JP2009036932A - 電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子写真感光体において、感度特性を高感度で安定させることができるようにし、繰り返しの使用による画像濃度の変化やムラが生じることを抑制する。
【解決手段】本発明は、導電性基板18上に、光導電層19Bおよび表面層19Cが順次積層された電子写真感光体10に関する。表面層19Cは、珪素および炭素を含むアモルファス膜からなり、少なくとも感光層19の表面から一定厚みの領域19Caまでにおいて、珪素と炭素との合計原子数における炭素原子の占める原子割合が90atm%以上100atm%未満とされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、導電性基板上に、光導電層および表面層が順次積層された感光層が形成された電子写真感光体、およびこれを備えた電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の複写機やプリンタなどの画像形成装置は、静電潜像およびトナー像が形成される電子写真感光体を備えている。電子写真感光体には、電子写真特性(帯電能、光感度、残留電位などの電位特性、および画像濃度、解像度、コントラスト、階調性などの画像特性)の質および安定性、ならびに耐久性(耐磨耗性、耐刷性、耐環境性、および耐薬品性など)が求められる。特に、最近の高速多機能プリンタにおいては、露光光に対して高感度な電子写真感光体が求められている。このような電子写真感光体としては、導電性基体上に、感光層として光導電層および表面層を積層したものが提案されている。
光導電層としては、従来よりアモルファスシリコン材料により形成されたものが採用されている。このような光導電層において感度を高めるためには、入射された光を有効に利用できるように膜厚を比較的に大きくすることが考えられている。しかしながら、光導電層の膜厚を大きくすることは、多くの成膜時間と原料ガスを必要となるために、コスト的に不利である。
一方、表面層として反射防止機能を有するものを採用し、露光による光導電層での光キャリアの発生効率を向上させる方法が提案されている。その一例として、表面層の厚みを、たとえば(λ/4n)・m(λは露光光の波長、nは表面層の屈折率、mは整数)とすることにより、表面層に反射防止機能を付与する方法がある(たとえば特許文献1参照)。
特公平6−68631号公報
しかしながら、表面層は、長期間の使用により、トナー、紙との擦れによって徐々に厚みが減少する。そのため、初期状態で反射防止機能を充分に有していても、厚みの低減により反射防止機能を充分に有しているとはいえない状態となる欠点があった。たとえば、露光波長を680nm、表面層の屈折率を2.2として考えれば、(λ/4n)≒77nmとなる。この場合、表面層の厚みが77nmの倍数に相当する厚みのときに、効果的な反射防止状態となる。一方、表面層の削れ量は、表面層の材質・組成によって異なるが、長期間の使用により、50nm程度に達し得る。そのため、初期状態での表面層の厚みが充分に反射防止機能を有する状態であったとしても、使用による膜厚の変化により、充分に反射防止機能を発揮できない厚みとなってしまう。このように反射防止機能が低減し、表面層での反射率が高くなれば、光導電層における光キャリアの発生効率が低下する。その結果、長期の使用により、画像形成装置での印字濃度が徐々に変化し得るといった問題が生じ得るのである。また、表面層における削れ量は、表面層の各所において一様とならず、表面層における反射防止機能の低下具合についてムラが生じてしまう場合がある。その結果、表面層の厚みにより反射防止機能を持たせた表面層を採用した場合には、長期間の使用により印字濃度ムラが生じ得るのである。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、電子写真感光体において、感度特性を高感度で安定させることができるようにし、繰り返しの使用による画像濃度の変化やムラが生じるのを抑制することを課題としている。
本発明の第1の側面においては、導電性基板と、前記導電性基板上に形成され、かつ光導電層および表面層が順次積層された感光層と、を備えた電子写真感光体であって、前記表面層は、珪素および炭素を含むアモルファス膜からなり、少なくとも前記感光層の表面から一定厚みの領域までにおいて、珪素と炭素との合計原子数における炭素原子の占める原子割合が90atm%以上100atm%未満であることを特徴とする、電子写真感光体が提供される。
前記表面層は、たとえば最表層であり、かつ前記原子割合が90atm%以上100atm%未満である第1層と、前記第1層に接触し、かつ前記原子割合が90atm%未満である第2層と、を含んでいる。なお、第2層における前記原子割合は60atm%以上であるのがより好ましい。
前記第1層の厚みは、たとえば50nm以上150nm以下とされる。
前記第1層は、たとえば消衰係数kが0.08以上0.15以下とされる。前記第2層は、たとえば消衰係数kが0.01以上0.07以下とされる。
好ましくは、前記第1層における露光波長に対する光学的屈折率n1は、前記第2層における露光波長に対する光学的屈折率n2よりも小さい。前記光学的屈折率をn1は、たとえば前記光学的屈折率をn2と以下の関係を有する範囲に設定される。
Figure 2009036932
前記表面層は、たとえばプラズマCVD法において、Si含有ガスとC含有ガスの混合比率を変化させることによって、前記第1および第2層を含むものとして形成されている。
前記電子写真感光体は、珪素、炭素および第13属元素を含有し、前記表面層と前記光導電層との間に形成される電荷注入阻止層をさらに含むものとし、帯電特性を負としてもよい。
本発明の第2の側面においては、導電性基板と、前記導電性基板上に形成され、かつ光導電層および表面層が順次積層された感光層と、を備えた電子写真感光体であって、前記表面層は、最表層であり、かつ消衰係数kが0.08以上0.15以下である第1層と、前記第1層に密着する第2層と、を含んでおり、前記第1層における露光波長に対する光学的屈折率n1は、前記第2層における露光波長に対する光学的屈折率n2よりも小さいことを特徴とする、電子写真感光体が提供される。
前記光学的屈折率n1は、たとえば前記光学的屈折率n2と以下の関係を有する範囲に設定されている。
Figure 2009036932
本発明の第3の側面においては、上述の本発明の第1または第2の側面に係る電子写真感光体を備えたことを特徴とする、画像形成装置が提供される。
本発明によれば、電子写真感光体において、感度特性を高感度で安定させることができ、繰り返しの使用による画像濃度の変化やムラが生じることを抑制することができる。
以下においては、本発明について、図1ないし図4を参照しつつ説明する。
図1に示した画像形成装置1は、画像形成方式としてカールソン法を採用したものであり、電子写真感光体10、帯電器11、露光器12、現像器13、転写器14、定着器15、クリーニング器16、および除電器17を備えたものである。
帯電器11は、電子写真感光体10の表面を、後述する電子写真感光体10の光導電層19Bの種類に応じて正極性または負極性に帯電(たとえば200V以上1000V以下)させるためのものである。この帯電器11は、電子写真感光体10を押圧するように密着して配置されており、たとえば芯金の上に、導電性ゴムおよびPVDF(ポリフッ化ビニリデン)によって被覆したものとして構成されている。帯電器11としては、本実施形態のようなローラ状やの接触型帯電器に代えて、放電ワイヤを備える非接触型帯電器を使用してもよい。
露光器12は、電子写真感光体10に静電潜像を形成するためのものであり、特定波長の光を出射可能とされている。この露光器12によると、電子写真感光体10の表面に対して画像信号に応じた光を照射して光照射部分の電位を減衰させることにより、電位コントラストとしての静電潜像が形成される。露光器12としては、たとえば650nm以上780nm以下の波長の光を出射可能な複数のLED素子を配列させたLEDヘッドを採用することができる。
もちろん、露光器12の光源としては、LED素子に代えてレーザ光を出射可能なものを使用することもできる。つまり、LEDヘッド等の露光器12に代えて、レーザービームやポリゴンミラー等からなる光学系や原稿からの反射光を通すレンズやミラー等からなる光学系を用いることにより、複写機の構成の画像形成装置とすることもできる。
現像器13は、電子写真感光体10の静電潜像を現像してトナー像を形成するためのものである。この現像器13は、現像剤(トナー)を磁気的に保持する磁気ローラ13Aを備えている。
現像剤は、電子写真感光体10の表面に形成されるトナー像を構成するためのものであり、現像器13において摩擦帯電させられるものである。現像剤としては、磁性キャリアと絶縁性トナーとから成る二成分系現像剤や、磁性トナーから成る一成分系現像剤などを使用することができる。
磁気ローラ13Aは、電子写真感光体10の表面(現像領域)に現像剤を搬送する役割を果すものである。
現像器13においては、磁気ローラ13Aにより摩擦帯電したトナーが一定の穂長に調整された磁気ブラシの形で搬送され、電子写真感光体10の現像領域において、トナーが静電潜像との静電引力により感光体表面に付着して可視化される。トナー像の帯電極性は、正規現像により画像形成が行われる場合には、電子写真感光体10の表面の帯電極性と逆極性とされ、反転現像により画像形成が行われる場合には、電子写真感光体10の表面の帯電極性と同極性とされる。
なお、本実施形態において現像器13は、乾式現像方式を採用しているが、液体現像剤を用いた湿式現像方式を採用してもよい。
転写器14は、電子写真感光体10と転写器14との間の転写領域に供給された記録媒体Pに、電子写真感光体10のトナー像を転写するためのものである。この転写器14は、転写用チャージャ14Aおよび分離用チャージャ14Bを備えている。転写器14では、転写用チャージャ14Aにおいて記録媒体Pの背面(非記録面)がトナー像とは逆極性に帯電され、この帯電電荷とトナー像との静電引力によって、記録媒体P上にトナー像が転写される。転写器14ではさらに、トナー像の転写と同時的に、分離用チャージャ14Bにおいて記録媒体Pの背面が交流帯電させられ、記録媒体Pが電子写真感光体10の表面から速やかに分離させられる。
なお、転写器14としては、電子写真感光体10の回転に従動し、かつ電子写真感光体10とは微小間隙(通常、0.5mm以下)を介して配置された転写ローラを用いることも可能である。この場合の転写ローラは、たとえば直流電源により、電子写真感光体10上のトナー像を記録媒体P上に引きつけるような転写電圧を印加するように構成される。転写ローラを用いる場合には、分離用チャージャ14Bのような転写分離装置は省略することもできる。
定着器15は、記録媒体Pに転写されたトナー像を記録媒体Pに定着させるためのものであり、一対の定着ローラ15A,15Bを備えている。定着ローラ15A,15Bは、たとえば金属ローラ上にテフロン(登録商標)等で表面被覆したものとされている。この定着器15では、一対の定着ローラ15A,15Bの間に記録媒体Pを通過させることにより、熱や圧力等によって記録媒体Pにトナー像を定着させることができる。
クリーニング器16は、電子写真感光体10の表面に残存するトナーを除去するためのものであり、クリーニングブレード16Aを備えている。クリーニングブレード16Aは、電子写真感光体10の表面(後述する感光層19)から、残留トナーを掻きとる役割を果たすものである。クリーニングブレード16Aは、たとえばポリウレタン樹脂を主成分としたゴム材料により形成されている。
除電器17は、電子写真感光体10の表面電荷を除去するためのものであり、特定波長(たとえば780nm以上)の光を出射可能とされている。この除電器17は、たとえばLED等の光源によって電子写真感光体10の表面(後述する感光層19)の全体を光照射することにより、電子写真感光体10の表面電荷(残余の静電潜像)を除去するように構成されている。
図2(a)に示したように、電子写真感光体1は、円筒状基体18の外周面に感光層19を形成したものである。
円筒状基体18は、電子写真感光体1の支持母体となるものであり、少なくとも表面において導電性を有するものとして形成されている。この円筒状基体18は、たとえばアルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、金(Au)、銀(Ag)などの金属材料、もしくは例示した金属材料を含む合金材料により、全体が導電性を有するものとして形成されている。円筒状基体18はまた、樹脂、ガラス、セラミックスなどの絶縁体の表面に例示した金属材料、あるいはITO(Indium Tin Oxide)およびSnOなどの透明導電性材料による導電性膜を被着したものであってもよい。例示した材料のうち、円筒状基体18を形成するための材料としては、Al系材料を用いるのが最も好ましく、また円筒状基体18の全体をAl系材料により形成するのが好ましい。そうすれば、電子写真感光体1を軽量かつ低コストで製造可能となり、その上、後述する感光層19の電荷注入阻止層19Aや光導電層19Bをa−Si系材料により形成する場合には、それらの層19A,19Bと円筒状基体18との間の密着性が高くなって信頼性を向上させることができる。
感光層19は、電荷注入阻止層19A、光導電層19Bおよび表面層19Cを順次積層形成したものである。
電荷注入阻止層19Aは、円筒状基体18からのキャリア(電子)の注入を阻止するためのものであり、たとえばa−Si系材料により形成されている。この電荷注入阻止層19Aは、たとえばa−Siに、ドーパントとして硼素(B)、窒素(N)、あるいは酸素(O)を含有させたものとして形成されており、その厚みはたとえば2μm以上10μm以下とされている。
光導電層19Bは、光照射によってキャリアを発生させるためのものである。この光導電層19Bは、たとえばa−Si系材料、a−Se、a−SeTe、a−AsSeなどのa−Se系材料、あるいはZnO、CdS、およびCdSeなどの周期律表第12−16族化合物からなる材料により形成されている。光導電層19Bはまた、先に例示した材料からなる粒子を樹脂中に分散させたもの、あるいはOPC系などの感光体材料により形成されたものであってもよい。その中でもとくに、a−Si系材料およびa−Si系材料に炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)などを加えたものを使用するのが好ましい。そうすることにより、電子写真特性(たとえば光導電性特性、高速応答性、繰り返し安定性、耐熱性あるいは耐久性)が改善され、また表面層19Cをa−Si系に材料により形成した場合における表面層19Cとの整合性が良好なものとなる。光導電層19Bの厚みは、使用する光導電性材料および所望の電子写真特性により適宜設定すればよく、たとえば5μm以上100μm以下、好適には10μm以上80μm以下とされる。
表面層19Cは、光導電層19Bを保護するためのものであり、第1層19Caおよび第2層19Cbを含んでいる。
第1層19Caは、露光光に対する反射防止層として機能するものであり、画像形成装置内での摺擦による削れに耐え得るように、たとえばa−SiC系材料により形成されている。この第1層19Caは、表面層19Cの最表層であり、たとえば珪素と炭素との合計原子数における炭素原子の占める原子割合が90atm%以上100atm%未満とされている。第1層19Caはまた、たとえば厚みが50nm以上150nm以下、露光光に対する消衰係数kが0.08以上0.15以下とされている。
ここで、第1層19Caにおける炭素原子の原子割合を90atm%以上100atm%未満とするのは、充分に高い硬度と露光光に対する充分に高い感度とを維持しつつ、第2層19Cbより大きい消衰係数k(たとえば0.08以上)を確保するためである。このように、第1層19Caを第2層19Cbより大きい消衰係数kとすると、仮に第1層19Caが削れて反射率が大きくなっても、その分を相殺する形で第1層19Caにおける光の吸収が低減されるため、使用時における表面層19Cの膜厚変動に起因して光導電層19Bにおける光キャリアの発生効率が低下するのを抑制することができ、ひいては画像形成装置での印字濃度の変化(ムラ)の発生を抑制することができるのである。
第1層19Caの厚みを50nm以上150nm以下とするのは、厚みが不当に小さいと、反射率の低減効果を充分に確保し難くなるのに加えて、繰り返しの使用により第2層19Caが露出するおそれがある一方で、厚みが不当に大きいと、第1層19Caにおける露光光の吸収量が大きくなって光導電層19Bにおけるキャリアの発生効率が悪化するからである。
第1層19Caの消衰係数kを0.08以上0.15以下とするのは、消衰係数kが0.08未満であると、表面層における光吸収を極力抑制して光導電層19Bにおいて効率良くキャリアの発生させる観点から、比較的に小さく(たとえば0.01〜0.07)設定される傾向にある第2層19Cbより大きい消衰係数kを確保し難くなる一方で、消衰係数kが0.15を超えると、露光感度が不当に悪化してしまうからである。
第2層19Cbは、第1層19Caと光導電層19Bの間に存在するものであり、第1層19Caと同様に、a−SiC系材料により形成されている。この第2層19Cbは、電子写真感光体1に照射されるレーザ光などの光が不当に吸収されることのないように、照射される光に対して充分広い光学バンドギャップを有しており、また、画像形成における静電潜像を保持でき得る抵抗値(一般的には1011Ω・cm以上)を有するものとされている。この第2層19Cbは、たとえば珪素と炭素との合計原子数における炭素原子の占める原子割合が90atm%未満とされている。第2層19Cbはまた、たとえば厚みが0.2μm以上1.5μm以下、露光光に対する消衰係数kが0.01以上0.07以下とされている。
ここで、第2層19Cbにおける炭素原子の原子割合を90atm%未満とするのは、消衰係数kを不当に高めることなく、第2層19Cbにおける不当な光吸収を抑制し、光導電層19Bにおけるキャリアの発生効率を充分に高く維持するためである。なお、第2層19Cbにおける炭素原子の原子割合は、充分に広い光学バンドギャップを確保しつつ、消衰係数kを適切な範囲(たとえば0.01以上0.07以下)とする観点から、60atm%以上とされるのが好ましい。
第2層19Cbの厚みを0.2μm以上1.5μm以下とするのは、第2層19Cbにおける不当な光吸収を抑制し、光導電層19Bにおけるキャリアの発生効率を充分に高く維持するとともに、光導電層19Bを適切に保護するためである。
第2層19Cbの消衰係数kを0.01以上0.07未満とするのは、第2層19Cbにおける不当な光吸収を抑制し、光導電層19Bにおけるキャリアの発生効率を充分に高く維持するためである。
また、第1層19Caにおける露光波長に対する光学的屈折率n1は、第2層19Cbにおける露光波長に対する光学的屈折率n2よりも小さくするのが好ましい。そうすれば、表面層19Cに露光光を照射したときに、第1層19Caと第2層19Cbとの界面における反射を抑制することができ、光導電層19Bにおいて効率良くキャリアを発生させることが可能となる。このような効果を適切に得るためには、光学的屈折率n1は、光学的屈折率n2と以下の関係を有する範囲に設定するのが好ましい。
Figure 2009036932
ここで、第1層19Caにおける露光波長に対する光学的屈折率n1は、たとえば1.4以上1.95以下とされ、第2層19Caにおける露光波長に対する光学的屈折率n2は、たとえば2.5以上3.2以下とされる。
図2(b)に示したように、感光層19は、表面層19Cと光導電層19Bとの間に形成される電荷注入阻止層19Dをさらに含んでいてもよい。
電荷注入阻止層19Dは、珪素、炭素および第13属元素(たとえばホウ素)を含有するものであり、帯電特性が負とされている。すなわち、電荷注入阻止層19Dを設けることにより、電子写真感光10が負の帯電極性を有するものとされる。ここで、電荷注入阻止層19Dの厚みは、たとえば0.5μm以上2μm以下とされる。また、電荷注入阻止層19Dにおける第13属元素の含有量は、たとえば5ppm以上20000ppm以下とされる。
電子写真感光体10における電荷注入阻止層19A、光導電層19B、表面層19Cおよび電荷注入阻止層19Dは、たとえば図3に示したプラズマCVD装置2を用いることにより形成される。
プラズマCVD装置2は、支持体3を反応室4に収容したものであり、回転手段5、ガス供給手段6および排気手段7をさらに備えている。
支持体3は、円筒状基体18を支持するためのものであるとともに、第1導体として機能するものである。この支持体3は、フランジ部30を有する中空状に形成されているとともに、円筒状基体18と同様な導電性材料により全体が導体として形成されている。支持体3は、2つの円筒状基体18を支持できる長さ寸法に形成されており、導電性支柱31に対して着脱自在とされている。そのため、支持体3では、支持した2つの円筒状基体18の表面に直接触れることなく、反応室4に対して2つの円筒状基体18の出し入れを行なうことができる。
導電性支柱31は、円筒状基体18と同様な導電性材料により全体が導体として形成されており、反応室4の中心において、後述するプレート42に対して絶縁材32を介して固定されている。導電性支柱31には、導板33を介して直流電源34が接続されている。この直流電源34は、制御部35によってその動作が制御されている。制御部35は、直流電源34を制御することにより、導電性支柱31を介して、支持体3にパルス状の直流電圧(図4参照)を供給するように構成されている。
導電性支柱31の内部には、セラミックパイプ36を介してヒータ37が収容されている。セラミックパイプ36は、絶縁性および熱伝導性を確保するためのものである。ヒータ37は、円筒状基体18を加熱するためのものである。ヒータ37としては、たとえばニクロム線やカートリッジヒータを使用することができる。
ここで、支持体3の温度は、たとえば支持体3あるいは導電性支柱31に取り付けられた熱電対(図示略)によりモニタされており、この熱電対におけるモニタ結果に基づいて、ヒータ37をオン・オフさせることにより、円筒状基体18の温度が目的範囲、たとえば200℃以上400℃以下から選択される一定の範囲に維持される。
反応室4は、円筒状基体18に対して堆積膜を形成するための空間であり、円筒状電極40および一対のプレート41,42により規定されている。
円筒状電極40は、第2導体として機能するものであり、支持体3の周囲を囲む円筒状に形成される。この円筒状電極40は、円筒状基体18と同様な導電性材料により中空に形成されており、絶縁部材43,44を介して一対のプレート41,42に接合されている。
円筒状電極40は、支持体3に支持させた円筒状基体18と円筒状電極40との間の距離が10mm以上100mm以下となるような大きさに形成されている。これは、円筒状基体18と円筒状電極40との距離が10mmよりも小さい場合は反応室4に対する円筒状基体18の出し入れなどにおいて作業性を充分に確保できず、また円筒状基体18と円筒状電極40との間で安定した放電が得ることが困難となり、逆に、円筒状基体18と円筒状電極40との距離が100mmよりも大きい場合は、装置2が大きくなってしまい単位設置面積当たりの生産性が悪くなるためである。
円筒状電極40は、ガス導入口45および複数のガス吹き出し孔46を有しているとともに、その一端において接地されている。なお、円筒状電極40は、必ずしも接地する必要はなく、直流電源34とは別の基準電源に接続してもよい。円筒状電極40を直流電源34とは別の基準電源に接続する場合、基準電源における基準電圧は、たとえば−1500V以上1500V以下とされる。
ガス導入口45は、真空反応室4に供給すべき洗浄ガスや原料ガスを導入するためのものであり、ガス供給手段6に接続されている。
複数のガス吹き出し孔46は、円筒状電極40の内部に導入された洗浄ガスや原料ガスを円筒状基体18に向けて吹き出すためのものであり、図の上下方向等間隔で配置されているとともに、周方向にも等間隔で配置されている。複数のガス吹き出し孔46は、同一形状の円形に形成されており、その孔径は、たとえば0.5mm以上2.0mm以下とされている。もちろん、複数のガス吹き出し孔46の孔径、形状および配置については、適宜変更可能である。
プレート41は、反応室4が開放された状態と閉塞された状態とを選択可能とするためのものであり、プレート41を開閉することによって反応室4に対する支持体3の出し入れが可能とされている。プレート41は、円筒状基体18と同様な導電性材料により形成されているが、下面側に防着板47が取着されている。これにより、プレート41に対して堆積膜が形成されるのが防止されている。この防着板47もまた、円筒状基体18と同様な導電性材料により形成されており、防着板47はプレート41に対して着脱自在とされている。
プレート42は、反応室4のベースとなるものであり、円筒状基体18と同様な導電性材料により形成されている。プレート42と円筒状電極40との間に介在する絶縁部材44は、円筒状電極40とプレート42との間にアーク放電が発生するのを抑える役割を有するものである。このような絶縁部材44は、たとえばガラス材料(ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、耐熱ガラスなど)、無機絶縁材料(セラミックス、石英、サファイヤなど)、あるいは合成樹脂絶縁材料(テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニロン、エポキシ、マイラー、PEEK材など)により形成することができるが、絶縁性を有し、使用温度で充分な耐熱性があり、真空中でガスの放出が小さい材料であれば特に限定はない。ただし、絶縁部材44は、成膜体の内部応力および成膜時の温度上昇に伴って生じるバイメタル効果に起因する応力により反りが発生して使用できなくなるのを防止するために、一定以上の厚みを有するものとして形成されている。たとえば、絶縁部材44をテフロン(登録商標)のような熱膨張率3×10−5/K以上10×10/K以下の材料により形成する場合には、絶縁部材44の厚みは10mm以上に設定される。このような範囲に絶縁部材44の厚みを設定した場合には、絶縁部材44と円筒状基体18に成膜される10μm以上30μm以下のa−Si膜との界面に発生する応力に起因するそり量が、水平方向(円筒状基体18の軸方向に略直交する半径方向)の長さ200mmに対して、水平方向における端部と中央部との軸方向における高さの差で1mm以下とすることができ、絶縁部材44を繰り返し使用することが可能となる。
プレート42および絶縁部材44には、ガス排出口42A,44Aおよび圧力計49が設けられている。排気口42A,44Aは、反応室4の内部の気体を排出するためのものであり、排気手段7に接続されている。圧力計49は、反応室4の圧力をモニタリングするためのものであり、公知の種々のものを使用することができる。
回転手段5は、支持体3を回転させるためのものであり、回転モータ50、回転導入端子52、絶縁軸部材53および絶縁平板54を有している。回転手段5により支持体3を回転させて成膜を行なった場合には、支持体3とともに円筒状基体18が回転させられるために、円筒状基体18の外周に対して均等に原料ガスの分解成分を堆積させることが可能となる。
回転モータ50は、円筒状基体18に回転力を付与するものである。この回転モータ50は、たとえば円筒状基体18を1rpm以上10rpm以下の一定の回転数で回転させるように動作制御される。回転モータ50としては、公知の種々のものを使用することができる。
回転導入端子52は、反応室4内の真空を保ちながら回転力を伝達するためのものである。このような回転導入端子52としては、回転軸を二重もしくは三重構造としてオイルシールやメカニカルシール等の真空シール手段を用いることができる
絶縁軸部材53および絶縁平板54は、支持体3とプレート41との間の絶縁状態を維持しつつ、回転モータ50からの回転力を支持体3に入力するためものであり、たとえば絶縁部材44などの同様な絶縁材料により形成されている。ここで、絶縁軸部材53の外径は、成膜時において、支持体3の外径(後述する上ダミー基体38Cの内径)よりも小さくなるように設定されている。より具体的には、成膜時における円筒状基体18の温度が200℃以上400℃以下に設定される場合、絶縁軸部材53の外径は、支持体3の外径(後述する上ダミー基体38Cの内径)よりも0.1mm以上5mm以下、好適には3mm程度大きくなるように設定される。この条件を満たすために、非成膜時(常温環境下(たとえば10℃以上40℃以下))においては、絶縁軸部材53の外径と支持体3の外径(後述する上ダミー基体38Cの内径)との差は、0.6mm以上5.5mm以下に設定される。
絶縁平板54は、プレート41を取り外しするときに上方から落下するゴミや粉塵などの異物が円筒状基体18へ付着するのを防止するためのものであり、上ダミー基体38Cの内径より大きな外径を有する円板状に形成されている。絶縁平板54の直径は、円筒状基体18の直径の1.5倍以上3.0倍以下とされ、たとえば円筒状基体18として直径が30mmのものを用いる場合には、絶縁平板54の直径は50mm程度とされる。
このような絶縁平板54を設けた場合には、円筒状基体18に付着した異物に起因する異常放電を抑制することができるため、成膜欠陥の発生を抑制することができる。これにより、電子写真感光体1を形成する際の歩留まりを向上させ、また電子写真感光体1を用いて画像形成する場合における画像不良の発生を抑制することができる。
図2に示したように、ガス供給手段6は、複数の原料ガスタンク60,61,62,63、複数の配管60A,61A,62A,63A、バルブ60B,61B,62B,63B,60C,61C,62C,63C、および複数のマスフローコントローラ60D,61D,62D,63Dを備えたものであり、配管64およびガス導入口45を介して円筒状電極40に接続されている。
各原料ガスタンク60〜63は、原料ガスが充填されたものである。原料ガスとしては、たとえばB、H(またはHe)、CH4あるいはSiH4が用いられる。
バルブ60B〜63B,60C〜63Cおよびマスフローコントローラ60D〜63Dは、反応室4に導入するガス成分の流量、組成およびガス圧を調整するためのものである。もちろん、ガス供給手段6においては、各原料ガスタンク60〜63に充填すべきガスの種類、あるいは複数の原料ガスタンク60〜63の数は、円筒状基体18に形成すべき膜の種類あるいは組成に応じて適宜選択すればよい。
排気手段7は、反応室4のガスをガス排出口42A,44Aを介して外部に排出するためのものであり、メカニカルブースタポンプ71およびロータリーポンプ72を備えている。これらのポンプ71,72は、圧力計49でのモニタリング結果により動作制御されるものである。すなわち、排気手段7では、圧力計49でのモニタリング結果に基づいて、反応室4を真空に維持できるとともに、反応室4のガス圧を目的値に設定することができる。反応室4の圧力は、たとえば1.0Pa以上100Pa以下とされる。
次に、プラズマCVD装置2を用いた堆積膜の形成方法について、円筒状基体18にa−Si系膜が形成された電子写真感光体1(図2参照)を作製する場合を例にとって説明する。
まず、プラズマCVD装置2のプレート41を取り外した上で、複数の円筒状基体18(図面上は2つ)を支持させた支持体3を、反応室4の内部にセットし、再びプレート41を取り付ける。
支持体3に対する2つの円筒状基体18の支持に当たっては、支持体3の主要部を外套した状態で、フランジ部30上に、下ダミー基体38A、円筒状基体18、中間ダミー基体38B、円筒状基体18、および上ダミー基体38Cが順次積み上げられる。
各ダミー基体38A〜38Cとしては、製品の用途に応じて、導電性または絶縁性基体の表面に導電処理を施したものが選択されるが、通常は、円筒状基体18と同様な材料により円筒状に形成されたものが使用される。
ここで、下ダミー基体38Aは、円筒状基体18の高さ位置を調整するためのものである。中間ダミー基体38Bは、隣接する円筒状基体18の端部間で生じるアーク放電に起因する円筒状基体18に成膜不良が発生するのを抑制するためのものである。この中間ダミー基体38Bとしては、その長さがアーク放電を防止できる最低限の長さ(本実施形態では1cm)以上を有し、その表面側角部が曲面加工で曲率0.5mm以上または端面加工でカットされた部分の軸方向の長さ及び深さ方向の長さが0.5mm以上となるように面取りがされたものが使用される。上ダミー基体38Cは、支持体3に堆積膜が形成されるのを防止し、成膜中に一旦被着した成膜体の剥離に起因する成膜不良の発生を抑制するためのものである。上ダミー基体38Cは、一部が支持体3の上方に突出した状態とされる。
次いで、円筒状基体18を加熱し、排気手段7により反応室4を減圧する。
円筒状基体18の加熱は、たとえばヒータ37に対して外部から電力を供給してヒータ37を発熱させることにより行なわれる。このようなヒータ37の発熱により、円筒状基体18が目的とする温度に昇温される。円筒状基体18の温度は、その表面に形成すべき膜の種類および組成によって選択されるが、たとえばa−Si系膜を形成する場合には250℃以上300℃以下の範囲に設定され、ヒータ37をオン・オフすることにより略一定に維持される。
一方、反応室4の減圧は、排気手段7によってガス排出口42A,44Aを介して真空反応室4からガスを排出させることにより行なわれる。反応室4の減圧の程度は、圧力計49での反応室4の圧力をモニタリングしつつ、メカニカルブースタポンプ71)およびロータリーポンプ72の動作を制御することにより、たとえば10−3Pa程度とされる。
次いで、円筒状基体18の温度が所望温度となり、反応室4の圧力が所望圧力となった場合には、ガス供給手段6により反応室4に原料ガスを供給するとともに、円筒状電極40と支持体3との間にパルス状の直流電圧を印加する。これにより、円筒状電極40と支持体3(円筒状基体18)との間にグロー放電が起こり、原料ガスが分解され、原料ガスの分解成分が円筒状基体18の表面に堆積される。
一方、排気手段7においては、圧力計49のモニタリングしつつ、メカニカルブースタポンプ71およびロータリーポンプ72の動作を制御することにより、真空反応室4におけるガス圧を目的範囲に維持する。すなわち、反応室4の内部は、ガス供給手段6におけるマスフローコントローラ60D〜63Dと排気手段7におけるポンプ71,72によって安定したガス圧に維持される。反応室4におけるガス圧は、たとえば1.0Pa以上100Pa以下とされる。
反応室4への原料ガスの供給は、バルブ60B〜63B,60C〜63Cの開閉状態を適宜制御しつつ、マスフローコントローラ60D〜63Dを制御することにより、原料ガスタンク60〜63の原料ガスを、所望の組成および流量で、配管60A〜63A,64およびガス導入口45を介して円筒状電極40の内部に導入することにより行なわれる。円筒状電極40の内部に導入された原料ガスは、複数のガス吹き出し孔46を介して円筒状基体18に向けて吹き出される。そして、バルブ60B〜63B,60C〜63Cおよびマスフローコントローラ60D〜63Dによって原料ガスの組成を適宜切り替えることにより、円筒状基体18の表面には、電荷注入阻止層19A、光導電層19Bおよび表面層19Cが順次積層形成され、あるいは電荷注入阻止層19A、光導電層19B、電荷注入阻止層19Dおよび表面層19Cが順次積層形成される。
たとえば、電荷注入阻止層19Aをa−Si系の堆積膜として形成する場合には、原料ガスとして、SiH(シランガス)などのSi含有ガス、Bなどのドーパント含有ガス、および水素(H)やヘリウム(He)などの希釈ガスの混合ガスが用いられる。ドーパント含有ガスとしては、ホウ素(B)含有ガスの他に、窒素(N)あるいは酸素(O)含有ガスを用いることもできる。
光導電層19Bをa−Si系の堆積膜として形成する場合には、原料ガスとして、SiH(シランガス)などのSi含有ガスおよび水素(H)やヘリウム(He)などの希釈ガスの混合ガスが用いられる。光導電層19Bにおいては、ダングリングボンド終端用に水素(H)やハロゲン元素(F、Cl)を膜中に1原子%以上40原子%以下含有させるように、希釈ガスとして水素ガスを用い、あるいは原料ガス中にハロゲン化合物を含ませておいてもよい。また、原料ガスには、暗導電率や光導電率などの電気的特性及び光学的バンドギャップなどについて所望の特性を得るために、周期律表第13族元素(以下「第13族元素」と略す)や周期律表第15族元素(以下「第15族元素」と略す)を含有させてもよく、上記諸特性を調整するために炭素(C)、酸素(O)などの元素を含有させてもよい。
第13族元素および第15族元素としては、それぞれホウ素(B)およびリン(P)が共有結合性に優れて半導体特性を敏感に変え得る点、および優れた光感度が得られるという点で望ましい。電荷注入阻止層19Aに対して第13族元素および第15族元素を炭素(C)、酸素(O)などの元素とともに含有させる場合には、第13族元素の含有量は0.1ppm以上20000ppm以下、第15族元素の含有量は0.1ppm以上10000ppm以下となるように調整される。また、光導電層19Bに対して第13族元素および第15族元素を炭素(C)、酸素(O)等の元素とともに含有させる場合、あるいは、電荷注入阻止層19Aおよび光導電層19Bに対して炭素(C)、酸素(O)等の元素を含有させない場合には、第13族元素は0.01ppm以上200ppm以下、第15族元素は0.01ppm以上100ppm以下となるように調整される。なお、原料ガスにおける第13属元素あるいは第15属元素の含有量を経時的に変化させることにより、これらの元素の濃度について層厚方向にわたって勾配を設けるようにしてもよい。この場合には、光導電層19Bにおける第13族元素および第15族元素の含有量は、光導電層19Bの全体における平均含有量が上記範囲内であればよい。
また、光導電層19Bについては、a−Si系材料に微結晶シリコン(μc−Si)を含んでいてもよく、このμc−Siを含ませた場合には、暗導電率・光導電率を高めることができるので、光導電層19Bの設計自由度が増すといった利点がある。このようなμc−Siは、先に説明した成膜方法を採用し、その成膜条件を変えることにより形成することができる。たとえば、グロー放電分解法では、円筒状基体18の温度および直流パルス電力を高めに設定し、希釈ガスとしての水素流量を増すことによって形成できる。また、μc−Siを含む光導電層19Bにおいても、先に説明したのと同様な元素(第13族元素、第15族元素、炭素(C)、酸素(O)など)を添加してもよい。
表面層19Cをa−SiC系の堆積膜として形成する場合には、原料ガスとして、SiH(シランガス)などのSi含有ガスおよびCHなどのC含有ガスの混合ガスを供給する。原料ガスにおけるSiとCとの組成比は、連続的または間欠的に変化させられる。すなわち表面層19Cは、SiとCとの組成比を連続的または間欠的に変化させることにより、互いに珪素と炭素の原子比率の異なる第1および第2層19Ca,19Cbを含むものとして形成することができる(図2(a)参照)。
また、光導電層19Bと表面層19Cとの間に電荷注入阻止層19Dを設ける場合には、光導電層19Bを形成してから表面層19Cを形成するまでの間に、第13属元素(たとえばホウ素)の混合比率を連続的または間欠的に変化させればよい(図2(b)参照)。
一方、円筒状電極40と支持体3との間へのパルス状の直流電圧を印加は、制御部35によって直流電源34を制御することにより行なわれる。
より具体的には、制御部35は、円筒状電極40が接地されている場合には、支持体(導電性支柱31)に対して、−3000V以上−50V以下、好ましくは−3000V以上−500V以下の範囲内の負のパルス状直流電位V1(図4参照)を供給する。
一方、円筒状電極40が基準電極(図示略)に接続されている場合には、支持体(導電性支柱31)に対して供給するパルス状直流電位V1は、基準電源により供給される電位V2を基準電位として、たとえば−3000V以上−50V以下の範囲(目的とする電位差ΔV)となるように設定される。また、基準電源により供給する電位V2は、支持体3(円筒状基体18)に対して負のパルス状電圧(図4参照)を印加する場合には、たとえば−1500V以上1500V以下に設定される。
制御部35はまた、直流電圧の周波数(1/T(sec))が300kHz以下に、duty比(T1/T)が20%以上90%以下となるように直流電源34を制御する。
なお、本発明におけるduty比とは、図4に示したようにパルス状の直流電圧の1周期(T)(円筒状基体18と円筒状電極40との間に電位差が生じた瞬間から、次に電位差が生じた瞬間までの時間)における電位差発生T1が占める時間割合と定義される。たとえば、duty比20%とは、パルス状の電圧を印加する際の、1周期に占める電位差発生(ON)時間が1周期全体の20%であることを言う。
以上に説明した電子写真感光体10は、表面層19Cにおける表面から一定の深さの領域(たとえば第1層19Ca)までは、炭素原子の占める原子割合が90atm%以上100atm%未満であるa−Si膜とされ、反射防止機能を有するとともに、一定量の光吸収を有するもの(たとえば露光波長に対する消衰係数kが0.08以上0.15以下、厚みが50nm以上150nm以下)とされている。
ここで、表面層19C(第1層19Ca)における反射防止効果は、繰り返しの使用による第1層19Caの削れによる膜厚の減少により徐々に低下する。その一方で、第1層19Caを適度な光吸収性を有するものとしておくことにより、第1層19Caが薄くなった場合には、第1層19Caにおける光吸収量が低下する。すなわち、繰り返しの使用により表面層19C(第1層19Ca)の厚みが小さくなっていった場合に、第1層19Caでの反射量が多くなったとしても、第1層19Caでの光吸収量の減少によって、第1層19Caを透過する露光光量(露光エネルギ)が徐々に低下することを抑制することができる。その結果、電子写真感光体10では、表面層19C(19Ca)における反射防止効果の低減と光吸収の低下を相殺させることにより、感度変化を一定の範囲内に保つことが可能となる。
また、電子写真感光体10は、表面層19Cにおける第2層19Caとして、炭素原子の占める原子割合が90atm%未満であるa−Si膜とされ、従来の表面層と同様に、露光光に対する光吸収の小さなもの、たとえば露光光に対する消衰係数kにおいて0.01以上0.7以下とされている。そのため、第2層19Cbにおける不当な光吸収を抑制し、光導電層19Bにおけるキャリアの発生効率を充分に高い状態で維持することができるのである。
電子写真感光体10においてはさらに、第1層19Caにおける露光波長に対する光学的屈折率n1を、第2層19Cbにおける露光波長に対する光学的屈折率n2よりも小さくすることにより、表面層19Cに露光光を照射したときに、第1層19Caと第2層19Cbとの界面における反射を抑制することができる。これにより、光導電層19Bにおいて効率良くキャリアを発生させることが可能となる。特に、光学的屈折率n1は、光学的屈折率n2と以下の関係を有する範囲に設定すれば、より効果的に第1層19Caと第2層19Cbとの界面における反射を抑制し、光導電層19Bにおいて効率良くキャリアを発生させることが可能となる。
Figure 2009036932
このような電子写真感光体10を採用した画像形成装置1では、繰り返しの使用によっても光導電層19Bにおいてキャリアを有効に発生せることができる電子写真感光体10を採用しているため、繰り返しの使用による画像濃度の変動や画像濃度ムラの発生を抑制することが可能となる。
上述の特性を有する電子写真感光体10における表面層19Cは、プラズマCVD法において、表面層19Cを形成するときの珪素含有ガスと炭素含有ガスとの比率を間欠的に変化させることにより得ることができる。すなわち、表面層19Cにおける第1層19Caおよび第2層19Cbを形成するために、特別な装置や手法を採用する必要がなく、従来と同様な手法を援用して簡易に表面層19Cを作成することができる。
本実施例では、珪素と炭素とを含むアモルファス膜において、炭素の比率が反射率に与える影響を検討した。
アモルファス膜は、図3に示したプラズマCVD装置2を用いて、SiHとCHとの混合ガスを供給することにより、円筒状基体の表面に、下地層上に最表層を積層した2層構造とした。下地層は、電子写真感光体における表面層の第2層に相当するものであり、膜厚を600nm、炭素の比率(原子割合)を80atm%に設定した。最表層は、電子写真感光体における表面層の第1層に相当するものであり、膜厚を100nmに設定するとともに、炭素の比率(原子割合)をSiHとCHとの混合比率(流量)を変化させることにより、下記表1の範囲に調整した。
反射率は、分光反射率測定装置(MC−850A、大塚電子株式会社製)を用いて、光スポット径を約1mm、測定波長を680nmとし、各電子写真感光体の垂直入射光に対する反射率を測定した。反射率の測定結果については、下記表1に示した。
Figure 2009036932
表1から分かるように、最表層における炭素の元素比率が87atm%以上98atm%未満では、炭素の原子比率が大きくなるほど、反射率が低下する傾向にあり、炭素の元素比率が90atm%以上では反射率が10%以下と充分に低い結果であった。
一方、測定波長である680nmという波長は、画像形成装置において露光波長として一般に採用されている波長もしくはそれに近い波長である。したがって、電子写真感光体における最表層として珪素と炭素を含むアモルファス膜を採用する場合に、炭素の原子比率を90atm%以上とすれば、最表層を反射防止膜として適切に機能させることができる。
本実施例では、珪素と炭素とを含むアモルファス膜において、アモルファス膜の膜厚が反射率に与える影響を検討した。
アモルファス膜は、図3に示したプラズマCVD装置2を用いて、SiHとCHとの混合ガスを供給することにより、円筒状基体の表面に、下地層上に最表層を積層した2層構造とした。下地層は、電子写真感光体における表面層の第2層に相当するものであり、膜厚を600nm、炭素の比率(原子割合)を80atm%に設定した。最表層は、電子写真感光体における表面層の第1層に相当するものであり、炭素の比率(原子割合)を95atm%、膜厚を0〜120nmの範囲に設定した。
反射率は、分光反射率測定装置(MC−850A、大塚電子株式会社製)を用いて、光スポット径を約1mm、測定波長を680nmとし、各電子写真感光体の垂直入射光に対する反射率を測定した。反射率の測定結果については、図5に示した。
図5かわ分かるように、最表層の膜厚が0〜120nmの範囲では、膜厚が概ね50nm以上のときに反射率が10%以下となった。
一方、測定波長である680nmという波長は、画像形成装置において露光波長として一般に採用されている波長もしくはそれに近い波長である。したがって、電子写真感光体における最表層として珪素と炭素を含むアモルファス膜を採用する場合に、膜厚を50nm以上とすれば、最表層を反射防止膜として適切に機能させることができる。
本実施例では、珪素と炭素とを含むアモルファス膜において、アモルファス膜の屈折率が反射率に与える影響を検討した。
アモルファス膜は、図3に示したプラズマCVD装置2を用いて、SiHとCHとの混合ガスを供給することにより、円筒状基体の表面に、下地層上に最表層を積層した2層構造とした。下地層は、電子写真感光体における表面層の第2層に相当するものであり、膜厚を600nm、炭素の比率(原子割合)を80atm%、屈折率を3.0に設定した。最表層は、電子写真感光体における表面層の第1層に相当するものであり、膜厚を100nm、炭素の比率(原子割合)を95atm%、屈折率を1.4〜2.0の範囲に設定した。
屈折率は、紫外可視分光光度計を用いて測定した結果に基づいて導出した。具体的には、まず、ガラス基板上に約1μmの単層膜を形成することによりテストピースを作製した後、紫外可視分光光度計(UV−2400PC、株式会社島津製作所製)を用いて、作製したテストピースに照射した透過光の透過率の波長依存性(波長範囲:400nm〜800nm)を測定し、その測定結果を光学計算から得られる計算値とフィッティングすることにより各電子写真感光体の屈折率を導出した。
反射率は、分光反射率測定装置(MC−850A、大塚電子株式会社製)を用いて、光スポット径を約1mm、測定波長を680nmとし、各電子写真感光体の垂直入射光に対する反射率を測定した。屈折率および反射率の測定結果については、屈折率を横軸、反射率を縦軸として図6に示した。
図6かわ分かるように、最表層の屈折率が1.4以上1.95以下の範囲では反射率が10%以下となった。
一方、測定波長である680nmという波長は、画像形成装置において露光波長として一般に採用されている波長もしくはそれに近い波長である。したがって、電子写真感光体における最表層として珪素と炭素を含むアモルファス膜を採用する場合に、屈折率を1.4以上1.95以下とすれば、最表層を反射防止膜として適切に機能させることができる。
ここで、本発明者は、最表層の屈折率と下地層の屈折率との関係について検討した。その結果、本実施例において最表層の反射率が10%以下となった屈折率の範囲(1.4以上1.95以下)と、下地層の屈折率(3.0)との間には、最表層の屈折率n1を基準とし、下地層の屈折率をn2とすれば、次の数式1の関係が成立する。
Figure 2009036932
したがって、表面層を多層構造とする場合には、最表層である第1層の屈折率n1とその下地層である第2層の屈折率n2とが上記数式を満たすようにすれば、表面層の第1層を反射防止層として適切に機能させることができる。
本実施例では、電子写真感光体について、表面層を第1および第2層からなる2層構造とした場合に、最表層である第1層の消衰係数および厚みが、露光感度および画像濃度変化に与える影響を評価した。
(電子写真感光体の作製)
電子写真感光体は、円筒状基体の表面に、図3に示したプラズマCVD装置2を用いて、下記表2に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、および表面層を所定の膜厚に形成することにより作製した。
表面層は、第1および第2層を含む2層構造とし、第1層を形成するときの原料ガスにおけるSiHとCHとの混合比率(流量)を連続的に変化させるとともに成膜速度を調整することにより消衰係数、膜厚および屈折率を調整した。第2層において、消衰係数は0.03に設定し、屈折率は3.0に設定した。
なお、第1および第2層の屈折率および消衰係数は、紫外可視分光光度計を用いて測定した結果に基づいて導出した。具体的には、まず、ガラス基板上に約1μmの単層膜を形成することによりテストピースを作製した後、紫外可視分光光度計(UV−2400PC、株式会社島津製作所製)を用いて、作製したテストピースに照射した透過光の透過率の波長依存性(波長範囲:400nm〜800nm)を測定し、その測定結果を光学計算から得られる計算値とフィッティングすることにより各電子写真感光体の屈折率および消衰係数を導出した。
成膜時における直流電圧は、パルス周波数が30kHz、duty比が50%のパルス状直流電圧として、支持体が負極性となるように印加した。また、成膜時においては、円筒状基体の回転速度を10rpmに設定した。
Figure 2009036932
(露光感度の評価)
露光感度は、露光波長を680nm、電子写真感光体の回転数を100rpmとし、帯電電圧を300Vから150Vに減衰させるのに必要な露光量として測定した。露光感度の測定は、電子写真感光体を画像形成装置(「KM−8030」;京セラミタ株式会社製)に組み込み込んだ初期および300万枚の通常印字後のそれぞれにおいて行なった。なお、露光感度の測定結果については、下記表3に示した。
(画像濃度の評価)
画像濃度は、300万枚の通常印字後における画像を、印字初期の画像と目視により比較することで評価した。画像濃度の評価結果については、下記表3に示した。表3において、「◎」は画像濃度の変化を目視で確認できないもの、「○」は画像濃度の変化が目視でわずかに確認できるものの、カラー画像印刷やモノクロ写真画像印刷にも耐え得る実用性の充分に高いもの、「△」は、画像濃度の変化が目視で明確に確認できるものの、モノクロ文字印刷などには耐え得る実用性のあるもの、「×」は画像濃度の変化が非常に大きく、実質的に実用性のないものである。
Figure 2009036932
表3から分かるように、サンプル1〜6では、印刷初期および耐久後での露光感度の変化が小さく(0.04μJ/cm以下)、画像濃度の変化も小さかった。サンプル1〜6の電子写真感光体は、表面層の第1層における消衰係数kが0.8以上0.15以下であり、膜厚が50nm以上150nm以下であった。
これに対して、サンプル7〜12では、印刷初期および耐久後での露光感度の変化が大きく(0.05μJ/cm以上)、画像濃度の変化も大きかった。ここで、サンプル7の電子写真感光体は第1層を形成しておらず、サンプル8の電子写真感光体は膜厚が40nmであり50nmよりも小さく、サンプル9,10の電子写真感光体は消衰係数kがそれぞれ0.07および0.03であり0.8よりも小さく、サンプル11の電子写真感光体は消衰係数kが0.6であり0.15よりも大きく、サンプル12の電子写真感光体は膜厚が160nmであり150nmよりも大きいものである。
したがって、印刷初期および耐久後での露光感度の変化を充分に小さくし、画像濃度の変化を充分に小さくする観点からは、表面層を第1および第2層の2層構造とするとともに、第1層における消衰係数kを0.8以上0.15以下、膜厚を50nm以上150nm以下に設定すればよいことが分かった。
本実施例では、負帯電型の電子写真感光体について、帯電電圧を評価した。
(電子写真感光体の作製)
電子写真感光体は、基本的には実施例4のサンプル1(消衰係数kが0.1、屈折率が1.7)と同様にして作成した。ただし、表面層の第1層については、厚みを0〜250nmの範囲で変化させ、第2層と光導電層との間に負帯電特性の電荷注入阻止層をさらに形成した。
(帯電電圧の評価)
帯電電圧は、電子写真感光体に対して300Vの電圧を負極性で印加する一方で、複数回の露光・除電を繰り返した後、定常状態になったときの電圧として評価した。評価結果については図7に示した。
図7から分かるように、第1層がない場合(膜厚が0)より、第1層を設けた場合のほうが電子写真感光体の帯電電圧が大きくなっている。これは、第1層が存在することにより、電子の注入がスムーズに行われたためと考えられる。特に、第1層の膜厚を50nm〜200nmの範囲としたときに、帯電特性の向上が認められた。この点から、本発明が負帯電型の電子写真感光体についても適用できることが確認された。
本発明に係る画像形成装置の一例を説明するための断面図である。 図2(a)は本発明に係る電子写真感光体の一例を示す断面図およびその要部拡大図であり、図2(b)は感光層の他の例の要部を示す断面図である。 図2に示した電子写真感光体の感光層を形成するためのプラズマCVD装置の一例を示す縦断面図である。 図3に示したプラズマCVD装置における電圧印加状態を説明するためのグラフである。 実施例2における第1層の膜厚と反射率との関係を示すグラフである。 実施例3における第1層の屈折率と反射率との関係を示すグラフである。 実施例5における第1層の膜厚と帯電電圧の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 画像形成装置
10 電子写真感光体
18 円筒状基体(導電性基板)
19 感光層
19B 光導電層
19C 表面層
19Ca (表面層の)第1層
19Cb (表面層の)第2層
19D 電荷注入阻止層

Claims (12)

  1. 導電性基板と、
    前記導電性基板上に形成され、かつ光導電層および表面層が順次積層された感光層と、
    を備えた電子写真感光体であって、
    前記表面層は、珪素および炭素を含むアモルファス膜からなり、少なくとも前記感光層の表面から一定厚みの領域までにおいて、珪素と炭素との合計原子数における炭素原子の占める原子割合が90atm%以上100atm%未満であることを特徴とする、電子写真感光体。
  2. 前記表面層は、最表層であり、かつ前記原子割合が90atm%以上100atm%未満である第1層と、前記第1層に接触し、かつ前記原子割合が90atm%未満である第2層と、を含んでいる、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記第1層の厚みは、50nm以上150nm以下である、請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記第1層は、消衰係数kが0.08以上0.15以下である、請求項2または3に記載の電子写真用感光体。
  5. 前記第2層は、消衰係数kが0.01以上0.07以下である、請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記第1層における露光波長に対する光学的屈折率n1は、前記第2層における露光波長に対する光学的屈折率n2よりも小さい、請求項2ないし5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記光学的屈折率n1は、前記光学的屈折率n2と以下の関係を有する範囲に設定されている、請求項6に記載の電子写真感光体。
    Figure 2009036932
  8. 前記表面層は、プラズマCVD法において、Si含有ガスとC含有ガスの混合比率を変化させることによって、前記第1および第2層を含むものとして形成されている、請求項1ないし7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 珪素、炭素および第13属元素を含有し、前記表面層と前記光導電層との間に形成される電荷注入阻止層をさらに含んでおり、帯電特性が負とされている、請求項1ないし8のいずれかに記載の電子写真感光体。
  10. 導電性基板と、
    前記導電性基板上に形成され、かつ光導電層および表面層が順次積層された感光層と、
    を備えた電子写真感光体であって、
    前記表面層は、最表層であり、かつ消衰係数kが0.08以上0.15以下である第1層と、前記第1層に接触する第2層と、を含んでおり、
    前記第1層における露光波長に対する光学的屈折率n1は、前記第2層における露光波長に対する光学的屈折率n2よりも小さいことを特徴とする、電子写真感光体。
  11. 前記光学的屈折率n1は、前記光学的屈折率n2と以下の関係を有する範囲に設定されている、請求項10に記載の電子写真感光体。
    Figure 2009036932
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の電子写真感光体を備えたことを特徴とする、画像形成装置。

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