JP7188225B2 - インパクトプレス加工金属筒体 - Google Patents

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Description

本発明は、インパクトプレス加工金属筒体に関する。
従来、厚みの薄い金属製の容器等の金属筒体を低コストで量産する方法として、雌型(凹状型)に配置した金属塊(スラグ)に対し、雄型(パンチ型)で衝撃(インパクト)を加えて金属筒体に成形するインパクトプレス加工が知られている。
例えば、特許文献1には、「スラグ等の塑性材料をダイスのキャビティ内に装着し、前記ダイスに対して変位自在に設けられたパンチを前記スラグに押圧することにより有底状の容器に塑性変形せしめる有底容器の製造方法において、前記ダイスとパンチにて所定深さの中間容器に塑性変形せしめる第1工程と、第1工程で得た中間容器を加熱する第2工程と、該第2工程で加熱された中間容器を洗浄する第3工程と、第3工程で洗浄された中間容器に油類を塗布する第4工程と、第4工程で油類が塗布された中間容器を乾燥する第5工程と、第5工程で乾燥された中間容器を更に塑性変形せしめて最終深さの容器を形成せしめる第6工程とを備えたことを特徴とする有底容器の製造方法」が開示されている。
特開2008-132503号公報
本発明の課題は、筒状部と筒状部の軸方向一端に底部とを有し、筒状部の軸方向他端が開口したインパクトプレス加工金属筒体において、底部の外周面の表面粗さRz1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2との比(Rz1/Rz2)が、2未満若しくは4000超えの範囲である場合、底部の外周面のビッカース硬度HV1が筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2に比べ5HV未満若しくは27HV超えの範囲で小さい場合、又は、底部の外周面の平均結晶粒径D1が筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2に比べ50μm未満若しくは999.9μm超えの範囲で大きい場合に比べて、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されているインパクトプレス加工金属筒体を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、次の態様が含まれる。
<1>
筒状部と前記筒状部の軸方向一端に底部とを有し、前記筒状部の軸方向他端が開口したインパクトプレス加工金属筒体であって、
前記底部の外周面の表面粗さRz1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)が、2以上4000以下の範囲であり、
前記底部の外周面のビッカース硬度HV1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2に比べ5HV以上27HV以下の範囲で小さいインパクトプレス加工金属筒体。
<2>
前記底部の外周面のビッカース硬度HV1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2に比べ、5HV以上18HV以下の範囲で小さい<1>に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
<3>
前記底部の外周面のビッカース硬度HV1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2と、の比(HV1/HV2)が、18/45以上25/30以下の範囲である<1>又は<2>に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
<4>
筒状部と前記筒状部の軸方向一端に底部とを有し、前記筒状部の軸方向他端が開口したインパクトプレス加工金属筒体であって、
前記底部の外周面の表面粗さRz1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)が、2以上4000以下の範囲であり、
前記底部の外周面の平均結晶粒径D1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2に比べ50μm以上999.9μm以下の範囲で大きいインパクトプレス加工金属筒体。
<5>
前記底部の外周面の平均結晶粒径D1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2と、の比(D1/D2)が、2以上10000以下の範囲である<4>に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
<6>
前記底部の外周面の表面粗さRz1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)が、2.75以上3800以下の範囲である<1>~<5>のいずれか1項に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
<7>
前記底部の外周面の表面粗さRz1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2に比べ5μm以上39.99μm以下の範囲で大きい<1>~<6>のいずれか1項に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
<1>に係る発明によれば、筒状部と筒状部の軸方向一端に底部とを有し、筒状部の軸方向他端が開口したインパクトプレス加工金属筒体において、底部の外周面の表面粗さRz1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2との比(Rz1/Rz2)が、2未満若しくは4000超えの範囲である場合、又は、底部の外周面のビッカース硬度HV1が筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2に比べ5HV未満若しくは27HV超えの範囲で小さい場合に比べて、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されているインパクトプレス加工金属筒体が提供される。
<2>に係る発明に係る発明によれば、底部の外周面のビッカース硬度HV1が、筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV1に比べ、5HV未満又は18HV超えの範囲で小さい場合に比べ、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されているインパクトプレス加工金属筒体が提供される。
<3>に係る発明によれば、底部の外周面のビッカース硬度HV1と、筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2と、の比(HV1/HV2)が、18/45未満又は25/30超えの範囲である場合に比べ、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されているインパクトプレス加工金属筒体が提供される。
<4>に係る発明によれば、筒状部と筒状部の軸方向一端に底部とを有し、筒状部の軸方向他端が開口したインパクトプレス加工金属筒体において、底部の外周面の表面粗さRz1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2との比(Rz1/Rz2)が、2未満若しくは4000超えの範囲である場合、又は、底部の外周面の平均結晶粒径D1が筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2に比べ50μm未満若しくは999.9μm超えの範囲で大きい場合に比べて、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されているインパクトプレス加工金属筒体が提供される。
<5>に係る発明によれば、底部の外周面の平均結晶粒径D1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2と、の比(D1/D2)が、2未満又は10000超えの範囲である場合に比べ、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されているインパクトプレス加工金属筒体が提供される。
<6>に係る発明によれば、底部の外周面の表面粗さRz1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)が、2.75未満又は3800超えの範囲である場合に比べ、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されているインパクトプレス加工金属筒体が提供される。
<7>に係る発明によれば、底部の外周面の表面粗さRz1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2に比べ5μm未満又は39.99μm超えの範囲で大きい場合に比べ、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されているインパクトプレス加工金属筒体が提供される。
本実施形態に係る製造装置のインパクトプレス装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るインパクトプレス装置の構成を示す側断面図である。 図1に示されるインパクトプレス装置において、パンチをダイスの凹部に挿入させた状態を示す斜視図である。 図2に示されるインパクトプレス装置の側断面図である。 図1に示されるインパクトプレス装置において、成形された金属円筒体をパンチから取り外す過程を示す斜視図である。 本実施形態に係るインパクトプレス装置のパンチの一部及びダイスの一部を拡大して示す側断面図である。 本実施形態に係る製造装置のしごき加工装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るしごき加工装置の構成を示す側断面図である。 本実施形態に係る製造装置の切断装置の構成を示す概略図である。 図9に示される切断装置で金属円筒体を切断した状態を示す概略図である。 本実施形態に係る金属筒状体の一例を示す概略断面図である。 本実施形態に係る感光体の構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る感光体の他の構成例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る感光体の他の構成例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
[インパクトプレス加工金属筒体]
本実施形態に係るに係るインパクトプレス加工金属筒体は、筒状部と前記筒状部の軸方向一端に底部とを有し、筒状部の軸方向他端が開口したインパクトプレス加工金属筒体において、下記条件(1)と、下記条件(2)及び下記条件(3)の少なくとも一方の条件と、を満たす。
条件(1)底部の外周面の表面粗さRz1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)が、2以上4000以下の範囲である。
条件(2)底部の外周面のビッカース硬度HV1が、筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV1に比べ5HV以上27HV以下の範囲で小さい。
条件(3)底部の外周面の平均結晶粒径D1が、筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2に比べ50μm以上999.9μm以下の範囲で大きい。
ここで、インパクトプレス加工は、スラグ(つまり金属塊)をダイス(つまり雌型)に配置された状態で、パンチ(つまり雄型)で加圧してパンチの外周面に塑性変形させて金属筒体を成形する加工方法である。
インパクトプレス加工では、上述のように、スラグをパンチで加圧してパンチの外周面に塑性変形させて金属筒体を成形する。このとき、スラグは、そのパンチ接触面側の部位がパンチの外周面に接触しつつ延伸して可塑変形する。
しかし、インパクトプレス加工では、インパクトプレス加工特有に発生するショックラインと呼ばれる、筒状部の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生することがある。ショックラインは、インパクトプレス加工時のせん断応力の不均一性により、筒状部の外周面に結晶粒が表出することで凹凸が形成されるためと考えられている。
また、インパクトプレス加工では、肉厚の均一性の制御が切削加工に比べて劣り、高い形状精度が求められる用途への応用が難しい。具体的には、例えば、感光体の導電性基体のような肉厚の均一性が求められる用途においては偏肉が生じることがある。
この偏肉が生じるのは、インパクトプレス加工時の材料流動の不均一性により、材料間の流動界面にて破断し、材料流動が加工中に変動することで、肉厚の周方向ムラが発生するためと考えられる。
それに対して、インパクトプレス加工金属筒体において、底部の外周面の表面粗さRz1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)を、2以上4000以下の範囲とする。
また、底部の外周面のビッカース硬度HV1を、筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2に比べ5HV以上27HV以下の範囲で小さく、又は、底部の外周面の平均結晶粒径D1を、筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2に比べ50μm以上999.9μm以下の範囲で大きくする。
このように、底部の外周面および筒状部の軸方向中央部の外周面の、表面粗さRzと、ビッカース硬度HV1及び平均結晶粒径の少なくとも一方と、を制御することで、インパクト加工時の材料流動の不均一性が抑えられ、結晶粒が表出することが抑制される。また、材料間の流動界面にて破断し、材料流動が加工中に変動することも抑制される。
そのため、本実施形態に係るインパクトプレス加工金属筒体は、上記構成により、インパクトプレス加工で特有に発生するショックラインと呼ばれる、底部側の外周面に、周方向に沿った表面粗度の大きな領域の発生と共に、偏肉が抑制されている。
以下、本実施形態に係るインパクトプレス加工金属筒体(以下「金属筒体」とも称する)の詳細について説明する。なお、以下の説明では、条件(2)及び条件(3)の双方を満たす態様について説明するが、少なくとも一方を満たせばよい。
本実施形態に係る金属筒体において、底部の外周面の表面粗さRz1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)は、2以上4000以下の範囲であり、ショックライン発生および偏肉の抑制の観点から、2.75以上3800以下の範囲が好ましく、4以上1200以下の範囲がより好ましい。
また、ショックライン発生および偏肉の抑制の観点から、底部の外周面の表面粗さRz1は、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2に比べ、5μm以上39.99μm以下の範囲で大きいことが好ましく、7μm以上37.9μm以下の範囲で大きいことがより好ましく9μm以上35.7μm以下の範囲で大きいことがさらに好ましい。
なお、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2は、0.01μm以上5μm以下の範囲が好ましく、0.1μm以上4μm以下の範囲がより好ましい。
本実施形態に係る金属筒体において、底部の外周面のビッカース硬度HV1は、筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2に比べ、5HV以上27HV以下の範囲で小さいが、ショックライン発生および偏肉の抑制の観点から、5HV以上18HV以下の範囲で小さいことが好ましい。
また、ショックライン発生および偏肉の抑制の観点から、底部の外周面のビッカース硬度HV1と、筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2と、の比(HV1/HV2)は、18/45以上25/30以下(又は0.4以上0.83以下)の範囲が好ましく、0.45以上0.75以下の範囲がより好ましく、0.475以上0.72以下の範囲がさらに好ましい。
なお、状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2は、30HV以上45HV以下の範囲が好ましく、32HV以上40HV以下の範囲がより好ましい。
本実施形態に係る金属筒体において、底部の外周面の平均結晶粒径D1が、筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2に比べ、50μm以上999.9μm以下の範囲で大きいが、ショックライン発生および偏肉の抑制の観点から、90μm以上960μm以下の範囲で大きいことが好ましい。
また、ショックライン発生および偏肉の抑制の観点から、底部の外周面の平均結晶粒径D1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2と、の比(D1/D2)は、2以上10000以下の範囲が好ましく、2.5以上1600以下の範囲がより好ましく、2.63以上700以下の範囲がさらに好ましい。
なお、筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2は、0.1μm以上50μm以下の範囲が好ましく、1μm以上38μm以下の範囲がより好ましい。
ここで、表面粗さRz、ビッカース硬度HV、平均結晶粒径Dの測定方法について説明する。
まず、測定位置について説明する。
「底部の外周面」での測定位置は、底部の外側底面中央部から、筒状部に対して直交する仮想線を引いたとき、底部の外周面と仮想線とが交わる個所から、筒状部の開口側2mmの位置における底部の外周面である(図11参照)。
一方、「筒状部の外周面」での測定位置は、金属筒体の高さの2/1の位置における筒状部の外周面である(図11参照)。
なお、図11中、MP1は「底部の外周面」での測定位置、MP2は「筒状部の外周面」での測定位置を示す。410は金属筒体、412は底部、413は筒状部を示す。
次に、表面粗さRzの測定方法について説明する。
表面粗さRzは、JIS B0601(2013)に準拠した最大高さ粗さであり、「底部の外周面」および「筒状部の外周面」の測定位置で、各々、触針を周方向に20mm走査し、測定する。そして、この操作を3か所で行い、その平均値を、各測定位置での表面粗さRzとして採用する。
なお、測定条件は、評価長さLn=4.0mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとする。
次に、ビッカース硬度HVの測定方法について説明する。
ビッカース硬度HVは、ビッカース硬度計(商品名:MVK-HVL、アカシ社製)を用いて、「底部の外周面」および「筒状部の外周面」の測定位置で、各外周面から圧子を押し込み、押し込み加重:1kgf、押し込み時間:20秒の測定条件に基づいて測定する。測定箇所は、「底部の外周面」および「筒状部の外周面」の測定位置で、各々、周方向に等間隔で4点とする。そして、その平均値を、各測定位置であるビッカース硬度HVとして採用する。
次に、平均結晶粒径Dの測定方法について説明する。
「底部の外周面」および「筒状部の外周面」の測定位置を有する試料を金属筒体から採取する。そして、試料における測定位置(つまり、測定面)を研磨機(Beta&Vector GRINDER-POLISHERS AND POWERHEAD、ビュラー社製)によって研磨して鏡面仕上げ加工する。その後、走査型電子顕微鏡(JSM-7500F 日本電子製)を用いて、測定位置の結晶粒を観察し、結晶粒径を算出する。
具体的には、結晶粒径の算出は、観察画像において、仮定線を引き、その線(測定長さ1000μm)を横切った結晶の長さを個数平均した値を結晶粒径とする。
測定箇所は、「底部の外周面」および「筒状部の外周面」の測定位置で、各々、周方向に等間隔で4点とする。そして、その平均値を、各測定位置である平均結晶粒径Dとして採用する。
なお、本実施形態に係る金属筒体において、底部の外周面と、筒状部における軸方向長さの開口側70%以上90%以下(好ましくは80%以上90%以下)の外周面と、の表面粗さRz、ビッカース硬度HV及び平均結晶粒径Dの上記関係も、底部の外周面と筒状部の軸方向中央部の外周面との関係と同様な関係を満たすことが好ましい。
本実施形態に係る金属筒体(具体的には、その筒状部)の厚みの偏り(つまり、偏肉)は、40μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。偏肉の下限は、0が好ましいが、生産性の観点から、例えば、5μm以上である。
偏肉は、次の方法により測定する。超音波肉厚計を用いて、金属筒体の筒状部の開口側から底部側に向かって任意の点より周方向に等間隔で36点の厚み(肉厚)を測定する。そして、厚みの最大値-最小値を算出する。そして、この操作を、10mmごとに金属筒体の筒状部の軸方向に18点行う。そして、その最大値を偏肉とする。
本実施形態に係る金属筒体(具体的には、その筒状部)の厚み(肉厚)は、特に限定されず、用途に応じて決定される。例えば、金属筒体(具体的には、その筒状部)の厚み(肉厚)は、0.3mm以上0.7mm以下が好ましく、0.35mm以上0.5mm以下がより好ましい。
なお、金属筒体(具体的には、その筒状部)の厚み(肉厚)は、偏肉で算出した厚みの平均値とする。
本実施形態に係る金属筒体の材質は、特に限定されず、用途に応じて選択される。
例えば、金属筒体を感光体の導電性基体を適用する場合、金属筒体の材質は、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
アルミニウム合金としては、アルミニウムのほかに、例えばSi、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti等を含むアルミニウム合金が挙げられる。アルミニウム合金は、いわゆる1000系合金が好ましい。
アルミニウム含有率(アルミニウム純度:質量比)は、加工性の観点から、90.0%以上であることが好ましく、93.0%以上であることがより好ましく、95.0%以上がより更に好ましい。
本実施形態に係る金属筒体の形状(具体的には、金属筒体をその軸方向から見た形状)は、特に限定されず、用途に応じて選択される。金属筒体の形状は、円形状、多角形状(四角形等)等、種々の形状であってもよい。
ここで、本実施形態に係る金属筒体は、インパクトプレス加工で製造されたインパクトプレス加工金属筒体である。
インパクトプレス加工金属筒体は、一般的に加工硬化により高硬度(例えば45HV以上)となる。従って、インパクトプレス加工金属筒体は、同種のアルミニウム製の筒状管(素管)の表面に切削加工を施した金属筒体に比べ、高硬度となる。また、インパクトプレス加工金属筒体によれば、金属筒体を薄肉化することも可能となる。
本実施形態に係る金属筒体は、例えば、電子写真感光体用の導電性基体として適用できる。その他、金属筒体は、燃料電池容器等にも適用できる。
[本実施形態に係る金属筒体の製造方法]
本実施形態に係る金属筒体の製造方法は、インパクトプレス加工を利用した製造方法である。具体的な一例には、次の通りである。
まず、本実施形態に係る金属筒体の製造方法に利用する製造装置(以下、「本実施形態に係る製造装置」とも称する)の一例について説明する。
<製造装置100>
本実施形態に係る製造装置100の構成を説明する。
図1等に示される製造装置100は、金属筒体を製造する製造装置の一例である。具体的には、製造装置100は、金属円筒体400(図10参照)を製造する機能を有している。すなわち、製造装置100は、電子写真式の感光体用の導電性基体を製造する製造装置の一例ともいえる。
なお、製造装置100が製造する対象は、電子写真式の感光体用の金属円筒体400に限られない。例えば、製造装置100は、現像ロールに用いられる金属円筒体などを製造する装置であってもよい。また、製造装置100は、電池ケースなどの角筒を製造する装置であってよい。
製造装置100は、具体的には、インパクトプレス装置10(図1及び図2参照)と、しごき加工装置200(図7及び図8参照)と、切断装置300(図9及び図10参照)と、を有している。以下、インパクトプレス装置10、しごき加工装置200、及び切断装置300について説明する。
(インパクトプレス装置10)
図1及び図2には、インパクトプレス装置10の構成が示されている。図1及び図2に示されるインパクトプレス装置10は、素材である金属塊に対してインパクトプレス加工を行う装置の一例である。具体的には、インパクトプレス装置10は、金属塊の一例としてのスラグ30に対して、衝撃(インパクト)を付与して、有底の筒体(つまり、筒状部と筒状部の軸方向一端に底部とを有し、筒状部の軸方向他端が開口した金属筒体)を成形する機能を有している。
インパクトプレス装置10は、一例として、図中の矢印+Y方向側を鉛直上方側とし、図中の矢印-Y方向側を鉛直下方側とした向きに配置されている。なお、インパクトプレス装置10は、+Y方向側を水平方向側とした向きに配置されていてもよく、インパクトプレス装置10が配置される向きと、重力方向との関係は、不問である。
インパクトプレス装置10は、具体的には、図1に示されるように、ダイス20と、パンチ40と、ストリッパー60と、を有している。以下、スラグ30、及びインパクトプレス装置10の各部(ダイス20、パンチ40、及びストリッパー60)について説明する。
(スラグ30)
スラグ30は、金属塊の一例である。スラグ30の材料、形状、大きさ等は、成形品の形状、大きさ、用途などに応じて選択される。本実施形態のように、電子写真式の感光体用の支持体を製造する場合は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の円盤状又は円柱状のスラグ30が好適に用いられる。なお、成形品の形状などによっては、楕円柱状、角柱状などのスラグ30を用いてもよい。
スラグ30として用いられるアルミニウム合金としては、アルミニウムのほかに、例えばSi、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti等を含むアルミニウム合金が挙げられる。電子写真式の感光体用の支持体を製造する場合に用いるスラグ30に含まれるアルミニウム合金は、いわゆる1000系合金が好ましい。
スラグ30を作製する方法は限定されず、例えば、円柱状又は円盤状のスラグ30を使用する場合は、長手方向に垂直な断面が円形である棒状の金属材料をスラグ30の高さ(厚み)に相当する長さに切断する方法、スラグ30の高さ(厚み)に相当する厚みを有する金属板を円形状に打ち抜く方法などが挙げられる。
(ダイス20)
図1及び図2に示されるダイス20は、金属塊が配置される凹部を内部に有し、該凹部の底面の外周部に形成された溝を有するダイスの一例である。具体的には、ダイス20は、図2に示されるように、スラグ30が配置される凹部22を内部に有し、凹部22の底面23の外周部に形成された溝24を有する雌型である。さらに具体的には、ダイス20は、以下のように構成されている。
ダイス20は、図1に示されるように、例えば、円盤状に形成されている。凹部22は、ダイス20の上面(図1中、+Y方向側の面)で開口するように、ダイス20の中央部に形成されている。凹部22は、円柱状又は円盤状に形成されている。すなわち、凹部22は、平面視(図1中、-Y方向視)にて円形状に形成されている。
凹部22の底面23は、図2に示されるように、上方側(図2中、+Y方向側)を向く平面とされている。すなわち、底面23は、無勾配な面(つまり、フラットな面)とされている。なお、底面23は、勾配を有していてもよく、例えば、径方向の中央で、上方側(図2中、+Y方向側)へ凸状とされた面であってもよい。
溝24は、底面23で上方側(図2中、+Y方向側)に開口するように、凹部22の底面23の外周部に形成されている。具体的には、溝24は、平面視にて円環状に形成されている。すなわち、溝24は、凹部22の内周面22Nに沿ってその全周において底面23に形成されている。なお、底面23の外周部とは、底面23の平面視における中央よりも外周側(図2中、凹部22の内周面22N側)の部分である。
溝24は、側断面視にて、略長方形状とされている。-Y方向側の角部が丸められている。溝24の底面24Dは、上方側(図2中、+Y方向側)を向く平面とされている。すなわち、底面24Dは、無勾配な面(つまり、フラットな面)とされている。なお、底面24Dは、勾配を有していてもよく、例えば、凹部22(その底面23)の径方向外側で下方側(図2中、-Y方向側)へ凹状とされていてもよい。
溝24は、底面23の外周部を含んで形成されていればよく、底面23の平面視における中央部を含んで形成されていてもよい。したがって、溝24の溝幅(つまり、面23の径方向に沿った寸法)は、凹部22の半径の半値よりも広くてもよい。
なお、溝24の内周側にさらに溝が形成されていてもよい。すなわち、底面23に溝24を含む複数の溝が形成されていてもよい。
溝24は、底面23における最上部23Aから下側に凹んだ空間部分である。最上部23Aとは、最も+Y方向側の部分であり、凹部22の開口22A(図2中、+Y方向側の端)側の部分である。
また、本明細書における「底」とは、凹部22や溝24の奥側の部分を意味する。本実施形態のように、インパクトプレス装置10が矢印+Y方向側を鉛直上方側とした向きに配置される場合では、「底」は、「鉛直下方側の部分」となるが、インパクトプレス装置10が矢印+Y方向側を水平方向側とした向きに配置される場合では、「鉛直下方側の部分」とはならない。なお、溝24の具体的な機能については後述する。
(パンチ40)
図1及び図2に示されるパンチ40は、ダイスに対して相対移動して先端部が凹部内に挿入されるパンチの一例であり、この形状に限られるものではない。具体的には、パンチ40は、図3及び図4に示されるように、ダイス20に対して降下して先端部43が凹部22内に挿入される雄型である。このパンチ40は、スラグ30に対して衝撃を付与してスラグ30をプレスする機能を有している。さらに具体的には、パンチ40は、以下のように構成とされている。
パンチ40は、図1に示されるように、円柱状に形成されている。すなわち、パンチ40は、平面視(具体的には平断面視)にて、円形状とされている。パンチ40の外径は、ダイス20の凹部22の内径よりも小さくされている。パンチ40の先端側(図2中、-Y方向側)には、図2及び図4に示されるように、後端側(図2中、+Y方向側)の部分よりも外径が大きい大径部42(いわゆるランド部)が形成されている。大径部42は、成形される金属円筒体410(筒体の一例)の内径を規定する機能を有している。換言すれば、大径部42の外周面は、成形される金属円筒体410の内径を規定する加工面とされている。なお、大径部42は、凹部22内に挿入される部分において最も外径が大きい部分である。
パンチ40の先端部43(図2中、大径部42に対する-Y方向側の部分)は、先端面45(図2中、-Y方向側の面)に向けて徐々に縮径されている。先端面45は、-Y方向側を向く平面で構成されている。
パンチ40は、図示せぬ駆動源から駆動力が伝達されて、上下方向(図2中、-Y方向及び+Y方向)に移動するようになっている。
そして、インパクトプレス装置10では、図3及び図4に示されるように、パンチ40をスラグ30が配置された凹部22内に底面23に対して隙間を有するように挿入して、スラグ30に対して衝撃を付与することで、凹部22に配置されたスラグ30を押し潰して変形させる。すなわち、パンチ40がスラグ30をプレスする。これにより、スラグ30は凹部22からパンチ40の周囲(つまり外周)を覆うように円筒状に伸びて、底部412を有する金属円筒体410が成形される。
なお、パンチ40に対してダイス20が移動することで、パンチ40が凹部22に挿入される構成であってもよい。すなわち、パンチ40がダイス20に対して相対移動する構成であればよい。また、パンチ40の平面視(つまり平断面視)の形状、及び凹部22の平面視の形状は、成形品の形状に応じて選択される。例えば、成形品が角筒であれば、パンチ40の平面視(つまり平断面視)の形状、及び凹部22の平面視の形状は、四角形とされる。
(ストリッパー60)
図3及び図5に示されるストリッパー60は、成形された金属円筒体410をパンチ40から取り外す機能を有している。ストリッパー60は、平面視における中央部で貫通する円形状の貫通孔62を有している。これにより、ストリッパー60は、平面視にて円環状に形成されている。インパクトプレス装置10では、図5に示されるように、パンチ40をストリッパー60の貫通孔62に通して、金属円筒体410をストリッパー60に接触させることにより、金属円筒体410がパンチ40から取り外される。
(インパクトプレス装置10の各寸法)
ダイス20の凹部22の半径をrとした場合において、溝24の最大深さDAが0.05r(0.05×半径r)以上とされている(図6参照)。溝24の最大深さDAとは、図6に示されるように、ダイス20の底面23における最上部23Aから溝24の最底部24Bまでの寸法であって、パンチ40の挿入方向(図6中、-Y方向)に沿った寸法である。
この溝24の最大深さDAは、ショックラインの抑制効果の観点から、0.08r以上であることが好ましい。また、溝24の最大深さDAは、材料効率の観点から、0.1r以下であることが好ましい。
また、溝24の断面の重心GA(図6参照)と凹部22の内周面22Nとの第一距離L1が0.15r以下とされている。「溝24の断面」とは、ダイス20を-Y方向に沿って切断したときの断面である。具体的には、「溝24の断面」とは、平面視にて円形状の凹部22の平面視における中心を通るように、ダイス20を-Y方向に沿って切断したときの断面である。「溝24の断面の重心GAと凹部22の内周面22Nとの第一距離L1」とは、前述の断面において、当該重心GAから凹部22の内周面22Nまでの最も短い距離である。
パンチ40を凹部22の底面23に接触させたときの溝24の最底部24Bとパンチ40との第二距離L2が、最大深さDA以上とされている。ここで「パンチ40を凹部22の底面23に接触させたときの溝24の最底部24Bとパンチ40との第二距離L2」とは、前述の断面において、当該最底部24Bからパンチ40までの最も短い距離である。
ここで、インパクトプレス装置10でインパクトプレス加工する際の動作では、パンチ40と凹部22の底面23とは接触しない。すなわち、パンチ40と凹部22の底面23との間に隙間ができるように、パンチ40によるインパクトプレス加工が行われる。当該隙間が、成形品の底厚となる。そして、当該隙間の距離は、得たい底厚により任意に変更されるため、本実施形態では、仮にパンチ40を凹部22の底面23に接触させたときの最底部24Bとパンチ40と最短距離を第二距離L2としている。また、第二距離L2は、最短距離であるので、-Y方向に沿った距離とは限らない。
そして、第二距離L2が最大深さDA以上とされることで、パンチ40を凹部22の底面23に接触させたときに、パンチ40の一部が凹部22内に進入しない。換言すれば、本実施形態では、パンチ40を凹部22の底面23に接触させたときにおいて、パンチ40の一部が凹部22内に進入しない構成とされている。さらに換言すれば、本実施形態では、パンチ40を凹部22の底面23に接触させたときにおいて、凹部22内に進入する凸部をパンチ40が有していない構成とされている。さらに換言すれば、本実施形態では、パンチ40を凹部22の底面23に接触させたときにおいて、パンチ40の先端面45において溝24に対向する部分は、溝24の開口24A(図6中、+Y方向側の端)より上側に位置する構成とされている。
また、溝24の溝幅は、例えば、0.1r以上0.9r以下とされる。溝24の溝幅は、前述の「溝24の断面」において、溝24の開口24Aでの凹部22の半径方向に沿った寸法である。
(溝24の機能)
前述のように、図6に示される溝24の最大深さDA、第一距離L1、第二距離L2が設定されることで、溝24は、パンチ40のプレスによって内部に進入してきたスラグ30を滞留させる機能を有している。具体的には、溝24は、パンチ40のプレスによって内部に進入してきたスラグ30における底面23側の外周部分35を滞留させる。
ここで、「滞留」とは、パンチ40のプレスによって内部に進入してきたスラグ30の移動量が、溝24を有さない構成において当該スラグ30が移動する移動量よりも、減少することをいう。したがって、当該移動量が減少していれば、パンチ40のプレスによって内部に進入してきたスラグ30が、溝24内から排出される構成であってもよい。
「スラグ30における底面23側の外周部分35」は、具体的には、スラグ30における底面39(図2中、-Y方向側の面)と、側面31(つまり周面)との間の角部(つまり境界部分)である。当該角部は、丸みを有している。
本実施形態では、具体的には、溝24は、スラグ30の外周部分35を、成形される金属円筒体410の軸方向端部となる部分に留まらせる。さらに具体的には、溝24は、スラグ30の外周部分35を溝24内に留まらせる。「金属円筒体410の軸方向端部となる部分」とは、本実施形態では、具体的には、切断装置300によって切断される軸方向端部425(図9及び図10参照)である。なお、「金属円筒体410の軸方向端部となる部分」を、金属円筒体410の軸方向中央よりも軸方向端に近い部分と把握してもよい。また、「留まらせる」とは、当該位置に位置させることをいう。したがって、「外周部分35を溝24内に留まらせる」とは、外周部分35を溝24内に位置させることを意味する。
また、本実施形態では、スラグ30における底面23側の中央部分37は、パンチ40によるプレスによって、凹部22の内周面22Nとパンチ40の外周面との間を通過する。換言すれば、スラグ30の中央部分37を金属円筒体410の筒状部413における軸方向の中央側の部分に移動させる。なお、軸方向の中央側の部分とは、軸方向端部425に対する中央側の部分である。具体的には、軸方向の中央側の部分は、製造品として使用される部分である。
また、溝24の最大深さDA、第一距離L1、第二距離L2は、前述した数値に限られない。溝24が滞留機能を発揮すれば、溝24の最大深さDA、第一距離L1、第二距離L2は、前述した数値範囲と異なる数値範囲に設定されていてもよい。
なお、スラグ30の一部(例えば外周部分35や中央部分37)をマーキング(着色)した後にインパクトプレス加工を行い、成形品の着色位置を確認することで、当該一部の移動量がわかる。当該方法を用いることで、スラグ30の一部が、滞留しているか否か、及び、どの位置に留まっているかがわかる。
(しごき加工装置200)
図7及び図8に示されるしごき加工装置200は、インパクトプレス装置によって金属塊をインパクトプレス加工して成形された金属円筒体をしごき加工するしごき加工装置の一例である。具体的には、しごき加工装置200は、インパクトプレス装置10によってスラグ30をインパクトプレス加工にして形成された金属円筒体410をしごき加工する装置である。
さらに具体的には、しごき加工装置200は、図7及び図8に示されるように、円柱型210と、押付型220と、を備えている。
円柱型210は、インパクトプレス装置10によるインパクトプレス加工によって成形された金属円筒体410の内部に先端側の部分が挿入される円柱状の型である。円柱型210の外径は、金属円筒体410の内径と比して小さくされている。
このため、図8に示されるように、先端側の部分(図中下側の部分)が金属円筒体410の内部に挿入された状態(円柱型210に金属円筒体410を装着させた状態)で、円柱型210の外周面と金属円筒体410の内周面との間には隙間が形成されるようになっている。
円柱型210は、図示せぬ駆動源から駆動力が伝達されて、上下方向(図8中、-Y方向及び+Y方向)に移動するようになっている。
押付型220は、金属円筒体410を円柱型210の外周面に押し付ける型である。押付型220は、図7に示されるように、円柱型210と同軸上に配置された円環状とされている。また、押付型220には、押付型220の径方向の内側に突出する突起部223が円環状に形成されている。
この突起部223の内径は、円柱型210の外径と比して大きくされ、かつ、しごき加工前の金属円筒体410の外径と比して小さくされている。
しごき加工装置200では、図8に示されるように、円柱型210に金属円筒体410を装着させた状態の円柱型210を下方側へ移動させて金属円筒体410が押付型220の内部を通過させることで、押付型220が、金属円筒体410を円柱型210の外周面に押し付ける。このように、しごき加工が行われることで、金属円筒体410の形状が矯正される。これにより、金属円筒体410の内径、外径、及び真円度などが調整される。
(切断装置300)
図9及び図10に示される切断装置300は、しごき加工装置200によってしごき加工が行われた金属円筒体410の底部412が設けられた軸方向端部425を切断する装置である。
切断装置300は、図9に示されるように、金属円筒体410の軸方向端部425を切断するカッタ310(切断部)を有している。切断装置300では、図10に示されるように、カッタ310が金属円筒体410の軸方向端部425を切断することで、軸方向両端部が開放された金属円筒体400が得られる。
次に、本実施形態に係る製造装置を使用した金属円筒体の製造方法の一例について説明する。
<製造方法>
金属円筒体400の製造方法について説明する。本製造方法は、準備工程と、インパクトプレス加工工程と、しごき加工工程と、切断工程と、洗浄工程と、を有している。
(準備工程)
準備工程では、インパクトプレス装置10と、しごき加工装置200と、切断装置300と、を有する前述の製造装置100を準備する。また、準備工程では、前述のスラグ30を準備する。
(インパクトプレス加工工程)
インパクトプレス工程では、まず、スラグ30の表面に潤滑剤を付与する。スラグ30に潤滑剤を付与するのは、スラグ30のパンチ40やダイス20との接触によるキズの発生を抑制するためである。
潤滑剤としては、特に制限はないが、偏肉抑制の観点から、粉末状の固体潤滑剤が好ましい。固体潤滑剤としては、脂肪酸金属塩が好ましい。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
次に、表面に潤滑剤が付与されたスラグ30を、図1及び図2に示されるように、インパクトプレス装置10のダイス20の凹部22に配置する。なお、スラグ30は、溝24内に進入していない状態で、凹部22の底面23に配置される。換言すれば、溝24内に空間を有した状態で、スラグ30が凹部22の底面23に配置される。
次に、図3及び図4に示されるように、ダイス20の上側に配置されたパンチ40を降下させて凹部22内に挿入する。これにより、パンチ40が、凹部22に配置されたスラグ30を押し潰して変形させる。すなわち、パンチ40がスラグ30をプレスする。これにより、スラグ30は凹部22からパンチ40の周囲を覆うように円筒状に伸びて、底部412を有する金属円筒体410が成形される。
このとき、スラグ30の一部が溝24内に進入する。具体的には、スラグ30における底面23側の外周部分35が溝24内に進入する。溝24内に進入した外周部分35は、滞留する。具体的には、溝24内に進入した外周部分35は、成形される金属円筒体410の軸方向端部となる部分に留まる。さらに具体的には、溝24内に進入した外周部分35は、溝24内に留まる。また、スラグ30の中央部分37は、溝24内に進入せず、パンチ40によるプレスによって、凹部22の内周面22Nとパンチ40の外周面との間を通過する。
次に、パンチ40を上方側へ移動させて、パンチ40をストリッパー60の貫通孔62に通すことにより、金属円筒体410がパンチ40から取り外される。このようにして、金属円筒体410が成形される。
(しごき加工工程)
しごき工程では、まず、図8に示されるように、円柱型210の先端側の部分を、金属円筒体410に挿入する。
次に、円柱型210を下方側へ移動させ、金属円筒体410を押付型220の内部で通過させる。これにより、押付型220が金属円筒体410を円柱型210の外周面に押し付ける。
この結果、金属円筒体410が円柱型210の外周面に沿うように塑性変形し、金属円筒体410の形状が矯正される。次に、形状が矯正された金属円筒体410が円柱型210から脱型される。
(切断工程)
切断工程では、図10に示されるように、切断装置300のカッタ310により、金属円筒体410の、底部412が設けられた軸方向端部425を切断する。これにより、軸方向両端部が開放された金属円筒体400が得られる。
(洗浄工程)
洗浄工程では、金属円筒体400の表面を洗浄する。これにより、インパクトプレス加工工程においてスラグ30に付与された潤滑剤が除去される。洗浄工程で用いられる洗浄方法としては、特に限定されず公知の方法を採用し得る。具体的には、例えば、洗浄剤中に浸漬する浸漬洗浄、流動させた洗浄剤中に浸漬する流動洗浄、超音波洗浄、スクラブ洗浄、シャワー洗浄などが採用される。以上により、金属円筒体400が製造される。なお、製造方法としては、スラグ30に潤滑剤を付与しない構成であってもよい。この場合、洗浄工程は行わなくてもよい。
<本実施形態に係る製造装置および製造方法の作用>
本実施形態に係る製造装置および製造方法では、溝24は、パンチ40のプレスによって内部に進入してきたスラグ30を滞留させる機能を有している。そして、スラグ30において、パンチ40のプレスによる変形によって表面粗さが大きくなる部分を滞留させることで、当該部分が、成形される金属円筒体410の筒状部413へ移動することが抑制される。
したがって、パンチ40のプレスによって溝24の内部に進入してきたスラグ30が、滞留せずに、成形される金属円筒体410の筒状部413へ移動する構成に比べ、金属円筒体410の筒状部413における軸方向の中央側の部分にショックラインが発生することが抑制される。なお、前述のように、ショックラインとは、表面粗さが他の領域よりも大きい領域をいう。また、ショックラインは、金属円筒体410の周方向に沿って発生する。
また、本実施形態では、具体的には、溝24は、パンチ40のプレスによって内部に進入してきたスラグ30における底面23側の外周部分35を滞留させる。
ここで、スラグ30の外周部分35は、パンチ40のプレスによる自由変形(非拘束での変形)によって、粗大結晶粒の表出が原因で、表面粗さが大きくなりやすい部分である。このため、パンチ40のプレスによって溝24の内部に進入してきた外周部分35が、滞留せずに、成形される金属円筒体410の筒状部413へ移動する構成に比べ、金属円筒体410の筒状部413における軸方向の中央側の部分にショックラインが発生することが抑制される。
また、本実施形態では、さらに具体的には、溝24は、スラグ30の外周部分35を、成形される金属円筒体410の軸方向端部となる部分に留まらせる。
このため、パンチ40のプレスによって溝24の内部に進入してきた外周部分35が、成形される金属円筒体410の軸方向端部となる部分を超えて移動する構成に比べ、金属円筒体410の筒状部413における軸方向の中央側の部分にショックラインが発生することが抑制される。
また、本実施形態では、具体的には、溝24は、スラグ30の外周部分35を溝24内に留まらせる。このため、パンチ40のプレスによって溝24の内部に進入してきた外周部分35が溝24の外部へ移動する構成に比べ、成形される金属円筒体410の筒状部413における軸方向の中央側の部分にショックラインが発生することが抑制される。
また、本実施形態では、スラグ30の中央部分37は、溝24内に進入せず、パンチ40によるプレスによって、凹部22の内周面22Nとパンチ40の外周面との間を通過する。
ここで、スラグ30の中央部分37は、外周部分35に比べ、表面粗さが大きくなりにくい部分である。したがって、スラグ30の中央部分37を溝24の内部に留まらせる構成に比べ、スラグ30の中央部分37が、成形される金属円筒体410の筒状部413の材料として有効利用され、材料効率が向上する。
このように、本実施形態では、成形される金属円筒体410の筒状部413における軸方向の中央側の部分にショックラインが発生することが抑制されるので、筒状部413でのショックラインの発生が抑制された金属円筒体410を得られる。
以上説明した、本実施形態に係る製造装置および製造方法により、上述した、筒状部413と筒状部413の軸方向一端に底部412とを有し、筒状部413の軸方向他端が開口した金属筒体410であって、条件(1)と、条件(2)及び条件(3)の少なくとも一方の条件と、を満たす金属円筒体410が得られる。
そして、金属円筒体410は、そのまま製品として利用してもよい。また、金属円筒体410の、底部412の縁部に突出した突出部(つまり、溝24に内部にスラグ30が侵入して形成された突出部)を除去した金属円筒体410を、製品として利用してもよい。
そして、金属円筒体410の、底部412が設けられた軸方向端部425を切断した金属円筒体400を製品として利用してもよい。
なお、本実施形態に係る製造装置および製造方法において、しごき加工装置200(図7及び図8参照)及びしごき工程、並びに、切断装置300(図9及び図10参照)及び切断工程は、必要に応じて、適用される装置又は工程である。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
[電子写真感光体用の導電性基体]
本実施形態に係る電子写真感光体用の導電性基体(以下「導電性基体」とも称する)は、上記本実施形態に係る金属筒体からなる。そして、本実施形態に係る導電性基体は、上記本実施形態に係る金属筒体の製造方法により得ることが好ましい。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体は、上記実施形態に係る導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層と、を備える。
ここで、図12は、電子写真感光体7Aの層構成の一例を示す模式断面図である。図12に示す電子写真感光体7Aは、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有し、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
図13及び図14はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。
図13及び図14に示す電子写真感光体7B,7Cは、図12に示す電子写真感光体7Aと同様に、電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された感光層5を備えるものであり、最外層として保護層6が形成されている。図13に示す電子写真感光体7Bは導電性基体4上に下引層1、電荷発生層2、電荷輸送層3及び保護層6が順次積層された構造を有する。図14に示す電子写真感光体7Cは、導電性基体4上に下引層1、電荷輸送層3、電荷発生層2、保護層6が順次積層された構造を有する。
なお、各電子写真感光体7A乃至7Cは、下引層1は必ずしも設けられなくともよい。また、各電子写真感光体7A乃至7Cは、電荷発生層2と電荷輸送層3との機能が一体化した単層型感光層であってもよい。
以下、電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン化合物;2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ-t-ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5-263007号公報、特開平5-279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5-98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5-140472号公報、特開平5-140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4-189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004-78147号公報、特開2005-181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp-型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn-型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n-型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012-155282号公報の段落[0288]~[0291]に記載された化合物(CG-1)~(CG-27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p-ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
Figure 0007188225000001

構造式(a-1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、-C-C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は-C-CH=CH-CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
Figure 0007188225000002

構造式(a-2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、-C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は-CH=CH-CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「-C-CH=CH-CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「-CH=CH-CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8-176293号公報、特開平8-208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、-OH、-OR[但し、Rはアルキル基を示す]、-NH、-SH、-COOH、-SiRQ1 3-Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1~3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、上記実施形態に係る電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図15は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置200は、図15に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置200において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図15におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図15には、画像形成装置として、潤滑剤14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
-帯電装置-
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
-露光装置-
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
-現像装置-
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
-クリーニング装置-
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
-転写装置-
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
-中間転写体-
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図16は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図16に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置200と同様の構成を有している。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
<実施例1~6、比較例1~4>
アルミニウム純度99.5%以上のJIS呼称1050合金の厚み15mmのアルミニウム板を打ち抜き加工して、直径34mm、厚み15mmのアルミニウム製の円柱状のスラグを用意した。インパクトプレス加工によって直径34mmの金属円筒体に成形した。
具体的には、前述のインパクトプレス装置10と同様に構成されたインパクトプレス装置において、ダイス20の凹部22の半径r(表中、ダイスの半径と表記)、溝の最大深さDA、第一距離L1及び第二距離L2の各値の設定を、表1~2に示される設定にしてインパクトプレス加工を行って、金属円筒体を成形した。
ただし、実施例4~6、比較例3~4では、インパクトプレス加工後、しごき加工を施した。
<評価>
(各種特性)
各例の金属円筒体の下記特性について、既述の方法に従って測定した。
-表面粗さRz-
・筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2
・底部の外周面の表面粗さRz1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)
・底部の外周面の表面粗さRz1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の差(Rz1-Rz2)
-ビッカース硬度HV-
・筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2
・底部の外周面のビッカース硬度HV1と、筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2と、の差(HV2-HV1)
・底部の外周面のビッカース硬度HV1と、筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2と、の比(HV1/HV2)
-平均結晶粒径D-
・筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2
・底部の外周面の平均結晶粒径D1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2と、の差(D1-D2)
・底部の外周面の平均結晶粒径D1と、筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2と、の比(D1/D2)
-その他-
・肉厚
・偏肉
・金属円筒体の底部の肉厚差(底部中央部と、底部の縁部(つまり、ダイスの溝の内部にスラグが侵入して形成された突出部を有する縁部)との肉厚差)
・面内均一性
なお、面内均一性は、金属円筒体の軸方向長さの1/4位置および3/4位置における外周面に対して、周方向に等間隔で4点の計8点にて表面粗さRzの測定を行い、得られた表面粗さRzの標準偏差σ(表中σRzと表記)を面内均一性の特性値とした。
(ショックライン発生評価)
各例の金属円筒体の筒状部の外周面を観察し、ショックラインの発生の程度を下記基準で評価した。
A:表面の曇りが無く金属光沢がある
B:少し表面の曇りがあるが、金属光沢がある
C:領域の半分程度が曇り、非ショックラインと比べて金属光沢が半減
D:領域の75%以上程度が曇り、ほとんど金属光沢ない
E:領域内すべて曇り、金属光沢が全くない
(感光体の作製)
各例で得られた金属円筒体を導電性基体として使用し、次の通り、感光体を作製した。
ただし、底部を有する端部を除去した金属円筒体を導電性基体として使用した。
-感光体の作製-
酸化亜鉛(商品名:MZ 300、テイカ社製)100質量部、シランカップリング剤としてN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%のトルエン溶液を10質量部、トルエン200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付けて、シランカップリング剤による酸化亜鉛の表面処理を行った。
表面処理した酸化亜鉛:33質量部、ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):6質量部、下記構造式(AK-1)で示される化合物:1質量部、メチルエチルケトン:25質量部を30分間混合し、その後ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM-1、積水化学工業社製):5質量部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):3質量部、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH29PA、ダウコーニング社製):0.01質量部を添加し、サンドミルにて3時間の分散を行い、下引層形成用塗布液を得た。
さらに、浸漬塗布法にて、下引層形成用塗布液を、導電性基体上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、膜厚30μmの下引層を得た。
Figure 0007188225000003
次に、電荷発生材料としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料「CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m/g)」、結着樹脂としての塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製)、およびn-酢酸ブチルからなる混合物を、容量100mLガラス瓶中に、充填率50%で1.0mmφガラスビーズと共に入れて、ペイントシェーカーを用いて2.5時間分散処理し、電荷発生層用塗布液を得た。ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂の混合物に対して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の含有量を55.0体積%とし、分散液の固形分は6.0質量%とした。含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.606g/cm、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂の比重1.35g/cmをとして計算した。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引層上に浸漬塗布し、130℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1A)8質量部と、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2A)32質量部と、結着樹脂として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)58質量部と、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(HP-1、分子量775)2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して5質量%)とを、テトラヒドロフラン340質量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、145℃、30分の乾燥を行うことにより、膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。
以上の工程を経て、各感光体を得た。そして、得られた各感光体について、次の評価を実施した。
なお、電荷輸送層の形成に用いた電荷輸送材料、及び酸化防止剤の詳細は以下の通りである。
・ブタジエン系電荷輸送材料:下記構造式で示される化合物(CT1A)
・ベンジジン系電荷輸送材料:下記構造式で示される化合物(CT2A)
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤:下記構造式で示される化合物(HP-1)
Figure 0007188225000004
Figure 0007188225000005

Figure 0007188225000006


(画質評価)
感光体を画像形成装置(富士ゼロックス社製、Docu Print C1100)に装着した。さらに、この画像形成装置を用いて、20℃、40%RHの環境下で、感光体の表面を負に帯電させ780nmの単色光で像を形成する方法により50%ハーフトーン画像を出力し、得られた画像について、白点の発生を評価した。結果を表1、2に示す。
なお、評価基準は表3の通りである。評価方法の詳細としては、得られた画像の点欠陥(白店)を3つの大きさ(面積)で分類し、各々の大きさの点欠陥の個数が該当する基準のうち最も悪い基準(数値の大きい基準)の評価を与えることとした。具体的には、例えば、0.05mm未満が11個、0.05mm以上0.1mm未満が2個、0.1mm以上が0個の場合、評価は「8」である。なお、評価基準「4」以下であると実用上許容範囲であるとする。
Figure 0007188225000007
Figure 0007188225000008
Figure 0007188225000009

上記結果から、本実施例の金属円筒体は、比較例の金属円筒体に比べ、ショックラインの発生と共に、偏肉が抑制されていることがわかる。
また、実施例の金属円筒体を感光体に利用しても、ショックラインに起因する白点の発生が抑制されていることもわかる。
10 インパクトプレス装置
20 ダイス
22 凹部
23 底面
24 溝
30 スラグ(金属塊の一例)
40 パンチ
100 製造装置
200 しごき加工装置
GA 重心
L1 第一距離
L2 第二距離
r 半径
400 金属円筒体
410 金属円筒体
412 底部
413 筒状部

Claims (7)

  1. 筒状部と前記筒状部の軸方向一端に底部とを有し、前記筒状部の軸方向他端が開口したインパクトプレス加工金属筒体であって、
    前記底部の外周面の表面粗さRz1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)が、2以上4000以下の範囲であり、
    前記底部の外周面のビッカース硬度HV1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2に比べ5HV以上27HV以下の範囲で小さいインパクトプレス加工金属筒体。
  2. 前記底部の外周面のビッカース硬度HV1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2に比べ、5HV以上18HV以下の範囲で小さい請求項1に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
  3. 前記底部の外周面のビッカース硬度HV1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面のビッカース硬度HV2と、の比(HV1/HV2)が、18/45以上25/30以下の範囲である請求項1又は請求項2に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
  4. 筒状部と前記筒状部の軸方向一端に底部とを有し、前記筒状部の軸方向他端が開口したインパクトプレス加工金属筒体であって、
    前記底部の外周面の表面粗さRz1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)が、2以上4000以下の範囲であり、
    前記底部の外周面の平均結晶粒径D1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2に比べ50μm以上999.9μm以下の範囲で大きいインパクトプレス加工金属筒体。
  5. 前記底部の外周面の平均結晶粒径D1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の平均結晶粒径D2と、の比(D1/D2)が、2以上10000以下の範囲である請求項4に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
  6. 前記底部の外周面の表面粗さRz1と、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2と、の比(Rz1/Rz2)が、2.75以上3800以下の範囲である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
  7. 前記底部の外周面の表面粗さRz1が、前記筒状部の軸方向中央部の外周面の表面粗さRz2に比べ5μm以上39.99μm以下の範囲で大きい請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のインパクトプレス加工金属筒体。
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