JPH1083091A - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法

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JPH1083091A
JPH1083091A JP8236421A JP23642196A JPH1083091A JP H1083091 A JPH1083091 A JP H1083091A JP 8236421 A JP8236421 A JP 8236421A JP 23642196 A JP23642196 A JP 23642196A JP H1083091 A JPH1083091 A JP H1083091A
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gas
etching
plasma
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Makoto Aoki
誠 青木
Junichiro Hashizume
淳一郎 橋爪
Shigenori Ueda
重教 植田
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Canon Inc
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    • G03G5/14704Cover layers comprising inorganic material

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体の加温手段なしに画像ボケや画像流れ
のない高品質の画像が得られ、高耐久性を有し、電位特
性の変動が少なく、高品位な画像が安定的に得られるゴ
ースト現象の起こらない電子写真感光体とその製造方法
の提供。 【解決手段】 減圧可能な反応容器内で高周波電力を印
加するカソード電極と該電極に対向する導電性基体との
間にプラズマを発生させ、被処理基体上にシリコン原子
を母体とする光導電層を堆積し、該光導電層上に水素を
含む非単結晶炭素から成る表面層を設け、該表面層の表
面をエッチングして表面をフッ素化し、エッチングによ
る表面粗さRzを1000オングストローム未満に抑え
且つ該表面層に含有されるフッ素を表面から50オング
ストローム以内に存在させ、その領域における炭素に対
するフッ素の濃度を20%以上にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真プロセスに
おいて、如何なる環境下においても感光体の加温手段を
設けることなく画像ボケや画像流れのない高品質な画像
が得られ、且つその特性を維持するに足る高耐久性を有
し、電位特性の変動が少なく、高品位な画像が安定して
得られ、ゴースト現象を起こすことのない電子写真感光
体、及びその性能を再現性よく得るための製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体に用いる素子部材の技術
としては、セレン、硫化カドミニウム、酸化亜鉛、フタ
ロシアニン、アモルファスシリコン(以下a−Siと記
す)等、各種の材料が提案されている。中でもa−Si
に代表される珪素原子を主成分として含む非単結晶質堆
積膜、例えば水素及び/又はハロゲン(例えばフッ素、
塩素等)で補償されたa−Si等のアモルファス堆積膜
は高性能、高耐久、無公害な感光体として提案され、そ
の幾つかは実用化されている。特開昭54−86341
号公報には、光導電層を主としてa−Siで形成した電
子写真感光体の技術が開示されている。
【0003】a−Si感光体は表面硬度が高く、半導体
レーザー(770〜800nm)等の長波長光に高い感
度を示し、しかも繰り返し使用による劣化もほとんど認
められない等、特に高速複写機やLBP(レーザービー
ムプリンター)等の電子写真用感光体として広く使用さ
れている。
【0004】こうした堆積膜の形成法として従来、スパ
ッタリング法、熱により原料ガスを分解する方法(熱C
VD法)、光により原料ガスを分解する方法(光CVD
法)、プラズマにより原料ガスを分解する方法(プラズ
マCVD法)等、多数知られている。中でもプラズマC
VD法、すなわち原料ガスを直流又は高周波、(RF,
VHF)マイクロ波グロー放電等によって分解し、ガラ
ス、石英、耐熱性合成樹脂フィルム、ステンレス、アル
ミニュウム等の基体上に薄膜状の堆積膜を形成する方法
は、電子写真用アモルファスシリコン堆積膜の形成方法
等において現在、実用化が非常に進んでおり、そのため
の装置も各種提案されている。
【0005】更に、近年では膜質及び処理能力の向上に
対する要望が強くなっており様々な工夫も検討されてい
る。特に高周波電力を用いたプラズマプロセスは、放電
の安定性が高く酸化膜や窒化膜等の絶縁性材料の形成に
も使用できる等様々な利点により使用されている。
【0006】近年、平行平板型のプラズマCVD装置を
用いて50MHz以上の高周波電源を用いたプラズマC
VD法の報告があり(Plasma Chemistr
yand Plasma Processing,Vo
l.7,No3(1987)p267−273)、放電
周波数を従来の13.56MHzより高くすることで堆
積膜の性能を落とさずに堆積速度を向上させることがで
きる可能性が示されており、注目されている。また、こ
の放電周波数を高くする報告はスパッタリング等でもな
され、近年広くその検討がされている。
【0007】これらの方法で作成されたa−Si感光体
を電子写真装置に応用する際、感光体の帯電及び、除電
手段としては、殆どの場合ワイヤー電極(50〜100
μmφの金メッキを施したタングステン線等の金属線)
とシールド板を主構成部材とするコロナ帯電器(コロト
ロン、スコロトロン)が利用されている。すなわち該コ
ロナ帯電器のワイヤー電極に高電圧(4〜8kV程度)
を印加することにより発生すコロナ電流を感光体表面に
作用させて表面の帯電及び、除電を行うものである。コ
ロナ帯電器は均一な帯電及び除電に優れる。
【0008】しかしコロナ放電に伴いオゾン(O3 )が
発生し、空気中の窒素を酸化して窒素酸化物(NOx
等を生成する。更には、その生成窒素酸化物等は空気中
の水分と反応して硝酸等を生じさせる。そして窒素酸化
物、硝酸等のコロナ放電による生成物は感光体や周辺の
機器に付着堆積して、それらの表面を汚損する。
【0009】コロナ放電生成物は吸湿性が強く、その吸
着を生じた感光体表面は付着コロナ放電生成物の吸湿に
よる低抵抗化で実質的に電荷保持能力が全面的に或い
は、部分的に低下して、画像ボケや画像流れ(感光体表
面電荷が面方向にリークして静電荷潜像パターンが崩れ
る或いは形成されない)と称される画像欠陥を生じさせ
る原因となっている。
【0010】また、コロナ帯電器のシールド板内面に付
着したコロナ放電生成物は電子写真装置の稼働中のみな
らず夜間等の装置の休止中にも揮発遊離し、それが該帯
電器の放電開口に対応した感光体表面に付着して更に吸
湿し、その感光体表面を低抵抗化させる。そのため、装
置休止後の装置再稼働時に最初に出力される一枚目、或
いは数枚のコピーについて、上記の装置休止中の帯電器
開口に対応する領域に画像ボケ、画像流れが生じ易い。
特にコロナ帯電器がACコロナ帯電器である場合に、こ
の現象が顕著である。
【0011】特に、感光体がa−Si感光体である場合
には、上記のコロナ放電生成物による画像ボケ、画像流
れの問題が大きくなる。すなわちa−Si感光体は他の
感光体に比べて帯電及び除電の効率が低く(所定の帯電
及び除電電位を得るのに必要なコロナ帯電電流量が多
く)、そのために該a−Si感光体に対するコロナ放電
による帯電及び除電処理は他の感光体の場合よりも帯電
器に印加する電圧を高くして帯電電流量を大幅に増大さ
せる等の構成がとられる。コロナ帯電電流量とオゾン発
生量は比例的な関係にあることから、感光体がa−Si
感光体であり、それをコロナ帯電で帯電及び除電処理す
る構成では、特にオゾンの発生量が多くなり、そのため
に前記コロナ放電生成物の発生による画像ボケ、画像流
れの問題が特に大きいものとなる。またa−Si感光体
の場合は、表面硬度が他の感光体に比べて極めて高いこ
とが逆作用して、該感光体表面に付着したコロナ放電生
成物が、いつまでも残留し易い。
【0012】そこで、画像ボケや画像流れ現象を防止す
る方法として、下記の2方法が考えられる。 (1) 感光体に該感光体を加温するためのヒーターを
内蔵したり、温風送風装置により温風を感光体に送風し
たりして感光体表面を加温(30〜50℃)することに
より相対湿度を低下させる方法である。この方法は感光
体表面に付着しているコロナ放電生成物や水分を揮発さ
せ、感光体表面の実質的な低抵抗化を抑える処置であ
り、実用化されている。 (2) 表面の撥水性を向上させることにより、初めか
らコロナ放電生成物を付着し難くし、それによって画像
流れを防止する方法である。従来技術としては、特開昭
61−289354に表面をフッ素を含んだガスでプラ
ズマ処理したa−C表面層が開示されている。また、特
開昭64−84257にはフッ素を含んだアモルファス
カーボンからなる表面層の表面に、深さが0.1〜0.
5μm、幅が0.1〜1μmの凹凸をもつことを特徴と
する電子写真感光体及びその製造方法が開示されてい
る。この方法では表面積を増やすことにより更に撥水性
を向上させることが可能であるとされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記(1)の方法であ
るドラムの加温装置によって画像流れの問題は解消され
ているが、近年の複写機に対する要求の高まりから、以
下のような問題が新たに生じてきた。すなわち、省エネ
ルギーやエコロジーという観点から、ドラムヒーターに
よる加熱手段を行わない方が望ましい状況になってき
た。別の問題としては、高画質であるa−Siドラムを
フルカラー複写機に搭載させる場合に、カラートナー等
の低融点トナーがドラム表面に融着する可能性が高くな
ることである。また別の問題として、回転円筒状現像剤
担持体の回転周期で部分的に画像濃度が濃くなったり薄
くなったりするといった問題も挙げられる。
【0014】この原因は装置の休止中に該感光体の熱に
より、該回転円筒状現像剤担持体が膨張し該感光体対向
部との距離が短くなり、現像剤が通常よりも転移し易く
なるためである。これらの問題から、加温しなくても画
像ボケや画像流れが発生しない感光体が求められるよう
になってきた。
【0015】一方、前述した前記(2)の方法である前
記公報に開示された撥水性向上の技術に関しては、オゾ
ンに晒した場合の撥水性の向上が挙げられているが、実
際に大量枚数の複写操作を行って、耐久試験を施してい
るかどうかは記述されていない。
【0016】そこで発明者らは、特開昭61−2893
54に開示された方法に従って追試を行い、加温手段を
用いないで連続的に複写操作をする耐久試験を行ったと
ころ、確かに初期の画像流れ特性は改善されたが、a−
Si感光体のメリットの一つである高耐久性を考え、大
量枚数の通紙耐久試験を行ううち、更に撥水性を維持で
きる方が望ましいことがわかった。
【0017】また、特開昭64−84257に開示され
る方法についても追試を行った。この場合、表面に凹凸
を設けて表面積を大きくすることにより、撥水性の向上
に対して効果があることは確かめられたが、通紙耐久を
行うことによって撥水性の効果が減少していくことがわ
かった。この原因としてはフッ素を含むアモルファスカ
ーボンが、柔らかいために感光体周辺部材や紙等の慴擦
により徐々に削られていくためと考えられる。
【0018】これらのことから、加温手段を用いなくて
も画像ボケ、画像流れを起こさないように高撥水性の表
面層を持ち、且つその高撥水性が長期間、大量枚数の複
写操作によっても劣化しない感光体が望まれてきた。
【0019】また、画像流れの問題に加え、近年の複写
画像に対する要求の高まりから、高画質を安定して供給
する技術が切望されている。複写機の用途が文字中心の
複写原稿から写真等の画像に移り、ハーフトーンを多用
する複写原稿が増えてきたため、濃度の安定性について
は、以前に増して厳しい基準が要求されるようになって
きた。このように同一の帯電を行いたいときに帯電電位
が時間的に変動してしまう場合、その電位の変動分を電
位シフトと呼び、これが小さいほど高安定であると言え
る。
【0020】写真原稿に関しては、濃度の安定性と共に
ゴースト現象に対しても要求が厳しいものとなる。ハー
フトーンの部分は特にゴーストによる影響を受け易いた
めである。ここでゴーストとは、前回複写したイメージ
が薄く顕在化してしまう現象であるため、ハーフトーン
電位を与えた時にゴーストが起きている部分の電位とハ
ーフトーン電位との差をゴースト電位と呼び、これが小
さいほどゴーストが起きないことを示している。
【0021】これらの原因としては、帯電や除電を行う
プロセスにおいて、何らかの原因で電荷が膜中にトラッ
プされているために起こると考えられる。これまでにも
様々な方法によって電位シフトやゴースト電位をより小
さくする試みがなされているが、更に向上させることの
できる技術が切望されている。
【0022】本発明の目的は、如何なる環境下において
も、感光体の加温手段を設けることなく画像ボケや画像
流れのない高品質な画像が得られ、且つその特性を維持
するに足る高耐久性を有する電子写真感光体とその製造
方法を提供することにある。また加温手段を用いないこ
とで、カラートナー等の低融点トナーの融着防止、現像
剤担持体の回転周期で発生する濃度ムラの防止を実現す
ることを目的とする。また、本発明の他の目的は、電位
特性の変動が少なく、高品位な画像が経時的に変化する
ことなく安定的に得られ、またゴースト現象の起こらな
い電子写真感光体とその製造方法を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】発明者らは、まず高撥水
性を維持させるための方法として、フッ素化した非単結
晶炭素膜表面の形状に注目した。表面に凹凸形状を付与
することで撥水性を制御する方法としては、前述したよ
うに特開昭64−84257に開示されているが、この
方法では通紙耐久試験によって表面が徐々に削られてし
まい、凹凸の効果が確かめられなかった。そこで削れな
い高硬度な表面層、すなわち特開昭61−289354
に開示されたフッ素を含まない非単結晶炭素をフッ素プ
ラズマによってエッチングした表面層を出発点とし、更
に様々な方法で表面の凹凸を変化させて試験をした。
【0024】表面をフッ素プラズマでエッチングする際
に、フッ素化と表面形状の変化が起こると思われるた
め、種々の条件で非単結晶炭素膜の作成とフッ素系ガス
によるエッチングとの組み合わせによって試験を試み
た。すると、ある限られた条件下では、初期の撥水性を
長期間維持できることが判明した。
【0025】そこで発明者らは、更に表面の詳細な形状
を観察するために原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、
フッ素プラズマによるエッチングで表面形状を変化させ
たものについて詳しく調べた。その結果、耐久性の低い
感光体表面は原子レベルで非常に荒れた面であり、逆に
耐久性の比較的高い感光体では表面は平坦性が高いこと
がわかった。つまり、画像流れに関する耐久性の変化を
表面粗さを指標として更に詳しく検討したところ、5μ
m四方の視野において十点平均粗さ(Rz)が1000
オングストローム程度を境にして、耐久性が大きく変化
していることが見いだされた。Rzが1000オングス
トロームを越えるような激しい条件、例えば100オン
グストローム/secを大きく越えるような極端に速い
エッチングレートでエッチングを施すと、表面の形状は
大きく変化し非常に荒れた面となり、また画像流れに対
する耐久性が大きく劣化した。一方、Rzを1000オ
ングストローム以下に抑制するようなエッチングを行っ
た場合には、表面の形状が緩やかな曲面からなり、画像
流れに対する耐久性が大きく向上しており、表面の凹凸
が少ないほど画像流れ特性を長期間保つことができる傾
向にあることがわかった。このような微小な凹凸は通常
の表面粗さ計では測定し難く、AFMなど高分解能の測
定手段を用いなければ明確にならなかったため、これま
で明らかにならなかったものと思われる。
【0026】このような非常に平坦な表面にした場合、
従来の表面層に比べて撥水性は向上しているものの、凹
凸を持つ場合に比べると若干低い結果となる。しかしそ
の高撥水性を維持するための耐久性に関しては、より平
坦な方が向上している。この理由としてはまだ明らかで
はないが、次のように考えられる。
【0027】表面に凹凸をもつ場合、表面積が大きくな
るためにフッ素の効果が大きく、撥水性は向上する。し
かし、実際の複写操作を行うことにより、表面は様々な
部材や紙によって慴擦されるが、凸部にかかる力が集中
するため、慴擦の条件はより厳しくなると考えられる。
このような力の集中が長期間続いた場合、たとえ削れな
い高硬度な膜であっても、最表面付近のフッ素やフッ素
と結合した炭素が脱離し易くなるのではないかと考えら
れる。実際に大量枚数の複写を行った後の表面層を調べ
たところ、光学的手段による膜厚測定では変化が見られ
ないものの、フッ素含有量が減少しており、最表面付近
のフッ素が脱落したためと考えられる。
【0028】それに比べ、表面が平坦な場合、力の集中
が起こらず、長期間の使用によっても撥水性が持続する
ものと考えられる。通常は、平坦にした場合のほうが滑
り性が悪くなり、摩耗特性は劣化する場合が多いが、本
発明の場合には、フッ素の効果によって滑り性が劣化す
ることはなく、逆に一般の電子写真感光体に比べて滑り
性は改善されており、クリーニング不良が全く発生しな
いという効果が得られた。
【0029】次に、表面近傍のフッ素量について検討を
行った。Rzがほぼ同じになるようにし、フッ素の濃度
が変化するようにエッチング条件を変えて試験をしたと
ころ、含有されるフッ素が20%以下であるような場合
には、初期の撥水性が低く、画像流れ防止効果が十分で
はなかった。しかし、20%以上フッ素を含有させた場
合には撥水性が大量枚数の複写操作後でも維持されるこ
とが判明した。また別の効果として、離型性の向上によ
る転写効率の向上が見られた。よってフッ素は炭素に対
して20%以上の濃度を拡散しているのが望ましいこと
がわかった。
【0030】一方、本発明の予期せぬ効果として、フッ
素を拡散させる深さに関して、50オングストローム前
後で大きく電位特性が変化することが判明した。特に電
位シフト、ゴーストレベルについては、フッ素原子の分
布範囲が最表面から50オングストローム以内程度にな
るようにフッ素プラズマによるエッチングの条件をコン
トロールすると、大きく改善される傾向が見られた。フ
ッ素原子を実質的に50オングストローム以内に納める
ような条件でのみ電位特性が向上する原因としては、表
面層の最表面にフッ素と炭素の強固な共有結合が形成さ
れることにより、膜がより緻密になり、帯電電荷の注入
を抑えると共に、キャリアのトラップが減少したのでは
ないかと考えられる。更にフッ素原子の存在深さを50
オングストローム以内にすることによって、フッ素原子
導入時の水素原子の脱離を最小限に抑えることができ、
両者の絶妙なバランスによって上記の改善が得られたも
のと推測される。
【0031】これらのことから、フッ素の拡散は50オ
ングストロームの範囲(数〜十数原子層分)が望まし
く、且つ炭素に対して20%以上の濃度で拡散している
のが望ましいことがわかった。
【0032】本発明は以上の検討から成し得たものであ
り、上記の課題・目的は以下に示す本発明によって解決
・達成される。すなわち本発明は、電子写真用感光体に
おいて、導電性基体上にシリコン原子を母体とする非単
結晶材料で構成された光導電層を有し、少なくとも水素
を含む非単結晶炭素から成る表面層が形成され、且つそ
の表面層はフッ素を含有した表面を持つものであって、
基準長さを5μmとした場合の表面粗さRzが1000
オングストローム未満であり、且つ該表面層に含有され
るフッ素が実質的に表面から50オングストローム以内
に存在し、その領域における炭素に対するフッ素の濃度
が20%以上であることを特徴とする、電子写真感光体
を開示するものである。
【0033】また本発明は、電子写真感光体を製造する
方法において、減圧可能な反応容器内で、高周波電力を
印加するカソード電極と、該カソード電極に対向する導
電性基体との間にプラズマを発生させ基体をプラズマ処
理するプラズマ処理装置を用いて、被処理基体上にシリ
コン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電
層を堆積し、該光導電層の上に原料ガスとして少なくと
も炭化水素系のガスを用い、少なくとも水素を含む非単
結晶炭素から成る表面層を設け、該表面層の表面を少な
くともフッ素原子を含むガスを分解したプラズマ中でエ
ッチングすることにより表面をフッ素化し、エッチング
によって表面に生じた、基準長さを5μmとした場合の
表面粗さRzを1000オングストローム未満に抑え、
且つ該表面層に含有されるフッ素を実質的に表面から5
0オングストローム以内に存在させ、その領域における
炭素に対するフッ素の濃度を20%以上にすることを特
徴とする、電子写真感光体の製造方法を開示するもので
ある。
【0034】すなわち、本発明における電子写真感光体
及びその製造方法は、減圧可能な反応容器内で、高周波
電力を印加するカソード電極と、該カソード電極に対向
する導電性基体との間にプラズマを発生させ基体をプラ
ズマ処理するプラズマ処理装置を用いて、被処理基体上
にシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された
光導電層を堆積し、該光導電層の上に原料ガスとして少
なくとも炭化水素系のガスを用い、少なくとも水素を含
む非単結晶炭素から成る表面層を設け、該表面層の表面
を少なくともフッ素原子を含むガスを分解したプラズマ
中でエッチングすることにより表面をフッ素化し、エッ
チングによって表面に生じた、基準長さを5μmとした
場合の表面粗さRzを1000オングストローム未満に
抑え、且つ該表面層に含有されるフッ素を実質的に表面
から50オングストローム以内に存在させ、その領域に
おける炭素に対するフッ素の濃度を20%以上にするこ
とを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に図面に基いて本発明を具体
的に説明する。図1は本発明による電子写真感光体を説
明する模式図である。図1(a)には光導電層を機能分
離していない単層型と呼んでいる感光体で、基体101
の上に電荷注入阻止層102、少なくとも水素を含むa
−Siからなる光導電層103、非単結晶炭素からなる
表面層104が積層された感光体である。105は表面
層の最表面に存在する、フッ素が拡散した領域を表して
いる。
【0036】図1(b)には光導電層を電荷発生層と電
荷輸送層の2つに機能分離しているため、機能分離型と
呼んでいる感光体を示している。基体101の上に必要
に応じて電荷注入阻止層102を設け、その上に電荷輸
送層106、電荷発生層107の機能分離された、少な
くとも水素を含むa−Siからなる光導電層103が堆
積され、その上に非単結晶炭素からなる表面層104が
積層されている。ここで電荷輸送層106と電荷発生層
107の位置関係はいかなるものでも使用できる。ま
た、機能分離を組成変化により行う場合には、その組成
変化を連続的に行ってもよい。
【0037】図1(a),(b)に挙げた感光体におい
て、それぞれの層は連続的な組成変化を伴ってもよく、
明確な界面を持たなくてもよい。また、電荷注入阻止層
102は必要に応じて省略してもよい。また、光導電層
103と非単結晶炭素からなる表面層104との間に
は、密着性向上等の目的で必要に応じて中間層を設けて
もよい。中間層の材料としては光導電層103と表面層
104との中間の組成を持ったSiC層が挙げられる
が、或いはSiO、SiNなどを用いてもよい。また中
間層は組成を連続的に変化させてもよい。
【0038】ここで言う非単結晶炭素とは、黒鉛(グラ
ファイト)とダイヤモンドとの中間的な性質を持つアモ
ルファス状の炭素を主に表しているが、微結晶や多結晶
を部分的に含んでいてもよい。これはプラズマCVD
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によ
って作成可能であるが、プラズマCVD法を用いて作成
した膜は透明度、硬度共に高く、電子写真感光体の表面
層として用いるには好ましい。
【0039】非単結晶炭素膜を作成する際のプラズマC
VD法に用いる放電周波数としては如何なる周波数も用
いることができる。工業的にはRF周波数帯と呼ばれる
1〜450MHz、特に13.56MHzの高周波が好
適に用いることができる。また、特に50〜450MH
zのVHFと呼ばれる周波数帯の高周波を用いた場合に
は、透明度、硬度共に更に高くできるので、表面層とし
ての使用に際してはより好ましい。
【0040】本発明の効果を得るために用いられるフッ
素系のガスとしてはCF4 ,CHF 3 ,CH22 ,C
3 F,C26 ,C24 ,CH2 CF2 ,ClF
3 ,SF6 ,HF,F2 等プラズマ化で活性なフッ素ラ
ジカルを生成できるものであれば如何なるものでも使用
可能である。またこれらのガスを混合したもの、或いは
希ガス等の他のガスで希釈したものでも使用できる。
【0041】図2は、本発明の高周波電源を用いたプラ
ズマCVD法による感光体の堆積装置の一例を模式的に
示す図である。この装置は大別すると、堆積装置210
0、原料ガスの供給装置2200、反応容器2110内
を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されて
いる。堆積装置2100中の反応容器2110内にはア
ースに接続された円筒状被成膜基体2112、円筒状被
成膜基体の加熱用ヒーター2113、ガス導入管211
4が設置され、更に高周波マッチングボックス2115
を介して高周波電源2120が接続されている。
【0042】原料ガス供給装置2200は、SiH4
2 ,CH4 ,NO,B26 ,CF4 等の原料ガスボ
ンベ、及びエッチングガスボンベ2221〜2226
と、バルブ2231〜2236,2241〜2246,
2251〜2256、及びマスフローコントローラー2
211〜2216から構成され、各構成ガスのボンベ
は、バルブ2260を介して反応容器2110内のガス
導入管2114に接続されている。
【0043】本発明で使用される高周波電源の出力は1
0〜5000W以上の範囲で使用する装置に適した電力
を発生することができれば、如何なる出力のものであっ
ても使用できる。更に、高周波電源の出力変動率は、如
何なる値であっても本発明の効果を得ることができる。
【0044】使用されるマッチングボックス2115は
高周波電源2120と負荷の整合を取ることができるも
のであれば如何なる構成のものでも好適に使用できる。
また、整合を取る方法としては、自動的に調整されるも
のが好適であるが手動で調整されるものであっても本発
明の効果には全く影響はない。
【0045】高周波電力が印加されるカソード電極21
11の材質としては銅、アルミニウム、金、銀、白金、
鉛、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チ
タン、ステンレス及び、これらの材料の2種類以上の複
合材料等が使用できる。また、形状は円筒形状が好まし
いが必要に応じて楕円形状、多角形状を用いてもよい。
カソード電極2111は必要に応じて冷却手段を設けて
もよい。具体的な冷却手段としては水、空気、液体窒
素、ペルチェ素子等による冷却が必要に応じて用いられ
る。
【0046】本発明に用いる円筒状被成膜基体2112
は、使用目的に応じた材質や形状を有するものであれば
よい。例えば、形状に関しては、電子写真用感光体を製
造する場合には、円筒状が望ましいが、必要に応じて平
板状や、その他の形状であってもよい。また、材質にお
いては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、鉛、ニッケ
ル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタン、ステ
ンレス及び、これらの材料の2種類以上の複合材料、更
にはポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、
セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ガラス、石
英、セラミックス、紙などの絶縁材料に導電性材料を被
覆したものなどが使用できる。
【0047】表面形状としてはバイト切削、ディンプル
加工等の比較的大きい周期での凹凸に関しては、高温・
高湿環境における画像ボケに対する耐久性を劣化させな
いため、干渉防止等の目的で併用することが可能であ
る。本発明の効果は、電子写真感光体の最表面の粗さを
基準長さ5μmとした場合に、Rzが1000オングス
トローム未満であれば得ることができる。感光体堆積後
のフッ素プラズマによるエッチングによって、表面の粗
れは平坦化することができるため、成膜前の基体表面の
粗さに関してはそれほど敏感ではない。
【0048】以下、図2の装置を用いた感光体の形成方
法の手順の一例について説明する。反応容器2110内
に円筒状被成膜基体2112を設置し、不図示の排気装
置(例えば真空ポンプ)により反応容器2110内を排
気する。続いて円筒状被成膜基体加熱用ヒーター211
3により円筒状被成膜基体2112の温度を20〜50
0℃の所定の温度に制御する。
【0049】感光体形成用の原料ガスを反応容器211
0内に流入させるにはガスボンベのバルブ2231〜2
236、反応容器のリークバルブ2117が閉じられて
いることを確認しまた、流入バルブ2241〜224
6、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ226
0が開かれていることを確認し、メインバルブ2118
を開いて反応容器2110及びガス供給配管2116を
排気する。
【0050】次に真空計2119の読みが5×10-6
orrになった時点で補助バルブ2260、流出バルブ
2251〜2256を閉じる。その後ガスボンベ222
1〜2226より各ガスをバルブ2231〜2236を
開いて導入し圧力調整器2261〜2266により各ガ
ス圧を2kg/cm2 に調整する。次に流入バルブ22
41〜2246を徐々に開けて各ガスをマスフローコン
トローラー2211〜2216内に導入する。以上の手
順によって成膜準備を完了した後、円筒状被成膜基体2
112上に光導電層の形成を行う。
【0051】円筒状被成膜基体2112が所定の温度に
なったところで、各流出バルブ2251〜2256のう
ちの必要なものと補助バルブ2260とを徐々に開き、
各ガスボンベ2221〜2226から所定の原料ガスを
ガス導入管2114を介して反応容器2110内に導入
する。次に、各マスフローコントローラー2211〜2
216によって、各原料ガスが所定の流量になるように
調整する。その際、反応容器2110内が1Torr以
下の所定の圧力になるように、真空計2119を見なが
らメインバルブ2118の開口を調整する。内圧が安定
したところで、高周波電源2120を所望の電力に設定
して高周波マッチングボックス2115を通じてカソー
ド電極2111に供給し高周波グロー放電を生起させ
る。この放電エネルギーによって反応容器2110内に
導入させた各原料ガスが分解され、円筒状被成膜基体2
112上に所定のシリコン原子を主成分とする堆積膜が
形成される。所望の膜厚の形成が行われた後、高周波電
力の供給を止め、各流出バルブ2251〜2256を閉
じて反応容器2110への各原料ガスの流入を止め、堆
積膜の形成を終える。
【0052】また、本発明の表面層を形成する場合も基
本的には上記の操作を繰り返せばよく成膜ガス及びエッ
チングガスを供給すればよい。具体的には各流出バルブ
2251〜2256のうちの必要なものと補助バルブ2
260とを徐々に開き、各ガスボンベ2221〜222
6から表面層に必要な原料ガスをガス導入管2114を
介して反応容器2110内に導入する。次に、各マスフ
ローコントローラー2211〜2216によって、各原
料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反
応容器2110内が1Torr以下の所定の圧力になる
ように、真空計2119を見ながらメインバルブ211
8の開口を調整する。内圧が安定したところで、高周波
電源2120を所望の電力に設定して高周波電力を高周
波マッチングボックス2115を通じてカソード電極2
111に供給し高周波グロー放電を生起させる。この放
電エネルギーによって反応容器2110内に導入させた
各原料ガスが分解され、表面層が形成される。所望の膜
厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、各流
出バルブ2251〜2256を閉じて反応容器2110
への各原料ガスの流入を止め、表面層の形成を終える。
【0053】成膜に用いたガスを反応容器内から十分に
排気したあと、各流出バルブ2251〜2256のうち
の必要なものと補助バルブ2260とを徐々に開き、各
ガスボンベ2221〜2226からエッチング処理に必
要な、少なくともフッ素原子を含むガスをガス導入管2
114を介して反応容器2110内に導入する。次に、
各マスフローコントローラー2211〜2216によっ
て、フッ素原子を含むガスが所定の流量になるように調
整する。その際、反応容器2110内が1Torr以下
の所定の圧力になるように、真空計2119を見ながら
メインバルブ2118の開口を調整する。内圧が安定し
たところで、高周波電源2120を所望の電力に設定し
て高周波電力を高周波マッチングボックス2115を通
じてカソード電極2111に供給し高周波グロー放電を
生起させる。この放電エネルギーによって反応容器21
10内に導入させたフッ素原子を含むガスが分解され、
表面層と反応することにより表面層のエッチング処理が
行われる。表面形状の制御及びフッ素原子の含有深さ
は、内圧、高周波電力、基板温度等を変化させることに
より任意に設定できるので、所望の条件とすることがで
きる。所望の膜厚のエッチング処理が行われた後、高周
波電力の供給を止め、各流出バルブ2251〜2256
を閉じて反応容器2110への各原料ガスの流入を止め
る。膜形成を行っている間は円筒状被成膜基体2112
を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させて
もよい。
【0054】図3は前記、図2とは別形態のプラズマC
VD法による電子写真感光体の形成装置(量産型)の一
例の模式図である。図3はその反応容器部の断面図を示
している。図3において300は反応容器であり、真空
気密化構造を成している。また、302は一端が反応容
器301内に開口し、他端が排気装置(図示せず)に連
通している排気管である。303は円筒状被成膜基体3
04によって囲まれた放電空間を示す。高周波電源30
5は、高周波マッチングボックス306を介して電極3
07に電気的に接続されている。円筒状被成膜基体30
4はホルダー308(a)、(b)にセットした状態で
回転軸309に設置される。必要に応じてモーター31
0で回転できるようになっている。
【0055】原料ガス供給装置(不図示)は、図2に示
す2200と同様のものを用いればよい。各構成ガスは
混合され、バルブ312を介して反応容器301内のガ
ス導入管311に接続されている。本形成装置の高周波
電源の出力は10〜5000W以上の範囲で使用する装
置に適した電力を発生することができれば、如何なる出
力のものであっても使用できる。更に、高周波電源の出
力変動率は、如何なる値であっても本発明の効果を得る
ことができる。
【0056】使用されるマッチングボックス306は高
周波電源305と負荷の整合を取ることができるもので
あれば如何なる構成のものでも好適に使用できる。ま
た、整合を取る方法としては、自動的に調整されるもの
が好適であるが手動で調整されるものであっても本発明
の効果には全く影響はない。
【0057】高周波電力が印加される電極307の材質
としては銅、アルミニウム、金、銀、白金、鉛、ニッケ
ル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタン、ステ
ンレス及び、これらの材料の2種類以上の複合材料等が
使用できる。また、形状は円筒形状が好ましいが必要に
応じて楕円形状、多角形状を用いてもよい。電極307
は必要に応じて冷却手段を設けてもよい。具体的な冷却
手段としては水、空気、液体窒素、ペルチェ素子等によ
る冷却が必要に応じて用いられる。
【0058】本発明に用いる円筒状被成膜基体304
は、使用目的に応じた材質や形状を有するものであれば
よい。例えば、形状に関しては、電子写真用感光体を製
造する場合には、円筒状が望ましいが、必要に応じて平
板状や、その他の形状であってもよい。また、材質にお
いては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、鉛、ニッケ
ル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタン、ステ
ンレス及び、これらの材料の2種類以上の複合材料、更
にはポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、
セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ガラス、石
英、セラミックス、紙などの絶縁材料に導電性材料を被
覆したものなどが使用できる。
【0059】図4は電子写真装置の画像形成プロセスの
一例を示す概略図であって、感光体401は矢印X方向
に回転する。感光体401の周辺には、主帯電器40
2、静電潜像形成部位403、現像器404、転写紙供
給系405、転写帯電器406(a)、分離帯電器40
6(b)、クリーナー407、搬送系408、除電光源
409等が配設されている。
【0060】以下、更に具体的に画像形成プロセスを説
明すると、感光体401は高電圧を印加した主帯電器4
02により一様に帯電され、これに静電潜像部位、すな
わちランプ410から発した光が原稿台ガラス411上
に置かれた原稿412に反射し、ミラー413,41
4,415を経由し、レンズユニット417のレンズ4
18によって結像され、ミラー416を経由し、導かれ
投影された静電潜像が形成される。この潜像に現像器4
04からネガ極性トナーが供給されてトナー像が形成さ
れる。
【0061】一方、転写紙供給系405を通って、レジ
ストローラー422によって先端タイミングを調整さ
れ、感光体401方向に供給される転写材Pは高電圧を
印加した転写帯電器406(a)と感光体401の間隙
において背面から、トナーとは逆極性の正電界を与えら
れ、これによって感光体表面のネガ極性のトナー像は転
写材Pに転写される。次いで、高圧AC電圧を印加した
分離帯電器406(b)により、転写材Pは転写搬送系
408を通って定着装置424に至り、トナー像が定着
されて装置外に搬出される。
【0062】感光体401上に残留するトナーはクリー
ニングユニット407のマグネットローラー407及
び、クリーニングブレード421によって回収され、残
留する静電潜像は除電光源409によって消去される。
【0063】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明
するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではな
い。
【0064】[実施例1]図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて表1に示す条件により円筒形のAl基体に
堆積膜を順次積層した。このような感光体を3本作成し
た。次に表2に示す条件で高周波電力を変えてエッチン
グをすることにより、エッチング後の表面のRzが20
0オングストローム程度のもの、500オングストロー
ム程度のもの、800オングストローム程度のものの3
種類を作成した。この範囲の電力ではフッ素の侵入深さ
は20オングストローム前後であり、濃度は30〜40
%であることがわかっている。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】 上記の感光体の撥水性を評価するために協和界面科学社
製の接触角計(CA−S−ロール型)により表面の接触
角を純水で測定したところ、3本共100度以上の接触
角であり高い撥水性が得られた。
【0067】次に電位特性を評価した。評価には複写機
を模した測定器に搭載し、様々な条件で表面電位の変化
を測定した。電位シフトの評価には、帯電器に一定電流
を流しておき、2分間(キヤノン製複写機NP−506
0なら100枚相当)の感光体表面の帯電電位を観測
し、その変動の様子を調べた。また、ゴースト電位に関
しては、帯電させた後、露光、除電等の複写プロセスと
同等のプロセスを経て、一周した後にハーフトーン電位
を与え、露光した部分としなかった部分とでの電位の差
を観測することにより得られる。
【0068】次いで、この感光体を試験用に改造したキ
ヤノン製複写機NP−5060改造機に搭載し30℃、
80%の高温・高湿環境で、ドラムヒーター等の加熱手
段を一切用いずに10万枚連続複写して耐久試験とし
た。このとき、マグローラーをカウンター方向に通常使
用よりも高速で回転して接触させ、クリーナーブレード
の押しつけ圧を通常より高くし、慴擦による表面への付
加がより厳しい環境に設定した。複写原稿にはキヤノン
製テストチャート(部品番号:FY9−9058)を用
いた。
【0069】このような耐久試験前後で接触角、画像流
れ特性について評価を行った。接触角については上記と
同様の方法で、画像流れについては上記のテストチャー
トの細線がぼけていないかで評価した。
【0070】また、転写効率を調べるために、耐久試験
後に廃トナーを回収して重量を正確に計量して比較し
た。また、キズの発生し易さについては、耐久後に強制
ジャム試験を10回行い、その後ハーフトーン画像を出
してキズの状態を調べた。
【0071】以上の評価で得られた諸特性の結果を表4
に示す。表中ではそれぞれの評価について、「◎」は非
常に良好を、「○」は良好を、「△」は実用上問題なし
を、また「×」は実用上問題あり、のそれぞれを表して
いる。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】 [比較例1]図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示す条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順次
積層した。このような感光体を2本作成した。次に表2
に示す条件で高周波電力を実施例1に比べ増大させてエ
ッチングをすることにより、エッチング後の表面のRz
が1000オングストローム程度のもの、2000オン
グストローム程度のものの2種類を作成した。この条件
範囲ではフッ素の侵入深さは35オングストローム前後
であり、濃度は40〜50%であることがわかってい
る。次いで、実施例1と同様の耐久及び評価をそれぞれ
について行った。以上の特性の変化の結果を実施例1の
結果と合わせて表4に示す。電位測定では、全ての感光
体について電位シフト、ゴースト電位共に問題がないこ
とがわかった。
【0074】Rzが800オングストロームまでの感光
体については10万枚の耐久でも画像流れは全く発生し
なかったが、粗さが1000オングストロームではやや
解像度が低下した画像となり、2000オングストロー
ムでは画像流れが発生してしまった。このことはRzが
1000オングストロームを境にして表面の結合状態が
大きく変わったため、フッ素が脱落し易くなったためで
あると考えられる。画像流れが発生した粗さのそれぞれ
1000、2000オングストロームの感光体では、1
0万枚耐久後の接触角はそれぞれ45°、35°に劣化
していた。また、強制ジャム試験ではいずれの感光体に
ついてもキズ等の発生は見られなかったことから、表面
層としての硬度は十分であることが確かめられた。
【0075】[実施例2]図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて表1に示す条件により円筒形のAl基体に
堆積膜を順次積層した。このような感光体を3本作成し
た。次に表3に示す条件でエッチングを行い、反応させ
る温度と圧力を変えることでフッ素の侵入深さをそれぞ
れ5、25、50オングストロームとなるように変化さ
せた。エッチングに伴う表面粗さはほぼ500オングス
トロームになるようにしてある。この3本の表面層の炭
素に対するフッ素含有量をXPSにより測定すると、そ
れぞれ22、37、45%であった。次いで、実施例1
と同様の耐久及び評価をそれぞれについて行った。得ら
れた特性の結果を表5に示す。
【0076】
【表5】 [比較例2]図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示す条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順次
積層した。このような感光体を3本作成した。次に表3
に示す条件でエッチングを行い、反応させる温度と圧力
を変えることでフッ素の侵入深さをそれぞれ5、55、
70オングストロームとなるように変化させた。エッチ
ングに伴う表面粗さはほぼ500オングストロームにな
るようにしてある。
【0077】この3本の表面層の炭素に対するフッ素含
有量をXPSにより測定すると、それぞれ15、46、
55%であった。次いで、実施例1と同様の耐久及び評
価をそれぞれについて行った。得られた特性の結果を実
施例2と合わせて表5に示す。
【0078】実施例2、比較例2の結果から、侵入深さ
が同じ5オングストロームであっても、フッ素量が20
%より少ないと、耐久後の撥水性が低下していることが
わかる。それに伴って軽微だが画像流れが発生してしま
った。また、フッ素量が20%以下のものに比べ、20
%以上のものは離型性の向上により、転写効率が更に向
上していることがわかった。
【0079】一方、フッ素量が20%より多くても、侵
入深さが50オングストロームを越えた場合と50オン
グストローム以内に留めた場合とを比較すると、50オ
ングストローム以内に留めた方が電位シフト、ゴースト
電位共に更に良化することがわかった。これらの結果か
ら、フッ素の侵入深さで50オングストローム以内、フ
ッ素量で炭素に対して20%以上である必要があること
がわかった。
【0080】[実施例3]図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて表1に示す条件により円筒形のAl基体に
堆積膜を順次積層した。このような感光体を5本作成し
た。次に表2に示す条件でエッチングを行った。このと
きエッチング時間を変化させてエッチング膜厚をそれぞ
れ20、100、500、2000、2900オングス
トロームと変化させた。表面層の膜厚が3000オング
ストロームであるので、エッチング後の膜厚はそれぞ
れ、2980、2900、2500、1000、100
となる。次いで、実施例1と同様の耐久及び評価をそれ
ぞれについて行った。得られた画像流れ特性の結果を表
6に示す。
【0081】
【表6】 [比較例3]図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示す条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順次
積層した。このような感光体を2本作成した。次に表2
に示す条件でエッチングを行った。このときエッチング
時間を変化させてエッチング膜厚をそれぞれ5、295
0オングストロームと変化させた。表面層の膜厚が30
00オングストロームであるので、エッチング後の膜厚
はそれぞれ、2995、50オングストロームとなる。
次いで、実施例1と同様の耐久及び評価をそれぞれにつ
いて行った。得られた結果を実施例3の結果と合わせて
表6に示す。
【0082】エッチング膜厚が少ない場合、含有される
フッ素の量が少なくなることが予想される。エッチング
膜厚が5オングストロームのものと20オングストロー
ムのものを比べると、5オングストロームのものは耐久
試験後に軽微な画像流れが生じたのに対し、20オング
ストロームのものは生じなかった。同条件で作成したド
ラムの分析から、エッチング膜厚それぞれ5、20オン
グストロームの表面層に含まれるフッ素量は、それぞれ
11、28%であった。また、エッチング膜厚が5オン
グストロームのものに比べ、20オングストローム以上
のものは離型性が向上しているため、転写効率が更に向
上していることがわかった。このことから、エッチング
膜厚は20オングストローム以上が望ましいことがわか
った。
【0083】逆にエッチング膜厚が大きい場合、残存す
る膜厚は小さくなり、キズが発生し易くなることがわか
った。エッチング膜厚2900オングストローム(表面
層の残留する膜厚100オングストローム)のものと、
2950オングストローム(残留する膜厚50オングス
トローム)のものとを比較した。強制ジャム試験による
キズの有無を調べたところ、残留膜厚が50オングスト
ロームの場合、強制ジャム試験により表面にキズが発生
することがあった。これに対し、残留膜厚が100オン
グストローム以上の場合にはキズの発生は見られなかっ
た。
【0084】これらのことから、エッチングによって除
去される膜厚は少なくとも20オングストローム以上必
要であり、表面に残留する表面層の厚さは100オング
ストローム以上が望ましいことがわかった。
【0085】[実施例4]図2に記載のプラズマCVD
装置を用いて表1に示す条件により円筒形のAl基体に
堆積膜を順次積層した。このような感光体を6本作成し
た。次に表2に示す条件で、ガス種をCF4 ,CHF
3 ,C26 ,CF2 =CF2 ,ClF3 ,SF6 の6
種類を用いてエッチングを行った。
【0086】次いで、実施例1と同様の耐久及び評価を
それぞれについて行った。得られた画像流れ特性の結果
を表7に示す。この結果から、エッチングに用いるフッ
素含有ガスの種類によらず本発明の効果が得られること
がわかった。
【0087】
【表7】 [実施例5]図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示す条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順次
積層した。このような感光体を4本作成した。次に表2
に示す条件でガスをHe,Ne,Ar,N2 の4種類で
希釈(50%)してエッチングを行った。次いで、実施
例1と同様の耐久及び評価をそれぞれについて行った。
得られた画像流れ特性の結果を表8に示す。この結果か
ら、希ガスによるフッ素含有ガスの希釈によらず本発明
の効果が得られることがわかった。
【0088】
【表8】 [実施例6]図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示す条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順次
積層した。次に表2に示す条件でエッチングしフッ素化
を行った。この条件では、Rzは500オングストロー
ム、フッ素は20オングストローム程度拡散し、同領域
に40%程度含有されていることがわかっている。次い
でこの感光体をキヤノン製複写機NP−5060改造機
に搭載し、50万枚の耐久を実施例1と同様に行った。
但し、ドラムの加温装置を用いてドラム表面を50℃程
度に維持した。結果を表9に示す。
【0089】
【表9】 [比較例4]図2に記載のプラズマCVD装置を用いて
表1に示す条件により円筒形のAl基体に堆積膜を順次
積層した。フッ素化は行わなかった。
【0090】次いでこの感光体をキヤノン製複写機NP
−5060改造機に搭載し、50万枚の耐久を実施例1
と同様に行った。但し、ドラムの加温装置を用いてドラ
ム表面を50℃程度に維持した。結果を実施例6と合わ
せて表9に示す。
【0091】比較例4においては、画像に融着の痕跡が
現れ、ドラム表面に微小な融着が発見された。通常の使
用条件よりもブレード圧を高くしているために融着は出
易い環境にあるが、a−Siドラムに要求される耐久枚
数まで複写行程を行った場合には画像に顕在化する可能
性もある。一方、実施例6のドラムではドラム表面温度
を50℃程度まで上げても融着は発生しなかった。これ
は表面に存在するフッ素のために滑り性が向上したため
と思われる。
【0092】[実施例7]図3に記載のVHFプラズマ
CVD装置を用いて、一例として放電周波数105MH
zにて表10に示す条件により円筒形のAl基体に堆積
膜を順次積層した。また、比較のために図2に記載の放
電周波数13.56MHzのRFプラズマCVD装置を
用いて表11に示す条件により感光体を作成した。次に
表2に示す条件と同一条件にてフッ素プラズマによるエ
ッチングを行った。
【0093】次いで、実施例1と同様の耐久及び評価を
それぞれについて行った。得られた画像流れ特性の結果
を表12に示す。105MHzのVHFで作成したもの
は、13.56MHzの高周波で作成したものに比べ全
ての特性において全く遜色がない。加えて、感度、硬度
の点で13.56MHzで作成したものに比べて更に向
上していることがわかった。
【0094】
【表10】
【0095】
【表11】
【0096】
【表12】
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、光導電層上に非単結晶
炭素からなる表面層を設け、該表面層がフッ素化された
表面をもつものであって、表面粗さRzが基準長さを5
μmとしたときの微小範囲内で観測した場合1000オ
ングストローム未満であり、且つ該表面層に含有される
フッ素が実質的に表面から50オングストローム以内に
存在し、その領域における炭素に対するフッ素の濃度が
20%以上であることを特徴としており、撥水性に優
れ、高温・高湿環境下で加温手段なしに高品位な画像を
提供する感光体が非常に再現性よく得られる。コロナ放
電生成物が付着し難く、加温手段を設ける必要がないた
めにトナー融着が起き難い。更には、転写効率、クリー
ニング性に優れ、電位シフトやゴーストのない高品位な
画像が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面層を示す模式的断面図。(但し(a)は本
発明の表面層の断面を、(b)は荒れた表面を持つ本発
明範囲外の表面の断面を示す。)
【図2】本発明のPCVD法により基体上に感光体を形
成するための堆積装置を示す模式図。
【図3】VHF−PCVD法を用いた感光体を形成する
ための堆積装置を示す模式図。
【図4】電子写真装置を示す模式的断面図。
【符号の説明】
101 導電性基体 102 電荷注入阻止層 103 光導電層 104 表面層 105 フッ素が拡散している領域 106 電荷輸送層 107 電荷発生層 2100 堆積装置 2110 反応容器 2111 カソード電極 2112 導電性基体 2113 基体加熱用ヒーター 2114 ガス導入管 2115 高周波マッチングボックス 2116 ガス配管 2117 リークバルブ 2118 メインバルブ 2119 真空計 2120 高周波電源 2200 ガス供給装置 2211〜2216 マスフローコントローラー 2221〜2226 ボンベ 2231〜2236 バルブ 2241〜2246 流入バルブ 2251〜2256 流出バルブ 2260 補助バルブ 2261〜2266 圧力調整器 300 VHFを用いた堆積装置(量産型) 301 反応容器 302 排気管 303 放電空間 304 円筒状被成膜基体 305 高周波電源 306 マッチングボックス 307 電極 308a,308b 基体ホルダー 309 回転軸 310 モーター 311 ガス導入管 312 ガス導入バルブ 401 感光体 402 主帯電器 403 静電潜像形成部位 404 現像器 405 転写紙供給系 406a 転写帯電器 406b 分離帯電器 407 クリーニングローラー 408 搬送系 409 除電光源 410 ハロゲンランプ 411 原稿台 412 原稿 413〜416 ミラー 417 レンズユニット 418 レンズ 419 給紙ガイド 420 ブランク露光LED 421 クリーニングブレード 422 レジストローラー 424 定着器

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真用感光体において、導電性基体
    上にシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成され
    た光導電層を有し、少なくとも水素を含む非単結晶炭素
    から成る表面層が形成され、且つその表面層はフッ素を
    含有した表面を持つものであって、基準長さを5μmと
    した場合の表面粗さRzが1000オングストローム未
    満であり、且つ該表面層に含有されるフッ素が実質的に
    表面から50オングストローム以内に存在し、その領域
    における炭素に対するフッ素の濃度が20%以上である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記表面層が、少なくとも炭化水素系の
    ガスを分解したプラズマを用いて作成されることを特徴
    とする、請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記表面層が、1〜450MHzの高周
    波を用いたプラズマCVD法によって、少なくとも炭化
    水素系のガスを分解することにより作成されることを特
    徴とする、請求項1又は2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記表面層が、50〜450MHzの高
    周波を用いたプラズマCVD法によって、少なくとも炭
    化水素系のガスを分解することにより作成されることを
    特徴とする、請求項3記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記表面層が、少なくともフッ素原子を
    含むガスを分解したプラズマ中でエッチングされること
    によりフッ素化されることを特徴とする、請求項1ない
    し4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記フッ素原子を含むガスによるエッチ
    ングで非単結晶炭素に生じるエッチング量が、下限とし
    て膜厚方向に20オングストローム以上であり、上限と
    して残存する非単結晶炭素の膜厚の最も薄い部分が10
    0オングストローム以上となる範囲内にあることを特徴
    とする、請求項5記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記フッ素原子を含むガスとして、CF
    4 ,CHF3 ,CH 22 ,CH3 F,C26 ,C2
    4 ,CH2 CF2 ,ClF3 ,SF6 ,HF,F2
    うち少なくとも1種以上のガスを用いることを特徴とす
    る、請求項5又は6に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記フッ素原子を含むガスを、He,N
    e,Ar,N2 のうち少なくとも1種以上のガスで希釈
    したものを使用することを特徴とする、請求項5ないし
    7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体を製造する方法におい
    て、減圧可能な反応容器内で、高周波電力を印加するカ
    ソード電極と、該カソード電極に対向する導電性基体と
    の間にプラズマを発生させ基体をプラズマ処理するプラ
    ズマ処理装置を用いて、被処理基体上にシリコン原子を
    母体とする非単結晶材料で構成された光導電層を堆積
    し、該光導電層の上に原料ガスとして少なくとも炭化水
    素系のガスを用い、少なくとも水素を含む非単結晶炭素
    から成る表面層を設け、該表面層の表面を少なくともフ
    ッ素原子を含むガスを分解したプラズマ中でエッチング
    することにより表面をフッ素化し、エッチングによって
    表面に生じた、基準長さを5μmとした場合の表面粗さ
    Rzを1000オングストローム未満に抑え、且つ該表
    面層に含有されるフッ素を実質的に表面から50オング
    ストローム以内に存在させ、その領域における炭素に対
    するフッ素の濃度を20%以上にすることを特徴とす
    る、電子写真感光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記表面層を、1〜450MHzの高
    周波を用いたプラズマCVD法によって作成することを
    特徴とする、請求項9記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記表面層を、50〜450MHzの
    高周波を用いたプラズマCVD法によって作成すること
    を特徴とする、請求項10記載の電子写真感光体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記フッ素原子を含むガスによるエッ
    チングで該非単結晶炭素に生じさせるエッチング量が、
    下限として膜厚方向に20オングストローム以上、上限
    として残存する該非単結晶炭素の膜厚の最も薄い部分が
    100オングストローム以上の範囲内にすることを特徴
    とする、請求項9ないし11のいずれかに記載の電子写
    真感光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記フッ素原子を含むガスとして、C
    4 ,CHF3 ,CH22 ,CH3 F,C26 ,C
    24 ,CH2 CF2 ,ClF3 ,SF6 ,HF,F2
    のうち少なくとも1種以上のガスを用いることを特徴と
    する、請求項9ないし12のいずれかに記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記フッ素原子を含むガスを、He,
    Ne,Ar,N2 のうち少なくとも1種以上のガスで希
    釈したものを使用することを特徴とする、請求項9ない
    し13記載の電子写真感光体の製造方法。
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