JP2006276067A - 電子写真感光体用基材の製造方法、及び電子写真感光体用基材 - Google Patents

電子写真感光体用基材の製造方法、及び電子写真感光体用基材 Download PDF

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Abstract

【課題】表面が干渉縞を防止できる程度に、かつ、均一に粗面化され、画像斑のない電子写真感光体を得ることが可能な電子写真感光体用基材の製造方法、及び該製造方法により得られた電子写真感光体用基材を提供する。
【解決手段】内面にJIS B 0601に示されるRaにて0.15μm以上0.4μm以下に粗面化加工されたコンテナに、アルミニウムパイプを挿入して、該アルミニウムパイプの内面にしごき加工を施すことにより、コンテナ内面の表面性状を当該アルミニウムパイプの外面に転写させることを特徴とする電子写真感光体用基材の製造方法、及び該製造方法により得られた電子写真感光体用基材。
【選択図】なし

Description

本発明は、デジタル複写機・プリンター・ファックス等に使用される電子写真方法を用いた画像形成装置に用いる電子写真感光体用基材の製造方法、及び電子写真感光体用基材に関する。
ファクシミリ、レーザービームプリンタ、コピーなど、電子写真技術を使用して画像形成を行う画像形成装置は、近年の目覚しい技術革新により、日々低価格となり、現在では、オフィスのみならず、一般家庭環境でも使用されている。
ここで述べる電子写真技術を使用した画像形成装置とは、電子写真感光体を中心に、少なくとも帯電装置、画像露光系装置、現像装置、転写装置を有し、各装置が順に作動することで、画像形成を行う装置を指す。
レーザービームをライン走査する方式を用いた画像形成装置は、レーザー光を用いて形成する画像に干渉縞模様が現れるという特有の問題を解決しなければならない。この種の干渉縞の発生は、電子写真感光層における感光層内で吸収されなかった透過光が、感光体用基材を含む感光層内でレーザービームの多重反射を生じて、感光層表面の入射光との間で干渉を生じることに起因するとされている。このような干渉縞の防止対策として、感光体用基材表面の仕上げ面精度を下げる、即ち、粗面化する方法が提案されている。
具体的には、例えば、導電性基体表面にアルマイト層を形成する方法(例えば、特許文献1参照。)、基体表面にサンドブラスト加工を施す方法(例えば、特許文献2参照。)、支持体表面にエッチング加工を施す方法(例えば、特許文献3参照。)、又は、支持基体表面に高圧水を噴射する方法(例えば、特許文献4参照。)、等によるが開示されている。これらの方法により、電子写真感光体用基材の表面に不均一な凹凸を設けることによって、入射光と反射光との干渉を抑え、干渉縞の発生を防止することができる。
特開平3−168754号公報 特開平2−87154号公報 特開平6−102689号公報 特開2001−249477号公報
しかしながら、上記従来の電子写真感光体の製造方法では、単一波長のレーザが走査するレーザプリンタ等においては、干渉縞を防止するための上述の方法の採用に際して、以下に述べるような問題点を有している。すなわち、
上記特許文献2のように、基体表面の仕上精度を下げる際に、ブラスト材等の粒子を小さくするためには限界があるために、削り跡の凹凸の大きさが現像用トナーの大きさと同じか、又は、それ以上となり画像の解像度が低下する。また、サンドブラスト加工を施す際に、主としてアルミナ系材料の砥粒からなるサンドブラスト材を支持基体にエアー等で吹き付けるので、基体表面にブラスト材が食い込む。したがって、洗浄に際して、基体表面に食い込んだブラスト材を除去するのが困難であることから、残存するブラスト材がコピー画像の欠陥の原因となる。
また、上記特許文献1のように、アルマイト処理をした場合は、一定の厚みのアルマイト層を形成するのに時間がかかると共に、アルマイト処理装置等の設置を必要とし、コスト高の要因となる。
また、上記特許文献3のように、エッチング加工を用いた場合も、アルマイト処理と同様にコスト高の要因となる。更に、上記の方法においても、基体表面を均一に粗面化することが困難であり、干渉縞とは異なった画像の濃度斑が発生したり、解像度が低下する問題点があった。
更に、表面処理後に基体表面の洗浄を別工程で行わなければならない。
加えて、上記特許文献4のように、高圧水を噴射する場合には、実際にランニングコストは非常に安価となるが、装置そのものが非常に高価で、この設備償却費まで考慮すると決して安価な加工方法とは言い切れない。
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、表面が干渉縞を防止できる程度に、かつ、均一に粗面化され、画像斑のない電子写真感光体を得ることが可能な電子写真感光体用基材の製造方法、及び該製造方法により得られた電子写真感光体用基材を提供することである。
上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明らは、下記本発明に想到し、当該目的を達成できることを見出した。即ち、本発明は、
<1> 内面にJIS B 0601に示されるRaにて0.15μm以上0.4μm以下に粗面化加工されたコンテナに、アルミニウムパイプを挿入して、該アルミニウムパイプの内面にしごき加工を施すことにより、コンテナ内面の表面性状を当該アルミニウムパイプの外面に転写させることを特徴とする電子写真感光体用基材の製造方法である。
<2> 前記アルミニウムパイプが軟化処理を経ていることを特徴とする<1>に記載の電子写真感光体用基材の製造方法である。
<3> 前記アルミニウムパイプがJIS H 4080に示される純アルミニウムであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の電子写真感光体用基材の製造方法である。
<4> 前記コンテナ内面がブラスト加工により粗面化されていることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか一に記載の電子写真感光体基材の製造方法である。
<5> <1>乃至<4>のいずれか一に記載の電子写真感光体用基材の製造方法により得られたことを特徴とする電子写真感光体用基材である。
本発明によれば、表面が干渉縞を防止できる程度に、かつ、均一に粗面化され、画像斑のない電子写真感光体を得ることが可能な電子写真感光体用基材の製造方法、及び該製造方法により得られた電子写真感光体用基材を提供することができる。
以下、本発明の電子写真感光体用基材の製造方法について詳細に説明する。
なお、以下、「電子写真感光体用基材」を、単に、「感光体用基材」又は「基材」と称する場合がある。
本発明の電子写真感光体用基材の製造方法は、内面にJIS B 0601に示されるRaにて0.15μm以上0.4μm以下に粗面化加工されたコンテナに、アルミニウムパイプを挿入して、該アルミニウムパイプの内面にしごき加工を施すことにより、コンテナ内面の表面性状を当該アルミニウムパイプの外面に転写させることを特徴とする。
まず、本発明に用いられる電子写真感光体用基材の製造装置について説明し、その説明と共に、感光体用基材の製造方法についても説明する。
本発明に用いられる電子写真感光体用基材の製造装置を、図面を参照して、説明する。
ここで、図1は、本発明に用いられる電子写真感光体用基材の製造装置の一例を示す概略断面図である。
電子写真感光体用基材の製造装置1を用いたしごき加工について説明する。
まず、図1に示されるように、コンテナ2の内面2aに接するように、アルミニウムパイプ6が挿入され、その挿入方向の上部が押さえ部材4に突き当てられる。そして、このアルミニウムパイプ6のコンテナ2から突出する部分が図示されない何らかの部材(例えば、把持される等の手段)により固定される。その後、アルミニウムパイプ6に対し、矢印A方向にパンチ8が圧入することで、アルミニウムパイプ6の内面にしごき加工が施される。
このしごき加工により、アルミニウムパイプ6は肉厚方向に大きな塑性変形を受けて、コンテナ2の内面2aに圧着することから、アルミニウムパイプ6の薄肉化が達成されると共に、アルミニウムパイプ6の外面に、コンテナ2の内面2aの形状が正確に転写されることとなる。
そして、しごき加工が終了すると、コンテナ2からアルミニウムパイプ6が取り外される。
次に、本発明に用いられる電子写真感光体用基材の製造装置の他の一例を示す。
ここで、図2は、本発明に用いられる電子写真感光体用基材の製造装置の他の一例を示す概略断面図である。
図2に示されるように、電子写真感光体用基材の製造装置100において、10はコンテナであり、その内面10aが、製造しようとする電子写真感光体用基材の外面面状に対応した表面性状に、予め仕上げられている。
また、該コンテナ10は、全体として円筒状の箱体構造を有する圧力容器20内に収容されており、該圧力容器20の内部で、軸方向に挟持されることにより、同軸的に配設されている。それによって、コンテナ10と圧力容器20との間に、コンテナ10の外周部を囲む密閉された加圧室30が形成されている。
なお、圧力容器20は、有底円筒形状の容器本体22と、平板形状の蓋体24とによって構成されており、容器本体22の開口部に蓋体24が重ね合わされて、ボルト固定されていると共に、それらの重ね合わせ面間には、環状のシール部材26が介装されており、その重ね合わせ部位におけるシール性が確保されるようになっている。そして、この圧力容器20の内部に収容されたコンテナ10は、容器本体22の底壁部と蓋体24との間で、軸方向に挟持された状態で配設されていると共に、コンテナ10の軸方向端面と容器本体22の底壁部及び蓋体24との当接面間にも、それぞれシールリング28が介装され、それらの間のシール性が確保されるようになっている。
そして、コンテナ10と圧力容器20との間に形成された加圧室30には、流体供給口32a及び流体排出口32bが設けられており、ポンプ34によって、流体供給口32aを通じて、加圧流体が供給されるようになっていると共に、バルブ36の開放操作により、流体排出口32bを通じて、加圧室30内の加圧流体が排出されるようになっている。なお、排出管路には、リリーフ弁38が設けられており、バルブ36を閉じてポンプ34を作動させることにより、加圧室30内の流体圧が、所定の値に維持され得るようになっている。即ち、それらポンプ34とバルブ36とを操作することによって、コンテナ10の外周面に所定の流体圧を及ぼすか、又は、流体圧を解除することができる。これにより、コンテナ10がその外周面に及ぼされる流体圧によって、縮径変形されることとなる。
コンテナ10と圧力容器30とが組み合わされることにより、その軸方向に、貫通孔40a、40bが形成される。つまり、貫通孔40a、40bを通じて、内部に配設されたコンテナ10の内孔が外部に連通されることとなる。この貫通孔40a、40bは、コンテナ10の内孔と同一か或いは僅かに大きな内径を有するものである。
そして、図示されているように、感光体用基材としてのアルミニウムパイプ50が、コンテナ10内に装入されて、セットされると共に、コンテナ10の軸方向一方の側から押え棒60が、また、軸方向他方の側からパンチ70が、それぞれ、コンテナ10内に挿入されるようになっている。
従って、このような構造の電子社写真感光体用基材の製造装置100においては、加圧室30内に加圧流体を供給し、コンテナ10の外周面に流体圧を及ぼして、該コンテナ10を縮径させた状態下において、コンテナ10内に装入されたアルミニウムパイプ50の軸方向一端側を、押え棒60にて支持させつつ、アルミニウムパイプ50の軸方向他端側からパンチ70を突入させて内面に押し付け、しごき加工を施し、内圧を付加することにより、コンテナ10の内面10aの表面性状が、アルミニウムパイプ50の外面に転写される。
なお、このような内面しごき加工に際しては、パンチ70の上昇に伴って、押え棒60が上昇して、退避する。また、コンテナ10の内面10aの表面性状が外表面に転写された電子写真感光体用基材(アルミニウムパイプ50)は、しごき加工後に、加圧室30内が減圧され、コンテナ10に及ぼされていた流体圧が除去されて、該コンテナ10が拡径されて、原形に復することにより、重力にて下方に落下し、取り出されることとなる。
ここで、本発明では、コンテナの内面が、JIS B 0601に示されるRaにて0.15μm以0.4μm以下の範囲であることを要する。また、好ましくは、Raにて0.15μm以上0.3μm以下の範囲であることが好ましい。
上記のような内面面状を有するコンテナを備える電子写真感光体用基材の製造装置により得られた電子写真感光体用基材(アルミニウムパイプ)は、所望の厚さに調整されると共に、その外面には、Raが0.15μm以上0.4μm以下の範囲の面状が転写される。つまり、得られた感光体用基材(本発明の電子写真感光体用基材)表面は、Raが0.15μm以上0.4μm以下となり、干渉縞を防止できる程度に、かつ、均一に粗面化されることとなる。
また、本発明では、コンテナの内面が上記の範囲のRaを有するように粗面化されていることから、しごき加工が終了した後、アルミニウムパイプがコンテナから剥離しやすいという、製造上の効果をも有する。
なお、コンテナの内面が、Raにて0.15μm未満の場合には、得られた電子写真感光体用基材を電子写真感光体として完成させた場合に、干渉防止効果が不十分、即ち、干渉縞が発生して、画像形成装置用の電子写真感光体として不適切となる。また、Raにて0.4μmより大きな場合は、得られた電子写真感光体用基材を電子写真感光体として完成させた場合に、画像斑が散見される画像となり、画像形成装置用の電子写真感光体とし不適切となる。
コンテナは、SK材(工具用炭素鋼)やSKS材・SKD材(合金工具鋼)などが好んで用いられる。さらに具体的には、SKS3、SKD11などが好ましい。勿論、他のSS材(一般構造用圧延鋼材)やSC材(機械構造用炭素鋼材)等に熱処理を施した材料であってもでもなんら問題はない。
また、コンテナの内面の粗面化は、JIS B 0601に示されるRaにて0.15μm以上0.4μm以下の範囲にすることが可能であれば、公知の技術のいずれを用いても構わない。粗面化技術としては、例えば、フッ化水素酸等によるエッチング処理、電鋳、ブラストなどが用いられる。特に、比較的細長い内面に対し粗面化を行うためには、ブラスト加工による粗面化が容易であり、均一に加工することができる。
コンテナの内面をブラスト加工により粗面化する場合に用いられるメディアとしては、アランダム、カーボランダム、ガーネット、ジルコニアビーズ等のセラミック系、ガラスビーズ等のガラス系、鉄粉、スチールショット、スチールグリット、スチールビーズ、ラウンドカットワイヤー、ステンレスショット、ステンレスビーズ、ステンレスカットワイヤー等の金属系など公知のものいずれでも構わないが、比較的硬いコンテナを加工することから、メディアとしても硬い金属系を用いることが望ましい。
一方、パンチは、SK材やSKS材・SKD材、SKH材などが好んで用いられる。さらに具体的にはSKS3、SKD11などが好ましく、また、粉末ハイスや超硬合金等でも構わない。また、製品の寸法精度をより良好なものとするためパンチ先端部の形状を直線面取りではなく球面取とするのが好ましい。パンチ先端部の形状が0.5〜2.0ORとすることが好ましい。
上記のようなしごき加工に適用されるアルミニウムパイプは、その加工性の容易性、材料の可能性の均一性より焼鈍等の軟化処理(熱処理)を経ていることが望ましい。ここで、焼鈍とは、再結晶温度に加熱、保持の後、普通、炉冷によりゆっくり冷ます手段である。この焼鈍を行うことにより、残留応力の除去、材料の軟化、切削性の向上、冷間加工性の改善、結晶組織の調整などが達成される。
また、焼鈍では、用いられるアルミニウムの合金種や目的により、加熱温度と徐冷の方法が変わってくる。例えば、JISに示される1050や1070を場合は、400℃まで加熱することが望ましい。尚、詳細な条件は、JIS Z 3604に示されている。
ここで、アルミニウムと軟化処理については、アルミニウムハンドブック;日本アルミニウム協会標準化総合委員会編集;2002年1月発行;P131〜P132に記載の方法を用いることができる。
更に、しごき加工に用いられるアルミニウムパイプは、その加工性の容易性よりJISに示される純アルミニウムであることが望ましい。より具体的には、アルミニウムパイプがJIS H 4080に示される純アルミニウム継目無管であることが好ましい。純アルミニウムとは、工業用の純アルミニウムであり、JISでは1000番台で示される。代表的な材料は1100や1200などが挙げられるが、いずれも99.00%以上の純アルミニウム系材料である。この系の材料は、加工性、耐食性、溶接性などに優れる。従って、他のアルミニウム合金よりも、加工が容易であり、結果として省エネルギー、低コスト化が可能となる。
また、電子写真感光体用基材においては、アルミニウムパイプの外面及び/又は内面に潤滑油が用いられてもよい。この潤滑油としては、鉱油、合成油などを基油とする市販のプレス加工油に、油脂、各種の潤滑添加剤と防錆添加剤とを含有した高粘度の油を用いることができる。
本発明に適用されるしごき加工は、アルミニウムパイプの外面に、JIS B 0601に示されるRaにて0.15μm以上0.4μm以下の範囲の面状が正確に転写されるためには、下記に示すような条件で行われることが好ましい。
すなわち、しごき率としては、20〜60%の範囲であることが好ましく、20〜45%の範囲であることがより好ましく、25〜40%の範囲であることが更に好ましく、30〜35%の範囲であることが特に好ましい。
また、しごき速度としては、10〜1,000mm/sの範囲であることが好ましく、30〜500mm/sの範囲であることがより好ましく、50〜300mm/sの範囲であることが更に好ましい。
以上のようにして製造された電子写真感光体用基材は、その外面に、公知の材料により下引き層、感光層、必要に応じて保護層を順次形成することで電子写真感光体を得ることができる。この電子写真感光体の感光層は、単層型・積層型などの、これまでに公知の感光層のいずれでも構わない。
また、本発明により製造された電子写真感光体用基材を用いて得られた電子写真感光体は、レーザー光の乱反射等を十分に防止することが可能となり、画像斑の発生を防止することができ、高品質となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で、様々な変形や変更が可能である。
以下、実施例を用いて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
実施例1では、図2に示される電子写真感光体用基材の製造装置100を用いて感光体用基材を形成した。なお、電子写真感光体用基材の製造装置100におけるコンテナ10の内面10aの粗面化は、内面ブラスト用ノズルを用いたブラストマシーン(株式会社ニッチュー製;特注品のため型番なし)で行った。粗面化後の内面10aを表面粗度計Surfcom1400A(東京精密製)で計測したところ、Ra=0.2であった。なお、本実施例及び比較例においては、しごき速度は80mm/sであった。また、アルミニウムパイプ50の外面及び/又は内面には、潤滑油としてEPH−7550(日本工作油株式会社製)が用いられた。
材料としてJIS H 4080に示される1050を選定し、熱間押出加工によって得られたアルミニウムパイプを準備した。このアルミニウムパイプの加工前寸法は、外径φ29mm、肉厚2mm、全長240mmであった。
上記アルミニウムパイプを上記製造装置100に供給し、しごき加工を施した。しごき加工後のアルミニウムパイプの両端をそれぞれ56mm(挿入方向に対して上部)、51mm(挿入方向に対して下部)切断し、加工後寸法が、外径φ30mm、肉厚1mm(しごき率50%)、全長340mmである電子写真体用基材を得た。
得られた電子写真体用基材の外面の表面粗度を表面粗度計(Surfcom1400A・東京精密製)で計測したところ、Ra=0.19μmであった。
「実施例2」
材料としてJIS H 4080に示される6063を選定し、熱間押出加工によってアルミニウムパイプを得た。このアルミニウムパイプを250℃にて1時間加熱した後、通常雰囲気にて雰囲気温度になるまで自然冷却した。このアルミニウムパイプの加工前寸法は、外径φ29mm、肉厚1.5mm、全長310mmであった。
このアルミニウムパイプを使用した以外は、実施例1と同様のしごき加工を施した。しごき加工後のアルミニウムパイプの両端をそれぞれ51mm(挿入方向に対して上部)、50mm(挿入方向に対して下部)切断し、加工後寸法が、外径φ30mm、肉厚1mm(しごき率33%)、全長340mmである電子写真体用基材を得た。
得られた電子写真体用基材の外面の表面粗度を表面粗度計(Surfcom1400A・東京精密製)で計測したところ、実施例1と全く同じであるRa=0.19μmであった。
「実施例3、4」
電子写真感光体用基材の製造装置100において、コンテナ10の内面10aの粗度を、それぞれ、Raにて0.14μm(実施例3)、0.39μm(実施例4)に仕上げたものを用いた以外は、実施例1に示すアルミニウムパイプに、実施例1と同様のしごき加工を施した。しごき加工後のアルミニウムパイプのいずれもに対し、両端をそれぞれ56mm(挿入方向に対して上部)、51mm(挿入方向に対して下部)切断し、加工後寸法が、外径φ30mm、肉厚1mm(しごき率50%)、全長340mmである電子写真体用基材を得た。
得られた電子写真体用基材の外面の表面粗度を表面粗度計(Surfcom1400A・東京精密製)で計測したところ、Ra=0.14μm(実施例3)、0.39μm(実施例4)であった。
「比較例1」
材料としてJIS H 4080に示される6063を選定し、熱間押出加工によってアルミニウムパイプを得た。このアルミニウムパイプの加工前寸法は、外径φ29mm、肉厚1.5mm、全長310mmであった。このアルミニウムパイプを使用し、コンテナ10の内面10aの粗度を、Raにて0.11μmに仕上げたものを用いた以外は、実施例1と同様のしごき加工を施した。加工後のアルミニウムパイプの両端をそれぞれ56mm(挿入方向に対して上部)、51mm(挿入方向に対して下部)切断し、加工後寸法が、外径φ30mm、肉厚1mm(しごき率33%)、全長340mmである電子写真体用基材を得た。
表面粗度を表面粗度計(Surfcom1400A・東京精密製)で計測したところ、Ra=0.11μmであった。
「比較例2、3、4、及び5」
電子写真感光体用基材の製造装置100において、コンテナ10の内面10aの粗度を、それぞれ、Raにて0.12μm(比較例2)、0.13μm(比較例3)、0.41μm(比較例4)、0.45μm(比較例5)に仕上げたものを用いた以外は、実施例1に示すアルミニウムパイプに、実施例1と同様のしごき加工を施した。しごき加工後のアルミニウムパイプのいずれもに対し、両端をそれぞれ56mm(挿入方向に対して上部)、51mm(挿入方向に対して下部)切断し、加工後寸法が、外径φ30mm、肉厚1mm(しごき率50%)、全長340mmである電子写真体用基材を得た。
得られた電子写真体用基材の外面の表面粗度を表面粗度計(Surfcom1400A・東京精密製)で計測したところ、Ra=0.12μm(比較例2)、0.13μm(比較例3)、0.42μm(比較例4)、0.43μm(比較例5)であった。
上記の実施例及び比較例において得られた電子写真感光体用基材上に、特開2001−138187号公報の段落番号〔0050〕乃至〔0055〕に示される方法で感光層を設け、電子写真感光体を形成した。この電子写真感光体の両端にフランジを嵌着させ、プリントカートリッジに装着、DocuPrint401(富士ゼロックス製)にてハーフトーンの画質を確認した。結果を下記表1に示す。
Figure 2006276067
表1に明らかなように、コンテナの内面のRaが、0.15μm以上0.4μm以下の範囲である実施例1〜4の製造方法においては、得られた感光体用基材の表面には、コンテナの内面が精度良く転写され、Raも0.15μm以上0.4μm以下の範囲内に含まれることがわかる。また、これらの感光体用基材に感光層を設けて得られる電子写真感光体は、ハーフトーンを印刷した場合に、ムラや干渉縞が見られないことが確認され、実施例にて製造される感光体用基材が良好な範囲に、かつ、均一に粗面化されていること分かる。
対して、コンテナの内面のRaが、本願の範囲外である比較例の製造方法では、得られた感光体用基材のRaも0.15μm以上0.4μm以下の範囲内に含まれず、また、これらの感光体用基材に感光層を設けて得られる電子写真感光体は、ハーフトーンを印刷した場合に、ムラ及び/又は干渉縞がみられ、実用上の問題が生じていることがわかる。
本発明に用いられる電子写真感光体用基材の製造装置の一例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる電子写真感光体用基材の製造装置の他の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1、100・・・電子写真感光体用基材の製造装置
2、10・・・コンテナ
2a、10a・・・内面
4・・・押さえ部材
6、50・・・アルミニウムパイプ
8、70・・・パンチ
20・・・圧力容器
22・・・容器本体
24・・・蓋体
26・・・シール部材
28・・・シールリング
30・・・加圧室
32a・・・液体供給口
32b・・・液体排出口
34・・・ポンプ
36・・・バルブ
38・・・リリーフ弁
40a、40b・・・貫通孔
60・・・押え棒

Claims (5)

  1. 内面にJIS B 0601に示されるRaにて0.15μm以上0.4μm以下に粗面化加工されたコンテナに、アルミニウムパイプを挿入して、該アルミニウムパイプの内面にしごき加工を施すことにより、コンテナ内面の表面性状を当該アルミニウムパイプの外面に転写させることを特徴とする電子写真感光体用基材の製造方法。
  2. 前記アルミニウムパイプが軟化処理を経ていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体用基材の製造方法。
  3. 前記アルミニウムパイプがJIS H 4080に示される純アルミニウムであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体用基材の製造方法。
  4. 前記コンテナ内面がブラスト加工により粗面化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電子写真感光体用基材の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電子写真感光体用基材の製造方法により得られたことを特徴とする電子写真感光体用基材。
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