JP5266693B2 - ガリウムフタロシアニン結晶及びその製造方法、感光体、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置 - Google Patents

ガリウムフタロシアニン結晶及びその製造方法、感光体、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガリウムフタロシアニン結晶及びその製造方法、感光体、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置に関する。
複写機、プリンター、デジタル複合機等の画像形成装置に使用される感光体としては、電荷発生材料として有機光導電性材料を使用したものが現在の主流となっている。有機光導電性材料を使用した感光体は、環境汚染対策の点で有効であり、また、高生産性及び低コスト等の利点を有する。
電荷発生材料であるフタロシアニン顔料は、各種合成法に従って合成されるフタロシアニン顔料前駆体の粗結晶に対して、粉砕処理、アシッドペースティング処理、溶剤処理、熱処理等の処理を行うことにより得ることができる。
例えば、特許文献1には、非晶質又は準非晶質チタニルフタロシアニンを、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、又はアルコール系溶媒若しくは芳香族系溶媒と水との混合溶媒で処理することを特徴とするX線回折図において、ブラック角度(2θ±0.2°)の少なくとも27.3°に回折ピークを示すチタニルフタロシアニン結晶の製造方法が開示されている。
また、クロロガリウムフタロシアニン顔料に関しては、その結晶型と電子写真特性についての報告がなされており、例えば、特許文献2には、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくとも7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体が記載されている。
また、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に関しては、その結晶型と電子写真特性との関係について多くの報告がなされており、例えば、特許文献3及び4には、CuKα特性X線を用いたX線回折パターンにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びそれを用いた電子写真感光体が報告されている。
特開平3−269061号公報 特開平5−98181号公報 特開平5−263007号公報 特開平7−53892号公報
本発明の目的は、粒径が小さく、粒度分布が狭いガリウムフタロシアニン結晶を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、下記<1>又は<4>乃至<6>によって解決された。好ましい実施態様である<2>及び<3>とともに以下に示す。
<1> 分光吸収スペクトルの極大ピークが760nm以上773nm以下の波長範囲、もしくは790nm以上809nm以下の波長範囲にあることを特徴とするガリウムフタロシアニン結晶、
<2> 分光吸収スペクトルの極大ピークが760nm以上773nm以下の波長範囲にあるII型クロロガリウムフタロシアニン結晶である上記<1>に記載のガリウムフタロシアニン結晶、
<3> 分光吸収スペクトルの極大ピークが780nm以上809nm以下の波長範囲にあるV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である上記<1>に記載のガリウムフタロシアニン結晶、
<4> 上記<1>から<3>のいずれか1項に記載のガリウムフタロシアニン結晶を含有する機能層を有する感光体、
<5> 上記<4>に記載の感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記感光体表面に潜像を形成させる潜像形成手段と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記感光体表面をクリーニングするクリーニング手段と、から選ばれる少なくとも1種と、を有するプロセスカートリッジ、
<6> 上記<4>に記載の感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記感光体表面に潜像を形成させる潜像形成手段と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を被転写媒体に転写させる転写手段と、前記トナー像を被記録媒体に定着させる定着手段と、を有する画像形成装置、
<7> ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒に溶解させて溶液を作製する溶液作製工程と、マイクロリアクター内において、前記溶液に前記ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒を混合し、前記ガリウムフタロシアニン化合物の結晶を得る結晶形成工程と、を含むことを特徴とするガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
前記<1>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べ、ガリウムフタロシアニン結晶の粒径を小さく、粒度分布を狭くすることができる。
前記<2>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べ、II型クロロガリウムフタロシアニン結晶の粒径を小さく、粒度分布を狭くすることができる。
前記<3>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べ、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粒径を小さく、粒度分布を狭くすることができる。
前記<4>に記載の発明によれば、電荷発生材料を考慮しない場合に比べ、初期及び経時での電気特性の変化を少なくすることができる。
前記<5>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べ、画像形成時において、トナーの飛び散りが抑制され、細線を良好に再現することができる。
前記<6>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べ、トナーの飛び散りが抑制され、細線を良好に再現することができる。
前記<7>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べ、粒径が小さく、粒度分布が狭いガリウムフタロシアニン結晶を得ることができ、また、結晶型の制御性に優れる。
本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶は、分光吸収スペクトルの極大ピークが760nm以上773nm以下の波長範囲、もしくは790nm以上809nm以下の波長範囲にあることを特徴とする。
また、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法は、ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒に溶解させて溶液を作製する溶液作製工程と、マイクロ流路内において、前記溶液に前記ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒を混合し、前記ガリウムフタロシアニン化合物の結晶を得る結晶形成工程と、を含むことを特徴とする。
以下、図面も参照しつつ、本実施形態を詳細に説明する。
(ガリウムフタロシアニン結晶)
本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶は、分光吸収スペクトルの極大ピークが760nm以上773nm以下の波長範囲、もしくは790nm以上809nm以下の波長範囲にあることを特徴とする。
本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶は、電荷発生材料として好適である。
本実施形態におけるガリウムフタロシアニン結晶の分光吸収スペクトルの測定は、公知の方法で行うことができるが、具体的には、室温下(25℃)でアセトン1mLにガリウムフタロシアニン結晶1mgを超音波分散させて調製した測定液を日立製作所社製のU−2000型分光光度計を用いて測定する方法が好ましく例示できる。
また、分光吸収スペクトルの測定を行う波長範囲は、所定の波長範囲に極大ピークがあるかどうかが測定可能な範囲であればよいが、600nm以上900nm以下の範囲であることが好ましい。前記所定の波長範囲の範囲とは760nm以上773nm以下の波長範囲、もしくは790nm以上809nm以下の波長範囲のことであり、具体的には、II型クロロガリウムフタロシアニン結晶の場合は、760nm以上773nm以下の範囲のことであり、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の場合は、790nm以上809nm以下の範囲のことである。
また、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶は、上記波長範囲にあるピークが、600nm以上900nm以下の範囲において、1番目又は2番目に大きいピークであることが好ましく、2番目に大きいピークであることがより好ましい。
本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の粒径(メジアン径(中心径))は、10nm以上300nm以下であることが好ましく、15nm以上250nm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶のGSDvは、1.0以上3.0以下であることが好ましく、1.0以上2.5以下であることがより好ましい。
なお、体積平均粒度分布GSDvは、測定される粒度分布を分割された粒度範囲(チャネル)に対して、小粒子径から累積分布を描き、体積累積16%となる粒径を体積D16V、体積累積84%となる粒径を体積D84Vとし、D84V/D16Vより求められる値である。
(II型クロロガリウムフタロシアニン結晶)
本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶は、分光吸収スペクトルの極大ピークが760nm以上773nm以下の波長範囲にあることを特徴とする。
本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶は、電荷発生材料として好適である。
本実施形態におけるII型クロロガリウムフタロシアニン結晶の分光吸収スペクトルの測定は、前述したガリウムフタロシアニン結晶の分光吸収スペクトルの測定について記載した通りである。
また、本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶は、極大ピークが760nm以上773nm以下の波長範囲にあるピークが、600nm以上900nm以下の範囲において、1番目又は2番目に大きいピークであることが好ましく、2番目に大きいピークであることがより好ましい。
クロロガリウムフタロシアニン結晶の結晶型がII型であることは、CuKα特性X線を用いて測定するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくとも7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有することで確認できる。
本実施形態におけるII型クロロガリウムフタロシアニン結晶の原料としては、I型クロロガリウムフタロシアニンが例示できる。
本実施形態に用いることができるI型クロロガリウムフタロシアニンは、特に制限はなく、公知の方法を用いて合成すればよいが、例えば、1,3−ジイミノイソインドリンを三塩化ガリウムと有機溶剤中で加熱縮合させるジイミノイソインドリン法等公知の方法によって合成することができる。
上記の方法により合成されたI型クロロガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の27.1°に回折ピークを有している。
本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶は、後述するガリウムフタロシアニン結晶の製造方法により好適に製造することができる。
本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶の粒径(メジアン径(中心径))は、10nm以上300nm以下であることが好ましく、15nm以上250nm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶のGSDvは、1.0以上3.0以下であることが好ましく、1.0以上2.5以下であることがより好ましい。
(V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶)
本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、分光吸収スペクトルの極大ピークが790nm以上809nm以下の波長範囲にあることを特徴とする。
また、本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、分光吸収スペクトルの極大ピークが790nm以上805nm以下の波長範囲にあることが好ましい。
本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、電荷発生材料として好適である。
本実施形態におけるV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の分光吸収スペクトルの測定方法は、前述したガリウムフタロシアニン結晶類の分光吸収スペクトルの測定について記載した通りである。
また、本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、極大ピークが790nm以上809nm以下の波長範囲にあるピークが、600nm以上900nm以下の範囲において、1番目又は2番目に大きいピークであることが好ましく、2番目に大きいピークであることがより好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の結晶型がV型であることは、CuKα特性X線を用いて測定するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に回折ピークを有することで確認できる。
本実施形態におけるV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の原料としては、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニンが例示できる。
本実施形態に用いることができるI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、特に制限はなく、公知の方法を用いて合成すればよいが、例えば、o−フタロジニトリル又は1,3−ジイミノイソインドリンと、三塩化ガリウムとを所定の溶媒中で反応させる方法(I型クロロガリウムフタロシアニン法);o−フタロジニトリル、アルコキシガリウム及びエチレングリコールを所定の溶媒中で加熱し反応させてフタロシアニン二量体(フタロシアニン・ダイマー)を合成する方法(フタロシアニン・ダイマー法)等により粗ガリウムフタロシアニンを製造し、この粗ガリウムフタロシアニンを、アシッドペースティング処理を行うことによって微粒子化するとともに、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニンに変換する方法等が例示できる。
ここで、アシッドペースティング処理とは、具体的には、粗ガリウムフタロシアニンを硫酸などの酸に溶解させたものあるいは硫酸塩などの酸塩としたものを、アルカリ水溶液、水又は氷水中に注ぎ、再結晶させることをいう。
前記アシッドペースティング処理に用いる酸としては、硫酸が好ましく、中でも、濃度70〜100%(特に好ましくは95〜100%)の硫酸がより好ましい。
上記の方法により合成されたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の6.8〜7.4°、13.2〜14.2°、16.2〜16.6°、及び、26.5〜27.5°に回折ピークを有している。また、分光吸収スペクトルの615〜635nm及び850〜890nmに吸収ピークを有している。
本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、後述する本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法により好適に製造することができる。
本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粒径(メジアン径(中心径))は、10nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上250nm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のGSDvは、1.0以上2.8以下であることが好ましく、1.0以上2.4以下であることがより好ましい。
(ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法)
本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法は、ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒に溶解させて溶液を作製する溶液作製工程と、マイクロリアクター内において、前記溶液に前記ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒を混合し、前記ガリウムフタロシアニン化合物の結晶を得る結晶形成工程と、を含むことを特徴とする。
本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法は、前記構成であることにより、粒径が小さく、粒度分布が狭い結晶を得ることができ、また、結晶型の制御性に優れる。
また、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法により、本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶、又は、本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が製造されることが好ましい。
<溶液作成工程>
本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法における溶液作製工程は、ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒に溶解させて溶液を作製する工程である。
前記溶液作成工程により得られる溶液は、ガリウムフタロシアニン化合物を良く溶解していることが好ましい。良く溶解していることにより、結晶型の純度が高いガリウムフタロシアニン化合物の結晶を得ることができる。
前記溶液作成工程に使用することができるガリウムフタロシアニン化合物は、特に制限はなく、所望のガリウムフタロシアニン化合物を使用すればよい。例えば、本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶を製造する場合では、合成又は入手の容易性から、I型クロロガリウムフタロシアニンであることが好ましく、本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を製造する場合では、合成又は入手の容易性から、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニンであることが好ましい。
前記良溶媒とは、ガリウムフタロシアニン化合物の良溶媒であり、ガリウムフタロシアニン化合物に対して溶解度の高い溶媒のことを指す。また、後述するガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒とは、ガリウムフタロシアニン化合物に対して溶解度の低い溶媒又はガリウムフタロシアニン化合物を溶解しない溶媒のことを指す。
ガリウムフタロシアニン化合物の良溶媒として具体的には、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の誘電率30以上の非プロトン性の極性溶媒が好ましい。
また、前記良溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ガリウムフタロシアニン化合物と良溶媒との混合割合は、ガリウムフタロシアニン化合物1重量部に対して、良溶媒20〜10,000重量部であることが好ましく、30〜5,000重量部であることがより好ましい。上記範囲であると、ガリウムフタロシアニン化合物の溶解量が大きく、また、生産性に優れる。
前記溶液の液粘度は、250mPa・s以下であることが好ましい。また、前記溶液は溶解後、不溶物を除去するために濾過又は遠心分離処理することが好ましい。
前記溶液作成工程における溶液の作製には、公知の混合装置や公知の撹拌装置を好適に用いることができる。
また、前記溶液作成工程における溶液の作製において、ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒と混合した後、フィルターや濾紙等の公知の濾過手段や公知の遠心分離装置を用いて、不溶分や不純物を除去することが好ましい。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン製メンブレンフィルター等が例示できる。フィルターや濾紙の孔径としては、0.10μm以上0.50μm以下であることが好ましい。
また、ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒と混合時に、加熱を行うことも好ましい。さらに、必要に応じて、溶液を加熱したまま結晶形成工程におけるマイクロリアクターに導入してもよい。また、その際マイクロリアクター中においても液温が維持されるようにすることが好ましい。
また、前記溶液作成工程に使用することができるガリウムフタロシアニン化合物は、マイクロリアクターを用いて作製することが好ましい。前記マイクロリアクターは、結晶形成工程において後述するマイクロリアクターを好適に用いることができる。
従来、顔料及び顔料分散液の製造過程では、乾燥工程と分散(若しくは粉砕)工程とを繰り返し行っている。しかし、マイクロリアクターを用いて行う場合、上記工程を繰り返すことがない。
例えば、アシッドペースティングを用いた造粒工程でマイクロリアクターを用い、発生した副反応生成物である硫酸アンモニウム等の塩を洗浄、除去するために、イオン交換膜又はフィルターを設けたマイクロミキサーを通過させると、非常に効率的に純度の高いガリウムフタロシアニン化合物が作製される。
さらに、顔料濃度をあげて結晶形成工程を連続して行うために、溶媒置換をマイクロリアクターを用いて実施することが好ましい。
結晶形成工程終了後には、別溶剤を用いて溶剤置換と洗浄を同時に行うことも好ましく、この洗浄をマイクロリアクターを用いることがより好ましい。
また、洗浄後、乾燥工程を行わず、感光体作製用のための塗布液作製用溶媒へ溶剤置換を行い、さらに樹脂を溶解した溶液と混合し、所定の顔料濃度に調整することもでき、この溶剤置換をマイクロリアクターを用いることがより好ましい。
この一連の工程をマイクロリアクターを用いて連続して行うことにより、顔料の乾燥工程での凝集が抑制され、粒度分布が小さく粒径が小さい分散液となる。
また、顔料の洗浄工程において、流路の半分がイオン交換膜、又は、マイクロポアを有するフィルターを具備するマイクロ流路を通す場合、顔料は流路の外側を流れ、不純物を含む液体は内側のイオン交換膜又はフィルターから系外に排出されることにより、洗浄効率が向上し、イオン交換膜の劣化又はフィルターの目詰まりが軽減する。
ガリウムフタロシアニン化合物粒子の生産において、顔料を硫酸等の溶媒に溶解した後に、水又はアルカリ性水溶液中に投入し粒子を造粒する造粒過程(アシッドペースティング)にスタティックミキサを用いると効率良く粒子を形成することができる。
具体的には、円筒状流路に1枚もしくは複数枚のらせん状にねじれた板を配置することが好ましく例示できる。さらに、前記らせん状にねじれた板を配置し、途中でそのねじれ方向を反転させることにより、顔料硫酸溶液と水又はアルカリ性水溶液とは一度回転され、その後逆回転させることが好ましい。上記の態様であると、撹拌混合の作用が大きくなる。
らせん状に配置された板の数は、1枚以上8枚以下であることが好ましく、2枚以上4枚以下であることがより好ましい。らせん状の板における突起方向の長さは、回転力を十分生じさせ、適度な混合を行うことができる点から、円筒状流路の半径の30%以上90%以下であることが好ましく、50%以上80%以下であることがより好ましい。らせんのピッチは、特に規定されるものではなく目的に応じて変更される。
(結晶形成工程)
本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法における結晶形成工程は、マイクロリアクター内において、前記溶液に前記ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒を混合し、前記ガリウムフタロシアニン化合物の結晶を得る工程である。
前記ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒とは、ガリウムフタロシアニン化合物に対して溶解度の低い溶媒又はガリウムフタロシアニン化合物を溶解しない溶媒である。
ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒として具体的には、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の無極性溶媒のほか、水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを好ましく例示できる。これらの中でも、水であることがより好ましい。また、前記水としては、イオン交換水であることが特に好ましい。
また、前記貧溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記結晶形成工程では、前記溶液作製工程において得られた溶液と前記貧溶媒とを、マイクロリアクター中において混合し、前記フタロシアニン化合物の結晶を得る。
本実施形態におけるマイクロリアクターとは、化学反応を行うために使用される小型の3次元構造体である。マイクロリアクターはマイクロチャンネルリアクターと呼ばれたり、混合を目的とするものについてはマイクロミキサーと呼ばれることもある。
このような反応装置は、近年注目を集めつつあるものであり、例えば、“Microreactors New Technology for Modern Chemistry”(Wolfgang Ehrfeld、Volker Hessel、Holger Loewe著、WILEY−VCH社 2000年発行)等に詳細に記載されている。
前記結晶形成工程において、例えば、以下に示すマイクロリアクターを好適に使用することができる。
図1は、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に好適に使用されるマイクロリアクターを有する装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す装置10は、2つのタンク12,16、マイクロリアクター20、送液ポンプP1,P2、容器24、及び、これらを連結する流路からなる。
タンク12には、第1の流体14として、ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒に溶解した溶液が入っており、また、タンク16には、第2の流体18として、前記ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒が入っている。
タンク12内の第1の流体14及びタンク16内の第2の流体18は、それぞれ送液ポンプP1、P2により流路L1、L2に押し出され、マイクロリアクター20に送液され、流路L3において合流する。流路L3内において、ガリウムフタロシアニン化合物の結晶化が進行し、ガリウムフタロシアニンの結晶を含む混合液22が得られる。前記混合液22は、容器24に回収される。
マイクロリアクター20は、ヒーター26が設置されており、温度制御装置28により、その温度は調節されている。また、ヒーターとしては、金属抵抗やポリシリコン等が用いられ、ヒーター26を装置内に作りこんでもよい。ヒーター26は、必要に応じ、他の加熱装置であってもよく、また、冷却装置又は温度調整装置であってもよい。また、温度制御のために、装置10全体又はマイクロリアクター20全体を温度制御された容器中にいれてもよい。
マイクロリアクター20の流路(チャンネル)L1、L2、L3はマイクロスケールである。
このようなマイクロリアクター20は、固体基板上に微細加工技術により好適に作製することができる。
前記微細加工技術としては、特に制限はないが、例えば、X線を用いたLIGA技術、フォトリソグラフィー法によりレジスト部を構造体として使用する方法、さらに、レジスト開口部をエッチング処理する方法、マイクロ放電加工法、レーザー加工法、ダイヤモンドのような硬い材料で作られたマイクロ工具を用いる機械的マイクロ切削加工法等が挙げられる。これらの技術は単独で用いてもよく、また、組み合わせで使用してもよい。
マイクロリアクター20におけるL1とL2との合流点での第1の流体14の温度は、30℃以上であることが好ましく、35℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることがさらに好ましい。また、L1とL2との合流点での第2の流体18の温度は、30℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましい。また、マイクロリアクター20におけるL3での流体の温度も好ましい温度範囲も上記第2の流体と同様である。
なお、各流体の温度は、溶液が凝固しない温度に調節される。
図2は、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に好適に使用される二重管型マイクロリアクターを有する装置の一例を示す概略構成図である。
図3は、図2において使用した二重管型マイクロリアクターの拡大模式図である。
図2に示す装置40は、2つのタンク42,54、二重管型マイクロリアクター60、送液ポンプP3,P4、容器70、及び、これらを連結する流路からなる。
温度制御用ジャケット44を備えたタンク42には、第1の流体46として、ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒に溶解した溶液が入っており、また、温度制御用ジャケット58を備えたタンク54には、第2の流体58として、前記ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒が入っている。さらに、タンク42には、回転駆動機構48と回転軸50と回転軸50に取り付けられた複数の撹拌羽52とからなる撹拌手段を有している。前記のような撹拌手段は、必要に応じ、各タンクに備えることができる。
タンク42内の第1の流体46及びタンク54内の第2の流体58は、それぞれ送液ポンプP3、P4により流路L4、L5に押し出され、マイクロリアクター60に送液される。流路L4、L5から送液された第1の流体46、第2の流体58は、連結部62を経由し、流路L6、L7にそれぞれ送液される。第1の流路形成部材64は、流路L6を形成し、その外周に第2の流路形成部材66は、ドーナツ型の断面形状である流路L7を形成している。流路L6を送液される第1の流体46と、流路L7を送液される第2の流体58とは、流路L6の端部74より下流であり、断面が円形である流路L8において合流する。流路L8内において、ガリウムフタロシアニン化合物の結晶化が進行し、ガリウムフタロシアニンの結晶を含む混合液68が得られる。前記混合液68は、排出速度調整用バルブ72を通過し、容器70に回収される。
二重管型マイクロリアクターからの流出速度は、重力の影響で設定速度以上に上昇し、流路内の層流形成が困難になってしまう場合があるため、図2のように二重管型マイクロリアクター60の流路L8の端部78に排出速度調整用バルブ72を取り付け、層流形成することができる。排出速度調整用バルブ72を設けることにより、流速を上げても層流を形成することが容易になり、高速及び/又は大量処理を行う場合に適している。
第1の流路形成部材64の内径及び外径、並びに、第2の流路形成部材66の内径、すなわち、流路L6、L7、L8の流路径は、それぞれマイクロスケール(2,000μm以下)であればよく、必要に応じ、適宜選択すればよい。
また、連結部の端部76から流路L6の端部74までの長さH1、及び、連結部の端部76から流路L8の端部78までの長さH2は、ガリウムフタロシアニン化合物の結晶化の進度を考慮して、それぞれ適宜選択すればよい。
前記結晶形成工程において用いることができるマイクロリアクターとしては、前述した図1や図2、図3に示したマイクロリアクター以外にも、特開2005−288254号公報、特開2006−342304号公報等に記載のマイクロリアクター、特表平9−512742号公報、国際公開第00/76648号パンフレットに開示されているマイクロミキサー、及び、ドイツのマインツ・マイクロ技術研究所(IMM:Institut fuer Mikrotechnik Mainz GmbH)やカールスルーエ研究センター(Forschungszentrum Karlsruhe)などにおいて市販されているもの等を好ましく例示できる。
マイクロリアクターの流路の直径又は長辺(流路径)は、マイクロスケールであればよく、各流路において、2,000μm以下であり、好ましくは10μm以上1,000μm以下の範囲であり、より好ましくは30μm以上500μm以下の範囲である。なお、流路の断面が円形や正方形、長方形でない場合における流路径は、流れ方向に対して垂直な面により切断した流路の断面積から求めた円相当径(直径)とする。
流路の深さは10μm以上500μm以下の範囲であることが好ましい。
流路の長さは、ガリウムフタロシアニン化合物の結晶化の進度を考慮して、それぞれ適宜選択すればよい。
また、流路の形状については特に制限はなく、例えば、流れ方向に対し垂直な方向での断面形状が円形、楕円形、多角形(矩形を含む。)、ドーナツ形、ダルマ形など所望の形状とすることができる。
前記溶液、及び、前記貧溶媒の送液速度は、特に制限はなく、流路径や、溶液の濃度、流路内の温度等に応じたガリウムフタロシアニン化合物の結晶化に支障のない速度を、それぞれ適宜選択すればよい。
また、前記溶液の送液速度V1及び前記貧溶媒の送液速度V2は、下記式(1)で表される条件を満たすことが好ましい。
1≦(V2/V1)≦20 (1)
2/V1が上記範囲であると、ガリウムフタロシアニン化合物の結晶化が良好、かつ連続的に進行する。
マイクロリアクターの材質としては、前記溶液や前記貧溶媒等の流体の送液時、及び、ガリウムフタロシアニン化合物の結晶化時に特に問題が生じない材質であればよく、金属、セラミック、ガラス、フューズドシリカ、シリコーン、合成樹脂などの材料が例示できる。また、耐溶剤性を有する合成樹脂や、耐溶剤性処理を施した合成樹脂も用いることもできる。
これらの中でも、ガラス、フューズドシリカ、合成樹脂であることが好ましく、耐熱性及び耐薬品性に優れる点から、ガラス又はフューズドシリカであることがより好ましい。また、加工性の点から、合成樹脂であることがより好ましい。
また、前記マイクロリアクターの材質として使用することができる合成樹脂としては、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性、透明性などの観点から、具体的には、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミド樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等が好ましく例示できるが、より好ましくはエポキシ樹脂である。
また、前記熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂は、「高分子大辞典」(1994年、丸善(株)発行)に記載のものも、所望に応じ、好適に用いることができる。
マイクロリアクターの大きさは、使用目的に応じ適宜設定することができる。
マイクロリアクターは、その用途に応じて、分離、精製、分析、洗浄等の機能を有する部位を有していてもよい。
また、マイクロリアクターには、必要に応じて、例えば、各流路に液体を送液するための送液口や、マイクロリアクターから液体を回収するための回収口などを設けることが好ましい。
また、マイクロリアクターは、その用途に応じて、複数を組み合わせたり、分離、精製、分析、洗浄等の機能を有する装置や、送液装置、回収装置、他のマイクロ流路デバイス等を組み合わせ、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に好適に使用できる装置やシステムを構築することができる。
(感光体)
本実施形態の感光体は、本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶、及び/又は、本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶等のガリウムフタロシアニン結晶を含有する機能層を有する。
なお、以下において「本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶、及び/又は、本発明のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶」を「本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶」ともいう。
また、本実施形態の感光体は、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶を機能層中に、電荷発生材料として含有することが好ましい。
本実施形態の感光体は、電子写真感光体として好適に使用することができる。
本実施形態の感光体における前記機能層は、1層から構成されていても、2以上の層から構成されていてもよく、感光層であることが好ましい。
また、前記感光層は、1層から構成されていても、2以上の層から構成されていてもよく、電荷発生層と電荷輸送層とを積層してなる層であることが好ましく、本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶、又は、本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とを積層してなる層であることがより好ましい。
<感光体の層構成>
本実施形態の感光体は、導電性基体上に、少なくとも感光層を有する。なお、導電性基体「上」とは、導電性基体の上部であればよい。すなわち、感光層は導電性基体に接して設けられている必要はなく、導電性基体に感光層が接して設けられていても、導電性基体と感光層との間に他の層が設けられていてもよい。
本実施形態の感光体における感光層は、電荷発生材料として、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶を含有することが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、好適な実施形態について説明するが、本実施形態の感光体の層構成はこれらに限定されるものではない。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
(1)第一実施形態
図4は、本実施形態の感光体の第一実施形態を示す断面図である。
図4に示すように、感光体1は、導電性基体2と、感光層3と、感光層3を構成する電荷発生層5と電荷輸送層6から構成されている。
(2)第二実施形態
図5は、本実施形態の感光体の第二実施形態を示す断面図である。
図5に示すように、感光体1は、導電性基体2と、下引層4と、感光層3と、感光層3を構成する電荷発生層5と電荷輸送層6から構成されている。この下引層4は、金属酸化物粒子及び結合剤を少なくとも含有した層である。
(3)第三実施形態
図6は、本実施形態の感光体の第三実施形態を示す断面図である。
図6に示す感光体1は、感光層3上に保護層7を備えること以外は図5に示した感光体1と同様の構成を有する。保護層7は、感光体1の帯電時の電荷輸送層6の化学的変化を防止したり、感光層3の機械的強度をさらに改善するために用いられる。この保護層7は、導電性材料を適当な結合剤に含有させた塗布液を使用して感光層3上に塗設することにより形成することができる。
(4)第四実施形態
図7は、本実施形態の感光体の第四実施形態を示す断面図である。
図7に示す感光体1は、感光層3と下引層4との間に中間層8を備える以外は図5に示した感光体1と同様の構成を有する。この中間層8は、感光体1の電気特性の向上、画質の向上、感光層3の接着性向上のために設けられている。この中間層8の構成材料は特に限定されず、合成樹脂、有機物質あるいは無機物質の粉末、電子輸送物質等から任意に選択することができる。
また、本実施形態の感光体において、感光層を2層(電荷発生層と電荷輸送層)とする場合には、高解像度を得るための電荷発生層より上方に配置される層の厚さは50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚が20μm以下の薄膜の場合、下引層と同様の高強度な保護層を電荷輸送層上に配置した構成の感光体が特に有効に用いられる。
<感光層(電荷発生層)>
感光層を構成する電荷発生層は、電荷発生材料である本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶を有機溶剤及び結合剤とともに分散し塗布する(以下、「分散塗布」ともいう。)ことにより形成される。分散塗布により電荷発生層を形成する場合、電荷発生材料を有機溶剤及び結合剤、添加剤等とともに分散し、得られた分散液を塗布することにより電荷発生層は形成される。
(1)電荷発生材料
本実施形態の感光体における電荷発生層に使用する電荷発生材料としては、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶を少なくとも用いる。また、前記電荷発生材料は本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶のみであることが好ましい。
本実施形態の感光体において、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の他に併用することができる電荷発生材料としては、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶以外のフタロシアニン顔料、クロロダイアンブルー等のアゾ顔料、臭素化アントアントロン、ピレンキノン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、ピロロピロール顔料、アズレニウム塩、スクエアリウム、キナクリドン等が例示できる。
(2)結合剤
電荷発生層に用いることができる結合剤(バインダー樹脂、結着樹脂)としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエステルカーボネート、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、酢酸ビニル単独重合体又は共重合体、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリブタジエン、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又は、これらの部分架橋硬化物等が挙げられる。
電荷発生層に用いることができる結合剤は、1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(3)溶剤
電荷発生層の製造時に用いることができる溶剤としては、本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の溶解度が小さい溶剤であることが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、トルエン、キシレン、水などが挙げられる。溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いもよい。
(4)配合量
結合剤溶液の固形分濃度としては0.1重量%以上10重量%以下の範囲であることが好ましく、1.0重量%以上7.0重量%以下の範囲であることがより好ましい。上記範囲であると、分散液中の電荷発生材料の量が適切なため、良好な感度が得られ、また、分散液の粘度が適切であるため、感光体塗布時の生産性も良い。
また、前記電荷発生材料と溶剤との混合液の固形分濃度は、0.1重量%以上20重量%以下の範囲であることが好ましく、1重量%以上15重量%以下の範囲であることがより好ましい。上記の数値範囲内であると、塗膜接着性や密着性が良好であり、感度やサイクル安定性に優れた電荷発生層が得られる。
前記電荷発生材料と溶剤とはあらかじめ分散処理を施しておくことが好ましく、この場合の分散処理を行う方法としては、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ボールミル、ダイノーミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コボールミル、ロールミル等が挙げられる。
(5)塗設方法
電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。電荷発生層の塗布後、乾燥機内で乾燥若しくは自然乾燥により、膜中の溶剤を除去する。乾燥温度、時間については、任意に設定できる。
(6)添加剤
また、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で、本実施形態の感光体の感光層には、酸化防止剤、光安定剤、及び/又は、熱安定剤等の添加剤を添加してもよい。
例えば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等が挙げられる。
有機硫黄系及び有機燐系酸化防止剤は、2次酸化防止剤と言われ、フェノール系あるいはアミン系等の1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系等の誘導体が挙げられる。
例えば、ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系光安定剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
その他の化合物としては、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチルジチオカルバメート等がある。
また、感光層には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。
本実施形態に用いることができる電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、−Cl、−CN、−NO2等の電子求引性基を有するベンゼン誘導体が特に好ましく用いられる。更に、感光層形成用塗布液には、塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
<感光層(電荷輸送層)>
電荷輸送層は、電荷輸送材料及び結合剤を含んで構成される。
(1)電荷輸送材料
本実施形態の感光体における電荷輸送層には、電荷輸送材料が含有される。
電荷輸送層に含有される電荷輸送材料は、特に限定されるものではなく、公知の物質を使用することができる。
例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニルピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−ニトリル)フルオレノン−2−アミン、トリホルミルフェニルアミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等の正孔輸送物質、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送物質等が挙げられる。更には、電荷輸送材料は、以上例示した化合物の基本構造を主鎖又は側鎖に有する重合体等も挙げられる。
また、電荷輸送材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記電荷輸送材料は、市販の化合物を用いても、合成してもよい。
前記電荷輸送材料を合成する場合、マイクロリアクターを用いて合成することが好ましい。マイクロリアクターとしては、前述したものが好ましく例示できる。
マイクロリアクターを用いた合成の一例としては、トリホルミルトリフェニルアミンの合成等が例示できる。
従来、トリフェニルアミンを用いた電荷輸送材料の合成で、オキシ塩化リンとジメチルホルムアミドを用いるトリホルミル化を行うの場合、ジ体、トリ体の混合物が生成するため、目的物であるトリホルミルトリフェニルアミンの収率が低く、純度も70%程度と低かった。しかし、この反応時にマイクロリアクターを用いることにより、収率が向上する。
具体的には、トリフェニルアミンに対して、ジメチルホルムアミドとオキシ塩化リンの1:1混合物を反応部位の5倍当量以上と反応させる。この時、マイクロミキサーやマイクロリアクターを用いることにより、目的物であるトリホルミル体は80%以上の収率となる。
(2)結合剤
また、電荷輸送層に含有される結合剤は特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができるが、電機絶縁性のフィルムを形成することが可能な樹脂が好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等が挙げられる。そして、これらの結合剤は、単独又は2種類以上混合して用いることができる。特に、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が電荷輸送材料との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れているので好ましく用いられる。
(3)配合比
また、結合剤と電荷輸送材料との配合比(重量比)は電気特性低下、膜強度低下に考慮しつつ任意に設定することができる。この電荷輸送層の層厚は5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。
(4)製造方法
電荷輸送層は、電荷輸送材料、有機溶剤、結合剤等を混合して塗布液を調製し、これを電荷発生層上に塗布して更に乾燥させることにより形成することができる。
電荷輸送層の形成用の塗布液を調製するには、電荷輸送材料、有機溶剤、結合剤等とともに混合する。電荷輸送材料を液中に高分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の分散方法を用いることができる。
更に、成膜性の観点から、電荷輸送層を形成するための塗布液に含まれる粒子の粒子径は、0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.15μm以下であることが更に好ましい。粒子の粒子径が0.5μm以下であると、電荷輸送層の成膜性が優れ、画質欠陥を生じにくい。
更に、電荷輸送層の形成用の塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷輸送層の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
また、電荷輸送層を設けるときに用いる塗布方法としては、電荷輸送材料を少なくとも分散させてなる塗布液を循環させてなる浸漬塗布装置において、塗布液が循環される循環系の途中にマイクロミキサー又はマイクロリアクターを備えた浸漬塗布装置により塗布する方法が好ましい。
<感光層(単層型)>
単層で形成する場合の感光層は、電荷発生層と電荷輸送層にそれぞれ含有される電荷発生材料と電荷輸送材料とをはじめとする物質を合わせて含有する層である。感光層がこのように単層型の場合には、電荷発生材料の含有量は、感光層の全重量に対して、0.1重量%以上50重量%以下であることが好ましく、1重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。上記の範囲であると、適度な感度が得られ、帯電性の低下などの弊害が発生しない。
また、このように感光層が単層型の場合、結合剤としては、正孔輸送物質との相溶性の観点から、特にポリカーボネート樹脂及びメタクリル樹脂が好ましく用いられる。更に、これらの樹脂のポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性材料の中から選択して使用してもよい。なお、上記の結合剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。この感光層も、上述した電荷発生材料、上述した電荷輸送材料、上述した有機溶剤、結合剤等を混合して塗布液を調製し、上述と同様の方法により導電性基体上に塗布して更に乾燥させることにより形成することができる。
単層型の感光層の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
<導電性基体>
導電性基体は、導電性を有していれば特に限定されるものはなく、例えば、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属ドラムや金属シート、金属プレート等を使用することができる。また、ポリマー製シート、紙、プラスチック、又は、ガラス上に、アルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着することによって導電処理したドラム状、シート状、プレート状のもの使用できる。更には、ポリマー製シート、紙、プラスチック、又はガラス上に、酸化インジウム等の導電性金属化合物を蒸着するか、又は金属箔をラミネートすることによって導電処理したドラム状、シート状、プレート状の物も使用できる。また、この他にも、カーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等を結合剤に分散し、ポリマー製シート、紙、プラスチック、又は、ガラス上に塗設することよって導電処理したドラム状、シート状、プレート状の物等も使用することができる。
ここで、金属パイプを導電性基体として用いる場合、その表面は素管のままであっても、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング、着色処理等の処理を行うことが好ましい。表面処理を行い、基体表面を粗面化することによりレーザービームのような可干渉光源を用いた場合に発生しうる感光体内での干渉光による木目状の濃度斑が防止される。
<下引層>
また、本実施形態の感光体は、導電性基体と感光層との間に下引層を有することが好ましく、さらに前記下引層が無機粒子を含有することがより好ましい。前記下引層を設けることにより、支持体から感光層への電荷の注入を防ぎ黒点・白点などの画質欠陥を防止し、導電性基体と感光層との密着性を向上させて耐久性を改善し、該下引層に無機粒子を含有することで、環境特性・繰返し特性の安定化や干渉縞の防止が図られる。
また、下引層は、画質欠陥の防止に関して大きな役割をはたし、基体の欠陥や汚れあるいは感光層中の塗膜欠陥やむらに起因する画質欠陥を抑制するために重要な層である。下引層は、先に述べた表面被覆処理された金属酸化物粒子、結合剤及び添加剤を分散処理して得られる下引層用塗布液を導電性基体上に塗設することにより形成されることがより好ましい。
(1)金属酸化物粒子
本実施形態において、金属酸化物粒子としては、平均粒子径0.5μm以下の導電粉が好ましく用いられる。ここでいう粒径とは、平均一次粒径を意味する。下引層はリーク耐性獲得のために適切な抵抗を得ることが必要であり、そのため金属酸化物粒子としては、102〜1011Ωcm程度の粉体抵抗であることが好ましい。中でも上記抵抗値を有する酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物粒子を用いるのが好ましい。上記範囲であると、優れたリーク耐性が得られ、残留電位上昇が抑制される。また、金属酸化物粒子は、1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤で金属酸化物粒子を表面処理することにより、金属酸化物粒子の樹脂へのぬれ及び相溶性が改良され、樹脂への分散性が向上するため好ましい。本実施形態における「金属酸化物粒子の表面処理」とは、金属酸化物粒子表面に表面処理剤を反応させ、金属酸化物粒子表面の少なくとも一部を被覆することである。
本実施形態において表面処理剤として用いられる化合物としては、例えばジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物等の反応性の有機金属化合物及びシランカップリング剤などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの有機金属化合物の中でも、有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物、特にジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、チタニウムキレート化合物及び/又はシランカップリング剤は、残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため好ましく使用されるが、特にその中でもシランカップリング剤は、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上の点でより好ましい。
シランカップリング剤としては所望の感光体特性を得られるものであればいかなるものでも用いることができる。具体的なシランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのシランカップリング剤は2種以上を混合して使用することもできる。
また、金属酸化物粒子の表面処理は、溶剤中において行ってもよい。
溶剤としては、芳香族類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、ケトンアルコール類、エーテル類、エステル類等から任意で選択することができる。例えば、キシレン、トルエン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン等の通常の有機溶剤を用いることができる。また、ここで用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
本実施形態において、前記金属酸化物粒子に対する表面処理剤の量は所望の電子写真特性が得られる量であることが好ましい。電子写真特性は表面処理後に金属酸化物粒子に付着している量によって影響され、その付着量はシランカップリング剤を使用した場合には、蛍光X線分析におけるSi強度と該金属酸化物の主たる金属元素強度から求められる。蛍光X線分析における好ましいSi強度は、該金属酸化物の主たる金属元素強度の1.0×10-5以上1.0×10-2以下の範囲である。上記範囲であると、下引層から感光層(電荷発生層)への電荷注入や、残留電位を抑制するため、優れた画質が得られる。
また、前記表面処理された金属酸化物粒子は、焼き付け処理を行ってもよい。これにより表面処理剤の脱水縮合反応を十分に進行させることができる。焼き付け処理は所望の電子写真特性が得られる温度であれば任意の温度条件で実施できるが、先に述べた表面処理剤を用いる場合には、100℃以上の温度で行うことが好ましく、150℃以上250℃以下の温度で行うことがより好ましい。上記範囲であると、表面処理剤を熱により分解させることなく、脱水縮合反応を十分に進行させることができる。次に、必要に応じて、表面処理後の金属酸化物粒子を解砕する。これにより、金属酸化物粒子の凝集体を解砕することができるので、下引層中における金属酸化物粒子の分散性を向上させることができる。
(2)結合剤
下引層形成用塗布液の結合剤(バインダー樹脂、結着樹脂)としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などを用いることができる。中でも上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられる。下引層形成用塗布液中の金属酸化物粒子と結合剤との比率は所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で任意に設定できる。
(3)添加剤
下引層形成用塗布液には電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を用いることができる。添加剤としては、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン化合物、テトラシアノキノジメタン化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール化合物、キサントン化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送化合物、多環縮合化合物、アゾ化合物等の電子輸送顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。これらの中でも、電子輸送化合物や電子輸送顔料等のアクセプター性化合物であることが好ましい。
ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
シランカップリング剤は金属酸化物粒子の表面処理に用いられるが、添加剤としてさらに塗布液に添加して用いることもできる。ここで用いられるシランカップリング剤の具体例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
これらの添加剤は1種単独で用いても、2種以上を用いてもよく、また、複数の化合物の混合物又は重縮合物として用いてもよい。
下引層における添加剤の使用量は、金属酸化物粒子の使用量に対し、0.1〜10重量%であることが好ましい。上記範囲であると、分散性と塗布適性が改善され、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等の効果が得られるため好ましい。
(4)溶媒
下引層形成用塗布液を調整するための溶媒としては公知の有機溶剤を用いることができる。例えば、アルコール、芳香族、ハロゲン化炭化水素、ケトン、ケトンアルコール、エーテル、エステル等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の有機溶剤を用いることができる。また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結合剤を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
(5)分散方法
前記金属酸化物粒子を結合剤中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の方法を用いることができる。
(6)塗設方法
さらにこの下引層を設けるときに用いる塗設方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。このようにして得られた下引層形成用塗布液を用い、導電性基体上に下引層が成膜される。下引層は、塗布後、乾燥機内で乾燥もしくは自然乾燥により、膜中の溶剤を除去することが好ましい。乾燥温度、時間については、必要に応じ任意に設定できる。
(7)下引層表面の硬度、厚さ及び表面粗さ
下引層は、ビッカース硬度が35以上とされていることが好ましい。さらに、下引層は、厚さが15μm以上であることが好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。さらに、下引層の表面粗さはモアレ像防止のために、使用される露光用レーザー波長λの1/4n(nは上層の屈折率)以上λ以下に調整される。表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子を添加することもできる。
樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂粒子等を用いることができる。
また、下引層は、表面粗さ調整のために研磨することもできる。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いることができる。
<中間層>
下引層と感光層との間に、電気特性向上、画質向上、画質維持性向上、感光層接着性向上などのために中間層を設けてもよい。この中間層の構成材料は特に限定されず、合成樹脂、有機物質あるいは無機物質の粉末、電子輸送物質から任意に選択することができる。
(1)中間層含有化合物
中間層はポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などがある。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。中でも、ジルコニウム若しくはシリコンを含有する有機金属化合物は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
シリコン化合物の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどである。これらの中でも、特に好ましく用いられるシリコン化合物は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
有機チタン化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
(2)添加剤
中間層中には、電気特性の向上や光散乱性の向上等の目的により、各種の有機化合物の粉末若しくは無機化合物の粉末を添加することができる。特に、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(例えば、デュポン社:「テフロン(登録商標)」などの樹脂からなる粒子)、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子等が有効である。
添加粉末の粒径は0.01μm以上2μm以下のものが用いられる。粉末は必要に応じて添加されるが、その添加量は中間層の固形分の総重量に対して、重量比で10重量%以上90重量%以下であることが好ましく、30重量%以上80重量%以下であることがより好ましい。
また、中間層中には、先に説明した電子輸送物質、電子輸送顔料等を含有させることも低残留電位化や環境安定性の観点から有効である。中間層はこれより上方に積層される層(感光層など)の塗布性改善の他に、電気的な遮蔽の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす。したがって、中間層を形成する場合には、厚さが0.1μm以上3μm以下であることが好ましい。
また、中間層を形成するための塗布液の調製する際に、粉末状の物質を添加する場合には樹脂成分を溶解した溶液中に添加して分散処理が行われる。この分散処理方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の方法を用いることができる。更に、この中間層は導電性基体上に中間層を形成するための塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成することができる。このときの塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
中間層は中間層の上に形成される層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす。したがって、中間層を形成する場合には、0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定される。中間層は、塗布後、乾燥機内で乾燥もしくは自然乾燥により、膜中の溶剤を除去する。乾燥温度、時間については、任意に設定できる。
<保護層>
保護層は、感光体の帯電時の電荷輸送層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善するために用いられる。この保護層は、導電性材料を適当な結合剤中に含有させた塗布液を感光層上に塗布することにより形成することができる。
この保護層は、例えば、硬化性樹脂、電荷輸送材料を含むシロキサン樹脂硬化膜、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させた構成を有する。硬化性樹脂としては公地の樹脂であれば何でも使用できるが、例えばフェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シロキサン樹脂等が挙げられる。電荷輸送材料を含むシロキサン樹脂硬化膜の場合、電荷輸送材料として公知の材料であればいかなるものでも使用可能である。例えば、特開平10−95787号公報、特開平10−251277号公報、特開平11−32716号公報、特開平11−38656号公報、特開平11−236391号公報に示された化合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
保護層が導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させた構成を有する膜である場合、この導電性材料は特に限定されるものではなく、例えば、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体の担体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を被覆したものが挙げられる。
この保護層に用いる結合剤としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の公知の樹脂が用いられる。また、これらは必要に応じて互いに架橋させて使用することもできる。
保護層には、酸化防止剤を含有させることができる。酸化防止剤の具体的な化合物例として、フェノール系酸化防止剤では、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
上記のヒンダードアミン系化合物では、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
上記の有機イオウ系酸化防止剤として、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
有機燐系酸化防止剤として、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等の公知の酸化防止剤の他、シロキサン樹脂と結合可能な水酸基、アミノ基、アルコキシシリル基等の官能基を有する酸化防止剤等が挙げられる。
保護層の厚みは、1μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。この保護層を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
また、保護層を形成するための塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、できるだけこの塗布液が塗布される感光層を溶解しにくい溶剤を用いることが好ましい。
(プロセスカートリッジ及び画像形成装置)
次に、本実施形態の感光体を搭載した本実施形態のプロセスカートリッジ及び本実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態のプロセスカートリッジは、本実施形態の感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記感光体表面に潜像を形成させる潜像形成手段と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記感光体表面をクリーニングするクリーニング手段と、から選ばれる少なくとも1種と、を有する。
また、本実施形態の画像形成装置は、本実施形態の感光体と、前記感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記感光体表面に潜像を形成させる潜像形成手段と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を被転写媒体に転写させる転写手段と、前記トナー像を被記録媒体に定着させる定着手段と、を有する。
本実施形態の感光体は、近赤外光又は可視光に発光するレーザープリンター、デジタル複写機、LEDプリンター、レーザーファクシミリ等の画像形成装置や、このような画像形成装置に備えられるプロセスカートリッジに搭載することができる。
レーザービームとしては、高精細な画像を得るために、350nm以上800nm以下の光を発振するレーザーが好ましい。さらに、レーザービームとしては、高精細な画像を得るために、スポット径が1×104μm2以下であることが好ましく、3×103μm2以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の感光体は、一成分系、二成分系の現像剤あるいは反転現像剤とも合わせて用いることができる。さらに、精細な画像を得るためのトナーの粒子径としては、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく用いられる。これらのトナーは公知の製造方法により得ることができるが、特に溶解懸濁法、重合法によって得られる球状トナーが好ましく用いられる。また、トナーには表面潤滑剤(金属脂肪酸塩)や研磨効果を有する粒子を添加することもできる。
また、本実施形態の感光体は帯電ローラーや帯電ブラシを用いた接触帯電方式の画像形成装置に搭載されても電流リークの発生が少ない良好な特性が得られる。
図8は、本実施形態の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
図8に示す画像形成装置200は、感光体207と、感光体207をコロナ放電方式により帯電させるコロトロンやスコロトロン等の帯電手段208と、帯電手段208に接続された電源209と、帯電手段208により帯電される感光体207を露光して静電潜像を形成する露光手段210と、露光手段210により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段211と、現像手段211により形成されたトナー像を被転写媒体に転写する転写手段212と、クリーニング手段213と、除電器214と、定着手段215とを備える。
また、図9は、図8に示す本実施形態の画像形成装置の別の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
図9に示す画像形成装置200は、感光体207を接触方式により帯電させる帯電手段208を備えていること、中間転写方式の転写システムであること以外は、図8に示した画像形成装置200と同様の構成を有する。特に、直流電圧に交流電圧を重畳した接触式の帯電手段を採用する画像形成装置においては、優れた耐摩耗性を有するため、好ましく使用できる。なお、この場合には、除電器214が設けられていないものもある。
帯電手段(帯電用部材)208は、感光体207の表面に接触するように配置され、感光体に電圧を均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。帯電手段208にはアルミニウム、鉄、銅等の金属、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッソゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー材料にカーボンブラック、沃化銅、沃化銀、硫化亜鉛、炭化ケイ素、金属酸化物等を分散したもの等を用いることができる。
この金属酸化物の例としてはZnO、SnO2、TiO2、In23、MoO3等、あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。また、帯電手段208にはエラストマー材料中に過塩素酸塩を含有させて導電性を付与したものを使用してもよい。
更に、帯電手段208にはその表面に被覆層を設けてもよい。被覆層を形成する材料としては、N−アルコキシメチル化ナイロン、セルロース樹脂、ビニルピリジン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、メラミン等が単独、あるいは併用して用いられる。また、エマルジョン樹脂系材料、たとえば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、ポリウレタン、特にソープフリーのエマルジョン重合により合成されたエマルジョン樹脂を用いることもできる。
これらの樹脂にはさらに抵抗率を調整するために、導電剤粒子を分散してもよいし、劣化を防止するために酸化防止剤を含有させることもできる。また、被覆層を形成する時の成膜性を向上させるために、エマルジョン樹脂にレベリング剤または界面活性剤を含有させることもできる。また、この接触帯電用部材の形状としては、ローラー型、ブレード型、ベルト型、ブラシ型等が挙げられる。
さらに、帯電手段208の電気抵抗値は、好ましくは102〜1014Ωcm、さらに好ましくは102〜1012Ωcmの範囲である。また、この接触帯電用部材への印加電圧は、直流、交流いずれも用いることができる。また、直流+交流の形で印加することもできる。
図10は図8に示す本実施形態の画像形成装置の更に別の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
図10に示す画像形成装置220は中間転写方式の画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの感光体401a〜401d(例えば、感光体401aがイエロー、感光体401bがマゼンタ、感光体401cがシアン、感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、画像形成装置220に搭載されている感光体401a〜401dは、それぞれ本実施形態の感光体である。例えば、先に述べた図4〜7に示す感光体のいずれかが搭載されていることが好ましい。感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像手段404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して感光体401a〜401dに当接している。
更に、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(潜像形成手段(露光手段))403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被記録媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙等の被記録媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いることができる。
弾性材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料を用いることができる。これらの基材に用いる樹脂材料及び弾性材料に、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を有する導電剤を1種類又は2種類以上を組み合わせて添加する。この中でも、機械強度に優れる点で、導電剤を分散させたポリイミド樹脂を用いることが好ましい。上記の導電剤としては、カーボンブラック、金属酸化物、ポリアニリン等の導電性ポリマーを用いることができる。
中間転写体として中間転写ベルト409のようなベルトの形状の構成を採用する場合、一般にベルトの厚さは50μm以上500μm以下が好ましく、60μm以上150μm以下がより好ましいが、材料の硬度に応じて適宜選択することができる。
例えば、導電剤を分散させたポリイミド樹脂からなるベルトは、特開昭63−311263号公報に記載されているように、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液中に導電剤として5重量%以上20重量%以下のカーボンブラックを分散させ、分散液を金属ドラム上に流延して乾燥した後、ドラムから剥離したフィルムを高温下に延伸してポリイミドフィルムをすることができる。上記フィルム成形は、一般には、導電剤を分散したポリアミド酸溶液の成膜用原液を円筒金型に注入して、例えば、100℃以上200℃以下に加熱しつつ500rpm以上2,000rpm以下の回転数で円筒金型を回転させながら、遠心成形法によりフィルム状に成膜し、次いで、得られたフィルムを半硬化した状態で脱型して鉄芯に被せ、300℃以上の高温でポリイミド化反応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化させることにより行うことができる。また、成膜原液を金属シート上に均一な厚みに流延して、上記と同様に100℃以上200℃以下に加熱して溶媒の大半を除去し、その後300℃以上の高温に段階的に昇温してポリイミドフィルムを形成する方法もある。また、中間転写体は表面層を有していても良い。
また、中間転写体としてドラム形状を有する構成を採用する場合、基材としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基材を用いることが好ましい。この円筒状基材上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に表面層を形成することができる。
さらに、図11は、本実施形態のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
プロセスカートリッジ300は、感光体207とともに、帯電手段208、現像手段211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218及び219、及び、必要に応じて除電器(図示せず)を、取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。そして、このプロセスカートリッジ300は、転写手段212と、定着手段215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、プロセスカートリッジ300は、転写手段212の転写方式が、トナー像を中間転写体(図示せず)に1次転写し、該中間転写体上の1次転写像を被転写媒体に2次転写する中間転写方式であることが好ましく、また、転写手段212として前述の中間転写方式を備えた中間転写装置であることが好ましい。前記画像形成装置の転写手段においても同様に、前述の中間転写方式を備えた中間転写装置であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において「部」は「重量部」を意味する。
(合成例1:I型クロロガリウムフタロシアニンの合成)
1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をジメチルスルホキシド230部中にて、160℃で6時間撹拌しながら反応させ、赤紫色結晶を得た。次いで、ジメチルスルホキシドにより洗浄した後、イオン交換水で洗浄後乾燥して、I型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶28部を得た。
(実施例1)
<第1の流体の調製>
上記I型クロロガリウムフタロシアニン1部をジメチルスルホキシド200部と混合して70℃で10分間撹拌した後、ポアサイズ0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製メンブレンフィルターで不溶物をろ過して得られた顔料溶解液を第1の流体とした。
<クロロガリウムフタロシアニンの結晶型の変換>
次に、図1に示したマイクロリアクターを使用してクロロガリウムフタロシアニンの結晶型の変換を行った。前記第1の流体をタンク12に、そして第2の流体としてイオン交換水をポンプを備えたタンク16にそれぞれにセットし、ガラス製マイクロリアクター20のインレット部に送液した。温度制御装置で40℃に設定されたマイクロリアクター20においてクロロガリウムフタロシアニンの結晶型の変換を行い、クロロガリウムフタロシアニン結晶を含む混合液22を容器24に回収した。なお、マイクロリアクターにおける流路L1、L2及びL3の幅はそれぞれ300μm、深さは50μmとし、流路L3の長さは10cmとした。第1の流体の流量(送液速度)を0.5ml/h及び第2の流体の流量(送液速度)を1.0ml/hに設定して送液した。
このようにして得られた処理液中のクロロガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径を動的粘弾性粒度分布測定装置(LB500、(株)堀場製作所製)を使用して測定した。また、粒度分布は一般的指標であるGSDv(測定される粒度分布を分割された粒度範囲(チャネル)に対して、小粒子径から累積分布を描き、体積累積16%となる粒径を体積D16V、体積累積84%となる粒径を体積D84Vとし、D84V/D16Vより求められる値を体積平均粒度分布GSDvとした)で表した。
得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径(メジアン径)及びGSDvの値を表1に示す。また、得られたII型クロロガリウムフタロシアニン結晶を含有する処理液を遠心分離処理して固形分を単離後、真空乾燥機を用いて80℃、24時間真空乾燥して0.9部のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶を回収し、この粉末X線回折スペクトル及び分光吸収スペクトルを測定した。この結果を図12及び図13に示す。
図12よりX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有し、また、図13より分光吸収スペクトルの658nm及び769nmに極大吸収ピークを有することが確認された。
<感光体シートの作製>
得られたII型クロロガリウムフタロシアニン結晶を用いて、下記のようにして感光体を作製した。
まず、導電性基体として、40mmφ×319mmのアルミパイプを用意した。次に、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製)6部、硬化剤としてブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)12部、一次粒径が30nmである酸化亜鉛(商品名:NanoTech ZnO、シーアイ化成社製)41部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、東芝シリコーン社製)1部、レベリング剤(商品名:シリコーンオイルSH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製)100ppm及びメチルエチルケトン52部をバッチ式のミルにて10時間混錬して、下引層形成用塗布液を作製した。
この下引層作製用の塗布液を50μm厚のアルミニウムシート上に浸漬塗布し、150℃で30分間加熱乾燥して膜厚20.0μmの下引層を形成した。
次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製)1部を酢酸n−ブチル100部に溶解させた溶液と、上記II型クロロガリウムフタロシアニン結晶1部とを混合し、外径1.0mmのガラスビーズ150部とともに、サンドミルにより5時間かけて分散し、電荷発生層形成用塗布液を調製した。
得られた電荷発生層形成用塗布液を上記の下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.20μmの電荷発生層を作製した。さらに、電荷輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン4部、結着樹脂として粘度平均分子量が3万のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂6部、テトラヒドロフラン80部及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2部を混合し、電荷輸送層形成用塗布液を作製した。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記の電荷発生層の表面に浸漬塗布し、120℃で40分間加熱乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、目的の感光体シートを得た。
<感光体ドラムの作製>
84mmφ×347mm、肉厚1mmのアルミニウムパイプを研磨剤(アルミナビーズCB−A30S(商品名、昭和タイタニウム社製、平均粒径D50=30μm))を用いて液体ホーニング処理することにより粗面化し、中心線平均粗さRaが0.18μmとなるように粗面化したものを導電性支持体として用いたこと以外は上記感光体シートの作製と同様の手順により、下引層、電荷発生層、電荷輸送層を順次作製し、目的の感光体ドラムを作製した。
前記において作製した感光体シート及び感光体ドラムについて、以下に示す評価を行った。評価結果を表1〜3に示す。
<感光体の電子写真特性評価試験>
(1)使用初期の特性評価
得られた実施例及び比較例の感光体シートの電子写真特性を評価するために、以下の手順で電子写真特性の測定を行った。
まず、20mmφの小面積マスクを使用し、20℃、50%RHの環境下において、静電複写紙試験装置(EPA8200:川口電機社製)を用いて−5.0kVのコロナ放電により感光体シートを負帯電させた。次いで、干渉フィルターを用いて780nmに分光したハロゲンランプ光を、感光体シート表面上における照度が5.0μW/cm2となるように調整して照射した。このときの初期表面電位V[V]、表面電位がVの1/2になるまでの半減露光量E1/2[μJ/cm2]、及び、表面電位V0を計測してから1秒後の表面電位をVとして、{(V−V)/V}×100で求められる暗減衰率(DDR)[%]をそれぞれ測定した。
(2)繰り返し特性の評価
上記帯電、露光及び除電の操作を1万回繰り返した後の感光体シートについて、表面電位V[V]、表面電位がVの1/2になるまでの半減露光量E1/2[μJ/cm2]及び露光開始から暗減衰率(DDR)[%]をそれぞれ測定した。
(3)画質評価試験
実施例及び比較例の各感光体ドラムを、図11に示す構成を有するレーザープリンター(DocuPrint 260、富士ゼロックス社製)に装着して以下の画質評価を行った。
32.5℃/90%RHの環境下で、1ドット1スペースのハーフトーン画像及び全面白の画像(バックグラウンド画像)を出力してその画像を目視及びルーペで観察し、黒線部のつぶれやトナーの飛び散りの度合いを評価した。また、感光体の暗電位Vdも測定した。
続いて、約2mm幅の線を縦横7mmおきに印字した画像を2万枚出力した後、上記と同様にハーフトーン画像及びバックグラウンド画像を出力し、その画像を目視及びルーペで観察することにより、黒線部のつぶれやトナーの飛び散りの度合いを評価した。
なお、上記のレーザープリンターは、帯電装置としてローラー帯電器(BCR)、露光装置として780nmの半導体レーザーを使用したROS、現像方式として2成分系反転現像方式、転写装置としてローラー帯電器(BTR)、転写装置としてベルト中間転写方式を採用している。
(4)電荷発生材料の分散性評価
ガリウムフタロシアニン結晶の分散性の評価を行うために、ガラスプレート上に電荷発生層を形成させ、顕微鏡を用いてその分散状態を観察した。なお、分散性の評価基準として、「良好」とは電荷発生層中に凝集体が見られなかったことを意味し、「不良」とは凝集体が観察された、又は、塗膜表面がざらついていたことを意味する。
なお、前記(1)及び(2)の評価は感光体シートを用いて行ったものであり、前記(4)の評価はガラスプレート上に形成した電荷発生層を用いて行ったものであるが、形状は異なるものの、本実施例及び比較例で用いる感光体ドラムはこれら感光体シート及びガラスプレート上に形成した電荷発生層と同様の操作により作製したものであり、前記(1)、(2)及び(4)の評価結果は、感光体ドラムでも同様の評価結果である。
(比較例1)
I型クロロガリウムフタロシアニン20部を、直径5mmのアルミナ製ビーズ400部とともにアルミナ製ポットに入れた。これを振動ミル(MB−1型、中央化工機社製)に装着し、180時間乾式粉砕して微細化したクロロガリウムフタロシアニン18部を得た。得られた微細化クロロガリウムフタロシアニン0.5重量部を、1mmφガラスビーズ60部と共に、室温下、クロロベンゼン20部中で24時間ボールミリングした後、ろ別し、メタノール10部で洗浄してII型クロロガリウムフタロシアニン顔料を作製した(特開平5−98181号公報に記載の実施例4を参照した。)。
得られた顔料のX線回折スペクトルより、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に回折ピークを有し、分光吸収スペクトルの662nm及び788nmに極大吸収ピークを有することを確認し、顔料のメジアン径及びGSDの値を表1に示す。
また、得られた顔料を用いて実施例1と同様に感光体シート及び感光体ドラムを作製し、同様の評価を行った。評価結果を表1〜3に示す。
(実施例2)
図2及び図3に示した二重管型マイクロリアクター60を使用してI型クロロガリウムフタロシアニンの結晶型の変換を行った。
二重管型マイクロリアクター60は内径1,000μmのガラス管の中に内径250μmのシリカ製チューブを挿入した構造からなり、図2に示すような装置を用いて、前記実施例1で調製した第1の流体46をモーター48駆動の撹拌装置及び50℃に設定した温度制御用のジャケット44付タンク42に、そして第2の流体58としてイオン交換水を20℃に設定したジャケット56付タンク54にセットし、それぞれに流速2ml/h、20ml/hで二重管型マイクロリアクター60のインレット部に送液し、I型クロロガリウムフタロシアニンの結晶変換を行い、処理液を容器70に回収した。なお、二重管型マイクロリアクター60におけるH2及びH1の長さは、それぞれ200mm、20mmとした。また、各流路の流路径は、図2及び図3における流路L6の端部74近傍の拡大模式図である図14に示す通りである。
このようにして得られた処理液中のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶のメジアン径及びGSDvの値を表1に示す。また、得られたII型クロロガリウムフタロシアニン結晶を含有する処理液を遠心分離処理して固形分を単離後、真空乾燥機を用いて80℃、24時間真空乾燥して0.9部のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。なお、得られたII型クロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトルは図12と同様のスペクトルを示し、また、分光吸収スペクトルは図13とほぼ同様のスペクトルを示した。
得られた顔料を用いて実施例1と同様に感光体シート及び感光体ドラムを作製し、同様の評価を行った。評価結果を表1〜3に示す。
Figure 0005266693
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(合成例2:I型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの合成)
1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をジメチルスルホキシド230部中にて、160℃で6時間撹拌しながら反応させ、赤紫色結晶を得た。次いで、ジメチルスルホキシドにより洗浄した後、イオン交換水で洗浄後乾燥して、I型クロロガリウムフタロシアニン顔料の粗結晶28部を得た。
次に、得られたI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶2部を65℃の硫酸(濃度97%)80部に十分に溶解させ、25℃まで冷却した。これを25%アンモニア水150部とイオン交換水100部との混合溶液中に滴下した。析出した結晶を濾過により採取し、さらにイオン交換水で洗浄後乾燥して、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン1.8部を得た。
(実施例3)
<第1の流体の調製>
上記I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン1部をN−メチル−2−ピロリドン200部と撹拌混合して超音波洗浄機を用いて溶解した後、ポアサイズ0.45μmのPTFE製フィルターで不溶物をろ過して得られた顔料溶解液を第1の流体とした。
<ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の結晶変換>
次に、図1に示したマイクロリアクターを使用してヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶変換を行った。前記第1の流体をタンク12に、そして第2の流体としてイオン交換水をポンプを備えたタンク16にそれぞれにセットし、ガラス製マイクロリアクター20のインレット部に送液した。温度制御装置で40℃に設定されたマイクロリアクター20においてヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶型の変換を行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含む混合液22を容器24に回収した。なお、マイクロリアクターにおける流路L1、L2及びL3の幅はそれぞれ300μm、深さは50μmとし、流路L3の長さは10cmとした。第1の流体の流量(送液速度)を0.5ml/h及び第2の流体の流量(送液速度)を1.0ml/hに設定して送液した。
このようにして得られた処理液中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の平均粒径を動的粘弾性粒度分布測定装置(LB500、(株)堀場製作所製)を使用して測定した。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径及びGSDvの値を表4に示す。また、得られたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶含有処理液を遠心分離処理して固形分を単離後、真空乾燥機を用いて80℃、24時間真空乾燥して0.9部のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を回収し、この粉末X線回折スペクトル及び分光吸収スペクトルを測定した。この結果を図15及び図16に示す。
図15よりX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に回折ピークを有し、また、図16より分光吸収スペクトルの800nmに極大吸収ピークを有することが確認された。
<感光体シートの作製>
得られたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いて、下記のようにして感光体を作製した。
まず、導電性基体として、40mmφ×319mmのアルミパイプを用意した。次に、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製)6部、硬化剤としてブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)12部、一次粒径が30nmである酸化亜鉛(商品名:NanoTech ZnO、シーアイ化成社製)41部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、東芝シリコーン社製)1部、レベリング剤(商品名:シリコーンオイルSH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製)100ppm及びメチルエチルケトン52部をバッチ式のミルにて10時間混錬して、下引層形成用塗布液を作製した。この下引層作製用の塗布液を50μm厚のアルミニウムシート上に浸漬塗布し、150℃で30分間加熱乾燥して膜厚20.0μmの下引層を形成した。
次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製)1部を酢酸n−ブチル100部に溶解させた溶液と、上記V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶1部とを混合し、外径1.0mmのガラスビーズ150部とともに、サンドミルにより5時間かけて分散し、電荷発生層形成用塗布液を調製した。得られた電荷発生層形成用塗布液を上記の下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.20μmの電荷発生層を作製した。更に、電荷輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン4部、結着樹脂として粘度平均分子量が3万のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂6部、テトラヒドロフラン80部及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2部を混合し、電荷輸送層形成用塗布液を作製した。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記の電荷発生層の表面に浸漬塗布し、120℃で40分間加熱乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、目的の感光体シートを得た。
<感光体ドラムの作製>
84mmφ×347mm、肉厚1mmのアルミニウムパイプを研磨剤(アルミナビーズCB−A30S(商品名、昭和タイタニウム社製、平均粒径D50=30μm))を用いて液体ホーニング処理することにより粗面化し、中心線平均粗さRaが0.18μmとなるように粗面化したものを導電性支持体として用いたこと以外は上記感光体シートの作製と同様の手順により、下引層、電荷発生層、電荷輸送層を順次作製し、目的の感光体ドラムを作製した。
得られた感光体シート及び感光体ドラムを用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4〜6に示す。
(比較例2)
前記合成例2において、アシッドペースティング処理により得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を自動乳鉢にて5.5時間粉砕し、非晶質の顔料を得た。この非結晶の顔料5.0部、ジメチルホルムアミド150部及び直径1mmのガラスビーズをミリングして結晶型を変換する処理を24時間行ってヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料4.5部を得て、各種試験及び評価を行った。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルより、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に回折ピークを有し、分光吸収スペクトルの856nmに極大吸収ピークを有することを確認し、顔料のメジアン径及びGSDvの値を表4に示す。
また、得られた顔料を用いて実施例3と同様に感光体シート及び感光体ドラムを作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4〜6に示す。
(実施例4)
図2及び図3に示した二重管型マイクロリアクター60を使用してI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶型の変換を行った。
二重管型マイクロリアクター60は内径1,000μmのガラス管の中に内径250μmのシリカ製チューブを挿入した構造からなり、図2に示すような装置を用いて、前記実施例1で調製した第1の流体46をモーター48駆動の撹拌装置及び50℃に設定した温度制御用のジャケット44付タンク42に、そして第2の流体58としてイオン交換水を20℃に設定したジャケット56付タンク54にセットし、それぞれに流速2ml/h、20ml/hで二重管型マイクロリアクター60のインレット部に送液し、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶変換を行い、処理液を容器70に回収した。なお、二重管型マイクロリアクター60におけるH2及びH1の長さは、それぞれ200mm、20mmとした。また、各流路の流路径は、図2及び図3における流路L6の端部74近傍の拡大模式図である図14に示す通りである。
このようにして得られた処理液中のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のメジアン径及びGSDvの値を表4に示す。また、得られたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有する処理液を遠心分離処理して固形分を単離後、真空乾燥機を用いて80℃、24時間真空乾燥して0.9部のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。なお、得られたV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折スペクトルは図15と同様のスペクトルを示し、また、分光吸収スペクトルは図16とほぼ同様のスペクトルを示した。
得られた顔料を用いて実施例3と同様に感光体シート及び感光体ドラムを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4〜6に示す。
Figure 0005266693
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本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に好適に使用されるマイクロリアクターを有する装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に好適に使用される二重管型マイクロリアクターを有する装置の一例を示す概略構成図である。 図2において使用した二重管型マイクロリアクターの拡大模式図である。 本実施形態の感光体の第一実施形態を示す断面図である。 本実施形態の感光体の第二実施形態を示す断面図である。 本実施形態の感光体の第三実施形態を示す断面図である。 本実施形態の感光体の第四実施形態を示す断面図である。 本実施形態の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 図8に示す本実施形態の画像形成装置の別の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 本実施形態の画像形成装置の一つであるフルカラープリンターの基本構成を概略的に示す断面図である。 本実施形態のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 実施例1で得られた本実施形態のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1で得られた本発明のII型クロロガリウムフタロシアニン結晶の分光吸収スペクトルである。 図2及び図3における流路L6の端部72近傍の拡大模式図である。 実施例3で得られた本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例3で得られた本実施形態のV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の分光吸収スペクトルである。
符号の説明
1:感光体、2:導電性基体、3:感光層、4:下引層、5:感光層(電荷発生層)、6:感光層(電荷輸送層)、7:保護層、8:中間層、
10:装置、12,16:タンク、14:第1の流体、18:第2の流体、20:マイクロリアクター、22:混合液、24:容器、26:ヒーター、28:温度制御装置、
40:装置、42,54:タンク、44,58:温度制御用ジャケット、46:第1の流体、48:回転駆動機構、50:回転軸、52:撹拌羽、56:第2の流体、60:二重管型マイクロリアクター、62:連結部、64:第1の流路形成部材、66:第2の流路形成部材、68:混合液、70:容器、72:排出速度調整用バルブ、74:流路L6の端部、76:連結部の端部、78:流路L8の端部、
200,220:画像形成装置、207:感光体、208:帯電手段、209:電源、210:露光手段、211:現像手段、212:転写手段、213:クリーニング手段、214:除電器、215:定着手段、216:取り付けレール、217:除電露光のための開口部、218,219:露光のための開口部、300:プロセスカートリッジ、400:ハウジング、401a,401b,401c,401d:感光体、402a,402b,402c,402d:帯電ロール、403:レーザー光源(露光手段)、404a,404b,404c,404d:現像手段、405a,405b,405c,405d:トナーカートリッジ、406:駆動ロール、407:テンションロール、408:バックアップロール、409:中間転写ベルト、410a,410b,410c,410d:1次転写ロール、411:トレイ(被記録媒体トレイ)、412:移送ロール、413:2次転写ロール、414:定着ロール、415a,415b,415c,415d:クリーニングブレード、416:クリーニングブレード、500:被記録媒体、
H1:連結部の端部76から流路L6の端部74までの長さ、H2:連結部の端部76から流路L8の端部78までの長さ、L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8:流路、P1,P2,P3,P4:送液ポンプ。

Claims (5)

  1. 分光吸収スペクトルの極大ピークが790nm以上809nm以下の波長範囲にあるV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることを特徴とする
    ガリウムフタロシアニン結晶。
  2. 請求項1に記載のガリウムフタロシアニン結晶を含有する機能層を有する感光体。
  3. 請求項に記載の感光体と、
    前記感光体表面を帯電させる帯電手段と、前記感光体表面に潜像を形成させる潜像形成手段と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記感光体表面をクリーニングするクリーニング手段と、から選ばれる少なくとも1種と、
    を有するプロセスカートリッジ。
  4. 請求項に記載の感光体と
    前記感光体表面を帯電させる帯電手段と、
    前記感光体表面に潜像を形成させる潜像形成手段と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と、
    前記トナー像を被転写媒体に転写させる転写手段と、
    前記トナー像を被記録媒体に定着させる定着手段と、
    を有する画像形成装置。
  5. ガリウムフタロシアニン化合物を良溶媒に溶解させて溶液を作製する溶液作製工程と、
    マイクロ流路内において、前記溶液に前記ガリウムフタロシアニン化合物の貧溶媒を混合し、前記ガリウムフタロシアニン化合物の結晶を得る結晶形成工程と、を含むことを特徴とする
    請求項1に記載のガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
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