JP2021086044A - 電子写真感光体用の円筒状基体および該円筒状基体を用いた電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体用の円筒状基体および該円筒状基体を用いた電子写真感光体 Download PDF

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Yasuo Kojima
康夫 小島
白砂 寿康
Toshiyasu Shirasago
寿康 白砂
大脇 弘憲
Hironori Owaki
弘憲 大脇
高典 上野
Takanori Ueno
高典 上野
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Motoya Yamada
基也 山田
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【課題】 堆積膜形成中や堆積膜形成後に、円筒状基体の外周面の端部からの膜剥がれを従来よりも抑制可能な電子写真感光体用の円筒状基体を提供する。【解決手段】 外周面と端面との間に、前記外周面に隣接し前記端面に向かって前記円筒状基体の外径が小さくなる傾斜面と、前記傾斜面と前記端面との間に形成された面取り面とを有し、前記傾斜面の前記外周面に対する傾斜角度は、3度以上30度以下であり、前記円筒状基体を軸方向に切断したときの断面において、前記傾斜面の長さが前記面取り面の長さよりも長く、前記傾斜面と前記外周面のJIS B0601−2001における算術平均粗さが0.2μm以下である電子写真感光体用の円筒状基体。【選択図】 図2

Description

本発明は電子写真感光体用の円筒状基体および該円筒状基体用いた電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、一般的に、アルミニウムまたはその合金からなる導電性の円筒状基体の外周面に、有機材料またはアモルファスシリコン系材料(以下「a−Si」ともいう)などの無機材料からなる膜が形成されて製造される。これらの中でも、a−Si膜が円筒状基体の外周面に形成されてなる電子写真感光体(以下「a−Si感光体」ともいう)は、高性能かつ高耐久性であり、広く実用化されている。
円筒状基体の外周面にa−Si膜を形成する方法としては、プラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流、高周波、マイクロ波グロー放電などによって分解して堆積させる方法が実用化されている。
13.56MHzの高周波を用いたRFグロー放電法では、感光体に適したa−Si膜を形成するために、堆積膜形成中には円筒状基体を150〜350℃に加熱する必要がある。この時、a−Si膜とアルミニウムまたはその合金からなる円筒状基体とでは、熱膨張係数の差が大きいため、堆積膜形成中や堆積膜形成後の温度変動によって、a−Si膜に圧縮側の内部応力(熱応力)が生じる。このa−Si膜の内部応力が、a−Si膜と円筒状基体との密着力を上回るとa−Si膜が円筒状基体から剥がれてしまう。この膜剥がれは、特に円筒状基体の外周面の端部の角部から起きることが多い。
堆積膜形成中に膜剥がれが発生し、剥がれた膜片が円筒状基体の外周面に付着すると、その部分は膜欠陥となる。その程度によっては、感光体として利用したときの画像欠陥の原因になるものもあり、感光体の不良や品質低下の一因になっている。この膜剥がれを抑制するために、外周面端部を工夫した円筒状基体や電子写真感光体が提案されている。例えば、特許文献1には、円筒状基体の外周面と端面との間に形成される面取り面および端面の表面粗さを規定して、円筒状基体と膜の密着力を上げて膜剥がれを抑制する技術が開示されている。また、特許文献2には、円筒状基体の外周面から端面に向かって外径が小さくなる傾斜面と、傾斜面と端面との境界部分に曲面状の面取り面とを形成して、外周面から端面の間に膜剥がれの起点となる形状を減らして膜剥がれを抑制する技術が開示されている。
特許第4242902号公報 特開2011−197466号公報
上記の技術により、a−Si膜の膜剥がれが低減され、電子写真感光体の品質向上が図られてきた。近年、電子写真装置の高速化や高画質化が求められ、それに対応してa−Si膜の厚膜化や膜質の向上などによる感光体特性の向上が必要になった。その達成手段としては、例えば堆積膜形成速度を上げる、堆積膜形成時間を長くする、堆積膜形成中の基体の温度を上げるなどの堆積膜形成条件の変更が挙げられる。しかし、これら条件変更の多くは膜応力を大きくするものであり、膜応力が大きくなる場合、従来よりも膜剥がれが生じやすくなる。
本発明は上記に鑑みて提案されたものであり、堆積膜形成中や堆積膜形成後に、円筒状基体の外周面の端部からの膜剥がれを従来よりも抑制可能な電子写真感光体用の円筒状基体を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係る電子写真感光体用の円筒状基体は、
外周面と端面との間に、前記外周面に隣接し、前記端面に向かって円筒状基体の外径が小さくなる傾斜面と、前記傾斜面と前記端面との間に形成された面取り面とを有し、
前記傾斜面の前記外周面に対する傾斜角度は、3度以上30度以下であり、
前記円筒状基体を軸方向に切断したときの断面において、前記傾斜面の長さが前記面取り面の長さよりも長く、
前記傾斜面と前記外周面のJIS B0601−2001における算術平均粗さが0.2μm以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る電子写真感光体は、前記円筒状基体にアモルファスシリコン系材料からなる感光層が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、堆積膜形成中や堆積膜形成後に、円筒状基体の外周面の端部からの膜剥がれを従来よりも抑制可能な電子写真感光体用の円筒状基体を提供することが可能になる。
本発明に係る電子写真感光体の層構成を示す模式的な断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の端部外周面の模式的な断面図である。 従来の電子写真感光体の端部外周面の模式的な断面図である。 a−Si感光体の成膜装置の一例を示す模式的な縦断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態を、図面を用いて例示的に説明する。ただし、この実施の形態は、本発明の範囲を以下の実施の形態に限定するものではない。
図1に示す電子写真感光体100は、円筒状基体101の外周面102に、感光層として電荷注入阻止層103、光導電層104および表面保護層105を順次堆積、形成したものである。
円筒状基体101の材料は、電気伝導率が良好であり、軽量で加工性や製造コストに優れるなどの理由で、押出・引抜加工されたアルミニウム合金の管材が好適に用いられる。その管材に対して、一般的に旋盤による両端および外周面の切削加工が行われ、円筒状基体101となる。両端加工としては、例えば、長さ合わせのための端面加工、面取り加工、端部係合部材(ギヤやフランジ等)を係合するための端部内面へのインロー加工などが実施される。また、外周面は、外径寸法や表面形状を所定の値にするための加工が実施される。
切削加工の表面仕上げは、要求される品質(主に寸法精度および表面粗さ)と加工コストとによって決められる。一般的に、電子写真感光体用の円筒状基体では、画像品質や耐久性に優れるという点から外周面は高い平滑性(旧JIS記号で▽▽▽▽:鏡面仕上げ)が求められるため、超精密切削が行われる。外周面以外の加工部分は寸法精度を満たせばよく、並み仕上げ〜微鏡面仕上げ(旧JIS記号で▽▽〜▽▽▽程度)の精密切削が行われる。
図3に従来の円筒状基体301の端部外周面について、円筒状基体301の軸方向に切断したときの模式的な断面を示す。外周面302と端面303の間に面取り面304(C面取り、端面303に対する面取り面304の傾斜角度γ≒45度)が形成されている。また、面取り面304の表面粗さは並み仕上げ〜微鏡面仕上げ程度であり、JIS B0601−2001における算術平均粗さでいうと0.2μmを超える。
図3の従来の円筒状基体301に形成されたa−Si膜は、外周面302と面取り面304との稜線部305から膜剥がれが生じることが多い。これは、稜線部305の形状の変化が大きいことが一因である。また、外周面302と面取り面304との表面粗さが大きく異なるため、堆積膜形成時の外周面302と面取り面304とで表面温度に差が出て、外周面302と面取り面304とに形成される膜の膜質に差が出ることも一因である。
図2に本発明の円筒状基体101の端部外周面を示す。図2は円筒状基体101の軸方向に切断したときの模式的な断面を示す。円筒状基体101には、外周面102と端面201との間に、傾斜面202と面取り面203とが形成されている。傾斜面202は、外周面102に隣接している。傾斜面202は、端面201に向かって円筒状基体101の外径が小さくなるように傾斜している。面取り面203は、傾斜面202と端面201との間に形成されている。
傾斜面202の外周面102に対する傾斜角度αは、3度以上30度以下である。傾斜面202の長さL1は、面取り面203の長さL2よりも長い。
傾斜面202と外周面102とのJIS B0601−2001における算術平均粗さRaが0.2μm以下となっている。
図2に示す円筒状基体101は、傾斜面202を有し、外周面102に対する傾斜角度αが30度以下であるため、稜線部204の形状の変化が小さく、膜剥がれが生じにくくなる。稜線部204の形状の変化が小さいほど膜剥がれが生じにくくなるので、傾斜角度αは小さい方が好ましいが、小さすぎるとL1が長くなりすぎて感光体が大型化してしまうため、3度が下限になる。
傾斜面202は、端面201に向かって円筒状基体101の外径が小さくなっている。この形状によって、堆積膜形成中の円筒状基体101の端部近傍の放電状態に変化が生じ、形成されるa−Si膜は傾斜面202上で端面201に向かって徐々に膜厚が薄くなる。この現象によって、傾斜面202の端面201側での膜応力が低下し、膜剥がれが生じにくくなる。この効果は、円筒状基体101の上端及び下端に同じ長さの傾斜面202を形成したときに、両端の傾斜面202の長さL1の合計値(=2×L1)がある程度あると効果が現れ、具体的には円筒状基体101の長さの2%以上が好ましい。
一方、両端の傾斜面202は非画像形成領域であり、大きすぎると画像形成装置の大型化を招いてしまう。そのため両端の傾斜面202の長さL1の合計値は5%以内とすることが好ましい。
また、傾斜面202と外周面102との算術平均粗さRaを0.2μm以下にして、傾斜面202の表面粗さを外周面102に近くする。これにより、堆積膜形成時の外周面102と傾斜面202との表面温度の差が小さくなって、外周面102と傾斜面202とに形成されるa−Si膜の膜質差が小さくり、膜剥がれが生じにくくなる。
なお、図2に示す傾斜面202は断面の形状が平面状であるが、傾斜面202は、傾斜角度αが3度以上30度以下で面取り面203に接続できれば、平面状に限らず例えば凸状に湾曲していてもよい。
さらに、傾斜面202と端面201との間に面取り面203を形成することで、稜線部205における形状の変化、および稜線部206における形状の変化が小さくなり、より膜剥がれが生じにくくなる。
面取り面203は、端面201と傾斜面202との面取りであるため、端面201に対する面取り面203の傾斜角度βは、下記式(1)のとおりとすることが好ましい。
(90−α)/2≦β≦45 (1)
なお、図2に示す面取り面203は断面の形状が平面状であるが、曲面状かつ端面201および傾斜面202と滑らかに接続するように加工を行うと、さらに膜剥がれが生じにくくなり、好ましい。
さらに、面取り面203のJIS B0601−2001における算術平均粗さRaを、傾斜面202と同様に0.2μm以下とすると、堆積膜形成時の面取り面203と傾斜面202とで表面温度の差が小さくなる。これにより、面取り面203と傾斜面202とのa−Si膜の膜質差が小さくり、膜剥がれが生じにくくなる。
面取り面は、面取り深さが0.3mm以上の角面又は曲率半径が0.3mm以上の曲面であることが好ましい。
面取り面の面取り深さが0.3mm以上の角面であると、面取り面として安定して加工可能な寸法であるため好ましい。
面取り面の曲率半径が0.3mm以上の曲面であると、面取り面として安定して加工可能な寸法であるため好ましい。
なお、面取り面が大きすぎると、その部分の円筒状基体の肉厚が薄くなり、変形してしまう恐れがあるため、面取り深さ又は曲率半径は円筒状基体の肉厚の50%以下であることが好ましい。
(a−Si感光体の製造方法)
図1に示す層構成のa−Si感光体100の製造方法について述べる。a−Si感光体100は、円筒状基体101の外周面102に、a−Si膜を形成することにより製造することができる。
このa−Si感光体100の製造を、図4に示す成膜装置400を用いて行う。
図4は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、a−Si感光体100を製造するための成膜装置の一例を示す模式的な縦断面図である。
成膜装置400は、円筒状基体101の外周面102にa−Si膜を形成する装置である。反応容器410は、上碍子406、円筒状のカソード電極407、下碍子408、底板409により構成され、壁面の一部である上碍子406の上に蓋405が備えられている。底板409は、排気配管418および排気バルブ419を介して不図示の排気装置(真空ポンプ)が接続されており、反応容器410の内部が減圧可能となっている。
円筒状基体101は、上部補助基体401、下部補助基体402とともに基体ホルダ403に装着され、反応容器410の内部の受台404に、基体ホルダ403の下部を嵌め込むように設置される。受台404には、不図示の回転装置が取り付けられ、基体ホルダ403が回転可能となっている。更に、反応容器410の内部にはヒータ411が設置され、基体ホルダ403の内側から円筒状基体101を加熱可能となっている。
反応容器410の内部には、原料ガス導入管412および413が、円筒状基体101を交互に取り囲むようにそれぞれ複数本配設されている。原料ガス導入管412および413の側面には、それぞれ長手方向に沿って多数の細孔が設けられているが、その配置が異なっており、形成する層によって使い分けられるようになっている。原料ガス導入管412および413は、それぞれ原料ガス供給管416および417を介して不図示の原料ガス供給装置に接続されている。これらにより、反応容器410の内部に原料ガスが供給可能となっている。また、円筒状のカソード電極407には、マッチングボックス414を介して高周波電源415が接続されている。
この成膜装置400で、a−Si膜を形成する手順を以下に説明する。
まず、円筒状基体101と上部補助基体401および下部補助基体402を、基体ホルダ403に装着する。そして、反応容器410の内部を大気圧にして、蓋405を開け、基体ホルダ403を受台404に設置し、蓋405を閉める。
次に、圧力計420の値で所定の圧力(例えば0.67Pa)以下になるまで、排気バルブ419を開いて反応容器410の内部を不図示の排気装置で排気する。所定の圧力になった時点で、加熱用の不活性ガス(例えばArガス)を反応容器410の内部に導入する。そして、反応容器410の内部が所定の圧力になるように加熱用の不活性ガスの流量および不図示の排気装置の排気速度を調整する。その後、温度コントローラ(不図示)を作動させてヒータ411を運転し、円筒状基体101の温度を所定の温度(例えば20〜500℃)に制御する。円筒状基体101が所定の温度に加熱されたところで、不活性ガスを徐々に止める。これと並行して、成膜用の原料ガスを徐々に導入する。
原料ガスとしては、例えば、SiH、Si、CH、C、NOのような材料ガスや、B、PHのようなドーピングガス、H、He、Arのような希釈ガスが挙げられる。次に、不図示の原料ガス供給装置よって、各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反応容器410の内部が所定の圧力(例えば1〜100Pa)に維持されるように、圧力計420を見ながら排気装置の排気速度を調整する。
成膜用の原料ガスを導入した後、圧力計420の値が安定したところで、受台404を回転させ、円筒状基体101と、上部補助基体401および下部補助基体402が装着された基体ホルダ403を回転させる。
以上の手順によってa−Si膜形成の準備を完了した後、円筒状基体101の外周面102にa−Si膜の形成を行う。具体的には、高周波電源415を所定の電力に設定して円筒状のカソード電極407に供給し、グロー放電を生起させる。このとき、反射電力が最小となるようにマッチングボックス414を調整し、高周波の入射電力から反射電力を差し引いた値を所定の値に調整する。この放電エネルギーによって反応容器410の内部に導入された原料ガスが分解され、円筒状基体101の外周面102にa−Si膜が形成される。
所望の膜厚のa−Si膜の形成を行った後、電力の供給を止め、反応容器410の内部への各原料ガスの流入を止めて、一旦高真空になるように反応容器410の内部を排気する。上記の操作を繰り返し行うことによって、所定の層構成のa−Si膜を形成することができる。円筒状基体101の外周面102にa−Si膜を形成した後、ヒータ411による加熱を停止する。次に、反応容器410の内部を大気圧にして、蓋405を開け、基体ホルダ403を反応容器410の内部から取り出す。そして、a−Si膜が形成された円筒状基体101を基体ホルダから外し、a−Si感光体100が完成する。
以下の実施例により、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
また、以下の実施例および比較例では、Al−Mg系のアルミニウム合金製の管材を用い、外径84mm、内径78mm、肉厚3mm、長さ381mmの円筒状基体101に加工した。加工には(株)エグロ製SD−550旋盤(感光ドラム仕上加工専用機)を使用した。
算術平均粗さRaの測定は、JIS B0601−2001に準拠したフォームトレーサーSV−C4000S4((株)ミツトヨ)を用いて測定した。用いた触針の形状はJIS B0651−2001に従った。すなわち、先端形状は球状の先端をもつ円錐とし、先端半径2μm、円錐のテーパー角度60゜、測定力は0.75mNとした。
各部の寸法の測定は、加工後の円筒状基体101を軸方向に切断し、その断面を測定投影機で投影して観察・測定した。
〔実施例1〜8〕
図2に示す端部外周面形状の円筒状基体101を、表1に示す実施例1〜8の表面粗さおよび寸法にそれぞれ5本加工した。但し、実施例7は面取り面203を曲面状に加工している。
面取り面の形状が角面である場合、「面取り面の深さ」は、表1に記載の長さL2、角度α及び角度βの各数値を下記式に代入して算出される値を四捨五入した値である。
L2×cos(α+β)
外周面102および傾斜面202の表面粗さは、一旦鏡面に加工して算術平均粗さRaが0.02μmとし、必要に応じて粗面化した。粗面化はウエットブラスト加工で行い、円筒状基体101を加工装置に設置し、投射ノズルからアルミナからなる研磨剤と水とが混合した液体(研磨剤濃度が15Vol%)に圧縮空気を混合させて投射し、圧縮空気の圧力および処理時間で表面粗さを調整した。
加工後の円筒状基体101は洗浄機で洗浄した後、成膜装置400に設置し、前述の製造方法で、表2に示す条件で図1に示す層構成のa−Si膜を形成して、a−Si感光体100を各実施例でそれぞれ5本作製した。
作製されたa−Si感光体100について、以下の評価を行った。
Figure 2021086044
Figure 2021086044
(画像欠陥の評価)
a−Si感光体100をキヤノン(株)製複写機iRC6880Nに設置し、画像露光量を最小にして出力したA3サイズの画像を観察し、感光体1周分当たりの、直径0.10mm以上の白ポチ(画像形成領域での画像欠陥の部分)の個数を数えた。これを各実施例のそれぞれ5本について実施し、5本の画像欠陥の平均値を算出した。
画像欠陥の評価は、後述の比較例1で得られた結果を100としたときの相対評価で行い、評価結果を以下のようにランク付けした。この評価結果は、数字が小さいほど画像欠陥が少なく、良好であることを示す。
A ・・・ 70未満。
B ・・・ 70以上90未満。
C ・・・ 90以上110未満(変化無し)。
D ・・・ 110以上(低下)。
得られた結果を表3に示す。
(膜剥がれの評価)
堆積膜形成後のa−Si感光体100の外観を目視で確認し、膜剥がれの有無とその面積を調べた。これを各実施例のそれぞれ5本について実施した。
膜剥がれの評価は後述の比較例1の剥がれた面積を100としたときの相対評価で行い、評価結果を以下のようにランク付けした。この評価結果は、数字が小さいほど画像欠陥が少なく、良好であることを示す。
A ・・・ 30未満(膜剥がれ殆ど無し)
B ・・・ 30以上80未満(膜剥がれは有るが、比較例1よりも剥がれた面積が小さい)
C ・・・ 80以上120未満(比較例1と同等)
D ・・・ 120以上(膜剥がれが有り、比較例1よりも剥がれた面積が大きい。)
得られた結果を表3に示す。
〔比較例1、2〕
図2に示す端部外周面形状の円筒状基体101を、表1に示す比較例1および2の表面粗さおよび寸法にそれぞれ5本加工した。加工後の円筒状基体101は実施例と同様にしてa−Si感光体100をそれぞれ5本作製した。
作製されたa−Si感光体100について、実施例と同様の評価を行った。得られた結果を表3に示す。
〔比較例3〕
図3に示す端部外周面形状の円筒状基体301を、表1に示す比較例3の表面粗さおよび寸法に5本加工した。加工後の円筒状基体301は実施例および比較例1、2と同様にしてa−Si感光体100を5本作製した。
作製されたa−Si感光体100について、実施例と同様の評価を行った。得られた結果を表3に示す。
Figure 2021086044
表3に示すように、比較例3に対し、各実施例および比較例1、2が同等か又は良化していることから、傾斜面202を形成することの効果が現れた。
また、比較例1に対し、実施例1、5、6、8が良化していることから、外周面102と傾斜面202の算術平均粗さRaを0.2μm以下にすることの効果が現れた。
中でも、実施例1、6、8は良好であり、外周面102と傾斜面202の算術平均粗さRaを同等にすると良いことがわかる。
実施例8も良好であることから、面取り面203を含めて算術平均粗さRaを同等にすると良い。
また、実施例7から面取り面202は曲面状でも良好であった。
101‥‥円筒状基体
102‥‥外周面
201‥‥端面
202‥‥傾斜面
203‥‥面取り面
204‥‥外周面と傾斜面の稜線部
205‥‥傾斜面と面取り面の稜線部
206‥‥面取り面と端面の稜線部
α‥‥傾斜面の外周面に対する傾斜角度
β‥‥面取り面の端面に対する傾斜角度
L1‥‥円筒状基体を軸方向に切断したときの傾斜面の長さ
L2‥‥円筒状基体を軸方向に切断したときの面取り面の長さ

Claims (5)

  1. 外周面と端面との間に、前記外周面に隣接し、前記端面に向かって円筒状基体の外径が小さくなる傾斜面と、前記傾斜面と前記端面との間に形成された面取り面とを有し、
    前記傾斜面の前記外周面に対する傾斜角度は、3度以上30度以下であり、
    前記円筒状基体を軸方向に切断したときの断面において、前記傾斜面の長さが前記面取り面の長さよりも長く、
    前記傾斜面と前記外周面のJIS B0601−2001における算術平均粗さが0.2μm以下であることを特徴とする電子写真感光体用の円筒状基体。
  2. 前記円筒状基体を軸方向に切断したときの断面において、前記円筒状基体の両端の前記傾斜面の長さの合計値は、前記円筒状基体の長さの2%以上である請求項1に記載の電子写真感光体用の円筒状基体。
  3. 前記面取り面は、面取り深さが0.3mm以上でありかつ前記円筒状基体の肉厚の50%以下の角面である請求項1または2に記載の電子写真感光体用の円筒状基体。
  4. 前記面取り面は、曲率半径が0.3mm以上でありかつ前記円筒状基体の肉厚の50%以下の曲面である請求項1または2に記載の電子写真感光体用の円筒状基体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体用の円筒状基体の上に、アモルファスシリコン系材料からなる感光層が形成されたことを特徴とする電子写真感光体。
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