JP2828524B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JP2828524B2
JP2828524B2 JP15375391A JP15375391A JP2828524B2 JP 2828524 B2 JP2828524 B2 JP 2828524B2 JP 15375391 A JP15375391 A JP 15375391A JP 15375391 A JP15375391 A JP 15375391A JP 2828524 B2 JP2828524 B2 JP 2828524B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製の基体上に機能
性膜を形成した電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】本発明は、特に金属製の基体上にプラズマ
CVD法により珪素原子と水素原子を含む非単結晶堆積
を機能性膜として形成した電子写真感光体の製造方法に
関する。
【0003】
【従来の技術】従来、電子写真感光体に用いる素子部材
として、非単結晶堆積膜、例えば水素および(または)
ハロゲン(例えば、弗素、塩素等)で補償されたアモル
ファスシリコン等のアモルファス堆積膜が提案され、そ
の幾つかは実用に付されている。 こうした堆積膜の形
成方法として従来、スパッタリング法、熱により原料ガ
スを分解する方法(熱CVD法)、光により原料ガスを
分解する方法(光CVD法)、プラズマにより原料ガス
を分解する方法(プラズマCVD法)等、多数の方法が
知られている。中でも、プラズマCVD法、すなわち、
原料ガスを直流、高周波またはマイクロ波グロー放電等
によって分解し、基体上に薄膜状の堆積膜を形成する方
法は、電子写真用アモルファスシリコン堆積膜の形成方
法に最適であり、現在実用化が非常に進んでいる。
【0004】アモルファスシリコン膜を堆積するための
基体としては、ガラス、石英、シリコンウェハー、耐熱
性合成樹脂フィルム、ステンレス、アルミニウムなどが
提案されている。
【0005】しかし、電子写真感光体を形成するときの
基体に限って考えてみたとき、帯電、露光、現像、転
写、クリーニングといった電子写真プロセスに耐え、ま
た画質を落さないために常に位置精度を高く保つため、
金属を使用する場合が多い。
【0006】電子写真感光体の基体の材質に関する技術
が、特開昭59−193463号公報に記載されてい
る。該公報には、支持体(基体)を、Fe含有率が20
00ppm以下のアルミニウム合金にすることにより、
良好な画質のアモルファスシリコン電子写真感光体を得
る技術が開示されている。さらに、該公報中では円筒状
(シリンダー状)基体を旋回により切削を行い鏡面加工
した後、グロー放電によりアモルファスシリコンを形成
するまでの手順が開示されている。
【0007】また、電子写真感光体の基体の加工方法に
関する技術が、特開昭61−171798号公報に記載
されている。該公報には、特定の成分による切削油を使
用し、基体を切削することにより良好な品質のアモルフ
ァスシリコン等の電子写真感光体を得る技術が開示され
ている。また該公報中に切削後、基体をトリエタン(ト
リクロルエタン:C23 Cl3 )で洗浄することが記
載されている。
【0008】さらに、電子写真感光体の基体の表面処理
に関する技術として、特開昭58−014841号公
報、特開昭61−273551号公報、特開昭63−2
64764号公報、特開平1−130159号公報が提
案されている。
【0009】特開昭58−014841号公報には、ア
ルミニウム製の支持体(基体)表面の自然酸化物皮膜を
除去した後、温度60℃以上の水中に浸漬して均一な酸
化物皮膜を得る技術が開示されている。
【0010】特開昭61−273551号公報には、S
e等をアルミニウム製の基体上に蒸着して電子写真感光
体を作る際に、基体の前処理として、アルカリ洗浄、ト
リクレン洗浄、水銀ランプによる紫外線照射洗浄の技術
が挙げられ、また、紫外線照射洗浄の前処理として円筒
状の基体の表面に付着した油脂除去のため液体脱脂洗浄
および純水洗浄を行うことが記載されている。
【0011】特開昭63−264764号公報には、水
ジェットにより基体表面を粗面化する技術が開示されて
いる。
【0012】特開平1−130159号公報には、水ジ
ェットにより電子写真感光体の支持体(基体)を洗浄す
る技術が開示されている。該公報には感光体の例とし
て、Se、有機光導電体と同時にアモルファス珪素が挙
げられているが、プラズマCVD法特有の問題点につい
て全く触れられていない。
【0013】基体としてはアルミニウム合金製シリンダ
ーを用いた場合、これらの従来の技術による電子写真感
光体の製造方法は具体的には以下のように実施される。
【0014】精密切削用のエアダンバー付旋盤に、ダイ
ヤモンドバイトを、シリンダー中心角に対して所定のす
くい角を得るようにセットする。次にこの旋盤の回転フ
ランジに、基体を真空チャックし、付設したノズルから
白燈油噴霧、同じく付設した真空ノズルから切り粉の吸
引を併用しつつ、鏡面切削を施す。
【0015】次に、この切削した基体をトリクロルエタ
ンにより洗浄を行い、表面に付着している切削油および
切り粉の洗浄を行う。
【0016】次にこれらの鏡面加工し、洗浄した基体上
にアモルファスシリコンを主体とした堆積膜を形成す
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
電子写真感光体製造方法では、特に堆積膜の堆積速度の
速い領域では、均一膜質で光学的および電気的諸特性の
要求を満足し、かつ電子写真プロセスにより画像形成時
に画像品質の高い堆積膜を定常的に安定して高収率(高
歩留まり)で得るのは難しいという解決すべき問題点が
残存している。
【0018】すなわち、アモルファスシリコンのような
プラズマCVD法により金属基体上に単結晶堆積を形成
する工程を含む電子写真感光体製造方法により製造した
電子写真感光体は、堆積膜形成条件を最適化してもどう
しても無くすことのできない画像上の濃度むらおよびし
みが発生するのである。
【0019】従来は、コピーの用途としては、活字だけ
の原稿(いわゆるラインコピー)が中心であったので、
これらのむらおよびしみは全く問題とならなかった。し
かし、近来複写機の画質が上がるにつれて、写真などの
ハーフトーンを含む原稿が多くコピーされるようになり
問題となってきた。特に、近来普及してきたカラー複写
機においては、これらのむらおよびしみは色のむらとな
り、より視覚的に明らかなものとなるため、大きな問題
となってきた。
【0020】これらの変化は微小なので、上部に電極を
付け導電率の測定を行っても検知することができない。
しかし、電子写真感光体として電子写真プロセスにより
帯電、露光、現像を行ったとき、特にハーフトーンで均
一の画像を形成したとき、電子写真感光体表面上の僅か
な電位の差も画像濃度のむらと成って視覚的に顕著なも
のとして現われてくる。
【0021】さらに、近年堆積膜形成方法としてマイク
ロ波グロー放電分解をプラズマCVD法すなわちマイク
ロ波プラズマCVD法が工業的にも注目されている。
【0022】マイクロ波プラズマCVD法は、他の方法
に比べ高いデボジション速度と高い原料ガス利用効率と
いう利点を有している。こうした利用を生かしたマイク
ロ波プラズマCVD技術の1つの例が、米国特許50
4,518号に記載されている。該特許に記載の技術
は、0.1torr以下の低圧によりマイクロ波プラズ
マCVD法により高速の堆積速度で良質の堆積膜を得る
というものである。
【0023】さらに、マイクロ波プラズマCVD法によ
り原料ガスの利用効率を改善するための技術が特開昭6
0−186849号公報に記載されている。該公報に記
載の技術は、概要、マイクロ波エネルギーの導入手段を
取り囲むように基体を配置して内部チャンバー(すなわ
ち放電空間)を形成するようにして、原料ガス利用効率
を非常に高めるようにしたものである。
【0024】また、特開昭61−283116号公報に
は、半導体部材製造用の改良形マイクロ波技術が開示さ
れている、すなわち、当該公報は、放電空間中にプラズ
マ電位制御として電極(バイアス電極)を設け、このバ
イアス電極に所望の電圧(バイアス電圧)を印加して堆
積膜へのイオン衝撃を制御しながら堆積膜を行うように
して堆積膜の特性を向上させる技術が開示している。し
かし、このようなマイクロ波プラズマCVD法により作
成した電子写真感光体においては、前述の問題はさらに
顕著に現われてしまうのである。
【0025】一方、このような画像の濃度むらおよびし
みは、従来の工程で洗浄処理した基体を用いても、プラ
ズマCVD法以外の方法(真空蒸着によるSe電子写真
感光体の作製、ブレード塗布法またはディッピング法等
によるOPC電子写真感光体の作製方法)で作製した電
子写真感光体には全く発生しないのである。
【0026】また、同じくプラズマCVD法で作製する
デバイスでも太陽電池のように基板上の位置による微妙
な特性の差がその性能に影響しないようなデバイスで
は、上述の問題は発生しないのである。
【0027】本発明の目的は、上述のごとき従来の電子
写真感光体の製造方法における諸問題を克服して、安価
に安定した歩留まり良く高速形成し得る、使いやすい電
子写真感光体の製造方法を提供することにある。
【0028】本発明の目的は、プラズマCVD法に特有
の画像の濃度むらの発生という問題点を解決して、均一
な高品位の画像を得ることができる電子写真感光体の製
造方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、金属製の基体上に機能性膜を形成する膜形
成工程を含む電子写真感光体の製造方法において、水素
原子及び弗素原子の少なくとも一方と珪素原子とを含む
非単結晶堆積膜を、プラズマCVD法により前記基体上
に形成する工程を含む前記膜形成工程の前に、前記基体
表面を所定の厚さ除去するための切削工程と、切削後
の基体表面を水系の洗浄液により超音波洗浄する洗浄工
程と、洗浄した基体の表面を純水に接触させる純水接触
工程とを有することを特徴とする。
【0030】本発明者らは、切削後、成膜を行う前の基
体表面に何らかの処理を行うことで上記のような堆積膜
の特性むらを抑えることができないかと言う点に着目し
て鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。
【0031】本発明のメカニズムについては未だ解明さ
れていない点が多いが、本発明者らは現在、次のように
考えている。すなわち、プラズマCVD法により例えば
アモルファスシリコン堆積膜を基体上に形成する場合、
反応は、気相における原料ガスの分解過程、放電空間か
ら基体表面までの活性種の輸送過程、基体表面での表面
反応過程の3つに分けて考えることができる。中でも、
表面反応過程は完成した堆積膜の構造の決定に非常に大
きな役割を果たしている。そして、これらの表面反応
は、基体表面の温度、材質、形状、吸着物質などに大き
な影響を受けるのである。
【0032】金属製の基体、特に純度の高いアルミニウ
ム基体は、切削後トリクロルエタンのような非水溶剤で
洗浄を行っただけの状態、または切削後に他の洗浄を行
わずに水ジェット処理をしただけの状態では、基体表面
上の水の吸着が部分的に異なる状態となっている。この
ような表面状態の基体上にプラズマCVD法によりばア
モルファスシリコン膜のような珪素原子と、水素および
(または)弗素原子とを含んだ堆積膜を形成すると、そ
の表面の反応は、基体表面上に残った水分子の量に特に
大きく影響される。このことにより、基体の位置の水の
吸着量により、堆積膜の界面の組成および構造が変化
し、その結果、電子写真プロセスの工程中にその部分の
基体からの電荷の注入性が変化し、画像濃度を変えるに
充分な表面電位の差が現われるのである。
【0033】本発明では、基体の切削後、基体表面を水
または少なくとも界面活性剤を含んだ水により超音波洗
浄を行い、プラズマCVD法による堆積膜形成前に基体
表面を一旦純水に接触させ、基体表面に吸着される水分
の部分的な違いを均一化することにより、上述の画像の
濃度むらをなくすことに成功している。
【0034】本発明はプラズマCVD法による電子写真
感光体の製造時においてのみ発生する画像むらおよびし
みを改善するために、基体表面の水の吸着を均一化する
のが目的の新規の表面処理方法であり、単なる水による
表面汚物質の洗浄とは全く異なった効果を達成してい
る。
【0035】さらに本発明では切削工程後、純水の接触
工程の前に洗浄工程を設けることにより本発明の効果を
妨げるハロゲン系の残留物の除去を完全に行うことによ
り前述の効果を高めている。特に、水または界面活性剤
を加えた水中で超音波洗浄を行うことにより、本発明の
効果を最高に高め、かつ、他の方法ではドラムの作成後
に発生していた画像上のしみの除去を可能にしている。
さらに、水または界面活性剤を加えた水中で超音波洗浄
を行うことにより、純水の接触工程において非常に幅広
い条件下において本発明の効果を得ることを可能にして
いる。
【0036】アルミニウム合金製シリンダーを基体とし
て、本発明の電子写真感光体製造方法により電子写真感
光体を形成する手順の一例を、図1で示す本発明による
基体前処理装置、および、図2(a),(b)に示す堆
積膜形成装置を用いて以下に説明する。
【0037】精密切削用のエアダンパー付旋盤(PNEUMO
PRECLSION INC. 製品)に、ダイヤモンドバイト
(商品名:ミラクルバイト、東京ダイヤモンド製)を、
シリンダー中心角に対して5°のすくい角を得るように
セットする。次に、この旋盤の回転フランジに、基体を
真空チャックし、付設したノズルから白燈油噴霧、同じ
く付設した真空ノズルから切り粉の吸引を併用しつつ、
周速1000m/分、送り速度0.01mm/Rの条件
で外形が108mmとなるように鏡面切削を施す。
【0038】切削が終了した基体は、基体前処理装置に
より基体表面の処理を行う。図1に示す基体前処理装置
は、処理部102と基体搬送機構103よりなってい
る。処理部102は、基体投入台111、基体洗浄槽1
21、純水接触槽131、乾燥槽141、基体搬出台1
51よりなっている。基体洗浄槽121、純水接触槽1
31とも液の温度を一定に保つための温度調節装置(図
示せず)が付いている。搬送機構103は、搬送レール
165と搬送アーム161よりなり、搬送アーム161
は、搬送レール165上に移動する移動機構162、導
電性基体101を保持するチャッキング機構163およ
びこのチャッキング機構163を上下させるためのエア
ーシリンダー164よりなっている。
【0039】切削後、基体投入台111上に置かれた導
電導電性基体101は、基体搬送機構103により洗浄
槽121に搬送される。基体洗浄槽121中の界面活性
剤水溶液122中でフェライト振動子123よりなる超
音波発振器より発振された周波数60kHz、出力40
0Wの超音波により表面に付着している切削油および切
り粉の洗浄が行われる。
【0040】次に基体101は、基体搬送機構103に
より純粋接触槽131へ運ばれ、25℃の温度に保たれ
た抵抗率15MΩ-cmの純水をノズル132から50k
g・f/cm2の圧力で吹き付けられる。純水接触工程
の終った基体101は搬送機構132により乾燥槽14
1へ移送され、ノズル142から高温の高圧空気を吹き
付けられ乾燥される。
【0041】乾燥工程の終了した基体101は、基体搬
送機構103により基体搬出台151に運ばれる。
【0042】次にこれらの切削加工および前処理の終了
した基体上に図2(a),(b)に示すプラズマCVD
法による光導電部材堆積膜の形成装置により、アモルフ
ァスシリコンを主体とした堆積膜を形成する。
【0043】図2(a)、(b)において、堆積膜形成
用の反応容器201は、真空機密化構造をなしている。
また、マイクロ波導入誘電体窓202は、マイクロ波電
力を反応容器201内に効率よく透過し、かつ真空気密
を保持し得るような材料(例えば石英ガラス、アルミナ
セラミックス等)で形成されている。マイクロ波電力の
伝送を行なう導波管203は、マイクロ波電源(図示せ
ず)から反応容器近傍までの矩形の部分と、反応容器2
01に挿入された円筒形の部分からなっている。導波管
203はスタブチューナ(図示せず)、アイソレーター
(図示せず)とともにマイクロ波電源(図示せず)に接
続されている。誘電体窓202は、反応容器内の雰囲気
を保持するために導波管203の円筒形の開口部分で反
応容器201の内壁に気密封止されている。排気管20
4は一端が反応容器201に開口し、他端が排気装置
(図示せず)に連通している。放電空間206は導電性
基体205により囲まれた空間である。電源211はバ
イアス印加用の電極212に直流電圧を印加するための
直流電源(バイアス電源)であり、電極212に電気的
に接続されている。
【0044】こうした堆積膜形成装置を使用した電子写
真感光体の製造は以下のようにして行う。まず真空ポン
プ(図示せず)により排気管204を介して、反応容器
201内を排気し、反応容器201内の圧力を1×10
-7torr以下に調整する。ついでヒーター207によ
り、導電性基体205の温度を所定の温度に加熱保持す
る。その後原料ガスを不図示のガス導入手段を介して、
アモルファスシリコンの原料ガスとしてシランガス、ド
ーピングガスとしてジボランガス、希釈ガスとしてヘリ
ウムガス等の原料ガスが反応容器201内に導入する。
それと同時併行的にマイクロ波電源(図示せず)により
周波数2.45GHzのマイクロ波を発生させ、これを
導波管203を通じ、マイクロ波導入誘電体窓202を
介して反応容器201内に導入する。さらに放電空間2
06中の電極212に電気的に接続された電源211は
よりバイアス電極212に基体205に対して直流電圧
を印加する。かくして基体205により囲まれた放電空
間206において、原料ガスはマイクロ波のエネルギー
により励起されて解離し、さらに電極212と基体20
5の間の電界により定常的に基体205上にイオン衝撃
を受けながら、基体205表面に堆積膜が形成される。
この時、基体205が設置された回転軸209をモータ
ー210により回転させ、基体205を基体母線方向中
心軸の回りに回転させることにより、基体205全周に
渡って均一に堆積膜層を形成する。
【0045】本発明において、洗浄工程に使用される洗
浄液は、水系の洗浄液、例えば水または水に界面活性剤
を添加したものが望ましい。
【0046】本発明において、洗浄に使用される界面活
性剤添加前の水の水質は、いずれでも可能であるが、特
に半導体グレードの純水が望ましい。具体的には、水温
25℃の時の抵抗率として、下限値は1MΩ-cm 以上、
好ましくは5MΩ-cm 以上、最適には11MΩ-cm 以上
が本発明には適している。上限値は理論抵抗値(18.
25MΩ-cm )までの何れの値でも可能であるが、コス
ト、生産性の面から18.2MΩ-cm 以下、好ましくは
18.0MΩ-cm 以下、最適には17.8MΩ-cm 以下
が本発明には適している。微粒子量としては、0.2μ
m以上が1ミリリットル中に10000個以下、好まし
くは1000個以下、最適には100個以下が本発明に
は適している。微粒子量としては、総生菌数が1ミリリ
ットル中に100個以下、好ましくは10個以下、最適
には1個以下が本発明には適している。有機物量(TO
C)は、1リットル中に10mg以下、好ましくは1m
g以下、最適には0.2mg以下が本発明には適してい
る。
【0047】上記の水質の水を得る方法としては、活性
炭法、蒸留法、イオン交換法、フィルター濾過法、逆浸
透法、紫外線殺菌法等があるが、これらの方法を複数組
み合わせて用い、要求される水質まで高めることが望ま
しい。
【0048】水の温度は、高すぎると基体上に酸化皮膜
が発生してしまい、堆積膜の剥れ等の原因となる。ま
た、低すぎると洗浄効果が小さく、さらに本発明の効果
が充分得られない。このため、水の温度としては、10
℃以上、90℃以下、好ましくは20℃以上、75℃以
下、最適には30℃以上、55℃以下が本発明には適し
ている。
【0049】本発明において洗浄工程で用いられる界面
活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、
非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの
混合したもの等、いずれのものでも可能である。またト
リポリリン酸ナトリウム等の添加剤を添加しても本発明
は有効である。
【0050】本発明において洗浄工程に超音波を用いる
ことは本発明の効果を出す上で特に重要である。超音波
に発振器としてはフェライト等の磁歪振動子などが用い
られる。洗浄槽に超音波を入力する方法としては、この
ような振動子を洗浄槽の液中に配置する方法、洗浄槽の
底または壁面に接着する方法、または、近くに設置した
振動子からホーンによって超音波を洗浄槽に伝える方法
等がある。また、一つの洗浄槽に同時に複数の振動子を
用いることは、出力の調整や洗浄効果の均一化のために
効果的である。超音波の周波数は、比較的低周波領域
で、キャビテーションの作用が強く、洗浄の効果が大き
いため従来多く用いられてきたが、本発明においては、
基体表面に物理的なダメージを与え、むらやしみの低減
の効果が小さくなるため好ましくない。また、比較的高
周波領域は、本発明においては洗浄の効果が低いため実
際的ではない。具体的には、好ましくは20kHz以
上、10MHz以下、さらに好ましくは35kHz以
上、5MHz以下、最適には50kHz以上、1MHz
以下が効果的である。超音波の出力は、好ましくは0.
1W/リットル以上、500W/リットル以下、さらに
好ましくは1W/リットル以上、100W/リットル以
下が効果的である。
【0051】本発明において、純水接触工程に使用され
る水の性質は、非常に重要であり半導体グレードの純
水、特に超LSIグレードの超純水が望ましい。具体的
には、水温25℃の時の抵抗率として下限値は11MΩ
-cm以上、好ましくは13MΩ-cm以上、最適には15M
Ω-cm以上が本発明には適している。特に抵抗値が10
MΩ-cm以下では本発明の効果はほとんど認められなく
なる。抵抗値の上限は理論抵抗値(1825M
Ω-cm)までの何れの値でも可能であるが、コスト、生
産性の面から18.2MΩ-cm以下、好ましくは18.
2MΩ-cm以下、最適には17.8MΩ-cm以下が本発明
には適している。微粒子量としては、0.2μm以上が
11ミリリットル中に10000個以下、好ましくは1
000個以下、最適には100個以下が本発明には適し
ている。微粒子量としては、総生菌数が1ミリリットル
中に100個以下、好ましくは10個以下、最適には1
個以下が本発明には適している。有機物量(TOC)
は、1リットル中に10mg以下、好ましくは1mg以
下、最適には0.2mg以下が本発明には適している。
【0052】上記の水質の純水を得る方法としては、活
性炭法、蒸留法、イオン交換法、フィルター濾過法、逆
浸透法、紫外線殺菌法等があるが、これらの方法を複数
組み合わせて用い、要求される水質まで高めることが望
ましい。
【0053】基体表面に純水接触させるときは、水圧を
掛けて吹き付けることが望ましい。吹き付ける際の純水
の圧力は、弱すぎると本発明の効果が小さいものとな
り、強すぎると得られる電子写真感光体の画像上、特に
ハーフトーンの画像上で梨肌状の模様が発生してしま
う。このため、純水の圧力としては、1kg・f/cm
2以上、300kg・f/cm2 以下、好ましくは5k
g・f/cm2 以上、200kg・f/cm2 以下、最
適には10kg・f/cm2 以上、150kg・f/c
2 以下が本発明には適している。ただし、本発明にお
ける圧力単位kg・f/cm2 は、重力キログラム毎平
方センチメートルを意味し、1kg・f/cm2 は98
066.5Paと等しい。
【0054】純水を吹き付ける方法には、ポンプにより
高圧化した純水のノズルから吹き付ける方法、または、
ポンプを汲み上げた純水を高圧空気とノズルの手順で混
合して、空気の圧力により吹き付ける方法等がある。
【0055】純水の流量としては、発明の効果と、経済
性から、基体1本当り1リットル/分以上、200リッ
トル/分以下、好ましくは2リットル/分以上、100
リットル/分以下、最適には5リットル/分以上、50
リットル/分以下が本発明には適している。
【0056】純水の温度は、高すぎると基体上に酸化皮
膜が発生してしまい堆積膜の剥れ等の原因となる、さら
に本発明の効果が充分に得られない。また、低すぎると
やはり本発明の効果が充分に得られない。このため、純
水の温度としては、5℃以上、90℃以下、好ましくは
10℃以上、50℃以下、最適には15℃以上、40℃
以下が本発明には適している。
【0057】純水接触処理の処理時間は、長すぎると基
体上に酸化皮膜が発生してしまい、低すぎると本発明の
効果が小さいため、10秒以上、30分以下、好ましく
は20秒以上、20分以下、最適には30秒以上、10
分以下が本発明には適している。
【0058】本発明において、堆積膜形成ときの基体表
面の酸化皮膜等の影響を取り除くために、堆積膜形成の
直前に基体表面の切削を行うことは重要なことである。
【0059】切削から純水接触処理までの時間は、長す
ぎると基体上に再び酸化皮膜が発生してしまい、短すぎ
ると工程が安定しないため、1分以上、16時間以下、
好ましくは2分以上、8時間以下、最適には3分以上、
4時間以下が本発明には適している。
【0060】純水接触処理から堆積膜形成装置へ投入す
るまでの時間は、長すぎると本発明の効果が小さくなっ
てしまし、短すぎると工程が安定しないため、1分以
上、8時間以下、好ましくは2分以上、4時間以下、最
適には3分以上、2時間以下が本発明には適している。
【0061】堆積膜を形成するための基体材料として
は、表面が金属であれば本発明は可能であり、例えば、
ステンレス、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、T
e、V、Ti、Pt、Pd、Fe等が有効であるが、特
にアルミニウムの場合顕著な効果が認められる。基体材
料としてはアルミニウムを用いる場合、切削性を上げる
ために1重量%〜10重量%のマグネシウム(Mg)を
含有させることが好ましい。さらに、マグネシウムの含
有前のアルミニウム純度としては95重量%以上、最適
には99重量%以上が効果的である。
【0062】基体は任意の形状を有し得るが、特に円筒
形のものが本発明に最適である。基体の大きさには特に
制限はないが、実用的には直径20mm以上、500m
m以下、長さ10mm以上、1000mm以下が好まし
い。
【0063】本発明で使用される堆積膜の原料ガスとし
ては、シラン(SiH4 )、ジシラン(Si26 )、
四弗化珪素(SiF4 )、六弗化二珪素(Si24
等のアモルファスシリコン形成材料ガスまたはそれらの
混合ガスが挙げられる。
【0064】希釈ガスとしては水素(H2 )、アルゴン
(Ar)、ヘリウム(He)等が挙げられる。
【0065】また、堆積膜のバンドキャップ幅を変化さ
せる等の特性改善ガスとして、窒素(N2 )、アンモニ
ウム(NH3 )等の窒素原子を含む元素、酸素(O
2 )、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2 )、酸
化二窒素(N2 O)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素
(CO2 )等酸素原子を含む元素、メタン(CH4 )、
エタン(C26 )、エチレン(C24 )、アセチレ
ン(C22 )、プロパン(C38 )等の炭化水素、
四弗化ゲルマニウム(GeF4 )、弗素窒素(NF3
等の弗素化合物またはこれらの混合ガスが挙げられる。
【0066】また、本発明においては、ドーピングを目
的としてジボラン(B26 )、フッ化ほう素(BF
3 )、ホスフィン(PH3 )等のドーバンドガスを同時
に放電空間に導入しても本発明は同様に有効である。
【0067】本発明の電子写真感光体では、基体上に堆
積した堆積膜の総膜厚はいずれでもよいが、5μm以
上、100μm以下、さらに好ましくは10μm以上、
70μm以下、最適には15μm以上、50μm以下に
おいて、電子写真感光体として特に良好な画像を得るこ
とができた。
【0068】本発明では、堆積膜の堆積中の放電空間の
圧力がいずれの領域でも効果が認められたが、特に0.
5mtorr以上、100mtorr以下、好ましくは
1mtorr以上、50mtorr以下において、放電
の安定性および堆積膜の均一性の面で特に良好な結果が
再現性良く得られた。
【0069】本発明において、堆積膜の堆積時の基体温
度は、100℃以上、500℃以下の範囲で有効である
が、特に150℃以上、450℃以下、好ましくは20
0℃以上、400℃以下、最適には250℃以上、35
0℃以下において著しい効果が確認された。
【0070】本発明において、基体の加熱手段として
は、真空仕様の発熱体であればよく、より具体的にはシ
ース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セ
ラミックスヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲンラン
プ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、液体、気体
等を温媒とし熱交換手段による発熱体等が挙げられる。
加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッケル、アルミ
ニウム、銅等の金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹
脂等を使用することができる。また、それ以外にも、反
応容器とは別に加熱専用の容器を設け、加熱した後、反
応容器内に真空中で基体を搬送する等の方法も使用する
ことができる。以上の手段を単独にまたは併用して用い
ることが本発明では可能である。
【0071】本発明において、プラズマを発生させるエ
ネルギーは、DC、高周波、マイクロ波等のいずれでも
可能であるが、特にプラズマの発生のエネルギーにマイ
クロ波を用いた場合に、吸着した水分にマイクロ波が吸
収され、界面の変化がより顕著なものとなるため、本発
明の効果がより顕著なものとなる。
【0072】本発明において、プラズマ発生のためにマ
イクロ波を用いる場合、マイクロ波電力は、放電を発生
させることができればいずれでも良いが、100W以
上、10kW以下、好ましくは500W以上、4kW以
下が本発明を実施するに当たり適当である。
【0073】本発明において、堆積膜形成中に放電空間
に電圧(バイアス電圧)を印加することは有効であり、
少なくとも基体に陽イオンが衝突する方向に電界が掛か
ることが好ましい。バイアスを全く掛けない場合、本発
明の効果は著しく低減してしまうため、DC成分の電圧
が1V以上、500V以下、好ましくは5V以上、10
0V以下であるバイアス電圧を堆積膜形成中に印加する
ことが、本発明の効果を得るためには望ましい。
【0074】本発明において、反応容器内に誘電体窓を
用いてマイクロ波導入する場合、誘電体窓の材質として
アルミナ(Al23 )、窒化アルミニウム(Al
N)、窒化ボロン(BN)、窒化珪素(SiN)、炭化
珪素(SiC)、酸化珪素(SiO2 )、酸化ベリリウ
ム(BeO)、テフロン、ポリスチレン等マイクロ波の
損失の少ない材料が通常使用される。
【0075】複数の基体で放電空間を取り囲む構成の堆
積膜形成方法においては基体の間隔は1mm以上、50
mm以下が好ましい。基体の数は放電空間を形成できる
ならばいずれでも良いが3本以上、より好ましくは4本
以上が適当である。
【0076】本発明は、いずれの電子写真感光体製造方
法にも適用が可能であるが、特に、放電空間を取り囲む
ように基体を設け、少なくとも基体の一端側から導波管
によりマイクロ波を導入する構成により堆積膜を形成す
る場合大きな効果がある。
【0077】図6に本発明の方法で製造される電子写真
感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成
例を示す。
【0078】図において、像担持体としての電子写真感
光体601は、軸601aを中心として矢印方向に所定
の周速で回転駆動される。この電子写真感光体601
は、その回転過程で帯電手段602によりその周面に正
または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部に
よって不図示の像露光手段により光像露光L(スリット
露光、レーザービーム走査露光など)を受ける。これに
より感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成
されていく。
【0079】この静電潜像は次いで現像手段604でト
ナー現像され、トナー現像像が転写手段605により、
不図示の給紙部から感光体601と転写手段605との
間に感光体601の回転と同期取りされた転写材Pの表
面に順次転写されていく。
【0080】像転写を受けた転写材Pは、感光体面から
分離されて像定着手段608へ導入され、ここで像定着
を受けたのち複写物(コピー)として機外へプリントア
ウトされる。
【0081】像転写後の感光体601の表面は、クリー
ニング手段606による転写残りトナーの除去を受けて
清浄面化され、さらに前露光手段607により除電処理
されたのち、繰り返して像形成に使用される。
【0082】感光体601の帯電手段602としては、
コロナ帯電装置が一般に広く使用されている。また転写
手段605にもコロナ帯電装置が一般に広く使用されて
いる。電子写真装置として、上述の感光体や現像手段、
クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを
装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニッ
トを装置本体に対して着脱自在の構成にしてもよい。こ
の場合、上記の装置ユニットの方に帯電手段および(ま
たは)現像手段を伴って構成しても良い。
【0083】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンタとして使用する場合には、原稿からの反射光や透
過光であってもよく、あるいは原稿を読みとって信号化
した信号によるレーザービームの走査、LEDアレーの
駆動、または液晶シャッターアレイの駆動などによって
得られるものであってもよい。
【0084】電子写真装置をファクシミリのプリンター
として使用する場合には、光像露光Lは受信データをプ
リントするための露光になる。図7はこの場合の1例を
ブロック図で示したものである。
【0085】コントローラ711は画像読取部710と
プリンター719を制御する。コントローラ711全体
はCPU717により制御されている。画像読取部71
0からの読取データは、送信回路713を通して相手局
に送信される。相手局から受けたデータは受信回路71
2を通してプリンター719に送られる。画像メモリ7
16には所定の画像データが記憶される。プリンタコン
トローラ718はプリンター719を制御している。7
14は電話である。
【0086】回線715から受信された画像情報(回線
を会して接続されたリモート端子からの画像情報)は、
受信回路712で復調された後、CPU717で復号処
理が行われ、順次画像メモリ716に格納されると、そ
のページの画像記録を行う。CPU717は、メモリ7
16より1ページ分の画像情報を読み出し、プリンタコ
ントローラ718に復号された1ページの画像情報を送
出する。プリンタコントローラ718は、CPU717
から1ページの画像情報を受け取ると、そのページの画
像情報記録を行うようにプリンターを制御する。
【0087】なお、CPU717は、プリンター719
による記録中に、次のページの画像情報を受信してい
る。
【0088】以上のようにして、画像の受信と記録が行
われる。
【0089】本発明の方法で製造された電子写真感光体
は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービ
ームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンタ
ー、液晶プリンター、レーザー製版機などの電子写真応
用分野にも広く用いることができる。
【0090】以下、本発明の効果を、実験例を用いて具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。
【0091】実験例1 純度99.5%のアルミニウムよりなる直径108m
m、長さ358mm、肉厚5mmの円筒状基体を用い
て、前述の本発明による電子写真感光体の製造方法の手
順の一例と同様の手順で表面の切削を行い、切削工程終
了15分後に図1に示す表面処理装置により、表1に示
す条件により基体表面の前処理を行った。ただし、本実
験例では界面活性剤としてはポリエチレングリコールノ
ニルフェニルエーテルを1重量%水溶液として用いた。
【0092】
【表1】 さらにその後、図2(a),(b)に示す堆積膜形成装
置を用い、表2の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜の形成を行い、図4に示すアルミニウム製の
基体401、電荷注入阻止層402、光導電層403お
よび表面層404が順次積層された層構成の阻止型電子
写真感光体を作製した。
【0093】
【表2】 本実験例では、洗浄工程での超音波の出力を変え、アモ
ルファスシリコン電子写真感光体を作製した。ただし、
洗浄槽としてはステンレス容器にπ型フェライト振動子
を接触したものを用いた。また、高出力の実験を行う場
合は各振動子の出力を上げると同時に必要に応じて設置
した振動子の数を増やしていった。また、本実験例にお
いて、洗浄液の量は100リットルとした。
【0094】このようにして作成した電子写真感光体の
電子写真的特性の評価を以下のようにして行った。作成
した電子写真感光体をキヤノン社製複写機、NP755
0を実験用に改造した複写装置にいれ、帯電器に6kVの
電圧を印加してコロナ帯電を行い、通常の複写プロセス
により複写紙上に画像を作製し、下の手順により画像性
の評価を行った。このようにして同一作製条件で製造し
た電子写真感光体を各10本づつ評価し、評価結果を表
3に示した。
【0095】
【表3】 画像むらの評価 A3方眼紙(コクヨ社製)を複写機の原稿台に置き、複
写機の絞りを変えることにより原稿の露光量を、グラフ
の線で辛うじて認められる程度から白地の部分がかぶり
始める程度迄の範囲の画像が得られるように変え、濃度
の異なる10枚のコピーを出力した。
【0096】これらの画像を目より40cm離れたとこ
ろで観察して、濃度の違いが認められるか調べ、以下の
基準で評価を行った。
【0097】◎ ・・・・ いずれのコピー上にも画像むらは
認められない。
【0098】○ ・・・・ 画像むらは認められるコピーと認
められないコピーがある。しかし、いずれも軽微であり
全く問題無い。
【0099】△ ・・・・ いずれのコピー上にも画像むらが
認められる。しかし、大部分の画像むらは程度が軽微で
あり実用上支障ない。
【0100】× ・・・・ 全数のコピー上に大きな画像むら
が認められる。
【0101】白しみの評価 全面ハーフトーンの原稿を複写機の原稿台に置きコピー
した時に得られた画像の平均濃度が0.4±0.1にな
るように画像を出力した。
【0102】これらの画像を目より40cm離れたとこ
ろで観察して、白しみが認められるか調べ、以下の基準
で評価を行った。
【0103】◎ ・・・・ いずれのコピー上にも白しみは認
められない。
【0104】○ ・・・・ わずかに白しみが認められるもの
があった。しかし、いずれも軽微であり全く問題無い。
【0105】△ ・・・・ いずれのコピー上にも白しみが認
められる。しかし、大部分の白しみは程度が軽微であり
実用上支障ない。
【0106】× ・・・・ 全数のコピー上に大きな白しみが
認められる。
【0107】比較実験例 実験例1と同様の基体を同様の手順で切削した。切削が
終了した基体は、図8に示す従来の基体表面洗浄装置に
より表4の条件で基体表面の処理を行った。図8に示す
基体洗浄装置は、処理槽802と基体搬送機構803よ
りなっている。処理槽802は、基体投入台811、基
体洗浄槽821、基本搬出台851よりなっている。洗
浄槽821は液の温度を一定に保つための温度調節装置
(図示せず)が付いている。搬送機構803は、搬送レ
ール865と搬送アーム861よりなり、搬送アーム8
61は、搬送レール865上を移動する移動機構86
2、基体801を保持するチャッキング機構863、お
よびこのチャッキング機構863を上下させるためのエ
アーシリンダー864よりなっている。
【0108】
【表4】 切削後、投入台811に置かれた基体801は、搬送機
構803により洗浄槽821に搬送される。洗浄槽82
1中の主としてトリクロルエタン(商品名:エターナV
G 旭化成工業社製)よりなる洗浄液822により表面
に付着している切削油および切り粉を除去するための洗
浄が行われる。
【0109】洗浄後、基体801は、搬送機構803に
より搬出台851に運ばれる。
【0110】さらにその後、図2(a),(b)に示す
堆積膜形成装置を用い、表2の条件で、基体上に、アモ
ルファスシリコン堆積膜の形成を行い、実験例1と同様
に、図4に示す層構成の阻止型電子写真感光体を作製し
た。
【0111】このようにして作成した電子写真感光体を
実験例1と同様の方法で評価した結果を比較実験例とし
て同じく表3に示す。表3により明らかなように、本発
明による電子写真感光体製造方法で作製した電子写真感
光体は、洗浄工程の時の超音波の出力が0.1W/リッ
トル以上、500W/リットル以下の範囲で画像むらお
よび白しみについて非常に良好な結果が得られた。
【0112】実験例2 実験例1と同様の基体を同様の手順で切削後、切削工程
終了後15分後に図1に示す表面処理装置により、表5
に示す条件により基体表面の前処理を行った。
【0113】
【表5】 さらにその後、図2(a),(b)に示す堆積膜形成装
置を用い、表2の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜の形成を行い、実験例1と同様に、図4に示
す層構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0114】本実験例では、洗浄工程の時の超音波の周
波数を変え得られた電子写真感光体について実験例1と
同様の評価を行った。このようにして得られた結果を表
6に示す。表6により明らかなように、本発明による電
子写真感光体製造方法で作製した電子写真感光体は、洗
浄工程の時の超音波の周波数を20kHz以上、10M
Hz以下の範囲で画像むらおよび白しみについて非常に
良好な結果が得られた。
【表6】 実験例3 実験例1と同様の基体を同様の手順で切削後、切削工程
終了後15分後に図1に示す表面処理装置により、表7
に示す条件により基体表面の前処理を行った。
【0115】
【表7】 さらにその後、図2(a),(b)に示す堆積膜形成装
置を用い、表2の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成の阻止型電
子写真感光体を作製した。
【0116】本実験例では、純水接触工程の時の水温を
変え得られた電子写真感光体について外観を目視検査す
ることにより膜剥れを評価し、続いてキヤノン社製複写
機NP7550改造機に入れ、実験例1と同様の手順で
画像むらの評価を行った。このようにして得られた結果
を表8に示す。
【0117】また比較実験例で作製した電子写真感光体
も同様の評価を行い表8に比較実験例として同時に示
す。
【0118】
【表8】 膜剥れの評価 同一の作製条件で作製された電子写真感光体10本の表
面全面を目視により観察し、堆積膜の剥れについて以下
の基準で評価した。
【0119】◎ ・・・・ いずれの感光体も堆積膜の剥れは
全く認められなかった。
【0120】○ ・・・・ 端部にわずかに剥れが認められる
ものがあった。
【0121】△ ・・・・ いずれの感光体にも剥れが認めら
れたが、いずれも非画像領域であり実用上支障ない。
【0122】× ・・・・ 大きな剥れが認められた。
【0123】表8より明らかなように、純水接触工程の
水温が5℃以上、90℃以下のとき本発明の電子写真感
光体製造方法により作製した電子写真感光体は画像性に
ついて非常に良好な結果が得られた。
【0124】実験例4 実験例1と同様の基体を同様の手順で切削後、切削工程
終了後15分後に図1に示す表面処理装置により、表9
に示す条件により基体表面の前処理を行った。
【0125】
【表9】 さらにその後、図2(a),(b)に示す堆積膜形成装
置を用い、表2の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成の阻止型電
子写真感光体を作製した。
【0126】本実験例では、純水接触工程時に使用する
純水の水質(抵抗率)を変化させ電子写真感光体を作製
した。こうして得られた電子写真感光体をキヤノン社製
複写機NP7550改造機に入れ、実験例1と同様の手
順で画像むらと白むらの評価を行った。評価としては同
一の作製条件で作製した電子写真感光体を各10本づつ
評価し、得られた評価結果を表10に示す。
【0127】
【表10】 また比較実験例で作製した電子写真感光体も同様の評価
を行い表11に比較実験例として同時に示す。
【0128】表10より明らかなように、純水接触工程
で使用する純水の抵抗率が10Ω-c m 以上のとき本発明
の電子写真感光体製造方法により作製した電子写真感光
体は画像性について非常に良好な結果が得られた。
【0129】実験例5 実験例1と同様の基体を同様の手順で切削後、切削工程
終了後15分後に図1に示す表面処理装置により、表1
1に示す条件により基体表面の前処理を行った。
【0130】
【表11】 さらにその後、図2(a),(b)に示す堆積膜形成装
置を用い、表2の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成の阻止型電
子写真感光体を作製した。
【0131】本実験例では、純水接触工程時に純水の吹
き付け圧力を変化させ電子写真感光体を作製した。こう
して得られた電子写真感光体をキヤノン社製複写機NP
7550改造機にいれ、実験例1と同様の手順で画像む
らと、以下の手順で梨肌状模様の評価を行った。評価と
しては同一の作製条件で作製した電子写真感光体を各1
0本づつ評価し、得られた評価結果を表12に示す。
【0132】また比較実験例で作製した電子写真感光体
も同様の評価を行い表12に比較実験例として同時に示
す。
【0133】
【表12】 梨肌状模様の評価 全面ハーフトーンの現行を複写機の原稿台に置きコピー
した時に得られた画像の平均濃度が0.4±0.1にな
るように露光量を調節して画像を出力した。
【0134】これらの画像の目より40cm離れたとこ
ろで観察して、梨肌状模様が認められるか調べ、以下の
基準で評価を行った。
【0135】◎ ・・・・ いずれのコピー上にも梨肌状模様
は認められない。
【0136】○ ・・・・ わずかに梨肌状模様が認められる
ものがあった。しかし程度は軽微であり全く問題無し。
【0137】△ ・・・・ いずれのコピー上にも梨肌状模様
が認められる。しかし大部分の物は程度が軽微であり実
用上支障ない。
【0138】× ・・・・ 全数のコピー上に大きな梨肌状模
様が認められる。
【0139】表12より明らかなように、純水接触工程
で1kg・f/cm2 以上、300kg・f/cm2
下のとき本発明の電子写真感光体製造方法により作製し
た電子写真感光体は画像性について非常に良好な結果が
得られた。
【0140】
【実施例】以上の実験例により本発明の構成が決定され
た。次に、本発明の実施例および比較例によりさらに具
体的に説明する。
【0141】実施例1 純度99.5%のアルミニウムよりなる直径108m
m、長さ358mm、肉厚5mmの円筒状基体を用い
て、前述の本発明による電子写真感光体の製造方法の手
順の一例と同様の手順で表面の切削を行い、切削工程終
了15分後に図1に示す表面処理装置により、表13に
示す条件により基体表面の前処理を行った。
【0142】
【表13】 さらにその後、図2(a),(b)に示す堆積膜形成装
置を用い、表2の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成の阻止型電
子写真感光体を作製した。
【0143】このようにして作成した電子写真感光体の
電子写真的特性の評価を以下のようにして行った。ただ
し、同一成膜条件で作製した感光体を各10本づつ評価
を行った。
【0144】作成した電子写真感光体を目視により膜は
がれを観察し評価した後、キヤノン社製複写機NP75
50を実験用に改造した複写装置にいれ、通常の複写プ
ロセスにより複写紙上に画像を作製し、画像性の評価を
行った。ただし、この時、帯電器に6kVの電圧を印加
してコロナ帯電を行った。これらの評価結果を「本実施
例」として表14に示した。
【0145】
【表14】 画像むらの評価 実験例1と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0146】白しみの評価 実験例1と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0147】膜剥れ評価 実験例2と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0148】梨肌状模様の評価 実験例4と同様の手順で同様の評価基準により行った。
【0149】白ポチの評価 黒原稿を原稿台に置いてコピーした時に得られた画像サ
ンプルの同一面積内にある白点の数により評価を行っ
た。
【0150】◎ ・・・・ 良好 ○ ・・・・ 一部小さい白点有り △ ・・・・ 全面に白点があるが文字の認識には支障無し × ・・・・ 文字が読みにくい程白点が多い 白地かぶりの評価 白地の全面文字よりなる通常の原稿を原稿台に置いてコ
ピーした時に得られた画像サンプルを観察し、白地のか
ぶりを評価した。
【0151】◎ ・・・・ 良好 ○ ・・・・ 一部僅かにかぶりあり △ ・・・・ 全面に渡りかぶりがあるが文字の認識には支障
無し × ・・・・ 文字が読みにくい程かぶりがある 比較例1 実施例1と同様の基体を同様の手順で切削後、図8に示
す従来の基体表面の洗浄装置を用い、従来の方法に従っ
て、表4に示す条件により基体表面の洗浄を行った。
【0152】さらにその後、図3に示す堆積膜形成装置
を用い、表15の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜を形成し、実施例1と同様に、図4に示す層
構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0153】このようにして作成した電子写真感光体に
ついて実施例1と同様の評価を行い、結果を「従来例
1」として表14に示す。
【0154】
【表15】 比較例2 実施例1と同様の基体を同様の手順で切削後、図9に示
す従来の基体表面の洗浄装置を用いて、基体表面の洗浄
を行った。図9に示す基体洗浄装置は、基体901を固
定し回転させるための回転軸902、基体901に洗浄
液905を噴出するための噴射器903、ノズル904
からなっている。
【0155】本比較例ではこの洗浄装置を用い、従来の
方法に従って、表16に示す条件による基体表面の洗浄
を行った。
【0156】さらにその後、図3に示す堆積膜形成装置
を用い、表15の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜を形成し、実施例1と同様に、図4に示す層
構成の阻止型電子写真感光体を作製した。
【0157】このようにして作成した電子写真感光体に
ついて実施例1と同様の評価を行い、結果を「従来例
2」として表14に示す。
【0158】
【表16】 本発明の電子写真感光体製造方法により作製した電子写
真感光体は従来の方法により作製した電子写真感光体に
比べ表に示されるいずれの項目においても非常に良好な
結果が得られた。
【0159】実施例2 実施例1とは電子写真感光体の層構成を変え、本発明の
電子写真感光体製造方法により電子写真感光体を製造し
た。実施例1と同様の基体を同様の手順で切削後、切削
工程終了後15分後に図1に示す表面処理装置を用い
て、表11に示す条件により基体表面の前処理を行っ
た。
【0160】さらにその後、図2(a),(b)に示す
堆積膜形成装置を用い、表17の条件で、基体上に、ア
モルファスシリコン堆積膜の形成を行い、図5に示すア
ルミニウム製の基体501、赤外線吸収層505、電荷
注入阻止層502、光導電層503および表面層504
が順次積層された層構成の阻止型電子写真感光体を作製
した。
【0161】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果、本実施例におい
ても、本発明の電子写真感光体製造方法で製造した電子
写真感光体は、実施例1と同様、いずれの項目でも非常
に良好な結果が得られた。
【0162】
【表17】 実施例3 実施例1と同様の基体を同様の手順で切削後、切削工程
終了後15分後に図1に示す表面処理装置により、表1
3に示す条件により基体表面の処理を行った。
【0163】さらにその後、図3に示すグロー放電分解
法による光導電部材の堆積膜形成装置を用い、表15の
条件で、以下に示す手順に従い、基体上に、アモルファ
スシリコン堆積膜を形成し、図4に示す層構成の阻止型
電子写真感光体を作製した。図3において反応容器30
1は、ベースプレート302と壁303とトッププレー
ト304から構成され、この反応容器301内には、カ
ソード電極305が設けられており、アモルファスシリ
コン堆積膜が形成される基体306はカソード電極30
5の中央部に設置され、アノード電極も兼ねている。
【0164】この堆積膜形成装置を使用してアモルファ
スシリコン堆積膜を基体306上に形成するには、ま
ず、原料ガス流入バルブ307およびリークバルブ30
8を閉じ、排気バルブ309を開け、反応容器301内
を排気する。真空計310の読みが約5×10-6tor
rになった時点で原料ガス流入バルブ307を開いてマ
スフローコントローラ311内で所定の混合比で原料ガ
スを調整し、例えばSiH4 ガス等の原料ガスを反応容
器301内に流入させる。そして基体306の表面温度
がヒーター312により所定の温度に設定されているこ
とを確認した後、高周波電源313を所望の電力に設定
して反応容器301内にグロー放電を生起させる。
【0165】また、堆積膜形成を行っている間は、堆積
膜形成の均一化を図るために基体306をモーター31
4により一定速度で回転させる。このようにして基体3
06上に、アモルファスシリコン堆積膜を形成すること
ができる。
【0166】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果、本実施例におい
ても本発明の電子写真感光体製造方法で作成した電子写
真感光体は実施例1と同様いずれの項目でも非常に良好
な結果が得られた。
【0167】実施例4 純度99.5%のアルミニウムよりなる直径108m
m、長さ358mm、肉厚5mmの円筒状基体を用い
て、前述の本発明による電子写真感光体の製造方法の手
順の一例と同様の手順で表面の切削を行い、切削工程終
了15分後に図1に示す表面処理装置により、表18に
示す条件により基体表面の前処理を行った。ただし、本
実施例では洗浄工程で使用する界面活性剤はドデカノー
ル硫酸エステルナトリウム塩を用いた。
【0168】
【表18】 さらにその後、図2(a),(b)に示す堆積膜形成装
置を用い、表2の条件で、基体上に、アモルファスシリ
コン堆積膜の形成を行い、図4に示す層構成の阻止型電
子写真感光体を作製した。
【0169】こうして得られた電子写真感光体を実施例
1と同様の手順で評価した。その結果、本実施例におい
ても、本発明の電子写真感光体製造方法で作成した電子
写真感光体は、実施例1と同様、いずれの項目でも非常
に良好な結果が得られた。
【0170】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
金属製の基体上に機能性膜を形成する膜形成工程を含む
電子写真感光体の製造方法において、水素原子及び弗素
原子の少なくとも一方と珪素原子とを含む非単結晶堆積
膜を、プラズマCVD法により前記基体上に形成する工
程を含む前記膜形成工程の前に、前記基体の表面を所定
の厚さ除去するための切削工程と、この切削後の基体表
面を水系の洗浄液により超音波洗浄する洗浄工程と、洗
浄した基体の表面を純水に接触させる純水接触工程とを
行うようにしたので、均一な高品質の画像を与える電子
写真感光体を安価に、かつ安定して製造することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体製造方法を実施するた
めに使用される前処理装置の一例を示す概略縦断面図で
ある。
【図2】(a)はマイクロ波プラズマCVD法により円
筒状基体上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置の
一例を示す概略縦断面図、(b)は同横断面図である。
【図3】高周波プラズマCVD法により円筒状基体上に
堆積膜を形成するための堆積膜形成装置の一例を示す概
略縦断面図である。
【図4】電子写真感光体の層形成を示す説明図である。
【図5】他の電子写真感光体の層形成を示す説明図であ
る。
【図6】一般的な転写式電子写真装置を示す概略構成図
である。
【図7】図6の電子写真装置をプリンターとして使用し
たファクシミリの一例を示すブロック図である。
【図8】従来の方法において堆積膜形成の前処理として
基体の洗浄を行うための洗浄装置を示す概略的縦断面図
である。
【図9】従来の方法において堆積膜形成の前処理として
基体の洗浄を行うための他の洗浄装置を示す概略的縦断
面図である。
【符号の説明】
101、801、901 基体 102、802 処理槽 902 回転軸 103、803 基体搬送機構 903 噴射器 111、811 基体投入台 121、821 基体洗浄槽 122、822、905 洗浄液 123 フェライト発振子 131 純水接触槽 132、142、904 ノズル 141 乾燥槽 151、851 基体搬出台 161、861 搬送アーム 162、862 移動機構 163、863 チャッキング機構 164、864 エアーシリンダー 165、865 レール 201 反応容器 202 マイクロ波導入窓 203 導波管 204 排気管 205 基体 206 放電空間 207 ヒーター 209 回転軸 210 モーター 211 直流電源 212 バイアス電極 301 反応容器 302 ベースプレート 303 壁 304 トッププレート 305 カソード電極 306 基体 307 原料ガス流入バルブ 308 リークバルブ 309 排気バルブ 310 真空計 311 マスフローコントローラ 312 ヒーター 313 高周波電源 314 モーター 401、501 基体 402、502 電荷注入阻止層 403、503 光導電層 404、504 表面層 505 赤外線吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 竜次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 片桐 宏之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−242749(JP,A) 特開 平4−335356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/08 G03G 5/10

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の基体上に機能性膜を形成する膜
    形成工程を含む電子写真感光体の製造方法において、 水素原子及び弗素原子の少なくとも一方と珪素原子とを
    含む非単結晶堆積膜を、プラズマCVD法により前記基
    体上に形成する工程を含む前記膜形成工程の前に、前記
    基体の表面を所定の厚さ除去するための切削工程と、 切削後の基体表面を水系の洗浄液により超音波洗浄する
    洗浄工程と、 洗浄した基体の表面を純水に接触させる純水接触工程と
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄工程で使用する超音波の周波数
    が、10kHz以上、10MHz以下である請求項1記
    載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記純水接触工程が、抵抗11MΩ-cm
    以上、18.2MΩ-cm以下の純水を使用する工程であ
    る請求項1または2記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記純水接触工程が、0.2μm以上の
    微粒子が1ミリリットル中に10000個以下の純水を
    使用する工程である請求項1から3のいずれか1項に記
    載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記純水接触工程が、1ミリリットル中
    に100個以下の総生菌数の純水を使用する工程である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記純水接触工程が、1ミリリットル中
    に10ミリグラム以下の有機物量の純水を使用する工程
    である請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記純水接触工程は純水を吹き付けて行
    われる請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記純水接触工程における純水の吹き付
    けは1kg・f/cm2以上、300kg・f/cm2
    下の圧力で行われる請求項7記載の電子写真感光体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記純水の流量は前記基体1つ当たり1
    リットル/分以上、200リットル/分以下である請求
    項7又は8記載の電子写真感光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記純水接触工程は、5℃以上、90
    ℃以下の温度の純水を使用して行われる請求項1から9
    のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記純水接触工程は10秒以上、30
    分以下行われる請求項1から10のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記切削から前記純水接触工程までの
    時間は1分以上、16時間以下とされる請求項1から1
    1のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記純水接触工程から堆積膜形成装置
    へ投入するまでの時間は1分以上、8時間以下とされる
    請求項1から12のいずれか1項に記載の電子写真感光
    体の製造方法。
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