JP6658169B2 - 電子写真感光体用導電性支持体、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び電子写真感光体用導電性支持体の製造方法 - Google Patents
電子写真感光体用導電性支持体、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び電子写真感光体用導電性支持体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
電子写真感光体の導電性支持体となる円筒状の基材を製造する方法としては、例えば、アルミニウム等の素管の外周面を切削して、厚み、表面粗さ等を調整する方法が知られている。
アルミニウムを含む円筒部材で構成され、
前記円筒部材は、算術平均粗さRaが1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下である電子写真感光体用導電性支持体。
前記円筒部材の表面硬度が45HV以上60HV以下である、<1>に記載の電子写真感光体用導電性支持体。
前記円筒部材はインパクトプレス管である、<1>又は<2>に記載の電子写真感光体用導電性支持体。
<1>〜<3>のいずれか1に記載の電子写真感光体用導電性支持体と、前記電子写真感光体用導電性支持体上に設けられた感光層と、を備える電子写真感光体。
<4>に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<4>に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
雌型に配置されたアルミニウムを含むスラグを、円柱状の雄型で加圧して、前記スラグを前記雄型の外周面に塑性変形させて円筒部材を成形するインパクト工程と、
成形された前記円筒部材を、当該円筒部材の外径よりも小さい内径を有する円環状の押付型の内部に通過させて、前記円筒部材の外周面をしごき加工するしごき工程と、
しごき加工された前記円筒部材の外周面に凹凸を付与するブラスト工程と、を有し、
算術平均粗さRaが1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下となる前記円筒部材で構成された電子写真感光体用導電性支持体を得る電子写真感光体用導電性支持体の製造方法。
雌型に配置されたアルミニウムを含むスラグを、円柱状の雄型で加圧して、前記スラグを前記雄型の外周面に塑性変形させて円筒部材を成形するインパクト工程と、
成形された前記円筒部材の外周面に凹凸を付与するブラスト工程と、
外周面に凹凸が付与された前記円筒部材を、当該円筒部材の外径よりも小さい内径を有する円環状の押付型の内部に通過させて、前記円筒部材の外周面をしごき加工するしごき工程と、を有し、
算術平均粗さRaが1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下となる前記円筒部材で構成された電子写真感光体用導電性支持体を得る電子写真感光体用導電性支持体の製造方法。
<3>に係る発明によれば、アルミニウムの素管の外周面を切削して得た円筒部材に比べ、表面硬度が高い電子写真感光体用導電性支持体が提供される。
<4>に係る発明によれば、算術平均粗さRaが1.3μm超え、最大高さ粗さRzが5.0μm超え、又は軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm超えの導電性支持体を備える感光体を用いて画像を形成する場合に比べ、色点及び白点の発生が抑制された画像が得られる電子写真感光体が提供される。
<5>又は<6>に係る発明によれば、算術平均粗さRaが1.3μm超え、最大高さ粗さRzが5.0μm超え、又は軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm超えの導電性支持体を備える感光体を用いて画像を形成する場合に比べ、色点及び白点の発生が抑制された画像が得られる電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
<7>又は<8>に係る発明によれば、算術平均粗さRaが1.3μm超え、最大高さ粗さRzが5.0μm超え、又は軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが400μm超えの導電性支持体を製造する場合に比べ、色点及び白点の発生が抑制された画像が得られる電子写真感光体用導電性支持体の製造方法が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体用導電性支持体(以下、「導電性支持体」と称する場合がある)は、アルミニウムを含む円筒部材で構成される。
そして、前記円筒部材は、算術平均粗さRaが1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSm(以下、単に「軸方向における平均長さRSm」又は「平均長さRSm」と称する場合がある)が80μm以上400μm以下である。
しかし、導電性支持体の薄肉化に伴い、目的とする表面形状を得ることは困難となりやすい。通常、感光体は導電性支持体上への感光層などの成膜を経て得られるため、導電性支持体の表面形状は、感光体表面に反映されやすく、更に、感光体を用いて画像を形成した際に得られる画像にまで影響を及ぼすことがある。
例えば、インパクト加工により製造された導電性支持体は、機械的強度が強く、薄肉化が実現されるものの、表面に粗大な凹部(例えば、幅400μm以上、深さ5μm以上)が形成されやすい。このため、前記導電性支持体を備える感光体を用いて画像を形成すると、得られる画像(粗大な凹部に相当する箇所)に白点が生じやすくなる。
ここで、算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzが上記範囲であるとは、導電性支持体の表面に適度に凹凸が存在し、かつ表面における粗大な凹部及び粗大な凸部(例えば、幅400μm以上、深さ5μm以上)の存在が低減されている状態を意味する。つまり、算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzを上記範囲とすることで、導電性支持体上に形成される感光層の表面には、適度に凹凸が付与されるものの、粗大な凹部及び粗大な凸部が形成されにくくなると考えられる。
これにより、粗大な凹部に起因する白点、及び粗大な凸部に起因する色点の発生が抑制される。なお、導電性支持体の表面に粗大な凸部が存在すると、この凸部が起点となって感光体に電流が局所的に流れ、色点の画像が生じやすくなると考えられる。
また、本実施形態では、算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzを上記範囲とした上で、更に軸方向における平均長さRSmを上記範囲としている。
ここで、軸方向における平均長さRSmが上記範囲であるとは、導電性支持体の軸方向において、表面の凹凸の周期が一定に近い状態であることを意味する。
つまり、算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzに加え、軸方向における平均長さRSmを上記範囲とすることで、導電性支持体の表面に、凹凸が規則的に存在した状態となるため、導電性支持体上に形成される感光層の表面には、粗大な凹部及び粗大な凸部がより形成されにくくなると考えられる。
以上のことから、本実施形態の導電性支持体を備える感光体を用いて画像を形成すると、色点及び白点の発生が抑制された画像が得られることとなる。
本実施形態の導電性支持体(円筒部材)の算術平均粗さRaは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線の高さの絶対値の平均であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。測定方法の詳細については後述する。
本実施形態の導電性支持体の算術平均粗さRaは、色点及び白点の発生が抑制された画像を得る観点から、1.3μm以下であり、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.6μm以下である。なお、下限値は、感光体の干渉縞を抑制する観点から0.3μmであることが好ましい。
算術平均粗さRaを1.3μm以下とすることにより、表面における粗大な凹部及び粗大な凸部の存在が低減されやすくなる。これにより、導電性支持体を備える感光体を用いて画像を形成したときに、粗大な凹部に起因する白点、及び粗大な凸部に起因する色点の発生が抑制されやすくなる。
本実施形態の導電性支持体(円筒部材)の最大高さ粗さRzは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線の山高さの最大値と谷深さの最大値との和であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。測定方法の詳細については後述する。
本実施形態の導電性支持体の最大高さ粗さRzは、色点及び白点の発生が抑制された画像を得る観点から、5.0μm以下であり、好ましくは4.0μm以下、より好ましくは3.0μm以下である。なお、下限値は、感光体の干渉縞を抑制する観点から1.0μmであることが好ましい。
最大高さ粗さRzを5.0μm以下とすることにより、表面における粗大な凹部及び粗大な凸部の存在が低減されやすくなる。これにより、導電性支持体を備える感光体を用いて画像を形成したときに、粗大な凹部に起因する白点、及び粗大な凸部に起因する色点の発生が抑制されやすくなる。
本実施形態の導電性支持体(円筒部材)の軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線要素の長さの平均であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。測定方法の詳細については後述する。
本実施形態の導電性支持体の軸方向における平均長さRSmは、色点及び白点の発生が抑制された画像を得る観点から、100μm以上350μm以下であり、好ましくは150μm以上300μm以下、より好ましくは200μm以上250μm以下である。
軸方向における平均長さRSmを80μm以上とすることにより、導電性支持体の表面に凹凸が規則的に存在した状態となりやすくなる。これにより、導電性支持体上に形成される感光層の表面に、粗大な凹部及び粗大な凸部がより形成されにくくなる。
一方、軸方向における平均長さRSmを400μm以下とすることにより、粗大な凹部の形成が抑制されやすくなる。これにより、導電性支持体を備える感光体を用いて画像を形成したときに、得られる画像に白点が生じにくくなる。
算術平均粗さRa、最大高さ粗さRz、及び軸方向における平均長さRSmの測定は以下のように行う。
導電性支持体(円筒部材)の軸方向において、一方の側から10mm位置から50mm位置までの40mmの領域と、他方の側から10mm位置から50mm位置までの40mmの領域と、支持体中央部の40mmの領域との計120mmの領域を軸方向に走査して表面形状(粗さ曲線)を測定する。なお、軸方向における走査は周方向に10°毎、計36回行う。
算術平均粗さRa、最大高さ粗さRz、及び軸方向における平均長さRSmは、上記走査により得られた粗さ曲線に基づき算出される。
具体的には、算術平均粗さRaは、上記36の粗さ曲線から「粗さ曲線の高さの絶対値の平均」を求めることで算出される。
最大高さ粗さRzは、上記36の粗さ曲線から「山高さの最大値と谷深さの最大値との和」を求めることで算出される。
軸方向における平均長さRSmは、上記36の粗さ曲線から「粗さ曲線要素の長さの平均」を求めることで算出される。
導電性支持体の表面硬度は、機械的強度を高める観点から、好ましくは45HV以上60HV以下、より好ましくは48HV以上58HV以下、更に好ましくは50HV以上55HV以下である。
表面硬度(ビッカース硬度)は、ビッカース硬度計(商品名:MVK−HVL、アカシ社製)を用いて、円筒部材の表面部から圧子を押し込み、押し込み加重:1kgf、押し込み時間:20秒の測定条件に基づいて測定する。測定箇所は、各サンプルについて、周方向4点、軸方向3点の計12点とする。本実施形態において、導電性支持体の表面硬度は、前記12点で測定された硬度の平均値とする。
インパクトプレス管は一般的に加工硬化により高硬度(例えば45HV以上)となる。従って、本実施形態の導電性支持体として、インパクトプレス管を適用することにより、同種のアルミニウム製の円筒管(素管)の表面に切削加工を施した円筒部材に比べ、高硬度となる。また、インパクトプレス管によれば、円筒部材を薄膜化することも可能となる。インパクトプレス管の製造方法については後述する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る導電性支持体の製造方法は、雌型(以下、凹状型とも称する)に配置されたアルミニウムを含むスラグを、円柱状の雄型(以下、パンチ型とも称する)で加圧して、前記スラグを前記雄型の外周面に塑性変形させて円筒部材を成形するインパクト工程と、成形された前記円筒部材を、当該円筒部材の外径よりも小さい内径を有する円環状の押付型の内部に通過させて、前記円筒部材の外周面をしごき加工するしごき工程と、しごき加工された前記円筒部材の外周面に凹凸を付与するブラスト工程と、を有し、算術平均粗さRaが1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下となる前記円筒部材で構成された導電性支持体を得る導電性支持体の製造方法である。
また、上記製造方法によれば、切削工程で製造された円筒部材に比べ、高い硬度の円筒部材(インパクトプレス管)が得られる。更に、粗大な凹部及び粗大な凸部の形成が抑制されるため、硬度以外の品質においても、切削工程で製造された導電性支持体(円筒部材)と品質同等以上の円筒部材を製造することが可能となる。これにより、円筒部材を量産する際の自動表面検査を省略し得る。
以下の説明では、最終的に製造された円筒部材を「成形後の円筒部材」又は導電性支持体と称することにする。また、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明及び符号は省略する場合がある。なお図中に示す矢印UPは鉛直方向上方を示す。
円筒部材の製造装置70は、円筒状の円筒部材100を成形するインパクト加工装置72と、円筒部材100の形状を矯正するしごき加工装置74と、円筒部材100の外周面に凹凸を付与するブラスト装置76と、を備えている。
以下、インパクト加工装置72、しごき加工装置74、及びブラスト装置76の順に説明する。
インパクト加工装置72は、図1(A)に示されるように、アルミニウムの塊であるスラグ102が収められる凹状型104と、凹状型104に収められたスラグ102を押圧してスラグ102を円筒状の部材(円筒部材)とする円柱状のパンチ型106とを備えている。
次に、しごき加工装置74について説明する。なお、しごき加工装置74については、しごき加工装置74に備えられた金型構造について主に説明する。
円柱型80は、例えばダイス鋼(JIS−G4404:SKD11)を用いて成形され、図2に示されるように、上下方向に延びる円柱状とされている。また、円柱型80の外径(図5のD1)は、円筒部材100の内径(図5のD2)と比して小さくされている。
押付型92は、例えば超硬合金(JIS B 4053−V10)を用いて成形され、図2に示されるように、円環状とされている。そして、押付型92は、図5に示されるように、押付型92の中心線が円柱型80の中心線に重なるように配置されている。また、押付型92には、押付型92の径方向の内側に突出する突起部92Aが円環状に形成されている。
抑制部材86は、例えばナイロン樹脂を用いて成形され、図2に示されるように、円環状とされている。また、抑制部材86は、図11に示されるように、内周面が円柱型80の外周面と接触している円筒部88と、円筒部88から下方側に突出する突出部90とを有している。具体的には、突出部90は、円筒部88において円筒部88の径方向の外側の部分から下方側に突出している。また、突出部90には、円柱型80に円筒部材100を装着させた状態で、円筒部材100の一端部100A側の外周面と対向する抑制面90Aが形成されている。そして、抑制面90Aは、上下方向(円柱型80の軸方向)から見て円形とされている。また、抑制部材86の抑制面90Aの内径(図中D4)は、インパクト加工によって成形された後の円筒部材100の外径(図中D3)と比して大きくされている。
脱型部材96は、例えば金属材料で成形され、図9に示されるように、押付型92に対して下方側で、かつ、押付型92に対して下方側に移動した部分の円柱型80を円柱型80の径方向から挟むように、2個設けられている。また、夫々の押付型92には、円柱型80の外周面に向けて突出する突起96Aが形成されている。
次に、ブラスト装置76について説明する。本実施形態におけるブラスト装置76は、サンドブラスト装置である。
図3に示すように、ブラスト装置76は、圧縮空気を供給する圧縮機(コンプレッサー)41と、研磨材(不図示)を収容する容器(タンク)42と、タンク42から供給管44を経て供給される研磨材及びコンプレッサー41から供給される圧縮空気を混合する混合部48と、当該混合部48から研磨材を圧縮空気で噴射して円筒部材100に吹き付けるノズル46と、を備える。
次に、要部構成の作用を、円筒部材の製造装置70を用いて円筒部材100を製造する工程によって説明する。具体的には、インパクト工程と、しごき工程と、ブラスト工程によって説明する。
先ず、図1、図4を参照して、インパクト加工装置72を用いて円筒部材100を成形するインパクト工程について説明する。
インパクト工程は、凹状型104に配置されたアルミニウムを含むスラグを、円柱状のパンチ型106で加圧して、スラグ102をパンチ型106の外周面に塑性変形させて円筒部材100を成形する工程である。
インパクト工程では、先ず、図1(A)に示されるように、スラグ102が凹状型104に収納され、さらに、パンチ型106が、凹状型104に対して上方側に配置される。
次に、図2、図5〜図10を参照して、しごき加工装置74を用いて円筒部材100の形状を矯正するしごき工程ついて説明する。
しごき工程は、成形された円筒部材100を、円筒部材100の外径よりも小さい内径を有する円環状の押付型92の内部に通過させて、円筒部材100の外周面をしごき加工する工程である。
次に、図3を参照して、ブラスト装置76を用いて円筒部材100の表面(外周面)を粗面化するブラスト工程ついて説明する。
ブラスト工程は、しごき加工された円筒部材100の外周面に凹凸を付与する(表面を粗面化する)工程である。
研磨材の大きさ、照射圧力及び照射時間は、円筒部材100の算術平均粗さRa、最大高さ粗さRz及び軸方向における平均長さRSmを特定の範囲に制御する観点から、以下の範囲であることがよい。なお、研磨材の照射圧力とは、研磨材が円筒部材100に吹き付けられるときの圧力を意味する。
研磨材の大きさは、例えば、好ましくは30μm以上300μm以下、より好ましくは60μm以上250μm以下である。
研磨材の照射圧力は、例えば、好ましくは0.1MPa以上0.5MPa以下、より好ましくは0.15MPa以上0.4MPa以下である。
研磨材の照射時間は、例えば、好ましくは5秒以上30秒以下、より好ましくは10秒以上20秒以下である。
第2実施形態に係る導電性支持体の製造方法は、雌型に配置されたアルミニウムを含むスラグを、円柱状の雄型で加圧して、前記スラグを前記雄型の外周面に塑性変形させて円筒部材を成形するインパクト工程と、成形された前記円筒部材の外周面に凹凸を付与するブラスト工程と、外周面に凹凸が付与された前記円筒部材を、当該円筒部材の外径よりも小さい内径を有する円環状の押付型の内部に通過させて、前記円筒部材の外周面をしごき加工するしごき工程と、を有し、算術平均粗さRaが1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下となる前記円筒部材で構成された導電性支持体を得る導電性支持体の製造方法である。
第2実施形態に係る導電性支持体の製造方法では、ブラスト工程を経た後にしごき工程を実施するため、ブラスト工程での表面粗さがしごき工程により均されることで白点の原因となる形状の凹みが残留しづらくなる。
従って、第2実施形態に係る導電性支持体の製造方法においても、色点及び白点の発生が抑制された画像が得られる導電性支持体(成形後の円筒部材)が製造される。
また、上記製造方法によれば、切削工程で製造された円筒部材に比べ、高い硬度の円筒部材(インパクトプレス管)が得られる。更に、第1実施形態と同様に、粗大な凹部及び粗大な凸部の形成が抑制されるため、硬度以外の品質においても、切削工程で製造された導電性支持体(円筒部材)と品質同等以上の円筒部材を製造することが可能となる。これにより、円筒部材を量産する際の自動表面検査を省略し得る。
以上、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
例えば、上記実施形態では、しごき加工を一回行っているが、しごき加工を複数回に分けて行ってもよく、円筒部材の径を段階的に矯正してもよい。
また、しごき加工を施す前に、焼き鈍しを施して応力を開放してもよい。インパクト加工後の後処理として焼き鈍しを行ってもよい。
また、インパクト加工後、しごき加工後、ブラスト処理後、又は焼き鈍し後に、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、湿式ホーニングなどの方法を適用して円筒部材の表面の算術平均粗さRa、最大高さ粗さRz、及び軸方向における平均長さRSmを調整してもよい。
また、上記実施形態では、円柱型80を押付型92に対して移動させたが、押付型92を移動させてもよい。つまり、円柱型80と押付型92とを相対的に移動させればよい。
また、上記実施形態は、抑制部材86の抑制面90Aと円筒部材100の外周面との間に隙間が形成されたが、抑制部材86の抑制面90Aと円筒部材100の外周面とが接触(D4−D3=0)していてもよい。
本実施形態に係る電子写真感光体は、上記実施形態の導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられた感光層と、を備える。即ち、導電性支持体は、アルミニウムを含む円筒部材で構成され、前記円筒部材は、算術平均粗さRaが1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下である。
図12は、電子写真感光体7Aの層構成の一例を示す模式断面図である。図12に示す電子写真感光体7Aは、導電性支持体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有し、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
図13及び図14はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。
図13及び図14に示す電子写真感光体7B,7Cは、図12に示す電子写真感光体7Aと同様に、電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された感光層5を備えるものであり、最外層として保護層6が形成されている。図13に示す電子写真感光体7Bは導電性支持体4上に下引層1、電荷発生層2、電荷輸送層3及び保護層6が順次積層された構造を有する。図14に示す電子写真感光体7Cは、導電性支持体4上に下引層1、電荷輸送層3、電荷発生層2、保護層6が順次積層された構造を有する。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
本実施形態に係る画像形成装置は、上記実施形態に係る電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置200は、図15に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置200において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図16に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置200と同様の構成を有している。
(導電性支持体(1)の作製)
アルミニウム純度99.5%以上のJIS呼称1050合金の厚み15mmのアルミニウム板を打ち抜き加工して、直径34mm、厚み15mmのアルミニウム製の円柱状のスラグを用意した。前記スラグに潤滑剤を付与し、インパクト加工によって直径34mmの円筒部材に成形した。
次いで以下の条件でブラスト処理を施し、更に1回のしごき加工にて、直径30mm、長さ251mm、肉厚0.8mmのアルミニウム製の導電性支持体(1)(円筒部材)を作製した。
ブラスト処理条件 研磨材(メディア)の材質:ジルコニア、研磨材のサイズ:60μm、研磨材の照射圧力:0.15MPa、研磨材の照射時間:30秒
導電性支持体(1)の作製において、表1、表2に従って、ブラスト処理条件(研磨材の照射圧力、研磨材の照射時間、及び工程順)を変更した以外は、導電性支持体(1)と同様にして、導電性支持体(2)〜(19)、(1C)〜(5C)、(7C)、(8C)、(9C)を作製した。
従来の抽伸管で作製したアルミニウム製の円筒管(素管)の表面を切削し、直径30mm、長さ300mm、肉厚0.5mmのアルミニウム製の導電性支持体(20)を作製した。
予め傷を付与したスラグを用いたこと、及びブラスト処理を施さなかったこと以外は導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体(6C)(円筒部材)を作製した。
導電性支持体(1)〜(20)、(1C)〜(8C)について、算術平均粗さRa、最大高さ粗さRz、軸方向における平均長さRSm、及び表面硬度(ビッカース硬度)を既述の方法で測定した。結果を表1、表2に示す。
(感光体(1)の作製)
酸化亜鉛(商品名:MZ 300、テイカ社製)100質量部、シランカップリング剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%のトルエン溶液を10質量部、トルエン200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付けて、シランカップリング剤による酸化亜鉛の表面処理を行った。
表面処理した酸化亜鉛:33質量部、ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):6質量部、下記構造式(AK−1)で示される化合物:1質量部、メチルエチルケトン:25質量部を30分間混合し、その後ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製):5質量部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):3質量部、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製):0.01質量部を添加し、サンドミルにて3時間の分散を行い、下引層形成用塗布液を得た。
さらに、浸漬塗布法にて、下引層形成用塗布液を、上記で作製した導電性支持体(1)上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、膜厚30μmの下引層を得た。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引層上に浸漬塗布し、130℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、145℃、30分の乾燥を行うことにより、膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。
感光体(1)の作製において、表1、表2に従って、導電性支持体の種類を変更したこと以外は感光体(1)と同様にして、感光体(2)〜(20)、(1C)〜(8C)を作製した。
表1、2に示す導電性支持体を備える感光体を実施例1〜実施例20、及び比較例1〜比較例8の感光体とした。
各例の感光体を画像形成装置(富士ゼロックス社製、Docu Print C1100)に装着した。さらに、この画像形成装置を用いて、20℃、40%RHの環境下で、感光体の表面を負に帯電させ780nmの単色光で像を形成する方法により50%ハーフトーン画像を出力し、得られた画像について、色点及び白点の発生を評価した。結果を表1、2に示す。
なお、評価基準は表3の通りである。評価方法の詳細としては、得られた画像の点欠陥(色点、白点)を3つの大きさ(面積)で分類し、各々の大きさの点欠陥の個数が該当する基準のうち最も悪い基準(数値の大きい基準)の評価を与えることとした。具体的には、例えば、0.05mm2未満が11個、0.05mm2以上0.1mm2未満が2個、0.1mm2以上が0個の場合、評価は「8」である。なお、評価基準「4」以下であると実用上許容範囲であるとする。
なお、インパクトプレス管を用いた実施例1〜19は、表面を切削して得た円筒部材(導電性支持体)を用いた実施例20に比べ、表面硬度が高いことがわかる。従って、インパクト加工によって導電性支持体を製造することにより、色点及び白点の発生が抑制された画像が得られ、かつ機械的強度に優れた導電性支持体が実現されることがわかった。
・「IP」とは、インパクトプレス管を意味する。
・「切削」とは、アルミニウム製の素管(円筒管)の表面を切削して得た導電性支持体を意味する。
・ブタジエン系電荷輸送材料:下記構造式で示される化合物(CT1A)
・ベンジジン系電荷輸送材料:下記構造式で示される化合物(CT2A)
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤:下記構造式で示される化合物(HP−1)
Claims (10)
- アルミニウムを含む円筒部材で構成され、
前記円筒部材は、算術平均粗さRaが0.3μm以上1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下である電子写真感光体用導電性支持体。 - 前記円筒部材の表面硬度が45HV以上60HV以下である、請求項1に記載の電子写真感光体用導電性支持体。
- 前記円筒部材はインパクトプレス管である、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体用導電性支持体。
- 肉厚が0.3mm以上0.7mm以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体用導電性支持体。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体用導電性支持体と、前記電子写真感光体用導電性支持体上に設けられた感光層と、を備える電子写真感光体。
- 前記電子写真感光体用導電性支持体と前記感光層との間に、膜厚15μm以上の下引層を更に備える、請求項5に記載の電子写真感光体。
- 請求項5又は請求項6に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項5又は請求項6に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 雌型に配置されたアルミニウムを含むスラグを、円柱状の雄型で加圧して、前記スラグを前記雄型の外周面に塑性変形させて円筒部材を成形するインパクト工程と、
成形された前記円筒部材を、当該円筒部材の外径よりも小さい内径を有する円環状の押付型の内部に通過させて、前記円筒部材の外周面をしごき加工するしごき工程と、
しごき加工された前記円筒部材の外周面に凹凸を付与するブラスト工程と、を有し、
算術平均粗さRaが0.3μm以上1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下となる前記円筒部材で構成された電子写真感光体用導電性支持体を得る電子写真感光体用導電性支持体の製造方法。 - 雌型に配置されたアルミニウムを含むスラグを、円柱状の雄型で加圧して、前記スラグを前記雄型の外周面に塑性変形させて円筒部材を成形するインパクト工程と、
成形された前記円筒部材の外周面に凹凸を付与するブラスト工程と、
外周面に凹凸が付与された前記円筒部材を、当該円筒部材の外径よりも小さい内径を有する円環状の押付型の内部に通過させて、前記円筒部材の外周面をしごき加工するしごき工程と、を有し、
算術平均粗さRaが0.3μm以上1.3μm以下であり、最大高さ粗さRzが5.0μm以下であり、かつ軸方向における粗さ曲線要素の平均長さRSmが80μm以上400μm以下となる前記円筒部材で構成された電子写真感光体用導電性支持体を得る電子写真感光体用導電性支持体の製造方法。
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