JP2019020503A - 負帯電用電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

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康夫 小島
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Abstract

【課題】光メモリーに代表されるゴースト画像、画像濃度ムラを低減し、画像品質も向上することのできる負帯電用電子写真感光体及び電子写真装置を提供する。【解決手段】光導電層、光導電層の上の中間層、および、中間層の上の表面層を有する負帯電用電子写真感光体において、光導電層がケイ素原子を含有する非晶質材料で形成されており、中間層がアモルファスシリコンカーバイドで形成されており、中間層が、その層厚方向に周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域と前記周期表第13族に属する原子を含有しないノンドープ領域とを有し、かつノンドープ領域を、ドープ領域より表面層側に有しており、中間層の屈折率が層厚方向に連続的に漸次変化しており、負帯電用電子写真感光体が用いられる電子写真装置で用いられる像露光波長に対する、表面層の吸収係数、中間層の吸収係数、光導電層の吸収係数、中間層の膜厚が、特定の関係式を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、負帯電用電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置は、オフィス等で数枚から数十枚程度プリントすることが主な使われ方であったが、近年、オフセット印刷機が主流であったプロダクション市場へも参入し始めている。プロダクション市場へ電子写真方式の画像形成装置が参入するためには対策しなければならない課題も多い。
例えば、高画質が求められるプロダクション市場のポスターやグラフィックアート等では画像濃度ムラが問題となる場合がある。画像濃度ムラの原因の一つとしては、感度の不均一が挙げられる。感度が不均一になる理由の一つとしては、感光体が繰り返し使用され、感光体の表面が、用紙、トナー、現像器、クリーナー等との摺擦で不均一に削られることで、反射率の変動にムラが発生するためと考えられる。このため、画像濃度ムラを抑制するために反射率のムラが発生しない感光体を得ることは重要な課題となっている。
また、生産性向上のために高速化の要求も強く、上記プロセスの時間がさらに短くなっていく傾向にある。これに伴い、前のプロセスで形成された静電潜像の履歴が時間経過により消去される前に、次のプロセスが行われて次のプロセスで形成される静電潜像に影響を及ぼし、残像を生じさせる、いわゆるゴースト画像という問題が発生しやすくなっている。
ゴースト画像の原因は、感光体の表面に静電潜像を形成する際、前回のプロセスで露光された前回露光部分と未露光の前回未露光部分との両方が露光されたときに、前回露光部分と前回未露光部分とで露光後電位に差が生じる、いわゆる光メモリーである。光メモリーは、露光からの時間経過により減少するが、前回の露光からの経過時間が短いために光メモリーの減少量が少ないと、光メモリーによって生じる露光後電位の差が画像上目視で確認できるレベルとなり、ゴースト画像が発生する。このため、前回プロセス終了から次回プロセス開始までの時間(以下、「プロセス時間」とも表記する。)が短いほどゴースト画像の問題は顕著になる。したがって、生産性向上のためにはプロセス時間が短くてもゴースト画像が発生しない感光体を得ることは重要な課題となっている。
そして、今まで上記のような反射率のムラに起因する画像濃度ムラ、光メモリーに起因するゴースト画像に対して様々な対策が行われている。
反射率のムラに起因する画像濃度ムラに対しては、例えば、光導電層と表面層との界面における屈折率及び光学的バンドギャップ(Egopt)差を適正化し、画像濃度むらを抑える技術が開示されている(特許文献1参照)。
光メモリーに起因するゴースト画像に対しては、例えば、表面層中の炭素原子を積層方向に対して不均一に分布させ、炭素原子含有量の積層方向に対する分布に極大値を存在させる技術が開示されている(特許文献2参照)。
また、近年、上記の高画質と生産性向上と共に印刷物の一枚当たりの価格、ランニングコストを抑制することが求められている。このため、消耗品の交換頻度を抑制し、メンテナンス回数を減らすことが大きな課題となっている。これは、消耗品の一つである感光体についても当てはまり、感光体の高耐久性、長寿命化は重要な課題となっている。そして、このような状況の中で、有機光導電体を用いた感光体(以下、「OPC」とも表記する。)に対し高耐久で長寿命なアモルファスシリコン(以下「a−Si」とも表記する。)系材料で構成された光導電層を有するa−Si感光体が注目されている。
特公平5−73232号公報 特開2002−123020号公報
従来、上記のような技術により、電子写真感光体の電気的、光学的、光導電的特性が向上し、それに伴って、画像濃度ムラ、光メモリーに起因するゴースト画像等の画像品質も向上してきた。
しかしながら、上記のようにカラー機、特にプロダクション市場で用いられる画像形成装置に要求されるスペックは厳しく、今までは問題にならなかったレベルが問題視される場合がある。
このため、従来のa−Si系材料で構成された光導電層を有する負帯電用a−Si感光体は、さらなる画像品質の向上のために、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電特性の点で改善の余地が存在する。さらには経時安定性および耐久性の点において、総合的な特性向上、改良されるべき余地も存在する。
従来の負帯電用a−Si感光体を用いた場合には、次のような課題がある。
まず、光メモリーに起因するゴースト画像を改善するための課題は以下である。光メモリーに起因するゴースト画像の原因は、光導電層で生成された光キャリアが、次のプロセスまでに再結合で消えないことである。
プロダクション市場のような高速なプロセスで、1ジョブ当りのプリントボリュームが膨大な場合は、再結合までの時間が短縮され光メモリーが蓄積しやすくなるため、さらなる特性向上が必要である。
このため、ゴースト画像を改善するためには、露光によって発生する光キャリアの生成量、移動度、再結合までの時間(以下、「キャリアのライフタイム」とも表記する。)を適切に制御することが課題である。
また、反射率のムラに起因する画像濃度ムラの課題は以下である。上記のように反射率のムラは、繰り返し使用の摺擦によって生じる表面層削れムラが原因である。
このような表面層削れムラに起因する反射率のムラは、屈折率及び光学的バンドギャップ(Egopt)差の最適化によって反射防止性の改善を行ってきた。
しかしながら、高画質な写真やプロダクション市場のポスターやグラフィックアート等では画像濃度ムラに対する要求レベルは高く、反射率のムラをさらに抑制する必要がある。
このため、負帯電用電子写真感光体の画像濃度ムラの低減には、光導電層と表面層とを接続する中間層と光導電層との界面における反射、および中間層と表面層との界面における反射を低減させることが課題である。
従って、本発明の目的は、光メモリーに代表されるゴースト画像、画像濃度ムラを低減し、画像品質を向上することのできる負帯電用電子写真感光体、ならびに該負帯電用電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
本発明によれば、光導電層、前記光導電層の上の中間層、および、前記中間層の上の表面層を有する負帯電用電子写真感光体において、
前記光導電層がケイ素原子を含有する非晶質材料で形成されており、
前記中間層がアモルファスシリコンカーバイドで形成されており、
前記中間層が、その層厚方向に周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域と前記周期表第13族に属する原子を含有しないノンドープ領域とを有し、かつ少なくとも前記ノンドープ領域を、前記ドープ領域より前記表面層側に有しており、
前記中間層の屈折率が層厚方向に連続的に漸次変化しており、
前記負帯電用電子写真感光体が用いられる電子写真装置で用いられる像露光波長に対する、前記表面層の吸収係数をαSLとし、前記表面層と前記中間層との接合領域における前記中間層の吸収係数をαnonDope_SLとし、前記中間層の前記ドープ領域と前記ノンドープ領域との接合領域における前記ドープ領域の吸収係数をαDope_SLとし、前記光導電層と前記中間層との接合領域における前記中間層の吸収係数をαDope_PCLとし、前記光導電層の吸収係数をαPCLとし前記ドープ領域と前記ノンドープ領域との接合領域から前記光導電層までの膜厚をdDopeとし、前記ドープ領域と前記ノンドープ領域との接合領域から前記表面層までの膜厚をdnonDopeとするとき、下記、式1および式2の関係を満たし、
|αSL−αnonDope_SL|≦1000 (式1)
|αDope_PCL−αPCL|≦1000 (式2)
かつ膜厚に対する吸収係数αの自然対数lnαの傾きの関係が、下記、式3の関係を満たす、負帯電用電子写真感光体が提供される。
(lnαPCL−lnαSL)/(dDope+dnonDope)<
(lnαDope_PCL−lnαDope_SL)/dDope (式3)
また、本発明によれば、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジが提供される。
さらに、本発明によれば、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置が提供される。
本発明によれば、感度を向上させながら、光メモリーに代表されるゴースト画像、画像濃度ムラを低減し、画像品質も向上することのできる負帯電用電子写真感光体を提供することができる。また、該負帯電用電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能である。
本発明の負帯電用電子写真感光体における中間層の膜厚と吸収係数の自然対数を模式的に示した図である。 本発明の負帯電用電子写真感光体の層構成の一例を模式的に示した図である。 LFプラズマCVD法による堆積層形成装置の一例を示した図である。 (a)は実施例1の膜厚と吸収係数の自然対数との関係を模式的に示した図、(b)は実施例1の屈折率と吸収係数の自然対数との関係を模式的に示した図、(c)は実施例2の膜厚と吸収係数の自然対数との関係を模式的に示した図である。 (a)は比較例1の膜厚と吸収係数の自然対数との関係を模式的に示した図、(b)は比較例2の膜厚と吸収係数の自然対数との関係を模式的に示した図、(c)は比較例3の膜厚と吸収係数の自然対数との関係を模式的に示した図である。 ゴースト評価に用いた画像を模式的に示した図である。 本発明の負帯電用電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明者らは上記の目的を達成すべく光導電層、中間層および表面層を有する負帯電用電子写真感光体について鋭意検討を行った。その結果、中間層の屈折率を層厚方向に漸次変化させ、光導電層と中間層との界面、表面層と中間層との界面において、接合領域の各層の吸収係数を特定の関係とすることで反射を低減できることを見出した。
また、図1に示すように、中間層をアモルファスシリコンカーバイド(以下、「a−SiC」とも表記する。)とし、周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域と含有しないノンドープ領域を設け、膜厚に対する吸収係数の自然対数の傾きを特定の関係とすることでゴースト画像を低減できることを見出した。
具体的には、まず、上述の式1のように、
表面層の吸収係数αSLと、
表面層と中間層との接合領域における中間層の吸収係数αnonDope_SL
の差分の絶対値が1000以下である関係を満たす。
吸収係数αSL、および吸収係数αnonDope_SLは、いずれも負帯電用電子写真感光体が用いられる電子写真装置で用いられる像露光波長に対する吸収係数である。
また同様に、上述の式2のように、
光導電層の吸収係数αPCLと、
光導電層と中間層との接合領域における中間層の吸収係数αDope_PCL
の差分の絶対値が1000以下である関係を満たす。
吸収係数αPCL、および吸収係数αDope_PCLは、いずれも負帯電用電子写真感光体が用いられる電子写真装置で用いられる像露光波長に対する吸収係数である。
さらに、中間層のドープ領域およびノンドープ領域内のそれぞれで屈折率を層厚方向に連続的に漸次変化させる。ドープ領域は周期表第13族に属する原子を含有する。ノンドープ領域は周期表第13族に属する原子を含有しない。
そして、下記の式3の関係を満たす。
(lnαPCL−lnαSL)/(dDope+dnonDope)<
(lnαDope_PCL−lnαDope_SL)/dDope (式3)
Dope:ドープ領域とノンドープ領域との接合領域から光導電層までの層厚
nonDope:ドープ領域とノンドープ領域との接合領域から表面層までの層厚
lnαPCL:光導電層の吸収係数αPCLの自然対数
lnαSL:表面層の吸収係数αSLの自然対数
lnαDope_SL:ドープ領域とノンドープ領域との接合領域におけるドープ領域の吸収係数αDope_SLの自然対数
lnαDope_PCL:光導電層と中間層との接合領域における中間層の吸収係数αDope_PCLの自然対数
このように構成された中間層を負帯電用電子写真感光体に設けることで、上述の目的を達成できる知見を得た。
現時点で、これらの理由を以下のように推察する。
まず、上述の式1の関係を満たすことで、表面層と中間層との界面における反射が低減される。この理由は、反射の低減には、屈折率の最適化と伴に消衰係数の最適化が必要であり、消衰係数と関係する吸収係数の差分の絶対値を低減することで、反射を低減できると考えている。
同様の理由により、上述の式2の関係を満たすことで、光導電層と中間層との界面における反射を低減できると考えている。
次に、中間層の周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域および含有しないノンドープ領域において層厚方向に屈折率を漸次変化させることで反射が低減される。この理由は以下と考えている。
これは、屈折率を漸次変化させることで連続した逆位相が形成され、入射光が相殺されるため反射光が低減し、反射率のムラが低減すると考えている。したがって、上述のように中間層全体で層厚方向に屈折率を漸次変化させることで反射率のムラが低減できると考えている。
したがって、中間層の周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域と含有しないノンドープ領域とで屈折率を層厚方向に連続的に漸次変化させることで反射率のムラを低減する効果が得られると推察される。
同様に、周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域と含有しないノンドープ領域との境界においても、屈折率を連続的に漸次変化させることで反射率のムラを低減できると考えている。
さらに、上述の式3を満たすことでゴースト画像が低減される。この理由は以下と考えている。
従来は、下記の1)図1に示す破線3−1の傾きと、2)図1に示す実線3−2の傾きとが同じだった。
1)図1に示す破線3−1の傾き
中間層全体の層厚(dDope+dnonDope)に対する、光導電層の吸収係数の自然対数lnαPCLと表面層の吸収係数の自然対数lnαSLとの変化量(lnαPCL−lnαSL
2)図1に示す実線3−2の傾き
ドープ領域の層厚(dDope)に対する、lnαDope_PCLとlnαDope_SLとの変化量(lnαDope_PCL−lnαDope_SL
lnαDope_PCL:光導電層と中間層との接合領域における中間層の吸収係数の自然対数
lnαDope_SL:中間層のドープ領域とノンドープ領域との接合領域におけるドープ領域の吸収係数の自然対数
上記のように、図1に示す破線3−1の傾きと実線3−2の傾きとが同じ場合は、中間層の周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域における光吸収が増大するためにゴースト画像が悪化する。これは、中間層のドープ領域で生成されるキャリアが増加し、増加したキャリアの全てが再結合によって消滅するまでの時間が延びるためと考えられる。
そこで、本発明では、中間層のドープ領域における膜厚dDopeと吸収係数の自然対数の変化量との関係を上述の式3を満たす関係にすることで、光吸収を低減し、キャリアの生成量を抑制できるため、ゴースト画像が良化すると考えている。
また、本発明者らは、下記の式4の関係を満たすとき、ゴースト画像の発生がさらに抑制されることを見出した。
αnonDope_PCL>αDope_SL (式4)
αnonDope_PCL:ドープ領域とノンドープ領域との接合領域におけるノンドープ領域の吸収係数
αDope_SL:ドープ領域とノンドープ領域との接合領域におけるドープ領域の吸収係数
ゴースト画像の発生がさらに抑制されることの詳細なメカニズムはわからないが、中間層のノンドープ領域である程度の光吸収があることで、キャリアが移動しやすくなりゴースト画像の発生がより抑制されていると考えている。
また、本発明者らは、中間層の層厚を250nm以上1000nm以下とすることで、感光体の実使用上、中間層の光吸収が感度に対して問題にならない程度に抑えられ、かつ反射率の変動が効果的に得られることも見出した。これは、電子写真装置で用いられる露光の光に対して、逆位相が生成されるために必要になる層厚が250nm以上であり、実使用上の露光量で問題なく感度が得られ、ゴースト画像の発生が抑制される層厚が1000nm以下となるためである。したがって、中間層の層厚を、250nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
さらに、中間層における周期表第13族に属する原子を含有する領域において、周期表第13族に属する原子の濃度が異なる領域を2つ以上もち、かつ
周期表第13族に属する原子の濃度を中間層の層厚方向に変化させることによってゴースト画像が良化することを見出した。これは、周期表第13族に属する原子の濃度を変化させることで、キャリアの移動を最適化できるためと考えている。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照し、さらに詳細に説明する。
<負帯電用電子写真感光体>
図2は、円筒状基体2101の表面に下部電荷阻止層2201、光導電層2301、中間層2401、表面層2501を順次積層した負帯電用電子写真感光体2000の模式図である。
図2を使用して電負帯電用子写真感光体を構成する各層について説明する。
(円筒状基体)
円筒状基体2101の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンやこれらの合金を用いることができる。中でも、加工性や製造コストを考慮すると、アルミニウムが優れている。この場合、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金のいずれかを用いることが好ましい。円筒状基体2101は、基体洗浄装置で処理される前に、例えば表面を鏡面切削加工されることがある。
<光導電層>
光導電層2301は、一定極性の帯電処理では電荷を保持し、受光した際には導電する。光導電層2301は、ケイ素原子を含有する(母体とする)非晶質材料からなり、光導電性および電荷保持特性を向上させるための原子や、伝導性を制御するための原子を含有させても良い。光導電性および電荷保持特性を向上させるための原子としては、水素原子やハロゲン原子を用いることができる。
水素原子やハロゲン原子は、ケイ素原子の未結合手に結合し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させ得る。水素原子の含有量は、特に制限はなく、露光系の波長に合わせて適宜変化させることができ、例えばケイ素原子と水素原子の和に対して10〜40原子%などとすることができる。また、その分布形状に関しても、露光系の波長に合わせて適宜調整することができる。特に、水素原子やハロゲン原子の含有量をある程度多くすると、光学的バンドギャップが大きくなり、感度のピークが短波長側にシフトすることが知られている。
伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、周期表第13族に属する原子(第13族原子とも略記する)、または周期表第15族に属する原子(第15族原子とも略記する)を用いることができる。
第13族原子としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にBが好適である。
第15族原子として、具体的には、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にPが好適である。
伝導性を制御する原子の光導電層中の含有量は、特に制限されないが、一般には0.01〜1000atmppmとすることができる。また、画像露光の到達する範囲においては、伝導性を制御する原子を実質的に含有しないものであってもよい。
光導電層2301の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び製造上の効率や経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、例えば10〜80μm、好ましくは15〜60μm、より好ましくは20〜50μmである。層厚が10μm以上であれば、帯電能や感度等の電子写真特性が実用上使用可能となり、80μm以下であれば、光導電層2301を効率よく製造することができる。
<下部電荷阻止層>
下部電荷阻止層2201は、円筒状基体2101側からの電荷の注入を阻止する。下部電荷阻止層2201は光導電層2202が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、円筒状基体2101側より光導電層2202側に電荷が注入されるのを阻止する。また、光導電層2301で発生したキャリアを円筒状基体2101側へ通過させる整流性を有している。
下部電荷阻止層2201には、水素原子やハロゲン原子を含有するケイ素原子を母材とし、さらに導電性を制御する不純物を含有させても良い。
また、負帯電用電子写真感光体の場合、下部電荷阻止層2201に含有される不純物元素としては、第15族原子を用いることができる。
下部電荷阻止層2201中に含有される第13族原子および第15族原子の含有量は、所望にしたがって適宜決定される。好ましくは下部電荷阻止層中の構成原子の総量に対して10atmppm以上10000atmppm以下、より好適には50atmppm以上7000atmppm以下、最適には100atmppm以上5000atmppm以下とされるのが好ましい。
さらに、下部電荷阻止層には、窒素原子、酸素原子及び炭素原子を少なくとも1つを含有させることによって、該下部電荷阻止層と円筒状基体との間の密着性の向上を図ることが可能となる。また、負帯電用電子写真感光体の場合には、下部電荷阻止層に不純物元素をドープしなくても窒素原子、酸素原子及び炭素原子を最適に含有させることで優れた電荷注入阻止能を有することも可能となる。
具体的には、下部電荷阻止層の全層領域に含有される窒素原子、酸素原子及び炭素原子の含有量は、窒素原子、酸素原子及び炭素原子の和を下部電荷阻止層中の構成原子の総量に対して、0.1atm%以上40atm%以下が好ましい。より好ましくは1.2atm%以上20atm%以下とすることにより、電荷注入阻止能が向上する。
下部電荷阻止層の層厚は、0.1μm以上10μm以下とすることで、円筒状基体2101からの電荷の注入阻止能が充分となり、充分な帯電能が得られ、電子写真特性の向上が期待でき、残留電位の上昇などの弊害を抑制できるため好ましい。
<中間層>
中間層2401はアモルファスシリコンカーバイドで形成され、第13族に属する原子を含有しないノンドープ領域と、周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域とを有し、ノンドープ領域をドープ領域より表面層側に有する。
屈折率は、ドープ領域およびノンドープ領域内において層厚方向に連続的に漸次変化させる。
吸収係数は、ドープ領域の光導電層と接合する領域においては、上述の式1を満たすものとし、同様に、ノンドープ領域の表面層と接合する領域においては、上述の式2を満たすものとする。
さらに、ドープ領域とノンドープ領域との間においても、屈折率は連続的に漸次変化させる。吸収係数は、ドープ領域とノンドープ領域との間で不連続であっても良い。
p型の伝導性を付与し阻止能を持たせるために含有される第13族原子の含有量は、中間層2401の層厚方向の各々箇所で適宜決定される。好ましくは中間層2401の任意の箇所における構成原子の総量に対して1atmppm以上5000atmppm以下であり、より好ましくは5atmppm以上3000atmppm以下の範囲である。
なお、本発明において13族原子を含まないとはSIMS分析(二次イオン質量分析)で測定した値がおおむね0.1atmppm以下であることを意味しコンタミネーションは除外する。
上述のように、中間層2401に含有される第13族原子の濃度としては、中間層2401に万偏なく均一に分布されていても良いが、層厚方向に変化させることで、帯電能および感度、ゴーストの向上ができる。しかしながら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが該平行面内方向における特性の均一化を図る点からも必要である。
また、中間層2401のアモルファスシリコンカーバイドに含有される水素原子の含有量は、中間層2401中の構成原子の総量に対して通常の場合5atm%以上70atm%以下が好ましい。より好ましくは10atm%以上65atm%以下、さらに好ましくは15atm%以上60atm%以下である。
<表面層>
表面層2501は、連続繰り返し使用耐性、耐湿性、使用環境耐性、電気特性に関して良好な特性を得るために設けられる。
前述のように、ランニングコストを抑制することが求められ、消耗品の交換頻度を抑制し、メンテナンス回数を減らすためにも、高耐久性、特に耐摩耗性が優れた表面層が好ましい。
表面層2501は、アモルファスシリコン系の材料であればいずれの材質でも可能である。例えば、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)材料も好適に用いられる。または、酸素原子や窒素原子を含有するa−SiO:HX、a−SiN:HXも好適に用いられる。そして、アモルファスシリコン系以外にアモルファスカーボン系の材料であっても良い。
具体的な耐摩耗性に優れた表面層の一例としては、次の表面層がある。SiとCの原子密度の和(Si+C)に対するCの原子密度(C)の比(C/(Si+C))が、0.61以上0.75以下であり、かつSiの原子密度とCの原子密度の和が6.60×1022原子/cm以上のa−SiC:Hである表面層が挙げられる。
表面層2501の層厚は、求められる電子写真感光体の寿命や表面層2501の膜質により異なるが、耐摩耗性に優れた表面層で通常は0.3μm〜2.5μnmであり、好ましくは0.5μm〜2.0μmである。
層厚は0.3μm以上にすることで、光受容部材を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われるリスクを回避することができる。また、層厚は2.5μnm以下にすることで、表面層の応力に起因する膜剥れや、例えば感度や残留電位の悪化を防ぐことができる。
表面層の膜厚の増加は膜応力の増加につながるため、膜剥れと寿命とのバランスの見極めと適宜調整が必要である。
以上が電子写真感光体を構成する各層に求められる特性および役割である。
<堆積膜形成装置>
図3は、本発明の電子写真感光体を製造するために使用できる、低周波電源を用いたLFプラズマCVD法により堆積膜を形成する装置の一例の模式図である。
この装置は主として、減圧可能な反応容器3110を有する堆積膜形成装置3100、原料ガス供給装置3200、および、反応容器3110の中を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。
第1の電極である反応容器3110の中には、第2の電極3104の一部を構成している補助基体3102を装着した円筒状基体3101Aおよび3101Bが、基体ホルダー3103上に設置され電気的に接続されている。
支持軸3111は反応容器3110の底板3109を貫通し、電力導入ケーブルを介して電流計3114と電圧計3128、周期的に変化する波形が出力される低周波電源3115に接続されている。これにより第2の電極3104に電圧が印加される。このとき、支持軸3111は、絶縁部材3113を介して反応容器の底板3109と絶縁されている。また、支持軸3111はモータ3116により回転することで、第2の電極3104が回転する。
第1の電極である反応容器3110は、ゲート弁3105、上蓋3106、円筒状の側壁3107、ガスブロック3108、底板3109により構成され、接地されている。円筒状の側壁3107の一方向には、複数の排気口3120を設けた排気部3121が接続され、さらに、排気管3122および排気バルブ3123を介して不図示の排気装置(真空ポンプ)が接続されており、反応容器3110の内部が減圧可能となっている。
原料ガス供給装置3200は、原料ガスボンベ3221〜3225であるシラン(SiH),水素(H),メタン(CH),一酸化窒素(NO),ジボラン(B),四フッ化炭素(CF)等のボンベを具備する。また、ガス供給停止用のバルブとして、バルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を具備する。そして、圧力調整器3261〜3265およびマスフローコントローラ3211〜3215を具備する。
次にこの装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。
まず、基体ホルダー3103に補助基体3102および円筒状基体3101Aおよび3101Bを装着し、接続部3112を介して、反応容器3110内の支持軸3111上に設置する。
次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器3110の中を排気する。真空計3127の表示を見ながら、反応容器3110の中の圧力がたとえば1Pa以下の所定の圧力になったところで、円筒状基体加熱用ヒーター3117に電力を供給し始める。そして、円筒状基体3101Aおよび3101Bを例えば100℃から350℃の所望の温度に加熱する。このとき、ガス供給装置3200より、Ar、He等の不活性ガスを反応容器3110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。
負帯電用電子写真感光体を構成する各層、例えば下部電荷阻止層、光導電層、中間層、表面層、に応じてガス供給装置3200より各堆積膜の形成に用いるガスを反応容器3110に供給する。すなわち、必要に応じバルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を開き、マスフローコントローラ3211〜3215に流量設定を行う。各マスフローコントローラの流量が安定したところで、真空計3127の表示を見ながら排気バルブ3123を操作し、反応容器3110の中の圧力が所望の圧力になるように調整する。
所望の圧力が得られたところで低周波電源3115より低周波電力を印加し、反応容器3110の中にプラズマ放電を生起する。その後、速やかに低周波電力を所望の電力に調整し、堆積膜の形成を行う。
多層膜を形成する場合には、各層の堆積膜が所望の膜厚になった時点で低周波電力の印加を停止し、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すれば良い。また、連続的に低周波電力、原料ガスの種類、流量設定、円筒状基体加熱用ヒーター3117の電力、反応容器3110の中の圧力を再設定して堆積膜を形成してもよい。
中間層2401は、原料ガス流量、圧力、周波数、電力等を変化させることで、屈折率および吸収係数を層厚方向に漸次変化させることができる。
また、中間層の周期表第13族に属する原子を含有する領域と含有しない領域との接合領域において、上述の式4のように、屈折率を一致させながら、含有しない領域の吸収係数を大きくさせる。このためには、基体温度、圧力、周波数、電力、HやAr、He等の希釈ガスの希釈率等を変更する。
周期表第13族に属する原子を含有する領域および含有しない領域の間においては、放電を一旦切ることが好ましい。また、周期表第13族に属する原子の含有量が変化する領域間においても放電を一旦切っても良い。
以上のようにして、所定の層だけ堆積膜の形成が終わったところで、電力の印加を停止する。そして、バルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を閉じる。そして、原料ガスの供給を終えると同時に、排気バルブ3123を開き、反応容器3110の中を1Pa以下の圧力まで排気する。
このようにして、すべての堆積膜の形成が終わった後は、排気バルブ3123を閉じ、反応容器3110の中に不活性ガスを導入し大気圧に戻した後、円筒状基体3101Aおよび3101Bを取り出す。
以上が、LFプラズマCVD法による堆積膜形成を用いた電子写真感光体の製造方法である。
このようにして製造された電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版機などの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
図7に、負帯電用電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図7に示すプロセスカートリッジおいて、円筒状の電子写真感光体71は、軸72を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体71の表面は、回転過程において、ローラ形状の帯電手段(一次帯電手段:以降、「帯電ローラ」ともいう)73により、負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(像露光光)74を受ける。こうして電子写真感光体71の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体71の表面に形成された静電潜像は、現像手段75の現像剤に含まれるトナーで反転現像により現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体71の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)76からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体71と転写手段76との間(当接部)に電子写真感光体71の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体71の表面から分離されて定着手段78へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体71の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)77によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図7に示すように、帯電手段73が帯電ローラなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
電子写真感光体71、帯電手段73、現像手段75、転写手段6およびクリーニング手段77などの構成要素のうち、複数のものを選択し、容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成する。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図7では、電子写真感光体71と、帯電手段73、現像手段75およびクリーニング手段77とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段710を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ79としている。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
<実施例1>
導電性の基体として、外径φ84mm、長さ381mm、肉厚3mmのアルミニウム材料の表面に鏡面加工を施したシリンダーを用い、上記の手順で電子写真感光体を作製した。なお、本実施例では図2に示した、下部電荷阻止層、光導電層、中間層、表面層の層構成からなる電子写真感光体を採用した。
下部電荷阻止層、光導電層、表面層は、図3に示す堆積膜形成装置で、低周波電源を用いたLFプラズマCVD法により形成した。
表1に、下部電荷阻止層、光導電層、表面層の形成条件を示す。以下、全ての実施例、比較例で下部電荷阻止層、光導電層、表面層は表1の条件を用いた。
次に、LFプラズマCVD法により作成した中間層の成膜条件を表2に示す。
実施例1では、図4(a)に示したように、ノンドープ領域と表面層との接合領域では、上述の式1を満足する吸収係数になるように中間層を調整して作製した。同様に、ドープ領域と光導電層との接合領域では、上述の式2を満足する吸収係数になるように中間層を調整して作製した。
また、ドープ領域の膜厚に対する吸収係数の自然対数の変化量の傾きが、上述の式3を満足するようにドープ領域の層厚と吸収係数を調整して中間層を作製した。
さらに、図4(b)に示したように、下記1)〜3)のように中間層を作製した。
1)光導電層と中間層との接合領域において、屈折率が同じ、
2)中間層において、屈折率が層厚に対して、連続的に漸次変化する、
3)中間層と表面層との接合領域において、屈折率が同じ。
また、ドープ領域とノンドープ領域との屈折率を連続的に変化させながら吸収係数を調整するために、成膜条件である基体加熱温度や周波数、ガスの比率、内圧の条件を変更した。
なお、実施例および比較例の中間層の成膜において、中間層の形成条件をA〜Fの6個のポイントとそのポイントの間を結ぶ領域に分けた。
また、ドープ領域とノンドープ領域との接合領域、実施例1ではDポイントとEポイントとの間では、プラズマ放電用電力を一度切った。
プラズマ放電用電力を切るポイント間では、プラズマ放電用電力を一度切った後に、圧力と原料ガスの設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。なお、その他のポイント間では連続放電とし、プラズマ放電用電力を切らないポイント間では成膜条件を直線的に漸次変化させている。
具体的には、Aポイントの圧力と原料ガス流量でプラズマ放電用電力を投入し、Bポイントの成膜条件になるまで、成膜条件を直線的に補間するように漸次変化させた。そして、Bポイントの成膜条件になったところでプラズマ放電用電力を切った。
そして、次のCポイントにおける圧力と原料ガス流量に設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入し、Dポイントの成膜条件になるまで、成膜条件を直線的に補間するように漸次変化させた。そして、Dポイントの成膜条件になったところでプラズマ放電用電力を切った。
次に、Eポイントにおける基体温度、圧力と原料ガス流量に設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入し、Fポイントの成膜条件になるまで、成膜条件を直線的に補間するように漸次変化させた。そして、Fポイントの成膜条件になったところでプラズマ放電用電力を切った。
最後に、表面層の圧力と原料ガス流量に設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入し表面層を成膜した。
なお、BポイントとCポイントの成膜条件、およびDポイントとEポイントの成膜条件は、反射防止効果を得るために屈折率が同じになるように調整した。
<比較例1>
比較例1では、図5(a)に示したように、ノンドープ領域と表面層との接合領域においては、ノンドープ領域の吸収係数と表面層の吸収係数とが上述の式1を満足しないものとなるように表3に示す成膜条件とした。一方、ドープ領域と光導電層との接合領域においては、ドープ領域の吸収係数と光導電層の吸収係数とが上述の式2を満足するものとなるように中間層を調整して作製した。
また、BポイントとCポイントの成膜条件、およびDポイントとEポイントの成膜条件は、反射防止効果を得るために屈折率が同じになるように調整した。
成膜は、実施例1と同様に、ホウ素原子の濃度が変わる表3のBポイントとCポイントとの間、ドープ領域とノンドープ領域との境界であるDポイントとEポイントとの間で、プラズマ放電用電力を一度切った。そして、原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
<比較例2>
比較例2では、図5(b)に示したように、ドープ領域と光導電層との接合領域においては、ドープ領域の吸収係数と光導電層の吸収係数とが上述の式2を満足しないものとなるように表4に示す成膜条件とした。一方、ノンドープ領域と表面層との接合領域においては、ノンドープ領域の吸収係数と表面層の吸収係数とが上述の式1を満足するものとなるように中間層を調整して作製した。
また、BポイントとCポイントの成膜条件、およびDポイントとEポイントの成膜条件は、反射防止効果を得るために屈折率が同じになるように調整した。
成膜は、実施例1と同様に、ホウ素原子の濃度が変わる表4のBポイントとCポイントとの間、ドープ領域とノンドープ領域との境界であるDポイントとEポイントとの間で、プラズマ放電用電力を一度切った。そして、原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
<比較例3>
比較例3では、図5(c)に示したように、中間層の膜厚に対する吸収係数の変化が、上述の表面層の吸収係数αSLの自然対数lnαSLと、光導電層の吸収係数αPCLの自然対数lnαPCLとを直線的に結ぶものとなるように、表5に示す成膜条件とした。つまり、上述の式3を満足しないものとなっている。
ノンドープ領域と表面層との接合領域では、ノンドープ領域の吸収係数と表面層の吸収係数とが上述の式1を満足するものとなるように中間層を調整して作製した。
また、ドープ領域と光導電層との接合領域においても、ドープ領域の吸収係数と光導電層の吸収係数とが上述の式2を満足するものとなるように中間層を調整して作製した。
また、BポイントとCポイントの成膜条件、およびDポイントとEポイントの成膜条件は、反射防止効果を得るために屈折率が同じになるように調整した。
成膜は、実施例1と同様に、ホウ素原子の濃度が変わる表5のBポイントとCポイントとの間、ドープ領域とノンドープ領域との境界であるDポイントとEポイントとの間で、プラズマ放電用電力を一度切った。そして、原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
<実施例2>
実施例2では、図4(c)に示したように、ドープ領域とノンドープ領域との接合領域において、ドープ領域の吸収係数とノンドープ領域の吸収係数とが、上述の式4の関係を満足するように表6に示す成膜条件によって中間層を作製した。
また、ノンドープ領域と表面層との接合領域では、実施例1と同様に上述の式1を満足する吸収係数になるように中間層を調整して作製した。また、ドープ領域と光導電層との接合領域においても、上述の式2を満足する吸収係数になるように中間層を調整して作製した。
また、ドープ領域の膜厚に対する吸収係数の自然対数の変化量の傾きが、上述の式3を満足するようにドープ領域の層厚と吸収係数を調整して中間層を作製した。
成膜は、実施例1と同様に、ホウ素原子の濃度が変わる表6のBポイントとCポイントとの間、ドープ領域とノンドープ領域との境界であるDポイントとEポイントとの間で、プラズマ放電用電力を一度切った。そして、原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
<実施例3〜6>
実施例3〜6では、中間層の層厚が表7に示す値となるように各層の成膜時間を調整した以外は、実施例2と同様の成膜条件にて、実施例2と同様の吸収係数と屈折率を有する中間層を作製した。
<実施例7>
実施例7では、表8に示すように、ドープ領域のホウ素原子の含有量が一定になるようにした以外の成膜条件は、実施例2と同じにした。
上記のようにして実施例1〜7、比較例1〜3の電子写真感光体を成膜した。
なお、表2〜8に示した中間層における層厚は、漸次変化させている領域であるA〜Bのポイント間、C〜Dのポイント間、E〜Fのポイント間の各々の層厚と、中間層全体の層厚を示している。
中間層の層厚については、まず前述のように中間層の形成条件をA〜Fの6個のポイントに分けた各ポイントの成膜条件と同様の条件下で、コーニング社製のガラス(商品名:1737)上に膜を形成した中間層個別測定用サンプルを作製した。そして、中間層個別測定用サンプルの堆積速度を計算し堆積膜の形成時間を調整した。
また、光導電層と表面層も同様に、表1の成膜条件で測定用サンプルを作製した。
そして、作製した測定用サンプルを用いて、吸収係数、屈折率を以下に示す方法で測定し算出した。
(吸収係数の算出方法)
吸収係数の算出方法は、作製したサンプルを紫外可視分光光度計(日本電計(株)製:V−570型)により波長と透過率との関係を求めた。このとき、リファレンスとして、サンプル作製時に使用したガラスをリファレンスとして用いた。得られた波長と透過率との関係から波長680nmでの透過率T(%)を求めた。
分光吸光度計による波長と透過率との関係は、スペクトルマネージャ(日本電計(株)製:Rev.1.00)のスペクトル解析を用いて測定した。測定条件は、次のとおりとした。測定モード:%T。レスポンス:Medium。バンド幅:0.5nm。走査速度:1000nm/min。波長範囲:300nm〜1500nm。データ取り込み間隔:2nm。
そして、作製したサンプルを紫外可視分光光度計から取り出し、上述のサンプルからカッターナイフを用いて堆積膜の一部を取り除く。
その後、表面段差計(ケーエルエー・テンコール(株)製:ALPHA STEP 500)により、堆積膜を取り除いた部分と取り除いていない部分との段差から、各成膜条件にて作製したサンプルに堆積させた堆積膜の膜厚D(cm)を測定した。膜厚の測定条件は、スタイラス径:5μmを使用し、測定長さ及び測定速度は、カッターナイフによる堆積膜を取り除いた範囲により適宜設定した。
そして、得られたT(%)及びDを用いて、下記式(A)により、吸収係数α(1/cm)を算出した。
α=−1/D×Ln(T/100) 式(A)
(屈折率)
屈折率の測定は、上述A〜Fの6個のポイントにおける中間層個別測定用サンプルについて、紫外・可視分光光度計(日本分光(株)製 V−570)により行った。試料に2500nmから250nmの波長の光を照射して透過率スペクトルを測定し、スペクトルの谷を検出した。試料の透過率スペクトルの谷の透過率Tを用いて下記の式を用いての膜の屈折率n1を計算した。
=[(1/T−1/2)(n +n )+[(1/T−1/2)(n +n −n 1/21/2
ここでnは空気の透過率、nはガラス基板の透過率を表す。谷が2つ以上検出された場合には谷のそれぞれについて屈折率を計算しその平均値を膜の屈折率とした。
また、光導電層と表面層についても同様に測定を行った。
表9に、実施例1〜7、比較例1〜3のA〜Fの6個のポイントにおける吸収係数の測定結果および屈折率の測定結果を示す。また、表10に光導電層および表面層の吸収係数の測定結果および屈折率の測定結果も示す。
実施例3〜実施例6は、実施例2に対して層厚が異なるだけなので吸収係数および屈折率は実施例2と同じとし、省略した。
また、実施例1〜7、比較例1〜3において作製した電子写真感光体を用いて、長期使用時の感度ムラの評価、ゴースト評価を以下の方法により行った。
(長期使用時の感度ムラ)
長期使用時の感度ムラ評価には、キヤノン製複写機iRC7065を実験用にマイナス帯電方式に改造した電子写真装置において、プロセススピードを700mm/秒と、像露光の波長は680nmで実施した
作製した電子写真感光体を、電子写真装置に設置し、像露光を切った状態で電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置の暗部電位が−450Vになるように主帯電器に供給する電流量を調整した。その後、像露光光を照射し、現像器位置の明部電位が−50Vになるように像露光光の光量を調整した。この状態において、電子写真感光体における暗部電位と明部電位との電位差(暗部電位−明部電位)の分布を以下の位置で測定し、その最大値の最小値に対する比(%)と100(%)との差を電位ムラとして測定した。
電位分布の測定位置は電子写真感光体の長手方向9点(電子写真感光体の長手方向中央を基準として、0mm、±50mm、±90mm、±130mm、±150mm)とした。
この、9点の測定値の最大値と最小値の比から、以下に示す判断基準によってランク判定を行った。
また、感度ムラの評価は25万枚ごとに実施し、100万枚画像出力までの感度ムラを評価し、その最悪値を採用した。感度ムラの評価に対しては、数値が小さいほど良く、DランクからAランクへ向かうほど良好である。
A:1.5%未満の電位ムラ
B:1.5%以上2.5%未満の電位ムラ
C:2.5%以上3.0%未満の電位ムラ
D:3.0%以上の電位ムラ
(ゴースト評価)
ゴースト評価は、キヤノン製複写機iRC7065を実験用に改造した電子写真装置において、プロセススピードを700mm/秒、像露光の波長は680nmで、図6に示すようなテストチャートを用いて以下のように実施した。
まず、実験用に改造した電子写真装置を温度22℃、相対湿度50%の環境下に設置し、感光体ヒーターをONにして、電子写真感光体の表面を約40℃に保った条件で前記テストチャートを出力した。
テストチャートは、画像左端部側にA3チャートの短辺の中央位置、左端から40mm位置を中心に縦40mm×横40mmの正方形の範囲に反射濃度1.4の黒色四角を有している。そして、左端から80mmの位置から右端から5mmの位置まで反射濃度0.4のハーフトーン(以下、HTとも記載する。)を有している。
次に、出力したテストチャートを用い、テストチャート左端側を原稿先端として原稿台に置き、現像バイアスを調整して、出力された画像におけるテストチャートのHT部の反射濃度が0.4となるように設定した。その状態でA3の電子写真画像を出力し、出力された画像の反射濃度を測定した。
反射濃度の測定は、反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)を用いて測定した。測定位置は、A3の画像短辺の中央位置で、A3の画像左端から303mm位置(前述の黒色四角の中心から電子写真感光体1周分の位置)を基準位置とした。基準位置と比較位置(基準位置に対してA3の画像短辺方向±30mm、長辺方向±30mmの4点)の合計5点で測定を行った。そして、4点の比較位置で測定した反射濃度の平均値Gを算出した。
さらに、基準位置での反射濃度Fと比較位置での反射濃度の平均値Gとの差(F−G)を算出し、この差を用いてゴーストの評価を行った。
なお、評価結果は比較例3で作製した電子写真感光体を搭載した場合の前記基準位置での反射濃度Fと前記比較位置での反射濃度の平均値Gとの差(F−G)を1.00とした相対比較で示した。
ゴーストが発生した場合、比較位置での反射濃度の平均値Gよりも基準位置での反射濃度Fが高くなる。よって、この評価においては、数値が小さいほどゴーストに対して良好である。
A‥上記(F−G)の値が比較例3で作製した電子写真感光体に対して0.85未満。
B‥上記(F−G)の値が比較例3で作製した電子写真感光体に対して0.85以上、0.95未満。
C‥上記(F−G)の値が比較例3で作製した電子写真感光体に対して0.95以上、1.05未満。
D‥上記(F−G)の値が比較例3で作製した電子写真感光体に対して1.05以上。
(感度評価)
感度評価には、キヤノン製複写機iRC7065を実験用に改造した電子写真装置において、プロセススピードを700mm/秒、像露光の波長は680nmとして実施した。
作製した電子写真感光体を、電子写真装置に設置し、像露光を切った状態で電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置の暗部電位が−450Vになるように主帯電器に供給する電流量を調整した。その後、像露光光を照射し、現像器位置の明部電位が−50Vになるように像露光光の光量を調整した。その際の像露光光の光量を用いて評価を行った。
評価結果は実施例1で作製した成膜条件No.1の電子写真感光体を搭載した場合の像露光光の光量を1.00とした相対比較で示した。感度評価に対しては、数値が小さいほど良く、CランクからAランクへ向かうほど良好である。
A‥実施例1で作製した成膜条件No.1の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が1.05未満。
B‥実施例1で作製した成膜条件No.1の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が1.05.以上1.20未満。
C‥実施例1で作製した成膜条件No.1の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が1.20以上
(総合評価)
総合評価は、長期使用時の感度ムラ、ゴースト、感度の評価結果における最も評価のランクが低いものを各実施例、比較例の総合評価の結果とした。
総合評価において、B以上であれば本発明の効果が得られたと判断した。
長期使用時の感度ムラ、ゴーストの評価結果を表11に示す。
表11の結果から、以下のことがわかった。
実施例1は、比較例1に対し、ノンドープ領域と表面層との接合領域で、上述の式1を満足するように、吸収係数の差が1000以下となるようにした。また、実施例1は、比較例2に対し、上述の式2を満足するように、ドープ領域と光導電層との接合領域で、吸収係数の差が1000以下となるようにした。
比較例1および比較例2と実施例1の結果から、ノンドープ領域と表面層との接合領域、ドープ領域と光導電層との接合領域において、吸収係数の差が1000以下となるようにすることで、長期使用時の感度ムラが向上することがわかった。
実施例1は、比較例3に対し、上述の式3を満足するように、ドープ領域において層厚当りの吸収係数αの自然対数lnαの変化量を大きくなるようにした。
比較例3と実施例1の結果から、ドープ領域において層厚当りの吸収係数αの自然対数lnαの変化量を大きくすることで、ゴーストが良化することがわかった。
実施例2は、実施例1に対し、ノンドープ領域とドープ領域との接合領域において、上述の式4の関係を満足するように、吸収係数に段差を設けた。
実施例1および実施例2の結果から、ノンドープ領域とドープ領域との接合領域において上述の式4の関係を満足するように、吸収係数に段差を設けることでゴーストが良化することがわかった。
実施例3から実施例6は、実施例2に対し、中間層の層厚を変更した。
実施例2〜実施例6の結果から、中間層の層厚は200nmである場合に比べて250nm以上1000nm以下であると、長期使用時の感度ムラが良化し、ゴースト画像及び感度の両方も良好であることがわかった。
実施例7は、実施例2に対し、ドープ領域のホウ素原子の含有量を一定になるようにした。
実施例2および実施例7の結果から、周期表第13族に属する原子の濃度が異なる領域を2つ以上もち、かつ周期表第13族に属する原子の濃度を中間層の層厚方向に変化させることでゴースト画像が良化することがわかった。
なお、キヤノン製複写機iRC7065を実験用にマイナス帯電方式に改造した電子写真装置において、像露光の波長を610nm、630nm、660nm、690nm、に変更して、上述の長期使用時の感度ムラ評価とゴースト画像の評価を行った。
そして、像露光の波長が610nm、630nm、660nm、690nmの全ての条件で、像露光の波長が680nmの時と同様に、長期使用時の感度ムラとゴースト画像に対し、良好な評価結果が得られた。
以上、説明したように本発明の負帯電用電子写真感光体は、光メモリーに代表されるゴースト画像、画像濃度ムラを抑制しながら、長期使用時の画像濃度ムラを抑制し、画像品質を向上できる。
3100 堆積膜形成装置
3101A、3101B 円筒状基体
3102 補助基体
3103 基体ホルダー
3110 反応容器
3200 原料ガス供給装置

Claims (7)

  1. 光導電層、前記光導電層の上の中間層、および、前記中間層の上の表面層を有する負帯電用電子写真感光体において、
    前記光導電層がケイ素原子を含有する非晶質材料で形成されており、
    前記中間層がアモルファスシリコンカーバイドで形成されており、
    前記中間層が、その層厚方向に周期表第13族に属する原子を含有するドープ領域と前記周期表第13族に属する原子を含有しないノンドープ領域とを有し、かつ少なくとも前記ノンドープ領域を、前記ドープ領域より前記表面層側に有しており、
    前記中間層の屈折率が層厚方向に連続的に漸次変化しており、
    前記負帯電用電子写真感光体が用いられる電子写真装置で用いられる像露光波長に対する、前記表面層の吸収係数をαSLとし、前記表面層と前記中間層との接合領域における前記中間層の吸収係数をαnonDope_SLとし、前記中間層の前記ドープ領域と前記ノンドープ領域との接合領域における前記ドープ領域の吸収係数をαDope_SLとし、前記光導電層と前記中間層との接合領域における前記中間層の吸収係数をαDope_PCLとし、前記光導電層の吸収係数をαPCLとし、前記ドープ領域と前記ノンドープ領域との接合領域から前記光導電層までの膜厚をdDopeとし、前記ドープ領域と前記ノンドープ領域との接合領域から前記表面層までの膜厚をdnonDopeとするとき、下記、式1および式2の関係を満たし、
    |αSL−αnonDope_SL|≦1000 (式1)
    |αDope_PCL−αPCL|≦1000 (式2)
    かつ膜厚に対する吸収係数αの自然対数lnαの傾きの関係が、下記、式3の関係を満たす、ことを特徴とする負帯電用電子写真感光体。
    (lnαPCL−lnαSL)/(dDope+dnonDope)<
    (lnαDope_PCL−lnαDope_SL)/dDope (式3)
  2. 前記中間層の前記ドープ領域と前記ノンドープ領域との接合領域における前記ノンドープ領域の吸収係数をαnonDope_PCLとしたとき、前記αDope_SLとの関係が、下記、式4を満たす請求項1に記載の負帯電用電子写真感光体。
    αnonDope_PCL>αDope_SL (式4)
  3. 前記中間層の層厚が、250nm以上1000nm以下である請求項1又は2のいずれかに記載の負帯電用電子写真感光体。
  4. 前記中間層における前記ドープ領域において、前記周期表第13族に属する原子の濃度が異なる領域を2つ以上もち、かつ
    前記周期表第13族に属する原子の濃度が前記中間層の層厚方向に変化している請求項1〜3のいずれか一項に記載の負帯電用電子写真感光体。
  5. 前記像露光波長が680nmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の負帯電用電子写真感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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