JP2001318516A - 電子写真方法、装置、および感光体 - Google Patents

電子写真方法、装置、および感光体

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JP2001318516A
JP2001318516A JP2000138601A JP2000138601A JP2001318516A JP 2001318516 A JP2001318516 A JP 2001318516A JP 2000138601 A JP2000138601 A JP 2000138601A JP 2000138601 A JP2000138601 A JP 2000138601A JP 2001318516 A JP2001318516 A JP 2001318516A
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Masaya Kawada
将也 河田
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Hironori Owaki
弘憲 大脇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像露光、ビーム走査型等の可干渉光の光学
系を用いる電子写真装置の高速化・長寿命化に対応し、
EV流れ等の画質低下やGauss分布の裾部等の光量変化
に対してドット径、画質の設定ラチチュードの広い電子
写真方法・装置およびその感光体の提供。 【解決手段】 高感度でEV特性の直線性を制御された
a-Si感光体を用い露光光量を規定[感光体に画像露光
の照射を行う電子写真装置の、1/2感度が500〜2
000V・cm2/μJの範囲で、且つ1/2感度と1/4感度
との比(EV直線性)が±0.2の範囲のa-Si系感光体
を用い、画像露光の光量を0.15〜0.6μJ/cm2の範
囲で使用]することにより目的の電子写真方法・装置を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザビームプリン
タ、レーザ複写機、レーザファクシミリ等の可視光、ラ
イン走査レーザー光等の可干渉光を感光体に露光して潜
像形成を行う電子写真に関し、特、光ビームを記録媒体
上にて走査させる光走査装置を備えた電子写真方法、装
置、およびこえれに用いる感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザプリンタ等のデジタル電子
写真装置は、その画質の良さおよび高速プリントアウト
等の特徴から注目を浴びている。
【0003】[電子写真プロセスについての説明]図18
はレーザープリンタ等の、電子写真装置の画像形成プロ
セスを示す概略図であって、紙面に垂直方向の回転円筒
状の感光体1801の周辺には該感光体に近接して主帯
電器1802、画像形成光線1803、現像器180
4、転写紙給送系1810、転写・分離帯電器181
2、クリーニング装置1805、主除電光源1806、
搬送系1813等が配設してある。
【0004】感光体1801はX方向に回転駆動し、主
帯電器1802によって一様に帯電され、これに原稿の
情報を有した画像形成光線1803に照射することによ
って、感光体1801上に静電潜像が形成される。該潜
像は現像器1804からトナーが供給されて可視像、す
なわち、トナー像となる。
【0005】一方、転写材Pは転写紙通路1811、レ
ジストローラ1809よりなる転写紙供給系1810を
通って、感光体1801方向へと供給され、転写帯電器
1812と感光体1801との間隙において、背面から
トナーとは反対極性の電界を与えられ、これによって、
感光体表面のトナー像は転写材Pに転移する。分離され
た転写材Pは、転写紙搬送系1813を通って定着装置
(図示せず)に至って装置外に排出される。
【0006】なお、転写部位において転写に寄与せず感
光体表面に残る残留トナーは、クリーナー1805に至
り、クリーニングブレード1807によってクリーニン
グされ、クリーニングにより更新された感光体1801
は、さらに主除電光源1806から除電光を与えられて
再び次の画像形成プロセスに供せられる。
【0007】[走査光学系(レーザー、ポリゴン)につい
ての説明]このレーザプリンタ等に搭載されるレーザビ
ームを偏向して記録媒体上を走査する性能は、レーザプ
リンタの画質およびプリント速度等の性能を大きく左右
する。また、高速化に伴うプリント枚数の増加、メンテ
ナンスフリーにかかる、装置の長寿命化も重要な特徴で
ある。
【0008】図3に示すように、通常、光走査装置はレ
ーザダイオード100、回転多面鏡102、レーザダイ
オード100から出射されたレーザビームを回転多面鏡
102に導く光源光学系104、回転多面鏡102で偏
向されたレーザビームを記録媒体である感光体106に
導き走査する走査光学系108から成り立っている。画
像形成光線は、レーザダイオード100で、所定の輝度
で発せられ、1本ないしは複数本の光線として感光体表
面に照射される。
【0009】[UFSとOFSについての説明]回転多面
鏡と入射ビームとの関係で大きく分けて2つの方式があ
る。一方は、図6に示すように回転多面鏡112の一つ
の反射面112Aの幅Wよりも入射する光ビームLの幅
Dが狭く、入射した光ビームLを全て走査レンズ120
に出射する形式の光学系(以下、アンダーフィールド型
光学系もしくはUFSという)である。
【0010】他方は、図7に示すように回転多面鏡12
2の一つの反射面112Aの幅Wよりも入射する光ビー
ムLの幅Dが広い過露光型の光学系(以下、オーバーフ
ィールド型光学系もしくはOFSという)である。
【0011】同じ走査レンズを用いる場合、オーバーフ
ィールド型光学系は、アンダーフィールド光学系よりも
回転多面鏡の径を小さくできるため、該多面鏡駆動用の
モータの負荷を低くできたり、電子写真装置の高速化へ
の対応に有利である等の特徴がある。しかしながら、入
射ビームの一部が切り取られて走査レンズに出射するた
めに、出射光量が記録媒体の位置によって差が生じ、画
像の濃度が部分的に異なる等の問題がある。
【0012】このため、USP3,558,208では図8に示すよ
うに、入射ビームが回転多面鏡112に入射する前に、
予め透過光量分布型のフィルター126を使って光ビー
ムLの光量分布を整形しておき、走査レンズ128への
出射ビームの光量が一定になるようにすることが提案さ
れている。
【0013】しかし、この装置では特殊なフィルターを
用いるため部品点数が増えてコストが上がる等の問題が
あった。一方、図10に示すように、光源光学系で回転
多面鏡112へ入射する光ビームLの幅を広くすること
により、回転多面鏡112の一つの反射面112Aで反
射する光ビームのムラを小さくすることが知られてい
る。
【0014】[LEDについての説明]デジタルタイプの
電子写真の画像形成には、前記の走査光学系の他にLE
Dアレイ等を使用する場合もある。該LEDアレイは一
般に列状に配置されたLED素子とレンズ等からなる。
【0015】該LEDの光の均一性や、応答性は、画質
およびプリント速度等の性能を大きく左右する。該LE
D素子は感光体の回転軸方向に平行に、前記の列を1列
ないしは複数列を配し、各LEDは形成する潜像に応じ
て、所定の輝度で発光する。
【0016】走査光学系(レーザ、ポリゴン)を使用する
系においても、またLEDを使用する系においても、光
を感光体表面に結像させるためのレンズ等の特性や精度
等により生じる結像誤差、収差等により、ドット画像の
先鋭度が低下する等の問題がある。このため、特開平7-
128960では、a-Si感光体の感光体層の膜厚を25μm
以下にするとともに、感光体の半減感度を規定して該露
光の中心光量のみを使用することが提案されている。
【0017】[IAEとBAEについての説明]デジタル
タイプの電子写真装置の画像形成方式は、画像情報と露
光部との関係で大きく分けて2つの方式がある。1つは
画像部を露光するイメージ露光法(以下、IAEという)
であり、もう1つは非画像部(背景部)を露光するバック
グラウンド露光法(以下、BAEという)である。
【0018】BAEはアナログタイプの電子写真装置の
画像形成方式と同じで、現像、クリーニング、現像剤、
等をアナログタイプの電子写真装置と共通化できるとい
うメリットがある。一方、IAEは正常に画像を得るた
めには逆極性の現像剤による反転現像を行わなければな
らない。両方式とも実用化されているが、それぞれ使用
する感光体・・現像剤等の制約で決定されることが多い。
【0019】[現像方式およびトナーについての説明]現
像方式は、モノクロ・カラー等、そのニーズによって1
成分現像・2成分ブラシ現像の様々な方式が考案もしく
は採用されている。一方、転写分離性能は、転写効率と
分離、再転写のラチチュードに大きく左右されるもので
あるが、IAEでは非画像部(背景部)の電位が画像部よ
り高いため、転写分離性能に関してはIAEよりもBA
Eの方がラチチュードは広い。
【0020】また、クリーニング突入時には感光体の電
位は減衰しているため、電位の低い部分に現像する方式
のIAEでは、クリーニング部位で多くの現像剤が感光
体に付着しやすく、クリーニングに関しても、IAEよ
りBAEの方がラチチュードは広い。
【0021】このように、BAEの方が設計しやすく、
結果的にラチチュードの広い安定した電子写真装置を供
給できるといったポテンシャルを有している。しかし、
光ビーム走査による画像記録においては、以下に記すよ
うにIAEよりBAEの方がラチチュードが狭くなる。
【0022】一般に、光ビーム走査による画像記録技術
は、光ビームのスポットの大きさ・形状・パワー等が画質
や安定性に大きな影響を与える。特に電子写真をベース
としてレーザビームプリンターにおいては、帯電によっ
て得られた一様な表面電位分布をレーザビームを照射す
ることによりdecayさせ潜像を形成していくため、この
光ビームスポット形状により形成された分布に影響を与
える。
【0023】IAEにおいては記録画像領域(黒化部)に
レーザビームを照射して表面電位をdecayせ電位の下が
った部分に現像剤を付着させる。したがって、走査線間
隔に対して光ビームスポット径が大きい場合や光ビーム
のパワーが大きすぎる場合には文字やラインの線幅が太
りつぶれたようになる。
【0024】BAEでは背景部(非黒化部)にレーザビー
ムを照射し表面電位をdecayさせ、現像剤を付着させる
領域はdecayしていない表面電位の高い領域である。こ
のため走査線間隔に対して光ビームスポット径が大きい
場合や光ビームのパワーが大き過ぎる場合には文字やラ
インの線幅が細くなりかすれてくる。したがって各画像
形成方式において光ビームスポット径やパワーには上限
がある。
【0025】図4は、左側部にIAEの1ラインの状
態、すなわち1ラインのみ光ビームONの状態を、右側
部BAEの1ラインの状態、すなわち1ラインのみ光ビ
ームOFFに潜像状態を示し、IAEのラチチュードは
VD-Vi、BAEのラチチュードはVb-V2である。
なお、この潜像は、図5のように露光手段の光分布と、
感光体のEV特性とから導くことができる。
【0026】この図からわかるように、BAEでは、走
査線間隔に対して光ビームスポット径が小さい場合や光
ビームパワーが小さ過ぎると、光ビーム照射部に電位の
隙間ができ、V2が高くなりラチチュードが小さくなる
ため、走査線間隔に対して光ビームスポット径やパワー
には下限がある。
【0027】すなわち、光ビーム照射による潜像形成に
関しては、BAEのラチチュードはIAEより狭いこと
が知られている。したがって、各画像形成方式において
最適な光ビームスポット径やパワーを設定する必要があ
る。
【0028】[感光体a-Si、OPCについての説明]感
光体は、有機系、無機系の2種類に大別される。(有機
光導電体(OPC))電子写真感光体の光導電材料として
近年種々の有機光導電材料の開発が進み、特に電荷発生
層と電荷輸送層を積層した機能分離型感光体は既に実用
化され複写機やレーザビームプリンターに搭載されてい
る。
【0029】しかしながら、これらの感光体は一般的に
耐久性が低いことが1つの大きな欠点であるとされてき
た。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼ
け等の電子写真物性面の耐久性および摺擦による感光体
表面の摩耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性に大別され、
いずれも感光体の寿命を決定する大きな要因となってい
る。
【0030】この内、電子写真物性面の耐久性、特に画
像ぼけに関しては、コロナ帯電器から発生するオゾン、
NOx等の活性物質により感光体表面層に含有される電
荷輸送物質が劣化することが原因であることが知られて
いる。また機械的耐久性に関しては、感光層に対して
紙、ブレード/ローラー等のクリーニング部材、トナー
等が物理的に接触して摺擦することが原因であることが
知られている。
【0031】電子写真物性面の耐久性を向上させるため
には、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにく
い電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の
高い電荷輸送物質を選択することが知られている。ま
た、機械的耐久性を上げるためには、紙やクリーニング
部材による摺擦に耐えるために、表面の潤滑性を上げ摩
擦を小さくすること、トナーのフィルミング融着等を防
止するために表面の離形性をよくすることが重要であ
り、フッ素系樹脂粉体、フッ化黒鉛、ポリオレフィン系
樹脂粉体等の滑剤を表面層に配合することが知られてい
る。しかしながら、摩耗が著しく小さくなるオゾン、N
Ox等の活性物質により生成した吸湿性物質が感光体表
面に堆積し、その結果として表面抵抗が下がり、表面電
荷が横方向に移動し、画像のぼけ(画像流れ)を生ずると
いう問題があった。
【0032】一方、感度に関しては、有機系の感光体の
場合、キャリア伝導の原理からくる電界依存性を有する
のが一般的であり、露光量に対する電位特性(横軸:露光
量、縦軸:電位、以下EV特性)が図2や図20に示すよ
うに、下に凸の形状を有するため、小光量での光量変化
が電位に反映されやすい。したがって、Gauss分布の光
量分布に対して、お椀型の電位分布を形成するので、光
量分布の裾が変化する場合、ドット径の変化への影響が
大きく、画質に影響し易い、という問題があった。さら
に上記の理由により耐久によって摩耗させることが必要
であるため、感度すなわちEV特性の耐久変化があり、
また摩耗に伴う表面形状の変化が引き起こす光散乱によ
り、ドットのボケが生じる、という問題があった。
【0033】(無機光導電体:アモルファスシリコン系感
光体(a-Si))電子写真において、感光体における感光
層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比
(光電流(Ip)/暗電流(Id)が高く、照射する電磁波の
スペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有するこ
と、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使
用時において人体に対して無害であること、等の特性が
要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される
画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の
場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点で
ある。このような点に優れた性質を示す光導電材料に水
素化アモルファスシリコン(以下、a-Si:H:と表記す
る)があり、例えば特公昭60-35059号公報には画像形成
装置用感光体としての応用が記載されている。
【0034】図15は、本発明の画像形成装置用感光体
の層構成を説明するための模式的構成図である。図15
(a)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光体用
としての支持体1101の上に、感光層1102が設け
られている。該感光層1102はa-Si:H,Xからな
り光導電性を有する光導電層1103で構成されてい
る。
【0035】図15(b)は、本発明の画像形成装置用感
光体の他の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図15(b)に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
102が設けられている。該感光層1102はa-Si:
H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103と、
アモルファスシリコン系表面層1104とから構成され
ている。
【0036】図15(c)は、本発明の画像形成装置用感
光体の他の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図15(c)に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
102が設けられている。該感光層1102はa-Si:
H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103と、
アモルファスシリコン系表面層1104と、アモルファ
スシリコン系電荷注入阻止層1105とから構成されて
いる。
【0037】図15(d)は、本発明の画像形成装置用感
光体のさらに他の層構成を説明するための模式的構成図
である。図15(d)に示す画像形成装置用感光体110
0は感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
102が設けられている。該感光層1102は光導電層
1103を構成するa-Si:H,Xからなる電荷発生層1
106ならびに電荷輸送層1107と、アモルファスシ
リコン系表面層1104とから構成されている。
【0038】a-Si:Hを用いた画像形成装置用感光体
は、一般的には、導電性支持体を50〜400℃に加熱
し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズ
マCVD法(以下、PCVD法と称する)等の成膜法によ
りa-Siからなる光導電層を形成する。なかでもPCV
D法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいは
マイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa-
Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に供
されている。
【0039】また、特開昭54-83746号公報においては、
導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa
-Si(以下、a-Si:Xと表記する)光導電層からなる画
像形成装置用感光体が提案されている。当該公報におい
ては、a-Siにハロゲン原子を1〜40原子%含有させ
ることにより、耐熱性が高く、画像形成装置用感光体の
光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることが
できるとしている。
【0040】また、特開昭57-11556号公報には、a-Si
堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗
抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電
的特性および耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的
安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体と
したアモルファスシリコン材料で構成された光導電層上
に、シリコン原子および炭素原子を含む非光導電性のア
モルファス材料で構成された表面層を設ける技術が記載
されている。
【0041】さらに、特開昭60-67951号公報には、アモ
ルファスシリコン、炭素、酸素および弗素を含有してな
る透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体につい
ての技術が記載され、特開昭62-168161号公報には、表
面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子
%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる
技術が記載されている。
【0042】さらに、特開昭57-158650号公報には、水
素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2
100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの吸収係数比が
0.2〜1.7であるa-Si:Hを光導電層に用いること
により高感度で高抵抗な画像形成装置用感光体が得られ
ることが記載されている。
【0043】一方、特開昭60-95551号公報には、アモル
ファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体
表面近傍の温度を30〜40℃に維持して帯電、露光、
現像および転写といった画像形成工程を行うことによ
り、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下と
それに伴って発生する画像流れ(高湿流れ)を防止する技
術が開示されている。これらの技術により、画像形成装
置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性および使用
環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してき
た。
【0044】感度に関しては、アモルファスシリコン感
光体の場合、キャリア伝導の原理的に電界依存性は有し
ないのが一般的であり、EV特性は図1や図19に示す
ように、直線的な形状を有するため、光量変化が電位に
反映されやすいという光量はない。
【0045】したがってGauss分布の光量分布に対し
て、電位分布もGauss分布になるので、光量分布の裾が
変化する場合にも、ドット径の変化への影響度は比較的
小さく、画質に影響しにくい、と言う利点がある。ま
た、耐久によって摩耗させることが必須でないため、感
度すなわちEV特性の耐久変化は少なく、OPCのよう
な摩耗に伴う問題はない。
【0046】(支持体)本発明において使用される支持体
としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電
性支持体としては、Al,Fe等の周知の金属、およびこ
れらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、
合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック
等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側
の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
【0047】本発明において使用される支持体1101
の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状
無端ベルト状でもよい。特にレーザー光等の可干渉性光
を用いて像記録を行う場合には、可視画像において現わ
れる、いわゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的
に解消するために、帯電キャリアの減少が実質的にない
範囲で支持体1101の表面に凹凸を設けてもよい。支
持体1101の表面に設けられる凹凸は、特開昭60-168
156、同60-178457、同60-225854各号公報等に記載され
た公知の方法により作成される。
【0048】また、レーザー光等の可干渉光を用いた場
合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
別の方法として、帯電キャリアの減少が実質的にない範
囲で支持体1101の表面に複数の球状痕跡窪みによる
凹凸形状を設けてもよい。すなわち、支持体1101の
表面が画像形成装置用感光体1100に要求される解像
力よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球
状痕跡窪みによるものである。支持体1101の表面に
設けられる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は特開昭61-2
31561号公報に記載された公知の方法により作成され
る。
【0049】また、レーザ光等の可干渉光を用いた場合
の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する。
さらに別の方法として、感光層1102内、あるいは該
層1102の下側に光吸収層等の乾燥防止層あるいは領
域を設けてもよい。
【0050】(光導電層)本発明において、その目的を効
果的に達成するために支持体1101上、必要に応じて
下引き層(不図示)上に形成され、感光層1102の一部
を構成する光導電層1103は真空堆積膜形成方法によ
って、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーター
の数値条件が設定されて作成される。具体的には、例え
ばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法また
はマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは
直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法
等の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。
これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負
荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に
所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用さ
れるが、所望の特性を有する画像形成装置用感光体を製
造するに当たっての条件の制御が比較的容易であること
からグロー放電法が好適である。
【0051】グロー放電法によって光電導層1103を
形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し
得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得
るH供給用の原料ガスまたは/およびハロゲン原子(X)
を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得
る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器
内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設
置されてある所定の支持体1101上にa-Si:H,Xか
らなる層を形成すればよい。
【0052】また、本発明において光導電層1103中
に水素原子または/およびハロゲン原子を含有されるこ
とが必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補
償し層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を
向上させるために必須不可欠であるからである。よって
水素原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子
とハロゲン原子の和の量は、シリコン原子と水素原子ま
たは/およびハロゲン原子の和に対して好ましくは10
〜30原子%、より好ましくは15〜25原子%とされる
のが望ましい。
【0053】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、ガス状態の、またはガス化し
得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとし
て挙げられ、さらに層作成時の取り扱い易さ、Si供給
効率のよさ等の点でSiH4,Si26が好ましいものとし
て挙げられる。
【0054】そして、形成される光導電層1103中に
水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御
をいっそう容易になるように図り、本発明の目的を達成
する膜特性を得るために、これらのガスにさらにH2
よび/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物の
ガスも所望量混合して層形成することが必要である。ま
た、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合しても差し支えないものである。
【0055】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとして有効なのは、例えばハロゲン
ガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合
物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のま
たはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構
成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原
子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げるこ
とができる。
【0056】光導電層1103中に含有される水素原子
または/およびハロゲン原子の量を制御するには、例え
ば支持体1101の温度、水素原子または/およびハロ
ゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反応
容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0057】本発明においては、光導電層1103には
必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが
好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層1103
中に万遍なく均一に分布した状態で含有されてもよい
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。
【0058】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
周知のごとく、p型伝導特性を与える周期律表IIIb族
に属する原子(第IIIb族原子)またはn型伝導性特性を
与える周期律表Vb族に属する原子(第Vb族原子)を用
いることができる。また、これらの伝導性を制御する原
子導入用の原料物質を必要に応じてH2および/またはH
eにより希釈して使用してもよい。
【0059】さらに本発明においては、光導電層110
3に炭素原子および/または酸素原子および/または窒素
原子を含有させることも有効である。炭素原子および/
または酸素原子および/または窒素原子は、光導電層中
に万遍なく均一に含有されてもよいし、光導電層の層厚
方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた
部分があってもよい。
【0060】本発明において、光導電層1103の層厚
は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果
等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは
20〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適に
は25〜40μmとされるのが望ましい。
【0061】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する光導電層1103を形成するには、Si供給用のガ
スと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電
力ならびに支持体温度を適宜設定することが必要であ
る。なお、前記の各条件は、通常は独立的に別々に決め
られるものではなく、所望の特性を有する感光体を形成
すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決め
るのが望ましい。
【0062】(表面層)本発明においては、上述のように
して支持体1101上に形成された光導電層1103の
上に、さらに表面層1104を形成することが好まし
い。この表面層1104は自由表面(電荷発生層)110
6を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的
耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を
達成するために設けられる。
【0063】表面層1104は、アモルファスシリコン
(a-Si)系の材料や、例えば、水素原子(H)および/ま
たはハロゲン原子(X)を含有し、さらに炭素原子を含有
するアモルファスシリコン(以下、a-SiC:H,Xと表
記する)、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)
を含有し、さらに酸素原子を含有するアモルファスシリ
コン(以下、a-SiO:H,Xと表記する)、水素原子(H)
および/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに窒素
原子を含有するアモルファスシリコン(以下、a-SiN:
H,Xと表記する)、水素原子(H)および/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、さらに炭素原子、酸素原子、窒素
原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン
(以下、a-SiCON:H,Xと表記する)等の材料が好適
に用いられる。
【0064】本発明において、その目的を効果的に達成
するために、表面層1104は真空堆積膜形成方法によ
って、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーター
の数値条件が設定されて作成される。具体的には、例え
ばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法また
はマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは
直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法
等の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。
これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負
荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に
所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用さ
れるが、感光体の生産性から光導電層と同等の堆積法に
よることが好ましい。
【0065】例えば、グロー放電法によってa-SiC:
H,Xよりなる表面層1104を形成するには、基本的
にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガ
スと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガス
と、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまた
は/およびハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原
料ガスとを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望のガ
ス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電が生起さ
せ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層110
3を形成した支持体1101上にa-SiC:H,Xからな
る層を形成すればよい。表面層をa-SiCを主成分とし
て構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の
和に対して30〜90%の範囲が好ましい。
【0066】また、本発明において表面層1104中に
水素原子または/およびハロゲン原子が含有されること
が必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償
し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特
性を向上させるために必須不可欠である。水素含有量
は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子
%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原子
%の範囲とするのが望ましい。また、弗素原子の含有量
としては、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には
0.1〜10原子%、最適には0.6〜4原子%とされるの
が望ましい。
【0067】表面層内の欠陥(主にシリコン原子や炭素
原子のダングリングボンド)は、例えば自由表面から光
導電層への電荷の注入による帯電特性の劣化、使用環
境、例えば高い湿度のもとで表面構造が変化することに
よる帯電特性の変動、さらにコロナ帯電時や光照射時に
光導電層より表面層に電荷が注入され、前記表面層内の
欠陥に電荷がトラップされることにより繰り返し使用時
の残像現象の発生等、画像形成装置用感光体としての特
性に悪影響を及ぼすことが知られている。
【0068】表面層内の水素含有量を30原子%以上に
制御することにより、前記表面層内の欠陥が大幅に減少
し、電気的特性面および高速連続使用性の向上を図るこ
とができる。一方、前記表面層中の水素含有量が70原
子%を超えると表面層の硬度の低下により耐久性が低下
する。
【0069】また、表面層中の弗素含有量を0.01原
子%以上の範囲に制御することにより表面層内のシリコ
ン原子と炭素原子の結合の発生をより効果的に達成する
ことが可能となる。さらに、表面層中の弗素原子の働き
として、コロナ等のダメージによるシリコン原子と炭素
原子の結合の切断を効果的に防止することができる。
【0070】一方、表面層中の弗素含有量が15原子%
を超えると表面層内のシリコン原子と炭素原子の結合の
発生の効果およびシリコン原子と炭素原子の結合の切断
を防止する効果がほとんど認められなくなる。さらに、
過剰の弗素原子が表面層中のキャリアの走行性を阻害す
るため、残留電位や画像メモリーが顕著に認められてく
る。表面層中の弗素含有量や水素含有量は、H2ガスの
流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御
し得る。
【0071】本発明における表面層1104の層厚とし
ては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、
最適には0.1〜1μmの範囲とするのが望ましい。層厚
が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理
由により表面層が失われてしまい、3μmを超えると残
留電位の増加等の電子写真特性の低下が見られる。
【0072】本発明による表面層1104は、その要求
される特性が、所望通りに与えれられうように注意深く
形成される。すなわち、Si,Cおよび/またはNおよび/
またはO,Hおよび/またはXを構成要素とする物質は、
その形成条件によって構造的には結晶からアモルファス
までの形態をとり、電気物性的には導電性から半導体
性、絶縁性までの間の性質を、また、光導電的性質から
非光導電的性質までの間の性質を各々示すので、本発明
においては、目的に応じた所望の特性を有する化合物が
形成されるように、所望にしたがってその形成条件の選
択が厳密になされる。例えば、表面層1104を耐圧性
の向上を主な目的として設けるには、使用環境において
電気絶縁性挙動の顕著な非単結晶材料として作成され
る。
【0073】また、連続繰り返し使用特性や使用環境特
性の向上を主たる目的とする場合には、上記の電気絶縁
性の度合いはある程度緩和され、照射される光に対して
ある程度の感度を有する非単結晶材料として形成され
る。さらに、表面層1104の低抵抗による画像流れを
防止し、あるいは残留電位等の影響を防止するために、
一方では帯電効率を良好にするために、層作成に際し
て、その抵抗値を適宜に抑制することが好ましい。
【0074】さらに本発明においては、光導電層と表面
層の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表
面層より減らしたブロッキング層(下部表面層)を設ける
ことも帯電能等の特性をさらに向上させるためには有効
である。また、表面層1104と光導電層1103との
間に炭素原子および/または酸素原子および/または窒素
原子の含有量が光導電層1103に向かって減少するよ
うに変化する領域を設けてもよい。これにより表面層と
光導電層の密着性を向上させ、界面での光の反射による
干渉の影響をより少なくすることができる。
【0075】(電荷注入阻止層)本発明の画像形成装置用
感光体においては、導電性支持体と光導電層との間に導
電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電
荷注入阻止層を設けるのがいっそう効果的である。すな
わち、電荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯電処理を
その自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電
荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯
電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、
いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付
与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原
子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0076】該層に含有される伝導性を制御する原子
は、該層中に万遍なく均一に分布されてもよいし、ある
いは層厚方向には万遍なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。分
布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するよ
うに含有させるのが好適である。しかしながら、いずれ
の場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均
一な分布で万遍なく含有されることが面内方向における
特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0077】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純
物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表
第IIIb族原子またはn型伝導特性を与える周期律表第
Vb族原子を用いることができる。
【0078】本発明において電荷注入阻止層中に含有さ
れる伝導性を制御する原子の含有量としては、本発明の
目的が効果的に達成できるように所望にしたがって適宜
決定される。さらに電荷注入阻止層には、炭素原子、窒
素原子および酸素原子の少なくとも一種を含有させるこ
とによって、該電荷注入阻止層に直接接触して設けられ
る他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図ること
ができる。
【0079】該層に含有される炭素原子または窒素原子
または酸素原子は、該層中に万遍なく均一に分布されて
もよいし、あるいは層厚方向には万遍なく含有されては
いるが、不均一に分布する状態で含有している部分があ
ってもよい。しかしながら、いずれの場合にも支持体の
表面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく
含有されることが面内方向における特性の均一化を図る
点からも必要である。
【0080】本発明における電荷注入阻止層の全層領域
に含有される炭素原子および/または窒素原子および/ま
たは酸素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成
されるように適宜決定される。また、本発明における電
荷注入阻止層に含有される水素原子および/またはハロ
ゲン原子は層内に存在する未結合手を補償し膜質の向上
に効果を奏する。
【0081】本発明において、電荷注入阻止層の層厚
は、所望の電子写真特性が得られること、および経済的
効果等の点から、好ましくは0.1〜5μm、より好まし
くは0.3〜4μm、さらに好ましくは0.5〜3μmの範
囲とするのが望ましい。本発明において電荷注入阻止層
を形成するには、前述の光導電層を形成する方法と同様
の真空堆積法が採用される。
【0082】このほかに、本発明の画像形成装置用感光
体においては、感光層1102の前記支持体1101側
に、少なくともアルミニウム原子、シリコン原子、水素
原子または/およびハロゲン原子が層厚方向に不均一な
分布状態で含有する層領域を有することが望ましい。
【0083】また、本発明の画像形成装置用感光体にお
いては、支持体1101と光導電層1103あるいは電
荷注入阻止層1105との間の密着性の一層の向上を図
る目的で、例えば、Si34,SiO2,SiOあるいはシリ
コン原子を母体とし、水素原子および/またはハロゲン
原子と、炭素原子および/または酸素原子および/または
窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設
けてもよい。さらに、前述のごとく、支持体からの反射
光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設
けてもよい。
【0084】(製造装置)上記のような感光体は、周知の
CVD装置を使用して作成される。図16に、RF帯を
用いた高周波プラズマCVD法(以後、RF-PCVDと
称する)の装置の一例を示す。
【0085】この装置は大別すると、堆積装置210
0、原料ガスの供給装置2200、反応容器2111内
を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成されて
いる。堆積装置2100中の反応容器2111内には円
筒状支持体2112、支持体加熱用ヒーター2113、
原料ガス導入管2114が設置され、さらに高周波マッ
チングボックス2115が接続されている。
【0086】原料ガス供給装置2200は、SiH4,
2,CH4,B26,PH3等の原料ガスのボンベ(222
1〜2226)とバルブ(2231〜2236,2241
〜2246,2251〜2256)およびマスフローコン
トローラー(2211〜2216)から構成され、各原料
ガスのボンベはバルブ2260を介して反応容器211
1内のガス導入管2114に接続されている。
【0087】また、図17に、VHFを用いた高周波プ
ラズマCVD法(VHF-PCVDと称する)の装置の一
例を示す。この装置は図16の堆積装置2100を図1
7に示す堆積装置3100に交換して原料ガス供給装置
2200と接続することにより、VHF-PVCD法に
よる製造装置とした例である。この装置は大別すると真
空気密化構造を成した減圧にし得る反応容器3111、
原料ガスの供給装置2200、および反応容器内を減圧
にするための排気装置(不図示)から構成されている。反
応容器3111内には円筒状支持体3112、支持体加
熱用ヒーター3113、原料ガス導入管3114、電極
が設置され、電極にはさらに高周波マッチングボックス
3120が接続されている。また、反応容器3111内
は排気管3121を通じて不図示の拡散ポンプに接続さ
れている。また、円筒状支持体3112によって取り囲
まれた空間3130が放電空間を形成している。
【0088】
【発明が解決しようとする課題】一般に、周知の電子写
真装置において、画像露光により光キャリアが生成、走
行し、潜像を形成する。該画像露光強度の増加により、
ドット端部がぼやける、ないしはドット径が揺らぎが生
じる。その結果、IAEにおいては画像の線が太り、B
AEにおいては画像の線が細る、画像ボケ(以下「EV
流れ」)が発生する場合があった。
【0089】また、レーザーの発光分布は、1ドット内
では近似的にGauss分布であり、UFSはそのまますべ
てドラム面に到達する。したがって、特に前記のように
EVの形状が下に凸であるOPCにおいては小光量での
光量変化が電位に反映されやすいため、Gauss分布の裾
の光量が変化するドット径が変化し、画質に影響し易
い、という問題があった。さらに、高画質化が進み、ド
ット径を小さくしていくと、ドット径揺らぎの画質に与
える影響は大きくなり、高画質化の障害になるものであ
る。
【0090】また、レーザーの発光寿命は発光光量とト
レードオフの関係にあるが、電子写真の高速化が進んで
いる現在では、電子写真装置の長寿命化のために、該光
量を低減すべく、感光体のさらなる感度アップが必要と
なっている。また、レーザダイオードや、光学走査系で
光量を確保する方法もあるが、コストアップ、装置が大
型化する等の難点がある。LEDによる露光系において
も、素子の小型化、素子配置の細密化や高速化への対応
としての発光光量増大等、上記レーザーと同様の課題を
有する。
【0091】さらに、感度に応じた適正光量には上下限
がある。下限値以下では表面電位の低下が不十分なこと
による画質低減が生じる。他方、上限以上の光量を露光
した場合、過剰な露光キャリアは感光体の内部且つ/ま
たは表面等で横方向に拡散し前記のEV流れ等の画質低
減が生じる。
【0092】さらに、電子写真装置を設計する上では、
ラチチュードが高く、安定性の高いBAEを用いたとこ
ろであるが、BAEは前記のように走査線間隔に対して
レーザスポット径やパワーには上下限があるため、IA
Eよりも高精度に最適なレーザスポット径やパワーを設
定する必要がある。しかし、実際の電子写真装置として
組み上げる工程で高精度に設定するのには限界があり、
設定状態によってはレーザ発光のバラツキに起因するド
ット径揺らぎが生じることがあった。
【0093】本発明は、感光体に画像露光を照射して潜
像を形成する、さらにはレーザ等の可干渉光を感光体表
面に照射する、光走査型の光学系を用いた電子写真方
法、装置、あるいはそれを用いる電子写真感光体におい
て、該光学系の高速化や、長寿命化に対応すると共に、
EV流れ等の画質低下やGauss分布の裾の光量変化に対
してドット径、画質が変動が少なく、設定ラチチュード
の広い、電子写真方法、装置、あるいはそれに用いる電
子写真感光体を得ることを目的としている。
【0094】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
係る電子写真方法、装置によって達成される。本発明
は、本発明者らによる鋭意検討の結果なされたものであ
って、記録媒体である感光体に画像露光を照射する電子
写真方法において、該感光体の表面電位を露光により1
/2に低下させる感度(1/2感度)が500〜2000V・
cm2/μJの範囲であり、且つ前記表面電位を1/4に低
減させる1/4感度との比が1.2以下となるa-Si系感
光体を用い、前記画像露光量を0.15〜0.6μJ/cm2
の範囲で使用することを特徴とする、電子写真方法を開
示するものでる。
【0095】また本発明は、少なくとも記録媒体である
感光体と、該感光体表面に画像信号に応じた画像露光を
照射する画像露光手段とを有する電子写真装置におい
て、該感光体の表面電位を露光により1/2に低下させ
る感度(1/2感度)が500〜2000V・cm2/μJの範
囲であり、且つ前記表面電位を1/4に低減させる1/4
感度との比が1.2以下となるa-Si系感光体を用い、
前記画像露光手段が、該感光体に照射する光量が0.1
5〜0.6μJ/cm2の範囲であることを特徴とする、電
子写真装置を開示するものでる。
【0096】本発明においては、EV特性の直線性とE
V流れ等の画質との相関が解明されて、感光体に画像露
光を照射して潜像を形成し、さらには光ビーム走査型光
学系等の可干渉光を用いた電子写真方法、装置におい
て、高感度でEV特性の直線性を制御されたa-Si感光
体を用いて、露光光量範囲を規定している。また、使用
する画像露光の波長と感光体の分光感度等の特性におい
て、限定された組み合わせで使用することにより、光生
成キャリアの挙動を制御している。
【0097】具体的には、感光体に画像露光を照射して
潜像を形成する、さらには、可干渉光、特に回転多面鏡
に光ビームを入射させて偏向させる光走査装置を備えた
電子写真装置において、1/2感度が500〜2000V
・cm2/μJの範囲であり、且つ、下記式(I)で定義され
る1/2感度と1/4感度との比(EV直線性と称する)が
1.2以下のとなる、高感度且つ直線性の優れたEV特
性を有するa-Si系感光体を用い、前記露光量を0.1
5〜0.6μJ/cm2の範囲で使用することを特徴とす
る。
【0098】
【化1】 EV直線性≡(1/2感度)/(1/4感度) (I) 以上の構成により、過剰露光によるEV流れ等の画質低
下を防止し、安定したドット潜像を形成することが可能
になる。さらに高速化、長寿命化のラチチュードが広く
なる。なお、EV直線性は1に近いほど直線性がよいこ
とを示す。また、2値的なEV特性を有する“ハイガン
マ感光体”等の特別な例においては上に凸なEV特性を
有するものもあるが、一般的には感光体のEV特性は図
1、図2のように大略直線から下に凸となる。したがっ
て、一般的な感光体では、EV直線性は大略1が下限と
なる。
【0099】また、前記感光体の指数関数裾の特性エネ
ルギー(アーバックテール;Eu)を制御することも有効
である。一般にa-Siのサブギャップ光吸収スペクトル
は大きく二つの部分に分けられる。すなわち吸収係数α
が光子エネルギーhνに対して指数関数的、すなわち直
線的に変化する部分(指数関数裾またはアーバックテー
ル;Eu)と、αがhνに対しより緩やかな依存性を示す
部分である。
【0100】前記の直線的な領域はa-Si中の価電子帯
側のテイル準位から伝導帯への光学遷移による光吸収に
対応し、直線領域の吸収係数αのhνに対する指数関数
的依存性は下記式(II)で表される。
【0101】 α=α0exp(hν/Eu) (II) この両辺の対数をとると、lnα=(1/Eu)・hν+α
l(ただしα1=lnα0)となり、特性エネルギーEuの
逆数(1/Eu)が、直線部分の傾きを表すことになる。
Euは価電子帯側のテイル準位の指数関数的エネルギー
分布の特性エネルギーに相当するため、Euが小さけれ
ば価電子帯側のテール準位が少ないことを意味する。
【0102】このようなバンドギャップ中の局在準位の
状態を測定する方法として、一般に深準位分光法、等温
容量過度分光法、光熱偏向分光法、光音響分光法、一定
光電流法等が用いられている。中でも一定光電流法(Con
stant Photocurrent Method:以後、CPMと略記する)
は、a-Si:Hの局在準位に基づくサブギャップ光吸収
スペクトルを簡便に測定する方法として有用である。
【0103】本発明において、具体的には、Euを50
〜70meV、より好ましくは50〜65meVの範囲にする
ことにより、感光体内での光キャリアの走行性を向上
し、キャリアの溜りや拡散を抑制する。これによりコン
トラストよりも過剰な露光に対するEV流れ等の画質低
下を防止し、露光光量の設定範囲を広くできる。
【0104】なお、Euの下限として50meVとしたの
は、Euが50meVより小さい感光体作成においては、
成膜速度低下のために実用上の成膜が困難なためであ
る。また、感光体の分光感度が極大値になる波長(分光
感度ピーク波長)、ないしはそれ以下の波長で使用する
ことにより、EV流れ等の画質低下を防止し、露光光量
の設定範囲を広くできる。これは、感光体厚さ方向光キ
ャリア発生領域、該キャリアの走行中の格差、キャリア
の溜り等を抑制することによるものと思われる。
【0105】また、前記感光体が表面層を有し、該表面
層の電気抵抗率を1×1010〜5×1015Ωcmの範囲と
する。これにより、画像ボケとなることを抑制する。こ
れは感光層中を走行したキャリアが表面層領域で横方向
に拡散するのを防止する効果と考えられる。
【0106】表面層として、非晶質炭素(アモルファス
カーボン:a-C)系の材料等を使用することも有効であ
る。a-C系の材料はa-SiCと同等以上の硬度を持
ち、撥水性に優れた材料であり、良好な耐久、耐刷特性
を発揮する。
【0107】このようなa-C表面層を表面層の一部、
ないしは全部に使用することにより耐刷特性、環境特性
をより向上させることができる。また、例えば屈折率等
の特性の異なるa-SiC表面層とa-C表面層を組み合
わせて使用することにより、表面層厚の変化を抑制しな
がら画角特性の制御を行うことが可能である。
【0108】さらに、走査光学系においては、回転多面
鏡によって光ビームを走査する原理上、感光体面に入射
する光ビームの角度が異なるため、感光体面上で軸方向
の光量分布(画角特性)を生じるが、可干渉性の表面層を
有するa-Si感光体を用いることにより、干渉によって
入射光量が変わるため、膜厚膜質によって画角特性を制
御することが可能である。
【0109】また、OFSを用いることにより、レーザ
ー光量の裾部分をカットしドット再現性はより良好にな
る。さらに、回転多面鏡の小型化が可能。したがって、
高速化が可能になるので、高耐久性のa-Siと非常によ
いマッチングとなる。さらに、BAEにおいては、ドッ
ト潜像の不安定が画質に与える影響が、より顕著である
ため、BAEにおいて本発明の効果は、より発揮され
る。さらに、画像信号がOn/Offのいわゆる2値方式で
は、原理的にコントラストに対する過剰光量を照射して
もダイナミックレンジの変動を伴わないという特性があ
り、制御機能の追加が不要で、よりマッチングがよい。
【0110】一般に、PWM等の制御を行う系では、コ
ントラストをオーバーした部分がある場合、例えば25
6階調をオーバー分まで含めて計算するため、ダイナミ
ックレンジが狭まる。そのため、該オーバー分の階調が
狭まるという難点がある。ただし、これに対しては、オ
ーバー分を無視して階調を付ける制御を入れれば画質、
コントラストの対応は可能であり、本発明はPWM等の
制御系を除外するものではない。
【0111】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施態様を具体的に説明するが、本発明がこれらによって
何ら限定されるものではない。
【0112】[試験例1・1](1/2感度と1/4感度の直
線性vsEV流れ発生レベル)感光体は、アルミシリンダ
ーを使用し、図16〜17の如き成膜装置を用い、周知
のPCVD法により温度、ガス圧や放電電力等を変化さ
せて、様々な特性の感光体を作成した。
【0113】上記の方法にて作成した感光体を評価する
装置として、図3に示すような光走査装置、および記録
媒体106の周りには、図18に示すような帯電、露
光、現像、紙搬送等の配置された電子写真装置を用い
た。
【0114】上記の装置で、IAEにて1画素を1ドッ
トで形成するドットの画像光線を作成し、画像形成光線
1803をべた射ちとした。該画像形成光線の光源であ
るレーザーダイオードからの出力を変化させて、EV特
性を測定し、1/2感度と1/4感度の比をEV直線性と
して算出した。前記式(I)より、EV直線性の値が1に
近いほど直線性がよい。
【0115】なお、該画像形成光線1803の光量測定
は、いわゆるべた射ちで行った。また、画像形成光線1
803の光量を、0から、最大で所定のコントラストを
得るための光量(コントラスト光量)の4倍まで変化させ
ながら、IAEにて1ラインの画像を作成した。
【0116】該画像において、コントラスト光量時にラ
インの平均太さに対する、コントラスト光量の4倍の光
量に変化させたときのライン太さの変化比率をEV流れ
レベルと定義し、評価した。結果を図21に示す。図2
1より、EV直線性が1.2以下の範囲で、露光強度が
過剰な場合のEV流れレベルが良好になることがわか
る。
【0117】[試験例1・2](1E光量vsEV流れ発生レ
ベル) さらにEV流れに係る試験として、1/2感度が動等で
EV直線性の異なる感光体を作成し、試験例1と同様の
試験について、ドット画像を形成し、光学系のドット径
に対する画像のドット径のずれ比率をEV揺らぎと定義
し、IE強度に対するEV揺らぎレベルを評価した結果
を図25に示す。図25より、IE強度としては0.6
μJ/cm2以下の範囲において、EV揺らぎの変動が少な
い。また、EV直線性が1.2以下の範囲で、EV揺ら
ぎレベルが良好になる。すなわちEV流れへのラチチュ
ードが広がることがわかる。
【0118】[試験例1・3](1/2感度vsEV流れ発生レ
ベル) さらにEV流れに係る試験として、EVが同等で1/2
感度が異なる感光体を作成し、試験例1と同様の試験に
ついて、ドット画像を形成し、光学系のドット径に対す
る画像のドット径のずれ比率をEV揺らぎと定義し、I
E強度に対するEV揺らぎレベルを評価した結果を図2
6に示す。図26より、IE強度としては0.6μJ/cm
2以下の範囲において、EV揺らぎの変動が少ない。ま
た、1/2感度が500〜2000Vcm2/μJの範囲が、
EV揺らぎレベルが良好であることがわかる。
【0119】[試験例2](EuとEv直線性) 前述の成膜装置を使用し、円筒形のサンプルホルダーに
設置したガラス基板(コーニング社7059)ならびにSiウ
エハー上に、光導電層の作成条件で膜厚約1μmのa-S
i膜サンプルを堆積した。ガラス基板上の堆積膜サンプ
ルにはAlの串型電極を蒸着し、指数関数裾の特性エネ
ルギー(Eu)を測定した。該測定は、前記のCPMにて
行った。CPMは、波長を振った光を、薄膜サンプルの
光電流が一定となるように光量を変化させて照射し、該
サンプルのエネルギー準位を測定する方法である。本試
験例においては、日本分光製分光光度計SS-25GD、NF
回路製の電流印加アンプLI-76、同社製ロックインアン
プ5610Bを使用して評価を行った。
【0120】また、サンプルと同等の処方の光導電層を
有する感光体を作成した。試験例1と同様の装置におい
て、EV特性の直線性を評価した結果を図22に示す。
また、上記サンプル、感光体、電子写真装置を使用し
て、温度特性は、画像形成光線を照射しない状態の、感
光体表面電位(暗電位:Vd)を、感光体表面温度を室温
〜45℃まで変化させながら帯電特性を測定し、このと
きの1℃当たりのVdの変化割合を測定した。測定し、
このときの温度1℃当たりの帯電能の変化を測定し、2
V/deg以内を合格と判定した。
【0121】結果を図23に示す。これらの結果より、
Euが50〜70meVの範囲のときに、1/2感度と1/
4感度の比が1±0.2に入る、すなわちEVの直線性
が向上し、さらに温度特性が少ない良好な特性が得られ
ることがわかる。65meV以下の範囲では、さらに直線
性が向上し、より好ましい。
【0122】[試験例3](表面層の抵抗値) 実施例2でサンプルを作成したのと同様の装置を使用
し、Al基板上に膜厚約0.5〜1μmのa-SiC系、a-
C系の表面層サンプルを作成した。該サンプルには、さ
らに主電極、およびガード電極を蒸着した。抵抗率の測
定はJIS-K6911に準ずる手法で行った。
【0123】一方、光導電層までは同一処方で作成し、
その上に上記サンプルと同様の処方で作成した表面層を
作成して、様々な感光体を作成した。試験例1と同様の
装置でEV流れレベルを評価した。表面層の抵抗率との
相関を図24に示す。図24より、表面層の抵抗率が1
×1010〜5×1015Ωcmの範囲のときにEV流れ、電
子写真特性が良好であることがわかる。
【0124】[試験例4](a-Si(Gauss分布感度)の優位
性) 試験例1と同様の装置において、画像形成光線の波長を
一定にして、IAEにて1画素を1ドットで形成するド
ット画像を作成し、各々のドットの平均面積に対する、
ドット面積の標準偏差を、ドット揺らぎと定義し、ドッ
ト面積を変えてドット揺らぎを測定した結果を、図9に
示す。図1に示すような感光特性を有するa-Si感光体
を用いた場合の方が、図2に示すような感光特性を有す
るOPC感光体を用いた場合よりも、ドット径Xを小さ
くしていく際のドット揺らぎの悪化は少ないことがわか
る。
【0125】[試験例5](スポット径)図7に示すような
光走査装置にした以外は試験例1と同様の装置にa-Si
感光体を用い、IAEにて回転多面鏡の反射面における
光ビーム径Dと回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wの
関係を変えて、ドット揺らぎを測定した結果を、図11
に示す。D/Wを大きくする方が、ドット揺らぎは小さ
くなることがわかる。また、ドット径Xの小さいものほ
ど効果が顕著であり、60μm以下で効果があることが
わかる。
【0126】[試験例6](BAEの優位性) 試験例2と同様の装置に、a-Si感光体を用い、同様の
試験をし、ドット径30μにて、画像形成方式を比較し
た結果を図12に示す。IAEよりBAEの方が、D/
Wを大きくして、ドット揺らぎが小さくなる効果が顕著
であることがわかる。
【0127】[試験例7](OFSの優位性) 回転多面鏡の隣接面からの反射光等の迷光の、真のビー
ム光に対する比をフレアとして定義し、試験例2と同様
の装置に、a-Si感光体を用い、図7のタイプと図8の
タイプの光学系において、DとWの関係を変えて、フレ
アを測定した結果を、図13に示す。D/Wを大きくし
ていくと、フレアが悪化する傾向にあるが、図7のタイ
プより図8のタイプの方が、フレアが出難い傾向にある
ことがわかる。
【0128】[試験例8](表面層での感度調整) 感光体の暗部電位から一定の電位を減衰させるのに必要
な露光量を感度光量と定義し、a-Si感光体の表面層の
膜厚膜質を変化させて、感度光量を測定した結果を、図
14に示す。屈折率、膜厚を変化させることにより感度
光量は変化する傾向にあることがわかる。
【0129】
【実施例】本発明をさらに以下の実施例により詳細に説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。
【0130】[実施例1]図18に示すような構成を有す
るアナログ式キャノン製複写機NP6750を、図3に示すよ
うな光走査装置についたデジタル式に改造した装置を用
いた。光学系のタイプは図7に示すもので、潜像形成方
式はIAEとした。なお、該光走査装置より発せられる
光ビーム波長(以下、IE波長)は、788nmとした。
【0131】感光体はa-Si系感光体で、分光感度ピー
クは大略680〜700nmのものを作成した。IE波
長における1/2感度は700V・cm2/μJ、また1/2感
度と1/4感度の比(EV直線性)は、1.08のものを使
用した。さらに抵抗率が2×1016Ω・cmのa-SiC表
面層を大略0.8μm付け、該表面層による画角調整は行
わなかった。また、画像形成に関し、制御方式は256
階調のPWMを使用した。
【0132】感光体表面でのドット径は70μm、回転
多面鏡上でのD/Wを0.7とし、ドット安定性、フレ
ア、感光体円筒軸方向の電位むら、4倍光量を照射した
ときのEV流れ、画質解像度、さらに特性、精度からみ
た設計ラチチュードを、「◎」:非常に良好、「○」:良好、
「△」:実用上問題なし、「×」:実用上難がある場合あり、
として判定した結果を表1に示す。これからわかるよう
に、本実施例の系では総合的に良好との結果が得られ
た。
【0133】[実施例2]IE波長が680nmのものを用
いた以外は、実施例1と同様の装置を用いた。該IE波
長での1/2感度は、1300V・cm2/μJ、またEV直
線性は、1.05である。ドット安定性、フレア、感光
体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像
度を、「◎」:非常に良好、「○」:良好、「△」:実用上問題
なし、「×」:実用上難がある場合あり、として判定した
結果を表1に示す。これからわかるように、本実施例の
系では総合的に良好、との結果が得られた。
【0134】[実施例3]ドット径を30μmとした以外
は、実施例2と同様の装置を用いた。該IE波長での1
/2感度は1300V・cm2/μJ、またEV直線性は1.0
5である。ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の
電位むら、設計ラチチュード、画質解像度を、「◎」:非
常に良好、「○」:良好、「△」:実用上問題なし、「×」:実
用上難がある場合あり、として判定した結果を表1に示
す。これからわかるように、本実施例の系では総合的に
良好、との結果が得られた。
【0135】[実施例4]IE波長が655nmのものを用
いた以外は、実施例3と同様の装置を用いた。また、感
光体には表面層の抵抗率が2×1013Ω・cmのものを使
用した。該IE波長での1/2感度は1100V・cm2
J、またEV直線性は1.15である。ドット安定性、
フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュー
ド、画質解像度を、「◎」:非常に良好、「○」:良好、
「△」:実用上問題なし、「×」:実用上難がある場合あり、
として判定した結果を表1に示す。これからわかるよう
に、本実施例の系では総合的に非常に良好、との結果が
得られた。
【0136】[実施例5]IE波長が635nmのものを用
い、D/Wを1.5とした以外は、実施例4と同様の装置
を用いた。感光体の、該IE波長での1/2感度は90
0V・cm2/μJ、またEV直線性は1.13である。
【0137】また、表面層の抵抗率が2×1013Ω・cm
のものを使用した。さらに感光体の円筒軸方向で表面層
の膜質、膜厚をコントロールし、画角特性による電位む
らを調整した。ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方
向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度を、
「◎」:非常に良好、「○」:良好、「△」:実用上問題なし、
「×」:実用上難がある場合あり、として判定した結果を
表1に示す。これからわかるように、本実施例の系では
総合的に非常に良好、との結果が得られた。
【0138】[実施例6]D/Wを2.0とし、BAEとし
た以外は、実施例5と同様の装置を用いた。該IE波長
での1/2感度は900V・cm2/μJ。またEV直線性は
1.04である。また、表面層の抵抗率が2×1013Ω・
cm、表面層による電位むらを調整も実施例5と同様に施
した。ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位
むら、設計ラチチュード、画質解像度を、「◎」:非常に
良好、「○」:良好、「△」:実用上問題なし、「×」:実用上
難がある場合あり、として判定した結果を表1に示す。
これからわかるように、本実施例の系では総合的に非常
に良好、との結果が得られた。
【0139】[実施例7]制御方式を2値とした以外は、
実施例6と同様の装置を用いた。1/2感度、EV直線
性、表面層の抵抗率、表面層による電位むらを調整も実
施例6同様である。ドット安定性、フレア、感光体円筒
軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度を、
「◎」:非常に良好、「○」:良好、「△」:実用上問題なし、
「×」:実用上難がある場合あり、として判定した結果を
表1に示す。これからわかるように、本実施例の系では
総合的に非常に良好、との結果が得られた。
【0140】[実施例8]光学系に図8のタイプのものを
使用した以外は、実施例7と同様の装置を用いた。1/
2感度、EV直線性、表面層の抵抗率、表面層による電
位むら調整も実施例7と同様である。ドット安定性、フ
レア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュー
ド、画質解像度を、「◎」:非常に良好、「○」:良好、
「△」:実用上問題なし、「×」:実用上難がある場合あり、
として判定した結果を表1に示す。これからわかるよう
に、本実施例の系では総合的に非常に良好、との結果が
得られた。
【0141】[実施例9]実施例8と同様の感光体、装置
を使用した。ただし、感光体の表面層は、抵抗率が6×
1013Ω・cmのa-C:Hを大略0.4μm付けた。さらに
感光体の円筒軸方向で表面層の膜質、膜厚をコントロー
ルし、画角特性による電位むらを調整した。ドット安定
性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチ
ュード、画質解像度を、「◎」:非常に良好、「○」:良好、
「△」:実用上問題なし、「×」:実用上難がある場合あり、
として判定した結果を表1に示す。これからわかるよう
に、本実施例の系では総合的に非常に良好、との結果が
得られた。
【0142】[実施例10]実施例7と実施例8の感光
体、装置を使用して、25℃/45%RH(N/N環境とい
う)、35℃/85%RH(H/H環境という)で共にドラム
ヒーター等の感光体過熱手段をOFFにした状態で耐久
試験を行い実施例8タイプ、実施例9タイプ共に良好な
結果が得られた。特に、実施例9のa-C:H表面層を有
する感光体はH/H環境において、高湿流れがa-SiC
よりもさらに良好に抑制されていた。a-SiC表面層を
0.6μmの厚さとし、その上にa-C表面層0.2μm付
けて合計で大略0.8μmとして同様の耐久を行った結
果、実施例8タイプと同様に良好な結果が得られた。
【0143】[比較例1]感光体をOPCにし、IE波長
は655nmのものを用い、D/W=2の装置を用いた。光
学系は図8タイプのものを使用した。BAE、256階
調のPWMで使用し、1/2感度は2800V・cm2
J。またEV直線性は1.75である。また、表面層は
付けていない。ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方
向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度を、
「◎」:非常に良好、「○」:良好、「△」:実用上問題なし、
「×」:実用上難がある場合あり、として判定した結果を
表1に示す。これからわかるように、本実施例の系では
総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0144】[比較例2]D/Wを0.7にし、IAE、2
56階調のPWMとした。IE波長は788nmで使用し
た。光学系は図7タイプのものを使用した。感光体はa
-Si系感光体とし、1/2感度は800V・cm2/μJ。ま
たEV直線性は1.45である。表面層は抵抗率2×1
16Ω・cmの表面層を大略0.8μm付け該表面層による
画角調整は行わなかった。ドット安定性、フレア、感光
体円筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像
度を、「◎」:非常に良好、「○」:良好、「△」:実用上問題
なし、「×」:実用上難がある場合あり、として判定した
結果を表1に示す。これからわかるように、本実施例の
系では総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0145】[比較例3]実施例1と同様の感光体、装置
を用い、IE最大強度を1.2μJ/cm2としてドット安
定性、フレア、感光体円筒軸方向の電位むら、設計ラチ
チュード、画質解像度を、「◎」:非常に良好、「○」:良
好、「△」:実用上問題なし、「×」:実用上難がある場合あ
り、として判定した結果を表1に示す。これからわかる
ように、本実施例の系では総合的に実用上問題なし、と
の結果が得られた。
【0146】[比較例4]比較例3と同じ装置を使用し
た、感光体は1/2感度が420V・cm2μJ/のa-Si感
光体を用いた。EV直線性は1.12で、表面層は抵抗
率2×1016Ω・cmのものを使用し、表面層による画角
調整は行わなかった。ドット安定性、フレア、感光体円
筒軸方向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度
を、「◎」:非常に良好、「○」:良好、「△」:実用上問題な
し、「×」:実用上難がある場合あり、として判定した結
果を表1に示す。これからわかるように、本実施例の系
では総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0147】[比較例5]実施例1と同じ感光体を使用
し、装置はD/Wを4とした以外は実施例1と同様の装
置を使用した。ドット安定性、フレア、感光体円筒軸方
向の電位むら、設計ラチチュード、画質解像度を、
「◎」:非常に良好、「○」:良好、「△」:実用上問題なし、
「×」:実用上難がある場合あり、として判定した結果を
表1に示す。これからわかるように、本実施例の系では
総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0148】(実施例および比較例の条件と結果を示す
表)
【表1】
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、可干渉光を用いた
電子写真装置において、高感度で、EV特性の直線性を
制御されたa-Si感光体を用い、露光光量範囲を規定し
たことを特徴とする構成により、画像露光光量の変化が
あっても、EV流れ等の画質低下を防止し、安定したド
ット潜像を形成することが可能になる。さらに高速化、
長寿命化、という優れた効果を有する。
【0150】また、使用する画像露光の波長を制御する
ことによりEV流れに対するラチチュードが広がるとい
う効果がある。また、特にビーム走査型光学系を有する
系においては、OFSを用いることにより回転多面鏡の
小型化が可能である。したがって、高速化が可能になる
ので、高耐久性のa-Siと非常によいマッチングとなる
ため、高画質のプリントを高速高耐久で実用可能な電子
写真装置を提供することができる。
【0151】さらに、BAEにおいては、ドット潜像の
不安定が画質に与える影響が、より顕著であるため、本
発明の効果は、BAEにおいてより発揮される。また、
装置の設計に関しては、2値制御では追加制御系が原理
上不要である等、より好ましい。
【0152】一方、回転多面鏡によって光ビームを走査
する原理上、感光体面に入射する光ビームの角度が異な
るため、感光体面上での軸方向の光量分布(画角特性)を
生じるが、可干渉光の表面層を用いることにより、干渉
によって入射光量が変わるため、膜厚膜質によって画角
特性を制御することが可能である、という優れた効果を
有する。表面層は、さらにa-C表面層を使用すること
により、EV流れの他、高湿流れにもより良好な特性を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】Gauss分布の光量分布に対する直線的なEV特
性の感光体の潜像モデル図。
【図2】Gauss分布の光量分布に対する下に凸なEV特
性の感光体の潜像モデル図。
【図3】光走査装置の1例を示す摸式説明図。
【図4】IAEとBAEの1ラインの潜像のモデル図。
【図5】光量分布とEV特性とから潜像モデルを導くた
めの概念図。
【図6】アンダーフィールド型光学系(UFS)の1例を
示す摸式説明図。
【図7】オーバーフィールド型光学系(OFS)の1例を
示す摸式説明図。
【図8】OFSの光量分布を調整する方法の一例を示す
摸式説明図。
【図9】ドット径とドット揺らぎの測定結果を示すグラ
フ図。
【図10】OFSの光量分布を調整する方法の他の1例
を示す摸式説明図。
【図11】ビーム径Dと回転多面鏡の対向面の主走査方
向Wとの関係(D/W)と、ドット揺らぎの測定結果のド
ット径での比較を示すグラフ図。
【図12】D/Wとドット揺らぎの測定結果のIAEと
BAEでの比較を示すグラフ図。
【図13】D/Wとフレアの相関を測定した結果を示す
グラフ図。
【図14】a-Si感光体の表面層の膜厚膜質を変化させ
感度光量を測定した結果を示すグラフ図。
【図15】本発明の画像形成装置用感光体の層構成をを
示す摸式説明図。
【図16】RF-PCVDの装置の1例を示す摸式図。
【図17】VHF-PCVDの装置の1例を示す摸式
図。
【図18】本発明にかかる電子写真装置の1例を示す摸
式概略図。
【図19】直線的なEV特性の1例(a-Si感光体のE
V)を示すグラフ図。
【図20】下に凸なEV特性の1例(OPC感光体のE
V)を示すグラフ図。
【図21】EV直線性とEV流れの相関を示すグラフ
図。
【図22】EuとEV直線性の評価結果を示すグラフ
図。
【図23】Euと温度特性の相関を示すグラフ図。
【図24】表面層の抵抗率と帯電性、耐電圧性、残電、
EV流れの評価結果を示すグラフ図。
【図25】IE強度とEV揺らぎの測定結果のEV直線
での比較を示すグラフ図。
【図26】IE強度とEV揺らぎの測定結果の1/2感
度での比較を示すグラフ図。
【符号の説明】 100 レーザーダイオード 102 回転多面鏡 104 光源光学系 106 感光体 108 走査光学系 112 回転多面鏡 112A 反射面 126 フィルター 128 走査レンズ W 反射面の幅 L 光ビーム D 光ビームの幅 1100 感光体 1101 支持体 1102 感光層 1103 光導電層 1104 表面層 1105 電荷注入阻止層 1106 電荷発生層 1107 電荷輸送層 1801 感光体 1802 主帯電器 1803 画像形成光線 1804 現像器 1805 クリーニング装置 1806 主除電光源 1807 クリーニングブレード 1809 レジストローラ 1810 転写紙供給系 1811 転写紙通路 1813 転写紙搬送系 X 感光体の回転進行方向 P 転写材(紙) 2100,3100 堆積装置 2111,3111 反応容器 2112,3112 円筒状支持体 2113,3113 支持体過熱ヒーター 2114,3114 原料ガス導入管 2115 高周波マッチングボックス 2200 原料ガス供給装置 3120 高周波マッチングボックス 3130 放電空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大脇 弘憲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA08 AA28 DA12 2H076 AB05 AB09 AB12 DA06 DA21

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体である感光体に画像信号に応じ
    た画像感光を照射する電子写真方法において、該感光体
    の表面電位を露光により1/2に低下させる感度(1/2
    感度)が500ないし2000V・cm2/μJの範囲であ
    り、且つ前記表面電位を1/4に低減させる1/4感度と
    の比が1.2以下となるa-Si系感光体を用い、前記画
    像露光量を0.15ないし0.6μJ/cm2の範囲で使用す
    ることを特徴とする、電子写真方法。
  2. 【請求項2】 前記感光体の、少なくとも前記画像露光
    の入射する部分において、サブバンドギャップ光吸収ス
    ペクトルから得られる指数関数裾の特性エネルギー(ア
    ーバックテール:Eu)を、50ないし70meVの範囲と
    することを特徴とする、請求項1記載の電子写真方法。
  3. 【請求項3】 前記感光体が表面層を有し、該表面層の
    電気抵抗値が1×1010ないし5×1015Ωcmの範囲で
    あることを特徴とする、請求項1または2記載の電子写
    真方法。
  4. 【請求項4】 前記表面層の一部ないしは全部が、少な
    くとも主として非晶質炭素からなることを特徴とする、
    請求項3記載の電子写真方法。
  5. 【請求項5】 前記画像露光が可干渉光であり、前記表
    面層の最表面部の反射と、該表面層下部、ないしは表面
    層と光導電層の界面部での反射光が干渉を生じることを
    特徴とする、請求項3または4記載の電子写真方法。
  6. 【請求項6】 前記感光体の干渉が、前記可干渉光の照
    射軸方向(主走査方向)で変化可能であることを特徴とす
    る、請求項5記載の電子写真方法。
  7. 【請求項7】 前記画像露光のピーク波長が、前記感光
    体の分光感度が極大値になる波長、ないしはそれ以下の
    波長であることを特徴とする、請求項1ないし6のいず
    れかに記載の電子写真方法。
  8. 【請求項8】 前記可干渉光が、回転多面鏡に光ビーム
    を入射させて偏向させ、前記感光体表面に走査して照射
    されることを特徴とする、請求項5ないし7のいずれか
    に記載の電子写真方法。
  9. 【請求項9】 前記回転多面鏡の反射面における光ビー
    ム径Dと、該回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wとの
    関係が、3.0≧D/W≧1.5であることを特徴とす
    る、請求項8記載の電子写真方法。
  10. 【請求項10】 前記画像露光の感光体表面におけるス
    ポット径が、60μm以下であることを特徴とする、請
    求項8または9記載の電子写真方法。
  11. 【請求項11】 前記画像露光手段が、非画像部(背景
    部)を露光するバックグラウンド露光法の画像形成方式
    であることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれ
    かに記載の電子写真方法。
  12. 【請求項12】 前記画像信号が、On/Off(2値)方式で
    あることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか
    に記載の電子写真方法。
  13. 【請求項13】 少なくとも記録媒体である感光体と、
    該感光体表面に画像信号に応じた画像露光を照射する画
    像露光手段、とを有する電子写真装置において、該感光
    体の表面電位を露光により1/2に低下させる感度(1/
    2感度)が500ないし2000V・cm2/μJの範囲であ
    り、且つ前記表面電位を1/4に低減させる1/4感度と
    の比が1.2以下となるa-Si系感光体を用い、前記画
    像露光手段が、該感光体に照射する光量が0.15ない
    し0.6μJ/cm2の範囲であることを特徴とする、電子
    写真装置。
  14. 【請求項14】 前記感光体の、少なくとも前記画像露
    光の入射する部分において、サブバンドギャップ光吸収
    スペクトルから得られる指数関数裾の特性エネルギー
    (アーバックテール;Eu)が、50ないし70meVの範囲
    であることを特徴とする、請求項13記載の電子写真装
    置。
  15. 【請求項15】 前記感光体が表面層を有し、該表面層
    の電気抵抗値が1×1010ないし5×1015Ωcmの範囲
    であることを特徴とする、請求項12ないし14のいず
    れかに記載の電子写真装置。
  16. 【請求項16】 前記表面層の一部ないしは全部が、少
    なくとも主として非晶質炭素からなることを特徴とす
    る、請求項15記載の電子写真装置。
  17. 【請求項17】 前記画像露光手段が可干渉光を発する
    装置であって、前記表面層の最表面部の反射と、該表面
    層下部ないしは表面層と光導電層の界面部での反射光が
    干渉を生じることを特徴とする、請求項15または16
    記載の電子写真装置。
  18. 【請求項18】 前記感光体の干渉が、少なくとも前記
    画像露光の照射軸方向(主走査方向)で変化していること
    を特徴とする、請求項17記載の電子写真装置。
  19. 【請求項19】 前記画像露光手段が、前記感光体の分
    光感度が極大値になる波長ないしはそれ以下のピーク波
    長の光を発することを特徴とする、請求項13ないし1
    8のいずれかに記載の電子写真装置。
  20. 【請求項20】 前記画像露光手段が、少なくとも光ビ
    ーム発振手段と、回転多面鏡とを有することを特徴とす
    る、請求項17ないし19のいずれかに記載の電子写真
    装置。
  21. 【請求項21】 前記回転多面鏡の反射面における光ビ
    ーム径Dと、該回転多面鏡の対向面の主走査方向幅Wと
    の関係が、3.0≧D/W≧1.5であることを特徴とす
    る、請求項20記載の電子写真装置。
  22. 【請求項22】 前記画像露光の感光体表面におけるス
    ポット径が、60μm以下であることを特徴とする、請
    求項20または21記載の電子写真装置。
  23. 【請求項23】 前記画像露光手段が、非画像部(背景
    部)を露光することを特徴とする、請求項13ないし2
    2のいずれかに記載の電子写真装置。
  24. 【請求項24】 前記画像信号が、On/Off(2値)方式で
    あることを特徴とする、請求項13ないし23のいずれ
    かに記載の電子写真装置。
  25. 【請求項25】 少なくとも記録媒体である感光体と、
    該感光体表面に画像露光を照射する画像露光手段とを有
    する電子写真装置において、該感光体が1/2感度が5
    00ないし2000V・cm2/μJの範囲であり、該1/2
    感度と1/4感度との比が1.2以下となるa-Si系感光
    体であって、前記画像露光手段が、少なくとも光ビーム
    発振手段と回転多面鏡とを有し、該回転多面鏡に光ビー
    ムを入射させて偏向させる光走査装置を介して該光ビー
    ムを照射するものであって、前記回転多面鏡の反射面に
    おける光ビーム径Dと該回転多面鏡の対向面の主走査方
    向幅Wとの関係が、3.0≧D/W≧1.5であり、前記
    光ビームを感光体に照射する露光量が0.15ないし0.
    6μJ/cm2の範囲であって、非画像部(背景部)を露光す
    るバックグラウンド露光を行うものであることを特徴と
    する、電信写真装置。
  26. 【請求項26】 少なくとも非晶質珪素を含有し、分光
    感度が極大値を取る波長ないしはそれ以下の波長におい
    て、1/2感度が500ないし2000V・cm2/μJの範
    囲であり、且つ1/2感度と1/4感度との比が1.2以
    下となる範囲を有することを特徴とする、電子写真感光
    体。
  27. 【請求項27】 表面層を有し、該表面層の電気抵抗値
    が1×1010ないし5×1015Ωcmの範囲であることを
    特徴とする、請求項26記載の電子写真感光体。
  28. 【請求項28】 前記表面層の一部ないしは全部が、少
    なくとも主として非晶質炭素からなることを特徴とす
    る、請求項27記載の電子写真感光体。
  29. 【請求項29】 前記表面層の最表面部における反射
    と、該表面層下部ないしは表面層と光導電層との界面部
    における反射光とが、干渉を生じ得ること(可干渉であ
    ること)を特徴とする、請求項26ないし28のいずれ
    かに記載の電子写真感光体。
  30. 【請求項30】 前記感光体の干渉が、少なくとも該感
    光体に画像露光が照射される軸方向(主走査方向)で変化
    することを特徴とする、請求項29記載の電子写真感光
    体。
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