、9.4°、9.7°、27.
3°に明瞭な回折ピークを示すオキソチタニルフタロシ
アニン結晶ではなくなっていた。また、作製した感光体
を図2に示したような画像形成装置に搭載して確認した
ところ、光応答性も悪く、地カブリが発生した。
【0120】(比較例6)実施例1の電荷発生層用塗布
液において、ポリジメチルシロキサン−シリコーンオイ
ルを使用しなかった以外は、実施例1と全く同様にして
感光体を作製した。
【0121】電荷発生層用塗布液の塗布において、長手
方向が上下方向となる円筒状導電性基体に、上下での膜
厚ムラおよび局部的な濃淡ムラが発生し、適正な画像濃
度が得られない感光体となった。
【0122】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、X線回折
スペクトルがブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°
に最大回折ピークを示し、かつ少なくとも7.3°およ
び9.7°に回折ピークを示すオキソチタニルフタロシ
アニンから、シクロヘキサノンで分散することによって
結晶型変換することにより、長波長域での感度が著しく
高くかつ高耐久性であるブラッグ角(2θ±0.2°)
9.4°または9.7°に最大回折ピークを示し、かつ
少なくとも7.3°、9.4°、9.7°、27.3°
に回折ピークを示す結晶型オキソチタニルフタロシアニ
ンを安定して容易に効率よく得ることが可能となる。
【0123】また本発明によれば、有機チタン化合物、
ハロゲン化チタニル化合物に代表される電子写真感光体
用のオキソチタニルフタロシアニンを作製するための原
材料の中で、四塩化チタンを用いてオキソチタニルフタ
ロシアニンを合成して結晶型変換するので、その結晶型
変換後のオキソチタニルフタロシアニンを用いて、低原
価に、最も光応答性(感度)や繰返し使用による安定性
に優れた感光体を提供することが可能となる。
【0124】また本発明によれば、結晶型変換前のオキ
ソチタニルフタロシアニンの合成において、合成途中で
の純水や溶剤での洗浄時間、回数、硫酸処理時の比率や
洗浄回数などの処理条件を変更することによって、結晶
型変換後のオキソチタニルフタロシアニンの塩素含有量
を1.0重量%以下に制御することが可能である。これ
によって、オキソチタニルフタロシアニンに含有される
塩素量が1.0重量%を超えると、結晶構造上の欠陥サ
イトを形成するおそれがあり、それが感度不足、黒ポチ
や白ポチなどの画像欠陥を発生する原因となり、さらに
は繰返し使用時の残留電位上昇や感度低下を引起す要因
にもなるなどの不具合を発生する可能性を低減すること
ができる。
【0125】また本発明によれば、前記結晶型変換され
たオキソチタニルフタロシアニンを感光層に含有するこ
とにより、高感度にして残留電位が少なく、電位特性が
安定でかつ良質な画像特性を有する優れた有機電子写真
感光体を提供することが可能である。
【0126】また本発明によれば、非ハロゲン系有機溶
剤を使用するので、地球環境や作業者などへの悪影響の
ない安全な作製方法で、特定の結晶型のオキソチタニル
フタロシアニンを含有した有機電子写真感光体を提供す
ることができる。また、2種以上の非ハロゲン系有機溶
剤を使用するので、電荷発生材料の性能を充分に引出す
ことができるとともに、溶剤同士の蒸発速度、沸点、蒸
気圧、表面張力、比重などの違いから、乾燥時に発生し
やすい塗布膜の濃淡ムラが生じることがない。
【0127】また本発明によれば、結晶型変換する際に
も使用して、電荷発生層用塗布液中で、結晶型変換後の
ブラッグ角(2θ±0.2)9.4°または9.7°に
最大回折ピークを示し、かつ少なくとも7.3°、9.
4°、9.7°、27.3°に明瞭な回折ピークを示す
オキソチタニルフタロシアニン結晶を安定させることが
できるシクロヘキサノンと、ジメトキシエタンとの混合
溶剤を用いるので、蒸発速度が非常に遅いシクロヘキサ
ノン単独では塗布性が好ましくないが、種々の溶剤の中
で比較的蒸発が速くてシクロヘキサノンと混合しても塗
布性が良好で、かつ前記特定の結晶型のオキソチタニル
フタロシアニンが最良な感光体特性を示すことができる
ジメトキシエタンとの混合によって、その塗液寿命を通
じて常に安定かつ均一な塗布膜を提供することができ
る。
【0128】また本発明によれば、電荷発生層用塗布液
にシリコーンオイルを含有させることにより、塗料の表
面張力を低下させて顔料同士の分散性および下地層表面
との界面エネルギ差を少なくして濡れ性を改善すること
によって、塗布液の分散性、安定性、塗布性を向上させ
ることができるので、膜厚ムラ、輪状の縞模様、液タ
レ、基体下端部の帯状液溜まりなどの外観不良、分散性
が悪い場合の顔料同士の凝集などによる黒ポチ、白ポチ
が発生することを防止することが可能である。これによ
って、特に、塗布液が前記混合溶剤で構成される場合で
も、混合溶剤の組成比がずれて、塗布膜にタレや白濁/
露結を生じたり、分散性や溶解性が悪くなったり、物性
の異なる溶剤同士を混合するための塗布ムラを生じやす
いなどの不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浸漬塗布に使用される浸漬塗布装置の一例を示
す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態による有機電子写真感光体
21を搭載したレーザプリンタ30を示す図である。
【図3】本発明の合成例1における結晶型変換前のオキ
ソチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを
示す図である。
【図4】本発明の合成例1による結晶型変換後のオキソ
チタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを示
す図である。
【図5】本発明の比較合成例2における結晶型変換前の
オキソチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクト
ルを示す図である。
【図6】本発明の比較例2で調製した塗布液の調製後3
カ月のオキソチタニルフタロシアニン結晶のX線回折ス
ペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 円筒状導電性基体 2 昇降機 4 塗布槽 5 塗布液 7 補助タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 力也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 鳥山 幸一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 小島 義己 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 片山 聡 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 BA39 EA04 EA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機電子写真感光体の電荷発生層に用い
    るオキソチタニルフタロシアニンの製造において、 X線回折スペクトルがブラッグ角(2θ±0.2°)2
    7.3°に最大回折ピークを示し、かつ少なくとも7.
    3°および9.7°に回折ピークを示す結晶型のオキソ
    チタニルフタロシアニンを、シクロヘキサノンを含有す
    る溶剤中に分散し、9.4°または9.7°に最大回折
    ピークを示し、かつ少なくとも7.3°、9.4°、
    9.7°および27.3°に回折ピークを示す結晶型の
    オキソチタニルフタロシアニンに変換させることを特徴
    とするオキソチタニルフタロシアニンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記オキソチタニルフタロシアニンが、
    四塩化チタンを原材料として合成されることを特徴とす
    る請求項1記載のオキソチタニルフタロシアニンの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記結晶変換後のオキソチタニルフタロ
    シアニン中の塩素含有量を1.0重量%以下に制御する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のオキソチタニ
    ルフタロシアニンの製造方法。
  4. 【請求項4】 導電性基体上の感光層に、請求項1〜3
    のいずれかの製造方法によって製造されたオキソチタニ
    ルフタロシアニンを含有することを特徴とする有機電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記感光層が少なくとも電荷発生層と電
    荷輸送層とからなり、該電荷発生層は、前記オキソチタ
    ニルフタロシアニンおよび2種以上の非ハロゲン系の有
    機溶剤を含む電荷発生層用塗布液が塗布されて形成され
    ていることを特徴とする請求項4記載の有機電子写真感
    光体。
  6. 【請求項6】 前記有機溶剤が、ジメトキシエタンとシ
    クロヘキサノンとの混合溶剤であることを特徴とする請
    求項5記載の有機電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記電荷発生層用塗布液が、ポリジメチ
    ルシロキサン構造のレベリング剤を含有することを特徴
    とする請求項5または6記載の有機電子写真感光体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004102280A1 (ja) * 2003-05-16 2004-11-25 Sharp Kabushiki Kaisha 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
JP2006131897A (ja) * 2004-10-04 2006-05-25 Mitsubishi Chemicals Corp オキシチタニウムフタロシアニン組成物、電子写真感光体、および該感光体を用いた画像形成装置
WO2007049719A1 (ja) * 2005-10-26 2007-05-03 Mitsubishi Chemical Corporation 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置
JP2015114348A (ja) * 2013-12-09 2015-06-22 シャープ株式会社 電荷輸送層形成用塗布液、それを用いた電子写真感光体および画像形成装置
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