JP2007139951A - 電子写真用感光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成工程中の感光体表面のクリーニング工程における問題発生の防止および画像濃度ムラ等の低減が可能な感光体を生産性良く供給する電子写真用感光体の製造方法の提供。
【解決手段】第一の堆積膜形成装置内に円筒状基体を設置し、円筒状基体のいずれか一方の端部を堆積膜形成装置直近の壁面に接地した状態で原料ガスを高周波電力により分解し、少なくとも珪素原子を母材とし水素原子及び/またはハロゲン原子で形成される非単結晶珪素膜を円筒状基体に堆積し、非単結晶珪素膜を堆積した円筒状基体を第一の堆積膜形成装置から取り出し、第二の堆積膜形成装置内に取り出した円筒状基体を設置し、円筒状基体の両端部それぞれを堆積膜形成装置直近の壁面に接地した状態で、少なくとも炭化水素系の原料ガスを高周波電力により分解し、少なくとも炭素原子を母材とし水素原子及び/またはハロゲン原子で形成される非単結晶炭素膜を堆積する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真装置に使用される電子写真用感光体の製造方法に関するものであり、より具体的には、非単結晶炭素表面保護層を具える電子写真用感光体の製造方法に関するものである。
複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真装置では、先ず、導電性の円筒状基体表面に光導電層を設けた感光体の外周面をコロナ帯電、ローラ帯電、ファーブラシ帯電、磁気ブラシ帯電などの帯電手段を用いて一様に帯電させる。次いで、被複写体の被複写像を、反射光あるいは変調信号に応じたレーザー光やLED光を用いて、感光体表面の露光を行い、前記感光体の外周面上に静電潜像を形成する。さらに、該感光体上にトナーを付着させることで、この静電潜像よりトナー像を形成し、トナー像を複写用紙などに転写することで、複写(画像形成)が行なわれる。
このようにして電子写真装置で複写を行なった後には、感光体の外周面上にトナーが一部残留しているため、次回の複写工程に進む前に、この残留トナーを除去する必要がある。かかる残留トナー除去は、クリーニングブレード、ファーブラシ、マグネットブラシ等を用いたクリーニング装置によって行なうのが一般的である。
しかしながら、例えば、クリーニングブレードなどを用いたクリーニング工程において、感光体と摺擦部材の間に摩擦力が働くと、接触状態にビビリ現象が発生する。それに伴い、感光体表面に対する圧縮効果が高くなり、残留トナーが強く感光体表面に押しつけられるため、融着やフィルミングが発生する。加えて、電子写真装置の画像形成プロセススピードが速くなるにつれ、摺擦部材と感光体との相対速度もますます高くなるため、前記した発生原因の状況が起こりやすくなっている。
前記した感光体と摺擦部材との間の摩擦力に起因する、融着やフィルミング発生を抑制するための対策として、感光体の表面保護層として、水素を含有した非単結晶炭素膜(以下、a−C:H膜)を用いることが提案され、また、有効であることが示されている(例えば、特許文献1又は2参照)。このa−C:H膜は、別名ダイヤモンドライクカーボン(DLC)とも呼ばれるように、非常に硬度が高いので、傷、摩耗を防ぐことができることに加えて、特異な固体潤滑性をも持っている。この二つの特質から、融着、フィルミングを防止する最適の材料と考えられる。
特開平11−133640号公報 特開平11−133641号公報
ところが、図2に示すような、非単結晶珪素膜(以下、a−Si:H膜)を母材とする堆積膜を円筒状基体に形成する際に通常用いられる電子写真用感光体の製造装置を使用して、a−Si:H膜を母材とする堆積膜からa−C:H表面保護層までを連続して形成した場合、a−Si:H膜の形成においては、特に問題は発生しないものの、a−C:H表面保護層に関しては、その膜厚分布が不均一になる場合がある。
従来までは、そのようなa−C:H表面保護層の膜厚分布の不均一性は特には問題とならなかったのであるが、近年においては、デジタル電子写真装置及びカラー電子写真装置等の普及が目覚しく、これらの電子写真装置においては、文字原稿のみに留まらず、写真、デザイン等の画像を出力する機会が増加しており、高画質化の要求が高まってきている。そうした場合においては、a−C:H表面保護層の膜厚分布の不均一性が、出力される画像の濃度不均一の原因となる場合があり、a−C:H表面保護層の膜厚分布不均一の改善が求められてきている。
前記したようなa−C:H表面保護層の膜厚分布不均一が発生する原因は定かではないが、a−Si:H膜の適正成膜条件と、a−C:H膜の適正成膜条件とが異なることに起因しているのではないかと推察している。
電子写真用感光体で用いられるa−C:H表面保護層に適したa−C:H膜は、原料ガス流量一定の条件で高周波電力を上げると、成膜速度が変化する領域(パワーリミットの領域)で作製されることが望ましい。それは、高周波電力を上げ、原料ガス流量一定の条件で高周波電力を上げても成膜速度が変化しない領域(フローリミットの領域)でa−C:H膜を作製した場合には、光学的バンドギャップ(Egopt)が小さくなる傾向があり、電子写真装置で使用される前露光や像露光を過度に吸収してしまう場合がある。そのため、電子写真用感光体の表面保護層としては適さなくなる場合があるからである。
それに対して、電子写真用感光体に適したa−Si:H膜は、パワーリミット領域とフローリミット領域の境界付近、もしくはフローリミット領域で作製される場合が多い。それは、完全なパワーリミット領域で作製したa−Si:H膜を電子写真用感光体の主要部に使用した場合には、十分な電気特性が得られず、良好な画像を形成することができない場合が多いからである。
そして、そのようなパワーリミット領域とフローリミット領域では、形成する堆積膜の膜厚分布を均一化するために求められる装置構成が異なる場合がある。その結果、フローリミット領域で堆積膜形成を実施するために適正化された、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を円筒状基体に形成する際に通常用いられる電子写真用感光体の製造装置を使用して、a−Si:H膜を母材とする堆積膜からa−C:H表面保護層までを連続して形成した場合、a−Si:H膜の形成においては、特に問題は発生しないものの、a−C:H表面保護層に関しては、その膜厚分布が不均一になる場合があるのである。
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、画像形成工程中の電子写真用感光体表面のクリーニング工程における問題発生の防止および画像濃度ムラ等の低減が可能な電子写真用感光体を生産性良く供給する電子写真用感光体の製造方法を提供することを目的とする。
前述した課題に対して、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、一つの製造装置を用いてa−Si:H膜を母材とする堆積膜からa−C表面保護層までを連続して形成するという従来の製造方法に変えて、まず初めに、図2に示すような、円筒状基体の一方の端部のみで製造装置の直近の壁面に接地させる従来型の製造装置を用いてa−Si:H膜を母材とする堆積膜を円筒状基体に形成し、その後一旦円筒状基体を製造装置から取り出し、次に、図1に示すような、円筒状基体の両端部それぞれを直近の壁面に接地させる製造装置を用いて、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体に、a−C表面保護層を形成するという製造方法を考案し本発明を完成させるに至った。
即ち、前記課題を解決するために、本発明の電子写真用感光体の製造方法は、少なくとも非単結晶材料で形成される電子写真用感光体の製造方法において、第一ステップとして、排気手段と原料ガス供給手段を備えた第一の堆積膜形成装置内に円筒状基体を設置し、円筒状基体のいずれか一方の端部を堆積膜形成装置の直近の壁面に接地した状態で、原料ガスを高周波電力により分解し、円筒状基体に、少なくとも珪素原子を母材とし、水素原子及び/またはハロゲン原子で形成される非単結晶珪素膜を堆積する工程と、第二ステップとして、第一ステップで作製した非単結晶膜を堆積した円筒状基体を第一の堆積膜形成装置から取り出す工程と、第三ステップとして、排気手段と原料ガス供給手段を備えた第二の堆積膜形成装置内に第二ステップで取り出した円筒状基体を設置し、円筒状基体の両端部それぞれを堆積膜形成装置の直近の壁面に接地した状態で、少なくとも炭化水素系の原料ガスを高周波電力により分解し、少なくとも炭素原子を母材とし、水素原子及び/またはハロゲン原子で形成される非単結晶炭素膜を堆積する工程とを有することを特徴としている。
さらに本発明の電子写真用感光体の製造方法は、非単結晶炭素膜を堆積する際の堆積膜形成条件が、原料ガスを一定の流量にして高周波電力を上げると、成膜速度が上昇する条件範囲であることを特徴としている。
さらに本発明の電子写真用感光体の製造方法は、非単結晶珪素膜を堆積する際の堆積膜形成条件の少なくとも一部が、原料ガスを一定の流量にして高周波電力を上げても、成膜速度に変化がない条件範囲であることを特徴としている。
さらに本発明の電子写真用感光体の製造方法は、非単結晶炭素膜を堆積する際に、円筒状基体の両端部の接地方法を対称とすることを特徴としている。
さらに本発明の電子写真用感光体の製造方法は、非単結晶炭素膜を、高周波電力値が異なる二種類の堆積膜形成条件で作製し、第一の堆積膜形成条件における高周波電力値をX〔W〕、第二の堆積膜形成条件における高周波電力値をY〔W〕とした場合、X<Yが成り立つことを特徴としている。
本発明によれば、膜厚分布が均一なa−C:H表面保護層をa−Si:H膜を母材とする堆積膜上に形成することが可能となり、その結果、画像濃度ムラを低減することが可能となり、電子写真装置の高画質化の要求に応えることができる。
さらに、a−C:H表面保護層を形成する際に、円筒状基体の両端部の接地方法を対称とすることによって、より均一な膜厚分布を持つa−C:H表面保護層を形成することができる。
さらに、a−C:H表面保護層を、高周波電力値が異なる二種類の堆積膜形成条件で作製し、第一の堆積膜形成条件における高周波電力値をX〔W〕、第二の堆積膜形成条件における高周波電力値をY〔W〕とした場合、X<Yとすることによって、a−C:H表面保護層の膜剥がれ等を防止することができ、より本発明の効果を高めることができる。
次に、上記のような効果が得られる本発明を以下で図を用いて詳述する。
図2に示した堆積膜形成装置は、円筒状基体201に、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成する装置であり、図1に示した堆積膜形成装置は、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101上に、少なくとも炭化水素系の原料ガスを用いて、a−C:H表面保護層を形成するための装置である。
以下に、図1及び図2に示した堆積膜形成装置を使用した、本発明における、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体上に、a−C:H表面保護層を形成した電子写真用感光体の製造方法の一例を示す。
図2に示した装置において、上蓋102を開放し、円筒状基体201を基体支持部材103、キャップ104で支持し、反応容器105内に設置する。基体支持部材103は、回転軸106、接地手段107及び底板108を介して接地されている。これにより、円筒状基体201は一方の端部を堆積膜形成装置の直近の壁面で接地されることとなる。
円筒状基体201設置後、上蓋102を設置し、排気装置(図示せず)を用いて、反応容器105内を排気口109を介して真空排気する。
反応容器105内を十分に排気した後、ヒーター110を用いて円筒状基体201を加熱する。この際、ガス導入管111より、加熱用ガスを反応容器105に導入し、スロットル弁112を使用して反応容器105内を所定の圧力に維持した状態で加熱を行なうことが好ましい。加熱用ガスとしては、Ar、He等を用いることが一般的である。尚、反応容器105内の圧力は真空計113を用いて測定する。
円筒状基体201が所定の温度に加熱された後、ガス導入管111より、原料ガスを反応容器105内に導入する。スロットル弁112を使用して反応容器105内を所定の圧力に維持する。上記手順により、堆積膜形成条件が整った後、高周波電源114より、整合器115を介して、高周波電力を反応容器105内に導入し、反応容器105内にプラズマを形成することによって、円筒状基体201上に、a−Si:H膜を母材とする電荷注入阻止層及び光導電層等を形成する。堆積膜形成時には、回転機構116により、円筒状基体201を回転させた状態で堆積膜形成を行なっても良い。
a−Si:H膜を母材とする堆積膜形成後、Nガス等の不活性ガスを反応容器105内に導入し、反応容器105内を大気圧とする。その後、上蓋102を開放し、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体201を反応容器105内より取り出す。
ここで、一旦取り出されたa−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体201に対して、外観検査、電位検査、画像検査を行なっても良い。さらには、突起部の研磨を目的とした表面研磨等を行なっても良い。さらには、純水や有機洗剤等による堆積膜表面の洗浄を行なっても良い。
次に、図1に示した装置において、上蓋102を開放し、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101を基体支持部材103、キャップ104で支持し、反応容器105内に設置する。ここで、基体支持部材103は、回転軸106、接地手段107及び底板108を介して接地されている。
次に、上蓋102を設置し、反応容器105を密閉する。ここで、キャップ104は、接地用中心軸117、上部設置手段118及び上蓋102を介して接地されており、これにより、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101は両端部を堆積膜形成装置の直近の壁面で接地されることとなる。
反応容器105密閉後、排気装置(図示せず)を用いて、反応容器105内を排気口109を介して真空排気する。
反応容器105内を十分に排気した後、H、CF等のガスをガス導入管111より反応容器105内に導入し、スロットル弁112を使用して反応容器105内を所定の圧力に維持する。尚、反応容器105内の圧力は真空計113を用いて測定する。次に、高周波電源114より、整合器115を介して、高周波電力を反応容器105内に導入し、反応容器105内にプラズマを形成することによって、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101表面に付着した汚れ等を除去する。
次に、ヒーター110を用いてa−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101を加熱する。この際、ガス導入管111より、加熱用ガスを反応容器105内に導入し、スロットル弁112を使用して反応容器105内を所定の圧力に維持した状態で加熱を行なうことが好ましい。加熱用ガスとしては、Ar、He等を用いることが一般的である。又、形成するa−C:H膜によっては、ヒーター加熱を実施しない場合もある。
a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101が所定の温度となった後、ガス導入管111より、炭化水素系の原料ガスを反応容器105内に導入する。スロットル弁112を使用して反応容器105内を所定の圧力に維持する。上記手順により、堆積膜形成条件が整った後、高周波電源114より、整合器115を介して、高周波電力を反応容器105内に導入し、反応容器105内にプラズマを形成することによって、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101上に、a−C:H表面保護層を作製する。
a−C:H表面保護層作製時においては、回転機構116により、a−Si:H膜を母材とする堆積膜を形成した円筒状基体を回転させた状態で堆積膜形成を行なっても良い。
[実験例1]
図1に示した電子写真用感光体の製造装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源114を用い、前記した方法により、反応容器105内に設置された直径80mm、長さ358mmの円筒状基体101上軸方向一列に並べられたコーニング製#7059ガラス基板上に、パワーリミット領域である表1に示す条件でa−C:H膜のみを形成した。
尚、本実施例においては、円筒状基体101の両端部はそれぞれ、接地手段107、118によって、直近の壁面に上下対称な構成で接地している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、堆積膜形成中の基板温度は成り行きである。
Figure 2007139951
[実験例2]
実験例1と同様の方法で、図3に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒状基体101上軸方向一列に並べられたコーニング製#7059ガラス基板上に、パワーリミット領域である表1に示す条件でa−C:H膜のみを形成した。
尚、本実施例においては、円筒状基体101の下端部は接地手段107によって、直近の壁面に接地しており、円筒状基体101の上端部は、直接上蓋102と接触させることによって接地し、即ち、上下非対称な構成で接地している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、堆積膜形成中の基板温度は成り行きである。
[実験例3]
実験例1と同様の方法で、図2に示した堆積膜形成処理装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源114を用い、前記した方法により、反応容器105内に設置された直径80mm、長さ358mmの円筒状基体201上軸方向に並べられたコーニング製#7059ガラス基板上に、パワーリミット領域である表1に示す条件でa−C:H膜のみを形成した。
尚、本実施例においては、円筒状基体の下端部は、接地手段107によって、直近の壁面に接地しているが、上端部は接地していない。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、堆積膜形成中の基板温度は成り行きである。
[実験例4]
実験例1と同様の方法で、図4に示した堆積膜形成処理装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源114を用い、前記した方法により、反応容器105内に設置された直径80mm、長さ358mmの円筒状基体101上軸方向一列に並べられたコーニング製#7059ガラス基板上に、パワーリミット領域である表1に示す条件でa−C:H膜のみを形成した。
尚、本実施例においては、円筒状基体の上端部は直近の壁面に接地しているが、下端部については、基体支持部材103と回転軸106の間に絶縁材(図示せず)を設置することによって絶縁している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、堆積膜形成中の基板温度は成り行きである。
[実験例1〜4の評価]
実験例1〜4でコーニング製#7059ガラス基板上に形成したa−C:H膜の膜厚を、Alpha−Step500(ケーエルエーテンコール社製)によって測定し、円筒状基体軸方向の膜厚分布を評価した。
その結果を、図5に示す。尚、実験例1の結果をグラフ1、実験例2をグラフ2、実験例3をグラフ3、実験例4をグラフ4に示す。
グラフ1〜4からわかるように、表1のようなパワーリミット領域で、a−C:H膜を形成する場合においては、円筒状基体の両端部それぞれを堆積膜形成装置の直近の壁面に接地した状態とすること、より好ましくは、両端部それぞれの接地方法を対称とすることで、形成するa−C:H膜の膜厚分布を均一にすることができる。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1及び図2に示した電子写真用感光体の製造装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源114を用い、前記した方法により、まず初めに、図2に示した製造装置を使用し、表2に示した条件によって、a−Si:Hを母材とする堆積膜を円筒状基体101に形成する。次に、作製したa−Si:Hを母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101を図1に示した製造装置に設置し直した後、表1に示した条件によって、a−C:H表面保護層を積層し、電子写真用感光体を作製した。但し、a−C:H表面保護層の膜厚は2000Å狙いとした。
尚、本実施例においては、図2の装置を使用する場合においては、円筒状基体101の下端部は、接地手段107によって、直近の壁面に接地している。又、図1の装置を使用する場合においては、a−Si:Hを母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101の両端部はそれぞれ、接地手段107、118によって、直近の壁面に上下対称な構成で接地している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前には、表3の条件により、Hプラズマによる表面処理を実施している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、a−C:H膜形成中の基板温度は成り行きである。
Figure 2007139951
Figure 2007139951
[比較例]
本実施例では、図2に示した電子写真用感光体の製造装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源114を用い、実施例1と同様の方法により、表2に示した条件によって、a−Si:Hを母材とする堆積膜を円筒状基体201に形成する。次に、表1に示した条件によって、a−C:H表面保護層を積層し、電子写真用感光体を作製した。但し、a−C:H表面保護層の膜厚は2000Å狙いとした。
尚、本実施例においては、円筒状基体201の下端部は、接地手段107によって、直近の壁面に接地している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前には、表3の条件により、Hプラズマによる表面処理を実施している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、a−C:H膜形成中の基板温度は成り行きである。
[実施例1及び比較例の評価]
実施例1及び比較例で作製した電子写真用感光体の電子写真特性を以下に記載した方法で評価し、比較を行なった。
『a−C:H表面保護層膜厚軸方向ムラ』
作製した各々の電子写真用感光体のa−C:H表面保護層膜厚を、瞬間マルチ測光システムMCPD−2000(大塚電子製)より得られた干渉波形のピーク波長より算出する(但し、本実施例で作成した電子写真用感光体を上記の方法で評価した場合、得られる膜厚はa−SiC中間層の膜厚を含んだ値であるため、あらかじめa−SiC中間層の膜厚は測定しておき、本実施例で得られた値から差し引くことで、a−C:H表面保護層の膜厚を算出する。又、円筒状基体周方向2点の測定値の平均とする)。電子写真用感光体の軸方向20mmおきにa−C表面層の膜厚を測定し、平均値に対する最大値と最小値の差を膜厚ムラとして評価した。従って数値が小さいほど良好である。
実施例1、比較例において作製した電子写真用感光体の『a−C:H表面保護層膜厚軸方向ムラ』を測定し、比較例と比較し、比較例の値を100%として以下のランクに区分した。
A:比較例と比較して30%未満に良化
B:比較例と比較して30%以上70%未満に良化
C:比較例と比較して70%以上同等以下に良化
D:比較例と比較して悪化
『感度軸方向ムラ』
作成した各々の電子写真用感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機iR−5000に設置し、現像器位置における暗部電位が所定の値となるように、主帯電器の電流値を調整した後、像露光を照射する。ついで像露光光源の光量を調整して、現像器位置における表面電位(明電位)が所定の値となるようにし、そのときの露光量を『感度』とする(ただし、周方向一周の平均値とする)。電子写真用感光体の軸方向20mmおきに『感度』を測定し、平均値に対する最大値と最小値の差を感度ムラとして評価した。従って数値が小さいほど良好である。実施例1、比較例において作製した電子写真用感光体の『感度軸方向ムラ』を測定し、比較例と比較し、比較例の値を100%として以下のランクに区分した。
A:比較例と比較して30%未満に良化
B:比較例と比較して30%以上70%未満に良化
C:比較例と比較して70%以上同等以下に良化
D:比較例と比較して悪化
その結果を表4に示す。
Figure 2007139951
表4より明らかな様に、本件の電子写真用感光体の製造方法を用いることにより、良好な電子写真特性を持つ感光体を作製することができることがわかる。
[実施例2]
図1及び図2に示した電子写真用感光体の製造装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源114を用い、前記した方法により、まず初めに、図2に示した製造装置を使用し、表2に示した条件によって、a−Si:Hを母材とする堆積膜を円筒状基体101に形成する。次に、作製したa−Si:Hを母材とする堆積膜を形成した円筒状基体を図1に示した製造装置に設置し直した後、表5に示した条件によって、a−C:H表面保護層を積層し、電子写真用感光体を計5本作製した。
尚、本実施例においては、図2の装置を使用する場合においては、円筒状基体201の下端部は、接地手段107によって、直近の壁面に接地している。又、図1の装置を使用する場合においては、a−Si:Hを母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101の両端部はそれぞれ、接地手段107、118によって、直近の壁面に上下対称な構成で接地している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前には、Hプラズマによる表面処理を実施していない。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、a−C:H膜形成中の基板温度は成り行きである。
又、本実施例においては、電子写真用感光体を1本作製する毎に、図1及び図2に示した電子写真用感光体の製造装置内のクリーニングを実施した。
作製した5本の電子写真用感光体について、a−C:H表面保護層の膜剥がれの状況を目視で確認したところ、5本とも膜剥がれは観測されなかった。
又、実施例1と同様の方法で、作製した5本の電子写真用感光体の、『a−C:H表面保護層膜厚軸方向ムラ』、『感度軸方向ムラ』の評価を行ったところ、実施例1と同等のレベルであった。
Figure 2007139951
[実施例3]
図1及び図2に示した電子写真用感光体の製造装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源114を用い、前記した方法により、まず初めに、図2に示した製造装置を使用し、表2に示した条件によって、a−Si:Hを母材とする堆積膜を円筒状基体101に形成する。次に、作製したa−Si:Hを母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101を図1に示した製造装置に設置し直した後、表1に示した条件によって、a−C:H表面保護層を積層し、電子写真用感光体を計5本作製した。但し、a−C:H表面保護層の膜厚は2000Å狙いとした。
尚、本実施例においては、図2の装置を使用する場合においては、円筒状基体101の下端部は、接地手段107によって、直近の壁面に接地している。又、図1の装置を使用する場合においては、a−Si:Hを母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101の両端部はそれぞれ、接地手段107、118によって、直近の壁面に上下対称な構成で接地している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前には、Hプラズマによる表面処理を実施していない。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、a−C:H膜形成中の基板温度は成り行きである。
又、本実施例においては、電子写真用感光体を1本作製する毎に、図1及び図2に示した電子写真用感光体の製造装置内のクリーニングを実施した。
作製した5本の電子写真用感光体について、a−C:H表面保護層の膜剥がれの状況を目視で確認したところ、2本の電子写真用感光体で、実用上はまったく問題の無い程度ではあるが、端部に僅かな膜剥がれが観測された。
又、実施例1と同様の方法で、作製した5本の電子写真用感光体の、『a−C:H表面保護層膜厚軸方向ムラ』、『感度軸方向ムラ』の評価を行ったところ、実施例1と同等のレベルであった。
[実施例4]
図1及び図2に示した電子写真用感光体の製造装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源114を用い、前記した方法により、まず初めに、図2に示した製造装置を使用し、表2に示した条件によって、a−Si:Hを母材とする堆積膜を円筒状基体101に形成する。次に、作製したa−Si:Hを母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101を図1に示した製造装置に設置し直した後、表6に示した条件によって、a−C:H表面保護層を積層し、電子写真用感光体を計5本作製した。
尚、本実施例においては、図2の装置を使用する場合においては、円筒状基体101の下端部は、接地手段107によって、直近の壁面に接地している。又、図1の装置を使用する場合においては、a−Si:Hを母材とする堆積膜を形成した円筒状基体101の両端部はそれぞれ、接地手段107、118によって、直近の壁面に上下対称な構成で接地している。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前には、Hプラズマによる表面処理を実施していない。
又、本実施例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、a−C:H膜形成中の基板温度は成り行きである。
又、本実施例においては、電子写真用感光体を1本作製する毎に、図1及び図2に示した電子写真用感光体の製造装置内のクリーニングを実施した。
作製した5本の電子写真用感光体について、a−C:H表面保護層の膜剥がれの状況を目視で確認したところ、実用上はまったく問題の無い程度ではあるが、全ての電子写真用感光体で、端部に僅かな膜剥がれが観測された。
又、実施例1と同様の方法で、作製した5本の電子写真用感光体の、『a−C:H表面保護層膜厚軸方向ムラ』、『感度軸方向ムラ』の評価を行ったところ、実施例1と同等のレベルであった。
Figure 2007139951
実施例2〜4の結果から明らかなように、a−C:H表面保護層を高周波電力値が異なる二種類の堆積膜形成条件で作製し、第一の堆積膜形成条件における高周波電力値をX〔W〕、第二の堆積膜形成条件における高周波電力値をY〔W〕とした場合、X<Yが成り立つ条件とすることで、a−C:H表面保護層の膜剥がれを防止することができ、本件の効果を十分に得ることができる。
本発明で使用したプラズマ処理装置の一例で、プラズマCVD法によるa−C表面保護層の製造装置を横から見た概略断面図である。 本発明で使用したプラズマ処理装置の一例で、プラズマCVD法によるa−Si:H膜を母材とする堆積膜の製造装置を横から見た概略断面図である。 本発明で使用したプラズマ処理装置の一例で、プラズマCVD法によるa−C表面保護層の製造装置を横から見た概略断面図である。 従来型のプラズマ処理装置の一例で、プラズマCVD法による電子写真用感光体の製造装置を横から見た概略断面図である。 本発明の実験例の結果を表すグラフである。
符号の説明
101 円筒状基体
102 上蓋
103 基体支持部材
104 キャップ
105 反応容器
106 回転軸
107 接地手段
108 底板
109 排気口
110 ヒーター
111 ガス導入管
112 スロットル弁
113 真空計
114 高周波電源
115 整合器
116 回転機構
117 接地用中心軸
118 上部接地手段

Claims (5)

  1. 少なくとも非単結晶材料で形成される電子写真用感光体の製造方法において、第一ステップとして、排気手段と原料ガス供給手段を備えた第一の堆積膜形成装置内に円筒状基体を設置し、前記円筒状基体のいずれか一方の端部を前記堆積膜形成装置の直近の壁面に接地した状態で、原料ガスを高周波電力により分解し、前記円筒状基体に、少なくとも珪素原子を母材とし、水素原子及び/またはハロゲン原子で形成される非単結晶珪素膜を堆積する工程と、第二ステップとして、第一ステップで作製した非単結晶珪素膜を堆積した前記円筒状基体を第一の堆積膜形成装置から取り出す工程と、第三ステップとして、排気手段と原料ガス供給手段を備えた第二の堆積膜形成装置内に第二ステップで取り出した前記円筒状基体を設置し、前記円筒状基体の両端部それぞれを前記堆積膜形成装置の直近の壁面に接地した状態で、少なくとも炭化水素系の原料ガスを高周波電力により分解し、少なくとも炭素原子を母材とし、水素原子及び/またはハロゲン原子で形成される非単結晶炭素膜を堆積する工程とを有することを特徴とした電子写真用感光体の製造方法。
  2. 前記非単結晶炭素膜を堆積する際の堆積膜形成条件が、原料ガスを一定の流量にして高周波電力を上げると、成膜速度が上昇する条件範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用感光体の製造方法。
  3. 前記非単結晶珪素膜を堆積する際の堆積膜形成条件の少なくとも一部が、原料ガスを一定の流量にして高周波電力を上げても、成膜速度に変化がない条件範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用感光体の製造方法。
  4. 前記非単結晶炭素膜を堆積する際に、前記円筒状基体の両端部の接地方法を対称とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用感光体の製造方法。
  5. 前記非単結晶炭素膜を、高周波電力値が異なる二種類の堆積膜形成条件で作製し、第一の堆積膜形成条件における高周波電力値をX〔W〕、第二の堆積膜形成条件における高周波電力値をY〔W〕とした場合、X<Yが成り立つことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用感光体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010031363A (ja) * 2008-06-30 2010-02-12 Canon Inc 堆積膜形成装置
JP2011257657A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Canon Inc 電子写真感光体の形成方法及び形成装置

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