JP6446848B2 - 電子写真感光体用導電性支持体、電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体用導電性支持体、電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体用導電性支持体、電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置としては、電子写真感光体(以下、「感光体」という場合がある。)を用いて帯電、露光、現像、転写、クリーニング等の工程を順次行う装置が広く知られている。
電子写真感光体としては、アルミニウム等の導電性を有する支持体上に、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光体が知られている。
例えば、特許文献1には、Fe0.3〜1.0wt%、Si0.2〜0.8wt%を含有し、かつ、Fe/Si<3であり、板面の平均結晶粒径が35μm以下であり、絞り比(ブランク径/ポンチ径)2で耳率3%以内であることを特徴とする感光ドラム用アルミニウム板材が開示されている。
また、特許文献2には、感光体の作製において、インパクト加工した薄肉円筒管の両端部を切り落とし、加工時のビレットが配置された側と反対側を把持して表面塗料の浸漬塗布を実施することが開示されている。
特許文献3には、感光体の作製において、インパクト加工した薄肉円筒管の加工時のビレットが残存した側を把持して表面塗料の浸漬塗布を実施することが開示されている。
特許文献4には、感光体基材として、スラグをインパクト加工した円筒管であり、プロセス部材軸線中心が基材軸線中心に対してスラグが配置された側とは反対にシフトしている円筒管が開示されている。
特許文献5には、感光体基材として、スラグをインパクト加工した円筒管であり、一端部側から他端部側へテーパー状に肉厚な円筒管が開示されている。
特許文献6には、感光体基材として、リチウムが添加されたアルミニウム合金からなるスラグをインパクト加工した円筒管が開示されている。
特許文献7には、感光体基材として、表面が非切削加工(精密抽伸加工、しごき加工、インパクト加工)の円筒管が開示されている。
特許文献8には、感光体基材として、衝撃押し出し加工、絞り加工により形成された有底円筒管が開示されている。
特許文献9には、感光体基材として、衝撃押し出し加工し、次にしごき加工後、切削することにより形成された有底円筒管が開示されている。
特許文献10には、感光体基材として、衝撃押し出し加工により形成され、底部に駆動用加工を施した有底円筒管が開示されている。
特開昭61−044148号公報 特開2000−010306号公報 特開2000−010314号公報 特開平11−352836号公報 特開2000−066429号公報 特開2000−010318号公報 特開平07−239562号公報 特開昭61−073961号公報 特開昭61−169120号公報 特開昭57−115560号公報
本発明の課題は、円筒度が高く、且つ外部衝撃による永久変形が抑制される電子写真感光体用導電性支持体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>に係る発明は、
アルミニウムを含み、X線回折における結晶吸収の半値幅が5mm以上30mm以下であり、厚みが、0.2mm以上0.9mm以下である電子写真感光体用導電性支持体である。
<2>に係る発明は、
アルミニウムを含み、X線回折における結晶吸収の半値幅が10mm以上30mm以下であり、厚みが、0.2mm以上0.9mm以下である電子写真感光体用導電性支持体である。
<3>に係る発明は、
アルミニウム含有率が、90.0%以上である<1>又は<2>に記載の電子写真感光体用導電性支持体である。
<4>に係る発明は、
<1><3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体用導電性支持体と、
前記電子写真感光体用導電性支持体上に配置された感光層と、
を有する電子写真感光体である。
<5>に係る発明は、
<4>に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
<6>に係る発明は、
<4>に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
<1><2>又は<3>に係る発明によれば、結晶吸収の半値幅が5mm未満又は30mm超えの場合に比べ、円筒度が高く、且つ外部衝撃による永久変形が抑制される電子写真感光体用導電性支持体が提供される。
<1>、又は<2>に係る発明によれば、結晶吸収の半値幅が5mm未満又は30mm超えの場合に比べ、厚みが上記範囲内であっても、円筒度が高く、且つ外部衝撃による永久変形が抑制される電子写真感光体用導電性支持体が提供される。
<4>に係る発明によれば、導電性支持体における結晶吸収の半値幅が5mm未満又は30mm超えの場合に比べ、導電性支持体の円筒度が高く、且つ導電性支持体の外部衝撃による永久変形が抑制される電子写真感光体が提供される。
<5>、又は<6>に係る発明によれば、導電性支持体における結晶吸収の半値幅が5mm未満又は30mm超えの電子写真感光体を備える場合に比べ、導電性支持体の円筒度の悪化、および外部衝撃による永久変形に起因する画像欠陥の発生が抑制されるプロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の他の構成例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の他の構成例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る導電性支持体を製造する工程の一部(インパクトプレス加工)を示す概略図である。 本実施形態に係る導電性支持体を製造する工程の一部(絞り加工及びしごき加工)示す概略図である。 引き抜き加工により導電性支持体を成形する工程の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、図面中、同様の機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[電子写真感光体用導電性支持体]
本実施形態に係る電子写真感光体用導電性支持体(単に「導電性支持体」と称する場合がある。)は、アルミニウムを含み、アルミニウムを含み、X線回折における結晶吸収の半値幅が5mm以上30mm以下である。
本実施形態に係る導電性支持体は、上記構成により、円筒度が高く、且つ外部衝撃による永久変形が抑制される。その理由は以下のように推測される。
一般的に、電子写真感光体に用いられる導電性支持体には、円筒度の向上のために、高硬度で、且つ加工性に優れた材料が選択される。具体的には、導電性支持体は、ヤング率等の各物性値にて円筒度の向上が図られている。例えば、導電性支持体のX線回折における結晶吸収の半値幅に関しては、通常、35mm乃至70mmの範囲に設定されている。
しかしながら、薄肉で高強度を狙い加工硬化した高硬度のアルミニウム合金を使用して導電性支持体を作製すると、加工時の残留歪みにより導電性支持体自体が変形し、円筒度が低下してしまうことがある。
更に、高精度を狙い高硬度のアルミニウム合金を使用して導電性支持体を作製すると、高硬度を有するが故に輸送中の落下等において導電性支持体に接する他の部材の衝撃により導電性支持体自体が変形してしまうことがある。
また、強度を保つ点からも導電性支持体の薄肉化ができず、アルミニウム使用量の低減を図ることが困難である。
一方、本実施形態に係る導電性支持体は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含むことで硬度が高い。その上で、X線回折における結晶吸収の半値幅を上記範囲内とし、強度が過度に低下しない状態まで、円筒度低下の原因となる加工時の残留歪みを低減させている。つまり、本実施形態に係る導電性支持体では、強度が確保されるよう残留歪みを適度に残留させつつ、円形度が高まるように過剰な歪みを低減している。
このため、本実施形態に係る導電性支持体は、円筒度を高めつつ、落下等により導電性支持体に接する部材の衝撃を受けた際に弾性変形し易く、永久変形(塑性変形)が抑制されると考えられる。
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体は、本実施形態に係る前記導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置された感光層と、を有して構成される。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体7Aの層構成の一例を示す模式断面図である。図1に示す電子写真感光体7Aは、導電性支持体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有し、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
図2及び図3はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。
図2及び図3に示す電子写真感光体7B,7Cは、図1に示す電子写真感光体7Aと同様に、電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された感光層5を備えるものであり、最外層として保護層6が形成されている。図2に示す電子写真感光体7Bは導電性支持体4上に下引層1、電荷発生層2、電荷輸送層3及び保護層6が順次積層された構造を有する。図3に示す電子写真感光体7Cは、導電性支持体4上に下引層1、電荷輸送層3、電荷発生層2、保護層6が順次積層された構造を有する。
なお、各電子写真感光体7A乃至7Cは、下引層1は必ずしも設けられなくともよい。また、各電子写真感光体7A乃至7Cは、電荷発生層2と電荷輸送層3との機能が一体化した単層型感光層であってもよい。
以下、電子写真感光体の各要素について説明する。なお、各要素の符号は、符号は省略して説明する。
<導電性支持体>
導電性支持体は、アルミニウムを含む支持体である。導電性支持体は、アルミニウム単体で構成されていてもよいし、アルミニウム合金で構成されていてもよい。
ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることを意味する。
導電性支持体を構成するアルミニウム合金としては、アルミニウムのほかに、例えばSi、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Tiを含むアルミニウム合金が挙げられる。
導電性支持体を構成するアルミニウム合金は、いわゆる1000系合金が好ましい。
なお、導電性支持体のアルミニウム含有率(アルミニウム純度:質量比)は、加工性の観点から、90.0%以上であることが好ましく、93.0%以上であることがより好まく、95.0%以上がより更に好ましい。
導電性支持体において、X線回折における結晶吸収の半値幅は、5mm以上30mm以下であり、円筒度の向上、及び永久変形の抑制の点から、7mm以上25mm以下が好ましく、10mm以上20mm以下がより好ましい。
ここで、X線回折における結晶吸収の半値幅は、材料にどれだけ残留応力が存在しているかという程度を数字で表した指標である。
そして、結晶吸収の半値幅は、理学電機社製 X線回折装置(RD)によって、回折ピークチャートを得て、この回折ピークチャートに現れる結晶吸収のピークから求める。なお、半値幅は、ピーク高さの1/2の高さにおける拡がり幅である。
具体的には、結晶吸収の半値幅は、(株)リガク製 X線残留応力測定装置 AutoMATE IIを用いて、X線源:CuKα、ゴニオメーター半径:R=300mm、検出器:シンチュレーションカウンター SC−70、管電圧/管電流:40kV/30mA、走査軸:θ/2θ反射法、走査速度:10deg/minの条件で測定を実施する。
導電性支持体の結晶吸収の半値幅は、加工方法、加工後の処理などにより制御される。特に、結晶吸収の半値幅は、加工後の残留歪を低減する加熱処理(アニール処理)の温度及び時間により制御することがよい。
導電性支持体を製造する方法は特に限定されるものではないが、インパクトプレス加工、しぼり加工、しごき加工、などの形状整形の工程は従来の引き抜き加工と比較すると結晶吸収の半値幅を小さくさせる。例えば、インパクトプレス加工としごき加工を組み合わせると、結晶吸収の半値幅は通常、35mm以上70mm以下に調整される。
図4は、アルミニウム又はアルミニウム合金の被加工材料(以下「スラグ」という場合がある)をインパクトプレス加工によって円筒形状に成形する工程の一例を示し、図5は、インパクトプレス加工によって成形した円筒状の成形体の外周面にしごき加工を施して本実施形態に係る導電性支持体を製造する工程の一例を示している。
−インパクトプレス加工−
まず、潤滑材を塗布したアルミニウム又はアルミニウム合金のスラグ30を用意し、図4(A)に示すようにダイ(雌型)20に設けられている円形孔24にセットする。次いで、図4(B)に示すように、ダイ20にセットしたスラグ30を円柱状のパンチ(雄型)21によりプレスする。これによりスラグ30がダイ20の円形孔からパンチ21の周囲を覆うように円筒状に伸びて成形される。成形後、図4(C)に示すように、パンチ21を引き上げてストリッパー22の中央孔23を通すことによりパンチ21が引き抜かれて円筒状の成形体4Aが得られる。
このようなインパクトプレス加工によれば、加工硬化によって硬度が上がり、厚みが薄く、かつ、硬度が高いアルミニウム又はアルミニウム合金製の円筒状の成形体4Aが製造される。
成形体4Aの厚みは特に限定されないが、電子写真感光体用導電性支持体としての硬度を保ちつつ、後のしごき加工によって例えば0.2mm以上0.9mm以下の厚みに加工する観点から、インパクトプレス加工により成形する成形体4Aの厚みは、0.4mm以上0.8mm以下であることが好ましく、0.4mm以上0.6mm以下であることがより好ましい。
−しごき加工−
次に、図5(A)に示すように、必要に応じて、インパクトプレス加工によって成形した円筒状の成形体4Aを、内部から円柱状のパンチ31によりダイス32に押し込んで絞り加工を施して径を小さくした後、図5(B)に示すように、さらに径を小さくしたダイス33間に押し込んでしごき加工を施す。
なお、しぼり加工を経ずにしごき加工を施してもよいし、しごき加工を複数段階に分けて行ってもよい。しごき加工の回数によって、成形体4Bの厚み及び結晶吸収の半値幅が調整される。
また、しごき加工を施す前に、焼き鈍しを施して応力を開放してもよい。
しごき加工後の成形体4Bの厚みは、電子写真感光体用導電性支持体としての硬度を保つ観点から、0.2mm以上0.9mm以下であることが好ましく、0.4mm以上0.6mm以下であることがより好ましい。
このように、インパクトプレス加工により成形体4Aを成形した後、しごき加工を施すことで、厚みが薄く、軽量である上、硬度が高い導電性支持体が得られる。
加工後の熱処理としては、焼き鈍しなどが挙げられる。例えば、図6に示すように、アルミニウム合金のインゴット41を用い、ダイス42を通して引っ張って円筒形の引き抜き管43を成形し、その後、例えば、150℃を超える温度で長時間焼きなましを行うことで、適度に加工時の残留歪みを除去し、導電性支持体自体の変形を抑制し、円筒度の向上が実現され易くなる。
また、加工前のスラグやインゴットを前処理として焼き鈍しによる均質化を行うなどの処理を施すことでも、結晶吸収の半値幅の調整が図られる。
ここで、結晶吸収の半値幅の調整は、上述のように、例えば、加熱処理の温度及び時間により実現することができる。この点、導電性支持体の作製するときに、目的とする結晶吸収の半値幅とする必要はなく、感光体の作製後に、目的とする結晶吸収の半値幅となるように、感光体の作製過程において、加熱処理の温度及び時間を調整してもよい。具体的には、感光体の作製過程において、導電性支持体上に各層を形成するときの加熱処理の温度及び時間を調整し、目的とする結晶吸収の半値幅となるようにしてもよい。
以上の工程を経て得られる導電性支持体の厚み(肉厚)は、0.2mm以上0.9mm以下が好ましく、0.2mm以上0.9mm以下であることが好ましく、0.4mm以上0.6mm以下であることがより好ましい。
特に、上記範囲の薄肉の導電性支持体は、円筒度の低下、及び永久変形が生じ易いが、結晶吸収の半値幅を上記範囲に調整することにより、円筒度の向上、及び永久変形の抑制が図られる。
なお、感光体がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nm以上850nm以下のものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。導電性支持体の表面は、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化することが好ましい。Raが0.04μm以上であると、干渉防止効果が得られ、他方、Raが0.5μm以下であれば、画質が粗くなる傾向が効果的に抑制される。
なお、非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、導電性支持体の表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング処理、回転する砥石に支持体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削処理、陽極酸化処理、又は有機若しくは無機の半導電性微粒子を含有する層を形成する方法等が挙げられる。
陽極酸化処理は、アルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、処理後そのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜は、加圧水蒸気又は沸騰水(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)による処理を行い、微細孔水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。膜厚が0.3μm未満であると、注入に対するバリア性が乏しく効果が不十分となる傾向がある。また、15μmを超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇を招く傾向がある。
導電性支持体の表面には、酸性処理液による処理、又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液を用いて以下の様に実施される。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲が好ましい。処理温度は、42℃以上48℃以下であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜が形成される。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、90℃以上100℃以下の純水中に導電性支持体を5分以上60分以下で浸漬するか、90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分以上60分以下で接触させることにより行われる。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましいく、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図7に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図7におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図7には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図8に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
潤滑剤を塗布したJIS呼称1050アルミニウム合金(アルミニウム純度(Al純度):99.5%)製のスラグを用意し、このスラグを用いて、ダイ(雌型)とパンチ(雄型)によりインパクトプレス加工にて底面の有する直径34mmの円筒管を作製し、その後、1回のしごき加工にて、直径30mm、長さ251mm、肉厚0.8mmの円筒状のアルミニウム製の導電性支持体を作製した。その後、導電性支持体に対して、280℃で1時間の熱処理(焼き鈍し処理)を行って、導電性支持体(1)を得た。
<実施例2〜12>
表1に従って、使用したアルミニウム合金製のスラグのAl純度、しごき加工の回数、熱処理(焼き鈍し処理)の条件、支持体の肉厚を変更した以外は、導電性支持体(1)と同様にして、各導電性支持体(2)〜(12)を作製した。
<比較例1〜6>
表2に従って、使用したアルミニウム合金製のスラグのAl純度、しごき加工の回数、熱処理(焼き鈍し処理)の条件、支持体の肉厚を変更した以外は、導電性支持体(1)と同様にして、各導電性支持体(13)〜(18)を得た。
<比較例7〜8>
抽伸加工により、JIS呼称1050アルミニウム合金製で、直径28mmの円筒管を作製し、この円筒管の表面に対して切削加工を施し、表1に示す肉厚の導電性支持体(19)〜(20)を得た。
なお、導電性支持体(20)は、切削加工後に、400℃で2時間の熱処理(焼き鈍し処理)を行った。
<比較例9〜16>
JIS呼称1070アルミニウム合金(Al純度=99.7%)製のスラグを準備し、これに220℃、10時間で均質化処理を施し、均質化した。次に、インパクトプレス加工により、均質化したスラグを円筒管に成型し、外径42mm、厚み0.7mmの円筒管を得た。次に、円筒管に対して、しごき加工を4回施して、外径40mm、厚み0.55mmの導電性支持体(21)を得た。但し、しごき加工後の熱処理(焼き鈍し処理)は行わなかった。
また、表3従って、加工条件、支持体の肉厚を変更した以外は、導電性支持体(21)と同様にして、導電性支持体(22)〜(28)を作製した。
<比較例17〜25>
潤滑剤を塗布したJIS呼称1050アルミニウム合金(Al純度:99.5%)製のスラグを用意し、450℃で40分間の均質化処理を行った。均質化処理を行ったスラグを用いて、ダイ(雌型)とパンチ(雄型)によりインパクトプレス加工にて底面の有る円筒管を作製し、その後、しごき加工にて、直径24mm、長さ251mm、厚み0.5mmの導電性支持体(29)を作製した。但し、導電性支持体(29)に対して、熱処理(焼き鈍し処理)は施さなかった。
そして、表4に従って、加工条件、支持体の肉厚を変更した以外は、導電性支持体(29)と同様にして、導電性支持体(30)〜(37)を作製した。
<比較例26〜32>
潤滑材を塗布したJIS呼称1050アルミニウム合金(Al純度:99.5%)製のスラグを用意し、ダイ(雌型)とパンチ(雄型)によりインパクトプレス加工にて底面の有る円筒管を作製し、その後しごき加工にて、直径24mm、長さ251mm、厚み0.5mmの導電性支持体(38)を作製した。但し、導電性支持体(38)に対して、熱処理(焼き鈍し処理)は施さなかった。
そして、表5に従って、加工条件、支持体の肉厚を変更した以外は、導電性支持体(29)と同様にして、導電性支持体(39)〜(44)を作製した。
<比較例33>
潤滑材を塗布したJIS呼称1050アルミニウム合金(Al純度:99.5%)製のスラグを用意し、ダイ(雌型)とパンチ(雄型)によりインパクトプレス加工にて底面の有る円筒管を作成し、その後しぼり加工を行い、150℃で1時間熱処理を実施し、直径24mm、長さ251mm、厚み0.5mmの導電性支持体(45)を作製した。
<比較例34〜36>
JIS呼称1050アルミニウム合金(Al純度:99.5%)製の引き抜き管の作製後に表面切削を実施し、200℃で1時間の熱処理を実施し、直径24mm、長さ251mm、厚み0.5mmの導電性支持体(46)を作製した。
そして、表5に従って、加工条件、支持体の肉厚を変更した以外は、導電性支持体(46)と同様にして、導電性支持体(47)〜(48)を作製した。
<比較例37>
潤滑材を塗布したJIS呼称1050アルミニウム合金(Al純度:99.5%)製のスラグを用意し、ダイ(雌型)とパンチ(雄型)によりインパクトプレス加工にて底面の有る円筒管を作製し、その後しごき加工にて寸法精度向上を行い、直径24mm、長さ251mm、厚み0.9mmの導電性支持体(49)を作製した
<比較例38>
JIS呼称1050アルミニウム合金(Al純度:95.5%)製の引き抜き管の作製後に、開口先端部の加工、しぼり加工及び表面切削を実施し、200℃で1時間の熱処理を実施し、直径24mm、長さ251mm、厚み0.9mmの導電性支持体(50)を作製した。
<比較例39〜50>
JIS呼称1050アルミニウム合金(Al純度:99.5%)製のスラグを用い、インパクトプレス+しごき加工(しごき回数:3回)により導電性支持体(51)を作製した。
そして、表6に従って、加工条件、支持体の肉厚を変更したこと以外は、導電性支持体(51)と同様にして、導電性支持体(52)〜(62)を作製した。
但し、導電性支持体(54)は、スラグとしてJIS呼称A3003アルミニウム合金を用いて作製した。また、導電性支持体(60)は、従来の抽伸管で作製したアルミ製円筒管を表面切削して作製した。
<評価>
(結晶吸収の半値幅の測定)
各例で得られた導電性支持体からサンプルを取得し、既述の方法に従って、結晶吸収の半値幅の測定を実施した。その結果を表1〜表6に示す。
(円筒度の測定)
各例で得られた導電性支持体の円筒度は、東京精密社製ロンコム60Aを用いて、倍率:x200、測定速度:(回転)6°/min、(上下移動)3mm/sec、フィルター:デジタルフィルター 2RC の条件で測定した。
(電子写真感光体の作製)
各例で得られた導電性支持体を用いて、以下に示す方法により電子写真感光体を作製した。
−下引層−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業(株)製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液:38質量部とメチルエチルケトン:25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製):45質量部を添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて上記、導電性支持体上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い厚さ23μmの下引層を得た。
−電荷発生層−
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学工業(株)製)1質量部及び酢酸n−ブチル80質量部と混合し、これをガラスビーズと共にペイントシェーカーで1時間分散処理することにより電荷発生層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を下引層が形成された導電性支持体上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
−電荷輸送層−
次に、下記式(CT−1)で表されるベンジジン化合物2.6質量部、及び下記式(B−1)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量:79,000)3質量部をクロロベンゼン25質量部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、130℃、45分の加熱を行い膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。

(落下試験)
作製した各感光体をカラー画像形成装置(富士ゼロックス社製、Docu Print C1100)のプロセスカートリッジに搭載し、床面から2.0mの高さから自由落下させ床に衝突させた。
落下後、導電性支持体の変形量を東京精密社製ロンコム60Aにて測定を行い、変形の有無を確認し、以下の基準により評価した。
−変形量−
A:問題なし
B:実使用上問題なし(真円度に変化あり)
C:真円度の悪化確認(画質への影響が有るレベル)
D:目視で見て解る塗膜浮きあり
各例の詳細と共に、評価結果を下記表1〜表6に示す。なお、表1〜表6中、「−」との表記は、測定又は評価を実施していないことを示している。






上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、円筒度と共に、落下試験についても良好な結果が得られたことがわかる。
これにより、本実施例の導電性支持体は、円筒度が高く、且つ外部衝撃による永久変形が抑制されていることがわかる。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性支持体、5 保護層、7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑剤、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ

Claims (6)

  1. アルミニウムを含み、X線回折における結晶吸収の半値幅が5mm以上30mm以下であり、円筒度が25μm以上45μm以下であり、厚みが、0.2mm以上0.9mm以下である電子写真感光体用導電性支持体。
  2. アルミニウムを含み、X線回折における結晶吸収の半値幅が10mm以上30mm以下であり、円筒度が25μm以上45μm以下であり、厚みが、0.2mm以上0.9mm以下である電子写真感光体用導電性支持体。
  3. アルミニウム含有率が、90.0%以上である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体用導電性支持体。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体用導電性支持体と、
    前記電子写真感光体用導電性支持体上に配置された感光層と、
    を有する電子写真感光体。
  5. 請求項4に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  6. 請求項4に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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