明 細 書 電子写真感光体 技術分野
本発明は電子写真感光体やこれを用いた電子写真装置に関し、 特に 3 8 0 n m以上 5 0 O nm以下の波長の光を露光に用いたプリンタ、 ファクシミリ、 複 写機などに最適な電子写真感光体や、 これを用いた電子写真装置に関する。 背景技術
プリン夕、 ファクシミリ、 複写機などに用いられる電子写真装置において は、 帯電手段により帯電した感光体に光を照射し、 画像に相当する部分以外、 あるいは画像に相当する部分を露光することにより画像に対応した静電潜像 を感光体に形成し、 これにトナーを供給して静電潜像を現像し、 静竃潜像に付 着したトナ一を転写体へ転写した後、 定着し、 一方、 トナ一像を転写体へ転写 した感光体表面 ¾除竈する工程を経て、 画像の形成が行われている.。
こめような電子写真装置の画像形成に用いられる感光体における光導電材 料としては、 高感度で、 S N比 〔光電流 (I p) /暗電流 (I d)〕 が高く、 照 射する電磁波のスぺクトル特性に適合した吸収スぺクトルを有すること、 光応 答性が早く、 所望の暗抵抗値を有すること、 使用時において人体に対して無害 であること等の特性が要求される。 特に、 事務機としてオフィスで使用される 電子写真装置内に組み込まれる感光体の場合には、 上記の使用時における無公 害性は重要な点である。 このような点に優れた性質を示す光導電材料にァモル ファスシリコン(以下、 a - S iと略記する)があり、 電子写真感光体の光受容 部材として多用されている。
アモルファスシリコンを光導電部材として用いた感光体においては、 一般的
には、 導電性基体を 5 0で〜 3 5 0 °Cに加 し、 該基体上に真空蒸着法、 パ ッ夕リング法、 イオンプレーティング法、 熱 C VD法、 光 C VD法、 プラズマ C VD法等の成膜法により a— S iからなる光導電層を形成する。 な.かでもプ ラズマ C VD法、 すなわち、 原料ガスを高周波あるいはマイクロ波グロ一放電 によって分解し、 基体上に a— S i堆積膜を形成する方法が好適なものとして 採用され、 このように形成した光導電層上に、 磨耗や、 温度、 湿度などの使用 環境に対して耐久性を付与する表面脣を積層し、 実用に適した感光体が製造さ れている。
かかるァモルファスシリコン堆積膜で構成された光導電層を有する光導電 部材の、 暗抵抗値、 光感度、 光応答性等の光導電的特性、 耐湿性などの使用環 境特性、 さらには経時安定性、 耐久性などについて改善を図るため、 例えば、. 特開平 5— 1 5 0 5 3 2号公報には、 基板、 障壁層、 光導鼇層、 表面層からな る a— S i : N感光体を、 S i H4、 H2、 N2、 B2¾から作成し、 それぞれの流 量比を規定することで P— i—n接合の逆バイアス状態となるように構成し た感光体が記載されている。 また、 特開平 8— 1 7 1 2 2 0号公報には、 導電 性基体上に a— S iからなる光導電層とアモルファス窒化シリコンからなる 表面層を有する電子写真感光体において、 感光体の最表面における N/ S iの 元素組成比が 0. 8〜1 . 3 3の範囲で、 〇Z S iの元素組成比が 0〜0 . 9 の範囲にあることを特徴とする電子写真感光体が記載されている。
なお、 前記 a— S i感光体を帯亀する方法としては、 コロナ帯電を用いたコ ロナ帯電方式、 導電性ローラ一を用い直接放電で帯電を行うローラ一帯電方式、 磁性粒子等により接触面積を十分にとり、 感光体表面に直接電荷を付与するこ とにより帯電を行う注入帯電方式などがある。 中でも、 コロナ帯電方式やロー ラー帯電方式は放電を用いるために感光体表面に放電生成物が付着しやすい。 加えて a— S i感光体は有機感光体などに比べてはるかに高硬度な表面層を 持っているために放電生成物が表面に残存しゃすく、 高湿環境下などで水分の
吸着によって放電生成物と水分が結合して表面を低抵抗化させ、 表面の電荷が 移動しやすくなつて画像流れ現象が発生する場合がある。 そのため、 表面,の摺 擦方法や感光体の温度管理方法など、 様々な工夫が必要となる場合があった。 これに対して、 前記注入帯電方式は放電を積極的に用いることはせずに、 感 光体表面に接触した部分から直接電荷を付与する帯電方式であるために前記 の画像流れといった現象は発生しにくい。
また、 接触帯電である注入帯電方式は、 コロナ帯電方式が電流制御型である のに対し、 電圧制御型であるため、 帯電電位のムラを比較的小さくしゃすいと いうメリットがある。 ·
従来の a— S i系電子写真感光体は、 暗抵抗値、 光感度、 光応答性等の電気 的、 光学的、 光導電特性、 及び使用環境特性の点、 さらには経時安定性および 耐久性の点において、 各々個々には特性の向上が図られてはいるが、 総合的な 特性向上を図る上でさらに改良される余地が存在するのが実状である。
特に、 近年急速にデジタル化、 カラー化への移行が進み、 電子写真装置の高 画質化への要求は以前に増して高まっている。 ここでいう高画質とは、 高解像 であること、 高精細であること、 濃度ムラがないこと、 画像欠陥 (白抜けや黒 点など) がないことを指している。 加えて、 高速化、 高耐久化への要求も急速 に増しており、 電子写真感光体においては電気的特性や光導電特性の向上、 均 一性や画像欠陥低減の向上とともに、 耐久性ゃ耐環境性 (温度 ·湿度変化順応 性) も含めて大幅に性能を延ばすことが求められている。
例えば、 画像の解像度を高めるためには、 トナーの小粒径化と並んで、 像形 成用のレーザー光のスポット径を小さくすることが有効である。 レーザー光の スポット径を小さぐする手段としては、 レーザ一光を光導電層に照射する光学 系の精度を向上させたり、 結像レンズの開口率を大きくしたりすること等が挙 げられる。 結像レンズの開口率を大きくするにはレンズの大型化や機械精度の 向上等の理由により装置の大型化やコスト上昇は避け難い。
そのため、 近年、 レーザ一光の波長を短くしてスポット径を小さくし、 静電 潜像の解像度を高めるという技術が注目されている。 これは、 レーザ一光,のス ポット径の最小値がレーザー光の波長に正比例することによる。 従来の電子写 真装置においては、 画像露光の際に 6 0 0〜 8 0 0 nmの発振波長を有するレ —ザ一光が一般的に用いられており、 この波長をさらに短くすることで画像の 解像度を高めることができる。 近年、 発振波長の短い半導体レーザーの開発が 急速に進んでおり、 4 0 0 nm近辺に発振波長を有する半導体レーザーが実用 化され、 そのような短波長帯の光に対応できる感光体が要請されている。
そのような短波長光を用いた際の工夫としては、 例えば特開 2 0 0 0 - 2 5 8 9 3 8号公報に、感光層が水素化 a-Siを含有する層であり、露光手段が 3 8 0 η π!〜 4 5 0 n mに主たる発振波長を有する紫外青紫色レーザー光発振器 を具備することを特徴とする画像形成装置が記載されている。 また、 特開 2 0
0 2 - 3 1 1 6 9 3号公報には、 a— S i系感光体を用い、 画像形成光線を露 光する時点に於ける感光体にかかる電界が 1 5 O k VZcm以上であり、 画像 形成光線の波長が 5 0 0 n m以下であることを特徴とする電子写真装置が記 載されている。 、
4 0 0 n m近辺に発振波長を有する半導体レーザーを画像露光に使用した 場合に感光体に要請されることは、 第一には、 露光波長に対して十分な感度を 有すること、 第二には、 表面層にて露光波長がほとんど吸収されないことであ る。 a— S i系の感光層は感度のピークが 6 0 0〜7 0 0 nm付近であるため、 ピーク感度に比べればやや劣るものの、 条^^を工夫すれば 4 0 0〜4 1 0 n m 付近の感度は有しており、 例えば、 4 0 5 nmの短波長レーザ一を用いた場合 でも使用可能である。 ただし、 感度的にはピークに比べて半分前後となる場合 もあり、 その場合に表面層における吸収が殆どないことが好ましいことになる。 しかし、 従来表面層に好適に用いられてきたアモルファス炭化シリコン (以降 a - S i C) 系材料やアモルファスカーボン (以降 a— C)系材料の場合、 4 0
0〜 4 1 0 n m近辺では吸収が大きくなりやすい傾向があつた。 即ち、 S i C系材料では、 条件を工夫することで透過率を向上させ、 またある程度膜厚 を薄くすることで対処することも可能であつたが、 表面層は複写機内で摺擦に よって徐々に削られていくという宿命にあり、 長寿命という a _ S i系感光体 の特性を十分に生かしきるためには、 ある程度以上の膜厚が必要である。 よつ て、 表面領域における吸収量と寿命とがトレ一ドオフの関係に陥る場合があつ た。 また、 a— C系材料の場合、 条件によっては透過率のよい膜も作成可能で あつたが、 その場合にはポリマーに近い構造となり、 硬度が低くなつたり、 抵 抗値が高くなりすぎたりする場合があった。ようて、 a— C系材料の場合には、 透過率と硬度あるいは抵抗とのトレ一ドオフになる場合があつた。
これらの材料に対して、 アモルファス窒化シリコン (以降 a— S i N)系材料 を用いた場合、 条件を最適化することにより 4 0 0〜4 1 0 n m付近の吸収係 数を下げられることが判っていたが、 そのような膜は感光体の表面層としては 使用が難しく、 これまで実用化されていない。
特許文献 1においても、 表面層として好適な a _ S i N系の膜の形成条件が 開示されているが、 この場合でも露光に供される波長は 5 5 O n mまでし力、考 慮されていない。 その上、 5 5 O nmの露光波長でも、 表面層の膜厚が 0 . 8 U rnを越えると感度が低下する。 発明の開示
(発明が解決しょうとする課題)
本発明の課題は、 3 8 0〜 5 0 0 nm付近の短波長の光に対し吸収が殆ど認 められず、 耐磨耗性を有する表面層を備え、 特に高い画像解像性を有し、 喑抵 抗値、 光感度、 光応答性、 光メモリがないなどの電気写真特性に優れ、 使用環 境特性、 経時安定性、 耐久性など総合的な特性が向上した電子写真感光体およ びこのような感光体を備えた電子写真装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段)
本発明者らは高画質、 高速の複写プロセスに好適に使用でき、 短波長露光に 対して実用上十分な感度を持ち、 光メモリがなく、 帯電能が高く高コントラス 卜な複写プロセスを実現し、 使用環境特性、 経時安定性、 耐久性など総合的な 特性が向上した電子写真感光体を得るために、 鋭意研究を行った。
本発明者らはまず特開平 8— 171220などにあるような従来の方法に より、 表面層として好適な a— S iN:H系材料の薄膜を形成したが、 これら の公知の方法で形成した膜は短波長の光、 例えば 400〜410 nmの光に対 する吸収係数が比較的大きく、 そのような表面層をもつ感光体では、 波長が 4 00〜410 nm付近の光に対しては感度が不十分となる場合があることが わかった。
その後検討を重ね、 原料ガス種、 原料ガスの流量と比率、 投入電力のガス量 に対する比などを適切にし、 これらが限定された特定の範囲において作製しだ とき、 初めて 405 nmなどの短波長光に対して吸収の少ない表面層が得られ ることが判った。 ここで、 吸収が少ない膜とは、 定量的に表すとすれば、 入射 光の光量を T0、 透過光の光量を Τ、 胰厚を t (cm) としたとき、 下記式 ひ=— ( 1 ηΤ TO) /t
で表される吸収係数ひが、 5000 cmr1以下、 好ましくは 3000 cm一1 以下の膜をいう。
このような特定の限定された条件で作成した表面層を、 最表面の汚染などを 受けた部分を取り除いた上で、 XPS (X線光電子分光法)、 RBS (ラザフ オード後方散乱分光法)、 S IMS (二次イオン質量分析法) などで分析した ところ、 窒素の含有範囲とし!:は、 実用膜厚における吸収が許容できる値とし て、 N/ (S i +N) (式中、 Nは窒素原子の数を示し、 S iはシリコン原子 の数を示す。) と表記した場合で 0. 3以上が好ましく、 より好ましくは 0. 35以上であることが分かった。 また、 上限としては、 歩留まりの関係から、
0 . 7以下が好ましく、 より好ましくは 0 . 6以下であることが分かつ 。 ご の範囲を超えるような条件で作成した場合、 膜厚や硬度、 抵抗などのムラが発 生しやすくなり、 歩留まり率が大きぐ低下する場合があることが分かった。 こ の理由としては、 窒素が多くなりすぎると膜の結合が非常に不安定になるため ではないかと予想される。 また、 0. 7以下の範囲が、 膜の強度が保て、 表面 ' 層として使用する際にはより望ましいことが判った。
ここで、 最表面の汚染などを受けた部分とは、 吸着元素や表面に形成された 酸化膜の影響を受けた部分のことを指している。 この汚染などを受けた部分を P余去する方法としては、 真空中で A r原子などを用いたスパッ夕を施すことに より、 表面をおよそ 1 0 n m、 好ましくは 2 0 nm程度除去する手段が採られ る。 例えば、 S I M Sなどでチャージアップを防ぐための導電膜を蒸着してか ら測定する場合には、 蒸着膜の厚さと、 除去膜厚 2 O nm程度とを合計した膜 厚相当分をスパッ夕してやればよい。 . '
本発明者らは、 別途の切り口から、 露光用レーザーのスポットの小径^ ί匕を図 ることができる表面層の材質を見い出すべく、 6 5 5 nmと 4 0 5 nmの波長 のレーザ一光を用いて、 アモルファスシリコン系光導電層と各種ァモルファス 窒化シリコン系表面層を有する下記の感光体 (1 ) 〜 (5 ) に画像露光したと きの、 スポット径と画像上または感光体の静電潜像上のドット径の関係につい て検討した。 各感光体毎にレーザー光を照射し、 横軸にレーザーポット径、 縦 軸に静電潜像や.画像上のドヅト径をとつたグラフ上にプロット ^ると、 図 6に 示すように、 6 5 5 nmのレーザ一光を用いた場合 (図 6の (1 )、 以下、 感 光体 (1 ) という。) では、 スポット径は光学系の開口数などで何とか絞るこ とが可能でも、 ある程度限界があるのに対し、 4 0 5 nmのレーザ一光を用い た場合 (図 6の (2 ) 〜 (5 )、 以下、 感光体 (2 ) 〜 (5 ) という。) では、 短波長露光を用いているので、 更にスポット径を絞ることが可能であることが 分かった。
また、 露光波長の違いは、 光導電層における光吸収にも影響する。 短 W露光 波長では光導電層における光吸収が非常に薄い領域に限られる。 光生成キヤリ ァは、 表面電荷が形成する電界によって加速され、 膜の厚さ方向に移動する。 そして、 表面電荷と逆極性のキャリアが表面に移動し、 電荷をキャンセルする ことで、.静電潜像が形成される。 しかし、 キャリア移動の際に、 キャリア同士 の静電的な反発力によって、 膜の面方向 (厚さ方向と垂直方向) にも移動する 可能性があり、 潜像のぼけにつながるおそれがある。 従って、 露光パターンに より忠実な静電潜像パ夕―ンを形成するためには、 光生成キャリァが表面電荷 をキャンセルするために移動する距離を短くした方が好ましく、 即ち、 光キヤ リアの生成領域は、 表面に近い方が好ましい。 従来の 6 0 0〜8 0 O nmの露 光では、 a— S i感光体の光学特性から光導電層の上部数/ 〜十数 mまで 光が到達してキャリア生成が起こる。 一方、 例えば 4 0 5 nmの露光では、 光 導電層最上部の極めて薄い範囲で光吸収が終了し、 光生成キヤリァが上^に到 達するまでに広がる余地が殆どないため、 更に高解像が期待できることとなる。 このことから、仮に同じスポット径(図 6の横軸ィの位置における( 1 )と( 2 ) に相当) でも、 解像力に差がでることが期待できる。
一方、 感光体の実力から、 ある程度以上スポット径を絞ってもそれ以上ドッ ト径が小さくならない場合が発生する。 例えば、 レーザー光として同じ 4 0 5 nm波長光を用い最小スポット径は同じような大きさであっても、感光体(5 ) においては感光体 ( 2 ) 〜 (4 ) と比較して画像上または感光体の静電潜像上 のドット径が小さくならない。 同じ短波長のレーザー光を用いて画像露光を行 つても、 スポット径を小さくしたことによるメリツ卜が得られない場合がある ことが示された。 これとは逆に、 感光体 (3 )、 (4 ) では、 スポット径を最小 まで絞った場合、 同じ最小径のスポット径を有する感光体 (B) における画像 上または潜像上のドット径より小さいドット径とすることができる。 このよう に、 作成条件を工夫して短波長レーザ一光の透過性のよいアモルファス窒化シ
リコン系膜を作成したと ,しても、 解像力の向上には直結しない場合がある 4こと がわかった。 感光体 (5 ) では、 表面層などの膜中の欠陥などに起因して潜像 がぼけてしまうのではないかと思われ、 感光体 (3 )、 (4 ) では、 表面層の最 適化により更に解像力を向上させることが予測できた。
そこで本発明者らは、 表面層の実力の最適化を狙って作成条件の様々な見直 しを行ったところ、 微量の酸素原子を添加することにより、 3 8 0〜 5 0 0 η m光に対する吸収係数を小さく抑えながら解像力をより向上させることが可 能であることがわかった。 ,
この理由としてはまだ分かっていないが、 酸素原子及び Z又は炭素原子を少 量添加することにより、 応力の大きな a— $ i N系の膜において結合の緩和が 起こり、 結果として欠陥が減少したと考えられる。 前述したように窒素濃度の 高い a— S i N系の膜は吸収係数が小さく硬度も非常に大きいので、 表面層と して使用するには好適であるが、 硬度が大きいと膜中の応力も大きくなる場合 があり、 非常に大きな残留応力が膜中に残ってしまう場合がある。 このような 場合には応力による歪を緩和するために結合が切れたりして、 膜堆積後に欠陥 が生成されることが考えられる。 酸素は結合手の数が 2本であることから、 原 子間に効果的に入り結合のひずみを緩和する働きが予想でき、 欠陥生成を効果 '的に防止できるのではないかと考えられる。 また炭素を添加することでも、 S i 一 C結合の他にも C一 N結合、 C =N結合などといった、 柔軟な結合形態を 導入するができるため、 結合緩和を起こすものと考えられる。
しかし、 a— S i N系の膜を改善するために、 酸素単独で十分な応力緩和を 行おうとすると、 透過性は変わらないものの高抵抗になりやすい傾向があり、 また炭素単独で十分な応力緩和を行おうとすると、 抵抗は変わらないものの短 波長光に対する透過性が減少しやすい傾向があった。 本発明者らは、 酸素と炭 素とを適量混在させることで、 これらの欠点を顕在化させずに結合緩和のみを 促進することが可能であることの知見を得た。
ここで、 アモルファス窒化シリコン系膜に水素を添加した表面層を有する感 光体において、 解像度の顕著な向上が認められない場合があるのは、 水素終端 などは膜形成中に欠陥を修復する効果はあるものの、 無理な結合や弱い結合が 膜堆積後に熱応力によつて切れ、 欠陥に変わってしまうためではないかと考え られる。 少量の酸素や炭素によって結合の緩和が起こり、 水素による欠陥修復 と並行して、 これまで成膜後に生成されていた欠陥を効果的に低減させ、 総合 的に欠陥低減が実現できたのではないかと考えられる。 このように、 低欠陥化 が実現すると、 膜中にある浅いトラップが減り、 例えば帯電後にトラップに束 縛されたキャリアが、 現像までの間に再励起して出てくることがなくなる。 従 来の感光体の表面層において、 このような浅いトラップから出てくるキャリア は、 潜像形成によって生じた電位差を埋めるようにドリフトすると考えられる ので、潜像をなまらせたり、潜像の深さを浅くしたりしてしまうと考えられる。 このように、 トラップの低減が図れれば、 潜像をなまらせる原因が減り、 解像 度が高まると考えられる。
また、 酸素や炭素の量が少ない場合には価電子制御性の不純物と同様の作用 ' が発生すると思われ、 バンド構造の不整合を修正する働きがあると考えられる。 パンドの不整合は、 キヤリァの蓄積や横流れを生じる原因となるおそれがあり、 感光体の解像力を低下させる可能性がある。 膜中に少量含有される酸素や炭素 はバンド構造の整合性の向上に寄与すると考えられる。 一方、 あまり多く添加 すると、 添加物的な役割から構造材的な役割に変化することがあり、 膜の硬度 が下がったり、 高抵抗化して残留電位が増加したり、 S i Cに近づくことで膜 の透過性が下がったり、 親水性の S i O結合が増加し、 高温高湿下で画像のポ ケが発生する場合があることが判った。 酸素の含有量としては、 最表面の汚染 などを受けた部分を除いた上で、 OZ ( S i + N + 0 + C) の形で、 膜中の平 均濃度が 0 . 0 1 a t m%以上 2 0 a t m%以下、 更に好ましくは 0 . 5 a t m%以上 1 0 a t m%以下であることが判った。 また、 炭素に関しても同様に
最表面の汚染などを受けた部分を取り除いた上で、 C/ ( S i + N + 0 +^C) の形で、 膜中の平均濃度が 0 . 0 1 a t m%以上 1 0 a t m%以下、 更に,好ま しくは 0 . 5 a t m%以上 5 a t m%以下であり、 この範囲であると解像度が 更に向上することが判った。 . '
また、 表面層中において酸素原子が開放表面へ向かって濃度が高くなるよう な傾斜組成を有するように含有されることにより、 更に電午写真特性の向上を 図ることができることがわかった。
酸素の濃度分布と特性向上の関係に関しては、 明らかにはなっていないが、 前述したように酸素濃度をあまり高めすぎると高抵抗化により電子写真特性 .に影響が出てしまうため、 表面に向かって徐々に酸素濃度を漸増させることで、 電子写真特性のバランスをとりつつ、 結合の緩和によって欠陥の発生を抑制で きると考えられる。 また、 この酸素の傾斜分布により、 光メモリ一の更なる低 減が実現される。 この理由についても明らかではないが、 酸素の傾斜分布によ つてパンド構造の傾斜が起こり、 キヤリァの流れがよりスムーズになるためと 考えられる。
また、 表面層中の窒素の分布に関しても、 開放表面に向かって濃度が高くな 'るような膜厚方向分布を持たせることで、 電子写真特性の向上と歩留まりの向 上を図ることができることがわかった。 この理由に関しては以下のように考え ている。 前述したように窒素量が多くなると特性的には有利な面もあるものの、 歩留まりが低下する場合があった。 しかし傾斜分布とすることで、 徐々に組成 が変化し、 不安定な結合状態が解消され、 結果として特性の向上と歩留まりの 改善を図ることができると考えられる。 また、 酸素と同様にバンド構造の傾斜 によるキヤリァのスムーズな流れが実現されるため、 解像力や耐ゴ一スト特性 などが向上したと考えられる。
加えて、 表面層においそ、 厚さ方向の単位長さ当たりに含有される窒素原子 の数を N、 厚さ方向の単位長さ当たりに含有される酸素原子の数を 0としたと
き、 OZNを、 開放表面に向かって増加させることにより、 解像力やゴ ^卜 特性がより向上することが判った。 これは、 窒素原子の数 Nが一定であれば、 酸素原子の数 Oは開放表面に向かって増加することが好ましく、 窒素原子の数 Nが漸増している場合は、 窒素原子の数 Nの増加率よりも酸素原子の数 Oの増. 加率の方 ί^、常に大きくなることが好ましいことを示している。 この理由に関し ても推測であるが、 窒素原子が増えることで結合のひずみが増すところ酸素原 子がこれを緩和し、 酸素原子が常に窒素原子に比べて多いことでひずみの緩和 が理想的になされるのではないかと考えられる。
また、 本発明の表面層は、 高精細、 高画質を実現するために最適であること から、 印刷画質を意識した高画質機、 特にフルカラ一機に使用することで、 最 大限の効果が得られる。 ところでカラ一トナーは特にネガ帯電トナ一の方が特 性的にも有利であり、 画像形成上もイメージ露光法 (I A E) と、 露光で電位 が減衰した部分を現像する方式 (反転現像) との組合せの方が高画質が得やす いことから、 これらの組合せを考えると、 感光体は負帯電感光体が好ましいこ ととなる。 その際には、 上部からの電子の侵入を抑えるために、 光導電層と前 記表面層との間に、 シリコン原子と窒素原子を母体とし、 周期表第 1 3族元素 を含むァモルファス材料からなる上部電荷注入阻止層を含むことがより好ま しい。 上部電荷注入阻止層も a _ S i N系の材料とすることで、 この層にお る吸収も非常に小さくすることが可能となり、 3 8 0〜5 0 O nm波長露光を 用いた際に特に有利であることは言うまでもない。
また、 光導電層と上部電荷注入阻止層との間にシリコン原子と窒素原子を母 体とし、 厚さ方向の単位長さ当たりに含有されるシリコン原子の数 S iに対す る、 厚さ方向の単位長さ当たりに含有される窒素原子の数 Nの比 N/S iの値 が、 上部電荷注入阻止層に向かって増加するようにシリコン原子および窒素原 子を含有するアモルファス材料を含む傾斜組成層や、 上部電荷注入阻止層と表 面層との間に、 シリコン原子と窒素原子と炭素原子を母体とし、 厚さ方向め単
位長さ当たりに含有されるシリコン原子の数と、 窒素原子の数と、 炭素原子の 数との組成比が連続的に変化するようにシリコン原子、 窒素原子および炭素原 子を含有するアモルファス材料を含む変化層を有するものは、 光学的に明確な 反射面を持たないため、、 表面の微小な膜厚ムラや微小な削れムラによって引 き起こされる感度ムラを防止できるため、 より好ましいことがわかった。 また、 本発明の上部電荷注入阻止層の材料を工夫することで、 この層におけ る吸収も非常に小さくすることが可能となり、 短波長露光を用いた際に特に有 利である。 そのためには、 シリコン原子と炭素原子を母体とする上部電荷注入 阻止層において、 炭素原子の平均濃度が、 C/'(S i +C) の表記で、 10 a tm%以上、 50 a tm%以下となるような範囲が好ましく、 より好ましくは 15 a tm%以上 40 a t m%以下であることが分かった。 あまり炭素濃度を 低くすると吸収が大きくなり、 逆に多くしすぎると価電子制御性が悪くなつて 阻止能が低下する。 上記のような範囲の組成とすることで、 上部電荷注入阻止 層における吸収を極力少なくしながら、 阻止能を十分に持った感光体が実現で きる。 上部電荷注入阻止層に含有させる周期表第 13族元素はホウ素であるこ とが最も好ましく、 その含有量はシリコン原子に対して 50 a tm* ppm以 上、 3000 a tm* p pm以下が好ましく、 より好ましくは 100 a tm · ppm以上、 2000 a tm · p pm以下であることが分かった。 あまり濃度 を低くすると電子に対する阻止能が不足しがちになり、 逆に多くしすぎると面 内方向で光生成キャリアであるホールが横流れしやすくなり、 解像力が悪くな る場合が生じ、 上記のような範囲の濃度とすることで、 上部電荷注入阻止層に 要求される阻止能を十分に確保しつつ、 十分な解像力を持った感光体が実現で きることが分かった。
加えて、 上部電荷注入阻止層の膜厚としては、 5nm以上、 150nm以下 が好ましく、 より好ましくは 100 nm以下、 更に好ましくは 50 nm以下で あることが分かった。 あまり薄くしすぎると阻止能不足により帯電能が悪くな
つたり、 光メモリ一が悪くなる場合があり、 逆に厚くしすぎると吸収が;^きく なる場合があり、 上記のような範囲の膜厚とすることで、 上部電荷注入阻止層 の特性と吸収とのバランスを取ることができることが分かった。
また、 光導電層から上部電荷注入阻止層、 表面層にかけて、 それぞれの膜の 組成を連続的に変化するように、 光導電層と上部電荷注入阻止層との間ではシ リコン原子と炭素原子の組成比を変化させた傾斜組成層を、 また上部電荷注入 阻止層と表面層との間ではシリコン原子と炭素原子と窒素原子の組成比を変 化させた変化層を含むことがより好ましいことがわかった。 光学的に明確な反 射面を持たないことは、 表面の微小な膜厚ムラや微小な削れムラによって引き 起こされる感度ムラを防止できるため、 より好ましい。
本発明の電子写真感光体が、 3 8 0 ηπ!〜 5 0 0 nm波長の光に対し、 実用 的に十分な感度を有することを以下により確認した。
図 4は、 本発明の電子写真感光体の分光感度を示した模式図である。 感光体 における分光感度とは、感光体の表面を一定電位、例えば 4 5 0 Vに帯電させ、 その後さまざまな波長の光を照射して一定電位まで光減衰させるのに要した 光量を測定し、 光量の逆数、 即ち、 単位面積の光の単位エネルギー量当たりの 電位減衰量(V · c m ^ J ) を各波長毎に求め、 その最大値を有する波長に おける電位減衰量を 1 0 0としたときの各波長における電位減衰量を換算し、 換算値を各波長における感度として求めることができる。
図 4は、 横軸に波長、 縦軸に換算した電位減衰分、 即ち感度を取り、 さまざ まな波長における本発明の電子写真感光体における電位減衰分をプロットし たものであり、 3 8 0 nm以上 5 0 0 nm以下の波長光において、 感光体とし て実用上使用可能な感度を持っていることが確認できた。
電子写真感光体として、 像露光による単位エネルギー量あたりの電位減衰分 が、 3 0 0 V · c m2/ J以上であることが好ましい。 この単位エネルギー量 あたりの電位減衰分が 3 0 0 V · c m2 Jよりも低い場合でも電子写真にお
ける画像形成は可能であるが、 実際には露光光量を大きくしなければなもず、 露光装置の大型化や高コスト化、 短寿命化につながるため、 好ましくは 3, 00 V · cm Z J以上、 さらに好ましぐは 400 V · cm2/ /j以上である。 この表面電位減衰分の測定については、梶田ら(電子写真学会誌、第 22巻、 第' 1号、 1983) の方法に準じた方法により行った。 簡単に説明すると、 複 写機内での挙動を再現するため、 感光体表面に I TO電極など透明な電極を密 着させ、 複写機内のシーケンスを摸して露光や電圧印加を行い、 表面の電位変 化を測定する。 表面の電位を測定する場合には、 感光体をコンデンサーと見な し、 既知の容量と直列接続して電位を印加し、 感光体の帯電能の情報を得るこ ともできる。 梶田らの方法では透明絶縁膜を感光体と I TO電極の間に挟む方 法を用いているが、 電気回路を工夫することで固定コンデンサーを用いること ができる。
具体的には、 除電光 (例えば 5 OmW/cm2) を一定時間 (例えば.0. 1 秒) 照射したあと、 一定時間 (例えば 0. 01秒) 経過後、 電圧を印加 (例え ば 20ms e c程度) して表面を帯電させる。 電圧付与をなくしてから一定時 間 (0.1〜0.5秒程度、 例えば 0. 25秒) 経てから、 I TO電極につない だ導電体の表面を電位計で測定する。 .この時間は複写機内で感光体の電位を付 与した部分が現像器に到達する夕イミングに相当するので、 現像器位置におけ る電位に相当する。 次に、 同様のシーケンスで電圧付与と電位測定の間に様々 な波長の光を露光 (例えば電圧付与から 0. 1秒後) し、 同様に現像器位置に 相当するタイミングの電位を測定し、 光を当てる場合と当てない場合との差分 を計算する。 これは、 現像器位置での、 露光光による電位減衰分を測定してい ることに相当する。
本発明者らは上記知見に基づき、 本発明をするに至つた。
すなわち、 本発明は、 基体と、 該基体上に順次設けられた光導電層と、 表面層 とを有する電子写真感光体において、 表面層が、 シリコン原子と窒素原子を母
体とし、 少なくとも酸素原子および炭素原子を含有するアモルファス材料4を含 み、 該アモルファス材料が、 式 (1) 〜 (3)
0. 0001≤0/ (S i +N + 0 + C) ≤0.. 2 (1)
' 0. 000 (S i +N + 0 + C) ≤0. 1 (2)
0. 3≤N/ (S i +N + 0 + C) ≤0. 6 (3)
(式 (1) 〜.(3) 中、 S iはシリコン原子の数を示し、 Nは窒素原子の数を 示し、 〇は酸素原子の数を示し、 Cは炭素原子の数を示す。) でそれぞれ表さ れる平均濃度として酸素原子、 炭素原子および窒素原子を含有するこどを特徴 とする電子写真感光体に関する。 '
(発明の効果)
本発明の電子写真感光体は、 表面層の膜の硬度を維持し、 抵抗値の上昇を抑 制することで残留電位の上昇を抑制し、 表面層における画像露光の吸収を顕著 に抑制し、 高温高湿下でも画像ボケの発生を抑制することができる。 また、 本 発明の電子写真装置は、 380〜 500 nmの波長光に対して、 充分な感度を 得ることができ、 青色発光半導体レーザ一を画像露光として用い、 レーザース ポット径を小径化して高解像度を初めとする優れた電子写真特性を備え、 耐環 境性、 耐使用環境性、 容易に製造することができる次世代超高画質電子写真装 置を狙うことができる。 図面の簡単な説明
図 1 Aは、 本発明の電子写真感光体の一実施例を示す概略模式図である。 図 1 Bは、 本発明の電子写真感光体の一実施例を示す概略模式図である。 図 1 Cは、 本発明の電子写真感光体の一実施例を示す概略模式図である。 図 1 Dは、 本発明の電子写真感光体の一実施例を示す概略模式図である。 図 2は、 本発明の電子写真感光体の製造に使用する RF帯の高周波を用いた プラズマ CVD堆積装置の一例を示す概略構成図である。
図 3は、 本発明の電子写真装置を示す概略構成図である。 〗 図 4は、 本発明の電子写真感光体の分光感度を示した模式図である。 . 図 5は、 本発明の電子写真感光体の表面層中における窒素原子濃度と波長 4
05 nmの光に対する感度との関係を示す関係図である。
図 6は、 本発明の電子写真感光体における露光用レーザーのスポット径と、 出力画像上のドット径との関係を説明する模式図である。 発明を実施するための最良の形態
次に、 本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図 1 A乃至 1 Dは本発明における電子写真感光体の層構成の一例について 示した模式図である。 図 1Aに示すように、 電子写真感光体 10は、 基体 10 1の上に光導電層 102、 表面層 103が順次積層された構成であり、 表面層 1 シ コン原子と窒素原子を母体とし、 少なくとも酸素原子および炭素原子 を含有するアモルファス材料を含み、該ァ ÷ルファス材料力 式(1) 〜 (3) 0. 0001≤O/ (S i +N + O + C) ≤0. 2 (1)
0. 0001≤C/ (S i +N + O + C) ≤0. 1 (2)
0. 3≤N/ (S i +N + 0 + C) ≤0. 6 (3) '
(式 (1) 〜 (3) 中、 S iはシリコン原子の数を示し、 Nは窒素原子の数を 示し、 Oは酸素原子の数を示し、 Cは炭素原子の数を示す。) でそれぞれ表さ れる平均濃度として酸素原子、 炭素原子および窒素原子を含有するものであれ ば、 特に制限されるものではない。
また、 本発明の電子写真感光体は、 図 1 Bに示すように、 基体 101が導電 性の場合その上に導電性基体側からの電荷の注入を阻止するために下部電荷 注入阻止層 104を設けることが好ましく、 また、 図 1 Cに示すように、 上部 からの電荷注入を低減し、 帯電性を向上させる目的で上部注入阻止層 105を 設けることが好ましい。 このような構成は負帯電用電子写真感光体に特に好適
である。 ; また、 本発明の電子写真感光体は、 図 1Dに示すように、 表面層 1 0 3 ,と上 部電荷注入阻止層 1 0 5との間で、 屈折率の変化が連続的になるような変化層 1 0 6を設けてもよい。 このように、 表面層の屈折率と上部電荷注入阻止層の 屈折率とをなだらかに接続することにより、 この層界面における光の反射が抑 えられ、 可干渉光を露光に用いた場合の表面での干渉を防ぐことができる。 露 光に可干渉光以外の光 (例えば L E Dなど) を用いた場合でも、 このような界 面における干渉が生じると削れによる感度の変動が起こりやすく、 ほんの少し の削れムラによつても画像濃度の顕著なムラが表れてしまう可能性があると ころ、 このような界面における反射を抑制することができ好ましい。 また、 上 部電荷注入阻止層と光導電層の屈折率差が大きい場合には、 上部注入阻止層 1 0 5と光導電層 1 0 2との間にも屈折率のなだらかに変化する傾斜組成層 1 0 7を設けてもよい。
以下、 各層について詳細に説明する。
[基体]
本発明において使用される基体としては、 その上に光導電層を設けるととが できるものであれば、 特に制限されるものではなく、 導電性でも電気絶緣性で あってもよい。かかる基体の導電性の材質としては、 Aし C r、 M o、 I n、 N b、 T e、 V、 T i、 P d、 Fe等の金属、 およびこれらの合金、 例えばス テンレス等を挙げることができる。
また、 電気絶縁性の材質としては、 ポリエステル、 ポリエチレン、 ポリ力一 ポネ一卜、 セルロースアセテート、 ポリプロピレン、 ポリ塩化ビニル、 ポリス チレン、 ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、 ガラス、 セラミツ ク等を挙げることができる。 これらの電気絶縁性基体の場合は、 少なくとも光 導電層を形成する側の表面は、 例えば、 真空蒸着法、 スパッ夕法、 無電解メッ キ法、 プラズマスプレー法などの方法により導電性物質を堆積させ導電性処理
されたものが好ましい。 》 基体の形状は円筒状または無端ベルト状であることが、 搭載される電子写真 装置の構造上好ましく、 その表面は平滑表面または凹凸表面であってもよ.い。 その厚さは、 所望通りの光導電層を形成し得るように適宜決定するが、 光導電 層が可撓性を要求される場合には、 基体としての機能が充分発揮できる範囲内 で可能な限り薄くすることが好ましく、 製造上および取り扱い上、 機械的強度 等の点から通常は 1 0 z m以上とされる。
[光導電層]
本発明の電子写真感光体における光導電層は、'特に制限されるものではない が、 3 8 0〜5 0 0 n mの波長の光に感度を有するものが好ましく、 ァモルフ ァスの状態、 即ち、 非晶質の状態の部分を主体として構成され、 目的とする特 性が得られる範囲内で多結晶ゃ微結晶の部分を含んでいてもよい。
光導電層のかかる波長の光に感度を有する材質として、 シリコン原子を母体 とするアモルファス材料を含むことが好ましい。 また、 光導電層には、 光導電 性および電荷保持特性を向上させるため、 水素原子や、 必要に応じてハロゲン 原子を含有していてもよい。
光導電層中の水素原子やハロゲン原子は、 シリコン原子の未結合手に結合し、 層品質の向上、 特に光導電性および電荷保持特性を向上させ得る。 水素原子の 含有量は、 特に制限はなく、 露光系の波長に合わせて適宜変化させることがで き、 例えばシリコン原子と水素原子の和に対して 1 0〜4 0 a t m%などとす ることができる。 また、 その分布形状に関しても、 露光系の波長に合わせて適 宜調整することが好ましい。 特に、 水素原子やハロゲン原子の含有量をある程 度多くすると、 光学的バンドギャップが大きくなり、 感度のピークが短波長側 にシフトすることが知られている。 3 8 0〜5 0 0 nmの波長の露光に対する 感度を向上させるためには、 かかる光学的バンドギャップの拡大のためにシリ コンと水素原子の和に対して 1 5 a t m%以上とすることが好ましい。
加えて、 光導電層には伝導性を制御する原子を光導電層の層厚方向に不均一 な分布状態で含有させることが好ましい。 これは、 光導電層のキャリアの走行 性を調整し、 あるいは補償して走行性を高次元でバランスさせることにより、 帯電能の向上、 光メモリ一低減、 感度の向上を図ることができる。
この伝導性制御原子は、 光導電層の膜厚方向の単位長さ当たりの含有量が連 続的に、 または段階的に変化するように含有されてもよく、 また、 膜厚方向の 単位長さ当たりの含有量が変化する状態において厚さ方向の一定長に亘り含 有量が変化しない状態で含有されてもよい。 伝導性を制御する原子としては、 半導体分野における、 いわゆる不純物を挙げることができ、 周期表第 13族に 属する原子 (第 13族原子とも略記する)、 または周期表第 15族に属する原 子 (第 15族原子とも略記する) を用いることができる。 第 13族原子として は具体的には、 ホウ素 (B)、 アルミニウム (A l)、 ガリウム (Ga)、 イン ジゥム (I n)、 タリウム (T 1) 等があり、、特に B、 Al、 G aが好適であ る。 第 1.5族原子として、 具体的には、 窒素 (N)、 リン (P)、 ヒ素 (As)、 アンチモン (Sb)、 ビスマス (B i) 等があり、 特に?、 As、 Sbが好適 である。伝導性を制御する原子の光導電層中の含有量は、特に制限されないが、 一般には 0. 05〜5 a tm · p pmとすることができる。 また、 画像露光の 到達する範囲においては、 伝導性を制御する原子を実質的に含有しないもので あってもよい。
また、 光導電層は、 その他、 物性の制御性、 作製上などの点から、 ヘリウム 原子、 水素原子など適宜含有していてもよい。
光導電層の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び製造上の効率や 経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、 例えば 5〜50/zmと することができ、 好ましくは 10〜45 xm、 より好ましくは 20〜40 m である。 層厚が 5 zm以上であれば、 帯電能や感度等の電子写真特性が実用上 充分となり、 50 m以下であれば、 光導電層を効率よく製造することができ
る。 J このような光導電層を作製するには、 基体上に例えばグロ一放電法によ,り作 製することができる。 かかるグロ一放電法としては、 後述する高周波プラズマ C VD装置を用いた方法を挙げることができる。例えば、 シリコン原子 ( S i ) を供給し得る S i供給用の原料ガスと、 水素原子 (H) .を供給し得る H供給用 の原料ガスと、 必要に応じてハロゲン原子 (X) を供給し得る X供給用の原料 ガスとを、 内部を減圧できる反応容器内に所望のガス状態で導入して、 反応容 器内にグロ一放電を生起させ、 あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の 基体上に a— S i : H, Xからなる膜を形成する^法などを挙げることができ る。
S i供給用ガスとなり得る物質としては、 S i H4、 S i 2H6、 S i 3H8、 . S i 4H10等のガス状態の、 またはガス化し得る水素化ケィ素 (シラン類) が、挙 げられ、 更に層作製時の取り扱い易さ、 S i供給効率の良さ等の点で S i H4、 S i 2H6が好ましいものとして挙げられる。 なお、 各ガスは単独種のみでなく 所定の混合比で複数種混合してもよい。
そして、 膜の物性の制御性、 ガスの供給の利便性などを考慮し、 これらのガ スに更に、 H2、 H e及び水素原子を含むケィ素化合物から選ばれる 1種以上の ガスを所望量混合して層形成することもできる。
上記ハロゲン原子供給用の原料ガスとしては、 具体的には、 フッ素ガス ( F2)、 B r F、 C 1 F、 C 1 F3、 B r F3、 B r F5、 I F3、 I F7等の八口 ゲン間化合物、 S i F4、 S i 2F6等のフッ化ケィ素を好ましいものとして挙げ ることができる。 光導電層中に含有される八ロゲン元素の量を制御するには、 例えば、 基体の温度、 ハロゲン元素を含有させるために使用される原料物質の 反応容器内へ導入する量、 放電空間の圧力、 放電電力等を制御すればよい。 また、 光導電層の伝導性を制御する原子を導入するための原料物質として、 第 1 3族原子導入用の原料物質としては具体的には、 ホウ素原子導入用として
は、 B2H6、 B4H10、 B5H9、 B5Hu、 B6H10、' B6H12、 B6H14等の水素化ホ ゥ素、 BF3、 BC 13、 B r3等のハロゲン化ホウ素等が挙げられる。 この他、 A 1 C 13、 GaC 13、 Ga (CH3) 3、 I n C 13、 T 1 C 13等も挙げること ができる。 第 15族原子導入用の原料物質として、 リン原子導入用としては、 PH3、 P2H4等の水素化リン、 PH4I、 PF3、 PF5、 PC 15、 PB r3、 P B r5、 P I3等のハロゲン化リンが挙げられる。 この他、 AsH3、 As F3、 As C "、 As B r3、 As F5、 SbH3、 SbF3、 SbF5、 S b C 13、 S bC l5、 B iH3、 B i C 13 B i B r3等も第 15族原子導入用の出発物質 として挙げることができる。 これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質 を必要に応じて H2および/または H eにより希釈して使用してもよい。
これらの原料ガスを用いて所望の膜特性を有する光導電層を形成するには、. S i供給用、 ハロゲン添加用等のガスと希釈ガスとの混合比、 反応容器内のガ ス圧、 放電電力ならびに基体温度を適宜設定することができる。 希釈ガスとし て使用する H2およびノまたは H eの流量は、 層設計にしたがって適宜最適範 囲が選択されるが、 S i供給用ガスに対し、 例えば 3〜30倍、 好ましくは 4 〜15倍、 より好ましくは 5〜10倍の範囲である。 反応容器内のガス圧も同 様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、例えば 1 X 10一2〜 1 X 103P aとすることができ、 好ましくは 5 X 10一2〜 5 X 102P a、 より 好ましくは 1 X 10―1〜 2 X 102P aである。 放電電力もまた同様に層設計 にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、 S i供給用のガスの流量に対する 放電電力の比を、 0. 5〜8、 好ましくば 2〜6の範囲に設定することができ る。さらに、基体の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、 例えば 200〜35 Ot:とすることができ、 好ましくは 210〜330 、 よ り好ましくは 220〜300 である。 光導電層を形成するための基体温度、 ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、 条件は通常は 独立的に別々に決められるものではなく、 所望の特性を有する光導電層を形成
すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好ましい。 ^ [表面層] , 本発明の電子写真感光体における表面層は、 主に 380〜500 nm波長光 など短波長光に対して透過性が高く、 連続繰り返し使用耐性、 耐湿性などの使 用環境耐性を有し、 感光体において高解像度などの電気特性などに関して良好 な特性を得るために設けられる。
本発明における表面層は正帯電方式の電子装置用感光体の場合には帯電保 持層としての役割も有し、 負帯電用電子写真感光体の場合、 それ自体が帯電保 持層としての役割を持ってもよいが、 後述する上部電荷注入阻止層に帯電保持 の機能を持たせ、 表面層の組成設計の自由度を確保するようにしてもよい。 本発明における表面層の材質としては、 シリコン原子と窒素原子を母体とし、 ' 酸素原子及び/または炭素原子を含むアモルファス材料を含むものであり、ァモ ルファス材料が、 式 (1) 〜 (3)
0. 0001≤0/ (S i +N + 0 + 0 ≤0. 2 (1)
0. 0ひ 01≤C/ (S i +N + 0 + C) ≤0. 1 (2)
0. 3≤N/ (S i +N + 0 + C) ≤0. 6 (3)
(式 (1) 〜 (3) 中、 S iはシリコン原子の数を示し、 Nは窒素原子の数を 示し、 〇は酸素原子の数を示し、 Cは炭素原子の数を示す。) でそれぞれ表さ れる苹均濃度として酸素原子、 炭素原子および窒素原子を含有するものであり、 かかるアモルファスの状態、即ち、非晶質の状態の部分を主体として構成され、 目的とする特性が得られる範囲内で多結晶ゃ微結晶の部分を含んでいてもよ い。 表面層に含まれるァモスファス材料におけるシリコン原子と窒素原子を母 体とするとは、 シリコン原子と窒素原子を本体とするものであればよく、 酸素 . 原子および炭素原子を除いた総ての部分がシリコン原子と窒素原子であって もよい。
かかるアモルファス材料中の窒素原子の含有量としては平均濃度として式
(3) で表される範囲であると、 均一な表面層を作製することが容易 あ 製 造上歩留まりがよく、 画像露光の吸収が殆どないが、 窒素原子の平均濃度が、 0. 35≤N/ (S i +N + 0 + C) ≤0. 55で表される範囲であれば、 上 記効果を更に顕著に得ることができるため好ましい。
また、 表面層における酸素原子含有量としては、 表面層に含まれるァモルフ ァス材料中、 平均濃度として、 式 (1)
0. 0001≤0/ (S i +N + O + C) ≤0. 2 (1) (式中、 Nは窒素原子の数を示し、 S iはシリコン原子の数を示し、 0は酸素 原子の数を示し、 Cは炭素原子の数を示す。) で表される範囲であると、 38 0〜500 nm波長の画像露光を吸収しないが、 酸素原子の含有量が 0. 00 5≤OZ (S i +N + 0 + C) ≤0. 1で表される範囲であれば、 上記効果を 顕著に得ることができる。 酸素原子を上記範囲で含有する表面層を持った電子 写真感光体は、 短波長の透過性を充分に保ちつつ、 優れた電子写真特性を有す る。 すなわち、 一般に a— S i N: Hなどのワイドパンドギャップ半導体は、 ギャップ中に多くの欠陥準位をもちやすく、 欠陥を低減することが難しくなり やすいと言われている。 表面層内に存在するダングリングポンドによる欠陥は 電子写真装置用感光体としての特性に悪影響を及ぼすことが知られている。 こ のダングリングポンドによる悪影響としては、 前記表面層内の欠陥に電荷がト ラップされることにより、 繰返し使用時の残像現象 (光メモリ) の発生や、 電 荷の横流れによる解像度の低下等が挙げられるが、 かかる含有量の酸素原子の 存在によりこれらの悪影響を解消することが可能となる。
また、 表面層における炭素原子含有量としては、 表面層に含まれるァモルフ ァス材料中、 平均濃度として、 式 (2)
0. 0001≤C/ (S i +N + 0 + 0 ≤0. 1 (2) (式中、 Nは窒素原子の数を示し、 S iはシリコン原子の数を示し、 Oは酸素 原子の数を示し、 Cは炭素原子を示す。) で表される範囲であると、 380〜
5 0 O nm波長の画像露光の吸収を抑えながら、 構造緩和などを促進でき 炭 素原子の含有量が 0 . 0 0 5≤CZ (S i +N + 0 + C) ≤0 . 0 5で表され る範囲であれば、 上記効果を顕著に得ることができる。 炭素原子を上記範囲で 含有する表面層を持った電子写真装置用感光体は、 短波長の透過性を充分に保 ちつつ、 優れた電子写真特性を有する。
また、 窒素原子や、 酸素原子は表面層中に均一に存在してもよいが、 表面側 の濃度が高く、 光導電層側に行くにしたがつて濃度が減少するような傾斜組成 分布をもって含有されることがより好ましい。 その分布状態の変化としては、 直線的であってもよいし、 指数関数的であってもよく、 あるいは段階的に変化 する組成であってもよいが、 全体として表面側に向かって増加している状態が 好ましい。 中でも指数関数的な変化をさせた場合、 スムーズな電荷移動や結合 の緩和などが起こると考えられ、 最も電子写真特性がよく、 好ましい。 更に、 表面層が、 厚さ方向の単位長さ当たりに含有される窒素原子の数 Nに対する、 厚さ方向の単位長さ当たりに含有される酸素原子の数 Oの比 OZNの値が、 開 放表面に向かって増加するように窒素原子および酸素原子を含有することが 好ましい。 厚さ方向の単位長さ当たりに含有される窒素原子の数 Nが漸増して いる場合は、 厚さ方向の単位長さ当たりに含有される窒素原子の数 Nの増加率 よりも酸ま原子の数〇の増加率の方が常に大きくなることが好ましい。 厚さ方 向の単位長さ当たりに含有される窒素原子の数が増えることで結合の歪が増 すところ、 酸素原子の数が窒素原子の数に比べて常に多いことで、 酸素原子が 結合の歪を緩和し、 歪の緩和が理想的に行われているのではないかと考えられ る。
このような表面層には、 他の原子を含有させることができ、 かかる原子とし て、 水素原子及び/又はハロゲン原子はシリコン原子の未結合手と結合し、 層 品質の向上、 特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させることができる ため好ましい。 水素含有量は、 構成原子の総量に対して膜中の平均値として例
えば 5〜70 a tm%、 好適には 8〜 60 a t m%、 より好ましくは 10に 5 O a tm%である。
さらに、 表面層には必要に応じて、 第 13族原子および第 15族原子などの 伝導性を制御する原子を含有させてもよい。 伝導性を制御する原子は、 表面層 中に万遍なく均一に分布した状態で含有されてもよいし、 あるいは層厚方向の 単位長さ当たりに含有される原子の数として不均一な状態で含有している部 分があってもよい。 表面層中の伝導性を制御する原子の含有量としては、 例え ば 1 X 10-3〜1 X 103a tm · p pmとすることができ、 好ましくは 1 X 10·2~5 X 102a tm · p m, より好ましくは 1 X 10-ι〜: L 02a t m · pp'mである。
表面層の層厚としては、 例えば 0., 0 l〜3 mとすることができ、 好適に は 0. 05〜2 m、 より好ましくは 0. 1〜: L mである。 層厚が 0. 01 zm以上であれば磨耗等の理由により表面層が失われることがなく、 3 m以 下であれば残留電位の増加等の電子写真特性の低下が抑制される。
また、 表面層および光導電層の間には、 窒素原子の含有量が光導電層に向か つて減少するように変化する領域を設けてもよい。 これにより表面層と光導電 層の密着性を向上させ、 光キャリアの表面への移動がスムーズになるとともに 導電層と表面層の界面での光の反射による干渉の影響をより少なくするこ とができる。
このような表面層は、 上記光導電層上に例えばグロ一放電法などにより作製 することができる。 かかるグロ一放電法によってこのような a— S iN系材料 よりなる表面層を形成するには、 基本的にはシリコン原子 (S i) を供給し得 る S i供給用の原料ガスと、 炭素原子 (N) を供給し得る N供給用の原料ガス と、 酸素原子を供給しうる 0供給用の原料ガスと、 炭素原子を供給し得る C 供給用の原料ガスと、 水素原子 (H) を供給し得る H供給用の原料ガス及び/ 又はハロゲン原子 (F) を供給し得る原料ガスを、 内部を減圧し得る反応容器
内に所望のガス状態で導入して、 反応容器内にグロ一放電を生起ざせ、 あらか じめ所定の位置に設置された基体上の光導電層上にアモルファスシリコン、 窒 素原子、 酸素原子、 炭素原子などを含む膜を形成することができる。
' 表面層の作製において使用されるシリコン (S i) 供給用ガスとなり得る物 質としては、 S iH4、 S i2H6、 S i3H8、 S i 4H10等のガス状物、 またはガ ス化し得る水素化ケィ素 (シラン類) が挙げられ、 更に層作製時の取り扱い易 さ、 S i供給効率等の点で S iH4、 S i2H6が好ましいものとして挙げられる。 また、 これらの S i供給用の原料ガスを必要に応じて H2、 He、 Ar、 Ne等 のガスにより希釈して使用してもよい。 '
窒素、 酸素、 炭素供給用ガスとなり得る物質としては、 N2、 NH3、 NO、 N2〇、 N02、 〇2、 CO、 C02、 CH4、 C2H2、 C2H4、 C2H6、 C3H8、 C4 H10等のガス状物、 またはガス化し得る化合物が挙げられる。 中でも、 窒素供 給用ガスとしては窒素が最も良好な特性を与えるため、 好ましい。 また、 酸素 供給用ガスとしては NO、 炭素供給用としては CH4が好ましい。 また、 酸素 と炭素とを同時に供給できる点から COや co2も好適である。 また、 これら の窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じて H2、 He、 Ar、 Ne等のガス により希釈して使用してもよい。 特に酸素や炭素を微量添加する場合、 例えば NOガスや C02ガスを H2ガスや Heガスで予め希釈して供給することは、 流 量の正確な制御が可能となるのに加え、 これらの酸素添加ガス、 炭素添加ガス は微量でも膜中に取り込まれやすく、 制御性を容易にするために非常に重要で ある。
また、 ハロゲン供給用の原料ガスとしては、 フッ素原子供給の原料ガスとし ては、 フッ素ガス (F2)、 B r F、 C iF、 C 1 F3、 BrF3、 B rF5、
I F3、 I F7等のハロゲン間化合物や、 S i F4、 S i2F6等のフッ化ケィ素を 挙げることができる。
これらの原料ガスを用いて表面層を作製するには、 基体の温度、 反応容器内
のガス圧等を所望にしたがって、 適宜設定するすることができる。 基体の温度 は、 層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、 例えば、 好ましくは 2 00〜350 :、 より好ましくは 23.0〜330で、 更に好ましくは 250〜 300 である。 反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範 囲が選択されるが、 例えば、 1 X 10— 2〜2 X 103P aとすることができ、 好ましくは 5 X 10―1〜 5 X 102P a、より好ましくは 1 X 10ΐ〜1 X 102 P aである。
また、 放電電力としては 10W〜5000W、 力ソード電極面積あたりに換 算すると 2mWZcm2から 1. 4 WZ cm2程度の範囲が好適である。中でも、 前述した窒素含有量範囲を実現することで透過率の良好な a _S iN系の膜を 得るためには、 シリコン含有ガスの流量 F S i (単位: m 1 /m i n (no rm a 1 :標準状態) )、 窒素含有ガスの流量 FN (単位: m 1 /m i n (no rm a 1) )、 放電電力 PW (単位': W)を適切な関係にすることが好ましい。 即ち、 単位ガス量あたりの電力、 特にシリコン原子含有ガスの単位ガス量に対する電 力 (PWZFS i) と、 窒素含有ガスとシリコン含有ガスのガス濃度比 (FNZ FS i)との積である PW'FNZ (FS i) 2が 50以上 30 OW'mi n/m 1 (no rma 1)以下、より好ましくは 80以上 20 OW'mi nZml (n o rma l) 以下とすることが好ましい。 この範囲に設定することで、 膜の光 学的バンドギャップとしては 2. 8 eV以上程度となり、 吸収係数も 3000 cm—1以下とすることができる。 この電力と流量比の積が 50以上であれば、 380〜500 nmの波長に対する吸収が抑制され、 かかる波長の透過率が上 昇される。また、この値が 300以下であれば、膜の硬度の低下が抑制される。 この理由としては膜形成中にプラズマからのダメージの導入が低減されるた めと考えられる。 上記範囲が好適な理由としては明らかではないが、 次のよう に考えられる。 所望の膜を得るためには、 プラズマ中に存在する原料物質のラ ジカルが適切なパランスをとっている必要がある。 原料ガスが分解された際の
ラジカルの濃度は、 複数の原料ガスを使用する場合、 原料ガス濃度比と ¾力に よって決まると考えられるが、 ガス種によって分解効率に差があるため、 'シリ コン原子含有ガスの単位ガス量に対する電力 (PWZF S i ) と、 窒素原子含 有ガスとシリコン原子含有ガスのガス濃度比 (FNZF S i ) との積がこの範 囲であると、 ラジカル濃度が適切な範囲となると考えられる。
表面層中に酸素原子や炭素原子を上記のように開放表面に向かって高くな るように傾斜組成を有して含有させるために、 〇供給用原料ガスや C供給用原. 料ガスを供給し、 アモルファス膜を作製中において、 例えば、 ガス濃度や、 高 周波電力や基体温度などの堆積膜形成条件を逾宜制御して〇供給用原料ガス や C供給用原料ガスを供給することができる。 その量が極微量の場合は、 原料 ガスを H eガスなどで希釈し、 マスフローコントローラ一を介して正確に流量 制御して反応容器内へ供給することができる。 酸素原子や炭素原子は原料ガス を微量添加しただけで、 膜中に容易に取り込まれるため、 希釈ガスで適宜希釈 し、 例えば、 1 0 0 p pm〜2 0 %程度に希釈したボンべを使用することで制 御性が向上する。
本発明においては、 表面層を形成するための基体の温度、 ガス圧の望ましい 数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、 条件は通常は独立的に別々に決 められるものではなく、 所望の特性を有する感光体を形成すベく相互的且つ有 機的関連性に基づいて最適値を決めることが好ましい。
[上部注入阻止層]
本発明の電子写真感光体に設けられる上部電荷注入阻止層 1 0 5は、 感光体 の帯電がマイナス帯電の場合、 上部から (即ち表面層側から) の電荷の侵入を 阻止し、 表面層の帯電能を向上させる。 ' 上 '電荷注入阻止層の材質としては、 シリコン原子と窒素原子を母体とした アモルファス材料であり、 シリコン原子と窒素原子を母体とするとは、 シリコ ン原子と窒素原子を本体とするものであればよく、 周期表第 1 3族元素を除い
た総ての部分がシリコン原子と窒素原子であってもよい。 5 上部電荷注入阻止層に含まれるアモルファス材料中の窒素原子は、式( 6 ) 0. 05≤N/ (S i +N) ≤ . 35 (6)
(式中、 S iはシリ,コン原子,の数を示し、 Nは窒素原子の数を示す。) で表さ れる平均濃度として含有されることが、 3'80〜500 nmの波長の吸収を抑 制できるため好ましく、 より好ましくは 0. 1≤NZ (S i +N) ≤0. 3、 更に好ましくは 0. 15≤NZ (S i +N) ≤0. 3である。 上部電荷注入阻 止層に含有されるシリコン原子および窒素原子は、 該層中に万偏なく均一に分 布されていてもよく、 あるいは層厚方向に不均一に分布されていてもよく、 例 えば、 密着性の向上や干渉抑制を図るため、 光導電層側から表面層に向かって 傾斜組成を有して分布されていてもよい。 しかしながら、 いずれの場合にも基 体の表面と平行面内においては、 均一な分布で万偏なく含有されることが面内 における特性の均一化を図る点からも好ましい。
上部電荷注入阻止層を構成するシリコン原子と窒素原子を母体とするァモ ル: ァス材料には、 表面層の帯電保持のため、 p型の伝導性を付与するために 周期表第 13族元素を含有させることが好ましい。 前記周期表第 13族元素と しては、 具体的には、 ホウ素 (B)、 アルミニウム (A l)、 ガリウム (Ga)、 インジウム (I n)、 タリウム (T 1) 等が挙げられ、 特にホウ素が好適であ る。
上部電荷注入阻止層を構成するアモルファス材料に含有される周期表第 1 3族元素は、 上部電荷注入阻止層に万偏なく均一に分布されていてもよく、 あ るいは層厚方向に不均一に分布されていてもよい。 しかしながら、 いずれの場 合にも基体の表面と平行面内においては、 均一な分布で万偏なく含有されるこ とが面内における特性の均一化を図る点からも好ましい。
上部電荷注入阻止層を構成するアモルファス材料に含有される周期表第 1 3族元素の含有量は、 構成原子の総量に対して 50 a tm · p pm以上
3000 a tm · p pm以下、 好適には 100 a tm · p pm以上 2000 a tm. ppm以下の範囲とするのが好ましい。
上部電荷注入阻止層の材質としては、 シリコン原子と炭素原子を母体とした アモルファス材料であり、 シリコン原于と炭素原子を母体とするとは、 シリコ ン原子と炭素原子を本体とするものであればよく、 周期表第 13族元素を除い た総ての部分がシリコン原子と炭素原子であってもよい。
上部電荷注入阻止層に含まれるアモルファス材料中の炭素原子は、 式 (4)
0. l≤C/ (S i +C) ≤0. 5 (4)
(式中、 S iはシリコン原子の数を示し、 Cは 素原子の数を示す。) で表さ れる平均濃度として含有されることが、 380〜500 nmの波長の吸収を抑 制できるため好ましく、 より好ましくは 0. 15≤CZ (S i +C) ≤0. 4 である。 上部電荷注入阻止層に含有されるシリコン原子および炭素原子は、 該 層中に万偏なく均一に分布されていてもよく、 あるいは層厚方向に不均一に分 布されていてもよく、 例えば、 密着性の向上や干渉抑制を図るため、 光導電層 側から表面層に向かって傾斜組成を有して分布されていてもよい。 しかしなが ら、 いずれの場合にも基体の表面と平行面内においては、 均一な分布で万偏な く含有されることが面内における特性の均一化を図る点からも好ましい。 上部電荷注入阻止層を構成するシリコン原子と炭素原子を母体とするァモ ルファス材料には、 表面層の帯電保持のため、 p型の伝導性を付与するために 周期表第 13.族元素を含有させることが好ましい。 前記周期表第 13族元素と しては、 具体的には、 ホウ素 (B)、 アルミニウム (A l)、 ガリウム (Ga)、 インジウム (I n)、 タリウム (T 1) 等が挙げられ、 特にホウ素が好適であ る。 上部電荷注入阻止層を構成するアモルファス材料に含有される周期表第 1 3族元素は、 上部電荷注入阻止層に万偏なく均一に分布されていてもよく、 あ るいは層厚方向に不均一に分布されていてもよい。 しかしながら、 いずれの場 合にも基体の表面と平行面内においては、 均一な分布で万偏なく含有されるこ
とが面内における特性の均一化を図る点からも好ましい。
上部電荷注入阻止層を構成するアモルファス材料が、 式 (5) ■ 50 X 10 -6≤X/S i≤ 3000 X 10-6 (5)
(式中、 Xは周期表第 13族元素の数を示し、 S iはシリコン原子の数を示 す。) で表される平均濃度として周期表第 13族元素を含有することが好まし く、 より好ましくは 100X 10— 6≤X/S i≤2000 X 10— 6である。 また、 本発明においては上部電荷注入阻止層を構成するアモルファス材料に は、 水素原子が含有されることが好ましい。 水素原子はシリコン原子の未結合 手と結合し、 層品質の向上、 特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させ ることができる。 水素原子の含有量は、 上部電荷注入阻止層中の構成原子の総 量に対して ¾常の場合 30 a tm%以上 70 a tm%以下、 好適には 35 a t m%以上 65 a tm%以下、 より好ましくは 40 a tm%以上 60 a 1:111%以 下である。
本発明において、 上部電荷注 ^阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られ ること、 及び経済的効果等の点から例えば 5 nm以上 1000 nm以下とする ことができ、 好ましくは 10 nm以上 80 Onm以下、 より好ましくは 15 n m以上 500 nm以下である。 層厚が 5 nm以上であれば、 表面側からの ¾荷 の注入阻止能が充分となり、 1000 nm以下であれば電子写真特性の向上を 図ることができる。 ' 上部電荷注入阻止層 106は光導電層 103側から表面層 104に向かつ て組成を連続的に変化させることも好ましく、 密着性の向上や干渉防止等に効 果がある。
本発明の目的を達成し得る特性を有する上部電荷注入阻止層を形成するに 'は、 シリコン原子供給用のガスと窒素原子供給用のガスとの混合比、 反応容器 内のガス圧、 放電電力ならびに基体の温度を適宜設定することが好ましい。 反 応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、 例
えば 1 X 10— 2P a以上 1 X 103P a以下とすることができ、 好ましく3は 5 X 10— 2P a以上 5X 102P a以下、 より好ましくは 1 X 10— 1 P a以上 1 X102Pa以下である。 さらに、 基体の温度は、 層設計にしたがって最適範 囲が適宜選択されるが、 例えば、 好ましくは 150 以上 350で以下、 より 好ましくほ 18 以上 330で以下、 更に好ましくは 20 Ot:以上 300 以下である。
[下部電荷注入阻止層]
本発明の電子写真感光体において、 図 1Bから図 1Dに示すように、 導電性 基体 101の上層には、 基体 101側からの電荷の注入を阻止する働きのある 下部電荷注入阻止層 104を設けることが好ましい。 下部電荷注入阻止層は光 導電層 102が一定極性の帯電処理をその開放表面に受けた際、 基体 101側 より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有している。
下部電荷注入阻止層の材質としては、 シリコン原子を母体とするァモルファ ス材料が好ましく、'かかるアモルファス材料には、導電性を制御する不純物を、' 光導電層に比べて比較的多く含有させることが好ましい。 正帯電用電子^真感 光体の場合、 下部電荷注入阻止層に含有される不純物元素としては、 周期表第 13族元素を用いることができる。 また、 負帯電用電子写真装置用感光体の場 合、 下部電荷注入阻止層に含有される不純物元素としては、 周期表第 15族元 素を用いることができる。 下部電荷注入阻止層中に含有される不純物元素の含 有量は、 本発明の目的が効果的に達成できるように所望にしたがって適宜決定 されるが、 好ましくは下部電荷注入阻止層中の構成原子の総量に対して 10 a tm · p pm以上 10000 a tm · p pm以下、 好適には 50 a tm · p p m以上 7000 a tm · p pm以下、 より好ましくは l OOa tm' p pm以 上 5000 a tm · p pm以下である。
更に、 下部電荷注入阻止層には、 窒素及び酸素を含有させることによって、 該下部電荷注入阻止層と基体 101との間の密着性の向上を図ることが可能
となる。 また、 負帯電用電子写真感光体の場合には、 下部電荷注入阻止層 ίこ不 純物元素をドープしなくても窒素および 素を最適に含有させることで優れ た電荷注入阻止能を得ることも可能となる。 電荷注入阻止能を向上させるため には、 具体的には、 下部電荷注入阻止層の全層領域に含有される窒素原子およ び酸素原子の含有量は、 窒素原子および酸素原子の数の和として下部電荷注入 阻止層中の構成原子の原子の総量に対して、好ましくは 0.1 a tm%以上 40 a tm%以下、 より好ましくは 1. 2 a tm%以上 20 a tm%以下である。 また、 下部電荷注入阻止層には水素原子を含有させるのが好ましく、 この場 合、 含有される水素原子は、 層内に存在する未結合手に結合して膜質の向上に 効果を奏する。 下部電荷注入阻止層中に含有される水素原子の含有量は、 下部 電荷注入阻止層中の構成原子の総量に対して 1 a tm%以上 50 a tm%以 下が好ましく、 5 a tm%以上 40 a tm%以下がより好ましく、 10 a t m%以上 30 a tm%以下が更に好ましい。
下部電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、 及び経済 的効果等の点から好ましくは 10 Onm以上 5000 nm以下、 より好ましく は 300 nm以上 4000 nm以下、 更に好ましくは 500 nm以上 3000 nm以下である。 層厚を 100 nm以上 5000 nm以下とすることにより、 基体 101からの電荷の注入阻止能が充分となり、 充分な帯電能が得られると 共に電子写真特性の向上が期待でき、 残留電位の上昇などの弊害が発生しない。 下部電荷注入阻止層を形成するには、 反応容器内のガス圧、 放電電力ならび に基体の温度を適宜設定することが必要である。 導電性基体温度 (Ts) は、 層設計にしたがって最適範囲が適宜選択されるが、 好ましくは 150 以上 3 5 Ot以下、 より好ましくは 180で以上 33 O 以下、 更に好ましくは 20 0 以上 300 以下である。.反応容器内の圧力も同様に層設計にしたがって 最適範囲が適宜選択されるが、 例えば 1 X 10— 2P a以上 1 X 103P a以下 とすることができ、 好ましくは 5 X 10— 2P a以上 5 X 102P a以下、 より
好ましくは 1 X 1 0一1 Pa以上 1 X 1 02P a以下である。 J [電子写真感光体の製造装置]
次に、 本発明の電子写真感光体を作製するための装置及び製造方法について 以下に^明する。
本発明の電子写真感光体は、 高周波プラズマ CVD装置を用いて基体上に光 導電層、 表面層を作製することができる。 本発明の電子写真感光体の製造に用 いる一例として電源周波数として RF帯を用いた高周波プラズマ CVD法 (R F— PCVDとも略記する) による電子写真感光体の製造装置は、 図 2に示す ように、 大別すると、 堆積装置 2100、 原料ガスの供給装置 2200、 反応 容器 2111内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成されている。 堆積装置 2100中の反応容器 211 1内には円筒状基体 2110を載置す る載置台 2112、 基体加熱用ヒーター 2113、 原料ガス導入眘 2114が 設置され、 さらに高周波マッチングボックス 2115が接続されている。
原料ガス供給装置 2200は、 原料ガスのボンべ 2221〜 2226とバル ブ 2231〜2236、 2241〜2246、 2251〜 2256及びマスフ 口一コントローラ一 2211〜2216から構成され、 各原料ガスのボンべは 補助バルブ 2260を介して反応容器 21 1 1内のガス導入管 2114に接 続されている。
この装置を用いた堆積膜の形成は、 例えば以下のように行なうことができる。 先ず、 反応容器 211 1内の載置台 2112に円筒状基体 2110を設置し、 不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器 2111内を排気する。 続 て、 基体加熱用ヒータ一 2113により円筒状基体 2112の温度を 15 0で乃至 350 の所定の温度に制御する。
堆積膜形成用の原料ガスを反応容器 2111に流入させるには、 ガスボンベ のバルブ 2231〜 2236、 反応容器のリークバルブ 2117が閉じられて いることを確認し、 又、 ガス流入バルブ 2241〜2246、 流出バルブ 22
51〜 2256、 補助バルブ 2260が開かれていることを確認して、 ま メ インバルブ 21 18を開いて反応容器 21 11及び原料ガス配管内 2116 を排気する。
次に、 真空計 2119の読みが約 0. 1 P a以下になった時点で補助パリレブ 2260、 ガス流出バルブ 2251〜2256を閉じる。 その後、 ガスボンベ 2221〜 2226より各ガスを原料ガスボンベバルブ 2231〜 2236 を開いて導入し、 圧力調整器 2261〜2266により各ガス圧を 0. 2 MP aに調整する。 次に、 ガス流入バルブ 2241〜 2246を徐々に開けて、 各 ガスをマスフローコントローラ一 2211〜2216内に導入する。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、 以下の手順で各層の形成を行う。 円筒状基体 2110が所定の温度になったところで流出バルブ 2251〜 2256のうちの必要なもの及び補助バルブ 2260を徐々に開き、 ガスポン ベ 2221〜 2226所定のガスを原料ガス導入管 21 14を介して反応容 器 2111内に導入する。 次にマスフローコントローラー 2211〜2216 によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。 その際、 反応容器 2
1 11内の圧力が 1 X 102P a以下の所定の圧力になるように真空計 211 9を見ながらメインバルブ 2118の開口を調整する。 内圧が安定したところ で、 周波数 13. 56 MHzの RF電源 (不図示) を所望の電力に設定して、 高周波マッチングボックス 2115を通じて反応容器 21 1 1内に RF電力 を導入し、 グロ一放電を生起させる。 この放電エネルギーによって反応容器内 に導入された原料ガスが分解され、 円筒状基体 2112上に所定のシリコンも 主成分とする堆積膜が形成される。 所望の膜厚の形成が行われた後、 RF電力 の供給を止め、 流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、 堆積膜の 形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、 所望の多層構造の光導電層が形 成される。 それぞれの層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはすべ
て閉じられていることは言うまでもなく、 また、 それぞれのガスが反応^器 2 1 1 1内、 流出バルブ 2 2 5 1〜2 2 5 6反応容器 2 1 1 1に至る配管内に残 留することを避けるために、 流出バルブ 2 2 5 1〜2 2 5 6を閉じ、 補助バル ブ 2 2 6 0を開き、 さらにメインバルブ 2 1 1 8を全開にして系内を一旦高真 空に排気する操作を必要に応じて行う。
また、 膜形成の均一化を図るために、 層形成を行なっている間は、 円筒状基 体 2 1 1 0を駆動装置 (不図示) によって所定の速度で回転させることも有効 である。
さらに、 上述のガス種及びバルブ操作は各々め層の作製条件に従って変更が 加えられることは言うまでもない。
基体の加熱方法は、 真空仕様である発熱体であればよく、 より具体的にはシ —ス状ヒ一夕一の巻き付けヒーター、 板状ヒ一夕一、 セラミックヒー夕一等の 電気抵抗発熱体、 ハロゲンランプ、 赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、 液 体、 気体等を温媒とした熱交換手段による発熱体等が挙げられる。 加熱手段の 表面材質としては、 ステンレス、 ニッケル、 アルミニウム、 銅等の金属類、 セ ラミックス、 耐熱性高分子樹脂等を使用することができる。
それ以外にも、 反応容器以外に加熱専用の容器を設け、 加熱した後、 反応容 器内に真空中で基体を搬送する方法が用いられる。
[電子写真装置]
本発明の電子写真装置は、 本発明の電子写真感光体を搭載したものであれば特 に制限されるものではない。
本発明の電子写真装置を適用したカラー電子写真装置について、 図 3の概略 構成図を参照して説明する。
図 3に示すカラー電子写真装置には、 上述の基体上に光導電層と上部電荷注 入阻止層と表面層とが順次積層され、 回転機構 (図示せず) により回転される 電子写真感光体である感光体ドラム 3 0 1が備えられ、 感光体ドラム 3 0 1の
周りには、感光体ドラム 3 0 1の表面を所定の極性 ·電位に一様に帯電させる 磁気ブラシを備えた 1次帯電器 3 0 2と、 帯電された感光体ドラム 3 0 1の表 面に画像露光 3 0 3を行って静電潜像を形成する、 不図示の画像露光装置とが 配置されている。 更に、 感光体 3 0 1の周りには、 形成された静電潜像上にト ナーを付着させて現像する現像器として、 ブラックトナ一 Bを付着させる第 1 現像器 3 0 4 aと、 イエロ一トナー Y 付着させる現像器とマゼン夕トナー M を付着させる現像器とシアントナー Cを付着させる現像器とを内蔵した回転 型の第 2の現像器 3 0 4 と、 感光体 3 0 1上に現像されたトナー像を転写さ せるフィルム状の誘電体ベルトからなる中間転写ベルト 3 0 5と、 トナー像を 転写した後の感光体ドラム 3 0 1上をクリーニングする感光体クリーナ 3 0 6、及び、感光体ドラム 3 0 1の除電を行う除電露光 3 0 7が設けられている。 中間転写ベルト 3 0 5は、 感光体ドラム 3 0 1に当接二ップ部を介して駆動 するように配置されており、 内側には感光体ドラム 3 0 1上に形成されたトナ —像を中間転写ベルト 3 0 5に転写するための一次転写ローラ 3 0 8が配備 されて る。 一次転写口一ラ 3 0 8には、 感光体ドラム 3 0 1上のトナー像を 中間転写ベルト 3 0 5に転写するための一次転写バイアスを印加するバイァ ス電源 (不図示) が接続ざれている。 中間転写ベルト 3 0 5の周りには、 中間 転写ベルト 3. 0 5に転写されたトナー像を記録材 3 1 3にさらに転写するた めの二次転写ローラ 3 0 9が、 中間転写ベルト 3 0 5の下面部に接触するよう に設けられている。 二次転写ローラ 3 0 9には、 中間転写ベルト 3 0 5上のト ナー像を記録材 3 1 3に転写するための二次転写バイアスを印加するパイァ ス電源が接続されている。 また、 中間転写ベルト 3 0 5上のトナー像を記録材 3 1 3に転写した後、 中間転写ベルト 3 0 5の表面上に残留した転写残トナー をクリーニングするための中間転写ベルトクリーナ 3 1 0が設けられている。 また、 この画像形成装置は、 画像が形成される複数の記録材 3 1 3を保持す る給紙カセット 3 1 4と、 記録材 3 1 3を給紙カセット 3 1 4から中間転写べ
ルト 3 0 5と二次転写口一ラ 3 0 9との当接二ップ部を介して搬送する搬送 機構とが設けられている。 記録材 3 1 3の搬送経路上には、 記録材 3 1 3上に 転写されたトナー像を記録材 3 1 3上に定着させる定着器 3 1 5が配置され ている。 ·
次に、 この電子写真装置の動作について説明する。
まず、 図 3に矢印で示すように、 感光体ドラム 3 0 1が、 時計方向に所定の 周速度 (プロセススピード) で回転駆動され、 中間転写ベルト 3 0 5が、 反時 計方向に、 感光体ドラム 3 0 1と同じ周速度で回転駆動される。 感光体ドラム 3 0 1は、 回転過程で、 一次帯電器 3 0 2によ 0所定の極性 ·電位に一様に帯 電処理され、 次いで、 画像露光 3 0 3を受け、 これにより感光体ドラム 3 0 1 の表面上には、 目的のカラ一画像の第 1の色成分像 (例えばマゼン夕成分像) に対応した静電潜像が形成される。 次いで、 第 2現像器が回転し、 マゼンタト ナ一 Μを付着させる現像器が所定の位置にセッ卜され、 その静電潜像が第 1色 であるマゼン夕トナー Μにより現像される。このとき、第 1現像器 3 0 4 aは、 作動オフになっていて感光体ドラム 3 0 1には作用せず、 第 1色のマゼンタ卜 ナ一像に影響を与えることはない。
このようにして、 感光体ドラム 3 0 1上に形成担持された第 1色のマゼンタ トナー像は、 感光体ドラム 3 0 1と中間転写ベルト 3 0 5との二ップ部を通過 する過程で、 一次転写バイアスがバイアス電源 (不図示) から一次転写口一ラ 3 0 8に印加されることによって形成される電界により、 中間転写ベルト 3 0 5外周面に順次中間転写される。
中間転写ベルト 3 0 5に第 1色のマゼン夕トナー像を転写し終えた感光体 ドラム 3 0 1の表面は、 感光体クリーナ 3 0 6によりクリーニングされる。 次 に、 感光体ドラム 3 0 1の清掃された表面上に、 第 1色のトナ一像の形成と同 様に、 第 2色のトナー像 (例えばシアントナ一像) が形成され、 この第 2色の トナー像が、 第 1色のトナー像が転写された中間転写ベルト 3 0 5の表面上に
重畳転写される。以下同様に、第 3色のトナー像(例えばイェロートナー像)、 第 4色のトナー像 (例えばブラックトナー像) が中間転写ベルト 3 0 5上に順 次重畳転写され、 目的のカラ一画像に対応した合成力ラートナ一像が形成され る。 - 次に、 給紙カセット 3 1 4から中間転写ベルト 3 0 5と二次転写ローラ 3 0 9との当接ニップ部に所定のタイミングで記録材 3 1 3が給送され、 二次転写 ローラ 3 0 9が中間転写ベルト 3 0 5に当接されると共に、 二次転写バイアス がバイアス電源から二次転写ローラ 3 0 9に印加されることにより、 中間転写 ベルト 3 0 5上に重畳転写された合成力ラートチ一像が、 第 2の画像担持体で ある記録材 3 1 3に転写される。 記録材 3 1 3へのトナー像の転写終了後、 中 間転写ベルト 3 0 5上の転写残トナーは中間転写ベルトクリーナ 3 1 0によ りクリーニングされる。 トナ一像が転写された記録材 3 1 3は定着器 3 1 5に 導かれ、 ここで記録材 3 1 3上にトナー像が加熱定着される。
本画像形成装置の動作において、 感光体ドラム 3 0 1から中間転写ベル卜 3 0 5への第 1〜第 4色のトナー像の順次転写実行時には、 二次転写ローラ 3 0 9および中間転写ベルトクリーナ 3 1 0は中間転写ベルト 3 0 5から離間さ せるようにしてもよい。
このような中間転写ベルトを用いた電子写真によるカラー画像形成装置は、 以下に示す特徴を有している。
第一に、 重ね合わせ時に'各色のトナー像の形成位置がずれる色ズレが少ない。 また、.図 3に示すように、 記録材 3 1 3をなんら加工、 制御 (例えばグリッパ —に把持する、 吸着する、 曲率を持たせるなど) する必要なしに、 中間転写べ ルト 3 0 5からトナ一像を転写させることができ、 記録材 3 1 3として多種多 様なものを用いることができる。 例えば、 薄い紙 (4 0 g/m2紙) から厚い 紙 (S O O g Zm2紙) までの種々の厚みのものを選択して記録材 3 1 3とし て使用可能である。 また、 幅の広狭または長さの長短によらず種々の大きさの
ものを記録材 3 1 3として使用可能である。 さらには、 封筒、 ハガキ、 ラ ル 紙などを記録材 3 1 3として使用可能である。また、中間転写ベルト 3 0 5は、 柔軟性に優れており、 感光体ドラム 3 0 1や記録材 3 1 3との二ップを自由に 設定することができるため、 設計の自由度が高く、 転写効率などを最適化しや すいといつた特徴がある。
[実施例] '
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、 本発明はこれらによって 何ら限定されるものではない。
[実施例 1 ] '
図 2に示したプラズマ C V.D装置を用い、 直径 8 4 mmの鏡面加工を施した. アルミニウムシリンダ一 (支持体) 上に、 表 1に示した条件で堆積膜を順次積 層し、 図 1 Cに示す下部電荷注入阻止層、 光導電層、 上部電荷注入阻止層、 及 び、 表面層からなる感光体を製作した。 下部阻止層、 光導電層、 上部電荷注入 阻止層については、 共通条件としてすベて表 1に示した条件で成膜した。 表面 廇に関しては、 S i H4と N2ガスの流量、 電力量を、 表 2に示すように各感光 体毎に変化させ、 S i H4と N2の混合比、 S i H4ガス量あたりの電力量を変 えた。 その他の条件は表 1に示した条件で成膜し、 表面層中における窒素原子 濃度が異なる感光体 B〜Dを製作した。 NOガス、 C〇2ガスや、 場合によつ ては C H4ガスについは、 流量が少ない場合には、 希釈ボンべを用いた。 具体 的には、 NOと C〇2については 1 0 %H e希釈ボンべを、 C H4については 1 0 %H2希釈ボンべを、 それぞれ流量に応じて適宜切り替えて使用した。 希釈 ボンべを使用した際にも、 表中の流量や濃度に関しては、 それぞれのガス成分 に換算した流量ないし S i H4に対する濃度を示している。
[比較例 1 ]
S i H4と N2ガスの流量、 電力量を表 2に示す条件とし、 S i H4と N2の混合 比、 S i H4ガス量に応じて電力量を変えたこと以外は実施例 1と同様にして、
表面層中における窒素原子濃度が異なる感光体 A (比較例 1一 1)、 E 6t較 例 1— 2) を製作した。
このようにして製作した感光体 A〜Eの表面層中における実際の窒素原子 濃度を、 表面をおよそ 2 Onm程度除去することで最表面の影響を取り除いた 上で ESCA (X線光電子分光法) 分析器 (アルバック ·フアイ社製 QUAN TUM2000) と S IMS (2次イオン質量分析) 分析器 (CAMECA社 製 IMS— 4 F) を用いて分析した。 結果について表 2に示した。 また、 同様 に酸素、炭素についても測定した。 S iと Nの比率が異なるため多少のばらつ きはあるが、 酸素に関しては 2. 7〜3. O a im%の範囲、 炭素に関しては 2. 1〜3. 5 a tm%の範囲であった。 また、 感光体 A〜; Eの表面層膜厚を 千渉膜厚計 (大塚電子製: MCPD— 2000) によって軸方向 10箇所の各 箇所の周方向 6点の合計 60点に対して測定し、 最大値—最小値の値を平均膜 厚で除した値(較差) を膜厚ムラ (単位%) として求めた。 この膜厚ムラの値 も表 2に合わせて示した。
また、 感光体 A〜Eの分光感度特性を測定した。 ここで分光感度特性とは、 一定暗部電位から一定明部電位まで光減衰させるのに必要な光量の逆数、 即ち、 光の単位エネルギー量当たりの電位減衰量を、 各波長について求め、 最大の電 位 衰量を 100として各波長についての電位減衰量の換算値を感度として 示した。 図 4に感光体 Dについて求めた分光感度特性の一例を示す。 405 η mの光に対する感度を、 表面層の窒素原子の含有量が異なる感光体 A〜Eの 各々について求め、 表 2に合わせて示した 更に、 図 5に、 表面層中における 窒素原子濃度と 405 nmの光に対する感度との相関についてプロッ卜した グラフを示す。
表 2の結果から明らかなように、 窒素原子濃度と 405 nmの光に対する感 度との間には、 明確な相関が見られ、 概ね窒素原子濃度が高くなるにつれて、 405 nmの光に対する感度がよくなり、 即ち、 青色発光半導体レーザー光に
対する適応性が向上する傾向を示すことがわかった。 表面層の窒素原子濃 が 低い感光体 Aに関しては、 波長 405 nmの光に対する感度が足りず、 電子写 真装置に用いるのに十分な電位コントラストを得ることが困難であった。 電子 写真プロセスにおいて必要とされる感度の値は、 使用するレーザ一素子や光学 系の性能に依存するものであり、 一概に、 その絶対値に言及することは難しい が、 本発明者らの検討によれば、 表面層を設けない場合で分光感度を測定した ところ、図 5に示したような分光感度で 500〜550 V· cm2/ J程度で. あった。表面層での吸収を考慮すれば、 300V* cm2/// J以上の感度を有 することが好ましく、望ましくは 400 V· cm2Z J以上の感度を有するこ とがより好ましいと考えられる。 従って、 青色発光半導体レーザーのような 4 05 nm付近の短波長レーザ一光に対してそのような感度を得るためには、 表 面層中の窒素原子濃度は、 30 a tm%以上、 より好ましくは 35 & 1:111%以 上とすればよいことが分かった。
その一方、 感光体 Eでは膜厚ムラが 30%以上と大きく、 表面層においては 窒素濃度が 60 a tm%以下、 より好ましくは 55 a tm%以下が好適である ことがわかった。
[実施例 2]
表 3に示した条件.とした他は、 実施例 1と同様に、 堆積膜を順次積層し、 図 1 Cに示す下部電荷注入阻止層、 光導電層、 上部電荷注入阻止層、 表面層から なる感光体 Gを製作した。 表 3に示すように、 表面層の作成時には CH4ガス と C〇2ガスを導入し、 酸素原子濃度と炭素原子濃度が適切な値になるように した。
[比較例 2]
比較例として、 表面層を表 3に示す条件にした他は実施例 2と同様にして表 面層として a— S i C: Hを堆積させた感光体 H (比較例 2— 1) と、 酸素や 炭素を導入しない感光体 I (比較例 2— 2) を製作した。
製作した感光体 Gの表面層中の窒素原子、 酸素原子、 炭素原子の濃度を 実 施例 1と同様にして測定した。 窒素量原子の濃度は式 (3) (N/ (S i..+ N + 0 + O) で示すと 0. 42、 酸素原子の濃度は式 (1) (0/ (S i +N + Ο + Ο) で示すと 0. 021、 炭素量原子の濃度は式 (2) (C/ (S i +N +0 + C)) で示すと 0. 039であった。
得られた感光体 G、 Η、 Γ 、 電子写真装置 (キャノン製電子写真装置 i R C 6800を用い、 実験用に帯電器をマイナス帯電の磁気ブラシ方式にし、 画 像露光方式は I AE、 画像露光の光源を発振波長 66 Onmの赤色発光半導体 レーザ一もしくは 405 nmの青色発光半導体レーザ一に交換可能とし、 'ドラ ム面照射スポッ卜径が調整可能にした改造機械) (以下、 i RC— 6800改 造機という。) にセットし、 次の評価を行った。
まず、 感光体 Gを用い、 青色(405 nm) 半導体レーザーを露光光源とし た。 パソコンで、 3ポイントサイズ、 及び、 5ポイントサイズのアルファべッ ト (A〜Z;)、 及び、 複雑な漢字 (電、 驚など) を 1200 d p iの解像度で 配列したテストチヤ一卜を作成し、 そのテストチャートをプリンタモードでプ リントアウトした画像によつて感光体の解像度の評価を行った。 具体的には、' 出力画像をスキャナ一 (キヤノン製 C ano S c an 9900 F) を使って 1 600 d p iの解像度で読み取り、 読み取った画像デ一夕とテストチャートの 元デ一夕を比較して、 テスト原稿の文字からのズレ部分 (太り、 細り) の面積 を算出し、 その数値によって感光体の解像度の評価を行った。 露光波長が短い ため、特殊な光学系を用いずともレーザ一スポット径を 30 mまで容易に絞 ることができた。 スポット径 3 O m、 1200 dp iとした場 の、 文字の ズレ部分の面積を測定した。 ただし、 感光体 Hに関しては赤色 (66 O nm) 半導体レ一ザ一のスポット径 60 mのビームを用い 600 d p iによる画 像形成をした場合、 感光体 Iに関しては赤色 (660 nm) 半導体レーザーの スポット径 60 mのビ一ムを用い 600 dp iによる画像形成をした場合、
青色 (405 nm) 半導体レーザ一のスポット径 60 のビームを用い 460 0dp iによる画像形成をした場合、 青色 (405 nm) 半導体レーザーのス ポット径 30 mのビームを用い 1200 dp iによる画像形成をした場合、 の計 4種類で比較を行った。得られた結果を表 4に示す。表中、感光体 Hに赤 色 (660 nm) 半導体レーザ一のスポット径を 60 mのビ一ムを用いた場 合の解像度を基準 (REF) として、 下記に示す判断基準によって各々の感光 体について評価した結果が示される。 '
☆: REFに比べて 20%以上向上し、 非常に良いレベル
◎: REFに比べて 10%以上向上し、 かなり良いレベル
〇: REFに比べて 5 %以上向上し、 良いレベル
△: REFに比べて 5 %未満の向上であり、 ほぼ REF同等レベル 表 4の結果から明らかなように、 同じ波長 (660 ηιρ)、 同じスポット径 (60 m) を用いた場合には、 解像度は表面層の材質によらなかった。 表 4 中ではランクは同じではあるが、 同じスポット径 (60 /m) でも赤色 (66 0 nm) 半導体レーザーを用いた場合より青色 (405 nm) 半導体レーザー を用いた方が、 ドット再現性が若干向上した。 これは光導電層中のキャリアの ドリフト距離が異なるためであると考えられる。 更に、 青色 (405 nm) 半 導体レーザーを用いた場合、 同じ光学系部品を用いた場合でも、 スポット径を 3 まで容易に絞ることができ、
そのためにドット再現性は大きく向上したが、 スポット径を半分にしたことで ドットの大きさは半分にはならず、 表面層が酸素原子、 炭素原子を含まないァ モルファス窒化シリコン材質では解像度に限界があるが、 表面層が酸素や炭素 を含むアモルファス窒化シリコン材質ではドット再現性を向上させ ことが でき、 スポット径を絞った効果が十分に発揮されることがわかった。
[実施例 3]
表 5に示した条件とする他は、 実施例 1と同様に、 図 1 Cに示す下部電荷注
入阻止層、 光導電層、 上部電荷注入阻止層、 表面層からなる 5種類の感光体を 製作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および上部電荷注入阻止層は表 に 示した一定条件で成膜し、 表面層は NOガス流量を、 表 6に示すように感光体 毎に変化させ、 その他の条件は表 5に示した条件で成膜し、 表面層の酸素原子 濃度の異なる感光体:!〜 Nを作製した。
[比較例 3]
比較例として、 表面層の作製時に NOガス流量を表 6に示すように変化させ たか、 または、 NOガスを添加しない他は、 実施例 3と同様に感光体〇 (比較 例 3— 1)、 P (比較例 3— 2)、 Q (比較例 3:3) を製作した。
製作した感光体 J〜Nの表面層中の酸素原子、 窒素原子、 および、 炭素原子 の濃度を、 実施例 1と同様にして測定した。 酸素原子の濃度は式 (1) で示す 'と 0. 00.012〜0. 197、 窒素原子の濃度は式 (3) で示すと 0. 41 〜0. 51、 炭素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 0051であり、 酸素原 子の増量分が窒素原子の減量分となり、 炭素原子はほぼ一定であった。 また、 感光体 0、 Pの表面層の酸素原子の濃度は式 (1) で示すとそれぞれ 0. 00 004ぉょび0. 21、 窒素原子の濃度は式 (3) で示すとそれぞれ 0. 39 および 0. 51、 炭素原子の濃度は式 (2) で示すと両者ともに 0. 0051 であり、 '酸素原子の増量が窒素原子の減量となり、 炭素原子はほぼ一定であつ た。
作製した負帯電用電子写真感光体 J〜N、 〇〜Qを、 1尺じー6800改造 機に搭載して、 405 nmの画像露光に対する解像度、 耐環境性、 残留電位に ついて評価を行った。
その評価結果を表 6に示す。
(1) 解像度 (ドット再現性)
実施例 2と同様にして、 感光体の解像度の評価を行った。 .
感光体 Qにおける解像度を基準(REF) として、 下記に示す判断基準によ
つてランク付けを行った。 1 ◎ · · · 85%未満。 非常に優れている
O · · · 85%以上、 95%未満。 優れている
△ · · · 95 %以上、 10.5 %未満。 基準並。
(2) 耐環境特性
次に、 感光体の耐環境特性を評価するため、 室温 30 、 湿度 80%の高温 高湿環境実験室に、 上記実験用電子写真装置を設置し、 A4コピー紙 50万枚 の通紙耐久試験を行いながら、 所定の間隔にて、 画像特性の評価を行った。
(1) 画素密度が 0%〜100%まで段階的 fc変化している画像
(2) 5ポイントサイズの文字を配列した画像
の 2種類の画像を用いて評価を行った。 具体的には、
(1) を用いてドットレベルでのミクロな画像流れの有無を、 ハーフ! ンの 階調性、 即ち、 画素密度と画像濃度とのリニアリティによって評価し、 (2)を 用いて文字レベルにおいて確認できる画像流れの有無を評価した。 そして更に、 以上に説明した高温高湿環境における画像特性評価を、 露光光学系を 600 d p i、 1200dp i、 2400 dp iに調整してそれぞれ行った。 以上の測 定により得られた結果は、 下記に示す基準によって、 各々の感光体に対して判 定を行った。
◎:耐久期間にわたって、 画像流れがまったく発生せず、 非常に良い。
〇:耐久が進んだ時に、 朝一の機械立上げ直後において、 ハーフトーン階調 性が低下する場合があつたが、 数枚の通紙で完全に回復し、 良い。
△ :耐久が進んだ時に、 朝一の機械立上げ直後において、 文字レベルで確認 できる画像流れが発生する場合があつたが、 数枚の通紙で完全に回復し、 実用 上は問題なし。
(3) 残留電位
作製した電子写真感光体を、 現像器位置における表面電位が一 450V (暗
電位) になるように帯電器を調整した後、 像露光 (波長 405 nmの半導体レ 一ザ一) を実用光量の 2〜3倍 (実際には例えば 2〜3 JZcm2程度)照射 して表面電位を落としぎり、 その値が露光光量に対して十分飽和しているとき の表面電位を残留電位とした。.
得られた結果は、感光体 Qでの値を 100%として下記の基準によってラン ク付けを行った。
◎ ·'·85%未満。 非常に優れている
〇 ·'·85%以上、 95%未満。 優れている
△ '··95%以上、 105%未満。 基準並 ·
(4) 光メモリ
光メモリ電位としては、 「感度」 評価条件下において同様の電位センサ一に より非像露光状態で測定した表面電位と一旦像露光した後に再度帯電して測 定した表面電位との電位差を求めた。得られた結果は、感光体 Qでの値を 10 0%として下記の基準によってランク付けを行った。
◎ … 85 %未満。 非常に優れている .
〇 ·'·85%以上、 95%未満。 優れている
△ *··95%以上、 105%未満。 基準並
' 表 6の結果より、比較例の感光体 Qを基準とすると、表面層における酸素含 有量がある程度以上の場合に解像度が良好になることが判る。 また、 その他の 特性においても、 酸素が適当な量で含有されている場合に最適な値を示してい ることが判る。 特に、 酸素が 0. 5以上 10 a tm%以下のときに、 総ての特 性が極めて優れていることが判った。 一方、 酸素含有量が 20 a tm%を超え ると、 画像流れ評価、 残留電位評価では基準並となることが判った。 よって、 酸素含有量は 0. 01 a tm%以上 20 a tm%以下、 より好ましくは 0. 5 a tm%以上 10 a t m%以下であることがわかった。
[実施例 4]
表 7に示した条件とする他は、 実施例 1と同様に、 図 1 Cに示す下部電荷注 入阻止層、 光導電層、 上部電荷注入阻止層、 表面層からなる 5種類の感光体を 製作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および上部電荷注入阻止層は表 7に 示した一定条件で成膜し、 表面層は CH4ガス流量を表 8に示すように感光体. 毎に変化させ、 その他の条件は表 7に示した条件で成膜し、 表面層の炭素原子 濃度が異なる感光体 R〜Vを製作した。 CH4ガス量を少なくする場合、 水素 で希釈し流量を正確に調整した。 なお、 表 8に示す水素量は希釈水素も含んだ 値として表示している。
[比較例 4] '
比較例として、 表面層の CH4ガス流量を表 8に示すように変化させた以外 は、 実施例 4と同様にして感光体 W (比較例 4— 1)、 X (比較例 4— 2) を 製作した。
製作した感光体 R〜Vの表面層中の原子の炭素原子濃度、 窒素原子濃度、 酸 素原子濃度を、 実施例 1と同様にして測定した。 炭素原子の濃度は式 (2) で 示すと 0. 00014〜0. 096、 窒素原子の濃度は式 (3) で示すと Q. 46〜0. 52、 酸素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 0053であり、 炭 素原子の増量分が窒素原子の減量分に相当し、 酸素原子はほぼ一定であった。 また、 感光体 W、 Xの表面層の炭素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 000 04〜0. 13、 窒素原子の濃度は式 (3) で示すと 0. 45〜0. 52であ り、 炭素原子の増量分が窒素原子の減量分となり、 酸素原子の濃度は式 (1) で示すと 0. 0ひ 53でほぼ一定であった。 '
作製した負帯電用電子写真感光体 R〜V、 W、 Xを、 実施例 3で用いた電子 写真装置に搭載して、 実施例 3と同様に解像度、 残留電位の評価を行った。 た- だし、 実施例 3で行った画像流れ評価に代え、 以下のような方法で感度評価を 行った。
(5) 感度
作製した電子写真感光体を、 現像器位置における表面電位が— 450V (暗 電位) になるように帯電器を調整した後、 像露光 (波長 405 nmの半導体レ —ザ一) を照射し、 像露光光源の光量を調整して、 表面電位が— 100V (明 電位) となるようにし、 その きの露光 *を感度とした。 得られた結果は、 感 光体 Qでの値を 100%として下記の基準によってランク付けを行った。結果 を表 8に示す。
◎ … 85%未満。 非常に優れている。
〇 ·'·85%以上、 95%未満。 優れている。
△ ."95%以上、 105%未満。 基準並。 '
X ·'·105%以上。 基準に比べやや劣る。
表 8の結果から、 炭素含有量がある程度以上の場合に解像度が良好になるこ とが判った。 また、 その他の特性においても、 炭素が適当な量含有されている 場合に最適な値を示していることが判る。 特に、 炭素が 0. 5以上 5 a tm% 以下のときに、 総ての特性が極めて優れていることが判った。 一方、 炭素含有 量が 10 a tm%を超えると、 組成として S i Cに近づくために/感度が急激 に低下することがわかった。また、残留電位評価も基準並となることが判った。 よって、 炭素含有量は 0. O l a tm%以上 10 a tm%以下、 より好ましく は 0. 5 a tm%以上 5 a t m%以下であることがわかった。
[実施例 5]
表 9'に示した条件とする他は、 実施例 1と同様に、 図 1 Cに示す下部電荷注入 阻止層、 光導電層、 上部電荷注入阻止層、 表面層からなる 4種類の感光体を製 作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および上部電荷注入阻止層は表 9に示 した一定条件で成膜した。 表面層は、 表 10に示すように、 N2ガス、 C02ガ スの流量を可変して導入することで、 膜厚方向の単位長さ当たりに含有される 原子の数が変化するように窒素原子濃度と酸素原子濃度を変化させて形成し た。
4種類の感光体はそれぞれ、 窒素量が膜厚方向表面側に向かって増加ずる感 光体 AA、 酸素量が膜厚方向表面側に向かって増加する感光体 B B、 酸泰およ び炭素がともに表面側に向かって増大するが、 常に酸素の増大割合が炭素の増 大割合よりも多い、 即ち層厚方向の単位長さ当たりに含有される窒素原子の数 Nに対する層厚方向の単位長さ当たりに含有される酸素原子の数 Oの比 "OZ N" の値が表面側に向かって増大する感光体 A B、 酸素濃度および窒素濃度の いずれも一定である感光体 C Cの 4種類を作成した。
製作した感光体の表面層中の酸素原子、 窒素原子の含有量を、 実施例 1と同 様に測定した。 結果を表 1 0に示す。 また、 解像度と光メモリの評価を行った 後、 傾斜組成分布を S I M Sによって確認した。 また、 膜中の平均濃度は E S C Aを用いてスパッ夕を行いながら深さ方向の平均値を求めた。
得られた感光体について、 実施例 3と同様に解像度と光メモリを、 感光体 C Cを基準として、. 以下の判断基準により評価を行なった。 結果を表 1 0に合わ せて示す。
◎ —8 5 %未満。 非常に優れている
〇 8 5 %以上、 9 5 %未満。 優れている
△ … 9 5 %以上、 1 0 5 %未満。 基準並
表 1 0より、 窒素濃度、 酸素濃度を一定とした感光体 C Cに対し、 AA、 B B、 A Bの総てにおいて解像度、光メモリ特性が向上しているが、 AA、 B B、 A Bの順に良好になっており、 特に窒素、 酸素の両方を傾斜分布とし、 更に酸 素の傾斜をより強くした感光体 A Bが更に良好な特性を示すことが判った。 こ のことから、 窒素原子および 素原子の平均濃度をほぼ同様とした場合、 傾斜 分布とすることで更に解像度や光メモリ特性が向上すること、 および窒素原子 の数 Nに対する酸素原子の数 Oの比 "OZN"が増大するように分布させるこ とで最適な特性が得られることが判つた。
[実施例 6 ]
図 2に示したプラズマ CVD装置を用い、 直径 84 mmの鏡面加工を施 Uたァ ルミニゥムシリンダ一 (支持体) 上に、 表 11に示した条件で堆積膜を順次成 膜し、 図 IDに示す下部電荷注入阻止層、 光導電層、 傾斜組成層、 上部電荷注 入阻止層、 変化層、 表面層からなる感光体 DDを製作した。 光導電層と上部電 荷注入阻止層の間、 上部電荷注入阻止層と表面層との間において、 作成ガスを 滑らかに変化させて導入することにより、 光学的な界面をなくし、 屈折率がな だらかに変化するようにした。
製作した感光体 DDの表面層中の窒素原子、 酸素原子、 および、 炭素原子の 濃度を、 実施例 1と同様にして測定した。 窒素原子の 度は式 (3) で示すと 0. 48、 酸素原子の濃度は式 (1) で示すと 0. 02、 炭素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 0072であった。
得られた感光体 DDは、 実施例 3 と同様に、 解像度、 耐環境性、 残留電位、 光メモリを感光体 Qを基準として評価し、 実施例 4と同様に、 感光体 Qを基準 として感度の評価を行つた。 結果を表 12に示す。
表 12の結果から、感光体 DDは総ての項目において、感光体 Qに比べて非 .常に優れた特性を示していることが判った。 また、 干渉が少なくなることで、 削れムラが生じた場合の感度ムラが出にくいことが明らかとな ている。 よつ て、 光導電層と上部注入阻止層の間、 上部注入阻止層と表面層の間において、 光学的界面を作らないように組成比を滑らかに結ぶことで、 更に好ましい感光 体が得られることが明らかとなった。
[実施例 7]
表 13に示した条件で実施例 1と同様にして堆積膜を順次積層し、 図 1 Cに 示す下部電荷注入阻止層、 光導電層、 上部電荷注入阻止層及び表面層からなる 感光体 2B〜2Dを製作した。
[比較例 5]
S iH4と N2ガスの流量、 !^と の混合比、 S iH4ガス量あたりの
電力量を表 14に示す条件とし、 S iH4とN2の混合比、 S iH4ガス量あた りの電力量を変えた以外は実施例 Ίと同様にして、 表面層中における窒素原子 濃度が異なる感光体 2A (比較例 5— 1)、 2E (比較例 5— 2) を製作した。 このようにして製作した感光体 2 A〜 2 Eを実施例 1と同様に評価した。 結 果について表 14に示した。 また、 同様に酸素、 炭素についても測定した。 S iと Nの比率が異なるため多少のばらつきはあるが、酸素に関しては 2. 7〜 3. 0 a tm%の範囲、 炭素に関しては 2. 1〜3. 5 a tm%の範囲であつ た。.
また、 感光体 2A〜2Eの分光感度特性を実施例 1と同様にして測定し、 そ の結果を表 14に合わせて示した。
表 14の結果から明らかなように、 実施例 1と同様な結果が得られた。
[実施例 8]
表 15に示した条件とする他は、 実施例 7と同様に、 下部電荷注入阻止層、 光導電層、 上部電荷注入阻止層、 表面層からなる感光体 2 Gを製作した。 表 1 5に示すように、 表面層の作成時には CH4ガスと C02ガスを導入し、 酸素原 子镌度と炭素原子濃度が適切な値になるようにした。
[比較例 6]
比較例として、 表面層を表 15に示す条件にした他は実施例 8と同様にして 表面層として a— S i C: Hを堆積させた感光体 2H (比較例 6— 1) と、 酸 素や炭素を導入しない感光体 2 I (比較例 6— 2) を製作した。
製作した感光体 2 Gの表面層中の窒素原子、 酸素原子、 炭素原子の濃度を、 実施例 7と同様にして測定した。 窒素原子の濃度は式 (3) (N/ (S i +N + 0 + O) で示すと 0. 42、 酸素原子の濃度は式 (1) (O/ (S i +N + Ο + Ο) で示すと 0. 021、 炭素原子の濃度は式 (2) (CZ (S i +N + 〇 + C)) で示すと 0. 039であった。
得られた感光体 2G、 2H、 2 Iを、 電子写真装置 (キャノン製電子写真装
置 i RC 6800を用い、 2 Hを基準として実施例 2と同様に評価した 得られた結果を表 16に示す。
表中、感光体 Hに赤色(66 Onm)半導体レーザーのスポット径 60 mの ビームを用いた場合の解像度を基準 (REF) として、 下記に示す判断基準に ょづて各々の感光体の解像度を実施例 7に示した方法で評価した結果が示さ れる。
☆: REFに比べて 20%以上向上し、 非常によいレベル
◎: REFに比べて 10%以上向上し、 かなりよいレベル
〇: REFに比べて 5%以上向上し、 よいレベル
△: REFに比べて 5%未満の向上であり、 ほぼ REF同等レベル 表 16から明らかなように、 実施例 2と同様な結果が得られた。 . [実施例 9]
表 17に示した条件とした他は、 実施例 7と同様に、 下部電荷注入阻止層、 光導電層、 上部電荷注入阻止層、 表面層からなる 5種類の感光体を製作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および上部電荷注入阻止層は表 17に示した一 定条件で成膜し、 表面層は NOガス流量を、 表 18に示すように感光体毎に変 化させ、 その他の条件は表 17に示した条件で成膜し、 表面層の酸素原子濃度 が異なる感光体 2 J〜2Nを作製した。
[比較例 7]
, 比較例として、 表面層の作製時に NOガス流量を表 18に示すように変化さ せた以外は実施例 9と同様にして感光体 2 O (比較例 7— 1)、 2P (比較例 7-2) を作製した。 また、 NOガスを添加しない他は、 実施例 9と同様にし て感光体 2 Q (比較例 7— 3) を製作した。
製作した感光体 2 J ~2Nの表面層中の酸素原子、 窒素原子および炭素原子 の濃度を実施例 7と同様にして測定した。 酸素原子の濃度は式 (1) で示すと 0. 00012〜0. 197、 窒素原子の濃度は式.(3) で示すと 0. 41〜
0. 51、 炭素原子の濃度は式 (2).で示すと 0. 0051であり、 酸素 ϋ子 の増量分が窒素原子の減量分となり、 炭素原子はほぼ一定であった。 また 感 光体 2〇、 2 Ρの表面層の酸素原子の濃度は式 (1) で示すとそれぞれ 0. 0 0004、 0. 21、 窒素原子の濃度は式 (3) で示すとそれぞれ 0. 39、 0. 51、 そして炭素原子の濃度は式 (2) で示すと両者ともに 0. 0051 であり、 酸素原子の増量が窒素原子の減 ¾となり、 炭素原子はほぼ一定であつ た。
作製した負帯電用電子写真感光体 2 J〜2N、 20〜2Qを、 i RC— 68 00改造機に搭載して、 405nmの画像露光に対する解像度、 耐環境性、 残 留電位についての評価を実施例 3と同様にして行った。
その評価結果を表 18に示す。
(1) 解像度 (ドット再現性)
実施例 8と同様にして、 感光体の解像度の評価を行った感光体 2 Qにおける 解像度を基準 (REF) として、 下記に示す判断基準によってランク付けを行 つた。
◎ · · · 85%未満。 非常に優れている
〇 · · · 85%以上、 95%未満。 優れている
△ · · · 95 %以上、 105 %未満。 基準並。
(2) 耐環境特性
実施例 3と同様にして評価した。
測定により得られた結果は、 下記に示す基準によって、 各々の感光体に対し て判定を行った。
◎:耐久期間にわたって、 画像流れがまったく発生せず、 非常によい。
〇:耐久が進んだ時に、 朝一の機械立上げ直後において、 ハーフ卜一ン階調 性が低下する場合があつたが、 数枚の通紙で完全に回復し、 よい。
△:耐久が進んだ時に、 朝一の機械立上げ直後において、 文字レベルで確認
できる画像流れが発生する場合があつたが、 数枚の通紙で完全に回復し、 4実用 は問題なし。 '
(3) 残留電位
実施例 3と同様にして評価した。
得られた結果は、 感光体 2Qでの値を 100%としてランク付けを行った。 ◎ 〜85%未満。 非常に優れている
〇 ·'·85%以上、 95%未満。 優れている
△ -95%以上、 105%未満。 基準並
(4) 光メモリー '
光メモリ一電位は、 実施例 3と同様にして得た。
得られた結果は、 感光体 2Qでの値を 100%としてランク付けを行った。 ◎ ー85%未満。 非常に優れている
〇 ·'·85%以上、 95%未満。 優れている
△ ."95%以上、 105%未満。 基準並
比較例の感光体 2 Qを基準とすると、 表面層における酸素含有量がある程度 以上の場合に解像度が良好になることが判る。また、その他の特性においても、 酸素が適当な量で含有されている場合に最適な値を示していることが判る。 特 に、 酸素が 0. 5以上 10 a tm%以下のときに、 総ての特性が極めて優れて いることが判った。 一方、 酸素含有量が 20 a tm%を超えると、 画像流れ評 価、 残留電位評価では基準並となることが判った。 よって、 酸素含有量は 0. 01 a tm%以上 20 a tm%以下、 より好ましくは 0. 5 a tm%以上 10 a tm%以下であることがわかった。
[実施例 10]
表 19に示した条件とする他は、 実施例 7と同様にして、 5種類の感光体を 製作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および上部電荷注入阻止層は表 19 に示した一定条件で成膜し、 表面層は CH4ガス流量を表 20に示すように感
、
57 光体毎に変化させ、 その他の条件は表 19に示した条件で成膜し、 表面層 炭 素原子濃度が異なる感光体 2 R〜 2 Vを製作した。 CH4ガス量を少なくする 場合、 水素で希釈し流量を正確に調整した。 なお、 表 20に示す水素量は希釈 水素も含んだ値として表示している。
[比較例 8]
比較例として、 表面層の作成時に CH4ガス流量を表 20に示すように変化 させた以外は実施例 10と同様にして感光体 2W (比較例 8— 1)、 2X (比 較例 8— 2) を製作した。
製作した感光体 2 R〜 2 Vの表面層中の原子め炭素原子濃度、 窒素原子濃度、 酸素原子濃度を、 実施例 7と同様にして測定した。 炭素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 00014〜0. 096、窒素原子の濃度は式( 3 )で示すと 0. 46〜0. 52、 酸素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 0053であり、 炭 素原子の増量分が窒素原子の減量分に相当し、 酸素原子はほぼ一定であった。 - また、 感光体 W、 Xの表面層の炭素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 000 04〜0. 13、 窒素原子の濃度は式 (3) で示すと 0. 45〜0. 52であ り、 炭素原子の増量分が窒素原子の減量分となり、 酸素原子の濃度は式 (1) で示すと 0. 005.3でほぼ一定であった。
作製した負帯電用電子写真感光体 2 R〜 2 V、 2W、 2Xを、 実施例 9と同 様に解像度、 残留電位の評価を行った。 ただし、 実施例 9で行った兩像流れ評 価に代え、 実施例 4と同様の感度評価を行った。
得られた結果は、 感光体 2Qでの値を 100%としてランク付けを行い、 表 20に示す。 :
◎ … 85%未満。 非常に優れている
〇 85%以上、 95%未満。 優れている
△ … 95 %以上、 105 %未満。 基準並
X -105 %以上。 基準に比べやや劣る。
表 2 0から実施例 4と同様な結果が得られたことが分かる。
[実施例 1 1 ]
表 2 1に示した条件とした他は、 実施例 7と同様にして、 4種類の感光体を 製作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および上部電荷注入阻 II層は表 2 1 に示した一定条件で成膜した。 表面層は、 表 2 2に示すように、 N2ガス、 C 02ガスの流量を可変して導入することで、 膜厚方向の単位長さ当たりに含有 される原子の数が変化するように窒素原子濃度と酸素原子濃度変化させて形 成した。
4種類の感光体はそれぞれ、 窒素量が膜厚方向表面側に向かって増加する感 体 2 AA、 酸素量が膜厚方向表面側に向かって増加する感光体 2 B B、 酸素 および炭素がともに表面側に向かって増大するが、 常に酸素の増大割合が炭素 の増大割合よりも多い、 即ち層厚方向の単位長さ当たりに含有される窒素原子 の数 Nに対する層厚方向の単位長さ当たりに含有される酸素原子め数 Oの比 "0/N" の値が表面側に向かって増大する感光体 2 AB、 酸素濃度および窒 素濃度のいずれもニ定である感光体 2 C Cの 4種類を作成した。
製作した感光体の表面層中の酸素原子、 窒素原子の含有量を、 実施例 7と同 様に測定した。 結果を表 2 2に示す。 また、 解像度と光メモリの評価を行った 後、 傾斜組成分布を S I M Sによって確認した。 また、 膜中の平均濃度は E S C Aを用いてスパッタを行いながら深さ方向の平均値を求めた。
得られた感光体について、 実施例 9と同様に解像度と光メモリを、 感光体 2 C Cを基準として、 以下の判断基準により評価を行った。 結果を表 2 2に合わ せて示す。
◎ 〜8 5 %未満。 非常に優れている
〇 ·'· 8 5 %以上、 9 5 %未満。 優れている
Δ ·'· 9 5 %以上、. 1 0 5 %未満。 基準並
表 2 2から明らかなように、 実施例 5と同様の結果が得られた.。
[実施例 1 2 ] J 図 2に示したプラズマ C VD装置を用い、 直径 8 4mmの鏡面加工を施した アルミニウムシリンダー (支持体) 上に、 表 2 3に示した条件で堆積膜を順次 成膜し、 下部電荷注入阻止膚、.光導電層、 傾斜組成層、 上部電荷注入阻止層、 変化層、 表面層からなる感光体 2 D Dを製作した。 光導電層と上部電荷注入阻 止層の間、 上部電荷注入阻止層と表面層との間において、 原料ガスを滑らかに 変化させて導入することにより、 光学的な界面をなくし、 屈折率がなだらかに 変化するようにした。
製作した感光体 2 D Dの表面層中 φ窒素原子、'酸素原子および炭素原子の濃 度を、実施例 7と同様にして測定した。窒素原子の濃度は式(3 )で示すと 0 . 4 8、 酸素原子の濃度は式 ( 1 ) で示すと 0 . 0 2、 炭素原子の濃度は式 ( 2 ). で示すと 0 . 0 0 7 2であった。
得られた感光体 2 D Dは、実施例 9と同様に、解像度、耐環境性、残留電位、 光メモリ'を感光体 2 Qを基準として評価し、 実施例 1 0と同様に感度を感光体 2 Qを基準として評価を行った。 結果を表 2 4に示す。 '
結果から、 感光体 2 D Dは総ての項目において、 感光体 2 Qに比べて非常に 優れた特性を示していることが判った。 また、 干渉が少なくなることで、 削れ ムラが生じた場合の感度ムラが出にくいことが明らかとなっている。'よって、 光導電層と上部電荷注入阻止層の間、 上部電荷注入阻止層と表面層の間に い て、 光学的界面を作らないように組成比を滑らかに変化させることで、 更に好 ましい感光体が得られることが明らかとなった。
[実施例 1 3 ]
表 2 5に示した条件とする他は、 実施例 7と同様にして、 感光体を製作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および表面層は表 2 5に示した一定条件で成膜 し、 上部電荷注入阻止層は C H4ガス流量を、 表 2 6に示すように感光体毎に 変化させ、 その他の条件は表 2 5に示した条件で成膜し、 上部電荷注入阻止層
の炭素原子濃度が異なる感光体 2 EE〜 2 J Jを作製した。 膜厚は 50 n iと した。
製作した感光体 2 EE〜 2 J Jの表面層中の炭素原子濃度、 窒素原子濃度、 酸素原子濃度を、 実施例 7と同様にして測定した。 炭素原午の濃度は式 (2) で示すと 0. 014、 窒素原子の濃度は式 (3) で示すと 0. 45、 酸素原子 の濃度は式 (1) で示すと 0. 028であった。 上部電荷注入阻止層中のホウ 素原子の含量は約 500 a tm · p pmであった。
得られた感光体は、 C/ (S i +C) が 8a tm%の感光体 2 EEを基準と して、 帯電能と感度の評価を行った。 '
帯電能の評価は以下のような方法により、 感度の評価は実施例 10と同様の 方法により、 感光体 2 EEを基準として行った。
(5) 帯電能評価
作製した電子写真感光体を i RC— 6800改造機に設置して帯電を行な い、 現像器位置に設置した表面電位計により電子写真感光体の暗部表面電位を 測定した。 このとき、 帯電器への DC印加電圧、 重畳 AC振幅、 周波数などの 帯電条件は一定とした。
得られた結果は、 感光体 2EEでの値を 100%としてランク付けを行い、 表 26に示す。
◎ ー115%以上。 非常に優れている
〇 ·'·· 105 %以上、 115 %未満。 優れている
△ "·95%以上、 105%未満。 基準並。
表 26結果から、 感光体 2 F F〜 2 J Jは、 感光体 2 E Eに比べて感度が優 れており、 特に炭素原子濃度が式 (4) において 0. 15以上で非常に優れた 特性を示していることが判った。 また,、 炭素原子濃度が式 (4) において 0. 1〜0. 5の場合に帯電能に優れ、 特に 0. 15〜0. 4の場合に帯電能が非 常に優れていることが判った。 これは、 感光体 2 EEでは炭素量が少ないため
に価電子制御剤の効果が高く、 熱生成キヤリアによる暗減衰が大きいためこや や帯電能が劣ってしまったと考えられ、 また感光体 2 J Jでは逆に価電子制御 剤の効果が低く、 阻止能が低下するために帯電能が若干低くなつたと考えられ る。
以上の結果から、 上部電荷注入阻止層の炭素量に関しては、 式 (4) におい て 0. 1以上 0. 5以下が好ましく、 更に好ましくは 0. 15以上 0. 4以下 であることことがわかった。
[実施例 14]
表 27に示した条件とした他は、実施例 7と同様にして、感光体を製作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および表面層は表 27に示した一定条件で成膜 し、 上部電荷注入阻止層は B2H6ガス流量を、 表 28に示すように感光体毎に 変化させ、 その他の条件は表 27に示した条件で成膜し、 上部電荷注入阻止層 におけるホウ素含有量が、 50 a tnr' ppm〜4000 a tm · ppmの 6 種類の感光体 2 KK:〜 2 PP.を作製した。 膜厚は 70 nmで固定とした。
製作した感光体 2 KK:〜 2 PPの表面層中の炭素原子濃度、 窒素原子濃度、 酸素原子濃度を、 実施例 7と同様にして測定した。 炭素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 014、 窒素原子の濃度は式 (3) で示すと 0. 45、 酸素原子 の濃度は式 (1) で示すと 0. 028であった。 上部電荷注入阻止層中の炭素 原子濃度は式 (4) で示すと 0. 3であった。 '
得られた感光体は、 ホウ素原子 4000 a tm- p mの感光体 2 P Pを基 準として、帯電能と解像力の評価を行った。番電能評価は実施例 13と同様に、 解像力評価は実施例 8と同様に行った。 結果を表 28に示す。
表 28の結果から感光体 2 KK:〜 200は感光体 2 P Pに比べて解像力が 優れ、 特にホウ素原子濃度が 2000 a tm · p pm以下で非常に優れた特性 を示していることが判った。 一方、 帯電能に関しても、 感光体 2KK〜200 は感光体 2 ΡΡに比べ優れており、 特に 100〜2000 a tm · p pmの場
合に非常に優れていることが判った。
以上の結果から、 上部電荷注入阻止層のホウ素原子含有量に関しては、 -50 a tm · 1> 111以上3000 & t m · p pm以下が好ましく、 更に好ましくは 100 a tm- ρ pm以上 2000 a tm- pm以下であることがわかった。
[実施例 15]
表 29に示した条件とした他は、実施例 7と 様にして、感光体を製作した。 下部電荷注入阻止層、 光導電層および表面層は表 29に示した一定条件で成膜 し、上部電荷注入阻止層は膜厚を、表 30に示すように、感光体毎に変化させ、 その他の条件は表 29に示した条件で成膜し、 上部電荷注入阻止層の膜厚が異 なる 6種類の感光体 2 QQ〜 2 VVを作製した。
製作した感光体 2 Q Q〜 2 V Vの上部電荷注入阻止層中の炭素原子濃度は 式 (4) で示すと約 0. 25であり、 ホウ素厚子の含有量は約 400 p pur あった。、 表面層中の炭素原子濃度、 窒素原子濃度、 酸素原子濃度を、 実施例 7と同様にして測定した。 炭素原子の濃度は式 (2) で示すと 0. 014、 窒 素原子の濃度は式 (3)で示すと 0. 45、 酸素原子の濃度は式 (1) で示す と 0. 028であった。
得られた感光体について、 膜厚 20 Onmの感光体 2VVを基準として、 帯 電能を実施例 13と同様に、 感度を実施例 8と同様に評価した。 結果を表 30 に示す。
表 30の結果から、 感度に関して、 感光体- 2QQ〜2UUは、 感光体 2VV に比べ優れ、 感光体 2 UUはやや優れているもののランクとしては感光体 2 V V程度であり、 膜圧 10 Onmの感光体 2 TTは優れ、 50 nm以下の感光体 2 QQ〜2SSは非常に優れた特性を示していることが判った。 一方、 帯電能 に関しては、膜圧 15011111の感光体21;11が感光体2^程度、膜圧 5nm、 30 nm, 50 nm, 100 nmの感光体 2 QQ、 2RR、 2SS、 2丁丁が 非常に優れていることが判った。 これは、 感光体 2 TTでは膜厚が厚いために
膜全体に含まれるホウ素原子の総量がやや多いために、 熱生成キャリア έよる 暗減衰が大きいことにより、 このような差が出たと考えられる。 ·' 以上の結果から、 上部電荷注入阻止層の膜厚に関しては、 5 nm以上 150 n m以下が好ましく、 より好ましくは 100 η m以下、 特に 50 n m以下であ る'ことがわかった。
表 1
2)表 2を参照
表 2
N/ 405nmの光
表面層の
S i H4 N2 (Si+N+O に
感光体 τηΐ/τηιη ml/mi'n Power
+0 膜厚ムラ 财る雛 W % (normal) (normal) atm% ν·αη2/μ J
A 80 400 300 28 173 12
B 40 400 250 30 307 8 織例 1 C 30 350 200 41 490 8
D 20 350 200 60 500 18 贿! 11— 2 E 20 400 200 62 509 33
表 3
表 4
表 層 光の波長 スポット径 ド 5/トピッチ 感光体 解像度 材質 o,c¾¾¾口 n m μ m dp i 実施例 2 G S iN 有り 405 30 1200 ◎ 比較例 2— 2 I S ΪΝ 無 405 30 1200 〇 比較例 2-2 I S iN 無 405 60 600 Δ 比較例 2— 2 I S ΪΝ 無 660 60 600 Δ 比較例 2— 1 H S iC 無 660 60 600 REF
表 5
表 6
NO添加量 o濃度 ドッ卜 画像
感光体' 残留電位 光メモリ 総合評価 ppm atm% 再現性 流れ
J 100 0.012 o 〇 ◎ 〇 〇 .
K 2000 0.51 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
L 5000 1.4 ◎ ◎ ◎ ◎
M 20000 ( 9.7 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
N 40000 19.7 ◎ 〇 〇 ◎ 〇
O 30 0.004 △ Δ 〇 Δ Δ
P 50000 21 ◎ Δ △ 〇 Δ
Q 0 ― REF REF REF REF REF
表 7
3) 低流量の場合は H 2で希釈
表 8
C H 4 c濃度 ドッ卜
感光体 感度 残留電位 光メモリ 総合評価 mj/min(normal) atm% 再現性
R 0.03 0.014 〇 ◎ ◎ o , ' 〇
S 0.9 0.52 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
T · 3.5 2.3 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
U 7 4.7 ◎ .◎ ◎ ◎
V 18 9.6 ◎ 〇 ◎ ◎ 〇
W 0.01 0.004 Δ 〇 〇 Δ + Δ ■
X 30 13 ◎ X o O X
Q 0 ― REF REF REF REF REF
表 9
4)表.1 0参照 表 1 0.
- N2 co2
Ν平均離 Ο平均離 ド、ッ卜 総合 感光体 ml/mm % 光メモリ
Atm% atm%
(normal) (MS iH4) 再現性 評価
CC 300 2 50 1.5 REF REF REF
AA 200→400 2 49 1.5 〇 〇 〇 実施例 5
B B 300 0→4 51 1.6 O O 〇
AB 250→350 0→4 48 1.9 ◎ ◎ ◎
表 1 1
表 1 2
表 1 3
5) 表 1 4参照
表 14
表面層 光の波長 スポット径 ドットピッチ 感光体 解像度 材質 o,c添加 n m μ m dp i 実施例 8 2G S iN 有 405 30 1200 ◎ 比較例 6— 2 2 I S ΪΝ 無 405 30 1200 〇 比較例 6— 2 2 I S iN 無 405 60 600 Δ 比較例 6— 2 2 I S ΪΝ 無. 660 60 600 Δ 比較例 6— 1 2Η S i C 無 660 60 600 REF
表 17
NO添加量 o濃度 ドッ卜
感光体' 画像流れ 残留電位 光メモリ 総合評価 ppm atm% 再現性
2 J 100 0.012 〇 o ◎ 〇 〇
2K 2000 0.51 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
2 L 5000 1.4 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
2M 20000 9.7 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
2N 40000 19.7 ◎ ' 〇 〇 ◎ o
20 30 0.004 Δ Δ 〇 △ Δ
2 P 50000 21 ◎ Δ Δ o Δ
2Q 0 ― REF REF REF REF REF
表 1 9
6)低流量の場合は H 2で希釈
表 2 0 c濃度 ド、ッ卜
感光体 感度 残留電位 光メモリ 総合評価
atm% 再現性
2 R 0.03 0.014 〇 ◎ ◎ O 〇
2 S 0.9 0.52 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
2 T' 3.5 2.3 ◎ ◎ . ◎ ◎ ◎
2 U 7 4.7 ◎ 〇 ◎ ◎ ◎
2 V 18 9.6 ◎ 〇 . ◎ ◎ 〇
2 W 0.01 0.004 Δ 〇. 〇 Δ Δ
2 X 30 13 ◎ X 〇 〇 X
2 Q 0 ― REF REF REF REF REF
表 2 1
7) 表 22参照
表 22
N2 co2
畔 i¾g O平均離 , ド-ッ卜 総合 感光体 ml/min % 光メモリ
Atm% atm% 再現性 評価
(norma]) fefSiH4)
2 CC 300 2 50 1.5 REF REF, REF
2 AA 200→400 2 49 1.5 〇 〇 〇 実施例 11
2 BB 300 0→4 51 1.8 〇 〇 〇
2 AB 250→350 0→4 48 1.9 ◎ ◎ ◎
表 23
O濃度 RA ド、 卜
感光体 画像流れ 感/ 残留電位 光メモリ atm% atm% 再現性
2 DD 2 0.72 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
2Q 一 ― REF REF REF REF REF
表 25
8)表 26参照 表 26
CH4 C (S i+C)
感光体 帯電能 感度 総合評価 ml/mimnormal) atm%
2FF 50 10 〇 〇 o
2GG 70 15 ◎ ◎ ◎
2HH 120 25 ◎ ◎ ◎
2 I I 300 40 ◎ ◎ ◎
2 J J 700 50 Δ ◎ 〇
2 EE 30 8 REF REF REF
表 27
9)表 28参照
表 28 t> 2^6
感光体 PPm B量 W 匕 角働 総合評価
(MS iH4) Atmppm
2 Ρ Ρ 5000 4000 REF REF REF
2 Κ 70 50 〇 ◎ 〇
2 Lし 120 100
実施例 14 ◎ ◎ ◎
2 MM 1500 1000 ◎ ◎ ◎
2NN 2800 2000 ' ◎ ◎ ◎
2 OO 4000 3000 〇 o o
表 29
10)表 30参照
表 30
この出願は 2004年 1 1月 5日に出願された日本国特許出願第 2004 一 322760号と、 2004年 11月 5日に出願された日本国特許出願第 2 004-322772号からの優先権を主張するものであり、 その内容を引用 してこの出願の一部とするものである。