JP2002091040A - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真装置

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JP2002091040A
JP2002091040A JP2000276432A JP2000276432A JP2002091040A JP 2002091040 A JP2002091040 A JP 2002091040A JP 2000276432 A JP2000276432 A JP 2000276432A JP 2000276432 A JP2000276432 A JP 2000276432A JP 2002091040 A JP2002091040 A JP 2002091040A
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electrophotographic
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JP2000276432A
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Nobufumi Tsuchida
伸史 土田
Makoto Aoki
誠 青木
Satoshi Furushima
聡 古島
Hiroaki Niino
博明 新納
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電能や感度等に優れ、光メモリー、画像流
れ、クラック等が低減された負帯電用電子写真感光体及
びこれを用いた電子写真装置を提供する。 【解決手段】導電性支持体101上に、光導電層10
3、第一の表面層104と第二の表面層105の二層か
らなる表面層106を順次積層せしめ、第一の表面層1
04はSi原子、C原子、第IIIb族原子、並びに、H
原子及び/又はハロゲン原子を含有し、第二の表面層1
05はSi原子、C原子、並びに、H原子及び/又はハ
ロゲン原子を含有し、第二の表面層105のC原子の含
有量は、第一の表面層104のそれより多く、第一の表
面層104と第二の表面層405の界面近傍において第
IIIb族原子の含有量が最大になる負帯電用電子写真感
光体;及び、これを用いた電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光(広義の光であ
って、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線などを意
味する)のような電磁波に対して感受性のある負帯電用
電子写真感光体及びその感光体を用いた電子写真装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】像形成分野において、光受容部材におけ
る光受容層を形成する光導電材料としては、高感度で、
SN比[光電流(Ip)/暗電流(Id)]が高く、照
射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクト
ルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有
すること、使用時において人体に対して無害であること
等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで
使用される電子写真装置内に組み込まれる電子写真感光
体の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な
点である。
【0003】この様な点に優れた性質を示す光導電材料
にアモルファスシリコン(以下「a−Si」と表記す
る)があり、電子写真感光体の光受容部材として注目さ
れている。
【0004】このような光受容部材は、一般的には、導
電性支持体を50℃〜350℃に加熱し、この支持体上
に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティン
グ法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の
成膜法により、a−Siからなる光導電層を形成する。
なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを高周
波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持
体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとし
て実用に付されている。
【0005】例えば、特開昭57−115556号公報
には、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光
導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、
光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さ
らには経時安定性について改善を図るため、シリコン原
子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層
上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のア
モルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が
記載されている。更に、特開昭60−67951号公報
には、a−Si、炭素、酸素及び弗素を含有してなる透
光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての
技術が記載され、特開昭62−168161号公報に
は、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜7
0原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を
用いる技術が記載されている。
【0006】そして、特開平6−242623号公報に
は負帯電用電子写真用感光体の光導電層と表面層の間に
非晶質珪素を主体とし、かつ50ppm未満のホウ素を
含有するか、または伝導性を支配する元素を含まない正
孔捕獲層を設けて優れた電子写真特性が得られる技術が
開示されており、特開平6−273954号公報には負
帯電用a−Si感光体において0.15乃至10μmで
不純物元素として窒素を含む電荷注入阻止層を、導電性
支持体と光導電層の間に設けることで長寿命、高信頼性
の電子写真感光体を得る技術が開示されている。
【0007】これらの技術により、電子写真感光体の電
気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上
し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
a−Si系材料で構成された電子写真感光体は、暗抵抗
値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電特
性、及び使用環境特性の点、さらには経時安定性および
耐久性の点において、各々個々には特性の向上が図られ
てはいるが、総合的な特性向上を図る上でさらに改良さ
れる余地が存在するのが実情である。
【0009】特に、電子写真装置の高画質、高速化、高
耐久化は急速に進んでおり、電子写真感光体においては
電気的特性や光導電特性の更なる向上とともに、帯電
能、感度を維持しつつあらゆる環境下で大幅に性能を延
ばすことが求められている。
【0010】例えば、a−Si系材料で構成された電子
写真感光体を負帯電用電子写真感光体として用いた場
合、以下のような現象が生じることがあった。
【0011】即ち、露光によって生じた光生成キャリア
が光導電層から表面層へ移動する過程において、光導電
層と表面層でのキャリアの走向性の違いに起因して光導
電層と表面層の界面近傍でキャリアの横流れが生じ、画
像流れが生じるという現象が使用条件によっては起こる
ことがあった。
【0012】また、コロナ帯電器を用いて負帯電を行う
場合、オゾン生成物の生成量が正帯電よりも多いため電
子写真感光体表面がより化学的に活性となっているた
め、使用条件によってはわずかな衝撃、摩擦等が生じた
際に光導電層と表面層の界面近傍の密着性の低下或いは
表面層中に歪みが起こりやすい状態になって電子写真感
光体表面に微少なクラックが生じ電子写真感光体として
実用に耐えなくなることがあった。
【0013】更に、近年の電子写真装置の高速度化、小
型化に伴い、帯電装置の小型化、被複写物が複写プロセ
スを通過する速度(以下、プロセススピードと称する)
の増加が進行し、帯電器内及び潜像露光における感光体
の通過時間が短くなり、高帯電能、高感度な感光体への
要求が高まってきた。加えて、露光から次の帯電までの
時間が短くなる為、露光による光メモリーが発生し易く
なり、前回の複写履歴が画像上に現われてしまう、いわ
ゆるゴーストと呼ばれる現象が生じ易くなってきた。ゴ
ーストは除電露光を過剰に与えることによって抑止でき
る場合もあるが、その際には帯電能、感度の低下が著し
くなってしまい、帯電能、感度及びゴーストとが相容れ
ない状況になってしまう場合がある。
【0014】したがって、電子写真感光体を設計する際
に、上記したような課題が解決されるように電子写真感
光体の層構成、各層の化学的組成など総合的な観点から
の改良を図ることが必要とされている。
【0015】本発明は、上述した従来のa−Siで構成
された負帯電用電子写真感光体における諸問題を解決す
ることを目的とするものである。
【0016】即ち、本発明の主たる目的は、帯電能、感
度の向上と光メモリーの低減を高次元で両立するととも
に画像流れ及び電子写真感光体表面に生じる微少なクラ
ックを低減して画像品質を飛躍的に向上させた、シリコ
ン原子を母体とした非単結晶材料で構成された負帯電用
電子写真感光体、及びその感光体を用いた電子写真装置
を提供することにある。
【0017】さらに、電気的、光学的、光導電的特性が
使用環境にほとんど依存することなく実質的に常時安定
しており、耐光疲労に優れ、繰り返し使用に際しては劣
化現象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留電位がほ
とんど観測されず、更に画像品質の良好な、負帯電用電
子写真感光体、及びその感光体を用いた電子写真装置を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは光導電層と表面層の界面近傍における
キャリアの挙動及び表面層の構成に着目し、表面層にお
けるシリコン原子と炭素原子の含有量及び導電性を制御
する物質である周期律表第IIIb族に属する原子の分布
と画像流れ及び電子写真感光体の表面に生じる微少なク
ラック、帯電能、感度や光メモリーとの関係について鋭
意検討した結果、シリコン原子に対する炭素原子の含有
量の異なった表面層を積層し、且つ、周期律表第IIIb
族に属する原子を特定の範囲で分布させることにより、
上記目的を達成できるという知見を得た。
【0019】より具体的には、本発明者らは、シリコン
原子、炭素原子、周期律表第IIIb族に属する原子、水
素原子及び/又はハロゲン原子を含有する非単結晶材料
で構成された表面層を有する感光体において、その層構
造を特定化するように設計し、作製した表面層を有する
負帯電用電子写真感光体は、実用上著しく優れた特性を
示すばかりでなく、従来の負帯電用電子写真感光体と比
べてみてもあらゆる点において凌駕し、優れた特性を有
していることを見い出した。
【0020】すなわち本発明は、導電性支持体上に、非
単結晶材料で構成される光導電層及び表面層を順次積層
せしめた電子写真感光体において、該表面層は該導電性
支持体側から表面側に向かって第一の表面層と第二の表
面層の二層からなり、第一の表面層はシリコン原子、炭
素原子、周期律表第IIIb族に属する原子、並びに、水
素原子及び/又はハロゲン原子を含有し、第二の表面層
はシリコン原子、炭素原子、並びに、水素原子及び/又
はハロゲン原子を含有し、第二の表面層のシリコン原子
に対する炭素原子の含有量は、第一の表面層のシリコン
原子に対する炭素原子の含有量より多く、第一の表面層
と第二の表面層の界面近傍において第一の表面層内に含
有される周期律表第IIIb族に属する原子の含有量が最
大になることを特徴とする負帯電用電子写真感光体であ
る。
【0021】さらに本発明は、除電、帯電、像露光、現
像及び転写等により画像形成を行う電子写真装置におい
て、記録素子である電子写真感光体として上記本発明の
負帯電用電子写真感光体を用い、550nm〜700n
mの範囲内の波長光により除電を行う手段と、500n
m〜700nmの範囲内の波長光により像露光を行う手
段とを備えることを特徴とする電子写真装置である。
【0022】以下、本発明が完成された経緯と、本発明
の作用等について説明する。
【0023】本発明者らは、光導電層と表面層の界面近
傍における表面層の役割及び構成と負帯電用電子写真感
光体特性との相関を種々の条件に渡って調べた結果、表
面層を二層化して、表面層のシリコン原子に対する炭素
原子の含有量と、周期律表第IIIb族に属する原子の含
有量の分布状態と、a−Si感光体の画像流れ及び感光
体表面に生じる微少なクラック、帯電能、感度及び光メ
モリーとが密接な関係にあることを見い出した。
【0024】電子写真感光体で生じる画像流れは、露光
によって生じた光生成キャリアが光導電層から表面層へ
移動する過程において、光導電層と表面層でのキャリア
の走行性の違いに起因して、光導電層と表面層の界面近
傍で電界効果によりキャリアの横流れが生じて画像がぼ
ける現象であると考えられる。そして、光メモリーは、
除電露光及び像露光によって生じた光生成キャリアが、
光導電層と表面層の界面近傍に残留することによる影響
が考えられる。更に、感光体表面に生じる微少なクラッ
クは光導電層と表面層の界面近傍の密着性の低下或いは
表面層中の応力による歪みが主な原因として考えられ
る。
【0025】そこで、本発明者らは、光導電層と表面層
の界面近傍におけるキャリアの挙動に関する検討とし
て、表面層の役割及び構成と負帯電用電子写真感光体特
性との相関に関する検討を行った。その際、導電性を制
御する物質である周期律表第IIIb族に属する原子の分
布方法に関してもさまざまな検討を行った。
【0026】従来用いられていた非晶質炭化珪素からな
る表面層に、周期律表第IIIb族に属する原子を含有さ
せてキャリアの走行性を改善しようとしても適切に含有
させることが困難であるが、従来の表面層よりもシリコ
ンリッチな非晶質炭化珪素からなる表面層を用いれば適
切に周期律表第IIIb族に属する原子を含有させること
ができる。しかし、表面層全てを従来の表面層よりもシ
リコンリッチな非晶質炭化珪素からなる表面層にすると
硬度が低下して表面保護膜としては十分機能しないの
で、従来の表面層よりもシリコンリッチな非晶質炭化珪
素の上に表面保護膜として十分機能する非晶質炭化珪素
を積層する必要がある。
【0027】しかし、このように表面層を単に二層化す
るだけでは画像流れ及び感光体表面に生じる微少なクラ
ック、帯電能、感度及び光メモリーを総合的に改善でき
なかった。
【0028】そこで、更に周期律表第IIIb族に属する
原子を従来の表面層よりもシリコンリッチな非晶質炭化
珪素に分布させる方法に関して検討を行った。その結
果、表面層を導電性支持体から表面側に向かって第一の
表面層と第二の表面層に二層化し、周期律表第IIIb族
に属する原子を第一の表面層と第二の表面層の界面から
第一の表面層側に向かって第一の表面層の層厚の特定の
範囲に周期律表第IIIb族に属する原子の含有量が最大
になるようにすることで、キャリアの注入を阻止する能
力が高まって帯電能が向上し、さらには導電性を制御す
ることでキャリアの走行性が改善されて、感度、光メモ
リー及び画像流れが総合的に改善できることが明らかと
なった。
【0029】そして、周期律表第IIIb族に属する原子
を第一の表面層と第二の表面層の界面から第一の表面層
側に向かって第一の表面層の層厚の特定の範囲に周期律
表第IIIb族に属する原子の含有量が最大になるように
して、且つ、第二の表面層のシリコン原子に対する炭素
原子の含有量を、第一の表面層のシリコン原子に対する
炭素原子の含有量より多くすることで、第一の表面層が
光導電層と第二の表面層との緩衝材として有効に作用し
て感光体表面に生じる微少なクラックが低減することが
明らかになった。そして、さらには、第二の表面層のシ
リコン原子に対する炭素原子の含有量を支持体側よりも
表面側の方が多くなるようにすることで第一の表面層の
緩衝材としての効果がより顕著に現れ、感光体表面に生
じる微少なクラックが大幅に改善されることが分かっ
た。
【0030】つまり、本発明は上記構成によって、帯電
能、感度の向上と光メモリーの低減を高次元で両立する
とともに画像流れ及び電子写真感光体表面に生じる微少
なクラックを低減して画像品質を飛躍的に向上し、前記
した従来技術における諸問題の全てを解決することがで
き、極めて優れた電気的、光学的、光導電的特性、画像
品質、耐久性および使用環境性を示す負帯電用電子写真
感光体を得ることができるのである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に従って、本発明の負
帯電用電子写真感光体の好適な実施形態について説明す
る。
【0032】図1は、本発明の電子写真用感光体の好適
な層構成の一例を説明するための模式的構成図である。
図1(a)に示す電子写真用感光体100は、感光体用
としての支持体101の上に、光受容層102が設けら
れている。この光受容層102はアモルファスシリコン
系からなり光導電性を有する光導電層103と、アモル
ファスシリコン系の表面層106からなり、表面層10
6は第一の表面層104と第二の表面層105から構成
されている。
【0033】図1(b)は、本発明の電子写真用感光体
の他の層構成を説明するための模式的構成図である。図
1(b)に示す電子写真用感光体100は、感光体用と
しての支持体101の上に、光受容層102が設けられ
ている。光受容層102はアモルファスシリコン系から
なり光導電性を有する光導電層103と、第一の表面層
104と第二の表面層105から構成されたアモルファ
スシリコン系の表面層106と、アモルファスシリコン
系電荷注入阻止層107とから構成されている。
【0034】<支持体>本発明において使用される導電
性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、N
b、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およ
びこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。ま
た、電気絶縁性材料としてポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド
等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミ
ック等を用い、これらの電気絶縁性支持体の少なくとも
光受容層を形成する側の表面を導電処理して、導電性支
持体として用いることができる。
【0035】本発明において使用される支持体101の
形状は、平滑表面あるいは微少な凹凸表面を有する円筒
状または無端ベルト状であることができ、その厚さは、
所望通りの電子写真用感光体100を形成し得るように
適宜決定する。電子写真用感光体100としての可撓性
が要求される場合には、支持体101としての機能が充
分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができ
る。しかしながら、支持体101は製造上および取り扱
い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされ
る。
【0036】<光導電層>本発明において、その目的を
効果的に達成するために支持体101上に形成され、光
受容層102の一部を構成する光導電層103は真空堆
積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜
成膜パラメーターの数値条件が設定されて作製される。
具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高
周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電C
VD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリン
グ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD
法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によって形成す
ることができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設
備資本投資下の負荷程度、製造規模、作製される感光体
に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用
されるが、所望の特性を有する感光体を製造するに当た
っての条件の制御が比較的容易であることからグロー放
電法、特にRF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放
電法が好適である。
【0037】グロー放電法によって光導電層103を形
成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し
得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し
得るH供給用の原料ガス及び/又はハロゲン原子(X)
を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得
る反応容器内に所望のガス状態で導入して、反応容器内
にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置
されてある所定の支持体101上にa−Si:H,Xか
らなる層を形成すればよい。
【0038】また、本発明において光導電層103中に
水素原子及び/又はハロゲン原子が含有されることが必
要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、
層品質の向上、特に光導電性及び電荷保持特性を向上さ
せるために必須不可欠であるからである。よって水素原
子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子とハロ
ゲン原子の和の量は、シリコン原子と水素原子及び/又
はハロゲン原子の和に対して10〜40原子%とされる
のが望ましい。
【0039】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si26、Si3
8、Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素
化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げ
られ、更に層作製時の取り扱い易さ、Si供給効率の良
さ等の点でSiH4、Si26が好ましいものとして挙
げられる。
【0040】そして、形成される光導電層103中に水
素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御を
いっそう容易になるようにはかり、本発明の目的を達成
する膜特性を得るために、これらのガスに更にH2及び
/又はHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも
所望量混合して層形成することが必要である。また、各
ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合して
も差し支えないものである。
【0041】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲ
ンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状の
またはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構
成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原
子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げるこ
とができる。本発明において好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、Br
F、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF
7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲ
ン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換
されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばS
iF4、Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙
げることができる。
【0042】光導電層103中に含有される水素原子及
び/又はハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持
体101の温度、水素原子及び/又はハロゲン原子を含
有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入
する量、放電電力等を制御すればよい。
【0043】本発明においては、光導電層103に伝導
性を制御する原子を導入する事ができ、さらに分布させ
ても良い。
【0044】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子
(以後「第IIIb族原子」と略記する)を用いることが
できる。
【0045】第IIIb族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。光導電層103に含有さ
れる伝導性を制御する原子の含有量としては、好ましく
は5×10-3〜50原子ppm、より好ましくは1×1
-2〜30原子ppm、最適には5×10-2〜20原子
ppmの間で最大含有量及び最小含有量を適宜選択して
分布変化させて含有されるのが望ましい。
【0046】伝導性を制御する原子、たとえば、第III
b族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、第II
Ib族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中
に、光導電層103を形成するための他のガスとともに
導入してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質
となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、
少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採
用されるのが望ましい。
【0047】そのような第IIIb族原子導入用の原料物
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B
26、B410、B59、B511、B610、B612
614等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等の
ハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3
GaCl3、Ga(CH33、InCl3、TlCl3
も挙げることができる。
【0048】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2及び/又はHeにより
希釈して使用してもよい。
【0049】さらに本発明においては、光導電層103
に炭素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒素原子を含
有させることも有効である。炭素原子及び/又は酸素原
子及び/又は窒素原子の含有量はシリコン原子、炭素原
子、酸素原子及び窒素原子の和に対して好ましくは1×
10-5〜10原子%、より好ましくは1×10-4〜8原
子%、最適には1×10-3〜5原子%が望ましい。炭素
源子及び/又は酸素原子及び/又は窒素原子は、光導電
層中に万遍なく均一に含有されても良いし、光導電層の
層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもた
せた部分があっても良い。
【0050】本発明において、光導電層103の層厚は
所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の
点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは20
〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適には
25〜40μmとされるのが望ましい。層厚が20μm
より薄くなると、帯電能や感度等の電子写真特性が実用
上不充分となり、50μmより厚くなると、光導電層の
作製時間が長くなって製造コストが高くなる。
【0051】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する光導電層103を形成するには、Si供給用のガス
と希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力
ならびに支持体温度を適宜設定することが必要である。
【0052】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1.0
×10-2〜1.0×103Pa、好ましくは5.0×10
-2〜5.0×102Pa、最適には1.0×10-1〜1.0
×102Paとするのが好ましい。
【0053】放電電力もまた同様に層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量
に対する放電電力の比を、最適には0.3〜8、好まし
くは0.8〜7、最適には1〜6の範囲に設定すること
が望ましい。
【0054】さらに、支持体101の温度は、層設計に
したがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、
好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜
330℃、最適には250〜310℃とするのが望まし
い。
【0055】本発明においては、光導電層を形成するた
めの支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記
した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に
決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を
形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を
決めるのが望ましい。
【0056】<表面層>本発明においては、上述のよう
にして支持体101上に形成された光導電層103の上
に、更にアモルファスシリコン系の表面層106を形成
することが必要である。この表面層106は自由表面1
08を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気
的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的
を達成するために設けられる。
【0057】本発明においては、表面層106は第一の
表面層104と第二の表面層105から構成されてお
り、光受容層102を構成する光導電層103と表面層
106とを形成する非晶質材料の各々がシリコン原子と
いう共通の構成要素を有しているので、積層界面におい
て化学的な安定性の確保が十分成されている。
【0058】表面層106は、アモルファスシリコン系
の材料であればいずれの材質でも可能であるが、例え
ば、水素原子(H)及び/又はハロゲン原子(X)を含
有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiC:H,X」と表記する)や、炭素原
子の含有が主となるシリコン原子を含有するアモルファ
スカーボン(a−C:Si:H,X)等の材料が好適に
用いられる。
【0059】本発明において、その目的を効果的に達成
するために、表面層106は真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件が設定されて作成される。具体的には、例えば
グロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法または
マイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直
流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、
イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法など
の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。こ
れらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷
程度、製造規模、作成される電子写真用感光体に所望さ
れる特性等の要因によって適宜選択されて採用される
が、感光体の生産性から光導電層と同等の堆積法による
ことが好ましい。
【0060】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H,Xよりなる表面層106を形成するには、基本
的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の
原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原
料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料
ガス及び/又はハロゲン原子(X)を供給し得るX供給
用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望
のガス状態で導入して、反応容器内にグロー放電を生起
させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層10
3を形成した支持体101上にa−SiC:H,Xから
なる層を形成すればよい。
【0061】本発明において用いる表面層106の材質
としてはシリコンを含有するアモルファス材料ならば何
れでも良いが、特にa−SiCを主成分としたものが好
ましい。そして、表面層106をa−SiCを主成分と
して構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子
の和に対して10原子%から90原子%の範囲が好まし
い。
【0062】また、本発明において表面層106中に水
素原子及び/又はハロゲン原子が含有されることが必要
である。これはシリコン原子などの構成原子の未結合手
を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷
保持特性を向上させるために必須不可欠である。水素含
有量は、構成原子の総量に対して好ましくは30〜70
原子%、より好ましくは35〜65原子%、更に好まし
くは40〜60原子%である。また、弗素原子の含有量
として、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には
0.1〜10原子%、最適には0.6〜4原子%である。
【0063】これらの水素及び/又は弗素含有量の範囲
内で形成される感光体は、実際面において従来にない格
段に優れたものとして充分適用させ得るものである。す
なわち、表面層内に存在する欠陥(主にシリコン原子や
炭素原子のダングリングボンド)は電子写真用感光体と
しての特性に悪影響を及ぼすことが知られている。例え
ば自由表面から電荷の注入による帯電特性の劣化、使用
環境、例えば高い湿度のもとで表面構造が変化すること
による帯電特性の変動、更にコロナ帯電時や光照射時に
光導電層より表面層に電荷が注入され、前記表面層内の
欠陥に電荷がトラップされることにより繰り返し使用時
の残像現象の発生等がこの悪影響として挙げられる。
【0064】しかし、第二の表面層105内の水素含有
量を30原子%以上に制御することで第二の表面層10
5内の欠陥が大幅に減少し、その結果、従来に比べて電
気的特性面及び高速連続使用性において飛躍的な向上を
図ることができる。また、第二の表面層105中の水素
含有量を70原子%以下に抑えることにより、第二の表
面層105の硬度を保ち、繰り返し使用に耐えるものに
することができる。従って、第二の表面層105中の水
素含有量を前記の範囲内に制御することは、格段に優れ
た所望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因子の1
つである。この第二の表面層105中の水素含有量は、
原料ガスの流量(流量比)、支持体温度、放電パワー、
ガス圧等によって制御し得る。
【0065】また、第二の表面層105中の弗素含有量
を0.01原子%以上の範囲に制御することで、第二の
表面層105内のシリコン原子と炭素原子の結合の発生
をより効果的に達成することが可能となる。さらに、第
二の表面層105中の弗素原子の働きとして、コロナ等
のダメージによるシリコン原子と炭素原子の結合の切断
を効果的に防止することができる。
【0066】さらに、第二の表面層105中の弗素含有
量を15原子%以下に抑えることにより、表面層内のシ
リコン原子と炭素原子の結合の発生の効果およびコロナ
等のダメージによるシリコン原子と炭素原子の結合の切
断を防止する効果を維持でき、かつ過剰の弗素原子が第
二の表面層105中のキャリアの走行性を阻害して残留
電位や画像メモリーが生じるのを抑制することができ
る。従って、第二の表面層105中の弗素含有量を前記
範囲内に制御することは、良好な電子写真特性を得る上
で重要な因子の一つである。第二の表面層105中の弗
素含有量は、水素含有量と同様に原料ガスの流量
(比)、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制
御し得る。
【0067】表面層の形成において使用されるシリコン
(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、Si
4、Si26、Si38、Si410等のガス状態の、
またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使
用されるものとして挙げられる。特に、層作成時の取り
扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点で、SiH4、S
26が好ましい。また、これらのSi供給用の原料ガ
スを、必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスに
より希釈して使用してもよい。
【0068】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C22、C26、C38、C410等のガス状態
の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるも
のとして挙げられる。特に、層作成時の取り扱い易さ、
供給効率の良さ等の点で、CH4、C22、C26が好
ましい。また、これらのC供給用の原料ガスを、必要に
応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して
使用してもよい。
【0069】また、形成される表面層106中に導入さ
れる水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるよ
うに図るために、これらのガスに更に水素ガスまたは水
素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形成
することが好ましい。各ガスは単独種のみでなく、所定
の混合比で複数種混合しても差し支えないものである。
【0070】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なものとして、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハ
ロゲンを含むハロゲン間化合物、ハロゲンで置換された
シラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン
化合物が、好ましいものとして挙げられる。さらには、
シリコン原子とハロゲン原子とを混要素とするガス状の
またはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化
合物も有効なものとして挙げられる。
【0071】好適に使用し得るハロゲン化合物として
は、具体的には、弗素ガス(F2)、BrF、ClF、
ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲ
ン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む
珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン
誘導体としては、具体的には、例えばSiF4、Si2
6等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができ
る。
【0072】表面層106中に含有される水素原子及び
/又はハロゲン原子の量を制御するには、例えば、支持
体101の温度、水素原子及び/又はハロゲン原子を含
有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入
する量、放電電力等を制御すればよい。
【0073】第一の表面層104には伝導性を制御する
原子を含有させることが好ましい。特に本発明において
は、第一の表面層104に、第IIIb族原子を含有させ
る。また、この第IIIb族原子の濃度は、第一の表面層
104の層厚方向において変化しており、濃度分布がで
きている。
【0074】本発明の効果を発揮させるためには、第一
の表面層104と第二の表面層105の界面近傍におい
て第一の表面層104内に含有される第IIIb族原子の
含有量が最大になるように分布させる必要がある。その
界面近傍において最大濃度がある位置としては、具体的
には、界面から第一の表面層104側に向かって第一の
表面層104の層厚の30%以内の位置であることが好
ましい。
【0075】第一の表面層104の層厚は、光導電層1
03及び第二の表面層105の層厚及び求められる電子
写真特性によって総合的に判断して決定すればよい。表
面からの電荷注入の阻止能力を十分発揮し、かつ画像品
質に影響を与えない事などから、通常は0.01μm〜
0.5μmで設計する。
【0076】第一の表面層104における第IIIb族原
子の含有量も、電荷注入の阻止能力や画像品質から総合
的に判断して決定すればよい。通常は、シリコン原子に
対して100ppm〜10000ppmの範囲内にする
ことが好ましい。第IIIb族原子の含有量がシリコン原
子に対して100ppmより少ない場合には、表面から
の電荷注入を阻止する能力を向上させるには至らない。
また、10000ppmより多い場合には、電荷注入を
阻止する能力は向上するが第一の表面層104の全体と
しての含有量が多くなるために、画像流れを起こしやす
くなる。
【0077】伝導性を制御する原子としては、半導体分
野における、いわゆる不純物を挙げることができる。こ
のうち、第IIIb族原子は、p型伝導特性を与える不純
物である。具体的には、第IIIb族原子としては、硼素
(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イ
ンジウム(In)、タリウム(Tl)等がある。特に
B、Al、Gaが好適である。
【0078】第IIIb族原子を構造的に導入するには、
層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質をガス
状態で反応容器中に、第一の表面層104を形成するた
めの他のガスとともに導入してやればよい。第IIIb族
原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常
圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易に
ガス化し得るものが望ましい。そのような第IIIb族原
子導入用の原料物質としては、具体的には、硼素原子導
入用として、B26、B410、B59、B511、B6
10、B612、B614等の水素化硼素、BF3、BC
3、BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この
他、AlCl3、GaCl3、Ga(CH33、InCl
3、TlCl3等も挙げることができる。
【0079】また、第IIIb族原子導入用の原料物質
を、必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスによ
り希釈して使用してもよい。
【0080】第二の表面層105の層厚は、好ましくは
0.01〜3μm、より好ましくは0.05〜2μm、特
に好ましくは0.1〜1μmである。層厚が0.01μm
よりも薄いと、感光体を使用中に摩耗等の理由により表
面層が失われてしまうという問題が生じ易く、3μmを
超えると、残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみ
られる場合がある。
【0081】本発明においては、第IIIb族原子を第一
の表面層104と第二の表面層105の界面から第一の
表面層104側に向かって、第一の表面層104の層厚
の特定の範囲内(界面近傍)に第IIIb族原子の含有量
が最大になるようにし、且つ、第二の表面層105のシ
リコン原子に対する炭素原子の含有量を、第一の表面層
104のシリコン原子に対する炭素原子の含有量より多
くすることで、第一の表面層104が光導電層103と
第二の表面層105との緩衝材として有効に作用して感
光体表面に生じる微少なクラックが低減できる。そし
て、特に、第二の表面層105のシリコン原子に対する
炭素原子の含有量を支持体側よりも表面側の方が多くな
るようにすると、第一の表面層104の緩衝材としての
効果がより顕著に現れ、感光体表面に生じる微少なクラ
ックが大幅に改善される。
【0082】表面層106は、その要求される特性が所
望通りに与えられるように注意深く形成される。即ち、
SiとC、H及び/又はXを構成要素とする物質は、そ
の形成条件によって構造的には多結晶や微結晶のような
結晶性からアモルファスまでの形態(総称して非単結
晶)をとり、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁
性までの間の性質を、又、光導電的性質から非光導電的
性質までの間の性質を各々示すので、本発明において
は、目的に応じた所望の特性を有する化合物が形成され
る様に、所望に従ってその形成条件の選択が厳密になさ
れる。
【0083】本発明の目的を達成し得る特性を有する表
面層106を形成するには、支持体101の温度、反応
容器内のガス圧、放電パワーを所望にしたがって、適宜
設定する必要がある。
【0084】支持体101の温度(Ts)は、層設計に
したがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、
好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜
330℃、最適には250〜310℃とするのが望まし
い。
【0085】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ま
しくは1×10-2〜2×103Pa、より好ましくは5
×10-2〜5×102Pa、最適には1×10-1〜2×
102Paとする。
【0086】放電パワーもまた同様に、層設計にしたが
って適宜最適範囲が選択されるが、炭素原子供給用ガス
が比較的少ない第一の表面層104では、Si供給用の
ガスの流量に対する放電電力の比を、通常の場合0.5
〜10、好ましくは0.8〜8、最適には1〜6の範囲
に設定する。第二の表面層105においては、第一の表
面層104と同じか、第二の表面層105において炭素
原子供給用ガスが増加するにしたがって、放電パワーも
上昇させることが望ましい。
【0087】本発明において、表面層106を形成する
ための支持体温度、ガス圧、放電パワーの望ましい数値
範囲として前記した範囲が挙げられるが、それら条件は
通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の
特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連
性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0088】<電荷注入阻止層>本発明の感光体におい
ては、導電性支持体と光導電層との間に、導電性支持体
側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止
層を設けるのがいっそう効果的である。すなわち、電荷
注入阻止層は光受容層が一定極性の帯電処理をその自由
表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入
されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を
受けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる
極性依存性を有している。そのような機能を付与するた
めに、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導
電層に比べ比較的多く含有させる。
【0089】該層に含有される伝導性を制御する原子
は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、ある
いは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。分
布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するよ
うに含有させるのが好適である。
【0090】しかしながら、いずれの場合にも支持体の
表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく
含有されることが面内方向における特性の均一化をはか
る点からも必要である。
【0091】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純
物を挙げることができ、n型伝導特性を与える周期律表
第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記す
る)を用いることができる。
【0092】第Vb族原子としては、具体的には燐
(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス
(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
【0093】本発明において電荷注入阻止層中に含有さ
れる伝導性を制御する原子の含有量としては、本発明の
目的が効果的に達成できるように所望にしたがって適宜
決定されるが、好ましくは10〜1×104原子pp
m、より好適には50〜5×103原子ppm、最適に
は1×102〜3×103原子ppmとされるのが望まし
い。
【0094】さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、
窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させるこ
とによって、電荷注入阻止層と支持体との間の密着性の
向上をよりいっそう図ることができる。
【0095】該層に含有される炭素原子または窒素原子
または酸素原子は該層中に万偏なく均一に分布されても
良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはい
るが、不均一に分布する状態で含有している部分があっ
てもよい。しかしながら、いずれの場合にも支持体の表
面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含
有されることが面内方向における特性の均一化をはかる
点からも必要である。
【0096】本発明における電荷注入阻止層の全層領域
に含有される炭素原子及び/又は窒素原子及び/又は酸
素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成される
ように適宜決定されるが、一種の場合はその量として、
二種以上の場合はその総和として、好ましくは1×10
-3〜30原子%、より好適には5×10-3〜20原子
%、最適には1×10-2〜10原子%とされるのが望ま
しい。
【0097】また、本発明における電荷注入阻止層に含
有される水素原子及び/又はハロゲン原子は層内に存在
する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。電荷
注入阻止層中の水素原子またはハロゲン原子あるいは水
素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適には1〜5
0原子%、より好適には5〜40原子%、最適には10
〜30原子%とするのが望ましい。
【0098】本発明において、電荷注入阻止層の層厚は
所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等
の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.
3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ま
しい。層厚が0.1μmより薄くなると、支持体からの
電荷の注入阻止能が不充分になって充分な帯電能が得ら
れなくなり、5μmより厚くしても電子写真特性の向上
は期待できず、作製時間の延長による製造コストの増加
を招くだけである。
【0099】本発明において電荷注入阻止層を形成する
には、前述の光導電層を形成する方法と同様の真空堆積
法が採用される。
【0100】本発明の目的を達成し得る特性を有する電
荷注入阻止層107を形成するには、光導電層103と
同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応
容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体101の温度
を適宜設定することが必要である。
【0101】希釈ガスであるH2及び/又はHeの流量
は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、
Si供給用ガスに対しH2及び/又はHeを、通常の場
合0.3〜20倍、好ましくは0.5〜15倍、最適には
1〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0102】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1.0
×10-2〜1.0×103Pa、好ましくは5.0×10
-1〜5.0×102Pa、最適には1.0×10-1〜1.0
×102Paとするのが好ましい。
【0103】放電電力もまた同様に層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量
に対する放電電力の比を、通常の場合0.5〜8、好ま
しくは0.8〜7、最適には1〜6の範囲に設定するこ
とが望ましい。
【0104】さらに、支持体101の温度は、層設計に
したがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、
好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜
330℃、最適には250〜310℃とするのが望まし
い。
【0105】本発明においては、電荷注入阻止層を形成
するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持
体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げら
れるが、これらの層作製ファクターは通常は独立的に別
々に決められるものではなく、所望の特性を有する表面
層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層
作製ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0106】このほかに、本発明の感光体においては、
光受容層102の前記支持体101側に、少なくともア
ルミニウム原子、シリコン原子、水素原子及び/又はハ
ロゲン原子が層厚方向に不均一な分布状態で含有する層
領域を有することが望ましい。
【0107】また、本発明の感光体においては、支持体
101と光導電層103あるいは電荷注入阻止層107
との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、S
34、SiO2、SiO、あるいはシリコン原子を母
体とし、水素原子及び/又はハロゲン原子と、炭素原子
及び/又は酸素原子及び/又は窒素原子とを含む非晶質
材料等で構成される密着層を設けても良い。更に、支持
体からの反射光による干渉模様の発生を防止するための
光吸収層を設けても良い。
【0108】次に、光受容層を形成するための装置およ
び膜形成方法について詳述する。
【0109】図4は電源周波数としてRF帯を用いた高
周波プラズマCVD法(以後「RF−PCVD」と略記
する)による感光体の製造装置の一例を示す模式的な構
成図である。図4に示す製造装置の構成は以下の通りで
ある。
【0110】この装置は大別すると、堆積装置(410
0)、原料ガスの供給装置(4200)、反応容器(4
111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)か
ら構成されている。堆積装置(4100)中の反応容器
(4111)内には円筒状支持体(4112)、支持体
加熱用ヒーター(4113)、原料ガス導入管(411
4)が設置され、更に高周波マッチングボックス(41
15)が接続されている。
【0111】原料ガス供給装置(4200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(4221〜4226)とバルブ(4231〜
4236,4241〜4246,4251〜4256)
およびマスフローコントローラー(4211〜421
6)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(42
60)を介して反応容器(4111)内のガス導入管
(4114)に接続されている。
【0112】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行なうことができる。まず、反応容器(4
111)内に円筒状支持体(4112)を設置し、不図
示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器(4
111)内を排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター
(4113)により円筒状支持体(4112)の温度を
200℃乃至350℃の所定の温度に制御する。
【0113】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(41
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(423
1〜4236)、反応容器のリークバルブ(4117)
が閉じられていることを確認し、又、流入バルブ(42
41〜4246)、流出バルブ(4251〜425
6)、補助バルブ(4260)が開かれていることを確
認して、まずメインバルブ(4118)を開いて反応容
器(4111)およびガス配管内(4116)を排気す
る。
【0114】次に真空計(4119)の読みが約1×1
-2Paになった時点で補助バルブ(4260)、流出
バルブ(4251〜4256)を閉じる。
【0115】その後、ガスボンベ(4221〜422
6)より各ガスをバルブ(4231〜4236)を開い
て導入し、圧力調整器(4261〜4266)により各
ガス圧を2Kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ
(4241〜4246)を徐々に開けて、各ガスをマス
フローコントローラー(4211〜4216)内に導入
する。
【0116】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。
【0117】円筒状支持体(4112)が所定の温度に
なったところで流出バルブ(4251〜4256)のう
ちの必要なものおよび補助バルブ(4260)を徐々に
開き、ガスボンベ(4221〜4226)から所定のガ
スをガス導入管(4114)を介して反応容器(411
1)内に導入する。次にマスフローコントローラー(4
211〜4216)によって各原料ガスが所定の流量に
なるように調整する。その際、反応容器(4111)内
の圧力が1.5×102Pa以下の所定の圧力になるよう
に真空計(4119)を見ながらメインバルブ(411
8)の開口を調整する。内圧が安定したところで、周波
数13.56MHzのRF電源(不図示)を所望の電力
に設定して、高周波マッチングボックス(4115)を
通じて反応容器(4111)内にRF電力を導入し、グ
ロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反
応容器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状支持
体(4112)上に所定のシリコンを主成分とする堆積
膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行わ
れた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反
応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
【0118】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。
【0119】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器(411
1)内、流出バルブ(4251〜4256)から反応容
器(4111)に至る配管内に残留することを避けるた
めに、流出バルブ(4251〜4256)を閉じ、補助
バルブ(4260)を開き、さらにメインバルブ(41
18)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を
必要に応じて行う。
【0120】また、膜形成の均一化を図るために、層形
成を行っている間は、支持体(4112)を駆動装置
(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効
である。
【0121】さらに、上述のガス種およびバルブ操作は
各々の層の作成条件にしたがって変更が加えられること
は言うまでもない。
【0122】上記の方法において堆積膜形成時の支持体
温度は、特に200℃以上350℃以下、好ましくは2
30℃以上330℃以下、より好ましくは250℃以上
310℃以下が望ましい。支持体の加熱方法は、真空仕
様である発熱体であればよく、より具体的にはシース状
ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セラミッ
クヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外
線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒
とし熱交換手段による発熱体等が挙げられる。加熱手段
の表面材質は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、
銅等の金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使
用することができる。
【0123】それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の
容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で支持体
を搬送する方法が用いられる。
【0124】図6は、本発明の電子写真装置の構成例
と、画像形成プロセスの一例を示す概略図である。この
電子写真装置においては、感光体601が回転して複写
操作を行う。感光体601の周辺には、主帯電器60
2、静電潜像形成部位603、ブランク露光LED62
0、現像器604、転写紙供給系605、転写帯電器6
06(a)、分離帯電器606(b)、クリーニングロ
ーラー607、搬送系608、除電光源609等が配設
されている。
【0125】以下、さらに具体的に画像形成プロセスを
説明すると、感光体601は高電圧を印加した主帯電器
602により一様に帯電され、これにレーザーユニット
618から発せられミラー619を経由した光によって
静電潜像が形成され、この潜像に現像器604からネガ
或いはポジ極性トナーが供給されてトナー像が形成され
る。レーザーユニット618の制御には、CCDからの
信号が用いられる。即ち、ハロゲンランプ610から発
した光が原稿台ガラス611上に置かれた原稿612に
反射し、ミラー613、614、615を経由し、レン
ズユニット616のレンズによって結像され、ミラーに
よって結像され、CCDユニット617によって電気信
号に変換された信号が導かれている。
【0126】一方、転写紙供給系605を通って、レジ
ストローラー622によって先端タイミングを調整さ
れ、感光体601方向に供給される転写材Pは高電圧を
印加した転写帯電器606(a)と感光体601の間隙
において背面から、トナーとは逆極性の電界を与えら
れ、これによって感光体表面のネガ或いはポジ極性のト
ナー像は転写材Pに転写する。次いで、高圧AC電圧を
印加した分離帯電器606(b)により、転写材Pは転
写搬送系608を通って定着装置623に至り、トナー
像が定着されて装置外に搬出される。
【0127】感光体601上に残留するトナーはクリー
ニングユニットのクリーニングブレード621によって
回収され、残留する静電潜像は除電光源609によって
消去される。
【0128】
【実施例】以下、実験例及び実施例により、本発明をよ
り具体的に説明する。
【0129】<実験例1>図4に示すRF−PCVD法
による感光体の製造装置を用い、直径108mmの鏡面
加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、
下記表1に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、第
一の表面層、第二の表面層の順に成膜を行って電子写真
感光体を作製した。
【0130】
【表1】
【0131】その際、第Vb族原子、第IIIb族原子、
炭素原子を含有するガス種としては各々、PH3、B2
6、CH4を用いて含有量を調節した。そして、以下に示
す(I)〜(VII)の条件の電子写真感光体を作製し
た。 (I)図2(a)のように第一の表面層のシリコン原子
に対する第IIIb族原子の含有量を成膜開始時の含有量
→最大の含有量→終了時の含有量の順に200ppm→
500ppm→400ppmと変化させ、第IIIb族原
子の含有量が最大になる位置が、第一の表面層と第二の
表面層の界面から第一の表面層側に向かって第一の表面
層の層厚(0.2μm)の20%の位置になるように
し、第二の表面層のシリコン原子に対する炭素原子の含
有量の比を0.7→2.3と徐々に増加させた。なお本発
明において、図2(a)のように第IIIb族原子の含有
量が最大になる位置が1点でない場合は、その含有量が
最大の領域のうちのどこかが層厚の20%の位置であれ
ばよい。 (II)前記(I)において第二の表面層のシリコン原子
に対する炭素原子の含有量の比を0.7と一定にした以
外は同条件とした。 (III)前記(I)において第二の表面層のシリコン原
子に対する炭素原子の含有量の比を2.3と一定にした
以外は同条件とした。 (IV)前記(I)において第一の表面層のシリコン原子
に対する第IIIb族原子の含有量を200ppmと一定
にした以外は同条件とした。 (V)前記(I)において第一の表面層のシリコン原子
に対する第IIIb族原子の含有量を500ppmと一定
にした以外は同条件とした。 (VI)前記(I)において第一の表面層のシリコン原子
に対する第IIIb族原子の含有量を400ppmと一定
にした以外は同条件とした。 (VII)表面層を第一の表面層、第二の表面層と二層化
せずに第二の表面層だけとし、第二の表面層のシリコン
原子に対する炭素原子の含有量の比を2.3と一定にし
た。
【0132】作製した感光体を電子写真装置(キヤノン
製NP−6650を実験用に負帯電システムに改造した
物)にセットして、電位特性の評価を行った。この際、
プロセススピード380mm/sec、前露光(波長7
00nmのLED)4lux・sec、像露光(波長6
80nmのLED)にセットして、帯電器の電流値10
00μAの条件にて、電子写真装置の現像器位置にセッ
トした表面電位計(TREK社 Model 344)
の電位センサーにより感光体の表面電位を測定し、それ
を帯電能とし、像露光1.5lux・secの時の表面
電位を測定し、それを残留電位とした。
【0133】そして、暗電位が400Vとなるように帯
電条件を設定し、明電位が50Vになる時の像露光を測
定し、それを感度とした。
【0134】更に、メモリー電位は、上述の条件下にお
いて同様の電位センサーにより非像露光状態での表面電
位と一旦像露光した後に再度帯電した時との電位差を測
定した。
【0135】画像流れの評価は、図5に示した黒色部と
白色部が一定の幅aで並んだテストチャートを用意し、
線幅aを狭めていった時に複写画像上において再現し、
解像しうる最小の線幅aにより行った。即ち、線幅aを
狭めていった時に、ある線幅a以下になると画像上の隣
り合う黒色部の輪郭の画像流れによる微少なボケが重な
り合い、事実上解像不可となってしまう。その時の線幅
aを画像流れの程度を表す指標とした。
【0136】更に、微少なクラックの有無に関しては、
各々の条件において50本電子写真感光体を作製して、
文字原稿で10万枚耐久試験を行った後にハーフトーン
画像によって画像を出した際に、画像に微少なクラック
が現れていた本数をチェックした。
【0137】それぞれの帯電能、残留電位、メモリー電
位、感度、画像流れ及び微少なクラックに関して、以下
のように相対評価を行った。 [帯電能、残留電位、メモリー電位、感度、画像流れ、
微少なクラック] ◎:実験例1の(VII)の条件で作製した場合よりも2
0%以上改善 ○:実験例1の(VII)の条件で作製した場合よりも1
0%〜20%改善 △:実験例1の(VII)の条件で作製した場合と同等 結果を下記表2に示す。
【0138】
【表2】
【0139】表2の結果から明らかなように、帯電能、
残留電位、メモリー電位、感度、画像流れ、微少なクラ
ックのいずれについても、実験例1の(I)、(II)、
(III)のように表面層を第一の表面層と第二の表面層
とに二層化し、第二の表面層のシリコン原子に対する炭
素原子の含有量を、第一の表面層のシリコン原子に対す
る炭素原子の含有量より多く、第一の表面層と第二の表
面層の界面近傍において第一の表面層内に含有される第
IIIb族原子の含有量が最大になるようにすることで、
表面層を第二の表面層のみで構成した場合よりも良好で
あり、画像特性においてもハーフトーン画像にムラは無
く均一で良好な画像が得られることが分かった。また特
に、実験例1の(I)のように、第二の表面層のシリコ
ン原子に対する炭素原子の含有量を導電性支持体側より
も表面側の方が多くすることで、微少なクラックに対す
る効果も大きいことが分かった。
【0140】さらに、実験例1の(I)、(II)、(II
I)の電子写真感光体を用いて文字原稿を複写したとこ
ろ、黒濃度が高く鮮明な画像が得られた。そして、写真
原稿の複写においても、原稿に忠実で鮮明な画像を得る
ことができた。また、像露光光源をLEDに代えて半導
体レーザー(波長680nm)にした場合も、同様の結
果が得られることが分かった。
【0141】<実験例2>図4に示すRF−PCVD法
による感光体の製造装置を用い、実験例1の(I)と同
様の条件で、直径108mmの鏡面加工を施したアルミ
ニウムシリンダー(支持体)上に、電荷注入阻止層、光
導電層、第一の表面層、第二の表面層の順に成膜を行っ
て電子写真感光体を作製した。但しこの際、第一の表面
層内に含有される第IIIb族原子の含有量が最大になる
位置が第一の表面層と第二の表面層の界面から第一の表
面層側に向かって第一の表面層の層厚(0.2μm)の
(2I)5%、(2II)10%、(2III)20%、
(2IV)30%、(2V)40%の位置になるように変
化させた。
【0142】作製した各々の電子写真感光体について実
験例1と同様にして帯電能、残留電位、メモリー電位、
感度、画像流れ、微少なクラックについて相対評価を行
った。結果を下記表3に示す。
【0143】
【表3】
【0144】表3の結果から明らかなように、第一の表
面層内に含有される第IIIb族原子の含有量が最大にな
る位置が、第一の表面層と第二の表面層の界面から第一
の表面層側に向かって第一の表面層の層厚の30%以内
(界面近傍)である(2I)〜(2IV)において、本発
明の良好な効果が得られ、画像特性においても実験例1
の(I)と同様に良好な画像が得られることが分かっ
た。また、像露光光源をLEDに代えて半導体レーザー
(波長680nm)にした場合も同様の結果が得られる
ことが分かった。
【0145】<実験例3>図4に示すRF−PCVD法
による感光体の製造装置を用い、実験例1の(I)と同
様の条件で、直径108mmの鏡面加工を施したアルミ
ニウムシリンダー(支持体)上に、電荷注入阻止層、光
導電層、第一の表面層、第二の表面層の順に成膜を行っ
て電子写真感光体を作製した。但しこの際、図2(a)
のように第一の表面層のシリコン原子に対する第IIIb
族原子の含有量を成膜開始時の含有量→最大の含有量→
終了時の含有量の順に、(3I)50ppm→500p
pm→400ppm、(3II)100ppm→500p
pm→400ppm、(3III)500ppm→200
0ppm→1700ppm、(3IV)3000ppm→
10000ppm→9000ppm、(3V)3000
ppm→11000ppm→9000ppmと変化させ
た。
【0146】作製した各々の電子写真感光体について実
験例1と同様にして帯電能、残留電位、メモリー電位、
感度、画像流れ、微少なクラックについて相対評価を行
った。結果を下記表4に示す。
【0147】
【表4】
【0148】表4の結果から明らかなように、第一の表
面層内に含有される第IIIb族原子の含有量がシリコン
原子に対して100ppm〜10000ppmである
(3II)〜(3IV)において、本発明の効果がより良好
に得られ、画像特性においても実験例1の(I)と同様
に良好な画像が得られることが分かった。また、像露光
光源をLEDに代えて半導体レーザー(波長680n
m)にした場合も同様の結果が得られることが分かっ
た。
【0149】<実験例4>図4に示すRF−PCVD法
による感光体の製造装置を用い、実験例1の(I)と同
様の条件で、直径108mmの鏡面加工を施したアルミ
ニウムシリンダー(支持体)上に、電荷注入阻止層、光
導電層、第一の表面層、第二の表面層の順に成膜を行っ
て電子写真感光体を作製した。但しこの際、第一の表面
層の層厚を(4I)0.005μm、(4II)0.01μ
m、(4III)0.1μm、(4IV)0.3μm、(4
V)0.5μm、(4VI)0.6μmと変化させた。
【0150】作製した各々の電子写真感光体について実
験例1と同様にして帯電能、残留電位、メモリー電位、
感度、画像流れ、微少なクラックについて相対評価を行
った。結果を下記表5に示す。
【0151】
【表5】
【0152】表5の結果から明らかなように、第一の表
面層内の層厚が0.01μm〜0.5μmである(4II)
〜(4V)において本発明の効果が得られ、画像特性に
おいても実験例1の(I)と同様に良好な画像が得られ
ることが分かった。また、像露光光源をLEDに代えて
半導体レーザー(波長680nm)にした場合も同様の
結果が得られることが分かった。
【0153】<実施例1>図4に示すRF−PCVD法
による感光体の製造装置を用い、実験例1の(I)と同
様の条件で、直径108mmの鏡面加工を施したアルミ
ニウムシリンダー(支持体)上に、電荷注入阻止層、光
導電層、第一の表面層、第二の表面層の順に成膜を行っ
て電子写真感光体を作製した。但しこの際、第一の表面
層のシリコン原子に対する第IIIb族原子の含有量を成
膜開始時の含有量→最大の含有量→終了時の含有量の順
に300ppm→600ppm→500ppmと、図2
(a)〜(g)のように変化させ[但し図2(c)、
(d)、(e)、(f)は成膜開始時の含有量→終了時
の含有量300ppm→600ppm]、そのそれぞれ
に対して第二の表面層のシリコン原子に対する炭素原子
の含有量の比を0.9→2.5と図3(a)〜(g)のよ
うに変化させた。
【0154】作製した各々の電子写真感光体について実
験例1と同様にして帯電能、残留電位、メモリー電位、
感度、画像流れ、微少なクラックについて相対評価を行
ったところ実験例1の(I)と同様に良好な結果が得ら
れ、画像特性においても実験例1の(I)と同様に良好
な画像が得られることが分かった。また、像露光光源を
LEDに代えて半導体レーザー(波長680nm)にし
た場合も同様の結果が得られることが分かった。さら
に、前露光及び像露光の波長を前露光550nm〜70
0nm、像露光500nm〜700nmの範囲で変化さ
せた場合も同様の結果が得られることが分かった。
【0155】<実施例2>本例では、図4に示す製造装
置を用い、下記表6に示す条件で、電荷注入阻止層、光
導電層、第一の表面層、第二の表面層の順に成膜し、第
一の表面層、第二の表面層を構成する原子として窒素原
子および酸素原子を含有させた電子写真感光体を作製し
た。
【0156】
【表6】
【0157】その際、図2(b)のように第一の表面層
のシリコン原子に対する第IIIb族原子の含有量を成膜
開始時の含有量→最大の含有量→終了時の含有量の順に
1000ppm→2000ppm→1100ppmと変
化させ、第IIIb族原子の含有量が最大になる位置が第
一の表面層と第二の表面層の界面から第一の表面層側に
向かって第一の表面層の層厚(0.1μm)の15%の
位置になるようにし、第二の表面層のシリコン原子に対
する炭素原子の含有量の比を0.5→3とした。そし
て、第Vb族原子、第IIIb族原子、炭素原子を含有す
るガス種としては各々、PH3、B26、CH4を用いて
含有量を調節した。
【0158】作製した電子写真感光体を実験例1と同様
にして帯電能、残留電位、メモリー電位、感度、画像流
れ、微少なクラックについて相対評価を行ったところ実
験例1の(I)と同様に良好な結果が得られた。そし
て、画像特性においても実験例1の(I)と同様に良好
な画像が得られることが分かった。また、像露光光源を
LEDに代えて半導体レーザー(波長680nm)にし
た場合も同様の結果が得られることが分かった。さら
に、前露光及び像露光の波長を前露光550nm〜70
0nm、像露光500nm〜700nmの範囲で変化さ
せた場合も同様の結果が得られることが分かった。
【0159】<実施例3>本例では、図4に示す製造装
置を用い、下記表7に示した条件で、電荷注入阻止層、
光導電層、第一の表面層、第二の表面層の順に成膜し、
全ての層にフッ素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子
を含有する電子写真感光体を作製した。
【0160】
【表7】
【0161】その際、図2(a)のように第一の表面層
のシリコン原子に対する第IIIb族原子の含有量を、成
膜開始時の含有量→最大の含有量→終了時の含有量の順
に600ppm→1000ppm→700ppmと変化
させ、第IIIb族原子の含有量が最大になる位置が、第
一の表面層と第二の表面層の界面から第一の表面層側に
向かって第一の表面層の層厚(0.3μm)の10%の
位置になるようにした。また、第二の表面層のシリコン
原子に対する炭素原子の含有量の比を0.5→2とし
た。そして、第Vb族原子、第IIIb族原子、炭素原子
を含有するガス種としては各々、PH3、B26、CH4
を用いて含有量を調節した。
【0162】作製した電子写真感光体を実験例1と同様
にして帯電能、残留電位、メモリー電位、感度、画像流
れ、微少なクラックについて相対評価を行ったところ実
験例1の(I)と同様に良好な結果が得られた。そし
て、画像特性においても実験例1の(I)と同様に良好
な画像が得られることが分かった。また、像露光光源を
LEDに代えて半導体レーザー(波長680nm)にし
た場合も同様の結果が得られることが分かった。更に、
前露光及び像露光の波長を前露光550nm〜700n
m、像露光500nm〜700nmの範囲で変化させた
場合も同様の結果が得られることが分かった。即ち、全
ての層ににフッ素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子
を含有させた場合においても、良好な電子写真特性が得
られることが分かった。
【0163】<実施例4>本例では、図4に示す製造装
置を用い、下記表8に示す条件で、電荷注入阻止層は成
膜せず、炭素原子を含有する光導電層、第一の表面層、
第二の表面層の順に成膜して、電子写真感光体を作製し
た。
【0164】
【表8】
【0165】その際、図2(g)のように、第一の表面
層のシリコン原子に対する第IIIb族原子の含有量を成
膜開始時の含有量→最大の含有量→終了時の含有量の順
に200ppm→1500ppm→300ppmと変化
させ、第IIIb族原子の含有量が最大になる位置が第一
の表面層と第二の表面層の界面から第一の表面層側に向
かって第一の表面層の層厚(0.4μm)の5%の位置
になるようにした。また、第二の表面層のシリコン原子
に対する炭素原子の含有量の比を0.8→1.2とした。
そして、第IIIb族原子、炭素原子を含有するガス種と
しては各々、B26、C22を用いて含有量を調節し
た。
【0166】作製した電子写真感光体を実験例1と同様
にして帯電能、残留電位、メモリー電位、感度、画像流
れ、微少なクラックについて相対評価を行ったところ実
験例1の(I)と同様に良好な結果が得られた。そし
て、画像特性においても実験例1の(I)と同様に良好
な画像が得られることが分かった。また、像露光光源を
LEDに代えて半導体レーザー(波長680nm)にし
た場合も同様の結果が得られることが分かった。さら
に、前露光及び像露光の波長を前露光550nm〜70
0nm、像露光500nm〜700nmの範囲で変化さ
せた場合も同様の結果が得られることが分かった。即
ち、電荷注入阻止層を削除し、光導電層として炭素原子
を含有する光導電層を形成し全層に炭素原子を含有させ
た場合においても、良好な電子写真特性を得られること
が分かった。
【0167】<実施例5>本例では、図4に示す製造装
置を用い、下記表9に示す条件で、電荷注入阻止層は成
膜せず、ヘリウム希釈ガスを用いて光導電層を成膜し、
さらに第一の表面層、第二の表面層の順に成膜し、全層
に炭素原子を含有させた電子写真感光体を作製した。
【0168】
【表9】
【0169】その際、図2(g)のように、第一の表面
層のシリコン原子に対する第IIIb族原子の含有量を成
膜開始時の含有量→最大の含有量→終了時の含有量の順
に2000ppm→5000ppm→3000ppmと
変化させ、第IIIb族原子の含有量が最大になる位置が
第一の表面層と第二の表面層の界面から第一の表面層側
に向かって第一の表面層の層厚(0.2μm)の25%
の位置になるようにした。また、第二の表面層のシリコ
ン原子に対する炭素原子の含有量の比を0.9→1.1と
した。そして、第IIIb族原子、炭素原子を含有するガ
ス種としては、各々、B26、CH4を用いて含有量を
調節した。
【0170】作製した電子写真感光体を実験例1と同様
にして帯電能、残留電位、メモリー電位、感度、画像流
れ、微少なクラックについて相対評価を行ったところ実
験例1の(I)と同様に良好な結果が得られた。そし
て、画像特性においても実験例1の(I)と同様に良好
な画像が得られることが分かった。また、像露光光源を
LEDに代えて半導体レーザー(波長680nm)にし
た場合も同様の結果が得られることが分かった。さら
に、前露光及び像露光の波長を前露光550nm〜70
0nm、像露光500nm〜700nmの範囲で変化さ
せた場合も同様の結果が得られることが分かった。即
ち、電荷注入阻止層を削除し、ヘリウムガス希釈で作製
した光導電層を用い、全層に炭素原子を含有させた場合
においても、良好な電子写真特性を得られることが分か
った。
【0171】
【発明の効果】本発明によれば、帯電能、感度の向上と
光メモリーの低減を高次元で両立するとともに画像流れ
及び電子写真感光体表面に生じる微少なクラックを低減
して画像品質を飛躍的に向上させた負帯電用電子写真感
光体が得られる。
【0172】また、電気的、光学的、光導電的特性が使
用環境にほとんど依存することなく実質的に常時安定し
ており、耐光疲労に優れ、繰り返し使用に際しては劣化
現象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留電位がほと
んど観測されず、更に画像品質の良好な、負帯電用電子
写真感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の好適な実施態様例の層領域を
説明するための模式的層構成図である。
【図2】本発明の第一の表面層に含有されるSi原子に
対する第IIIb族原子の分布状態の模式図である。
【図3】本発明の第二の表面層に含有されるSi原子に
対するC原子の分布状態の模式図である。
【図4】本発明の感光体の光受容層を形成するための装
置の一例で、RF帯の高周波電源を用いたグロー放電法
による感光体の製造装置の模式的説明図である。
【図5】テストチャートの一例を説明するための概略図
である。
【図6】本発明の電子写真装置の構成例と、画像形成プ
ロセスの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
100 電子写真用感光体 101 支持体 102 光受容層 103 光導電層 104 第一の表面層 105 第二の表面層 106 表面層 107 電荷注入阻止層 108 自由表面 4100 堆積装置 4111 反応容器 4112 円筒状支持体 4113 支持体加熱用ヒーター 4114 原料ガス導入管 4115 マッチングボックス 4116 原料ガス配管 4117 反応容器リークバルブ 4118 メイン排気バルブ 4119 真空計 4200 原料ガス供給装置 4211〜4216 マスフローコントローラー 4221〜4226 原料ガスボンベ 4231〜4236 原料ガスボンベバルブ 4241〜4246 ガス流入バルブ 4251〜4256 ガス流出バルブ 4261〜4266 圧力調整器 601 感光体 602 主帯電器 603 静電潜像形成部位 604 現像器 605 転写紙供給系 606(a) 転写帯電器 606(b) 分離帯電器 607 クリーニングローラー 608 搬送系 609 除電光源 610 ハロゲンランプ 611 原稿ガラス台 612 原稿 613 ミラー 614 ミラー 615 ミラー 616 レンズユニット 617 CCDユニット 618 レーザーユニット 619 ミラー 620 ブランク露光LED 621 クリーニングブレード 622 レジストローラー 623 定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/08 (72)発明者 古島 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 新納 博明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H035 AA09 AA10 AZ09 2H068 DA04 DA05 DA08 DA15 DA17 DA19 FA01 FB06 FC03 FC05 FC17 2H076 AB02 DA37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、非単結晶材料で構成
    される光導電層及び表面層を順次積層せしめた電子写真
    感光体において、該表面層は該導電性支持体側から表面
    側に向かって第一の表面層と第二の表面層の二層からな
    り、第一の表面層はシリコン原子、炭素原子、周期律表
    第IIIb族に属する原子、並びに、水素原子及び/又は
    ハロゲン原子を含有し、第二の表面層はシリコン原子、
    炭素原子、並びに、水素原子及び/又はハロゲン原子を
    含有し、第二の表面層のシリコン原子に対する炭素原子
    の含有量は、第一の表面層のシリコン原子に対する炭素
    原子の含有量より多く、第一の表面層と第二の表面層の
    界面近傍において第一の表面層内に含有される周期律表
    第IIIb族に属する原子の含有量が最大になることを特
    徴とする負帯電用電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 第二の表面層のシリコン原子に対する炭
    素原子の含有量は、導電性支持体側よりも表面側の方が
    多くなっている請求項1記載の負帯電用電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 表面層内に含有される周期律表第IIIb
    族に属する原子の含有量が最大になる位置が、第一の表
    面層と第二の表面層の界面から第一の表面層側に向かっ
    て第一の表面層の層厚の30%以内にある請求項1又は
    2記載の負帯電用電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 表面層内に含有される周期律表第IIIb
    族に属する原子の含有量が、シリコン原子に対して10
    0ppm〜10000ppmである請求項1〜3の何れ
    か一項記載の負帯電用電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 第一の表面層の層厚が0.01μm〜0.
    5μmである請求項1〜4の何れか一項記載の負帯電用
    電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 除電、帯電、像露光、現像及び転写等に
    より画像形成を行う電子写真装置において、記録素子で
    ある電子写真感光体として請求項1記載の負帯電用電子
    写真感光体を用い、550nm〜700nmの範囲内の
    波長光により除電を行う手段と、500nm〜700n
    mの範囲内の波長光により像露光を行う手段とを備える
    ことを特徴とする電子写真装置。
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