JPH07248635A - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法

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JPH07248635A
JPH07248635A JP3938294A JP3938294A JPH07248635A JP H07248635 A JPH07248635 A JP H07248635A JP 3938294 A JP3938294 A JP 3938294A JP 3938294 A JP3938294 A JP 3938294A JP H07248635 A JPH07248635 A JP H07248635A
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Yasuyoshi Takai
康好 高井
Tetsuya Takei
哲也 武井
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像欠陥及び画像濃度むらがなく、電子写真
特性に優れ、さらに密着性の高い電子写真感光体及び該
電子写真感光体の製造方法を提供する。 【構成】 珪素原子及びマグネシウム原子のいずれか一
方或は両方を特定量含有し、かつ、表面の結晶粒径及び
介在物の大きさを特定の大きさ以内に制御した支持体1
01を二酸化炭素を溶解した水132により表面処理を
施した後に、プラズマCVD法により、水素及び/又は
ハロゲン原子を含む非単結晶堆積膜を形成し、電子写真
感光体とする。これにより画像欠陥の発生を防ぎ、画像
特性及び電子写真特性に優れ、かつ支持体との密着性に
すぐれた均一な高品質の画像を与える電子写真感光体を
安価に安定して提供することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金支持体上に光導電膜等の機能性堆積膜を形
成した電子写真感光体及びその製造方法に関し、特に、
珪素原子及びマグネシウム原子のいずれか一方あるいは
両方を含有したアルミニウム合金支持体上にプラズマC
VD法により、構成元素として、水素原子及びハロゲン
原子のいずれか一方または両方を含む珪素原子を母体と
する非単結晶堆積膜を機能性膜として形成した電子写真
感光体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体の堆積膜を形成するため
の支持体としては、ガラス、耐熱性合成樹脂、ステンレ
ス、アルミニウムなどが提案されている。しかし、実用
的には帯電、露光、現像、転写、クリーニングといった
電子写真プロセスに耐え、また画質を落とさないために
常に位置制度を高く保つため、金属を使用する場合が多
い。中でもアルミニウムは加工性が良好で、コストが低
く、重量が軽い点から電子写真感光体の支持体として最
適な材料の1つである。
【0003】電子写真感光体の支持体の材質に関する技
術が、特開昭59−193463号公報、特開昭60−
262936号公報に記載されている。特開昭59−1
93463号公報には、支持体をFe含有率が2000
ppm以下のアルミニウム合金とすることにより、良好
な画質のアモルファスシリコン電子写真感光体を得る技
術が開示されている。更に該公報中では円筒状(シリン
ダー状)支持体を旋盤により切削を行い鏡面加工した
後、グロー放電によりアモルファスシリコンを形成する
までの手順が開示されている。特開昭60−26293
6号公報には、Mgを3.0〜6.0wt%含有し、不
純物としてMnを0.3wt%以下、Crを0.01w
t%未満、Feを0.15wt%以下、Siを0.12
wt%以下に制御し、残部Alから成るアモルファスシ
リコンの蒸着性に優れた押し出しアルミニウム合金が開
示されている。しかし、これらの公報には、アルミニウ
ム合金支持体の表面の結晶粒径を特定すること、及び特
定の成分を含む水によって表面処理をする技術に関する
記載はない。
【0004】また、支持体の材質及び支持体表面の結晶
粒径に関する技術が、特開昭61−26056号公報、
特開昭61−255349号公報、特開昭61−255
350号公報に記載されている。
【0005】特開昭61−26056号公報にはアモル
ファスシリコン感光層を有する感光体の支持体として、
支持体表面の結晶粒径が1cm以下の大きさになされた
アルミニウム又はアルミニウム合金を用いる技術が開示
されている。
【0006】特開昭61−255349号公報には、光
導電部材の支持体として表面に複数の球状痕跡窪みを有
し、結晶粒の大きさが最大300μm以下であるアルミ
ニウムを基質とする技術が開示されている。さらに同公
報には、該支持体に含有する介在物の大きさが10μm
以下であること、Mgを0.5〜10wt%含有するこ
とについても開示されている。
【0007】特開昭61−255350号公報には、光
導電部材の支持体として表面に複数の球状痕跡窪みを有
し、アルミニウムを基質とし、かつ、珪素含有量が0.
5wt%未満であり、さらに含有する介在物の大きさが
10μm以下とする技術が開示されている。さらに同公
報には、該支持体の結晶粒の平均の大きさが100μm
以下であることについても開示されている。しかしこれ
らの公報には、特定の成分を含む水によって表面処理を
する技術に関する記載はない。
【0008】電子写真感光体の支持体又は支持体表面を
処理する技術として、特開昭56−74256号公報、
特開昭58−14841号公報が提案されている。
【0009】特開昭56−74256号公報には、アル
ミニウム又はアルミニウム合金から成る支持体を焼鈍し
た後に所定の形状寸法に切削加工し、電子写真感光体の
支持体とすることが開示されている。
【0010】特開昭58−14841号公報にはアルミ
ニウム支持体表面の自然酸化皮膜を除去した後、温度6
0℃以上の水中に浸漬して均一な酸化物の皮膜を得る技
術が開示されている。しかし、これらの公報にも、アル
ミニウム合金支持体の表面の結晶粒径を特定すること、
及び特定の成分を含む水によって表面処理をする技術に
関する記載はない。
【0011】一方、電子写真感光体以外の支持体の前処
理方法として、特開昭60−876号公報には、ウエハ
ー面上に静電気による放電破壊が生じないように、超純
水に炭酸ガスを吹き込む技術が開示されている。しか
し、この技術はウエハーのように高抵抗な支持体に発生
する静電気に対する対策であり、アルミニウムのような
導電性の支持体については全く触れられていない。
【0012】電子写真感光体における素子部材の技術と
しては、セレン、硫化カドミニウム、酸化亜鉛、アモル
ファスシリコン、フタロシアニン等の有機物など各種の
材料が提案されている。中でもアモルファスシリコンに
代表される珪素原子を主成分として含む非単結晶堆積
膜、例えば水素及び/又はハロゲン(例えば弗素、塩素
等)で補償されたアモルファスシリコン(以下nC−S
i:(H,X)と記す)等のアモルファス堆積膜は、高
性能、高耐久性、無公害の感光体として提案され、その
幾つかは実用に付されている。特開昭54−86341
号公報には、光導電層を主として水素を含有するnC−
Si:(H,X)で形成した電子写真感光体の技術が開
示されている。
【0013】こうした珪素原子を主成分として含む非単
結晶堆積膜の形成方法として従来、スパッタリング法、
熱により原料ガスを分解する方法(熱CVD法)、光に
より原料ガスを分解する方法(光CVD法)、プラズマ
により原料ガスを分解する方法(プラズマCVD法)
等、多数の方法が知られている。
【0014】プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直
流、高周波、又はマイクロ波グロー放電等によって分解
し、支持体上に薄膜状の堆積膜を形成する方法は、電子
写真用nC−Si:(H,X)堆積膜の形成方法に最適
であり、現在実用化が非常に進んでいる。中でも近年堆
積膜形成方法としてマイクロ波グロー放電分解を用いた
プラズマCVD法が工業的にも注目されている。
【0015】マイクロ波プラズマCVD法は、他の方法
に比べ高い堆積速度と、高い原料ガス利用効率という利
点を有している。こうした利点を生かしたマイクロ波プ
ラズマCVD技術の1つの例が、米国特許第4,50
4,518号に記載されている。該特許に記載の技術
は、0.1Torr以下の低圧によりマイクロ波プラズ
マCVD法により高速の堆積速度で良質の堆積膜を得る
というものである。
【0016】更に、マイクロ波プラズマCVD法により
原料ガスの利用効率を改善するための技術が特開昭60
−186849号公報に記載されている。該公報に記載
の技術は、概要、マイクロ波エネルギーの導入手段を取
り囲むように支持体を配置して、内部チャンバー(即ち
放電空間)を形成するようにして、原料ガス利用効率を
非常に高めるようにしたものである。
【0017】また、特開昭51−283116号公報に
は、半導体部材製造用の改良型マイクロ波技術が開示さ
れている。即ち、当該公報は、放電空間にプラズマ電位
制御手段として電極(バイアス電極)を設け、このバイ
アス電極に所望の電圧(バイアス電圧)を印加して堆積
膜へのイオン衝撃を制御しながら膜堆積を行うようにし
て、堆積膜の特性を向上させる技術を開示している。
【0018】支持体としてアルミニウム又はアルミニウ
ム合金製シリンダーを用いた場合、これらの従来の技術
による電子写真感光体の製造方法は具体的には以下のよ
うに実施される。
【0019】精密切削用のエアダンパー付旋盤(PNE
UMO PRECLSION INC.製)にダイヤモ
ンドバイト(商品名:ミラクルバイト:東京ダイヤモン
ド製)を、シリンダー中心角に対して5°のすくい角を
得るようにセットする。次にこの旋盤の回転フランジ
に、支持体を真空チャックし、付設したノズルから白灯
油噴霧、同じく付設した真空ノズルから切り粉の吸引を
併用しつつ、周速1000m/min、送り速度0.0
1mm/Rの条件で外形が108mmとなるように鏡面
切削を施す。
【0020】次に、この切削した支持体をトリクロルエ
タンにより洗浄を行い、表面に付着している切削油及び
切り粉の洗浄を行う。
【0021】次にこれらを鏡面加工し、洗浄した支持体
上に図2に示すグロー放電分解法による電子写真感光体
の堆積膜形成装置により、nC−Siを主体とした堆積
膜を形成する。
【0022】図2において反応容器201は、ベースプ
レート202と壁203とトッププレート204から構
成され、この反応容器201内には、カソード電極20
5が設けられており、nC−Si:(H,X)堆積膜が
形成される支持体206はカソード電極205の中央部
に設置され、アノード電極も兼ねている。
【0023】この堆積膜形成装置を使用してnC−S
i:(H,X)堆積膜を支持体206上に形成するに
は、まず、原料ガス流入バルブ207及びリークバルブ
208を閉じ、排気バルブ209を開け、反応容器20
1を排気する。真空系210の読みが約5×10-6To
rrになった時点で原料ガス流入バルブ207を開いて
マスフローコントローラー211内で所定の混合比を調
整された、例えばシランガス等の原料ガスを反応容器2
01内に流入させる。そして支持体206の表面温度が
加熱ヒーター212により所定の温度に設定されている
ことを確認した後、高周波電源213を所望の電力に設
定して反応容器201内にグロー放電を生起させる。
【0024】また、堆積膜形成を行っている間は、堆積
膜の均一化を図るために支持体206をモーター214
により一定速度で回転させる。このようにして支持体2
06上にnC−Si:(H,X)堆積膜を形成すること
ができる。
【0025】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、これら従
来の電子写真感光体、及び電子写真感光体の製造方法
は、特に堆積膜の堆積速度の速い領域では、均一膜質で
光学的及び電気的諸特性の要求を満足し、かつ電子写真
プロセスにより画像形成時に画像品質が高く、膜の密着
性に優れた電子写真感光体を定常的に安定して高収率
(高歩留り)で得るのは難しいという解決すべき問題点
が残存している。
【0026】即ち、従来の電子写真感光体は、堆積膜中
に異常成長の部分があり、その部分は微小な面積の表面
電荷の乗らない部分となる。これらの現象は特にnC−
Si:(H,X)のようにプラズマCVD法により堆積
膜を形成した電子写真感光体の場合特に顕著である。し
かし、それらの表面電位の乗らない部分は支持体の表面
加工条件及び堆積条件の最適化を行えば最小限に抑制す
ることができ、従来は現象の解像力又はそれ以下の程度
であったため実用上問題は生じていなかった。
【0027】また、従来の電子写真感光体は、その電気
的及び光学的特性も感光体の表面全体では若干不均一で
あった。この不均一性は帯電電位のむらとして現れる。
即ち、上記微小領域の問題とは別に、電子写真感光体の
表面全体をみた場合、必ずしも均一には帯電しておら
ず、ある程度の帯電むら、それに伴う画像むらが生じて
いた。特に前述のnC−Si:(H,X)のようにプラ
ズマCVD法により堆積膜を形成した電子写真感光体の
場合特に顕著である。しかし、この問題も、支持体の表
面加工条件及び堆積条件の最適化、或は現像条件の調整
等により、実用上問題のないレベルまで抑制されてい
た。
【0028】しかし、近年のように、 電子写真装置の高画質化が要求され、それに伴い現像
の解像力が向上した。 複写機の高速化が進み帯電条件を中心とした複写プロ
セスが感光体に対して過酷になるに従い、表面での電位
の乗らない部分が実質上周辺の電位に対して大きな影響
を与えるようになった。
【0029】このような状況下では、従来問題となって
いなかったこれらの電荷の乗らない微小な部分も画像欠
陥として指摘されるようになってきた。或は、画像の微
妙なむらも問題視されるようになってきた。
【0030】さらに、従来はコピーの用途としては、活
字だけの原稿(いわゆるラインコピー)が中心であった
ので、これらの画像欠陥は実用上大きな問題とならなか
った。しかし、近来複写機の画質が上がるにつれて、写
真などのハーフトーンを含む原稿が多くコピーされるよ
うになり問題となってきた。特に近来普及してきたカラ
ー複写機においては、これらの欠陥、及びむらは視覚的
により明らかになるため、大きな問題となってきた。
【0031】これらの欠陥或はむらによる表面電位の変
化は微小であるため、上部に電極を付け導電率の測定を
行っても検知することはできない。しかし、電子写真感
光体として電子写真プロセスにより帯電、露光、現像を
行ったとき、特にハーフトーンで均一の画像を形成した
とき、電子写真感光体表面上の僅かな電位の差も画像欠
陥及び画像むらとなって視覚的に顕著なものとして現れ
てくる。特にマイクロ波プラズマCVD法により作製し
た電子写真感光体においては、前述の問題はさらに顕著
に現れてしまう。このような画像欠陥は、真空蒸着によ
り作製したSe電子写真感光体、ブレード塗布法又はデ
ィッピング法等により作製したOPC(有機光導電体)
電子写真感光体に比べ、プラズマCVD法で作製した電
子写真感光体では特に顕著に現れるのである。
【0032】一方、同じくプラズマCVD法で作製する
デバイスでも、太陽電池のように基板上の位置による微
妙な特性の差がその性能に影響しない(微小領域の特性
が全体の特性に与える影響が小さい)、又は後処理で補
修が可能(容易)なデバイスでは、上述の問題は発生し
ない。また、太陽電池は、電子写真感光体と比較して、
一般に膜厚が薄く(電子写真感光体=10μm〜100
μm;太陽電池=数ミクロン)、仮に異常成長の核(表
面欠陥)が存在しても、異常成長の部分が、充分成長せ
ず、問題になりにくい。
【0033】さらに別の問題点として、プラズマCVD
法で電子写真感光体のような比較的厚い膜を形成する場
合、量産効率を上げるために、堆積速度をさらに上げよ
うとすると、支持体表面からの膜剥れが起こる場合があ
る。
【0034】
【発明の目的】本発明の目的は、上述のごとき従来の電
子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法における諸
問題を克服して、特に堆積膜の堆積速度の速い領域で、
均一膜質で光学的及び電気的諸特性の要求を満足し、か
つ電子写真プロセスにより画像形成時に画像品質が高
く、膜の密着性に優れた電子写真感光体、及び該感光体
を定常的に安定して高収率(高歩留り)で得ることがで
きる製造方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の電子写
真感光体は、アルミニウム又はアルミニウム合金より成
る支持体上に機能性堆積膜を形成した電子写真感光体に
おいて、前記支持体は、表面の結晶粒径が、最大で10
mm以下、平均で5mm以下であり、介在物の大きさ
が、最大で50μm以下、平均で30μm以下であり、
かつ、二酸化炭素を溶解した水により表面処理を行った
ものであることを特徴としている。
【0036】さらに、本発明の電子写真感光体の製造方
法は、アルミニウム又はアルミニウム合金より成る支持
体上に機能性堆積膜を形成する工程を含む電子写真感光
体の製造方法において、前記支持体は、その表面の結晶
粒径を特定の範囲内に制御したものであり、かつ、前記
機能性堆積膜を形成する工程の前に、前記支持体の表面
を二酸化炭素を溶解した水により表面処理する工程を備
えていることを特徴としている。
【0037】本発明者の検討では、アルミニウム又はア
ルミニウム合金を支持体として用いた時に発生する画像
欠陥(異常成長)の原因は、 (A)支持体上の塵等が付着してそれが核となる。 (B)支持体の表面欠陥が核となる。 に大別できる。
【0038】また、不均一性の原因は、 (C)支持体の表面性の均一性(表面状態が不均一であ
ると膜の特性もそれを反映する) (D)膜の堆積時の均一性(膜厚むら、組成むら等の不
均一要因を誘発する。)に大別できる。
【0039】(A)の塵等の付着は、切削洗浄など支持
体を取り扱う場所のクリーン化を図る、及び反応容器内
の清掃を厳密に行うことと共に堆積膜形成の直前に支持
体表面を洗浄することにより防止することが可能であっ
た。従来はトリクロルエタン等の塩素系溶剤で洗浄する
ことによりこの目的を達成していた。しかし、近年オゾ
ン層の破壊等の理由でこうした塩素系の溶剤の使用が制
限されるようになってきたため、この問題について新た
に検討をする必要が生じた。
【0040】(B)の支持体表面の欠陥を減少させるこ
とは、従来より非常に困難であった。
【0041】(C)の支持体表面の均一性についても
(B)と同様に非常に困難であった。
【0042】(D)の膜の堆積時における均一性に対し
ては、従来より、処方の最適化、反応容器のディメンジ
ョンの最適化等の対策により実用上問題のないレベルま
で改善されている。
【0043】本発明者は、特定の成分含有のアルミニウ
ムの結晶粒径及び介在物の大きさを特定し、さらに特定
の表面処理を組み合わせることによりこれらの問題を全
て解決できないかという観点に立ち鋭意検討を行った結
果本発明の完成を得た。
【0044】本発明者の検討により、アルミニウム又は
アルミニウム合金支持体上の表面欠陥は主に以下の要因
になることが解明された。即ち、アルミニウム中に局所
的に高硬度の部分があり、堆積膜形成に先立つ前加工と
して、切削等の表面加工の際に加工機の刃にこれらの高
硬度の部分がえぐられ、アルミニウム支持体上に表面欠
陥ができることが(B)の原因であることが明らかとな
った。
【0045】さらに、これらの現象を防ぐためには、通
常アルミニウムに含有される不純物は少ない方がよい。
しかし、非常に高純度のアルミニウムは支持体の形状に
原材料のアルミニウムを加工するための溶解の際に必然
的に発生する酸化物が成長し、前述の欠陥発生の原因と
なる。これを防ぐためには、珪素原子を含有させること
が効果的であることが明らかとなった。さらにマグネシ
ウムを含有させることにより、強度及び切削性が向上す
ることも明らかとなった。
【0046】支持体の表面欠陥による画像欠陥を部分防
止するだけであるならば、支持体表面の機械加工後、従
来通りのトリクロルエタン等の塩素系の溶剤を用い洗浄
を行うことだけで十分実用に耐え得る。
【0047】しかし、支持体の表面欠陥以外のコピー画
像むらに影響を与えると考えられる表面性の微妙なむ
ら、即ち(C)の原因、或は高速堆積時における膜剥れ
に耐え得る密着性の向上の問題を解決するには、さらに
支持体の表面性を制御する必要がある。加えて近年では
環境問題のためにこれらの塩素系溶剤を容易には使うこ
とができないため、本発明者は環境問題も考慮した上
で、洗浄効果をも含めた形で表面処理の検討を行った。
その結果、特定の成分含有のアルミニウムの結晶粒径及
び介在物の大きさを特定し、さらに特定の成分を含む水
による表面処理により支持体表面の均一化及び活性化が
可能であることを見い出した。
【0048】アルミニウムは水により腐食が発生する、
特にこれら珪素原子を含むアルミニウムは、水に漬ける
と珪素原子、或はマグネシウム原子が局所的に多い部分
を中心に水による腐食が顕著になることを発見した。
【0049】この現象は水の温度が高いほど顕著であ
り、またアルミニウム中に珪素原子と共に切削性を向上
する目的でマグネシウムを含む場合、さらに顕著となっ
た。アルミニウムの腐食を防ぐためには、各種の腐食防
止剤が提案されているが、本発明のように、珪素原子及
びマグネシウム原子をいずれか一方、又は両方を含有し
たアルミニウム支持体を電子写真感光体の支持体に用い
る場合は大面積の支持体上に僅かに発生した欠陥でも問
題となるため、効果が不十分であり、さらにこれらの腐
食防止剤が洗浄後微量に支持体表面に残存するため、堆
積膜形成後、電子写真特性に悪影響を与える。即ち、ア
ルミニウム支持体表面上に水と同時に速やかに揮発する
成分以外の成分が付着していると、電子写真感光体を作
製した場合、画像上のしみ等の悪影響が発生するため従
来の腐食防止剤の使用は制限される。
【0050】また、腐食の度合いは、支持体表面のアル
ミニウム結晶粒径、及び介在物の大きさにも依存するこ
とが解った。
【0051】本発明者は、堆積膜の形成に先立ち何らか
の処理を行った水で支持体の表面処理を行うこと、及び
支持体表面の結晶粒径、及び介在物の大きさを特定する
ことにより上記のような欠陥の発生を抑え、均一性の高
い活性化した支持体表面を得ることができないかという
点に着目して鋭意研究した結果、本発明を完成させるに
至った。
【0052】本発明のメカニズムについては未だ解明さ
れていない点が多いが、本発明者は現在、次のように考
えている。
【0053】アルミニウム表面に部分的に露出した珪素
原子或はマグネシウム原子が多い部分は、それらの元素
のイオン化傾向の違いが主要因と思われるが、周囲の通
常のアルミニウムの部分と局部的な電池を形成して腐食
を促進する。
【0054】一方、水に溶解した二酸化炭素は水中で炭
酸イオンとなり、これらの局部電池の部分に引き寄せら
れ周囲を覆うことにより水中の酸素等の接近を防ぎ効果
的に腐食を防止する。さらに、炭酸イオンは珪素原子の
多い部分表面に何らかの変質をさせることにより、堆積
膜形成時にこの部分からの異常成長が発生することを防
止する。
【0055】また、支持体表面のアルミニウムの結晶粒
径及び介在物の大きさを特定の値以下に抑えることによ
って、この炭酸イオンの効果をさらに高めることができ
る。これは、結晶粒径、及び介在物の大きさを特定の値
以下に制御することによって前述の珪素原子、或はマグ
ネシウム原子が局所的に多い部分は均一に分散し、均一
な表面状態に近づくためであると考えられる。即ち、表
面の結晶粒径及び介在物の大きさを特定し、さらに二酸
化炭素を溶解した水により表面処理することにより、均
一に活性化された表面となるものと考えられる。
【0056】以上の条件及び処理により表面欠陥(画像
欠陥)の低減及び均一性(画像むら)の向上が認められ
た。
【0057】プラズマCVD法により、例えばnC−S
i:(H,X)堆積膜を支持体上に形成する場合、反応
は気相における原料ガスの分解過程、放電空間から支持
体表面までの活性種の輸送過程、支持体表面での表面反
応過程の3つに分けて考えることができる。中でも、表
面反応過程は完成した堆積膜の構造の決定に非常に大き
な役割を果たしている。そしてこれらの表面反応は、支
持体表面の温度、材質、形状、吸着物質などに大きな影
響を受ける。
【0058】特に純度の高いアルミニウム支持体は、切
削後トリクロルエタンのような非水溶剤で洗浄を行った
だけの状態、又は切削後の他の洗浄を行わずに純水ジェ
ット洗浄処理を行っただけの状態では、支持体表面上の
水の吸着が部分的に異なる状態となっている。このよう
な表面状態の支持体上に例えばプラズマCVD法により
nC−Si:(H,X)膜のような珪素原子と、水素原
子及び/又はハロゲン原子とを含んだ堆積膜を形成する
と、その表面の反応は、支持体上に残った水分子の量に
特に大きく影響される。このことにより、支持体の位置
の水の吸着量により、堆積膜の界面の組成及び構造が変
化し、その結果、電子写真プロセスの工程中にその部分
の支持体からの電荷の注入性が変化し、画像濃度を変え
るに十分な表面電位の差が現れる。
【0059】本発明では、プラズマCVD法による堆積
膜形成前に支持体表面に二酸化炭素を溶解した水で表面
処理することにより、支持体表面を効果的に均一にする
ことができ、上述の画像の濃度むらをなくすことに成功
している。
【0060】さらに、本発明の効果として電子写真特性
及び膜の密着性が向上する。
【0061】炭酸イオンはアルミニウム表面全体を僅か
に溶解することにより表面の活性度を上げ、堆積膜を形
成する際良好な電荷のやりとりができる界面を形成する
ことができる。さらに本発明では、支持体表面の結晶粒
径及び介在物の大きさを特定してあるため、前述のよう
に支持体表面はより均一に活性化される。このため、帯
電能の向上、残留電位の低減等電子写真特性の向上と同
時に膜の密着性の向上を果たすことが可能となった。
【0062】本発明は電子写真感光体の製造時において
発生する画像欠陥、画像むら等を改善し、さらにその電
子写真特性及び密着性を向上させるための新規の表面処
理方法であり、単なる表面汚染物質の洗浄とは全く異な
った効果を達成している。
【0063】さらに本発明では切削工程後、二酸化炭素
を溶解した水の表面処理工程の前に前洗浄工程を設ける
ことにより本発明の効果を妨げる油脂及びハロゲン系の
残留物の除去を完全に行うことにより、本発明の効果を
最高に高めることを可能にしている。
【0064】[製造方法手順の一例]アルミニウム合金
製シリンダーを支持体として、本発明の電子写真感光体
の製造方法により、本発明の電子写真感光体を実際に形
成する手順の一例を、図1に示す本発明による支持体処
理装置、及び、図3A及び図3Bに示す堆積膜形成装置
を用いて以下に説明する。
【0065】精密切削用のエアダンパー付旋盤(PNE
UMO PRECLSION INC.製)にダイヤモ
ンドバイト(商品名:ミラクルバイト:東京ダイヤモン
ド製)を、シリンダー中心角に対して5°のすくい角を
得るようにセットする。次ぎにこの旋盤の回転フランジ
に、支持体を真空チャックし、付設したノズルから白灯
油噴霧、同じく付設した真空ノズルから切り粉の吸引を
併用しつつ、周速1000m/min、送り速度0.0
1mm/Rの条件で外形が108mmとなるように鏡面
切削を施す。
【0066】切削が終了した支持体は、支持体前処理装
置により支持体表面の処理を行う。図1に示す支持体前
処理装置は、処理部102と支持体搬送機構103より
なっている。処理部102は、支持体投入台111、支
持体前洗浄槽121、二酸化炭素を溶解した水による表
面処理槽131、乾燥槽141、支持体搬出台151よ
りなっている。前洗浄槽121、二酸化炭素を溶解した
水による表面処理槽131とも液の温度を一定に保つた
めの温度調節装置(不図示)が付いている。搬送機構1
03は搬送レール165と搬送アーム161よりなり、
搬送アーム161は、レール165上を移動する移動機
構162、支持体101を保持するためのチャッキング
機構163及びチャッキング機構163を上下させるた
めのエアーシリンダー164よりなっている。
【0067】切削後、投入台111に置かれた支持体1
01は、搬送機構103により洗浄槽121に搬送され
る。前洗浄槽121中の界面活性剤水溶液122中で超
音波洗浄されることにより表面に付着している切削油及
び切り粉の洗浄が行われる。
【0068】次に支持体101は、搬送機構103によ
り二酸化炭素を溶解した水による表面処理槽131へ運
ばれ、25℃の温度に保たれた二酸化炭素を溶解した水
により表面処理が行われる。二酸化炭素を溶解した水は
工業用導電率計(商品名:α900R/C;堀場製作所
製)により随時導電率を測定し、必要に応じて二酸化炭
素を溶解することにより導電率がほぼ10μS/cmに
維持されるように制御される。二酸化炭素を溶解した水
による表面処理の終わった支持体101は搬送機構10
3により乾燥槽141へ移動され、ノズル142から高
温の乾燥した高圧空気又は不活性ガスを吹きつけられ乾
燥される。
【0069】乾燥工程の終了した支持体101は、搬送
機構103により搬出台151に運ばれる。
【0070】次に、この切削加工及び表面処理の終了し
た支持体を図3A及び図3Bに示すグロー放電分解法に
よる電子写真感光体の堆積膜形成装置により、nC−S
iを主体とした堆積膜を形成する。
【0071】図3Aは製造装置の模式的縦断面図であ
り、図3BはそのX−X線断面の図である。図中、30
1は反応容器であり、真空機密化構造となっている。ま
た302は、マイクロ波電力を反応容器301内に効率
よく透過し、かつ真空機密を保持できるような材質(例
えば石英ガラス、アルミナセラミックス等)からなるマ
イクロ波導入誘電体窓である。303はマイクロ波電力
の伝送を行う導波管であり、マイクロ波電源から反応容
器近傍までの矩形の部分と、反応容器に挿入された円筒
形の部分から成っている。
【0072】動波管303はスタブチューナー(不図
示)、アイソレーター(不図示)とともにマイクロ波電
源(不図示)に接続されている。誘電体窓302は、反
応容器内の雰囲気を保持するために動波管303の円筒
形の部分の内壁に機密封止されている。304は一端が
反応容器301に開口し、他端が排気装置(不図示)に
連通している排気管である。なお、排気管及び排気装置
は、反応容器内の空気を排気する場合と、成膜用のガス
(反応又は未反応)を排気する場合とで、各々独立した
ものを使用するのが、排気管内及び排気装置内での残留
ガスと空気による反応を防止する上で好ましい。306
は支持体305により取り囲まれた放電空間を示す。電
源311はバイアス電極312に直流電圧を印加するた
めの直流電源(バイアス電源)である。このような製造
装置を用いて、電子写真感光体の製造を以下の手順で行
う。
【0073】まず、排気装置(不図示)により排気管3
04を介して、反応容器301を排気し、反応容器30
1内の圧力を1×10-7以下とする。この時、反応容器
内のダスト等を舞い上げないように、始めの排気はゆっ
くり(スロー排気)行うことが望ましい。
【0074】次いでヒーター307により、支持体30
5を所定の温度まで加熱保持する。尚、この時、ヒータ
ーと支持体の間の熱伝導を向上させ、短時間で均一に加
熱するために、熱に対して安定でしかも支持体と反応し
ない気体(例えば不活性ガス、水素等)を導入しても良
い。また、支持体の表面に酸化膜を形成する場合は酸素
を含む雰囲気中で加熱することも有効である。
【0075】支持体が所定の温度に達したら、一旦反応
容器内を真空にして、第1層の原料ガスをガス導入手段
(不図示)を介して導入する。即ち、nC−Si:
(H,X)の原料ガスとしてシランガス、ドーピングガ
スとしてジボランガス、希釈ガスとしてヘリウムガス等
の原料ガスを反応容器内に導入する。それと同時並行的
に、マイクロ波電源(不図示)により周波数500MH
z以上、好ましくは2.45GHzのマイクロ波を発生
させ、動波管303を通じ、誘電体窓302を介して反
応容器301内に導入する。
【0076】さらに放電空間306中のバイアス電極3
12に支持体305に対して直流電圧を印加する。この
ようにして支持体305によって囲まれた放電空間30
6において、原料ガスはマイクロ波のエネルギーにより
励起されて解離し、中性ラジカル粒子、イオン粒子、電
子などが生成され、それらが相互に反応して支持体30
5表面に堆積膜を形成する。この時、支持体305が設
置された回転軸309をモーター310により回転させ
ることにより、支持体305を支持体母線方向中心軸の
周りに回転させることにより、支持体305全周にわた
って均一に堆積膜を形成する。
【0077】このようにして形成された第1層上への第
2層の形成は、第1層形成時とは原料ガスの組成(組成
比)を変えて反応容器301内に原料ガスを導入し、第
1層形成時と同様にして放電を開始することによって行
う。
【0078】この時、反応容器301内は必ずしも真空
度を成膜時よりも高くする必要はなく、ガス流量制御手
段(不図示)を手動又はコンピュター等による制御によ
って、放電を維持した状態で、第1領域形成のガス組成
から第2領域形成のガス組成(組成比)へと徐々に切り
換えていくことも可能である。
【0079】本発明において、前洗浄を行う場合は特に
界面活性剤等を含有した水系の洗浄が望ましい。水系の
洗浄を行う場合、界面活性剤を溶解する前の水の水質は
いずれでも可能であるが、特に半導体グレードの純水、
特に超LSIグレードの純水が望ましい。具体的には、
水温25℃の時の抵抗率として、下限値は1MΩ・cm
以上、好ましくは3MΩ・cm以上、最適には5MΩ・
cm以上が本発明には適している。上限値は理論抵抗値
(18.25MΩ・cm)までのいずれの値でも可能で
あるが、コスト、生産性の面から17MΩ・cm以下、
好ましくは15MΩ・cm以下、最適には13MΩ・c
m以下が本発明には適している。微粒子量としては、
0.2μm以上の粒子が1ミリリットル中に10000
個以下、好ましくは1000個以下、最適には100個
以下が本発明には適している。微生物量としては、総生
菌数が1ミリリットル中に100個以下、好ましくは1
0個以下、最適には1個以下が本発明には適している。
有機物量は(TOC)は、1リットル中に10mg以
下、好ましくは1mg以下、最適には0.2mg以下が
本発明には適している。
【0080】上記水質の水を得る方法としては、活性炭
法、蒸留法、イオン交換法、フィルター濾過法、逆浸
透、紫外線殺菌法等があるが、これらの方法を複数組み
合わせて用い、要求される水質まで高めることが望まし
い。
【0081】水の温度は高すぎると支持体表面を荒らし
てしまい、堆積膜剥れ、或は表面欠陥の原因となる。ま
た低すぎると洗浄効果が小さく、さらに本発明の効果が
充分得られない。このため、水の温度としては、10℃
以上、90℃以下、好ましくは20℃以上、75℃以
下、最適には30℃以上、55℃以下が本発明には適し
ている。
【0082】本発明において前洗浄工程で用いられる界
面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活
性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、または
それらの混合したもの等のいずれのものでも可能であ
る。中でもカルボン酸塩、スルホンサン酸塩、硫酸エス
テル塩、燐酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤また
は、脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤は特に本
発明では効果的である。ビルダーとしては、燐酸塩、炭
酸塩、珪酸塩、ほう酸塩等を用いることが有効である。
キレート剤としては、グルコン酸塩、EDTA、NT
A、燐酸塩等を用いることが有効である。
【0083】本発明において前洗浄工程に超音波を用い
ることは本発明の効果を出す上で有効である。超音波の
周波数は、好ましくは100Hz以上、10MHz以
下、さらに好ましくは1kHz以上、5MHz以下、最
適には10kHz以上100kHz以下が効果的であ
る。超音波の出力は、好ましくは0.1W/リットル以
上、1kW/リットル以下、さらに好ましくは1W/リ
ットル以上、100W/リットル以下が効果的である。
【0084】本発明において、二酸化炭素を溶解した水
による表面処理工程に使用される水の水質は非常に重要
であり、二酸化炭素溶解前の状態では半導体グレードの
純水、特に超LSIグレードの純水が望ましい。具体的
には、水温25℃の時の抵抗率として、下限値は1MΩ
・cm以上、好ましくは3MΩ・cm以上、最適には5
MΩ・cm以上が本発明には適している。上限値は理論
抵抗値(18.25MΩ・cm)までのいずれの値でも
可能であるが、コスト、生産性の面から17MΩ・cm
以下、好ましくは15MΩ・cm以下、最適には13M
Ω・cm以下が本発明には適している。微粒子量として
は、0.2μm以上の粒子が1ミリリットル中に100
00個以下、好ましくは1000個以下、最適には10
0個以下が本発明には適している。微生物量としては、
総生菌数が1ミリリットル中に100個以下、好ましく
は10個以下、最適には1個以下が本発明には適してい
る。有機物量(TOC)は、1リットル中10mg以
下、好ましくは1mg以下、最適には0.2mg以下が
本発明には適している。
【0085】上記水質の水を得る方法としては、活性炭
法、蒸留法、イオン交換法、フィルター濾過法、逆浸
透、紫外線殺菌法等があるが、これらの方法を複数組み
合わせて用い、要求される水質まで高めることが望まし
い。
【0086】これらの水に溶解する二酸化炭素の量は飽
和溶解度までのいずれの量でも本発明は可能だが、多す
ぎると水温が変動したときに泡が発生し支持体表面に付
着することによりスポット状のシミが発生する場合があ
る。更に、溶解した二酸化炭素の量が多いとpHが小さ
くなるために支持体にダメージを与える場合がある。一
方、溶解した二酸化炭素の量が少なすぎると本発明の効
果を得ることができない。
【0087】支持体に要求される品質等を考慮しなが
ら、状況に合わせて二酸化炭素の溶解量を最適化する必
要がある。
【0088】一般的に本発明による好ましい二酸化炭素
の溶解量は飽和溶解量の60%以下、さらに好ましくは
40%以下の条件である。
【0089】本発明において二酸化炭素の溶解量は水の
導電率またはpHで管理することが実用的であるが、導
電率で管理した場合、好ましい範囲は2μS/cm以
上、40μS/cm以下、さらに好ましくは4μS/c
m以上、35μS/cm以下、6μS/cm以上、30
μS/cm以下、pHで管理した場合、好ましい範囲は
3.8以上、6.0以下、さらに好ましくは4.0以
上、5.0以下で本発明は効果が顕著である。導電率の
測定は導電率計により行い、値としては温度補正により
25℃に換算した値を用いる。
【0090】二酸化炭素を水に溶解する方法は、バブリ
ングによる方法、隔膜を用いる方法等いずれでもよい。
本発明においては、二酸化炭素を溶解した水を用いるこ
とが重要であり、炭酸イオンを得るために炭酸ナトリウ
ム等の炭酸塩を用いた場合、ナトリウムイオン等の陽イ
オンが本発明の効果を疎外してしまう。
【0091】このようにして得られた二酸化炭素を溶解
した水により支持体表面を表面処理するときは、ディッ
ピングにより表面処理する方法、水圧をかけて吹きつけ
る方法等がある。
【0092】ディッピングにより表面処理する場合、二
酸化炭素を溶解した水を導入した水槽に支持体を浸漬す
ることが基本であるが、その際に超音波を印加する。水
流を与える、気体を導入することによりバブリングを行
う等を併用すると本発明はさらに効果的なものとなる。
【0093】吹きつける場合、水の圧力は、弱すぎると
本発明の効果が小さいものとなり、強すぎると得られた
電子写真感光体の画像上、特にハーフトーンの画像上で
梨肌状の模様が発生してしまう。このため水の圧力とし
ては、2kg・f/cm2 以上、300kg・f/cm
2 以下、好ましくは、10kg・f/cm2 以上、20
0kg・f/cm2 以下、最適には20kg・f/cm
2 以上、150kg・f/cm2 以下が本発明には適し
ている。但し、本発明における圧力単位kg・f/cm
2 は、重力キログラム毎平方センチメートルを意味し、
1kg・f/cm2 は98066.5Paと等しい。
【0094】水を吹きつける方法には、ポンプにより高
圧化した水をノズルから吹きつける方法または、ポンプ
で汲み上げた水を高圧気体とノズルの手前で混合して気
体の圧力により吹きつける方法等がある。
【0095】水の量としては、発明の効果と、経済性か
ら、支持体1本当たり1リットル/min以上、200
リットル/min以下、好ましくは2リットル/min
以上、100リットル/min以下、最適には5リット
ル/min以上、50リットル/min以下が本発明に
は適している。
【0096】水の温度は高すぎると支持体表面を荒らし
てしまい、堆積膜剥れ、或は表面欠陥の原因となる。さ
らに本発明の効果が充分に得られない。また安定して二
酸化炭素を水中に溶解しておくことが困難である。反対
に低過ぎても表面処理効果が小さく、本発明の効果が充
分得られない。このため、水の温度としては、5℃以
上、90℃以下、好ましくは10℃以上、55℃以下、
最適には15℃以上、40℃以下が本発明には適してい
る。
【0097】二酸化炭素を溶解した水による表面の処理
時間は、長すぎると支持体上が荒れてしまい、短すぎる
と本発明の効果が小さいため、10秒以上、30分以
下、好ましくは20秒以上、20分以下、最適には30
秒以上、10分以下が本発明には適している。
【0098】本発明において、堆積膜形成時の支持体
(素管)表面の変質物、或は付着物を取り除くために、
堆積膜形成の直前に支持体(素管)表面の切削を行うこ
とは重要なことである。
【0099】切削から二酸化炭素を溶解した水による洗
浄処理までの時間は長すぎると支持体表面が再び汚染さ
れてしまい、短すぎると工程が安定しないため、1分以
上、16時間以下、好ましくは2分以上、8時間以下、
最適には3分以上、4時間以下が本発明には適してい
る。但し、切削後の支持体を、クリーン度の高い真空雰
囲気、あるいは支持体と反応しない雰囲気中(例えば不
活性ガス雰囲気中)で保管すれば、上記時間の範囲に制
約されることはない。
【0100】二酸化炭素を溶解した水による表面処理か
ら堆積膜形成装置へ投入までの時間は、長すぎると本発
明の効果が小さくなってしまい、短すぎると工程が安定
しないため、1分以上、8時間以下、好ましくは2分以
上4時間以下、最適には3分以上2時間以下が本発明に
適している。但し、切削後の支持体を、クリーン度の高
い真空雰囲気、あるいは支持体と反応しない雰囲気中
(例えば不活性ガス雰囲気中)で保管すれば、上記時間
の範囲に制約されることはない。
【0101】乾燥工程は、温風乾燥、真空乾燥、温水乾
燥、等いずれの乾燥法も有効である。特に二酸化炭素を
溶解した温水による乾燥が本発明の効果を高めるために
好ましい。
【0102】本発明において、二酸化炭素を溶解した水
による温水乾燥を行う場合、使用される水の水質は非常
に重要であり、二酸化炭素溶解前の状態では半導体グレ
ードの純水、特に超LSIグレードの純水が望ましい。
具体的には、水温25℃の時の低効率として、下限値は
1MΩ・cm以上、好ましくは3MΩ・cm以上、最適
には5MΩ・cm以上が本発明には適している。上限値
は理論抵抗値(18.25MΩ・cm)までのいずれの
値でも可能であるが、コスト、生産性の面から17MΩ
・cm以下、好ましくは15MΩ・cm以下、最適には
13MΩ・cm以下が本発明には適している。微粒子量
としては、0.2μm以上の粒子が1ミリリットル中に
10000個以下、好ましくは1000個以下。最適に
は100個以下が本発明には適している。微生物量とし
ては、総生菌数が1ミリリットル中に100個以下、好
ましくは10個以下、最適には1個以下が本発明には適
している。有機物量(TOC)は、1リットル中10m
g以下、好ましくは1mg以下、最適には0.2mg以
下が本発明には適している。
【0103】上記水質の水を得る方法としては、活性炭
法、蒸留法、イオン交換法、フィルター濾過法、逆浸
透、紫外線殺菌法等があるが、これらの方法を複数組み
合わせて用い、要求される水質まで高めることが望まし
い。
【0104】これらの水に溶解する二酸化炭素の量は飽
和溶解度までのいずれの量でも本発明は可能だか、多す
ぎると水温が変動したときに泡が発生し支持体表面に付
着することによりスポット状のシミが発生する場合があ
る。更に、溶解した二酸化炭素の量が多いとpHが小さ
くなるために支持体にダメージを与える場合がある。一
方、溶解した二酸化炭素の量が少なすぎると本発明の効
果を得ることがきない。
【0105】支持体に要求される品質等を考慮しなが
ら、状況に合わせて二酸化炭素の溶解量を最適化する必
要がある。
【0106】一般的に本発明による好ましい二酸化炭素
の溶解量は飽和溶解量の60%以下、さらに好ましくは
40%以下の条件である。
【0107】本発明において二酸化炭素の溶解量は水の
導電率またはpHで管理することが実用的であるが、導
電率で管理した場合、好ましい範囲は2μS/cm以
上、40μS/cm以下、さらに好ましくは4μS/c
m以上、35μS/cm以下、6μS/cm以上、30
μS/cm以下、pHで管理した場合、好ましい範囲は
3.8以上、6.0以下、さらに好ましくは4.0以
上、5.0以下で本発明は効果が顕著である。導電率の
測定は導電率計により行い、値としては温度補正により
25℃に換算した値を用いる。
【0108】二酸化炭素を水に溶解する方法は、バブリ
ングによる方法、隔膜を用いる方法等いずれでもよい。
本発明においては、二酸化炭素を溶解した水を用いるこ
とが重要であり、炭酸イオンを得るために炭酸ナトリウ
ム等の炭酸塩を用いた場合、ナトリウムイオン等の陽イ
オンが本発明の効果を疎外してしまう。
【0109】水の温度は高すぎると支持体表面を荒らし
てしまい、堆積膜削れ、或は表面欠陥の原因となる。ま
た低すぎると乾燥が不十分となり、さらに本発明の効果
が充分得られない。このため、水の温度としては、30
℃以上、90℃以下、好ましくは35℃以上、80℃以
下、最適には40℃以上、70℃以下が本発明には適し
ている。
【0110】本発明においては、支持体の材質はアルミ
ニウムを母体とするものであればいずれでも可能である
が、特に珪素原子及びマグネシウム原子のうちいずれか
一方又は両方を含有したものを用いた場合本発明の効果
が顕著である。本発明において好ましい珪素原子の含有
量としては1wtppm以上、1wt%以下、さらに好
ましくは10wtppm以上、0.1wt%以下の範囲
である。また好ましいマグネシウム原子の含有量として
は、0.1wtppm以上、10wt%以下、さらに好
ましくは0.2wtppm以上、5wt%以下の範囲で
ある。
【0111】さらに本発明では、H,Li,Na,K,
Be,Ca,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,C
u,Ag,Zn,Cd,Hg,B,Ca,In,C,S
i,Ge,Sn,N,P,As,O,S,Se,F,C
l,Br,I等如何なる物質をアルミニウム中に含有さ
せても有効である。
【0112】本発明において、支持体表面の結晶粒径及
び介在物の大きさは、特定の値よりも大きくなると、二
酸化炭素を溶解した水で表面処理を行った場合、表面処
理が均一にならず、コピー画像の画像むらを誘発する。
このため表面の結晶粒径が、好ましくは最大で10mm
以下、平均で5mm以下であり、介在物の大きさが、最
大で50μm以下、平均で30μm以下であり、より好
ましくは、最大で5mm以下、平均で2mm以下であ
り、介在物の大きさが最大で30μm以下、平均で15
μm以下であり、最適には、最大で3mm以下、平均で
1mm以下であり、介在物の大きさが、最大で20μm
以下、平均で10μm以下であることが本発明には適し
ている。
【0113】また、アルミニウム支持体表面の結晶粒径
を制御する方法としては、いずれの方法でも本発明には
有効であるが、例えば特開昭61−26056号公報に
記載の以下の方法が挙げられる。
【0114】 アルミニウム或はアルミニウム合金系
をその溶融状態から凝固させる段階で超音波を照射す
る。超音波による結晶粒の微細化は初晶粒子と溶融液と
の間に働く摩擦力による破壊作用及びキャビテーション
作用によって行われる。
【0115】 アルミニウム或はアルミニウム合金を
固相線直下の温度まで長時間加熱する焼きなまし処理を
行い、結晶粒を縮小させると同時に成分を拡散させ均一
化を図る。
【0116】 相変化の起こる温度領域を適当な速さ
で冷却することにより溶液からの核発生とその成長速度
を制御することによって結晶粒の微細化を図る。一般的
には冷却速度が速くなるほど過冷現象が起こり核発生の
度合いが大きくなるとともに、拡散による溶質原子の補
給が不足し、新相の成長が遅くなるから結晶組織が微細
になる。
【0117】上記の適宜の方法で基板表面の結晶粒の微
細化を図ればよいが、アルミニウム或はアルミニウム系
合金の母体の結晶粒の微細化を図っても、例えば円筒状
素管として押し出し、引き抜きを行えば、加工方向に沿
って結晶組織が引き伸ばされることもあるので、支持体
として仕上げするための表面研磨や摩擦、エッチングな
どの処理においても微細化を維持する考慮を払う必要が
ある。
【0118】本発明のおいて支持体の形状は任意の形状
を有し得るが、特に円筒形のものが本発明に最適であ
る。支持体の大きさには特に制限はないが、実用的には
直径20mm以上、500mm以下、長さ10mm以上
1000mm以下が好ましい。
【0119】本発明で用いられる感光体は、nC−S
i:(H,X)感光体、セレン感光体、硫化カドミニウ
ム感光体、有機物感光体等いずれでも可能であるが、特
にnC−Si:(H,X)感光体等の珪素を含む非単結
晶感光体の場合その効果が顕著である。
【0120】珪素を含む非結晶感光体の場合、堆積膜形
成時に使用される原料ガスとしては、シラン(Si
4 )、ジシラン(Si2 6 )、四弗化珪素(SiF
4 )、六弗化二珪素(Si2 6 )、等のnC−Si:
(H,X)形成原料ガス又はそれらの混合ガスが挙げら
れる。
【0121】希釈ガスとしては水素(H2 )、アルゴン
(Ar)、ヘリウム(He)等が挙げられる。
【0122】又、堆積膜の光学的バンドギャップを変化
させる、比誘電率を変化させる等の特性改善ガスとして
窒素(N2 )、アンモニア(NH3 )等の窒素原子を含
む元素、酸素(O2 )、一酸化窒素(NO)、二酸化窒
素(NO2 )、酸化二窒素(N2 O)、一酸化炭素(C
O)、二酸化炭素(CO2 )等酸素原子を含む元素、メ
タン(CH4 )、エタン’(C2 6 )、エチレン(C
2 4 )、アセチレン(C2 2 )、プロパン(C3
8 )等の炭化水素、四弗化ゲルマニウム(GeF4 )、
弗化窒素(NF3 )等の弗素化合物又はこれらの混合ガ
スが挙げられる。
【0123】また、本発明においては、ドーピングを目
的としてジボラン(B2 6 )、弗化ホウ素(B
3 )、ホスフィン(PH3 )等のドーパントガスを同
時に放電空間に導入しても本発明は同様に有効である。
【0124】本発明の電子写真感光体では、支持体上に
堆積した総膜厚はいずれでもよいが、5μm以上、10
0μm以下、さらに好ましくは10μm以上、70μm
以下、最適には15μm以上、50μm以下において、
電子写真感光体として特に良好な画像を得ることができ
た。
【0125】本発明では、堆積膜の堆積中の放電空間の
圧力がいずれの領域でも効果が認められるが、特に0.
5mTorr以上、100mTorr以下、好ましくは
1mTorr以上、50mTorr以下において、放電
の安定性及び堆積膜の均一性の面で特に良好な結果が再
現性良く得られた。
【0126】本発明において、堆積膜の堆積時の支持体
の温度は、100℃以上、500℃以下の範囲で有効で
あるが、特に150℃以上、450℃以下、好ましくは
150℃以上、400℃以下、最適には200℃以上、
350℃以下において著しい効果が確認された。
【0127】本発明において、支持体の加熱手段として
は、真空仕様の発熱体であればいずれでもよく、より具
体的にはシース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒ
ーター、セラミックスヒーター等の電気抵抗発熱体、ハ
ロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、
液体、気体等を温媒とし熱交換手段による発熱体が挙げ
られる。
【0128】加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッ
ケル、アルミニウム、銅等の金属類、セラミックス、耐
熱性高分子樹脂等を使用することができる。また、それ
以外にも、反応容器とは別に加熱専用の容器を設け、加
熱した後、反応容器内に真空中で支持体を搬送する等の
方法も使用することができる。以上の手段を単独にまた
は併用して用いることが本発明では可能である。
【0129】本発明において、プラズマを発生させるエ
ネルギーは、DC、RF、VHF、マイクロ波等いずれ
でも可能であるが、特にプラズマの発生のエネルギーに
マイクロ波を用いた場合、支持体の表面欠陥による異常
成長が顕著に現れかつ、吸着した水分にマイクロ波が吸
収され、界面の変化がより顕著なものとなるため、本発
明の効果がより顕著なものとなる。
【0130】本発明において、プラズマ発生のためにマ
イクロ波を用いる場合、マイクロ波電力は、放電を発生
させることができればいずれでも良いが、100W以
上、10kW以下、好ましくは500W以上、4kW以
下が本発明を実施するに当たり適当である。
【0131】本発明において、堆積膜形成中に放電空間
に電圧(バイアス電圧)を印加することは有効であり、
少なくとも支持体に陽イオンが衝突する方向に電界がか
かることが好ましい。バイアスを全くかけない場合、堆
積膜の特性は著しく低減してしまうため、DC成分の電
圧が1V以上、500V以下、好ましくは5V以上10
0V以下であるバイアス電圧を堆積膜形成中に印加する
ことが本発明の効果をより顕著にするためには望まし
い。
【0132】本発明において、反応容器内に誘導体窓を
用いてマイクロ波を導入する場合、誘導体窓の材質とし
てはアルミナ(Al2 3 )、窒化アルミニウム(Al
N)、窒化ホウ素(BN)、窒化珪素(SiN)、炭化
珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2 )、酸化ベリリウ
ム(BeO)、テフロン、ポリスチレン等マイクロ波の
損失の少ない材料が通常使用される。
【0133】複数の支持体で放電空間を取り囲む堆積膜
形成方法においては支持体の間隔は1mm以上、50m
m以下が好ましい。支持体の本数は放電空間を形成でき
るならばいずれでも良いが3本以上、より好ましくは4
本以上が適当である。
【0134】本発明は、いずれの電子写真感光体及び電
子写真感光体の製造方法にも適用可能であるが、特に放
電空間を取り囲むように支持体を設け、少なくとも支持
体の一端側から導波管によりマイクロ波を導入する構成
により堆積膜を形成する場合大きな効果がある。
【0135】図6に本発明の方法で製造された電子写真
感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成
例を示す。
【0136】図において、601は像担持体としての電
子写真感光体であり、これは軸601aを中心として矢
印方向に所定の周速で回転駆動される。この電子写真感
光体は、その回転過程で帯電手段602によりその周面
に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部
によって不図示の像露光手段により光像露光L(スリッ
ト露光、レーザービーム走査露光など)を受ける。これ
により感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形
成されていく。
【0137】この静電潜像は次いで現像手段604でト
ナー現像され、トナー現像が転写手段605により、不
図示の給紙部から感光体601と転写手段605との間
に感光体601の回転と周期取りされた転写材Pの表面
に順次転写されていく。
【0138】像転写を受けた転写材Pは、感光体面から
分離されて像定着手段608へ導入され、ここで像定着
を受けた後、複写物(コピー)として機外へプリントア
ウトされる。
【0139】像転写後の感光体601の表面は、クリー
ニング手段606による転写残りトナーの除去を受けて
清浄面化され、さらに前露光手段607により除電処理
されたのち、繰り返して像形成に使用される。
【0140】感光体601の均一帯電手段602として
は、コロナ帯電装置が一般に広く使用されている。また
転写装置605にもコロナ帯電装置が一般に広く使用さ
れている。電子写真装置として、上述の感光体や現像手
段、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
この場合、上記の装置ユニットの方に帯電手段及び/又
は現像手段を構成してもよい。
【0141】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンタとして使用する場合には、原稿からの反射光や透
過光であってもよく、或は原稿を読み取って信号化した
信号によるレーザービームの走査、LEDアレイの駆
動、又は液晶シャッターアレイの駆動などによって得ら
れたものであってもよい。
【0142】ファクシミリのプリンターとして使用する
場合には、光像露光Lは受信データをプリントするため
の露光になる。図7はこの場合の1例をブロック図で示
したものである。
【0143】コントローラ−711は画像読み取り部7
10とプリンター719を制御する。コントローラー7
11全体はCPU717により制御されている。画像読
み取り部710からの読み取りデータは、送信回路71
3を通して相手局に送信される。相手局から受けたデー
タは受信回路712を通してプリンター719に送られ
る。画像メモリ716は所定の画像データが記憶され
る。プリンターコントローラ718はプリンター719
を制御している。714は電話である。
【0144】回線715から受信された画像情報(回線
を介して接続されたリモート端子からの画像情報)は受
信回路712で復調された後、CPU717で複号処理
が行われ、順次画像メモリ716に格納されると、その
ページの画像記録を行う。CPU717は、メモリ71
6より1ページ分の画像情報を読み出し、プリンターコ
ントローラー718に複号された1ページの画像情報を
送出する。プリンターコントローラー718は、CPU
717からの1ページの画像情報を受け取ると、そのペ
ージの画像情報記録を行うようにプリンターを制御す
る。
【0145】尚、CPU17は、プリンター719によ
る記録中に、次のページの画像情報を受信している。
【0146】以上のようにして画像の受信と記録が行わ
れる。
【0147】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンタ
ー、レーザー製版機などの電子写真応用分野にも広く用
いることができる。
【0148】以下、本発明の効果を実験例を用いて具体
的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定される
ものではない。
【0149】〔実験例・比較実験例〕 〔実験例1〕アルミニウム支持体中の珪素原子含有量を
変化させて、切削加工を行い、支持体表面に発生する表
面欠陥との相関を調べた。
【0150】珪素原子の含有量を0ppm〜2.0wt
%まで変化させた。直径108mm、長さ358mm、
肉厚5mmの円筒状アルミニウム支持体を、前述の本発
明による電子写真感光体の製造方法の手順の一例と同様
の手順で表面の切削を行った。
【0151】切削終了後、支持体表面を光学顕微鏡によ
り、支持体表面の任意の3cm×3cmの領域10箇所
(計30cm2 )の明視野、及び暗視野像を観察し、表
面欠陥の発生状況を調べ、以下の評価を行い、評価結果
を表3に示した。
【0152】◎・・・極めて良好 ○・・・良好 △・・・実用上問題なし ×・・・実用上問題有り 表3より明らかなように、珪素原子の含有量が1wtp
pm〜1.0wt%の範囲で表面欠陥の発生が抑えられ
ることが確認された。
【0153】〔実験例2〕アルミニウム支持体中のマグ
ネシウム原子含有量を変化させて、切削加工を行い、支
持体表面に発生する筋状の切削傷を調べることにより、
切削性との相関を調べた。
【0154】マグネシウム原子の含有量を0ppm〜1
5wt%まで変化させた、直径108mm、長さ358
mm、肉厚5mmの円筒状アルミニウム支持体を、前述
の本発明による電子写真感光体の製造方法の手順の一例
と同様の手順で表面の切削を行った。
【0155】切削終了後、支持体表面を光学顕微鏡によ
り、支持体表面の任意の3cm×3cmの領域10箇所
(計30cm2 )の明視野、及び暗視野を観察し、筋状
の切削傷の発生状況を調べ、以下の評価を行い、評価結
果を表4に示した。
【0156】◎・・・極めて良好 ○・・・良好 △・・・実用上問題なし ×・・・実用上問題有り 表4より明らかなように、マグネシウム原子の含有量が
0.1wt%〜10wt%の範囲で切削性が良好である
ことが確認された。
【0157】〔実験例3〕アルミニウム支持体中の珪素
原子含有量及びマグネシウム含有量を変化させて、切削
加工を行い、実験例1、2と同様に支持体表面に発生す
る表面欠陥及び筋状の切削傷との相関を調べた。その結
果、実施例1、2と同様の原子が、珪素原子は1wtp
pmから1wt%、マグネシウム原子は0.1wt%か
ら10wt%の範囲にあるときに、切削加工時に表面欠
陥が発生しにくく、切削性も良好であることが確認され
た。
【0158】〔実験例4〕水中に溶解する二酸化炭素の
量、結晶粒径及び介在物の大きさを変化させて画像欠陥
の発生と相関を調べた。
【0159】珪素原子の含有量が100wtppm、マ
グネシウム原子の含有量が2.0wt%の結晶粒径が最
大で2mm、平均で1mm、介在物の大きさが最大で1
0μm、平均で5μmのアルミニウムよりなる直径10
8mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒状支持体
を、実験例1と同様の手順で表面の切削を行った。
【0160】切削終了15分後に図1に示す表面処理装
置により、表1に示す条件により洗剤(非イオン性界面
活性剤)による洗浄及び二酸化炭素を溶解した水による
表面処理を行った。但し、この時二酸化炭素を溶解した
水としては抵抗率10MΩ・cmの純水中に二酸化炭素
を溶解することにより導電率を1μS/cm〜50μS
/cmに調製した水を用いた。
【0161】さらにその後、図3A及び図3Bに示す堆
積膜形成装置を用い、表2の条件で支持体上にnC−S
i:(H,X)堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成
の阻止型電子写真感光体を作製した。図4において、4
01、402、403及び404は、それぞれアルミニ
ウム支持体、電荷注入阻止層、光導電層及び表面層を示
している。このようにして作製した電子写真感光体の電
子写真特性を以下のようにして行った。作製した電子写
真感光体を実験用に予めプロセススピードを200〜8
00mm/secの範囲で任意に変更できるように改造
を行ったキャノン社製複写機NP7550に搭載し、帯
電器に6〜7kVの電圧を印加してコロナ帯電を行い、
通常の複写プロセスにより転写紙上に画像を作製し、以
下の手順により画像性の評価を行った。このようにして
同一作製条件で製造した電子写真感光体を各10本づつ
評価を行い、評価結果を表5に示した。
【0162】画像欠陥の評価 プロセススピードを変え、全面ハーフトーン原稿(型番
号:FY9−9042−020)及び文字原稿(型番
号:FY9−9058−000)を原稿台に置いてコピ
ーしたときに得られた画像サンプル中で一番画像欠陥の
多く現れる画像サンプルを選び評価を行った。評価の方
法としては画像サンプル上を拡大鏡で観察し同一面積内
にある白点の状態により評価を行った。
【0163】◎・・・極めて良好 ○・・・良好 △・・・実用上問題なし ×・・・実用上問題有り黒しみの評価 プロセススピードを変え全面ハーフトーン原稿(型番
号:FY9−9042−020)を原稿台に置いて得ら
れた画像の平均濃度が0.4±0.1になるように画像
を出力した。このようにして得られた画像サンプルの中
で一番しみの目立つものを選び評価を行った。評価の方
法としてはこれらの画像を目より40cm離れたところ
で観察して、黒しみが認められるかを調べ、以下の基準
で評価を行った。
【0164】◎・・・極めて良好 ○・・・良好 △・・・実用上問題なし ×・・・実用上問題有り電子写真特性の評価 通常のプロセススピードで同一の帯電電圧を与えた時に
現像位置で得られる感光体の表面電位を帯電能として相
対値により評価する。比較実験例1で得られた電子写真
感光体の帯電能を100%としている。
【0165】環境性の評価 ○・・・前処理工程にオゾン層の破壊にかかわる物質を
用いない。
【0166】×・・・前処理工程にオゾン層の破壊にか
かわる物質を用いている。
【0167】<比較実験例1>実験例4と同様に珪素原
子の含有量が100ppm、マグネシウム原子の含有量
が2.0wt%のアルミニウム支持体を同様の手順で切
削を行った。
【0168】切削が終了した支持体は、図8に示す従来
の支持体表面洗浄装置により表6の条件で支持体表面の
洗浄を行った。図8に示す支持体洗浄装置は、処理槽8
02と支持体搬送機構803よりなっている。処理槽8
02は、支持体投入台811、支持体洗浄槽821、支
持体搬出台851よりなっている。洗浄槽821は液の
温度を一定に保つための温度調節装置(不図示)が付い
ている。搬送機構803は、搬送レール865と搬送ア
ーム861よりなり、搬送アーム861は、レール86
5上を移動する移動機構862、支持体801を保持す
るチャッキング機構863及びこのチャッキング機構8
63を上下させるためのエアーシリンダー864よりな
っている。
【0169】切削後、投入台811に置かれた支持体8
01は、搬送機構803により洗浄槽821に搬送され
る。洗浄槽821中のトリクロルエタン(商品名:エタ
ーナVG 旭化成工業社製)822にり表面に付着して
いる切削油及び粉を除去するための洗浄が行われる。
【0170】洗浄後、支持体801は、搬送機構803
により搬出台851に運ばれる。
【0171】さらにその後、図3A及び図3Bに示す堆
積膜形成装置を用い、表2の条件で支持体上にnC−S
i:(H,X)堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成
の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0172】このようにして作製した電子写真感光体を
実験例4と同様の方法で評価した結果を比較実験例1と
して同じく表5に示す。
【0173】<比較実験例2>実験例4と同様に珪素原
子の含有量が100ppm、マグネシウム原子の含有量
が2.0wt%のアルミニウム支持体を同様の手順で切
削後、切削終了15分後に表7に示す条件により洗剤
(非イオン性界面活性剤)による洗浄及び純水による洗
浄を行った。表面処理装置としては図1のものを用い
た。但し、表面処理槽131中には二酸化炭素を溶解し
ない純水を導入した。
【0174】さらにその後、図3A及び図3Bに示す堆
積膜形成装置を用い、表2の条件で支持体上にnC−S
i:(H,X)堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成
の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0175】このようにして作製した電子写真感光体を
実験例4と同様の方法で評価した結果を比較実験例2と
して同じく表5に示す。
【0176】表5により明らかなように、本発明による
電子写真感光体の製造方法で作製した電子写真感光体
は、画像欠陥及び電子写真特性について非常に良好な結
果が得られた。
【0177】また、結晶粒径及び介在物の大きさを種々
変化させて同様の実験を行ったところ、二酸化炭素を溶
解した水溶液の導電率が2μS/cm〜40μS/cm
の範囲であり、かつ表面の結晶粒径が、最大で10mm
以下、平均で5mm以下であり、介在物の大きさが、最
大で50μm以下、平均で30μm以下であるとき画像
欠陥及び電子写真特性について良好な結果が得られ、二
酸化炭素を溶解した水溶液の導電率が4μS/cm〜3
5μS/cmの範囲であり、かつ表面の結晶粒径が、最
大で5mm以下、平均で2mm以下であり、介在物の大
きさが、最大で30μm以下、平均で15μm以下であ
るとき画像欠陥及び電子写真特性について良好な結果が
得られ、二酸化炭素を溶解した水溶液の導電率が6μS
/cm〜30μS/cmの範囲であり、かつ表面の結晶
粒径が、最大で3mm以下、平均で1mm以下であり、
介在物の大きさが、最大で20μm以下、平均で10μ
m以下であるとき画像欠陥及び電子写真特性について極
めて良好な結果が得られた。
【0178】さらにアルミニウムに含有される珪素原子
及びマグネシウム原子の含有量を実験例3と同様に種々
変化させて同様の実験を行ったところ同様に良好な結果
が得られた。
【0179】また、この二酸化炭素を溶解した水溶液の
pHを測定したところ、3.8〜6.0の範囲であっ
た。
【0180】〔実験例5〕実験例4と同様の支持体を同
様の手順で切削後、切削工程終了15分後に図1に示す
表面処理装置により、表8に示す条件により支持体表面
の前処理を行った。
【0181】さらにその後、図3A及び図3Bに示す堆
積膜形成装置を用い、表2の条件で支持体上にnC−S
i:(H,X)堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成
の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0182】本実験では、二酸化炭素を溶解した水によ
る洗浄工程時に使用する純水の水質(抵抗率)を変化さ
せて電子写真感光体を作製した。このようにして得られ
た電子写真感光体をキャノン社製複写機NP7550改
造機に搭載し、実験例4と同様の手順で同様の評価を行
った。評価としては同一の作製条件で電子写真感光体を
各10本づつ評価し、得られた画像評価を表9に示し
た。
【0183】また、比較実験例1及び2で作製した電子
写真感光体も同様の評価を行い表9に比較実験例として
同時に示す。但し、表中コストについては以下の基準で
評価を行った。
【0184】コストの評価 必要な洗浄液を必要量得る場合 ◎・・・非常に安価に手に入る ○・・・安価に手に入る △・・・やや高価である ×・・・高価である 表9より明らかなように、二酸化炭素を溶解した水によ
る表面処理工程で使用する純水の抵抗率が、二酸化炭素
を溶解前に1MΩ・cm以上の時に本発明の電子写真感
光体の製造方法により作製した電子写真感光体の画像特
性及び電子写真特性について非常に良好な結果が得られ
た。
【0185】〔実験例6〕本発明の表面処理と、堆積膜
の密着性との相関を調べた。
【0186】実験例1〜5及び比較実験例1〜2と同様
の条件で種々の支持体を作製し、図3A及び図3Bに示
す堆積膜形成装置を用い、表2の条件で支持体上にnC
−Si:(H,X)堆積膜の形成を行い、図4に示す層
構成の阻止型電子写真感光体を作製した。さらに、各ガ
スの組成比のみ表2に従うようにして、ガス流量を種々
変化させること、又は、ガスの条件のみ表2に従うよう
にしてマイクロ波電力を種々変化させることによって、
膜の堆積速度を種々変化させて電子写真感光体を作製し
た。次に作製した電子写真感光体の膜の付着状態を観察
し、さらにヒートショックテスト、ひっかきテスト等に
より膜の密着性を評価した。その結果、実験例4と同様
に、二酸化炭素を溶解した水溶液の導電率が2μS/c
m〜40μS/cmの範囲であり、かつ表面の結晶粒径
が、最大で10mm以下、平均で5mm以下であり、介
在物の大きさが、最大で50μm以下、平均で30μm
以下であるとき堆積膜の密着性が非常に優れていること
が確認された。
【0187】以上の実験例により本発明の構成が決定さ
れた。次に本発明の実施例及び比較例によりさらに具体
的に説明する。
【0188】
【実施例】
〔実施例・比較例〕 [実施例1]珪素原子の含有量が100wtppm、マ
グネシウム原子の含有量が2.0wt%の結晶粒径が最
大で2mm、平均で0.8mm、介在物の大きさが最大
で20μm、平均で8μmに制御したアルミニウムより
なる直径108mm、長さ358mm、肉厚5mmの円
筒状支持体を、実験例1と同様の手順で表面の切削を行
った。
【0189】切削終了15分後に図1に示す表面処理装
置により、表10に示す条件により支持体表面の表面処
理を行った。但し、洗剤としては非イオン性界面活性剤
と陰イオン性活性剤の混合したものを用いた。
【0190】さらにその後、図3A及び図3Bに示す堆
積膜形成装置を用い、表2の条件で支持体上にnC−S
i:(H,X)堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成
の阻止型電子写真感光体を作製した。このようにして同
一作製条件で製造した電子写真感光体を各10本づつ以
下のように評価を行った。
【0191】作製した電子写真感光体の外観を目視によ
り膜剥がれを観察し、評価した後、キャノン社製複写機
NP7550を実験用に改造した複写機に搭載し、通常
の複写プロセスにより転写紙上に画像を作製し、画像性
の評価を行った。但し、この時、帯電器に6kVの電圧
を印加してコロナ帯電を行った。これらの評価結果を
「本発明」として表11に示した。
【0192】画像欠陥の評価 実験例4と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0193】黒しみの評価 実験例4と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0194】電子写真特性の評価 実験例4と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0195】環境性の評価 実験例4と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0196】画像むらの評価 A3方眼紙(コクヨ社製)を複写機の原稿台の上に置
き、複写機の絞りを変えることにより原稿の露光量を、
グラフの線が辛うじて認められる程度から白地の部分が
かぶり始める程度までの範囲の画像が得られるように変
え、濃度の異なる10枚のコピーを出力した。
【0197】これらの画像を目により40cm離れたと
ころで観察して、濃度の違いが認められるか調べ、以下
の基準で評価を行った。
【0198】◎・・・極めて良好 ○・・・良好 △・・・実用上問題なし ×・・・実用上問題有り白地かぶり評価 白地に全面文字よりなる通常の原稿(型番号:FY9−
9058−000)を原稿台に置いてコピーした時に得
られた画像サンプルを観察し、白地部分のかぶりを評価
した。
【0199】◎・・・極めて良好 ○・・・良好 △・・・実用上問題なし ×・・・実用上問題有り <比較例1>珪素原子及びマグネシウム原子を含有しな
いアルミニウム支持体を用い、実施例1と同様の手順で
切削後、図8に示す従来の支持体上表面の洗浄装置を用
いて、表6に示す条件により支持体表面の洗浄を行っ
た。
【0200】さらにその後、図2で示す堆積膜形成装置
を用い、表12の条件で、支持体上にnC−Si:
(H,X)堆積膜の形成を行い、実施例1と同様に図4
に示す層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0201】このようにして得られた電子写真感光体に
ついて実施例1と同様の評価を行い、結果を実施例1と
同様に表11に示す。
【0202】<比較例2>珪素原子及びマグネシウム原
子を含有しないアルミニウム支持体を用い、実施例1と
同様の手順で切削後、図9に示す支持体上表面の水洗装
置を用いて、支持体表面の洗浄を行った。図9に示す洗
浄装置は、支持体901を固定し、回転させるための回
転軸902、支持体に洗浄液を噴出するための噴射器9
03、ノズル904からなっている。
【0203】本比較例では、この洗浄装置を用い、従来
の方法に従って、表13に示す条件により支持体表面の
洗浄を行った。
【0204】さらにその後、図2で示す堆積膜形成装置
を用い、表12の条件で、支持体上にnC−Si:
(H,X)堆積膜の形成を行い、実施例1と同様に図4
に示す層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0205】このようにして得られた電子写真感光体に
ついて実施例1と同様の評価を行い、結果を実施例1と
同様に表11に示す。
【0206】<比較例3>珪素原子及びマグネシウム原
子を含有しないアルミニウム支持体を用いた以外は実施
例1と全く同様の条件で支持体上にnC−Si:(H,
X)堆積膜の形成を行い、実施例1と同様に図4に示す
層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0207】このようにして得られた電子写真感光体に
ついて実施例1と同様の評価を行い、結果を実施例1と
同様に表11に示す。
【0208】<比較例4>支持体表面の結晶粒径及び介
在物の大きさを、本発明の特定する範囲からはずした以
外は実施例1と全く同様の条件で支持体上にnC−S
i:(H,X)堆積膜の形成を行い、実施例1と同様に
図4に示す層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0209】このようにして得られた電子写真感光体に
ついて実施例1と同様の評価を行い、結果を実施例1、
比較例1、比較例2及び比較例3と同様に表11に示
す。
【0210】<比較例5>二酸化炭素を溶解した水によ
り支持体の表面処理を行う工程を、比較例1及び2の従
来の洗浄工程に置き換えた以外は実施例1と全く同様の
条件で支持体上にnC−Si:(H,X)堆積膜の形成
を行い、実施例1と同様に図4に示す層構成の阻止型電
子写真感光体を作製した。
【0211】このようにして得られた電子写真感光体に
ついて実施例1と同様の評価を行い、結果を実施例1、
比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4と同様に表
11に示す。
【0212】表11から明らかなように、本発明の電子
写真感光体の製造方法により作製した電子写真感光体
は、従来の方法より作製した電子写真感光体と比較して
いずれの項目においても非常に良好な結果が得られた。
さらに、特定の成分を含有するアルミニウム支持体の、
結晶粒径及び介在物の大きさを特定し、さらに特定の成
分を含む水によって表面処理するという条件が満たされ
ることにより、本発明の効果が最大限発揮されることが
確認された。
【0213】[実施例2]実施例1とは電子写真感光体
の層構成を変え、本発明の電子写真感光体の製造方法に
より電子写真感光体を作製した。実施例1と同様の支持
体を同様の手順で切削後、切削工程終了後15分後に図
1に示す表面処理装置を用いて、表10に示す条件によ
り支持体表面の処理を行った。
【0214】さらにその後、図3A及び図3Bに示す堆
積膜形成装置を用い、表14に示す条件で、支持体上に
nC−Si:(H,X)堆積膜の形成を行い、図5に示
す層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0215】図5において、501はアルミニウム支持
体、505は赤外線吸収層、502は電荷注入阻止層、
503は光導電層、504は表面層を示している。
【0216】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果本実施例において
も、本発明の電子写真感光体の製造方法で作製した電子
写真感光体は、実施例1と同様にいずれの項目でも非常
に良好な結果が得られた。
【0217】[実施例3]実施例1とは電子写真感光体
の層構成を変え、本発明の電子写真感光体の製造方法に
より電子写真感光体を作製した。実施例1と同様の手順
で切削後、切削工程終了後15分後に図1に示す表面処
理装置を用いて、表10に示す条件により支持体表面の
処理を行った。
【0218】さらにその後、図3A及び図3Bに示す堆
積膜形成装置を用い、表15に示す条件で、支持体上に
nC−Si:(H,X)堆積膜の形成を行い、図10に
示す層構成の電子写真感光体を作製した。
【0219】図10において、1001はアルミニウム
支持体、1002は光導電領域1、1003は光導電領
域2、1004は表面層を示している。
【0220】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果本実施例において
も、本発明の電子写真感光体の製造方法で作製した電子
写真感光体は、実施例1と同様にいずれの項目でも非常
に良好な結果が得られた。
【0221】[実施例4]実施例1と同様の支持体を同
様の手順で切削後、切削終了後15分後に図1に示す表
面処理装置を用いて、表10に示す条件により支持体表
面の処理を行った。
【0222】さらにその後図2に示す堆積膜形成装置を
用い表12の条件で、支持体上にnC−Si:(H,
X)堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成の阻止型電
子写真感光体を作製した。
【0223】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果本実施例において
も、本発明の電子写真感光体の製造方法で作製した電子
写真感光体は、実施例1と同様にいずれの項目でも非常
に良好な結果が得られた。
【0224】[実施例5]洗浄工程、表面処理工程及び
乾燥工程の条件を表16に示す条件に変えた以外は、実
施例1と全く同様の条件により電子写真感光体を作製し
た。
【0225】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果本実施例において
も、本発明の電子写真感光体の製造方法で作製した電子
写真感光体は、実施例1と同様にいずれの項目でも非常
に良好な結果が得られた。
【0226】[実施例6]実施例1と同様の支持体を同
様の手順で切削後、切削終了後15分後に図1に示す表
面処理装置を用いて、表10に示す条件により支持体表
面の処理を行った。
【0227】さらにその後、支持体上に有機光半導体よ
りなる堆積膜の形成を行い電子写真感光体を作製した。
【0228】こうして得られた電子写真感光体はnC−
Si:(H,X)感光体と同様に、本発明を用いない場
合と比較して画像性で良好な結果が得られた。
【0229】[実施例7]実施例1と同様の支持体を同
様の手順で切削後、切削終了後15分後に図1に示す表
面処理装置を用いて表10に示す条件により支持体表面
の処理を行った。
【0230】さらにその後、支持体上に非晶質セレンよ
りなる堆積膜の形成を行い電子写真感光体を作製した。
【0231】こうして得られた電子写真感光体はnC−
Si:(H,X)感光体と同様に、本発明を用いない場
合と比較して画像性で良好な結果が得られた。
【0232】[実施例8]実施例1〜7及び比較例1〜
5において、本発明のアルミニウム支持体中の珪素原子
及びマグネシウム原子の含有量、結晶粒径及び介在物の
大きさ、さらに二酸化炭素を溶解した水の組成を各々変
化させて同様の実験・評価を行ったところ、支持体表面
の結晶粒径が、最大で10mm以下、平均5mm以下で
あり、介在物の大きさが最大で50μm以下、平均で3
0μm以下であり、支持体に含有される珪素原子及びマ
グネシウム原子の含有量が、珪素原子は1wtppmか
ら1wt%、マグネシウム原子は0.1wt%から10
wt%の範囲であり、さらに二酸化炭素を溶解した水の
導電率が、2μS/cm以上、40μS/cm以下(p
Hで制御する場合はpHが3.8以上、6.0以下)で
あるときに、実施例1と同様に本発明の効果が確認され
た。
【0233】
【表1】
【0234】
【表2】
【0235】
【表3】
【0236】
【表4】
【0237】
【表5】
【0238】
【表6】
【0239】
【表7】
【0240】
【表8】
【0241】
【表9】
【0242】
【表10】
【0243】
【表11】
【0244】
【表12】
【0245】
【表13】
【0246】
【表14】
【0247】
【表15】
【0248】
【表16】
【0249】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アルミニウム支持体上に機能性膜を形成する工程を含む
電子写真感光体及びその製造方法において、特にアルミ
ニウム支持体上に水素原子及びハロゲン原子のいずれか
一方又は両方と珪素原子とを含むnC−Si:(H,
X)堆積膜をプラズマCVD法により形成する工程を含
む電子写真感光体及びその製造方法について、アルミニ
ウム支持体の結晶粒径、介在物の大きさ、及び含有元素
を特定し、さらに前記堆積膜を形成する工程の前に支持
体の表面を二酸化炭素を溶解した水により表面処理を行
う工程を設けたので、画像特性及び電子写真特性に優
れ、かつ支持体との密着性にすぐれた均一な高品質の画
像を与える電子写真感光体を安価に安定して提供するこ
とが可能となった。
【0250】また、上述の特定の結晶粒径、及び介在物
の大きさとして、アルミニウム又はアルミニウム合金の
支持体表面の結晶粒径を、最大で10mm以下、平均で
5mm以下とし、介在物の大きさを、最大で50μm以
下、平均で30μm以下とした支持体を用い、かつ、こ
のような支持体表面を、二酸化炭素を溶解した水とし
て、導電率が、2μS/cm以上、40μS/cm以下
であり、pHが3.8以上、6.0以下である水により
表面処理することにより、上述した本発明の効果は、よ
り大きくなる。
【0251】また、支持体の特定の含有元素として、少
なくとも珪素原子及びマグネシウム原子のいずれか一方
又は両方を微量に含有し、その含有量が、珪素原子は1
wtppmから1wt%、マグネシウム原子は0.1w
t%から10wt%の範囲である支持体を用いることに
より、上述した本発明の効果は、より大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の製造方法を実施し、
本発明の電子写真感光体を製造するために使用される前
処理の装置を示す概略縦断面図。
【図2】RFプラズマCVD法により円筒状支持体上に
堆積膜を形成するための堆積膜形成装置の概略縦断面
図。
【図3】Aはマイクロ波プラズマCVD法により円筒状
支持体上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置の概
略縦断面図であり、BはAのX−X部分の横断面図。
【図4】電子写真感光体の層構成を示す断面図。
【図5】電子写真感光体の層構成を示す断面図。
【図6】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図。
【図7】図6の電子写真装置をプリンターとして使用し
たファクシミリのブロック図。
【図8】従来の方法において堆積膜形成の前処理として
支持体の洗浄を行うための洗浄装置の略縦断面図。
【図9】従来の方法において堆積膜形成の前処理として
支持体の洗浄を行うための他の洗浄装置の概略断面図。
【図10】電子写真感光体の層構成を示す断面図。
【符号の説明】
101、801、901 支持体 102、802 処理部 902 回転軸 103、803 支持体搬送機構 903 噴射器 111、811 支持体投入器 121 支持体前洗浄層 821 支持体洗浄層 122 前洗浄液 822、905 洗浄液 131 二酸化炭素を溶解した水による表面処理槽 132 二酸化炭素を溶解した水 142、904 ノズル 141 乾燥槽 151、851 支持体搬出台 161、186 搬送アーム 162、861 移動機構 163、863 チャッキング機構 164、864 エアーシリンダー 165、865 レール 201 反応容器 201 ベースプレート 203 壁 204 トッププレート 205 カソード電極 206 支持体 207 原料ガス流入バルブ 208 リークバルブ 209 排気バルブ 210 真空計 211 マスフローコントローラー 212 ヒーター 213 高周波電源 214 モーター 301 反応容器 302 マイクロ波導入窓 303 導波管 304 排気管 305 支持体 306 放電空間 307 ヒーター 309 回転軸 310 モーター 311 直流電源 312 バイアス電極 401、501 支持体 402、502 電荷注入阻止層 403、503 光導電層 404、504、1004 表面層 505 赤外線吸収層 1002 光導電領域1 1003 光導電領域2

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金より
    成る支持体上に機能性堆積膜を形成した電子写真感光体
    において、 前記支持体は、表面の結晶粒径が、最大で10mm以
    下、平均で5mm以下であり、介在物の大きさが、最大
    で50μm以下、平均で30μm以下であり、かつ、二
    酸化炭素を溶解した水により表面処理を行ったものであ
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記支持体表面の結晶粒径が、最大で5
    mm以下、平均で2mm以下であり、前記介在物の大き
    さが、最大で30μm以下、平均で15μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記支持体表面の結晶粒径が、最大で3
    mm以下、平均で1mm以下であり、前記介在物の大き
    さが、最大で20μm以下、平均で10μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記二酸化炭素を溶解した水の導電率
    が、2μS/cm以上、40μS/cm以下であること
    を特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記二酸化炭素を溶解した水のpHが
    3.8以上、6.0以下であることを特徴とする請求項
    1に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記二酸化炭素を溶解した水が、抵抗率
    1MΩ・cm以上の純水に二酸化炭素を溶解した水であ
    ることを特徴とする請求項1、4、又は5に記載の電子
    写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記機能性堆積膜が、構成元素として水
    素原子及びハロゲン原子のいずれか一方または両方を含
    む珪素原子を主成分とする非単結晶堆積膜であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写
    真感光体。
  8. 【請求項8】 前記支持体が、少なくとも珪素原子及び
    マグネシウム原子のいずれか一方または両方を微量に含
    有したアルミニウム支持体であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記支持体に含有される珪素原子及びマ
    グネシウム原子の含有量が、珪素原子は1wtppmか
    ら1wt%、マグネシウム原子は0.1wt%から10
    wt%の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の
    電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 アルミニウム又はアルミニウム合金よ
    り成る支持体上に機能性堆積膜を形成する工程を含む電
    子写真感光体の製造方法において、 前記支持体は、その表面の結晶粒径を特定の範囲内に制
    御したものであり、かつ、前記機能性堆積膜を形成する
    工程の前に、前記支持体の表面を二酸化炭素を溶解した
    水により表面処理する工程を備えていることを特徴とす
    る電子写真感光体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記支持体表面の結晶粒径が、最大で
    10mm以下、平均で5mm以下であり、介在物の大き
    さが最大で50μm以下、平均で30μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記支持体表面の結晶粒径が、最大で
    5mm以下、平均で2mm以下であり、前記介在物の大
    きさが最大で30μm以下、平均で15μm以下である
    ことを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記支持体表面の結晶粒径が、最大で
    3mm以下、平均で1mm以下であり、前記介在物の大
    きさが、最大で20μm以下、平均で10μm以下であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記二酸化炭素を溶解した水の導電率
    が、2μS/cm以上、40μS/cm以下であること
    を特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 前記二酸化炭素を溶解した水のpHが
    3.8以上、6.0以下であることを特徴とする請求項
    10に記載の電子写真感光体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記二酸化炭素を溶解した水が、抵抗
    率1MΩ・cm以上の純水に二酸化炭素を溶解した水で
    あることを特徴とする請求項10、14、又は15に記
    載の電子写真感光体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記機能性堆積膜が、構成元素とし
    て、水素原子及びハロゲン原子のいずれか一方または両
    方を含む珪素原子を主成分とする非単結晶堆積膜を、プ
    ラズマCVD法により形成する工程を含むことを特徴と
    する請求項10〜16のいずれか1項に記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記支持体が、少なくとも珪素原子及
    びマグネシウム原子のいずれか一方または両方を微量に
    含有したアルミニウム支持体であることを特徴とする請
    求項10〜17のいずれか1項に記載の電子写真感光体
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記支持体に含有される珪素原子及び
    マグネシウム原子の含有量が、珪素原子は1wtppm
    から1wt%、マグネシウム原子は0.1wt%から1
    0wt%の範囲であることを特徴とする請求項18に記
    載の電子写真感光体の製造方法。
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