JP2001343772A - 電子写真感光体及び装置 - Google Patents

電子写真感光体及び装置

Info

Publication number
JP2001343772A
JP2001343772A JP2000162688A JP2000162688A JP2001343772A JP 2001343772 A JP2001343772 A JP 2001343772A JP 2000162688 A JP2000162688 A JP 2000162688A JP 2000162688 A JP2000162688 A JP 2000162688A JP 2001343772 A JP2001343772 A JP 2001343772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoreceptor
surface roughness
image
range
electrophotographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000162688A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunimasa Kawamura
邦正 河村
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Masaya Kawada
将也 河田
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Hironori Owaki
弘憲 大脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000162688A priority Critical patent/JP2001343772A/ja
Publication of JP2001343772A publication Critical patent/JP2001343772A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニング時のトナー付着を防止して、良
好な画像形成を達成したa-Si感光体並びに画像形成装置
を提供する。具体的には、a-Si膜の微細粗さヒストグラ
ム形状を新規パラメーターとする。 【解決手段】 10μm×10μmの範囲における表面粗さRa
が9nm未満、好ましくは6nm未満の導電性基体上にa-Si膜
を成膜形成し、10μm×10μmの範囲における表面粗さ凹
凸の最も深い点を基準に凹凸高さの度数分布の半値幅
(F.W.H.M.;Full Width at Half Maximum)が70nm〜400nm
の範囲、更に好ましくは90nm〜360nmとすることで従来
は基体を粗すことによって対策していたトナー付着を容
易かつ安定的に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアモルファスSiを
含む光導電層および表面保護層を順次積層してなる感光
体、ならびに本発明の感光体を具備した電子写真装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンターなど
の電子写真装置では、表面に光導電層が設けられた感光
体の外周面をコロナ帯電、ローラ帯電、ファーブラシ帯
電、磁気ブラシ帯電と言った帯電手段で一様に帯電さ
せ、ついで被複写体の被複写像を反射光や変調信号に応
じたレーザーやLEDによる露光をさせることにより前
記感光体の外周面上の静電潜像を形成し、さらに該感光
体上にトナーを付着させることでトナー像を形成し、こ
れを複写用紙などに転写させて複写が行なわれる。
【0003】このようにして電子写真装置で複写を行な
ったのちには、感光体の外周面上にトナーが一部残留す
るため、該残留トナーを除去する必要がある。かかる残
留トナーの除去は、クリーニングブレード、ファーブラ
シ、マグネットブラシ等を用いたクリーニング工程によ
って行なわれるのが一般的である。
【0004】また、近年環境への配慮から、廃トナーの
低減乃至解消を目的にクリーニング装置を省略した電子
写真装置も提案、上市されている。この方式は特開平6
-118 741号公報に開示されているようなブラシ帯
電器の様な直接帯電器でクリーニング工程を兼ねるも
の、特開平10-307 455号公報に開示されている
様な現像器でクリーニング工程を兼ねるもの等がある
が、いずれの方式においてもトナーと感光体表面が摺
擦、除去させる工程を含んでいる。
【0005】しかしながら、近年印刷画像の高画質化の
ために、従来よりも平均粒径の小さいトナーや省エネル
ギーに対応した融点の低いトナーが用いられるようにな
り、上記のクリーニング工程乃至他の工程と同時に進行
させるトナー除去工程においても残留トナーの除去が難
しく、複写を繰り返した結果、該残留トナーが感光体表
面に固着し、画像に黒点乃至白点の画像欠陥が発生する
トナー付着という問題を生じる場合があった。
【0006】上記の問題を解決するための対策として、
特開平9-297 420号公報に開示されているよう
に、アモルファスSiを感光層とした感光体において、
該感光層を成膜形成する導電性基体表面を切削或いは回
転ボールミル装置でもってあらかじめ粗しておく方法が
提案され、表面粗さ計により測定したμmオーダーの表
面粗さの値で規定されている。
【0007】また、特開平8-129 266号公報にお
いては、表面租度Raの値が規定されているが、これは
導電性基体の加工形状を規定するものであり、表面粗さ
計により測定したμmオーダーの表面粗さの値で規定さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
電子写真装置のデジタル化の進展に伴い、単一波長を主
とする光源による潜像形成が主流になりつつある。その
結果、基体をあらかじめ切削しておく前記提案の方法で
は、基体形状に起因し、光導電層への入射露光量に差を
生じ、その結果縞模様が印刷画像上に発生してしまうと
いう問題点があった。
【0009】また、導電性基体の表面をあらかじめ粗し
ておく工程を新たに設けることはコスト高につながる。
逆に、前記縞模様の発生しない範囲の粗さで基体を加工
するとトナー付着を十分に抑制できないことが問題とな
った。
【0010】そこで、本発明者らが鋭意研究を重ねた結
果、トナー付着防止の効果は必ずしも表面粗さ計により
測定したμmオーダーの表面粗さによって決まらず、む
しろアモルファスSi膜固有の微視的な(具体的には数n
mから数十nmオーダー)表面粗さに大きく依存している
ことを見出した。
【0011】したがって本発明は上記知見により完成さ
れたものであり、その目的はクリーニング時のトナー付
着を防止して、良好な画像形成を達成した感光体並びに
画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、次に示す条件の
下でトナー付着を抑制できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、導電性基体上に少な
くともアモルファスSiを含む光導電層および表面保護
層を順次積層してなる感光体において、前記感光体の1
0μm×10μmの範囲における表面粗さ凹凸の最も深
い点、別の表現では低い点を基準に凹凸高さの度数分布
の半値幅(F.W.H.M.;FullWidth at Half Maxi
mum)が70nm〜400nmの範囲、好ましくは90n
m〜360nmの範囲にあることを特徴とする電子写真
感光体についてのものである。
【0014】また、前記記載の感光体を具備すること、
好ましくは、単一波長を主とする光源により画像形成が
なされることを特徴とする電子写真装置についてのもの
である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における微視的な表面粗さ
とは、原子間力顕微鏡(AFM)[Quesant 社製 Q-Sco
pe 250]を用いて測定した表面粗さRaの値を指し、
微視的な表面粗さを高い精度で再現性良く測定するため
には、10μm×10μmの測定範囲で、かつサンプル
の曲率傾き(tilt)による誤差を避けるように測定した結
果であることが望ましい。具体的には、Quesant 社製
Q-scope 250のTilt Removalモードにより、試料
のAFM像の持つ曲率を放物線にフィットさせた後、平
坦化する補正(Parabolic)があげられる。電子写真感光
体は一般に円筒形状を取っており好適な手法である。
【0016】更に、像に傾きが残る場合には、傾きを除
去する補正(Line by line)を行なう。この様に、デー
タに歪みを生じさせない範囲でサンプルの傾きを適宜補
正することが可能である。
【0017】こうして測定された導電性基体の10μm
×10μmの範囲における表面粗さRaは9nm未満、好
ましくは6nm未満となるのが望ましい。
【0018】更に、本発明者らは上記の表面形状に加
え、光導電層を複数の層から構成することがトナー付着
の抑制を促進させることを見出した。
【0019】光導電層のバンドギャップにより生じる画
像露光の実質的な吸収深さの変動により静電潜像の電位
むらが生ずる。この電位むら、具体的には残留電位、ゴ
ースト電位により、トナー付着の核となるカブリ、また
は画像の鮮鋭さを悪化させるものと考える。
【0020】また、感光体の表面保護層と感光層の界面
組成を連続的に変化させることで、更に効果的にトナー
付着の抑制が出来ることを見出した。
【0021】上記界面組成は分光反射率が以下の式を満
たすことが望ましい。
【0022】波長450nm〜650nmの範囲で、反射
率(%)の最小値(以後 Minと呼ぶ)と最大値(以後 Max
と呼ぶ)が0≦(Max-Min)/(Max+Min)≦0.4 ここで、本発明による反射率とは、分光光度計[大塚電
子社製 MCPD-2000]を用いて測定した反射率(百分
率)の値をさす。概要を述べるとまず、分光器の光源の
分光発光強度 I(0)を取り、次いで感光体の分光反射光
度 I(D)を取り、反射率R=I(D)/I(0)を求める。高
い精度で再現性良く測定するためには、曲率をもつ感光
体に対して角度が一定となるようにディテクターを治具
固定することが望ましい。
【0023】界面制御の具体例を図9に示す。上段が上
記式の範囲外である「界面あり」の測定例、下段が本発
明に係わる式を満たす「界面無し」の測定例である。具
体的には、反射率(%)から求めた(Max-Min)/(Max+M
in)……式(1)の値が、Aは0.51、Bは 0.44、Cは 0.2
5、Dは 0.18となる。2本線があるのはそれぞれ表面保
護層の膜厚違いによる差であり、膜厚の差に応じてグラ
フ上左右に波形が移動する。その最大値は波形の振幅に
相当する為、界面ありは界面無しに比べ単一波長固定で
見た場合、膜厚変動に対して反射率は大きく変動する。
すなわち、膜厚変動に対して大きく感度変動が生じる。
【0024】微細粗さにより生じる画像露光入射光路上
における実質的な表面保護層の膜厚むらが生ずる。この
膜厚むらにより界面ありの場合、界面無しの場合よりも
感度の変動が大きくなり、トナー付着の核となるカブ
リ、または画像の鮮鋭さを悪化させるものと考える。
【0025】[表面粗さの度数分布]以下、本発明の重要
な指標である表面粗さの度数分布に付いて述べる。
【0026】原子間力顕微鏡(Atomic Force Micros
copy)は横分解能(試料面に平行な方向の分解能)は 0.5
nmを上まわり、縦分解能(試料面に垂直方向の分解能)
は 0.01〜0.02 nmを持ち、試料の一次元的な形状を測
定することが可能で、従来から広く用いられている表面
粗差計との大きな違いは、その高い分解能にある。
【0027】これほどまでの高い分解能においては、感
光体基板の粗さが支配的なオーダーの粗さではなく、光
導電層や表面層と言った堆積膜そのものの性質に起因す
る粗さの測定が可能である。
【0028】感光体基体の粗さは、前記の旋盤やボール
ミル、ディンプル処理加工と言った「歯形」や「処理部
材」と言った「型」に依存するものであるが、堆積膜そ
のものの粗さには「型」はなく、単にJISで規定され
るRa(中心線平均粗さ)やRz(十点平均粗さ)では表現し
きれない形状因子が存在し、それが前記トナー付着防止
の糸口になるのではないかと本発明者らは考えた。具体
的には、同一視野(10μm×10μm)の範囲における
表面粗さRaが10nm未満の導電性基体の上に、各種条
件にてアモルファスシリコン感光層(阻止層、光導電
層、表面層、各層の界面を含む全層)を作製し、その凹
凸の高さを原子間力顕微鏡で観測し、度数分布を求めて
比較検討した。
【0029】同様の測定を従来広く用いられている表面
粗差計、例えば(株)小坂研究所製接触式表面粗さ計(S
E-3400)で行なった場合は有意な差を観測できず、本出
願で用いる指標はアモルファスシリコン感光体の材料の
特性を示す新規な指標であると考える。
【0030】尚、本発明者らはAFMの測定に際して、
いくつかの試料に対して、いくつかのスキャンサイズで
測定を行なった。スキャンサイズとは、スキャンする四
角形の一辺の長さであり、従って10μmとは、10μ
m×10μmすなわち100μm2の範囲をスキャンす
ることを意味する。グラフ横軸をスキャンサイズにし
て、その結果の一部を図10に示す。
【0031】この図は、同一基体に作成条件を変えて成
膜した比較的微細粗さの小さいものと中程度のものの2
つの試料について、測定視野と一般的にイメージし易い
粗さ指標JIS-Ra中心線平均粗さ)で示した。
【0032】スキャンサイズを大きく、すなわち測定範
囲を広くすると測定値は安定するが、試料基体のうね
り、突起などの特異形状、加工形状の影響により、微細
形状が反映され難くなり、視野角が小さいと測定個所の
選択バラツキが大きくなる為、本発明は測定の検知能力
と安定性の総合的に優れた10μm×10μm視野で表
記した。
【0033】以上の経緯から、本発明の発明思想は10
μm×10μm視野に限定されるものではない。
【0034】以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本
発明を詳細に説明する。
【0035】「本発明に係わるa-Si感光体」図1に本
発明に係わる電子写真感光体の一例を示す。
【0036】本例の電子写真感光体は、例えばAl、ス
テンレス等の導電性材料からなる基体101上に、光導
電層102および表面保護層103を順次積層したもの
である。尚、これら層の他に、阻止層104、反射防止
層乃至界面層107などの種々の機能層を必要に応じて
設けてもよいものである。例えば、阻止層104、界面
層107等を設けそのドーパントを13族元素、15族
元素など選択する事により、正帯電、負帯電と言った帯
電極性の制御も可能となる。
【0037】これらドーパントとしては、正帯電用とし
ては、P型伝導特性を与える13族原子を用いることが
でき、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガ
リウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。負帯電用として
は、n型伝導特性を与える15族原子を用いることがで
き、具体的には、燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適であ
る。
【0038】伝導性を制御する原子の含有量としては、
好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、より好ま
しくは5×10-2〜5×103原子ppm、最適には1×
10- 1〜1×103原子ppmとされるのが望ましい。
【0039】伝導性を制御する原子、たとえば、13族
原子あるいは15族原子を構造的に導入するには、層形
成の際に、13族原子導入用の原料物質あるいは15族
原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、光導
電層を形成するための他のガスとともに導入してやれば
よい。13族原子導入用の原料物質あるいは15族原子
導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧で
ガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス
化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0040】そのような13族原子導入用の原料物質と
して具体的には、硼素原子導入用としては、B26、B
410、B59、B511、B610、B612、B614
等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハロゲン
化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、GaCl3、G
a(CH3)3、InCl3、TlCl3等も挙げることができる。
【0041】15族原子導入用の原料物質として有効に
使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2
4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、PCl
5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられ
る。この他、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、As
5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、Bi
3、BiCl3、BiBr3等も15族原子導入用の出発物
質の有効なものとして挙げることができる。
【0042】導電性基体としてはAl、Cr、Mo、Au、
In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およ
びこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられ、これ
らの中では、Alがコスト、重量、加工性の点で好まし
い。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフ
ィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶緑
性基体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処
理した基体も用いることができる。蒸着される導電性材
料としては、Al、Crが感光層とのオーミック接合が取
れやすい点で好ましい。
【0043】また、基体の形状は平滑表面あるいは凹凸
表面の円筒状または板状無端ベルト状であることがで
き、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体を形
成し得るように適宜決定するが、基体は製造上および取
り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上と
される。
【0044】特にレーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行なう場合には、可視画像において現われる、
いわゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消
するために、光生成キャリアの減少が実質的にない範囲
で基体の表面に凹凸を設けてもよい。基体の表面に設け
られる凹凸は、特開昭60-168 156号公報、同6
0-178 457号公報、同60-225 854号公
報、同61-231 561号公報等に記載された公知の
方法により作成される。
【0045】又、基体の表面に微細なキズをつける事に
より感光体表面の微細粗さを制御する事もできる。キズ
の作成は研磨材を使用しても良いし、化学反応によるエ
ッチングやプラズマ中のいわゆるドライエッチング、ス
パッタリング法等を用いても良い。この際に該キズの深
さ、大きさは光生成キャリアの減少が実質的にない範囲
であれば良い。
【0046】光導電層102としては、光導電性を有す
るものであれば、有機質のものでも、無機質のものでも
よいが、無機光導電体としては、例えばシリコン原子
と、水素原子またはハロゲン原子を含む非晶質材料(「a
-Si(H,X)」と略記する)あるいはa-Seなどが代表的
なものとして挙げられる。これらの中では、a-Si(H,
X)が、安定性、無公害性の点で好ましい。また、光導
電層102の層厚としては特に限定はないが、前述の理
由や、製造コストなどを考慮すると15〜50μm、好
ましくは23〜45μm、特に好ましくは25〜40μ
m程度が適当である。
【0047】更に、特性を向上させる為に下部光導電層
105と上部光導電層106の様に複数の層構成にして
も良い。特に、半導体レーザーの様に、比較的長波長で
あって且つ波長バラツキのほとんどない光源に対して
は、こうした層構成の工夫によって画期的な効果が現れ
る。
【0048】表面保護層103は、一般的に a-SiC
(H,X)で形成されるが、a-C(H,X)としても良い。ハ
ロゲン原子を含有させる場合は、それぞれ a-SiC(H,
F)、a-C(H,F)が、硬度、表面性などの点で好まし
い。また、光導電層102と表面保護層103の界面層
107の組成を連続的に変化させ、当該部分の界面反射
を抑制させるように制御することが好ましい。
【0049】「本発明に係わるa-Si感光体成膜装置」
本発明に係わるa-Si感光体成膜装置の一例を以下に示
す。
【0050】本発明では、感光ドラム1は a-Si感光体
としており、a-Si感光層を高周波プラズマCVD(PC
VD)法により成膜した。本発明で使用したPCVD装
置を図3に示す。
【0051】図2に示す装置は、電子写真用感光体の製
造に使用する一般的なPCVD装置である。このPCV
D装置は、堆積装置300、原料ガス供給装置及び排気
装置(ともに図示せず)を備えて構成されている。
【0052】堆積装置300には縦型の真空容器からな
る反応容器301を有し、この反応容器301内の周囲
には内には縦方向の原料ガス導入管303が複数本配設
され、ガス導入管303の側面には、長手方向に沿って
多数の細孔が設けられている。反応容器301内の中心
には、螺旋状に巻線したヒーター302が縦方向に延設
され、感光体ドラム1の基体となる円筒体312は、容
器301内の上部の蓋301aを開けて挿入され、ヒー
タ302を内側にして容器301内に垂直に設置され
る。また、反応容器301の側面の一方に設けた凸部3
04から高周波電力が供給される。
【0053】反応容器301の下部には、原料ガス導入
管303に接続された原料ガス供給間305が取り付け
られ、この供給管305は、供給バルブ306を介して
図示しないガス供給装置に接続されている。また、反応
容器301に下部には排気管307が取り付けられ、こ
の排気管307はメイン排気バルブ308を介して図示
しない排気装置(真空ポンプ)に接続されている。排気管
307には、他に真空計309、サブ排気バルブ310
が取り付けられている。
【0054】上記の装置を用いたPCVD法によるa-S
i感光層の形成は次のように行なわれる。まず、反応容
器31内に感光体ドラム1の基体となる円筒体312を
セットし、蓋301aを閉じた後、図示しない排気装置
により容器301内を所定の低圧以下の圧力まで排気
し、以後排気を続けながら、ヒーター302により基体
42を内側から加熱して、基体312を20℃〜450
℃の範囲内の所定の温度に制御する。
【0055】基体312が所定の温度に維持されたら、
所望の原料ガスをそれぞれの流量制御器(図示せず)によ
り調節しながら、導入管303を通って反応容器301
内に導入する。導入された原料ガスは反応容器301内
を満たした後、排気管307を通って容器301外に排
気される。
【0056】このようにして、原料ガスが満たされた反
応容器301内が所定の圧力になって安定したことを真
空計309により確認したら、図示しない高周波電源(1
3.56MHzのRF帯域、または 50〜150MHzのVHF帯
域、等)により、高周波を所望の投入電力量で容器31
内に導入し、容器301内にグロー放電を発生させる。
このグロー放電のエネルギーによって、原料ガスの成分
が分解してプラズマイオンが生成し、基体312の表面
に珪素を主体としたa-Si堆積層が形成される。この
際、ガス種、ガス導入量、ガス導入比率、圧力、基体温
度、投入電力、膜厚などのパラメータを調整することに
より様々な特性のa-Si堆積層を形成することにより、
電子写真特性を制御することが出来る。
【0057】このようにして基体312の表面にa-Si
堆積層が所望の膜厚で形成されたら、高周波電力の供給
を止め、供給バルブ306等を閉じて、反応容器301
内への原料ガスの導入を停止し、一層分のa-Si堆積層
の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことによ
り所望の多層構造のa-Si堆積層、つまりa-Si感光層が
形成され、基体312の表面に多層構造のa-Si感光層
を有する感光体ドラム1が製造される。
【0058】また、本発明に係わる表面保護層と光導電
層の界面反射の低減、制御については、前述の一層分の
a-Si堆積層の形成を終える際に、高周波電力を停止せ
ず、かつ原料ガスの供給も停止させず連続的に次の層の
電力条件、ガス組成に変化させることで達成される。ま
たは、高周波電力は一旦停止させるものの、原料ガスを
前の層の構成から開始し、所望の構成に連続的に変化さ
せながら成膜させることによっても達成が可能である。
【0059】以上において、ガス導入管303の長手方
向上に分布した細孔から反応容器301内に導入される
原料ガスの導入管303長手方向での流量分布、排気管
からの排ガスの流出速度、放電エネルギー等を調整する
ことによって、基体312上のa-Si堆積層の長手方向
に沿った電子写真特性を制御することが出来る。
【0060】[本発明に係わる電子写真装置]このように
作製した電子写真感光体を用いた本発明の電子写真装置
の一例を図2に示す。尚、本例の装置は、円筒状の電子
写真感光体を用いる場合に好適なものであるが、本発明
の電子写真装置は本例に限定されるものではなく、感光
体形状は無端ベルト状等の所望のものであってよい。
【0061】図2において、204が本発明に言うとこ
ろの電子写真感光体であり、205は該感光体204に
静電潜像形成のための帯電を行なう一次帯電器である。
206は静電潜像の形成された感光体204に現像材
(トナー)を供給するための現像器であり、207は感光
体表面のトナーを転写材に移行させるための転写帯電器
である。
【0062】208は感光体表面の浄化をはかるクリー
ナーである。本例では感光体表面の均一削除を有効に行
なうため、前述の如き弾性ローラー208-1とクリー
ニングブレード208-2を用いて感光体表面の浄化を
行なっているが、いずれか一方のみでも差しつかえな
い。
【0063】210は、それぞれ次回の複写動作にそな
えて感光体表面の除電を行なうための除電ランプであ
り、213は紙等の転写材、214は転写材の送りロー
ラーである。露光Aの光源には、ハロゲン光源、或いは
単一波長を主とする光源を用いる。
【0064】このような装置を用い、複写画像の形成
は、例えば以下のように行なわれる。まず電子写真感光
体204を所定の速度で矢印の方向へ回転させ、一次帯
電器205を用いて感光体204の表面を一様に帯電さ
せる。次に、帯電された感光体204の表面に画像の露
光Aを行ない、該画像の静電潜像を感光体204の表面
に形成させる。そして感光体204の表面の静電潜像の
形成された部分が現像器206の設置部を通過する際
に、現像器206によってトナーが感光体204の表面
に供給され、静電潜像がトナー206a による画像とし
て顕像化(現像)され、更にこのトナー画像は感光体20
4の回転とともに転写帯電器207の設置部に到達し、
ここで送りローラー214によって送られてくる転写材
213に転写されるのである。
【0065】転写終了後、次の複写工程に備えるために
電子写真感光体204の表面から残留トナーがクリーナ
ー208によって除去され、更に該表面の電位がゼロ若
しくは殆どゼロとなるように除電ランプ210により除
電され、1回の複写工程を終了する。
【0066】図4は本発明に関わるクリーニング装置を
省略した電子写真装置を表す模式図であり、図中、40
2は透光性支持体403上に透光性導電層404と絶縁
性キャリア注入阻止層405aと光導電層405と表面
層406が積層されたドラム状の感光体、407は露光
手段としてのLEDヘッド、408は現像器、409は
転写ローラである。LEDヘッド407と現像器408
は、感光体402のある一部を介して、ほぼ対照的に配
置される。
【0067】現像器408においては、例えば8極の円
柱状の磁極ローラ411と、その外周に亘って配設され
た導電性スリーブ412とから成り、更にトナー受41
3に貯蔵された現像剤としての一成分磁性導電性トナー
はスリーブ412の外周へ配送され、磁気ブラシ414
を形成する。また、スリーブ412と透光性導電層40
4との間にはバイアス電源415が設けられ、その両者
404、415の間に感光体402の電位特性に応じて
+或いは−の0〜300Vの電圧を印加する。416は
感光体402の表面に形成されたトナー層、417は記
録紙、418は残留トナーである。これ以外に現像剤の
回転手段と感光体402の回転手段とを設ける。
【0068】透光性支持体側より露光器により露光する
とともに、現像バイアス供給用の電源によりバイアス電
圧を印加した現像器上の導電性磁性トナーからなる磁気
ブラシでもって感光体表面を摺擦させ、これによって帯
電と露光と現像とをほぼ同時に行ない、感光体上にトナ
ー像を形成する。そのトナー像は、転写ローラを用いて
記録紙に転写され、定着手段により定着されて記録画像
となる。一方、感光体上に残留したトナーは、現像器で
回収され、再利用される為クリーニング装置は省略され
る。
【0069】[実験例]以下、本発明を種々の実験例に基
づき詳細に説明する。
【0070】[実験例1]前記a-Si感光体成膜装置を用
いて基体形状及び製造条件の各パラメーターを振ること
により、AFM測定レベルにおける表面粗さの度数分布
ならびに表面粗さ計測定レベルにおける表面粗さRzを
変化させた電子写真用感光体No.101〜113を製造
した。導電性基体にはAlからなる円筒状基体を用い、
切削加工、ディンプル加工等、さまざまな基体表面加工
を施したものを用いた。
【0071】上記感光体のいくつかについて、具体的に
は、No.103、104、107、113を10μm×
10μmの範囲でAFMにより測定した表面粗さの度数
分布を図5に示す。この図からわかるように、度数分布
の幅、高さ、左右バランスに特徴が現れてくる。
【0072】本発明では、半値幅(F.W.H.M.;Full
Width at Half Maximum)に着目して、各々の感光
体の10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した
表面粗さの度数分布の半値幅と接触式表面粗さ計で測定
した表面粗さRz及び画像評価の結果を表1に示す。
【0073】ここで、本発明におけるμmオーダーの表
面粗さとは、接触式表面粗さ計[株式会社 小坂研究所製
サーフコーダSE-3400]を用い、測定長 1.25 mmに
おいて測定した表面粗さRzの値を指す。
【0074】尚、本発明者らは上記表面粗さ計の測定に
際して、いくつかの試料に対して、いくつかの測定長で
測定を行なった。その結果の一部を図11に示す。
【0075】この図は、基体及び作成条件を変えて成膜
した比較的粗さの小さいものと中程度のものの2つの試
料について、測定長と一般的にイメージし易い粗さ指標
JIS-Rz(十点平均粗さ)で示した。
【0076】測定長とRzには相関があり、すなわち測
定長を規定しないと粗さの正確な表記が出来ない為、本
発明は測定長 1.25 mmにおいて測定した表面粗さRz
で表記した。
【0077】画像評価はキヤノン製NP6350 機を用い
て、印字率3%と通常より印字率を下げたテストパター
ンにて50万枚の通紙耐久を行ない、定期的にべた白、
べた黒画像を出力し、トナー付着の評価を行なった。
【0078】表1の記号は、◎:優れている、○:実用上
問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0079】表1の結果より、従来の表面粗さRzの値
とトナー付着との間には相関は見出せなかった。反対
に、粗さ度数分布の半値幅とトナー付着には相関が見ら
れた。
【0080】
【表1】 [実験例2]次に、前記a-Si感光体成膜装置を用いて製
造条件の各パラメーターを振ることにより、AFM測定
レベルにおける表面粗さの度数分布ならびに表面粗さ計
測定レベルにおける表面粗さRzを変化させた電子写真
用感光体No.201〜212を、界面無しにした以外は
同様にNo.213、214を製造した。導電性基体には
純度 99.9 %以上のAlからなる円筒状基体を用い、切
削により鏡面加工を施して微視的な表面粗さRaを9nm
未満にて統一した。
【0081】各々の感光体の10μm×10μmの範囲
でAFMにより測定した表面粗さの度数分布の半値幅、
接触式表面粗さ計で測定した表面粗さRz、画像評価の
結果を表2に示す。
【0082】画像評価はキヤノン製NP6350 をそのま
ま、乃至画像露光をLEDアレイ及びレーザーに改造し
たものを用いて印字率3%と通常より印字率を下げたテ
ストパターンにて50万枚の通紙耐久を行ない、トナー
付着、クリーニング不良、及びデジタル画像の先鋭さの
評価を行なった。
【0083】トナー付着、クリーニング不良は定期的に
べた白、べた黒画像を出力し、デジタル画像の鮮鋭さは
線幅60〜500μm、間隔60〜500μmの範囲で
パターンを形成し、その再現性の良否で判定した。
【0084】表2の記号は、◎:優れている、○:実用上
問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0085】表2の結果から、10μm×10μmの範
囲における表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さ
の度数分布の半値幅が70nm〜400nmの範囲にある
感光体においては、トナー付着、クリーニング不良とも
に良好であった。また、度数分布の半値幅が90nm〜
360nmの範囲の感光体においては、トナー付着、ク
リーニング不良、及びデジタル画像の鮮鋭さのいずれも
極めて良好であった。また、界面無しとすることでトナ
ー付着、または画像の鮮鋭さの領域が広がった。
【0086】
【表2】 [実験例3]次に、10μm×10μmの範囲でAFMに
より測定した微視的な表面粗さRaを変化させた導電性
基体を用いて、電子写真用感光体No.301〜306を
製造した。導電性基体には純度 99.9 %以上のAlから
なる円筒状基体を用い、AFMにより測定した表面粗さ
の度数分布の半値幅が概ね100〜120nmになるよ
うに成膜条件を調整した。
【0087】各々の感光体の微視的表面粗さRaと画像
評価の結果を表3に示す。
【0088】画像評価はキヤノン製NP6350 改造機を
用いて印字率7%のテストパターンにて50万枚の通紙
耐久を行ない、ポチ不良の評価を行なった。ポチ不良と
は、感光層の成膜形成において膜が部分的に異常成長し
た結果、稀に印刷画像上に黒点や白点を生じることを言
う。
【0089】表3の記号は、◎:優れている、○:実用上
問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0090】表3の結果から、導電性基体の微視的な表
面粗さRaが9nm未満、好ましくは6nm未満の感光体
においては、ポチ不良は発生せずきわめて良好な画像が
得られた。
【0091】
【表3】 [実験例4]次に、前記a-Si感光体成膜装置を用いて製
造条件の各パラメーターを振ることにより、AFM測定
レベルにおける表面粗さの度数分布ならびに表面粗さ計
測定レベルにおける表面粗さRzを変化させた光導電層
が単層の電子写真用感光体No.401〜406、光導電
層が複層の電子写真用感光体No.407〜412を、光
導電層が複層で且つ反射率(%)の最小値(Min)と最大値
(Max)から求めた式(1)(Max-Min)/(Max+Min)の値
が0.4以下になるように界面無しにした以外は同様に
No.413、414を製造した。導電性基体には純度 9
9.9 %以上のAlからなる円筒状基体を用い、切削によ
り鏡面加工を施して微視的な表面粗さRaを6nm未満に
て統一した。
【0092】各々の感光体の10μm×10μmの範囲
でAFMにより測定した表面粗さの度数分布の半値幅、
接触式表面粗さ計で測定した表面粗さRz、画像評価の
結果を表4に示す。
【0093】画像評価はキヤノン製NP6350 をそのま
ま、乃至画像露光をLEDアレイ及びレーザーに改造し
たものを用いて印字率3%と通常より印字率を下げたテ
ストパターンにて50万枚の通紙耐久を行ない、トナー
付着、クリーニング不良、及びデジタル画像の鮮鋭さの
評価を行なった。
【0094】トナー付着、クリーニング不良は定期的に
べた白、べた黒画像を出力し、デジタル画像の鮮鋭さは
線幅60〜500μm、間隔60〜500μmの範囲で
パターンを形成し、その再現性の良否で判定した。
【0095】表4の記号は、◎:優れている、○:実用上
問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0096】表4の結果から、10μm×10μmの範
囲における表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さ
の度数分布の半値幅が70nm〜400nmの範囲にある
感光体においては、トナー付着クリーニングともに良好
であった。また、度数分布の半値幅が70nm〜400n
m、好ましくは90nm〜360nmの範囲の感光体にお
いては、トナー付着、クリーニング不良、及びデジタル
画像の鮮鋭さのいずれも極めて良好であった。また、界
面無しとすることでトナー付着、または画像の鮮鋭さの
領域が広がった。
【0097】
【表4】
【0098】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例に基づき説明
する。
【0099】[1:実施例1〜4、比較例1〜3]前記a-
Si感光体成膜装置を用いてφ80円筒状基体形状及び
製造条件の各パラメーターを振ることにより、感光体の
10μm×10μmの範囲における表面粗さ凹凸の最も
深い点を基準に凹凸高さの度数分布の半値幅、及びμm
オーダーの表面粗さRzを変化させたプラス帯電電子写
真用感光体を製造した。
【0100】各々の感光体の感光体の10μm×10μ
mの範囲における表面粗さの度数分布の半値幅、及び導
電性基体の微視的表面粗さRa、画像評価の結果を表5
に示す。
【0101】また、実施例1に用いた導電性基体の10
μm×10μmの範囲でAFMにより測定した微視的な
粗さの観察像を図8に、比較例1に用いた感光体表面の
10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した微視
的な粗さの観察像を図7に、実施例1に用いた感光体の
10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した微視
的な粗さの観察像を図6に示す。
【0102】画像評価はキヤノン製NP6350 をデジタ
ル露光に改造した機械を用いて100万枚の通紙耐久を
行ない、トナー付着、クリーニング不良、及びデジタル
画像の鮮鋭さの評価をし、その結果から総合評価を行な
った。ここで、実施例2、比較例2はキヤノン製NP63
50 改造機を用い、アナログ画像における評価を行なっ
た。
【0103】表5の記号は、◎:優れている、○:実用上
問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0104】
【表5】 [2:実施例5、比較例4]前記a-Si感光体成膜装置を用
いてφ30の円筒状基体形状及び製造条件の各パラメー
ターを振ることにより、感光体の10μm×10μmの
範囲における表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高
さの度数分布の半値幅及びμmオーダーの表面粗さRz
を変化させたプラス帯電電子写真用感光体を製造した。
【0105】各々の感光体の感光体の10μm×10μ
mの範囲における表面粗さの度数分布の半値幅、及び導
電性基体の微視的表面粗さRa、画像評価の結果を表6
に示す。
【0106】画像評価はキヤノン製GP405改造機を
用いて30万枚の通紙耐久を行ない、トナー付着、クリ
ーニング不良、及びデジタル画像の鮮鋭さの評価をし、
その結果から総合評価を行なった。
【0107】表6の記号は、◎:優れている、○:実用上
問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0108】
【表6】
【0109】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電子写真感
光体並びに電子写真装置によれば、導電性基体上に少な
くともアモルファスSiを含む感光層および表面保護層
を順次積層してなる感光体の10μm×10μmの範囲
における表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの
度数分布の半値幅(F.W.H.M.;Full Width at Ha
lf Maximum)が70nm〜400nmの範囲、更に好ま
しくは90nm〜360nmとすることで、クリーニング
時のトナー付着を防止して、良好な画像形成が可能とな
った。
【0110】さらに、本発明の電子写真感光体並びに電
子写真装置によれば、導電性基体の10μm×10μm
の範囲における表面粗さRaが9nm未満更に好ましくは
6nm未満とし、且つ表面粗さ凹凸の最も深い点を基準
に凹凸高さの度数分布の半値幅を70nm〜400nmの
範囲、更に好ましくは90nm〜360nmとすること
で、クリーニング時のトナー付着、ポチ不良を防止し
て、より良好な画像形成が可能となった。
【0111】また、上記において感光体の表面保護層と
感光層の界面組成を連続的に変化させること、更に上記
界面組成における分光反射率が波長450nmから65
0nmの範囲で、反射率(%)のMinとMaxが0≦(Max-
Min)/(Max+Min)≦0.4が成立する領域で、更に効
果的にトナー付着の抑制が可能となった。
【0112】更に、上記において感光体の光導電層を複
数の層から構成することによって、更に効果的にトナー
付着の抑制、画像鮮鋭度の向上が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面図
【図2】本発明の電子写真装置の一例の模式的断面図
【図3】本発明に用いたa-Si感光体成膜装置の概略断
面図
【図4】本発明の電子写真装置の別の一例の模式的断面
【図5】本発明に係わる表面粗さの度数分布の一例
【図6】本発明の実施例の原子間力顕微鏡観察像の一例
【図7】本発明の比較例の原子間力顕微鏡観察像の一例
【図8】本発明に係わる導電性基体の原子間力顕微鏡観
察像の一例
【図9】本発明の表面保護層の界面反射制御を説明する
【図10】本発明のAFMの測定範囲を説明する図
【図11】本発明の表面粗さ計の測定長を説明する図
【符号の説明】
101 導電性基体 102 光導電層 103 表面保護層 104 阻止層 105 下部光導電層 106 上部光導電層 107 反射防止層ないし界面層 204 電子写真感光体 205 一次帯電器 206 現像器 206a トナー 207 転写帯電器 208 クリーナー 208-1 弾性ローラー 208-2 クリーニングブレード 210 除電ランプ 213 転写材 214 送りローラー 300 堆積装置 301 反応容器 302 ヒーター 303 原料ガス導入管 304 凸部 305 原料ガス供給管 306 供給バルブ 307 排気管 308 メイン排気バルブ 309 真空計 310 サブ排気バルブ 312 基体 401 電子写真装置 402 感光体 403 透光性支持体 404 透光性導電層 405 光導電層 405a 絶縁性キャリア注入阻止層 406 表面層 407 LEDヘッド 408 現像器 409 転写ローラ 410 イレース用光源(LEDアレイ) 411 磁極ローラ 412 導電性スリーブ 413 トナー受 414 磁気ブラシ 415 バイアス電源 416 トナー層 417 記録紙 418 残留トナー A、 画像露光(アナログ光、或いはデジタル光)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河田 将也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 唐木 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大脇 弘憲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 DA17 DA20 DA35 DA41 DA80 FB07 FB08 FC05 FC15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくともアモルファス
    Siを含む光導電層および表面保護層を順次積層してな
    る感光体において、 前記感光体の10μm×10μmの範囲における表面粗
    さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの度数分布の半値
    幅(F.W.H.M.;Full Width at Half Maximum)
    が70nm〜400nmの範囲にあることを特徴とする電
    子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記度数分布の半値幅が90nm〜36
    0nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の
    電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記光導電層は複数の層から構成される
    事を特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 前記感光体において、導電性基体の10
    μm×10μmの範囲における表面粗さRaが9nm未満
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記感光体において、導電性基体の10
    μm×10μmの範囲における表面粗さRaが6nm未満
    であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 前記感光体の表面保護層と感光層の界面
    組成を連続的に変化させることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記界面組成における分光反射率が以下
    の式(1)を満たすことを特徴とする請求項6に記載の電
    子写真感光体。 波長450nmから650nmの範囲で、反射率(%)の最小値(Min)と最大値( Max)が0≦(Max-Min)/(Max+Min)≦0.4 (1)
  8. 【請求項8】 前記請求項1〜7のいずれかに記載の感
    光体を具備することを特徴とする電子写真装置。
  9. 【請求項9】 単一波長を主とする光源により画像形成
    がなされることを特徴とする請求項8に記載の電子写真
    装置。
JP2000162688A 2000-05-31 2000-05-31 電子写真感光体及び装置 Pending JP2001343772A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000162688A JP2001343772A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 電子写真感光体及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000162688A JP2001343772A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 電子写真感光体及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001343772A true JP2001343772A (ja) 2001-12-14

Family

ID=18666558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000162688A Pending JP2001343772A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 電子写真感光体及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001343772A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101533277B1 (ko) * 2008-12-09 2015-07-03 삼성전자주식회사 나노 조도가 형성된 현상제 접촉매체를 가진 화상형성장치
CN107203100A (zh) * 2016-03-18 2017-09-26 富士施乐株式会社 导电性支持体、电子照相感光体、处理盒、图像形成装置以及导电性支持体的制造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101533277B1 (ko) * 2008-12-09 2015-07-03 삼성전자주식회사 나노 조도가 형성된 현상제 접촉매체를 가진 화상형성장치
CN107203100A (zh) * 2016-03-18 2017-09-26 富士施乐株式会社 导电性支持体、电子照相感光体、处理盒、图像形成装置以及导电性支持体的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6534228B2 (en) Electrophotographic photosensitive member and image forming apparatus
JP3566621B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた装置
JP3352292B2 (ja) 画像形成装置
JP3548327B2 (ja) 電子写真用光受容部材
JP2001343772A (ja) 電子写真感光体及び装置
JP3782680B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP3733246B2 (ja) 電子写真装置および電子写真方法
JP2002091040A (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP2001343771A (ja) 電子写真感光体及び装置
JP2006189823A (ja) 電子写真感光体
JP3535664B2 (ja) 電子写真装置
US6686109B2 (en) Electrophotographic process and apparatus
JP3789081B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP4447968B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP2002082463A (ja) 電子写真感光体および電子写真装置
JP4448043B2 (ja) 電子写真感光体
JP3437299B2 (ja) 画像形成方法
JP3571901B2 (ja) 画像形成方法および装置
JPH06186763A (ja) 光受容部材、感光体の再生利用方法および表面処理方法
JP2000131924A (ja) 帯電部材とこの帯電部材を用いた画像形成装置
JP2006133524A (ja) 電子写真感光体および電子写真装置
JP2019020503A (ja) 負帯電用電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2006163219A (ja) 電子写真感光体
JPH11143176A (ja) 帯電部材および画像形成装置
JPH09114115A (ja) 画像形成装置