JP2001343776A - 電子写真方法、ならびにそれに用いる電子写真用光受容部材 - Google Patents

電子写真方法、ならびにそれに用いる電子写真用光受容部材

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JP2001343776A JP2000160400A JP2000160400A JP2001343776A JP 2001343776 A JP2001343776 A JP 2001343776A JP 2000160400 A JP2000160400 A JP 2000160400A JP 2000160400 A JP2000160400 A JP 2000160400A JP 2001343776 A JP2001343776 A JP 2001343776A
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Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
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晃司 山崎
Kazuhiko Takada
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Hironori Owaki
弘憲 大脇
Masaya Kawada
将也 河田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高解像度化に伴い、露光光のスポット径
を微細化していく際、光受容部材表面の状況による画質
への影響を低減し、高解像度で、より鮮明な高画質が得
られる電子写真方法の提供。 【解決手段】 光受容部材上への画像形成にBAE方式
の走査露光をするデジタル露光系電子写真方法におい
て、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の支持体4
01を有し、その表面に水を用いて表面処理を施すこと
により、支持体表面上に堆積した感光層402表面に
は、支持体表面の結晶粒界の境界部分に対応して凸構造
が形成された光受容部材を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非画像部(背景
部)を走査露光するバックグラウンド露光法に基づき画
像形成を行う電子写真方法、ならびにその方法に用いる
電子写真用光受容部材に関し、より具体的には、プリン
タ、デジタル複写機、ファクシミリ等の電子写真装置な
ど、露光光に光ビームを用い、走査露光する光走査装置
を具えた電子写真装置に対応した電子写真用光受容部
材、ならびに、かかる電子写真用光受容部材を利用する
電子写真方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル化された情報に基づき画
像形成を行うプリンタ、デジタル複写機、ファクシミリ
等の電子写真装置、例えば、電子写真方式のプリンタに
対して、その画質の良さおよび高速なプリントアウトな
どの特徴が、ますます注目を浴びている。電子写真方式
のプリンタの光源の主流は、レーザーとLEDであり、
記録媒体(電子写真用光受容部材)上を走査する性能
は、プリンタの画質及びプリント速度等の性能を大きく
左右する。LEDを露光光源に用いる場合は、主に、光
源の空間的な配置と電気的な走査の組合せが用いられ、
また、レーザーを露光光源に用いる場合は、光学的な走
査と電気的な走査の組合せが用いられている。
【0003】レーザーを露光光源に用いるタイプの電子
写真装置において、その光走査装置は、図1に示すよう
に、通常、レーザダイオード100、回転多面鏡10
2、レーザダイオード100から出射されたレーザビー
ムを回転多面鏡102に導く光源光学系104、回転多
面鏡102で偏向されたレーザビームを記録媒体(電子
写真用光受容部材)106上に導き走査する走査光学系
108から構成されている。
【0004】また、デジタルタイプの電子写真装置に利
用される画像形成方式は、画像情報と露光部との関係
で、大きく分けて2つの方式がある。1つは画像部を露
光するイメージ露光法(以下、IAEという)、もう1
つは非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露
光法(以下、BAEという)である。
【0005】BAEはアナログタイプの電子写真装置に
用いる画像形成方式と同じであり、現像器、クリーニン
グ装置、現像剤など、露光部以外に用いる部材は、アナ
ログタイプの電子写真装置と共通化できるというメリッ
トを有している。一方、IAEは、目的の画像を得るた
めには、電子写真用光受容部材上に露光で形成された静
電潜像に対して、逆極性の現像剤を用いて反転現像を行
わなければならない。
【0006】BAE法とIAE法の両方式とも実用化さ
れているが、いずれの露光法を採用するかは、光受容部
材・現像剤等の制約により決定されることが多い。
【0007】一方、転写分離性能は、転写効率と分離、
再転写のラチチュードに大きく左右されるものである
が、IAEでは非画像部(背景部)の電位が画像部より
高いため、IAEよりもBAEの方がラチチュードは広
い。
【0008】また、クリーニング装置に達するまでに、
光受容部材の電位は減衰しているため、電位の低い部分
に現像剤を付け現像する方式を用いるIAEにおいて
は、クリーニング部位で多くの現像剤が光受容部材表面
に残留・付着しやすく、クリーニングに関しても、IA
EよりもBAEの方がラチチュードは広い。
【0009】前記の現像とクリーニングに関して、従来
アナログ複写機で長い間培われたきた技術を転用するこ
とが容易であるので、デジタルタイプの電子写真装置に
おいても、画像形成方法にBAE法を選択する方が設計
がより容易であり、結果的にラチチュードの広い安定し
た電子写真装置を供給できる。画像形成方法にBAE法
を選択するデジタルタイプの電子写真装置は、良質の画
像を得る上では、前記の原理的に現像剤の残留が少ない
などメリットと、装置設計における潜在ポテンシャルも
高いなどの優位性を有している。
【0010】しかしながら、デジタル型電子写真装置の
特徴である光ビーム走査による画像形成に関して、以下
に記す点では、IAEよりもBAEの方がラチチュード
が狭いという難点を残している。
【0011】一般に、光ビーム走査による画像形成技術
は、露光に用いる光ビームのスポットの大きさ・形状・
パワーなどが画質や安定性に大きな影響を与える。電子
写真においては、電子写真用光受容部材表面に、帯電に
よって形成されている一様な表面電位分布に対して、光
ビームを照射することにより生成した光キャリアを用い
て、スポット状に表面電位の低下させ、表面電位が低下
した一連のスポットから構成される潜像を形成する。従
って、形成される潜像の画質は、この露光に用いる光ビ
ームスポット形状により大きな影響を受ける。IAEに
おいては記録画像領域(黒化部)に光ビームを照射し、
表面電位の下がった部分に現像剤を付着させる。従っ
て、画素幅と比較して、前記の潜像電位分布の半値幅が
広い場合には、この半値幅分に伴う広がりにより、文字
やラインの線幅が太り、極端な場合つぶれたようにな
る。BAEでは背景部(非黒化部)に光ビームを照射
し、表面電位の下がった部分とし、非露光部を表面電位
が維持された潜像として残す。現像剤を付着させる領域
は、この非露光部である、表面電位の高い領域である。
そのため、画素幅と比較して、潜像電位分布の半値幅が
大きい場合、文字やラインの線幅が細くなり、極端な場
合かすれたようになる。このつぶれ、あるいはかすれを
回避するため、IAEとBAEの画像形成方式のいずれ
を採用する場合にも、露光に利用する光ビームのスポッ
ト径とそのパワーには上限がある。
【0012】図5は、IAEとBAEの画像形成方式に
おける、光受容部材表面の露光で形成される表面電位差
を分布を説明する図である。図5の左側部には、IAE
の1ラインの状態、すなわち、1ラインのみ光ビームO
Nの状態を、右側部には、BAEの1ラインの状態、す
なわち、1ラインのみ光ビームOFFの状態を、対比し
て示す。この図5に示すように、IAEのラチチュード
はVD−Vi、BAEのラチチュードはVb−V2であ
る。
【0013】この図5に示されるとおり、BAEでは、
一連のスポット状の露光が重ね合わされるものの、隣接
するスポット間に重ね合わされた露光量の谷間となる部
分が生じる。そのため、走査線間隔に対して光ビームの
スポット径が小さい場合やパワーが十分でない場合に
は、光ビーム照射部に電位の隙間ができ、結果として、
V2が高くなりラチチュードが小さくなる。従って、B
AE法においては、走査線間隔に応じて、光ビームのス
ポット径やパワーには下限がある。すなわち、原理的に
は、BAEのラチチュードはIAEより狭くなることが
知られている。
【0014】以上に述べたように、各画像形成方式にお
いて、所望の画質、分解能を達成する上では、最適な光
ビームのスポット径やパワーを設定する必要がある。
【0015】[アモルファスシリコン系光受容部材(a
−Si)]電子写真において得られる画質には、前記の
露光に用いる光ビームのスポット径やパワー以外に、光
受容部材も大きな影響を持つ。
【0016】光受容部材における感光層を形成する光導
電材料としては、高感度で、SN比[光電流(Ip)/
暗電流(Id)]が高く、照射する電磁波(露光光)の
スペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有するこ
と、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使
用時において人体に対して無害であること、等の特性が
要求される。特に、事務機としてオフィスで高い頻度で
使用される電子写真装置内に組み込まれる電子写真用光
受容部材においては、前記の使用時における無公害性は
さらに重要な項目となる。前記する各項目に対して、い
ずれも優れた性質を示す光導電材料として、水素化アモ
ルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記す
る)がある。例えば、特公昭60−35059号公報に
開示されるように、電子写真用光受容部材の感光層を構
成する光導電層への応用が、多くの刊行物に記載されて
いる。
【0017】図4は、電子写真用光受容部材の感光層の
層構成に関し、複数の例を説明するため、その断面を模
式的に示す図である。
【0018】図4の(a)に示す層構成の第一の例で
は、電子写真用光受容部材400は、光受容部材用の表
面が導電性を示す支持体401と、この支持体401の
上に設ける感光層402として、例えば、a−Si:
H,Xからなり光導電性を有する光導電層403と、ア
モルファスシリコン系表面層404との二層構造とで構
成されている。
【0019】図4の(b)は、光受容部材を構成する感
光層の層構成における第二の例を模式的に示す図であ
る。支持体401の上に設ける感光層402は、例え
ば、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電
層403と、アモルファスシリコン系表面層404とか
ら構成されている。光導電層403は、電荷発生層41
2と電荷輸送層411の上下二層に形成されている。
【0020】図4の(c)は、光受容部材を構成する感
光層の層構成における第三の例を模式的に示す図であ
る。支持体401の上に設ける感光層402は、例え
ば、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層405と、
a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層4
03と、アモルファスシリコン系表面層404とから構
成されている。電荷注入阻止層405は、支持体401
から光導電層403への電荷注入を阻止する機能を有す
る。図4の(b)に示す第二の例と同様に、光導電層4
03は、電荷発生層412と電荷輸送層411の上下二
層に形成されている。
【0021】図4の(d)は、光受容部材を構成する感
光層の層構成における第四の例を模式的に示す図であ
る。支持体401の上に設ける感光層402は、例え
ば、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層405と、
a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層4
03と、アモルファスシリコン系上部電荷注入阻止層4
13と、アモルファスシリコン系表面層404とから構
成されている。この例も、光導電層は、電荷発生層41
2と電荷輸送層411の上下二層に形成されている。
【0022】これらa−Si:Hなどアモルファスシリ
コン系材料を用いる電子写真用光受容部材は、一般的に
は、気相成長方法、例えば、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD
法、プラズマCVD法(以下、「PCVD法」と称す
る)などの成膜法を利用して、導電性支持体を50℃〜
400℃に加熱し、支持体上にa−Siからなる光導電
層などを形成する。なかでも、PCVD法、すなわち、
原料ガスを、直流放電あるいは、高周波放電またはマイ
クロ波グロー放電によって分解し、a−Si堆積膜など
を形成する方法は、光受容部材の感光層を作製する際、
好適な手段として実用に供されている。
【0023】また、特開平6−317920号公報に
は、20MHz以上の周波数の高周波を用い、シリコン
原子を母体とする非単結晶シリコン系材料からなる光導
電層と、水素原子含有量8〜45原子%のa−C:H表
面保護層とから構成される電子写真用光受容部材(感光
体)を製造する方法が開示されている。
【0024】また、特開平9−311495号公報に
は、光導電層中に、水素含有量、光学的バンドギャッ
プ、ならびに光吸収スペクトルから得られる指数関数裾
の特性エネルギー、これらが互いに異なる層領域を設け
ることにより、高帯電能であって、温度特性や光メモリ
ーを低減した光受容部材を得る技術が開示されている。
【0025】さらに、特開昭57−158650号公報
には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペク
トル上、波数2100cm-1と2000cm-1の二つの吸収
ピークの吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:
Hを光導電層に用いることにより、高感度で、高抵抗な
電子写真用光受容部材が得られることが記載されてい
る。
【0026】光受容部材の支持体401として、アルミ
ニウム合金製の基体を用いる場合、水洗浄工程での腐食
防止技術として、特開平6−273955号公報には、
二酸化炭素を溶解した水により基体表面を洗浄する手段
の利用が提案されている。
【0027】さらに、光受容部材の感光層表面に、その
断面形状が三角形状の線状溝を周方向に形成し、また、
三角形状の角度と線状溝のピッチを特定の範囲に選択す
ることで、小粒径のトナーに対するクリーニング性の改
善を図る技術が開示されている。
【0028】これら従来の技術の蓄積により、電子写真
用光受容部材の持つ、電気的、光学的、ならびに光導電
的特性、さらには、使用環境特性の向上がなされ、それ
に伴って画像品質も向上してきた。
【0029】感度に関して、光導電層にアモルファスシ
リコンを用いる光受容部材の場合、光導電層中における
光キャリアの伝導自体は、原理的に電界依存性は有しな
いため、図6に示すように、一般的に、EV特性は直線
的な形状を有する。すなわち、光キャリアを生成する光
量変化が、表面電位減衰の変化により反映されやすいな
どの、閾値的な光量はない。従って、例えば、Gaus
s分布の光量分布に対応して、表面電位の分布もGau
ss分布となるため、仮に、光量分布の裾が変化した場
合にも、現像されたドット径への光量分布の裾における
乱れの影響は比較的小さく、また、画質に及ぼす影響も
少なくなるという利点がある。
【0030】また、アモルファスシリコン系材料は、摩
耗耐久性にも優れ、感度すなわちEV特性の耐久変化は
少なく、有機導電性材料を用いるOPCの様な摩耗に伴
う感度低下の問題もない。
【0031】しかしながら、特許2956947号公報
に記載されるように、アモルファスシリコン系材料の結
晶粒の反射率は、表面に照射された露光光中、実際に光
導電層に入射する光強度に影響を与え、その結果、画質
自体にも影響が及ぶ。また、アモルファスシリコン系材
料を用いる光受容部材では、アモルファスシリコン系材
料膜の粒径等は、堆積時に支持体の表面の影響を受けや
すく、光受容部材表面にも支持体表面の影響が現れ、画
質自体にも影響が及ぶ。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】BAE方式とIAE方
式を比較した際、転写分離性能やクリーニング性能など
の面で、BAE方式を採用した電子写真方法は、より設
計しやすく、結果的にラチチュードの広い安定した電子
写真装置を供給できるといった利点を有している。この
BAE方式においても、光ビームのスポットの大きさ・
形状・パワー等が画質や安定性に大きな影響を与える。
【0033】最近は、電子写真装置の高解像度化ならび
に高速化を更に進めるため、露光方式に、IAE方式と
BAE方式のいずれを用いるかによらず、走査密度を増
すため、光ビーム露光のスポット径をより小さく、ま
た、高パワーとすることがなされている。
【0034】露光のスポット径がより小さくなるにつ
れ、表面に照射された露光光中、実際に光導電層に入射
する光強度は、1スポットの当たる光受容部材表面の状
況の違いより大きく依存することになり、従って、光受
容部材表面の状況の違いが画質に与える影響が大きくな
ってくる。特に、IAEと比べて、より多くの面に露光
がなされるBAEでは、光受容部材表面の状況による影
響はより画質の違いに反映され、例えば、画質全体にガ
サツキ(細かいドットが散らばる)などを起こしやす
い。
【0035】本発明は、上記の課題を解決するもので、
本発明の目的は、デジタル型電子写真装置を利用する電
子写真方法において、より高解像度化に伴い、露光光の
スポット径を微細化していく際、電子写真用光受容部材
表面の状況による画質への影響を低減し、高解像度で、
より鮮明な高画質の電子写真の作製を可能とする方法
と、かかる電子写真方法に利用される新規な電子写真用
光受容部材を提供することにある。より具体的には、B
AE方式を採用した電子写真装置に利用して、高速化、
高解像度化を進めるため、露光光のスポット径を微細化
し、高パワー化をなす際、光受容部材表面の状況による
画質への影響を低減する上に適する表面の状況を有する
電子写真用光受容部材を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、鋭意研究を進めたところ、アモルファ
スシリコン系材料を用いる光受容部材において、その感
光層表面は、用いられるアモルファスシリコン系材料膜
を構成する複数の結晶粒相互の境界(結晶粒界)が露呈
しており、この結晶粒界と結晶粒面とでは、光学的、電
気的な特性が異なっており、具体的には、露光光を照射
した際、結晶粒界と結晶粒面とでは、生成した光キャリ
アによる表面電位の減衰に差異が生じることを見出し
た。さらに、感光層表面における露光光のスポット径と
比較して、結晶粒の平均粒子径を大きくすると、前記の
結晶粒界と結晶粒面との間の光学的、電気的な特性の差
異による影響は大幅に抑えられ、良質の画質が得られる
ことを見出した。
【0037】加えて、感光層表面に露呈する結晶粒の大
きさは、用いられるアモルファスシリコン系材料膜を堆
積する際、基体となる支持体表面の状態を反映し、支持
体表面を構成する導電性材料においても、表面に結晶粒
が露呈し、その結晶粒の平均粒子径を露光光のスポット
径より大きくすると、その上に堆積したアモルファスシ
リコン系材料膜からなる感光層表面に露呈する結晶粒
も、高い再現性で平均粒子径を露光光のスポット径より
大きくすることができることを見出した。
【0038】かかる知見に基づき、更なる研究を行った
結果、電子写真用光受容部材においては、一般に、支持
体の形状は円筒状とされ、それを構成する導電性材料と
して、アルミニウム又はアルミニウム合金を使用する
と、粒子径の均一化がなされた結晶粒からなる支持体表
面が容易に得られる。また、その上にアモルファスシリ
コン系材料膜を堆積する前に、水を用いた表面処理を施
すことで、支持体表面に露呈する結晶粒と対応して、感
光層表面に露呈する結晶粒も、その粒子径の均一化がな
され、支持体表面と堆積されるアモルファスシリコン系
材料膜の剥がれも抑制できることが確認された。この水
を用いた表面処理を施された、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金製の支持体上にアモルファスシリコン系材料
膜を堆積すると、感光層表面に露呈する結晶粒は、その
粒子径の均一化がなされ、一方、結晶粒界に対応して凸
構造が形成されており、係る感光層表面に凸構造を有す
る光受容部材を用いると、高分解能化に適合し、良質の
画質が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0039】加えて、この感光層表面に形成された凸構
造の高さと得られる画質との関係について、さらに詳細
に検討したところ、BAE方式を採用した電子写真装置
において、凸構造の高さが、0.05〜0.4μmの範
囲にある光受容部材を用いると、より良好な画質を得る
ことができ、 BAE方式の電子写真方法において、よ
り好適な条件であることを見出した。
【0040】すなわち、本発明の電子写真方法は、少な
くとも電子写真用光受容部材と、画像形成光照射手段
と、現像手段とを具える電子写真装置を用いて、非画像
部(背景部)を走査露光するバックグラウンド露光法に
基づき、前記画像形成光照射手段を用いて前記電子写真
用光受容部材上に静電潜像を形成し、前記静電潜像を前
記現像手段により顕像化して電子写真を作製する方法で
あって、前記電子写真装置に用いる前記電子写真用光受
容部材として、アルミニウム又はアルミニウム合金より
なる支持体と、前記支持体上に形成されたアモルファス
シリコンを含む感光層とを有する電子写真用光受容部材
であって、前記支持体には、アモルファスシリコンを含
む前記感光層を形成する前に、水を用いた表面処理を施
した表面を持つ支持体を用い、前記支持体表面に露呈す
るアルミニウムの結晶粒界に対応して、前記感光層表面
に露呈する結晶粒界の平均径は、前記画像形成光照射手
段の露光光ビームスポット径(ピーク強度の1/e2
なるスポット幅)よりも大きく、かつ前記感光層表面に
露呈する結晶粒界に対応して、アモルファスシリコンを
含む前記感光層の表面に凸部が設けられた電子写真用光
受容部材を用いることを特徴とする電子写真方法であ
る。好ましくは、水を用いた表面処理を施した前記支持
体表面に露呈するアルミニウムの結晶粒界に対応して、
アモルファスシリコンを含む前記感光層の表面に設けら
れる凸部の高さを0.05μm以上0.4μm以下の範
囲に選択することを特徴とする電子写真方法とする。
【0041】また、本発明の電子写真方法においては、
画像形成光照射手段による前記露光に光ビームを用い、
前記電子写真用光受容部材表面を露光する前記光ビーム
のスポット径(ピーク強度の1/e2となるスポット
幅)と、前記支持体表面に露呈しているアルミニウムの
平均結晶粒径とを比較して、前記平均結晶粒径が前記光
ビームのスポット径より大きくなるアルミニウム又はア
ルミニウム合金よりなる支持体を用いることを特徴とす
る電子写真方法とすることが好ましい。なお、本発明の
電子写真方法においては、画像形成光照射手段による前
記露光に光ビームを用い、前記光ビームは、レーザー光
であることを特徴とする電子写真方法とすることがより
好ましい。
【0042】例えば、本発明の電子写真方法において
は、支持体に対する、前記水を用いた表面処理は、界面
活性剤を1MΩ・cm(25℃)以上の抵抗率を有する
水に溶解してなる処理液を用いた処理を含むことを特徴
とする電子写真方法とすることができる。
【0043】加えて、上記の本発明の電子写真方法に専
ら利用される、本発明の電子写真用光受容部材は、少な
くともアルミニウム又はアルミニウム合金よりなる支持
体と、前記支持体上に設けられたアモルファスシリコン
を含む感光層とを有する電子写真用光受容部材であっ
て、前記支持体は、水を用いた表面処理を施した表面を
有する支持体であり、水を用いた表面処理を施した前記
支持体表面に露呈するアルミニウムの結晶粒界に対応し
て、アモルファスシリコンを含む前記感光層の表面に凸
部が形成され、前記凸部の高さが0.05μm以上0.
4μm以下の範囲に選択されていることを特徴とする電
子写真用光受容部材である。好ましくは、支持体に対す
る、前記水を用いた表面処理は、界面活性剤を1MΩ・
cm(25℃)以上の抵抗率を有する水に溶解してなる
処理液を用いた処理を含むことを特徴とする電子写真用
光受容部材とするとよい。
【0044】加えて、本発明は、上記の本発明の電子写
真方法を用いて、電子写真の作製に利用する電子写真装
置をも提供し、具体的には、少なくとも電子写真用光受
容部材と、画像形成光照射手段と、現像手段とを具え、
非画像部(背景部)を走査露光するバックグラウンド露
光法に基づき、前記画像形成光照射手段を用いて前記電
子写真用光受容部材上に静電潜像を形成し、前記静電潜
像を前記現像手段により顕像化して電子写真を作製する
方式を用いる電子写真装置であって、前記電子写真用光
受容部材として、アルミニウム又はアルミニウム合金よ
りなる支持体と、前記支持体上に形成されたアモルファ
スシリコンを含む感光層とを有する電子写真用光受容部
材であって、前記支持体には、アモルファスシリコンを
含む前記感光層を形成する前に、水を用いた表面処理を
施した表面を持つ支持体を用い、前記支持体表面に露呈
するアルミニウムの結晶粒界に対応して、アモルファス
シリコンを含む前記感光層の表面に凸部が設けられた電
子写真用光受容部材を具えていることを特徴とする電子
写真装置である。すなわち、上記の本発明の電子写真用
光受容部材を用いて構成される、非画像部(背景部)を
走査露光するバックグラウンド露光法をその画像形成方
式とする電子写真装置である。従って、電子写真用光受
容部材として、上記の本発明の電子写真用光受容部材に
おける好適な態様のものを用いると、より好ましい電子
写真装置とすることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】感光層にアモルファスシリコン系
材料を用いる光受容部材では、アモルファスシリコン系
材料膜の粒径等は、堆積時の支持体表面の影響を受けや
すい。本発明においては、この現象を利用して、光受容
部材に用いるアルミニウム又はアルミニウム合金よりな
る支持体表面に予め水を用いた表面処理を施し、この表
面処理により支持体表面を改質しておく。その表面に感
光層を形成することで、前記のアルミニウム又はアルミ
ニウム合金の結晶粒径と対応する結晶粒径のアモルファ
スシリコン系材料膜を再現性よく形成している。また、
支持体表面において、結晶粒面と結晶粒界とでは、その
状況が異なるが、前記の水を用いた表面処理を施すこと
で、その表面状態の差異自体を再現性の高いものとでき
る。
【0046】従って、その後、感光層を堆積した際、結
晶粒面と結晶粒界の境界部において、堆積膜の膜厚に差
異ができ、結晶粒界の境界部に対応して、凸構造を高い
再現性で形成できる。また、その結晶粒界の境界部に対
応して、形成される凸構造の凸部の高さは、感光層全体
の膜厚に依存するものの、水を用いた表面処理の条件を
制御することで、支持体表面の改質の程度を制御でき、
結果として、凸部の高さをもよく制御することができ
る。以上の手段を利用することで、光受容部材表面の結
晶粒面の平均粒径と凸部の高さとをそれぞれ所望の範囲
とすることができる。
【0047】この光受容部材表面に表れる、支持体の結
晶粒界に起因する境界においては、平坦な結晶粒面と
は、光学的、電気的な特性が異なっていると考えられ
る。そのため、光受容部材表面を走査露光する光ビーム
のスポットが、たまたま、この結晶粒界の境界線上に入
射すると、その1スポット分の電位低下は、他と異なる
ことになる。画像形成においては、1スポット画像や1
ライン画像という画像形成は、稀にはあるが、多くの場
合、画像は、隣接して、複数のスポットやライン(線
分)で構成されるため、境界部分にだけ光ビームが入射
することは極稀であり、その境界部分を含む一帯に数ス
ポットの光ビームが入射することの方が大半である。さ
らに、バックグランド露光法の採用によって、1スポッ
ト露光や1ライン露光となる可能性を一層少なくするこ
とができ、必ずといってよいほどその境界部分を含む一
帯に数スポットの光ビームが入射することになる。
【0048】この状況において、光受容部材表面の結晶
粒面の平均粒径を走査露光する光ビームのスポット径よ
り大きくすると、境界部分に入射した光ビームの隣のス
ポットは、必ず境界部分とは違い結晶粒界内に入射する
ことになり、境界部分の1スポットの僅かな電位変動
は、その周囲に隣接する複数のスポットと重ね合わさ
れ、平均化がなされる結果、実質的に無視できる程度に
緩和される。従って、画質の低下が生じないものとな
る。
【0049】本発明の電子写真用光受容部材において
は、前記の目的のため、支持体の結晶粒界と対応する光
受容部材表面の結晶粒面を得るようにし、それに伴い、
結晶粒界の境界部に対応して、凸構造も高い再現性で形
成される。前述の露光スポットが境界部分が来る場合と
逆に、BAE方式のスポットとスポットの間に境界部分
がたまたま来るような場合において、境界部分の電位低
下は平坦な結晶粒面よりは僅かに少なく、その程度は凸
構造の高さによって異なる。凸構造の高さが0.4μm
を超えてより高くなるにつれ、しだいににカブリが大き
くなり画質にも影響を与えるようになる。一方、凸構造
の高さが0.05μmに満たないと、分離性のラチチュ
ードが低下する傾向もある。
【0050】感光層全体の膜厚に依存するものの、分離
性のラチチュードをより高く維持する上では、凸構造の
高さは、0.2μm程度に制御するのが最も効率的であ
り、また、前記のカブリの影響をより効果的に排除する
上では、凸構造の高さを0.05μm以上0.4μm以
下の範囲に制御することで本発明の効果をより確実なも
のとなる。
【0051】以下に、本発明の電子写真用光受容部材
と、これを利用する本発明の電子写真方法に関して、よ
り詳しく説明する。
【0052】(感光層の層構成)本発明の電子写真用光
受容部材は、少なくともアルミニウム又はアルミニウム
合金よりなる支持体と、前記支持体上に設けられたアモ
ルファスシリコンを含む感光層とを有する。この感光層
は、従来の光受容部材においても利用されている種々の
層構成をとることができるが、その層構成の一例を図4
に示す。
【0053】すなわち、図4の(a)〜(d)に示す四
種の層構成は、いずれも本発明の電子写真用光受容部材
におけるアモルファスシリコンを含む感光層に好適に利
用できる。
【0054】図4の(a)に示す感光層の層構成の第一
の例では、電子写真用光受容部材400は、支持体40
1と、この支持体401の上に設ける感光層402とし
て、光導電性を有する光導電層403と、表面層404
との二層構造とで構成されている。
【0055】図4の(b)に示す感光層の層構成の第二
の例では、支持体401の上に設ける感光層402は、
光導電性を有する光導電層403と、表面層404とか
ら構成されている。光導電層403は、電荷発生層41
2と電荷輸送層411の上下二層に形成されている。
【0056】図4の(c)に示す感光層の層構成の第三
の例では、支持体401の上に設ける感光層402は、
電荷注入阻止層405と、光導電性を有する光導電層4
03と、表面層404とから構成されている。電荷注入
阻止層405は、支持体401から光導電層403への
電荷注入を阻止する機能を有する。図4の(b)に示す
第二の例と同様に、光導電層403は、電荷発生層41
2と電荷輸送層411の上下二層に形成されている。
【0057】図4の(d)に示す感光層の層構成の第四
の例では、支持体401の上に設ける感光層402は、
電荷注入阻止層405と、光導電性を有する光導電層4
03と、上部電荷注入阻止層413と、表面層404と
から構成されている。この例も、光導電層は、電荷発生
層412と電荷輸送層411の上下二層に形成されてい
る。
【0058】本発明の電子写真用光受容部材に用いる感
光層は、通常、帯電された表面電位を保持する目的で、
露光光の吸収が起こる光導電層403に加え、表面層4
04を設ける。また、光導電層403と支持体401と
の間に、電荷注入阻止層405を設ける構成を採用する
ことが好ましい。
【0059】以下に、本発明の電子写真用光受容部材を
構成する支持体と感光層について、より詳しく説明す
る。
【0060】(支持体)本発明の電子写真用光受容部材
において使用される支持体は、アルミニウムまたはアル
ミニウムを母体としたアルミニウム合金からなる支持体
であれば、いずれでも利用可能である。アルミニウム合
金からなる支持体を用いる際、アルミニウムを主成分と
し、珪素、マグネシウムのいずれか一方または両方を含
む合金を用いる支持体を利用すると、本発明の効果が顕
著となり、より好ましい。
【0061】具体的には、JIS規格の5000番台のAl-Mg合
金や、1N99や1N90等の高純度アルミニウム材にマグネシ
ウムを添加したAl-Mg合金などを用いた支持体を用いる
ことが一層好ましい。
【0062】本発明の電子写真用光受容部材は、一般
に、電子写真装置において、感光体ドラムの態様で利用
されるので、支持体401の形状は円筒状とする。
【0063】本発明の電子写真用光受容部材において
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持
体表面の結晶粒径を、その平均粒子径が露光に用いる光
ビームのスポット径よりも大きくすることが好ましい。
従って、アルミニウムまたはアルミニウム合金を構成す
る結晶粒の大きさを特定の範囲になるように制御するこ
とが必要がある。
【0064】アルミニウムまたはアルミニウム合金にお
いて、その結晶粒径を制御する方法としては、その粒子
径の分布が均一となる限り、いずれの方法でも本発明の
電子写真用光受容部材に用いる支持体の作製に適用する
ことができる。
【0065】例えば、以下に説明する特開昭61−26
056号公報に記載されている方法を利用することがで
きる。
【0066】アルミニウムあるいはアルミニウム合金系
において、その溶融状態から凝固させる段階で超音波を
照射する。照射された超音波による、結晶粒子と溶融液
との間に働く摩擦力による破壊作用ならびにキャビテー
ション作用によって、結晶粒の微細化がなされ、均一な
粒子径分布が得られる。
【0067】また、アルミニウムあるいはアルミニウム
合金を、固相線直下の温度まで長時間加熱する焼き鈍し
処理を行うと、大きな結晶粒を縮小させると同時に、成
分を拡散させ、粒子径分布と組成の均一化が図られる。
【0068】相変化の起こる温度領域を適当な冷却速度
で通過するように冷却を行うことにより、溶融液からの
核発生とその後の結晶粒子の成長速度を制御することが
でき、その結果、得られる結晶粒の制御と均一化を図
る。一般的には、冷却温度が速くなるとともに、拡散に
よる溶質原子の供給が不足し、新相の成長は遅くなり、
その結果、結晶組織の粒子径は制限され、特定の範囲に
制御でき、均一なものとなる。
【0069】上記する方法のいずれかを用いて、結晶粒
の平均粒子径を所望の範囲に制御し、また、均一化を図
ることができ、アルミニウムあるいはアルミニウム合金
からなる支持体において、その表面に露呈する結晶粒の
平均粒子径は光ビームのスポット径よりも大きくなるよ
うに制御することができる。
【0070】結晶粒の平均粒子径は、露光光に用いる光
ビームのスポット径に応じて、光ビームのスポット径よ
りは大きく、さりとて、光ビームのスポット径と比較し
て、不要に大きくならない範囲で適宜選択されるが、例
えば、解像度600dpi以上の画像を得る場合には、
アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる支持体
において、その結晶粒の粒径分布を約60〜120μm
の範囲に選択することが好ましい。
【0071】また、この適正な平均粒子径を持つ結晶粒
をその表面に露呈する支持体上に堆積される感光層の表
面に、結晶粒界の境界部分対応する凸構造を生成させ、
その凸部の高さを制御する方法として、本発明において
は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる支
持体表面に対して、水を用いた表面処理を施す方法を用
いている。
【0072】この表面処理に用いる水は、その水自体の
抵抗率は1MΩ・cm(25℃)以上の水を用いること
が好ましい。抵抗率が1MΩ・cm(25℃)に満たな
い水、すなわち、イオン伝導性を示す電解質を有意に含
む水を用いると、その抵抗率が下がるとともに、凸構造
の高さの制御性が劣る傾向にある。なお、抵抗率1MΩ
・cm(25℃)以上の水に界面活性剤を溶解した溶液
を用いて表面処理を行うこともできる。この界面活性剤
は、水と支持体表面との濡れ性を向上させ、均一な表面
処理を可能とする上に、表面に付着する汚濁物、微細な
粉状ゴミの脱離を促進させる役割も持ち、より好適な表
面処理がなされる。
【0073】表面処理において、水の温度は10℃〜9
0℃の間に選択し、結晶粒の大きさに応じて選択される
温度に制御することにより、凸構造の高さを制御するこ
とができる。一般に、凸構造の高さを大きくする際に
は、温度を高くすることが有効である。
【0074】なお、結晶粒が小さい場合には、水の温度
を上記の範囲を超えて高く設定し、また、処理時間を増
すにつれ、過度の表面処理を施された支持体表面が荒れ
過ぎるためか、寧ろ、凸構造の形成は少なくなり、堆積
膜の剥がれあるいは表面欠陥の増加してしまう不都合が
次第に増す。逆に、水の温度が低すぎる場合には、表面
処理の進行は遅く、加えて、洗浄効果も低くなるので、
付着物の除去が不十分になり、その後に堆積される感光
層のアモルファスシリコン膜に表面欠陥が発生すること
もある。従って、高抵抗率の水、あるいは、界面活性剤
を溶解した水を用いた表面処理は、その液温を上記の温
度範囲に選択し、汚濁物や付着物の除去、洗浄に最適な
温度に制御しつつ、表面の処理を行うことで、アモルフ
ァスシリコン膜の表面欠陥や膜剥がれを防止することが
できる。
【0075】この高抵抗率の水、あるいは、界面活性剤
を溶解した水を用いた表面処理に引き続き、第二の表面
処理として、二酸化炭素を含有させた水で表面処理を追
加して行うと、凸構造の高さを制御する上で一層有効で
ある。
【0076】この第二の表面処理に用いる二酸化炭素を
含有させた水は、上記の高抵抗率の水に二酸化炭素を所
定量溶解した液を用いる。二酸化炭素の溶解量は、飽和
溶解量の60%以下とし、得られる液は、pHで3.8
以上6.0以下、また、導電率で2μS/cm以上40
μS/cm以下の範囲に制御することが、水を用いた表
面処理により、感光層上に形成される凸構造の高さを制
御する上で、より好ましい。二酸化炭素の溶解量を増や
し、あるいは、表面処理時の水温を上げることで、凸構
造の高さを大きくすることができる。しかし、二酸化炭
素の溶解量が多すぎると、水温変動(上昇)により気泡
を発生しやすく、支持体表面には、発生した微細な気泡
の付着による処理ムラが発生しやすくなる。さらに、二
酸化炭素の溶解量が多いと、得られる液のpHが小さく
なり、支持体表面に孔などのダメージを与えることもあ
る。
【0077】前記の様に二段階の表面処理を行い、第一
段階の水を用いた表面処理において、水温、抵抗値を制
御し、また、第二段階の二酸化炭素を含有させ水を用い
た表面処理において、液温、二酸化炭素溶解量を制御
し、加えて、各段の処理時間を適当に選ぶことにより、
表面処理された支持体表面上にアモルファスシリコン膜
を堆積した際に、支持体表面の結晶粒界の境界部分に対
応させて、凸構造を再現性よく形成することができ、ま
た、形成された凸構造の高さも、所望の範囲に高い制御
性で制御することができる。
【0078】本発明者らが考察したところ、アルミニウ
ムあるいはアルミニウム合金からなる支持体表面に露呈
している、結晶粒面と結晶粒界の境界部分とでは、微視
的には、その構造は異なっている。それに伴い、上記の
水を用いた表面処理を施すと、何らかの表面状態の改質
が引き起こされるが、結晶粒面と結晶粒界の境界部分と
では、改質の程度など表面状況が異なったものとなる。
従って、この表面状況の差異を反映して、その後堆積さ
れるアモルファスシリコン膜にも、その微視的な内部構
造に差異を生じさせ、凸構造が形成され、またその高さ
は表面処理による改質の程度に応じて、制御されている
と考えられる。
【0079】支持体表面に水を用いる表面処理を施すこ
とで、凸構造の高さを制御することができるが、表面処
理を施した支持体表面を観察した限り、表面に凹凸構造
は確認されない。従って、前記の表面状況の差異は、数
原子層レベルの表面性状の差異と考えられる。例えば、
高抵抗率の水と接触させることで、表面に形成される酸
化皮膜層が、結晶粒面と結晶粒界の境界部分では、その
厚さが異なり、その後、二酸化炭素を含有させ水中にお
いて、酸化皮膜層の溶出がなされるが、結晶粒面と結晶
粒界の境界部分では、数原子層レベルの酸化皮膜層膜厚
の差異が、最終的に表面状態として残留するなどが、そ
の機構として想定される。
【0080】このように、支持体表面に存在する結晶粒
界の境界部分では、表面処理後、結晶粒界内とは異なる
表面状況に改質される結果、その後、表面に堆積される
アモルファスシリコン膜の表面にも、結晶粒界の境界部
分と対応して、凸構造ができている。本発明の電子写真
方法においては、電子写真用光受容部材の感光層表面に
形成される凸部の高さが、0.05μm以上0.4μm
以下の範囲となる光受容部材が好適に利用される。この
凸構造の高さの分析は、例えば、リアルタイム走査型レ
ーザー顕微鏡(Lasertec製 1LM21D)や原子間力顕微鏡
AFM (QUESANT製 Qscope250)を用いて行うことができ
る。図8に、支持体表面の結晶粒界の境界部に対応し
て、感光層表面に生成される凸構造(矢印の部分)をAF
Mで観察像の一例を示した。
【0081】なお、結晶粒界の測定には、OLYMPUS製MEA
SURING MICROSCOPES(STM-UM)を用いた。結晶粒界の平均
径は、支持体表面上において観測部位を任意に選択し、
その観測部位内に見出される結晶粒について、結晶粒界
の短径を計測し、平均値を算出した。
【0082】(感光層)本発明の電子写真用光受容部材
においては、上記の表面処理が施された支持体401上
に、例えば、図4の(a)〜(d)に例示する層構成の
アモルファスシリコン系材料膜を積層した感光層402
が形成される。感光層402の形成には、一般的には、
気相成長方法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD
法、プラズマCVD法(以下、「PCVD法」と称す
る)などの成膜法を利用することができるが、プラズマ
CVD法を利用することがより好ましい。
【0083】(光導電層)本発明の電子写真用光受容部
材において、感光層402に必須な構成要素である光導
電層403は、真空堆積膜形成方法、例えば、プラズマ
CVD法によって、所望特性が得られるように、適宜成
膜パラメーター、具体的には、原料ガス流量、支持体温
度、圧力、高周波電力などの条件を選択し、所定の膜厚
に堆積される。具体的には、プラズマCVD法、すなわ
ち、グロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法ま
たはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるい
は直流放電CVD法等)を用いて、原料ガスの分解を行
う真空堆積法によって形成することが好ましい。所望の
特性を有する光導電層を製造するに際し、その成膜条件
の制御が比較的容易であることから、プラズマCVD法
のなかでも、特に、RF帯の高周波電力を利用する高周
波グロー放電法を用いることがより好適である。
【0084】例えば、高周波グロー放電法によって光導
電層403を形成する際には、基本的には、シリコン原
子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素
原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及
びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガス
とを、所望の圧力に減圧することが可能な反応容器内に
所望の流量で希釈ガスなどとともに導入して、前記反応
容器内を所定の圧力に減圧しつつ、高周波電力を導入し
てグロー放電を生起させ、予め所定の温度に加熱されて
いる、反応容器内の所定位置に配置された支持体401
上に水素原子または/およびハロゲン原子を含有するア
モルファスシリコン膜を堆積させる。
【0085】また、本発明電子写真用光受容部材におい
て、光導電層403は、水素原子または/およびハロゲ
ン原子を含有するアモルファスシリコン(以下、a−S
i:H,Xと略す)を用いるが、含有される水素原子ま
たは/及びハロゲン原子はアモルファスシリコン中のシ
リコン原子の未結合手を補償し、光導電層に要求される
アモルファスシリコン膜品質を達成する、具体的には、
光導電性および電荷保持特性を向上させるために利用さ
れる。従って、水素原子またはハロゲン原子の含有量、
あるいは、水素原子とハロゲン原子の含有量の和は、シ
リコン原子と水素原子または/及びハロゲン原子の総和
に対して、10〜40原子%の範囲に選択することが好
ましい。
【0086】本発明の電子写真用光受容部材において、
光導電層403のa−Si:H,X膜の堆積おいて使用
されるSi供給用ガスとしては、SiH4、Si26
Si38、Si410などの室温でガス状態の、ならび
に、加熱気化させて、ガス化し得る水素化珪素(シラン
類)が利用可能なSi含有物質の一例として挙げられ
る。更に、膜作製時の取り扱い易さ、ならびにSi供給
効率の良さ等を考慮すると、SiH4、Si26がより
好ましいものとして挙げられる。
【0087】そして、形成される光導電層403のa−
Si:H,X膜中に水素原子を構造的に導入し、また、
水素原子の含有量を制御し、目的の膜特性を達成するた
め、上記のSi供給用の原料ガスに、更にH供給用の原
料ガスとして、H2および/またはHeを所定量混合す
る、あるいは、さらに、その他の水素原子を含む珪素化
合物のガスを所定量混合して、a−Si:H,X膜を形
成することが、容易な制御法として利用できる。この方
法を用いる際、Si供給用の原料ガス、H供給用の原料
ガスの各ガスは、単独種を用いるのみでなく、所定の混
合比で複数種を混合して利用することもできる。
【0088】また、a−Si:H,X膜の堆積おいて使
用されるハロゲン原子供給用の原料ガスとしては、例え
ば、ハロゲンガス、ハロゲン化物、目的のハロゲンを含
むハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導
体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン含有化合物
が好ましい原料物質として挙げられる。加えて、シリコ
ン原子とハロゲン原子ならびに水素原子を構成要素とす
るガス状の、またはガス化し得る、ハロゲン原子を含む
水素化珪素化合物も好ましい原料物質として挙げること
ができる。より好適に使用し得るハロゲン含有化合物と
して、具体的には、フッ素ガス(F2)、BrF、Cl
F、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のフッ
素を含むハロゲン間化合物を挙げることができる。ま
た、ハロゲン原子を含む珪素化合物、あるいはハロゲン
原子で置換されたシラン誘導体において、フッ素原子含
む珪素化合物、あるいはフッ素置換シラン誘導体がより
好ましく、例えば、SiF4、Si26等のフッ化珪素
をより好ましい一例として挙げることができる。
【0089】光導電層403のa−Si:H,X膜中に
含有される水素原子または/及びハロゲン原子の含有量
は、例えば、支持体401の温度、反応容器内へ導入す
る水素原子または/及びハロゲン原子供給用の原料ガス
の供給量、放電電力等を制御することにより、所望の範
囲に制御することができる。
【0090】本発明の電子写真用光受容部材において、
光導電層403のa−Si:H,X膜には、その伝導性
を制御する原子を導入することができ、さらに、伝導性
を制御する原子の含有量は膜の厚さ方向に分布させても
良い。
【0091】a−Si:H,X膜に導入して、その伝導
性を制御する原子としては、半導体分野における、いわ
ゆる不純物原子が利用される。具体的には、p型伝導特
性を得るためには、周期律表第IIIb族(13族)に属
する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)を、ま
た、n型伝導特性を得るためには、周期律表第Vb族
(15族)に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記
する)を用いることが好ましい。利用可能な第Vb族原
子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム
(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タ
リウム(Tl)等が挙げられ、B、Al、Gaを用いる
ことがより好適である。利用可能な第Vb族原子として
は、具体的には、P(燐)、As(砒素)、Sb(アン
チモン)、Bi(ビスマス)等が挙げられ、P、Asを
用いることがより好適である。
【0092】光導電層403のa−Si:H,X膜中に
含有される伝導性を制御する原子の含有量は、5×10
-3〜50原子ppmの範囲に、好ましくは、1×10-2
〜30原子ppmの範囲に、より好ましくは、5×10
-2〜20原子ppmの範囲に選択するのが望ましい。伝
導性を制御する原子の濃度分布は、膜中に均一な濃度と
することもでき、あるいは、膜の厚さ方向に分布させ、
例えば、支持体側から表面側へと濃度が減少するような
分布にすることもできる。すなわち、光導電層403
を、図4の(c)や(d)に例示するように、電荷発生
層412と電荷輸送層411の上下二層に構成し、表面
側の電荷発生層412では、伝導性を制御する原子の濃
度を低く、支持体側の電荷輸送層411では、伝導性を
制御する原子の濃度を高くする構成とすることができ
る。
【0093】伝導性を制御する原子、具体的には、第II
Ib族原子を構造的に導入する場合、堆積膜を形成する
際、反応容器中に、a−Si:H,X膜の堆積に用いる
他の原料ガスとともに、第IIIb族原子導入用の原料物
質をガス状態で導入すればよい。第IIIb族原子導入用
の原料物質としては、常温常圧でガス状の、または、少
なくとも堆積膜形成条件下で容易にガス化し得る、第II
Ib族原子を含有する化合物を利用することが望まし
い。
【0094】具体的に、第IIIb族原子導入用の原料物
質として、例えば、硼素原子導入用の原料物質して、B
26、B410、B59、B511、B610、B612
614等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等の
ハロゲン化硼素等を挙げることができる。この他に、他
の第IIIb族原子導入用の原料物質として、例えば、A
lCl3、GaCl3、Ga(CH33、InCl3、T
lCl3等のハロゲン化物や有機金属アルキル化合物も
好適に利用可能なものの一例として挙げることができ
る。
【0095】一方、第Vb族原子導入用の原料物質とし
て、具体的には、PH3、P24等の水素化燐やPH
4I、ならびにPF3、PF5、PCl3、PCl5、PB
3、PBr5、PI3等の燐のハロゲン化物が挙げられ
る。加えて、他の第Vb族原子導入用の原料物質とし
て、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF
5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbC
5、BiH3、BiCl3、BiBr3等のハロゲン化物
や水素化物も挙げることができる。
【0096】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質は、反応容器中に導入する際、必要に応じ
てH2および/またはHeにより希釈して使用してもよ
い。
【0097】加えて、本発明の電子写真用光受容部材に
おいては、光導電層403に用いるに水素原子または/
およびハロゲン原子を含有するアモルファスシリコン膜
には、母体となるシリコンに加えて、若干量、炭素原子
及び/または酸素原子及び/または窒素原子を含有する
アモルファスシリコン膜を部分的に用いることも可能で
ある。その際、アモルファスシリコン膜を構成するシリ
コン原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子の総和に対
して、炭素原子及び/または酸素原子/及びまたは窒素
原子の含有量は、合計して、1×10-5〜10原子%の
範囲に、好ましくは、1×10-4〜8原子%の範囲に、
より好ましくは、1×10-3〜5原子%の範囲に留まる
ように、その添加目的に応じて、個々の含有量を選択す
ることが望ましい。炭素原子及び/または酸素原子及び
/または窒素原子は、光導電層403において、その膜
厚方向に分布がなく、含有量が均一となるようにするこ
とも、また、膜厚方向の分布を持ち、含有量が変化する
部分を設けるようにすることもできる。
【0098】本発明の電子写真用光受容部材において、
光導電層403の層厚は、所望の電子写真特性を得るに
必要な露光光の吸収量が達成される膜厚以上に選択さ
れ、また、その作製に要する工程などの経済性等をも考
慮して、露光光の光波長、光強度に応じて、適宜決定さ
れるものである。例えば、露光光にレーザー光を利用す
る従来の電子写真装置と同じ露光光波長とする場合、光
導電層403の層厚は、20〜50μmの範囲、好まし
くは、23〜45μmの範囲、より好ましくは、25〜
40μmの範囲に選択することが望ましい。この露光条
件では、光導電層403の層厚が20μmより薄くなる
と、薄くなるにつれ、帯電能や感度等の電子写真特性が
実用上不充分なものとなり、一方、50μmより厚くな
ると、光導電層の作製に要する時間が長くなり、また、
製造コストも高くなり、経済性の観点では好ましいもの
ではなくなる。
【0099】本発明の電子写真用光受容部材において、
光導電層403を形成するには、Si供給用の原料ガス
とそれ以外の原料ガス、希釈ガスとの混合比、反応容器
内の圧力、放電電力ならびに支持体温度などの成膜条件
を所望の膜特性に応じて、適宜設定することが必要であ
る。
【0100】反応容器内の圧力は、Si供給用の原料ガ
スとそれ以外の原料ガス、希釈ガスとの混合比や放電電
力に応じて、適宜選択されるが、例えば、RF帯の高周
波電力を利用する高周波グロー放電法を用いる際には、
少なくとも、1.0×10-2〜5.0×104Pa、好ま
しくは、5.0×10-2〜1.0×104Pa、より好
ましくは、1.0×10-1〜5.0×103Paの範囲
に選択することが好ましい。
【0101】放電電力もまた、Si供給用の原料ガスと
それ以外の原料ガス、希釈ガスとの混合比や反応容器内
の圧力に応じて、安定なプラズマが維持される範囲に適
宜選択することが望ましい。
【0102】さらに、支持体401の温度は、目的とす
る堆積膜の組成、さらには、反応容器内に生起されるプ
ラズマ状態にも応じて、選択されるものであるが、例え
ば、RF帯の高周波電力を利用する高周波グロー放電法
を用いる際には、200〜350℃、好ましくは、23
0〜330℃、より好ましくは250〜310℃の範囲
に選択することが望ましい。
【0103】本発明の電子写真用光受容部材において、
光導電層403を形成する際、例えば、RF帯の高周波
電力を利用する高周波グロー放電法を用いる場合、支持
体温度、反応容器内の圧力の望ましい範囲を上に述べた
が、一般に、成膜条件は独立的に決定できるものではな
く、所望の特性を有する堆積膜を形成すべく、成膜条件
の相互的且つ有機的な関連性に基づき、総合的に判断し
て最適な値を選択することが望ましい。
【0104】(表面層)本発明の電子写真用光受容部材
において、上述のようにして支持体401上に形成され
る感光層402は、光導電層403の上に、更にアモル
ファスシリコン系の表面層404を設けることが必要で
ある。この表面層404は、感光層402全体に表面と
なる自由表面410を有し、耐湿性、連続繰り返し使用
特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性を達成する
機能、ならびに表面からの電荷注入阻止の機能をも果た
し、本発明の目的とする優れた画像品質を達成する上で
重要な役割を果たす。
【0105】従って、表面層404の最表面には、光導
電層403に用いるa−Si:H,X膜と比較して、耐
摩耗性、耐湿性、電気的耐圧が格段に高い材料が選択さ
れる。この表面層404の表面領域に用いる材料と、光
導電層403に用いる材料との間で、相互の組成をなめ
らかに接続するように接続領域を設けて、表面層404
を接続領域と表面領域とからなる構成とすることもで
き、また、接続領域を設けず、表面領域の材料だけ構成
することもできる。
【0106】表面層404には、アモルファスシリコン
(a−Si)系の材料、例えば、水素原子(H)及び/
またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含
有するアモルファスシリコン(以下、「a−SiC:
H,X」と記す)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモル
ファスシリコン(以下、「a−SiO:H,X」と記
す)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)
を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコ
ン(以下、「a−SiN:H,X」と記す)、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に
炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有
するアモルファスシリコン(以下、「a−SiCON:
H,X」と記す)等のアモルファス材料、あるいは、水
素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有
し、さらにシリコン原子を含有する、炭素原子を母体と
するアモルファスカーボン(以下、「a−SiC:H,
X」と記する)など、光導電層403に用いるa−S
i:H,X膜上に堆積が可能な材質であり、露光光の光
波長において、有意な光吸収を示さない材料であれば、
いずれの材料を用いることも可能である。例えば、表面
層404の表面領域には、a−SiC:H,X膜や、a
−C:Si:H,X膜など、シリコン原子と炭素原子を
母体とするアモルファス材料が好適に用いられる。
【0107】本発明の電子写真用光受容部材において、
光導電層403と同じく、表面層404も、真空堆積膜
形成方法、例えば、プラズマCVD法によって、所望特
性が得られるように、適宜成膜パラメーター、具体的に
は、原料ガス流量、支持体温度、圧力、高周波電力など
の条件を選択し、所定の膜厚に堆積される。具体的に
は、プラズマCVD法、すなわち、グロー放電法(低周
波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法
等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)
を用いて、原料ガスの分解を行う真空堆積法によって形
成することが好ましい。所望の特性を有する光導電層を
製造するに際し、その成膜条件の制御が比較的容易であ
ることから、プラズマCVD法のなかでも、特に、RF
帯、またはVHF帯の高周波電力を利用する高周波グロ
ー放電法を用いることがより好適である。
【0108】本発明の電子写真用光受容部材において、
光導電層403と同じく、表面層404にも、必要に応
じて、その伝導性を制御する原子を導入することができ
る。その際、伝導性を制御する原子の含有量を僅かな量
とするため、伝導性を制御する原子導入用の原料物質を
必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希
釈して使用してもよい。なお、表面層404において
も、伝導性を制御する原子として、p型伝導特性を得る
ためには、第IIIb族原子を、また、n型伝導特性を得
るためには、第Vb族原子を用いることが好ましい。
【0109】本発明の電子写真用光受容部材において、
表面層404の層厚は、光導電層403で生成した光キ
ャリアによる表面電位の減衰が効果的になされる限り、
また、光導電層403へ入射さえる露光光の光強度に有
意な減衰を生じさせない限り、厚くすることもできる。
なお、表面層404は、耐摩耗性に優る材料ではある
が、電子写真装置中で光受容部材の使用を継続すると、
僅かづつではあるが、摩耗してゆく。従って、係る摩耗
によっても、長期間に消失することのない膜厚とする必
要がある。従って、その材質にもよるが、通常、表面層
404の層厚は、0.01〜3μm、好ましくは、0.
05〜2μm、より好ましくは、0.1〜1μmの範囲
に選択することが望ましい。表面層404の層厚が0.
01μmよりも薄くなるとともに、光受容部材を使用中
に摩耗等の理由により、表面層404の表面領域が消失
する頻度が増す。一方、3μmを超えて厚くなると、表
面層404の膜内に存在する深い準位などへの光キャリ
ア捕獲が増すなどのため、残留電位の増加等の電子写真
特性の低下がしだいに顕在化して行く。
【0110】表面層404に用いる堆積膜の形成に際し
て、得られる膜が表面層に要求される特性を満たすよう
に、その成膜条件を適宜選択する。即ち、表面層404
には、Si、C、H及び/またはXを構成要素とする物
質などが利用されるが、例えば、SiCは、構造的に
は、種々の結晶型からアモルファスまで様々の形態を取
り得るので、例えば、アモルファスの形態となる成膜条
件を選択する。加えて、本来、半導体性のアモルファス
であっても、電気物性的性質は、導電性から絶縁性まで
種々の伝導率を示し、また、その光学的禁制帯幅に応じ
て、露光光の光波長において、光導電的性質とも、非光
導電的性質ともなるが、これらの電気的、光学的な性質
も成膜条件に依存して決定される。従って、表面層40
4に用いる堆積膜の形成に際して、組成とともに、その
電気的、光学的な性質も所望の特性を有するように、成
膜条件を適宜選択する。
【0111】表面層404を形成する際、用いる堆積方
法に応じて、支持体401の温度、反応容器内の圧力
を、目的とする堆積膜の組成、その電気的、光学的な性
質が得られるように、適宜設定する必要がある。
【0112】支持体401の温度(Ts)は、目的とす
る堆積膜の組成、さらには、反応容器内に生起されるプ
ラズマ状態にも応じて、選択されるものであるが、例え
ば、RF帯の高周波電力を利用する高周波グロー放電法
を用いる際には、200〜350℃、好ましくは、23
0〜330℃、より好ましくは250〜300℃の範囲
に選択することが望ましい。
【0113】反応容器内の圧力は、目的とする堆積膜の
組成、あるいは、Si供給用の原料ガスやそれ以外の原
料ガス、希釈ガスとの混合比や放電電力に応じて、適宜
選択されるが、例えば、RF帯の高周波電力を利用する
高周波グロー放電法を用いる際には、少なくとも、1.0
×10-2〜1.0×103Pa、好ましくは、5.0×
10-1〜5.0×102Pa、より好ましくは、1.0
×10-1〜1.0×102Paの範囲に選択することが
好ましい。
【0114】放電電力もまた、Si供給用の原料ガスや
それ以外の原料ガス、希釈ガスとの混合比や反応容器内
の圧力に応じて、安定なプラズマが維持される範囲に適
宜選択することが望ましい。
【0115】本発明の電子写真用光受容部材において、
光導電層403上に表面層404を形成する際、例え
ば、RF帯の高周波電力を利用する高周波グロー放電法
を用いる場合、支持体温度、反応容器内の圧力の望まし
い範囲を上に述べたが、一般に、成膜条件は独立的に決
定できるものではなく、所望の特性を有する堆積膜を形
成すべく、成膜条件の相互的且つ有機的な関連性に基づ
き、総合的に判断して最適な値を選択することが望まし
い。
【0116】(電荷注入阻止層)本発明の電子写真用光
受容部材においては、支持体401と光導電層403と
の間に、支持体401側から光導電層403中への電荷
注入を阻止する機能を果たす電荷注入阻止層405を設
けることができる。この電荷注入阻止層405を設ける
ことで、露光光の照射に因らず、支持体401からの電
荷注入により、表面電位が減衰する現象が効果的に防止
されるので、本発明の電子写真用光受容部材において
も、電荷注入阻止層405を設けることがより好まし
い。具体的には、電荷注入阻止層405は、帯電処理を
受けた感光層402の自由表面が特定の極性に帯電して
いる際、その電界により、支持体401側から光導電層
403側へと電荷が注入されるのを阻止する機能を有す
るが、逆の極性に帯電している際には、電荷注入を阻止
機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有するもの
とされる。前記の機能を達成するため、電荷注入阻止層
405は、光導電層403と同じ伝導性を有する膜と
し、その伝導性を制御する原子の含有量は、光導電層4
03中の含有量と比べて、有意に多くする。
【0117】電荷注入阻止層405に含有される伝導性
を制御する原子は、その膜厚方向の濃度分布が均一にな
るように含有させてもよく、あるいは、光導電層403
中の濃度よりは高いものの、その膜厚方向に濃度分布を
持たせ、部分的に高濃度に含有している領域があっても
よい。濃度分布を設ける場合には、支持体側に高濃度に
含有している領域を設けることが好適である。
【0118】なお、その膜厚方向に濃度分布を設けるか
否かに依らず、支持体の表面と平行面内方向において、
伝導性を制御する原子の濃度は均一となるように含有さ
せ、感光層の面内方向における特性の均一化を図ること
が必要である。
【0119】この電荷注入阻止層405に含有される伝
導性を制御する原子として、上記光導電層403と同じ
く、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げること
ができ、例えば、n型伝導特性を与える際には、第Vb
族原子を用いることができる。
【0120】利用可能な第Vb族原子としては、具体的
には、燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、
ビスマス(Bi)等があり、特に、P、Asが好適であ
る。
【0121】本発明の電子写真用光受容部材において、
電荷注入阻止層405中に含有される伝導性を制御する
原子の含有量は、上記のように、光導電層403中の含
有量に応じて、有意に多くなるように適宜選択される。
通常、電荷注入阻止層405中に含有される伝導性を制
御する原子の含有量は、1×101〜1×104原子pp
m、好ましくは、5×101〜5×103原子ppm、よ
り好ましくは1×10 2〜3×103原子ppmの範囲に
選択することが望ましい。なお、膜厚方向に濃度分布を
持つこともあるが、その際には、少なくとも高濃度に含
有する領域においては、前記の範囲に選択することが望
ましい。
【0122】電荷注入阻止層405には、光導電層40
3と同じ材料、具体的には、a−Si:H,X膜を用い
ることができる。さらに、炭素原子、窒素原子及び酸素
原子の少なくとも一種を含有させることによって、電荷
注入阻止層405と支持体401との間の密着性の更な
る向上を図ることもできる。
【0123】電荷注入阻止層405において、前記の炭
素原子または窒素原子または酸素原子を更に含有される
際、その膜厚方向の含有量分布を均一とすることもで
き、あるいは、その膜厚方向に含有量分布を設け、例え
ば、電荷注入阻止層405と光導電層403の界面で
は、両者の組成が一致し、一方、電荷注入阻止層405
と支持体401との界面では、含有量が高くなるように
することもできる。なお、その膜厚方向に含有量分布を
設けるか否かに依らず、支持体の表面と平行面内方向に
おいて、炭素原子または窒素原子または酸素原子の含有
量は均一となるように含有させ、感光層の面内方向にお
ける特性の均一化を図ることが必要である。
【0124】電荷注入阻止層405において、a−S
i:H,Xに対してさらに含有される炭素原子及び/ま
たは窒素原子および/または酸素原子の含有量は、例え
ば、密着性の向上など、その目的に応じて、適宜選択さ
れるものであるが、例えば、光導電層403にa−S
i:H,X膜を用いる際、何れか一種のみを含有する場
合はその含有量を、または、二種以上を含有する場合は
その含有量総和として、1×10-3〜30原子%、好ま
しくは、5×10-3〜20原子%、より好ましくは、1
×10-2〜10原子%の範囲に選択することが望まし
い。
【0125】また、電荷注入阻止層405に用いるa−
Si:H,Xなどのアモルファス材料において、含有さ
れる水素原子および/またはハロゲン原子は、アモルフ
ァス材料膜内に存在する未結合手を補償し、膜質の向上
に効果を奏する。電荷注入阻止層405に用いるa−S
i:H,Xなどのアモルファス材料において、水素原子
またはハロゲン原子あるいは水素原子とハロゲン原子の
和の含有量は、1〜50原子%、好ましくは、5〜40
原子%、より好ましくは、10〜30原子%の範囲に選
択することが望ましい。
【0126】本発明の電子写真用光受容部材において、
電荷注入阻止層405の層厚は、所望の電荷注入阻止機
能が達成するように、また、その作製に要する時間など
の経済性をも考慮した上で、その伝導性を制御する原子
の含有量に応じて適宜選択するものである。通常、電荷
注入阻止層405の層厚は、0.1〜8μm、好ましく
は、0.3〜6μm、より好ましくは0.5〜4μmの
範囲に選択することが望ましい。帯電された表面電位に
起因する電界強度にもよるが、層厚が、0.1μmより
薄くなるにつれ、支持体からの電荷の注入阻止能が不充
分となり、所望の帯電能が得られなくなろ。一方、その
伝導性を制御する原子の含有量にもよるが、8μmより
厚くしても、電荷の注入阻止能の更なる向上は僅かしか
期待できず、作製時間の延長による製造コストの増加を
招き、経済性の観点からは好ましいものではないる。
【0127】本発明の電子写真用光受容部材において、
電荷注入阻止層の形成方法には、前述の光導電層の形成
方法と同様の真空堆積法を利用することが好ましい。光
導電層403と同じく、電荷注入阻止層405も、真空
堆積膜形成方法、例えば、プラズマCVD法によって、
所望特性が得られるように、適宜成膜パラメーター、具
体的には、原料ガス流量、支持体温度、圧力、高周波電
力などの条件を選択し、所定の膜厚に堆積される。具体
的には、プラズマCVD法、すなわち、グロー放電法
(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波C
VD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD
法等)を用いて、原料ガスの分解を行う真空堆積法によ
って形成することが好ましい。所望の特性を有する光導
電層を製造するに際し、その成膜条件の制御が比較的容
易であることから、プラズマCVD法のなかでも、特
に、RF帯の高周波電力を利用する高周波グロー放電法
を用いることがより好適である。
【0128】電荷注入阻止層405を形成する際、光導
電層403と同様に、Si供給用の原料ガスやその他の
原料ガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内の圧力、放
電電力ならびに支持体401の温度は、用いる材料の組
成などに応じて、適宜選択されるものである。
【0129】例えば、希釈ガスであるH2および/また
はHeの流量は、用いる材料の組成に応じて、適宜選択
されるが、例えば、Si供給用の原料ガスの流量に対
し、希釈ガスのH2および/またはHeの流量を、0.
3〜20倍、好ましくは0.5〜15倍、より好ましく
は、1〜10倍の範囲に選択することが望ましい。
【0130】反応容器内の圧力は、目的とする堆積膜の
組成、あるいは、Si供給用の原料ガスやそれ以外の原
料ガス、希釈ガスとの混合比や放電電力に応じて、適宜
選択されるが、例えば、RF帯の高周波電力を利用する
高周波グロー放電法を用いる際には、少なくとも、1.0
×10-2〜1.0×103Pa、好ましくは、5.0×
10-1〜5.0×102Pa、より好ましくは、1.0
×10-1〜1.0×102Paの範囲に選択することが
好ましい。
【0131】放電電力もまた、Si供給用の原料ガスや
それ以外の原料ガス、希釈ガスとの混合比や反応容器内
の圧力に応じて、安定なプラズマが維持される範囲に適
宜選択することが望ましい。反応容器内の圧力にもよる
が、例えば、Si供給用の原料ガスの流量(ml/min(nor
mal))に対する放電電力(W)の比を、0.5〜8、好
ましくは0.8〜7、より好ましくは1〜6の範囲に設
定することが望ましい。
【0132】さらに、支持体401の温度(Ts)は、
目的とする堆積膜の組成、さらには、反応容器内に生起
されるプラズマ状態にも応じて、選択されるものである
が、例えば、RF帯の高周波電力を利用する高周波グロ
ー放電法を用いる際には、200〜350℃、好ましく
は、230〜330℃、より好ましくは250〜310
℃の範囲に選択することが望ましい。
【0133】本発明の電子写真用光受容部材において、
電荷注入阻止層405を形成する際、例えば、RF帯の
高周波電力を利用する高周波グロー放電法を用いる場
合、支持体温度、反応容器内の圧力、放電電力、希釈ガ
スの混合比の望ましい範囲を上に述べたが、一般に、成
膜条件は独立的に決定できるものではなく、所望の特性
を有する堆積膜を形成すべく、成膜条件の相互的且つ有
機的な関連性に基づき、総合的に判断して最適な値を選
択することが望ましい。
【0134】この他に、本発明の電子写真用光受容部材
においては、感光層402の前記支持体401側に、少
なくともアルミニウム原子、シリコン原子、水素原子ま
たは/及びハロゲン原子を含むアモルファス材料膜の層
を設け、その膜厚方向に組成の分布を持たせ、その上に
積層される光導電層403あるいは電荷注入阻止層40
5との界面において、その組成が滑らかに連続する状態
とされる領域を有する構成とすることがさらに望まし
い。このアルミニウム原子、シリコン原子を含む領域
は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる支
持体との密着性をより高める効果を持つ。
【0135】あるいは、本発明の電子写真用光受容部材
においては、支持体401と、それに接して積層される
光導電層403あるいは電荷注入阻止層405との間の
密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、Si34
SiO2、SiO、あるいはシリコン原子を母体とし、
水素原子及び/またはハロゲン原子を含有し、炭素原子
及び/または酸素原子及び/または窒素原子とをさらに
含有する非晶質材料等で構成される密着層を設けること
もできる。更には、感光層402表面から入射する露光
光が、支持体表面において反射され、この反射による干
渉現象の発生を防止するため、支持体表面に光吸収層を
設ける構成とすることもできる。
【0136】(堆積膜形成方法とそれに用いる装置)次
に、本発明の電子写真用光受容部材を作製する際、上述
する感光層に用いる各種のアモルファス材料膜を形成す
るための堆積膜形成装置および堆積膜形成膜形成方法に
ついてより詳しく説明する。
【0137】図2は、電源周波数がRF帯の高周波電力
を用いた高周波プラズマCVD法(以後、「RF−PC
VD」と記す)による堆積膜形成装置の一例を示し、そ
の装置構成を模式的に示す図である。図2に示す堆積膜
形成装置の構成は以下の通りである。
【0138】この装置は大別すると、堆積装置(210
0)、原料ガスの供給装置(2200)、反応容器(2
111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)か
ら構成されている。堆積装置(2100)中の反応容器
(2111)内には、円筒状支持体(2112)を保持
する手段、支持体加熱用ヒーター(2113)、原料ガ
ス導入管(2114)が設置され、更に、その側壁部に
は、高周波マッチングボックス(2115)が接続され
ている。
【0139】原料ガス供給装置(2200)は、SiH
4、Si22Cl2、H2、CH4、B 26、PH3等の原
料ガスのボンベ(2221〜2226)とバルブ(22
31〜2236,2241〜2246,2251〜225
6)およびマスフローコントローラー(2211〜22
16)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(2
260)を介して反応容器(2111)内の原料ガス導
入管(2114)に接続されている。
【0140】この装置を用いた堆積膜の形成は、例え
ば、以下のように行なうことができる。まず、反応容器
(2111)内に円筒状支持体(2112)を設置し、
不図示の排気装置(例えば、真空ポンプ)により反応容
器(2111)内を排気する。続いて、支持体加熱用ヒ
ーター(2113)により円筒状支持体(2112)を
加熱し、円筒状支持体(2112)の表面温度を200
℃乃至350℃の範囲に選択される所定の温度に制御す
る。
【0141】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(21
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(223
1〜2237)、反応容器のリークバルブ(2117)
が閉じられていることを確認し、また、流入バルブ(2
241〜2246)、流出バルブ(2251〜225
6)、補助バルブ(2260)が開かれていることを確
認した上で、メインバルブ(2118)を開いて、先ず
反応容器(2111)およびガス配管内(2116)を
排気する。
【0142】次に、真空計(2119)により、反応容
器(2111)内の真空度が例えば、約5×10-6To
rr(1Torrは、133.322Paに相当)にな
り、十分な真空排気がなされた時点で、補助バルブ(2
260)、流出バルブ(2251〜2256)を閉じ
る。
【0143】その後、ガスボンベ(2221〜222
6)より、各ガスをバルブ(2231〜2236)を開
いて導入し、圧力調整器(2261〜2266)により
各ガス圧を2Kgf/cm2に調整する。次に、流入バ
ルブ(2241〜2246)を徐々に開けて、各ガスを
マスフローコントローラー(2211〜2216)内に
導びく。
【0144】以上の操作を終え、成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の堆積膜形成を行う。
【0145】円筒状支持体(2112)が所定の温度に
制御されたところで、流出バルブ(2251〜225
6)のうち、成膜に要する所定のガスに対応するものお
よび補助バルブ(2260)を徐々に開き、ガスボンベ
(2221〜2226)から所定のガスを原料ガス導入
管(2114)を介して反応容器(2111)内に導入
する。その際、マスフローコントローラー(2211〜
2216)によって、各原料ガスが所定の流量になるよ
うに調整する。一方、反応容器(2111)内の圧力
が、例えば、1Torr以下の所定の圧力になるよう
に、真空計(2119)により圧力をモニターしつつ、
メインバルブ(2118)の開口を調整する。反応容器
(2111)内の圧力が所定の圧力に安定したところ
で、例えば、周波数13.56MHzのRF電源(不図
示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボック
ス(2115)を通じて反応容器(2111)内にRF
電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電エネ
ルギーによって反応容器(2111)内に導入された原
料ガスが分解され、円筒状支持体(2112)上に所定
の組成を有する堆積膜が形成されるところとなる。所望
の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止め、流
出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積
膜の形成を終える。
【0146】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、円筒状支持体上に所望の多層構造の感光層が形成さ
れる。
【0147】複数の層を順次形成する際には、その堆積
膜形成に必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられ
ていることは言うまでもなく、また、前回の堆積膜形成
に用いたガスが反応容器(2111)内、流出バルブ
(2251〜2256)から反応容器(2111)に至
る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ
(2251〜2256)を閉じ、補助バルブ(226
0)を開き、さらにメインバルブ(2118)を全開に
して反応容器内を一旦高真空に排気する操作を必要に応
じて行う。
【0148】また、堆積される膜厚の均一化を図るため
に、堆積膜形成を行なっている間は、支持体(211
2)を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転さ
せることも有効であり、多くの場合、支持体(211
2)の回転を行う。
【0149】さらに、上述のガス種の選択、流量設定お
よびバルブ操作は、各々の層に用いるアモルファス材料
膜の作製条件にしたがって、所定の条件へ順次変更が加
えられることは言うまでもない。
【0150】堆積膜形成時の支持体温度は、例えば、周
波数13.56MHzのRF高周波電力を用いる際み
は、200℃以上350℃以下、好ましくは230℃以
上330℃以下、より好ましくは250℃以上310℃
以下の範囲に設定することが望ましい。図2に示す装置
においては、巻き付けヒーター型の支持体加熱用ヒータ
ー(2113)が利用されているが、支持体の加熱方法
は、真空容器内で利用可能な仕様である発熱体であれば
よく、より具体的にはシース状ヒーターの巻き付けヒー
ター、板状ヒーター、セラミックヒーター等の電気抵抗
発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ラン
プ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手段による発
熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質は、ステンレ
ス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属類、セラミッ
クス、耐熱性高分子樹脂等を使用することができる。
【0151】これら、反応容器内において直接加熱する
方式以外にも、反応容器以外に加熱専用の容器を設け、
一旦加熱した後、反応容器内に真空中で支持体を搬送す
る方法を用いることもできる。
【0152】また、図3に、VHF帯を用いた高周波プ
ラズマCVD法(「VHF−PCVD」と称する)の装
置の一例を示す。図3に例示するVHF−PCVD装置
は、図2の堆積装置(2100)に代えて、図3に示す
堆積装置(3100)を用い、これに図2に示す原料ガ
ス供給装置(2200)と同一の構成の原料ガス供給装
置を接続することにより、VHF−PCVD法による堆
積膜形成装置とした例である。この装置は大別すると、
可動型の堆積装置(3100)を加熱エリア(付図示)
において、排気部接続用ゲートバルブ(3203)を排
気装置に接続して、円筒状基体(3112)を所定の温
度に加熱・制御する。
【0153】その後、排気部接続用ゲートバルブ(32
03)を切り離し、可動型の堆積装置(3100)を成
膜エリア(不図示)まで移動させる。排気部接続用ゲー
トバルブ(3203)を成膜エリアの排気装置に接続
し、接続部を固定する。排気部ゲートバルブ(320
3)と排気装置側ゲートバルブ(不図示)を開けて、可
動型の堆積装置(3100)内を排気する。
【0154】可動型の堆積装置(3100)は、SUS
製のシールド(3102)、Al合金からなる円筒状の
反応容器(3101)、反応容器支持台(3202)、
接続用ゲートバルブ(3203)、ならびに移動可能キ
ャスター(3201)からなる。
【0155】反応容器(3101)内には、円筒状支持
体(3112)を同心円上に等間隔で6本配置させる基
体保持手段と基体加熱用ヒーター(3113)、さら
に、中心に原料ガス導入管(3114)が1本配置され
ている。また、SUS製の棒状の高周波電極(311
1)が同心円上に等間隔で6本配置されており、高周波
マッチングボックス(3120)を介して、VHF帯の
高周波電源(3121)が接続されている。
【0156】堆積膜の形成は、原料ガス導入管(311
4)を介して、原料ガスを反応容器(3101)内に導
入する。原料ガスの流量が設定流量となり、また、反応
容器(3101)内を所定の圧力とし、高周波電力を供
給してグロー放電を生起し、原料ガスを励起解離して、
円筒状支持体(3112)上に堆積膜を形成する。堆積
膜形成中は、モーター(3115)を駆動させ円筒状支
持体(3112)を回転する構成となっている。
【0157】所望の膜厚の堆積が行われた後、高周波電
力の供給を止め、続いて原料ガスの供給を停止して、堆
積膜の形成を終える。多層構造の堆積膜を形成する場合
には、同様の操作を複数回繰り返すことで行う。
【0158】(電子写真方法及び電子写真装置)次に、
本発明の電子写真用光受容部材を用いるBAE露光方式
の電子写真装置と、その電子写真装置を用いて、画像形
成を行う本発明の電子写真方法について、より詳しく説
明する。
【0159】図1に、本発明の電子写真方法に利用され
る画像形成光照射手段の一例を模式的に示す。図1に示
す画像形成光照射手段は、露光光光源として、レーザー
光源(レーザーダイオード)100と光源光学系104
を有し、回転多面鏡102と走査光学系108とを用い
て、電子写真用の光受容部材106の表面を走査露光す
る構成である。
【0160】図7に、本発明の電子写真方法に利用され
る電子写真装置の主要部構成の一例を示す。図7におい
て、回転円筒状の光受容部材1801はX方向に回転し
ており、この回転円筒状の光受容部材1801の周辺に
は、前記光受容部材1801に近接して、主帯電器18
02、露光光ビーム1803、現像器1804、転写紙
給送系1810、転写・分離帯電器1812、クリーニ
ング装置1805、主除電光源1806、搬送系181
3などが配設されている。
【0161】光受容部材1801は、主帯電器1802
によって一様に帯電される。次いで、画像形成光照射手
段により、画像情報に応じて、光強度の変調がなされて
いる露光光ビーム1803を表面に照射し、走査露光す
る。この走査露光により、光受容部材1801上に静電
潜像が形成される。本発明の電子写真方法においては、
最終的にトナー像として転写する画像に対して、その背
景となる領域、すなわち、非画像部(背景部)を走査露
光するバックグラウンド露光法が採用される。
【0162】その後、光受容部材1801上に形成され
ている静電潜像に対して、現像器1804からトナーが
供給されて、可視像、すなわち、トナー像とされる。バ
ックグラウンド露光法では、露光されていない画像部
は、表面電位が高く、そこにトナーが付着される。
【0163】一方、転写材P、例えば、プリンタ用紙な
どは、転写紙通路1811、レジストローラ1809よ
りなる転写紙供給系1810を通って、光受容部材18
01方向へと供給される。供給される転写材Pは、転写
帯電器1812と光受容部材1801との間隙におい
て、背面からトナーとは反対極性の電界を与えられ、こ
れによって、光受容部材表面のトナー像は転写材Pに転
移される。
【0164】分離された転写材Pは、転写紙給送系18
13を通って、定着装置(図示せず)に至って、表面に
転写されたトナー像の加熱定着などがなされ、最終的に
装置外に排出される。
【0165】なお、転写部位において、転写材Pの表面
に転写されなかったトナーは、そのまま、光受容部材1
801の表面上に残留する。この残留トナーは、クリー
ニング装置1805に至り、クリーニングブレード18
07によって除去され、光受容部材1801表面のクリ
ーニングがなされる。クリーニングにより更新された光
受容部材1801は、更に、主除電光源1806から除
電光を表面全面に照射され、前回の画像形成プロセスに
よる表面電位の消去がなされる。そして、再び次の画像
形成プロセスに供せられる。
【0166】本発明の電子写真方法においては、上記の
一連の画像形成プロセスに利用される光受容部材に、上
で説明した本発明の電子写真用光受容部材を用いること
で、主に、バックグラウンド露光法において、走査露光
される背景部に、露光光照射において、表面電位の減衰
が十分でなく、それに伴い、細かなドット状にトナーの
転写が起こる現象(ガサツキ)をより効果的に排除し、
鮮明な画質を達成するものである。特に、かかるガサツ
キ自体は、露光光照射にスポット径が小さく、また、そ
の光強度の大きな光ビームを用いる際に、顕著なもので
あり、本発明の電子写真方法は、露光光が、スポット径
が小さな光ビーム、具体的には、露光光源にレーザーを
用いる際、より有用な方法である。
【0167】
【実施例】以下、実験例と実施例を挙げて、本発明につ
いて、より具体的に説明する。なお、これらの実験例と
実施例は、本発明における最良の実施の形態の一例であ
るが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではな
い。
【0168】(実験例1)光受容部材に用いるアルミニ
ウム合金製支持体の結晶粒界の平均径と露光光に用いる
光ビームのスポット径との関係を変化させて、得られる
画質への影響を調べた。
【0169】支持体には、1N90を母材にマグネシウムを
約2wt%添加したAl−Mg合金を用いた直径108
mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒形状を用い
た。その表面に露呈する結晶粒界の平均径が、表1に示
す8種の支持体について、その表面上に同じ層構造の感
光層を形成し、光受容部材とした。
【0170】なお、支持体は、表面を切削、鏡面加工を
施した後、表2に示す条件により、水を用いた表面処理
を施した。
【0171】ただし、この表面処理に利用した水は抵抗
率20MΩ・cmの純水であり、二酸化炭素水溶液は、
前記の純水に二酸化炭素を溶解して、その電気伝導率
が、10μS/cm〜40μS/cmの間になるように
調製した。先ず、前洗浄として、前記の純水に界面活性
剤を溶解した洗剤水溶液中で、鏡面加工後の表面を超音
波洗浄し、表面に残る加工時の付着残物等を除去した。
次いで、二酸化炭素水溶液中に浸漬して、二酸化炭素水
溶液処理を行い、最終的に、乾燥した加熱空気によるブ
ロー乾燥を行った。なお、前記二酸化炭素水溶液処理に
おいて、その後、支持体表面上に堆積した感光層表面
に、凸構造が形成され、その凸部の高さは、0.3μm
以下になるように、電気伝導率、水温、及び処理時間の
調節を行った。
【0172】上記の表面処理を施した後、各支持体上
に、電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光層
を、表3に示す作製条件でそれぞれ作製した。作製され
た光受容部材について、その感光層表面を観察したとこ
ろ、支持体表面の結晶粒界と対応した結晶粒界が見ら
れ、結晶粒界の境界に凸構造が形成されていた。
【0173】作製された光受容部材8種は、評価用電子
写真装置(キヤノン製GP605を実験用に改造、プロ
セススピードを可変、像露光ユニットを変更可能)にセ
ットして、得られる画質の評価を行った。
【0174】本実験例において、画像形成の条件は、プ
ロセススピードは380mm/sec、像露光は波長6
80nmのレーザー光、光受容部材上における光ビーム
のスポット径は走査方向で60μmとして、得られる画
像について、以下の項目を評価した。
【0175】画像評価:全面ハーフトーン及び、1ライ
ン5スペースを画像サンプルとし、画像濃度の均一性な
らびにライン再現性を評価した。
【0176】「画像濃度の均一性」の評価 画像サンプルに用いるハーフトーン画像の画像濃度を反
射式マクベス濃度計で平均1.20として、出力画像に
ついて、同じく反射式マクベス濃度計を用いて、複数の
箇所で画像濃度を測定し、その平均画像濃度からのズレ
幅を算出する。前記の測定点は、10cm2の枠内で1
00ポイントを選択し、測定点とした。平均画像濃度か
らのズレ幅に基づき、以下の4段階の評価を与えた。
【0177】 2%未満 :◎(非常に良好) 2〜4%未満:○(良好) 4〜6%未満:△(実用上問題なし) 6%以上 :×(実用上やや難有り) 「ライン再現性」の評価 1ライン5スペースの画像サンプルに対し、得られる画
像について、1ラインエッジの画像を観察し、ライン画
像外に現像転写されたトナー粒子の数を数えた。このラ
イン画像外のトナー粒子の数基づき、以下の4段階の評
価を与えた。
【0178】 0〜3個 :◎(非常に良好) 4〜6個 :○(良好) 7〜10個:△(実用上問題なし) 11個以上:×(実用上やや難有り) なお、露光方式として、IAE方式及びBAE方式の双
方について、同様に画像に評価を実施した。表4には、
IAE方式及びBAE方式における評価結果を併せて示
す。表4に纏めた評価結果より、光受容部材に用いるア
ルミニウム合金製支持体の結晶粒界の平均径が光ビーム
のスポット径60μmより大きい、A−4〜A−8で
は、IAE方式及びBAE方式によらず、画像濃度の均
一性及びライン再現性に関して、良好な画像が得られる
ことが分かる。
【0179】
【表1】
【0180】
【表2】
【0181】
【表3】
【0182】
【表4】
【0183】(実験例2)本実験例では、前記実験例1
において作製した光受容部材8種A−1〜A8につい
て、像露光の光ビームのスポット径を走査方向で30μ
mに変え、支持体の結晶粒界の平均径と露光光に用いる
光ビームのスポット径との関係を変化させて、同様に得
られる画質への影響を調べた。
【0184】本実験例2は、実験例1から、像露光の光
ビームのスポット径を走査方向で30μmとした他は、
実験例1における評価方法と同じ条件を用いた。また、
露光方式として、IAE方式及びBAE方式の双方につ
いて、画像濃度の均一性及びライン再現性を評価した。
【0185】表5には、IAE方式及びBAE方式にお
ける評価結果を併せて示す。表5に纏めた評価結果よ
り、光受容部材に用いるアルミニウム合金製支持体の結
晶粒界の平均径が光ビームのスポット径30μmより大
きい、A−3〜A−8では、IAE方式及びBAE方式
によらず、画像濃度の均一性及びライン再現性に関し
て、良好な画像が得られることが分かる。
【0186】
【表5】
【0187】(実験例3)光受容部材に用いるアルミニ
ウム合金製支持体の表面に露呈する結晶粒界と対応し
て、感光層の表面に生じる凸構造の高さと、光ビームの
スポット径とを変化させて、凸構造の高さの画質への影
響を調べた。
【0188】支持体には、1N90を母材にマグネシウムを
約2wt%添加したAl−Mg合金を用いた直径108
mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒形状を用い
た。その表面に露呈する結晶粒界の平均径は150μm
であった。なお、支持体は、表面を切削、鏡面加工を施
した後、実験例1の表2に示す条件により、水を用いた
表面処理を施した。
【0189】本実験例においても、表面処理に利用した
水は抵抗率20MΩ・cmの純水であり、二酸化炭素水
溶液は、前記の純水に二酸化炭素を溶解して、その電気
伝導率が、10μS/cm〜40μS/cmの間になる
ように調製した。前記二酸化炭素水溶液処理において、
その後、支持体表面上に堆積した感光層表面に、凸構造
が形成され、その凸部の高さ(平均)が、表6に示す
0.03μm〜0.6μmの範囲となるように、電気伝
導率、水温、及び処理時間を変えて、処理を行った。
【0190】上記の表面処理を施した後、各支持体上
に、電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光層
を、表7に示す作製条件でそれぞれ作製した。作製され
た光受容部材について、その感光層表面を観察したとこ
ろ、支持体表面の結晶粒界と対応した結晶粒界が見ら
れ、結晶粒界の境界に凸構造が形成されていた。また、
光受容部材の感光層表面に形成されている凸構造の高さ
を求めるため、AFM (QUESANT製 Qscope250)を用い
て、スキャン幅30μm×30μmで表面の結晶粒界境
界部分を走査した。その走査像に基づき、結晶粒界部分
に対応して形成されている凸構造の高さの平均値を求め
た。その結果により、表6に示す、感光層表面の凸構造
の高さが異なる光受容部材8種を選択した。
【0191】作製された光受容部材8種(B−1〜B−
8)は、評価用電子写真装置(キヤノン製GP605を
実験用に改造、プロセススピードを可変、像露光ユニッ
トを変更可能)にセットして、得られる画質の評価を行
った。なお、画像露光方式はBAE方式とした。
【0192】本実験例において、画像形成の条件は、プ
ロセススピードは380mm/sec、像露光は波長6
80nmのレーザー光、光受容部材上における光ビーム
のスポット径は走査方向で60μmと30μmの二つの
条件を用いて、得られる画像について、以下の項目を評
価した。
【0193】画像評価:画像濃度の均一性ならびにライ
ン再現性を評価した。評価手順は、実験例1と同じであ
る。
【0194】加えて、分離性の評価として、画像サンプ
ルとして、ベタ白画像とベタ黒画像の紙について10枚
連続で供給して、得られた画像を評価した。全て分離し
た=○、分離しない場合が有った=△、分離しなかった
=×の3段階の評価を与えた。
【0195】表8に評価結果を示す。この評価結果よ
り、光受容部材の感光層表面に形成されている、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.05μm以上0.4μ
m以下のB−2〜B−6においては、画像濃度の均一性
及びライン再現性に関して、良好な画像が得られること
が分かる。
【0196】一方、分離性に関しては、B−1のよう
に、凸構造の高さが0.05μm未満であると、紙等の
転写材との密着性が増すために、ベタ黒画像を形成した
際に分離しないことがあった。
【0197】従って、光受容部材の感光層表面に形成さ
れている、結晶粒界の境界部の凸構造の高さが0.05
μm以上0.4μm以下の範囲であると、画質及び分離
性ともに良好な結果が得られることが分かる。
【0198】
【表6】
【0199】
【表7】
【0200】
【表8】
【0201】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0202】(実施例1)図2に示すRF−PCVD法
による堆積膜形成装置を用い、直径80mmの鏡面加工
を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、電荷
注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光層を形成
し、光受容部材を作製した。この際、光導電層は、電荷
注入阻止層側から第一の領域、第二の領域の二つの領域
を有するものとした。この第一の領域は、電荷輸送層、
第二の領域は、電荷発生層に相当する。
【0203】表9に、前記電荷注入阻止層、光導電層、
表面層からなる感光層の作製条件を示す。
【0204】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約3wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmの円筒形
状で、その結晶粒界の平均径は100μmのものを用い
た。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面処
理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.3μmとなるように、
表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気伝導
率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0205】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製NP−6750を実験用に改造、像露光をレーザ
ーに変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット
径は60μm)にセットして、実験例3と同様の評価を
行ったところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分
離性ともに良好な結果が得られた。
【0206】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0207】
【表9】
【0208】(実施例2)本実施例では、電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光層において、光導電
層は、電荷注入阻止層側から第一の領域、第二の領域の
順とし、実施例1とは異なり、表面層は、シリコン原子
および炭素原子の含有量を層厚方向に分布を設け、光導
電層側では、Siの含有量が多いが、最表面において
は、Cの含有量が多い組成分布状態とした表面層を用い
た。なお、光導電層の第一の領域は、電荷輸送層、第二
の領域は、電荷発生層に相当する。
【0209】表10に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光層の作製条件を示す。
【0210】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約3wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmの円筒形
状で、その結晶粒界の平均径は120μmのものを用い
た。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面処
理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.4μmとなるように、
表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気伝導
率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0211】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製NP−6750を実験用に改造、像露光をレーザ
ーに変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット
径は65μm)にセットして、実験例3と同様の評価を
行ったところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分
離性ともに良好な結果が得られた。
【0212】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0213】
【表10】
【0214】(実施例3)本実施例では、電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光層において、光導電
層は、電荷注入阻止層側から第一の領域、第二の領域の
順とし、表面層は、シリコン原子および炭素原子の含有
量を層厚方向に分布を設け、光導電層側では、Siの含
有量が多いが、最表面においては、Cの含有量が多い組
成分布状態とした表面層を用いた。また、電荷注入阻止
層、光導電層、表面層には、窒素原子が含まれ、さら
に、水素原子に加えて、フッ素原子が含有されている。
なお、光導電層の第一の領域は、電荷輸送層、第二の領
域は、電荷発生層に相当する。
【0215】表11に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光層の作製条件を示す。
【0216】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約3wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmの円筒形
状で、その結晶粒界の平均径は80μmのものを用い
た。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面処
理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.25μmとなるよう
に、表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気
伝導率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0217】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製NP−6750を実験用に改造、像露光をレーザ
ーに変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット
径は70μm)にセットして、実験例3と同様の評価を
行ったところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分
離性ともに良好な結果が得られた。
【0218】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0219】
【表11】
【0220】(実施例4)本実施例では、電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光層において、光導電
層は、電荷注入阻止層側から第一の領域、第二の領域の
順とし、実施例1とは異なり、表面層は、シリコン原子
と炭素原子と含有とするアモルファス材料でなく、シリ
コン原子と窒素原子と含有とするアモルファス材料を用
いた。なお、光導電層の第一の領域は、電荷輸送層、第
二の領域は、電荷発生層に相当する。
【0221】表12に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光層の作製条件を示す。
【0222】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約3wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmの円筒形
状で、その結晶粒界の平均径は70μmのものを用い
た。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面処
理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.2μmとなるように、
表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気伝導
率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0223】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製NP−6750を実験用に改造、像露光をレーザ
ーに変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット
径は45μm)にセットして、実験例3と同様の評価を
行ったところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分
離性ともに良好な結果が得られた。
【0224】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0225】
【表12】
【0226】(実施例5)図2に示すRF−PCVD法
による堆積膜形成装置を用い、直径108mmの鏡面加
工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、電
荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光層を形成
し、光受容部材を作製した。その際、光導電層は、電荷
注入阻止層側から第一の領域、第二の領域の二つの領域
を有するものとし、表面層には、シリコン原子に窒素原
子と酸素原子を含有させたアモルファス材料を用いた。
なお、光導電層の第一の領域は、電荷輸送層、第二の領
域は、電荷発生層に相当する。
【0227】表13に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光層の作製条件を示す。
【0228】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約2wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径108mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒
形状で、その結晶粒界の平均径は60μmのものを用い
た。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面処
理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.1μmとなるように、
表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気伝導
率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0229】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製GP605を実験用に改造、像露光をレーザーに
変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット径は
40μm)にセットして、実験例3と同様の評価を行っ
たところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分離性
ともに良好な結果が得られた。
【0230】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0231】
【表13】
【0232】(実施例6)本実施例では、電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光層において、光導電
層は、電荷注入阻止層側から第一の領域、第二の領域の
順とし、実施例5とは異なり、光導電層と表面層には、
炭素源としてCH4ガスを用い、シリコン原子と炭素原
子と含有とするアモルファス材料を用いた。なお、光導
電層の第一の領域は、電荷輸送層、第二の領域は、電荷
発生層に相当する。
【0233】表14に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光層の作製条件を示す。
【0234】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約2wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径108mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒
形状で、その結晶粒界の平均径は150μmのものを用
いた。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面
処理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶
粒界の境界部の凸構造の高さが0.3μmとなるよう
に、表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気
伝導率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0235】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製GP605を実験用に改造、像露光をレーザーに
変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット径は
70μm)にセットして、実験例3と同様の評価を行っ
たところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分離性
ともに良好な結果が得られた。
【0236】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0237】
【表14】
【0238】(実施例7)本実施例では、電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光層において、光導電
層は、電荷注入阻止層側から第一の領域、第二の領域の
順とし、第二の領域には、GeH4ガスを用い、シリコ
ン原子とゲルマニウム原子と含有とするアモルファス材
料を用いた。
【0239】表15に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光層の作製条件を示す。
【0240】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約2wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径108mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒
形状で、その結晶粒界の平均径は80μmのものを用い
た。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面処
理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.1μmとなるように、
表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気伝導
率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0241】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製GP605を実験用に改造、像露光をレーザーに
変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット径は
50μm)にセットして、実験例3と同様の評価を行っ
たところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分離性
ともに良好な結果が得られた。
【0242】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0243】
【表15】
【0244】(実施例8)本実施例では、感光層を電荷
注入阻止層、光導電層、中間層(上部電荷注入阻止
層)、表面層からなる層構造とした。光導電層は、電荷
注入阻止層側から第一の領域、第二の領域の順とし、第
一の領域、第二の領域ともに、伝導性を制御する原子と
してホウ素原子を低い濃度で含有するものとした。第二
の領域では、膜厚方向に酸素原子、窒素原子及びホウ素
原子の含有量に分布を設けた。対応させて、光導電層と
表面層との間に設ける中間層(上部電荷注入阻止層)
は、炭素原子の含有量を表面層より減らし、伝導性を制
御する原子としてホウ素原子を高い濃度で含有させた。
【0245】表16に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、中間層(上部電荷注入阻止層)、表面層からなる感
光層の作製条件を示す。
【0246】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約2wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径108mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒
形状で、その結晶粒界の平均径は80μmのものを用い
た。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面処
理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.1μmとなるように、
表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気伝導
率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0247】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製GP605を実験用に改造、像露光をレーザーに
変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット径は
50μm)にセットして、実験例3と同様の評価を行っ
たところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分離性
ともに良好な結果が得られた。
【0248】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0249】
【表16】
【0250】(実施例9)本実施例では、感光層を電荷
注入阻止層、光導電層、中間層(上部電荷注入阻止
層)、表面層からなる層構造とした。光導電層は、伝導
性を制御する原子としてホウ素原子を低い濃度で含有す
るものとした。対応させて、光導電層と表面層との間に
設ける中間層(上部電荷注入阻止層)は、炭素原子の含
有量を表面層より減らし、伝導性を制御する原子として
ホウ素原子を高い濃度で含有させた。
【0251】表17に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、中間層(上部電荷注入阻止層)、表面層からなる感
光層の作製条件を示す。
【0252】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約2wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径108mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒
形状で、その結晶粒界の平均径は100μmのものを用
いた。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面
処理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶
粒界の境界部の凸構造の高さが0.2μmとなるよう
に、表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気
伝導率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0253】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製GP605を実験用に改造、像露光をレーザーに
変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット径は
50μm)にセットして、実験例3と同様の評価を行っ
たところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分離性
ともに良好な結果が得られた。
【0254】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0255】
【表17】
【0256】(実施例10)図3に示すVHF−PCV
D法による堆積膜形成装置を用い、直径80mmの鏡面
加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、
電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光層を形
成し、光受容部材を作製した。図3に示す堆積膜形成装
置は、反応容器内には支持体を6本設置でき、同時に6
本の光受容部材を作製した。
【0257】表18に、前記電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光層の作製条件を示す。
【0258】本実施例では、支持体は、1N90を母材にマ
グネシウムを約3wt%添加したAl−Mg合金を用い
た直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmの円筒形
状で、その結晶粒界の平均径は80μmのものを用い
た。また、支持体表面は、前記実験例3に記載の表面処
理手順に従い、感光層表面において形成される、結晶粒
界の境界部の凸構造の高さが0.3μmとなるように、
表面処理における二酸化炭素水溶液処理条件、電気伝導
率、水温、及び処理時間を調節したものを用いた。
【0259】作製した光受容部材を電子写真装置(キヤ
ノン製NP−6750を実験用に改造、像露光をレーザ
ーに変更しBAE方式で走査露光、走査方向のスポット
径は60μm)にセットして、実験例3と同様の評価を
行ったところ、画像濃度の均一性、ライン再現性及び分
離性ともに良好な結果が得られた。
【0260】すなわち、感光層表面において形成される
結晶粒界の平均径を光ビームのスポット径よりも大きく
するとともに、この結晶粒界の境界部分の凸構造高さを
0.05μm以上0.4μm以下に制御した光受容部材
を用いると、BAE方式電子写真装置において良好な電
子写真特性が得ることがわかった。
【0261】
【表18】
【0262】
【発明の効果】本発明の電子写真用光受容部材は、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金、例えば、Al−Mg
合金製の支持体を用い、その表面に水を用いて表面処理
を施すことにより、かかる表面処理を施した支持体表面
上に堆積した感光層には、支持体表面に露呈している結
晶粒面と対応した結晶粒面を示し、その結晶粒界の境界
部分に対応して凸構造が形成されたものとなっている。
特に、前記の感光層表面に形成される凸構造における凸
部の高さを所定の範囲に制御するとともに、用いる支持
体表面の結晶粒の平均粒子径を選択し、それと対応する
感光層表面の結晶粒面の平均粒子径を所望の範囲とする
と、 BAE方式を採用した電子写真方式において、ハ
ーフトーン画像濃度の均一性ならびにライン再現性が良
好な、優れた画質が達成できる。加えて、連続した画像
形成を行った際にも、光受容部材と転写材(プリント用
紙)との張り付きもなく、分離性も高く、高速化により
適したものである。
【0263】従って、かかる電子写真用光受容部材を利
用するBAE方式の走査露光をするデジタル露光系電子
写真装置を用いる本発明の電子写真方法は、光ビーム径
が小さく、また、光強度の高いレーザーを用いた走査露
光において、良好な画像濃度の均一性ならびにライン再
現性が得られる特質を有し、今後、一層の高速化、高解
像度化が進むデジタル電子写真の画像形成により適する
ものである。更に、アモルファスシリコン系材料を利用
する感光層の層構成に依らず、上記の感光層表面の結晶
粒面の平均粒子径ならび結晶粒界の境界部分に対応して
凸構造に基づく効果が得られ、感光層の層構成の最適化
と相まって、優れた電位特性、画像特性、耐久性および
使用環境特性を示す光受容部材とすることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光走査装置構成の一例を示す図である。
【図2】RF−PCVD法の堆積膜形成装置の一例を示
す図である。
【図3】VHF−PCVD法の堆積膜形成装置一例を示
す図である。
【図4】本発明の電子写真用光受容部材に用いられる感
光層の層構成の一例を示し、層構成を模式的にしめす断
面図である。
【図5】露光方式として、IAE方式とBAE方式を用
いた際、それぞれの1ラインの潜像における表面電位を
模式的に示す図であり、露光分布と光受容部材EV特性
及び電位分布の関係を示したグラフである。
【図6】光強度がガウス分布を示す露光光に対する、直
線的なEV特性を示す光受容部材における潜像の電位分
布を模式的に示す図ある。
【図7】本発明の電子写真方法に利用される電子写真装
置の構成例とそれを用いた画像形成プロセスの手順を示
す図である。
【図8】AFMによる感光層表面における結晶粒界の境
界部の凸構造の観察像の一例である。
【符号の説明】
100 レーザー光源(レーザーダイオード) 102 回転多面鏡 104 光源光学系 106 光受容部材 108 走査光学系 1801 光受容部材 1802 主帯電器 1803 露光光ビーム(画像形成光線) 1804 現像器 1805 クリーニング装置 1806 主除電光源 1807 クリーニングブレード 1809 レジストローラ 1810 転写紙供給系 1811 転写紙通路 1813 転写紙搬送系 X 光受容部材の回転進行方向 P 転写部材 2100 堆積装置 2111 反応容器 2112 円筒状支持体 2113 支持体加熱用ヒーター 2114 原料ガス導入管 2115 高周波マッチングボックス 2200 原料ガス供給装置 3100 可動型の堆積装置 3101 反応容器 3111 高周波電極 3112 円筒状支持体 3113 支持体加熱用ヒーター 3114 原料ガス導入管 3115 基体回転用モーター 3116 円筒状支持体用ホルダー 3120 高周波マッチングボックス 3121 高周波電源 3201 移動用キャスター 3202 反応容器支持台 3203 排気部接続用ゲートバルブ 400 光受容部材 401 支持体 402 感光層 403 光導電層 404 表面層 405 電荷注入阻止層 410 自由表面 411 電荷輸送層 412 電荷発生層 413 上部電荷注入阻止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 晃司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高田 和彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大脇 弘憲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河田 将也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 BA61 CA32 DA23 DA50 DA72 DA80 EA05 FA01 FB07 2H076 AB02 AB09 AB11 CA00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電子写真用光受容部材と、画
    像形成光照射手段と、現像手段とを具える電子写真装置
    を用いて、非画像部(背景部)を走査露光するバックグ
    ラウンド露光法に基づき、前記画像形成光照射手段を用
    いて前記電子写真用光受容部材上に静電潜像を形成し、
    前記静電潜像を前記現像手段により顕像化して電子写真
    を作製する方法であって、 前記電子写真装置に用いる前記電子写真用光受容部材と
    して、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる支持
    体と、前記支持体上に形成されたアモルファスシリコン
    を含む感光層とを有する電子写真用光受容部材であっ
    て、 前記支持体には、アモルファスシリコンを含む前記感光
    層を形成する前に、水を用いた表面処理を施した表面を
    持つ支持体を用い、 前記支持体表面に露呈するアルミニウムの結晶粒界に対
    応して、前記感光層表面に露呈する結晶粒界の平均径
    は、前記画像形成光照射手段の露光光ビームスポット径
    (ピーク強度の1/e2となるスポット幅)よりも大き
    く、 かつ前記感光層表面に露呈する結晶粒界に対応して、ア
    モルファスシリコンを含む前記感光層の表面に凸部が設
    けられた電子写真用光受容部材を用いることを特徴とす
    る電子写真方法。
  2. 【請求項2】 水を用いた表面処理を施した前記支持体
    表面に露呈するアルミニウムの結晶粒界に対応して、ア
    モルファスシリコンを含む前記感光層の表面に設けられ
    る凸部の高さを0.05μm以上0.4μm以下の範囲
    に選択することを特徴とする請求項1に記載の電子写真
    方法。
  3. 【請求項3】 画像形成光照射手段による前記露光に光
    ビームを用い、 前記電子写真用光受容部材表面を露光する前記光ビーム
    のスポット径(ピーク強度の1/e2となるスポット
    幅)と、前記支持体表面に露呈しているアルミニウムの
    平均結晶粒径とを比較して、 前記平均結晶粒径が前記光ビームのスポット径より大き
    くなるアルミニウム又はアルミニウム合金よりなる支持
    体を用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真
    方法。
  4. 【請求項4】 画像形成光照射手段による前記露光に光
    ビームを用い、 前記光ビームは、レーザー光であることを特徴とする請
    求項1に記載の電子写真方法。
  5. 【請求項5】 支持体に対する、前記水を用いた表面処
    理は、界面活性剤を1MΩ・cm(25℃)以上の抵抗
    率を有する水に溶解してなる処理液を用いた処理を含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子
    写真方法。
  6. 【請求項6】 少なくともアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金よりなる支持体と、前記支持体上に設けられたア
    モルファスシリコンを含む感光層とを有する電子写真用
    光受容部材であって、 前記支持体は、水を用いた表面処理を施した表面を有す
    る支持体であり、 水を用いた表面処理を施した前記支持体表面に露呈する
    アルミニウムの結晶粒界に対応して、アモルファスシリ
    コンを含む前記感光層の表面に凸部が形成され、前記凸
    部の高さが0.05μm以上0.4μm以下の範囲に選
    択されていることを特徴とする電子写真用光受容部材。
  7. 【請求項7】 支持体に対する、前記水を用いた表面処
    理は、界面活性剤を1MΩ・cm(25℃)以上の抵抗
    率を有する水に溶解してなる処理液を用いた処理を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の電子写真用光受容部
    材。
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