JPH11143176A - 帯電部材および画像形成装置 - Google Patents

帯電部材および画像形成装置

Info

Publication number
JPH11143176A
JPH11143176A JP31068197A JP31068197A JPH11143176A JP H11143176 A JPH11143176 A JP H11143176A JP 31068197 A JP31068197 A JP 31068197A JP 31068197 A JP31068197 A JP 31068197A JP H11143176 A JPH11143176 A JP H11143176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
charging
forming apparatus
charging member
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31068197A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Kawada
将也 河田
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Takaaki Kashiwa
孝明 栢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP31068197A priority Critical patent/JPH11143176A/ja
Publication of JPH11143176A publication Critical patent/JPH11143176A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電ローラを用いた画像形成装置の耐久性を
向上し、高速化を図る。またニップ近傍での異常放電を
防止し、高画質な画像を長期にわたって得ることができ
るようにする。またオゾン発生を抑制するとともに省エ
ネルギー化を図る。 【解決手段】 帯電部材201の表面粗さをRz-y
し、進行方向における被帯電体202の表面粗さをR
z-xとしたときに、0.5≦Rz-y/Rz-x≦300を満
たすようにする。また、被帯電体202として温度特性
が改良された非晶質Si系の感光体を用いる。さらに転
写帯電器206をローラ方式またはベルト方式とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧を帯電部材に
印加し、この帯電部材の樹脂からなる帯電面を像担持体
であるところの被帯電体に当接させ、離合部分での放電
により被帯電体表面を帯電し、その帯電面に可視光、ラ
イン走査レーザー光により画像情報の書き込みをして画
像形成を実行する方式の画像形成装置に関する。
【0002】より具体的には上記の様な電圧印加方式の
帯電装置を被帯電面の帯電手段として、高湿環境下での
良好な画質を極めて長期にわたって安定して供給する帯
電部材、帯電装置、画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】〔画像形成装置〕画像形成装置は従来の
原稿を複写するいわゆる複写機のみならず、近年需要の
伸びの著しいコンピュータ、ワードプロセッサの出力手
段としてのプリンターを加え、広く利用されている。こ
うしたプリンターは従来のオフィスユースのみならず、
パーソナルユースが増大した為、低コスト、メンテナン
スフリーといった経済性が重視される。
【0004】更に、エコロジーの観点から、両面コピ
ー、再生紙利用等紙の消費低減、消費電力低減の省エネ
ルギー、オゾン量低減等近隣生物への影響対策が、経済
性と同様の重要度で求められている。
【0005】従来の帯電方式の主流であったコロナ帯電
器は、¢50〜100μm程度の金属ワイヤーに5〜1
0kV程度の高電圧を印加し、雰囲気を電離し対向物に
帯電を付与する。その過程において、ワイヤー自身も汚
れを吸着し、定期的な清掃、交換が必要となる。また、
コロナ放電にともない、オゾンが大量に発生してしま
う。
【0006】省エネルギーに関しては、感光体ヒータの
問題もある。近年使用される電子写真感光体は、耐刷枚
数の増大を図る為表面硬度が高くなっており、繰り返し
使用により帯電器から発生するオゾンから派生するコロ
ナ生成物の影響で被帯電体である所の感光体の表面が湿
度に敏感となり水分を吸着し易くなり、これが感光体表
面の電荷の横流れの原因となり、画像流れといわれる画
像品質低下を引き起こす欠点を有している。
【0007】この様な画像流れを防止する為に、実公平
1−34205に記載されている様なヒーターによる加
熱や、特公平2−38956に記載されている様なマグ
ネットローラーと磁性トナーから形成されたブラシによ
り被帯電体である所の像担持体例えば感光体表面を摺擦
しコロナ生成物を取り除く方法、特開昭61−1007
80に記載されている様な弾性ローラーによる感光体表
面の摺擦でコロナ生成物を取り除く方法等が用いられて
きた。
【0008】感光体表面を摺擦する方法は、極めて硬度
の高いアモルファスシリコン系感光体(a−Si感光
体)で使用されるが、クリーニング装置が大きくなる
等、装置の小型化が困難な一因となる。また、ヒーター
による常時加熱は前述の様に消費電力量の増大を招く。
こうしたヒーターの容量は通常15Wから80W程度と
必ずしも大電力量といった印象を得ないが、夜間も含め
常時通電されているケースがほとんどであり、一日あた
りの消費電力量としては、画像形成装置全体の消費電力
量の5〜15%にも達する。
【0009】また、本発明に類似する形態での外部ヒー
タ加熱方式、すなわち、特開昭59−111179や特
開昭62−278577においても、感光体の温度変動
に伴う画像濃度不安定要素の改善についてはなんらの開
示もない。
【0010】また、こうした画像流れの原因であるオゾ
ンは、画像形成装置周囲の人や生物への健康障害のおそ
れもあり、従来からオゾン除去フィルターで分解無害化
して排出していた。特にパーソナルユースの場合、排出
オゾン量は極力低減しなければならない。このように経
済面からも帯電時の発生オゾン量を大幅に低減する方式
が求められている。
【0011】こうした状況から、新たな帯電部材、帯電
装置、画像形成装置としての発生オゾン量が皆無、或い
は低減された帯電装置、除湿装置が求められている。
【0012】〔帯電装置、帯電ローラー〕前述の問題点
を解決すべく、各種帯電装置が提案されている。近年で
は、いわゆる「ローラー帯電」という接触帯電方式が広
く用いられている。ローラー帯電は帯電部材として導電
ローラーを用い、これに電圧を印加した状態で被帯電体
に加圧当接させて感光体表面を所用の電位に帯電するも
のである。これらは、帯電部装置として広く利用されて
いるコロナ帯電装置に比べ、以下のような長所を有して
いる。 被帯電体面に所望の電位を得るのに必要とされる印加
電圧の低電圧化が図れる。 帯電部材を小型化できる。 帯電過程で発生するオゾン量が極微量であり、またコ
ロナ帯電である様なシールドが不要である。そのため装
置の排気系の構成が簡素化される。 帯電過程において発生したオゾン並びにオゾン生成物
が被帯電体面である像担持体、例えば感光体表面に付着
し、コロナ生成物の影響で感光体表面が湿度に敏感とな
り水分を吸着し易くなることによる、表面の低抵抗化に
よる画像流れを低減できる。
【0013】そこで例えば、画像形成装置(複写機、レ
ーザービームプリンター)、静電記録装置等の画像形成
装置において、感光体、誘電体等の像担持体、その他の
被帯電体を帯電処理する手段としてコロナ放電装置に代
わるものとして注目される。
【0014】具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体
への放電により行なわれる為、ある閾値(以下、「放電
開始電圧:Vth」と称する)以上の電圧を印加するこ
とによって帯電が開始される。
【0015】感光体の種類、容量により閾値は異なる
が、例を示すと厚さ30μmのa−Si感光体に対して
帯電部材を加圧当接させた場合には、約200V以上の
直流電圧(Vdc)を印加すれば被帯電体の表面電位が
上昇しはじめる。また厚さ25μmの有機光導電体から
なる有機感光体(OPC)に対して帯電部材を加圧当接
させた場合には、約640V以上の直流電圧(Vdc)
を印加すれば被帯電体の表面電位が上昇しはじめる。
【0016】電子写真に必要な表面電位Vdを得る為に
は帯電部材には電圧印加電源によりVd+Vth+Vd
d(暗減衰)のVdc単独、或いはそれに交流電圧(V
ac)を重乗(Vdc十Vac:以下単に交流電圧Va
cと称する)して印加すれば良い。これらを各々DC帯
電、AC帯電と称する。
【0017】主帯電にローラー帯電を使用し、転写、分
離の帯電をローラー帯電或いはベルト帯電方式にするこ
とで電子写真装置のシステムとしてのオゾン発生量を抑
制できる。図4及び図5にその一実施態様を示す。20
2は像担持体である感光体ドラムであり、矢印Aの時計
方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動
されるドラム型の電子写真感光体である。201は帯電
部材である。その構成を図6に示す。帯電部材である帯
電ローラー201は、該帯電ローラー201の抵抗を制
御する中抵抗の帯電層201−1と、被帯電体面と均一
なニップを形成する為に必要な弾性を有する導電性弾性
層201−2と、支持部材(芯金)である導電性基体2
01−3とで形成される。導電性弾性層201−2は、
EPDM、アクリルゴム、ウレタンゴム等のソリッド製
ゴムにカーボンブラック等の導電性物質を分散させて形
成される。帯電層201−1は、ナイロン、ウレタン等
の樹脂にカーボンブラック等の導電性物質を分散させて
なる中抵抗体であり、被帯電体である感光体にピンホー
ル等の欠陥が生じた際に該位置を含む被帯電体の長軸方
向での帯電不良を抑制する機能を有する。帯電部材の抵
抗値は、その使用される環境、帯電効率、或いは該感光
体の電気的耐圧特性等に応じて適宜選択されることが望
ましい。
【0018】図4において、帯電ローラー201は不図
示の電圧印加電源により直流電圧Vdc単独、或いはそ
れに交流電圧(Vac)を重乗して帯電ローラ201の
導電性基体201−3に電圧が印加され、導電性弾性層
201−2、小抵抗層201−1に印加されて、回転駆
動されている感光体ドラム202とのニップ近傍による
放電で該感光体ドラム202の外周面が均一に帯電され
る。
【0019】更に、ランプ210から発した光が原稿台
ガラス211上に置かれた原稿212に反射し、ミラー
213、214、215を経由しレンズユニット217
のレンズ218によって結像され、ミラー216を経由
し、導かれ投影された、或いは画像信号に応じて強度変
調されるレーザービームプリンター光(不図示)が走査
される事によって該感光ドラム上に静電潜像が形成され
る。この潜像は、適宜な極性の現像剤が塗布された現像
スリーブ204によって顕画像化された後、転写材P上
に転写帯電器206(a)を介して転写される。転写残
トナーは、クリーニングブレード221によって感光ド
ラム上から除去されると共に該転写像は、定着装置22
4によって定着された後、出力される。一方、感光体に
残留する静電潜像は除電光源209によって消去され
る。
【0020】〔有機光導電体(OPC)〕電子写真感光
体の光導電材料として、近年種々の有機光導電材料の開
発が進み、特に電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能
分離型感光体は既に実用化され複写機やレーザービーム
プリンターに搭載されている。
【0021】しかしながら、これらの感光体は一般的に
耐久性が低い事が1つの大きな欠点であるとされてき
た。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼ
け等の電子写真物性面の耐久性及び摺擦による感光体表
面の磨耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性に大別されいず
れも感光体の寿命を決定する大きな要因となっている。
【0022】このうち、電子写真物性面の耐久性、特に
画像はけに関しては、帯電器での放電により発生するオ
ゾン、NOx等の活性物質により感光体表面層に含有さ
れる電荷輸送物質が劣化する事が原因である事が知られ
ている。また機械的耐久性に関しては、感光層に対して
紙、ブレード/ローラー等のクリーニング部材、トナー
等が物理的に接触して摺擦する事が原因である事が知ら
れている。
【0023】電子写真物性面の耐久性を向上させる為に
は、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにくい
電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の高
い電荷輸送物質を選択する事が知られている。また、機
械的耐久性を上げる為には、紙やクリーニング部材によ
る摺擦に耐える為に、表面の潤滑性を上げ摩擦を小さく
する事、トナーのフィルミング融着等を防止する為に表
面の離形性をよくすることが重要であり、フッ素系樹脂
粉体粒子、フツ化黒鉛、ポリオレフィン系樹脂粉体等の
滑材を表面層に配合することが知られている。しかしな
がら、摩耗が著しく小さくなるとオゾン、NOx等の活
性物質により生成した吸湿性物質が感光体表面に堆積
し、その結果として表面抵抗が下がり、表面電荷が横方
向に移動し、いわゆる画像流れを生ずるという問題があ
った。
【0024】〔アモルファスシリコン系感光体(a−S
i)〕電子写真において、感光体における感光層を形成
する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流I
p)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペ
クトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光
応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時に
おいて人体に対して無害であること、等の特性が要求さ
れる。特に、事務機としてオフィスで使用される画像形
成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の場合に
は、大量に、且つ長期にわたり複写される事を考える
と、画質、画像濃度の長期安定性も重重な点である。
【0025】この様な点に優れた性質を示す光導電材料
に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:
H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−350
59号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記
載されている。
【0026】このような画像形成装置用感光体は、一般
的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該
支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCV
D法等の成膜法により作製されたSiからなる光導電層
を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原
料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放
電によって分解し、支持体上に作製されたSi堆積膜を
形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
【0027】また、特開昭54−83746号公報にお
いては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素とし
て含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)
光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されてい
る。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1
乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、
画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、
光学的特性を得ることができるとしている。
【0028】また、特開昭57−115556号公報に
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さら
には経時的安定性について改善を図るため、シリコン原
子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層
上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のア
モルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が
記載されている。
【0029】更に、特開昭60−67951号公報に
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有
してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体
についての技術が記載され、特開昭62−168161
号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と
41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶
質材料を用いる技術が記載されている。
【0030】また更に、特開昭57−158650号公
報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペ
クトルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピーク
の吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光
導電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装
置用感光体が得られることが記載されている。一方、特
開昭60−95551号公報には、アモルファスシリコ
ン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温
度を30乃至40℃に維持して帯電、露光、現像および
転写といった画像形成工程を行うことにより、感光体表
面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って
発生する画像流れを防止する技術が開示されている。こ
れらの技術により、画像形成装置用感光体の電気的、光
学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに
伴って画像品質も向上してきた。
【0031】〔環境対策ヒータ〕前述感光体の高湿画像
流れを防止、除去する為に、感光体内面に熱源を設ける
事が周知であり、最も一般的なのは、面状乃至棒状の電
熱ヒータを円筒状感光体内面に配設している。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の様な
電圧印加式の帯電ローラーを用いた帯電装置を像担持体
の帯電手段として利用した場合の問題点として、以下の
点が挙げられる。
【0033】まず、特に感光体の回転速度や印加される
帯電電位(以下Vpと称する)と帯電前の感光体表面の
電位差が大きい時、該帯電部材と感光体表面の接触部及
びその近傍の状態により帯電が不安定になる場合があ
る。感光体の表面粗さ、且つ/又は帯電部材の表面粗さ
により両者の距離が感光体及び帯電部材の周方向且つ/
又は長軸方向で差が生じ、感光体表面電位の不均一化が
生じる。
【0034】また、帯電部材と感光体の接触、離合均一
性が充分に確保されていない場合は局部的に、或いは広
い範囲で帯電不良が生じる場合がある。
【0035】また、周方向且つ/又は長軸方向の局部的
に、或いは広い範囲で放電が異常な部分が生じる事によ
り、該部分の帯電部材表面が異常放電により劣化し、画
質の低下が生じる場合がある。
【0036】感光体においても、異常放電によりピンホ
ールリークの発生により帯電不良によるポチが生じる場
合がある。
【0037】更に上記による帯電部材からの電流増加は
帯電部材、且つ/又は感光体を劣化させる要因の一つと
なり、システムとしての寿命が縮まることが懸念され
る。
【0038】特に、アモルファスシリコン感光体の様に
高速で使用され、極めて長い寿命を有する感光体を用い
た画像形成装置においては、帯電器の表面性、或いは電
気特性の劣化や帯電の不均一化により画質が低下し、メ
ンテナンス乃至帯電部材の交換をせざるをえなくなって
しまう。こうした事はサービスコストの増加をまねき、
メンテナンスフリー化を阻害する。
【0039】また、耐久時の縦スジ(以下、まだらスジ
と呼ぶ)がある。まだらスジの発生メカニズムとしては
以下の様な事が考えられる。長軸方向の局部的に、或い
は広い範囲で放電の異常部分が生じる事で異常放電によ
り劣化した帯電部材表面が、更には該部分を起点に劣化
部位が広がる事により、或いは感光体が異常放電により
損傷を受ける事により、画質の低下が生じる場合があ
る。その結果まだらスジが発生する問題があった。
【0040】また、劣化部分が長軸方向に広がった場
合、或いは細い劣化部分が集合的に存在する場合などに
は、画像上いわゆる「かぶり」等の画像欠陥が発生する
場合もあった。
【0041】また、トナーが物理的に付着する、いわゆ
る引っかかる大きさまで劣化が拡大した場合、該トナー
がクリーニングブレード等の位置で感光体を損傷する場
合がある。特に表面硬度がそれほど高くない感光体にお
いては、その影響は更に大きくなる。
【0042】その他、異常放電により過剰電流が生じた
部分等は帯電部材表面が損傷を受け、感光体に付着する
場合もある。
【0043】したがって、画像形成装置、乃至電子写真
画像形成方法を設計する際に、上記のような課題が解決
されるように、画像形成装置用感光体の電子写真物性、
機械的耐久性など総合的な観点からの改良を図るととも
に、帯電部材、帯電装置、画像形成装置の一段の改良を
図ることが必要とされる。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の帯電部材は、被帯電体に加圧当接し帯電させること
により、該被帯電体上に静電潜像を形成する帯電部材に
おいて、前記帯電部材の表面粗さをRz-yとし、前記被
帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の表面粗さ
をRz-xとしたときに、 0.5≦Rz-y/Rz-x≦300 の関係を満たすことを特徴とする。ここで、添え字のx
は感光体、yは帯電部材を示す。
【0045】また、本発明の画像形成装置は、帯電部材
に電圧を印加し、該帯電部材の帯電面を被帯電体に加圧
当接させ、前記帯電部材を放電させ前記被帯電体を帯電
させることにより、前記被帯電体上に静電潜像を形成
し、これをトナーによって顕画像化する画像形成装置に
おいて、前記帯電部材の表面粗さをRz-yとし、前記被
帯電体の進行方向における前記被帯電体表面の表面粗さ
をRz-xとしたときに、 0.5≦Rz-y/Rz-x≦300 の関係を満たすことを特徴とする。
【0046】上記の帯電部材、画像形成装置において、
z-y/Rz-xの値は、1乃至200とすることがさらに
好ましい。
【0047】また、Rz-y×Rz-xの値は、0.01μm
2以上20μm2以下であることが好ましく、0.05μ
2以上10μm2以下であることがさらに好ましい。
【0048】また、前記Rz-yと前記被帯電体の進行方
向における前記被帯電体表面の凹凸の平均間隔Sm-x
したときに、Sm-x/Rz-yの値は、1×10-4以上1×
10- 2以下であることが好ましく、2×10-4以上5×
10-3以下であることがさらに好ましい。
【0049】以上のようにすることにより、ニップ部近
傍のいわゆる近接部分での異常放電を防止し、高画質な
画像を長期に渡って得ることができる。
【0050】また、ローラー状、又はベルト状の転写帯
電器を用いてもよい。これによりコロナ帯電の様にオゾ
ン生成物が発生しない。システム全体としてオゾン発生
を抑制できる。
【0051】また、使用中に帯電部材を該帯電部材の長
軸方向、即ち感光体回転方向に並行でない方向に振動さ
せてもよい。これにより、近接状態のむらを補正し、局
部的な劣化を防止できる。
【0052】また、帯電部材と感光体のニップ巾を規制
する機構を設けてもよい。また、非帯電行程において、
該帯電部材を被帯電体から離脱する手段を設けてもよ
い。これにより長時間の休止による帯電部材の変形や、
それによる近接状態の変化を、また帯電部材表面が感光
体に融著する事を防止できる。
【0053】また、温度による帯電能力の変化(以下、
温度特性と称する)を低減ないしは解消した新規なアモ
ルファスシリコン系感光体を使用することもできる。こ
れにより環境対策ヒーターのない状態で、装置の立上げ
時から一貫して画像濃度変化がない安定な画像を得られ
る。
【0054】また、表面粗さや硬度、摩擦特性に優れた
新規な表面層を使用する。これにより、更に良好な耐久
性を得られる。
【0055】また、少なくとも導電性支持体と有機感光
層、及び電荷保持粒子を含む表面層を有する感光体を使
用してもよい。コロナ帯電の様に多量のオゾン生成物が
発生しない為、いわゆる「高湿流れ」対策が不変にな
り、ドラムヒーター等の除去に伴い、夜間通電や消費電
力が低減されエコロジーの点からも有効である。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て述べる。
【0057】〔帯電部材〕以下更に本発明の要所を説明
する。図4、5は本発明にかかる帯電部材、被帯電体、
画像形成装置の該略図である。前述の如き画像形成プロ
セスを経て画像が形成される。
【0058】帯電ローラー201は、該帯電ローラーの
抵抗を制御する中抵抗の帯電層201−1と、被帯電体
面と均一なニップを形成する為に必要な弾性を有する導
電性弾性層201−2と、支持部材(芯金)である導電
性基体201−3とで形成される(図6)。導電性弾性
層201−2は、EPDM、アクリルゴム、ウレタンゴ
ム等のソリッド製ゴムにカーボンブラック等の導電性物
質を分散させて形成される。帯電層201−1は、中抵
抗層であり、ナイロン、ウレタン等の樹脂にカーボンブ
ラック等の導電性物質を分散させてなる。該帯電部材の
抵抗値は、その使用される環境、帯電効率、或いは該感
光体の電気的耐圧特性等に応じて適宜選択されることが
望ましい。
【0059】被帯電体と帯電ローラー201の中心の距
離は、感光体の回転方向における該帯電ローラー201
の接触域幅(以下ニップと称する)を安定に制御する
為、該弾性層201−2の硬度調整、該帯電ローラー2
01を被帯電体であるところの感光体202に加圧当接
するバネ2014の強度調整がなされる事が望ましい。
他にコロ(不図示)やスペーサ等、適宜な方法で、適宜
な距離に設定される方法でも良い。その他にニップ調整
用の機構を設けても良い。ニップ調整用機構としては、
帯電部材と被帯電体であるところの感光体表面との距離
を制御する方法などがある。
【0060】また、該帯電ローラー201は感光体20
2の回転方向Xに対して適宜な相対速度で回転する。
【0061】該帯電ローラー201の抵抗は、図14に
示す様に、帯電効率を良好に保持し、一方でリークポチ
や、感光体表面の微小欠陥から、帯電部材長軸方向で電
位が低下してしまう事の防止等のために全体抵抗として
1×103〜1×109Ωなる抵抗を有することが好まし
い。より好ましくは1×105〜1×107Ωである。
【0062】該抵抗値の測定は、規定の速度で回転させ
ている円筒状金属と測定するべき帯電部材を規定のニッ
プ巾になるまで加圧当接させ、接触面積を測定すると共
に、HIOKI社(メーカー)製のMnテスターで50
〜1000Vの印加電圧における測定にて行なった。
【0063】本発明では、該帯電部材201の表面粗さ
と後述する被帯電体である所の感光体202の表面微細
粗さとの相関を規定する事により、該帯電部材と感光体
の、ニップ近傍における微視的な近接状態を好適な状態
に保ち、異常放電、異常電流や、過剰な摩擦等による帯
電部材の表面劣化などに起因する帯電不良や画質低下を
防止する。
【0064】該帯電部材の表面凹凸(Rz-y)と感光体
表面の表面凹凸(Rz-x、Sm-x)を好適な状態にする事
により、帯電部材通過中での該帯電部材表面と該感光体
の表面の近接状態が安定し、異常電流、帯電不良を防止
し、高画質な画像を安定して得ることができる。
【0065】例えば、前露光を有する電子写真装置、特
にアモルファスシリコン系感光体を使用した電子写真装
置においては、帯電部材から感光体に電圧印加中の電流
が多い場合にはDC電流(Idc)で約10μA/cm
2〔全電流で約250μA〕以上という電流が流れる。
その際、該帯電部材と感光体の微視的な近接状態を安定
に保持することにより放電、即ち電荷の移動がスムーズ
になり、帯電のむらや異常放電の発生を防止する。又、
感光体表面且つ/又は帯電部材を機械的に損傷する危険
性が減少し、装置の長寿命化、メンテナンスフリーに有
利である。更に、帯電部材を感光体回転方向に非平行に
移動或いは振動させることにより、近接状態が感光体、
帯電部材の長軸方向でならされる(平均化される)こと
により、特定の部位の帯電部材の劣化を防止することが
できる。これにより、プロセススピードや像保持部材の
帯電設定等の画像形成装置の設定変更に対し、耐久性そ
の他、広範囲に対応出来る。感光体等の被帯電体202
は従来のものと同じものでも良いが、必要に応じて後述
する新規な感光体を用いる。
【0066】〔感光体〕前述の問題を解決する為の一つ
の手段として、本発明者らは感光体表面の微細粗さに注
目し、該微細粗さを規定し、上記磁性粒子の表面粗さと
の相関を規定することにより、長期にわたり極めて好適
な画像安定化が達成される事を見いだした。
【0067】前述の問題を解決する為の、もう一つの手
段として、本発明者らは上記の条件に加え、温度依存性
が小さく、かつ表面耐久性に優れた感光体を用い、長期
にわたり極めて好適な画像安定化が達成される事を見い
だした。
【0068】〔有機光導電体(OPC)〕本発明に用い
た好適な感光体の一形態であるOPC感光体について以
下に述べる。図15、図16は、本発明の画像形成装置
用感光体の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。
【0069】図16(b)に画像形成装置用感光体の一
例を示す。OPC感光体1100は、感光体用としての
支持体1101の上に、感光層1102が設けられてい
る。該感光層1102は電荷発生層1107、電荷輸送
層1108からなり、必要に応じて、保護層ないし表面
層1109、及び支持体1101と電荷発生層1107
の間に中間層を設けて構成されている。
【0070】本発明に用いられるOPC感光体、すなわ
ち表面層、光導電層、必要に応じて設けられる中間層、
特にその表面層は、前述の帯電部材からの放電電荷を効
率的に受容し、該電荷を有効に保持することが必要であ
る。
【0071】本発明者らは、特に表面層で高融点ポリエ
ステル樹脂と硬化樹脂の混成材等の高抵抗樹脂等の材料
が、それぞれの樹脂成分の特性を相乗的に作用させあ
い、こうした条件を満足する事を見いだした。また該材
料中にSnO2など金属酸化物等の電荷保持粒子を分敵
させた材料を用いてもよい。
【0072】本発明の電子写真感光体の表面層、光導電
層、電荷輸送層及び電荷発生層の形成にもちいる樹脂の
一例を説明する。
【0073】ポリエステルとは酸成分とアルコール成分
との結合ポリマーであり、ジカルボン酸とグリコールと
の縮合あるいはヒドロキシ安息香酸のヒドロキシ基とカ
ルボキシ基とを有する化合物の縮合によって得られる重
合体である。酸成分としてテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
コハク酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン
酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸
等を用いる事が出来る。グリコール成分としては、エチ
レングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘ
キサンジメチロール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等を使用することが出来る。
【0074】尚、前記ポリエステル樹脂が実質的に線状
である範囲でペンタエリスリトール、トリメチロールプ
ロパン、ピロメリット酸及びこれらのエステル形成誘導
体等の多官能化合物を共重合させても良い。
【0075】本発明に用いるポリエステル樹脂として
は、高融点ポリエステル樹脂を用いる。高融点ポリエス
テル樹脂としては、オルソクロロフェノール中36℃で
測定した極限粘度が0.4dl/g以上、好ましくは
0.5dl/g以上、更に好ましくは0.65dl/g
以上のものが用いられる。
【0076】好ましい高融点ポリエステル樹脂として
は、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂が挙げられ
る。ポリアルキレンテレフタレート系樹脂は酸成分とし
て、テレフタール酸、グリコール成分として、アルキレ
ングリコールから主としてなるものである。
【0077】その具体例としては、テレフタル酸成分と
エチレングリコール成分とから主としてなるポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、テレフタル酸成分と1,
4−テトラメチレングリコール(1,4−ブチレングリ
コール)成分とから主としてなるポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、テレフタル酸成分とシクロヘキサン
ジメチロール成分とから主としてなるポリシクロヘキシ
ルジメチレンテレフタレート(PCT)等をあげること
ができる。他の好ましい高分子量ポリエステル樹脂とし
ては、ポリアルキレンナフタレート系樹脂を例示でき
る。ポリアルキレンナフタレート系樹脂は酸成分として
ナフタレンジカルボン酸成分とグリコール成分としてア
ルキレングリコール成分とから主としてなるものであっ
て、その具体例としては、ナフタレンジカルボン酸成分
とエチレングリコール成分とから主としてなるポリエチ
レンナフタレート(PEN)等を挙げることができる。
【0078】高融点ポリエステル樹脂としては、その融
点が好ましくは160℃以上、特に好ましくは200℃
以上のものである。
【0079】ポリエステル樹脂の他に、アクリル樹脂を
使用しても良い。又、バインダとしては2官能アクリ
ル、6官能アクリル、ホスファゼン等が使用される。
【0080】これらの樹脂は、比較的結晶性が高く、硬
化樹脂ポリマー鎖と高融点ポリマレ鎖との柑互の絡み合
いが均一かつ密になって、高耐久性の表面層を形成でき
るものと考えられる。低融点ポリエステル樹脂等の場合
には、結晶性が低いので、硬化樹脂ポリマー鎖との縮み
合いの程度が大きいところと小さいところが生じ、耐久
性が劣るものと考えられる。
【0081】表面層には、SnO2等の電荷保持材を分
散させた物を用いてもよい。その際、使用条件等により
適宜に選択された分散量を用い、抵抗値、帯電効率を制
御する事が好ましい。
【0082】また、該感光体の表面は感光体形成条件を
調整、適した径の研磨材による研磨、或いは混入する粒
子の径、量等を調整する等して微細表面粗さを調整する
事ができる。 〔アモルファスシリコン系感光体(a−Si)〕本発明
に用いた好適な感光体の一形態であるアモルファスシリ
コン系感光体(以下ra−Si感光体」と称する)につ
いて以下に述べる。
【0083】本発明に係るa−Si系感光体は周知の、
導電性支持体と、シリコン原子を母体とする非単結晶材
料から成る光導電層を有する感光層とから構成され、感
光体でもかまわないが、必要に応じて特性を向上させた
物を用いる。
【0084】本発明の、特性を向上させたa−Si系感
光体は、光導電層は10〜30原子%の水素を含み、光
吸収スペクトルの指数関数裾(アーバックテイル)の特
性エネルギーが50〜60meVであって、かつ局存状
態密度が1×1014〜1×1016cm-3であることを特
徴としている。上記したような構成をとるように設計さ
れた画像形成装置用感光体は、帯電能の温度依存性をは
じめ、極めて優れた電気的、光学的、光導電的特性、画
像品質、耐久性及び使用環境特性を示す。以下、図面に
従って本発明の光導電部材について詳細に説明する。図
15は、本発明の画像形成装置用感光体の層構成を説明
するための模式的構成図である。図15(a)に示す画
像形成装置用感光体1100は、感光体用としての支持
体1101の上に、感光層1102が設けられている。
該感光層1102はa−Si:H,Xからなり光導電性
を有する光導電層1103で構成されている。
【0085】図15(b)は、本発明の画像形成装置用
感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図15(b)に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
102が設けられている。該感光層1102はa−S
i:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103
と、アモルファスシリコン系表面層1104とから構成
されている。
【0086】表面層1104は、上記アモルファスシリ
コン系に限らず、非晶質炭素(a−c:H)あるいはフ
ッ素による処理、且つ/又は、フッ素を含有したもの
(a−C:H:F)を用いても良い。
【0087】図15(c)は、本発明の画像形成装置用
感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図15(c)に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
102が設けられている。該感光層1102はa−S
i:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1103
と、アモルファスシリコン系表面層1104と、アモル
ファスシリコン系電荷注入阻止層1105とから構成さ
れている。
【0088】図15(d)及び図16(a)は、本発明
の画像形成装置用感光体のさらに他の層構成を説明する
ための模式的構成図である。画像形成装置用感光体11
00は、感光体用としての支持体1101の上に、感光
層1102が設けられている。該感光層1102は光導
電層1103を構成するa−Si:H,Xからなる電荷
発生層1107ならびに電荷輸送層1108と、アモル
ファスシリコン系表面層1104とから構成されてい
る。
【0089】〔支持体〕支持体としては、導電性でも電
気絶縁性であっでもよい。導電性支持体としては、A
l、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、
Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例え
ばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポ
リエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテー
ト、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラ
ス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光
層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いるこ
とができる。
【0090】また、支持体1101の形状は平滑表面あ
るいは凹凸表面の円筒状または板状無端ベルト状である
ことができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感
光体1100を形成し得るように適宜決定するが、支持
体1101は製造上および取り扱い上、機械的強度等の
点から通常は10μm以上とされる。
【0091】特にレーザー光などの可干渉光を用いて像
記録を行う場合には、可視画像において現われる、いわ
ゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
ために、光生成キャリアの減少が実質的にない範囲で支
持体1101の表面に凹凸を設けてもよい。支持体11
01の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−1681
56号公報、同60−178457号公報、同60−2
25854号公報、同61−231561号公報等に記
載された公知の方法により作成される。
【0092】又、レーザー光等の可干渉光を用いた場合
の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するさ
らに別の方法として、感光層1102内、或いは該層1
102の下側に光吸収層等の干渉防止層或いは領域を設
けても良い。
【0093】又、支持体の表面に微細なキズをつけるこ
とにより感光体表面の微細粗さを制御する事もできる。
キズの作成は研磨材を使用しても良いし、化学反応によ
るエッチングやプラズマ中のいわゆるドライエッチン
グ、スパッタリング法等を用いても良い。この際に該キ
ズの深さ、大きさは光生成キャリアの減少が実質的にな
い範囲であれば良い。
【0094】〔光導電層〕図15に示すように、本発明
に於いて、その目的を効果的に達成するために支持体1
101上、必要に応じて下引き層(不図示)上に形成さ
れ、感光層1102の一部を構成する光導電層1103
は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるよ
うに適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成
される。具体的には、例えばグロー放電法(低周波CV
D法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交
流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパ
ッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、
光CVD法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によっ
て形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造
条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成され
る画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によ
って適宜選択されて採用されるが、所望の特性を有する
画像形成装置用感光体を製造するに当たっての条件の制
御が比較的容易であることからしてグロー放電法、特に
RF帯、μW帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高
周波グロー放電法が好適である。
【0095】グロー放電法によって光導電層1103を
形成するには、基本的には周知のごとくシリコン原子
(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原
子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及び
ハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガス
を、内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で
導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あら
かじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体110
1上にa−Si:H、Xからなる層を形成すればよい。
【0096】また、シリコン原子の未結合手を補償し、
層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上
させるために、光導電層1103中に水素原子または/
及びハロゲン原子が含有されることが必要であるが、水
素原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子と
ハロゲン原子の和の量はシリコン原子と水素原子または
/及びハロゲン原子の和に対して10〜30原子%、よ
り好ましくは15〜25原子%とされるのが望ましい。
【0097】そして、形成される光導電層1103中に
水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御
をいっそう容易になるように図り、本発明の目的を達成
する膜特性を得るために、これらのガスに更にH2およ
び/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガ
スも所望量混合して層形成することが必要である。ま
た、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合しても差し支えないものである。
【0098】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとしては、たとえばハロゲンガス、
ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハ
ロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガ
ス化し得るハロゲン化合物が好ましく用いられる。ま
た、シリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガ
ス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化
珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。本
発明において好適に使用し得るハロゲン化合物として
は、具体的にはフッ素ガス(F2)、BrF、ClF、
ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲ
ン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む
珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン
誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si2
6等のフッ化珪素が好ましいものとして挙げることが
できる。
【0099】光導電層1103中に含有される水素原子
または/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば
支持体1101の温度、水素原子または/及びハロゲン
原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器
内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0100】本発明においては、光導電層1103には
必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが
好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層1103
中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されても良
いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有し
ている部分があってもよい。
【0101】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表IIIb族に属する原子
(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝
導特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以後「第
Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0102】第IIIb族原子としては、具体的には、
硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(G
a)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモ
ン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、As
が好適である。
【0103】光導電層1103に含有される伝導性を制
御する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2
1×104原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5
×103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103
子ppmとされるのが望ましい。
【0104】伝導性を制御する原子、たとえば、第II
Ib族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するに
は、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質
あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反
応容器中に、光導電層103を形成するための他のガス
とともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用
の原料物質あるいは第Vb原子導入用の原料物質となり
得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なく
とも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用され
るのが望ましい。
【0105】そのような第IIIb族原子導入用の原料
物質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2
6、B410、B59、B511、B610、B612
61 4等の水素化硼素、BF3、BC13、BBr3等の
ハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlC13
GaCl3、Ga(CH33、InCl3、TlCl3
も挙げることができる。
【0106】第Vb族原子導入用の原料物質として有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2
4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3
PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が
挙げられる。この他、AsH 3、AsF3、AsCl3
ASBr3、ASF5、SbH3、SbF3、SbF5、S
bCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3
等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして
挙げることができる。
【0107】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2および/またはHeに
より希釈して使用してもよい。
【0108】さらに本発明においては、光導電層110
3に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原
子を含有させることも有効である。炭素原子及び/また
は酸素原子/及びまたは窒素原子の含有量はシリコン原
子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子の和に対して、好
ましくは1×10-5〜10原子%、より好ましくは1×
10-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5原子%が望
ましい。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒
素原子は、光導電層中にまんべんなく均一に含有されて
も良いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化するよう
な不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0109】本発明において、光導電層1103の層厚
は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等
の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは2
0〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適に
は25〜40μmとされるのが望ましい。
【0110】さらに、支持体1101の温度は、層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場
合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは23
0〜330℃、最適には250〜310℃とするのが望
ましい。
【0111】光導電層を形成するための支持体温度、ガ
ス圧等の条件は通常は独立的に別々に決められるもので
はなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的
且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望まし
い。
【0112】〔表面層〕本発明においては、上述のよう
にして支持体1101上に形成された光導電層1103
の上に、更にアモルファスシリコン系の表面層1104
を形成することが好ましい。この表面層1104は自由
表面1106を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特
性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発
明の目的を達成するために設けられる。
【0113】表面層1104は、アモルファスシリコン
系の材料であればいずれの材質でも可能であるが、例え
ば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を
含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に
酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−
SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/
またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,
X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素
原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材
料が好適に用いられる。
【0114】該表面層1104は、例えばグロー放電法
(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波C
VD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD
法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレー
ティング法、光CVD法、熱CVD法など周知の薄膜堆
積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積
法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規
模、作製される画像形成装置用感光体に所望される特性
等の要因によって適宜選択されて採用されるが、感光体
の生産性から光導電層と同等の堆積法によることが好ま
しい。
【0115】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H、Xよりなる表面層1104を形成するには、基
本的にはシリコン原子(Si)を供給し得る、Si供給
用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用
の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の
原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得る
X供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器に
所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電
を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電
層1103を形成した支持体1101上にa−SiC:
H,Xからなる層を形成すればよい。
【0116】表面層をa−SiCを主成分として構成す
る場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対し
て30%から90%の範囲が好ましい。また表面層内の
水素含有量を30原子%以上70%以下に制御すること
で電気的特性及び高速連続使用性において飛躍的な向上
とを図り、表面層の高い硬度を確保できる。表面層中の
水素含有量は、H2ガスの流量、支持体温度、放電パワ
ー、ガス圧等によって制御し得る。表面層1104中に
含有される水素原子または/及びハロゲン原子の量を制
御するには、例えば支持体1101の温度、水素原子ま
たは/及びハロゲン原子を含有させるために使用される
原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御
すればよい。炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子は、表面層中にまんべんなく均一に含有され
ても良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するよう
な不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0117】さらに本発明においては、表面層1104
には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させるこ
とが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層110
4中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されても
良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有
している部分があってもよい。前記伝導性を制御する原
子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙
げることができ、「第IIIb族原子」または「第Vb
族原子」を用いることができる。また、これらの伝導性
を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2
He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよ
い。
【0118】本発明に於ける表面層1104の層厚とし
ては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μ
m、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいもの
である。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用
中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μ
mを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下が
みられる。
【0119】本発明の目的を達成し得る特性を有する表
面層1104を形成するには、支持体1101の温度、
反応溶器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する
必要がある。表面層を形成するための支持体温度、ガス
圧等の条件は通常は独立的に別々に決められるものでは
なく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且
つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望まし
い。さらに本発明に於いては、光導電層と表面層の間
に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表面層よ
り減らしたブロッキング層(下部表面層)を設けること
も帯電能等の特性を更に向上させるためには有効であ
る。
【0120】また表面層1104と光導電層1103と
の間に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素
原子の含有量が光導電層1103に向かって減少するよ
うに変化する領域を設けても良い。これにより表面層と
光導電層の密着性を向上させ、界面での光の反射による
干渉の影響をより少なくすることができる。その他に、
表面層として炭素を主体として、内部且つ/又は最表面
にフッ素との結合を有する非晶質炭素膜(以下「a−
C:H:F」と表記する)を使用しても良い。
【0121】表面層1104が非単結晶質のカーボンか
ら成る場合の例を示す。原料ガスとしては炭化水素を用
い、高周波によりグロー放電分解して作製される。表面
保護層としては透明度が高い方が感度の低下が少なく好
都合であるので、必要に応じて水素や、ヘリウム、アル
ゴン等のガスが適宜混合される。また、基板温度は室温
から350℃までで適宜に温度調整される。
【0122】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C26、C38、C410等のガス状態の、また
はガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして
挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、炭素供給効率
の良さ等の点でCH4、C2 6が好ましいものとして挙
げられる。また、これらの炭素供給用の原料ガスを必要
に応じて、H2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈
して使用してもよい。
【0123】高周波電力については、出来るだけ高い方
が炭化水素の分解が充分に進むため好ましいが、異常放
電が発生してしまい、電子写真感光体の特性を劣化させ
るので、異常放電が発生しない程度の電力に抑える必要
がある。具体的には炭化水素の原料ガスに対して10W
/cc以上が好ましく、適宜調整される。
【0124】放電空間の圧力については100mTor
r以下、より好ましくは50mTorr以下、更に好適
には10mTorr以下、圧力の下限は放電が安定して
立つ領域であればどれだけ低くても本発明の効果は充分
に得られる。
【0125】フッ素原子が膜中に結合した領域を作成す
るためには、a−Cからなる表面保護層を作成した後に
フッ素を含有したガスを導入し、適宜な高周波電力でプ
ラズマを発生させて表面保護層のエッチング処理を行う
事によって表面保護層の膜中にフッ素原子を含有させ
る。また、電力は10Wから5000Wまで、各々のエ
ッチング速度に鑑み、適宜決定される。また、同様に処
理空間の圧力も1mTorrから数Torrの範囲で適
宜決定される。
【0126】本発明の効果を得る為に用いられるフッ素
系のガスとしてはCF4、CHF3、C26、ClF3
CHClF2、F2、C38、C410等のフッ素含有ガ
スを用いれば良い。
【0127】エッチングする膜厚に関しては最小20Å
以上あれば本発明の効果は得られる。100A以上エッ
チングすると、再現性、均一性が向上し、更に好まし
い。エッチングする膜厚は20〜100Å以上あればど
れだけエッチングしても本発明の効果は得られるので任
意に決めて良いが、制御の容易性と工業的な生産性から
言えば1000Å〜5000Å以下程度が好ましいと考
えられる。本発明の効果を得ながら、表面を荒らさず、
「す」を発生させずに最も効果的にフッ素原子を最表面
に結合させるために、エッチング速度は0.1Å/se
cから50Å/secの間が好ましい。
【0128】〔電荷注入阻止層〕本発明の画像形成装置
用感光体においては、導電性支持体と光導電層との間
に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きの
ある電荷注入阻止層を設けるのがいっそう効果的であ
る。すなわち、電荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯
電処理をその自由表面に受けた際、支持体側より光導電
層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の
極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮さ
れない、いわゆる極性依存性を有している。そのような
機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制
御する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0129】該層に含有される伝導性を制御する原子
は、該層中にまんべんなく均一に分布されても良いし、
あるいは層厚方向にはまんべんなく含有されてはいる
が、不均一に分布する状態で含有している部分があって
もよい。分布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く
分布するように含有させるのが好適である。いずれの場
合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な
分布でまんべんなく含有されることが面内方向における
特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0130】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野におけるいわゆる不純物
を挙げることができ、「第III族原子」または「第V
族原子」を用いることができる。
【0131】本発明において、電荷注入阻止層の層厚は
所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等
の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは
0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが
望ましい。
【0132】本発明においては、電荷注入阻止層を形成
するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持
体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げら
れるが、これらの層作成ファクターは通常は独立的に別
々に決められるものではなく、所望の特性を有する表面
層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層
作製ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0133】また、本発明の画像形成装置用感光体に於
いては、支持体1101と光導電層1103あるいは電
荷注入阻止層105との間の密着性の一層の向上を図る
目的で、例えば、Si34、SiO2、SiO、あるい
はシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロ
ゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を
設けても良い。更に、前述のごとく、支持体からの反射
光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設
けても良い。各層を製造後に表面粗さを調整する為にS
iC粉やダイヤモンド粉その他適宜な材料を使用した研
磨、或いはプラズマ等による表面粗さ処理を行なっても
良い。上記の各層は、例えば図8や図9に示される様な
周知の装置および膜形成方法にて製造される。
【0134】図8は電源周波数としてRF帯を用いた高
周波プラズマCVD法(以後「RF−PCVD」と略記
する)による画像形成装置用感光体の製造装置の一例を
示す模式的な構成図である。
【0135】この装置は大別すると、堆積装置(310
0)、原料ガスの供給装置(3200)、反応容器(3
111内を減圧にするための排気装置(不図示)から構
成されている。堆積装置(3100)中の反応容器(3
111)内には円筒状支持体(3112)、支持体加熱
用ヒーター(3113)、原料ガス導入管(3114)
が設置され更に高周波マッチングボックス(3115)
が接続されている。
【0136】原料ガス供給装置(3200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(3221〜3226)とバルブ(3231〜
32、36、3241〜3246、3251〜325
6)およびマスフローコントローラー(3211〜32
16)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(3
260)を介して反応容器(3111)内のガス導入管
(3114)に接続されている。次に、電源にVHF帯
の周波数を用いた高周波プラズマCVD(以後「VHF
−PCVD」と略記する)法によって形成される画像形
成装置用感光体の製造装置は、例えば図8に示した製造
装置におけるRF−PCVD法による堆積装置(310
0)を図9に示す堆積装置(4100)に交換して原料
ガス供給装置(3200)と接続することにより、得る
ことができる。
【0137】この装置は大別すると、真空気密化構造を
成した減圧にし得る反応容器(4111)、原料ガスの
供給装置(3200)、および反応容器内を減圧にする
ための排気装置(不図示)から構成されている。反応容
器(4111)何には円筒状支持体(4112)、支持
体加熱用ヒーター(4113)、原料ガス導入管(41
14)、電極が設置され、電極には更に高周波マッチン
グボックス(4120)が接続されている。また、反応
容器(4111)内は排気管(4121)を通じて不図
示の拡散ポンプに接続されている。
【0138】原料ガス供給装置(3200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(3221〜3226)とバルブ(3231〜
3236、3241〜3246、3251〜3256)
およびマスフローコントローラー(3211〜321
6)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(32
60)を介して反応容器(4111)内のガス導入口
(4115)に接続されている。また、円筒状支持体
(4112)によって取り囲まれた空間(4114)が
放電空間を形成している。
【0139】〔画像形成装置〕図4、5中の202は像
担持体である感光ドラムであり、矢印Xの時計方向に所
定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動されるド
ラム型の電子写真感光体である。
【0140】該感光体の表面層の抵抗値は、その電荷保
持能、帯電効率等の電気的特性を良好に有し、電圧によ
り表面層が損傷する、いわゆるピンホールリークを防止
する為に、1×1010〜5×1015Ωcmなる抵抗を有
する事が好ましい。より好ましくは1×1012〜1×1
14Ωcmである。
【0141】該抵抗値の測定はHIOKI社(メーカ
ー)製のMnテスターで250V〜1kVの印加電圧に
おける測定にて行なった。
【0142】図6は帯電部材201の構成を示す為の断
面該略図である。201は導電性ローラーからなる帯電
部材であり、図示のように、芯金となる導電性基体20
1−3、導電性弾性層201−2及びその面上に形成し
た中抵抗層201−1とからなり、該感光体202に加
圧当接する為に、必要に応じて加圧用バネ2014で加
圧される。
【0143】該帯電部材201の抵抗値は、図14で示
される様に、良好な帯電効率を保持する為、一方ではピ
ンホール防止の為にHIOKI社(メーカー)製のMΩ
テスターで250V〜1kVの印加電圧における測定に
て、全体抵抗で1×103〜1×109Ωなる抵抗を有す
る事が好ましい。より好ましくは1×105〜1×107
Ωである。
【0144】図7は帯電部材201の設置状態の一例を
示す図である。帯電部材201には図に示すように電圧
印加手段が付随し、該電圧印加手段により直流電圧Vd
c或いは交流を重乗した電圧Vacが帯電部材の中抵抗
層201−1に印加されて、回転駆動されている感光体
202の外周面が均一に帯電される。
【0145】像担持体であるところの感光体202と接
触帯電部材201の距離は、そのニップ制御の為に導電
性弾性層201−2の硬度調整および加圧用ばね201
4により安定的に設定されることが好ましい。その他に
ニップ調整用の機構を設けても良い。
【0146】「図3:近接領域モデル」:該接触型帯電
部材201と感光体202の表面の微細粗さ及び近接状
態を図3にモデル化して表してある。感光体202表面
と帯電部材201の表面に位置する中抵抗層201−1
(図6)との近接領域での距離は、図の様に該帯電部材
の表面粗さと感光体の微細表面粗さの比により変化す
る。
【0147】「図1:近接領域均一性グラフ」:該帯電
部材201の表面粗さRz-y、および感光体202の表
面の進行方向における微細表面粗さRz-xと凹凸平均距
離Sm -xについて、各々の比と近接状態均一性の相関と
してそれぞれ図1(a)、図1(b)に示してある。
【0148】図1(a)より、0.5≦Rz-y/Rz-x
300、より好ましくは1≦Rz-y/Rz-x≦200の時
に、良好な帯電均一性、良好な耐久性が得られた。ま
た、図1(b)より、0.01≦Rz-y× Rz-x≦20
〔μm2〕、より好ましくは0.05≦ Rz-y× Rz-x
≦10〔μm2〕の時に、良好な帯電均一性、良好な耐
久性が得られた。
【0149】また、図1(c)より、Rz-yと前記被帯
電体の進行方向における該被帯電体表面の凹凸の平均間
隔Sm-xが、1×10-4≦Sm-x/Rz-y≦1×10-2
とき、より好ましくは2×10-4≦Sm-x/Rz-y≦5×
10-3のときに、良好な放電均一性、耐久性が得られ
た。
【0150】上記の範囲で帯電均一性、即ち放電均一性
の効果が、或いは特に該帯電部材を連れ廻りで使用する
場合等、帯電部材の表面が均等に帯電行程に当たらない
事等によるとみられる、特に該帯電部材の周方向におけ
る局所的な劣化を防止する効果がみられた。
【0151】評価方法は上記ともに下記の方法で行なっ
た。帯電均一性、即ち放電均一性の評価はキャノン製N
P6062内蔵のドラム表面電位センサを改造して行な
った。該電位センサを帯電部材の感光体回転方向上流側
の、放電の影響を実質的に受けない範囲で帯電部材最近
傍に設置して感光帯電位の周方向むら、長軸方向むらを
測定し、その電位ばらつき範囲で評価した。
【0152】具体的には、被測定物となる帯電部材の導
電性弾性層および中抵抗層を長軸方向で5mm以下の矩
尺とした物、および感光体を図5に示す装置に投入し
た。さらに感光体の周速度(プロセススピード)を、5
0〜250mm/secの範囲で変化させ、除電光源2
09の除電光に暴露した状態でDC電圧印加し、通紙を
行なわない状態で空回転し、帯電電流および上記の感光
体表面電位の安定性を測定した。その結果から耐久前後
の放電安定性を下記1〜5にランク付けした。ここでの
ランクは、電位むら、電流むらが 5:非常に良好=従来の系の初期のむらに対して40%
未満 4:良好=従来の系の初期のむらに対して60%未満 3:やや良好=従来の系の初期のむらに対して80%未
満、 2:実用上問題なし=従来の系の初期のむらに対して1
00%未満 1:実用上やや難あり=従来の系の初期のむらに対して
100%以上である。
【0153】「図2:放電均一性−帯電性グラフ(耐久
後)」:図1の放電安定性に対し、各々それに相当する
条件で50万枚画像出し相当の耐久実験を行なった後の
「帯電均一性」の相関を図2に示す。帯電部材に100
0VのVdcを印加した時の1周目での帯電部材直後電
位を示してある。放電均一性が増加する、即ち局部的な
異常放電を抑制することで耐久後の帯電性も向上し、シ
ステムとしての安定性、耐久性の向上が見られる。な
お、該評価において、2分以上の帯電行程継続後の定常
状態の表面電位は700±3Vであった。
【0154】これらより、帯電部材と感光体の微細表面
粗さの比を適した範囲に制御する事により、帯電特性が
向上する。又、接触面積比が大きくなる事により、帯電
均一性が向上し、さらに高精細な画像に対応できる。な
お、帯電部材の表面粗さ、及び感光体表面の粗さの各値
は、感光体の感度特性等の電子写真特性に実質的に影響
のない範囲であれば良い。
【0155】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0156】〔実施例1〕図8に示すRF−PCVD法
による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、直径
(φ)301mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリ
ンダーと、該シリンダーを、前述の公知の方法で凹凸処
理を施した物を使用した。これらのシリンダー上に、表
1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層から
なる感光体を作製した。さらに光導電層のSiH4とH2
との混合比ならびに放電電力を変えることによって、種
々の感光体を作製した。
【0157】
【表1】 作成した感光体は、必要に応じてSiC粉体やダイヤモ
ンド粉体等の研磨材を使用して表面粗さを調整した。作
製した感光体を画像形成装置(キャノン製GP55II
をテスト用に改造)にセットして、帯電能の温度依存性
(温度特性)、メモリーならびに画像欠陥を評価した。
本改造機において、転写、分離帯電器206(a)、同
(b)は図の如くローラー帯電器、またはベルト状帯電
器にし、この部位でのコロナによるオゾン発生を極力抑
制する様にした。温度特性は、感光体の温度を室温から
約45℃まで変えて帯電能を測定し、このときの温度1
℃当たりの帯電能の変化を測定して、2V/deg以下
を合格と判定した。
【0158】また、メモリー、画像流れについては、画
像を顕微鏡による画像観察を含む目視により判定し、
1:非常に良好、2:良好、3:実用上問題なし、4:
実用上やや難ありの4段階にランク分けした。一方、円
筒形のサンプルホルダーに設置したガラス基板(コーニ
ング社7059)ならびにSiウェハー上に、光導電層
の作製条件で膜厚約1μmのa−Si膜を堆積した。ガ
ラス基板上の堆積膜にはAlの串型電極を蒸着し、CP
Mにより指数関数裾の特性エネルギー(Eu)と局存準
位密度(D.O.S.)を測定し、Siウェハー上の堆
積膜はFT−IR(フーリエ変換赤外吸収)により含有
水素量を測定した。このときのEuと温度特性との関係
を図10に、D.O.S.とメモリー、画像流れとの関
係を図11、図12に示す。いずれのサンプルも水素含
有量は10〜30原子%の間であった。
【0159】図10、図11ならびに図12から明らか
なように、サブバンドギャップ光吸収スペクトルから得
られる指数関数裾の特性エネルギー(Eu)が50〜6
0meV、かつ伝導帯端下の局在状態密度(D.O.
S.)が1×1014〜1×10 16cm-3である事が良好
な電子写真特性を得る好適条件である事がわかった。
又、同様に表面層のサンプルを作成し、櫛型電極を用い
て抵抗値の測定を行なった。
【0160】一方、帯電部材201は以下の条件で製作
した。帯電部材201の導電性基体201−1はSUS
を用いた。導電性弾性層は、アクリルゴムからなるソリ
ッド状ゴムにカーボンブラックを分散させて、該導電性
基体にφ14mmのローラー状になる様に構成した。さ
らに該ローラー上に、中抵抗層として、ポリエステル樹
脂にカーボンブラックを分散させ、外径φ16mmのロ
ーラー状帯電部材を構成した。又、本実施例ではニップ
幅を6乃至6.5mmとした。これは図7の様に、バネ
を用いてニップ調整を行った。該バネ部は不図示の調整
機構によりニップ巾を変更することができるようにし
た。該帯電部材の形成行程の調整により微細表面の表面
粗さRz-yを調整した。作製した感光体、帯電部材を、
キャノン製GP55IIを改造し、図5に示した様な画
像形成装置にセットした。
【0161】環境対策ヒーター223はOFFにして帯
電能力を評価した。結果を図14に示す。帯電効率を良
好に保持し、一方でリークポチや、感光体表面の微小欠
陥から、帯電部材長袖方向で電位が低下してしまう事の
防止等のために全体抵抗として1×103〜1×109Ω
なる抵抗を有することが好ましい。より好ましくは1×
105〜1×107Ωである。
【0162】帯電部材抵抗が1×103Ω未満だった場
合は、異常放電、ピンホールが発生し、またその部位に
おいては該ピンホールに電流が集中し、感光体長軸方向
に帯電不良が生じる、或いは感光体が破損する危険性が
ある。また、1×109Ω以上の領域では帯電効率低
下、また環境による帯電性変動が増加した。
【0163】前記感光体の中から下記aからfを、また
帯電部材の中から下記AからFをそれぞれ用い、以下の
耐久試験をした。
【0164】図5に示す様な画像形成装置を用い、23
℃、50%RHの環境で3万枚の耐刷試験を行い、耐久
に伴う放電電流の変化、帯電均一性の変化および前後の
画質を比較した。なお、耐久に際しても上記ヒーター2
23はOFFにした。画像は目視判断の他、耐久後の画
質の保持率の判断の1つとして、耐久に伴い帯電部材表
面が劣化し、剥離した該表面成分が現像器或いはコピー
用紙に移動する事、或いは帯電ローラーや感光体の局部
的劣化、局所的な帯電不良による局所的な濃度変化を測
定した。該画像濃度測定はベタ自画像及びハーフトーン
画像における局所的な濃度変化をマクベス社製反射濃度
計により測定した。
【0165】帯電部材100への印加電圧条件は、90
0VのVdcに、3kHz、1.5kVppのVacを
重乗した。プロセススピードは200mm/secとし
た。
【0166】又、帯電部材は感光体と同方向、即ち感光
体との当接面で、感光体に連れ廻り進行する(本実施例
では帯電部材の駆動用部材を特に設けていない)。又、
帯電部材巾の帯電部材等の劣化や不均一帯電による画質
への影響と、ニップ巾等の他の要因による影響等を分離
する為、ニップ巾等の帯電部材条件を一定に保持して耐
久を行なった。感光体の表面粗さ、及びその他の条件
は、表2に示す通りである。
【0167】
【表2】 帯電部材の表面粗さ、及び23℃、50%RH環境下で
測定した帯電部材の全体抵抗は、表3に示す通りであ
る。
【0168】
【表3】 耐久前後の画像の評価結果を表4に示す。本実施例にお
いては、0.5≦Rz- y/Rz-x≦300および0.01
≦Rz-y×Rz-x≦20〔μm2〕を満たすため、均一な
放電が維持され、その結果良好な画質が維持された。ま
た、感光体及び帯電部材表面に傷等は認められなかっ
た。
【0169】
【表4】 〔実施例2〕実施例1同様、図5に示す製造装置を用
い、表5に示す作製条件で画像形成装置用感光体を作製
した。このときの光導電層のEuとD.O.S. は、
それぞれ55meV、2×1015cm-3であった。
【0170】
【表5】 感光体表面は表面粗さRz-xを実施例1の感光体cと同
じにして、シリンダー切削、且つ/又は成膜後の研磨工
程で平均凹凸間距離Sm-xを変化させ表6に示す感光体
i〜viを得た。
【0171】
【表6】 これに、抵抗、硬度等が実施例1の帯電部材Cと同様の
物を成型工程で表面粗さRz-yを変化させ、表7に示す
I〜VIを使用した。
【0172】
【表7】 帯電部材への印加電圧条件、プロセススピード、及び帯
電部材の回転等は実施例1と同様にした。実施例1と同
様の評価をした結果を表8に示す。
【0173】
【表8】 本実施例においては、感光体表面のSm-xと帯電部材表
面粗さRz-yの比Sm-x/Rz-yが、1×10-4≦Sm-x
z-y≦1×10-2を満たすため、帯電部材の局部的な
劣化や帯電不良等を抑制し、また良好な画像が更に長期
にわたり安定して得られた。
【0174】〔実施例3〕実施例1で用いた感光体c、
帯電部材C、および画像形成装置を用い、32.5℃、
85%RHの環境下で実施例1と同様の耐久前後の評価
をしたところ、実施例1同様に良好な画像、結果が得ら
れた。また、高湿環境で特に懸念される高湿画像流れ、
まだらスジ、かぶりもなく高画質な画像を安定して得ら
れた。また、暗状態電位は耐久前後の差は認められなか
った。
【0175】〔実施例4〕実施例1で用いた感光体c、
帯電部材C、および画像形成装置を用い、15℃、10
%RHの環境下で実施例1と同様の耐久前後の評価をし
たところ、初期の帯電効率が実施例1と比較して10〜
20V低下したが、これは帯電部材自体の抵抗値の環境
依存性に相当する値であり、抵抗値を考慮した使用条件
下では帯電効率は同等であった。上記磁性粒子Cを使用
して実施例1と同様の耐久を行なった結果、実施例1と
同様に良好な画像、結果が得られた。また、暗状態電化
は耐久前後の差は認められなかった。
【0176】いわゆるローラー帯電において、帯電部
材、感光体間の放電は接触域(ニップ)前後の近接領域
でなされる。放電はその近接距離を含めた空間の容量、
感光体と帯電部材の電位差により発生し、感光体が帯電
される。そのために目標とする感光体の表面電位よりも
高いDC電圧を印加、或いは目標同等のDC電圧にAC
電圧を印加する等の方法が採られる。特にa−Si系感
光体系では、帯電前露光、帯電行程の後に感光体の表面
電位が減少する、いわゆる「暗減衰」特性が有り、帯電
部材での印加電圧現像位置で必要な電圧よりも高く設定
している。また、電気容量が大きい為、帯電に必要な電
荷量も大きいため電流値が大きく、異常放電の発生を抑
制することで、樹脂等からなる帯電ローラーからなる帯
電部材の劣化を防止する効果が大きくなる。したがっ
て、帯電部材と感光体表面の表面粗さ、凹凸間距離の相
関を適宜な範囲に規定することにより、上記要因等によ
る、局所的且つ/又は全体的な異常放電を効果的に防止
し、均一な帯電を長期に安定して得ることができるので
ある。
【0177】〔実施例5〕図9に示すVHF−PCVD
法による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、実施
例1と同様に直後30mmの鏡面加工を施したアルミニ
ウムシリンダー(支持体)上に表5に示す条件で電荷注
入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製し
た。
【0178】
【表9】 さらに光導電層のSiH4とH2との混合比、放電電力支
持体温度ならびに内圧を変えることにより、種々の感光
体を作製した。一方、光導電層の作製条件で、円筒形の
サンプルホルダーに設置したガラス基板(コーニング社
7059)ならびにSiウェハー上に膜厚約1μmのa
−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはAlの
串型電極を蒸着して、CPMにより指数関数裾の特性エ
ネルギー(Eu)と局在準位密度(D.O.S.)を測
定し、Siウェハー上の堆積膜はFTIRにより含有水
素量ならびにSi−H2結合とSi−H結合の吸収ピー
ク強度比を測定した。Eu、D.O.S.と温度特性、
メモリー、画像流れとの関係は実施例1と同様であり、
良好な電子写真特性のためにはEu=50〜60me
V、D.O.S.=1×1014〜1×1016cm-3であ
ることが好ましいことがわかった。さらに、図13に示
すSi−H2/Si−Hとガサツキとの関係から、Si
−H2/Si−H=0.2〜0.5の範囲にすることが
好ましいことがわかった。
【0179】この感光体のうち、Eu、D.O.S.お
よびSi−H2/Si−Hが、各々54meV、8×1
14cm-3、0.29の感光体について、表面層にはa
−C:H、表5に示す方法等によりa−C:H:F表面
層を研磨し実施例1のcと同様の感光体にした。またa
−C:Hを研磨した上にCF4でプラズマ処理すること
により、差異表面にフッ素を結合させた、実施例1のc
と同等のRz-x、Sm-xを有する感光体に形成した。上記
各感光体を、実施例1の帯電部材Cと同じものを使用し
て実施例1の環境下で、実施例1同様の耐久評価を行っ
たところ、良好な結果を得た。また、実施例3同様の高
湿高温環境において、同様の耐久を行なった結果、純水
の接触角の保持率が向上していた。接触角が大きい程、
撥水性が良好であることを示す。従って、画像流れへの
耐性が向上しているといえる。
【0180】〔実施例6〕外径30mmのアルミニウム
シリンダーを基体とし、これにアルコキシメチル化ナイ
ロンの5%メタノール溶液を浸漬法で塗布して、膜厚1
μmの下引き層(中間層)を設けた。次にチタニルフタ
ロシアニン原料を10部(重量部、以下同様)、ポリビ
ニルブチラール8部、及びシクロヘキサノン50部を直
径1mmのガラスビーズ100部を用いたサンドミル装
置で20時間混合分散した。この分散液にメチルエチル
ケトン70〜120部(適宜)を加えて下引き層上に塗
布し、100℃で5分間乾燥して0.2μmの電荷発生
層を形成した。次にこの電荷発生層の上に下記構造式の
スチリル化合物10部と
【0181】
【化1】 ビスフエノールZ型ポリカーボネート10部をモノクロ
ルベンゼン65部に溶解した。この溶液をデイッピング
法によって基体上に塗布し、120℃で60分間の熱風
乾燥させて、20μm厚の電荷輪送層を形成させた。次
にこの電荷輸送層の表面を研磨材を使用して表面を加工
した。さらにその上に以下の方法で膜厚1.0μmの表
面層を設けた。酸成分としてテレフタル酸を、またグリ
コール成分としてエチレングリコールを用いて得られた
高融点ポリエチレンテレフタレート(A)[極限粘度
0.70dl/g、融点258℃(示差熱測定器を用い
て10℃/minの昇温速度で測定した。また、測定サ
ンプルは5mgで、測定しようとするポリエステル樹脂
を280℃で溶融後、0℃の氷水で急冷して作成し
た)、ガラス点移転温度70℃]100部とエポキシ樹
脂(B)[エポキシ当量160;芳香族エステルタイ
プ;商品名:エピコート190P(油化シェルエポキシ
社製)]30部とをフェノールとテトラクロロエタン
(1:1)混合液100mlに溶解させた。本実施例の
感光体は対で作成した。
【0182】一方には更に上記溶液中に電荷保持粒子と
して、SnO2粉を60wt%混入した。次いで光重合
開始剤としてトリフェニルスルフォニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート(C)3部を添加して樹脂組成物溶液
を調製した。
【0183】光の照射条件としては、2kW高圧水銀灯
(30W/cm)を20cm離した位置から130℃で
8秒間照射して硬化させた。
【0184】この様に作成した感光ドラムの表面の微細
粗さは、Rz-x=0.98μm、Sm -x=0.0057μ
mである。該感光体を、実施例1の帯電部材のうち実施
例1のDを使用した。また、帯電部材のニップは実施例
1同様6〜6.5mmとした。
【0185】この条件下で、実施例3同様に32.5
℃、85%の条件下で5万枚の耐刷試験を行い、高湿画
像流れ、及びまだらスジ、かぶりに着目し評価した。帯
電部材への印加電圧条件は、直流電圧−700Vdcに
1.5kHz、1000Vppの交流電圧を重乗した電
圧印加を行なった。プロセススピード200mm/se
cで行った。帯電直後に測定した帯電電位は、耐久前後
友に−695〜−700Vであった。評価の結果を表6
に示す。
【0186】また、耐久後の感光体表面、帯電部材表面
の傷や削れ量に関して、画像上問題となる様な傷、削れ
は認められなかった。
【0187】これは、帯電部材と感光体の表面粗さの相
関を規定した事により放電が局所的、全体的共により安
定して均一に行なわれる事、局所的な圧力がかからなく
なった事等によるものと考えられる。
【0188】〔実施例7〕実施例6で用いたのと同じ感
光体、帯電部材を使用し、15℃10%RHの条件下で
実施例6と同様に耐久テストを行った。結果を表6に示
す。実施例6と比較して、耐久前後を通して若干の感光
体表面電位の差異が有った。これは帯電部材の電気抵抗
の環境依存性によるもので、環境による抵抗変化分を考
慮すると同等となった。表10より、被帯電体であると
ころの感光体が、高融点ポリエステル樹脂、及び硬化樹
脂を含み、SnO2等の電荷保持粒子を分敵させた表面
乱或いはアクリル樹脂小にSnO2等の電荷保持粒子を
分散させた表面層等の、電荷保持部材を分散させた硬化
樹脂表面層を有してもよい事が判明した。特にキズ等に
関しては表面層の機械的強度等も関与しているのであろ
うと思われる。また、耐久後の感光体表面の傷や削れ観
察の結果は実施例6と同様であった。結果を表10に示
す。
【0189】
【表10】 〔実施例8〕実施例1で用いた感光体c、帯電部材Cと
同じものを使用し、25℃45%RHの条件下で実施例
1と同様に耐久テストを行った。その際、画像形成装置
に、非帯電行程中に該帯電部材を感光体から最短部で1
0mm以上の距離を有する様に帯電部材の離脱機構を追
加した。これについて実施例1と同様の耐久テストを行
なった結果、実施例1同様に良好な結果を得た。
【0190】更に耐久試験後、離脱機構のあるものとな
いものとの双方を60時間放置し、その後の1枚目の電
位、電流むらを比較したところ、離脱機構を有するもの
の方が、帯電部材の変形が低減されていた。このことは
寸法(断面径)を含む断面形状の比較からも確認され
た。
【0191】〔実施例9〕実施例1で用いた感光体c、
帯電部材Cと同じものを使用し、25℃45%RHの条
件下で実施例1と同様に耐久テストを行った。その際、
耐久テストに使用する画像形成装置に帯電行程中に該帯
電部材をその長軸方向、即ち感光体の回転方向に直角方
向に0.5mm/sで往復する(レシプロ)機構を設け
た。これについて実施例1と同様の耐久テストを行なっ
た結果、実施例1同様に良好な結果を得た。
【0192】更に感光体cの長軸方向の一部を追加研磨
し、Rz-x、Sm-xを増大させた。これをレシプロ機構の
有無の系にて耐久テスト後、レシプロ機構を設けた方は
感光体の位置に相当する帯電部材の劣化が抑制された。
また、上記各実施例で帯電部材に直流電圧のみを印加し
た場合にも、同様の効果が得られた。
【0193】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、帯
電部材の表面粗さRz-Yと、被帯電体の表面粗さ、特に
平均粗さRz-xや平均凹凸距離Sm-xとの相関を規定して
いるため、ニップ部近傍のいわゆる近接部分での異常放
電を防止し、高画質な画像を長期に渡って得ることがで
きる。
【0194】また、転写帯電器としてローラー状、又は
ベルト状の部材を用いるため、システム全体としてオゾ
ン発生を抑制することができる。
【0195】また、使用中に主帯電部材を該帯電部材の
長軸方向、即ち感光体回転方向に並行でない方向に振動
させるため、近接状態のむらを補正し、局部的な劣化を
防止することができる。
【0196】また、帯電部材と感光体のニップ巾を規制
する手段や、非帯電行程において該帯電部材を被帯電体
から離脱する手段を設けているため、長時間の休止によ
る帯電部材の変形や、それによる近接状態の変化、帯電
部材表面への感光体の融着を防止することができる。
【0197】また、温度による帯電能力の変化(以下、
温度特性と称する)を低減ないしは解消した新規なアモ
ルファスシリコン系感光体を使用するため、環境対策ヒ
ーターのない状態で、装置の立上げ時から一貫して画像
濃度変化がない安定な画像を得ることができる。
【0198】また、表面粗さや硬度、摩擦特性、環境耐
性に優れた新規な表面層を使用するため、更に良好な耐
久性を得ることができる。
【0199】また、コロナ帯電の様に多量のオゾン生成
物が発生しない為、いわゆる「高湿流れ」対策が不要に
なり、ドラムヒーター等の除去に伴い、夜間通電や消費
電力が低減されエコロジーの点からも有効である。
【0200】さらに、a−Si系感光体は、特に帯電前
に主除電光等により除電を行なう機構を有する場合では
帯電電圧を高く設定しなければならず、容量も有機感光
体に比較して大きい為大電流となっているが、上記の構
成の単独或いは重乗により、以上放電による画像欠陥の
防止、帯電部材且つ/又は感光体の寿命延長等大きな効
果が現れる。表面硬度も高く長寿命なa−Si感光体に
おいて、その作用はより効果的に働く。
【0201】また、帯電部材、また有機感光体を含めた
システムの耐刷寿命が延び、帯電部材交換或いは感光体
や帯電部材を含むプロセスカートリッジの交換、すなわ
ちサービスメンテナンスの簡易化が可能となる。
【0202】さらに、感光体上の突起等に起因する画像
欠陥或いは該欠陥の成長が低減できる。近接状態の均一
化の向上により微細な異常放電等が防止されることで均
一に帯電がなされると共に、欠陥部の損傷拡大が防止さ
れ画像欠陥の成長が抑制されることによるものと考えら
れる。
【0203】また、トナーの径を変化させた際、感光体
に付着したトナーが剥れにくくなり、画像に黒スジ状の
欠陥が生じる「融着」が抑制される。帯電部材が感光体
を均一、かつ綿密に摺擦される事によりクリーニング効
果が生じているものと考えられる。
【0204】さらに、耐久での磁性粒子の汚染レベルが
改善できる。装置中の紙粉等が帯電部材中に混入しても
磁性粒子の流動性等により微量の内に帯電部材から放出
され易くなり、早期に下流のクリーナー等により系外に
除去されるものと考えられる。
【0205】この効果により更に磁性粒子の耐刷寿命の
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電均一性に及ぼす諸因子の影響を示すグラフ
である。
【図2】放電安定性と表面電位の関係を示すグラフであ
る。
【図3】本発明の帯電部材と感光体表面の接触域近傍、
近接状態の模式図である。
【図4】本発明の帯電部材、帯電装置、画像形成装置の
好適な実施態様の一例の構成を説明するための模式的構
成図である。
【図5】本発明の帯電部材、帯電装置、画像形成装置の
好適な実施態様の一例の構成を説明するための模式的構
成図である。
【図6】本発明の帯電部材の構成を説明するための模式
的構成図である。
【図7】本発明の帯電装置の構成、実施態様の一例の構
成を説明するための模式的構成図である。
【図8】本発明の画像形成装置用感光体の光受容層を形
成するための装置の一例で、RF帯の高周波を用いたグ
ロー放電法による画像形成装置用感光体の製造装置の説
明図である。
【図9】本発明の画像形成装置用感光体の光受容層を形
成するための装置の一例で、VHF帯の高周波を用いた
グロー放電法による画像形成装置用感光体の製造装置の
説明図である。
【図10】本発明の画像形成装置用感光体における光導
電層のアーバックテイルの特性エネルギー(Eu)と温
度特性との関係を示す図である。
【図11】本発明の画像形成装置用感光体における光導
電層の局在状態密度(D.O.S.)と光メモリーとの
関係を示す図である。
【図12】本発明の画像形成装置用感光体における光導
電層の局存状態密度(D.O.S.)と画像流れとの関
係を示す図である。
【図13】本発明の画像形成装置用感光体における光導
電層のSi−H2結合とSi−H結合の吸収ピーク強度
比とハーフトーン濃度ムラ(ガサツキ)との関係を示す
図である。
【図14】本発明の帯電部材の抵抗値及び帯電効率の関
係を示す図である。
【図15】本発明の画像形成装置用感光体の好適な実施
態様例の層構成を説明するための模式的層構成図であ
る。
【図16】本発明の画像形成装置用感光体の好適な実施
態様例の層構成を説明するための模式的層構成図であ
る。
【符号の説明】
201 帯電部材 201−1 帯電層(中抵抗層) 201−2 導電性弾性層 201−3 支持部材(導電性基体) 202 被帯電体(感光体) 203 画像信号付与手段 204 現像スリーブ 205 給紙系 206 転写帯電器 209 除電光源 221 クリーニングブレード 223 環境対策ヒーター 230 転写材(コピー用紙等) 3100、4100 堆積装置 3111、4111 反応容器 3112、4112 円筒状支持体 3113、4113 支持体加熱用ヒーター 3114 原料ガス導入管 3115、4116 マッチングボックス 3116 原料ガス配管 3117 反応容器リークバルブ 3118 メイン排気バルブ 3119 真空計 3200 原料ガス供給装置 3211〜3216 マスフローコントローラー 3221〜3226 原料ガスボンベ 3231〜3236 原料ガスボンベバルブ 3241〜3246 ガス流入バルブ 3251〜3256 ガス流出バルブ 3261〜3266 圧力調整器 4115 電極 120 支持体回転用モーター 4121 排気管 4130 放電空間 1100 感光体 1101 支持体 1102 感光層 1103 光導電層 1104 表面層 1105 電荷注入阻止層 1106 自由表面 1107 電荷発生層 1108 電荷輸送層 1109 表面層
フロントページの続き (72)発明者 栢 孝明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体に加圧当接し帯電させることに
    より、該被帯電体上に静電潜像を形成する帯電部材にお
    いて、前記帯電部材の表面粗さをRz-yとし、前記被帯
    電体の進行方向における前記被帯電体表面の表面粗さを
    z-xとしたときに、 0.5≦Rz-y/Rz-x≦300 の関係を満たすことを特徴とする帯電部材。
  2. 【請求項2】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、 1≦Rz-y/Rz-x≦200 の関係を満たす請求項1に記載の帯電部材。
  3. 【請求項3】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、 0.01≦Rz-y×Rz-x≦20〔μm2〕 の関係を満たす請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 【請求項4】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、 0.05≦Rz-y×Rz-x≦10〔μm2〕 の関係を満たす請求項1乃至3いずれかに記載の帯電部
    材。
  5. 【請求項5】 前記Rz-yと前記被帯電体の進行方向に
    おける前記被帯電体表面の凹凸の平均間隔Sm-xが、 1×10-4≦Sm-x/Rz-y≦1×10-2 の関係を満たす請求項1乃至4いずれかに記載の帯電部
    材。
  6. 【請求項6】 前記Rz-yおよび前記Sm-xが、 2×10-4≦Sm-x/Rz-y≦5×10-3 の関係を満たす請求項5に記載の帯電部材。
  7. 【請求項7】 前記帯電部材の繊維表面の非晶質材料
    が、少なくともシリコン原子を母体として水素原子及び
    /またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料からな
    り、電荷を保持する機能を有する材料であることを特徴
    とする請求項1乃至6いずれかに記載の帯電部材。
  8. 【請求項8】 帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材の
    帯電面を被帯電体に加圧当接させ、前記帯電部材を放電
    させ前記被帯電体を帯電させることにより、前記被帯電
    体上に静電潜像を形成し、これをトナーによって顕画像
    化する画像形成装置において、前記帯電部材の表面粗さ
    をRz-yとし、前記被帯電体の進行方向における前記被
    帯電体表面の表面粗さをRz-xとしたときに、 0.5≦Rz-y/Rz-x≦300 の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、 1≦Rz-y/Rz-x≦200 の関係を満たす請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、 0.01≦Rz-y×Rz-x≦20〔μm2〕 の関係を満たす請求項8または9に記載の画像形成装
    置。
  11. 【請求項11】 前記Rz-yおよび前記Rz-xが、 0.05≦Rz-y×Rz-x≦10〔μm2〕 の関係を満たす請求項8乃至10いずれかに記載の画像
    形成装置。
  12. 【請求項12】 前記Rz-yと前記被帯電体の進行方向
    における前記被帯電体表面の凹凸の平均間隔Sm-xが、 1×10-4≦Sm-x/Rz-y≦1×10-2 の関係を満たす請求項8乃至11いずれかに記載の画像
    形成装置。
  13. 【請求項13】 前記Rz-yおよび前記Sm-xが、 2×10-4≦Sm-x/Rz-y ≦5×10-3 の関係を満たす請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記帯電部材を前記被帯電体の回転方
    向と異なる方向に振動または移動させる手段を有する請
    求項8乃至13いずれかに記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 ローラー状、又はベルト状の部材から
    なる転写帯電器を備えた請求項8乃至14いずれかに記
    載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記帯電部材を前記被帯電体から離脱
    する手段を有する請求項8乃至15いずれかに記載の画
    像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記帯電部材と前記被帯電体との接触
    域巾(ニップ巾)を規制する手段を有する請求項8乃至
    16いずれかに記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記帯電部材の繊維表面の非晶質材料
    が、少なくともシリコン原子を母体として水素原子及び
    /またはハロゲン原子を含有する非単結晶材料からな
    り、電荷を保持する機能を有する材料であることを特徴
    とする請求項8乃至17いずれかに記載の画像形成装
    置。
  19. 【請求項19】 前記被帯電体が、(a)導電性支持体
    と、(b)シリコン原子を母体として水素原子及び/ま
    たはハロゲン原子を含有する非単結晶材料からなり光導
    電性を示す光導電層及び電荷を保持する機能を有する表
    面層を含む光受容層とから構成される画像形成装置用感
    光体であって、該光導電層が10〜30原子%の水素を
    含有し、少なくとも光の入射する部分において、サブバ
    ンドギャップ光吸収スペクトルから得られる指数関数裾
    の特性エネルギーが50〜60meV、かつ局在状態密
    度(D.O.S.)が1×1014〜1×1016cm
    -3で、表面層の電気抵抗値が1×1010〜5×1015Ω
    cmである請求項8乃至18いずれかに記載の画像形成
    装置。
  20. 【請求項20】 前記被帯電体が、(a)導電性支持体
    と、(b)シリコン原子を母体として水素原子及び/ま
    たはハロゲン原子を含有する非単結晶材料からなり光導
    電性を示す光導電層及び電荷を保持する機能を有する表
    面層を含む光受容層とから構成される画像形成装置用感
    光体であって、前記表面層が非晶質炭素から主としてな
    る請求項8乃至19いずれかに記載の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記表面層がフッ素を含有する非晶質
    炭素からなる請求項20に記載の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記表面層の最表面がフッ素の結合し
    た非晶質炭素からなる請求項21に記載の画像形成装
    置。
  23. 【請求項23】 前記被帯電体が、導電性支持体と、有
    機感光層と、電荷保持粒子を含む表面層とを有する電子
    写真感光体である請求項8乃至22いずれかに記載の画
    像形成装置。
JP31068197A 1997-11-12 1997-11-12 帯電部材および画像形成装置 Pending JPH11143176A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31068197A JPH11143176A (ja) 1997-11-12 1997-11-12 帯電部材および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31068197A JPH11143176A (ja) 1997-11-12 1997-11-12 帯電部材および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11143176A true JPH11143176A (ja) 1999-05-28

Family

ID=18008180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31068197A Pending JPH11143176A (ja) 1997-11-12 1997-11-12 帯電部材および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11143176A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008151928A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2020013078A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 キヤノン株式会社 画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008151928A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2020013078A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 キヤノン株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3507322B2 (ja) 電子写真装置
JP3149075B2 (ja) 電子写真装置
US6171742B1 (en) Photosensitive member to be used for image-forming apparatus and image-forming apparatus comprising such photosensitive member
JP3796352B2 (ja) 画像形成方法
JP3302326B2 (ja) 画像形成装置
JP2002229303A (ja) 電子写真装置
JP3352292B2 (ja) 画像形成装置
JP2004133397A (ja) 電子写真感光体
JP3128186B2 (ja) 電子写真装置
JPH11143176A (ja) 帯電部材および画像形成装置
JP3559665B2 (ja) 画像形成装置
JP3247283B2 (ja) 帯電装置及び画像形成装置
JPH08272190A (ja) 帯電装置および画像形成装置
JPH08272194A (ja) 帯電装置および画像形成装置
JP2000131924A (ja) 帯電部材とこの帯電部材を用いた画像形成装置
JP3535664B2 (ja) 電子写真装置
JP2002311613A (ja) 電子写真用感光体、電子写真装置、電子写真用感光体の表面評価方法
JPH0943934A (ja) 帯電装置および画像形成装置
JP3221274B2 (ja) 画像形成装置
JPH1031344A (ja) 帯電装置および画像形成装置
JPH08171262A (ja) 帯電部材とこれを用いた帯電装置及び画像形成装置
JPH10240017A (ja) 画像形成装置
JPH09222772A (ja) 帯電部材、帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッヂ
JPH09120172A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JPH09222773A (ja) 磁気ブラシ帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッヂ