JP3102721B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

Info

Publication number
JP3102721B2
JP3102721B2 JP05086872A JP8687293A JP3102721B2 JP 3102721 B2 JP3102721 B2 JP 3102721B2 JP 05086872 A JP05086872 A JP 05086872A JP 8687293 A JP8687293 A JP 8687293A JP 3102721 B2 JP3102721 B2 JP 3102721B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
water
present
less
deposited film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP05086872A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06273955A (ja
Inventor
哲也 武井
宏之 片桐
好雄 瀬木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP05086872A priority Critical patent/JP3102721B2/ja
Priority to US08/215,644 priority patent/US5480754A/en
Publication of JPH06273955A publication Critical patent/JPH06273955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3102721B2 publication Critical patent/JP3102721B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/05Organic bonding materials; Methods for coating a substrate with a photoconductive layer; Inert supplements for use in photoconductive layers
    • G03G5/0525Coating methods
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
    • G03G5/08214Silicon-based
    • G03G5/08278Depositing methods
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/10Bases for charge-receiving or other layers
    • G03G5/102Bases for charge-receiving or other layers consisting of or comprising metals

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム基体上に
機能性膜を形成した電子写真感光体の製造方法に関し、
特に、珪素元素を含有したアルミニウム基体上にプラズ
マCVD法により珪素原子と水素原子を含む非単結晶堆
積膜を機能性膜として形成した電子写真感光体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体の堆積膜を形成するため
の基体としては、ガラス、耐熱性合成樹脂、ステンレ
ス、アルミニウムなどが提案されている。しかし、実用
的には帯電、露光、現像、転写、クリーニングといった
電子写真プロセスに耐え、また画質を落とさないために
常に位置精度を高く保つため、金属を使用する場合が多
い。中でもアルミニウムは加工性が良好で、コストが低
く、重量が軽い点から電子写真感光体の基体として最適
な材料の1つである。
【0003】電子写真感光体の基体の材質に関する技術
が、特開昭59−193463号公報、特開昭60−2
62936号公報に記載されている。特開昭59−19
3463号公報には、支持体をFe含有率が2000p
pm以下のアルミニウム合金にすることにより、良好な
画質のアモルファスシリコン電子写真感光体を得る技術
が開示されている。更に、該公報中では円筒状(シリン
ダー状)基体を基盤により切削を行い鏡面加工した後、
グロー放電によりアモルファスシリコンを形成するまで
の手順が開示されている。特開昭60−262936号
公報には、Mgを3.0〜6.0wt%を含有し、不純
物として、Mnを0.3wt%以下、Crを0.01w
t%未満、Feを0.15wt%以下、Siを0.12
wt%以下に抑制し、残部Alからなるアモルファスシ
リコンの蒸着性に優れた押し出しアルミニウム合金が開
示されている。しかし、これらの公報には特定の成分を
含む水による洗浄方法についての記載はない。
【0004】電子写真感光体の基体の加工方法に関する
技術が、特開昭61−171798号公報に記載されて
いる。該公報には、特定の成分による切削油を使用し、
基体を切削することにより良好な品質のアモルファスシ
リコン等の電子写真感光体を得る技術が開示されてい
る。また該公報中に切削後、基体をトリエタン(トリク
ロルエタン:C2 3 Cl3 )で洗浄することが記載さ
れている。
【0005】電子写真感光体の基体の表面処理に関する
技術として、特開昭58−014841号公報、特開昭
61−273551号公報、特開昭63−264764
号公報、特開平1−130159号公報が提案されてい
る。
【0006】特開昭58−014841号公報には、ア
ルミニウム支持体表面の自然酸化物皮膜を除去した後、
温度60℃以上の水中に浸漬して均一な酸化物皮膜を得
る技術が開示されている。
【0007】特開昭61−273551号公報には、S
e等をアルミニウム基体上に蒸着して電子写真感光体を
作る際に、基体の前処理として、アルカリ洗浄、トリク
レン洗浄、水銀ランプによる紫外線照射洗浄の技術が挙
げられ、また、紫外線照射洗浄の前処理として円筒状ア
ルミニウム基体の表面に付着した油脂除去のため液体脱
脂洗浄、蒸気脱脂洗浄及び純水洗浄を行うことが記載さ
れている。
【0008】特開昭63−264764号公報には、水
ジェットにより基体表面を粗面化する技術が開示されて
いる。
【0009】特開平1−130159号公報には、水ジ
ェットにより電子写真感光体支持体を洗浄する技術が開
示されている。該公報には感光体の例として、Se、有
機光導電体と同時にアモルファス珪素が挙げられている
が、プラズマCVD法特有の問題点については全く触れ
られていない。
【0010】一方、電子写真感光体以外の基体の前処理
方法として、特開昭60−876号公報には、ウエーハ
面上に静電気による放電破壊が生じないように、超純水
に炭酸ガスを吹き込む技術が開示されている。しかし、
この技術はウエーハの様に高抵抗な基体に発生する静電
気に対する対策であり、アルミニウムのような導電性の
基体については全く触れられていない。
【0011】電子写真感光体に用いる素子部材の技術と
しては、セレン、硫化カドミニウム、酸化亜鉛、アモル
ファスシリコン、フタロシアニン等の有機物など各種の
材料が提案されている。中でも、アモルファスシリコン
に代表される珪素原子を主成分として含む非単結晶堆積
膜、例えば水素及び(または)ハロゲン(例えば弗素、
塩素等)で補償されたアモルファスシリコン等のアモル
ファス堆積膜は高性能、高耐久性、無公害の感光体とし
て提案され、その幾つかは実用に付されている。特開昭
54−86341号公報には、光導電層を主としてアモ
ルファスシリコンで形成した電子写真感光体の技術が開
示されている。
【0012】こうした珪素原子を主成分として含む非単
結晶堆積膜の形成方法として従来、スパッタリング法、
熱により原料ガスを分解する方法(熱CVD法)、光に
より原料ガスを分解する方法(光CVD法)、プラズマ
により原料ガスを分解する方法(プラズマCVD法)
等、多数の方法が知られている。
【0013】プラズマCVD法、すなわち、原料ガスを
直流、高周波またはマイクロ波グロー放電等によって分
解し、基体上に薄膜状の堆積膜を形成する方法は、電子
写真用アモルファスシリコン堆積膜の形成方法に最適で
あり、現在実用化が非常に進んでいる。中でも、近年堆
積膜形成方法としてマイクロ波グロー放電分解を用いた
プラズマCVD法すなわちマイクロ波プラズマCVD法
が工業的にも注目されている。
【0014】マイクロ波プラズマCVD法は、他の方法
に比べ高いデポジション速度と高い原料ガス利用効率と
いう利点を有している。こうした利点を生かしたマイク
ロ波プラズマCVD技術の1つの例が、米国特許4,5
04,518号に記載されている。該特許に記載の技術
は、0.1Torr以下の低圧によりマイクロ波プラズ
マCVD法により高速の堆積速度で良質の堆積膜を得る
というものである。
【0015】更に、マイクロ波プラズマCVD法により
原料ガスの利用効率を改善するための技術が特開昭60
−186849号公報に記載されている。該公報に記載
の技術は、概要、マイクロ波エネルギーの導入手段を取
り囲むように基体を配置して内部チャンバー(すなわち
放電空間)を形成するようにして、原料ガス利用効率を
非常に高めるようにしたものである。
【0016】また、特開昭61−283116号公報に
は、半導体部材製造用の改良形マイクロ波技術が開示さ
れている。すなわち、当該公報は、放電空間中にプラズ
マ電位制御として電極(バイアス電極)を設け、このバ
イアス電極に所望の電圧(バイアス電圧)を印加して堆
積膜へのイオン衝撃を制御しながら膜堆積を行うように
して堆積膜の特性を向上させる技術を開示している。
【0017】基体としてアルミニウム合金製シリンダー
を用いた場合、これらの従来の技術による電子写真感光
体の製造方法は具体的には以下のように実施される。
【0018】精密切削用のエアダンパー付旋盤(PNE
UMO PRECLSION INC.製)に、ダイヤ
モンドバイト(商品名:ミラクルバイト、東京ダイヤモ
ンド製)を、シリンダー中心角に対して5°の角のすく
い角を得るようにセットする。次にこの旋盤の回転フラ
ンジに、基体を真空チャックし、付設したノズルから白
燈油噴霧、同じく付設した真空ノズルから切り粉の吸引
を併用しつつ、周速1000m/min、送り速度0.
01mm/Rの条件で外形が108mmとなるように鏡
面切削を施す。
【0019】次に、この切削した基体をトリクロルエタ
ンにより洗浄を行い、表面に付着している切削油及び切
り粉の洗浄を行う。
【0020】次にこれらを鏡面加工し、洗浄した基体上
に図3に示すグロー放電分解法による光導電部材の堆積
膜形成装置により、アモルファスシリコンを主体とした
堆積膜を形成する。
【0021】図3において反応容器301は、ベースプ
レート302と壁303とトッププレート304から構
成され、この反応容器301内には、カソード電極30
5が設けられており、アモルファスシリコン堆積膜が形
成される基体306はカソード電極305の中央部に設
置され、アノード電極も兼ねている。
【0022】この堆積膜形成装置を使用してアモルファ
スシリコン堆積膜を基体306上に形成するには、ま
ず、原料ガス流入バルブ307及びリークバルブ308
を閉じ、排気バルブ309を開け、反応容器301を排
気する。真空計310の読みが約5×10-6Torrに
なった時点で原料ガス流入バルブ307を開いてマスフ
ローコントローラ311内で所定の混合比に調整され
た、例えばSiH4 ガス等の原料ガスを反応容器301
内に流入させる。そして基体306の表面温度が加熱ヒ
ーター312により所定の温度に設定されていることを
確認した後、高周波電源313を所望の電力に設定して
反応容器301内にグロー放電を生起させる。
【0023】また、堆積膜形成を行っている間は、堆積
膜形成の均一化を図るために基体306をモーター31
4により一定速度で回転させる。この様にして基体30
6上に、アモルファスシリコン堆積膜を形成することが
できる。
【0024】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、これら従
来の電子写真感光体の製造方法では、特に堆積膜の堆積
速度の速い領域では、均一膜質で光学的及び電気的諸特
性の要求を満足し、かつ電子写真プロセスにより画像形
成時に画像品質の高い堆積膜を定常的に安定して高収率
(高歩留まり)で得るのは難しいという解決すべき問題
点が残存している。
【0025】即ち、従来の電子写真感光体は、堆積膜中
に異常成長の部分がありその部分は微小な面積の表面電
荷の乗らない部分となる。これらの現象は特にアモルフ
ァスシリコンのようにプラズマCVD法により堆積膜を
形成した電子写真感光体の場合特に顕著である。しか
し、それらの表面電位の乗らない部分は基体の表面加工
条件及び堆積条件の最適化を行えば最小限にくい止める
ことができ、従来は現像の解像力またはそれ以下の程度
であったため実用上問題は生じていなかった。
【0026】しかし、近年のように、 1)電子写真装置の高画質化が要求され、それに伴い現
像の解像力が向上した。 2)複写機の高速化が進み帯電条件が過酷になるに従
い、表面で電位の乗らない部分が実質上周辺の電位に対
して大きな影響を与えるようになった。
【0027】このような状況では、従来問題となってい
なかったこれらの電荷の乗らない微小な部分も画像欠陥
として指摘されるようになってきた。
【0028】さらに、従来はコピーの用途としては、活
字だけの原稿(いわゆるラインコピー)が中心であった
ので、これらの画像欠陥は実用上大きな問題とならなか
った。しかし、近来複写機の画質が上がるにつれて、写
真などのハーフトーンを含む原稿が多くコピーされるよ
うになり問題となってきた。特に、近来普及してきたカ
ラー複写機においては、これらの欠陥は、より視覚的に
明らかなものとなるため、大きな問題となってきた。
【0029】これらの変化は微小なので、上部に電極を
付け導電率の測定を行っても検知することはできない。
しかし、電子写真感光体として電子写真プロセスにより
帯電、露光、現像を行ったとき、特にハーフトーンで均
一の画像を形成したとき、電子写真感光体表面上の僅か
な電位の差も画像欠陥と成って視覚的に顕著なものとし
て現われてくる。特に、マイクロ波プラズマCVD法に
より作成した電子写真感光体においては、前述の問題は
更に顕著に現われてしまうのである。
【0030】一方、この様な画像欠陥は、真空蒸着によ
り作製したSe電子写真感光体、ブレード塗布法または
ディッピング法等により作製したOPC電子写真感光体
に比べ、プラズマCVD法で作製した電子写真感光体で
は特に顕著に現われるのである。
【0031】また、同じくプラズマCVD法で作製する
デバイスでも太陽電池のように基板上の位置による微妙
な特性の差がその性能に影響しない、または後処理で補
修が可能なデバイスでは、上述の問題は発生しないので
ある。
【0032】[発明の目的]本発明の目的は、上述のご
とき従来の電子写真感光体の製造方法における諸問題を
克服して、安価に安定して歩留まり良く高速形成し得
る、使いやすい電子写真感光体の製造方法を提供するこ
とにある。
【0033】また、本発明の目的は、プラズマCVD法
で特に顕著な画像欠陥の発生という問題点を解決して、
均一な高品位の画像を得ることができる電子写真感光体
の製造方法を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の電子写
真感光体の製造方法は、アルミニウム基体上に珪素原子
を含む非単結晶堆積膜を形成する工程を含む電子写真感
光体の製造方法において、前記堆積膜を形成する工程の
前に基体の表面を二酸化炭素を導入して二酸化炭素を溶
解した水で洗浄する工程を備えていることを特徴として
いる。
【0035】本発明者の検討では、アルミニウム基体を
用いたとき発生する画像欠陥の原因は、 (A)基体上塵等が付着してそれが核となる。 (B)基体の表面欠陥が核となる。に大別できる。
【0036】(A)の塵等の付着は、切削、洗浄など基
体を取り扱う場所のクリーン化を図る、及び成膜炉内の
清掃を厳密に行うことと共に堆積膜形成の直前に基体表
面を洗浄することにより防止することが可能であった。
従来はトリクロルエタン等の塩素系溶剤で洗浄すること
によりこの目的を達成していた。しかし、近年オゾン層
の破壊等の理由でこうした塩素系の溶剤の使用が制限さ
れるようになってきたため、この問題点について新たに
検討をする必要が生じた。
【0037】一方、(B)の欠陥を減少させることは従
来より非常に困難であった。
【0038】本発明者は、特定の成分含有のアルミニウ
ムと特定の洗浄方法を組み合わせることによりこれらの
問題点を全て解決できないかという観点に立ち鋭意検討
を行った結果本発明の完成を得た。
【0039】本発明者の検討により、アルミニウム中の
局所的に高硬度の部分があり、堆積膜形成に先立つ前加
工として、切削等の表面加工の際に加工機の刃にこれら
の高硬度の部分がえぐられ、アルミニウム基体上に表面
欠陥ができることが(B)の原因であることが明らかと
なった。
【0040】更に、これらの現象を防ぐためには、通常
アルミニウムに含有される不純物は少ない方がよい、し
かし、非常に高純度のアルミニウムは基体の形状に原材
料のアルミニウムを加工するための溶解の際に必然的に
発生する酸化物が成長し、前述の欠陥発生の原因とな
る。これを防ぐためには、珪素原子を含有させることが
効果的であることが明らかとなった。
【0041】基体表面の機械加工後、トリクロルエタン
等の塩素系の溶剤を用い洗浄を行う場合は、以上のこと
だけで基体の表面性による画像欠陥の発生は充分防止す
ることが可能である。
【0042】しかし、近年ではさらに環境問題のために
これらの塩素系溶剤を安易には使うことができないた
め、本発明者は洗浄についても検討を行った。その結
果、アルミニウムは水により腐食が発生する、特にこれ
ら珪素原子を含むアルミニウムは、洗浄の際に水に漬け
ると珪素原子が局所的に多い部分を中心に水による腐食
が顕著になることを発見した。
【0043】この現象は水の温度が高いほど顕著であ
り、またアルミニウム中に珪素原子と共に切削性を向上
する目的でマグネシウムを含む場合更に顕著となった。
アルミニウムの腐食を防ぐためには、各種の腐食防止剤
が提案されているが、本発明のように、珪素を含んだア
ルミニウム基体を電子写真感光体の基体に用いる場合は
大面積の基体上に僅かに発生した欠陥でも問題となるた
め、効果が不十分であり、さらに、これらの腐食防止剤
が洗浄後微量基体表面に残るため堆積膜形成後電子写真
特性に悪影響が発生するのである。即ち、アルミニウム
基体表面上に水と同時に速やかに揮発する成分以外の成
分が付着していると電子写真感光体を作製した場合、画
像上のしみ等の悪影響が発生するため従来の腐食防止剤
の使用は制限されるのである。
【0044】本発明者は堆積膜形成に先立ち塵の付着を
除去するために行う洗浄の際用いる水に何らかの処理を
行うことで上記のような欠陥の発生を抑えることができ
ないかという点に着目して鋭意研究した結果、本発明を
完成させるに至った。
【0045】本発明のメカニズムについては未だ解明さ
れていない点が多いが、本発明者は現在、次のように考
えている。
【0046】アルミニウム表面に部分的に露出した珪素
原子が多い部分は周囲の通常のアルミニウムの部分と局
部的な電池を形成して腐食を促進する。
【0047】一方、水に溶解した二酸化炭素は水中で炭
酸イオンとなり、これらの局部電池の部分に引き寄せら
れ周囲を覆うことにより水中の酸素等の接近を防ぎ効果
的に腐食を防止する。更に、炭酸イオンは珪素原子の多
い部分表面に何らかの変質をさせることにより、堆積膜
形成時にこの部分からの異常成長が発生することを防止
する。
【0048】更に、本発明の予期せぬ効果として画像む
らの低減と電子写真特性の向上がみられた。
【0049】プラズマCVD法により、例えばアモルフ
ァスシリコン堆積膜を基体上に形成する場合、反応は、
気相における原料ガスの分解過程、放電空間から基体表
面までの活性種の輸送過程、基体表面での表面反応過程
の3つに分けて考えることができる。中でも、表面反応
過程は完成した堆積膜の構造の決定に非常に大きな役割
を果たしている。そして、これらの表面反応は、基体表
面の温度、材質、形状、吸着物質などに大きな影響を受
けるのである。
【0050】特に純度の高いアルミニウム基体は、切削
後トリクロルエタンのような非水溶剤で洗浄を行っただ
けの状態、または切削後に他の洗浄を行わずに純水によ
るジェット洗浄処理を行っただけの状態では、基体表面
上の水の吸着が部分的に異なる状態となっている。この
様な表面状態の基体上に例えばプラズマCVD法により
アモルファスシリコン膜の様な珪素原子と、水素原子及
び(又は)弗素原子とを含んだ堆積膜を形成すると、そ
の表面の反応は、基体表面上に残った水分子の量に特に
大きく影響される。この事により、基体の位置の水の吸
着量により、堆積膜の界面の組成及び構造が変化し、そ
の結果、電子写真プロセスの工程中にその部分の基体か
らの電荷の注入性が変化し、画像濃度を変えるに充分な
表面電位の差が現われるのである。
【0051】本発明では、プラズマCVD法による堆積
膜形成前に基体表面に二酸化炭素を溶解した水で洗浄す
ることにより、基体表面を効果的に均一化することがで
き、上述の画像の濃度むらをなくすことに成功してい
る。
【0052】更に炭酸イオンは、アルミニウム表面全体
を均一に僅かに溶解することにより表面の活性度を上
げ、堆積膜を形成する際良好な電荷のやりとりができる
界面を形成することができる。このため、帯電の向上、
残留電位の低減等電子写真特性の向上を果たすことが可
能となった。
【0053】本発明は電子写真感光体の製造時において
発生する画像欠陥等を改善し、更にその電子写真特性を
向上させるための新規の表面処理方法であり、単なる表
面汚物質の洗浄とは全く異なった効果を達成している。
【0054】更に本発明では切削工程後、二酸化炭素を
溶解した水の洗浄工程の前に前洗浄工程を設けることに
より本発明の効果を妨げる油脂及びハロゲン系の残留物
の除去を完全に行うことにより前述の効果を高めてい
る。特に、前洗浄工程は水または界面活性剤を加えた水
中で超音波洗浄を行うことにより、本発明の効果を最高
に高めることを可能にしている。
【0055】[製造方法の手順の一例]アルミニウム合
金製シリンダーを基体として、本発明の電子写真感光体
の製造方法により電子写真感光体を実際に形成する手順
の一例を、図1で示す本発明による基体前処理装置、及
び、図2−a、図2−bに示す堆積膜形成装置を用いて
以下に説明する。
【0056】精密切削用のエアダンパー付旋盤(PNE
UMO PRECLSION INC.製)に、ダイヤ
モンドバイト(商品名:ミラクルバイト、東京ダイヤモ
ンド製)を、シリンダー中心角に対して5°の角のすく
い角を得るようにセットする。次に、この旋盤の回転フ
ランジに、基体を真空チャックし、付設したノズルから
白燈油噴霧、同じく付設した真空ノズルから切り粉の吸
引を併用しつつ、周速1000m/min、送り速度
0.01mm/Rの条件で外形が108mmとなるよう
に鏡面切削を施す。
【0057】切削が終了した基体は、基体前処理装置に
より基体表面の処理を行う。図1に示す基体前処理装置
は、処理部102と基体搬送機構103よりなってい
る。処理部102は、基体投入台111、基体前洗浄槽
121、二酸化炭素を溶解した水による洗浄槽131、
乾燥槽141、基体搬出台151よりなっている。前洗
浄槽121、二酸化炭素を溶解した水による洗浄槽13
1とも液の温度を一定に保つための温度調節装置(図示
せず)が付いている。搬送機構103は、搬送レール1
65と搬送アーム161よりなり、搬送アーム161
は、レール165上を移動する移動機構162、基体1
01を保持するチャッキング機構163及びチャッキン
グ機構163を上下させるためのエアーシリンダー16
4よりなっている。
【0058】切削後、投入台上111に置かれた基体1
01は、搬送機構103により前洗浄槽121に搬送さ
れる。前洗浄槽121中の界面活性剤水溶液122中で
超音波処理されることにより表面に付着している切削油
及び切り粉の洗浄が行われる。
【0059】次に基体101は、搬送機構103により
二酸化炭素を溶解した水による洗浄槽131へ運ばれ、
25℃の温度に保たれた二酸化炭素を溶解した水により
更に洗浄が行われる。二酸化炭素を溶解した水は工業用
導電率計(商品名:α900R/C、堀場製作所製)に
より随時導電率を測定し、必要に応じて二酸化炭素を溶
解することにより導電率がほぼ10μS/cmに維持す
るように制御される。二酸化炭素を溶解した水による洗
浄の終わった基体101は搬送機構103により乾燥槽
141へ移動され、ノズル142から高温の高圧空気を
吹き付けられ乾燥される。
【0060】乾燥工程の終了した基体101は、搬送機
構103により搬出台151に運ばれる。
【0061】次にこれらの切削加工及び前処理の終了し
た基体上に図2−aおよび図2−bに示すプラズマCV
D法による光導電部材堆積膜の形成装置により、アモル
ファスシリコンを主体とした堆積膜を形成する。
【0062】図2−a、及び、図2−bにおいて、20
1は反応容器であり、真空気密化構造を成している。ま
た、202は、マイクロ波電力を反応容器201内に効
率よく透過し、かつ真空気密を保持し得るような材料
(例えば石英ガラス、アルミナセラミックス等)で形成
されたマイクロ波導入誘電体窓である。203はマイク
ロ波電力の伝送を行う導波管であり、マイクロ波電源か
ら反応容器近傍までの矩形の部分と、反応容器に挿入さ
れた円筒形の部分からなっている。導波管203はスタ
ブチューナー(図示せず)、アイソレーター(図示せ
ず)とともにマイクロ波電源(図示せず)に接続されて
いる。誘電体窓202は反応容器内の雰囲気を保持する
ために導波管203の円筒形の部分内壁に気密封止され
ている。204は、一端が反応容器201に開口し、他
端が排気装置(図示せず)に連通している排気管であ
る。206は基体205により囲まれた放電空間を示
す。電源211はバイアス電極212に直流電圧を印加
するための直流電源(バイアス電源)であり、電極21
2に電気的に接続されている。
【0063】こうした堆積膜形成装置を使用した電子写
真感光体の製造は以下のようにして行う。まず真空ポン
プ(図示せず)により排気管204を介して、反応容器
201を排気し、反応容器201内の圧力を1×10-7
Torr以下に調整する。ついでヒーター207によ
り、基体205の温度を所定の温度に加熱保持する。そ
こで原料ガスを不図示のガス導入手段を介して、アモル
ファスシリコンの原料ガスとしてシランガス、ドーピン
グガスとしてジボランガス、希釈ガスとしてヘリウムガ
ス等の原料ガスが反応容器201内に導入される。それ
と同時併行的にマイクロ波電源(図示せず)により周波
数2.45GHzのマイクロ波を発生させ、導波管20
3を通じ、誘電体窓202を介して反応容器201内に
導入する。更に放電空間206中のバイアス電極212
に電気的に接続された直流電源211によりバイアス電
極212に基体205に対して直流電圧を印加する。か
くして基体205により囲まれた放電空間206におい
て、原料ガスはマイクロ波のエネルギーにより励起され
て解離し、更にバイアス電極212と基体205の間の
電界により定常的に基体205上にイオン衝撃を受けな
がら、基体205表面に堆積膜が形成される。この時、
基体205が設置された回転軸209をモーター210
により回転させ、基体205を基体母線方向中心軸の回
りに回転させることにより、基体205全周に渡って均
一に堆積膜層を形成する。
【0064】本発明において、前洗浄を行う場合は特に
界面活性剤等を含有した水系の洗浄が望ましい。水系の
洗浄を行う場合、界面活性剤を溶解する前の水の水質
は、いずれでも可能であるが、特に半導体グレードの純
水、特に超LSIグレードの超純水が望ましい。具体的
には、水温25℃の時の抵抗率として、下限値は1MΩ
・cm以上、好ましくは3MΩ・cm以上、最適には5
MΩ・cm以上が本発明には適している。上限値は理論
抵抗値(18.25MΩ・cm)までの何れの値でも可
能であるが、コスト、生産性の面から17MΩ・cm以
下、好ましくは15MΩ・cm以下、最適には13MΩ
・cm以下が本発明には適している。微粒子量として
は、0.2μm以上が1ミリリットル中に10000個
以下、好ましくは1000個以下、最適には100個以
下が本発明には適している。微生物量としては、総生菌
数が1ミリリットル中に100個以下、好ましくは10
個以下、最適には1個以下が本発明には適している。有
機物量(TOC)は、1リットル中に10mg以下、好
ましくは1mg以下、最適には0.2mg以下が本発明
には適している。
【0065】上記の水質の水を得る方法としては、活性
炭法、蒸留法、イオン交換法、フィルター濾過法、逆浸
透法、紫外線殺菌法等があるが、これらの方法を複数組
み合わせて用い、要求される水質まで高めることが望ま
しい。
【0066】水の温度は、高すぎると基体上に酸化膜が
発生してしまい、堆積膜の剥れ等の原因となる。また、
低すぎると洗浄効果が小さく、さらに本発明の効果が充
分得られない。この為、水の温度としては、10℃以
上、90℃以下、好ましくは20℃以上、75℃以下、
最適には30℃以上、55℃以下が本発明には適してい
る。
【0067】本発明において前洗浄工程で用いられる界
面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活
性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、または
それらの混合したもの等いずれのものでも可能である。
中でも、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル
塩、燐酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤または、
脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤は特に本発明
では効果的である。ビルダーとしては、燐酸塩、炭酸
塩、珪酸塩、ほう酸塩等を用いることが有効である。キ
レート剤としては、グルコン酸塩、EDTA、NTA、
燐酸塩等を用いることが有効である。
【0068】本発明において前洗浄工程に超音波を用い
ることは本発明の効果を出す上で有効である。超音波の
周波数は、好ましくは100Hz以上、10MHz以
下、更に好ましくは1kHz以上、5MHz以下、最適
には10kHz以上100kHz以下が効果的である。
超音波の出力は、好ましくは0.1W/リットル以上、
1kW/リットル以下、更に好ましくは1W/リットル
以上、100W/リットル以下が効果的である。
【0069】本発明において、二酸化炭素を溶解した水
による洗浄工程に使用される水の水質は、非常に重要で
あり二酸化炭素溶解前の状態では半導体グレードの純
水、特に超LSIグレードの超純水が望ましい。具体的
には、水温25℃の時の抵抗率として、下限値は1MΩ
・cm以上、好ましくは3MΩ・cm以上、最適には5
MΩ・cm以上が本発明には適している。抵抗値の上限
は理論抵抗値(18.25MΩ・cm)までの何れの値
でも可能であるが、コスト、生産性の面から17MΩ・
cm以下、好ましくは15MΩ・cm以下、最適には1
3MΩ・cm以下が本発明には適している。微粒子量と
しては、0.2μm以上が1ミリリットル中に1000
0個以下、好ましくは1000個以下、最適には100
個以下が本発明には適している。微生物量としては、総
生菌数が1ミリリットル中に100個以下、好ましくは
10個以下、最適には1個以下が本発明には適してい
る。有機物量(TOC)は、1リットル中に10mg以
下、好ましくは1mg以下、最適には0.2mg以下が
本発明には適している。
【0070】上記の水質の水を得る方法としては、活性
炭法、蒸留法、イオン交換法、フィルター濾過法、逆浸
透法、紫外線殺菌法等があるが、これらの方法を複数組
み合わせて用い、要求される水質まで高めることが望ま
しい。
【0071】これらの水に溶解する二酸化炭素の量は飽
和溶解度までのいずれの量でも本発明は可能だが、多す
ぎると水温が変動したときに泡が発生し基体表面に付着
することによりスポット状のシミが発生する場合があ
る。更に、溶解した二酸化炭素の量が多いとpHが小さ
くなるため基体にダメージを与える場合がある。一方、
溶解した二酸化炭素の量が少なすぎると本発明の効果を
得ることができない。
【0072】基体に要求される品質等を考慮しながら、
状況に合わせて二酸化炭素の溶解量を最適化する必要が
ある。
【0073】一般的に本発明による好ましい二酸化炭素
の溶解量は飽和溶解度の60%以下、更に好ましくは4
0%以下の条件である。
【0074】本発明において二酸化炭素の溶解量は水の
導電率またはpHで管理することが実用的であるが、導
電率で管理した場合、好ましい範囲は2μS/cm以
上、40μS/cm以下、更に好ましくは4μS/cm
以上、35μS/cm以下、6μS/cm以上、30μ
S/cm以下、pHで管理した場合、好ましい範囲は
3.8以上、6.0以下、更に好ましくは4.0以上、
5.0以下で本発明は効果が顕著である。導電率の測定
は導電率計等により行い、値としては温度補正により2
5℃に換算した値を用いる。
【0075】水の温度は、高すぎると基体上に酸化膜が
発生してしまい、堆積膜の剥れ等の原因となる。また、
低すぎると洗浄効果が小さく、さらに本発明の効果が充
分得られない。この為、水の温度としては、10℃以
上、90℃以下、好ましくは20℃以上、75℃以下、
最適には30℃以上、55℃以下が本発明には適してい
る。
【0076】二酸化炭素を水に溶解する方法はバブリン
グによる方法、隔膜を用いる方法等いずれでも良い。本
発明においては、二酸化炭素を溶解した水を用いること
が重要であり、炭酸イオンを得るために炭酸ナトリウム
等の炭酸塩を用いた場合、ナトリウムイオン等の陽イオ
ンが本発明の効果を阻害してしまう。
【0077】このようにして得られた二酸化炭素を溶解
した水により基体表面を洗浄するときは、ディッピング
により洗浄する方法、水圧を掛けて吹き付ける方法等が
ある。
【0078】ディッピングにより洗浄する場合、二酸化
炭素を溶解した水を導入した水槽に基体を浸積すること
が基本であるが、その際に超音波を印加する、水流を与
える、空気等を導入することによりバブリングを行う等
を併用すると本発明は更に効果的なものとなる。
【0079】吹き付ける場合、水の圧力は、弱すぎると
本発明の効果が小さいものとなり、強すぎると得られた
電子写真感光体の画像上、特にハーフトーンの画像上で
梨肌状の模様が発生してしまう。この為、水の圧力とし
ては、2kg・f/cm2 以上、300kg・f/cm
2 以下、好ましくは10kg・f/cm2 以上、200
kg・f/cm2 以下、最適には20kg・f/cm2
以上、150kg・f/cm2 以下が本発明に適してい
る。但し、本発明における圧力単位kg・f/cm
2 は、重力キログラム毎平方センチメートルを意味し、
1kg・f/cm2は98066.5Paと等しい。
【0080】水を吹き付ける方法には、ポンプにより高
圧化した水をノズルから吹き付ける方法、または、ポン
プで汲み上げた水を高圧空気とノズルの手前で混合し
て、空気の圧力により吹き付ける方法等がある。
【0081】水の流量としては、発明の効果と、経済性
から、基体1本当り1リットル/min以上、200リ
ットル/min以下、好ましくは2リットル/min以
上、100リットル/min以下、最適には5リットル
/min以上、50リットル/min以下が本発明には
適している。
【0082】水の温度は、高すぎると基体上に酸化膜が
発生してしまい堆積膜の剥れ等の原因となる、さらに本
発明の効果が充分に得られない。また、安定して二酸化
炭素を水中に溶解しておくことが困難である。反対に、
低すぎてもやはり本発明の効果が充分得ることはできな
い。この為、水の温度としては、5℃以上、90℃以
下、好ましくは10℃以上、55℃以下、最適には15
℃以上、40℃以下が本発明には適している。
【0083】二酸化炭素を溶解した水による洗浄処理の
処理時間は、長すぎると基体上に酸化膜が発生してしま
い、短すぎると本発明の効果が小さいため、10秒以
上、30分以下、好ましくは20秒以上、20分以下、
最適には30秒以上、10分以下が本発明には適してい
る。
【0084】本発明において、堆積膜形成時の基体表面
の酸化皮膜等の影響を取り除くために、堆積膜形成の直
前に基体表面の切削を行うことは重要なことである。
【0085】切削から二酸化炭素を溶解した水による洗
浄処理までの時間は、長すぎると基体表面に再び酸化膜
が発生してしまい、短すぎると工程が安定しないため、
1分以上、16時間以下、好ましくは2分以上、8時間
以下、最適には3分以上、4時間以下が本発明には適し
ている。
【0086】二酸化炭素を溶解した水による洗浄処理か
ら堆積膜形成装置へ投入までの時間は、長すぎると本発
明の効果が小さくなってしまい、短すぎると工程が安定
しないため、1分以上、8時間以下、好ましくは2分以
上、4時間以下、最適には3分以上、2時間以下が本発
明には適している。
【0087】乾燥工程は、温風乾燥、真空乾燥、温水乾
燥等いずれの乾燥方法も有効である。特に二酸化炭素を
溶解した温水による乾燥が本発明の効果を高めるために
好ましい。
【0088】本発明において、二酸化炭素を溶解した水
による温水乾燥を行う場合、使用される水の水質は、非
常に重要であり二酸化炭素溶解前の状態では半導体グレ
ードの純水、特に超LSIグレードの超純水が望まし
い。具体的には、水温25℃の時の抵抗率として、下限
値は1MΩ・cm以上、好ましくは3MΩ・cm以上、
最適には5MΩ・cm以上が本発明には適している。抵
抗値の上限は理論抵抗値(18.25MΩ・cm)まで
の何れの値でも可能であるが、コスト、生産性の面から
17MΩ・cm以下、好ましくは15MΩ・cm以下、
最適には13MΩ・cm以下が本発明には適している。
微粒子量としては、0.2μm以上が1ミリリットル中
に10000個以下、好ましくは1000個以下、最適
には100個以下が本発明には適している。微生物量と
しては、総生菌数が1ミリリットル中に100個以下、
好ましくは10個以下、最適には1個以下が本発明には
適している。有機物量(TOC)は、1リットル中に1
0mg以下、好ましくは1mg以下、最適には0.2m
g以下が本発明には適している。
【0089】上記の水質の水を得る方法としては、活性
炭法、蒸留法、イオン交換法、フィルター濾過法、逆浸
透法、紫外線殺菌法等があるが、これらの方法を複数組
み合わせて用い、要求される水質まで高めることが望ま
しい。
【0090】これらの水に溶解する二酸化炭素の量は飽
和溶解度までのいずれの量でも本発明は可能だが、多す
ぎると水温が変動したときに泡が発生し基体表面に付着
することによりスポット状のシミが発生する場合があ
る。更に、溶解した二酸化炭素の量が多いとpHが小さ
くなるため基体にダメージを与える場合がある。一方、
溶解した二酸化炭素の量が少なすぎると本発明の効果を
得ることができない。
【0091】基体に要求される品質等を考慮しながら、
状況に合わせて二酸化炭素の溶解量を最適化する必要が
ある。
【0092】一般的に本発明による好ましい二酸化炭素
の溶解量は飽和溶解度の60%以下、更に好ましくは4
0%以下の条件である。
【0093】本発明において二酸化炭素の溶解量は水の
導電率またはpHで管理することが実用的であるが、導
電率で管理した場合、好ましい範囲は2μS/cm以
上、40μS/cm以下、更に好ましくは4μS/cm
以上、35μS/cm以下、6μS/cm以上、30μ
S/cm以下、pHで管理した場合、好ましい範囲は
3.8以上、6.0以下、更に好ましくは4.0以上、
5.0以下で本発明は効果が顕著である。導電率の測定
は導電率計等により行い、値としては温度補正により2
5℃に換算した値を用いる。
【0094】二酸化炭素を水に溶解する方法はバブリン
グによる方法、隔膜を用いる方法等いずれでも良い。本
発明においては、二酸化炭素を溶解した水を用いること
が重要であり、炭酸イオンを得るために炭酸ナトリウム
等の炭酸塩を用いた場合、ナトリウムイオン等の陽イオ
ンが本発明の効果を阻害してしまう。
【0095】水の温度は、高すぎると基体上に酸化膜が
発生してしまい、堆積膜の剥れ等の原因となる。また、
低すぎると乾燥が不十分となり、さらに本発明の効果が
充分得られない。この為、水の温度としては、30℃以
上、90℃以下、好ましくは35℃以上、80℃以下、
最適には40℃以上、70℃以下が本発明には適してい
る。
【0096】本発明において基体の材質はアルミニウム
を母体とするものであればいずれでも可能であるが、特
に珪素原子を含有したものを用いた場合本発明の効果が
顕著である。本発明において好ましい珪素原子の含有量
としては1ppm以上、1wt%以下、更に好ましくは
10ppm以上、0.1wt%以下の範囲である。
【0097】本発明において基体の加工性を向上させる
ためにマグネシウムを含有させることは有効である。好
ましいマグネシウムの含有量としては、0.1wt%以
上、10wt%以下、更に好ましくは0.2wt%以
上、5wt%以下の範囲である。
【0098】更に本発明では、H,Li,Na,K,B
e,Ca,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,C
u,Ag,Zn,Cd,Hg,B,Ca,In,C,S
i,Ge,Sn,N,P,As,O,S,Se,F,C
l,Br,I等如何なる物質をアルミニウム中に含有さ
せても有効である。
【0099】本発明において基体の形状は任意の形状を
有し得るが、特に円筒形のものが本発明に最適である。
基体の大きさには特に制限はないが、実用的には直径2
0mm以上、500mm以下、長さ10mm以上、10
00mm以下が好ましい。
【0100】本発明で用いられる感光体は、アモルファ
スシリコン感光体、セレン感光体、硫化カドミニウム感
光体、有機物感光体等何れでも可能であるが、特にアモ
ルファスシリコン感光体等の珪素を含む非単結晶感光体
の場合その効果が顕著である。
【0101】珪素を含む非単結晶感光体の場合、堆積膜
形成時に使用される原料ガスとしては、シラン(SiH
4 )、ジシラン(Si2 6 )、四弗化珪素(Si
4 )、六弗化二珪素(Si2 6 )等のアモルファス
シリコン形成原料ガス又はそれらの混合ガスが挙げられ
る。
【0102】希釈ガスとしては水素(H2 )、アルゴン
(Ar)、ヘリウム(He)等が挙げられる。
【0103】又、堆積膜のバンドギャップ幅を変化させ
る等の特性改善ガスとして、窒素(N2 )、アンモニア
(NH3 )等の窒素原子を含む元素、酸素(O2 )、一
酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2 )、酸化二窒素
(N2 O)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(C
2 )等酸素原子を含む元素、メタン(CH4 )、エタ
ン(C2 6 )、エチレン(C2 4 )、アセチレン
(C2 2 )、プロパン(C3 8 )等の炭化水素、四
弗化ゲルマニウム(GeF4 )、弗化窒素(NF3 )等
の弗素化合物またはこれらの混合ガスが挙げられる。
【0104】また、本発明においては、ドーピングを目
的としてジボラン(B2 6 )、フッ化ほう素(B
3 )、ホスフィン(PH3 )等のドーパントガスを同
時に放電空間に導入しても本発明は同様に有効である。
【0105】本発明の電子写真感光体では、基体上に堆
積した堆積膜の総膜厚はいずれでも良いが、5μm以
上、100μm以下、更に好ましくは10μm以上、7
0μm以下、最適には15μm以上、50μm以下にお
いて、電子写真感光体として特に良好な画像を得ること
ができた。
【0106】本発明では、堆積膜の堆積中の放電空間の
圧力がいずれの領域でも効果が認められたが、特に0.
5mTorr以上、100mTorr以下、好ましくは
1mTorr以上、50mTorr以下において、放電
の安定性及び堆積膜の均一性の面で特に良好な結果が再
現性良く得られた。
【0107】本発明において、堆積膜の堆積時の基体温
度は、100℃以上、500℃以下の範囲で有効である
が、特に150℃以上、450℃以下、好ましくは20
0℃以上、400℃以下、最適には250℃以上、35
0℃以下において著しい効果が確認された。
【0108】本発明において、基体の加熱手段として
は、真空仕様の発熱体であればよく、より具体的にはシ
ース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セ
ラミックスヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲンラン
プ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、液体、気体
等を温媒とし熱交換手段による発熱体等が挙げられる。
加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッケル、アルミ
ニウム、銅等の金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹
脂等を使用することができる。また、それ以外にも、反
応容器とは別に加熱専用の容器を設け、加熱した後、反
応容器内に真空中で基体を搬送する等の方法も使用する
ことができる。以上の手段を単独にまたは併用して用い
ることが本発明では可能である。
【0109】本発明において、プラズマを発生させるエ
ネルギーは、DC、RF、マイクロ波等いずれでも可能
であるが、特に、プラズマの発生のエネルギーにマイク
ロ波を用いた場合、基体の表面欠陥による異常成長が顕
著に現われ且つ、吸着した水分にマイクロ波が吸収さ
れ、界面の変化がより顕著なものとなるため、本発明の
効果がより顕著なものとなる。
【0110】本発明において、プラズマ発生のためにマ
イクロ波を用いる場合、マイクロ波電力は、放電を発生
させることができればいずれでも良いが、100W以
上、10kW以下、好ましくは500W以上、4kW以
下が本発明を実施するに当たり適当である。
【0111】本発明において、堆積膜形成中に放電空間
に電圧(バイアス電圧)を印加することは有効であり、
少なくとも基体に陽イオンが衝突する方向に電界が掛か
ることが好ましい。バイアスを全く掛けない場合、本発
明の効果は著しく低減してしまうため、DC成分の電圧
が1V以上、500V以下、好ましくは5V以上、10
0V以下であるバイアス電圧を堆積膜形成中に印加する
ことが、本発明の効果を得るためには望ましい。
【0112】本発明において、反応容器内に誘電体窓を
用いてマイクロ波を導入する場合、誘電体窓の材質とし
てはアルミナ(Al2 3 )、窒化アルミニウム(Al
N)、窒化ボロン(BN)、窒化珪素(SiN)、炭化
珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2 )、酸化ベリリウ
ム(BeO)、テフロン、ポリスチレン等マイクロ波の
損失の少ない材料が通常使用される。
【0113】複数の基体で放電空間を取り囲む構成の堆
積膜形成方法においては基体の間隔は1mm以上、50
mm以下が好ましい。基体の数は放電空間を形成できる
ならばいずれでも良いが3本以上、より好ましくは4本
以上が適当である。
【0114】本発明は、いずれの電子写真感光体の製造
方法にも適用が可能であるが、特に、放電空間を囲むよ
うに基体を設け、少なくとも基体の一端側から導波管に
よりマイクロ波を導入する構成により堆積膜を形成する
場合大きな効果がある。
【0115】図6に本発明の方法で製造された電子写真
感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成
例を示す。
【0116】図において、601は像担持体としての電
子写真感光体であり、これは軸601aを中心として矢
印方向に所定の周速で回転駆動される。この電子写真感
光体は、その回転過程で帯電手段602によりその周面
に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光
部によって不図示の像露光手段により光像露光L(スリ
ット露光、レーザービーム走査露光など)を受ける。こ
れにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次
形成されていく。
【0117】この静電潜像は次いで現像手段604でト
ナー現像され、トナー現像像が転写手段により、不図示
の給紙部から感光体601と転写手段605との間に感
光体601の回転と同期取りされた転写材Pの表面に順
次転写されていく。
【0118】像転写を受けた転写材Pは、感光体面から
分離されて像定着手段608へ導入され、ここで像定着
を受けたのち複写物(コピー)として機外へプリントア
ウトされる。
【0119】像転写後の感光体601の表面は、クリー
ニング手段606による転写残りトナーの除去を受けて
清浄面化され、さらに前露光手段607により除電処理
されたのち、繰り返して像形成に使用される。
【0120】感光体601の均一帯電手段602として
は、コロナ帯電装置が一般に広く使用されている。また
転写装置605にもコロナ帯電装置が一般に広く使用さ
れている。電子写真装置として、上述の感光体や現像手
段、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に対して着脱自在の構成にしてもよ
い。この場合、上記の装置ユニットの方に帯電手段及び
(または)現像手段を伴って構成しても良い。
【0121】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンタとして使用する場合には、原稿からの反射光や透
過光であってもよく、あるいは原稿を読みとって信号化
した信号によるレーザービームの走査、LEDアレーの
駆動、または液晶シャッターアレイの駆動などによって
得られたものであってもよい。
【0122】ファクシミリのプリンターとして使用する
場合には、光像露光Lは受信データをプリントするため
の露光になる。図7はこの場合の1例をブロック図で示
したものである。
【0123】コントローラ711は画像読取部710と
プリンター719を制御する。コントローラ711全体
はCPU717により制御されている。画像読取部71
0からの読取データは、送信回路713を通して相手局
に送信される。相手局から受けたデータは受信回路71
2を通してプリンター719に送られる。画像メモリ7
16には所定の画像データが記憶される。プリンタコン
トローラ718はプリンター719を制御している。7
14は電話である。
【0124】回線715から受信された画像情報(回線
を介して接続されたリモート端子からの画像情報)は、
受信回路712で復調された後、CPU717で復号処
理が行われ、順次画像メモリ716に格納されると、そ
のページの画像記録を行う。CPU717は、メモリ7
16より1ページ分の画像情報を読出し、プリンタコン
トローラ718に復号された1ページの画像情報を送出
する。プリンタコントローラ718は、CPU717か
らの1ページの画像情報を受け取ると、そのページの画
像情報記録を行うようにプリンターを制御する。
【0125】なお、CPU717は、プリンター719
による記録中に、次のページの画像情報を受信してい
る。
【0126】以上のようにして、画像の受信と記録が行
われる。
【0127】本発明の方法で製造された電子写真感光体
は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービ
ームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンタ
ー、液晶プリンター、レーザー製版機などの電子写真応
用分野にも広く用いることができる。
【0128】以下、本発明の効果を、実験例を用いて具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。
【0129】[実験例1]水中に溶解する二酸化炭素の
量を変化させて画像欠陥の発生と相関を調べた。珪素原
子の含有量が100ppmのアルミニウムよりなる直径
108mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒状基体
を、前述の本発明による電子写真感光体の製造方法の手
順の一例と同様の手順で表面の切削を行った。
【0130】切削工程終了15分後に図1に示す表面処
理装置により、表1に示す条件により洗剤(非イオン性
界面活性剤)による洗浄及び二酸化炭素を溶解した水に
よる洗浄を行った。但しこの時二酸化炭素を溶解した水
としては抵抗率10MΩ・cmの純水中に二酸化炭素を
溶解することにより導電率を1μS/cmから50μS
/cmにした水を用いた。
【0131】更にその後、図2−a、及び、図2−bに
示す堆積膜形成装置を用い、表2の条件で、基体上に、
アモルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。図4におい
て、401,402,403及び404は、それぞれア
ルミニウム基体、電荷注入阻止層、光導電層及び表面層
を示している。
【0132】この様にして作成した電子写真感光体の電
子写真的特性の評価を以下のようにして行った。作成し
た電子写真感光体を実験用に予めプロセススピードを2
00〜800mm/secの範囲で任意に変更できるよ
うに改造を行ったキヤノン社製複写機、NP7550に
いれ、帯電器に6〜7kVの電圧を印加してコロナ帯電
を行い、通常の複写プロセスにより転写紙上に画像を作
製し、下の手順により画像性の評価を行った。このよう
にして同一作製条件で製造した電子写真感光体を各10
本づつ評価を行い、評価結果を表3に示した。
【0133】画像欠陥の評価 プロセススピードを変え全面ハーフトーン原稿及び文字
原稿を原稿台に置いてコピーした時に得られた画像サン
プル中で一番画像欠陥の多く現われる画像サンプルを選
び評価を行った。評価の方法としては画像サンプル上を
拡大鏡で観察し同一面積内にある白点の状態により評価
を行った。 ◎ … 良好。 ○ … 一部微少な白点有り。 △ … 全面に微少な白点があるが文字の認識には支障
無し。 × … 白点が多い為一部文字が読みにくい部分が有
る。
【0134】黒しみの評価 プロセススピードを変え全面ハーフトーン原稿を原稿台
に置いて得られた画像の平均濃度が0.4±0.1とな
るように画像を出力した。このようにして得られた画像
サンプル中で一番しみの目立つものを選び評価を行っ
た。評価の方法としてはこれらの画像を目より40cm
離れたところで観察して、黒しみが認められるか調べ、
以下の基準で評価を行った。 ◎ … いずれのコピー上にも黒しみは認められない。 ○ … わずかに黒しみが認められるものがあった。しかし軽微であり全く問題無し。
【0135】△ … いずれのコピー上にも黒しみが認
められる。しかし軽微であり実用上支障ない。
【0136】× … 全数のコピー上に大きな黒しみが
認められる。
【0137】電子写真特性の評価 通常のプロセススピードで同一の帯電電圧を与えたとき
に現像位置で得られる感光体の表面電位を帯電能として
相対値により評価する。但し、比較実験例1で得られた
電子写真感光体の帯電能を100%としている。
【0138】環境性の評価 ○ … 前処理工程にオゾン層の破壊に係わる物質を用
いない。 × … 前処理工程にオゾン層の破壊に係わる物質を用
いている。
【0139】[比較実験例1]実験例1と同様に珪素原
子の含有量が100ppmのアルミニウム基体を同様の
手順で切削を行った。
【0140】切削が終了した基体は、図8に示す従来の
基体表面洗浄装置により表4の条件で基体表面の処理を
行った。図8に示す基体洗浄装置は、処理槽802と基
体搬送機構803よりなっている。処理槽802は、基
体投入台811、基体洗浄槽821、基体搬出台851
よりなっている。洗浄槽821は液の温度を一定に保つ
ための温度調節装置(図示せず)が付いている。搬送機
構803は、搬送レール865と搬送アーム861より
なり、搬送アーム861は、レール865上を移動する
移動機構862、基体801を保持するチャッキング機
構863、及びこのチャッキング機構863を上下させ
るためのエアーシリンダー864よりなっている。
【0141】切削後、投入台上811に置かれた基体8
01は、搬送機構803により洗浄槽821に搬送され
る。洗浄槽821中のトリクロルエタン(商品名:エタ
ーナVG 旭化成工業社製)822により表面に付着し
ている切削油及び切り粉を除去するための洗浄が行われ
る。
【0142】洗浄後、基体801は、搬送機構803に
より搬出台851に運ばれる。
【0143】更にその後、図2−a、及び、図2−bに
示す堆積膜形成装置を用い、表2の条件で、基体上に、
アモルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0144】この様にして作成した電子写真感光体を実
験例1と同様の方法で評価した結果を比較実験例1とし
て同じく表3に示す。
【0145】[比較実験例2]実験例1と同様に珪素原
子の含有量が100ppmのアルミニウム基体を同様の
手順で切削後、切削工程終了後15分後に表5に示す条
件により洗剤(非イオン性界面活性剤)による洗浄及び
純水による洗浄を行った。表面処理装置としては図1の
ものを用い、但し、洗浄槽131中には二酸化炭素を溶
解しない純水を導入した。
【0146】更にその後、図2−a、及び、図2−bに
示す堆積膜形成装置を用い、表2の条件で、基体上に、
アモルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0147】この様にして作成した電子写真感光体を実
験例1と同様の方法で評価した結果を比較実験例1とし
て同じく表3に示す。
【0148】表3により明らかなように、本発明による
電子写真感光体の製造方法で作製した電子写真感光体
は、二酸化炭素を溶解した水溶液の導電率が2μS/c
mから40μS/cmの範囲で画像欠陥等について非常
に良好な効果が得られた。
【0149】[実験例2]珪素原子の含有量を変化させ
たアルミニウム基体を実験例1と同様の手順で切削後、
切削工程終了後15分後に図1に示す表面処理装置を用
い、表6に示す条件により二酸化炭素を溶解する水によ
る洗浄を行った。但しこの時水としては抵抗率10MΩ
・cmの純水中に二酸化炭素を溶解することにより導電
率を20μS/cm、pHをほぼ4.2にした水を用い
た。
【0150】更にその後、図2−a、及び、図2−bに
示す堆積膜形成装置を用い、表2の条件で、基体上に、
アモルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0151】この様にして作成した電子写真感光体を実
験例1と同様の方法で評価した結果を実験例2として表
7に示す。表7により明らかなように、本発明による電
子写真感光体の製造方法で作製した電子写真感光体は基
体のアルミニウム中に珪素原子を1ppmから1wt%
含有した範囲で画像欠陥について非常に良好な効果が得
られた。
【0152】[実験例3]実験例1と同様の基体を同様
の手順で切削後、切削工程終了後15分後に図1に示す
表面処理装置により、表6に示す条件により基体表面の
前処理を行った。
【0153】更にその後、図2−a、及び、図2−bに
示す堆積膜形成装置を用い、表2の条件で、基体上に、
アモルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0154】本実験例では、二酸化炭素を溶解した水に
よる洗浄工程時に使用する純水の水質(抵抗率)を変化
させ電子写真感光体を作製した。このようにして得られ
た電子写真感光体をキヤノン社製複写機NP7550改
造機にいれ、実験例1と同様の手順で同様の評価を行っ
た。評価としては同一の作製条件で作製した電子写真感
光体を各10本づつ評価し、得られた評価結果を表8に
示した。
【0155】また比較実験例1及び2で作製した電子写
真感光体も同様の評価を行い表8に比較実験例として同
時に示す。但し、表中コストについては以下の基準で評
価を行った。
【0156】コストの評価 必要な洗浄液を必要量得る場合 ◎ … 非常に安価に手にはいる。 ○ … 安価に手にはいる。 △ … やや高価である。 × … 高価である。
【0157】表8より明らかなように、二酸化炭素を溶
解した水による洗浄工程で使用する純水の抵抗率が二酸
化炭素を溶解前に1MΩ・cm以上のとき本発明の電子
写真感光体の製造方法により作製した電子写真感光体は
画像性について非常に良好な結果が得られた。
【0158】
【実施例】以上の実験例により本発明の構成が決定され
た。次に、本発明の実施例及び比較例により更に具体的
に説明する。
【0159】[実施例1]珪素原子を100ppm含有
したアルミニウムよりなる直径108mm、長さ358
mm、肉厚5mmの円筒状基体を、前述の本発明による
電子写真感光体の製造方法の手順の一例と同様の手順で
表面の切削を行い、切削工程終了15分後に図1に示す
表面処理装置により、表9に示す条件により基体表面の
処理を行った。但し洗剤としては、非イオン性界面活性
剤と陰イオン性界面活性剤の混合したものを用いた。
【0160】更にその後、図2−a、及び、図2−bに
示す堆積膜形成装置を用い、表2の条件で、基体上に、
アモルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0161】この様にして作成した電子写真感光体の電
子写真的特性の評価を以下のようにして行った。但し、
同一成膜条件で作製した感光体を各10本づつ評価を行
った。
【0162】作成した電子写真感光体の外観を目視によ
り膜はがれを観察し評価した後、キヤノン社製複写機N
P7550を実験用に改造した複写装置にいれ、通常の
複写プロセスにより転写紙上に画像を作製し、画像性の
評価を行った。但し、この時、帯電器に6kVの電圧を
印加してコロナ帯電を行った。これらの評価結果を「本
発明」として表10に示した。
【0163】画像欠陥の評価 実験例1と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0164】黒しみの評価 実験例1と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0165】電子写真特性の評価 実験例1と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0166】環境性の評価 実験例1と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0167】画像むらの評価 A3方眼紙(コクヨ社製)を複写機の原稿台に置き、複
写機の絞りを変えることにより原稿の露光量を、グラフ
の線が辛うじて認められる程度から白地の部分がかぶり
始める程度迄の範囲の画像が得られるように変え、濃度
の異なる10枚のコピーを出力した。
【0168】これらの画像を目より40cm離れたとこ
ろで観察して、濃度の違いが認められるか調べ、以下の
基準で評価を行った。 ◎ … いずれのコピー上にもむらは認められない。 ○ … 画像むらが認められるコピーと認められないコ
ピーがある。しかし、いずれも軽微でありまったく問題無い。
【0169】△ … いずれのコピー上にも画像むらが
認められる。しかし少なくとも1枚のコピー上では画像むらが軽微で
あり実用上支障ない。
【0170】× … 全数のコピー上に大きな画像むら
が認められる。
【0171】白地かぶりの評価 白地に全面文字よりなる通常の原稿を原稿台に置いてコ
ピーした時に得られた画像サンプルを観察し、白地の部
分のかぶりを評価した。 ◎ … 良好。 ○ … 一部わずかにかぶりあり。 △ … 全面に渡りかぶりあるが文字の認識には全く支
障無し。 × … かぶりのため文字が読みにくい部分がある。
【0172】[比較例1]珪素元素を含有しないアルミ
ニウム実施例1と同様の基体を同様の手順で切削後、図
8に示す従来の基体表面の洗浄装置を用いて、従来の方
法に従って、表4に示す条件により基体表面の洗浄を行
った。
【0173】更にその後、図3で示す堆積膜形成装置を
用い、表11の条件で、基体上に、アモルファスシリコ
ン堆積膜の形成を行い、実施例1と同様に、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0174】この様にして得られた電子写真感光体につ
いて実施例1と同様の評価を行い、結果を「従来例1」
として表10に示す。
【0175】[比較例2]珪素原子を含有しないアルミ
ニウム基体を実施例1と同様の手順で切削後、図9に示
す基体表面の水洗浄装置を用いて、基体表面の洗浄を行
った。図9に示す基体洗浄装置は、基体901を固定し
回転させるための回転軸902、基体に洗浄液を噴出す
るための噴射器903、ノズル904からなっている。
【0176】本比較例ではこの洗浄装置を用い、従来の
方法に従って、表12に示す条件により基体表面の洗浄
を行った。
【0177】更にその後、図3で示す堆積膜形成装置を
用い、表11の条件で、基体上に、アモルファスシリコ
ン堆積膜の形成を行い、実施例1と同様に、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0178】この様にして得られた電子写真感光体につ
いて実施例1と同様の評価を行い、結果を「従来例2」
として表10に示す。
【0179】本発明の電子写真感光体の製造方法により
製造した電子写真感光体は、従来の方法により製造した
電子写真感光体に比べ表に示されるいずれの項目におい
ても非常に良好な結果が得られた。
【0180】[実施例2]実施例1とは電子写真感光体
の層構成を変え、本発明の電子写真感光体の製造方法に
より電子写真感光体を製造した。実施例1と同様の基体
を同様の手順で切削後、切削工程終了15分後に図1に
示す表面処理装置を用いて、表9に示す条件により基体
表面の処理を行った。
【0181】更にその後、図2−a、及び、図2−bに
示す堆積膜形成装置を用い、表13の条件で、基体上
に、アモルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図5に
示す層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0182】図5において、501はアルミニウム基
体、505は赤外線吸収層、502は電荷注入阻止層、
503は光導電層、504は表面層を示している。
【0183】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果、本実施例におい
ても、本発明の電子写真感光体の製造方法で製造した電
子写真感光体は、実施例1と同様、いずれの項目でも非
常に良好な結果が得られた。
【0184】[実施例3]実施例1と同様の基体を同様
の手順で切削後、切削工程終了後15分後に図1に示す
表面処理装置により、表9に示す条件により基体表面の
処理を行った。
【0185】更にその後、図3に示す堆積膜形成装置を
用い、表11の条件で、基体上に、アモルファスシリコ
ン堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成の阻止型電子
写真感光体を作製した。
【0186】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果、本実施例におい
ても本発明の電子写真感光体の製造方法で作成した電子
写真感光体は実施例1と同様いずれの項目でも非常に良
好な結果が得られた。
【0187】[実施例4]珪素原子を300ppm含有
と同時にマグネシウム原子を2wt%含有するアルミニ
ウムよりなる直径108mm、長さ358mm、肉厚5
mmの円筒状基体を、前述の本発明による電子写真感光
体の製造方法の手順の一例と同様の手順で表面の切削を
行い、切削工程終了15分後に図1に示す表面処理装置
により、表14に示す条件により基体表面の前処理を行
った。但し、本実施例では前洗浄工程で使用する洗剤は
非イオン性界面活性剤を用いた。
【0188】更にその後、図2−a、及び、図2−bで
示す堆積膜形成装置を用い、表2の条件で、基体上に、
アモルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0189】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果、本実施例におい
ても、本発明の電子写真感光体の製造方法で作成した電
子写真感光体は、実施例1と同様、いずれの項目でも非
常に良好な結果が得られた。
【0190】更にマグネシウムの含有の効果として切削
性が向上し、切削での不良率が半減した。
【0191】[実施例5]実施例1と同様の基体を同様
の手順で切削後、切削工程終了15分後に図1に示す表
面処理装置を用いて、表9に示す条件により基体表面の
処理を行った。
【0192】更にその後、基体上に有機光半導体よりな
る堆積膜の形成を行い電子写真感光体を作製した。
【0193】こうして得られた電子写真感光体はアモル
ファスシリコン感光体の場合と同様、本発明を用いない
場合に比べ画像性で良好な結果が得られた。
【0194】[実施例6]実施例1と同様の基体を同様
の手順で切削後、切削工程終了15分後に図1に示す表
面処理装置を用いて、表9に示す条件により基体表面の
処理を行った。
【0195】更にその後、基体上にセレンよりなる堆積
膜の形成を行い電子写真感光体を作製した。
【0196】こうして得られた電子写真感光体はアモル
ファスシリコン感光体の場合と同様、本発明を用いない
場合に比べ画像性で良好な結果が得られた。
【0197】
【表1】
【0198】
【表2】
【0199】
【表3】
【0200】
【表4】
【0201】
【表5】
【0202】
【表6】
【0203】
【表7】
【0204】
【表8】
【0205】
【表9】
【0206】
【表10】
【0207】
【表11】
【0208】
【表12】
【0209】
【表13】
【0210】
【表14】
【0211】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、アルミニウム基体上に機能性膜を形成する工程を含
む電子写真感光体の製造方法において、特にアルミニウ
ム基体上に水素原子及び弗素原子のいずれか一方または
両方と珪素原子とを含む非単結晶堆積膜をプラズマCV
D法により形成する工程を含む電子写真感光体の製造方
法において、前記堆積膜を形成する工程の前に基体の表
面を二酸化炭素を溶解した水により洗浄する工程を行う
ようにしたので、均一な高品位の画像を与える電子写真
感光体を安価に安定して製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の製造方法を実施する
ために使用される前処理装置の概略縦断面図。
【図2】aはマイクロ波プラズマCVD法により円筒状
基体上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置の概略
縦断面図。bはaの横断面図。
【図3】RFプラズマCVD法により円筒状基体上に堆
積膜を形成するための堆積膜形成装置の概略縦断面図。
【図4】電子写真感光体の層構成を示す断面図。
【図5】他の電子写真感光体の層構成を示す断面図。
【図6】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図。
【図7】図6の電子写真装置をプリンターとして使用し
たファクシミリのブロック図。
【図8】従来の方法において堆積膜形成の前処理として
基体の洗浄を行うための洗浄装置の概略的縦断面図。
【図9】従来の方法において堆積膜形成の前処理として
基体の洗浄を行うための他の洗浄装置の概略的縦断面
図。
【符号の説明】
101,801,901 基体 102,802 処理部 902 回転軸 103,803 基体搬送機構 903 噴射器 111,811 基体投入台 121 基体前洗浄槽 821 基体洗浄槽 122 前洗浄液 822,905 洗浄液 131 二酸化炭素を溶解した水による洗浄槽 132 二酸化炭素を溶解した水 142,904 ノズル 141 乾燥槽 151,851 基体搬出台 161,861 搬送アーム 162,862 移動機構 163,863 チャッキング機構 164,864 エアーシリンダー 165,865 レール 201 反応容器 202 マイクロ波導入窓 203 導波管 204 排気管 205 基体 206 放電空間 207 ヒーター 209 回転軸 210 モーター 211 直流電源 212 バイアス電極 301 反応容器 302 ベースプレート 303 壁 304 トッププレート 305 カソード電極 306 基体 307 原料ガス流入バルブ 308 リークバルブ 309 排気バルブ 310 真空計 311 マスフローコントローラ 312 ヒーター 313 高周波電源 314 モーター 401,501 基体 402,502 電荷注入阻止層 403,503 光導電層 404,504 表面層 505 赤外線吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−281758(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/08,5/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基体上に珪素原子を含む非
    単結晶堆積膜を形成する工程を含む電子写真感光体の製
    造方法において、 前記堆積膜を形成する工程の前に、前記基体の表面を
    酸化炭素を導入して二酸化炭素を溶解した水により洗浄
    する工程を備えていることを特徴とする電子写真感光体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記二酸化炭素を溶解した水の導電率が
    2μS/cm以上、40μS/cm以下であることを特
    徴とする請求項1記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記二酸化炭素を溶解した水のpHが
    3.8以上、6.0以下であることを特徴とする請求項
    1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記二酸化炭素を溶解した水が、抵抗率
    1MΩ・cm以上の純水に二酸化炭素を溶解した水であ
    ることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3
    記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム基体上に珪素原子を含
    む非単結晶堆積膜を形成する工程が、プラズマCVD法
    によりアルミニウム基体上に形成する工程を含むことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写
    真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記堆積膜は水素原子及び弗素原子のい
    ずれか一方または両方を含有することを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記アルミニウム基体が、少なくとも珪
    素原子を微量に含有したアルミニウム基体であることを
    特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写
    真感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルミニウム基体が、少なくとも珪
    素原子を1ppmから1wt%含有したアルミニウム基
    体であることを特徴とする請求項記載の電子写真感光
    体の製造方法。
JP05086872A 1993-03-23 1993-03-23 電子写真感光体の製造方法 Expired - Lifetime JP3102721B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05086872A JP3102721B2 (ja) 1993-03-23 1993-03-23 電子写真感光体の製造方法
US08/215,644 US5480754A (en) 1993-03-23 1994-03-22 Electrophotographic photosensitive member and method of manufacturing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05086872A JP3102721B2 (ja) 1993-03-23 1993-03-23 電子写真感光体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06273955A JPH06273955A (ja) 1994-09-30
JP3102721B2 true JP3102721B2 (ja) 2000-10-23

Family

ID=13898921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05086872A Expired - Lifetime JP3102721B2 (ja) 1993-03-23 1993-03-23 電子写真感光体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5480754A (ja)
JP (1) JP3102721B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3563789B2 (ja) 1993-12-22 2004-09-08 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造方法及び該製造方法に用いられる治具
US6156472A (en) * 1997-11-06 2000-12-05 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing electrophotographic photosensitive member
US6406554B1 (en) 1997-12-26 2002-06-18 Canon Kabushiki Kaisha Method and apparatus for producing electrophotographic photosensitive member
JP3890153B2 (ja) * 1997-12-26 2007-03-07 キヤノン株式会社 電子写真感光体の製造方法及び製造装置
US6321759B1 (en) 1997-12-26 2001-11-27 Canon Kabushiki Kaisha Method for cleaning a substrate
JP3658257B2 (ja) 1998-12-24 2005-06-08 キヤノン株式会社 洗浄方法及び洗浄装置及び電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法
US6858082B2 (en) * 1999-09-13 2005-02-22 Cf Technologies Device for coating an element and coating process
US6248170B1 (en) 1999-09-13 2001-06-19 Cf Technologies Swab device for coating an element
JP2001343776A (ja) * 2000-05-30 2001-12-14 Canon Inc 電子写真方法、ならびにそれに用いる電子写真用光受容部材
US20130095643A1 (en) * 2011-10-17 2013-04-18 Applied Materials, Inc. Methods for implanting dopant species in a substrate
JP6887722B2 (ja) * 2016-10-25 2021-06-16 株式会社ディスコ ウェーハの加工方法及び切削装置

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6035059B2 (ja) * 1977-12-22 1985-08-12 キヤノン株式会社 電子写真感光体およびその製造方法
JPS5814841A (ja) * 1981-07-20 1983-01-27 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体の製造方法
US4504518A (en) * 1982-09-24 1985-03-12 Energy Conversion Devices, Inc. Method of making amorphous semiconductor alloys and devices using microwave energy
JPS59193463A (ja) * 1983-04-18 1984-11-02 Canon Inc 電子写真用光導電部材
JPS60876A (ja) * 1983-05-27 1985-01-05 Nomura Micro Sci Kk ウェ−ハの洗浄などに使用する比抵抗の低い超純水の製法並びにその装置
DE3572198D1 (en) * 1984-02-14 1989-09-14 Energy Conversion Devices Inc Method and apparatus for making electrophotographic devices
US4619729A (en) * 1984-02-14 1986-10-28 Energy Conversion Devices, Inc. Microwave method of making semiconductor members
JPS60262936A (ja) * 1984-06-11 1985-12-26 Kobe Steel Ltd アモルフアスシリコンの蒸着特性の優れた押出アルミニウム合金
JPS61171798A (ja) * 1985-01-24 1986-08-02 Canon Inc 切削油及びこれを用いる切削加工方法
JPS61273551A (ja) * 1985-05-29 1986-12-03 Fuji Electric Co Ltd 電子写真用感光体の製造方法
JP2552668B2 (ja) * 1987-04-21 1996-11-13 株式会社リコー 電子写真感光体支持体の加工方法
JPH01130159A (ja) * 1987-11-17 1989-05-23 Konica Corp 感光体の製造方法
US5170683A (en) * 1990-12-27 1992-12-15 Konica Corporation Method for surface-processing of a photoreceptor base for electrophotography
US5314780A (en) * 1991-02-28 1994-05-24 Canon Kabushiki Kaisha Method for treating metal substrate for electro-photographic photosensitive member and method for manufacturing electrophotographic photosensitive member

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06273955A (ja) 1994-09-30
US5480754A (en) 1996-01-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3658257B2 (ja) 洗浄方法及び洗浄装置及び電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法
US5314780A (en) Method for treating metal substrate for electro-photographic photosensitive member and method for manufacturing electrophotographic photosensitive member
JP3563789B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法及び該製造方法に用いられる治具
JP3102721B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP3890153B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法及び製造装置
JP3566516B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP2000162789A (ja) 基体の洗浄方法および洗浄装置
JP3173940B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP2991349B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
US6406554B1 (en) Method and apparatus for producing electrophotographic photosensitive member
JP2828524B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP3251702B2 (ja) 電子写真用光受容部材の製造方法
JP2007072175A (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH07248635A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法
JPH11194515A (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH11119447A (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH0980785A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法
JPH0869115A (ja) 電子写真用感光体の製造方法及び該感光体に用いられる基体の洗浄方法
JP2786756B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP2000187339A (ja) 被洗浄体の洗浄方法及び電子写真感光体の製造方法
JPH11212287A (ja) 電子写真感光体の製造方法及びその装置
JPH07181700A (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP2786757B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP3300035B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH0553355A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070825

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080825

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080825

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120825

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825

Year of fee payment: 13