JPH0943934A - 帯電装置および画像形成装置 - Google Patents

帯電装置および画像形成装置

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JPH0943934A
JPH0943934A JP7195382A JP19538295A JPH0943934A JP H0943934 A JPH0943934 A JP H0943934A JP 7195382 A JP7195382 A JP 7195382A JP 19538295 A JP19538295 A JP 19538295A JP H0943934 A JPH0943934 A JP H0943934A
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magnetic
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charged
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Masaya Kawada
将也 河田
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接触帯電部材を構成する磁性粒子が感光体に付
着することに起因する画像の劣化を防止する。 【解決手段】多極磁性体102と、磁性粉体からなる磁
気ブラシ層101によって接触帯電部材100を構成す
る。帯電部材100に電圧を印加し、磁気ブラシ層10
1を介して感光体104を帯電する。帯電に際し、帯電
部材100、感光体104を矢印方向に回転させる。多
極磁性体102の磁極をらせん化することにより、帯電
キャリアを再捕獲し、磁気粉体が感光体104に移動す
ることによる減少を防止し、耐久性を向させる。これに
より帯電キャリアが現像されてしまうこと、現像器中に
混入し正規のトナー現像が妨げられること等による画質
の低下を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被帯電体に接触配
置した磁気ブラシに帯電電圧を印加することにより被帯
電体を帯電させる帯電装置および画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】
1.画像形成装置 画像形成装置としては、従来の、原稿を複写するいわゆ
る複写機に加え、近時、需要の伸びの著しいコンピュー
タ、ワードプロセッサの出力手段としてのプリンタが利
用されている。このようなプリンタは、従来のオフィス
ユースはもちろん、さらにパーソナルユースが増大して
いる。パーソナルユースにあっては、特に、低コスト、
メンテナンスフリーといった経済性が重視されている。
【0003】さらに、エコロジーの観点から、環境対策
や省エネルギーが経済性と同様の重要度で求められてい
る。環境対策としてはオゾン発生量の低減などがあげら
れ、また、省エネの例としては、両面コピーや再生紙利
用などによる紙の消費量の低滅、さらには消費電力低減
などがあげられている。
【0004】画像形成装置における従来の帯電方式の主
流であったコロナ帯電器は、太さ50〜100μm程度
の金属ワイヤに5〜10kV程度の高電圧を印加してコ
ロナ放電を生起させ、雰囲気を電離して対向物を帯電さ
せるものである。その放電過程において、ワイヤ自身が
汚れを吸着するため、定期的な清掃、交換が必要とな
り、さらに、オゾンが多く発生する。
【0005】省エネルギーに関しては、上述に加え、感
光体ヒータの問題もある。近年使用される電子写真感光
体は、表面硬度を高くして耐刷枚数の増大が図られてお
り、長期の使用に供される。このため、コロナ帯電器か
ら繰り返し発生されるオゾンによってコロナ生成物が派
生し、この影響で感光体表面が湿度に敏感となって水分
を吸着しやすくなる。これが感光体表面の電荷の横流れ
の原因となり、画像流れといわれる画像品質低下を引き
起こす。
【0006】このような画像流れを防止するために、実
公平1−34205号公報に記載されているようなヒー
タによる加熱で感光体表面の水分をなくす方法や、特公
平2−38956号公報で提案されているようなマグネ
ットローラと磁性キャリヤとで形成したブラシによっ
て、また、特開昭61−100780号公報に記載があ
るように弾性ローラによって感光体表面を摺擦し、これ
らブラシや弾性ローラでコロナ生成物を払拭して除去す
る方法等が用いられてきた。
【0007】このうち後者の感光体表面を摺察する方法
は、極めて硬度の高いアモルファスシリコン感光体に対
しては有効なものではあるが、このような装置の複雑化
は、近時の強い要求である装置の小型化や低コスト化に
は不向きである。一方、前者のヒータによる常時加熱
は、消費電力量の増大を招く。こうしたヒータの容量は
通常15Wから80W程度と必ずしも大電力量ではない
が、夜間も含め常時通電されているケースがほとんどで
あり、一日あたりの消費電力量としては、画像形成装置
全体の消費電力量の5〜15%にも達する。
【0008】なお、本発明に類似する形態での外部ヒー
タ加熱方式、すなわち、特開昭59−111179号公
報や特開昭62−278577号公報に開示された加熱
方式においても、感光体の温度変動に伴う画像濃度不安
定要素の改善についてはなんらの開示もない。
【0009】また、こうした画像流れの元凶である前述
のオゾンは、画像形成装置周囲の人や生物への健康に影
響を与えることもあり、従来からオゾン除去フィルター
で分解無害化して排出していた。特にパーソナルユース
の場合、排出オゾン量は極力低減しなければならない。
このように経済面からも帯電時の発生オゾン量を大幅に
低減する方式が求められている。
【0010】こうした状況から、発生オゾン量が皆無ま
たは少ない帯電装置、消費電力の少ない除湿装置、さら
にはこれらが装着された画像形成装置が求められてい
る。 2.帯電装置 前述の問題点を解決すべく、各種帯電装置が提案されて
いる。
【0011】特開昭63−208878号公報に記載さ
れているような接触帯電装置は、電圧を印加した帯電部
材を感光体等の被帯電体に当接させて被帯電面を所用の
電位に帯電するもので、帯電装置として広く利用されて
いる前述のコロナ帯電器に比べ、第1に、被帯電面に所
望の電位を得るのに必要とされる印加電圧の低電圧化が
図れること、第2に、帯電過程で発生するオゾン量が皆
無ないし極微量でありオゾン除去フィルターを装着する
必要性がなくなること、そのため装置の排気系の構成が
簡素化されること、メンテナンスフリーであること、第
3に、帯電過程において発生したオゾンおよびオゾン生
成物が被帯電面である像担持体、例えば感光体表面に付
着し、コロナ生成物の影響で感光体表面が湿度に敏感と
なり水分を吸着しやすくなることによる、表面の低抵抗
化による画像流れを防止するため、終日行われている加
熱ヒータによる除湿の必要性がなくなること、そのため
夜間通電等の電力消費の大幅な低減が図れること、等の
長所を有している。
【0012】そこで、このような長所を有する接触帯電
装置は、例えば、電子写真方式の画像形成装置(複写
機、レーザビームプリンタ等)や静電記録方式の画像形
成装置において、感光体や誘電体等の像担持体、その他
の被帯電体を帯電処理する手段としてコロナ帯電器に代
わるものとして注目され、実用化されている。
【0013】従来、接触帯電装置としては、ブレードや
シート状の固定式の帯電部材を被帯電体に当接させ、こ
れにバイアスを印加して帯電を行うものが周知である。
【0014】図8に、ブレードを使用するものの一実施
態様を示す。801はドラム型の電子写真感光体(以下
適宜単に「感光体」という)であり、矢印A方向(時計
回り方向)に所定の周速度(プロセススピード)にて回
転駆動される。802は接触帯電部材であり、電極80
2−1およびその帯電面に形成した抵抗層802−2と
からなる。
【0015】電極802−1は、通常、アルミニウム、
アルミニウム合金、真鍮、銅、鉄、ステンレス等の金属
や、樹脂、セラミック等の絶縁材料に導電処理を施し
た、すなわち、金属をコーティングしたり、導電性塗料
を塗布したりしたものを用いる。
【0016】抵抗層802−2は、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の樹脂や、シリコンゴム、ウレタンゴム等
のエラストマーに、酸化チタン、炭素粉、金属粉等の導
電性フィラーを分散させたものが一般的に用いられる。
【0017】この抵抗層802−1は、その抵抗値がH
IOKI社(メーカー)製のMΩテスターで0.25〜
1kVの印加電圧における測定にて、1×103 〜1×
1012Ω・cmとなるように形成する。
【0018】803は接触帯電部材802に対して電圧
を印加する電源であり、この電源803によって、帯電
開始電圧の2倍以上のピーク間電圧VPPを有する振動電
圧Vacと直流電圧Vdcとを重畳した帯電電圧(Vac+V
dc)が電極802−1に印加され、これにより、回転駆
動されている感光体801の表面(外周面)が均一に帯
電される。
【0019】さらに、画像信号に応じて強度変調される
レーザビーム(露光光)805が走査されることによっ
て感光体801上に静電潜像が形成される。この静電潜
像は、現像剤(トナー)が塗布された現像スリーブ80
6によってトナー像として顕画像化された後、転写材8
07上に転写ローラ808を介して転写される。トナー
像転写後の転写材807は、定着器(不図示)によって
表面のトナー像が定着された後、装置本体(不図示)外
部に排出される。一方、トナー像転写後の感光体801
は、表面の転写残トナーがクリーニングブレード809
によって除去され次の画像形成に供される。
【0020】しかしながら、上述の接触帯電部材802
によると、この接触帯電部材802が感光体801表面
に直接的に摺擦されて摩擦の影響が大きいため、長期の
使用による接触帯電部材802の摩耗量が多く、定期的
な交換が必要となる。近年、画像形成装置に広く用いら
れ始めたアモルファスシリコン感光体は半永久的な寿命
を有しており、接触帯電部材802の交換は装置のメン
テナンスフリーの律速となる問題であり、改善が強く求
められていた。
【0021】その解決策として、接触帯電部材のさまざ
まな改善といった進み方の中で、特開昭59−1335
69号公報等のように、磁性体と磁性粉体(あるいは粒
子)からなる磁気ブラシ状の接触帯電部材を感光体に接
触させてこれを帯電するという新たな方式が提案されて
いる。
【0022】図9(a)、(b)にその一実施態様を示
す。なお、同図(a)は感光体901および接触帯電部
材902の側面図であり、また同図(b)は接触帯電部
材902の正面図である。ドラム状の感光体901は、
矢印A方向(同図中、時計回り方向)に所定の周速度
(プロセススピード)にて回転駆動される。接触帯電部
材902は、多極磁性体902−2と、その帯電面(表
面)に担持された磁性粉体からなる磁気ブラシ層902
−1とによって構成されている。
【0023】多極磁性体902−2は、通常、フェライ
ト磁石、ゴムマグネット等の磁性材料を用い、円筒状
の、いわゆるマグネットローラのごとく構成される。
【0024】磁気ブラシ層902−1は、磁性酸化鉄
(フェライト)粉、マグネタイト粉、周知の磁性トナー
材等が一般的に用いられる。
【0025】これらによって構成される接触帯電部材9
02の抵抗値は、その使用される環境、高帯電効率、あ
るいは感光体902の表面層の耐圧特性等に応じて適宜
選択されることが望ましい。
【0026】感光体901と多極磁性体902−2との
最近接間隙は、磁気ブラシ層902−1が感光体901
表面に接触する接触幅(以下「帯電ニップ」という)を
安定に制御するため、一定の距離に安定的に設定される
必要がある。この距離は、50〜2000μmの範囲が
好ましく、より好ましくは100〜1000μmであ
る。
【0027】903は接触帯電部材902に対して電圧
を印加する電源であり、この電源903により直流電圧
dcが多極磁性体902−2、磁気ブラシ層902−1
に印加されて、回転駆動されている感光体901の外周
面(表面)が均一に帯電される。
【0028】さらに、画像信号に応じて強度変調される
レーザビーム(露光光)905が走査されることによっ
て感光体901上に静電潜像が形成される。この静電潜
像は、現像剤(トナー)が塗布された現像スリーブ90
6によってトナー像として顕画像化された後、転写材9
07上に転写ローラ908を介して転写される。トナー
像転写後の転写材907は、定着器(不図示)によって
表面のトナー像が定着された後、装置本体(不図示)外
部に排出される。一方、トナー像転写後の感光体901
は、表面の転写残トナーがクリーニングブレード909
によって除去され次の画像形成に供される。
【0029】上述の、接触帯電部材902を用いる方式
によると、感光体901と接触帯電部材902との接触
性、摩擦性などの特性が向上し、耐久劣化に対して機械
的摩耗等の格段の向上が図れられた。 3.感光体 [有機光導電体(OPC)]電子写真感光体の光導電材
料として、近年、種々の有機光導電材料の開発が進み、
特に電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型感光
体は既に実用化され、複写機やレーザビームプリンタ等
の画像形成装置に搭載されている。
【0030】しかしながら、これらの感光体は一般的に
耐久性が低いことが1つの大きな欠点であるとされてき
た。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼ
け等の電子写真物性面の耐久性と、摺察による感光体表
面の摩耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性とに大別され、
いずれも感光体の寿命を決定する大きな要因となってい
る。
【0031】このうち電子写真物性面の耐久性、特に画
像ぼけに関しては、コロナ帯電器から発生するオゾン、
NOx等の活性物質によって、感光体表面層に含有され
ている電荷輸送物質が劣化することが原因であることが
知られている。
【0032】他方の機械的耐久性に関しては、感光層に
対して紙、ブレード/ローラ等のクリーニング部材、ト
ナー等が物理的に接触して摺察することが原因であるこ
とが知られている。
【0033】電子写真物性面の耐久性を向上させるため
には、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにく
い電荷輸送物質を用いられることが重要であり、酸化電
位の高い電荷輸送物資を選択することが知られている。
また、他方の機械的耐久性を上げるためには、紙やクリ
ーニング部材による摺察に耐えるために、表面の潤滑性
を上げて摩耗を小さくすること、トナーのフィルミング
融着等を防止するために表面の離型性をよくすることが
重要であり、フッ素系樹脂粉体、フッ化黒鉛、ポリオレ
フィン系樹脂粉体等の滑材を表面層に配合することが知
られている。しかしながら、摩耗が著しく小さくなると
オゾン、NOx等の活性物質により生成された吸湿性物
質が感光体表面に堆積し、その結果として表面抵抗が下
がり、表面電荷が横方向に移動し、いわゆる画像流れを
生ずるという問題があった。 [アモルファスシリコン系感光体(a−Si)]電子写
真において、感光体における感光層を形成する光導電材
料としては、高感度で、SN比[光電流(Ip )/暗電
流(Id )]が高く、照射する電磁波のスペクトル特性
に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早
く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体
に対して無害であること、等の特性が要求される。特
に、事務機としてオフィスで使用される画像形成装置内
に組み込まれる画像形成装置用感光体の場合には、上述
の使用時における無公害性は重要な点である。
【0034】このような点に優れた性質を示す光導電材
料に水素化アモルファスシリコン(以下「a−Si:
H」という)があり、例えば、特公昭60−35059
号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記載さ
れている。
【0035】このような画像形成装置用感光体は、一般
的には、導電性支持体を50〜400℃に加熱し、この
支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCV
D法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成
する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガス
を、直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電に
よって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方
法が好適なものとして実用に付されている。
【0036】また、特開昭54−83746号公報にお
いては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素とし
て含むa−Si(以下「a−Si:X」という)光導電
層からなる画像形成装置用感光体が提案されている。上
述の公報においては、a−Siにハロゲン原子を1〜4
0原子%含有させることにより、耐熱性が高く、画像形
成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的
特性を得ることができるとしている。
【0037】また、特開昭57−11556号公報に
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性および耐湿性等の使用環境特性、さ
らには経時的安定性について改善を図るため、シリコン
原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電
層上に、シリコン原子および炭素原子を含む非光導電性
のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技
術が記載されている。さらに、特開昭60−67951
号公報に、アモルファスシリコン、炭素、酸素およびフ
ッ素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層
する感光体についての技術が記載され、特開昭62−1
68161号公報には、表面層として、シリコン原子と
炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素とし
て含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0038】さらに、特開昭60−67951号公報に
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素およびフッ素を
含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感
光体についての技術が記載され、特開昭62−1681
61号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原
子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む
非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0039】さらに、特開昭57−158650号公報
には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペク
トルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの吸収
係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電層
に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置用感
光体が得られることが記載されている。
【0040】一方、特開昭60−95551号公報に
は、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のため
に、感光体表面近傍の温度を30〜40℃に維持して帯
電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行う
ことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗
の低下とそれに伴って発生する高湿画像流れを防止する
技術が開示されている。
【0041】これらの技術により、画像形成装置用感光
体の電気的、光学的、光導電的特性および使用環境特性
が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。 4.環境対策ヒータ 前述の感光体の高湿画像流れを防止、除去するために、
感光体内面に熱源を設けることが周知であり、最も一般
的なのは、面状または棒状の電熱ヒータを円筒状感光体
内面に配設するものである。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような電圧印加式の磁性粒子をブラシとして用いた帯電
装置を感光体の帯電手段として利用した場合の問題点と
して、以下の点があげられる。
【0043】特に感光体901の回転速度が速い場合
や、帯電電位と非帯電部との電位差が大きい場合、接触
帯電部材902の耐久性が悪いことがあげられる。磁気
ブラシ層902−1を構成する磁性粉体等のキャリヤ
(以下「帯電キャリヤ」という)が帯電工程等、感光体
901の回転中に感光体表面へ移動してしまい、この結
果、帯電効率が低下し、現像後の画像上では、感光体9
02の回転方向に濃度差が見られるようになる。特に、
アモルファスシリコン感光体のように高速で使用され、
極めて長い寿命を有する感光体を用いた画像形成装置に
おいては、接触帯電部材902の帯電キャリヤの減少に
より画質が低下し、メンテナンスや接触帯電部材902
の交換をせざるを得なくなってしまう。こうしたことは
サービスコストの増加を招き、メンテナンスフリー化を
阻害する問題である。
【0044】さらに、耐久時の縦スジ(以下「まだらス
ジ」という)がある。このまだらスジの発生メカニズム
としては以下のようなことが考える。
【0045】それは、多極磁性体902−2と帯電キャ
リヤとの磁気的吸引力に対し、感光体901の回転によ
る摩擦等の機械的力、磁気ブラシ層902−1と感光体
表面における非帯電部との電位差で生じる電界による電
気的引力等によって、帯電キャリヤが感光体902に移
動し、そのいくらかは現像器の現像スリーブ906に磁
気的に吸引される。そして、画像形成枚数が増加するに
従い、現像スリーブ906に吸引される帯電キャリヤが
増加し、現像器中の現像剤が感光体901表面に現像さ
れる際の妨げとなり、その結果まだらスジが発生する。
【0046】特開昭59−133569号公報では、感
光体の回転方向で帯電器の下流側にブレードを設けて上
述の帯電キャリヤの再捕獲を行う機構が開示されている
が、このことは、装置の小型化、低コスト化の障害とな
り、あるいは上述のごとくメンテナンスフリー化の妨げ
になるという問題がある。
【0047】そこで、本発明は、接触帯電部材を構成す
る磁性粉体(上述では帯電キャリヤ)が被帯電体(上述
では感光体)に付着することを、装置の大型化を招くこ
となく防止し、さらに、磁性粉体の被帯電体への付着に
基づく画像不良を防止するようにした帯電装置および画
像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、周方向に複数の磁極を有す
る多極磁性体表面に磁性粉体を担持させて接触帯電部材
を構成し、前記磁性粉体を被帯電体に接触させるととも
に、前記接触帯電部材に電圧を印加して前記被帯電体を
帯電する帯電装置において、前記多極磁性体の外周面に
おける磁極の配置をらせん形に構成する、ことを特徴と
する。
【0049】この場合、前記多極磁性体の周方向におけ
る相互に隣接する磁極の間隙が、前記磁性粉体と前記被
帯電体との接触部における該磁性粉体の周方向の帯電ニ
ップ幅以下になるように構成するとよい。
【0050】また、前記多極磁性体を回転自在に支持す
るとともに、被帯電体に対する帯電時に前記多極磁性体
を回転させるとよい。
【0051】さらに、前記磁性粉体を前記多極磁性体長
軸方向中央側に搬送する機構を設けることができる。
【0052】次に、画像形成装置は、上述のいずれか記
載の帯電装置と、該帯電装置によって帯電される被帯電
体とを備え、該被帯電体が、導電性支持体と、シリコン
原子を母体として水素原子とハロゲン原子のうちの少な
くとも一方を含有する非単結晶材料を有し光導電性を示
す光導電層と、電荷を保持する機能を有する表面層を有
する光受容層と、を備え、前記光導電層は、10〜30
原子%の水素を含有し、少なくとも光の入射する部分に
おいてサブバンドギャップ光吸収スペクトルから得られ
る指数関数裾の特性エネルギーが50〜60meV、局
在状態密度が1×1014〜1×1016cm-3で、表面層の
電気抵抗値が1×1010〜5×1015Ω・cmである、こ
とを特徴とする。
【0053】この場合、前記被帯電体を、電荷保持粒子
を含む表面層を有する電子写真感光体とすることができ
る。
【0054】〔作用〕以上構成に基づき、第1に、多極
磁性体の磁極をらせん形に構造することで、磁気ブラシ
層中の帯電キャリヤが感光体表面に移動するのを飛躍的
に低減できる。
【0055】さらには、帯電ニップ中で磁極が複数存在
するようならせん構造にすることで、被帯電体の回転中
に被帯電体に移動した磁性粉体を回転下流側の磁極で再
捕獲し、磁性粉体が接触帯電部材から被帯電体に移動し
て減少することを防止する。すなわち、磁性粉体が減る
ことによる接触帯電部材の劣化を防止する。
【0056】第2に、該多極磁性体を感光体の回転と同
方向に回転される(したがって、当接面では各々逆方向
に移動する)ことで、磁性粉体の減少防止効果をさらに
向上させることができる。
【0057】第3に、さらに、接触帯電部材中の磁性粉
体の損失程度の分布にも着目し、磁気ブラシ層を構成す
る磁性粉体を、多極磁性体長軸方向で中央側に搬送する
機構を設けることで、磁性粉体減少の大半を占める磁気
ブラシ層端部からの損失を防止することができる。接触
帯電部材以外の、帯電キャリヤ捕獲用装置が不要とな
り、画像形成装置の小型化、メンテナンスフリー化に有
効である。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。 [帯電部材]図1(a)、(b)は、それぞれ本発明に
かかる帯電装置の接触帯電部材100の概略構成を示す
側面図、正面図である。
【0059】同図において、100は接触帯電部材、1
01は接触帯電部材100を構成する帯電キャリヤ(磁
性粉体)からなる磁気ブラシ層、102は接触帯電部材
100の多極磁性体、103は多極磁性体102と感光
体104とのギャップを規制するスペーサ、104は被
帯電体としての感光体である。
【0060】多極磁性体102は、通常、フェライト磁
石等の金属やプラスチィクマグネット等の多極構成が可
能な磁性体を用い、後述のように、らせん構造を有す
る。その磁力線密度はその使用するプロセススピード、
印加電圧と被帯電部との電位差による電界、感光体10
4の誘電率や表面性等多くの要因により異なるが、この
多極磁性体102の表面から1mmの距離において測定
される、磁極位置における磁力線密度で500G(ガウ
ス)以上が好ましい。より好ましくは1000G以上で
ある。
【0061】感光体104と多極磁性体102の最近接
間隙は、磁気ブラシ層101の帯電ニップ(接触幅)を
安定に制御するため、コロやスペーサ103等適宜な方
法で、一定の距離に安定的に設定される必要がある。こ
の距離は50〜2000μmの範囲が好ましく、より好
ましくは100〜1000μmである。その他にニップ
調整用にブレード等の機構を設けても良い。
【0062】接触帯電部材100の、上述の帯電キャリ
ヤからなる磁気ブラシ層101は、一般に、フェライ
ト、マグネタイト等の磁性粉体、周知の磁性トナーのキ
ャリヤを使用することができる。この磁性粉体の粒径は
一般に1〜100μmのものが用いられる。好ましくは
50μm以下である。また、流動性向上のため上述の粒
径の範囲内で異なる粒径の帯電キャリヤを混合して使用
しても良い。
【0063】また、磁気ブラシ層101の抵抗は、帯電
効率を良好に保持し、一方でリークポチや、感光体表面
の微小欠陥から、帯電部材長軸方向で電位が低下してし
まうことの防止等のために1×103 〜1×1012Ω・
cmなる抵抗を有することが好ましい。より好ましくは1
×104 〜1×109 Ω・cmである。抵抗値の測定は、
HIOKI社(メーカー)製のMΩテスターで0.25
〜1kVの印加電圧における測定にて行った。
【0064】感光体104は従来のものと同じものでも
良いが、必要に応じて後述する新規な感光体を用いる。
【0065】本発明では、上述のような磁気ブラシ層1
01を用いた接触帯電部材100の多極磁性体102の
磁極をらせん形に構成することにより、帯電ニップ中で
静電引力、摩擦力等により感光体104に移動した帯電
キャリヤを感光体回転方向下流側の磁極で再捕獲し、こ
れにより帯電キャリヤの減少を防止するものである。
【0066】また、例えば図1(a)中の矢印のごと
く、接触帯電部材100を回転させることで帯電ニップ
内で多極磁性体102の磁極が帯電キャリヤを捕獲する
機会が増加し、再捕獲の効率が向上する。
【0067】また、接触帯電部材100の端部では、感
光体104の非帯電部が隣接して存在し、接触帯電部材
100との電位差が大きいことによる静電引力、さらに
帯電キャリヤが接触帯電部材100の外方向に押しださ
れる影響等が重なって、帯電キャリヤの減少率が高かっ
たが、帯電キャリヤを帯電部材長軸方向で中央側に搬送
する機構を設けることで接触帯電部材100の端部での
帯電キャリヤの減少を効果的に防止することができる。
【0068】この作用により、プロセススピードや接触
帯電部材100の帯電電位設定等の、画像形成条件の設
定変更に対し、広範囲に対応できる接触型帯電システム
の構築が可能となる。 [感光体]前述の問題を解決するための、一つの手段と
して、本出願人らは温度依存性が小さくかつ表面耐久性
に優れた感光体を用い、長期にわたり極めて好適な画像
安定化が達成されることを見いだした。 [有機光導電体(OPC)]本発明に用いた好適な感光
体の一形態であるOPC感光体について以下に述べる。
図11(e)は、本発明に利用する画像形成装置用感光
体の層構成を説明するための模式的構成図である。
【0069】同図に示す画像形成装置用OPC感光体1
100は、感光体用としての円筒状支持体(以下適宜単
に「支持体」という)1101の上に、感光層1102
が設けられている。感光層1102は光導電層1103
(電荷発生層1106および電荷輸送層1107)を有
し、必要に応じて、保護層ないし表面層1104、およ
び支持体1101と電荷発生層1106との間に中間層
を設けて構成されている。
【0070】本発明に用いられるOPC感光体、すなわ
ち表面層1104、光導電層1103、必要に応じて設
けられる中間層のうち、特にその表面層1104は、前
述の接触帯電部材100からの電荷注入を効率的に受容
し、電荷を有効に保持することが必要である。本出願人
らは、高融点ポリエステル樹脂と硬化樹脂を混成させた
材料、特に表面層1104では、高融点ポリエステル樹
脂と硬化樹脂の混成材にSnO2 など金属酸化物等の電
荷保持粒子を分散させた材料がそれぞれの樹脂成分の特
性を相乗的に作用させあい、こうした条件を満足するこ
とを見いだした。
【0071】本発明の電子写真感光体の表面層110
4、光導電層1103(電荷輸送層1107、電荷発生
層1106)の形成に用いる樹脂成分について説明す
る。
【0072】ポリエステルとは酸成分とアルコール成分
との結合ポリマーであり、ジカルボン酸とグリコールと
の縮合あるいはヒドロキシ安息香酸のヒドロキシ基とカ
ルボキシ基とを有する化合物の縮合によって得られる重
合体である。
【0073】酸成分としてテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
コハク酸、アジピン酸、サバチン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン
酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸
等を用いることができる。
【0074】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメ
チロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等を使用することができる。
【0075】なお、前述のポリエステル樹脂が実質的に
線状である範囲でペンタエリスリトール、ロリメチロー
ルプロパン、ピロメリット酸およびこれらのエステル形
成誘導体の多官能化合物を共重合させても良い。
【0076】本発明に用いるポリエステル樹脂として
は、高融点ポリエステル樹脂を用いる。
【0077】高融点ポリエステル樹脂としては、オルソ
クロロフェノール中36℃で測定した極限粘度が0.4
dl/g以上、好ましくは0.5dl/g以上、さらに
好ましくは0.65dl/g以上のものが用いられる。
【0078】好ましくは高融点ポリエステル樹脂として
は、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂があげられ
る。ポリアルキレンテレフタレート系樹脂は酸成分とし
て、テレフタール酸、グリコール成分として、アルキレ
ングリコールから主としてなるものである。
【0079】その具体例としては、テレフタル酸成分と
エチレングリコール成分とから主としてなるポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、テレフタル酸成分と1,
4−テトラメチレングリコール(1,4−ブチレングリ
コール)成分とから主としてなるポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、テレフタル酸成分とジクロヘキサン
ジメチロール成分とから主としてなるポリシクロヘキシ
ルジメチレンルテレフタレート(PCT)等をあげるこ
とができる。他の好ましい高分子量ポリエステル樹脂と
しては、ポリアルキレンナフタレート系樹脂を例示でき
る。ポリアルキレンナフタレート系樹脂は酸成分として
ナフタレンジカルボン酸成分とグリコール成分としてア
ルキレングリコール成分とから主としてなるものであっ
て、その具体例としては、ナフタレンジカルボン酸成分
とエチレングリコール成分とから主としてなるポリエチ
レンナフタレート(PEN)等をあげることができる。
【0080】高融点ポリエステル樹脂としては、その融
点が好ましく160℃以上、特に好ましくは200℃以
上のものである。
【0081】ポリエステル樹脂の他に、アクリル樹脂を
使用しても良い。
【0082】また、バインダとして2官能アクリル、6
官能アクリル、ホスファゼン等が使用される。
【0083】これらの樹脂は、比較的結晶性が高く、硬
化樹脂ポリマー鎖と高融点ポリマー鎖との相互の絡み合
いが均一かつ密になって、高耐久性の表面層を形成でき
るものと考えられる。低融点ポリエステル樹脂等の場合
には、結晶性が低いので、硬化樹脂ポリマー鎖との絡み
合いの程度が大きいところと小さいところが生じ、耐久
性が劣るものと考えられる。
【0084】表面層1104には、SnO2 等の電荷保
持材を分散させたものを用いた。使用条件等により適宜
に選択された分散量を用い、抵抗値、帯電効率を制御す
ることが好ましい。 [アモルファスシリコン系感光体(a−Si)]本発明
に用いた好適な感光体の一形態であるアモルファスシリ
コン感光体について以下に述べる。
【0085】アモルファスシリコン感光体の光導電層の
キャリヤの挙動に着目し、バンドギャップ内の局在状態
分布と帯電能の温度依存性や光メモリとの関係について
鋭意検討した結果、光導電層の少なくとも光の入射する
部分において、特定のエネルギー範囲の局在状態密度を
一定範囲に制御することにより前述の目的を達成できる
という知見を得た。すなわち、シリコン原子を母体と
し、水素元素および/またはハロゲン原子を含有する非
単結晶材料で構成された光導電層を有する感光体におい
て、その層構造を特定化するように設計されて作製され
た感光体は、実用上著しく優れた特性を示すばかりでな
く、従来の感光体と比べてみてもあらゆる点において凌
駕していること、特に画像形成装置用の感光体として優
れた特性を有していることを見いだした。
【0086】本発明の画像形成装置用感光体は、導電性
支持体と、シリコン原子を母体とする非単結晶材料から
成る光導電層を有する感光層とから構成され、光導電層
は10〜30原子%の水素を含み、光吸収スペクタルの
指数関数裾(アーバックテイル)の特性エネルギー50
〜60meVであって、かつ局在状態密度が1×1014
〜1×1016cm-3であることを特徴としている。
【0087】上述したような構成をとるように設計され
た本発明の画像形成装置用感光体は、前述した諸問題点
の全てを解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導
電的特性、画像品質、耐久性および使用環境特性を示
す。
【0088】一般的に、a−Si:Hのバンドギャップ
内には、Si−Si結合の構造的な乱れにもとづくテイ
ル(裾)凖位と、Siの未結合手(ダングリングボン
ド)等の構造欠陥に起因する深い凖位が存在する。これ
らの凖位は電子、正孔の捕獲、再結合中心として働き、
素子の特性を低下させる原因になることが知られてい
る。
【0089】このようなバンドギャップ中の局在凖位の
状態を測定する方法として、一般に深凖位分光法、等温
容量過渡分光法、光熱偏向分光法、一定光電流法等が用
いられている。中でも一定光電流法[Constant
PhotocurrentMethod:以下「CP
M」という]はa−Si:Hの局在凖位に基づくサブギ
ャップ光吸収スペクトルを簡便に測定する方法として有
用である。
【0090】本出願人らは、CPMによって測定された
光吸収スペクトルから求められる指数関数裾の特性エネ
ルギー(以下、「Eu」と略記する)や局在状態密度
(以下「DOS」という)と感光体特性との相関を種々
の条件に渡って調べた結果、EuおよびDOSがa−S
i感光体の温度特性やメモリと密接な関係にあることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
【0091】ドラムヒータ等で感光体を加熱したときに
帯電能が低下する原因として、熱励起されたキャリヤ
(以下「熱励起キャリヤ」という)が帯電時の電界に引
かれてバンド裾の局在凖位やバンドギャップ内の深い局
在凖位への捕獲、放出を繰り返しながら表面に走行し、
表面電荷を打ち消してしまうことがあげられる。この
時、帯電器を通過する間に表面に到達する熱励起キャリ
ヤについては帯電能の低下にはほとんど影響がないが、
深い凖位に捕獲された熱励起キャリヤは、帯電器を通過
した後に表面へ到達して表面電荷を打ち消すために温度
特性として観測される。また、帯電器を通過した後に熱
励起された熱励起キャリヤも表面電荷を打ち消し帯電能
の低下を引き起こす。したがって、感光体の使用温度領
域における熱励起キャリヤの生成を抑え、なおかつ熱励
起キャリヤの走行性を向上させることが温度特性の向上
のために必要である。
【0092】さらに、光メモリはブランク露光や像露光
によって生じた光キャリヤがバンドギャップ内の局在凖
位に捕獲され、光導電層内に該光キャリヤが残留するこ
とによって生じる。すなわち、ある複写行程において生
じた光キャリヤのうち光導電層内に残留した光キャリヤ
が、次回の帯電時あるいはそれ以降に表面電荷による電
界によって掃き出され、光の照射された部分の電位が他
の部分よりも低くなり、その結果画、像上に濃淡が生じ
る。したがって、光キャリヤが光導電層内に残留するこ
となく、1回の複写行程で走行するように、光キャリヤ
の走行性を改善しなければならない。
【0093】したがって、本発明のごとくEuおよび特
定のエネルギー範囲のDOSを制御することにより、熱
励起キャリヤの生成が抑えられ、なおかつ熱励起キャリ
ヤや光キャリヤが局在準位に捕獲される割合を小さくす
ることができるために上述のキャリヤ(以下「電荷キャ
リヤ」という)の走行性が著しく改善される。その結
果、感光体の使用温度領域での温度特性が飛躍的に改善
され、同時に光メモリの発生を抑制することができるた
めに、感光体の使用環境に対する安定性が向上し、ハー
フトーンが鮮明に出てかつ解像力の高い高品質の画像を
安定し得ることができる。
【0094】以下、図面に従って本発明の光導電層につ
いて詳細に説明する。
【0095】図11(a)〜(d)は、本発明の画像形
成装置用感光体の層構成を説明するための模式的構成図
である。
【0096】図11(a)に示す画像形成装置用感光体
1100は、感光体用としての導電性支持体(支持体)
1101の上に、感光層1102が設けられている。該
感光層1102はa:H、Xからなり光導電性を有する
光導電層1103で構成されている。
【0097】図11(b)は、本発明の画像形成装置用
感光体1100の他の層構成を説明するための模式的構
成図である。同図に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
02が設けられている。該感光層1102はa−Si:
H、Xからなり光導電性を有する光導電層1103と、
アモルファスシリコン系の表面層1104とから構成さ
れている。
【0098】図11(c)は、本発明の画像形成装置用
感光体1100の別の層構成を説明するための模式的構
成図である。同図に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての支持体1101の上に、感光層1
102が設けられている。該感光層1102はa−S
i:H、Xからなり光導電性を有する光導電層1103
と、アモルファスシリコン系の表面層1104と、アモ
ルファスシリコン系の電荷注入阻止層1105とから構
成されている。
【0099】図11(d)は、本発明の画像形成装置用
感光体1100のさらに別の層構成を説明するための模
式的構成図である。同図に示す画像形成装置用感光体1
100は、感光体用としての支持体1101の上に、感
光層1102が設けられている。該感光層1102は光
導電層1103を構成するa−Si:H、Xからなる電
荷発生層1106および電荷輸送層1107と、アモル
ファスシリコン系の表面層1104とから構成されてい
る。 (支持体)本発明において使用される支持体としては、
導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体と
しては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、
V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの
合金、例えばステンレス等があげられる。また、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロース
アセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なく
とも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も
用いることができる。
【0100】本発明において使用される支持体1101
の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状
無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通り
の画像形成装置用感光体1100を形成し得るように適
宜決定するが、画像形成装置用感光体1100としての
可撓性が要求される場合には、支持体1101としての
機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすること
ができる。しかしながら、支持体1101は製造上およ
び取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以
上とされる。
【0101】特にレーザ光などの可干渉性光を用いて像
記録を行う場合には、可視画像において現われる、いわ
ゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
ために、帯電キャリヤの減少が実質的にない範囲で支持
体1101の表面に凹凸を設けてもよい。支持体110
1の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−16815
6号公報、同60−178457号公報、同60−22
5854号公報等に記載された公知の方法により作製さ
れる。
【0102】また、レーザ光などの可干渉光を用いた場
合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
別の方法として、帯電キャリヤの減少が実質的にない範
囲で支持体1101の表面に複数の球状痕跡窪みによる
凹凸形状を設けても良い。すなわち、支持体1101の
表面が画像形成装置用感光体1100に要求される解像
力よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球
状痕跡窪みによるものである。支持体1101の表面に
設けられる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開昭6
1−231561号公報に記載された公知の方法により
作製される。
【0103】また、レーザ光等の可干渉光を用いた場合
の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するさ
らに別の方法として、感光層1102内、あるいは感光
層1102の下側に光吸収層等の干渉防止層あるいは領
域を設けても良い。 (光導電層)本発明において、その目的を効果的に達成
するために支持体1101上、必要に応じて下引き層
(不図示)上に形成され、感光層1102の一部を構成
する光導電層1103は真空堆積膜形成方法によって、
所望特性が得られるように適宜成膜パラメータの数値条
件が設定されて作製される。具体的には、例えばグロー
放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイク
ロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電
CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数々
の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの
薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、
製造規模、作製される画像形成装置用感光体に所望され
る特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、
所望の特性を有する画像形成装置用感光体を製造するに
当たっての条件の制御が比較的容易であることからして
グロー放電法、特にRF帯またはVHF帯の電源周波数
を用いた高周波グロー放電法が好適である。
【0104】グロー放電法によって光導電層1103を
形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給
し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給
し得るH供給用の原料ガスおよび/またはハロゲン原子
(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧
にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反
応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位
置に設置されてある所定の支持体1101上にa−S
i:H、Xからなる層を形成すれば良い。
【0105】また、本発明において光導電層1103中
に水素原子および/またはハロゲン原子が含有されるこ
とが必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補
償し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性
を向上させるために必須不可欠であるからである。よっ
て水素原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原
子とハロゲン原子の和の量はシリコン原子と水素原子お
よび/またはハロゲン原子の和に対して10〜30原子
%、より好ましくは15〜25原子%とされるのが望ま
しい。
【0106】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si26 、Si3
8 、Si410等のガス状態の、またはガス化し得
る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとし
てあげられ、さらに層作製時の取り扱い易さ、Si供給
効率の良さ等の点でSiH4 、Si26 が好ましいも
のとしてあげられる。
【0107】そして、形成される光導電層1103中に
水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御
を一層容易になるように図り、本発明の目的を達成する
膜特性を得るために、これらのガスにさらにH2 および
/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガス
も所望量混合して層形成することが必要である。また、
各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合し
ても差し支えないものである。
【0108】また、本発明において使用されるハロゲン
原子供給用の原料ガスとして有効なのは、例えばハロゲ
ンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合
物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のま
たはガス化し得るハロゲン化合物が好ましくあげられ
る。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構
成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原
子を含む水素化珪素化合物も有効なものとしてあげるこ
とができる。本発明において好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、具体的にはフッ素ガス(F2 )、Br
F、ClF、ClF3 、BrF3 、BrF5 、IF3
IF7 等のハロゲン間化合物をあげることができる。ハ
ロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で
置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえ
ばSiF4 、Si26 等のフッ化珪素が好ましいもの
としてあげられることができる。
【0109】光導電層1103に含有される水素原子お
よび/またはハロゲン原子の量を制御するには、例えば
支持体1101の温度、水素原子および/またはハロゲ
ン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容
器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0110】本発明においては、光導電層1103には
必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが
好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層1103
中に万遍なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があっても良い。
【0111】前述の伝導性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物をあげることがで
き、p型伝導特性を与える周期律表III b族に属する原
子(以下「第III b族原子」という)またはn型伝導特
性を与える周期律表Vbに属する原子(以下「第Vb族
原子」という)を用いることができる。
【0112】第III b族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第Vb族としては、具体
的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、
ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適であ
る。
【0113】光導電層1103に含有される伝導性を制
御する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2
1×104 原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5
×103 原子ppm、最適には1×10-1〜1×103
原子ppmとされるのが望ましい。
【0114】伝導性を制御する原子、例えば、第III b
族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、
層形成の際には、第III b原子導入用の原料物質あるい
は第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器
中に、光導電層1103を形成するための他のガスとと
もに導入してやれば良い。第III b族原子導入用の原料
物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得る
ものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも
層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるの
が望ましい。
【0115】そのような第III b族原子導入用の原料物
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2
6 、B410、B59 、B511、B610、B6
12、B614等の水素化硼素、BF3 、BCl3 、BB
3 等のハロゲン化硼素等があげられる。この他、Al
Cl3 、GaCl3 、Ga(CH33 、InCl3
TlCl3 等もあげることができる。
【0116】第Vb族原子導入用の原料物質として有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3 、P
24 等の水素化燐、PH4 I、PF3 、PF5 、PC
3、PCl5 、PBr3 、PBr5 、PI3 等のハロ
ゲン化燐があげられる。この他、AsH3 、AsF3
AsCl3 、AsBr3 、AsF5 、SbH3 、SbF
3 、SbF5 、SbCl3 、SbCl5 、BiH3 、B
iCl3 、BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物
質の有効なものとしてあげられることができる。
【0117】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2 および/またはHeに
より希釈して使用しても良い。
【0118】さらに、本発明においては、光導電層11
03に炭素原子および/または酸素原子および/または
窒素原子を含有させることも有効である。炭素原子およ
び/または酸素原子/およびまたは窒素原子の含有量は
シリコン原子、炭素原子、酸素原子および窒素原子の和
に対して好ましくは1×10-5〜10原子%、より好ま
しくは1×10-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5
原子%が望ましい。炭素原子および/または酸素原子お
よび/または窒素原子は、光導電層中に万遍なく均一に
含有されても良いし、光導電層の層厚方向に含有量が変
化するような不均一な分布を持たせた部分があっても良
い。
【0119】本発明において、光導電層1103の層厚
は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果
等の点からの適宜所望に従って決定され、好ましくは2
0〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適に
は25〜40μmとされるのが望ましい。
【0120】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する光導電層1103を形成するには、Si供給用のガ
スと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電
力ならびに支持体温度を適宜設定することが必要であ
る。
【0121】希釈ガスとしては使用するH2 および/ま
たはHeの流量は、層設計に従って適宜最適範囲が選択
されるが、Si供給用ガスに対しH2 および/またはH
eを、通常の場合3〜20倍、好ましくは4〜15倍、
最適には5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0122】反応容器内のガス圧も同様に層設計に従っ
て適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10-4
〜10Torr、好ましくは5×10-3〜5Torr、
最適には1×10-3〜1Torrとするのが好ましい。
【0123】放電電力もまた同様に層設計に従って適宜
最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対
する放電電力を、通常の場合2〜7倍、好ましくは2.
5〜6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定することが望
ましい。
【0124】さらに、支持体1101の温度は、層設計
に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好
ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜3
30℃、最適には250〜310℃とするのが望まし
い。
【0125】本発明においては、光導電層を形成するた
めの支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前述
した範囲があげられるが、条件は通常は独立的に別々に
決められるものではなく、所望の特性を有する感光体を
形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を
決めるのが望ましい。 (表面層)本発明においては、上述のようにして支持体
1101上に形成され光導電層1103の上に、さらに
アモルファスシリコン系の表面層1104を形成するこ
とが好ましい。この表面層1104は自由表面1104
aを有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的
耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を
達成するために設けられる。
【0126】また、感光層1102を構成する光導電層
1103と表面層1104とを形成する非晶質材料の各
々がシリコン原子という共通の構成要素を有しているの
で、積層界面において化学的な安定性の確保が十分なさ
れている。
【0127】表面層1104は、アモルファスシリコン
系の材料であればいずれの材質でも可能であるが、例え
ば、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)
を含有し、さらに炭素原子を含有するアモルファスシリ
コン(以下「a−SiC:H、X」という)、水素原子
(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、さ
らに酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下
「a−SiO:H、X」という)、水素原子(H)およ
び/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに窒素原
子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−Si
N:H、X」という)、水素原子(H)および/または
ハロゲン原子(X)を含有し、さらに炭素原子、酸素原
子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファス
シリコン(以下「a−SiCON:H、X」という)等
の材料が好適に用いられる。
【0128】本発明において、その目的を効果的に達成
するために、表面層1104は真空堆積膜形成方法によ
って、所望特性が得られるように適宜成膜パラメータの
数値条件が設定されて作成される。具体的には、例えば
グロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法または
マイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直
流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、
イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法など
の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。こ
れらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷
程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所
望される特性等の要因によって適宜選択されて採用され
るが、感光体の生産性から光導電層と同等の堆積法によ
ることが好ましい。
【0129】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H、Xからなる表面層1104を形成するには、基
本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用
の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の
原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原
料ガスおよび/またはハロゲン原子(X)を供給し得る
X供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内
に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放
電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導
電層1103を形成した支持体1101上にa−Si
C:H、Xからなる層を形成すれば良い。
【0130】本発明において用いる表面層1104の材
質としてはシリコンを含有するアモルファス材料ならば
いずれでも良いが、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素
を少なくとも一つ含むシリコン原子との化合物が好まし
く、特にa−SiCを主成分としたものが好ましい。
【0131】表面層1104をa−SiCを主成分とし
て構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の
和に対して30〜90%の範囲が好ましい。
【0132】また、本発明において表面層1104中に
水素原子および/またはハロゲン原子が含有されること
が必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償
し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特
性を向上させるために必須不可欠である。水素含有量
は、構成原子の総量に対して通常の場合、30〜70原
子%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60
原子%とするのが望ましい。また、フッ素原子の含有量
として、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には
0.1〜10原子%最適には0.6〜4原子%とされる
のが望ましい。
【0133】これらの水素および/またはフッ素含有量
の範囲内で形成される感光体は、実際面において従来に
ない格段に優れたものとして充分適用させ得られるもの
である。すなわち、表面層1104内に存在する欠陥
(主にシリコン原子や炭素原子のダングリングボンド)
は画像形成装置用感光体としての特性に悪影響を及ぼす
ことが知られている。例えば自由表面1104aから光
導電層への電荷の注入による帯電特性の劣化、使用環
境、例えば高い湿度のもので表面構造が変化することに
より帯電特性の変動、例えば高い湿度のもとで表面構造
が変化することによる帯電特性の変動、さらにコロナ帯
電時や光照射時に光導電層1103による表面層110
4に電荷が注入され、前記表面層1104内の欠陥に電
荷がトラップされることにより繰り返し使用時の残像現
象の発生等がこの悪影響としてあげられる。
【0134】しかしなが表面層1104内の水素含有量
を30原子%以上に制御することで表面層1104内の
欠陥が大幅に減少し、その結果、従来に比べて電気的特
性面および高速連続使用性において飛躍的な向上を図る
ことができる。
【0135】一方、前記表面層1104中の水素含有量
が71原子%以上になると表面層1104の硬度が低下
するために、繰り返し使用に耐えられなくなる。したが
って、表面層1104中の水素含有量を前記の範囲内に
制御することが格段に優れた所望の電子写真特性を得る
上で非常に重要な因子の一つである。表面層1104中
の水素含有量は、H2 ガスの流量、支持体温度、放電パ
ワー、ガス圧等によって制御し得る。
【0136】また、表面層1104中のフッ素含有量を
0.01原子%以上の範囲に制御することで表面層11
04内のシリコン原子と炭素原子の結合の発生をより効
果的に達成することが可能となる。さらに、表面層11
04中のフッ素原子の働きとして、コロナ等のダメージ
によるシリコン原子と炭素原子の結合の切断を効果的に
防止することができる。
【0137】一方、表面層1104中のフッ素含有量が
15原子%を超えると表面層1104内のシリコン原子
と炭素原子の結合の発生の効果およびシリコン原子と炭
素原子の結合の切断を防止する効果がほとんど認められ
なくなる。さらに過剰のフッ素原子が表面層1104中
のキャリヤの走行性を阻害するため、残留電位や画像メ
モリが顕著に認められてくる。したがって、表面層11
04中のフッ素含有量を前記範囲内に制御することが所
望の電子写真特性を得る上で重要な因子の一つである。
表面層1104中のフッ素含有量は、水素含有量と同様
にH2 ガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等
によって制御し得る。
【0138】本発明の表面層1104の形成において使
用されるシリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質と
しては、SiH4 、Si26 、Si38 、Si4
10等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シ
ラン類)が有効に使用されるものとしてあげられ、さら
に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点
でSiH4 、Si26 が好ましいものとしてあげられ
る。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じ
てH2 、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用
しても良い。
【0139】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4 、C26 、C38 、C410等のガス状態
の、またはガス化し得る炭素水素が有効に使用されるも
のとしてあげられ、さらに層作成時の取り扱い易さ、C
供給効率の良さ等の点でCH4、C26 が好ましいも
のとしてあげられる。また、これらのC供給用の原料ガ
スを必要に応じてH2 、He、Ar、Ne等のガスによ
り希釈して使用しても良い。
【0140】窒素または酸素供給ガスとなり得る物質と
しては、NH3 、NO、N2 O、NO2 、H2 O、O
2 、CO、CO2 、N2 等のガス状態の、またはガス化
し得る化合物が有効に使用されるものとしてあげられ
る。また、これらの窒素、酸素供給用の原料ガスを必要
に応じてH2 、He、Ar、Ne等のガスにより希釈し
て使用しても良い。
【0141】また、形成される表面層1104中に導入
される水素原子の導入割合の制御を一層容易になるよう
に図るために、これらのガスにさらに水素ガスまたは水
素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形成
することが好ましい。また、各ガスは単独種のみでなく
所定の混合比で複数種混合しても差し支えないものであ
る。
【0142】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なのは、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲン
を含むハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン
誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物
が好ましくあげられる。また、さらにはシリコン原子と
ハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化
し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効な
ものとしてあげることができる。本発明において好適に
使用し得るハロゲン化合物としては、具体的にはフッ素
ガス(F2 )、BrF、ClF、ClF3 、BrF3
BrF5 、IF3 、IF7 等のハロゲン間化合物をあげ
ることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわ
ゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、
具体的には、例えばSiF4 、Si26 等のフッ化珪
素が好ましいものとしてあげることができる。
【0143】表面層1104中に含有される水素原子お
よび/またはハロゲン原子の量を制御するには、例えば
支持体1101の温度、水素原子および/またはハロゲ
ン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容
器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0144】炭素原子および/または酸素原子および/
または窒素原子は、表面層1104中に万遍なく均一に
含有されても良いし、表面層1104の層厚方向に含有
量が変化するような不均一な分布を持たせた部分があっ
ても良い。
【0145】さらに本発明においては、表面層1104
には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させるこ
とが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層110
4中に万遍なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があっても良い。
【0146】前記の伝導性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物をあげることがで
き、p型伝導性を与える周期律表III b族に属する原子
(以下「第III b族原子」という)またはn型伝導特性
を与える周期律表Vb族に属する原子(以下「第Vb族
原子」という)を用いることができる。
【0147】第III b族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0148】表面層1104に含有される伝導性を制御
する原子の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1
×103 原子ppm、より好ましくは1×10-2〜5×
102 原子ppm、最適には1×10-1〜1×102
子ppmとされるのが望ましい。伝導性を制御する原
子、例えば、第III b族原子あるいは第Vb族原子を構
造的に導入するには、層形成の際に、第III b族原子導
入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質
をガス状態で反応容器中に、表面層1104を形成する
ための他のガスとともに導入してやれば良い。第III b
族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の
原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状の
または、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得る
ものが採用されるのが望ましい。そのような第III b族
原子導入用の原料物質として具体的には、硼素原子導入
用としては、B26 、B410、B59 、B5
11、B610、B612、B614等の水素化硼素、
BF3 、BCl3 、BBr3 等のハロゲン化硼素等があ
げられる。この他、AlCl3 、GaCl3 、Ga(C
33 、InCl3 、TlCl3 等もあげることがで
きる。
【0149】第Vb族原子導入用の原料物質として有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3 、P
24 、等の水素化燐、PH4 I、PF3 、PF5 、P
Cl3 、PCl5 、PBr3 、PBr5 、PI3 等のハ
ロゲン化燐があげられる。この他、AsH3 、AsF
3 、AsCl3 、AsBr3 、AsF5 、SbH3 、S
bF3 、SbF5 、SbCl3 、SbCl5 、BiH
3 、BiCl3 、BiBr3 等の第Vb族原子導入用の
出発物質の有効なものとしてあげることができる。
【0150】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2 、He、Ar、Ne等
のガスにより希釈して使用してもよい。
【0151】本発明における表面層1104の層厚とし
ては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μ
m、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいもの
である。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用
中に摩耗等の理由により表面層1104が失われてしま
い、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性
の低下がみられる。
【0152】本発明による表面層1104は、その要求
される特性が所望通りに与えられるように注意深く形成
される。すなわち、Si、Cおよび/またはNおよび/
またはO、Hおよび/またはXを構成要素とする物質は
その形成条件によって構造的には結晶からアモルファス
シリコンまでの形態を取り、電気物性的には導電性から
半導体性、絶縁性までの間の性質を、また、光導電的性
質から非光導電的性質までの間の性質を各々示すので、
本発明においては、目的に応じた所望の特性を有する化
合物が形成されるように、所望に従ってその形成条件の
選択が厳密になされる。
【0153】例えば、表面層1104を耐圧性の向上を
主な目的として設けるには、使用環境において電気絶縁
性的挙動の顕著な非単結晶材料として作成される。
【0154】また、連続繰り返し使用特性や使用環境特
性の向上を主たる目的として表面層1104が設けられ
る場合には、上記の電気絶縁性の度合いはある程度緩和
され、照射される光に対してある程度の感度を有する非
単結晶材料として形成される。
【0155】さらに、帯電機構においては、表面層11
04の低抵抗による画像流れを防止し、あるいは残留電
位等の影響を防止するために、一方では帯電効率を良好
にするために、層作成に際して、その抵抗値を適宜に制
御することが好ましい。
【0156】本発明の目的を達成し得る特性を有する表
面層1104を形成するには、支持体1101の温度、
反応容器内のガス圧を所望に従って、適宜設定する必要
がある。
【0157】支持体1101の温度(Ts)は、層設計
に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好
ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜3
30℃、最適には250〜300℃とするのが望まし
い。
【0158】反応容器内のガス圧も同様に層設計に従っ
て適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10-4
〜10Torr、好ましくは5×10-3〜5Torr、
最適には1×10-3〜1Torrとするのが好ましい。
【0159】本発明においては、表面層1101を形成
するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲とし
て前記した範囲があげられるが、条件は通常は独立的に
別々に決められるものではなく、所望の特性を有する感
光体を形成すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて最
適値を決めるのが望ましい。
【0160】さらに光導電層1103と表面層1104
の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表面
層1104より減らしたブラッキング層(下部表面層)
を設けることも帯電能等の特性をさらに向上させるため
には有効である。
【0161】また、表面層1104と光導電層1103
との間に炭素原子および/または酸素原子および/また
は窒素原子の含有量が光導電層1103に向かって減少
するように変化する領域を設けても良い。これにより表
面層1104と光導電層1103の密着性を向上させ、
界面での光の反射による干渉の影響をより少なくするこ
とができる。 (電荷注入阻止層)本発明の画像形成装置用感光体にお
いては、導電性支持体1101と光導電層1103との
間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働き
のある電荷注入阻止層1105を設けるのが一層効果的
である。すなわち、電荷注入阻止層1105は感光層1
102が一定極性の帯電処理をその自由表面1104a
に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入され
るのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受け
た際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極性
依存性を有している。そのような機能を付与するため
に、電荷注入阻止層1105には伝導性を制御する原子
を光導電層1103に比べ比較的多く含有させる。
【0162】該層に含有される伝導性を制御する原子
は、該層中に万遍なく均一に分布されても良いし、ある
いは層厚方向には万遍なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。分
布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するよ
うに含有させるのが好適である。
【0163】しかしながら、いずれの場合にも支持体1
101の表面と平行面内方向においては、均一な分布で
万遍なく含有されることが面内方向における特性の均一
化を図る点からも必要である。
【0164】電荷注入阻止層1105に含有される伝導
性を制御する原子としては、半導体分野における、いわ
ゆる不純物をあげることができ、p型伝導性を与える周
期律表III 族に属する原子(以下「第III 族原子」とい
う)またはn型伝導特性を与える周期律表V族に属する
原子(以下「第V族原子」という)を用いることができ
る。
【0165】第III 族原子としては、具体的には、硼素
(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イ
ンジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第V族原子としては、具
体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0166】本発明において電荷注入阻止層1105中
に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、
本発明の目的が効果的に達成できるように所望に従って
適宜決定されるが、好ましくは10〜1×104 原子p
pm、より好適には50〜5×103 原子ppm、最適
には1×102 〜1×103 原子ppmとされるのが望
ましい。
【0167】さらに、電荷注入阻止層1105には、炭
素原子、窒素原子および酸素原子の少なくとも一種を含
有させることによって、該電荷注入阻止層1105に直
接接触して設けられる他の層との間の密着性の向上をよ
り一層図ることができる。
【0168】該層に含有される炭素原子または窒素原子
または酸素原子は該層中に万遍なく均一に分布されても
良いし、あるいは層厚方向には万遍なく含有されてはい
るが、不均一に分布する状態で含有している部分があっ
ても良い。しかしながら、いずれの場合にも支持体11
01の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万
遍なく含有されることが面内方向における特性の均一化
を図る点からも必要である。
【0169】本発明における電荷注入阻止層1105の
全層領域に含有される炭素原子および/または窒素原子
および/または酸素原子の含有量は、本発明の目的が効
果的に達成されるように適宜決定されるが、一種の場合
はその量として、二種以上の場合はその総和として、好
ましくは1×10-3〜50原子%、より好適には5×1
-3〜30原子%、最適に1×10-2〜10原子%とさ
れるのが望ましい。
【0170】また、電荷注入阻止層1105に含有され
る水素原子および/またはハロゲン原子は層内に存在す
る未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。電荷注
入阻止層1105中の水素原子またはハロゲン原子ある
いは水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適には
1〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適に
は10〜30%とするのが望ましい。
【0171】本発明において、電荷注入阻止層1105
の層厚は所望の電子写真特性が得られること、および経
済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好
ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとさ
れるのが望ましい。
【0172】本発明において、電荷注入阻止層1105
を形成するには、前述の光導電層1103を形成する方
法と同様の真空堆積法が採用される。
【0173】本発明の目的を達成し得る特性を有する電
荷注入阻止層1105を形成するには、光導電層110
3と同様にSi供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反
応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体1101の
を適宜設定することが必要である。
【0174】希釈ガスであるH2 および/またはHeの
流量は、層設計に従って適宜最適範囲が選択されるが、
Si供給用ガスに対しH2 および/またはHeを、通常
の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適には5
〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0175】反応容器内のガス圧も同様に層設計に従っ
て適宜範囲が選択されるが、通常の場合、1×10-4
10Torr、好ましくは5×10-3〜5Torr、最
適には1×10-3〜1Torrとするのが好ましい。
【0176】放電電力もまた同様に層設計に従って適宜
最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対
する放電電力を、通常の場合1〜7倍、好ましくは2〜
6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定することが望まし
い。
【0177】さらに、支持体1101の温度は、層設計
に従って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好
ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜3
30℃、最適には250〜300℃とするのが望まし
い。
【0178】本発明においては、電荷注入阻止層110
5を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電
力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲
があげられるが、これらの層作成ファクターは通常は独
立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有
する表面層1104を形成すべく相互的かつ有機的関連
性に基づいて各層作成ファクターの最適値を決めるのが
望ましい。
【0179】このほかに、画像形成装置用感光体におい
ては、感光層1102の前記支持体1101側に、少な
くともアルミニウム原子、シリコン原子、水素原子およ
び/またはハロゲン原子が層厚方向に不均一な分布状態
で含有する層領域を有することが望ましい。
【0180】また、画像形成装置用感光体においては、
支持体1101と光導電層1103あるいは電荷注入阻
止層1105との間の密着性の一層の向上を図る目的
で、例えば、Si34 、SiO2 、SiO、あるいは
シリコン原子を母体とし、水素原子および/またはハロ
ゲン原子と、炭素原子および/または酸素原子および/
または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着
層を設けても良い。さらに、前述のごとく、支持体11
01からの反射光による干渉模様の発生を防止するため
の光吸収層を設けても良い。
【0181】次に、感光層1102を形成するための装
置および膜形成方法について詳述する。
【0182】図2は電源周波数としてRF帯を用いた高
周波プラズマCVD法(以下「RF−PCVD」とい
う)による画像形成装置用感光体の製造装置の一例を示
す模式的な構成図である。図2に示す製造装置の構成は
以下の通りである。
【0183】この装置は大別すると、堆積装置210
0、原料ガス供給装置2200、反応容器2111内を
減圧するための排気装置(不図示)から構成されてい
る。堆積装置2100中の反応容器2111内には円筒
状支持体2112、支持体加熱用ヒータ2113、原料
ガス導入管2114が設置され、さらに高周波マッチン
グボックス2115が接続されている。
【0184】原料ガス供給装置2200は、SiH4
GeH4 、H2 、CH4 、B26、PH3 等の原料ガ
スのボンベ2221〜2226とガスボンベのバルブ2
231〜2236、流入バルブ2241〜2246、流
出バルブ2251〜2256、およびマスフローコント
ローラ2211〜2216から構成され、各原料ガスの
ボンベ2221〜2226は補助バルブ2260を介し
て反応容器2111内のガス導入管2114に接続され
ている。
【0185】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行うことができる。
【0186】まず、反応容器2111内に円筒状支持体
2112を設置し、排気装置、例えば真空ポンプ(不図
示)により反応容器2111内を排気する。つづいて、
支持体加熱用ヒータ2113により円筒状支持体211
2の温度を200〜350℃の所定の温度に制御する。
【0187】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器211
1に流入させるには、ガスボンベのバルブ2231〜2
236、反応容器2111のリークバルブ2117が閉
じられていることを確認し、また、流入バルブ2241
〜2246、流出バルブ2251〜2256、補助バル
ブ2260が開かれていることを確認して、まずメイン
バルブ2118を開いて反応容器2111およびガス配
管2116内を排気する。
【0188】次に、真空計2119の読みが約5×10
-6Torrになった時点で補助バルブ2260、流出バ
ルブ2251〜2256を閉じる。
【0189】その後、ガスボンベ2221〜2226に
より各ガスをバルブ2231〜2236を開いて導入
し、圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を2
kg/cm2 に調整する。次に、流入バルブ2241〜2
246を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントロー
ラ2211〜2216内に導入する。
【0190】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。
【0191】円筒状支持体2112が所定の温度になっ
たところで流出バルブ2251〜2256のうちの必要
なものおよび補助バルブ2260を徐々に開き、ガスボ
ンベ2221〜2226から所定のガスを原料ガス導入
管2114を介して反応容器2111内に導入する。次
に、マスフローコントローラ2211〜2216によっ
て各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その
際、反応容器2111内の圧力が1Torr以下の所定
の圧力になるように真空計2119を見ながらメインバ
ルブ2118の開口を調整する。内圧が安定したところ
で、周波数13.56MHzのRF電源(不図示)を所
望の電力に設定して、高周波マッチングボックス211
5を通じて反応容器211内にRF電力を導入し、グロ
ー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応
容器2111内に導入された原料ガスが分解され、円筒
状支持体2112上にシリコンを主成分とする所定の堆
積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行
われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて
反応容器2111へのガスの流入を止め、堆積膜の形成
を終える。
【0192】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の感光層が形成される。
【0193】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることはいうま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器2111
内、流出バルブ2251〜2256から反応容器211
1に至る配管内に残留することを避けるために、流出バ
ルブ2251〜2256を閉じ、補助バルブ2260を
開き、さらにメインバルブ2118を全開にして系内を
一旦、高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0194】また、膜形成の均一化を図るために、層形
成を行っている間は、支持体2112を駆動装置(不図
示)によって所定の速度で回転させることも有効であ
る。
【0195】なお、上述のガス種およびバルブ操作は各
々の層の作成条件にしたがって変更が加えられることは
いうまでもない。
【0196】次に、電源にVHF帯の周波数を用いた高
周波プラズマCVD(以下「VHF−PCVD」とい
う)法によって形成される画像形成装置用感光体の製造
方法について説明する。
【0197】図2に示した製造装置におけるRF−PC
VD法による堆積装置2100を図3に示す堆積装置3
100に交換して原料ガス供給装置2200と接続する
ことにより、VHF−PCVD法による以下の構成の画
像形成装置用感光体製造装置を得ることができる。な
お、VHF−PCVD法の原料ガス供給装置2200
は、図2のものと同じなので、これについては図2を参
照して説明する。
【0198】この装置は大別すると、真空密化構造の、
減圧にし得る反応容器3111、原料ガスの供給装置2
200、および反応容器3111内を減圧にするための
排気装置(不図示)から構成されている。反応容器31
11内には円筒状支持体3112、支持体加熱用ヒータ
3113、原料ガス導入管3114、電極3115が設
置され、電極3115にはさらに高周波マッチングバッ
クス3116が接続されている。また、反応容器311
1内は排気管3121を通じて拡散ポンプ(不図示)に
接続されている。
【0199】原料ガス供給装置2200は、SiH4
GeH4 、H2 、CH4 、B26、PH3 等の原料ガ
スのボンベ2221〜2226とガスボンベのバルブ2
231〜2236、流入バルブ2241〜2246、流
出バルブ2251〜2256およびマスフローコントロ
ーラ2211〜2216から構成され、各原料ガスのボ
ンベは補助バルブ2260を介して反応容器3111内
の原料ガス導入管3114に接続されている。また、円
筒状支持体3112によって取り囲まれた空間3130
が放電空間を形成している。
【0200】VHF−PCVD法によるこの装置での堆
積膜の形成は、以下のように行うことができる。
【0201】まず、反応容器3111内に円筒状支持体
3112を設置し、駆動装置3120によって支持体3
112を回転させ、排気装置、例えば真空ポンプ(不図
示)により反応容器3111内を排気管3121を介し
て排気し、反応容器3111内の圧力を1×10-7To
rr以下に調整する。つづいて、支持体加熱用ヒータ3
113により円筒状支持体3112の温度を200〜3
50℃の所定の温度に加熱保持する。
【0202】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器311
1に流入させるには、ガスボンベのバルブ2231〜2
236、反応容器3111のリークバルブ(不図示)が
閉じられていることを確認し、また、流入バルブ224
1〜2246、流出バルブ2251〜2256、補助バ
ルブ2260が開かれていることを確認して、まずメイ
ンバルブ(不図示)を開いて反応容器3111およびガ
ス配管(不図示)内を排気する。
【0203】次に、真空計の読みが約5×10-6Tor
rになった時点で補助バルブ2260、流出バルブ22
51〜2256を閉じる。
【0204】その後、ガスボンベ2221〜2226よ
り各ガスをバルブ2231〜2236を開いて導入し、
圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を2kg
/cm2 に調整する。次に、流入バルブ2241〜224
6を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラ2
211〜2216内に導入する。
【0205】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下のようにして円筒状支持体3112上に各層の
形成を行う。
【0206】円筒状支持体3112が所定の温度になっ
たところで流出バルブ2251〜2256のうちの必要
なものおよび補助バルブ2260を徐々に開き、ガスボ
ンベ2221〜2226から所定のガスを原料ガス導入
管3114を介して反応容器3111内の放電空間31
30に導入する。次にマスフローコントローラ2211
〜2216によって各原料ガスが所定の流量になるよう
に調整する。その際、放電空間3130内の圧力が1T
orr以下の所定の圧力なるように真空計を見ながらメ
インバルブの開口を調整する。
【0207】圧力が安定したところで、周波数500M
HzのVHF電源(不図示)を所望の電力に設定して、
マッチングボックス3120を通じて放電空間3130
にVHF電力を導入し、グロー放電を生起させる。この
ようにして円筒状支持体3112により取り囲まれた放
電空間3130において、導入された原料ガスは、放電
エネルギーにより励起されて解離し、円筒状支持体31
12上に所定の堆積膜が形成される。この時、層形成の
均一化を図るため支持体回転用モータ3120によっ
て、所望の回転速度で回転させる。
【0208】所望の膜厚の形成が行われた後、VHF電
力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器3111
へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
【0209】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の感光層が形成される。
【0210】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブは全て閉じられていることはいうまで
もなく、また、それぞれのガスが反応容器3111内、
流出バルブ2251〜2256から反応容器3111に
至る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ
2251〜2256を閉じ、補助バルブ2260を開
き、さらにメインバルブを全開にして系内を一旦、高真
空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0211】上述のガス種およびバルブ操作は各々の層
の作成条件に従って変更が加えられることはいうまでも
ない。
【0212】いずれの方法においても、堆積膜形成時の
支持体温度は、特に200℃以上350℃以下、好まし
くは230℃以上330℃以下、より好ましくは250
℃以上300℃以下が好ましい。
【0213】円筒状支持体3112の加熱方法は、真空
仕様である発熱体であればよく、より具体的にはシース
状ヒータの巻き付けヒータ、板状ヒータ、セラミックヒ
ータ等の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ラン
プ等の熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱
交換手段による発熱体等があげられる。加熱手段の表面
材質は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の
金属類、セラミック、耐熱性高分子樹脂等を使用するこ
とができる。
【0214】それ以外にも、反応容器3111以外に加
熱専用の容器を設け、加熱した後、反応容器3111内
に真空中で円筒状支持体3112を搬送する等の方法が
用いられる。
【0215】また、特にVHF−PCVD法において、
放電空間の圧力として、好ましくは1mTorr以上5
00mTorr以下、より好ましくは3mTorr以上
300mTorr以下、最も好ましくは5mTorr以
上100mTorr以下に設定することが望ましい。
【0216】VHF−PCVD法において放電空間31
30に設けられる電極3115の大きさおよび形状は、
放電を乱さないならばいずれのものでも良いが、実用上
は直径1mm以上10cm以下の円筒状が好ましい。この
時、電極3115の長さも円筒状支持体3112に電界
が均一にかかる長さであれば任意に設定できる。
【0217】電極3115の材質としては、表面が導電
性となるものならばいずれのものでも良く、例えば、ス
テンレス、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、T
e、V、Ti、Pt、Pb、Fe等の金属、これらの合
金または表面を導電処理したガラス、セラミック、プラ
スチック等が通常使用される。
【0218】以上述べてきた、各構成および作用を単独
であるいは適宜に組み合わせて、優れた効果を引き出す
ことが可能である。
【0219】図10にその一例を示す。1001は被帯
電体(像担持体)としてのドラム型の電子写真感光体で
あり、矢印A方向(同図中、時計回り方向)に所定の周
速度(プロセススピード)にて回転駆動される。
【0220】感光体1001の表面層の抵抗値は、その
電荷保持能、帯電効率等の電気的特性を良好に有し、電
圧により表面層が損傷する、いわゆるピンホールリーク
を防止するために、1×1010〜5×1015Ω・cmなる
抵抗を有することが好ましい。より好ましくは1×10
12〜1×1014Ω・cmである。この抵抗値の測定はHI
OKI社(メーカ)製のMΩテスターで0.25〜1k
Vの印加電圧における測定にて行った。
【0221】1002は前記帯電キャリヤを用いた接触
帯電部材であり、多極磁性体1002−2と、その面上
に形成された帯電キャリヤ(磁性粉体)による磁性ブラ
シ層1002−1とを備えている。接触帯電部材100
2の多極磁性体1002−2は、表面の磁極をらせん構
造をして構成してある。該磁極のらせん化は、例えば図
1(b)に示すように、らせん状に構成した磁石と樹脂
を組み合わせて構成しても良いし、スリーブ状に構成し
た透磁性の円筒中でゴムマグネット等の磁性体をらせん
に構成しても良い。また、多極磁性体1002−2上に
磁性ブラシ層1002−1を設けて接触帯電部材100
2を構成した後、これに電圧を印加したときに、印加電
圧が磁性ブラシ層1002−1の各部に良好に印加され
るように、例えば銅テープやアルミニウムテープ(3M
社製electricalテープ1181、同117
0)等の透磁性、導電性のテープを張る、あるいは上述
のように、透磁性の導電層を形成する等しても良い。
【0222】磁性ブラシ層1002−1は、前述のごと
く磁性フェライトや磁性マグ、磁性トナーのキャリヤ等
の帯電キャリヤで構成される。
【0223】この接触帯電部材1002の磁性ブラシ層
1002−1の抵抗値は、良好な帯電効率を保持するた
め、一方ではピンホール防止のためにHIOKI社(メ
ーカ)製のMΩテスターで0.25〜1kVの印加電圧
における測定にて、1×103 〜1×1012Ω・cmなる
抵抗を有することが好ましい。より好ましくは1×10
4 〜1×108 Ω・cmである。
【0224】感光体1001と多極磁性体1002−2
との最近接間隙は、その帯電ニップ制御のために50〜
2000μmの範囲にスペーサ(不図示)等で安定的に
設定されることが好ましく、より好ましくは100〜1
000μmである。その他に帯電ニップ調整用にブレー
ド等の機構を設けても良い。
【0225】1003は接触帯電部材1002に対して
電圧を印加する電源であり、この電源1003により直
流電圧Vdcが帯電キャリヤからなる磁性ブラシ層100
2−1に印加されて、回転駆動されている感光体100
1の外周面(表面)が均一に帯電される。
【0226】さらに、画像信号に応じて強度変調される
レーザビーム1005が走査されることによって感光体
1001上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、
現像剤(トナー)が塗布された現像スリーブ1006に
よってトナー像として顕画像化された後、転写材100
7上に転写ローラ1008を介して転写される。トナー
像転写後の転写材1007は、定着器(不図示)によっ
て表面のトナー像が定着された後、装置本体(不図示)
外部に排出される。一方、トナー像転写後の感光体10
01は、表面の転写残トナーがクリーニングブレード1
009によって除去され、次の画像形成に供される。
【0227】以下、具体的な数値をあげてさらに実施例
について詳述する。なお、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。 〈実施例1〉図2に示すRF−PCVD法による画像形
成装置用感光体の製造装置を用い、直径108mmの鏡面
加工を施したアルミニウムシリンダー(支持体)上に、
図14に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層
からなる感光体を作製した。さらに光導電層のSiH4
とH2 との混合比ならびに放電電力を変えることによっ
て、種々の感光体を作製した。
【0228】作製した感光体を画像形成装置(キヤノン
製NP6060をテスト用に改造)にセットして、帯電
能の温度依存性(温度特性)、メモリならびに画像欠陥
を評価した。
【0229】温度特性は、感光体の温度を室温から約4
5℃まで変えて帯電能を測定し、このときの温度1℃当
たりの帯電能の変化を測定して、2V/deg以下を合
格と判断した。
【0230】また、メモリ、画像流れについては、画像
を目視により測定し、1:非常に良好、2:良好、3:
実用上問題なし、4:実用上やや難ありの4段階にラン
ク分けした。
【0231】一方、円筒形のサンプルホルダーに設置し
たガラス基板(コーニング社 7059)ならびにSi
ウエハー上に、光導電層の作製条件で膜厚約1μmのa
−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはAlの
櫛型電極を蒸着し、CPMにより指数関数裾の特性エネ
ルギ(Eu)と局在準位密度(D.O.S)を測定し、
Siウエハー上の堆積膜はFTIRにより含有水素量を
測定した。
【0232】このときのEuと温度特性との関係を図4
に、また、D.O.Sとメモリ、画像流れとの関係を図
5、図6に示す。いずれのサンプルも水素含有量は10
〜30原子%の間であった。
【0233】図4、図5および図6から明らかなよう
に、Eu=50〜60meV、D.O.S=1×1014
〜1×1016cm-3の範囲にすることが良好な電子写真特
性を得るために必要であることがわかった。また、同様
に表面層のサンプルを作製し、櫛型電極を用いて抵抗値
の測定を行った。
【0234】つづいて、接触帯電部材を以下の条件で製
作した。
【0235】多極磁性体はプラスチックマグネットを前
述の要領でφ18mmのローラ状に構成した。その磁極数
は帯電ニップ幅内で複数存在するように構成することが
好ましい。本実施例では6〜18極の複数の磁極数を設
定し、らんせ状に構成したものと、長軸方向に無変化の
ものとを各々樹脂部品と組み合わせて作製した。
【0236】磁気ブラシ層は、5〜35μmの磁性酸化
鉄等のキャリヤと1〜5μmの小粒径マグ等の磁性粉と
を、所定の比で混合した物を帯電キャリヤとして使用し
た。該帯電キャリヤは一般にトナーに利用される周知の
キャリヤと同成分の物でも良い。また、帯電ニップ幅は
6〜7mmとした。
【0237】作製した感光体と接触帯電部材を図10に
示す画像形成装置にセットして、帯電能力を評価した。
結果を図12に示す。接触帯電部材(同図では「磁気ブ
ラシ」と表示)の抵抗値が、1×103 ×1〜1012Ω
・cmなる抵抗を有するとき、良好な帯電が得られた。よ
り好ましくは、1×104 〜1×109 Ω・cmのときに
良好な帯電特性、および画像流れ等の環境特性が得られ
た。
【0238】接触帯電部材の抵抗が1×103 Ω・cm未
満だった場合は、異常放電、ピンホールが発生し感光体
が破損した。また、1×1012Ω・cm以上だった場合は
帯電効率が低下し、注入による帯電がほとんど生じなか
った。
【0239】前述の感光体として下記のa〜fを形成
し、また、前述の接触帯電部材として下記A〜Hを形成
し、これらの適宜に組み合わせて図10に示す画像形成
装置に装着し、温度23℃、湿度60%RHの環境で1
0万枚の耐刷試験を行い、耐久前(初期)と耐久後との
画質を比較した。なお、本実施例の説明のうち、接触帯
電部材の磁極が長軸方向に無変化のものは図9(b)の
ような形状であり、、これに対し、本発明に係るらせん
構造のものはは図1(b)のような形状である。
【0240】結果を図15に示す。
【0241】接触帯電部材への印加電圧条件は、600
dc。プロセススピードは250mm/sec で行った。ま
た、磁気ブラシすなわち接触帯電部材は固定して耐久試
験を行った。
【0242】感光体の条件は、 a:Euは47meV、D.O.Sは5×1016cm-3 b:Euは50meV、D.O.Sは2×1014cm-3 c:Euは52meV、D.O.Sは9×1015cm-3 d:Euは55meV、D.O.Sは6×1014cm-3 e:Euは58meV、D.O.Sは3×1016cm-3 f:Euは64meV、D.O.Sは1×1017cm-3 本発明の接触帯電部材の多極磁性体、磁性ブラシ層の条
件は、 A:7×102 Ω・cm 18極構造、該磁極は長軸方向
に無変化 B:6×107 Ω・cm 18極構造、該磁極は長軸方向
に無変化 C:7×102 Ω・cm 18極構造、該磁極はらせん構
造 D:6×107 Ω・cm 18極構造、該磁極はらせん構
造 E:5×1010Ω・cm 18極構造、該磁極はらせん構
造 F:3×1013Ω・cm 18極構造、該磁極はらせん構
造 G:6×107 Ω・cm 6極構造、該磁極はらせん構
造 H:6×107 Ω・cm 12極構造、該磁極はらせん構
造 図15の結果から、磁極をらせん構造にした場合の耐久
性が優れていることが判明した。
【0243】また、そのらせんに際し磁極間隔は帯電ニ
ップ幅以内となると耐久特性が優れていることが判明し
た。
【0244】さらに、サブバンドギャップ光吸収スペク
トルから得られる指数関数裾の特性エネルギが50〜6
0meV、かつ伝導帯端下0.45〜0.95eVにお
ける局在状態密度が1×1014〜5×1016cm-3である
こと、磁気ブラシ層が、1×103 〜1×1012Ω・cm
なる抵抗を有することが好適条件であることが判明し
た。600Vdc印加で帯電直後でTReK社(メーカ
ー)製表面電位計にて測定したところ、暗状態電位が5
50〜600Vであった。 〈実施例2〉図2に示す製造装置を用い、図16に示す
作製条件で画像形成装置用感光体を作製した。このとき
の光導電層のEuとD.O.Sは、それぞれ55me
V、2×1015cm-3であった。
【0245】これに、磁極を12極有し、らせん状に構
成した多極磁性体と、実施例1同様キャリヤと磁性粉か
らなる磁気ブラシ層を有する磁気ブラシを接触帯電部材
として作製した。抵抗は5×108 Ω・cmであった。接
触帯電部材への印加電圧条件は、600Vdc。プロセス
スピードは250mm/sec で、接触帯電部材を感光体と
の当接面で周速比が150%となるように同方向に回転
させた(したがって、当接面ではそれぞれの表面が逆方
向に移動することになる。図1(a)の矢印参照)。実
施例1と同様の評価をしたところ、良好な画像が得られ
た。
【0246】接触帯電部材を回転させることにより、該
接触帯電部材の停止の場合よりも磁極間が開いても帯電
ニップ内で隣接する磁極が感光体との当接面に移動し、
実質的に磁極間距離が小さい場合と同様の効果が現れる
のではないかと思われる。 〈実施例3〉多極磁性体1302の磁極を図13(b)
に示すように接触帯電部材1300の長軸方向の中央部
を境として、それぞれの端部側を対称ならせん状に構成
し、該磁極に沿う形で高さ10〜100μmの凸部を設
けた。磁気ブラシ層1301は実施例2と同様のものを
用いた。該接触帯電部材1300を所定の速度で、感光
体104と同方向に回転させる(したがって当接面では
それぞれの表面が逆方向に移動することになる。図13
(a)参照)ようにした。該磁気ブラシ層1301の抵
抗は3×108 Ω・cmであった。
【0247】接触帯電部材1300への印加電圧条件
は、600Vdcとした。また、プロセススピードは20
0mm/sec で行った。
【0248】これに、実施例2と同様の感光体104を
用い、実施例1と同様の評価をしたところ、耐久後では
実施例1よりもさらに良好な画像が得られた。
【0249】これは、以下の作用によるもの物と考えら
れる。
【0250】帯電キャリヤの減少の大きな要因として、
その端部からの帯電キャリヤ損失があげられる。接触帯
電部材端部では、感光体104の非帯電部が隣接してお
り帯電キャリヤ移動の原因となる電界による静電引力が
生じている。さらに端部においては、接触帯電部材13
00の外部方向では該帯電キャリヤを保持、抑制する効
果が微少または無く、該帯電キャリヤが感光体側に移
動、減少する。
【0251】本実施例の構成では、接触帯電部材130
0の回転にともない、該凸部、あるいは磁極部に穂立ち
状態の磁性粉等の帯電キャリヤにより接触帯電部材13
00の磁気ブラシ層1301を構成する該帯電キャリヤ
は、全体として接触帯電部材1300の長軸方向中央側
に向かう力を受け、あるいは搬送されることにより、端
部での帯電キャリヤの減少を有効に防止できる。 〈実施例4〉外径80mm×長さ358mmのアルミニウム
シリンダーを基体(支持体)とし、これにアルコキシメ
チル化ナイロンの5%メタノール溶液を浸漬法で塗布し
て、膜厚1μmの下引き層(中間層)を設けた。
【0252】次に、チタニルフタロシアニン顔料を10
部(重量部、以下同様)、ポリビニルブチラール8部、
およびシクロヘキサノン50部を直径1mmのガラスビー
ズ100部を用いたサンドミル装置で20時間混合分散
させた。この分散液にメチルエチルケトン70〜120
(適宜)部を加えて下引き層上に塗布し、100℃で5
分間乾燥させて0.2μmの電荷発生層を形成させた。
【0253】次に、この電荷発生層の上に図17に示す
構造式のスチリル化合物10部とビスフェノールZ型ポ
リカーボネート10部をモノクロルベンゼン65部に溶
解した。この溶液をディッピング法によって基体上に塗
布し、120℃で60分間の熱風乾燥させて、20μm
厚の電荷輸送層を形成した。
【0254】次に、この電荷輸送層の上に以下の方法で
膜厚1.0μmの表面層を設けた。
【0255】酸成分としてテレフタル酸を、またグリコ
ール成分としてエチレングリコールを用いて得られた高
融点ポリエチレンテレフタレート(A)[極限粘度で
0.70dl/g、融点258℃(示差熱測定器を用い
て10℃/minの昇温速度で測定した。また、測定サ
ンプルは5mgで、測定しようとするポリエステル樹脂
を280℃で溶融後、0℃の氷水で急冷して作製し
た)、ガラス点移転温度70℃]100部とエポキシ樹
脂(B)[エポキシ当量160:芳香族エステルタイ
プ;商品名:エピコート190P(油化シェルエポキシ
社製)]30部とをフェノールとテトラクロロエタン
(1:1)混合液100mlに溶解させた。さらに上述
の溶液中に電荷保持粒子として、SnO2 粉を60wt
%混入させた。次いで光重合開始剤としてトリフェニル
スルフォニウムヘキサンフルオロアンチモネート(C)
3部を添加して樹脂組成物溶解を調整した。
【0256】光の照射条件としては、2kW高圧水銀灯
(30W/cm)を20cm離した位置から130℃で8秒
間照射して硬化させた。
【0257】このようにして作製した感光ドラムを、図
10に示す画像形成装置において、前述の接触帯電部材
A〜Hを用いた。この条件下で、温度30℃、湿度80
%RHの環境において10万枚の耐刷試験を行い、高湿
画像流れ、およびまだらスジジジジジ評価した。接触帯
電部材への印加電圧条件は、700Vdc。プロセススピ
ード200mm/sec で行った。帯電直後に測定した帯電
電位は650V以上であった。評価の結果を図18に示
す。 〈実施例5〉実施例4の保護層の代わりに次の保護層を
形成した。電荷輸送層で用いたものと同じバインダーと
して、アクリル樹脂中にSnO2 粉を60wt%混入
し、層上に膜厚1.0μmになるように塗布して感光体
表面層とし、実施例4と同様に耐久テストを行った。結
果を図18に示す。 〈比較例1〉実施例4で用いた感光体の保護層を用いな
い以外には実施例5と同様の感光体を作製し、実施例5
と同様に耐久テストを行った。結果を図18に示す。
【0258】図18より、被帯電体が、高融点ポリエス
テル樹脂、および硬化樹脂を含み、SnO2 等の電荷保
持粒子を分散させた表面層、あるいはアクリル樹脂中に
SnO2 等の電荷保持粒子を分散させた表面層を有する
ことが好適条件であることが判明した。 〈実施例6〉図3に示すVHFーPCVD法による画像
形成装置用感光体の製造装置を用い、実施例1と同様に
直径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリダー
(支持体)上に図19に示す条件で電荷注入阻止層、光
導電層、表面層からなる感光体を作製した。
【0259】さらに光導電層のSiH4 とH2 との混合
比、放電電力、支持体温度および内圧を変えることによ
り、種々の感光体を作製した。作製した感光体を画像形
成装置(キヤノン製NP6060をテスト用に改造)に
セットして、帯電能の温度依存性(温度特性)、ブラン
ク露光メモリおよびゴーストメモリを評価した。温度特
性ならびにメモリの評価は実施例1と同様にした。さら
にハーフトーン画像の濃度ムラ(ガサツキ)をメモリと
同様、4段階のランク分けを行って評価した。
【0260】一方、光導電層の製条件で、円筒形のサン
プルホルダーに設置したガラス基板(コーニング社 7
059)およびSiウエハー上に膜厚約1μmのa−S
i膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはAlの櫛型
電極を蒸着して、CPMにより指数関数裾の特性エネル
ギ(Eu)と局在準位密度(D.O.S)を測定し、S
iウエハー上の堆積膜はFTIRにより含有水素量およ
びSi−H2 結合とSi−H結合の吸収ピーク強度比を
測定した。Eu、D.O.Sと温度特性、メモリ、画像
流れとの関係は実施例1と同様であり、良好な電子写真
特性のためにはEu=50〜60meV、D.O.S=
1×1014〜5×1015cm-3であることが必要であるこ
とがわかった。さらに、図7に示すSi−H2 /Si−
Hとガサツキとの関係から、Si−H2 /Si−H=
0.2〜0.5の範囲にすることが必要であることがわ
かった。
【0261】この感光体のうち、Eu、D.O.Sおよ
びSi−H2 /Si−Hが、各々54meV、8×10
14cm-3、0.29の感光体について、接触帯電部材を用
い、実施例2と同様の評価を行ったところ、良好な結果
を得た。 〈実施例7〉図3に示す画像形成装置用感光体の製造装
置を用い、図20に示す作製条件で画像形成装置用感光
体を作製した。このときの光導電層のEu、D.O.S
およびSi−H2 /Si−Hは、それぞれ53meV、
5×1014cm-3、0.29であった。作製した画像形成
装置用感光体を接触帯電部材を用い、実施例6と同様の
評価をしたところ実施例6と同様に良好な特性が得られ
た。 〈実施例8〉図3に示す画像形成装置用感光体の製造装
置を用い、図21に示す作製条件で画像形成装置用感光
体を作製した。このときの光導電層のEu、D.O.S
およびSi−H2 /Si−Hは、それぞれ56meV、
1.3×1015cm-3、0.38であった。作製した画像
形成装置用感光体を接触帯電部材を用い、実施例6と同
様の評価をしたところ実施例6と同様に良好な電子写真
特性が得られた。 〈実施例9〉図3に示す画像形成装置用感光体の製造装
置を用い、図22に示す作製条件で画像形成装置用感光
体を作製した。このときの光導電層のEu、D.O.S
およびSi−H2 /Si−Hは、それぞれ59meV、
3×1015cm-3、0.45であった。作製した画像形成
装置用感光体を接触帯電部材を用い、実施例4と同様の
評価をしたところ実施例4と同様に良好な電子写真特性
が得られた。
【0262】なお、上述の実施例1〜9では、印加電圧
として直流電圧(Vdc)でのみならず、交流電圧+直流
電圧(Vac+Vdc)においても同様の効果が得られた。
【0263】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
磁気ブラシを用いた接触帯電部材の多極磁性体の極性を
らせん型に構成することにより、極めて好適な画像安定
化が達成された。
【0264】具体的には、第1に、帯電部材の多極磁性
体の磁極をらせん化したこと、また磁極がニップ内に複
数存在する構成にしたこと、また接触帯電部材を回転さ
せ、実質的に帯電ニップ内の磁極数を増加させたことの
単独、あるいは相乗効果により帯電ニップ内で磁極によ
り帯電キャリアを再捕獲し、帯電キャリアが感光体に移
動することによる減少を防止し、飛躍的に耐久性を向さ
せることができた。また、これにより帯電キャリアが現
像されてしまうこと、現像器中に混入し正規のトナー現
像が妨げられる等による画質の低下が防止され、メンテ
ナンスフリー化の促進が可能となった。
【0265】第2に、接触帯電部材における帯電キャリ
ア損失の分布に着目し、接触帯電部材長軸方向で中央方
向に帯電キャリアを搬送する機構を設けることにより、
帯電キャリアの減少の大きな要因である帯電部材端部か
らの帯電キャリア損失を減少させた。
【0266】第3に、耐久性が向上した保護層に、さら
に温度特性や電気的特性を向上させた新規な感光体を組
み合わせることにより、夜間通電無し、省エネルギ、高
画質保持のまま、高湿画像流れの除去が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例1における接触帯電部材、感光
体の側面図。(b)は実施例1における接触帯電部材、
感光体の正面図。
【図2】本発明の画像形成装置用感光体の光受容層を形
成するための装置の一例で、RF帯の高周波を用いたグ
ロー放電法による画像形成装置用感光体の製造装置の模
式的説明図。
【図3】本発明の画像形成装置用感光体の光受容層を形
成するための装置の一例で、VHF帯の高周波を用いた
グロー放電法による画像形成装置用感光体の製造装置の
模式的説明図。
【図4】感光体における光導電層のアーバックテイルの
特性エネルギー(Eu)と温度特性との関係を示す図。
【図5】感光体における光導電層の局在状態密度(D.
O.S)と光メモリとの関係を示す図。
【図6】感光体における光導電層の局在状態密度(D.
O.S)と画像流れとの関係を示す図。
【図7】感光体における光導電層のSi−H2 結合とS
i−H結合の吸収ピーク強度比とハーフトーン濃度ムラ
(ガサツキ)との関係を示す図。
【図8】従来の画像形成装置の要部の構成を示す図。
【図9】従来の他の(磁気ブラシを用いた)画像形成装
置の要部の構成を示す図。
【図10】実施例1の画像形成装置の要部の構成を示す
図。
【図11】(a)〜(e)はそれぞれ別の感光体の構成
を示す部分断面図。
【図12】磁気ブラシの抵抗と帯電状態との関係を示す
図。
【図13】(a)は実施例3における接触帯電部材、感
光体の側面図。(b)は実施例3における接触帯電部
材、感光体の正面図。
【図14】実施例1の感光体の作製条件を示す図。
【図15】実施例1の各感光体と各接触帯電部材の組み
合わせと画質との、耐久前(初期)および耐久後の関係
を示す図。
【図16】実施例2の感光体の作製条件を示す図。
【図17】実施例4における電荷輸送層を構成するスチ
リル化合物の構造式を示す図。
【図18】実施例4、実施例5および比較例1における
各感光体と各接触帯電部材との組み合わせと画質との、
耐久前(初期)および耐久後の関係を示す図。
【図19】実施例6の感光体の作製条件を示す図。
【図20】実施例7の感光体の作製条件を示す図。
【図21】実施例8の感光体の作製条件を示す図。
【図22】実施例9の感光体の作製条件を示す図。
【符号の説明】
100 接触帯電部材 101 磁性粉体(磁気ブラシ層) 102 多極磁性体(マグネットローラ) 103 スペーサ 104 被帯電体(像担持体、感光体、感光ドラ
ム) 1001 被帯電体(像担持体、感光体、感光ドラ
ム) 1002 接触帯電部材 1002−1磁性粉体(磁気ブラシ層) 1002−2多極磁性体(マグネットローラ) 1003 電源 1101 支持体(円筒状支持体) 1102 感光層 1103 光導電層 1104 表面層 1105 電荷注入阻止層 1106 電荷発生層 1107 電荷輸送層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に複数の磁極を有する多極磁性体
    表面に磁性粉体を担持させて接触帯電部材を構成し、前
    記磁性粉体を被帯電体に接触させるとともに、前記接触
    帯電部材に電圧を印加して前記被帯電体を帯電する帯電
    装置において、 前記多極磁性体の外周面における磁極の配置をらせん形
    に構成する、 ことを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 前記多極磁性体の周方向における相互に
    隣接する磁極の間隙が、前記磁性粉体と前記被帯電体と
    の接触部における該磁性粉体の周方向の帯電ニップ幅以
    下になるように構成する、 ことを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  3. 【請求項3】 前記多極磁性体を回転自在に支持すると
    ともに、被帯電体に対する帯電時に前記多極磁性体を回
    転させる、 ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の帯電装
    置。
  4. 【請求項4】 前記磁性粉体を前記多極磁性体長軸方向
    中央側に搬送する機構を設けた、 ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記
    載の帯電装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか記載
    の帯電装置と、 該帯電装置によって帯電される被帯電体とを備え、 該被帯電体が、 導電性支持体と、 シリコン原子を母体として水素原子とハロゲン原子のう
    ちの少なくとも一方を含有する非単結晶材料を有し光導
    電性を示す光導電層と、 電荷を保持する機能を有する表面層を有する光受容層
    と、を備え、 前記光導電層は、 10〜30原子%の水素を含有し、 少なくとも光の入射する部分においてサブバンドギャッ
    プ光吸収スペクトルから得られる指数関数裾の特性エネ
    ルギーが50〜60meV、局在状態密度が1×1014
    〜1×1016cm-3で、 表面層の電気抵抗値が1×1010〜5×1015Ω・cmで
    ある、 ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記被帯電体が、電荷保持粒子を含む表
    面層を有する電子写真感光体である、 ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
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