JP5607499B2 - 電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents
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Description
a−Si感光体の層構成は、例えば図5に示すようなものである。図5に示す電子写真感光体5000は、導電性の基体5001の上にa−Siで構成された光導電層(以下「a−Si光導電層」とも表記する。)5002が形成されており、光導電層5002の上にa−SiC表面層5005が形成されたものである。
a−SiC表面層5005は、電子写真特性に係る重要な層である。電子写真感光体の表面層に要求される特性としては、耐摩耗性、耐湿性、電荷保持性、光透過性などが挙げられる。a−SiC表面層は、耐摩耗性に特に優れるとともに、上記その他の特性のバランスも優れていることから、主にプロセススピードの速い電子写真装置で用いられてきた。
高湿流れとは、高湿環境下で、電子写真プロセスで画像形成を繰り返し行い、しばらく時間をあけた後、再び画像を出力したときに、文字がぼける、または、文字が印字されずに白抜けが生じるという画像不良のことである。この現象は、電子写真感光体の表面に吸着した水分が原因の1つである。
従来、高湿流れの発生を抑えるために、常時、感光体用ヒーターにより電子写真感光体を加熱し、電子写真感光体の表面に吸着した水分を低減または除去することが行われてきた。また、感光体用ヒーターを用いる方法以外の方法で高湿流れを抑制するための電子写真感光体も提案されている。
また、a−Si感光体において、a−Si光導電層およびa−SiC表面層を改善することによる電子写真感光体の特性の向上に関する技術に関しても、提案されている。
例えば、耐湿性については、高湿流れが発生すると画像品質の低下につながることから、高湿下においても高湿流れが発生せず、高画質が維持可能な電子写真感光体が要求されている。ここで、高湿下での高画質維持のために、上述の感光体用ヒーターを設置した場合、電子写真装置が稼動していないときにも待機電力として相応の電力を必要とするため、省電力性の改善が困難となる。
この光導電層とa−SiC表面層との界面近傍での膜剥がれを抑制するために、光導電層とa−SiC表面層との間に中間層を設けることで、光導電層とa−SiC表面層との界面近傍での応力集中を緩和することが可能である。
しかしながら、内部応力が大きい表面層を用いた場合、上記中間層を設けたとしても、表面層から受ける高い応力に耐えられずに光導電層と中間層との界面近傍で膜剥がれが発生する場合があった。
この光導電層が破壊されることにより膜剥がれが生じる原因は、中間層を設けることにより、光導電層とa−SiC表面層との界面近傍での膜剥がれの発生が抑制され、これにより、表面層からの応力が光導電層自体に集中するためであると思われる。
本発明の目的は、高湿流れに対する耐性と耐摩耗性に優れ、膜剥がれに対する耐性にも優れた電子写真感光体、および、該電子写真感光体を有する電子写真装置を提供することにある。
数式(1) HP2≧0.07×DS−0.38
数式(2) HPmax≦−0.04×DS+0.60
図1は、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す図である。
図1(a)に示す層構成の電子写真感光体1000は、アルミニウムなどの円筒状で導電性の基体1001と、基体1001上に順次積層された電荷注入阻止層1005、光導電層1004、中間層1003および表面層1002とを有する。また、図1(b)に示す層構成の電子写真感光体1000は、基体1001と、基体1001上に順次積層された密着層1006、電荷注入阻止層1005、光導電層1004、中間層1003および表面層1002とを有する。
以下、ケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))を単に「C/(Si+C)」とも表記する。また、以下、ケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)と水素原子の原子数(H)との和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(Si+C+H))を単に「H/(Si+C+H)」とも表記する。また、以下、ケイ素原子の原子数(Si)と水素原子の原子数(H)の和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(Si+H))を単に「H/(Si+H)」とも表記する。また、以下、表面層におけるC/(Si+C)を「CS」とも表記し、中間層におけるC/(Si+C)を「CM」とも表記する。また、以下、ケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度の和を「Si+C原子密度」とも表記し、ケイ素原子の原子密度を「Si原子密度」とも表記し、炭素原子の原子密度を「C原子密度」とも表記する。また、以下、表面層におけるH/(Si+C+H)を「HS」とも表記し、中間層におけるH/(Si+C+H)を「HM」とも表記する。また、以下、光導電層の層厚方向の中央位置より基体側を「第1光導電領域」とも表記し、光導電層の層厚方向の中央位置より中間層側を「第2光導電領域」とも表記する。また、以下、a−SiCで構成された中間層を「a−SiC中間層」とも表記し、a−Siで構成された光導電層を「a−Si光導電層」とも表記する。
以下に、DSを6.60以上とすることの作用について、詳細に説明する。
高湿流れは、上述のように電子写真感光体の表面への水分の吸着が原因の1つであるが、電子写真感光体の使用初期の段階では、水分の吸着量は少なく、画像流れは発生しにくい。電子写真感光体をある程度使用した際に、主に電子写真装置内での帯電工程によって、オゾンの影響により、表面層が酸化し、電子写真感光体の表面に酸化層が形成され、蓄積していく。この酸化層は、電子写真感光体の表面に極性基を生成するため、これによって水分の吸着量が増大すると考えられる。さらに電子写真感光体の使用を続ければ、電子写真感光体の表面には酸化層が蓄積しつづけ、これにより水分の吸着量も増加し、結果として高湿流れを引き起こすほどの水分の吸着量に至ると考えられる。したがって、高湿流れを抑制するためには、この酸化層を除去するか、あるいは、酸化層の形成を抑制する必要がある。
本発明の電子写真感光体のa−SiC表面層の構成によって酸化層の形成を抑制できる理由については、以下のように推察している。
すなわち、a−SiC表面層の酸化は、a−SiCにオゾンなどの酸化作用を有する物質が作用することにより、ケイ素原子(Si)と炭素原子(C)の結合が切れ、炭素原子(C)が遊離し、替わりに酸素原子(O)がケイ素原子(Si)と結合することによって起こると推測される。本発明では、a−SiCの骨格構成原子であるケイ素原子と炭素原子との原子密度を高めることにより、原子間の平均距離を短くし、また、空間率を減少させることで、上記のような炭素原子(C)の遊離によるa−SiC表面層の酸化を抑制しているものと思われる。
また、このような原子密度を高めたa−SiCは、骨格構成原子間の結合力も高くなるため、a−SiC表面層の高硬度化にもつながり、電子写真感光体の耐摩耗性も向上すると推察される。
上述した理由により、a−SiC表面層のSi+C原子密度は高い方がより好ましく、DSは6.81以上であることが好ましい。
数式(1) HP2≧0.07×DS−0.38
数式(2) HPmax≦−0.04×DS+0.60
DSとHP2が上記数式(1)を満たすことにより、Si+C原子密度が高いa−SiC表面層を用いた場合であっても、急激な環境の変化によるa−Si光導電層とa−SiC中間層との界面近傍における膜剥がれを抑制することができる。さらに、DSとHPmaxが上記数式(2)を満たすことにより、急激な環境の変化によるa−Si光導電層の破壊による膜剥がれも抑制することができる。
まず、a−SiC表面層においては、CSが0.61以上0.75以下であり、HSが0.20以上0.45以下であり、層厚が0.2μm以上3.0μm以下である範囲である。以下、この範囲を「a−SiC表面層の成立条件」とも表記する。
また、a−SiC中間層においては、a−SiC中間層のSi+C原子密度をDM×1022原子/cm3としたときのDMが6.60よりも小さく、CMが0.25以上0.9×CS以下であり、HMが0.20以上0.45以下であり、層厚が0.1μm以上1.0μm以下である範囲である。以下、この範囲を「a−SiC中間層の成立条件」とも表記する。
また、a−Si光導電層においては、Si原子密度をDP×1022原子/cm3としたときのDPが4.20以上4.80以下である範囲である。以下、この範囲を「a−Si光導電層の成立条件」とも表記する。
まず、a−SiC表面層の内部応力の傾向について説明する。
上述したa−SiC表面層の成立条件においては、a−SiC表面層のSi+C原子密度を高めるほど、内部応力が高くなると推測される。そこで、a−SiC表面層の層厚を一定としたうえで、DSを変化させたところ、DSが大きくなるほどa−SiC表面層の内部応力が大きくなることがわかった。
そのため、a−SiC中間層に接している第2光導電領域のH/(Si+H)であるHP2を大きくすることによりケイ素原子間の結合の自由度が向上するため、急激な環境の変化が生じた場合であっても、a−SiC表面層から受ける高い応力を緩和することができる。
以上のことから、a−SiC表面層の応力を決めるDSとa−SiC表面層から受ける高い応力を緩和する能力を決めるHP2とを制御することにより、急激な環境の変化が生じた場合であっても、a−Si光導電層とa−SiC中間層との界面近傍での膜剥がれを抑制することができる。
また、DSとHP2が下記数式(3)を満たすようにすることにより、さらに急激な環境の変化によるa−Si光導電層とa−SiC中間層との界面近傍での膜剥がれを抑制可能であることが確認できた。
数式(3) HP2≧0.08×DS−0.41
a−SiC表面層の内部応力の傾向については上述したとおりである。上述したように、HP2を大きくすることでa−SiC表面層から受ける高い応力を緩和することができるため、a−Si光導電層とa−SiC中間層との界面近傍での膜剥がれを抑制することができる。
しかしながら、a−Si光導電層中のH/(Si+H)を大きくしすぎると、a−Si自体が疎な膜となってしまう場合がある。そのため、a−Si光導電層のH/(Si+H)が大きい領域が、急激な環境の変化によりa−SiC表面層から受ける高い応力に耐えきれずに破壊され、a−Si光導電層の途中から膜剥がれが生じる場合がある。
また、HPmaxを0.31以下とすることにより、さらに急激な環境の変化によってa−Si光導電層が破壊されることによる膜剥がれの抑制に大きな効果が得られることが確認できた。
以上のように、本発明においては、DSを6.60以上とし、かつ、上記数式(1)および上記数式(2)を満たすようにすることが重要であり、これにより、高密度なa−SiC表面層を用いた場合であっても膜剥がれを抑制でき、耐湿性および耐久性に優れた電子写真感光体を提供できる。
以下、各層および基体の構成について、詳細に説明する。
本発明においては、DPが4.20以上4.80以下の範囲を満たし、DSとHP2が上記数式(1)を満たし、DSとHPmaxが上記数式(2)を満たす。
以下、HP1およびHP2について図2を用いて説明する。なお、HP1は第1光導電領域でのH/(Si+H)であり、HP2は第2光導電領域でのH/(Si+H)であり、HPmaxはa−Si光導電層のH/(Si+H)の層厚方向分布における最大値である。より具体的には、HP1は第1光導電領域でのH/(Si+H)の平均値であり、HP2は第2光導電領域でのH/(Si+H)の平均値である。
HP1およびHP2の算出方法について、図7を用いて説明する。図7は、a−Si光導電層におけるH/(Si+H)の層厚方向分布を示したものである。図7に示すaは最もa−SiC中間層側でのa−Si光導電層のH/(Si+H)であり、bはa−Si光導電層の層厚における中央値でのH/(Si+H)であり、cは最も基体側でのa−Si光導電層のH/(Si+H)である。
HP2に関しても同様の算出を行う。すなわち、第2光導電領域における層厚方向のH/(Si+H)の任意の点をpとし、横軸に平行なpを通る直線を引き、この直線と光導電層の層厚中央位置およびa−Si光導電層の最もa−SiC中間層側となる位置との交点をそれぞれfおよびeとする(e、fおよびpのH/(Si+H)は同じ)。これにより得られた線分ae、線分epおよび線分paで囲まれた領域の面積と線分bf、線分fpおよび線分pbで囲われた領域の面積とが同じとなるpを求め、そのときのpのH/(Si+H)がHP2となる。
図2(a)のように、a−Si光導電層におけるH/(Si+H)の層厚方向分布が一定の場合、HP1、HP2およびHPmaxは同じ値となる。図2(b)のように、H/(Si+H)の層厚方向分布が基体側からa−SiC中間層側に向かって直線的に減少している場合、HP1およびHP2は、それぞれ第1光導電領域および第2光導電領域でのH/(Si+H)の平均値となり、HPmaxはa−Si光導電層の最も基体側のH/(Si+H)の値となる。図2(c)のように、a−Si光導電層におけるH/(Si+H)の層厚方向分布が図2(b)と反対の場合、HP1とHP2の算出方法は図2(b)と同様であり、HPmaxはa−Si光導電層の最もa−SiC中間層側のH/(Si+H)の値となる。図2(d)〜(f)に関しても、HP1とHP2の算出方法は図2(b)と同様である。ただし、HPmaxは、図2(d)ではa−Si光導電層の基体側に存在するH/(Si+H)が一定となっている領域のH/(Si+H)の値となり、図2(e)ではHP1と同じ値となり、図2(f)では、a−Si光導電層の最も基体側のH/(Si+H)の値となる。
まず、a−Si光導電層とa−SiC中間層との界面近傍で生じる膜剥がれは、この界面近傍にa−SiC表面層からの高い応力が集中することにより発生する。この膜剥がれが発生する理由は、a−Si光導電層とa−SiC表面層との間にa−SiC中間層を設けたとしても、a−SiC中間層全体でa−SiC表面層から受ける高い応力を吸収することが不十分であるためであると考えられる。そのため、さらに上記膜剥がれを抑制するためには、a−SiC中間層で吸収しきれなかったa−SiC表面層から受ける応力をa−SiC中間層と接しているa−Si光導電層のa−SiC中間層側の領域で吸収し、a−SiC表面層から受ける応力を緩和させることが必要となる。このことから、上記膜剥がれを抑制するためには、a−SiC表面層から受ける応力の緩和に寄与するa−Si光導電層のa−SiC中間層側でのH/(Si+H)、すなわち、第2光導電領域におけるH/(Si+H)の平均値を制御することが必要となる。
そのため、図2(f)に示すように第2光導電領域の一部が所定のH/(Si+H)より小さくても、第2光導電領域全体でのH/(Si+H)の平均値が所定の値を満たせば、a−SiC表面層から受ける高い応力を緩和し、a−Si光導電層とa−SiC中間層との界面近傍での膜剥がれを抑制することができる。
上述したように、HP2を大きくしてケイ素原子間の結合の自由度を上げることで、a−SiC表面層からの高い応力を第2光導電領域とa−SiC中間層とにより緩和するため、a−Si光導電層とa−SiC中間層との界面近傍での膜剥がれが抑制される。
以上のことから、HP2は第2光導電領域におけるH/(Si+H)の平均値であり、HPmaxはa−Si光導電層のH/(Si+H)の層厚方向分布における最大値であり、このHP2およびHPmaxがそれぞれ膜剥がれに対して大きな影響を与える物性値となる。
a−Siにおいては、H/(Si+H)を小さくすると、a−Si中の欠陥を低減することができ、像露光によって生成された光キャリアがa−Si光導電層中の欠陥に補足されにくくなる。そのため、像露光により光キャリアが生成される第2光導電領域においてH/(Si+H)を小さくする、すなわちHP2を小さくすることにより、像露光で生成されたキャリアが欠陥に補足されにくくなり、像露光ゴーストを低減することができる。
逆に、H/(Si+H)を大きくすると、光学的バンドギャップが広がるため、帯電特性が向上する。そのため、像露光による光キャリア生成に寄与しない第1光導電領域のH/(Si+H)、すなわちHP1をHP2よりも大きくすることで帯電特性が向上し、高速な電子写真プロセスにおいても良好な帯電特性を維持することができる。
上述したようにa−Si光導電層の帯電特性の変化は、H/(Si+H)の変化による光学バンドギャップの変化により決まる。そのため、第1光導電領域としての帯電特性は、第1光導電領域全体のHPの平均値により決まることから、第1光導電領域におけるH/(Si+H)の平均値HP1を制御することが必要となる。
本発明において、a−Si光導電層には必要に応じて伝導性を制御するための原子を含有させてもよい。そのとき、伝導性を制御するための原子は、a−Si光導電層の中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよいし、また、層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
伝導性を制御するための原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができる。すなわち、p型伝導性を与える周期表第13族に属する原子(以下、単に「第13族原子」とも表記する)またはn型伝導性を与える周期表第15族に属する原子(以下、単に「第15族原子」とも表記する)を用いることができる。
第13族原子としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)があり、これらの中でも、B、Al、Gaが好適である。第15族原子としては、具体的には、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)があり、これらの中でも、P、Asが好適である。
本発明において、ケイ素原子供給用の原料ガスとしては、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)などのシラン類が好適に使用できる。また、水素(H2)を、上記のガスとともに使用してもよい。
a−Si光導電層のDPを大きくするには、反応容器に供給するSi供給原料ガスが少なくなる方向に、高周波電力が高くなる方向に、反応容器の中の圧力が低くなる方向に、基体温度が高くなる方向に、a−Si光導電層の形成条件を設定すればよい。また、a−Si光導電層のH/(Si+H)を大きくするには、反応容器に供給するSi供給原料ガスが多くなる方向に、反応容器の中の圧力が低くなる方向に、高周波電力が低くなる方向に、基体温度が低くなる方向に、a−Si光導電層の形成条件を設定すればよい。
a−Si光導電層を形成する際には、これらの条件を適宜組み合わせて設定すればよい。
本発明におけるa−SiC中間層は、以下に示す境界により定められた領域とする。
まず、a−Si光導電層とa−SiC中間層の境界は、C/(Si+C)の層厚方向の分布において、a−Si光導電層からa−SiC表面層側の領域で実質的に炭素原子が検出された位置とする。
また、a−SiC表面層とa−SiC中間層の境界は、以下のように決定する。電子写真感光体の最表面側から基体方向に向かうSi+C原子密度の層厚方向の分布において、Si+C原子密度が6.60×1022原子/cm3よりも小さくなる位置の中で最も電子写真感光体の最表面側にある位置とする。
本発明におけるa−SiC中間層は、a−Si光導電層とa−SiC表面層との間に形成されたすべての層である。そのため、a−SiC中間層が複数の層により構成されていてもよい。
本発明の効果を得るにあたって重要なパラメーターがH/(Si+H)の最大値や最小値ではなく、H/(Si+H)の平均値であるのは、上述したHP1、HP2と同様に、a−SiC中間層全体でa−SiC表面層から受ける応力を吸収することが重要であるためである。
また、本発明の効果を得るにあたって重要なパラメーターがC/(Si+C)の最大値や最小値ではなく、C/(Si+C)の平均値であるのも、上述したHMと同様に、a−SiC表面層から受ける応力に対するa−SiC中間層全体での緩和能力が重要なためである。
a−SiC中間層は、高密度なa−SiC表面層との組み合わせにおいて、a−SiC表面層の密着性を向上させ、膜剥がれを抑制するとともに、a−Si光導電層を機械的なストレスから保護して圧傷を防止する機能を有する。
圧傷の原因は、電子写真感光体の表面が機械的なストレスを受けることにより発生すると考えられる。しかし、必ずしも電子写真感光体の表面に傷を伴うものではない。また、一度圧傷が発生した電子写真感光体を、例えば200℃で1時間加熱することで、圧傷が消失する場合も見られる。このため、電子写真感光体の表面そのものではなく、a−SiC表面層を介してa−Si光導電層に過度のストレスが加わったために発生するものと考えられている。本発明においては、a−SiC中間層のSi+C原子密度をa−SiC表面層に比べて小さくすることで、a−SiC表面層が受ける機械的なストレスをa−SiC中間層により効果的に緩和できると推測される。
以上の作用を得るため、本発明の電子写真感光体のa−SiC中間層は、そのDMをa−SiC表面層のDSよりも低くする必要があるが、DMがあまり低くなると、圧傷防止効果が損なわれてくる。そのため、本発明では、上述したa−SiC表面層のDSの範囲に対して、効果の確認されたa−SiC中間層のDMの範囲として5.50以上とすることが好ましい。
本発明において、a−SiC中間層を形成するには、上記のa−SiC表面層を形成する場合と同様の方法が採用でき、層形成条件(成膜条件)を適宜調整することで設定すればよい。
本発明において、a−SiC表面層は、上記数式(1)および上記数式(2)を満たし、CSが0.61以上0.75以下であり、HSが0.20以上0.45以下であり、層厚が0.2μm以上3.0μm以下である。
上述したa−SiC表面層のCSおよびHSの範囲においては、a−SiC表面層の層厚が厚くなるほどa−SiC表面層の内部応力は大きくなると推測される。しかしながら、a−SiC表面層の層厚が0.2μm以上3.0μm以下の範囲においては、上記数式(1)および上記数式(2)を満たせば、上記2つの膜剥がれが生じないことが確認できた。
a−SiC表面層の層厚が薄くなりすぎると、電子写真プロセスにおけるa−SiC表面層の摩耗量を十分に確保することが困難な場合があるため、層厚は0.2μm以上とする。
本発明では、さらに、HSを0.30以上とすることで、高湿流れおよび耐摩耗性を維持しながら、光感度のさらなる向上が可能となる。この理由は、a−SiC表面層においてHSを0.30以上とすることで光学的バンドギャップが広がるためである。これにより、光感度の向上が可能となる。そのため、本発明では、上述したHSの範囲において、さらにHSを0.30以上とすることが好ましい。
a−SiC表面層の形成方法としてプラズマCVD法を選択した場合、a−SiC表面層の形成方法は以下のとおりである。
ケイ素原子供給用の原料ガスと炭素原子供給用の原料ガスとを、内部を減圧にしうる反応容器の中に所望のガス状態で導入し、反応容器の中にグロー放電を生起させる。これによって導入した原料ガスを分解し、a−SiCで構成された層を形成すればよい。
a−SiC表面層のDSを大きくするには、反応容器に供給する全原料ガスの流量が少なくなる方向に、高周波電力が高くなる方向に、反応容器の中の圧力が高くなる方向に、基体温度が高くなる方向に、a−SiC表面層の形成条件を設定すればよい。
また、a−SiC表面層のCSを大きくするには、反応容器に供給する全原料ガスの流量が少なくなる方向に、ケイ素原子供給用の原料ガスが少なくなる方向に、炭素原子供給用の原料ガスが多くなる方向に、高周波電力が高くなる方向に、a−SiC表面層の形成条件を設定すればよい。
さらに、a−SiC表面層のHSを小さくするには、反応容器に供給する全原料ガスの流量が少なくなる方向に、ケイ素原子供給用の原料ガスが少なくなる方向に、炭素原子供給用の原料ガスが少なくなる方向に、高周波電力が高くなる方向に、a−SiC表面層の形成条件を設定すればよい。
a−SiC表面層を形成する際には、これらの条件を適宜組み合わせて設定すればよい。
本発明においては、図1(a)に示すように、基体1001とa−Si光導電層1004との間にa−Siで構成され、炭素原子(C)、窒素原子(N)および酸素原子(O)のうち少なくとも1種の原子を含有する電荷注入阻止層1005を設けることが好ましい。これにより、電子写真感光体1000の製造時に製造装置の中の部材から生じる膜剥がれを抑制することができ、画像欠陥の低減が可能となる。電荷注入阻止層1005に含有されるC、NおよびOのうち少なくとも1種の原子は、電荷注入阻止層1005の中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよいし、また、層厚方向に不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。
電荷注入阻止層1005とa−Si光導電層1004の間では、それぞれの層の組成へと連続的につなぐ、いわゆる変化層を必要に応じて設けてもよい。
本発明において、電子写真感光体1000の製造装置内の部材からの膜剥がれをさらに抑制し、画像欠陥をさらに低減するために、図1(b)に示すように基体1001と電荷注入阻止層1005の間に、水素化アモルファスシリコンナイトライド(以下「a−SiN」とも表記する。)で構成された密着層1006を形成することが好ましい。また、電荷注入阻止層1005を設けない層構成の場合、基体1001と光導電層1004の間に、a−SiNで構成された密着層1006を形成してもよい。
基体の材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンやこれらの合金を用いることができる。これらの中でも、加工性や製造コストの点から、アルミニウムが好ましい。アルミニウムを用いる場合、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金を用いることが好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体を製造する手順を、プラズマCVD法を用いて製造する場合を例にとって、図面を用いて詳細に説明する。
まず、反応容器3110の中に基体3112を設置し、例えば真空ポンプのような排気装置(図示せず)により反応容器3110の中を排気する。続いて、基体加熱用ヒーター3113により基体3112の温度を200〜350℃の所定の温度に制御する。
次に、堆積層形成用の原料ガスを、ガス供給装置3200により流量制御し、反応容器3110の中に導入する。そして、真空計3119の表示を見ながら排気バルブ3118を操作し所定の圧力に設定する。
以上のようにして堆積の準備が完了した後、以下に示す手順で各層の形成を行う。
この放電エネルギーによって反応容器3110の中に導入された各原料ガスが分解され、基体3112の上に所定のケイ素原子を主成分とする堆積層が形成される。所望の層厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、ガス供給装置3200の各バルブを閉じて反応容器3110への各原料ガスの流入を止め、堆積層の形成を終える。
同様の操作を、原料ガスの流量、圧力、高周波電力などの条件を変えながら複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の電子写真感光体が製造される。
また、層形成の均一化を図るために、層形成を行っている間は、基体3112を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。
すべての層形成が終わったのち、リークバルブ3117を開き、反応容器3110の中を大気圧として、基体3112を取り出す。
次に、図4を用いてa−Si感光体を用いた電子写真装置による画像形成方法を説明する。
まず、電子写真感光体4001を回転させ、電子写真感光体4001の表面を主帯電器4002により均一に帯電させる。その後、像露光光源4006により電子写真感光体4001の表面に像露光光を照射し、電子写真感光体4001の表面に静電潜像を形成した後、現像器4012より供給されるトナーを用いて現像を行う。この結果、電子写真感光体4001の表面にトナー像が形成される。そして、このトナー像を転写帯電器4004により転写材4010に転写し、電子写真感光体4001から分離帯電器4005により転写材4010を分離して、定着手段(不図示)によりトナー像を転写材に定着させる。
一方、トナー像が転写された電子写真感光体4001の表面に残留するトナーをクリーナー4009により除去し、その後、電子写真感光体4001の表面を露光することにより電子写真感光体4001中の静電潜像時の残キャリアを除電する。この一連のプロセスを繰り返すことで連続して画像形成が行われる。なお、4003は除電器であり、4007はマグネットローラーであり、4008はクリーニングブレードであり、4011は搬送手段である。
<実験例1>
図3に示すRF帯の高周波電源を用いたプラズマ処理装置を用いて、円筒状基体(直径80mm、長さ358mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム基体)の上に電子写真感光体サンプルを作製した。
その際の、電荷注入阻止層の形成条件を下記表1に、光導電層の形成条件を下記表2に、中間層の形成条件を下記表3に、表面層の形成条件を下記表4に、作製した電子写真感光体サンプルの積層条件を下記表5に示す。また、下記表5に示す電子写真感光体の層構成に関しては、実質的に電荷注入阻止層と光導電層、光導電層と中間層、中間層と表面層の間の層厚が0μmとなるように、高周波電力、SiH4流量、CH4流量、内圧を切り替えて形成した。さらに、表2に示す光導電層成膜条件No.P12は周波数として40MHzの高周波電源を、光導電層成膜条件No.P13は周波数として400kHzの高周波電源を用いて形成した。電子写真感光体サンプルの作製時には、電荷注入阻止層をRF帯の高周波電源を用いて作製した後、高周波電源を切り替えて光導電層を形成した。
実験例1により作製したサンプル条件No.サ1〜サ15を用いて、光導電層におけるSi原子密度、H原子密度およびH/(Si+H)を後述の分析方法により求めた。また、実験例1により作製したサンプル条件No.サ16〜サ24を用いて、中間層におけるC/(Si+C)、H/(Si+C+H)、Si+C原子密度を後述の分析方法により求めた。さらに、実験例1により作製したサンプル条件No.サ25〜サ44を用いて、表面層におけるC/(Si+C)、H/(Si+C+H)およびSi+C原子密度を後述の分析方法により求めた。これら結果を表6に示す。
実験例1のサンプル条件No.サ1〜サ15により作製した電子写真感光体サンプルの任意の周方向における長手方向の中央部を15mm四方の正方形で切り出し、測定用試料を作製した。そして、測定用試料をRBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、RBSの測定面積における光導電層中のケイ素原子の原子数の深さ方向測定を行った。
RBSと同時に、上述した測定用試料をHFS(水素前方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、HFSの測定面積における水素原子の原子数の深さ方向測定を行った。
光導電層におけるH/(Si+H)の算出方法と同様にして、実験例1のサンプル条件No.サ16〜サ24により作製した電子写真感光体から中間層におけるH/(Si+C+H)を求めた。ただし、中間層におけるH/(Si+C+H)を算出するために、RBSにより測定面積における中間層中のケイ素原子の原子数および炭素原子の原子数の深さ方向測定を行った。そして、RBSの測定面積から求めたケイ素原子の原子数および炭素原子の原子数とHFSの測定面積から求めた水素原子の原子数とを用いて中間層におけるH/(Si+C+H)を算出した。また、中間層におけるC/(Si+C)は、RBSにより測定面積における中間層中のケイ素原子の原子数および炭素原子の原子数の深さ方向測定からえられたRBSの測定面積から求めたケイ素原子の原子数および炭素原子の原子数を用いて算出した。
なお、RBSおよびHFSの具体的な測定条件は、入射イオン:4He+、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:35nA、入射ビーム経:1mmとした。RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mm、HFSの検出器は、反跳角:30°、アパーチャ径:8mm+Slitにより測定を行った。
H/(Si+H)の測定、C/(Si+C)の測定およびH/(Si+C+H)の測定で用いた測定用試料を縦3mm、横3mm、高さ1mmに切り出した。この切り出した測定用試料を、FIB(日立ハイテクノロジーズ製:FB−2100)を用いて、幅20〜30μm、厚さ0.05μm〜0.15μm、深さ(層厚方向)45μm〜50μmに薄片加工した。次に、この薄片加工した測定用試料を透過型電子顕微鏡:TEM(日立ハイテクノロジーズ製:H−7500形)により層厚方向に垂直な方向から観察した。得られた透過像から、実験例1のサンプル条件No.サ1〜サ15からは光導電層、実験例1のサンプル条件No.サ16〜サ24からは中間層、実験例1のサンプル条件No.サ25〜サ44からは表面層の層厚を算出した。
上述したH/(Si+H)の測定により得られたRBSの測定面積から求めたケイ素原子の原子数とHFSの測定面積から求めた水素原子の原子数と、上述した層厚測定により求めた光導電層の層厚を用いて、光導電層のSi原子密度およびH原子密度を求めた。
また、上述したC/(Si+C)およびH/(Si+C+H)の測定により得られたRBSの測定面積から求めたケイ素原子および炭素原子の原子数と、上述した層厚測定により求めた中間層および表面層の層厚を用いて、中間層および表面層のSi原子密度、C原子密度およびSi+C原子密度を求めた。
まず、電荷注入阻止層および光導電層のみを形成したリファレンス電子写真感光体を作製し、任意の周方向における長手方向の中央部を15mm四方の正方形で切り出し、リファレンス試料を作製した。
次に、電荷注入阻止層、光導電層および表面層を形成した電子写真感光体を同様に切り出し、測定用試料を作製した。
リファレンス試料と測定用試料を分光エリプソメトリー(J.A.Woollam社製:高速分光エリプソメトリー M−2000)により測定し、表面層の膜厚を求めた。
分光エリプソメトリーの具体的な測定条件は、入射角:60°、65°、70°、測定波長:195nmから700nm、ビーム径:1mm×2mmである。
まず、リファレンス試料を分光エリプソメトリーにより各入射角で波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を求めた。
次に、リファレンス試料の測定結果をリファレンスとして、測定用試料をリファレンス試料と同様に分光エリプソメトリーにより各入射角で波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を求めた。
さらに、電荷注入阻止層および光導電層、表面層を順次形成し、最表面に表面層と空気層とが共存する粗さ層を有する層構成を計算モデルとして用いて、解析ソフトにより粗さ層の表面層と空気層の体積比を変化させて、各入射角における波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を計算により求めた。そして、各入射角における上記計算により求めた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係と測定用試料を測定して求めた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係との平均二乗誤差が最小となるときの計算モデルを選択した。この選択した計算モデルにより表面層の膜厚を算出し、得られた値を表面層の膜厚とした。なお、解析ソフトはJ.A.Woollam社製のWVASE32を用いた。また、粗さ層の表面層と空気層の体積比に関しては、表面層:空気層を10:0から1:9まで粗さ層における空気層の比率を1ずつ変化させて計算をした。本実施例の各成膜条件で作製されたプラス帯電用a−Si感光体においては、粗さ層の表面層と空気層の体積比が8:2のときに計算によって求められた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係と測定して求められた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係との平均二乗誤差が最小となった。
RBSと同時に、上記測定用試料をHFS(水素前方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、HFSの測定面積における表面層中の水素原子の原子数を測定した。HFSの測定面積から求めた水素原子の原子数と、RBSの測定面積から求めたケイ素原子の原子数および炭素原子の原子数により、H/(Si+C+H)を求めた。次に、HFS測定面積から求めた水素原子数に対し、分光エリプソメトリーにより求めた表面層の膜厚を用いて、H原子密度を求めた。
RBSおよびHFSの具体的な測定条件は、入射イオン:4He+、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:35nA、入射ビーム経:1mmである。また、RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mm、HFSの検出器は、反跳角:30°、アパーチャ径:8mm+Slitで測定を行った。
実験例1と同様に、円筒状基体の上に上記表1に示す電荷注入阻止層を形成した後、下記表7〜15の条件によりプラス帯電用a−Si感光体を作製した。
なお、電子写真感光体は、各成膜条件(層形成条件)で2本ずつ作製した。
なお、実施例7では、DSおよび光導電層におけるH/(Si+H)を成膜条件No.20と同じとし、DP、光導電層中のホウ素量、CM、HM、中間層の層厚、CS、HS、表面層の層厚を変更した電子写真感光体を作製し、各々の電子写真感光体について評価を行った。DPの差による効果の差を確認した電子写真感光体が成膜条件No.23、24、光導電層の中に含有されるホウ素量の差による効果の差を確認したのが成膜条件No.25、26である。
DSと光導電層におけるH/(Si+H)を成膜条件No.11と同じとした場合、成膜条件No.12と同じとした場合、成膜条件No.14と同じとした場合についても同様の電子写真感光体の作製、および評価を行った。DSと光導電層におけるH/(Si+H)を成膜条件No.11と同じとして作製した電子写真感光体の成膜条件をNo.50〜62とし、それらの評価結果を表24に示す。DSと光導電層におけるH/(Si+H)を成膜条件No.12と同じとして作製した電子写真感光体の成膜条件をNo.63〜75とし、それらの評価結果を表25に示す。DSと光導電層におけるH/(Si+H)を成膜条件No.14と同じとして作製した電子写真感光体の成膜条件をNo.76〜88とし、それらの評価結果を表26に示す。
電子写真感光体の表面にカッターナイフを用いて、50mm×50mmの範囲内に約0.3〜0.5mm幅の傷をつけ、5mm間隔で100個の升目を描いたクロスハッチパターンを作製する。このとき作製した傷は、基体まで到達させるように傷をつけた。このクロスハッチパターンを、電子写真感光体の周方向、軸方向にランダムに12箇所描いたものを膜剥がれ評価用の電子写真感光体とした。
膜剥がれ評価用の電子写真感光体を、温度20℃、相対湿度50%に保たれた環境下に1時間放置した後、−50℃まで温度を下げ、その環境下に12時間放置した。12時間放置後、直ちに、温度30℃、相対湿度80%に保たれた環境下に膜剥がれ評価用の電子写真感光体を移し2時間放置した。上記のサイクルを5回繰り替えした後、次に同じ膜剥がれ評価用の電子写真感光体を温度25℃の水道水の中に入れ、5日間放置した。
以上の評価において、B評価以上であれば、輸送状態も含めた電子写真感光体の使用状況において、膜剥がれのリスクは大幅に低減され、さらにA評価では、膜剥がれリスクはほとんど生じないと考えられる。
高湿流れ評価で使用した電子写真装置は、図4に示す構成の電子写真装置を準備した。より具体的には、キヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「iR−5065」(商品名)である。
上記電子写真装置に作製した電子写真感光体を設置し、温度25℃、相対湿度75%の高湿環境下で連続通紙試験前のA3文字チャート(4pt、印字率4%)の画像を出力した。このとき、感光体用ヒーターをONにする条件で実施した。
連続通紙試験前の画像出力後、連続通紙試験を実施した。連続通紙試験時は、電子写真装置を稼働して連続通紙試験を実施している間および電子写真装置を停止している間を通じて常に感光体用ヒーターをOFFにする条件で実施した。
15時間後、感光体用ヒーターをOFFのまま立ち上げ、A3文字チャート(4pt、印字率4%)の画像を出力した。連続通紙試験前に出力した画像と連続通紙試験後に出力した画像とを、それぞれキヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「iRC−5870」(商品名)を用いて、モノクロ300dpiの2値の条件でPDFファイルに電子化した。電子化した画像をAdobe製の画像編集ソフト「Adobe Photoshop」(商品名)を用いて、電子写真感光体1周分の画像領域(251.3mm×273mm)の黒比率を測定した。次に、連続通紙耐久前に出力した画像に対する連続通紙試験後に出力した画像の黒比率の比率を求め、高湿流れの評価を行った。
高湿流れの評価において、連続通紙試験前の画像に対する連続通紙試験後に出力した画像の黒比率が95%以上105%以下をA、90%以上95%未満をB、85%以上90%未満をC、80%以上85%未満をD、70%以上80%未満をE、70%未満をFとした。なお、高湿流れ評価に対して、D以上で本発明の効果が得られていると判断した。
耐摩耗性の評価方法は、作製直後の電子写真感光体の表面層の層厚を電子写真感光体の任意の周方向で長手方向9点(電子写真感光体の長手方向中央を基準として、0mm、±50mm、±90mm、±130mm、±150mm)、および、上記任意の周方向から180°回転させた位置での長手方向9点、合計18点を測定し、その18点の平均値により算出した。
測定方法は、2mmのスポット径で電子写真感光体の表面に垂直に光を照射し、分光計(大塚電子製:MCPD−2000)を用いて、反射光の分光測定を行った。得られた反射波形をもとに表面層の層厚を算出した。このとき、波長範囲を500nmから750nm、光導電層の屈折率は3.30とし、表面層の屈折率は上述したSi+C原子密度測定の際に行った分光エリプソメトリーの測定より求まる値を用いた。
耐摩耗性評価において、成膜条件No.88の電子写真感光体の表面層の平均層厚の差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体の表面層の平均層厚の差分の比率が60%以下をA、60%より大きく70%以下をB、70%より大きく80%以下をC、80%より大きく90%以下をD、90%より大きく100%未満をE、100%以上をFとした。なお、耐摩耗性評価に対して、D以上で本発明の効果が得られていると判断した。
また、HPmaxを前記数式(2)の上限値以下とすることで、光導電層が破壊されることにより生じる膜剥がれに対する高い抑制効果が得られることが確認できた。そして、HPmaxを0.31以下とすることで、光導電層の破壊による膜剥がれに対するより高い抑制効果が得られることが確認できた。
また、表16および表17の結果より、HP2を、前記数式(1)を満たす範囲とすることにより、光導電層と中間層との界面近傍での膜剥がれに対する高い抑制効果が得られることが確認できた。
以上、表16〜表19の結果より、DSを6.60以上とし、さらに、HP2とDSが前記数式(1)および前記数式(2)を満たすことにより、耐高湿流れ性および耐摩耗性に優れ、さらに、急激な環境の変化による膜剥がれに対する耐性に優れた電子写真感光体を作製することができることが確認できた。
また、表16、表17および表20の結果より、HP2を、前記数式(3)を満たす範囲とすることにより、光導電層と中間層との界面近傍での膜剥がれに対するさらに高い抑制効果が得られることが確認できた。
また、表16、表18および表21の結果より、HPmaxを0.31以下とすることにより、光導電層の破壊による膜剥がれに対するさらに高い抑制効果が得られることが確認できた。
以下の条件とは、次のとおりである。DSが6.60で、かつ前記数式(3)を満たすDSおよびHP2において、DPが4.20以上4.80以下。光導電層中のホウ素量が0以上1ppm以下、中間層の層厚が0.1μm以上1.0μm以下、CMが0.25以上0.9×CS以下、HMが0.20以上0.45以下。表面層の層厚が0.2μm以上3.0μm以下、CSが0.61以上0.75以下、HSが0.20以上0.45以下。
以下の条件とは、次のとおりである。CMの平均値が0.25以上0.9×CS以下、HMの平均値が0.20以上0.45以下、DMの平均値が6.60よりも小さい。
以下の条件とは、次のとおりである。DSが6.60で、かつ、前記数式(1)を満たすDSおよびHP2において、DPが4.20以上4.80以下、光導電層中のホウ素量が0以上1ppm以下。中間層の層厚が0.1μm以上1.0μm以下、CMが0.25以上0.9×CS以下、HMが0.20以上0.45以下。表面層の層厚が0.2μm以上3.0μm以下、CSが0.61以上0.75以下、HSが0.20以上0.45以下。
以下の効果とは、次のとおりである。光導電層と中間層との界面近傍における膜剥がれおよび光導電層の破壊による膜剥がれの両方に対して、DP、光導電層中のホウ素量、CM、HM、中間層の層厚、CS、HS、表面層の層厚によらず同等の効果が得られる。
以下の効果とは、次のとおりである。耐高湿流れ性、耐摩耗性および光導電層と中間層との界面近傍における膜剥がれおよび光導電層の破壊による膜剥がれの両方に対して、DP、光導電層中のホウ素量、CM、HM、中間層の層厚、CS、HS、表面層の層厚によらず同等の効果が得られる。
以下の効果とは、次のとおりである。光導電層と中間層との界面近傍における膜剥がれおよび光導電層の破壊による膜剥がれの両方に対して、DP、光導電層中のホウ素量、CM、HM、中間層の層厚、CS、HS、表面層の層厚によらず同等の効果が得られる。
実験例1と同様に、円筒状基体の上に下記表28〜表33の条件によりプラス帯電用a−Si感光体を作製した。その際、密着層および電荷注入阻止層は下記表27に示す条件とした。
なお、電子写真感光体の作製本数は、各成膜条件(層形成条件)で2本ずつ作製した。
感度評価には、主帯電器のワイヤーおよびグリッドにそれぞれ高圧電源を接続したキヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「iR−5065」(商品名)の改造機を用いた。
作製した電子写真感光体を上述の電子写真装置に設置した。その後、像露光を照射していない状態で、グリッド電位を820Vとし、主帯電器のワイヤーへ供給する電流を調整して現像器の位置の電子写真感光体の長手方向中央での電子写真感光体の表面電位が400Vとなるように設定した。
次に、先に設定した帯電条件で帯電させた状態で、像露光を連続的に照射し、その照射エネルギーを調整することにより、現像器の位置の平均電位を100Vとした。その際の照射エネルギーを用いて評価した。
感度の評価について、成膜条件No.94の電子写真感光体での照射エネルギーに対する照射エネルギーの比が1.10未満をAとし、1.10以上1.15未満をBとし、1.15以上をCとした。
表面性試験装置(HEIDON社製:HEIDON−14)を用いて、0.4mmの曲率半径を有するダイヤモンド針に一定の荷重を加えて電子写真感光体の表面に接触させた。
この状態でダイヤモンド針を電子写真感光体の母線方向(長手方向)に50mm/分の一定速度で移動させた。移動距離は任意に設定できるが、ここでは10mmとした。
この操作を、電子写真感光体上の針を接触させる部位を変えながら、ダイヤモンド針に加える荷重を50gから5gずつ増やして繰り返した。
こうして表面性試験を行った電子写真感光体の表面を顕微鏡で観察し、引っかき傷が無いことを確認した。その後、キヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「iR−5065」(商品名)に設置し、ハーフトーンが印刷された原稿を用いて、反射濃度が0.5となる画像を出力した。
圧傷の評価において、成膜条件No.89での最低の荷重に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体での最低の荷重の比が0.60以上をA、0.60未満をBとした。
帯電能の評価には、キヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「iR−5065」(商品名)の改造機を用いた。この電子写真装置は、主帯電器のワイヤーおよび波長630nmの前露光LEDに外部電源を接続した。また、グリッド用のワイヤーを除去した主帯電器を用いた。
この電子写真装置を、温度25℃、相対湿度50%の環境下に設置し、感光体用ヒーターをONとした。また、前露光LEDに接続されている外部電源により、前露光LEDから出力される光量を所定の値に調整した。
電子写真感光体の帯電能が低い場合、主帯電器のワイヤーに印加される電流を一定とすると、表面電位は低下する。よって、表面電位が高いほど帯電能が良好となるため、この評価においては、数値が大きいほど帯電能に対して良好である。
帯電能の評価について、成膜条件No.88の電子写真感光体での表面電位に対する表面電位の比が1.30以上をA、1.15以上1.30未満をB、1.15未満をCとした。
ゴーストの評価は、帯電能評価と同じ評価用の改造機を用いて行った。この電子写真装置は、主帯電器のワイヤー、グリッドおよび波長630nmの前露光LEDに不図示の外部電源が接続されている。
まず、前露光LEDに接続されている外部電源により、前露光LEDから出力される光量を所定の光量となるように調整した。
次に、作製した電子写真感光体を上述の電子写真装置に設置した後、現像器の位置に電位センサーを電子写真感光体長手方向中央位置に相当する場所に設置した。次に、上述の条件にて前露光を点灯させて、像露光光源をOFFにしてグリッド電位を820Vとし、主帯電器のワイヤーに供給する電流を調整して現像器の位置での電子写真感光体の表面電位が+400Vとなるように設定した。次いで、像露光光源から像露光を照射し、その照射エネルギーを調整することにより現像器の位置での電位を100Vとした。その後、電位センサーを取り出し、現像器を設置した。
テストチャートを用い、テストチャート左端側を原稿先端として原稿台に置き、現像バイアスを調整して、出力された画像におけるテストチャートのHT部の反射濃度が0.4となるように設定した。その状態でA3の電子写真画像を出力し、出力された画像の反射濃度を測定した。
測定位置は、A3の画像短辺の中央位置で、A3の画像左端から291mm位置(上述の黒色四角の中心から電子写真感光体の1周分離れた位置)を基準位置とし、基準位置と比較位置(基準位置に対してA3の画像短辺方向±30mm、長辺方向±30mmの4点)の合計5点である。次に、4点の比較位置で測定した反射濃度の平均値Gを求めた。反射濃度の測定は、反射濃度計(X−Rite Inc製:504分光濃度計)を用いて測定した。
ゴーストが発生した場合、前記比較位置での反射濃度の平均値Gよりも基準位置での反射濃度Fが高くなる。よって、この評価においては、数値が小さいほどゴーストに対して良好である。
ゴーストの評価について、上記(│F−G│)の値が成膜条件No.115の電子写真感光体に対して0.8未満をAとし、0.8以上1.0未満をBとした。
画像欠陥の評価は、画像欠陥の原因となる電子写真感光体に形成された異常成長部の数を測定することにより行った。作製した電子写真感光体をラインセンサーCCD(竹中システム機器株式会社製 TL−7400CL)を用いて、電子写真感光体の全面についてスキャンを行い、長径10μm以上の異常成長部の数を測定した。
「成膜条件No.102の電子写真感光体に形成された異常成長部の数」に対する「各成膜条件により作製した電子写真感光体に形成された異常成長部の数」の比を求め比較した。
画像欠陥の評価について、成膜条件No.102の電子写真感光体での異常成長部の数に対する異常成長部の数の比が0.10未満をAとし、0.10以上0.50未満をBとし、0.50以上をCとした。
以上の評価結果を各層の分析結果とともに表34〜表39に示す。
また、表38より、基体と光導電層の間にC、N、およびOのうち少なくとも1種の原子を含有させた電荷注入阻止層を形成することにより、画像欠陥が低減することが確認できた。また、基体と光導電層の間に水素化アモルファスSiNで構成された密着層を形成することでも画像欠陥が低減することが確認できた。さらに、基体と光導電層の間に水素化アモルファスSiNで構成された密着層と、C、N、またはOの少なくとも1種の原子を含有させた電荷注入阻止層とを順次形成することにより、さらに画像欠陥が低減することが確認できた。
成膜条件No.108に関して、二次イオン質量分析法(アルバック・ファイ製:Model 6650)を用いて光導電層中のH原子密度の層厚方向分布を確認した。その結果、光導電層の基体側から中間層側に向かってH原子密度が連続的に減少していることが確認された。さらに、成膜条件No.108の電子写真感光体を最表面から研磨し、光導電層の層厚が0.5μm、7μm、14μm、20μm、26μm、33μmおよび40μmとなる7種類のサンプルを作製した。そして、上述したH/(Si+C+H)の測定と同様に上述の光導電層の層厚でのH/(Si+H)を測定した。そして、上述の光導電層の層厚でのH原子密度およびH/(Si+H)よりSi原子密度を算出した。その結果、成膜条件No.108での光導電層の最も基体側はサンプル条件No.P9、光導電層の層厚20μmではサンプル条件No.P6、光導電層の最も中間層側はサンプル条件No.P3と同じa−Si膜が形成されていることが確認できた。また、光導電層の基体側から20μmおよび20μmから40μmの間の領域では、Si原子密度およびH/(Si+H)が直線的に変化していることが確認できた。そして、これら結果より算出した第1光導電領域でのDP、HP1、第2光導電領域でのDP、HP2およびHPmaxを表39に示している。
以下の条件とは、次のとおりである。光導電層の層厚方向中央位置より中間層側でのH/(Si+H)の平均値をHP2としたとき、HP2が前記数式(1)を満たし、HPmaxが前記数式(2)を満たす。
また、表39の結果より、光導電層の層厚方向中央位置より基体側のHP1よりも層厚方向中央位置より中間層側のHP2を小さくすることにより、帯電特性を維持しつつゴーストが良好となることが確認できた。
1001 基体
1002 表面層
1003 中間層
1004 光導電層
1005 電荷注入阻止層
1006 密着層
Claims (9)
- 基体と、該基体上の水素化アモルファスシリコンで構成された光導電層と、該光導電層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された中間層と、該中間層上の水素化アモルファスシリコンカーバイドで構成された表面層とを有する電子写真感光体において、
該表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))をCSとしたとき、該CSが0.61以上0.75以下であり、
該表面層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)と水素原子の原子数(H)との和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(Si+C+H))をHSとしたとき、該HSが0.20以上0.45以下であり、
該表面層の層厚が0.2μm以上3.0μm以下であり、
該中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))をCMとしたとき、該CMが0.25以上0.9×CS以下であり、
該中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)と水素原子の原子数(H)との和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(Si+C+H))をHMとしたとき、該HMが0.20以上0.45以下であり、
該中間層の層厚が0.1μm以上1.0μm以下であり、
該表面層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和をDS×1022原子/cm3としたとき、該DSが6.60以上であり、
該中間層におけるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和をDM×1022原子/cm3としたとき、該DMが6.60よりも小さく、
該光導電層におけるケイ素原子の原子密度をDP×1022原子/cm3としたとき、該DPが4.20以上4.80以下であり、
該光導電層の層厚方向の水素量分布におけるケイ素原子の原子数(Si)と水素原子の原子数(H)の和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(Si+H))の最大値をHPmaxとしたとき、該DSと該HPmaxが下記数式(2)を満たし、
該光導電層の層厚方向の中央位置より該中間層側でのケイ素原子の原子数(Si)と水素原子の原子数(H)の和に対する水素原子の原子数(H)の比(H/(Si+H))をHP2としたとき、該DSと該HP2が下記数式(1)を満たす
ことを特徴とする電子写真感光体。
数式(1) HP2≧0.07×DS−0.38
数式(2) HPmax≦−0.04×DS+0.60 - 前記HPmaxが0.31以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記DSと前記HP2が下記数式(3)を満たす請求項1または2に記載の電子写真感光体。
数式(3) HP2≧0.08×DS−0.41 - 前記DSが6.81以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記光導電層の層厚方向の中央位置より前記基体側でのケイ素原子の原子数(Si)と水素原子の原子数(H)の和に対する水素原子の原子数(H)の比をHP1としたとき、該HP1よりも前記HP2の方が小さい請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記光導電層の層厚が40μm以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電子写真感光体が、前記基体と前記光導電層の間に水素化アモルファスシリコンで構成された電荷注入阻止層をさらに有し、該電荷注入阻止層が、炭素原子、窒素原子および酸素原子のうち少なくとも1種の原子を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電子写真感光体が、前記基体上に水素化アモルファスシリコンナイトライドで構成された密着層をさらに有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、主帯電器、像露光光源および現像器を有する電子写真装置。
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