JP2010102131A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性向上のために表面層を厚くしても、初期の残留電位が低く、感度が良好で、長期使用においても残留電位や感度の変動が起こらない感光体と画像形成方法の組合せを提供する。
【解決手段】感光体を帯電する帯電工程、露光により前記感光体上に静電潜像を形成する像露光工程、前記静電潜像にトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を感光体から記録材上に転写する転写工程、クリーニングブレードを用いて前記感光体表面をクリーニングするクリーニング工程、前記感光体表面の除電を行う除電工程を有する画像形成方法において、前記像露光工程がバックグラウンド露光法を用いており、前記現像工程において使用するトナーが負帯電性トナーであり、前記感光体が窒化ケイ素を母体とする表面層を持ち、前記帯電工程及び前記転写工程において、感光体表面への電荷を付与する各手段の極性が、全て正である。
【選択図】図3

Description

本発明は画像形成方法に関する。特に波長が600〜700nm程度の波長の光を殆ど透過する窒化ケイ素系の表面層をもつ感光体を用いたプリンタ、ファクシミリ、複写機の如き画像形成方法に関する。
像形成分野において、感光体における光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有することが望ましい。他にも、例えば光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、以上のような特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される電子写真装置内に組み込まれる感光体(電子写真感光体)の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点である。
この様な点に優れた性質を示す光導電材料にアモルファスシリコン(以下、a−Siと略記することもある)があり、電子写真感光体の光受容部材として注目されている。
このような感光体は、一般的には、導電性基体を50℃〜350℃に加熱し、該基体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法、光CVD法、プラズマCVD法が如き成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、基体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
例えば、基板上にアモルファスシリコン感光層、p型アモルファスシリコン層及び表面保護層を有するアモルファスシリコン電子写真感光体において、各層のフェルミ準位に対する伝導帯の底部の高さを規定し、表面保護層の厚みを500〜10000Åとした電子写真感光体が知られている。更にこの電子写真感光体の表面保護層が、組成比Si/Nを0.75〜10の範囲としたアモルファス窒化ケイ素で構成された電子写真感光体が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、導電性基体上にa−Siからなる光導電層とアモルファス窒化ケイ素からなる表面層を有する電子写真感光体において、感光体の最表面におけるN/Siの元素組成比が0.8〜1.33の範囲で、O/Siの元素組成比が0〜0.9の範囲にあることを特徴とする電子写真感光体が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、導電性基体と、電荷注入防止層と、非晶質炭化ケイ素からなる第1の光導電層と、非晶質シリコンからなる第2の光導電層とを有し、膜厚が0.05μm以上5μm以下の表面被覆層をもつ光導電部材が知られている(例えば特許文献3参照)。
これらの技術により、電子写真感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
特開平6−342221号公報 特開平8−171220号公報 特公平7−060271号公報
従来のa−Si系電子写真感光体は、暗抵抗値、光感度、光応答性の如き電気的、光学的、光導電特性、及び使用環境特性の点、さらには経時安定性および耐久性の点において、各々個々には特性の向上が図られている。しかし、総合的な特性向上を図る上でさらに改良される余地が存在するのが実状である。
特に、近年急速にデジタル化、カラー化へのシフトが進み、電子写真装置の高画質化への要求は以前に増して高まっている。ここでいう高画質とは、高解像であること、高精細であること、濃度ムラがないこと、画像欠陥(例えば白抜けや黒点)がないことを指している。加えて、高速化、高耐久化への要求も急速に増している。特に軽印刷分野においても電子写真技術が活用されるようになってきており、何千部、何万部という大量の印刷時に最初と最後で印刷品質が変わらない安定性が求められるようになってきた。そこで、電子写真感光体においては電気的特性や光導電特性の向上、均一性や画像欠陥低減の向上とともに、耐久性や耐環境性(温度・湿度変化追従性)も含めて大幅に性能を延ばすことが求められている。
例えば、大量印刷により、電子写真感光体が摺擦され、微小ながら電子写真感光体の表面層が磨耗すると、電子写真感光体の感度が微妙に変化してしまう。このことにより、画像の濃度が微妙に変化してしまう可能性が考えられる。このような変化に対しては、適宜キャリブレーションを行う事により防止が出来るものの、大量印刷時には生産性を犠牲にしてしまう可能性もあり、印刷品質と生産性を両立することが難しい場合があった。また、例えば偏摩耗が発生した場合、表面層の膜厚にムラが生じ、感光体の感度差が生じる可能性があった。この場合、画像には濃度差となって顕在化する可能性があった。軽印刷の分野では、成果物が商品となる場合が多く、このような微妙な濃度差が問題となる場合が生じてきた。
また、表面層の摺擦を考えると、長寿命というa−Si系感光体の特性を十分に生かしきるためには、ある程度以上の膜厚が必要である。従来表面層に好適に用いられてきたアモルファス炭化ケイ素(以下、a−SiCと略記することもある)系材料の場合、波長が600〜700nm付近の赤色レーザーを使い、厚さ800nm程度の表面層を用いたとき、透過性は70〜90%程度と比較的良好であり好適に使用されてきた。しかし、更なる長寿命を実現する為には表面層を今以上に厚くする必要があり、これ以上厚くすると感度の低下、残留電位の発生、部分的に磨耗した際の感度差の発生といった問題点が予想される。よって、透過率が100%に近く、厚くした場合でも残留電位が低い材料が望まれてきた。
これらの材料に対して、アモルファス窒化ケイ素(以下、a−SiNと略記することもある)系材料を用いた場合、条件を最適化することにより波長600〜700nm付近の吸収をほぼゼロにまで下げられることが判っていた。しかしそのような膜は感光体の表面層としては使用が難しく、これまでなかなか実用化されていなかった。特に、吸収がほぼゼロで、表面層として理想的なa−SiN膜では、長期間の使用により若干ながら残留電位が増加していく現象が見られることが判った。この現象は、特に負に帯電した際に起きていることも判った。これまで、このような若干の残留電位上昇は問題とならないレベルであったが、前述した感度に対する問題と同様に、軽印刷の分野では安定性が非常に重要であり、軽微な残留電位の変動も無視できない状況となってきた。
以上に説明したように、波長が600〜700nm付近の光に対する吸収がほぼゼロである膜であって、且つ、以下の電子写真特性を満たす感光体が望まれてきた。特に膜厚を増やす事による初期の残留電位が低く、また長期間使用時に発生する残留電位の上昇もなく、好適に使用可能な表面層材料が求められ、そのような感光体を用いた適切な画像形成方法が望まれてきた。
本発明者らは上記の諸問題を解決し、高画質、高耐久、高速の複写プロセスを実現すべく鋭意検討を行った。まず感光体としては、長寿命を達成する為に表面層を厚くした場合でも実質的な感度低下がなく、初期の残留電位が低く、経時的な残留電位の上昇もない感光体を検討した。また、これと合わせて、この感光体を最大限に活用できる複写プロセスについても鋭意検討した。すると、表面層として作成条件を最適化したa−SiN系材料を採用し、加えて画像形成条件、感光体周囲の帯電プロセスを見直すことで、上記の目的を良好に達成しうることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の画像形成方法は、感光体を帯電する帯電工程、露光により前記感光体上に静電潜像を形成する像露光工程、前記静電潜像にトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を感光体から記録材上に転写する転写工程、クリーニングブレードを用いて前記感光体表面をクリーニングするクリーニング工程、前記感光体表面の除電を行う除電工程を有する画像形成方法において、
前記像露光工程がバックグラウンド露光法を用いており、
前記現像工程において使用するトナーが負帯電性トナーであり、
前記感光体が窒化ケイ素を母体とする表面層を持ち、
前記帯電工程及び前記転写工程において、感光体表面への電荷を付与する各手段の極性が、全て正であることを特徴とする。
本発明によれば、表面層を厚膜化しても光の吸収を最小限にとどめ、長期間の使用においても感度変化が起こらない。また、残留電位が低く経時的な変化も起こさず、その他の電子写真特性に関しても極めて良好にすることが可能な画像形成方法を提供できる。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討を行った。すると、特定の条件で作成したアモルファス窒化ケイ素(a−SiN)系表面層を設け、バックグラウンド露光法(BAE法)と負帯電性トナーとを組合せ、且つ帯電工程において負電荷を感光体に与えない構成とすることにより、良好な電子写真特性を保つことが可能であることを見出し、本発明に至った。
このような本発明の実施の形態について、以下に詳述する。
本発明者らはまず特許文献2にあるような従来の方法により、表面層として好適なa−SiN:H系材料の薄膜を作成した。これらの公知の方法で作成した膜は、a−SiC系の膜と同程度か、若干よい程度の吸収があり、厚膜化した際には吸収量が大きくなってしまったり、感度が不十分であったり磨耗ムラの影響があることがわかった。また、初期の残留電位に関しても、厚膜化することで若干生じてしまう事が判った。
その後検討を重ねるうち、a−SiNを母体としながら、少量の酸素を添加しつつ適切な窒素濃度に設定することで、600〜700nmの波長域における吸収と残留電位とをほぼゼロに抑えられることが分かった。具体的には、原料ガス種、原料ガスの流量とそれらの比率、投入電力とガス量に対する比の如き条件を適切に定める必要があり、これらが特定の範囲に入ったとき、初めて吸収が殆どなく、残留電位が低く、特性が良好な膜が得られることが判った。
ここで、吸収が少ない膜とは、定量的に表すとすれば、例えば波長650nmにおける吸収係数が好ましくは100cm−1以下、最適には30cm−1以下であることを指している。ここで、吸収係数α(cm−1)とは、入射光の光量をT、透過光の光量をT、膜厚をt(cm)としたとき、下記(1)式のように表すことが出来る。
α=−(ln(T/T))/t (1)
このような条件で作成した膜を、最表面の影響を取り除いた上で、XPS(X線光電子分光法、ESCAとも呼ばれる)、RBS(ラザフォード後方散乱分光法)、SIMS(二次イオン質量分析法)で分析した。すると、窒素の含有範囲としては、実用的な吸収係数を得るためには、N/(Si+N+O+C)と表記した場合で40atm%(原子%)以上が好ましいことが分かった。
また、上限としては、膜の歩留まりの関係から、60atm%以下が望ましい。この範囲を超えるような条件で作成した場合、膜厚や硬度、抵抗のムラが発生しやすくなり、歩留まりが低下する場合がある。この理由としては、窒素が多くなりすぎると膜の結合が非常に不安定になるためではないかと予想される。また、60atm%以下の範囲が、膜の強度が保て、表面層として使用する際にはより望ましいことが判った。
ここで、最表面の影響とは、吸着元素や表面に形成された酸化膜の影響のことを指している。ケイ素を含む化合物は、表面にあるケイ素原子が空気中では容易に酸化されてしまう。この影響を除去する方法としては、XPS(ESCA)、SIMS、RBSの測定に先立って、真空中でArの如きガスを用いたスパッタを施す事により、表面をおよそ10nm、好ましくは20nm程度除去する手段が採られる。このようにすることで、最表面の吸着原子や自然酸化膜の影響を実質的に無くすことが可能である。
また、本発明者らは、少量の酸素原子及び/又は炭素原子を添加することにより、初期の残留電位を低く抑えられることを見出した。この原因については明らかではないが、酸素や炭素の量が少ない場合には価電子制御性の不純物と同様の作用が発生する場合があると考えている。
一方、あまり多く添加すると、添加物的な役割から構造材的な役割に変化することがあり、膜の硬度が下がったり、高抵抗化してかえって残留電位が増加したりすることがあった。また、SiCに近づくことで膜の透過性が下がったり、親水性のSiO結合が増加したりすることで高温高湿下において画像がボケたりする現象が発生する場合があることが判った。具体的には、酸素の含有量としては、前述したように最表面の吸着の影響を除いた上で、O/(Si+N+O+C)の形で、膜中の平均濃度は1atm%以上20atm%以下が好ましいことが判った。また、炭素に関しても同様に最表面の影響を取り除いた上で、C/(Si+N+O+C)の形で、膜中の平均濃度が0.01atm%以上10atm%以下が好ましいことが判った。
また、本発明の表面層は、1μmより大きく5μm以下であることが好ましいことが判った。従来の表面層は、吸収係数から膜厚が増大すると吸収も増大してしまう為、あまり厚くすると感度低下が起こる場合があった。また、抵抗としては膜厚が大きくなれば比例して大きくなることから、ある程度以上膜厚を多くすると残留電位が顕在化してしまうことがあった。
本発明の最適化したa−SiN系の膜は、抵抗率が低く、残留電位は膜厚を厚くしても増大しないことが判った。また、本発明の最適化したa−SiN系の膜は、650nmの波長に対する吸収係数を100cm−1以下と非常に小さくすることが可能となる。例えば1μmで通常のa−SiC系の膜が、この波長での透過率75%程度とすれば、a−SiN系の膜ではほぼ100%であり吸収は無視できる。膜厚が3μm程度となると、a−SiC系の膜は透過率が40%程度まで低下してしまうのに対し、a−SiN系の膜では97%以上の透過率が可能である。このように、露光に用いる赤付近の波長における吸収を実質的に無視できることから、厚膜化が可能であり、1μmより大きい範囲で本発明で好適に用いられる表面層が最も効力を発揮する。吸収係数が100cm−1以下であれば、5μm程度までは吸収が5%以下と小さく、好ましい。
ところで樹脂を主成分とするカラートナーは、樹脂の多くが負帯電しやすい特性を持つため、特に負帯電性トナーの方が特性的にも有利である。また、画像形成上はイメージ露光法(IAE)、露光で電位が減衰した部分を現像する方式(反転現像)との組合せがよく用いられるが、この場合電子写真感光体は負帯電感光体が用いられる。
しかし、前述したように最適化したa−SiN系の膜は、負帯電によって若干ながら変質することがわかってきた。詳細なメカニズムは不明であるが、この現象は正帯電では発生せず、またコロナ帯電や注入帯電、ローラ帯電といった帯電方式によらず、負帯電を繰り返していくと微小量ながら徐々に残留電位が増加していくことがわかった。ここで、例えば正帯電感光体と正帯電性トナー、IAE法と反転現像を組み合わせた場合、確かに一次帯電は正に出来るが、転写の際に負帯電がどうしても必要となる。よって、この組合せであっても若干ではあるが残留電位の経時的な上昇が長期的な運用においては発生してしまう可能性があった。
一方、正帯電感光体、負帯電性トナー、バックグラウンド露光法(BAE法)、正現像を組み合わせた場合、一次帯電も転写も全て正帯電とすることが可能となる。このことから、負帯電による変質を完全に防止することが可能となる。
ここで、例えばローラ帯電器を用いた場合、直流電圧に加えて交流電圧(交流バイアス)を重畳した電圧を使用する場合がある。このとき、交流バイアスの振幅によっては、負側最大振幅時に、重畳した電圧はゼロ電位(アース電位)を通り越して負側に達する場合があった。このような負側の帯電量は時間的には微小であり、直流で負帯電を行う場合に比べれば影響は少ないと考えられるが、ゼロではない。よって、より好ましくはこのような帯電工程、転写工程で与えられる電圧が周期性をもって振幅変化する場合、その波形は、周期的には負側に行くべき電圧分を整流された波形とすることが望ましい。
次に、本発明について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明における電子写真感光体の層構成の一例について示した模式図である。
図1(a)に示す電子写真感光体100は、導電性基体101の上に非単結晶シリコン系感光層102が堆積された構造であって、感光層102は下部注入阻止層105、光導電層103、表面層104を含む構成である。下部注入阻止層105は、導電性基体側からの電荷の注入を阻止するために設けることが好ましい。
また、図1(b)にあるように、例えば表面層104と光導電層103との間に、屈折率の変化が連続的になるような中間層106を設けても良い。このように、表面層104の屈折率と光導電層103の屈折率とをなだらかに接続することにより、この層界面における光の反射が抑えられ、可干渉光を露光に用いた場合の表面での干渉を防ぐことが出来る。また、露光に可干渉光以外の光(例えばLED)を用いた場合でも、このような界面における干渉を持っていると削れによる感度の変動が起こりやすく、ほんの少しの削れムラによっても画像濃度の顕著なムラが表れてしまう可能性がある。よって、このような界面における反射を出来るだけ少なくすることがより好ましい。
ここで、前述した各層について詳細に説明する。
<表面層>
本発明で好適に用いられる表面層104は、主に光透過性、高解像度、連続繰り返し使用耐性、耐湿性、使用環境耐性、良好な電気特性に関して良好な特性を得るために設けられている。
表面層104の材質は、ケイ素原子と窒素原子を母体とし、酸素原子及び/または炭素原子を含む非単結晶材料からなる。また、水素原子及び/又はハロゲン原子を膜中に適宜含んでいることが好ましい。
例えば、グロー放電法によってこのようなa−SiN系材料よりなる表面層を形成するには、次のようにすればよい。基本的にはケイ素原子(Si)供給用の原料ガスと、窒素原子(N)供給用の原料ガスを用いる。これらのガスを供給し、内部を減圧し得る反応容器内に導入して、反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ光導電層の如き層を形成した基体上にa−SiN系材料からなる層を形成する。これらのガスに加えて、酸素原子供給用の原料ガスと、炭素原子供給用の原料ガスと、水素原子(H)供給用の原料ガス及び/又はハロゲン原子(F)供給用の原料ガスを、所望量添加することで所望の特性を得ることが可能となる。
このとき、表面層に含まれる窒素量は、前述したようにケイ素原子と窒素原子と酸素原子と炭素原子の和に対して40atm%から60atm%の範囲が好ましい。
また、酸素量に関しても、前述したとおりケイ素原子と窒素原子と酸素原子と炭素原子の和に対して1atm%以上20atm%以下の範囲が好ましい。
また、炭素原子に関しても、ケイ素原子と窒素原子と酸素原子と炭素原子との和に対して0.01atm%以上10atm%以下の範囲が好ましい。
また、表面層中に水素原子が含有されることが好ましいが、水素原子はケイ素原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させる。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合、膜中の平均値として5〜70atm%、好適には8〜60atm%、最適には10〜50atm%とするのが望ましい。
表面層の形成において使用されるケイ素(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH、Si、Si、Si10の如きガス状物、またはガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられる。更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さの点でSiH(モノシラン)、Si(ジシラン)が好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH、He、Ar、Neの如きガスにより希釈して使用してもよい。
窒素、酸素、炭素供給用ガスとなり得る物質としては、N、NH、NO、NO、NO、O、CO、CO、CH、C、C、C、C、C10の如きガス状物、またはガス化し得る化合物が有効に使用されるものとして挙げられる。中でも、窒素供給用ガスとしては窒素が最も良好な特性が得られるため、好ましい。また、酸素供給用ガスとしてはNO、炭素供給用としてはCHが好ましい。また、酸素と炭素とを同時に供給できる点からCOやCOも好適である。また、これらの窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じてH、He、Ar、Neの如きガスにより希釈して使用してもよい。特に酸素や炭素を微量添加する場合、例えばNOガスやCOガスをHガスやHeガスで予め希釈して供給することで、流量の正確な制御が可能となる。特に、これらの酸素添加ガス、炭素添加ガスは、SiN系の材料を作成する際においては、非常に微量でも膜中に取り込まれやすく、制御性を維持するためには適当な希釈ガスを用いることは非常に重要である。
また、フッ素原子供給のために、フッ素ガス(F)、BrF、ClF、ClF、BrF、BrF、IF、IFの如きハロゲン間化合物や、SiF、Siの如きフッ化ケイ素を導入してもよい。
表面層104を形成するには、反応容器のガス圧、放電電力、ならびに基体の温度を適宜設定することが必要である。基体温度は、層設計に従って最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましくは150℃以上350℃以下、より好ましくは180℃以上330℃以下、最適には200℃以上300℃以下とするのが好ましい。
反応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10−2Pa以上1×10Pa以下、好ましくは5×10−2Pa以上5×10Pa以下、最適には1×10−1Pa以上1×10Pa以下とするのが好ましい。
本発明においては、表面層104を形成するための導電性基体の温度、ガス圧の望ましい数値範囲としては前記した範囲が挙げられる。ただし、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
また、例えばRF帯の高周波を用いたグロー放電法にて表面層104を作成する場合には、放電電力としては10W〜5000W、カソード電極面積あたりに換算すると2mW/cmから1.4W/cm程度の範囲が好適である。中でも、前述した窒素範囲を実現することで透過率の良好なa−SiN系の膜を得るためには、ケイ素含有ガスの流量をFSi(単位:ml/min(normal))、窒素含有ガスの流量をFN(単位:ml/min(normal))、放電電力をW(単位:W)を適切な関係にする必要がある。即ち、単位ガス量あたりの電力、特にケイ素原子含有ガスの単位ガス量に対する電力(W/FSi)と、窒素含有ガスとケイ素含有ガスのガス濃度比(FN/FSi)との積であるW・FN/FSi 2が50以上300W・min/ml(normal)以下、より好ましくは80以上200W・min/ml(normal)以下とすることが好ましいことが分かった。このようにすることで、露光の光を効率よく透過でき、本発明に好適な表面層が作成できる。この範囲に設定することで、膜の光学的バンドギャップとしては2.8eV以上程度となり、吸収係数も100cm−1以下とすることが出来る。この電力と流量比の積が50以下になると、吸収がやや大きくなり厚膜化したときに光が透過しにくくなる。また、この値が300を超えると、膜の硬度が小さくなる傾向にある。この理由としては膜作成中にプラズマからのダメージが導入されるためと考えている。
以上のような範囲が好適な理由としては明らかではないが、次のように考えている。所望の膜を得るためには、プラズマ中に存在する原料物質のラジカルが適切なバランスをとっている必要がある。原料ガスが分解された際のラジカルの濃度は、複数の原料ガスを使用する場合、原料ガス濃度比と電力によって決まると考えられる。しかし、ガス種によって分解効率に差があるため、電力値とガス流量比を適切な範囲にしないと、ラジカルの濃度が適切な範囲にならないと考えている。
表面層104中の酸素原子や炭素原子の含有量を前述したような範囲に調整するためには、例えばNOやCOのような酸素原子、炭素原子含有ガスをマスフローコントローラーを介して正確に流量制御して添加すればよい。また、その量がかなり微量になる場合には、Heの如きガスで希釈して用いることで正確な量を添加できる。特に原料ガス種によっては、酸素原子や炭素原子は、微量添加しただけで膜中に容易に取り込まれることもあり、希釈した上で微量添加することが望ましい場合もある。
さらに、表面層には必要に応じて、第13族原子および第15族原子の如き伝導性を制御する原子を含有させてもよい。伝導性を制御する原子は、表面層中に万遍なく均一に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
表面層104に伝導性を制御する原子を含有させる場合の含有量としては、好ましくは1×10−3〜1×10atmppm、より好ましくは1×10−2〜5×10atmppm、最適には1×10−1〜10atmppmとされるのが望ましい。
表面層の層厚としては、通常膜厚よりも厚くすることで本願の狙いである耐久性の向上が図れるため、好ましい。1μmよりも大きく、5μm以下、好適には1.5μm以上5μm以下とされるのが望ましいものである。層厚が1μm以下だと磨耗により、軽印刷に求められる耐久性としては不足する場合がある。5μmを越えても特性上はさほど問題がないが、やや吸収が発生する点と、表面層の堆積速度が非常に遅い為、製造時の作成時間が長くなり、製造コストが上昇する場合がある点が挙げられる。このため、出来れば5μm以下程度が好ましい。
以上の様な表面層を形成するには、基体の温度、反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する必要がある。
基体の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜300℃とするのが望ましい。
反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは1×10−2〜2×10Pa、より好ましくは5×10−1〜5×10Pa、最適には1×10〜1×10Paとするのが好ましい。
表面層を形成するための基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられる。ただ、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する電子写真感光体を形成すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
また、表面層および光導電層の間に、窒素原子の含有量が光導電層に向かって減少するように変化する領域を設けても良い。これにより表面層と光導電層の密着性を向上させ、光キャリアの表面への移動がスムーズになるとともに光導電層と表面層の界面での光の反射による干渉の影響をより少なくすることができる。
<基体>
本発明に好適に用いられる感光体において使用される基体としては、導電性でも電気絶縁性でも構わない。導電性基体としては、Al、Cr、Mo、In、Nb、Te、V、Ti、Pd、Feの如き金属、およびこれらの合金、例えばステンレスを挙げることができる。
また、電気絶縁性基体としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミドの如き合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミックを挙げることができる。これらの電気絶縁性基体の少なくとも光受容層を形成する側の表面は、導電処理され使用される。
基体の形状は平滑表面または凹凸表面の円筒状または無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの光受容部材を形成し得るように適宜決定する。光受容部材としての可撓性が要求される場合には、基体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、基体は製造上および取り扱い上、機械的強度の如き点から通常は10μm以上とされる。
<光導電層>
基体上に例えばグロー放電法によって光導電層を形成するには、以下のようにすればよい。基本的にはケイ素原子(Si)供給用の原料ガスと、水素原子(H)供給用の原料ガスと、必要に応じてハロゲン原子(X)供給用の原料ガスとを用いる。これらのガスを、内部を減圧できる反応容器内に所望のガス状態で導入して、反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の基体上にa−Si:H,Xからなる層を形成すればよい。
光導電層中の水素原子、更に必要に応じて添加されるハロゲン原子は、ケイ素原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させる。
水素原子の含有量は、特に制限はないが、ケイ素原子と水素原子の和に対して10〜40atm%とされるのが望ましい。また、その分布形状に関しても、露光系の波長に合わせて含有量を変化させるが如き調整を適宜することが望ましい。特に、水素原子やハロゲン原子の含有量をある程度多くすると、光学的バンドギャップが大きくなり、感度のピークが短波長側にシフトすることが知られている。このような光学的バンドギャップの拡大は、短波長の露光を用いる際には好ましく、その場合にはケイ素と水素原子の和に対して15atm%以上とすることが好ましい。
Si供給用ガスとなり得る物質としては、SiH、Si、Si、Si10の如きガス状態の、またはガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられる。更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ点でSiH、Siが好ましいものとして挙げられる。なお、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支えない。
そして、膜の物性の制御性、ガスの供給の利便性の如き事項を考慮し、これらのガスに更に、H、He及び水素原子を含むケイ素化合物から選ばれる1種以上のガスを所望量混合して層形成することも出来る。ハロゲン原子供給用の原料ガスとしては、具体的には、フッ素ガス(F)、BrF、ClF、ClF、BrF、BrF、IF、IFの如きハロゲン間化合物、SiF、Siの如きフッ化ケイ素が好ましいものとして挙げることができる。
光導電層中に含有されるハロゲン元素の量を制御するには、例えば、基体の温度、ハロゲン元素を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電空間の圧力、放電電力を制御すればよい。
加えて、光導電層は伝導性を制御する原子を光導電層の層厚方向に不均一な分布状態で含有することが好ましい。これは、光導電層のキャリアの走行性を調整し、また或は補償して走行性を高次元でバランスさせることにより、帯電能の向上、光メモリー低減、感度の向上のために有効である。
伝導性を制御する原子の含有量は、特に制限されないが、一般には0.05〜5atmppmとするのが望ましい。また、光の到達する範囲においては、伝導性を制御する原子を実質的に含有しないように制御を行う(積極的な添加を行わない)とすることも出来る。
この伝導性制御原子は、膜厚方向に連続的に又は段階的に変化する領域を含んでいてもよく、一定の領域を含んでいてもよい。
伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができる。p型伝導性を与える周期表第13族に属する原子(第13族原子とも略記する)、又はn型伝導特性を与える周期表第15族に属する原子(第15族原子とも略記する)を用いることができる。
第13族原子としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)があり、特にB、Al、Gaが好適である。
そのような第13族原子導入用の原料物質としては具体的には、ホウ素原子導入用としては、B、B10、B、B11、B10、B12、B14の如き水素化ホウ素、BF、BCl、BBrの如きハロゲン化ホウ素が挙げられる。この他、AlCl、GaCl、Ga(CH、InCl、TlClも挙げることができる。
第15族原子として、具体的には、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)があり、特にP、As、Sbが好適である。
第15族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、リン原子導入用としては、PH、Pの如き水素化リン、PHI、PF、PF、PCl5、PBr、PBr、PIの如きハロゲン化リンが挙げられる。この他、AsH、AsF、AsCl、AsBr、AsF、SbH、SbF、SbF、SbCl、SbCl、BiH、BiCl、BiBrも第15族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてHおよび/またはHeにより希釈して使用してもよい。
光導電層の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは5〜70μm、より好ましくは10〜65μm、最適には20〜60μmとされるのが望ましい。層厚が5μmより薄くなると、帯電能や感度の如き電子写真特性が実用上不充分となり、70μmより厚くなると、光導電層の作製時間が長くなって製造コストが高くなる。
所望の膜特性を有する光導電層を形成するには、Si供給用、ハロゲン添加用の如きガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体温度を適宜設定することが望ましい。
希釈ガスとして使用するHおよび/またはHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対し、通常の場合3〜30倍、好ましくは4〜15倍、最適には5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10−2〜1×10Pa、好ましくは5×10−2〜5×10Pa、最適には1×10−1〜2×10Paとするのが好ましい。
放電電力もまた同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対する放電電力の比を、0.5〜8、好ましくは2〜6の範囲に設定することが望ましい。
さらに、基体の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、好ましくは200〜350℃、より好ましくは210〜330℃、最適には220〜300℃とするのが望ましい。
光導電層を形成するための基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられる。ただし、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
<下部注入阻止層>
本発明で好適に用いられる感光体において、図1(a)、図1(b)に示すように、導電性基体101の上層には、基体101側からの電荷の注入を阻止する働きのある下部注入阻止層105を設けるのが効果的である。下部注入阻止層105は光受容層102が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、基体101側より光導電層103側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有している。
下部注入阻止層105には、ケイ素原子を母材に導電性を制御する不純物を、前述の光導電層103に比べて比較的多く含有させる。正帯電用電子写真感光体の場合、下部注入阻止層105に含有される不純物元素としては、周期表第13族元素を用いることが出来る。また、負帯電用電子写真感光体の場合、下部注入阻止層105に含有される不純物元素としては、周期表第15族元素を用いることが出来る。本発明で好適に用いられる感光体においては下部注入阻止層105中に含有される不純物元素の含有量は、本発明の目的が効果的に達成できるように所望にしたがって適宜決定される。好ましくは下部注入阻止層中の構成原子の総量に対して10atmppm以上10000atmppm以下、より好適には50atmppm以上7000atmppm以下、最適には100atmppm以上5000atmppm以下とされるのが望ましい。
更に、下部注入阻止層105には、窒素及び酸素を含有させることによって、該下部注入阻止層105と基体101との間の密着性の向上を図ることが可能となる。具体的に、下部注入阻止層105の全層領域に含有される窒素原子および酸素原子の含有量は、窒素および酸素の和を下部注入阻止層中の構成原子の原子の総量に対して適切に定めることが望ましい。好ましくは0.1atm%以上40atm%以下、より好ましくは1.2atm%以上20atm%以下、とすることにより、電荷注入阻止能が向上する。
また、本発明で好適に使用される感光体における下部注入阻止層105には水素原子を含有させるのが好ましく、この場合、含有される水素原子は、層内に存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。下部注入阻止層105中に含有される水素原子の含有量は、下部注入阻止層中の構成原子の総量に対して1atm%以上50atm%以下が好ましく、5atm%以上40atm%以下がより好ましく、10atm%以上30atm%以下が更に好ましい。
本発明で好適に使用される感光体において、下部注入阻止層105の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果の点から好ましくは100nm以上5000nm以下が望ましい。より好ましくは300nm以上4000nm以下、最適には500nm以上3000nm以下とすることが望ましい。層厚を100nm以上5000nm以下とすることにより、基体101からの電荷の注入阻止能が充分となり、充分な帯電能が得られると共に電子写真特性の向上が期待でき、残留電位の上昇の如き弊害が発生しない。
下部注入阻止層105を形成するには、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体の温度を適宜設定することが必要である。導電性基体温度(Ts)は、層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合、好ましくは150℃以上350℃以下、より好ましくは180℃以上330℃以下、最適には200℃以上300℃以下とするのが望ましい。
反応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、通常の場合1×10−2Pa以上1×10Pa以下、好ましくは5×10−2Pa以上5×10Pa以下、最適には1×10−1Pa以上1×10Pa以下とするのが好ましい。
(電子写真感光体の製造装置)
次に、本発明で好適に使用される感光体の光受容層102を作製するための装置及び膜形成方法について詳述する。
図2は、電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(RF−PCVDとも略記する)による電子写真感光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。図2に示す製造装置の構成は以下の通りである。
この装置は大別すると、堆積装置2100、原料ガスの供給装置2200、反応容器2111内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置2100中の反応容器2111内には円筒状基体2112、基体加熱用ヒーター2113、原料ガス導入管2114が設置され、さらに高周波マッチングボックス2115が接続されている。
原料ガス供給装置2200は、SiH、GeH、H、CH、B、PHの如き原料ガスのボンベ2221〜2226とバルブ2231〜2236、2241〜2246、2251〜2256及びマスフローコントローラー2211〜2216から構成される。各原料ガスのボンベは補助バルブ2260を介して反応容器2111内のガス導入管2114に接続されている。
この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば以下のように行なうことができる。
先ず、反応容器2111内に円筒状基体2112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器2111内を排気する。続いて、基体加熱用ヒーター2113により円筒状基体2112の温度を150℃乃至350℃の所定の温度に制御する。
堆積膜形成用の原料ガスを反応容器2111に流入させるには、ガスボンベのバルブ2231〜2236、反応容器のリークバルブ2117が閉じられていることを確認する。又、ガス流入バルブ2241〜2246、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ2260が開かれていることを確認して、まずメインバルブ2118を開いて反応容器2111及び原料ガス配管2116内を排気する。
次に、真空計2119の読みが約0.1Pa以下になった時点で補助バルブ2260、ガス流出バルブ2251〜2256を閉じる。その後、ガスボンベ2221〜2226より各ガスを原料ガスボンベバルブ2231〜2236を開いて導入し、圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を0.2MPaに調整する。次に、ガス流入バルブ2241〜2246を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラー2211〜2216内に導入する。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下の手順で各層の形成を行う。
円筒状基体2112が所定の温度になったところで流出バルブ2251〜2256のうちの必要なもの及び補助バルブ2260を徐々に開く。これにより、ガスボンベ2221〜2226から所定のガスを原料ガス導入管2114を介して反応容器2111内に導入する。次にマスフローコントローラー2211〜2216によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反応容器2111内の圧力が1×10Pa以下の所定の圧力になるように真空計2119を見ながらメインバルブ2118の開口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.56MHzのRF電源(不図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス2115を通じて反応容器2111内にRF電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状基体2112上に所定のケイ素を主成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受容層が形成される。それぞれの層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うまでもない。また、それぞれのガスが反応容器2111内、流出バルブ2251〜2256から反応容器2111に至る配管内に残留することを避けるために、必要に応じて以下の操作を行う。まず流出バルブ2251〜2256を閉じ、補助バルブ2260を開き、さらにメインバルブ2118を全開にして系内を一旦高真空に排気すればよい。
また、膜形成の均一化を図るために、層形成を行なっている間は、円筒状基体2112を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。
さらに、上述のガス種及びバルブ操作は各々の層の作製条件に従って変更が加えられることは言うまでもない。
基体の加熱方法は、真空仕様である発熱体であればよい。より具体的にはシース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーターの如き電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプの如き熱放射ランプ発熱体、液体、気体を温媒とした熱交換手段による発熱体が挙げられる。加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅の如き金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂を使用することができる。
それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で基体を搬送する方法が用いられる。
(画像形成方法及び装置)
図3には、本発明の画像形成方法に好適に使用できる画像形成装置の模式図を示した。
このカラー画像形成装置は、装置本体内に例えばブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色の可視画像(トナー像)を形成することができる第1〜第4の4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが直線的に配列された構成を有する。各画像形成部Pa〜Pdは像担持体としての専用の感光体ドラム1a、1b、1c及び1dをそれぞれ含む。各感光体ドラム1a〜1dは図示矢印方向に回転駆動され、その周囲にはそれぞれ専用の画像形成プロセス手段が配置される。例えば一次帯電器2a、2b、2c、2d、像露光装置3a、3b、3c、3d、現像器4a、4b、4c、4d、及びクリーナ5a、5b、5c、5d等が配設されている。
また、各画像形成部Pa〜Pdの感光体ドラム1a〜1dの下部には、中間転写体、本例では無端移動する中間転写ベルト8が周知の態様で複数のローラ間に架張されており、その内部には転写帯電手段6a、6b、6c、6dがそれぞれ配設されている。このベルトの図示矢印方向への移動に伴って各画像形成部Pd〜Paの転写領域に順次に搬送され、感光体ドラム1d〜1aから中間転写ベルト8へ転写が行われる。また、図3において中間転写ベルト8の下方には記録材担持ベルト9、その右には給紙部が、その反対側、即ち図3において左方には定着器7がそれぞれ配置されている。さらに、給紙部と記録材担持ベルト9との間にはタイミングを取って記録材(紙など)Pを送給するための一対のレジストローラ13が配置されており、記録材Pは給紙部からレジストローラ13を介して記録材担持ベルト9上に送給、保持される。
上述の構成において、この第4の画像形成部Pdでは一次帯電器2dによって一様に帯電された感光体ドラム1dに対してレーザビームの如き露光手段により原稿画像におけるイエロー成分色の画像情報を走査してイエロー成分色の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器3dにてイエロートナーが付着されてイエローの可視画像となる。
次に、第4の画像形成部Pdの感光体ドラム1dの下側の転写領域において転写帯電手段6dの作用により感光体ドラム1d上に形成されたイエローの可視画像、即ちトナー像が中間転写ベルト8上に転写される。このようにイエロートナー像が中間転写ベルト8上に転写されている間に、第3の画像形成部Pcではマゼンタ成分色の静電潜像が形成される。この静電潜像が現像器3cでマゼンタトナー像とされ、第3の画像形成部Pcの感光体ドラム1cの下側の転写領域にこのマゼンタトナー像が転写帯電手段6cの作用により中間転写ベルト8のイエロートナー像の上に重なった状態で転写される。
以下、第2、第1の画像形成部Pb、Paにても第4及び第3の画像形成部Pd、Pcと同様にシアン色、ブラック色の各トナー像が順次に形成され、中間転写ベルト8上に順次にこれらのトナー像が多重転写される。
かかる画像形成プロセスが終了すると、中間転写ベルト8上に形成された多重トナー像は、記録材担持ベルト9より運ばれた記録材Pに2次転写される。転写された記録材Pは定着器7に送られ、ここで一括定着されることによって所望のフルカラー画像が得られる。また、転写が終了した各画像形成部Pa〜Pdの感光体ドラム1a〜1dはクリーナ5a〜5dによって残留トナーが除去され、引き続き行なわれる次の潜像形成に備える。
このような画像形成方法において、感光体として正帯電用感光体を使用し、負帯電性トナー、BAE、正現像の組合せを用いた場合、一次帯電器2a〜2dは正の電位にある必要がある。例えば一次帯電器2a〜2dとして注入帯電器を用いた場合には、直流バイアスを600〜1000V程度、交流バイアスとして500V〜1000Vp−pを用いればよい。交流バイアスの振幅が直流バイアスよりも小さければ、一次帯電器2a〜2dに負側のバイアスが印加されることはないため問題ない。交流バイアスの振幅が直流バイアス値より大きい場合には、負側に行くべき振幅分はカットして印加しないようにする必要がある。また、一次帯電器2a〜2dとしてローラ帯電器を用いた場合、整流して休止してしまう時間が長くなるようであれば、放電を安定的に生じさせる為、正側に折り返す加工を施しても良い。
図4、図5を用いて説明すると、例えば直流バイアスをVA、交流バイアスの振幅をVBp-pとすると、この重ね合わせである電位が一次帯電器に印加されることになる。この際、VA<VBp-p/2であれば、極小部分は負となるため、好ましくない。そこで、この負の電位の領域を整流した図5のような波形とすることにより、一次帯電器には常に正の電位しか印加されないため、好ましい。
また、感光体ドラム1a〜1dから中間転写ベルト8への転写時に一次転写帯電器6a〜6dに印加される一次転写バイアスについても、同様に正である必要がある。これは負帯電性トナーを用いている場合には通常正側で使用するため、問題ない。一方、正帯電用感光体+IAE+正帯電性トナー+反転現像を用いた場合では、一次転写バイアスを負側にする必要があるため、好ましくない。また負帯電用感光体+IAE+負帯電性トナー+反転現像を用いる場合には、一次帯電が負極性になるため、やはり負帯電を無くす事が出来ない。よって、この点からも本発明においては正帯電用感光体+負帯電性トナー+BAE+正現像の組合せが必須である。
つまり、像露光工程においてバックグラウンド露光法を用い、現像工程において使用するトナーが負帯電性トナーであり、帯電工程及び転写工程において、感光体表面への電荷を付与する各手段の極性が全て正であることが必須である。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図2に示したプラズマCVD装置を用い、図1(b)に示した層構成となるように正帯電用感光体を製作した。直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、表1に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、中間層、及び、a−SiN系表面層からなる堆積膜を順次積層した。表面層は、長寿命化を図るため、比較的厚い2μmに設定した。また中間層は、光導電層の組成と表面層の組成とを滑らかに結ぶ事により、可干渉光の干渉を防止し、表面層が磨耗した際にも光導電層への透過量が変わらないようにする働きをもつ。
得られた感光体を、図6に示したような電子写真装置をベースとして改造した実験装置(キヤノン社製複写機iRC−6800から紙搬送、紙への2次転写、定着器周りをなくし、感光体周りのみの構成としたもの)を用いて評価する。ここで図6の構成を説明すると、感光体ドラム601の周りには、以下のような装置が配置されている。感光体ドラム601の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる1次帯電器602がある。一次帯電器602には、所望の電圧、電流を印加できる電源装置603が接続されている。この電源装置603では、直流電圧と交流電圧を適宜合成し、図5に示したような負側への電圧の推移をなくせるようになっている。次に、帯電された感光体ドラム601の表面に画像露光を行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置が配置されている。また、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する現像器として、黒色トナーを付着させる黒現像器604(a)、カラートナー(例えばシアントナー)を付着させるロータリー現像器604(b)が配置されている。さらに、中間転写ベルト605にトナー像を転写した後、感光体ドラム601上をクリーニングする感光体クリーナ607、及び、感光体ドラム601の除電を行う除電露光装置608が設けられている。
中間転写ベルト605は、感光体ドラム601に当接ニップ部を介して駆動するように配置されており、内側には感光体ドラム601上に形成されたトナー像を中間転写ベルト605に転写するための一次転写ローラ606が配備されている。一次転写ローラ606には、感光体ドラム601上のトナー像を中間転写ベルト605に転写するための一次転写バイアスを印加する一次転写バイアス電源611が接続されている。中間転写ベルト605の周りには、中間転写ベルト605の表面上に残留したトナーをクリーニングするための中間転写ベルトクリーナ610が設けられている。
このような評価装置であって、カラートナーとしてはiRC−6800用負帯電性トナー、像露光方法としてはBAE法、現像方法としては正現像を用い、一次帯電器には正のコロナ帯電器、一次転写は正の帯電ローラを用いた。
評価方法に関しては比較例1の結果とともに後述する。
《比較例1》
実施例1と同様に、図2に示したプラズマCVD装置を用い、図1(b)に示した層構成となるように正帯電用感光体を製作した。直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、表2に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、中間層、及び、a−SiC系表面層からなる堆積膜を順次積層した。表面層の膜厚は長寿命化を図るため、比較的厚い2μmとした。また、中間層は、実施例1と同様に干渉防止の機能を持ち、磨耗による感度変化を防止する役割を担う。得られた感光体は、実施例1と同様の実験装置に装着して評価した。得られた結果は、実施例1の結果と合わせ、表3に示す。
まず、初期の感光体特性の評価として、感度と残留電位の測定を行った。
(1)初期感度評価
図6に挙げたような実験装置において、黒現像器604(a)を取り外し、現像器が当接する位置に電位計を設置した。黒現像器位置における表面電位が450V(暗電位)になるように一次帯電器の電流とグリッド電位を調整した。次に像露光(波長655nmの半導体レーザー)を照射し、像露光光源の光量を調整して、表面電位が100V(明電位)となるようにし、そのときの露光量を感度とした。この値は小さいほど感度が優れていることを示している。
得られた結果は相対評価で以下のようなランク付けを行った。基準となる感光体(以下、Ref感光体と表記する)として、表面層の膜厚を0.7μmとした以外は、比較例1と同様に表2の条件で作成し、このRef感光体で測定した値を100%とした。
◎ …105%未満。非常に優れている
○ …105%以上、110%未満。優れている
△ …110%以上、120%未満。基準に比べやや劣るが許容範囲内
× …120%以上。基準に比べ劣る。
(2)残留電位評価
感度評価と同様に電位計を配置し、黒現像器604(a)の位置における表面電位が450V(暗電位)になるように帯電器に流す電流とグリッド電位を調整した。その後、像露光(波長655nmの半導体レーザー)を実用光量の2~3倍照射して表面電位を落としきり、その値が露光光量に対して十分飽和しているときの表面電位を残留電位とした。この値が小さいほど残留電位が少なく優れていることを示している。
得られた結果は、Ref感光体の値を基準とし、この結果との相対評価でランク付けを行った。
◎ …10V未満。Ref感光体並かそれ以上であり、非常に優れている
○ …10V以上、30V未満。優れている。実用上全く問題なし。
△ …30V以上、70V未満。Refに比べやや劣るが許容範囲内
× …70V以上。使用上好ましくない場合がある
(3)50万枚後での偏摩耗評価
図6に示した実験装置内で感光体を回転させ、紙への転写・定着以外は通常の電子写真プロセスと全く同等の複写操作を行った。具体的には、帯電工程により表面の暗部電位450V、像露光工程においては明部電位が100Vとなる光量を照射し、原稿は1%濃度原稿を用いて潜像を形成する。次に負帯電性トナーによる現像、中間転写体への転写、クリーニング工程、除電工程を経て帯電工程へと戻るプロセスを繰り返す。この電子写真プロセスを、作像回数に換算して50万回相当行った。
このとき、敢えて偏摩耗させる目的で、クリーニングブレードの当接圧が軸方向で若干異なるように配置した。このような耐久操作後、前述した方法により感光体軸方向における感度を調べ、平均値を算出した。次に、感度の最悪値と最良値との差を前述の平均値で割った値にてランク付けを行った。この値が小さいほど偏摩耗の感度への影響が少なく優れていることを示している。
◎ …3%未満。非常に優れている
○ …3%以上、5%未満。優れている
△ …5%以上、10%未満。基準に比べやや劣るが許容範囲内
× …10%以上。基準に比べ劣る。
(4)50万枚前後での感度差評価
耐久操作後、同一位置における初期との感度差を比較した。具体的には、前述した方法により感光体中央における感度を調べた。その値と、初期における中央の感度との差を比較した。得られた感度の差分は、初期の感度を基準とした割合として比較しランク付けを行った。この値が小さいほど感度の変動が少なく優れていることを示している。
◎ …3%未満。非常に優れている
○ …3%以上、5%未満。優れている
△ …5%以上、10%未満。基準に比べやや劣るが許容範囲内
× …10%以上。基準に比べ劣る。
(5)50万枚後での残留電位上昇評価
耐久操作後、前述した方法により残留電位を調べ、初期の値との差を算出した。この差が小さいほど残留電位の変動が少なく優れていることを示している。
◎ …3V未満。非常に優れている
○ …3V以上、5V未満。優れている。実用上全く問題なし
△ …5V以上、10V未満。許容範囲内
× …10V以上。使用上好ましくない場合がある
(6)総合評価
以上の評価を行い、最も評価の低かった値を持って総合評価とした。例えば△が一つでもあれば総合評価は△となる。即ち、
◎ …全ての評価で◎。非常に優れている
○ …全ての評価で○以上。優れている
△ …全ての評価で△以上。許容範囲内
× …いずれかの評価で×がある。使用上好ましくない場合がある
結果を表3に示す。実施例1、比較例1では初期の残留電位に差はあったが、残留電位の上昇は双方とも見られなかった。
また、感度に関しては、a−SiN表面層を持つ実施例1の感光体では50万回通紙前後での感度差は認められなかった。
一方、a−SiC表面層を持つ比較例1の感光体では、感光体軸方向中央位置において、耐久前後で感度の差が若干量認められた。また、感光体端部に偏摩耗が発生し、画像中央部と端部とに濃度差が生じていた。これはa−SiC表面層が若干ながら650nm付近の光も吸収するため、長期間使用による摩耗や偏摩耗によって表面層における吸収が変化した為、感度に差が生じ、50万回耐久前後での感度差や偏摩耗による感度差が顕在化したと考えられる。実施例1の感光体でも同様の偏摩耗が起きているはずであるが、濃度差が見られなかったのは、感度差を生じる原因が表面層の吸収差だけであったためと思われる。a−SiN表面層では650nm付近の吸収は殆どないため、偏摩耗が起こっていたとしても感度差が生じなかったと考えられる。
以上の点から、a−SiN表面層を持つ正帯電用感光体と、負帯電性トナー、BAE、正現像とを組み合わせることにより、耐久性向上のために表面層を厚くしても残留電位が低く、また経時的な変化が起こらないことがわかった。また、a−SiN表面層を用いることにより、厚くすることによる感度低下もなく、摩耗や偏摩耗による感度変化、感度ムラが生じない画像形成方法が実現できることが判った。
Figure 2010102131
Figure 2010102131
Figure 2010102131
[実施例2]
図2に示したプラズマCVD装置を用い、図1(b)に示した層構成となるように正帯電用感光体を製作した。直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、表4に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、中間層、及び、a−SiN系表面層からなる堆積膜を順次積層した。表面層は、長寿命化を図るため、比較的厚い4μmに設定した。また、中間層は、実施例1と同様に干渉防止の機能を持ち、磨耗による感度変化を防止する役割を担う。得られた感光体は、実施例1と同様の実験装置に装着して評価した。このとき、カラートナーとしてはiRC−6800用負帯電性トナー、像露光方法としてはBAE法、現像方法としては正現像を用い、一次帯電器には正のコロナ帯電器、一次転写は正の帯電ローラを用いた。
この条件において、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果は、比較例2の結果と合わせ、表6に示す。
≪比較例2≫
実施例2と同様の正帯電用感光体を製作した。この感光体を、実施例1と同様の実験装置に装着して評価した。このとき、カラートナーとしてはiRC−6800用重合トナーをベースとして正帯電性トナー、像露光方法としてはIAE法、現像方法としては反転現像を用い、一次帯電器には正のコロナ帯電器、一次転写は負の帯電ローラを用いた。
次に、表5に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層、中間層、及び、a−SiN系表面層からなる堆積膜を順次積層し、負帯電用感光体を製作した。上部注入阻止層は、表面層だけでは上部からの注入を阻止する能力が不足している場合に好適に用いることが出来る。特に負帯電の場合には上部注入阻止層を用いた方が好ましい。得られた感光体は、実施例1と同様の実験装置に装着して評価した。このとき、カラートナーとしてはiRC−6800用負帯電性トナー、像露光方法としてはIAE法、現像方法としては反転現像を用い、一次帯電器には負のコロナ帯電器、一次転写は正の帯電ローラを用いた。
これらの条件において、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果は、実施例2の結果と合わせ、表6に示す。
感度に関しては、a−SiN表面層を持つ実施例2、比較例2の感光体では、初期の感度は非常に良好で、50万回作像操作前後での感度差は認められなかった。
また、初期の残留電位は、実施例2、比較例2ともRef感光体並みの5V程度であり、差は見られなかった。
しかし、50万回耐久前後での残留電位を比較すると、実施例2では全く差が見られなかったのに対し、比較例2では正帯電ドラム+IAEシステムが4V程度、負帯電ドラム+IAEシステムがそれを上回る6V程度の残留電位上昇を示した。この程度の残留電位上昇は非常に微小であり、従来では問題にならないレベルであったが、コロナ電流を一定とした場合、残留電位分が帯電時の表面電位をかさ上げするため、画像濃度が変化してしまうことが判った。例えば、肌の色や空の色の如き面積が広いハーフトーンの色見が、初期の画像と50万回耐久後の画像では微妙にずれてしまうことが考えられる。また、50万回でこの程度の差であるものの、数百万回以上になればその値がかなり変わってしまうことが容易に想像できる。このような電位変動は逐次キャリブレーションを行う事で回避可能であるが、キャリブレーション頻度を上げれば生産性に影響が出る場合もあり、軽印刷の分野では無視できない問題である。
以上の点から、a−SiN表面層を持つ正帯電用感光体と、負帯電性トナー、BAE、正現像とを組み合わせることにより、耐久性向上のために表面層を厚くしても残留電位が低く、また経時的な変化が起こらないことがわかった。
Figure 2010102131
Figure 2010102131
Figure 2010102131
[実施例3]
実施例1と同様の正帯電用感光体を製作した。得られた感光体は、実施例1と同様の実験装置に装着して評価した。このとき、カラートナーとしてはiRC−6800用負帯電性トナー、像露光方法としてはBAE法、現像方法としては正現像を用い、一次帯電器、一次転写とも正の帯電ローラを用いた。一次帯電の条件としては、直流バイアスを600〜800V程度とし、黒現像位置における表面電位が450Vとなるように調整した。また、交流バイアスを1.5kHz正弦波、振幅を1.8kVp-pとし、負側にはみ出た部分に関しては整流してゼロボルトとした。
この条件において、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表7に示す。
感度に関しては、a−SiN表面層を持つ実施例1の感光体を用いていることから、初期の感度は非常に良好で、また50万回作像操作前後での感度差は認められなかった。
また、初期の残留電位は、Ref感光体並みの5V程度であり、非常に低かった。また50万回耐久前後での残留電位も全く差が見られなかった。
以上の点から、ローラ帯電との組合せにおいても、整流によって負側のバイアス成分を与えていないことにより、負帯電の影響による残留電位の変動が全く見られず、感度、残留電位とも変動がないことが確かめられた。
Figure 2010102131
[実施例4]
図2に示したプラズマCVD装置を用い、図1(a)に示した層構成となるように正帯電用感光体を製作した。直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、表8に示した条件で、下部注入阻止層、光導電層、及び、a−SiN系表面層からなる堆積膜を順次積層した。また、製作に際しては後述する組成分析用、膜厚分布測定用、摩耗レート測定用と耐久実験用に複数作成した。表面層は、SiHガス、COガス、窒素ガス、CHガスの流量を変え、8通りの組成違いの表面層をもつ感光体を作成した。表面層の組成は、結果とともに表9に示した。また、膜厚は全て、中央にて3μm狙いに設定した。得られた複数の感光体を用い、後述する組成分析、膜厚測定、摩耗試験を行い、また実施例1と同様の実験装置に装着した評価も行った。このとき、カラートナーとしてはiRC−6800用負帯電性トナー、像露光方法としてはBAE法、現像方法としては正現像を用い、一次帯電器には正のコロナ帯電器、一次転写は正の帯電ローラを用いた。
まず、製作した感光体の表面層中における実際の窒素原子濃度、酸素原子濃度、炭素原子濃度を分析した。まず感光体を適当な切片に切り出す。次に表面をおよそ20nm程度除去することで最表面の影響を取り除いた。しかる後にXPS(X線光電子分光法)分析器(アルバック・ファイ社製QUANTUM2000)とSIMS(2次イオン質量分析)分析器(CAMECA社製IMS−4F)により分析した結果について表9に示した。また、感光体の表面層膜厚を、感光体を切り出した切片を更にFIB(集束イオンビーム加工観察装置、日立製作所製 FB-2000C)によって加工して断面を出し、その長さから表面層膜厚を決定する。軸方向3点に対して測定し、最大値−最小値の値を平均膜厚で割った値を膜厚ムラ(単位%)と定義する。この膜厚ムラの値の測定結果も表9に合わせて示した。また、摩耗レートは複数作成したうちの他の感光体を用いて評価する。図6に示したような複写機を改造した試験機を用い、現像材に研磨粒子を通常の10倍程度添加して複写操作を繰り返し、50万回作像操作した際の削れ量を評価した。中央位置でドラムを切り出し、前述したFIB装置にて垂直断面を出して膜厚を決定した。この削れ量は値が小さい程優れていることを示す。比較例1で用いたRef感光体での摩耗レートを100とし、以下の基準で評価した。
◎ …80%未満。非常に優れている
○ …80%以上、90%未満。優れている
△ …90%以上、110%未満。基準に比べやや劣るが許容範囲内
× …110%以上。基準に比べ劣る。
また、複数作成した他の感光体について、実施例1と同様の評価を行った。以上の結果について、表9にまとめて示す。
感光体C〜Eについては、初期の残留電位、感度とも非常に良好であり、50万回耐久後の感度変動、残留電位の変化も見られなかった。また、膜厚ムラも少なく、摩耗レートもRef感光体に比べて非常に少なく良好であった。
一方、感光体Aについては、初期の感度はRef感光体に比べて向上しているが、感光体C〜Eの方が良好である。これは窒素原子の割合が0.4より小さいためであると考えられる。また、感光体A、Bの残留電位に注目すると、Ref感光体よりも良好ではあるもの、やはり感光体C〜Eの方がより小さく好ましい結果であった。これは酸素原子、炭素原子の割合が低く、ドーパント的な働きが少なかった為であると考えられる。一方、窒素原子の割合が0.6より大きい感光体Fに着目すると、膜厚ムラがやや大きいことが判った。この膜厚ムラは特性には影響していないものの、長期にわたる使用を考えた場合、或いは生産におけるバラツキなどを考えた場合には好ましくない可能性がある。このことを考慮すると、総合評価としては他の評価が全て◎であり優れているが、○評価とした。以上の点からも、窒素原子の割合が0.6以下の方が好ましいことがわかった。また、感光体Gでは酸素原子の割合がやや多いが、この場合には残留電位が感光体C〜Eに比べてやや大きく、また感光体Hでは炭素原子の割合が多いために初期感度がややRef感光体に近づく傾向が見られた。また、摩耗レートに関しては、感光体G、Hに比べ感光体A〜Fの方が良好であった。このことから、酸素原子、炭素原子の割合とも、適切な範囲に設定することにより、初期の残留電位、感度、摩耗レートに関してより好ましい上限が存在することが確かめられた。
以上の点から、表面層の組成としては、Siをケイ素原子の数、Nを窒素原子の数、Oを酸素原子の数、Cを炭素原子の数としたとき、
0.4≦N/(Si+N+O+C)≦0.6
0.01≦O/(Si+N+O+C)≦0.2
0.0001≦C/(Si+N+O+C)≦0.1
を満たすことにより、初期の感度を良好に保ち、残留電位と膜厚分布を抑え、低い摩耗レートを達成することが可能となることが判った。
Figure 2010102131
Figure 2010102131
[実施例5]
図2に示したプラズマCVD装置を用い、図1(b)に示した層構成となるように正帯電用感光体を製作した。直径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、表面層の膜厚以外は表1と同等の条件で、下部注入阻止層、光導電層、中間層、及び、a−SiN系表面層からなる堆積膜を順次積層した。表面層膜厚は、堆積速度から換算して、1.1、1.5、3.0、5.0、5.5μmとなるように設定した。また、中間層は、実施例1と同様に干渉防止の機能を持ち、磨耗による感度変化を防止する役割を担う。得られた感光体は、実施例1と同様の実験装置に装着して評価した。このとき、カラートナーとしてはiRC−6800用負帯電性トナー、像露光方法としてはBAE法、現像方法としては正現像を用い、一次帯電器には磁気ブラシを用いた注入帯電器を、一次転写には正の帯電ローラを用いた。一次帯電の条件としては、直流バイアスを600〜800V程度とし、黒現像位置における表面電位が450Vとなるように調整した。また、交流バイアスを1.0kHz矩形波、振幅を500Vp-pとした。よって、負側には整流せずともはみ出さないので、常に正の電位が印加されることになっている。
この条件において、実施例1と同様の評価を行った。
また、寿命という観点で実施例4と同様の評価を行った。実施例4で摩耗レートを測定した方法と同様に研磨粒子10倍にした促進試験を行い、50万回の作像操作を行った後、表面層の膜厚を前述のFIB装置により測定した。得られた結果から、摩耗レートと、初期の表面層膜厚とから計算される寿命を算出して比較した。この結果は値が大きいほど寿命が長く優れていることを示す。得られた結果は、Ref感光体で同様に測定し計算した寿命を基準として、以下のように示す。
◎ …5倍以上。非常に優れている
○ …2倍以上、5倍未満。優れている
△ …1倍以上、2倍未満。基準に比べやや劣るが許容範囲内
× …1倍未満。基準に比べ劣る。
得られた結果を表10に示す。
感度に関しては、a−SiN表面層を持つ実施例1の感光体を用いていることから、初期の感度は非常に良好で、5.5μmと厚くした場合でも殆ど吸収がなく、全く問題がなかった。また50万回耐久前後での感度差も認められなかった。
また、初期の残留電位は、1.1μm〜5.0μmの全ての感光体で変わらず10V未満であり、非常に低かった。5.5μmの感光体においてのみ、15V程度の残留電位が観測されたが、非常に優れていた。また50万回耐久前後での残留電位も全く差が見られなかった。
加えて、寿命という観点で比較すると、a−SiNという材料は摩耗レートがRef感光体より低いものの、膜厚が厚い方がトータル寿命として有利であることが改めて示された。この点から、膜厚としては1μmより大きい範囲がより好ましいことが判った。
また、5.5μmの感光体でも全く問題はないが、やや残留電位が大きくなる点、表面層作成時間がかかることによる生産性という点から、5μm以下がより好ましいことがわかった。
以上の点から、表面層の膜厚が1μmより大きく5μm以下の場合、初期の感度、残留電位とも問題がなく、50万回耐久後も変動が見られないことが判った。また、特に寿命という観点から、また残留電位、生産性という観点から、1μmより大きく5μm以下がより好ましいことが確かめられた。また、注入帯電との組合せにおいても、負側のバイアス成分を与えていないことにより、負帯電の影響による残留電位の変動が全く見られず、感度、残留電位とも変動がないことが確かめられた。
Figure 2010102131
(a)、(b)は本発明で好適に用いられる電子写真感光体の一例を示す模式的な断面図である。 電子写真感光体の製造に使用することが可能な、RF帯の高周波を用いたプラズマCVD堆積装置の好適な構成の一例を模式的に示した図である。 本発明で好適に用いられるカラー電子写真装置構成の一例を表す模式図である。 本発明における、一次帯電における直流バイアスと交流バイアスについて説明するための模式図である。 本発明における、一次帯電における直流バイアスと交流バイアスを重畳し、且つ負側の電圧を整流した波形を示す模式図である。 本発明における、電子写真装置を改造した実験装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
100 電子写真感光体
101 基体
102 感光層
103 光導電層
104 表面層
105 下部注入阻止層
106 中間層
2100 堆積装置
2111 反応容器
2112 円筒状基体
2113 基体加熱用ヒーター
2114 原料ガス導入管
2115 高周波マッチングボックス
2116 原料ガス配管
2117 反応容器リークバルブ
2118 メイン排気バルブ
2119 真空計
2200 原料ガス供給装置
2211〜2216 マスフローコントローラー
2221〜2226 原料ガスのボンベ
2231〜2236 原料ガスボンベバルブ
2241〜2246 ガス流入バルブ
2251〜2256 ガス流出バルブ
2260 補助バルブ
2261〜2266 圧力調整器
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム
2a〜2d 一次帯電器
3a〜3d 像露光装置
4a〜4d 現像器
5a〜5d クリーナ
6a〜6d 転写帯電手段
7 定着器
8 中間転写ベルト(記録材)
9 記録材担持ベルト
13 レジストローラ
601 感光体ドラム
602 一次帯電器
603 画像露光
604(a) 黒現像器
604(b) ロータリー現像器
605 中間転写ベルト
606 一次転写ローラ
607 感光体クリーナ
608 除電露光
610 中間転写ベルトクリーナ
611 一次転写バイアス電源

Claims (3)

  1. 感光体の表面を帯電する帯電工程、露光により前記感光体の表面に静電潜像を形成する像露光工程、トナーを使用して前記静電潜像を現像して前記感光体の表面にトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を感光体の表面から記録材の上に転写する転写工程、クリーニングブレードを用いて前記感光体の表面をクリーニングするクリーニング工程、及び、前記感光体の表面の除電を行う除電工程を有する画像形成方法において、
    前記像露光工程がバックグラウンド露光法を用いており、
    前記現像工程において使用するトナーが負帯電性トナーであり、
    前記感光体が窒化ケイ素を母体とする表面層を持ち、
    前記帯電工程及び前記転写工程において、感光体の表面への電荷を付与する各手段の極性が全て正である
    ことを特徴とする、画像形成方法。
  2. 前記帯電工程及び前記転写工程で与えられる電圧が周期性をもって振幅変化する場合、その波形は、負側の電圧のない波形であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記窒化ケイ素を母体とする表面層が、下記式(1)〜(3)を満たす数の窒素原子、酸素原子、および炭素原子を含有し、
    前記表面層の膜厚が1μmより大きく5μm以下であり、
    且つ前記像露光工程で使用する像露光の光源の波長が600〜700nmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成方法。
    0.4≦N/(Si+N+O+C)≦0.6 (1)
    0.01≦O/(Si+N+O+C)≦0.2 (2)
    0.0001≦C/(Si+N+O+C)≦0.1 (3)
    (式(1)〜(3)中、Siはケイ素原子の数を示し、Nは窒素原子の数を示し、Oは酸素原子の数を示し、Cは炭素原子の数を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018205381A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 キヤノン株式会社 負帯電用電子写真感光体

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