JP4869390B2 - 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
より具体的には、本発明は、特定のフェニレンジアミンを電荷輸送物質とし、特定の結晶形を有するチタニルフタロシアニンを電荷発生物質として用いる電子写真感光体とそれを備えた画像形成装置に関する。
さらに、有機系感光体は、感光層を浸漬塗布法に代表される容易かつ安価な方法で形成することができるという利点も有している。
特に、有機系感光体の性能は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の物質にそれぞれ分担させた機能分離型感光体の開発によって著しく改善されている。
このような有機系感光体の構成としては、導電性基体上に電荷発生物質を結着樹脂に分散させた電荷発生層と電荷輸送物質を結着樹脂に分散させた電荷輸送層とをこの順で、または逆順で形成した積層構造または逆二層型積層構造などの様々な構成が提案されている。
D=1.22λ/NA
(式中、λはレーザー光の波長、NAはレンズ開口数を表す)
この式から、スポット径Dはレーザー光の発振波長に比例しており、スポット径Dを小さくするには発振波長の短いレーザー光を用いればよいことが示唆される。
特許文献2:特公昭58−32372号公報
特許文献3:特開平2−190862号公報
特許文献4:特開昭54−151955号公報
特許文献5:特開昭58−198043号公報
特許文献6:特開昭54−150128号公報
特許文献7:特公昭55−42380号公報
特許文献8:特開昭55−52063号公報
特許文献9:特開平3−1155号公報
特許文献10:特開平4−291266号公報
特許文献11:特開平7−134430号公報
特許文献12:特許第2628404号公報
特許文献13:特許第3937602号公報
該電荷輸送層が、電荷輸送物質として、下記一般式(I):
該電荷輸送層が、電荷輸送物質として、下記一般式(I):
質としてX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、2.3°、16.3°、25.3°、及び28.7°に回折ピークを示す結晶系を有するチタニルフタロシアニンを電荷発生物質として含有することで、低湿度下においても高い安定性があり、且つ高感度、高解像力を有する電子写真感光体及び電子写真装置を提供することができる。
R1は、水素原子あるいは2'−、3'−、4'−、5'−もしくは6'−メチルまたはエチル基であり、R2は、水素原子あるいは2−、3−、5−もしくは6−メチルまたはエチル基であり、R3は水素原子あるいは2−、4−、5−もしくは6−メチルまたはエチル基である。
で表されるフェニレンジアミン化合物である。
ェニルまたは2'−メチル−4−ビフェニリル基であり、R1が水素原子または2'−メチル基であり、R2およびR3が水素原子であり、以下の式:
しかしながら、電子雲を広げれば、電荷輸送物質の吸収波長は、傾向的に長波長化する。本発明のフェニレンジアミン化合物は、電子雲の広がりを比較的小さく抑えているものの、実使用上十分な電荷の移動度を有している。
すなわち、本発明において、電荷発生物質と電荷輸送物質との間で特異的にマッチングが良好になったものと考えられる。
電子写真感光体1は、導電性材料からなるシート状の導電性支持体11上に、中間層18を設け、その上に電荷発生物質12を含有する電荷発生層15と、電荷輸送物質13および電荷輸送物質13を結着させるバインダ樹脂17を含有する電荷輸送層16とが、導電性支持体11から外方に向かってこの順序で積層されてなる積層構造からなる感光層14を有する積層型感光体である。
導電性支持体11を構成する導電性材料としては、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼およびチタンなどの金属材料、ならびに、表面に金属箔ラミネート、金属蒸着処理、または導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層の蒸着もしくは塗布を行ったポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどを挙げることが出来る。特に、JIS3003系、JIS5000系およびJIS6000系などのアルミニウム合金を用いるのが好ましい。
導電性支持体11の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化被膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。レーザー光を露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザー光の波長が揃っているため、入射するレーザー光と電子写真感光体内で反射された光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥が発生することがある。
導電性支持体11の表面に前述のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザー光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
本発明の積層型感光体は、導電性支持体11と感光層14との間に中間層18を有するのが好ましい。
中間層は、導電性支持体から積層型感光層への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
金属酸化物粒子は、中間層の体積抵抗値を容易に調節でき、積層型感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持できる。
なお、導電性支持体の構成材料がアルミニウムの場合には、アルマイトを含む層(アルマイト層)を形成し、中間層とすることができる。
電荷発生層15は、電荷発生物質12として、チタニルフタロシアニンを含有する。本発明に好ましく用いられる具体例としては、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、12.3°、16.3°、25.3°、及び28.7°に回折ピーク(図2参照−縦軸は回折強度、横軸は回折角)を示す結晶構造を有するチタニルフタロシアニンが挙げられる。
感光体における感度は、上記の分光透過吸収スペクトルを示す電荷発生物質の光の吸収効率に負うところが大きい。すなわち、図3に示されている上記のチタニルフタロシアニンの分光透過吸収スペクトルにおいて、波長405±20nmにおける吸光度約0.75は、従来露光光源として用いられている近赤外域(約780nm)における吸光度とほぼ同等であることが判る。
よって、本発明による感光体は、露光波長が405±20nmの光である露光手段を備えた画像形成装置において高感度かつ高安定な性能を発揮できる。
以下、この方法について説明する。
したがって、10重量%〜99重量%が好ましい。
電荷輸送層16は、電荷発生物質12で発生した電荷を受入れ輸送する能力を有する電荷輸送物質13を、バインダ樹脂17中に含有させることによって得られる。電荷輸送物質13としては、本発明の一般式(I):
で表されるフェニレンジアミン化合物が用いられる。
すなわち、一般式(III):
帯電器32、露光手段31、現像器33、転写帯電器34およびクリーナ36は、この順序で、積層型感光体1の外周面に沿って、矢符41で示される積層型感光体1の回転方向上流側から下流側に向って設けられる。
帯電器32は、積層型感光体1の外周面を均一に所定の電位に帯電させる帯電手段である。
なお、以下の製造例で調製したフェニレンジアミン化合物の確認は、以下の1H−NMR測定装置および測定条件でNMRスペクトルを測定した。
測定機器;MERCURY 300型装置(バリアン社製、300MHz)
測定溶剤;CDCl3
サンプル濃度;約4mg試料/0.4m(CDCl3)
酸化チタン(商品名:タイベークTTO−D−1、石原産業株式会社製)3重量部および市販のポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)2重量部を、メチルアルコール25重量部に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理し、中間層形成用塗工液3Kgを調製した。得られた中間層用塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体として直径30mm、長さ357mmのアルミニウム製のドラム状支持体を浸漬した後引き上げ、膜厚1μmの中間層を形成した。
o−フタロニトリル100g(0.780mol)、キノリン1Lを2Lセパラブルフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で撹拌し、四塩化チタン84.98g(0.448mol)を加えた。その後、180℃に昇温し、その温度で6時間加熱撹拌した。反応終了後、系内の温度が150℃に低下すると、熱時ろ過を行い、熱DMF(110℃)1Lで洗浄した。
得られた青色固体のX線回折スペクトルを測定したところ、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)7.5°、12.3°、16.3°、25.3°、及び28.7°にピークを有する結晶形のチタニルフタロシアニンであった(チタニルフタロシアニンA)。
実施例1における化合物2に代えて前記の化合物13を用いた以外は実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
実施例1における化合物2に代えて前記の化合物21を用いた以外は実施例1と同様にして積層型感光体を作製した。
比較例1
実施例1における化合物2に代えて、以下の式:
実施例1における化合物2に代えて、以下の式:
特開2000−105479号公報に開示されている製造例に従って得られた、結晶のX線回折スペクトルが、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に強いピークを有するチタニルフタロシアニン(チタロフタロシアニンB)を電荷発生物質として用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
特開平11−80161号公報に開示されている製造例に従って得られた、特定のチタニルフタロシアニン(チタロフタロシアニンC)を電荷発生物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
1.実施例1〜3および比較例1〜5において得られた感光体を、解像度1200dpi負帯電方式のデジタル複写機(商品名:MX−2600、シャープ株式会社製)の露光ユニット(LSU)を青色半導体レーザー(405nm)用に改造した試験用複写機にそれぞれ搭載し、画像形成工程における感光体の表面電位を測定できるようにTREC(TREC JAPAN社製、model344)を設けて、各感光体の電気特性および環境安定性を評価した。
さらに、温度25℃、相対湿度5%のN/L環境下において、所定のパターンのテスト画像(ISO 19752に規定された文字テストチャート)を記録用紙10万枚に連続して複写させた後、初期と同様にして帯電動作直後の感光体の表面電位を帯電電位V0(V)として、露光後の感光体の表面電位を残留電位VL(V)として測定した。併せて、記録用紙10万枚複写後においても画像の画質評価を行った。
評価結果を、以下の表に示す。
11 導電性支持体
12 電荷発生物質
13 電荷輸送物質(フェニレンジアミン化合物)
14 感光層
15 電荷発生層
16 電荷輸送層
17 バインダ樹脂
18 中間層
32 帯電手段(コロナ帯電器)
33 現像手段(現像器)
33a 現像ローラ
33b ケーシング
34 転写手段(転写帯電器)
35 定着手段(定着器)
35b 加圧ローラ
36 クリーニング手段(クリーナ)
36a クリーニングブレード
36b 回収用ケーシング
37 分離手段
38 ハウジング(ケーシング)
41 矢符
44 回転軸線
51 転写紙
100 画像形成装置(レーザープリンター)
150 表面保護層
Claims (4)
- 前記導電性支持体と前記感光層との間に中間層を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1または2に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体に対して波長が405±20nmの光源を露光手段とし、露光によって形成される静電潜像を現像する現像手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
- 前記露光手段が青紫色半導体レーザーであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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