JP5121796B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、画像形成方法に関し、特に導電性基体上に、光導電層、中間層、および表面層を積層してなる電子写真感光体を用いた画像形成方法に関する。
近年、感度や硬度、耐久性などに優れた電子写真感光体として、アモルファスシリコン感光体(以下、「a−Si感光体」と称する場合がある。)が提案されている。かかるa−Si感光体は、例えば導電性基体上に、光導電層や表面層を積層して構成されるが、その光導電層の正孔移動度や電子移動度は所定の範囲に規定されている。
このような構成のa−Si感光体は、例えば、以下の特許文献1〜3に開示されている。
まず、特許文献1に記載のa−Si感光体300は、図14(a)〜(c)に示すように、導電性支持体301上に、少なくとも非単結晶シリコン系材料で構成される光導電性を示す第1の層302と、シリコン原子と炭素原子、窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される少なくとも一つの元素を有する中間層303と、導電型が周期律表第III族に属する少なくとも一種の元素により、帯電極性と同極性に調整されるシリコン原子、炭素原子、窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される少なくとも一つの元素を有する第3の層304と、を順次積層して構成されている。
なお、このa−Si感光体300における第3の層304の正孔移動度は5×10-9cm2/V・s以上に設定されている。
また、特許文献2に記載のa−Si感光体404は、図15に示すように、支持体401上に、光励起によってキャリアを発生する光導電層402と、非晶質カーボンを主成分にした電荷移動層(表面層)403と、を順次積層して構成されている。なお、このa−Si感光体404における光導電層402の電子移動度は0.1×10-6〜100×10-6cm2/V・sの範囲に設定されている。
また、特許文献3に記載の画像形成装置は、導電性基体上にアモルファス状の珪素含有化合物を含む光導電層を有する感光層を形成してなる電子写真感光体と、面発光レーザアレイを有し、3本以上光ビームを電子写真感光体上に走査させて静電潜像を形成させるマルチビーム方式の露光装置と、を備えている。
なお、この電子写真感光体における光導電層の電荷移動度は1×10-4cm2/V・s以上に設定されている。
一方、a−Si系材料により構成される表面層を有する電子写真感光体を画像形成装置に搭載して耐刷を行った場合には、しばしば画像流れと呼ばれる画像不良が発生するという問題があった。このような問題は、とくに高湿環境下で耐刷を行った場合に生じやすい。
このような画像流れは、印刷時におけるコロナ放電に起因して表面層の吸水性・吸湿性が高くなるためであると考えられる。すなわち、コロナ放電時には、硝酸イオンやアンモニウムイオン等の放電生成物が生成されて表面層に吸収されるが、この放電生成物が高湿環境下で大気中の水分を吸収するために表面層の吸水性が高くなる。また、表面層の表面に位置するSi原子がコロナ放電により酸化され、その表面の親水性が高くなるために表面層の吸湿性が高くなる。表面層の吸水性・吸湿性が高くなった場合には、表面層の電気抵抗が低下して表面層上に形成された静電潜像の電荷が移動するため、静電潜像のパターンが維持されなくなって、画像流れが生じる。
そこで、このような画像流れの発生を防止する方法としては、種々の方法が提案されている。その一例としては、ヒータを用いて感光体を加熱することにより表面層に吸着した水分を飛散させる方法がある。この方法では、ヒータを用いる分だけ装置構成が複雑化して製造コストが上昇するのに加え、ヒータを駆動させる必要があるためにランニングコストが高くなるといった問題がある。
また、別な画像流れ防止技術に関して、表面層のカーボンとシリコンの原子濃度や動的押し込み硬さなどを所定の範囲内に設定する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
この方法では、表面層におけるカーボンとシリコンの原子濃度は、表面層の組成式(a−Si1−x:H)におけるx値(炭素比率)が0.95以上1.00未満に設定される。また、表面層の動的押し込み硬さは、プリンタに設けられたクリーニング手段等により複写プロセス毎に適度に表面が研磨されるように、光導電層との界面側から自由表面側に向かって漸次小さくなるように構成されている。
このような画像流れ防止技術によれば、表面に微細な凹凸が存在する使用の初期段階において凹部に入り込んでいる放電生成物を、使用と共に凹凸を平坦化することにより除去することできる。また、磨耗の進行に伴って表面層の硬度が徐々に大きくなることから、研磨による削れ量が小さくなるとともに、表面を傷付きにくくすることができるため、優れた電子写真特性を長期にわたって保持することができる。
また、画像流れ防止技術に関して、さらに別の手段として、感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対して光照射する露光手段と、感光体表面に形成された静電潜像に対してトナー像を感光体の表面に形成する現像手段と、トナー像を被転写材に転写する転写手段と、該転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、転写後に残余静電潜像を除去する除電手段と、を備えた画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
特開平8−227168号公報 特開昭63−129348号公報 特開2005−274755号公報 特開平9−204056号公報 特開平11−52598号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載のa−Si感光体では、中間層及び表面層におけるそれぞれの電子移動度が規定されておらず、表面による保護機能や電子移動の表面拡がり方向における拡散制御が不十分であった。また、成膜後に研磨装置等を用いて高硬度のa−SiC系の表面を均一に研磨するために製造コストの大幅な上昇も招いていた。
一方、近年、画像形成装置は高解像度化、高速化、低価格化が一層進み、それに伴って電子写真感光体への高画質化、高耐久性かつ低価格化の要求も一層強くなっており、安価で製造可能である高硬度なa−Si系の電子写真感光体において、画像流れ防止策が求められていた。
そこで、このような現象が発生する原因を鋭意検討した結果、光導電層と、中間層と、表面層と、を設けるとともに、中間層及び表面層における電子移動度を所定値とすることによって、従来の問題が解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、解像度や保護機能に優れるとともに、ヒータレスシステムを採用した場合であっても、画像流れが少ない画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、電子写真感光体を用いた画像形成方法であって、電子写真感光体が、導電性基体と、導電性基体上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む光導電層と、当該光導電層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む中間層と、当該中間層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む表面層と、を備えた電子写真感光体であって、中間層の電子移動度を0.03cm2/V・sを超えるとともに、0.1cm2/V・s以下の値とし、かつ、表面層の電子移動度を0.03cm2/V・s以下の値とした画像形成方法が提供され、上述した問題点を解決することができる。
より具体的には、電子写真感光体を用いた画像形成方法であって、電子写真感光体が、導電性基体と、導電性基体上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む光導電層と、当該光導電層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む中間層と、当該中間層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む表面層と、を備えた電子写真感光体であって、中間層に、ケイ素および炭素を含むとともに、炭素含有量(100×C/(Si+C))を、中間層の全体量に対して、1〜20モル%の範囲内の値とし、かつ、中間層の電子移動度を0.03cm2/V・s超〜0.1cm2/V・sの範囲内の値とし、表面層に、ケイ素および炭素を含むとともに、表面層を、第1の表面層と第2の表面層の二つから構成し、第1の表面層における炭素含有量(100×C/(Si+C))を20〜85モル%とし、第2表面層の炭素含有量(100×C/(Si+C))を85%から自由表面に向かって漸次大きくして、最表面の炭素含有量(100×C/(Si+C))を92〜94.5モル%の範囲内の値とし、かつ、表面層の電子移動度を0.01〜0.03cm2/V・sの範囲内の値とすることを特徴とする画像形成方法である。
すなわち、光導電層と、所定の電子移動度を有する中間層及び表面層と、を積層することによって、解像度に優れるとともに、ヒータレスシステムを採用した場合であっても、像流れが少ない電子写真感光体(a−Si感光体)を得ることができる。
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、中間層及び表面層は、ケイ素および炭素以外に、水素、酸素、及び窒素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を更に含むことが好ましい。
このように構成することにより、電子写真感光体の光感度を損なうことなく、また、著しい残留電位の増大を招くことなく、電気特性が安定した、解像度に優れた電子写真感光体とすることができる。
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、導電性基体と、光導電層との間に、アモルファスシリコン系材料を含んでなり、導電性基体への電荷の注入を阻止するための電荷注入阻止層を更に備えることが好ましい。
このように構成することにより、表面層における電子の横流れ等をさらに厳密に制御して、解像度にさらに優れ、電気特性が安定した電子写真感光体とすることができる。
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、中間層の膜厚を500Å〜8000Åの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、表面層との密着性を高めると共に、表面層との相互作用により、高解像度化を達成し、さらに感度の低下や残留電位に起因する印字品質の低下を抑制することができる。
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、表面層の膜厚を1000Å〜10000Å未満の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、表面層における電子の横流れ等を厳密に制御して、解像度にさらに優れ、電気特性が安定した電子写真感光体とすることができる。
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、ヒーターレスシステムとすることが好ましい。
このように構成することにより、解像度に優れた画像形成装置を得ることができる。
なお、上述したいずれかの電子写真感光体を備えた画像形成装置において、ヒータレスシステムを採用した場合、本発明の電子写真感光体であれば、像流れが少ないアモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置を得ることができる。
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、解像度を600dpi以上の値とすることが好ましい。
このように構成することにより高画質な画像を得ることができる。
電子写真感光体の基本的構成を説明するための切り欠け断面図である。 電荷の動きをモデル的に説明するために供する図である。 解像度に対する、第3の層の移動度の影響を説明するために供する図である。 (a)〜(c)は、Rs/Rの関係を説明するために供する図である。 第3の層における炭素原子の含有量と、電子移動度及び比誘電率との関係を説明するために供する図である。 第3の層における炭素原子の含有量と、表面硬度との関係を説明するために供する図である。 (a)〜(b)は、印字状態によって、高湿条件下での像流れの発生防止を説明するために供する図である。 第2の層及び第3の層における炭素原子の含有量の深さ方向の濃度分布の傾きをそれぞれ説明するために供する図である。 画像形成装置の模式図である。 電子写真感光体を含む現像装置の部分拡大図である。 光源としてのLEDヘッドを説明するために供する図である。 TOF法を用いた電子写真感光体の電子移動度の測定方法を説明するために供する図である。 所定枚数の連続印刷後における、露光エネルギーと、表面電位との関係を説明するために供する図である。 従来の電子写真感光体の成を説明するための模式的断面図である(その1)。 従来の電子写真感光体の成を説明するための模式的断面図である(その2)。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1に例示するように、
導電性基体10と、
導電性基体10上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む光導電層(第1の層と称する場合がある。)14と、
当該光導電層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む中間層(第2の層と称する場合がある。)16と、
当該中間層16上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む表面層(第3の層と称する場合がある。)18と、
を備えた電子写真感光体1であって、
中間層16の電子移動度を0.03cm2/V・sを超えるとともに、0.1cm2/V・s以下の値とし、かつ、表面層18の電子移動度を0.03cm2/V・s以下の値とした電子写真感光体1を用いた画像形成方法である。
より具体的には、導電性基体と、導電性基体上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む光導電層と、当該光導電層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む中間層と、当該中間層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む表面層と、を備えた電子写真感光体であって、中間層に、ケイ素および炭素を含むとともに、表面層を、第1の表面層と第2の表面層の二つから構成し、第1の表面層における炭素含有量(100×C/(Si+C))を20〜85モル%とし、第2表面層の炭素含有量(100×C/(Si+C))を85%から自由表面に向かって漸次大きくして、炭素含有量(100×C/(Si+C))を、中間層の全体量に対して、1〜20モル%の範囲内の値とし、かつ、中間層の電子移動度を0.03cm2/V・s超〜0.1cm2/V・sの範囲内の値とし、表面層に、ケイ素および炭素を含むとともに、最表面の炭素含有量(100×C/(Si+C))を92〜94.5モル%の範囲内の値とし、かつ、表面層の電子移動度を0.01〜0.03cm2/V・sの範囲内の値とすることを特徴とする電子写真感光体を用いた画像形成方法である。
すなわち、図2に、ビームを照射した際の電荷の動きをモデル的に示すが、第1の実施形態の画像形成方法によれば、中間層16の電子移動度(E1)及び表面層18の電子移動度(E2)を所定範囲に規定することによって、感光体表面でのマイナス電子の横方向(平面方向)の移動が制限されるとともに、光導電層としての第1の層14の正孔と効率的に再結合することになる。
また、再結合によって残った正孔は、電界に沿って、電荷注入阻止層12を介して、導電性基体10に流入し、アース(図示せず)に短絡することになる。
したがって、このような構成の電子写真感光体1であれば、極めて解像度に優れたa−Si感光体を構成することができる。
また、表面層の電子移動度(E2)を、中間層の電子移動度(E1)よりも小さくすることが好ましい。
このように構成することにより、中間層の電子移動度(E1)と、表面層の電子移動度(E2)との関係から、表面層における電子の横流れをさらに厳密に制御して、解像度にさらに優れた電子写真感光体とすることができる。すなわち、第2の層16と、表面層18との相乗効果によって、さらに解像度に優れるとともに、製造容易なa−Si感光体を得ることができる。
さらに、第1の実施形態における電子写真感光体1によれば、主として、中間層16によって所定の耐湿性を示すとともに、主として、表面層18によって適当な研磨性を示すことから、ヒータレスシステムを採用し、高湿条件下であっても、像流れが少ないa−Si感光体を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、第1の実施形態における電子写真感光体を具体的に説明する。
1.基本的構成
図1は、第1の実施形態における電子写真感光体1の基本的構成を説明するための切り欠け断面図を示している。かかる図1において、アルミニウムなどから構成された導電性基体10が、基材として備えてある。
また、その導電性基体10上に、アモルファスシリコン等から構成された電荷注入阻止層12が備えてある。また、その電荷注入阻止層12の上に、アモルファスシリコン等から構成された光導電層14が備えてある。
また、その光導電層14の上に、アモルファスシリコンと、炭素原子と、水素原子とを含有したSiC:Hから構成された中間層(第2の層)が備えてある。
また、その中間層の上に、アモルファスシリコンと、炭素原子と、水素原子から構成された表面層(表面層)が備えてある。
さらに、中間層の電子移動度(E1)が、0.03cm2/V・sを超えるとともに、0.1cm2/V・s以下の値に制御され、かつ、表面層の電子移動度(E2)が、0.01〜0.03cm2/V・sの範囲内の値に制御されている。
なお、本発明の目的が達成される範囲内において、かかる電子写真感光体1の基本的構成を適宜変更することができる。
2.導電性基体
また、図1に例示する導電性基体(支持基体と称する場合がある。)10の構成材料としては特に制限されるものではないが、Al、SUS、Zn、Cu、Fe、Ti、Ni、Cr、Ta、Sn、Au、Ag等の金属材料や、それらの合金材料から構成することが好ましい。
また、樹脂やガラス・セラミック等の電気絶縁体の表面に、上述した金属やITOやSnOなどの透明導電性材料を蒸着して、導電処理した材料も用いることができる。
就中、Al合金を用いると、低コストとなり、しかも、軽量化でき、その上、後述する光導電層や電荷注入阻止層との密着性が高くなって信頼性が向上するという点で好適である。
3.電荷注入阻止層
電荷注入阻止層12は、導電性基体10と、第1の層14との間に必要に応じて設けられ、導電性基体10からの電荷の注入を阻止するために設けることが好ましい。
すなわち、電荷注入阻止層12によって、所定方向の電荷の流れを制御し、ひいては、表面層18における電子の横流れ等をさらに厳密に制御して、解像度にさらに優れた電子写真感光体1とすることができる。
また、電荷注入阻止層は、上述のようにアモルファスシリコン(a−Si)などのアモルファスシリコン系材料(以下、a−Si系材料と称する場合がある)により形成されるが、特にアモルファスシリコンに、C、N、O等を加えた合金のアモルファスシリコン系材料を用いるのが好ましい。そうすれば、高い光導電性特性、高速応答性、繰り返し安定性、耐熱性、耐久性などに優れた電子写真特性が安定して得られ、さらにアモルファスシリコン系材料により形成される表面層との整合性に優れたものとなる。
ここで、a−Siに、C、N、O等を加えた合金のa−Si系材料としては、a−SiC、a−SiN、a−SiO、a−SiGe、a−SiCN、a−SiNO、a−SiCO及びa−SiCNOなどを挙げることができる。
これらのa−Si系材料による電荷注入阻止層は、たとえば、グロー放電分解法、各種スパッタリング法、各種蒸着法、ECR法、光CVD法、触媒CVD法、及び反応性蒸着法などにより成膜形成し、その成膜形成に当たってダングリングボンド終端用に水素(H)やハロゲン元素(FやCl)を、膜全体を100原子%としたときに、1〜40原子%の範囲で含有させることにより形成することができる。
また、電荷注入阻止層の成膜にあたっては、各層の暗導電率や光導電率などの電気的特性及び光学的バンドギャップなどについて所望の特性を得るために、周期律表第13族元素(以下、「第13族元素」と略す)や周期律表第15族元素(以下、「第15族元素」と略す)を含有させたり、C、N、Oなどの元素の含有量を調整したりして、上述した諸特性を調整することもできる。
また、第13族元素及び第15族元素としては、共有結合性に優れて半導体特性を敏感に変え得る点、及び優れた光感度が得られるという点でホウ素(B)及びリン(P)を用いるのが望ましい。
第13族元素及び第15族元素をC、O等の元素とともに含有させる場合には、第13族元素の含有量は0.1〜20000ppm、第15族元素の含有量は0.1〜10000 ppmであるのが好ましい。
また、C、O等の元素を含有させないか、または微量含有させる場合は、第13族元素の含有量は0.01〜200ppm、第15族元素の含有量は0.01〜100ppmの範囲であることが好ましい。
さらに、これらの元素は、層厚方向にわたって勾配を設けてもよく、その場合には層全体の平均含有量が上記範囲内であればよい。
以上述べたa−Si系材料について、電荷注入阻止層は、第13族元素や第15族元素を含有させて導電性を調整したり、光導電層よりも多くのC、N、Oを含有させて高抵抗化させるとよい。
また、電荷注入阻止層の膜厚を0.5〜12μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる電荷注入阻止層の膜厚が0.5μm未満の値になると、導電性基体に対する電荷注入阻止効果が著しく低下したり、均一な厚さに形成したりすることが困難となる場合があるためである。
一方、電荷注入阻止層の膜厚が12μmを超えると、製造管理が困難となったり、著しい残留電位の増大を招いたりする場合があるためである。
したがって、かかる電荷注入阻止層の膜厚を1〜10μmの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜7μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.光導電層(第1の層)
また、図1に示すように、光導電層(第1の層)14は、アモルファスシリコン系材料を主成分とし、光導電性材料から構成されている。
したがって、アモルファスシリコン系材料以外に、例えば、水素原子及びハロゲン原子からなる群から少なくとも1つ選択された元素を含有することが好ましい。すなわち、このような原子を添加することにより、光導電層における電荷移動度を、所定範囲に正確に制御することができるためである。
また、前述の電荷注入阻止層同様、必要に応じてa−Siに、C、N、O等を加えた合金のa−Si系材料を用いたり、13族元素や15族元素を含有させて導電性や光導電率などの電気的特性及び光学的バンドギャップなどを調整することもできる。
さらに、光導電層については、a−Si系材料に微結晶シリコン(μc−Si)を含んでいてもよく、このμc−Siを含ませた場合には、暗導電率・光導電率を高めることができるので、光導電層の設計自由度が増すといった利点がある。このようなμc−Siは、先に説明した成膜方法を採用し、その成膜条件を変えることにより形成することができる。たとえば、グロー放電分解法では、導電性基体の温度及び高周波電力を高めに設定し、希釈ガスとしての水素流量を増すことによって形成できる。また、μc−Siを含む光導電層においても、先に説明したのと同様な不純物元素を添加してもよい。
また、光導電層の膜厚を1〜100μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、光導電層の膜厚が1μm未満の値になると、光導電性が著しく低下したり、均一な厚さに形成したりすることが困難となる場合があるためである。一方、光導電層の膜厚が100μmを超えると、製造コストの上昇を招くだけでなく、製造管理が困難となって、逆に均一な厚さに形成したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、かかる光導電層の膜厚を5〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましく、8〜20μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
5.中間層(第2の層)
また、中間層としての第2の層は、アモルファスシリコン系材料と、炭素原子と、水素原子とを含有したa−SiC:Hを含むことが好ましい。
この理由は、このような中間層とすることにより、後述する表面層との相乗効果によって、解像度に優れるとともに、ヒータレスシステムを採用した場合であっても、像流れが少ないa−Si感光体を得ることができるためである。
また、中間層の電子移動度(E1)を0.03cm2/V・sを超えるとともに、0.1cm2/V・s以下の値とする。
この理由は、中間層の電子移動度が0.03cm2/V・s以下の場合、中間層での電子移動度が小さくなりすぎるためである。したがって、電子の走行性が悪く、感度の低下や残留電位の増大が発生することがあり、濃度低下やカブリなど印字品質の低下を招く場合がある。
また、中間層の電子移動度が小さすぎる場合、光導電層との移動度の差が大きくなりすぎるためである。
したがって、光導電層との界面において、急激に移動度が低下することから、余剰電子による渋滞現象が発生し、その結果界面部分での電子の横流れによる解像度低下が起こる場合がある。
また、中間層の電子移動度が0.1cm2/V・sより大きい場合、後述する表面層との界面部に短時間に多量の電子が到達し、その部分で電子の渋滞現象が発生し、横流れが発生することがあるためである。
また、中間層の膜厚を500〜8000Åの範囲とすることが好ましい。
この理由は、500Åより薄い場合は、膜厚が薄すぎて中間層としての機能を果たさないためである。また、8000Åより厚い場合は、製造コストの上昇を招くだけでなく、感度の低下や残留電位の増大が発生することがあり、濃度低下やカブリなど印字品質の低下を招く場合があるためである。
また、中間層は、アモルファスシリコン(a−Si)以外に、種々の材料を用いることができる。
例えば、a−Si系材料として、アモルファスシリコンナイトライド(a−SiN)、アモルファスシリコンオキサイド(a−SiO)、アモルファスシリコンオキシカーバイド(a−SiCO)、アモルファスシリコンオキシナイトライド(a−SiNO)などの高抵抗材料を用いてもよい。
これらは、a−Siと同様の薄膜形成手段により成膜し、その成膜形成に当たっては、ダングリングボンド終端用、もしくは硬度あるいは抵抗値調整用として水素やハロゲン(F、Cl)を、膜中にシリコン原子と炭素原子の総数に対して、1〜160原子%含有させるとよい。
6.表面層(第3の層)
また、表面層としての第3の層は、その電子移動度(E2)を0.01〜0.03cm2/V・sの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる表面層の電子移動度(E2)が0.03cm2/V・sを超えると、平面方向の像流れが多くなって、著しく平面方向の解像度が低下する場合があるためである。
すなわち、感光体の自由表面となりうる表面層の電子移動度を0.03cm2/V・s以下にすることにより、感光体表面に到達し、表面の電荷と再結合できなかった電子の横流れによる解像度の低下を防止することができる。
但し、かかる表面層の電子移動度(E2)が過度に小さくなると、製造時間が過度に長くなったり、深さ方向の感度が低下したりする場合がある。
したがって、表面層の電子移動度(E2)を0.01〜0.01cm2/V・sの範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.008cm2/V・sの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
さらに、表面層の膜厚を、1000Å以上、10000Å未満とすることである。
この理由は、表面層の膜厚が10000Åより厚い場合は、製造コストの上昇を招くだけでなく、感度の低下や残留電位の増大が発生し、濃度低下やカブリなど印字品質の低下を招く場合があるためである。また、長期にわたって感光体を使用した場合であっても、所定の画像品質を維持するために、表面層の膜厚としては、1000Å以上の値が好ましい。
ここで、図3を参照して、解像度に関して、表面層の移動度(E2)の影響を説明する。
すなわち、図3の曲線Aに示すように、表面層の移動度(E2)を0.01cm2/V・sとすることにより、最も狭いエリア(±42μm)において、表面の電解強度が、現像開始の電解強度である1×106(V/m)の値を超えている。
また、図3の曲線Bに示すように、表面層の移動度(E2)を0.02cm2/V・sとすることにより、比較的狭いエリア(±60μm)において、表面の電解強度が、現像開始の電解強度である1×106(V/m)の値を超えている。
さらに、図3の曲線Cに示すように、表面層の移動度(E2)を0.03cm2/V・sとすることにより、比較的広いものの、従来と比べて狭いエリア(±84μm)において、表面の電解強度が、現像開始の電解強度である1×106(V/m)の値を超えている。
したがって、表面層における移動度を所定値以下とすることにより、狭いエリアにおいて、すなわち、優れた解像度が得られる条件において、表面の電解強度を、現像開始の電解強度に至らしめることができる。
また、図4を参照して、表面層における表面の電解強度に影響するR(単位時間あたりの内部再結合係数)と、Rs(単位時間あたりの表面再結合係数)との関係をさらに説明する。
すなわち、既に参照した図2において示すように、正孔と、電子との再結合は、光導電層としての第1の層の内部(その再結合係数がR)と、表面層における表面(その再結合係数がRs)とで生じていると考えられる。
そこで、かかるRs/Rを、1.0、2.5、5.0とそれぞれ変えて計算した表面の電解強度の結果を図4に示す。
かかる図4(a)に、Rs/R=1.0の場合の所定位置における表面の電解強度の値を示しており、実線で示す結果が、露光エネルギーが0.45μJ/cm2であって、現像バイアスが80Vの場合であり、点線で示す結果が、露光エネルギーが0.15μJ/cm2であって、現像バイアスが240Vの場合である。
また、同様に、図4(b)に、Rs/R=2.5の場合の所定位置における表面の電解強度の値を示しており、図4(c)に、Rs/R=5.0の場合の所定位置における表面の電解強度の値を示している。
これらの結果から理解できるように、Rs/R=1.0の場合には、実線及び点線とも、現像開始の電解強度である1×106(V/m)の値に達しておらず、第1の層の内部再結合係数(R)が一定であることを前提に、表面層における単位時間あたりの表面再結合係数(Rs)が小さすぎるため、現像に適した帯電特性や電界が得られないと言える。
また、Rs/R=2.5の場合には、実線及び点線とも、現像開始の電解強度である1×106(V/m)の値に達しており、表面層における単位時間あたりの表面再結合係数(Rs)が適当であって、所定の帯電特性が効率的に得られると言える。
さらに、Rs/R=5.0の場合には、実線及び点線とも、現像開始の電解強度である1×106(V/m)の値をかなり超えており、表面層における単位時間あたりの表面再結合係数(Rs)が大きすぎ、逆に、平面方向の存在確率が大きくなって、感度が低下する場合があると言える。
なお、光導電層の電子移動度が大きい場合、感光体表面に、短い時間で電子が到達することになる。しかしながら、感光体表面近傍には、短い時間内で表面電荷と結合しなかった電子が存在する。すると、それらの電子が横方向への移動を始める。そして、その横方向の移動も、感光体表面近傍の電子移動度が大きい場合には、それに対応して大きくなり、表面に形成される潜像の拡散が大きくなると言える。
一方、表面層における単位時間あたりの表面再結合係数(Rs)は、移動中の電子と、表面電荷との結合確率を表す数字であって、その値が大きくなると、通常は、潜像の拡散が抑制されることになる。
さらに、光導電層における単位時間あたりの内部再結合係数(R)は、正孔との結合に余った電子の数を決める係数であって、潜像の深さに影響すると言える。
よって、以上のことから、Rs/Rを1.5〜4.5の範囲内の値とすることが好ましく、2.0〜4.0の範囲内の値とすることがより好ましく、2.2〜3.0の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、図2に示す物理モデルをもとに、潜像の表面電荷分布を現像電界算出モデルに代入し、ポアソンの式で解き、感光層表面近傍の現像電界強度分布を算出した。以下に、主な物理モデルの関係式(1)〜(5)を示す。
(光の透過吸収の関係式)
F=F0・exp(−αd) (1)
0:感光体表面に照射された光の強度分布
F :透過した光の強度分布
α :光の吸収係数
d :感光体表面からの距離
(キャリア生成量の算出式)
Γ=β・η・ΔF/(Δd・hν) (2)
Γ :生成キャリア量
ΔF:感光層に吸収される光強度
β :光の吸収効率
η :量子効率
Δd:感光層の厚さ
hν:フォトン一個あたりのエネルギー
(電流連続の式)
δnp/δt+diν(μpEnp)=−Rnpn (3)
δnn/δt+diν(−μnEnn)=−Rnpn−Rsnσ/hm (4)
(ポアソンの式)
diν(εE)=e(np−nn+σ/hm) (5)
p,nn:正孔及び電子の個数密度
σ :表面電荷密度
m :物理モデルの格子サイズ
μp,μn:正孔及び電子の移動度
E :電界強度
R :単位時間あたりの内部の再結合係数
s :単位時間あたりの表面再結合係数
ε :誘電率
e :電荷素量
次いで、図5を参照して、中間層または表面層における代表的な成膜条件における炭素原子の含有量(100×C/(Si+C))と、電子移動度及び比誘電率との関係を用いて、本発明におけるヒーターレス仕様の感光体を、例えば、特許第3279926号に記載された感光体に応用することを想定して説明する。
すなわち、図5の横軸には、中間層または表面層における炭素原子の含有量(100×C/(Si+C))(mol%)が採って示してあり、左縦軸には、表面層における比誘電率(−)が採って示してあり、実線Nで関係を示している。また、図5の右縦軸には、中間層または表面層における電子移動度(E2)(cm2/V・s)が採って示してあり、実線Mで関係を示している。
かかる図5から理解されるように、中間層または表面層における炭素原子の含有量、すなわちカーボン含有量がある一定値以上となると、比誘電率が低下するとともに、電子移動度の値も低下するものの、カーボン含有量が一定値を超えると、今度は電子移動度が著しく上昇する傾向がある。
したがって、かかる成膜条件においては、中間層のカーボン含有量100×C/(Si+C))を1〜20モル%以内に設定し、さらに表面層のカーボン含有量100×C/(Si+C))を20〜97モル%の範囲に設定することが好ましいことが理解される。
また、図6を参照して、表面層におけるかかる成膜条件における炭素原子の含有量(100×C/(Si+C))と、動的押し込み硬さとの関係を説明する。
図6の横軸には、表面層におけるカーボン含有量(100×C/(Si+C))が採って示してあり、左縦軸には、表面層における動的押し込み硬さ(kgf/mm2)が採って示してあり、実線でそれらの関係を示している。
かかる図6から理解されるように、表面層における炭素原子の含有量が増加すると、動的押し込み硬さもそれに伴って増加するものの、炭素原子の含有量が一定値を超えると、今度は動的押し込み硬さが著しく低下する傾向がある。
したがって、かかる成膜条件において、本発明におけるヒーターレス仕様を実現するには、表面層を、第1の表面層と第2の表面層の2つから構成することを特徴とする。すなわち、第1の表面層におけるカーボン含有量(100×C/(Si+C))を20〜85モル%とし、第2の表面層のカーボン含有量(100×C/(Si+C))を85モル%から自由表面に向かって漸次大きくして、最表面のカーボン含有量(100×C/(Si+C))を92〜94.5%とすることを特徴とする。
この理由は、このように構成することによって、表面層における表面硬度(kgf/mm2)の値を精度良く制御して、表面を適度に研磨すべく動的押し込み硬さを界面側から自由表面側に向かって漸次小さくして、自由表面側の動的押し込み硬さを45〜220(kgf/mm2)にすることにより、図7(a)及び(b)に比較して示すように、高湿条件下での流れの発生を効果的に防止することができるためである。
すなわち、図7(a)に本発明(ヒーターレス仕様)における印字状態例を示し、図7(b)に本発明(ヒーターレス仕様)の比較例に相当し、像流れが発生した印字状態例を示すが、本発明(ヒーターレス仕様)の場合、高湿条件下での像流れの発生を効果的に防止されている。
なお、図8に示すように、第2の表面層における炭素原子の含有量(最表面で92〜94.5モル%)のみならず、第1の表面層における炭素原子の含有量(20〜85モル%)を制御して、それぞれの電子移動度の関係を調節することを特徴とする。
すなわち、図8に示すように、第1の表面層における炭素原子の含有量の深さ方向の濃度分布の傾きを、第2の表面層における炭素原子の含有量の深さ方向の濃度分布の傾きよりも大きくすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、第1の表面層、第2の表面層と、中間層との相乗効果によって、ますます解像度に優れるとともに、製造容易なa−Si感光体を得ることができるためである。すなわち、第1の表面層及び第2の表面層が薄い場合であっても、第1の表面層あるいは第2の表面層における電子移動度(E2)を中間層における電子移動度(E1)より小さくすることができるためである。
なお、炭素原子の含有量が多いほど、成膜速度が著しく遅くなって、同じ厚さの層を形成する場合、製造時間が長くなるため、第1の表面層における炭素原子の含有量の深さ方向の濃度分布の傾きを、第2の表面層における炭素原子の含有量の深さ方向の濃度分布の傾きよりも大きくすることは、容易に実施することができる。
また、表面層は、中間層と同様、アモルファスシリコン(a−Si)以外に、種々の材料を用いて形成することができる。
例えば、a−Si系材料として、アモルファスシリコンナイトライド(a−SiN)、アモルファスシリコンオキサイド(a−SiO)、アモルファスシリコンオキシカーバイド(a−SiCO)、アモルファスシリコンオキシナイトライド(a−SiNO)などの高抵抗材料を用いてもよい。
これらは、a−Siと同様の薄膜形成手段により成膜し、その成膜形成に当たっては、ダングリングボンド終端用、もしくは硬度あるいは抵抗値調整用として水素やハロゲン(F、Cl)を膜中に1〜160原子%含有させるとよい。
この理由は、表面層に、このような他の元素を含むことにより、表面層における表面硬度(kgf/mm2)や、移動度の値の制御がさらに容易にできる場合があるためである。
7.製造方法
第1の実施形態における電子写真感光体1は、一例であるが、真空堆積膜形成法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件を設定しながら、製造することができる。
このような真空堆積膜形成方法としては、具体的には、グロー放電法(低周波プラズマCVD)、高周波プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法などの交流放電プラズマCVD法が採用される。また、直流放電プラズマCVD法、DCパルスプラズマCVD法、ECRプラズマCVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、触媒CVD(HOTワイヤーCVD)法等が採用される。
そして、真空堆積膜形成方法を実施するに際して、原料ガスを分解して生成される活性種(A)と、この活性種(A)と化学的相互作用をする成膜用の化学物質より生成される活性種(B)とを、別々に堆積膜を形成するための成膜空間内に導入し、これらを化学反応させることによって形成する方法(以後「HRCVD法」と略記する。)が採用できる。あるいは、原料ガスと、該原料ガスに酸化作用をする性質を有するハロゲン系酸化ガス(例えばF2、Cl2など)を別々に成膜区間内に導入し、これらを化学反応させることによって別々に堆積膜を形成する方法(以後「FOCVD法」と略記する。)も適宜選択される。
これらの真空堆積膜形成方法は、製造条件、製造規模、第1の層(光導電層)の所望特性などの要因によって、適宜選択されて採用される。但し、製造条件の制御が比較的容易に得ることからして、グロー放電法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、HRCVD法、FOCVD法が好適である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態における電子写真感光体を備えた画像形成装置であって、導電性基体上に、光導電層と、中間層と、表面層と、を積層した電子写真感光体を備えた画像形成装置である。
すなわち、アモルファスシリコン系材料を含む光導電性を示す光導電層(第1の層)と、
アモルファスシリコン系材料を含む中間層(第2の層)と、
アモルファスシリコン系材料を含む表面層(第3の層)と、を含むとともに、
中間層の電子移動度(E1)を、0.03cm2/V・sを超えるとともに、0.1cm2/V・s以下の値とし、かつ表面層の電子移動度(E2)を0.03cm2/V・s以下の値とした電子写真感光体
を備えた画像形成装置である。
より具体的には、導電性基体と、導電性基体上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む光導電層と、当該光導電層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む中間層と、当該中間層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む表面層と、を有する電子写真感光体を備えた画像形成装置であって、中間層に、ケイ素および炭素を含むとともに、炭素含有量(100×C/(Si+C))を、中間層の全体量に対して、1〜20モル%の範囲内の値とし、かつ、中間層の電子移動度を0.03cm2/V・s超〜0.1cm2/V・sの範囲内の値とし、表面層に、ケイ素および炭素を含むとともに、表面層を、第1の表面層と第2の表面層の二つから構成し、第1の表面層における炭素含有量(100×C/(Si+C))を20〜85モル%とし、第2表面層の炭素含有量(100×C/(Si+C))を85%から自由表面に向かって漸次大きくして、最表面の炭素含有量(100×C/(Si+C))を92〜94.5モル%の範囲内の値とし、かつ、表面層の電子移動度を0.01〜0.03cm2/V・sの範囲内の値とした電子写真感光体を備えた画像形成装置である。
1.基本的構成
ここで、図9及び図10に、第2の実施形態の画像形成装置100の模式図及び電子写真感光体121を含む現像装置120の部分拡大図を示す。また、図11に、光源としてのLEDヘッドを説明するための図を示す。
まず、図9及び図10において示すように、画像形成装置100は、現像装置120、電子写真感光体121、現像ローラ122、転写ローラ123、クリーナー125、126、帯電器127、現像器128、光源(LED)130、転写材搬送手段112、定着手段113を基本的に備えている。
また、図11において示すように、光源130としてのLEDヘッドは、ロッドレンズアレイ131、LEDアレイ132、ドライバIC133、回路基板134等を備えている。
なお、かかる画像形成装置100は、4色に対応した現像装置120a、120b、120c、120dを備えており、タンデム式カラープリンタの例である。
2.基本的動作
次いで、第2の実施形態の画像形成装置(タンデム式カラープリンタ)の基本的動作、すなわち、画像形成方法を具体的に説明する。
まず、図9及び図10に示す電子写真感光体121を矢印方向に回転させ、この電子写真感光体121の表面上に、主帯電器127によって均一なコロナ帯電を行い、これに光源130により発した光を、図示しない原稿に照射する。
次いで、図11に示すように、その反射光をミラー系、レンズ系、フィルター等を介して、電子写真感光体121の表面上に導き、それが投影されて静電潜像が形成される。したがって、この静電潜像に対して、現像器120におけるトナーコンテナ111からトナー125が供給されてトナー像を形成することができる。
一方、転写材通路およびレジストローラーよりなる転写材搬送手段112を通って、電子写真感光体121に供給される紙やプラスチックなどの転写材は、転写・分離帯電器を備えた転写ローラ123と、電子写真感光体121の間隙において、背面からトナーとは反対極性の電界を与えられ、これによって、電子写真感光体121の表面のトナー像は、転写材に転移するとともに、電子写真感光体121側から分離される。
次いで、分離された転写材は、定着装置113に至って、トナー像が定着されるとともに、転写材は装置外に排出される。
なお、転写部位において、転写に寄与せず電子写真感光体121の表面に残る残留トナーについては、クリーナー125、126に至り、そこに備えられたクリーニングブレード等によってクリーニングされる。
こうして、上記クリーニングにより更新された電子写真感光体121は、更に除電光源(図示せず)から除電露光を与えられた後、再び同様のサイクルに供せられることになる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限されるものではない。
[参考例1]
1.a−Si感光体の作製
本参考例においては、導電性基体としてアルミニウム合金からなる外径30mm、長さ359mm、厚さ1.5mmの引き抜き管の外周面を鏡面加工して洗浄したものを用意した。
これをグロー放電分解装置にセットして、基体に33KHzの矩形波パルス電圧を印加し、表1に示す成膜条件により図に示すように電荷注入阻止層、光導電層、中間層及び表面層を順次積層し、表面層のカーボン含有量の異なる感光体A、B、C、Dを作製した。
また、矩形波パルス電圧のON:OFFのデューティー比を70%:30%とし、表1中の値はON時の値を示す。
なお、表1中、※は、SiHガスに対する流量比を表す(以下、同様である。)。
Figure 0005121796
2.a−Si感光体の評価
(1)仕様
次いで、作成したa−Si感光体を、京セラミタ(株)製のタンデム式カラープリンタLS−C08026Nの改造装置に搭載し、後述する評価に供した。
なお、LS−C08026Nの仕様は以下のとおりである。
構成: デスクトップ
感光体: a−Si感光体
現像: 二成分現像方式
定着: 熱ローラ定着方式
プリントスピード: カラ−(26ppm)、モノクロ(26ppm)
ウオームアップタイム: 179秒以下
LEDヘッド: 600dpi
階調再現性: 256階調
ファーストプリントタイム:9.4sec
機械サイズ: W699×D715×H463
機械重量: 84.3kg
また、a−Si感光体を評価する上での研磨システムとしては、以下の仕様とした。
ブレード材質: ウレタンゴム
ゴム硬度: 70°
食い込み量: 1.3mm
圧接角: 26°
摺擦ローラ材質: 発泡EPDM
セル径: 150〜200μm
対ドラム線速: 1.2倍
(2)解像度の評価
600dpiの2ドットOFFパターン(1ドットON/2ドットOFF:ドット間隔168μm)にて600dpiの1ドット再現性を評価した。測定は、A4紙横送りにて全面2ドットOFFパターンを、ブラックトナーを用いて同一濃度で印画し、QEA社製PERSONAL IASを用いて、近接する221ドットの平均ドット径を測定し、さらにその評価をA4紙1枚中でランダムに20箇所測定して平均ドット径を求め、下記基準に沿って評価した。
また、平均ドット径の測定は、Full Size ROIにて行い、Thresholdは65%を用いた。それぞれの感光体において得られた結果を表2に示す。
なお、キャリアの横流れにて、ドットの散りが発生し、平均ドット径の値が小さくなることから、平均ドット径の値が大きい程、解像度が良いといえる。
○:平均ドット径が、75μm以上の値である。
△:平均ドット径が、68〜75μm未満の値である。
×:平均ドット径が、68μm未満の値である。
(3)濃度低下の評価
また、得られた感光体における濃度低下の評価を行った。
すなわち、感光体を搭載したプリンタ(LS−C08026Nの改造機、京セラミタ(株)製)を用いて、通常環境(23±3℃、50±10%Rh)にて、初期時に画像評価パターン(ソリッドパターン)を印字して初期画像とした。
次いで、A4紙、10000枚の連続通紙を行った後、画像評価パターン(ソリッドパターン)を再度印字して、耐久画像とした。そして、得られた初期画像及び耐久画像における画像濃度を、マクベス社製のマクベス反射濃度計(型番:RD918)を用いてそれぞれ測定するとともに、その差を算出し、以下の基準に準じて評価した。それぞれの感光体において得られた結果を表2に示す。
○:画像濃度の差が0.2未満の値である。
△:画像濃度の差が0.2〜0.4未満の値である。
×:画像濃度の差が0.4以上の値である。
(4)カブリの評価
また、得られた感光体におけるカブリの評価を行った。
すなわち、感光体を搭載したプリンタ(LS−C08026Nの改造機、京セラミタ(株)製)を用いて、高温高湿下(温度:35℃、湿度:85%)にて白紙画像を5枚印刷し、かかる白紙画像におけるFD値を測定し、下記の基準に沿ってカブリの評価をした。それぞれの感光体において得られた結果を表2に示す。
○:FD値が0.008未満であり、かぶり不良が全く観察されない。
△:FD値が0.008以上0.010未満であり、かぶり不良が少々観察される。
×:FD値が0.10以上であり、顕著なかぶり不良が観察される。
(5)残留電位の評価
また、得られた感光体における残留電位を測定した。
すなわち、LS−C08026Nを用いて、+300Vになるように帯電させ、ベタ画像に対応する、現像位置での表面電位を、残留電位Vr(V)として測定した。それぞれの感光体において得られた結果を表2に示す。
(6)電子移動度
電子移動度は、Time of Flight法(以下、TOF法)を用いて測定した。
より具体的には、図12に示すTOF測定システム200にしたがってTOF法を実施し、電子写真感光体の電子移動度を測定した。
すなわち、光照射側の電極として、ガラス基板(#7059)203上に、ITO膜204を蒸着した基板に、a−SiC層205及びa−Si層206を介して、a−SiC層207を所定の成膜条件にて、5μmの厚さに堆積し、さらに金蒸着して対向電極208を形成した。
すなわち、a−SiC層を5μm堆積したサンプルを作製することは、特にカーボン含有量が多い領域において極めて成膜速度が遅いこと、また密着性の問題による剥離の発生により、これまで困難であったが、本発明においては基体に矩形波パルス電力を印加する方法を採用したことから、効率良く、また密着性の良いa−SiCサンプルの作製が可能となった。
また、カーボン含有量(100×C/(Si+C))が、例えば、20モル%以上の領域においては、フォトコンダクター性が無くなり、光電流が発生しなくなる。そのため、図12に示すように、ITO膜204と、a−SiC層206との間に、光電流発生用のa−Si層205(光導電層と同条件、膜厚0.5μm)を設けて、通常のa−Si感光体と同様に、a−Si/a−SiCヘテロ構造とした。すなわち、ITO204からのキャリア注入を阻止するため、ITO204とa−Si層206の間にブロッキングa−SiC層(カーボン含有量50モル%、膜厚200Å)205を設けた。
また、図12に示すように、光源201としては、色素パルスレーザー発生装置(株式会社宇翔製KEC−LJ)を用い、レーザー発信波長として542nmを使用した。また、TOF測定波形は、ストレージスコープ(岩通製TS−80000)202で測定を行った。
そして、電子移動度は、TOFから得られた電流波形の電流/時間をLog/Logプロットして、その傾きが変化する点からトランジットタイムとしてのtr(sec)を求め、それを以下の関係式に代入して算出した。
電子移動度(E)=L/(tr・V) (cm2/V・s)
また、本発明においては、L及びVは、以下の定義で表される。
L:a−SiC膜厚(5μm)
V:印加電圧(V)
その他、本発明において、電子移動度の温度依存性の影響をなくすため、測定は常温環境(20℃)で行い、印加電界は10×10V/cmとした。
なお、それぞれの感光体において得られた結果を表2に示す。
(7)カーボン含有量
XPS分析(X線光電子分光分析)によって分析し、カーボン含有量(100×C/(Si+C))(モル%)を求めた。それぞれの感光体において得られた結果を表2に示す。
Figure 0005121796
表2の結果から明らかな様に、表面層における移動度を0.03cm2/V・sより小さくすることにより、残留電位が小さく、カブリや濃度低下の発生が無く、解像度の良好な
感光体を得ることができた。
[参考例2]
次に、表3に示す様に、同一カーボン含有量となる成膜条件にて、表面層の成膜温度を変更することにより表面層の電子移動度の異なる感光体E、F、G、Hを作製した。そして、これらの感光体E、F、G、Hを、実施例1と同様に評価した結果を表4に示す。
Figure 0005121796
Figure 0005121796
表4の結果から明らかな様に、中間層、表面層が同じカーボン含有量であっても、表面層における移動度を0.03cm2/V・sより小さくすることにより、残留電位が小さく、カブリ、濃度低下の発生が無く、解像度の良好な感光体を得ることができた。
[参考例3]
次に、表5に示す様な成膜条件にて、中間層のカーボン含有量の異なる感光体I、J、K、Lを作製した。これらの感光体I、J、K、Lを、実施例1と同様に評価した結果を表6に示す。
Figure 0005121796
Figure 0005121796
表6の結果から明らかな様に、中間層の電子移動度が0.1cm2/V・sより大きい場合は、表面層との界面不良により解像度低下が発生し、0.03cm2/V・sより小さい場合は、残留電位の増加や感光層との界面不良による濃度低下や横流れが発生した。また、中間層の移動度を0.03cm2/V・sを超えるとともに、0.1cm2/V・s以下の値とすることにより、残留電位が小さく、カブリ、濃度低下の発生が無く、解像度の良好な感光体を得ることができた。
[参考例4]
次に、表7に示す様な成膜条件にて、中間層の膜厚の異なる感光体M、N、O、Pを作製した。また、これらの感光体M、N、O、Pを、実施例1と同様に評価した結果を表8に示す。なお、実施例4においては、解像度評価は実施しなかった。
Figure 0005121796
Figure 0005121796
表8の結果から明らかな様に、いずれの中間層の膜厚であっても、実使用上問題の無い画像が得られた。
[参考例5]
次に、表9に示す様な成膜条件にて、表面層の膜厚の異なる感光体Q、R、S、Tを作製した。これらの感光体Q、R、S、Tを、実施例1と同様に評価した結果を表10に示す。なお、実施例5においては、解像度評価は実施しなかった。
また、これらのドラムを通常環境下(室温23℃、相対湿度60%)で、連続印刷を10万枚、20万枚、30万枚とそれぞれ行い、その際の研磨量と、電気特性、画像特性の評価を行った結果を、表11に示す。
Figure 0005121796
Figure 0005121796
Figure 0005121796
表11の結果から明らかな様に、いずれの表面層の膜厚であっても、耐久試験後であっても実使用上問題の無い画像が得られた。
[実施例6]
表12に示す様に、表面層を第1の表面層と第2の表面層に分け、移動度と膜厚からなる所定の条件を満たすようにカーボン含有量が漸次表面に向かって増加するヒーターレス仕様の感光体Uを作製した。この感光体の各表面層条件での結果を表13に示す。
Figure 0005121796
Figure 0005121796
次に、この感光体を高湿環境下(温度30℃、相対湿度85%)で、連続印刷を10万枚、20万枚、30万枚とそれぞれ行い、その際に像流れが発生するか否かを目視にて観察し、以下の基準で評価した。また、その他の事項についても、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表14に示す。
また、各耐刷枚数での感光体のE−V曲線を図13に示す。
○:像流れが全く観察されない。
△:像流れがほとんど観察されない。
×:像流れが観察される。
Figure 0005121796
以上の結果から、中間層と表面層の電子移動度と膜厚を規定することにより、ヒーターレス仕様においても高温高湿環境にて所定の寿命まで画像流れが発生しない、解像度の良い良好な感光体が得られた。
以上説明したように、本発明によれば、光導電層と、電子移動度の異なる中間層と、表面層と、を積層した電子写真感光体を用いた画像形成方法であって、簡易な構成材料からなる層構造であっても、解像度や保護機能に優れるとともに、ヒータレスシステムを採用した場合であっても、像流れが少ない画像形成方法を提供することが出来るようになった。
したがって、本発明の電子写真感光体及び画像形成装置によれば、小型化、高画質化、高スピード化等に寄与することが期待される。
1: 電子写真感光体(a−Si感光体)
10:導電性支持体(アルミニウム素管)
12:電荷注入阻止層
14:第1の層(光導電層)
16:第2の層(中間層)
18:第3の層(表面)
100:画像形成装置
112:転写材搬送手段
113:定着手段
120、120a、120b、120c、120d:現像装置
121:電子写真感光体(a−Si感光体)
122:現像ローラ
123:転写ローラ
125、126:クリーナー
127:帯電器
128:現像器
130:光源(LED)
131:ロッドレンズアレイ
132:LEDアレイ
133:ドライバIC
134:回路基板
200:TOF測定システム

Claims (5)

  1. 電子写真感光体を用いた画像形成方法であって、
    前記電子写真感光体が、導電性基体と、前記導電性基体上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む光導電層と、当該光導電層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む中間層と、当該中間層上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む表面層と、を備えた電子写真感光体であって、
    前記中間層に、ケイ素および炭素を含むとともに、炭素含有量(100×C/(Si+C))を1〜20モル%の範囲内の値とし、かつ、前記中間層の電子移動度を0.03cm2/V・s超〜0.1cm2/V・sの範囲内の値とし、
    前記表面層に、ケイ素および炭素を含むとともに、
    前記表面層を、第1の表面層と第2の表面層の二つから構成し、前記第1の表面層における炭素含有量(100×C/(Si+C))を20〜85モル%とし、前記第2表面層の炭素含有量(100×C/(Si+C))を85%から自由表面に向かって漸次大きくして、最表面の炭素含有量(100×C/(Si+C))を92〜94.5モル%の範囲内の値とし、かつ、前記表面層の電子移動度を0.01〜0.03cm2/V・sの範囲内の値とすることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記中間層及び表面層は、前記ケイ素および炭素以外に、水素、酸素、及び窒素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記導電性基体と、前記光導電層との間に、アモルファスシリコン系材料を含んでなり、前記導電性基体への電荷の注入を阻止するための電荷注入阻止層を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. ヒータレスシステムとすることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 解像度を600dpi以上の値とすることを特徴とする請求項1〜に記載の画像形成方法。
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