JP5539016B2 - 電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体用基体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体用基体の製造方法 Download PDF

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本発明は円筒状基体に少なくとも光導電層を成膜する成膜工程を少なくとも有する電子写真感光体の製造方法、及び電子写真感光体用基体の製造方法に関する。
従来、非晶質材料で構成された半導体用の堆積膜が提案され、その中のいくつかは実用化されている。例えば水素およびハロゲン(例えばフッ素、塩素)の少なくとも一方で補償されたアモルファスシリコン(以下、“a−Si”と略記す。)が光受容部材として用いられている。このような光受容部材は、例えば半導体デバイス、電子写真感光体デバイス、画像入力用ラインセンサ、撮像デバイス、光起電力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素子に、素子部材として用いることができる。
この種の堆積膜を形成する際には、ダストや膜片のような異物に起因して、堆積膜が異常成長して生じる球状突起の発生を抑制することが求められる。特に電子写真感光体は、異常成長部が画像品質に大きく影響を与えるため、球状突起の発生を抑制することが可能な電子写真感光体の製造技術や電子写真感光体用基体の製造技術が必要となる。
プラズマCVD法を用いて円筒状基体にa−Si膜を堆積する製造方法においては、a−Si膜を堆積している間に、基体端部の面取り加工部と外周面との境界部から膜片が剥がれ、その膜片が外周面に付着することで球状突起を発生させることがあった。
また、円筒状基体の製造中に生じた基体端部のバリや、基体端部の加工精度の悪化によって生じた基体端部の段差からも同様に、a−Si膜の堆積中に膜片が剥がれ落ち、その膜片が原因となって球状突起を発生させることもあった。
こうした課題を克服する提案として、円筒状基体の外周面と端面との間に形成された面取り面の表面粗さが、外周面よりも大きくされていることを特徴とする電子写真感光体が提案されている。(特許文献1参照)
特許文献1では、円筒状基体の外周面と端面との間に形成された面取り面の表面粗さを、外周面よりも大きくすることで、面取り面における感光層の密着性が高くなるため、感光層の端部において膜ハガレが生じることを抑制できることが開示されている。
また、面取り面を丸面とし、外周面と面取り面との間や端面と面取り面との間にエッジを形成することなく、外周面、面取り面および端面が滑らかに連続することで、面取り面と外周面あるいは端面との境界において、膜ハガレを抑制できることも開示されている。
また別の提案として、円筒体の端面に存在するバリを、回転あるいは振動させた砥石、弾性砥石、ブラシ、研磨材を付着させたブラシの少なくとも一つによってバリ取りしたことを特徴とする電子写真感光体用基体の製造方法が提案されている。(特許文献2参照)
特許文献2では、回転あるいは振動させた砥石、弾性砥石、ブラシ、又は研磨材を付着させたブラシを用いることでバリ取り作業を機械化でき、断面形状が複雑な基体の場合であっても、基体に傷をつけることなく、容易にバリ取りができることが開示されている。
特開2007−293279号公報 特開2003−122038号公報
これまで、上記のような方策により堆積膜中に発生する球状突起の抑制が図られてきた。しかし、近年その普及が目覚しいカラー電子写真装置においては、文字原稿のみならず、写真、絵、デザイン画のコピーも頻繁になされる。そのため、球状突起によって生じる、「ポチ」と呼ばれる画像上に生じる白点状或いは黒点状の画像欠陥は視覚的に判別しやすくなり、従来以上に低減することが求められている。
特許文献1に、面取り面における膜ハガレは抑制されるとの記載がある。ところが、面取り面と外周面との境界部においては、膜ハガレが発生してしまう場合があった。これは、面取り面と外周面との境界部が角度を有した不連続な部分となってしまうため、膜応力が開放されやすくなってしまうためと思われる。
また、基体の全周に亘って均一に面取り面を丸面に形成するには高度な加工技術が要求されるため、加工ムラが生じ易く、その加工ムラが成膜中に膜ハガレが発生しやすい個所となってしまう場合があった。
特許文献2においても、基体端部のバリ抑制には改善は認められるものの、カラー電子写真装置用のa−Si感光体用の基体において要求される基体端部の加工精度を維持するには更なる改善が必要となる。
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであり、画像欠陥の少ない電子写真感光体の製造方法及び、成膜中に発生する膜ハガレの要因となる基体端部の形状やバリの少ない電子写真感光体用基体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、円筒状基体に少なくとも光導電層を成膜する成膜工程を少なくとも有する電子写真感光体の製造方法において、成膜工程を行う前に、円筒状基体の外周面に対して切削を行う外周面切削加工工程と、円筒状基体の端面と外周面とが略垂直の関係になるように、少なくとも外周面切削加工工程の加工終了側の端面を加工する端面加工工程とをこの順に少なくとも有し、端面加工工程が、端面の外周面側から加工を開始し、端面の内周面側で加工を終了する工程であることを特徴とする。
また本発明は、電子写真感光体用の円筒状基体の製造方法において、円筒状基体の外周面に対して切削を行う外周面切削加工工程と、円筒状基体の端面と外周面とが略垂直の関係になるように、少なくとも外周面切削加工工程の加工終了側の端面を加工する端面加工工程とをこの順に少なくとも有し、端面加工工程が、端面の外周面側から加工を開始し、端面の内周面側で加工を終了する工程であることを特徴とする。
本発明によれば、基体端部の面取り加工部と外周面との境界部や、基体端部のバリといった成膜中に膜ハガレが発生しやすい個所が低減された基体を用いて電子写真感光体を製造するため、成膜中に発生する球状突起を大幅に抑制できる。その結果、「ポチ」と呼ばれる、白点状または黒点状の画像欠陥を大幅に抑制できる。
インロー加工工程がある場合の本発明に係る電子写真感光体用基体の各工程における基体の切削加工部を説明するための模式図。 インロー加工工程がない場合の本発明に係る電子写真感光体用基体の各工程における基体の切削加工部を説明するための模式図。 コレットチャックの断面を模式的に示した図。 本発明に係る外周面切削加工工程の一例を模式的に示す図。 本発明に係る端面加工工程の一例を模式的に示す図。 本発明に係るインロー加工工程の一例を模式的に示す図。 本発明に係る内周面取り加工工程の一例を模式的に示す図。 本発明に係る外周面取り加工工程の一例を模式的に示す図。 電子写真感光体の製造に使用する高周波プラズマCVD装置の一例を模式的に示す図。 (a)は同軸度評価の概略図、(b)は電子写真感光体ユニットを模式的に示す図。
本発明においては、外周面切削加工工程を行ってから端面加工工程を行うという工程の順序と、基体の外周面と端面とが略垂直の関係となるように、基体の径方向の外周面側から内周面側に向かって端面加工を行うという加工方向が重要である。このように円筒状基体を加工することで、基体の外周面と端面とが略垂直の関係となり、且つ基体の外周面と端面とが接する個所にバリのない基体を作成することができる。そしてこのような、成膜中に発生する膜ハガレの要因となる個所の少ない基体を用いることで、成膜中に発生する球状突起が大幅に抑制された電子写真感光体を作成することができる。
端面の外周面側に面取り加工が施されていない円筒状基体に対して、円筒状基体の母線方向に外周面切削加工を行った場合、加工終了側の端部には、外周面の切削加工によってできたバリが残ってしまうことがある。このバリを、端面加工工程を基体の径方向の外周面側から内周面側に向かって加工することで、効率良く基体の外周面と端面とが接する個所から除去できる。この際、端面の内周面側に面取り加工が施されていない場合は、端面の内周面側にバリが残ってしまう場合があるが、基体の内周面側であるため、成膜中に膜の付着がなく、膜ハガレの要因個所とはならない。
円筒状基体に対して、外周面切削加工工程を行ってから端面加工工程を行っても、端面加工工程を基体の径方向の内周面側から外周面側に向かって行ってしまうと、基体の外周面と端面とが接する個所にバリが残ってしまう場合があり、好ましくない。これは、基体の外周面と端面とが接する個所が端面加工工程の加工終了個所となってしまうためと思われる。
また、端面の外周面側に面取り加工が施されていない円筒状基体に対して、端面加工工程を行ってから外周面切削加工工程を行ってしまうと、前述したように、外周面切削加工終了側の端部に、外周面の切削加工によってできたバリが残ってしまうことがある。
また、端面の外周面側に面取り加工が施されている円筒状基体に対しては、この面取り加工部を外周面切削加工工程もしくは端面加工工程において除去しなければ、完成した基体に、面取り加工部と外周面との境界部が残ってしまうことになる。このような基体を用いて成膜を行った場合、外周面、面取り加工部、及び面取り加工部と外周面との境界部は、膜が形成される領域となる。そしてこの場合のように、膜が形成される領域の中に面取り加工部と外周面との境界部のような、基体の角度が大きく変わってしまう個所があると、膜ハガレが発生してしまうため、好ましくない。面取り加工部と外周面との境界部が膜ハガレの要因個所となってしまうのは、この境界部が角度を有した不連続な部分であるため、膜応力が開放されやすくなるためと思われる。このため、本発明においては基体の外周面と端面とが略垂直の関係になるように、外周面切削加工工程や端面加工工程を行う。尚、本発明における略垂直とは、基体の外周面と端面とが成す角度が、85°以上95°以下であることを意味する。85°未満や95°を超える角度であると、成膜工程において以下のような不具合が生じる場合があるため好ましくない。成膜工程は、通常、基体と基体ホルダとの間で安定した導通が得られている状態で行われる。しかし、基体の外周面と端面とが成す角度が85°未満や95°を超える角度であると、基体と基体ホルダとの導通が不安定となり、所望の感光体特性を得ることができなくなってしまう場合があるからである。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、インロー加工工程がある場合の本発明に係る電子写真感光体用基体の各工程における基体の切削加工部を説明するための模式図である。図1(a)は円筒状素管、図1(b)はインロー加工工程における切削加工部、図1(c)は外周面切削加工工程における切削加工部、図1(d)は端面加工工程における切削加工部、図1(e)は内周面取り加工工程における切削加工部を、それぞれ説明するための図である。
また、図2は、インロー加工工程がない場合の本発明に係る電子写真感光体用基体の各工程における基体の切削加工部を説明するための模式図である。図2(a)は円筒状素管、図2(b)は外周面切削加工工程における切削加工部、図2(c)は端面加工工程における切削加工部、図2(d)は内周面取り加工工程における切削加工部を、それぞれ説明するための図である。各図の斜線部が各工程の切削加工で除去される切削加工部を示す。尚、本発明においては、円筒状素管101の各部の名称を、外周面121、内周面122、端面123、端面外周部124、端面内周部125とする。
円筒状素管101の材質は、使用目的に応じたものであればよい。円筒状素管101の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンやこれらの合金を用いることができる。中でも加工性や製造コストを考慮するとアルミニウムが優れている。この場合、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金のいずれかを用いることが好ましい。
円筒状素管101を製造する方法は、精度やコストなどが考慮されて決定されるが、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いる場合、押出、引抜、矯正等の工程を経て製造された管材を所定の長さに切断する方法が一般的である。このように製造された円筒状素管101の内部には、押出、引抜、矯正等の工程で多少の残留応力が生じている。円筒状素管製造時の切削加工時や、例えば電子写真感光体製造時の加熱工程時等で残留応力が開放されると、円筒状基体が変形してしまう。一般的に、残留応力の除去には、管材切断後の円筒状素管101に加熱処理(焼鈍)が行われ、通常300〜430℃程度の温度で処理される。残留応力が大きい場合は、焼鈍処理を行うと円筒状素管101が変形を起こし、小さい場合は変形も小さい。したがって、高精度の円筒状基体を製造するためには、残留応力が小さいもの、即ち、焼鈍処理前後で変形が小さく、かつ焼鈍処理後に所定の寸法精度をもった円筒状素管101を使用することが好ましい。
次に、図1に示すインロー加工工程を含む場合の円筒状基体の製造方法について説明する。本発明では、各工程を1台の旋盤で行ってもよいし、複数の旋盤で行っても良い。いずれの場合においても、切削加工用刃物(バイト)が取り付け可能な刃物台(タレット)を持ち、円筒状素管101を回転させながら切削加工を行う旋盤(不図示)を用いる。切削加工用刃物(バイト)としては、加工対象物に悪影響を及ぼさないものであればよく、バイトの形状や材質は加工対象物の材質やバイトの交換頻度から最適なものを選択すればよい。また、切削油も、加工対象物に悪影響を及ぼさないものであればよく、各種鉱油、合成切削油、水性切削油などの一般の切削油を使用することができる。
まず、円筒状素管101を旋盤にセットする。円筒状素管101のセットには、円筒状素管101の両端部を加工する際には円筒状素管101の内周面122を保持する。また、外周面121を加工する際には、円筒状素管101の内周面122を保持しても良いし、インロー加工工程によって作成されたインロー部126を保持してもよい。外周面121を切削した後の基体端部の内径と外径の同軸度向上という点では、インロー部126を保持することがより好ましい。
図3は内周面122を保持するためのコレットチャック301の断面を模式的に示した図である。その機構は、支軸302、可動楔型部303、固定楔形部304、保持部305からなる。コレットチャック301を円筒状素管101に挿入し、旋盤にセットすると、旋盤の芯押しによって、チャック内のバネを介して可動楔型部303が固定楔型部304方向へ押される。そして、保持部305が可動楔型部303と固定楔型部304に挟まれて外方向へ拡張し、円筒状素管101を保持する。この時、保持部305を拡張する力が強すぎると、円筒状素管101を変形させてしまい、弱すぎると安定して保持することが困難になるため、適度な力でチャックする必要がある。
次に、旋盤にセットされた円筒状素管101に、各工程の加工を施す。まず、インロー加工工程について図面を参照して説明する。本発明において、インロー加工工程を行う場合は、外周面切削工程よりも前に行うことが外周面切削後の基体の端部内径と外径の同軸度向上という点で好ましい。
図6は、本発明に係るインロー加工工程の一例を模式的に示す図である。図6は、図1(b)に示される円筒状素管101の端部断面111の一部を拡大して示したもので、インロー加工用バイト601、切削加工部131を模式的に示した図である。インロー加工工程では、円筒状素管101を旋盤にセットし、インロー加工工程を行うが、円筒状素管101のセットは、円筒状素管101の両端部をインロー加工する際には円筒状素管101の内周面122を保持する。内周面122の保持に関しては前述したとおりである。また、インロー加工工程は、円筒状素管101を例えば2000rpmで回転させた状態で、インロー加工用バイト601を切削加工部131に当接し、円筒状素管101の母線方向に移動させ、切削加工部131を切削する。以上により、インロー加工済み基体102が完成する。
なお、インロー加工工程を基体の両端に施す場合、両端面同時に加工を行うことが望ましい。これは、基体への切削抵抗を対称にすることで加工精度が向上すること、加工時間が短縮可能であること等の理由による。
次に、図1(c)に示す切削加工部132に外周面切削加工工程を行う。外周面切削加工工程についても、図面を参照して説明する。
図4は、本発明に係る外周面切削加工工程の一例を模式的に示す図である。図4(a)は、図2(b)に示される円筒状素管101の端部断面115の一部を拡大して示したもので、外周面切削加工用バイト401、切削加工部135を模式的に示した図である。図4(b)は、図1(c)に示されるインロー加工済み基体102の端部断面112の一部を拡大して示したもので、外周面切削加工用バイト401、切削加工部132を模式的に示した図である。図4(a)は、インロー加工工程を行っていない場合を示し、図4(b)は、インロー加工工程を行った場合を示している。図4(b)に示す外周面切削加工工程では、旋盤にセットされたインロー加工済み基体102を例えば2000rpmで回転させた状態で、外周面切削加工用バイト401をインロー加工済み基体102の母線方向に移動させ、切削加工部132を切削する。以上により、外周面切削加工済み基体103が完成する。尚、必要に応じて、上記外周面切削加工済み基体の外径に更なる仕上げ切削加工を施してもよく、仕上げ切削加工は別の旋盤で加工しても構わない。
次に、外周面切削加工済み基体103が旋盤にセットされたままの状態で、少なくとも外周面切削加工工程の加工終了側端部に対して、端面加工工程を行う。端面加工工程について図面を参照して説明する。
図5は、本発明に係る端面加工工程の一例を模式的に示す図である。図5(a)は、図2(c)に示される外周面切削加工済み基体105の加工終了側端部断面116の一部を拡大して示したもので、端面切削加工用バイト501、切削加工部136を模式的に示した図である。図5(b)は、図1(d)に示される外周面切削加工済み基体103の加工終了側端部断面113の一部を拡大して示したもので、端面切削加工用バイト501、切削加工部133を模式的に示した図である。図5(a)は、インロー加工工程を行っていない場合を示し、図5(b)は、インロー加工工程を行った場合を示している。図5(b)に示す端面加工工程では、外周面切削加工済み基体103を例えば2000rpmで回転させた状態で、端面切削加工用バイト501を切削加工部133に当接し外周面切削加工済み基体103の径方向の外周面側から内周面側に移動させる。そして、基体の外周面と端面とが略垂直の関係になるように切削加工部133を切削する。以上により、端面加工済み基体104が完成する。本発明における略垂直とは、基体の外周面と端面とが成す角度141が、85°以上95°以下であることを意味する。尚、端面加工工程は、少なくとも外周面切削加工工程の加工終了側端部に対して行えばよいが、必要に応じて外周面切削加工工程の加工開始側端部に対しても行ってよい。
なお、端面加工工程を基体の両端に施す場合は、インロー加工工程を基体の両端に施す場合と同様に、両端面同時に加工を行うことが望ましい。
次に内周面取り加工工程について図面を参照して説明する。本発明において、内周面取り加工工程を行う場合は、端面加工工程と成膜工程との間で行うことが、成膜工程で用いられる成膜冶具を円筒状基体の端部に設置する際の取扱いが容易になるという点で好ましい。また、図10(b)に示すように、作製した電子写真感光体1101の両端に、フランジ1102および1103を取り付け、電子写真感光体ユニット1100を作製する際の取扱いが容易になるという点でも好ましい。これは、端面内周部が略垂直の状態や、バリが存在する状態であると、回転精度を保証するために高い精度で加工された成膜冶具やフランジを挿入しにくく、作業時間が多くかかってしまうためである。
図7は、本発明に係る内周面取り加工工程の一例を模式的に示す図である。図7(a)は、図2(d)に示される端面加工済み基体106の端部断面117の一部を拡大して示したもので、内周面取り加工用バイト701、切削加工部137を模式的に示した図である。図7(b)は、図1(e)に示される端面加工済み基体104の端部断面114の一部を拡大して示したもので、内周面取り加工用バイト701、切削加工部134を模式的に示した図である。また、図7(a)は、インロー加工工程を行っていない場合を示し、図7(b)は、インロー加工工程を行った場合を示している。本発明における内周面取り加工工程は、端面内周部全域に亘って面取り加工を施せる手法であれば良く、研磨布や紙やすりなどを用いた手法でも構わない。加工精度や加工時間を考慮すると、バイトを用いた切削加工が好ましい。
内周面取り加工工程も、端面加工済み基体104を例えば2000rpmで回転させた状態で、端面加工済み基体104の端部に、内周面取り加工用バイト701を切削加工部134に当接し斜め方向へ移動させ、切削加工部134の内周面取り加工を行う。以上により、内周面取り加工済み基体が完成する。尚、切削加工部134及び137の寸法は、端面の幅よりも短ければよく、目的に応じて適宜設定してよい。
次に外周面取り加工工程について図面を参照して説明する。本発明において、外周面取り加工工程を行う場合は、後述する成膜工程の後で行うことが、電子写真感光体を電子写真装置本体に設置する際などの取扱いが容易になるという点で好ましい。これは、端面と外周面とが略垂直の状態であると、回転精度を保証するために高い精度で加工された電子写真装置本体に設置しにくく、作業時間が多くかかってしまったり、電子写真感光体に傷をつけてしまったりすることがあるためである。また、成膜工程前に外周面取り加工工程を施してしまうと、基体に面取り加工部と外周面との境界部が残ってしまい、膜ハガレの要因個所となってしまうため好ましくないことは前述したとおりである。
図8は、本発明に係る外周面取り加工工程の一例を模式的に示す図である。図8は、成膜工程終了後の電子写真感光体の端部断面の一部を拡大して示したもので、電子写真感光体用基体801、外周面取り加工用バイト804、切削加工部803、光導電層802、及び電子写真感光体805を模式的に示した図である。光導電層802は、例えば、ケイ素を含む非晶質材料で形成される。図8(a)は、外周面切削加工工程、端面加工工程、及び成膜工程を行った場合を示している。図8(b)は、インロー加工工程、外周面切削加工工程、端面加工工程、及び成膜工程を行った場合を示している。図8(c)は、インロー加工工程、外周面切削加工工程、端面加工工程、内周面取り加工工程、及び成膜工程を行った場合を示している。本発明における外周面取り加工工程は、端面外周部全域に亘って面取り加工を施せる手法であれば良く、研磨布や紙やすりなどを用いた手法でも構わない。加工精度や加工時間を考慮すると、バイトを用いた切削加工が好ましい。
外周面取り加工工程も、外周面切削加工工程と同様に、電子写真感光体805を例えば2000rpmで回転させた状態で、電子写真感光体805の端部に、外周面取り加工用バイト804を斜め方向へ移動させ、切削加工部803の外周面取り加工を行う。以上により、外周面取り加工済み電子写真感光体が完成する。尚、切削加工部803の寸法は、端面の幅よりも短ければよく、目的に応じて適宜設定してよい。
円筒状素管101は、金属であるがゆえに、加工雰囲気温度による膨張、収縮があり、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金は膨張、収縮量が大きい。したがって、高精度な円筒状基体を製造する場合、加工雰囲気温度の振れの無いことが理想であるが、雰囲気温度変動を2℃以内、つまり基準温度±1℃に管理して加工を行うことが望ましい。
次に電子写真感光体の製造方法について説明する。ここでは、一例としてa−Si感光体の製造方法の概要について図9を参照して説明する。
a−Si感光体は、一般的に高周波プラズマCVD法により製造される。図9に示す装置は、電子写真感光体の製造に使用する高周波プラズマCVD装置の一例である。この装置は、堆積装置901、原料ガス供給装置および排気装置(ともに不図示)を備えて構成されている。
堆積装置901は、縦型の真空容器でカソード電極を兼ねた反応容器902を有する。この反応容器902の内部には容器の縦方向に延びる原料ガス導入管903が複数本配設される。原料ガス導入管903の側面には、長手方向に沿って多数の細孔が設けられている。反応容器902の内部の中心には、ヒータ904が設けられている。電子写真感光体の基体となる端面加工済み基体104は、基体ホルダ905に装着された状態で、反応容器902の上部の蓋906を開けて挿入される。そして、ヒータ904を内側にして反応容器902の内部に縦方向に設置される。また、反応容器902の側面からマッチングボックス907を介して高周波電力が供給される。
反応容器902の下部には、原料ガス導入管903に接続された原料ガス供給管908が取り付けられ、この供給管908は、供給バルブ909を介して図示しないガス供給装置に接続されている。また、反応容器902の下部には排気管910が取り付けられ、この排気管910は排気バルブ911を介して図示しない排気装置(真空ポンプ)に接続されている。反応容器902の下部には、他に、端面加工済み基体104が装着された基体ホルダ905を回転可能にするモータ912、真空計913が取り付けられている。
上記の装置を用いた高周波プラズマCVD法によるa−Si感光体は次のように形成される。まず、反応容器902の内部に電子写真感光体の基体となる端面加工済み基体104が装着された基体ホルダ905をセットし、蓋906を閉じた後、図示しない排気装置により反応容器902の内部を所定の圧力まで排気する。以後、排気を続けながら、モータ912により端面加工済み基体104が装着された基体ホルダ905を回転させる。そして、ヒータ904により端面加工済み基体104を内側から加熱して、端面加工済み基体104を所定の温度に制御する。端面加工済み基体104が所定の温度に維持されたら、所望の原料ガスをそれぞれの流量制御器(不図示)により調節しながら、原料ガス導入管903を通じて反応容器902の内部に導入する。導入された原料ガスは反応容器902の内部を満たした後、排気管910を通って反応容器902外に排気される。
このようにして、原料ガスが満たされた反応容器902の中が所定の圧力になって安定したことを真空計913により確認したら、高周波電源914により高周波を所望の投入電力量で反応容器902の中に導入し、反応容器902内にグロー放電を発生させる。このグロー放電のエネルギによって、原料ガスが分解してプラズマが生成され、端面加工済み基体104の表面にケイ素を主体としたa−Si堆積膜(ケイ素を含む非晶質材料)が形成される。この際、ガス種、ガス導入量、ガス導入比率、圧力、基体温度、投入電力、膜厚などのパラメータを調整することにより様々な特性のa−Si堆積膜を形成することができ、電子写真特性を制御することができる。また用いられる高周波は、特に制限されるものではないが、例えば13.56MHzのRF帯域が挙げられる。
このようにして、端面加工済み基体104の表面にa−Si堆積膜が所望の膜厚で形成されたら、高周波電力の供給を止め、供給バルブ909を閉じて、反応容器902の中への原料ガスの導入を停止し、一層分のa−Si堆積膜の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことにより所望の構造のa−Si感光体が製造される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
また、以下の実施例および比較例では、円筒状素管にはマグネシウムを2.5重量%含有したAl−Mg合金の引抜管で、380℃で2時間の焼鈍処理を行ったものを用いた。
また、円筒状素管の寸法を表1に示す(単位はmm)。尚、インロー内径については切削量が1.5mmと大きいため、2回に分けてインロー加工を実施した。
Figure 0005539016
[実施例1]
直径81mm、長さ360mmのアルミ製円筒状素管を、エグロ社製SD550旋盤に円筒状素管の内周面を保持した状態でセットした。そして、円筒状素管を2000rpmで回転させ、表2に示す条件で外周面切削加工工程、端面加工工程をこの順で行い、電子写真感光体用基体を100本作製した。各加工工程では、バイトとして、ダイヤモンドバイト(商品名:ミラクルダイヤモンドバイト、東京ダイヤモンド工具製作所製)を用い、切削油として、日石ポリブテンLV−7(新日本石油化学製)を用いた。
加工方法は、外周面切削加工工程を図4(a)に矢印で示す方向にバイトを送り外周面全体を切削した。次に端面加工工程を図5(a)に矢印で示す方向にバイトを送り、端面全体を0.5mm切削した。尚、端面加工工程については外周面切削加工工程の加工終了側端部に対してのみ加工を行った。
Figure 0005539016
作製した電子写真感光体用基体は、端面外周部のバリ、端面内周部のバリ、同軸度、垂直度、総合評価の各項目について以下の手法で検証を行った。その結果を表9に示す。
(端面外周部のバリ)の評価
作製した電子写真感光体用基体の両端面外周部の全周を、光学顕微鏡を用いて観察を行い、バリの有無を確認した。得られた結果は、以下のような基準でランク付けを行った。
尚、この評価項目では、軽微なバリがあるものの割合が小さいほど、バリの発生が抑えられ良好な結果であると判断している。
A:軽微なバリがある基体が5%未満
B:軽微なバリがある基体が5%以上50%未満
(端面内周部のバリ)の評価
作製した電子写真感光体用基体の両端面内周部の全周を、光学顕微鏡を用いて観察を行い、バリの有無を確認した。得られた結果は、以下のような基準でランク付けを行った。
尚、この評価項目では、軽微なバリがあるものの割合が小さいほど、バリの発生が抑えられ良好な結果であると判断している。
AA:軽微なバリがある基体が5%未満
A:軽微なバリがある基体が5%以上50%未満
(同軸度)の評価
図10(a)に同軸度の測定の概略図を示す。作製した電子写真感光体用基体1004の両端部の外周面を2台のVブロック1001で受け、ダイヤルゲージ1002および1003を内周面にあてる。そして、電子写真感光体用基体1004を1回転させた時の、ダイヤルゲージ1002および1003の指示値の最大値と最小値を測定し、それぞれの指示値の最大値と最小値の差を算出した。次いで、それぞれの指示値の最大値と最小値の差の平均を算出し、電子写真感光体用基体の同軸度とした。また、インロー加工工程を行った電子写真感光体用基体の場合は、ダイヤルゲージ1002および1003をインロー部にあてて測定を行った。そして、作製した電子写真感光体用基体100本の平均値を算出し、後述する比較例1での平均値をリファレンス(100%)として、以下のような基準でランク付けを行った。
尚、この評価項目では、同軸度の平均値が小さいほど良好な結果であると判断している。
AA:リファレンスに比べて10%以上50%未満
A:リファレンスに比べて50%以上150%未満
(垂直度)の評価
真円度円筒形状測定機(ミツトヨ社 ROUNDTEST RA−436)を用い、端面を基準として電子写真感光体用基体の両端から0.5mmの位置の傾きを垂直度として測定した。測定は、両端面外周部を30°おきに12点測定し、作製した電子写真感光体用基体100本の平均値を算出した。そして、得られた平均値を垂直度とし、以下のような基準でランク付けを行った。
尚、この評価項目では、90°に近いほど、端面と外周面とが交わる個所を垂直に加工できており良好な結果であると判断している。
A:85°以上95°以下
B:95°を超えるもしくは85°未満
(総合評価)の評価
端面外周部のバリ、端面内周部のバリ、同軸度、垂直度の評価で得られた結果を、AAランクが2点、Aランクが1点、Bランクが0点として合計した得点をもとに、以下のように総合的にランク付けを行った。
AA…5点以上で、Bランクがないもの
A…3点以上4点以下で、Bランクがないもの
B…2点以下、もしくはBランクが1つでもあるもの
尚、総合評価においては、Aランク以上で本発明の効果が得られていると判断している。
尚、実施例1で得られた電子写真感光体用基体100本のそれぞれの垂直度は85°から95°の範囲であり、電子写真感光体用基体100本の垂直度の平均値は、90.2°であった。
その後、得られた電子写真感光体用基体100本に対して洗浄を行い、図9に示す堆積装置901を用いて、表3に示す条件で電子写真感光体を100本作製した。
作製した電子写真感光体は、球状突起、濃度ムラ、取扱い性、総合評価の各項目について以下の手法で検証を行った。その結果を表10に示す。
Figure 0005539016
(球状突起)の評価
作製した電子写真感光体を、光学顕微鏡を用いて電子写真感光体全面の観察を行い、球状突起の個数をカウントした。カウントする対象とした球状突起は、電子写真感光体の表面から見た場合の、球状突起の外接円の直径が15μm以上のものとした。そして、作製した電子写真感光体100本の平均値を算出し、後述する比較例1での平均値をリファレンス(100%)として、以下のような基準でランク付けを行った。
尚、この評価項目では、平均値が小さいほど、球状突起の発生が抑えられ良好な結果であると判断している。
A:リファレンスに比べて40%以上80%未満
B:リファレンスに比べて80%以上120%未満
(濃度ムラ)の評価
図10(b)に示すように、作製した電子写真感光体1101の両端にフランジ1102および1103を取り付け、電子写真感光体ユニット1100を作製した。そして、電子写真感光体ユニット1100を電子写真装置(キヤノン社製iR5000)に設置した。次いで、電子写真感光体の表面電位を現像位置において所定の暗部表面電位に帯電させ、次いで、像露光光を照射し表面電位が50Vになる時の光量を測定した。次に前記と同様に所定の表面電位に帯電させた後に前記光量の1/2光量を照射し、現像器により現像を行った。この時の画像濃度を画像濃度計(グレタグマクベス社製 RD914)を用いて、電子写真感光体の軸方向に相当する方向に5点測定した。そして、最大値から最小値を引いた値を濃度ムラとし、作製した電子写真感光体100本の濃度ムラの平均値を算出して、後述する比較例1での平均値をリファレンス(100%)として、以下のような基準でランク付けを行った。
尚、この評価項目では、平均値が小さいほど、濃度ムラが抑えられ良好な結果であると判断している。
AA:リファレンスに比べて85%以上、95%未満
A:リファレンスに比べて95%以上、105%未満
B:リファレンスに比べて105%以上、115%未満
(取扱い性)の評価
図10(b)に示すように、作製した電子写真感光体1101の両端にフランジ1102および1103を取り付け、電子写真感光体ユニット1100を作製する際に要した時間を取扱い性とした。そして、作製した電子写真感光体100本の平均値を算出し、後述する比較例3での平均値をリファレンス(100%)として、以下のような基準でランク付けを行った。
尚、この評価項目では、平均値が小さいほど取扱いが良好な結果であると判断している。
AA:リファレンスに比べて80%以上90%未満
A:リファレンスに比べて90%以上110%未満
(総合評価)の評価
球状突起、濃度ムラ、取扱い性の評価で得られた結果を、AAランクが2点、Aランクが1点、Bランクが0点として合計した得点をもとに、以下のように総合的にランク付けを行った。
AA…5点以上で、Bランクがないもの
A…3点以上4点以下で、Bランクがないもの
B…2点以下、もしくはBランクが1つでもあるもの
尚、総合評価においては、Aランク以上で本発明の効果が得られていると判断している。
[実施例2]
外周面切削加工工程を行う前にインロー加工工程を行う以外は実施例1と同様にして、表4に示す条件で、電子写真感光体用基体を100本作製した。インロー加工方法は、図6に矢印で示す方向にバイトを送り、13.0mm幅に亘って切削した。尚、インロー加工は、切削量が1.5mmと大きいため、2回に分けて実施した。また、インロー加工工程と端面加工工程については両端同時に加工を行った。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
Figure 0005539016
[実施例3]
端面加工工程の後に内周面取り加工工程を行う以外は実施例2と同様にして、表5に示す条件で、電子写真感光体用基体を100本作製した。内周面取り加工方法は、図7(b)に矢印で示す方向にバイトを送り、C0.2mmの面取り面を両端面内周部全体に亘って形成するように切削した。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
Figure 0005539016
[実施例4]
電子写真感光体を作製した後に表6に示す条件で外周面取り加工工程を行う以外は実施例3と同様にして、電子写真感光体用基体を100本作製した。外周面取り加工方法は、図8(c)に示す方向にバイトを送り、C0.2mmの面取り面を両端面外周部全体に亘って形成するように切削した。
このようにして作成した電子写真感光体を、実施例1と同様の手法で評価を行った結果、実施例3と同様の結果が得られた。また濃度ムラの評価を行う際、実施例4の電子写真感光体を用いて作製した電子写真感光体ユニットを、電子写真装置(キヤノン社製iR5000)に設置したところ、実施例1、2、3、5、6の場合に比べ設置作業がスムーズに行えることが確認された。これは、端面外周部に面取り加工を施したため、電子写真感光体ユニットの取扱いが容易になったことによると思われる。
Figure 0005539016
[実施例5]
実施例1の手順において、下記の変更点以外は同様にして、電子写真感光体用基体を100本作製した。変更点は、端面外周部全体に亘ってC1.0mmの面取り面が形成された円筒状素管に変更した点と、端面加工工程を表7に示す条件に変更した点、端面加工工程を円筒状素管の両端に行うように変更した点である。尚、端面加工工程については両端同時に加工を行った。また、円筒状素管に形成されていたC1.0mmの面取り面は、各加工工程により切削され、端面加工工程後にはなくなっていた。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
Figure 0005539016
[実施例6]
実施例1の手順において、端面内周部全体に亘ってC1.0mmの面取り面が形成された円筒状素管を用いた点のみを変更して、電子写真感光体用基体を100本作製した。尚、円筒状素管の端面内周部全体に亘って形成されていたC1.0mmの面取り面は、端面加工工程後には、C0.5mmの面取り面となった。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
[比較例1]
実施例1の手順において、端面加工工程の加工方向を円筒状素管の径方向の内周面側から外周面側に向かって加工を行う点のみ変更して、電子写真感光体用基体を100本作製した。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
[比較例2]
比較例1の手順において、工程の順番を入れ替え、端面加工工程、外周面切削加工工程の順に加工を行う点のみ変更して、電子写真感光体用基体を100本作製した。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
[比較例3]
実施例1の手順において、工程の順番を入れ替え、端面加工工程、外周面切削加工工程の順に加工を行う点のみ変更して、電子写真感光体用基体を100本作製した。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
[比較例4]
実施例5の手順において、端面加工工程を表8に示す条件で行った点のみを変更して、電子写真感光体用基体を100本作製した。尚、円筒状素管の端面外周部全体に亘って形成されていたC1.0mmの面取り面は、各加工工程により切削されるが、端面加工工程後には、C0.7mmの面取り面となった。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
Figure 0005539016
[比較例5]
比較例1の手順で作製した電子写真感光体用基体の端面外周部に残ったバリを除去して電子写真感光体用基体を100本作製した。尚、バリの除去は、特開2003−122038の図12、図13、図14、図15に記載のバリ取り工具と同様のものを300〜500rpmで回転させ、端面外周部に残ったバリにあてることで行った。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
[比較例6]
実施例1の手順において、端面加工工程を行う際の、円筒状素管の外周面に対するバイトの送り角度を変えることで、基体の外周面と端面とが成す角度が84°以下となるように電子写真感光体用基体を100本作製した。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
[比較例7]
実施例1の手順において、端面加工工程を行う際の、円筒状素管の外周面に対するバイトの送り角度を変えることで、基体の外周面と端面とが成す角度が96°以上となるように電子写真感光体用基体を100本作製した。
このようにして作成した電子写真感光体用基体を、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表9に示す。
また、得られた電子写真感光体用基体から実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の手法で評価を行った。その結果を表10に示す。
Figure 0005539016
表9から以下のことがあきらかとなった。
実施例1と比較例1から、端面加工工程の加工方向を円筒状素管の径方向の外周面側から内周面側に向かって行うことで、端面外周部のバリが抑制されることが確認された。
実施例1と比較例2から、端面加工工程の加工方向を円筒状素管の径方向の外周面側から内周面側に向かって行い、外周面切削加工工程の後に端面加工工程を行うことで、端面外周部のバリが抑制されることが確認された。
実施例1と比較例3から、外周面切削加工工程の後に端面加工工程を行うことで、端面外周部のバリが抑制されることが確認された。
実施例5と比較例4から、端面外周部全体に亘って面取り面が形成された円筒状素管であっても、本発明の加工方法を用い、端面と外周面とが略垂直に交わるように加工を行うことで、垂直度の項目が改善されることが確認された。
実施例1と比較例5から、本発明の加工方法を用いることで、垂直度の項目が改善されることが確認された。
実施例1と実施例2から、外周面切削加工工程の前にインロー加工工程を行うことで、電子写真感光体用基体の同軸度が向上することが確認された。
実施例2と実施例3から、端面加工工程と成膜工程の間に内周面取り加工工程を行うことで、端面内周部のバリが抑制されることが確認された。
Figure 0005539016
表10から以下のことがあきらかとなった。
実施例1と比較例1から、端面加工工程の加工方向を円筒状素管の径方向の外周面側から内周面側に向かって行うことで、端面外周部のバリが抑制され、球状突起が抑制されることが確認された。
実施例1と比較例2から、端面加工工程の加工方向を円筒状素管の径方向の外周面側から内周面側に向かって行い、外周面切削加工工程の後に端面加工工程を行うことで、端面外周部のバリが抑制され、球状突起が抑制されることが確認された。
実施例1と比較例3から、外周面切削加工工程の後に端面加工工程を行うことで、端面外周部のバリが抑制され、球状突起が抑制されることが確認された。
実施例5と比較例4から、端面外周部全体に亘って面取り面が形成された円筒状素管であっても、本発明の加工方法を用い、端面と外周面とが略垂直に交わるように加工を行うことで、垂直度の項目が改善され、球状突起が抑制されることが確認された。
実施例1と比較例5から、本発明の加工方法を用いることで垂直度の項目が改善され、球状突起が抑制されることが確認された。
実施例1と比較例6及び比較例7から、電子写真感光体用基体の外周面と端面とが成す角度が、95°を超えるもしくは85°未満となることで、基体と基体ホルダとの導通が不安定となり、所望の感光体特性を得られず、濃度ムラが悪化することが確認された。
実施例1と実施例2から、外周面切削加工工程の前にインロー加工工程を行うことで、電子写真感光体用基体の同軸度が向上し、濃度ムラが改善されることが確認された。
実施例2と実施例3から、端面加工工程と成膜工程の間に内周面取り加工工程を行うことで、端面内周部のバリが抑制され、取扱い性が向上することが確認された。
101‥‥円筒状素管
102‥‥インロー加工済み基体
103‥‥外周面切削加工済み基体
104‥‥端面加工済み基体
111、112、113、114‥‥端部断面
131、132、133、134‥‥切削加工部
121‥‥外周面
122‥‥内周面
123‥‥端面
124‥‥端面外周部
125‥‥端面内周部
126‥‥インロー部

Claims (8)

  1. 円筒状基体に少なくとも光導電層を成膜する成膜工程を少なくとも有する電子写真感光体の製造方法において、
    前記成膜工程を行う前に、前記円筒状基体の外周面に対して切削を行う外周面切削加工工程と、前記円筒状基体の端面と外周面とが略垂直の関係になるように、少なくとも前記外周面切削加工工程の加工終了側の端面を加工する端面加工工程とをこの順に少なくとも有し、
    前記端面加工工程が、端面の外周面側から加工を開始し、端面の内周面側で加工を終了する工程であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記外周面切削加工工程を行う前に、前記円筒状基体の両端部の内周面に対してインロー加工を施すインロー加工工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記端面加工工程と前記成膜工程との間に、前記円筒状基体の端面と内周面との間に面取り加工を施す内周面取り加工工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記成膜工程の後に、前記円筒状基体の端面と外周面との間に面取り加工を施す外周面取り加工工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記成膜工程が、少なくともケイ素を含む非晶質材料で形成された光導電層を成膜する工程であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 電子写真感光体用の円筒状基体の製造方法において、
    前記円筒状基体の外周面に対して切削を行う外周面切削加工工程と、前記円筒状基体の端面と外周面とが略垂直の関係になるように、少なくとも前記外周面切削加工工程の加工終了側の端面を加工する端面加工工程とをこの順に少なくとも有し、
    前記端面加工工程が、端面の外周面側から加工を開始し、端面の内周面側で加工を終了する工程であることを特徴とする電子写真感光体用基体の製造方法。
  7. 前記外周面切削加工工程を行う前に、前記円筒状基体の両端部の内周面に対してインロー加工を施すインロー加工工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体用基体の製造方法。
  8. 前記端面加工工程の後に、前記円筒状基体の端面と内周面との間に面取り加工を施す内周面取り加工工程を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の電子写真感光体用基体の製造方法。
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