JP3733246B2 - 電子写真装置および電子写真方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置および電子写真方法に関し、特にレーザビームプリンタ、レーザ複写機、レーザファクシミリ等の電子写真装置において、光ビームを光反射型偏向装置により偏向させて記録媒体上を走査させる光走査装置を備えた電子写真装置および該装置による電子写真方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザプリンタは、その画質の良さおよび高速なプリントアウト等の特徴で注目を浴びている。このレーザプリンタに搭載されるレーザビームを偏向して記録媒体上を走査する性能は、レーザプリンタの画質およびプリント速度等の性能を大きく左右する。
【0003】
図3に示すように、通常、光走査装置は、レーザダイオード100、回転多面鏡102、レーザダイオード100から出射されたレーザビームを回転多面鏡102に導く光源光学系104、回転多面鏡102で偏向されたレーザビームを記録媒体106に導き走査する走査光学系108から成り立っている。
【0004】
また、回転多面鏡と入射ビームとの関係には大別して以下の2方式がある。
一方は図6に示すように、回転多面鏡112の一つの反射面112Aの幅Wよりも入射する光ビームLの幅Dが狭く、入射した光ビームLを全て走査レンズに出射する形式の光学系(以下、アンダーフィールド型光学系もしくはUFSという)である。
他方は図7に示すように、転多面鏡112の一つの反射面112Aの幅Wよりも入射する光ビームLの幅Dが広い過露光型の光学系(以下、オーバーフィールド型光学系もしくはOFSという)である。
【0005】
同じ走査レンズを用いる場合、オーバーフィールド型光学系は、アンダーフィールド光学系よりも回転多面鏡の径を小さくできるため、モータの回転数を低くできる等の特徴がある。しかしながら、入射ビームの一部が切り取られて走査レンズに出射するために、出射光量が記録媒体上の位置によって差を生じ、画像の濃度が部分的に異なる等の問題がある。
【0006】
このため、USP 3,558,208では、図8に示すように、入射ビームが回転多面鏡112に入射する前に、あらかじめ透過光量分布型のフィルター126を使って光ビームLの光量分布を整形しておき、走査レンズ128への出射ビームの光量が一定になるようにすることが提案されている。しかし、この装置では特殊なフィルターを用いるため部品点数が増えてコスト高となる等の問題があった。
【0007】
一方、図10に示すように、光源光学系で回転多面鏡112へ入射する光ビームLの幅を広くすることで、回転多面鏡112の一つの反射面112Aで反射する光ビームのムラを小さくできることが知られている。
また、デジタルタイプの電子写真装置の画像形成方式は、画像情報と露光部との関係には大別して以下の2方式がある。1方は画像部を露光するイメージ露光法(以下、IAEという)であり、他方は非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露光法(以下、BAEという)である。
【0008】
BAEはアナログタイプの電子写真装置の画像形成方式と同じで、現像、クリーニング、現像剤等をアナログタイプの電子写真装置と共通化できるというメリットがある。
一方、IAEは正常に画像を得るためには逆極性の現像剤による反転現像を行わなければならない。
両方式とも実用化されているが、それぞれ使用する感光体・現像剤等の制約で決定されることが多い。
【0009】
現像方式は、モノクロ・カラー等、そのニーズによって1成分現像・2成分ブラシ現像の様々な方式が案出もしくは採用されており、一般に画像再現特性は1成分現像より2成分ブラシ現像の方が優れているとされているが、各方式にはそれぞれの特徴がある。
【0010】
主な現像方式の特徴については、以下のような特徴が挙げられる。すなわち、(a)BMT方式・FEED方式(1成分・絶縁性・磁性・接触)特にFEED方式は2成分ブラシ現像とほば同等の画像特性であること、(b)タッチダウン方式(1成分・絶縁性・非磁性・接触)は接触現像によるカブリが問題であること、(c)ジャンピング方式(1成分・絶縁性・磁性・非接触)は非接触のためカブリ・傷の問題が少ないこと、(d)プロジェクション方式(1成分・絶縁性・非磁性・非接触)は非接触のためカブリ・傷の問題が少なく非磁性のためカラー化可能なこと、(e)マグネダイナミック方式(1成分・導電性・磁性・接触)は潜像電界による誘導帯電、ブラシ現像であり正・負いずれの潜像でも現像できるが、転写が困難なこと、(f)IMB方式(2成分・絶縁性・非磁性・接触)は絶縁性キャリアのため現像後に逆極性電荷が蓄積されベタ部の再現性はよくないが細線の再現性はよいこと、(g)CMB方式(2成分・絶縁性・非磁性・接触)は導電性キャリアのため、現像後に逆極性電荷が蓄積されずべ夕部の再現性はよいが、低濃度の細線の再現性が劣ること、等々である。
【0011】
一般に現像は、かぶりと濃度のトレードオフであり、そのラチチユードが現像性を大きく左右するものであるが、IAEよりもBAEの方がラチチユードは広い。
一方、転写分離性能は、転写効率と分離、再転写のラチチユードに大きく左右されるものであるが、IAEでは非画像部(背景部)の電位が画像部より高いため、IAEよりもBAEの方がラチチユードは広い。
【0012】
また、クリーニング突入時には感光体の電位は減衰しているため、電位の低い部分に現像する方式のIAEでは、クリーニング部位で多くの現像剤が感光体に付着し易く、クリーニングに関しても、IAEよりもBAEの方がラチチユードは広い。
【0013】
このように、BAEの方が設計し易く、結果的にラチチユードの広い安定した電子写真装置を供給できるというポテンシャルを有している。
しかし、レーザービーム走査による画像記録においては、以下に記すようにIAEよりもBAEの方がラチチユードが狭いという難点がある。
【0014】
一般に、レーザービーム走査による画像記録技術は、レーザーのスポットの大きさ・形状・パワー等が画質や安定性に大きな影響を与える。
特に電子写真をベースとしたレーザビームプリンターにおいては、帯電によって得られた一様な表面電位分布をレーザービームを照射することによりdecayさせ潜像を形成していくため、このレーザスポット形状により形成された分布に影響を与える。
IAEにおいては、記録画像領域(黒化部)にレーザビームを照射し、表面電位をdecayさせ電位の下がった部分に現像剤を付着させる。
【0015】
したがって、走査線間隔に対してレーザースポット径が大きい場合やレーザパワーが大きすぎる場合には文字やラインの線幅が太りつぶれたようになる。BAEでは背景部(非黒化部)にレーザビームを照射し表面電位をdecayさせ、現像剤を付着させる領域はdecayしていない表面電位の高い領域である。
このため、走査線間隔に対してレーザースポット径が大きい場合やレーザパワーが大きすぎる場合には文字やラインの線幅が細くなりかすれてくる。したがって各画像形成方式においてレーザスポット径やパワーには上限がある。
【0016】
図4は、左側部にIAEの1ラインの状態、すなわち1ラインのみレーザーONの状態を、右側部にBAEの1ラインの状態、すなわち1ラインのみレーザーOFFの状態を示し、IAEのラチチユードはVD-Vi、BAEのラチチユードはVb-V2である。
【0017】
この図からわかるように、BAEでは、走査線間隔に対してレーザースポット径が小さい場合やレーザパワーが小さすぎると、レーザー照射部に電位の隙間ができ、V2が高くなりラチチユードが小さくなるため、走査線間隔に対してレーザスポット径やパワーには下限がある。すなわち、BAEのラチチユードはIAEより狭いことが知られている。
したがって各画像形成方式において最適なレーザスポット径やパワーを設定する必要がある。
【0018】
光ビームの強度分布と感光体の感光特性、そして感光体上の電位分布の関係を図5に示す。この図5から分かるように、感光体の感光特性がリニアである場合には、光ビームの強度分布がそのまま感光体上の電位分布に反映されることが分かる。
【0019】
感光体は、有機系、無機系の2種類に大別される。
【0020】
(有機光導電体(OPC))
電子写真感光体の光導電材料として、近年、種々の有機光導電材料の開発が進み、特に電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型感光体は既に実用化され複写機やレーザービームプリンターに搭載されている。
【0021】
しかしながら、これらの感光体は一般的に耐久性が低いことが1つの大きな欠点であるとされてきた。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼけ等の電子写真物性面の耐久性および摺擦による感光体表面の摩耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性に大別され、いずれも感光体の寿命を決定する大きな要因となっている。
【0022】
この内、電子写真物性面の耐久性、特に画像ぼけに関しては、コロナ帯電器から発生するオゾン、NOx等の活性物質により感光体表面層に含有される電荷輸送物質が劣化することが原因であることが知られている。
また機械的耐久性に関しては、感光層に対して紙、レード/ローラー等のクリーニング部材、トナー等が物理的に接触して摺擦することが原因であることが知られている。
【0023】
電子写真物性面の耐久性を向上させるためには、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにくい電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の高い電荷輸送物質を選択することが知られている。また、機械的耐久性を上げるためには、紙やクリーニング部材による摺擦に耐えるために、表面の潤滑性を上げ摩擦を小さくすること、トナーのフィルミング融着等を防止するために表面の離形性をよくすることが重要であり、フツ素系樹脂粉体、フツ化黒鉛、ポリオレフイン系樹脂粉体等の滑材を表面層に配合することが知られている。
しかしながら、磨耗が著しく小さくなるとオゾン、NOx等の活性物質により生成した吸湿性物質が感光体表面に堆積し、その結果として表面抵抗が下がり、表面電荷が横方向に移動し、いわゆる画像流れを生ずるという問題があった。
【0024】
一方、感度に関しては、有機系の感光体の場合、キャリア伝導の原理からくる電界依存性を有するのが一般的であり、露光量に対する電位特性(横軸:露光量、縦軸:電位、以下、EV特性)が図2に示すように、下に凸の形状を有するため、小光量での光量変化が電位に反映され易い。したがって、Gauss分布の光量分布に対して、お椀型の電位分布を形成するので、光量分布の裾が変化する場合、ドット径の変化への影響度が大きく、画質に影響し易いという問題が有った。
さらに上記の理由により耐久によって磨耗させることが必要であるため、感度すなわちEV特性の耐久変化があり、また磨耗に伴う表面形状の変化が引き起こす光散乱により、ドットのボケが生じる、という問題が有った。
【0025】
(無機光導電体:アモルファスシリコン(a-Si)系感光体)
電子写真において、感光体における感光層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比「光電流(Ip)/暗電流(Id)」が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。
【0026】
特に、事務機としてオフィスで使用される画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点である。このような点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a-Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60-35059号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記載されている。
【0027】
a-Si:Hを用いた画像形成装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa-Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわち原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa-Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に供されている。
【0028】
また、特開昭54-83746号公報においては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa-Si(以下、「a-Si:X」と表記する)光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されている。当該公報においては、a-Siにハロゲン原子を1〜40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることができるとしている。
【0029】
また、特開昭57-11556号公報には、a-Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性および耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原子および炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面層を設ける技術が記載されている。
【0030】
さらに、特開昭60-67951号公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素および弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての技術が記載されており、特開昭62-168161号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0032】
さらに、特開昭57-158650号公報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの吸収係数比が0.2〜1.7であるa-Si:Hを光導電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置用感光体が得られることが記載されている。
【0033】
一方、特開昭60-95551号公報には、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温度を30〜40℃に維持して帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下と、それに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示されている。
これらの技術により、画像形成装置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性および使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
レーザーの発光分布は、1ドット内では近似的にGauss分布であり、UFSはそのまますべてドラム面に到達する。したがって、前記のようにEVの形状が下に凸であるOPCにおいては小光量での光量変化が電位に反映され易いため、Gauss分布の裾の光量が変化するとドット径が変化し、画質に影響し易い、という問題があった。
特に、高画質化が進み、ドット径を小さくしていくと、ドット径揺らぎの画質に与える影響は大きくなり、高画質化の障害になるものである。
【0035】
さらに、電子写真装置を設計する上では、ラチチユードが高く、安定性の高いBAEを用いたいところであるが、BAEは前記のように走査線間隔に対してレーザスポット径やパワーには上下限があるため、IAEよりもより高精度に最適なレーザスポット径やパワーを設定する必要がある。
しかし、実際の電子写真装置として組み上げる工程で高精度に設定するのには限界が有り、設定状態によってはレーザー発光のバラツキに起因するドット径揺らぎが生じることがあった。
【0036】
本発明は、オーバーフィールド型光学系を用いた電子写真装置を構成する際にGauss分布の裾の光量変化に対してドット径や、画質が影響を受けにくい、そして設定ラチチユードの広い、優れた電子写真装置および該装置による電子写真方法の提供を目的としている。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明に係る電子写真装置および電子写真方法にて達成される。要約すれば本発明は、オーバーフィールド型光学系と直線的なEV特性を持つa-Siとを用いた電子写真装置において、スポット光量分布を広げた位置に回転多面鏡面を設定することで、スポット光量分布中心付近の比較的光量の安定した部分のみを使用するものである。
【0038】
具体的には回転多面鏡に光ビームを入射させて偏向させる光走査装置を備えた電子写真装置において、表面層を有するa-Si系感光体を用い、且つ該回転多面鏡の反射面における光ビーム径Dと該回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wに、3.0≧D/W≧1.5なる関係を有しており、前記光ビームがレーザー光であり、前記感光体の表面におけるドット径が60μm以下であり、且つ前記感光体として、表面層の円筒軸の軸方向における膜厚ならびに屈折率を変化させることで画角特性が表面層の円筒軸の軸方向に均一になるように調整された感光体を使用することを特徴としている。
さらには、回転多面鏡に光ビームを入射させて偏向させる光走査装置を用いる電子写真方法において、表面層を具備しているa-Si系感光体を用い、且つ該回転多面鏡の反射面における光ビーム径Dと該回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wに、3.0≧D/W≧1.5なる関係を有するよう構成されており、前記光ビームがレーザー光であり、前記感光体の表面におけるドット径が60μm以下であり、且つ前記感光体として、表面層の円筒軸の軸方向における膜厚ならびに屈折率を変化させることで画角特性が表面層の円筒軸の軸方向に均一になるように調整された感光体を使用することを特徴としている。
【0039】
以上のような構成により、光量分布の裾の光量変化があっても、電位揺らぎ(ドット径の揺らぎ)に影響しにくく、安定したドット潜像を形成することが可能になる。また、OFSを用いることで回転多面鏡の小型化が可能。したがって、高速化が可能になるので、高耐久性のa-Siと非常によいマッチングとなる。
さらに、BAEにおいては、ドット潜像の不安定が画質に与える影響が、より顕著であるため、BAEにおいて本発明の効果は、より発揮される。
【0040】
一方、回転多面鏡によって光ビームを走査する原理上、感光体面に入射する光ビームの角度が異なるため、感光体面上で軸方向の光量分布(画角特性)を生じるが、可干渉性の表面層を有するa-Si感光体を用いることにより、干渉によって入射光量が変わるため、膜厚ならびに膜質によって画角特性を制御することが可能である。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施態様を具体的に詳細説明する。
図15は、本発明の画像形成装置用感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。
図15(a)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1102が設けられている。該感光層1102はa-Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103で構成されている。
【0042】
図15(b)は、本発明の画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。図15(b)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層102が設けられている。該感光層1102はa-Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103と、アモルファスシリコン系表面層1104とから構成されている。
【0043】
図15(c)は、本発明の画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。
図15(c)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1102が設けられている。該感光層1102はa-Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103と、アモルファスシリコン系表面層1104と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層1105とから構成されている。
【0044】
図15(d)は、本発明の画像形成装置用感光体のさらに他の層構成を説明するための模式構成図である。図15(d)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1102が設けられている。該感光層1102は光導電層1103を構成するa-Si:H,Xからなる電荷発生層1106ならびに電荷輸送層1107と、アモルファスシリコン系表面層1104とから構成されている。
【0045】
(支持体)
本発明において使用される支持体としては、導電性であっても、あるいは電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al,Cr,Mo,Au,In,Nb,Te,V,Ti,Pt,Pd,Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。
またポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
【0046】
本発明において使用される支持体1101の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体1100を形成し得るように適宜決定するが、画像形成装置用感光体1100としての可撓性が要求される場合には、支持体1101としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体1101は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。
【0047】
特にレーザー光等の可干渉性光を用いて像記録を行う場合には、可視画像において現われる、いわゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するために、帯電キャリアの減少が実質的にない範囲で支持体1101の表面に凹凸を設けてもよい。支持体1101の表面に設けられる凹凸は、特開昭60-168156号、同60-178457号、同60-226854号各公報等に記載された公知の方法により作成される。
【0048】
また、レーザー光等の可干渉光を用いた場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する別の方法として、帯電キャリアの減少が実質的にない絶囲で支持体1101の表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形状を設けてもよい。
すなわち、支持体1101の表面が画像形成装置用感光体1100に要求される解像力よりも微な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球状痕跡窪みによるものである。
【0049】
支持体1101の表面に設けられる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開昭61-231561号公報に記載された公知の方法により作成される。
また、レーザー光等の可干渉光を用いた場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するさらに別の方法として、感光層1102内、あるいは該層1102の下側に光吸収層等の干渉防止層あるいは領域を設けてもよい。
【0050】
(光導電層)
本発明において、その目的を効果的に達成するために支持体1101上、必要に応じて下引き層(不図示)上に形成され、感光層1102の一部を構成する光導電層1103は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成される。具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法等の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。
【0051】
これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、所望の特性を有する画像形成装置用感光体を製造するに当たっての条件の制御が比較的容易であることからしてグロー放電法、特にRF帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放電法が好適である。
【0052】
グロー放電法によって光導電層1103を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/およびハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体1101上にa-Si:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0053】
また、本発明において光導電層1103中に水素原子または/およびハロゲン原子が含有されることが必要であるが、これは、シリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させるために必須不可欠であるからである。よって水素原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子とハロゲン原子の和の量はシリコン原子と水素原子または/およびハロゲン原子の和に対して10〜30原子%、より好ましくは15〜25原子%とされるのが望ましい。
【0054】
本発明において使用されるSi供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4,Si26,Si38,Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、さらに、層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4,Si26が好ましいものとして挙げられる。
【0055】
そして、形成される光導電層1103中に水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるように図り、本発明の目的を達成する膜特性を得るために、これらのガスにさらにH2および/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形成することが必要である。
また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支えないものである。
【0056】
また本発明において使用されるハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。
【0057】
本発明において好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガスF2,BrF,ClF,ClF3,BrF3,BrF5,IF3,IF7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、例えばSiF4,Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0058】
光導電層1103中に含有される水素原子または/およびハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体1101の温度、水素原子または/およびハロゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0059】
本発明においては、光導電層1103には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層1103中に万偏なく均一に分布した状態で含有されてもよいし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
【0060】
前記伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0061】
第IIIb族原子としては、具体的には、硼素B、アルミニウムAl、ガリウムGa、インジウムIn、タリウムTl等があり、特にB,Al,Gaが好適である。
第Vb族原子としては、具体的には燐P、砒素As、アンチモンSb、ビスマスBi等があり、特にP,Asが好適である。
【0062】
光導電層103に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、好ましくは、1×10-2〜1×104原子ppm、より好ましくは、5×10-2〜5×103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子ppmとされるのが望ましい。
【0063】
伝導性を制御する原子、例えば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、光導電層103を形成するための他のガスとともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0064】
そのような第IIIb族原子導入用の原料物質として具体的には、硼素原子導入用としては、B26,B410,B59,B511,B610,B612,B614等の水素化硼素、BF3,BCl3,BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3,GaCl3,Ga(CH3)3,InCl3,TlCl3等も挙げることができる。
【0065】
第Vb族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3,P24等の水素化燐、PH4I,PF3,PF5,PCl3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3,SbF3,SbF6,SbCl3,SbCl6,BiH3,BiCl3,BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2および/またはHeにより希釈して使用してもよい。
【0066】
さらに本発明においては、光導電層1103に炭素原子および/または酸素原子および/または窒素原子を含有させることも有効である。炭素原子および/または酸素原子/およびまたは窒素原子の含有量はシリコン原子、炭素原子、酸素原子および窒素原子の和に対して好ましくは1×10-5〜10原子%、より好ましくは1×10-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5原子%が望ましい。
炭素原子および/または酸素原子および/または窒素原子は、光導電層中に万遍なく均一に含有されてもよいし、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があってもよい。
【0067】
本発明において、光導電層1103の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは20〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適には25〜40μmとされるのが望ましい。
【0068】
本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有する光導電層1103を形成するには、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体温度を適宜設定することが必要である。
【0069】
希釈ガスとして使用するH2および/またはHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対しH2および/またはHeを、通常の場合3〜20倍、好ましくは4〜16倍、最適には6〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0070】
反応容器内のガス圧も、同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5Torr、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好ましい。
【0071】
放電電力もまた同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対する放電電力を、通常の場合2〜7倍、好ましくは2.5〜6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定することが望ましい。
【0072】
さらに、支持体1101の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜310℃とするのが望ましい。
【0073】
本発明においては、光導電層を形成するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0074】
(表面層)
本発明においては、上述のようにして支持体1101上に形成された光導電層1103の上に、さらにアモルファスシリコン系の表面層1104を形成することが好ましい。この表面層1104は自由表面1106を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
【0075】
また、本発明においては、感光層1102を構成する光導電層1103と表面層1104とを形成する非晶質材料の各々がシリコン原子という共通の構成要素を有しているので、積層界面において化学的な安定性の確保が十分になされている。
【0076】
表面層1104は、アモルファスシリコン系の材料であれば、いずれの材質でも可能であるが、例えば、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下、「a-SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下、「a-SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下、「a-SiN:H,X」と表記する)、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以下、「a-SiCON:H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられる。
【0077】
本発明において、その目的を効果的に達成するために、表面層1104は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成される。
具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパックリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法等の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。
【0078】
これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、感光体の生産性から光導電層と同等の堆積法によることが好ましい。
【0079】
例えば、グロー放電法によってa-SiC:H,Xよりなる表面層1104を形成するには、基本的にはシリコン原子Siを供給し得るSi供給用の原料ガスと、炭素原子Cを供給し得るC供給用の原料ガスと、水素原子Hを供給し得るH供給用の原料ガスまたは/およびハロゲン原子Xを供給し得るX供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層1103を形成した支持体1101上にa-SiC:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0080】
本発明において用いる表面層の材質としてはシリコンを含有するアモルファス材料ならば何れでもよいが、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくとも1つ含むシリコン原子との化合物が好ましく、特にa-SiCを主成分としたものが好ましい。
表面層をa-SiCを主成分として構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対して30〜90%の範囲が好ましい。
【0081】
また、本発明において表面層1104中に水素原子または/およびハロゲン原子が含有されることが必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させるために必須不可欠である。
【0082】
水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原子%とするのが望ましい。また、弗素原子の含有量として、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には0.1〜10原子%、最適には0.6〜4原子%とされるのが望ましい。
【0083】
これらの水素および/または弗素含有量の範囲内で形成される感光体は、実際面において従来にない格段に優れたものとして充分適用させ得るものである。
すなわち、表面層内に存在する欠陥(主にシリコン原子や炭素原子のダングリングボンド)は画像形成装置用感光体としての特性に悪影響を及ぼすことが知られている。
【0084】
例えば自由表面から光導電層への電荷の注入による帯電特性の劣化、使用環境、例えば高い湿度のもとで表面構造が変化することによる帯電特性の変動、さらにコロナ帯電時や光照射時に光導電層により表面層に電荷が注入され、前記表面層内の欠陥に電荷がトラップされることにより繰り返し使用時の残像現象の発生等がこの悪影響として挙げられる。
【0085】
しかしながら、表面層内の水素含有量を30原子%以上に制御することで表面層内の欠陥が大幅に減少し、その結果、従来に比べて電気的特性面および高速連続使用性において飛躍的な向上を図ることができる。
【0086】
一方、前記表面層中の水素含有量が71原子%以上になると表面層の硬度が低下するために、繰り返し使用に耐えられなくなる。
したがって、表面層中の水素含有量を前記の範囲内に制御することが格段に優れた所望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因子の1つである。表面層中の水素含有量は、H2ガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
【0087】
また、表面層中の弗素含有量を0.01原子%以上の範囲に制御することで表面層内のシリコン原子と炭素原子の結合の発生をより効果的に達成することが可能となる。さらに、表面層中の弗素原子の働きとして、コロナ等のダメージによるシリコン原子と炭素原子の結合の切断を効果的に防止することができる。
【0088】
一方、表面層中の弗素含有量が15原子%を超えると表面層内のシリコン原子と炭素原子の結合の発生の効果およびシリコン原子と炭素原子の結合の切断を防止する効果がほとんど認められなくなる。さらに、過剰の弗素原子が表面層中のキャリアの走行性を阻害するため、残留電位や画像メモリーが顕著に認められてくる。
【0089】
したがって、表面層中の弗素含有量を前記範囲内に制御することが所望の電子写真特性を得る上で重要な因子の一つである。表面層中の弗素含有量は、水素含有量と同様にH2ガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
【0090】
本発明の表面層の形成において使用されるシリコンSi供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4,Si26,Si38,Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、さらに層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4,Si26が好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0091】
炭素供給用ガスとなり得る物質としては、CH4,C26,C38,C410等のガス状態の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられ、さらに層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でCH4,C26が好ましいものとして挙げられる。また、これらのC供給用の原料ガスを必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0092】
窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質としては、NH3,NO,N2O,NO2,H2O,O2,CO,CO2,N2等のガス状態の、またはガス化し得る化合物が有効に使用されるものとして挙げられる。また、これらの窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0093】
また、形成される表面層1104中に導入される水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるように図るために、これらのガスにさらに水素ガスまたは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形成することが好ましい。
また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支えないものである。
【0094】
ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。
また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化素化合物も有効なものとして挙げることができる。
【0095】
本発明において好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガスF2,BrF,ClF,ClF3,BrF3,BrF5,IF3,IF7等のハロゲン開化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、例えばSiF4,Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0096】
表面層1104中に含有される水素原子または/およびハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体1101の温度、水素原子または/およびハロゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0097】
炭素原子および/または酸素原子および/または窒素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有されてもよいし、表面層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があってもよい。
【0098】
さらに本発明においては、表面層1104には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層1104中に万偏なく均一に分布した状態で含有されてもよいし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
【0099】
前記の伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族原子またはn型伝導特性を与える周期律表第Vb族原子を用いることができる。
【0100】
第IIIb族原子としては、具体的には、硼素B、アルミニウムAl、ガリウムGa、インジウムIn、タリウムTl等があり、特にB,Al,Gaが好適である。
第Vb族原子としては、具体的には、燐P、砒素As、アンチモンSb、ビスマスBi等があり、特にP,Asが好適である。
表面層104に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1×103原子ppm、より好ましくは、1×10-2〜5×102原子ppm、最適には1×10-1〜1×102原子ppmとされるのが望ましい。
【0101】
伝導性を制御する原子、例えば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物資あるいは第Vb族原子導入用の原料物資をガス状態で反応容器内に、表面層104を形成するための他のガスとともに導入してやればよい。
第III族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常でガスのまたは、少なくとも層形成条件で容易にガス化し得るものが採用されるのがのぞましい。
【0102】
そのような第IIIb族原子導入用の原料物質として、具体的には、硼素原子導入用としては、B26,B410,B59,B610,B612,B614等の水素化硼素、BF3,BCl3,BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3,GaCl3,Ga(CH3)3,InCl3,TlCl3等も挙げることができる。
【0103】
第Vb族原子導入用の原料物質として、有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3,P24等の水素化燐、PH4I,PF3,PF5,PCl3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。
この他、AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3,SbH3,SbF5,SbCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物資の有効なものとして挙げることができる。
また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0104】
本発明における表面層104の層厚としては、通常0.01μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる。
【0105】
本発明による表面層1104は、その要求される特性が所望通りに与えられるように注意深く形成される。すなわち、Si,Cおよび/またはNおよび/またはO,Hおよび/またはXを構成要素とする物質はその形成条件によって構造的には結晶からアモルファスまでの形態を取り、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性までの間の性質を、また、光導電的性質から非光導電的性質までの間の性質を各々示すので、本発明においては、目的に応じた所望の特性を有する化合物が形成されるように、所望にしたがってその形成条件の選択が厳密になされる。
【0106】
例えば、表面層1104を耐圧性の向上を主な目的として設けるには、使用環境において電気絶縁性的挙動の顕著な非単結晶材料として作成される。
また、連続繰り返し使用特性や使用環境特性の向上を主たる目的として表面層1104が設けられる場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和され、照射される光に対してある程度の感度を有する非単結晶材料として形成される。
【0107】
さらに、本発明に係る帯電機構においては、表面層の低抵抗による画像流れを防止し、あるいは残留電位等の影響を防止するために、一方では帯電効率を良好にするために、層作成に際してその抵抗値を適宜に制御することが好ましい。
【0108】
本発明の目的を達成し得る特性を有する表面層1104を形成するには、支持体1101の温度、反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する必要がある。
支持体1101の温度(Ts)は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜300℃とするのが望ましい。
【0109】
反応容器内のガス圧も、同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは1×10-4〜10Torr、より好ましくは5×10-4〜6Torr、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好ましい。
【0110】
本発明においては、表面層を形成するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0111】
さらに本発明においては、光導電層と表面層の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表面層より減らしたブロッキング層(下部表面層)を設けることも帯電能等の特性をさらに向上させるためには有効である。
また表面層1104と光導電層1103との間に炭素原子および/または酸素原子および/または窒素原子の含有量が光導電層1103に向かって減少するように変化する領域を設けてもよい。これにより表面層と光導電層の密着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影響をより少なくすることができる。
【0112】
(電荷注入阻止層)
本発明の画像形成装置用感光体においては、導電性支持体と光導電層との間に導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設けるのがいっそう効果的である。
すなわち、電荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。
そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0113】
該層に含有される伝導性を制御する原子は、該層中に万偏なく均一に分布されてもよいし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するように含有させるのが好適である。
しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0114】
電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族原子またはn型伝導特性を与える周期律表原子を用いることができる。
【0115】
第IIIb族原子としては、具体的には、B(ほう素),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),In(インジウム),Ta(タリウム)等があり、特にB,Al,Gaが好適である。第V族原子としては、具体的にはP(リン),As(砒素),Sb(アンチモン),Bi(ビスマス)等があり、特にP,Asが好適である。
【0116】
本発明において電荷注入阻止層中に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、本発明の目的が効果的に達成できるように所望にしたがって適宜決定されるが、好ましくは10〜1×104原子ppm、より好適には50〜5×103原子ppm、最適には1×102〜1×103原子ppmとされるのが望ましい。
【0117】
さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、窒素原子および酸素原子の少なくとも一種を含有させることによって、該電荷注入阻止層に直接接触して設けられる他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図ることができる。
【0118】
該層に含有される炭素原子または窒素原子または酸素原子は、該層中に万偏なく均一に分布されてもよいし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。
しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0119】
本発明における電荷注入阻止層の全層領域に含有される炭素原子および/または窒素原子および/または酸素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成されるように適宜決定されるが、一種の場合はその量として、二種以上の場合はその総和として、好ましくは1×10-3〜50原子%、より好適には5×10-3〜30原子%、最適には1×10-2〜10原子%とされるのが望ましい。
【0120】
また、本発明における電荷注入阻止層に含有される水素原子および/またはハロゲン原子は層内に存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。電荷注入阻止層中の水素原子またはハロゲン原子あるいは水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適には1〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適には10〜30原子%とするのが望ましい。
【0121】
本発明において、電荷注入阻止層の層厚は、所望の電子写真特性が得られること、および経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
【0122】
本発明において電荷注入阻止層を形成するには、前述の光導電層を形成する方法と同様の真空堆積法が採用される。
本発明の目的を達成し得る特性を有する電荷注入阻止層105を形成するには、光導電層1103と同様に、Si供給用のガスと帝釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体1101の温度を適宜設定することが必要である。
【0123】
希釈ガスであるH2および/またはHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対しH2および/またはHeを、通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適には5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0124】
反応容器内のガス圧も、同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5Torr、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好ましい。
【0125】
放電電力もまた同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対する放電電力を、通常の場合1〜7倍、好ましくは2〜6倍、最適には3〜5倍の、範囲に設定することが望ましい。
【0126】
さらに、支持体1101の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜300℃とするのが望ましい。
【0127】
本発明においては、電荷注入阻止層を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは、通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層作成ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0128】
このかに、本発明の画像形成装置用感光体においては、感光層1102の前記支持体1101側に、少なくともアルミニウム原子、シリコン原子、水素原子または/およびハロゲン原子層厚方向に不均一な分布状態で含有する層領域を有することが望ましい。
【0129】
また、本発明の画像形成装置用感光体においては、支持体1101と光導電層1103あるいは電荷注入阻止層105との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、Si34,SiO2,SiOあるいはシリコン原子を母体とし、水素原子および/またはハロゲン原子と、炭素原子および/または酸素原子および/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けてもよい。さらに、前述のごとく、支持体からの反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けてもよい。
【0130】
次に、感光層を形成するための装置および膜形成方法について詳述する。
図16は電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(以後「RF-PCVD」と略記する)による画像形成装置用感光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。図16に示す製造装置の構成は以下の通りである。
【0131】
この装置は大別すると、堆積装置2100、原料ガスの供給装置2200、反応容器2111内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置2100中の反応容器2111内には円筒状支持体2112、支持体加熱用ヒーター2113、原料ガス導入管2114が設置され、さらに高周波マッチングボックス2115が接続されている。
【0132】
原料ガス供給装置2200は、SiH4,GeH4,H2,CH4,B26,PH3等の原料ガスのボンベ2221〜2226とバルブ2231〜2236,2241〜2246,2251〜2256およびマスフローコントローラー2211〜2216から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ2260を介して反応容器2111内のガス導入管2114に接続されている。
【0133】
この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば以下のように行なうことができる。まず、反応容器2111内に円筒状支持体2112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器2111内を排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター2113により円筒状支持体2112の温度を200〜350℃の所定の温度に制御する。
【0134】
堆積膜形成用の原料ガスを反応容器2111に流入させるには、ガスボンベのバルブ2231〜2236、反応容器のリークバルブ2117が閉じられていることを確認し、また、流入バルブ2241〜2246、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ2260が開かれていることを確認して、まずメインバルブ2118を開いて反応容器2111およびガス配管2116内を排気する。
【0135】
次に真空計2119の読みが約5×10-6Torrになった時点で補助バルブ2260、流出バルブ2251〜2256を閉じる。
その後、ガスボンベ2221〜2226より各ガスをバルブ2231〜2236を開いて導入し、圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を2Kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ2241〜2246を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラー2211〜2216内に導入する。
【0136】
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体2112が所定の温度になったところで流出バルブ2251〜2256のうちの必要なものおよび補助バルブ2260を徐々に開き、ガスボンベ2221〜2226から所定のガスをガス導入管2114を介して反応容器2111内に導入する。
【0137】
次にマスフローコントローラー2211〜2216によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反応容器2111内の圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計2119を見ながらメインバルブ2118の開口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.56MHzのRF電源(不図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス2115を通じて反応容器2111内にRF電力を導入し、グロー放電を生起させる。
【0138】
この放電エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状支持体2112上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の感光層が形成される。
【0139】
それぞれの層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うまでもなく、また、それぞれのガスが反応容器(2111)内、流出バルブ2251〜2256から反応容器2111に至る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ2251〜2256を閉じ、補助バルブ2260を開き、さらにメインバルブ2118を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0140】
また、膜形成の均一化を図るために、層形成を行なっている間は、支持体2112を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。
さらに、上述のガス種およびバルブ操作は各々の層の作成条件にしたがって変さらが加えられることは言うまでもない。
【0141】
次に、電源にVHF帯の周波数を用いた高周波プラズマCVD(以後「VHF-PCVD」と略記する)法によって形成される画像形成装置用感光体の製造方法について説明する。
【0142】
図16に示した製造装置におけるRF-PCVD法による堆積装置2100を図17に示す堆積装置3100に交換して原料ガス供給装置2200と接続することにより、VHF-PCVD法による以下の構成の画像形成装置用感光体製造装置を得ることができる。
【0143】
この装置は大別すると、真空気密化構造をなし減圧し得る反応容器3111、原料ガスの供給装置2200、および反応容器内を減圧にするための排気装置(不図示)から構成されている。この反応容器3111内には、円筒状支持体3112、支持体加熱用ヒーター3113、原料ガス導入管3114、電極が設置され、電極にはさらに高周波マッチングボックス(不図示)が接続されている。また、反応容器3111内は排気管3121を通じて不図示の拡散ポンプに接続されている。
【0144】
原料ガス供給装置2200は、SiH4,GeH4,H2,CH4,B26,PH3等の原料ガスのボンベ2221〜2226とバルブ2231〜2236,2241〜2246,2251〜2256およびマスフローコントローラー2211〜2216から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ2260を介して反応容器3111内のガス導入管3114に接続されている。また、円筒状支持体3115によって取り囲まれた空間3130が放電空間を形成している。
【0145】
VHF-PCVD法によるこの装置での堆積膜の形成は、以下のように行なうことができる。
まず、反応容器3111内に円筒状支持体3115を設置し、駆動装置3120によって支持体3115を回転し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器3111内を排気管3121を介して排気し、反応容器3111内の圧力を1×10-7Torr以下に調整する。続いて、支持体加熱用ヒーター3116により円筒状支持体3115の温度を200〜350℃の所定の温度に加熱保持する。
【0146】
堆積膜形成用の原料ガスを反応容器3111に流入させるには、ガスボンベのバルブ2231〜2236、反応容器のリークバルブ(不図示)が閉じられていることを確認し、また、流入バルブ2241〜2246、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ2260が開かれていることを確認して、まずメインバルブ(不図示)を開いて反応容器3111およびガス配管3122内を排気する。
【0147】
次に真空計(不図示)の読みが約5×10-6Torrになった時点で補助バルブ2260、流出バルブ2251〜2256を閉じる。
その後、ガスボンベ2221〜2226より各ガスをバルブ2231〜2236を開いて導入し、圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を2Kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ2241〜2246を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラー2211〜2216内に導入する。
【0148】
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下のようにして円筒状支持体3115上に各層の形成を行う。
円筒状支持体3115が所定の温度になったところで流出バルブ2251〜2266のうちの必要なものおよび補助バルブ2260を徐々に開き、ガスボンベ2221〜2226から所定のガスをガス導入管3117を介して反応容器3111内の放電空間3130に導入する。次にマスフローコントローラー2211〜2216によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、放電空間3130内の圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計(不図示)を見ながらメインバルブ(不図示)の開口を調整する。
【0149】
圧力が安定したところで、周波数500MHzのVHF電源(不図示)を所望の電力に設定して、マッチングボックス(不図示)を通じて放電空間3130にVHF電力を導入し、グロー放電を生起させる。
かくして支持体3115により取り囲まれた放電空間3130において、導入された原料ガスは、放電エネルギーにより励起されて解離し、円筒状支持体3115上に所定の堆積膜が形成される。このとき、層形成の均一化を図るため支持体回転用モーター3120によって、所望の回転速度で回転させる。
所望の膜犀の形成が行われた後、VHF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
【0150】
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の感光層が形成される。
それぞれの層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うまでもなく、また、それぞれのガスが反応容器3111内、流出バルブ2251〜2256から反応容器3111に至る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ2251〜2256を閉じ、補助バルブ2260を開き、さらにメインバルブ(不図示)を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0151】
上述のガス種およびバルブ操作は各々の層の作成条件にしたがって変が加えられることは言うまでもない。
いずれの方法においても、堆積膜形成時の支持体温度は、特に200℃以上350℃以下、好ましくは230℃以上330℃以下、より好ましくは250℃以上300℃以下が好ましい。
【0152】
支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用することができる。
【0153】
それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の容器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で支持体を搬送する等の方法が用いられる。
また、特にVHF-PCVD法において、放電空間の圧力として、好ましくは1mTorr以上500mTorr以下、より好ましくは3mTorr以上300mTorr以下、最も好ましくは6mTorr以上100mTorr以下に設定することが望ましい。
【0154】
VHF-PCVD法において、放電空間に設けられる電極の大きさおよび形状は、放電を乱さないならばいずれのものでもよいが、実用上は直径1mm以上10cm以下の円筒状が好ましい。このとき、電極の長さも、支持体に電界が均一にかかる長さであれば任意に設定できる。
【0155】
電極の材質としては、表面が導電性となるものならばいずれのものでもよく、例えば、ステンレス,Al,Cr,Mo,Au,In,Nb,Te,V,Ti,Pt,Pb,Fe等の金属、これらの合金または表面を導電処理したガラス、セラミック、プラスチック等が通常使用される。
【0156】
以上述べてきた手段および作用を単独に、あるいは組み合わせて用いることにより、優れた効果を引き出すことが可能である。
感度に関しては、アモルファスシリコン感光体の場合、キャリア伝導の原理的に電界依存性は有しないのが一般的であり、EV特性は図1に示すように、直線的な形状を有するため、光量変化が電位に反映され易いという光量はない。
【0157】
したがって、Gauss分布の光量分布に対して、電位分布もGauss分布になるので、光量分布の裾が変化する場合にも、ドット径の変化への影響度は比較的小さく、画質に影響しにくい、という利点がある。
また、耐久によって磨耗させることが必須ではないため、感度すなわちEV特性の耐久変化は少なく、OPCのような摩耗に伴う問題はない。
【0158】
【実施例】
本発明をさらに以下の実施例により説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
【0159】
(試験例1)
図3に示すような光走査装置、および記録媒体106の周りには、図18に示すような帯電、露光、現像、紙搬送等の配置された電子写真装置を用いた。
図3の光走査装置は、レーザダイオード100、回転多面鏡102、レーザダイオード100から出射されたレーザビームを回転多面鏡102に導く光源光学系104、回転多面鏡102で偏向されたレーザビームを記録媒体106に導き走査する走査光学系108から成り立っている。
【0160】
図18は電子写真装置の画像形成プロセスを示す概略図であって、×方向に回転する紙面に垂直方向の回転円筒状の感光体1801の周辺には該感光体に近接して主帯電器1802、画像形成光線1803、現像器1804、転写紙給送系1810、転写・分離帯電器1812、クリーニング装置1805、主除電光源1806、搬送系1813等が配設してある。
【0161】
感光体1801は主帯電器1802によって一様に帯電され、これに原稿の情報を有した画像形成光線1803を照射することによって、感光体1801上に静電潜像が形成される。
該潜像は現像器1804からトナーが供給されて可視像、すなわち、トナー像となる。
【0162】
一方、転写材Pは転写紙通路1811、レジストローラ1809よりなる転写紙供給系1810を通って、感光体1801方向へと供給され、転写帯電器1812と感光体1801との間隙において、背面からトナーとは反対極性の電界を与えられ、これによって、感光体表面のトナー像は転写材Pに転移する。
分離された転写材Pは、転写紙給送系1813を通って定着装置(図示せず)に至って装置外に排出される。
【0163】
なお、転写部位において転写に寄与せず感光体表面に残る残留トナーは、クリーナー1805に至り、クリーニングプレード1807によってクリーニングされ、クリーニングにより更新された感光体1801は、さらに主除電光源1806から除電光を与えられて再び次の画像形成プロセスに供せられる。
【0164】
以上のような装置において、IAEにて1画素を1ドットで形成するドット画像を作成し、各々のドットの平均面積に対する、ドット面積の標準偏差を、ドット揺らぎと定義し、ドット面積を変えてドット揺らぎを測定した結果を、図9に示す。図1に示すような感光特性を有するa-Si感光体を用いた場合の方が、図2に示すような感光特性を有するOPC感光体を用いた場合よりも、ドット径xを小さくしていく際のドット揺らぎの悪化は少ないことがわかる。
【0165】
(試験例2)
図7に示すような光走査装置にした以外は試験例1と同様の装置にa-Si感光体を用い、IAEにて回転多面鏡の反射面における光ビーム径Dと回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wの関係を変えて、ドット揺らぎを測定した結果を、図11に示す。
D/Wを大きくする方が、ドット揺らぎは小さくなり、ドット径xの小さいものほど効果が顕著であり、60μm以下で効果があることがわかる。
【0166】
(試験例3)
試験例2と同様の装置にa-Si感光体を用い、同様の試験をし、ドット径30μmにて画像形成方式を比較した結果を、図12に示す。IAEよりBAEの方が、D/Wを大きくして、ドット揺らぎが小さくなる効果が著であることが分かる。
【0167】
(試験例4)
回転多面鏡の隣接面からの反射光等の迷光の、真のビーム光に対する比をフレアとして定義し、試験例2と同様の装置にa-Si感光体を用い、図7のタイプと図8のタイプの光学系において、DとWの関係を変えて、フレアを測定した結果を、図13に示す。
D/Wを大きくして行くとフレアが悪化する傾向にあるが、図7のタイプより図8のタイプの方が、フレアが出難い傾向にあることがわかる。
【0168】
(試験例5)
感光体の暗部電位から一定の電位を減衰させるのに必要な露光量を感度と定義し、a-Si感光体の表面層の膜厚膜質を変化させて、感度を測定した結果を、図14に示す。屈折率、膜厚を変化させることにより感度は変化する傾向にあることがわかる。
【0169】
[参考例1]
図18に示すような構成を有するアナログ式キャノン製複写機NP6750を図3に示すような光走査装置を備えたデジタル式に改造した装置を用いた。
光学系のタイプは図7に示すもので、画像形成方式はIAE、感光体はa-Si系感光体で表面層による画角調整は行わなかった。
【0170】
感光体表面でのドット径は30μm、回転多面鏡面上でのD/Wを2.0とし、ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度をそれぞれ、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本参考例の系では総合的に良好との結果が得られた。
【0171】
[参考例2]
光学系のタイプが図8に示すものを用いた以外は、参考例1と同様の装置を用い、ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度を、それぞれ、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本参考例の系では総合的に良好との結果が得られた。
【0172】
[参考例3]
画像形成方式をBAEにした以外は、参考例2と同様の装置を用い、ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度をそれぞれ、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本参考例の系では総合的に非常に良好、との結果が得られた。
【0173】
[実施例1]
a-Si系感光体の円筒軸軸方向で表面層の膜質膜厚をコントロールし、画角特性による電位むらを調整した以外は、参考例3と同様の装置を用い、ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度をそれぞれ、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本実施例の系では総合的に非常に良好、との結果が得られた。
【0174】
[比較例1]
感光体をOPCにした以外は、参考例3と同様の装置を用い、ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度をそれぞれ、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本比較例の系では総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0175】
[比較例2]
D/Wを1.0にした以外は、実施例1と同様の装置を用い、ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度を、それぞれ「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本比較例の系では総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0176】
[比較例3]
感光体表面でのドット径を70μmにした以外は、実施例1と同様の装置を用いドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度をそれぞれ、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本比較例の系では総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0177】
[比較例4]
回転多面鏡面上でのD/Wを4.0にした以外は実施例1と同様の装置を用い、ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度を、それぞれ、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本比較例の系では総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0178】
[比較例5]
光学系のタイプが図7に示すものを用いた以外は、比較例4と同様の装置を用い、ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチユード、画質解像度を、それぞれ、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上問題なし、「×」は実用上問題あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本比較例の系では総合的に実用上問題あり、との結果が得られた。
【0179】
【表1】
Figure 0003733246
【0180】
【発明の効果】
上記のように、回転多面鏡に光ビームを入射させて偏向させる光走査装置を備えた電子写真装置において、a-Si系感光体を用い、且つ該回転多面鏡の反射面における光ビーム径Dと該回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wに、3.0≧D/W≧1.5なる関係を有することを特徴とし、スポット光量分布中心付近の比較的光量の安定した部分のみを使用する、といった構成により、光量分布の裾の光量変化があっても、電位揺らぎ(ドット径の揺らぎ)に影響しにくく、安定したドット潜像を形成することが可能になる、という優れた効果を発揮する。
【0181】
また、OFSを用いることにより回転多面鏡の小型化が可能となる。したがって、高速化が可能になるので、高耐久性のa-Siと非常によいマッチングとなるため、高画質のプリントを高速高耐久で実現可能な電子写真装置を提供することができる。
さらに、BAEにおいては、ドット潜像の不安定が画質に与える影響が、より顕著であるため、本発明の効果は、BAEにおいてより発揮される。
【0182】
一方、回転多面鏡によって光ビームを走査する原理上、感光体面に入射する光ビームの角度が異なるため、感光体面上で軸方向の光量分布(画角特性)を生じるが、可干渉性の表面層を有するa-Si感光体を用いることにより、干渉によって入射光量が変わるため、膜厚膜質によって画角特性を制御することが可能である等々の優れて顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】a-Si感光体の感光特性を示すグラフ図。
【図2】OPC感光体の感光特性を示すグラフ図。
【図3】光走査装置の概要を示す模式図。
【図4】IAEおよびBAEのラチチユードの一例を示すグラフ図。
【図5】露光分布と感光体EV特性および電位分布の関係を示すグラフ図。
【図6】アンダーフィールド型光学系UFSの概要、回転多面鏡例を示す模式図。
【図7】オーバーフィールド型光学系OFSの概要、回転多面鏡例を示す模式図。
【図8】透過光量分布型のフィルター付光量分布整形型光学系の概要、回転多面鏡例を示す模式図。
【図9】ドット面積を変えてドット揺らぎを測定した結果の一例を示すグラフ図。
【図10】光源光学系で回転多面鏡へ入射する光ビームの幅を広くし、回転多面鏡の一反射面で反射する光ビームのムラを小さくした光学系の概要、回転多面鏡例を示す模式図。
【図11】光ビーム径と回転多面鏡の対向面の主走査方向幅の関係を変えてドット揺らぎを測定した結果の一例を示すグラフ図。
【図12】ドット径30μmにて画像形成方式(IAE,BAE)を比較した結果の一例を示すグラフ図。
【図13】オーバーフィールド型光学系(図7)、フィルター付光量分布整形型光学系(図8)において、DとWの関係を変えて、フレアを測定した結果の一例を示すグラフ図。
【図14】a-Si感光体の表面層の膜厚・膜質を変化させて感度を測定した結果の一例を示すグラフ図。
【図15】本発明の画像形成装置用感光体の層構成を示す模式説明図。
【図16】RF-PCVDによる画像形成装置用感光体の一製造装置の概要を示す模式説明図。
【図17】堆積装置の概要を示す模式説明図。
【図18】電子写真装置の画像形成プロセスを示す概略説明図。
【符号の説明】
100 レーザダイオード
102 回転多面鏡
104 光源光学系
106 記録媒体
108 走査光学系
112 回転多面鏡
112A 反射面
126 フィルター
128 走査レンズ
1100 画像形成装置用感光体
1101 支持体
1102 感光層
1103 光導電層
1104 アモルファスシリコン系表面層
1105 アモルファスシリコン系電荷注入阻止層
1106 電荷発生層
1107 電荷輸送層
1801 感光体
1802 主帯電器
1803 画像形成光線
1804 現像器
1805 クリーニング装置
1806 主除電光源
1807 クリーニングブレード
1809 レジストローラー
1810 転写紙給送系
1812 転写・分離帯電器
1813 搬送系
2100 堆積装置
2111 反応容器
2112 円筒状支持体
2113 支持体加熱用ヒーター
2114 原料ガス導入管
2115 高周波マッチングボックス
2116 ガス配管
2117 リークバルブ
2118 メインバルブ
2119 真空計
2200 原料ガス供給装置
2211〜2216 マスフローコントローラー
2221〜2226 原料ガスのボンベ
2231〜2236 ガスボンベのバルブ
2241〜2246 流入バルブ
2251〜2256 流出バルブ
2260 補助バルブ
2261〜2266 圧力調整器
3100 堆積装置
3111 反応容器
3112,3115 円筒状支持体
3113,3116 支持体加熱用ヒーター
3120 駆動装置(支持体回転用モーター)
3121 排気管
3130 放電空間

Claims (4)

  1. 回転多面鏡に光ビームを入射させて偏向させる光走査装置を備えた露光法により画像形成する電子写真装置において、表面層を有するa-Si系感光体が用いられ、且つ前記回転多面鏡の反射面における光ビーム径D、および該回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wとに関し、下記の式(I)
    3.0≧D/W≧1.5 (I)
    で表わされる関係を有しており、前記光ビームがレーザー光であり、前記感光体の表面におけるドット径が60μm以下であり、且つ前記感光体として、表面層の円筒軸の軸方向における膜厚ならびに屈折率を変化させることで画角特性が表面層の円筒軸の軸方向に均一になるように調整された感光体を使用することを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記画像形成の方式が、非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露光法であることを特徴とする、請求項1記載の電子写真装置。
  3. 回転多面鏡に光ビームを入射させて偏向させる光走査装置を備えた露光法により画像形成する電子写真方法において、表面層を具備しているa-Si系感光体を用い、且つ前記回転多面鏡の反射面における光ビーム径D、および該回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wとに関し、下記の式(I)
    3.0≧D/W≧1.5 (I)
    で表わされる関係を有するよう構成されており、前記光ビームをレーザー光とし、且つ前記感光体の表面におけるドット径を60μm以下とし、前記感光体として、表面層の円筒軸の軸方向における膜厚ならびに屈折率を変化させることで画角特性が表面層の円筒軸の軸方向に均一になるように調整された感光体を使用することを特徴とする電子写真方法。
  4. 前記画像形成の方式を、非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露光法とすることを特徴とする、請求項3記載の電子写真方法。
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