JP2000131924A - 帯電部材とこの帯電部材を用いた画像形成装置 - Google Patents

帯電部材とこの帯電部材を用いた画像形成装置

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JP2000131924A
JP2000131924A JP10304276A JP30427698A JP2000131924A JP 2000131924 A JP2000131924 A JP 2000131924A JP 10304276 A JP10304276 A JP 10304276A JP 30427698 A JP30427698 A JP 30427698A JP 2000131924 A JP2000131924 A JP 2000131924A
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fur
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Masaya Kawada
将也 河田
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Takaaki Kashiwa
孝明 栢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、画像形成装置に用いられるファー
ブラシ状の帯電部材であって、ファーの抜け落ち、折れ
のない長寿命の帯電部材を提供すること及びこの帯電部
材を用いた長期にわたり良好な画質を保持しうる画像形
成装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ファーブラシ状帯電部材の導電性ファー
を構成する繊維に非晶質材料を導入する。またこのよう
な帯電部材を用いた画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧を帯電部材に
印加し、この帯電部材の導電性繊維からなる帯電面を像
担持体であるところの被帯電体に当接させて被帯電体表
面を帯電し、その帯電面に可視光、ライン走査レーザー
光により画像情報の書き込みをして画像形成する方式の
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置は従来の原稿を複写するい
わゆる複写機のみならず、近年需要の伸びの著しいコン
ピュータ、ワードプロセッサの出力手段としてのプリン
ターを加え広く利用されている。こうしたプリンター
は、従来のオフィスユースのみならず、パーソナルユー
スが増大したため、低コスト、メンテナンスフリーとい
った経済性が重視される。
【0003】さらに、エコロジーの観点から、両面コピ
ーや再生紙利用等による紙の消費低減、消費電力低減の
省エネルギー、オゾン量低減等が、経済性と同様の重要
度で求められている。
【0004】従来の帯電方式の主流であったコロナ帯電
器は、φ50〜100μm程度の金属ワイヤーに5〜1
0kV程度の高電庄を印加し、雰囲気を電離し対向物に
帯電を付与する。その過程において、ワイヤー自身も汚
れを吸着してしまうため、定期的な清掃、交換が必要と
なる。また、コロナ放電にともない、オゾンが大量に発
生してしまうといった問題が発生している。
【0005】また、被帯電体である電子写真感光体は、
近年耐刷枚数の増大をはかるため表面硬度が高くなって
おり、繰り返し使用により帯電器から発生するオゾンか
らにより生成するコロナ生成物の影響で感光体の表面が
湿度に敏感となり水分を吸着しやすくなり、感光体表面
の電荷の横流れするといった現象を引き起こしている。
これにより画像流れといわれる画像品質低下が問題とな
っている。
【0006】このような画像流れを防止するために、実
公平l−34205に記載されているようなヒーターに
よる加熱や、特公平2−38956に記載されているよ
うなマグネットローラーと磁性トナーから形成されたブ
ラシにより被帯電体である所の像担持体例えば感光体表
面を摺擦しコロナ生成物を取り除く方法、特開昭61−
100780に記載されているような弾性ローラーによ
る感光体表面の摺擦でコロナ生成物を取り除く方法等が
用いられてきた。
【0007】感光体表面を摺擦する方法は、極めて硬度
の高いアモルファスシリコン感光体で使用されるが、こ
のような装置の複雑化は装置の小型化や低コスト化が困
難な一因となる。
【0008】また、前述感光体の高湿画像流れを防止、
除去するために、感光体内面に熱源を設けることが周知
であり、最も一般的なのは、面状ないし棒状の電熱ヒー
タを円筒状感光体内面に配置したものが知られている。
【0009】このヒーターによる常時加熱に用いる電力
は、通常15Wから80W程度であるが、夜間も含め常
時通電されているケースがほとんどであり、一日あたり
の消費電力量としては、画像形成装置全体の消費電力量
の5〜15%にも達し、省電力化が必要である。
【0010】上記ヒーターに類似する形態について、特
開昭59−111179または特開昭62−27857
7においても記載があるが、そもそも画像流れの原因で
ある前述オゾンの発生自体が好ましくなく、オゾンその
ものの発生を大幅に低減する方式に対する開発要請が強
い。
【0011】前述の問題点を解決すべく、各種帯電装置
が提案されている。特開昭63−208878号公報等
には、接触帯電についての開示がなされている。この方
式によれば、電庄を印加した帯電部材を被帯電体に当接
させて感光体表面を所望の電位に帯電するもので、帯電
部装置として広く利用されているコロナ帯電装置に比
べ、第1に、被帯電体面に所望の電位を得るのに必要と
される印加電庄の低電庄化が図れること、第2に、帯電
過程で発生するオゾン量が皆無または極微量であり、オ
ゾン除去フィルターの必要性が無くなり、装置の排気系
の構成が簡素化されること、第3に、オゾン発生量の大
幅低減により、感光体をヒーターにより加熱する必要が
無くなり、電力消費の大幅な低減が図れること等の長所
を有している。
【0012】したがって、このような帯電手段は、画像
形成装置(複写機、レーザービームプリンター)、静電
記録装置等の画像形成装置において、コロナ放電装置に
代わるものとして注目されている。
【0013】一連の接触帯電部材のさまざまな改善とい
った取り組みの中で、特開昭59−133569号公報
等には、磁性体と磁性粉体(或いは粒子)からなる磁気
ブラシ状の接触帯電部材を用いて接触帯電させる機構
が、また特開昭57−046265号公報等には、導電
性繊維からなるファーを用いたファーブラシ状の接触帯
電部材を用いて像担持体である被帯電体を接触帯電させ
る機構の提案がなされている。
【0014】例えば、導電性繊維からなるファーを用い
たファーブラシ状の接触帯電部材は、図1−1のように
芯材101−a及びその帯電面に導通を確保した状態
で、接着等の方法で固定された繊維状導電ブラシ101
−b(以下ファーブラシと称する)とからなる。この図
の場合、ファーブラシは、ローラー状に加工されてお
り、芯材101−aには、通常アルミまたはSUSなど
の導電性材料が用いられている。
【0015】ファーブラシ部101−bは、通常レーヨ
ンやアクリル、PET、ナイロン等の高分子化合物に、
カーボン等の導電性制御成分を分散又は混入したもの
や、カーボン、SUS、Al等の金属繊維、あるいはこ
れらの繊維にシリコーンを被覆させたもの等の導電性繊
維が一般に用いられることが多い。
【0016】これらのファーは、導電性基布等の基材に
植毛または織毛して前記のローラに配置する。
【0017】この帯電部材の抵抗値は、その使用される
環境、帯電効率、または感光体の表面層の耐庄特性等に
応じて適宜選択される。また、高分子材料にカーボンを
混入する場合、一般にはその分散量、混入量によって抵
抗値を制御する。
【0018】このようにして作製されたファーブラシ
は、回転駆動されている感光体(被帯電体)に接触し、
感光体の外周を帯電させ、次いで感光体表面が、強度変
調されるレーザービームプリンター光により走査され、
静電潜像が形成される。
【0019】上記のようなローラー型のブラシの他、図
1−2の如く、デッキブラシ状などの非ローラー形状の
ものもしばしば使用される。これらも図1−1同様に芯
金部(帯電部材支持体)101−aとファーブラシ部
(帯電ブラシ層)101−bからなる。またこれらの帯
電部材は固定されたり、感光体に対してある相対速度を
持って移動、回転、振動する等の場合もある。
【0020】次に被帯電体である感光体について説明す
る。電子写真感光体の光導電材料として、近年種々の有
機光導電材料の開発が進み、特に電荷発生層と電荷輸送
層を積層した機能分離型感光体は既に実用化され複写機
やレーザービームプリンターに搭載されている。
【0021】しかしながら、これらの感光体は一般的に
耐久性が低いことが1つの大きな欠点であるとされてき
た。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼ
け等の電子写真物性面の耐久性及び摺擦による感光体表
面の摩耗や引っかき傷等の機械的耐久性に大別され、い
ずれも感光体の寿命を決定する大きな要因となってい
る。
【0022】このうち特に画像ぼけに関しては、コロナ
帯電器から発生するオゾン、NOx等の活性物質により
感光体表面層に含有される電荷輸送物質が劣化すること
が原因であることが知られている。
【0023】また機械的耐久性に関しては、感光層に対
して紙、ブレード/ローラー等のクリーニング部材、ト
ナー等が物理的に接触して摺擦することが原因であるこ
とが知られている。
【0024】電子写真物性面の耐久性を向上させるため
には、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにく
い電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の
高い電荷輸送物質を選択することが知られている。ま
た、機械的耐久性を上げるためには、紙やクリーニング
部材による摺擦に絶えるために、表面の潤滑性を上げ摩
擦を小さくすること、トナーのフィルミング融着等を防
止するために表面の離形性をよくすることが重要であ
り、フツ素系樹脂粉体、フッ化黒鉛、ポリオレフィン系
樹脂粉体等の滑材を表面層に配合することが知られてい
る。しかしながら、摩耗が著しく小さくなるとオゾン、
NOx等の活性物質により生成した吸湿性物質が感光体
表面に堆積し、その結果として表面抵抗が下がり、表面
電荷が横方向に移動し、いわゆる画像流れを生ずるとい
う問題があった。
【0025】有機光導電材料にかわる光電材料としてア
モルファスシリコン系(a−Si)材料を用いたものも
知られている。この材料は、高感度でSN比〔光電流
(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波の
スペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有するこ
と、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使
用時において人体に対して無害であること等の特性にお
いて非常に優れている。特に、事務機としてオフィスで
使用される画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置
用感光体の場合には、大量に、且つ長期にわたり複写さ
れることを考えると、画質、画像濃度の長期安定性も重
要な点である。このような光導電材料として例えば、水
素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と
表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号
公報には画像形成装置用感光体としての応用が記載され
ている。
【0026】このような画像形成装置用感光体は、一般
的には、導電性支持体を50〜400℃に加熱し、該支
持体上に真空蒸着法、スバッタリング法、イオンプレー
ティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD
法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成す
る。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを
直流または高周波あるいはマイクロ放電またはグロー放
電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成す
る方法が好適なものとして実用に付されている。
【0027】また、特開昭54−83746号公報にお
いては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素とし
て含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)
光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されてい
る。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1
〜40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、画
像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光
学的特性を得ることができるとされている。
【0028】また、特開昭57−115556号公報に
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電性特性及び耐湿性等の使用環境特性、さら
には経時的安定性について改善を図るため、シリコン原
子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層
上に、シリコン原子及び炭素原子及び非光導電性のアモ
ルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が記
載されている。
【0029】さらに、特開昭60−67951号公報に
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素及びフッ素を含
有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光
体についての技術が記載され、特開昭62−16816
1号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子
と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非
晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0030】またさらに、特開昭57−158650号
公報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収ス
ペクトルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピー
クの吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを
光導電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成
装置用感光体が得られることが記載されている。
【0031】一方、特開昭60−95551号公報に
は、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のため
に、感光体表面近傍の温度を30〜40℃に維持して帯
電、露光、現像および転写といった画像形成工程を行う
ことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗
の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術
が開示されている。
【0032】これらの技術により、画像形成装置用感光
体の電気的、光学的、光導電性特性及び使用環境特性が
向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】上記の帯電手段として
ファーブラシを用いた画像形成装置の問題点として、以
下の点が挙げられる。
【0034】第1にファーの摩耗耐久性が問題になる。
具体的には、摩耗によるファー長さの変化に伴うニップ
減少、さらにそれに伴う見かけの帯電効率低下が挙げら
れる。
【0035】第2に、抵抗値制御の困難性が挙げられ
る。特にファーが高分子材料からなる場合、抵抗値の固
体間差やLot間差が大きくなり、その結果帯電部材の
抵抗振れ幅が大きくなる。
【0036】第3に、耐燃焼性についての配慮が必要で
ある。前露光を有する電子写真装置、特にアモルファス
シリコン系感光体を使用した電子写真装置においては、
帯電部材で印加後の時間に応じて表面電位が減衰するい
わゆる暗減衰があり、この暗減衰分を補完する電庄を印
加する必要がある。結果としての大電流を流す必要もあ
り、ファーは難燃性の高い材質で構成されることが好ま
しい。従来のファーでは、高分子材料から構成されてい
る場合が多く、過電流で容易に燃焼したり、熱により変
形することにより、接触不良をおこし、局所的に帯電不
良が生じたりする場合があった。
【0037】第4に、動作環境依存性についての配慮が
必要となる。特にファーが高分子材料からなる場合、吸
水性があり電気特性の湿度依存性が高い。例えば、レー
ヨン等の高分子材料にカーボンを分散させた繊維では抵
抗率[Ωcm]は10℃/15%と30℃/80%で10
2倍程度変化する。
【0038】第5に、ファーの折れ、抜けの問題であ
る。これに起因しリークが発生し、画像欠陥、ひいては
本体の故障等につながる。これは、ファーの材質とし
て、SUS、Al、カーボン等の金属を用いた場合で
も、問題は解消されない。以上のように大きく5つの問
題があった。
【0039】ファーの耐久性を向上させるために、例え
ば高分子材料に混入するカーボン量を調整するといった
方法もあるが、前述のようにカーボンの分散量で電気的
特性を制御しているため、帯電効率等の他の特性低下を
免れない。繊維太さを太くする方法もあるが、繊維間の
感光体との非接触な部分が帯電不良になって生じる画像
上のスジ、いわゆる「掃きむら」の原因となり、画質の
面から好ましくない。カーボン、SUS、Al等の通常
の金属繊維を使用した場合、抵抗値の制御が難しく、こ
れをクリアしたとしても、高分子材料を母体としたブラ
シと同様に、動作中のブラシの抜け、折れが生じること
は前述の通りである。
【0040】帯電部材のファーの摩耗耐久性は感光体と
の摩耗耐久性との兼ね合いになるので、表面が比較的柔
らかいOPC等の感光体に使用する場合は該感光体表面
よりも若干耐久性の低い状態で使用して、感光体寿命を
縮めないようにする場合もあるが、帯電器のファーの摩
耗、折れ等により画質が低下し、メンテナンスないし帯
電部材の交換をせざるをえなくなってしまう。こうした
ことはサービスコストの増加をまねき、メンテナンスフ
リー化を阻害する問題であり、特にアモルファスシリコ
ン感光体のように表面硬度が高く、高速で使用され、極
めて長い寿命を有する感光体を用いた画像形成装置にお
いては、その影響は大きい。
【0041】さらに、画像上の縦スジがある。この原因
の1つにはファーの繊維間での非接触部が帯電不良とな
り、掃きむらとして画像に現われることが挙げられる。
このような掃きむらを回避するために帯電部材のファー
の植毛密度を高くする、或いは特開昭57−06475
3号公報、実開昭62−063755号公報等に開示が
あるように帯電部材を振動あるいは回転させてニップ内
での感光体への接触機会を増加させるといった手法が採
用される。
【0042】植毛密度を増加しようとすれば、いわゆる
掃きむら等の画質特性は向上するが、繊維が細くならざ
るを得ず、折れ易くまた抜け易くなる等耐久性が低下し
たりまた難燃性が低下する。植毛密度を低下させればそ
の逆の傾向が生ずる。
【0043】また、感光体などの他の部材との摩擦によ
るファーヘのストレスのため、ファーが抜けたり折れた
りする。ファーを回転或いは振動させる方法を取る場
合、特に対向面で反対方向に進行するような回転方向の
場合は、帯電部材と感光体表面の摩擦によるストレスが
さらに増加するためファーの折れ、抜けがひどくなる。
以上のような課題に鑑み、本発明は抜けや折れのない長
寿命の帯電部材とこの帯電部材を用いて、長期にわたり
良好な画質を保持しうる画像形成装置を提供することを
目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像形成装置
において、像担持体である被帯電体に接触し、この被帯
電体を帯電させるファーブラシ状の帯電部材であって、
前記帯電部材のファーが非晶質な部分を有する導電性繊
維からなることを特徴とする帯電部材に関する。さらに
本発明は、画像形成装置において、像担持体である被帯
電体に接触し、この被帯電体を帯電させるファーブラシ
状の帯電部材であって、前記帯電部材のファーが導電性
繊維であり、かつこの導電性繊維の表面が非晶質物質に
より被膜されていることを特徴とする帯電部材に関す
る。
【0045】さらに本発明は、画像形成装置において、
像担持体である被帯電体に接触し、この被帯電体を帯電
させるファーブラシ状の帯電部材であって、前記帯電部
材のファーが非晶質物質からなる導電性繊維であること
を特徴とする帯電部材に関する。
【0046】さらに本発明は、画像形成装置において、
像担持体である被帯電体に接触し、この被帯電体を帯電
させるファーブラシ状の帯電部材であって、前記帯電部
材のファーが非晶質物質からなる導電性繊維であり、か
つこの導電性繊維の表面が前記非晶質物質と同一成分ま
たは異種成分からなる非晶質物質により被膜されている
ことを特徴とする帯電部材に関する。
【0047】さらに本発明は、像担持体である被帯電体
と、この被帯電体を帯電させるファーブラシ状の帯電部
材であって、前記帯電部材のファーが、非晶質な部分を
有する導電性繊維からなる帯電部材とを有する画像形成
装置に関する。
【0048】本発明の特徴は、ファーの材質に非晶質物
質を導入したことにある。非晶質の導入の仕方には、上
記のようにファーの一部に部分的に導入するか、あるい
は、ファーの全部を非晶質のものにする等のやり方があ
る。非晶質は、その構造上長距離秩序がなく、均質性に
優れるため、機械的な強度が非常に強いといった利点が
あり、本発明はこの利点を利用したものである。
【0049】すなわち本発明の構成をとることにより、
ファーの折れや抜けが減少し、その結果、折れたり抜け
たりしたファーが感光体表面等を介して他の部品等に混
入することによるリーク等の故障、ファー脱落による帯
電不良、画像欠陥といった画質低下が抑えられる。さら
には、耐削れ性が高いため、繊維径を細くすることが可
能となり、繊維密度を高めたり、ファーのしなり性が向
上するため、感光体へのダメージが低減する等の利点も
挙げられる。
【0050】もちろん、コロナ帯電のようにオゾン生成
物が発生しないため、いわゆる「高湿流れ」対策が不要
になり、ドラムヒーター等の除去に伴い、夜間通電や消
費電力が低減されエコロジーの点からもで好ましい。
【0051】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図を用いて説明を行う。図2は本発明にかかる複写機の
画像形成装置についての概略図である。矢印X方向に回
転する、導電性基板123上に成膜された感光体102
の周辺には、本発明にかかる非晶質な部分を有するファ
ーからなる帯電部材(接触帯電部材)101、画像信号
付与手段であるところの静電潜像形成部位103、現像
器104、転写紙供給系105、転写帯電器106
(a)、分離帯電器106(b)、クリーナ107、搬
送系108、除電光源109等が配設されている。
【0052】以下、さらに具体的に画像形成プロセスを
説明すると、感光体102は、電圧印加手段(不図示)
から適宜な電庄を印加した接触帯電部材101により一
様に帯電され、ランプ110から発した光が原稿台ガラ
ス111上に置かれた原稿112に反射し、ミラー11
3、114、115を経由しレンズユニット117のレ
ンズ118によって結像され、ミラー116を経由し、
導かれ投影された静電潜像が形成される。この潜像に現
像器104からネガ極性トナーが供給されてトナー像と
なる。
【0053】一方、転写紙供給系105を通って、レジ
ストローラ122によって先端タイミングを調整され、
感光体方向に供給される転写材Pは+1〜5kVの電圧
を印加した転写帯電器106(a)と感光体102の間
にあってその背面から、トナーとは反対極性の正電界を
与えられる。その結果感光体表面のネガ極性トナー像が
転写材Pに転移し顕画像化する。次いで1.2〜1.4
kVpp、300〜600Hzの高圧AC電庄を印加し
た分離帯電器106(b)により、転写材Pは転写紙搬
送系108を通って定着装置124に至り、トナー像は
定着されて装置外に排出される。感光体102上に残留
するトナーはクリーナユニット107のクリーニングプ
レード121によってかき落とされ、残留する静電潜像
は除電光源109によって消去される。
【0054】図1に帯電部材の概略図を示す。本図では
帯電部材101は適宜な抵抗を有する繊維状の導電性接
触糸からなるブラシ層、いわゆる導電性ファー101−
b、及びローラー状の導電性芯材101−a(以下、単
にローラーと称する)からなる接触帯電部材である。
【0055】ファーの材質については、1)ファーが非
晶質な部分を有する導電性繊維である場合または導電性
繊維の一部が非晶質物質で被覆されている場合2)ファ
ーが非晶質物質からなる導電性繊維である場合、3)フ
ァーが非晶質物質からなる導電性繊維であり、かつこの
導電性繊維の表面が非晶質物質で被覆されている場合と
がある。ここで、1)の場合は、例えば、導電性繊維そ
のものについては、従来より用いられているレーヨンや
アクリル、PET、ナイロン等の高分子化合物に、カー
ボン等の導電性制御成分を分散又は混入したものや、カ
ーボン、SUS、Al等の金属繊維を用いることができ
る。それらの一部に非晶質な部分を有すれば本発明の範
囲に属し、例えば、先に挙げた高分子化合物のフィラー
に非晶質物質を用いる場合、導電性繊維の表面を非晶質
物質で被覆する等が挙げられる。2)の場合は、ファー
を構成する繊維そのものとして、非晶質物質からなる導
電性繊維を用いた場合であり、非晶質物質の良好なしな
り性、良好な耐摩耗性を利用したものである。3)は、
2)の導電性繊維をファーの主要部を構成する繊維とし
て用いて、さらにその表面を非晶質物質で補強した場合
である。この際にファーを被覆する表面素材と、ファー
繊維の材質が同種の成分で構成されるかまたは異種の成
分から構成されるかを問わない。このような構成にする
ことにより、ファー繊維として最も最適な物性を有する
非晶質物質を選択するとともに、ファーの表面素材とし
て、被帯電体の表面素材との関係でもっとも最適な非晶
質物質を選択できるという利点がある。被帯電体の表面
にアモルファスシリコン系の材質が用いられている場合
は、繊維を被覆する材質として同種のアモルファスシリ
コン系の非晶質物質を用いることにより格段に寿命をの
ばすことができる。
【0056】本発明で用いられる非晶質物質としては、
以下に限定するものではないが、Co-Fe-Cr-Si-B、Fe-P-
C、Fe-P-C-Al、Fe-P-C-Al-Si、Fe-P-Si-Al、Fe-Cr-P-
C、Fe-Mo-P-C、Fe-W-P-C、Fe-P-B-Al、Fe-B、Fe-Si-B、
Fe-Mo-B、Fe-Cr-B、Fe-Mo-Si-B、Fe-Nb-Si-B、Fe-Cr-Si
-B、Fe-Co-P-B-Al、Fe-Ni-P-B等の非晶質金属、a-Si:
H、a-Si:X(Xはハロゲン)、a-SiC、a-SiN、a-SiGe、a-
SiSn、a-C:H、a-C:H:F等の非晶質物質を好適に用いるこ
とができる。
【0057】本発明にかかる帯電部材のファーは、非晶
質材料から成る導電性繊維を用いている。該繊維は導電
性基布等の基材に植毛した上で前記のローラーに投直す
る。前記ローラーに直接静電植毛する等の方法によりブ
ラシを形成しても良い。
【0058】該帯電部材の太さ、パイル長、抵抗値、植
毛密度等の各特性はその使用するプロセススピード、印
加電圧、被帯電体の帯電率や表面性等の多くの条件に応
じて適宜選択されるものである。又、ファーとして繊維
径やパイル長、抵抗等は均一なものを用いても良いし、
異なる物を混合して使用しても良い。
【0059】感光体102と帯電部材101の間隙は、
感光体の回転方向における該ファーブラシ層の接触幅
(以下ニップ幅と称する)を安定に制御するため、不図
示のコロやスペーサ等の距離を規制する機構を用いて、
適当な距離に設定されるようにする。その他にニップ調
整用の機構を設けても良い。また、該ローラ状帯電部材
101は感光体102の回転方向Xに対して適宜な相対
速度で回転、移動、あるいは振動する機構を具備するこ
とは好ましい形態であるが、固定されていてもよい。前
述ように、帯電部材を振動、回転させる機構を設けるこ
とにより、さらに帯電むらが無くなり、高画質になる
が、一方で帯電部材と感光体表面の摩擦によるストレス
がさらに増加するためファーの折れ、抜けひどくなる。
しかし、本発明の帯電部材を用いることにより、ファー
の折れ、抜けの程度は格段に改善されるため、そのよう
な機構を設けた場合でも、長寿命を維持できるのであ
る。
【0060】帯電部材101のファーは一般に、直径数
μm程度以上100μm程度以下のものを用いる。
【0061】また、その植毛密度は数千本/cm2ない
しは数10万本/cm2で適宜選択することができる。
ここで植毛密度を増加しようとすれば、いわゆる掃きむ
ら等の画質特性は向上するが、繊維が細く成らざるを得
ず、耐久性、難燃性が低下し、植毛密度を低下させれば
その逆の現象が発生する。
【0062】また、図9に示すように、該ファーブラシ
層の抵抗は、帯電効率を良好に保持し、一方でリークポ
チや、感光体表面の微小欠陥から、帯電部材長軸方向で
電位が低下してしまうことを防止するために1×103
〜1×1012Ωcmの範囲の抵抗を有することが好まし
く、より好ましくは1×104〜1×109Ωcmの範
囲、画質から判断して、最適には5×104〜1×108
Ωcmの範囲の抵抗を有することが好ましい。
【0063】これまで特にローラー状帯電部材について
述べたが、固定型のデッキブラシ状等、他の形態の部材
を用いても良い。
【0064】前記ファーブラシ層の抵抗値の測定は、規
定の速度で回転させている円筒状金属と帯電部材を規定
の食い込み量になるまで接近させてHIOKI社(メー
カー)製のMΩテスターで50〜1000Vの印加電庄
における測定にて行なった。その際、食い込み量の接触
面積を測定しその値を考慮した。
【0065】また、難燃性についても、非晶質物質その
ものは燃焼性がないため、ファーが非晶質な部分を有す
ることにより、難燃性が向上する。
【0066】また、発明者らは、感光体についても鋭意
検討をすすめ、温度依存性が小さく、かつ表面耐久性に
優れた感光体を用いることにより、長期にわたり極めて
好適な画像安定化が達成されることを見いだし、帯電部
材の発明に合わせて、OPC感光体、及びアモルファス
シリコン系感光体についても改良を行った。
【0067】まず本発明の画像形成装置で用いる感光体
の一実施形態であるOPC感光体について以下に述べ
る。図11(e)は、この感光体の層構成を説明するた
めの模式的構成図である。
【0068】OPC感光体1100は、感光体用として
の支持体1101の上に、感光層1102が設けられて
いる。該感光層1102は電荷発生層1106、電荷輸
送層1107からなる光導電層1103及び表面層11
08からなる。また必要に応じて、表面層1108と電
荷発生層1106の間、支持体1101と電荷発生層1
106の間に中間層を設けることができる。表面層、光
導電層、必要に応じて設けられる中間層において、特に
その表面層は、前述接触帯電部材からの電荷注入を効率
的に受容し、該電荷を有効に保持することが必要であ
る。本発明者らは、特に表面層の組成を鋭意検討を行
い、高融点ポリエステル樹脂と硬化樹脂の混成材等の高
抵抗樹脂中にSnO2など金属酸化物等の電荷保持粒子
を分散させた材料がこうした条件を満足することを見出
した。
【0069】以下感光体の表面層で好適に用いることが
できる樹脂組成について説明する。ポリエステルとは酸
成分とアルコール成分との結合ポリマーであり、ジカル
ボン酸とグリコールとの縮合あるいはヒドロキシ安息香
酸のヒドロキシ基とカルボキシル基とを有する化合物の
縮合によって得られる重合体である。
【0070】酸成分としてテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
コハク酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン
酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸
等を用いることができる。
【0071】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメ
チロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等を使用することができる。
【0072】尚、前記ポリエステル樹脂が実質的に線状
である範囲でペンタエリスリトール、ロリメチロールプ
ロパン、ピロメリット酸及びこれらのエステル形成誘導
体等の多官能化合物を共重合させても良い。
【0073】本発明に用いるポリエステル樹脂として
は、高融点ポリエステル樹脂を用いる。
【0074】高融点ポリエステル樹脂としては、オルソ
クロロフェノール中36℃で測定した極限粘度が0.4
dl/g以上、好ましくは0.5dl/g以上、さらに
好ましくは0.65dl/g以上のものが用いられる。
【0075】好ましい高融点ポリエステル樹脂として
は、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂が挙げられ
る。ポリアルキレンテレフタレート系樹脂は酸成分とし
て、テレフタール酸、グリコール成分として、アルキレ
ングリコールから主としてなるものである。
【0076】その具体例としては、テレフタル酸成分と
エチレングリコール成分とから主としてなるポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、テレフータル酸成分と
1,4−テトラメチレングリコール(1,4−プチレン
グリコール)成分とから主としてなるポリブチレンテレ
フタレート(PBT)、テレフタル酸成分とシクロヘキ
サンジメチロール成分とから主としてなるポリシクロヘ
キシルジメチレンテレフタレート(PCT)等をあげる
ことができる。他の好ましい高分子量ポリエステル樹脂
としては、ポリアルキレンナフタレート系樹脂を例示で
きる。ポリアルキレンナフタレート系樹脂は酸成分とし
てナフタレンジカルボン酸成分とグリコール成分として
アルキレングリコール成分とから主としてなるものであ
って、その具体例としては、ナフタレンジカルボン酸成
分とエチレングリコール成分とから主としてなるポリエ
チレンナフタレート(PEN)等を挙げることができ
る。
【0077】高融点ポリエステル樹脂としては、その融
点が好ましくは160℃以上、特に好ましくは200℃
以上のものである。
【0078】ポリエステル樹脂の他に、アクリル樹脂を
使用することもできる。又、バインダとしては2官能ア
クリル、6官能アクリル、ホスファゼン等が使用され
る。
【0079】これらの樹脂は、比較的結晶性が高く、硬
化樹脂ポリマー鎖と高融点ポリマー鎖との相互の絡み合
いが均一かつ密になって、高耐久性の表面層を形成でき
るものと考えられる。低融点ポリエステル樹脂等の場合
には、結晶性が低いので、硬化樹脂ポリマー鎖との絡み
合いの程度が大きいところと小さいところが生じ、耐久
性が劣るものと考えられる。
【0080】表面層には、SnO2等の電荷保持材を分
散させた物を用いた。使用条件等により適宜選択された
分散量を用い、抵抗値、帯電効率を制御することが好ま
しい。
【0081】次に発明の画像形成装置で用いる感光体の
一実施形態であるアモルファスシリコン系感光体(以下
「a−Si感光体」と称する)について以下に述べる。
【0082】本発明にかかるa−Si系感光体として
は、周知の構成である導電性支持体と、シリコン原子を
母体とする非単結晶材料から成る感光体を用いることも
できるが、さらに特性を向上させた感光体を好適に用い
ることができる。
【0083】本発明の、特性を向上させたa−Si系感
光体は、光導電層は10〜30原子%の水素を含み、光
吸収スペクトルの指数関数裾(アーバックティル)の特
性エネルギーが50〜60meVであって、かつ局在状
態密度が1×1014〜1×1016cm3であることを特
徴としている。
【0084】上記したような構成をとるように設計され
た画像形成装置用感光体は、帯電能の温度依存性を初
め、極めて優れた電気的、光学的、光導電性特性、画像
品質、耐久性及び使用環境特性を示す。
【0085】以下、図面に従って本発明の光導電部材に
ついて詳細に説明する。図11は、本発明の画像形成装
置用感光体の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。また、先に示した画像形成装置概略図である図2に
ついても適宜参照する。
【0086】図11(a)に示す画像形成装置用感光体
1100は、感光体用としての支持体1101の上に、
感光層1102が設けられている。該感光層1102は
a−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層1
103で構成されている。
【0087】図11(b)は、本発明の画像形成装置で
用いる感光体の他の層構成を説明するための模式的構成
図である。図11(b)に示す画像形成装置用感光体1
100は、感光体用としての支持体1101の上に、感
光層1102が設けられている。がい感光層1102は
a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1
103と、アモルファスシリコン系表面層1104とか
ら構成されている。
【0088】図11(c)は、本発明の画像形成装置で
用いる感光体の他の層構成を説明するための模式的構成
図である。図11(c)に示す画像形成装置用感光体1
100は、感光体用としての支持体1101の上に、感
光層1102が設けられている。この感光層1102は
a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層1
103と、アモルファスシリコン系表面層1104と、
アモルファスシリコン系電荷注入阻止層1105とから
構成されている。
【0089】図11(d)は、本発明の画像形成装置で
用いる感光体のさらに他の層構成を説明するための模式
的構成図である。図11(d)に示す画像形成装置用感
光体1100は、感光体用としての支持体1101の上
に、感光層1102が設けられている。該感光層110
2は光導電層1103を構成するa−Si:H,Xから
なる電荷発生層1106ならびに電荷輸送層1107
と、アモルファスシリコン系表面層1104とから構成
されている。
【0090】支持体としては、導電性でも電気絶縁性で
あってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、M
o、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、
Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス
等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の
合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック
等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側
の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
【0091】また、支持体1101の形状としては、平
滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状無端ベルト
状等を挙げることができ、その厚さは、所望通りの画像
形成装置用感光体1100を形成し得るように適宜決定
できるが、支持体1101は製造上および取り扱い上、
機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。特
にレーザー光などの可干渉性光を用いて像記録を行う場
合には、可視画像において現われる、干渉縞模様による
画像不良をより効果的に解消するために、帯電キャリア
の減少が実質的にない範囲で支持体1101の表面に凹
凸を設けてもよい。支持体1101の表面に設けられる
凹凸は、特開昭60−168156号公報、同60−1
78457号公報、同60−225554号公報、同6
1−231561号公報等に記載された公知の方法によ
り作成される。
【0092】又、レーザー光等の可干渉光を用いた場合
の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するさ
らに別の方法として、感光層1102内、或いはこの感
光層1102の下側に光吸収層等の干渉防止層または干
渉防止領域を設けても良い。光導電層1103は、支持
体1101上、必要に応じて下引き層(不図示)上に形
成し、感光層を構成するが、真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件を設定し作製する。具体的には、例えばグロー
放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイク
ロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電
CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数々
の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの
薄膜堆積法は、製造条件、投備資本投資下の負荷程度、
製造規模、画像形成装置用感光体に所望される特性等に
応じて適宜に選択されるが、所望の特性を有する画像形
成装置用感光体を製造するに当たっての条件の制御が比
較的容易であることからグロー放電法、特にRF帯、μ
W帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー
放電法が好適である。
【0093】グロー放電法によって光導電層1103を
形成するには、基本的には周知のごとくシリコン原子
(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原
子(H)を供給し得る水素供給用の原料ガスまたは/及
びハロゲン原子(X)を供給し得るハロゲン供給用の原
料ガスを、減庄可能な反応容器内に所望のガス状態で導
入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらか
じめ所定の位置に設置されてある所定の支持体1101
上にa−Si:H,Xからなる層を形成する。
【0094】水素原子、ハロゲン原子は、シリコン原子
の未結合手を補償し、層品質の向上、光導電性の向上、
電荷保持性の向上を目的としたもので、導入量(水素原
子とハロゲン原子の導入量の総和)は、シリコン原子、
水素原子及びハロゲン原子の導入量の総和に対して、1
0〜30原子%、より好ましくは15〜25原子%に制
御する水素原子の導入割合の制御を容易に行い、本発明
の目的とする膜特性を得るために、これらのガスにさら
にH2および/またはHeあるいは水素原子を含む珪素
化合物のガスも所望量混合して層形成することができ
る。各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合しても差し支えないものである。
【0095】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲ
ンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合
物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のま
たはガス化し得るハロゲン化合物が好ましい例として挙
げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子
とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロ
ゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙
げることができる。本発明において好適に使用し得るハ
ロゲン化合物としては、具体的にはフッ素ガス
(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、Br
5、IF3、IF等のハロゲン間化合物を挙げることが
できる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロ
ゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的に
は、たとえばSiF4、Si26等のフッ化珪素が好ま
しいものとして挙げることができる。
【0096】光導電層1103中に含有される水素原子
または/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば
支持体1101の温度、水素原子または/及びハロゲン
原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器
内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0097】本発明においては、光導電層1103には
必要に応じて導電性を制御する原子を含有させることが
好ましい。導電性を制御する原子は、光導電層1103
中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。
【0098】前記導電性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
P型導電特性を与える周期律表IIIb族に属する原子
(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型導電
特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以後「第V
b族原子」と略記する)を用いることができる。
【0099】第IIIb族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第b族原子としては、具
体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0100】光導電層1103に含有される導電性を制
御する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2
1×10-4原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5
×103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103
子ppmとなる。
【0101】導電性を制御する原子、たとえば、第III
b族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するに
は、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あ
るいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応
容器中に、光導電層1103を形成するための他のガス
とともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用の
原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり
得るものとしては、常温常庄でガス状のまたは、少なく
とも層形成条件下で容易にガス化し得るものが好まし
い。
【0102】そのような第IIIb族原子導入用の原料物
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B
26、B410、B59、B511、B610、B612
614等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等の
ハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3
GaCl3、Ga(CH33、InCl3、TICl3
も挙げることができる。
【0103】第Vb族原子導入用の原料物質として例え
ば、燐原子を導入する場合、PH3、P24等の水素化
燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、PCl5、PB
3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。
この他、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、A
sF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、Sb
CI5、BiH3、BiCl3、BiBr3等も第Vb族原
子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることがで
きる。
【0104】また、これらの導電性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2および/またはHeに
より希釈して使用してもよい。
【0105】さらに、光導電層1103に、炭素原子、
酸素原子及び窒素原子を単独または複数組み合わせて含
有させることも有効である。このときの炭素原子、酸素
原子及び窒素原子の含有量の総和はシリコン原子、炭素
原子、酸素原子及び窒素原子の総和に対して好ましくは
1×10-5〜10原子%、より好ましくは1×10-4
8原子%、最適には1×10-3〜5原子%の割合が好ま
しい。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素
原子は、光導電層中に万遍なく均一に含有されても良い
し、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不均
一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0106】光導電層1103の層厚は所望の電子写真
特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望
にしたがって決定され、好ましくは20〜50μm、よ
り好ましくは23〜45μm、最適には25〜40μm
に設定する。
【0107】さらに、支持体1101の温度は、層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合
は、好ましくは200〜350℃、より好ましくは23
0〜330℃、最適には250〜310℃の温度範囲が
選択される。
【0108】光導電層を形成するための支持体温度、ガ
ス庄等の条件は通常は独立的に別々に決められるもので
はなく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的
且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好まし
い。
【0109】光導電層1103の上に、さらにアモルフ
ァスシリコン系の表面層1104を形成することは好ま
しい実施形態である。この表面層1104は自由表面1
109を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電
気的耐庄性、使用環境特性、耐久性向上を目的とする。
【0110】表面層1104の材質としては、アモルフ
ァスシリコン系の材料であればよく例えば、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、さら
に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a
−SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び
/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに酸素原子
を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCO
N:H,X」と表記する)、水素庶子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、さらに窒素原子を含有
するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,
X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、さらに炭素原子、酸素原子、窒
素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコ
ン(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の
材料が好適に用いられる。
【0111】該表面層1104は、例えばグロー放電法
(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ彼C
VD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD
法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレー
ティング法、光CVD法、熱CVD法など周知の薄膜堆
積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積
法は、製造条件、投備資本投資下の負荷程度、製造規
模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性
等の要因によって適宜選択されて採用されるが、感光体
の生産性から光導電層と同等の堆積法によることが好ま
しい。
【0112】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H,Xよりなる表面層1104を形成するには、基
本的にはシリコン原子(Si)を供給し得る、Si供給
用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用
の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の
原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得る
X供給用の原料ガスを、内部を減庄にし得る反応容器内
に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放
電を生起させ、あらかじめ所定の位置に投直された光導
電層1103を形成した支持体1101上にa−Si
C:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0113】表面層をa−SiCを主成分として構成す
る場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対し
て30%から90%の範囲が好ましい。
【0114】また表面層内の水素含有量を30原子%以
上70%以下に制御することで電気的特性面及び高速連
続使用性において飛躍的な向上を図り、表面層の高い硬
度を確保できる。
【0115】また、この表面層の抵抗値は、その電荷保
持能、帯電効率等の電気的特性を良好に有し、電庄によ
り表面層が損傷する、いわゆるピンホールリークを防止
するために、1×1010〜5×1015Ωcmなる抵抗を
有することが好ましい。より好ましくは1×1012〜1
×1014Ωcmである。
【0116】該抵抗値の測定はHIOKI社(メーカ
ー)製のMΩテスターで250V〜lkVの印加電庄に
おける測定にて行なった。
【0117】この表面層中の水素含有量は、H2ガスの
流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御
し得る。表面層1104中に含有される水素原子または
/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体
1101の温度、水素原子または/及びハロゲン原子を
含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導
入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0118】炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有されても
良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するような不
均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0119】さらに本発明においては、表面層1104
には必要に応じて導電性を制御する原子を含有させるこ
とが好ましい。導電性を制御する原子は、表面層110
4中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。
【0120】前記の導電性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがで
き、「第IIIb族原子」または「第Vb族原子」を用い
ることができる。
【0121】また、これらの導電性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2、He、Ar、Ne等
のガスにより希釈して使用してもよい。
【0122】本発明における表面層1104の層厚とし
ては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μ
m、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいもの
である。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用
中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μ
mを超えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下が
みられる。
【0123】本発明の目的を達成し得る特性を有する表
面層1104を形成するには、支持体1101の温度、
反応容器内のガス庄を所望にしたがって、適宜設定する
必要がある。
【0124】表面層を形成するための支持体温度、ガス
庄等の条件は通常は独立的に別々に決められるものでは
なく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且
つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望まし
い。
【0125】さらに本発明においては、光導電層と表面
層の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表
面層より減らしたブロッキング層(下部表面層)を設け
ることも帯電能等の特性をさらに向上させるためには有
効である。
【0126】また表面層1104と光導電層1103と
の間に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素
原子の含有量が光導電層1103に向かって減少するよ
うに変化する領域を設けても良い。これにより表面層と
光導電層の密着性を向上させ、界面での光の反射による
干渉の影響をより少なくすることができる。
【0127】本発明の画像形成装置で用いられる感光体
においては、導電性支持体と光導電層との間に、導電性
支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注
入阻止層を設けるのが一層効果的である。すなわち、電
荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯電処理をその自由
表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入
されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を
受けた際にはそのような機能は発揮されない、極性依存
性を有している。そのような機能を付与するために、電
荷注入阻止層には導電性を制御する原子を光導電層に比
べ比較的多く含有させる。
【0128】該層に含有される導電性を制御する原子
は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、ある
いは層厚方向には、万偏なく含有されているが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。分
布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するよ
うに含有させるのが好適である。いずれの場合にも支持
体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏
なく含有されることが面内方向における特性の均一化を
はかる点からも必要である。
【0129】電荷注入阻止層に含有される導電性を制御
する原子としては、半導体分野における、不純物を挙げ
ることができ、「第III族原子」または「第V族原子」
を用いることができる。
【0130】本発明において、電荷注入阻止層の層厚は
所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等
の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは
0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが
望ましい。
【0131】本発明においては、電荷注入阻止層を形成
するための希釈ガスの混合比、ガス庄、放電電力、支持
体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げら
れるが、これらの層作製ファクターは通常は独立的に別
々に決められるものではなく、所望の特性を有する表面
層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層
作成ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0132】また、本発明の画像形成装置用感光体にお
いては、支持体1101と光導電層1103あるいは電
荷注入阻止層1105との間の密着性の一層の向上を図
る目的で、例えば、Si34、SiO2、SiO、ある
いはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハ
ロゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/ま
たは窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層
を設けても良い。さらに、前述のごとく、支持体からの
反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層
を設けても良い。
【0133】上記の各層は、例えば図3や図4に示され
るような周知の装置および膜形成方法にて製造される。
【0134】図3は電源周波数としてRF帯を用いた高
周波プラズマCVD法(以後「RF−PCVD」と略記
する)による画像形成装置用感光体の製造装置の一例を
示す模式的な構成図である。
【0135】この装置は大別すると、堆積装置(310
0)、原料ガスの供給装置(3200)、反応容器(3
111)内を減圧にするための排気装置(不図示)から
構成されている。堆積装置(3100)中の反応容器
(3111)内には円筒状持体(3112)、支持体加
熱用ヒーター(3113)、原料ガス導入管(311
4)が設置され、さらに高周波マッチングボックス(3
115)が接続さている。原料ガス供給装置(320
0)は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B26、PH
3等の原料ガスのボンベ(3221〜3226)とバル
ブ(3231〜3236、3241〜3246、325
l〜3256)およびマスフローコントローラー(32
11〜3216)から構成され、各原料ガスのボンベは
バルブ(3260)を介して反応容器(3111)内の
ガス導入管(3114)に接続されている。
【0136】次に、電源にVHF帯の周波数を用いた高
周波プラズマCVD(以後「VHF−PCVD」と略記
する)法によって形成される画像形成装置用感光体の製
造装置は、例えば図3に示した製造装置におけるRF−
PCVD法による堆積装置(3100)を図4に示す堆
積装置(4100)に交換して原料ガス供給装置(32
00)と接続することにより、得ることができる。
【0137】この装置は大別すると、真空気密化構造を
なした減庄可能な反応容器(4111)、原料ガスの供
給装置(3200)、および反応容器内を減庄にするた
めの排気装置(不図示)から構成されている。反応容器
(4111)内には円筒状支持体(4112)、支持体
加熱用ヒーター(4113)、原料ガス導入管(411
4)、電極が設置され、電極にはさらに高周波マッチン
グボックス(4120)が接続されている。また、反応
容器(4111)内は排気管(4121)を通じて不図
示の拡散ポンプに接続されている。
【0138】原料ガス供給装置(3200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(3221〜3226)とバルブ(3231〜
3236、3241〜3246、325l〜3256)
およびマスフローコントローラー(3211〜321
6)から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(32
60)を介して反応容器(4111)内のガス導入管
(4115)に接続されている。また、円筒状支持体
(4112)によって取り囲まれた空間(4114)が
放電空間を形成している。
【0139】(実施例1)図3に示すRF−PCVD法
による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、直径1
08mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上
に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面
層からなる感光体を作製した。さらに光導電層のSiH
4とH2との混合比ならびに放電電力を変えることによっ
て、種々の感光体を作製した。
【0140】
【表1】 作製した感光体を画像形成装置(キャノン製NP606
0をテスト用に改造)にセットして、帯電能の温度依存
性(温度特性)、メモリーならびに画像欠陥を評価し
た。
【0141】温度特性は、感光体の温度を室温から約4
5℃まで変えて帯電能を測定し、このときの温度1℃当
たりの帯電能の変化を測定して、2V/deg以下を合
格と判定した。
【0142】また、メモリー、画像流れについては、画
像を目視により判定し、1:非常に良好、2:良好、
3:実用上問題なし、4:実用上やや難ありの4段階に
ランク分けした。
【0143】一方、円筒形のサンプルホルダーに設置し
たガラス基板(コーニング社 7059)ならびにSi
ウエハー上に、光導電層の作成条件で膜厚約1μmのa
−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはAlの
串型電極を蒸着し、CPMにより指数関数裾の特性エネ
ルギー(Eu)と局在準位密度(D.O.S.)を測定
し、Siウエハー上の堆積膜はFTIRにより含有水素
量を測定した。
【0144】このときのEqと温度特性との関係を図5
に、D.0.S.とメモリー、画像流れとの関係を図
6、図7示す。いずれのサンプルも水素含有量は10〜
30原子%の間であった。図5、図6ならびに図7から
明らかなように、Eu=50〜60meV、D.O.
S.=1×1014〜1×1016cm-3の範囲にすること
が良好な電子写真特性を得るために必要であることがわ
かった。
【0145】又、同様に表面層のサンプルを作成し、櫛
型電極を用いて抵抗値の測定を行なった。感光体での評
価との対比の結果、表面層の抵抗は、1×1010〜5×
10 15Ωcmなる抵抗を有することが好ましい。より好
ましくは1×1012〜1×1014Ωcmである。
【0146】続いて、接触帯電部材100を図1の1−
2に示す帯電部材とし、以下の条件で作製した。
【0147】本実施例では、Co−Fe−Cr−Si−
B系のφ10μmの非晶質繊維の表面に表1の表面層の
欄に示す条件で形成されるa−SiC薄膜を蒸着被覆し
て、抵抗値を制御した。これを、基布に300,000
本/cm2で植毛し、ブラシ層の厚さが4mmのパイル
101−bを作成した。これをSUSからなる導電性芯
材101−aに付けた。パイルの裏側は導電処理を施
し、フレームとブラシ層の導通を確保してある。
【0148】又、本実施例ではニップ幅を7ないし8m
mとした。ブラシ層が感光体に食い込む量を1〜1.5
mmとなるように帯電部材を固定した。該帯電部材を固
定した台は、長軸方向に振動するようにした。本実施例
で帯電部材を本体固定としたが、帯電部材の長軸方向の
両端で、感光体との距離を保持するアームやスペーサを
付ける等、他の方法を用いても良い。また、帯電部材は
図1に示される方向に単独或いはその組み合わせで移動
又は振動しても良いし不動でもよい。
【0149】作製した感光体、帯電部材および再捕獲ブ
ラシを図2に示したような画像形成装置にセットして、
環境対策ヒーター123はOFFにして帯電能力、画像
を評価した。結果を図9に示す。
【0150】帯電部材の抵抗値が、1×103〜1×1
12Ωcmなる抵抗を有する時、良好な帯電が得られ
た。より好ましくは、1×104〜1×109Ωcmのと
きに良好な帯電特性、および画像流れ等の環境特性が得
られた。画質から判断して、最適には5×104〜1×
108Ωcmであった。
【0151】帯電部材抵抗が1×103Ωcm未満だっ
た場合は、感光体にピンホールがあった場合、電荷がピ
ンホール部に集中し、ピンホールを含む帯電部材長軸方
向で帯電不良になる、いわゆるピンホールリークが発生
する。また、1×1012Ωcm以上だった場合は注入に
よる帯電性が低下した。
【0152】前記感光体の中から下記aからfを用い、
前記方法で作成した帯電部材のうち、抵抗がAから0の
ものを用いて、図2に示すような画像形成装置を用い、
23℃、45%RHおよび30℃、80%RHの環境で
それぞれ10万枚の耐刷試験を行い、耐久試験に伴う画
質の変化の有無を評価した。
【0153】画像の目視判断の他、耐久試験後の画質の
保持率の判断の1つとして、耐久試験に伴うブラシ層の
繊維の折れ、曲がり、抜けの割合を測定した。一定面積
中の繊維について測定した。
【0154】帯電部材100への印加電圧条件は、60
0Vdc。プロセススピードは300mm/secで行
った。なお、耐久試験に際しても上記ヒーター123は
OFFにした。
【0155】感光体の条件は、 a:Euは47meV、D.O.Sは5×1016cm-3 b:Euは50meV、D.O.Sは2×1014cm-3 c:Euは52meV、D.O.Sは9×1015cm-3 d:Euは55meV、D.O.Sは6×1014cm-3 e:Euは58meV、D.O.Sは3×1016cm-3 f:Euは64meV、D.O.Sは1×1017cm-3 また、帯電部材のブラシ層の条件は、 A:2×103Ωcm、φ10μm、植毛密度300,
000本/cm2 B:6×104Ωcm、φ10μm、植毛密度300,
000本/cm2 C:2×106Ωcm、φ10μm、植毛密度300,
000本/cm2 D:8×107Ωcm、φ10μm、植毛密度300,
000本/cm2 E:1×109Ωcm、φ10μm、植毛密度300,
000本/cm2 F:3×1010Ωcm、φ10μm、植毛密度300,
000本/cm2 G:2×1011Ωcm、φ10μm、植毛密度300,
000本/cm2 である。
【0156】Zは、導電処理した高分子材料を用いた従
来型の帯電部材である。高分子材料としては、カーボン
ブラックをフィラーとして用いたレーヨンを用いてお
り、ブラシ層の条件は、Z:2×106Ωcm、φ10
μm、植毛密度300,000本/cm2で行った。
【0157】23℃、45%RH条件下での繊維の折
れ、曲がり、抜けの割合評価結果を図10に、耐久試験
前後の画像の評価結果を表2に示す。
【0158】繊維の折れ、曲がり、抜けの割合評価の方
法は、23℃、45%RH条件下で所定枚数印刷後に帯
電部材の任意の箇所3cm2を4点、計12cm2につい
て繊維の折れ、曲がり、抜けの割合を評価したものであ
る。
【0159】図10より、本実施例の部材では、導電処
理をした高分子材料のような折れ、曲がり、抜けは見ら
れなかった。なお、画像評価は行わなかったが、SUS
製のファーについても、1×105Ωcm、φ7μm、
植毛密度400,000本/cm2の条件で、帯電部材
を作製し、繊維の折れ、曲がり、抜けの割合評価を行っ
た。
【0160】また、表2に示すように、ブラシ層繊維の
折れや曲り等が無いこと、それに伴い現像器への混入や
転写材への移動が防止され、結果良好な画質が維持され
た。また、感光体表面、帯電部材ともに傷や削れ等は見
られなかった。感光体表面層と帯電部材表面が同材料を
使用した結果、双方が研磨されにくくなった物と考え
る。
【0161】さらに、サブバンドギャップ光吸収スペク
トルから得られる指数関数裾の特性エネルギーが50〜
60meV、かつ導電帯端下の局在状態密度が1×10
14〜1×1016cm-3であることが好適条件であること
が判明した。
【0162】なお、600Vdc印加で帯電直後でTR
ek社(メーカー)製表面電位形にて測定した所、A−
Gの部材に関して、暗状態電位は耐久試験前後で差は認
められなかった。また、環境依存性も同様に安定してい
た。また、30℃,80%RHでの試験においても、同
様の結果が得られた。
【0163】
【表2】 (実施例2)実施例1と同様の繊維を用いて、図1の1
−1に示すローラー型帯電部材を作製した。ブラシ層の
抵抗率は5×107Ωcmであった。これを図2に示す
画像形成装置にセットした。図3に示す製造装置で表3
に示す作製条件で作製した感光体を使用した。この時の
光導電層のEuとD.O.Sはそれぞれ55meV、2
×1015cm-3であった。
【0164】帯電部材への印加電庄条件は、600Vd
cとした。プロセススピードは250mm/secで、
帯電部材を感光体と同方向、即ち当接面では対抗方向に
回転させた。また、ニップ幅を7〜8mmとなるように
距離調整用にコロを設け、感光体と同方向、すなわち感
光体と対向面で感光体と逆方向に進行するように、50
0rpmの回転速度で回転させて耐久試験を行なった。
実施例1と同様の評価をしたところ、繊維の折れ、抜
け、曲がりは無く、また良好な画像が長期にわたり安定
して得られた。
【0165】暗状態電位は耐久試験前後で差は認められ
なかった。また、環境依存性も同様に安定していた。
【0166】また、その回転方向を感光体と逆方向、即
ち感光体との対向面で感光体と同方向に進行する方向に
回転させても同様の結果が得られた。帯電部材は、十分
な植毛密度があれば回転しなくても良いし、逆に回転の
他実施例1に記したように移動、振動をしても良い。
【0167】
【表3】 (実施例3)周知の金属繊維、本実施例ではφ12μm
のSUS繊維の表面に非晶質炭素膜を蒸着した。ブラシ
層の抵抗は5×106Ωcmで、ブラシ層の厚さは4m
mとした。これを用いて、実施例2同様に、図1−1の
ような帯電部材を作製した。帯電部材への印加電圧条
件、プロセススピードは実施例1と同じである。また、
帯電部材は長軸方向の両端で感光体との距雑を保持する
ため、コロを付け、ニツプ幅を7ないし8mmとした。
【0168】これに、実施例2と同様の感光体を用い、
実施例1と同様の評価をしたところ、耐久試験後で実施
例1同様に良好な画像が得られた。また、耐久試験中に
おいて繊維の折れ、曲がり等が殆ど見られなかった。ま
た、暗状態電位は耐久試験前後の差は認められなかっ
た。
【0169】(実施例4)外径80mm×長さ358m
mのアルミニウムシリンダーを基体とし、これにアルコ
キシメチル化ナイロンの5%メタノール溶液を浸漬法で
塗布して、膜厚1μmの下引き層(中間層)を設けた。
【0170】次にチタニルフタロシアニン顔料を10部
(重量部、以下同様)、ポリビニルブチラール8部、及
びシクロヘキサノン50部を直径1mmのガラスビーズ
100部を用いたサンドミル装置で20時間混合分散し
た。この分散液にメチルエチルケトンを適宜70〜12
0部を加えて下引き層上に塗布し、100℃で5分間乾
燥して0.2μmの電荷発生層を形成させた。
【0171】次にこの電荷発生層の上に下記構造式のス
チリル化合物10部とビスフェノールZ型ポリカーボネ
ート10部をモノクロルベンゼン65部に溶解した。こ
の溶液をディッピング法によって基体上に塗布し、12
0℃で60分間の熱風乾燥させて、20μm厚の電荷輸
送層を形成させた。
【0172】
【化1】 次にこの電荷輸送層の上に以下の方法で膜厚1.0μm
の表面層を設けた。酸成分としてテレフタル酸を、また
グリコール成分としてエチレングリコールを用いて得ら
れた高融点ポリエチレンテレフタレート(A)[極限粘
度0.70dl/g、融点258℃(示差熱測定器を用
いて10℃/minの昇温速度で測定した。また、測定
サンプルは5mgで、測定しようとするポリエステル樹
脂を280℃で溶融後、0℃の氷水で急冷して作成し
た)、ガラス点移転温度70℃]100部とエポキシ樹
脂(B)[エポキシ当量160;芳香族エステルタイ
プ;商品名:エビコート190P(油化シェルエポキシ
社製)]30部とをフェノールとテトラクロロエタン
(1:1)混合液100mlに溶解させた。さらに上記
溶液中に電荷保持粒子として、SnO2粉を60wt%
混入した。次いで光重合開始剤としてトリフェニルスル
フォニウムヘキサフルオロアンチモネート(C)3部を
添加して樹脂組成物溶液を調製した。
【0173】光の照射条件としては、2kW高庄水銀灯
(30W/cm)を20cm離した位置から130℃で
8秒間照射して硬化させた。
【0174】帯電部材は非晶質繊維に上記表面層材料の
SnO2粉量を調整したものを被覆し、6×106Ωcm
のブラシ層を有する図1の1−2のような帯電部材とし
た。
【0175】上記帯電部材と感光体を、図2の画像形成
装置に設置し、実施例2同様に回転させた。また、帯電
部材のニップ幅は6〜7mmとなるように帯電部材端部
のコロで感光体との距離を規制した。
【0176】25℃,40%RH、308℃,80%R
Hの2条件下で、実施例2同様に10万枚の耐刷試験を
行い、高湿画像流れ、及びまだらスジ、かぶりに着目し
評価した。帯電部材への印加電圧条件は、−700Vd
c、プロセススピード200mm/secで行った。結
果を表4に示す。
【0177】試験の結果、耐久試験前後で画質は安定し
ており、帯電直後位置で測定した帯電電位は、耐久試験
前後共に−680〜−700Vで安定していた。
【0178】また、耐久試験後の感光体表面の傷や削れ
は殆どなく、画像上問題となるような傷、削れは認めら
れない。さらに、環境による抵抗値変動、帯電能力の変
化も微小であった。
【0179】
【表4】 (実施例5)実施例4で用いた表面層の代わりに、電荷
輸送層で用いたものと同じバインダーとして、アクリル
樹脂中にSnO2紛を60wt%混入し、層上に膜厚
1.0μmになるように塗布したものを感光体表面層と
し、実施例4と同様に耐久試験を行った。結果を表6に
示す。
【0180】表6より、被帯電体が、高融点ポリエステ
ル樹脂、及び硬化樹脂を含み、SnO2等の電荷保持粒
子を分散させた表面層、或いはアクリル樹脂中にSnO
2等の電荷保持部材を分散させた表面層を有することが
好適条件であることが判明した。
【0181】また、耐久試験後の感光体表面の傷や削れ
量は、実施例4の非常に良好な結果を得られた。
【0182】(実施例6)図4に示すVHF−PCVD
法による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、実施
例1と同様に直径108mmの鏡面加工を施したアルミ
ニウムシリンダー(支持体)上に表5に示す条件で電荷
注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製し
た。
【0183】さらに光導電層のSiR4とH2との混合
比、放電電力、支持体温度ならびに内庄を変えることに
より、種々の感光体を作製した。
【0184】一方、光導電層の作成条件で、円筒形のサ
ンプルホルダーに設置したガラス基板(コーニング社
7059)ならびにSiウェハー上に膜厚約1μmのa
−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはAlの
中型電極を蒸着して、CPMにより指数術数裾の特性エ
ネルギー(Eu)と局在準位密度(D.O.S.)を測
定し、Siウェハー上の堆積膜はFTIRにより含有水
素量ならびにSi−H 2結合とSi−H結合の吸収ピー
ク強度比を測定した。Eu、D.O.S.と温度特性、
メモリー、画像流れとの関係は実施例1と同様であり、
良好な電子写真特性のためにはEu=50〜60me
V、D.O.S.=1×1014〜1×10 16cm-3であ
ることが必要であることがわかった。さらに、図8に示
すSi−H 2/Si−Hとガサツキとの関係から、Si
−H2/Si−H=0.1〜0.5の範囲にすることが
必要であることがわかった。
【0185】この感光体の内、Eu、D.O.S.およ
びSi−H2/Si−Hが、各々54meV、8×10
14cm-3、0.29の感光体について、実施例2と同様
の評価を行ったところ、繊維の折れ、抜け、曲がり無
く、また良好な画像が長期にわたり安定して得られた。
【0186】
【表5】 なお、本発明の帯電部材の難燃性を評価するために、以
下の実験を行った。
【0187】実施例1の感光体cと同様の感光体を巾1
cmで周方向に支持体1101がむき出しの状態にし、
実施例2で用いた帯電部材と共に図2画像形成装置に設
置して10万枚の耐刷試験を行なった。
【0188】試験後に帯電部材を取り出したところ、ブ
ラシ層の燃損、変形は特に認められなかった。
【0189】その後、感光体を支持体1101むき出し
にしていない、実施例1のc同様の別の感光体に入れ替
えて画像出しを行なった結果、支持体をむき出しにして
いた部分と通常の状態の部分との差は無かった。
【0190】尚、帯電条件、帯電部材や感光体の回転速
度等の条件は実施例2と同様にした。
【0191】このように、支持体むき出しの部分と、通
常の状態の部分で、画像出しの結果が変わらなかったこ
とから、感光体が局所的に絶縁破壊しているような場
合、あるいはその他の理由により局所的に渦電流が流れ
やすい状況においても、燃損などによる画像欠陥を防止
できることがわかった。したがって、帯電部材の交換な
どのメンテナンスを低減ないし解消できる。
【0192】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はファーブ
ラシを用いた接触帯電部材のブラシ層を形成する繊維に
非晶質材料を導入し、さらに感光体についても併せて改
良することにより、画像安定性のよい画像装置を得るこ
とができた。具体的な効果を以下に述べる。
【0193】第1に、ブラシ層を形成する繊維に非晶質
を用いることにより、耐屈曲疲労性が優れて塑性変形せ
ず、折れや抜けや曲り、或いは摩耗が生じにくいので飛
躍的に耐久性が向上した。又、これにより抜け落ちた、
或いは折れたファーが現像されてしまうこと、現像機中
に混入し現像が妨げられる等による画質の低下が防止さ
れ、メンテナンスフリー化がさらに進んだ。
【0194】また、繊維径を小さくすることが可能なた
め、植毛密度を従来の繊維を使用するよりも増加させる
ことが出来、よりよい効果が折れていると思われる。
【0195】第2に、帯電部材の繊維表面に非晶質材料
を用いることでキズや摩耗が生じにくく耐久性に優れ、
安定した画像を長期に得られる。
【0196】第3に、帯電部材の繊維表面に感光体表面
層と同材料を用いることで帯電部材、感光体双方ともキ
ズや摩耗が生じにくく耐久性に優れ、安定した画像を長
期に得られる。
【0197】第4に、帯電部材を振動、回転させる機構
を設けることにより、さらに帯電むらが無くなり、高画
質となった。
【0198】また、繊維を細くでき植毛密度を増加でき
た結果、帯電部材の振動、回転の速度を低減できるよう
になった。このため、駆動装置等の小型化が進み装置の
小型化に有効である。
【0199】第5に、耐久性の向上した表面層に、さら
に温度特性や電気的特性を向上させた新規な感光体を組
み合わせることにより、夜間通電無し、省エネルギー、
高画質保持のまま、高湿画像流れの除去が可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電部材の構造を説明するための模式図であ
る。
【図2】本発明の画像形成装置を説明するための模式図
である。
【図3】本発明で用いる画像形成装置用感光体の光受容
層を形成するための装置の一例で、RF帯の高周波を用
いたグロー放電法による画像形成装置用感光体の製造装
置の模式的説明図である。
【図4】本発明で用いる画像形成装置用感光体の光受容
層を形成するための装置の一例で、VHF帯の高周波を
用いたグロー放電法による画像形成装置用感光体の製造
装置の模式的説明図である。
【図5】本発明で用いる画像形成装置用感光体における
光導電層のアーバックティルの特性エネルギー(Eu)
と温度特性との関係を示す図である。
【図6】本発明で用いる画像形成装置用感光体における
光導電層の局在状態密度(D.O.S.)と光メモリー
との関係を示す図である。
【図7】本発明で用いる画像形成装置用感光体における
光導電層の局在状態密度(DOS)と画像流れとの関係
を示す図である。
【図8】本発明で用いる画像形成装置用感光体における
光導電層のSi−H2結合とSi−H結合の吸収ピーク
強度比とハーフトーン濃度ムラ(ガサツキ)との関係を
示す図である。
【図9】本発明の帯電部材の抵抗値及び帯電効率の関係
を示す図である。
【図10】帯電部材の折れ、抜け、曲り率の評価結果を
示したものである。
【図11】本発明で用いる画像形成装置用感光体おける
好適な層構成を説明するための模式的層構成図である。
【符号の説明】
100 帯電部材(接触帯電部材) 101 再捕獲部材 101−a 帯電部材支持体 101−b 帯電ブラシ層 102 被帯電体 103 画像信号付与手段 104 現像スリーブ 106(a) 転写帯電器 121 クリーニングプレード 123 環境対策ヒーター P 転写材(コピー用紙等) 110 ランプ 3100、4100 堆積装置 3111、4111 反応容器 3112、4112 円筒状支持体 3113、4113 支持体加熱用ヒーター 3114 原料ガス導入管 3115、4116 マッチングボックス 3116 原料ガス配管 3117 反応容器リークバルブ 3118 メイン排気バルブ 3119 真空計 3200 原料ガス供給装置 3211〜3216 マスフローコントローラー 3221〜3226 原料ガスボンベ 3231〜3236 原料ガスボンベバルブ 3241〜3246 ガス流入バルブ 325l〜3256 ガス流出バルブ 3261〜3266 圧力調整器 4115 電極 120 支持体回転用モーター 4121 排気管 4130 放電空間 1100 感光体 1101 支持体 1102 感光層 1103 光導電層 1104 表面層(アモルファスシリコン系
表面層) 1105 電荷注入阻止層 1106 電荷発生層 1107 電荷輸送層 1108 表面層 1109 自由表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江原 俊幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 栢 孝明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC06 2H068 DA17 DA24 DA34 DA37 FC01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置において、像担持体である
    被帯電体に接触し、この被帯電体を帯電させるファーブ
    ラシ状の帯電部材であって、前記帯電部材のファーが非
    晶質な部分を有する導電性繊維からなることを特徴とす
    る帯電部材。
  2. 【請求項2】 画像形成装置において、像担持体である
    被帯電体に接触し、この被帯電体を帯電させるファーブ
    ラシ状の帯電部材であって、前記帯電部材のファーが導
    電性繊維であり、かつこの導電性繊維の表面が非晶質物
    質により被膜されていることを特徴とする帯電部材。
  3. 【請求項3】 画像形成装置において、像担持体である
    被帯電体に接触し、この被帯電体を帯電させるファーブ
    ラシ状の帯電部材であって、前記帯電部材のファーが非
    晶質物質からなる導電性繊維であることを特徴とする帯
    電部材。
  4. 【請求項4】 画像形成装置において、像担持体である
    被帯電体に接触し、この被帯電体を帯電させるファーブ
    ラシ状の帯電部材であって、前記帯電部材のファーが非
    晶質物質からなる導電性繊維であり、かつこの導電性繊
    維の表面が前記非晶質物質と同一成分または異種成分か
    らなる非晶質物質により被膜されていることを特徴とす
    る帯電部材。
  5. 【請求項5】 像担持体である被帯電体と、この被帯電
    体を帯電させるファーブラシ状の帯電部材であって、前
    記帯電部材のファーが、非晶質な部分を有する導電性繊
    維からなる帯電部材とを有する画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記帯電部材が、振動または回転できる
    機構を具備していることを特徴とする請求項5記載の画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記帯電部材と前記被帯電体との距離を
    規制する機構を具備していることを特徴とする請求項5
    または6記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記被帯電体が、導電性支持体と、アモ
    ルファスシリコンを主成分として水素原子及び/または
    ハロゲン原子を含有する非単結晶材料からなる光導電層
    と、電荷を保持する機能を有する表面層を含む光受容層
    とを有する画像形成装置用感光体であって、該光導電層
    が10〜30原子%の水素を含有し、少なくとも光の入
    射する部分において、サブバンドギャップ光吸収スペク
    トルから得られる指数関数裾の特性エネルギーが50〜
    60meVの範囲にあり、かつ局在状態密度(D.O.
    S)が1×1014〜1×1016cm-3の範囲にあり、表
    面層の電気抵抗値が1×1010〜5×1015Ωcmの範
    囲にあることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記
    載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記被帯電体の表面が、前記導電性非晶
    質物質と同一の成分により被覆されていることを特徴と
    する請求項5〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
JP10304276A 1998-10-26 1998-10-26 帯電部材とこの帯電部材を用いた画像形成装置 Pending JP2000131924A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011085828A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Canon Inc トナー及び画像形成方法
JP2016160007A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置

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