JP2004347870A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電ローラへ現像剤が付着することによる帯電不良を防止し、長期に渡って安定した帯電が行える。
【解決手段】帯電ローラ30によって感光体1へ画像形成用の帯電を行なう前と、帯電ローラ30に付着した現像剤を感光体1へ移動させる前と、で、前露光ランプ8による露光条件を可変に制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】帯電ローラ30によって感光体1へ画像形成用の帯電を行なう前と、帯電ローラ30に付着した現像剤を感光体1へ移動させる前と、で、前露光ランプ8による露光条件を可変に制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体を帯電する帯電部材と、像担持体に形成された現像剤像が受像部材へ転写された後で像担持体が帯電部材により帯電される前に、像担持体を除電する除電手段と、を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や静電記録装置等に用いられる画像形成装置において、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体上に静電潜像を形成する方法について様々な方法が知られている。
【0003】
例えば、電子写真法では、潜像担持体としての光導電性物質を利用した感光体上を所望の極性・電位に一様に帯電処理した後に、画像パターンを露光することにより電気的潜像を形成する方法が一般的である。
【0004】
従来、潜像担持体を所望の極性・電位に一様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としてはコロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されていた。
【0005】
コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、ワイヤ電極等の放電電極と放電電極を囲むシールド電極を備え、放電開口部を像担持体である感光体に対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定の電位に帯電させるものである。
【0006】
近年では、静電潜像担持体等の帯電装置として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることから接触帯電装置が多く提案され、また実用化されている。
【0007】
このような接触帯電方式の帯電装置において、像担持体に接触させる帯電部材にはローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型(帯電ブレード)など種々の形態があり、また様々な改善提案がある。
【0008】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、▲1▼放電帯電機構と▲2▼直接注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現われる。
【0009】
▲1▼放電帯電機構
接触帯電部材と像担持体との微小間隙に生じる放電現象により像担持体表面が帯電する機構である。放電帯電機構は接触帯電部材と像担持体に一定の放電閾値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。
また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど活性イオンによる弊害は避けられない。
【0010】
▲2▼直接注入帯電機構
接触帯電部材から像担持体に直接に電荷が注入されることで像担持体表面が帯電する系である。直接帯電、注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される。より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が像担持体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで像担持体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、像担持体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この帯電系はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じない。しかし、直接注入帯電であるため、接触帯電部材の像担持体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこでより高い頻度で像担持体に接触する構成をとるため、接触帯電部材はより密な接触点を持つ、像担持体との速度差を多く持つ等の構成が必要となる。
【0011】
(ローラ帯電)
接触帯電装置は、接触帯電部材として導電性ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0012】
従来のローラ帯電における帯電機構は前述▲1▼の放電帯電機構が支配的である。
【0013】
帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム材或いは発泡体を用いて作成される。さらにこれらを積層して所望の特性を得たものもある。
【0014】
帯電ローラは像担持体との一定の接触状態を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、像担持体に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従って、直接注入帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や接触性の不足やローラ形状による接触ムラや感光体の付着物による帯電ムラは避けられない。
【0015】
図4は電子写真法における接触帯電の帯電効率例を表わしたグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバイアス、縦軸にはその時得られた像担持体帯電電位を表わすものである。ローラ帯電の場合の帯電特性はAで表わされる。即ち凡そ−500Vの放電閾値を過ぎてから帯電が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は−1000Vの直流電圧を印加するか、あるいは、−500V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差を常に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加して像担持体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的である。
【0016】
より具体的に説明すると、像担持体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合には、ある一定以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して線形に像担持体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0017】
つまり、電子写真に必要とされる像担持体表面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vthという必要とされる以上の直流電圧が必要となる。このようにして直流電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行なう方法を「直流帯電方式」と称する。
【0018】
しかし、直流帯電においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、像担持体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動するため、像担持体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0019】
このため、更なる帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望のVdに相当する直流電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つ交流成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する「交流帯電方式」が用いられる。これは、交流による電位のならし効果を目的としたものであり、像担持体の電位は交流電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0020】
ところが、このような接触帯電装置においても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から像担持体への放電現象を用いているため、先に述べたように接触帯電部材に印加する電圧は像担持体表面電位以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0021】
また、帯電均一化のために交流帯電を行なった場合にはさらなるオゾンの発生、交流電圧の電界による接触帯電部材と像担持体の振動騒音(交流帯電音)の発生、また、放電による像担持体表面の劣化等が顕著になり、新たな問題点となっていた。
【0022】
帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行なうために、接触帯電部材に像担持体面との接触面に粉末を塗布する構成も特公平7−99442号公報(特許文献1)に開示されている。しかしながら、接触帯電部材(帯電ローラ)が像担持体(感光体)に従動回転(速度差駆動無し)であり、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理は前述のローラ帯電の場合と同様に依然として放電帯電機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性を得るためには直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するので、放電によるオゾン生成物の発生はより多くなってしまう。よって、長期に装置を使用した場合には、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現われやすい。更に、クリーナレスの画像形成装置に適用した場合には、転写残トナーの混入のため塗布した粉末が均一に帯電部材に付着していることが困難となり、均一帯電を行なう効果が薄れてしまう。
【0023】
また、特開平5−150539号公報(特許文献2)には、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画像形成を繰り返すうちにブレードクリーニングしきれなかったトナー粒子やシリカ微粒子が帯電手段の表面に付着・蓄積することによる帯電阻害を防止するために、トナー中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子より小さい平均粒径を有する導電性粒子を含有することが開示されている。
しかし、ここで用いられた接触帯電或いは近接帯電は放電帯電機構によるもので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電による前述の問題がある。更に、クリーナレスの画像形成装置へ適用した場合には、クリーニング機構を有する場合と比較して多量の導電性微粉体及び転写残トナーが帯電工程を通過することによる帯電性への影響、これら多量の導電性微粉体及び転写残トナーの現像工程における回収性、回収された導電性微粉体及び転写残トナーによるトナーの現像特性への影響に関して何ら考慮されていない。更に、接触帯電に直接注入帯電機構を適用した場合には、導電性微粉体が接触帯電部材に必要量供給されず、転写残トナーの影響による帯電不良を生じてしまう。
【0024】
また、近接帯電では、多量の導電性微粉体及び転写残トナーにより像担持体を均一帯電することが困難であり、転写残トナーのパターンをならす効果が得られないため転写残トナーのパターン画像露光を遮光するためのパターンゴーストを生ずる。更に、画像形成中の電源の瞬断或いは紙詰まり時にはトナーによる機内汚染が著しくなる。
【0025】
一方、特開平10−307454号公報(特許文献3)、特開平10−307457号公報(特許文献4)で開示されているように、帯電部材と像担持体とに速度差を設け、導電微粉体を介して直接注入帯電を行なう方式が提案されている。
【0026】
該公報では、帯電補助を目的とした導電性微粉体の存在により像担持体と接触帯電部材との帯電当接部において接触帯電部材は像担持体との速度差をもって接触できると同時に、導電性微粉体を介して密に像担持体に接触して、つまり接触帯電部材と像担持体の帯電当接部に存在する導電性微粉体が像担持体表面を隙間無く摺擦することで像担持体に電荷を直接注入できるのである。即ち接触帯電部材による像担持体の帯電は導電性微粉体の存在により直接注入帯電が支配的となる。
【0027】
従って、図4の帯電特性Bに示すように、従来のローラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、接触帯電部材に印加した電圧とほぼ同等の電位を像担持体に与えることができる。
【0028】
(トナー・リサイクル・プロセス=クリーナレス・システム)
転写方式の画像形成装置においては、転写後の像担持体に残存する転写残トナーはクリーナ(クリーニング装置)によって像担持体面から除去されて、廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが望ましい。そこでクリーナを無くし、転写後の感光体上の転写残トナーは現像装置によって「現像同時クリーニング」で像担持体上から除去し現像装置に回収・再利用する装置構成にしたトナー・リサイクル・プロセスの画像形成装置も出現している。
【0029】
現像同時クリーニングとは、転写後に像担持体上に残留したトナーを次工程以降の現像時、即ち引き続き像担持体を帯電し、露光して潜像を形成し、該潜像の現像時に、カブリ取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と像担持体の表面電位間の電位差であるカブリ取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以後に再利用されるため、廃トナーを無くし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0030】
以下、直接注入帯電とトナー・リサイクル・システムを組み合わせた画像形成方法について説明する。
【0031】
図3は直接注入帯電方式を用いた接触帯電装置3の実施形態例の模式図である。
【0032】
図3において、接触帯電装置3は、接触帯電部材として導電性弾性ローラ30(以下「帯電ローラ」と記す)を用いた装置であり、芯金31と、芯金31上に可撓性部材であるゴム或いは発泡体の中抵抗層32を形成することにより作成された帯電ローラ30と、帯電ローラ30の外周面(即ち中抵抗層32の外周面)に初期においては帯電ローラ30上に塗布され、その後は転写残トナー34と共に供給される導電性微粉体33と、帯電ローラ30に帯電バイアスを印加する帯電バイアス電圧印加電源S1とからなる。
【0033】
帯電ローラ30は像担持体としての感光体1に対し略平行にして芯金31の両端部を軸受けさせ、中抵抗層32の弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し、帯電ローラ30と感光体1の当接部である帯電当接部を形成させる。この帯電当接部幅nは特に制限されるものではないが、導電性弾性ローラと像担持体の安定して密な密着性を得るため1mm以上、より好ましくは2mm以上が良い。
【0034】
この帯電ローラ30は、帯電当接部において感光体1の回転方向とは逆方向である矢示の時計方向、或いは帯電当接部において感光体1の回転方向と順方向である反時計方向に回転駆動され、感光体1面が帯電当接部において導電性微粉体33を保持した中抵抗層32で摺擦される。
【0035】
そして帯電バイアス電圧印加電源S1により帯電ローラ30を介して導電性微粉体33に対して所定の帯電バイアスが所定の極性・電位の直流電圧(V直流単独:直流印加方式)、或いは交番電圧Vを重畳した振動電圧(V直流+V交流:交流印加方式)で印加され、回転駆動されている感光体1の外周面が直接注入帯電方式にて所定の極性・電位に均一帯電される。
【0036】
次に、トナー母粒子に導電粒子である導電性微粉体33を外部添加した場合の画像形成プロセス中でのトナー母粒子及び導電性微粉体33の挙動を説明する。
【0037】
トナーに含有させた導電性微粉体33は、現像工程(不図示)における感光体1上の静電潜像の現像時にトナー母粒子とともに適当量が感光体1に移行する。
【0038】
感光体1上のトナー画像は転写工程(不図示)において記録媒体(不図示)に転移する。感光体1上の導電性微粉体33も一部は記録媒体に付着するが残りは感光体1上に付着保持されて残留する。トナーと逆極性の転写バイアスを印加して転写を行う場合には、トナーは記録媒体側に引かれて積極的に転移するが、感光体1上の導電性微粉体33は導電性であることで記録媒体側には積極的には転移せず、一部は記録媒体側に付着するものの残りは感光体1上に付着保持されて残留する。
【0039】
クリーナを用いない画像形成方法では、転写後の感光体1表面に残存の転写残トナー34および上記の残存導電性微粉体33は、感光体1と帯電ローラ30の当接部である帯電部に感光体1の移動でそのまま持ち運ばれて帯電ローラ30に付着・混入する。
【0040】
従って、感光体1と帯電ローラ30との当接部に導電性微粉体33が介在した状態で感光体1の直接注入帯電が行なわれる。
【0041】
この導電性微粉体33の存在により、帯電ローラ30への転写残トナー34の付着・混入による汚染にかかわらず、帯電ローラ30の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、帯電ローラ30による感光体1の帯電を良好に行なわせることができる。
【0042】
また、帯電ローラ30に付着・混入した転写残トナー34は、帯電ローラ30から感光体1へ印加される帯電バイアスによって、帯電バイアスと同極性に帯電を揃えられて帯電ローラ30から徐々に感光体1上に吐き出され、感光体1の移動とともに現像部に至り、現像工程において現像同時クリーニング(回収)される。
【0043】
更に、画像形成が繰り返されることで、トナーに含有させてある導電性微粉体33が、現像部で感光体1に移行し感光体1の移動により転写部を経て帯電部に持ち運ばれて帯電部に逐次に導電性微粉体が供給され続けるため、帯電部において導電性微粉体33が脱落等で減少したり、劣化するなどしても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定して維持される。
【0044】
この直接注入帯電方式を用い、像担持体として有機感光体(OPC)上に導電性微粒子を分散させた表層を有するものや、アモルファスシリコン系感光体(a−Si)などを用いれば、像担持体への帯電がコロナ帯電器を用いて行なわれるような放電現象を利用しないので完全なオゾンレス、かつ、低電力消費型帯電が可能となる。
【0045】
【特許文献1】
特公平7−99442号公報
【特許文献2】
特開平5−150539号公報
【特許文献3】
特開平10−307454号公報
【特許文献4】
特開平10−307457号公報
【0046】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像形成装置において、像担持体としての感光体1の帯電手段として前述した直接注入帯電を用いたローラ帯電方式にも克服すべき特有の諸問題が存在する。その一つに、以下のような問題があった。
【0047】
文字画像のような低比率の画像ではなく、ベタや写真画像のような高比率の画像を取り続けると、転写残トナー34が文字画像形成時よりも多いために、帯電ローラ30が転写残トナー34と接触する機会が多くなり、帯電ローラ30が転写残トナー34で汚染され、帯電不良となってしまうということである。
【0048】
即ち、帯電ローラ30に付着・混入した転写残トナー34は、帯電ローラ30から感光体1へ印加される帯電バイアスによって、帯電バイアスと同極性に帯電を揃えられて帯電ローラ30から徐々に感光体1上に吐き出されるが、付着・混入した転写残トナー34量と吐き出された転写残トナー34量との関係が
付着・混入した転写残トナー34>吐き出された転写残トナー34
となるために、導電性微粉体33が帯電ローラ30の感光体1への緻密な接触性を維持できなくなり、帯電ローラ30による感光体1の帯電が良好に行なえなくなる。従って、上記の帯電不良を防止し、高比率の画像を出力し続けても、長期に渡って安定した帯電が行える画像形成装置が求められていた。
【0049】
本発明の目的は、上記の帯電不良を防止し、高比率の画像を出力し続けても、長期に渡って安定した帯電が行える画像形成装置を提供することにある。
【0050】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材であって、前記像担持体に接触して設けられ電圧が印加される帯電部材と、前記像担持体に形成された現像剤像が受像部材へ転写された後で前記像担持体が前記帯電部材により帯電される前に、前記像担持体を除電する除電手段と、を有し、前記帯電部材に付着した現像剤を前記像担持体へ移動可能な画像形成装置において、前記帯電部材によって前記像担持体へ画像形成用の帯電を行なう前と、前記帯電部材に付着した現像剤を前記像担持体へ移動させる前と、で、前記除電手段による除電条件を可変に制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て重量部である。
【0052】
(導電性微粉体)
一次粒子径0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子を圧力により造粒して得られた粒子を風力分級して得られた、体積平均粒径1.5μm、粒度分布における0.5μm以下が35体積%、5μm以上が0個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗1500Ω・cm、透過率35%)を導電粒子である導電性微粉体1とする。
【0053】
この導電性微粉体1は、走査型電子顕微鏡にて300倍及び3万倍で観察したところ、0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子と1〜4μmの凝集体からなっていた。
【0054】
実施例の画像形成装置で画像露光に用いられるレーザービームスキャナの露光光波長740nmにあわせて、波長740nmの光源を用いて、この波長域における透過率をX−Rite社製310T透過型濃度計を用い測定したところ、この導電性微粉体1の透過率はおよそ35%であった。
【0055】
次に、本発明の画像形成装置の実施例に用いる帯電部材の製造例について述べる。
【0056】
(帯電部材の製造例)
直径6mm、264mmのSUSローラを芯金とし、芯金上にウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整え、可撓性部材として直径12mm、234mmの帯電ローラを作成した。
【0057】
得られた帯電ローラは、抵抗が105Ω・cmであり、硬度は、アスカーC硬度で30度であった。
【0058】
(アモルファスシリコン系感光体)
VHF−PCVD法によるバッファありマイナス帯電ドラム
図5に記載のVHFによるプラズマCVD装置を用いて表1に示した条件により円筒形のAL(アルミニウム)基体上に下部阻止層、光導電層、バッファ層、表面層を順次積層し、負帯電で用いられる光受容部材を完成させた。
【0059】
【表1】
【0060】
[実施例1]
以下、本発明の画像形成装置を電子写真方式の複写機に適用した場合について詳細に説明する。
【0061】
図2は画像形成装置の概略断面図、図3は接触帯電装置の模式図である。
【0062】
図2において、コピー開始信号が入力されると像担持体であるアモルファスシリコン感光体(a−Si)である感光体1が矢印方向に回転され、像担持体を除電する除電手段としての前露光ランプ8で均一に除電を受けた後、帯電器3により所定の電位になるように一様に帯電される。
【0063】
ここで、感光体1は回転ドラム型の電子写真感光体で、本実施例は直径30mmの交流:H(アモルファスシリコン系感光体、図5(c)の層構成)を用いており、矢示の時計方向に100mm/secプロセス・スピード(周速度)をもって回転駆動される。
【0064】
帯電器3は感光体1に当接された接触帯電部材としてのローラ帯電器3であり、帯電当接部において感光体1の回転方向とは逆方向である矢示の時計方向に回転駆動され、感光体1面が帯電当接部において導電粒子である導電性微粉体33を保持した帯電ローラ30で摺擦される。このローラ帯電器3には帯電バイアス電圧印加電源S1により帯電ローラ30の芯金31に対して直流電圧−500Vの帯電バイアスが印加されていて、直接注入帯電によって感光体1の外周面がほぼ−450Vに一様に帯電される。
【0065】
一方、リーダ部では、原稿台10上におかれた原稿Gに対し原稿照射用ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサが一体のユニット9となって原稿を照射しながら走査することにより、その照明走査光の原稿面反射光が短焦点レンズアレイによって結像されてCCDセンサに入射される。CCDセンサは受光部、転送部、出力部より構成されている。CCD受光部において光信号が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。得られたアナログ信号は周知の画像処理を行なわれデジタル信号に変換されプリンタ部に送られる。
【0066】
プリンタ部において、この感光体1の帯電面に対して、固体レーザ素子、高速で回転するポリゴン・ミラー等を含むレーザ露光手段2から出力される上記の画像情報のデジタル信号に対応して強度変調されたレーザビームによる走査露光Eがなされ、感光体1の周面に対して原稿画像の画像情報に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像は磁性一成分絶縁トナーを用いた現像手段である現像器4によりトナー像として現像される。41はマグネット・ローラ42(不図示)を内包する直径16mmの非磁性の現象スリーブであり、この現象スリーブ41に上記ネガトナーをコートし、感光体1表面との距離を200μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ41に現像バイアス電源S2(不図示)より現像バイアス電圧を印加する。印加電圧は、−350Vの直流電圧と、周波数1.8MHz、ピーク間電圧1.6kVの矩形の交流電圧を重畳したものを用い、現像スリーブ41と感光体1の間でジャンピング現象を行なわせる。
【0067】
一方、給紙部から受像部材である記録材としての転写材Pが供給されて、感光体1と、これに所定の押圧力で当接させた転写手段としての、中抵抗の転写ローラ7との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイミングにて導入される。転写ローラ7には転写バイアス印加電源S3(不図示)から所定の転写バイアス電圧が印加される。
【0068】
本実施例では転写ローラ抵抗値は5×108Ωのものを用い、+2000Vの直流電圧を印加して転写を行った。
【0069】
転写部Tに導入された転写材Pはこの転写部Tを挟持搬送されて、その表面側に感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写されていく。
【0070】
更に、トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置6へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0071】
なお、本実施例の電子写真装置は、感光体1、ローラ帯電器3、現像装置4の4つのプロセス機器をカートリッジ11に包含させて、画像形成装置本体に対して一括してカートリッジ11が着脱交換自在の装置であるが、これに限るものではない。
【0072】
次に、本実施例において用いたローラ帯電器3について説明する。
【0073】
図3において、接触帯電装置3は、接触帯電部材として導電性弾性ローラ30(以下「帯電ローラ」と記す)を用いた装置であり、芯金31と、芯金31上に可撓性部材であるゴム或いは発泡体の中抵抗層32を形成することにより作成された帯電ローラ30と、帯電ローラ30の外周面(即ち中抵抗層32の外周面)に初期においては帯電ローラ30上に塗布され、その後は転写残トナー34と共に供給される導電性微粉体33と、帯電ローラ30に帯電バイアスを印加する帯電バイアス電圧印加電源S1とからなる。
【0074】
帯電ローラ30は像担持体としての感光体1に対し略平行にして芯金31の両端部を軸受けさせ、中抵抗層32の弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し、帯電ローラ30と感光体1の当接部である帯電当接部を形成させる。この帯電当接部幅nは特に制限されるものではないが、導電性弾性ローラと像担持体の安定して密な密着性を得るため1mm以上、より好ましくは2mm以上が良い。
【0075】
この帯電ローラ30は、帯電当接部において感光体1の回転方向とは逆方向である矢示の時計方向、或いは帯電当接部において感光体1の回転方向と順方向である反時計方向に回転駆動され、感光体1面が帯電当接部において導電性微粉体33を保持した中抵抗層32で摺擦される。
【0076】
そして帯電バイアス電圧印加電源S1により帯電ローラ30を介して導電性微粉体33に対して所定の帯電バイアスが所定の極性・電位の直流電圧(V直流単独:直流印加方式)、或いは交番電圧Vを重畳した振動電圧(V直流+V交流:交流印加方式)で印加され、回転駆動されている感光体1の外周面が直接注入帯電方式にて所定の極性・電位に均一帯電される。
【0077】
更に、トナー母粒子に導電性微粉体33を外部添加してもよく、その場合の画像形成プロセス中でのトナー母粒子及び導電性微粉体33の挙動を説明する。
【0078】
トナーに含有させた導電性微粉体33は、現像工程(不図示)における感光体1上の静電潜像の現像時にトナー母粒子とともに適当量が感光体1に移行する。
【0079】
感光体1上のトナー画像は転写工程(不図示)において記録媒体(不図示)に転移する。感光体1上の導電性微粉体33も一部は記録媒体に付着するが残りは感光体1上に付着保持されて残留する。トナーと逆極性の転写バイアスを印加して転写を行う場合には、トナーは記録媒体側に引かれて積極的に転移するが、感光体1上の導電性微粉体33は導電性であることで記録媒体側には積極的には転移せず、一部は記録媒体側に付着するものの残りは感光体1上に付着保持されて残留する。
【0080】
本実施例において専用のクリーニング装置が存在しないクリーナレス方式であり、転写後の感光体1表面に残存の転写残トナー34および上記の残存導電性微粉体33は、感光体1と帯電ローラ30の当接部である帯電部に感光体1の移動でそのまま持ち運ばれて帯電ローラ30に付着・混入する。
【0081】
従って、感光体1と帯電ローラ30との当接部に導電性微粉体33が介在した状態で感光体1の直接注入帯電が行なわれる。
【0082】
この導電性微粉体33の存在により、帯電ローラ30への転写残トナー34の付着・混入による汚染にかかわらず、帯電ローラ30の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、帯電ローラ30による感光体1の帯電を良好に行なわせることができる。従って、帯電ローラ30と導電性微粉体30とによって、帯電当接部における感光体へ注入帯電性を向上させることができる。
【0083】
また、帯電ローラ30に付着・混入した転写残トナー34は、帯電ローラ30から感光体1へ印加される帯電バイアスの作用や導電性粉体33との摩擦帯電によって、帯電バイアスと同極性に帯電を揃えられて帯電ローラ30から徐々に感光体1上に吐き出される。従って、導電性微粉体33は、トナーに対して、トナーを正規の極性に摩擦帯電する特性を備える材料であるのが良い。帯電ローラ30から吐き出されたトナーを担持する感光体は、さらにレーザ光を照射されることにより、静電潜像が形成され、感光体1上に吐き出されたトナーは、感光体1の移動とともに現像部に至り、現像工程において現像同時クリーニング(回収)される。
【0084】
更に、画像形成が繰り返されることで、トナーに含有させてある導電性微粉体33が、現像部で感光体1に移行し感光体1の移動により転写部を経て帯電部に持ち運ばれて帯電部に逐次に導電性微粉体が供給され続けるため、帯電部において導電性微粉体33が脱落等で減少したり、劣化するなどしても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定して維持される。
【0085】
以下、本実施例において用いた帯電ローラ汚染防止の制御方法について説明する。
【0086】
図1は本実施例における画像形成装置でのローラ帯電装置3の吐き出しの動作の制御方法を示すシーケンス・チャートである。
【0087】
図1において、画像形成に先立って行なわれる前回転処理で、感光体1が駆動され、次いで帯電ローラ30に付着した転写残トナー34を積極的に帯電ローラ30から感光体1へ移動させるために前露光ランプ8の点灯電圧を36V(光量として通常画像形成時の1.5倍になるように設定)で点灯し、ローラ帯電器3の順で制御が開始され、帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給される高圧は、直流成分(−500V)が印加される。帯電ローラ30への高圧立ち上げ制御が終了した時点(破線A)で、帯電ローラ30からの転写残トナー34の吐き出しシーケンスに移行し、所定時間の吐き出し動作後、前回転時の吐き出しシーケンスを終了(破線B)して、画像形成前に前露光ランプ8の点灯電圧を画像形成用の24Vに切り換える。また、画像形成終了後(破線C)、いわゆる後回転処理で、前露光ランプ8の点灯電圧を再び36Vに切り換え、吐き出しシーケンスが再開され、所定時間の吐き出し動作後、後回転の吐き出しシーケンスを終了(破線D)して、帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給されている直流成分が落とされ、帯電ローラ30、前露光ランプ8、感光体1の順で動作が停止される。
【0088】
ここで、前露光ランプ8の点灯電圧に対し、帯電バイアス電圧印加電源S1から−500Vの直流成分が印加された帯電ローラ30での帯電工程通過後の帯電電位を図6に示す。通常、画像形成ではゴーストを除去するのに十分な光量かつ十分な帯電電位となるような光量設定を行っているが(ここでは24V)、本発明では前露光ランプへの点灯電圧(すなわち光量)が増大するに従って暗減衰と呼ばれる現象により十分な帯電電位を確保することができなくなる現象を利用し、帯電工程後の帯電ローラ30と感光体1との電位差を用いて積極的に吐き出すようにしている。即ち、帯電部材30によって感光体1へ画像形成用の帯電を行なう前と、帯電部材30に付着した現像剤を感光体1へ移動させる前と、で、除電手段である前露光ランプ8による除電条件(露光量)を可変に制御しているのである。
【0089】
このように、画像形成時よりも帯電ローラ30の吐き出しシーケンス時において、前露光ランプによる光量を大きくすると、帯電ローラ30に印加される電圧と帯電ローラ30によって帯電される感光体1の表面電位との電位差が、大きくなるので、この電位差によって帯電ローラ30から感光体1へのトナーの吐き出し性を向上することができる。
【0090】
以上のようなローラ帯電器3において、吐き出しを画像形成時以外で行なうことで、高比率の画像を通紙耐久した時、従来1万枚で帯電不良が発生していたが、4万枚行なっても、帯電ローラ30の転写残トナー34による汚染が見られることなく初期の帯電性能を維持させることができた。また、これによる問題点であった転写残トナー34が帯電ローラから画像形成域に吐き出されてくることに起因するカブリも防止することができた。
【0091】
[実施例2]
図7は本発明の第2の実施例を説明するための画像形成時でのローラ帯電装置3の吐き出しの制御方法を示すシーケンス・チャートである。
【0092】
以下、画像形成装置の構成及び動作、帯電装置の構成等は前述しているため省略し、実施例1とは異なっている装置における吐き出しシーケンスについて述べる。
【0093】
図7において、画像形成に先立って行なわれる前回転処理で、感光体1が駆動され、次いで帯電ローラ30に付着した転写残トナー34を積極的に帯電ローラ30から感光体1へ移動させるために前露光ランプ8の点灯電圧を36V(光量として1.5倍になるように設定)で点灯し、ローラ帯電器3の順で制御が開始され、帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給される高圧は、実施例1よりも帯電ローラ30と帯電工程終了後の感光体1の帯電電位の電位差を大きくし積極的に吐き出しを行うために、画像形成時よりも大きい直流成分(−700V)が印加される。帯電ローラ30への高圧立ち上げ制御が終了した時点(破線A)で、転写残トナー34の吐き出しシーケンスに移行し、所定時間の吐き出し動作後、前回転時の吐き出しシーケンスを終了(破線B)する。即ち、吐き出しシーケンス時において、帯電ローラ30に印加される電圧を、本実施例2では実施例1に比べて大きくしている(−700V)ので、帯電ローラ30に印加される電圧と帯電ローラ30によって帯電される感光体1の表面電位との電位差も大きくなり帯電ローラ30からのトナー吐き出し性も向上する。
【0094】
その後、画像形成前に前露光ランプ8の点灯電圧を画像形成用の24Vに、また帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給される高圧は−500Vに切り換える。画像形成終了後(破線C)、いわゆる後回転処理で、前露光ランプ8の点灯電圧を再び36Vに、また帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給される高圧は−700Vに切り換え、吐き出しシーケンスが再開され、所定時間の吐き出し動作後、後回転の吐き出しシーケンスを終了(破線D)して、帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給されている直流成分が落とされ、帯電ローラ30、前露光ランプ8、感光体1の順で動作が停止される。
【0095】
以上のようなローラ帯電器3において、吐き出しを画像形成時以外で行なうことで、高比率の画像を通紙耐久した時、従来1万枚で帯電不良が発生していたが、4万枚行なっても、帯電ローラ30の転写残トナー34による汚染が見られることなく初期の帯電性能を維持させることができた。また、これによる問題点であった転写残トナー34が帯電ローラから画像形成域に吐き出されてくることに起因するカブリも防止することができた。
【0096】
以上の実施例では帯電ローラ30へ供給される高圧を直流成分のみとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、積極的な電位差を利用するという点で直流成分に交流成分を重畳したものにおいても効果があることは言うまでもない。
【0097】
また、転写残トナー34の吐き出しモードは前回転、後回転での制御として説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、紙間においての実施がさらに効果的なのは言うまでもない。
【0098】
以下、本発明に用いることができる帯電部材、導電性微粉体、感光体に関して説明する。
【0099】
本発明における画像形成方法の帯電工程は、像担持体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して像担持体面を所定の極性・電位に帯電させる接触帯電装置を用いている。接触帯電部材に対する印加帯電バイアスは直流電圧のみでも良好な帯電性を得ることが可能であるが、直流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0100】
交番電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波であっても良い。このように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0101】
ただし、注入帯電方式の帯電装置を用いる場合においては、交流電圧のピーク間電圧は、放電開始電圧Vthの2倍よりも小さくするのが良い。この放電開始電圧とは、図4に示す放電閾値のことであり、被帯電体(感光体)の帯電が開始する印加直流電圧値であるが、例えば、帯電当接部に導電粒子を設けて帯電を行なう場合には、帯電当接部に導電粒子がない状態で放電閾値を測定すれば良い。
【0102】
本発明においては、帯電部材が、帯電部材と像担持体との間に導電性微粉体を介在させる当接部を設ける上で弾性を有することが好ましく、帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電するために導電性であることが好ましい。従って、帯電部材は導電性弾性ローラ、磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラシ部を有し該磁気ブラシ部を像担持体に接触させた磁気ブラシ接触帯電部材或いは導電性繊維から構成されるブラシであることが好ましい。
【0103】
導電性弾性ローラの硬度は、硬度が低すぎると形状が安定しないために像担持体との接触性が悪くなり、更に、帯電部材と像担持体との当接部に導電性微粉体を介在させることで導電性弾性ローラ表層を削り或いは傷つけ、安定した帯電性が得られない。また、硬度が高すぎると像担持体との間に帯電当接部を確保できないだけでなく、像担持体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で25度から50度が好ましい範囲である。
【0104】
導電性弾性ローラは弾性を持たせて像担持体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する像担持体を充電するに例えば、導電性弾性ローラは可撓性部材としてのゴムあるいは発泡体の中抵抗層を形成することにより作成される。中抵抗層は樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金31の上にローラ状に形成する。その後必要に応じて切削、表面を研磨して形状を整え導電性弾性ローラを作成することができる。なお、該ローラ表面は導電性微粉体を介在させるために微少なセルまたは凹凸を有していることが好ましい。
【0105】
導電性弾性ローラの材質としては、弾性発泡体に限定するものでは無く、弾性体の材料として、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものがあげられる。また、導電性物質を分散せずに、或いは導電性物質と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0106】
接触帯電部材は可撓性を有していることが接触帯電部材と像担持体の当接部において導電性微粉体が像担持体に接触する機会を増加させ、高い接触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点で好ましく良い。つまり、接触帯電部材が導電性微粉体を介して密に像担持体に接触して、接触帯電部材と像担持体の当接部に存在する導電性微粉体が像担持体表面を隙間なく摺擦することで、接触帯電部材による像担持体の帯電は帯電促進粒子の存在により放電現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となる。
【0107】
導電性弾性ローラは弾性を持たせて像担持体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する像担持体を充電するに十分低い抵抗を有する電極として機能することが重要である。一方では像担持体にピンホールなどの欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。像担持体として電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには103〜108Ωの抵抗であることが良く、より好ましくは104〜107Ωの抵抗であることが良い。該ローラの抵抗は、該ローラの芯金に総圧1kgの加重がかかるようφ30mmの円筒状アルミドラムに該ローラを圧着した状態で、芯金とアルミドラムとの間に100Vを印加し、計測した。
【0108】
帯電部材と像担持体との速度差は、具体的には帯電部材面を移動駆動して像担持体との間に速度差を設けることになる。好ましくは帯電部材を回転駆動し、さらにその回転方向は像担持体表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成するのがよい。
【0109】
帯電部材面を像担持体表面の移動方向と同じ方向に移動させて速度差を持たせることも可能であるが、直接注入帯電の帯電性は像担持体の周速と帯電部材の周速の比に依存するため、逆方向と同じ周速差を得るには順方向では帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて大きくなるので、帯電部材を逆方向に移動させる方が回転数の転で有利である。ここで記述した相対移動速度比は
相対移動速度比(%)=(帯電部材周速−像担持体周速)/像担持体周速×100
である(帯電部材周速は帯電当接部において帯電部材表面が像担持体表面と同じ方向に移動する時、正の値である)。
【0110】
更に、帯電当接部を形成する帯電部材の表面の移動速度と像担持体の表面の移動速度には、相対的速度差を設けることで、接触帯電部材と像担持体の当接部において導電性微粉体が像担持体に接触する機会を格段に増加させ、より高い接触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点で好ましく良い。
【0111】
接触帯電部材と像担持体との当接部に導電性微粉体を介在させることにより、導電性微粉体の潤滑効果(摩擦低減効果)により接触帯電部材と像担持体との間に大幅なトルクの増大及び接触帯電部材及び像担持体表面の顕著な削れ等を伴うことなく速度差を設けることが可能となる。
【0112】
像担持体と接触帯電部材との当接部における導電性微粉体の介在量は、少なすぎると、該粒子による潤滑効果が十分に得られず、像担持体と接触帯電部材との摩擦が大きくて接触帯電部材を像担持体に速度差を持って回転駆動させることが困難である。つまり、駆動トルクが過大となるし、無理に回転させると接触帯電部材や像担持体の表面が削れてしまう。更に導電性微粉体による接触機会増加の効果が得られないこともあり十分な帯電性能が得られない。一方、介在量が多過ぎると、導電性微粉体の接触帯電部材からの脱落が著しく増加し作像上に悪影響が出る。
【0113】
(導電性微粉体)
a)含有量
導電性微粉体のトナー全体に対する含有量は、1〜10重量%であることが好ましく良い。導電性微粉体のトナー全体に対する含有量が1重量%よりも少ないと、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行なわせるのに十分な量の導電性微粉体を、帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電性が低下し帯電不良を生じる。また、含有量が10重量%よりも多い場合では、現像同時クリーニングによって回収される導電性微粉体が多くなりすぎることによる現像部でのトナーの帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。導電性微粉体のトナー全体に対する含有量は、1.5〜5重量%であることが好ましく良い。
【0114】
b)抵抗
また、導電性微粉体の体積固有抵抗は、109Ω・cm以下である。導電性微粉体の抵抗が、109Ω・cmよりも大きいと導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在させ、接触帯電部材の導電性微粉体を介しての像担持体への緻密な接触性を維持させても、良好な帯電性を得るための帯電促進効果が得られない。
【0115】
導電性微粉体の帯電促進効果を十分に引き出し、良好な帯電性を安定して得るためには、導電性微粉体の抵抗が、接触帯電部材の表面部或いは像担持体との接触部の抵抗よりも小さいことが好ましい。
【0116】
更に、導電性微粉体の体積固有抵抗が、106Ω・cm以下であることが、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電をより良好に行なわせる上で好ましく良い。
【0117】
一方、導電性微粉体の抵抗が、10−1Ω・cm以上であることが、該微粉末が帯電し非画像部に現像され帯電を促進するために好ましい。
【0118】
c)平均粒径
導電性微粉体の体積平均粒子径は0.5〜10μmであることが好ましく良い。導電性微粉体の平均粒子径が小さいと、現像性の低下を防ぐために導電性微粉体のトナー全体に対する含有量を小さく設定しなければならない。導電性微粉体の平均粒子径が0.5μm未満では、導電性微粉体の有効量を確保できず、帯電工程において、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行なわせるのに十分な量の導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電不良を生じ易くなる。この観点から、導電性微粉体の平均粒子径は好ましくは0.8μm以上、更に好ましくは1.1μm以上、5μm未満が良い。
【0119】
また、導電性微粉体の平均粒子径が10μmよりも大きいと、帯電部材から脱落した導電性微粉体は静電潜像を書き込む露光光を遮光或いは拡散し、静電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させる。更に、導電性微粉体の平均粒子径が大きいと、単位重量当りの粒子数が減少するため、帯電部材からの導電性微粉体の脱落等による減少、劣化を考慮して導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に逐次に導電性微粉体が供給し続け介在させるために、また、接触帯電部材が導電性微粉体を介して像担持体への緻密な接触性を維持し良好な帯電性を安定して得るためには、導電性微粉体のトナー全体に対する含有量を大きくしなければならない。しかし、導電性微粉体の含有量を大きくしすぎると、特に高湿環境下でのトナー全体としての帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。このような観点から、導電性微粉体の平均粒子径は好ましくは5μm以下が良い。
【0120】
d)光透過性
また、導電性微粉体は、透明、白色或いは淡色の導電性微粉体であることが、転写材上に転写される導電性微粉体がカブリとして目立たないため好ましく良い。潜像形成工程における露光光の妨げとならない意味でも導電性微粉体は、透明、白色或いは淡色の導電性微粉体であることがよく、より好ましくは、導電性微粉体の露光光に対する透過率が30%以上であることが良い。
【0121】
本発明においては、粒子の光透過性については以下の手順で測定した。片面に接着層を有する透明のフィルムの導電性微粉体を一層分固定した状態で透過率を測定する。光はシートの鉛直方向から照射しフィルム背面に透過した光を集光し光量を測定した。フィルムのみと粒子を付着したときの光量から正味の光量として粒子の透過率を算出した。実際にはX−Rite社製310T透過型濃度計を用いて測定した。
【0122】
e)材料
本発明における導電粒子としての導電性微粉体としては、例えばカーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉末;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化すず、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれらの複合酸化物などが必要に応じて粒度及び粒度分布を調整することで使用できる。これらの中でも酸化亜鉛、酸化すず、酸化チタン等の無機酸化物微粒子が特に好ましい。
【0123】
また、導電性無機酸化物の抵抗値を制御する等の目的で、アンチモン、アルミニウムなどの元素をドープした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粒子なども使用できる。例えば酸化スズ・アンチモンで表面処理された酸化チタン微粒子、アンチモンでドープされた酸化第二スズ微粒子、あるいは酸化第二スズ微粒子などである。
【0124】
(測定方法)
a)平均粒径および粒度分布
本発明における導電性微粉体の平均粒径及び粒度分布の測定には、コールター社製、LS−230型レーザ回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取付けて0.04〜2000μmの測定範囲で測定した。測定法としては、純水10ccに微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微粉体の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザー)にて10分間分散した後、測定時間90秒、測定回数1回で測定し、その結果を元に体積平均粒径を算出した。
【0125】
本発明において、導電性微粉体の粒度及び粒度分布の調整方法としては、導電性微粉体の一次粒子が製造時において所望の粒度及び粒度分布が得られるように製造法、製造条件を設定する方法以外にも、一次粒子の小さな粒子を凝集させる方法、一次粒子の大きな粒子を粉砕する方法或いは分級による方法等が可能であり、更には、所望の粒度及び粒度分布の基材粒子の表面の一部もしくは全部に導電性粒子を付着或いは固定化する方法、所望の粒度及び粒度分布の粒子に導電性成分が分散された形態を有する導電性微粉体を用いる方法等も可能であり、これらの方法を組み合わせて導電性微粉体の粒度及び粒度分布を調整することも可能である。
【0126】
導電性微粉体の粒子が凝集体として構成されている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径として定義される。導電性微粉体は、一次粒子の状態で存在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在することも問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体として帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在し、帯電補助或いは促進の機能が実現できればその形態は問わない。
【0127】
b)抵抗
本発明において、導電性微粉体の抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求めた。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に凡そ0.5gの粉体試料を入れ上下電極に15kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0128】
ここで、本例に用いた感光体に関して説明する。
【0129】
直接注入帯電方式には、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、望ましくは、有機感光体上にその抵抗が109〜1014Ω・cmの材質を有する表面層を持つものや、アモルファスシリコン系感光体などを用いると、電荷注入帯電を実現でき、オゾン発生の防止、ならびに消費電力の低減に効果がある。また、帯電性についても向上させることが可能となる。
【0130】
(有機感光体(OPC))
帯電ローラ33に対向する積層型感光体の感光層の構成としては、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層したものを用いている。導電性支持体は導電性を有するものであれば、いずれのものでもよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属をドラムあるいはシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムあるいは紙等が挙げられる。
【0131】
これらの導電性支持体の上に形成する感光層の塗工方法はスプレーコーティング、ビームコーティング及び浸漬コーティング等の方法が用いられる。その際、通常導電性支持体を固定して支持することが必要であり、その指示部材に塗工液が付着しないように維持するために、支持体端部に未塗工領域が残る場合がある。また、端部まで塗工する場合、塗工液が縁にだれる場合が生じる。感光体を本体に支持するために装着する端部支持部材であるフランジが正しい角度で装着され、感光体のアライメント精度を維持するためには導電性支持部材端部の研磨行程が必要となるため、感光体製造上はできる限り未塗工領域の存在を許容することが望ましい。
【0132】
本例においては、負帯電の有機感光体で、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体上に下記の第1〜第5の5つの層を下から順に設けた感光ドラムを用いた。
【0133】
第1層は下引き層であり、アルミニウム基体(以下アルミ基体と称する)の欠陥等をならすために設けられている厚さ20μmの導電層である。
【0134】
第2層は正電荷注入防止層であり、アルミ基体から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×106Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層である。
【0135】
第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0136】
第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0137】
第5層は電荷注入層であり、絶縁性樹脂のバインダーにSnO2超微粒子を分散した材料の塗工層である。具体的には絶縁性樹脂に光透過性の絶縁フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径約0.03μmのSnO2粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の塗工層である。
【0138】
このように調合した塗工液をディッピング塗工法にて厚さ約4μmに塗工して電荷注入層とした。この際、感光体の奥側端部に5mmの感光層未塗工領域が存在した。
【0139】
(アモルファスシリコン系感光体(a−Si))
電子写真において、感光体における感光層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の場合には、大量に、且つ長期にわたり使用される事を考えると、画質、画像濃度の長期安定性も重要な点である。
【0140】
この様な点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記載されている。
【0141】
このような画像形成装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
【0142】
また、特開昭54−83746号公報においては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されている。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることができるとしている。
【0143】
また、特開昭57−115556号公報には、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が記載されている。
【0144】
更に、特開昭60−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての技術が記載され、特開昭62−168161号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0145】
また更に、特開昭57−158650号公報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2100cm−1と2000cm−1の吸収ピークの吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置用感光体が得られることが記載されている。
【0146】
一方、特開昭60−95551号公報には、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行なうことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示されている。
【0147】
これらの技術により、画像形成装置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0148】
図5は、本例の画像形成装置用感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。
【0149】
図5(a)に示す画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層203で構成されている。
【0150】
図5(b)は、本例の画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層203と、アモルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204とから構成されている。
【0151】
図5(c)は、本例の画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層203と、アモルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204と、光導電層203と支持体201の間のアモルファスシリコン系電荷注入阻止層205、また光導電層203と表面層204との間の同205’とから構成されている。
【0152】
図5(d)及び(e)は、本例の画像形成装置用感光体のさらに他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202は光導電層203を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層207ならびに電荷輸送層208と、アモルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204と、光導電層203と支持体201の間、及び/または光導電層203と電荷注入阻止層に電荷注入阻止層205、205’とから構成されている。
【0153】
図5(f)は、本例の画像形成装置用感光体のさらに他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202は光導電層203を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層207ならびに電荷輸送層208と、アモルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204とから構成されている。特に図示はしていないが、光導電層203と支持体201の間、及び/または光導電層203と電荷注入阻止層に電荷注入阻止層205、205’があっても良い。
【0154】
a)支持体
支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
【0155】
b)光導電層
本例に於いて、その目的を効果的に達成するために支持体201上、必要に応じて下引き層(不図示)上に形成され、感光層202の一部を構成する光導電層203は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成される。具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、所望の特性を有する画像形成装置用感光体を製造するに当たっての条件の制御が比較的容易であることからしてグロー放電法、特にRF帯、μW帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放電法が好適である。
【0156】
グロー放電法によって光導電層203を形成するには、基本的には周知のごとくシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体201上にa−Si:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0157】
また本例において使用されるハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。
【0158】
一般にa−Siは伝導性を制御する原子を含有させない場合、弱いn型伝導特性を有するため、本発明のネガa−Siにおいては、伝導性を制御する原子を含有(ドープ)させなくても良いが、i型にする為、あるいは製造安定性のラチチュードを広げる為等、必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させてもよい。
【0159】
前記伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0160】
第IIIb族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
【0161】
第Vb族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
【0162】
c)表面層
本例においては、上述のようにして支持体201上に形成された光導電層203の上に、更にアモルファスシリコン系及び/またはアモルファスカーボン系の表面層204を形成することが好ましい。この表面層204は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
【0163】
表面層204は、アモルファスシリコン系の材料であればいれずれの材質でも可能であるが、例えば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられる。
【0164】
該表面層204は、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法など周知の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用される。
【0165】
本例に於ける表面層204の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる場合がある。
【0166】
その他に、表面層として炭素を主体とした非晶質炭素膜(以下「交流:H」と表記する)を使用することが好ましい。さらに、内部且つ/又は最表面にフッ素との結合を有する非晶質炭素膜(以下「交流:H:F」と表記する)を使用することが好ましい。
【0167】
交流:Hは撥水性に優れ、低摩擦であり、また、a−SiCと同等乃至はそれ以上の高硬度で有り、環境対策ヒーターを除去した状態においても高湿環境下での画像のぼけを防止する効果がある。また、帯電促進粒子や磁性粒子の機械的な摩擦による感光体への移動や感光体の摩耗を低減できる。
【0168】
d)電荷注入阻止層
本例の画像形成装置用感光体においては、導電性支持体201と光導電層203との間に、導電性支持体201側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層805を、また光導電層203と表面層204の間に、表面層側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層205’を設けてもよい。
【0169】
前述の電荷注入阻止層205を下部注入阻止層(UBL;Under Blocking Layer)、後述の電荷注入阻止層205’を上部注入阻止層(Top Blocking Layer)と称する。
【0170】
これらの電荷注入阻止層は、感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側、或いは表面層側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有している。逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有している事が好ましい。
【0171】
そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子等を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0172】
該層に含有される伝導性を制御する原子は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、UBL205では支持体側に、またTBL205’では表面層側に多く分布するように含有させるのが好適である。いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0173】
電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、「第III族原子」または「第V族原子」を用いることができる。
【0174】
本例において、電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
【0175】
また、本例の画像形成装置用感光体に於いては、支持体201と光導電層203あるいはUBL205との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、Si3N4、SiO2、SiO、あるいはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良い。更に、前述のごとく、支持体からの反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けても良い。
【0176】
上記の各層は、例えば13.56MHz等のRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(RF−PCVD)や50〜450MHzのVHF帯を用いた講習はプラズマCVD法(VHF−PCVD)などの周知の装置および膜形成方法にて製造される。
【0177】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、帯電部材によって像担持体へ画像形成用の帯電を行なう前と、帯電部材に付着した現像剤を像担持体へ移動させる前と、で、除電手段による除電条件を可変に制御することにより、帯電不良を防止し、高比率の画像を出力し続けても、長期に渡って安定した帯電が行え、かつ高比率の画像を出力してもカブリのない画像形成装置を提供することに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吐き出しモード制御方法。
【図2】電子写真方式に本発明を適用した場合の画像形成装置の構成概略図。
【図3】ローラ帯電装置の模式図。
【図4】接触帯電部材に印加される直流電圧と感光体の表面電位との関係を示すグラフ。
【図5】アモルファスシリコン系感光体の層構成を説明する概略図。
【図6】本発明の作用を説明するための暗減衰による電位変化を示す図。
【図7】本発明の吐き出しモードの第2の制御方法。
【符号の説明】
1 感光体
2 レーザ露光手段
3 ローラ帯電器
31 芯金
32 中抵抗層
33 導電性微粒子
34 転写残トナー
4 現像器
6 定着装置
7 転写ローラ
8 前露光ランプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体を帯電する帯電部材と、像担持体に形成された現像剤像が受像部材へ転写された後で像担持体が帯電部材により帯電される前に、像担持体を除電する除電手段と、を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や静電記録装置等に用いられる画像形成装置において、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体上に静電潜像を形成する方法について様々な方法が知られている。
【0003】
例えば、電子写真法では、潜像担持体としての光導電性物質を利用した感光体上を所望の極性・電位に一様に帯電処理した後に、画像パターンを露光することにより電気的潜像を形成する方法が一般的である。
【0004】
従来、潜像担持体を所望の極性・電位に一様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としてはコロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されていた。
【0005】
コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、ワイヤ電極等の放電電極と放電電極を囲むシールド電極を備え、放電開口部を像担持体である感光体に対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定の電位に帯電させるものである。
【0006】
近年では、静電潜像担持体等の帯電装置として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることから接触帯電装置が多く提案され、また実用化されている。
【0007】
このような接触帯電方式の帯電装置において、像担持体に接触させる帯電部材にはローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型(帯電ブレード)など種々の形態があり、また様々な改善提案がある。
【0008】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、▲1▼放電帯電機構と▲2▼直接注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現われる。
【0009】
▲1▼放電帯電機構
接触帯電部材と像担持体との微小間隙に生じる放電現象により像担持体表面が帯電する機構である。放電帯電機構は接触帯電部材と像担持体に一定の放電閾値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。
また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど活性イオンによる弊害は避けられない。
【0010】
▲2▼直接注入帯電機構
接触帯電部材から像担持体に直接に電荷が注入されることで像担持体表面が帯電する系である。直接帯電、注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される。より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が像担持体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで像担持体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、像担持体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この帯電系はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じない。しかし、直接注入帯電であるため、接触帯電部材の像担持体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこでより高い頻度で像担持体に接触する構成をとるため、接触帯電部材はより密な接触点を持つ、像担持体との速度差を多く持つ等の構成が必要となる。
【0011】
(ローラ帯電)
接触帯電装置は、接触帯電部材として導電性ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0012】
従来のローラ帯電における帯電機構は前述▲1▼の放電帯電機構が支配的である。
【0013】
帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム材或いは発泡体を用いて作成される。さらにこれらを積層して所望の特性を得たものもある。
【0014】
帯電ローラは像担持体との一定の接触状態を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、像担持体に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従って、直接注入帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や接触性の不足やローラ形状による接触ムラや感光体の付着物による帯電ムラは避けられない。
【0015】
図4は電子写真法における接触帯電の帯電効率例を表わしたグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバイアス、縦軸にはその時得られた像担持体帯電電位を表わすものである。ローラ帯電の場合の帯電特性はAで表わされる。即ち凡そ−500Vの放電閾値を過ぎてから帯電が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は−1000Vの直流電圧を印加するか、あるいは、−500V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差を常に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加して像担持体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的である。
【0016】
より具体的に説明すると、像担持体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合には、ある一定以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して線形に像担持体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0017】
つまり、電子写真に必要とされる像担持体表面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vthという必要とされる以上の直流電圧が必要となる。このようにして直流電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行なう方法を「直流帯電方式」と称する。
【0018】
しかし、直流帯電においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、像担持体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動するため、像担持体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0019】
このため、更なる帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望のVdに相当する直流電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つ交流成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する「交流帯電方式」が用いられる。これは、交流による電位のならし効果を目的としたものであり、像担持体の電位は交流電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0020】
ところが、このような接触帯電装置においても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から像担持体への放電現象を用いているため、先に述べたように接触帯電部材に印加する電圧は像担持体表面電位以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0021】
また、帯電均一化のために交流帯電を行なった場合にはさらなるオゾンの発生、交流電圧の電界による接触帯電部材と像担持体の振動騒音(交流帯電音)の発生、また、放電による像担持体表面の劣化等が顕著になり、新たな問題点となっていた。
【0022】
帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行なうために、接触帯電部材に像担持体面との接触面に粉末を塗布する構成も特公平7−99442号公報(特許文献1)に開示されている。しかしながら、接触帯電部材(帯電ローラ)が像担持体(感光体)に従動回転(速度差駆動無し)であり、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理は前述のローラ帯電の場合と同様に依然として放電帯電機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性を得るためには直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するので、放電によるオゾン生成物の発生はより多くなってしまう。よって、長期に装置を使用した場合には、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現われやすい。更に、クリーナレスの画像形成装置に適用した場合には、転写残トナーの混入のため塗布した粉末が均一に帯電部材に付着していることが困難となり、均一帯電を行なう効果が薄れてしまう。
【0023】
また、特開平5−150539号公報(特許文献2)には、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画像形成を繰り返すうちにブレードクリーニングしきれなかったトナー粒子やシリカ微粒子が帯電手段の表面に付着・蓄積することによる帯電阻害を防止するために、トナー中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子より小さい平均粒径を有する導電性粒子を含有することが開示されている。
しかし、ここで用いられた接触帯電或いは近接帯電は放電帯電機構によるもので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電による前述の問題がある。更に、クリーナレスの画像形成装置へ適用した場合には、クリーニング機構を有する場合と比較して多量の導電性微粉体及び転写残トナーが帯電工程を通過することによる帯電性への影響、これら多量の導電性微粉体及び転写残トナーの現像工程における回収性、回収された導電性微粉体及び転写残トナーによるトナーの現像特性への影響に関して何ら考慮されていない。更に、接触帯電に直接注入帯電機構を適用した場合には、導電性微粉体が接触帯電部材に必要量供給されず、転写残トナーの影響による帯電不良を生じてしまう。
【0024】
また、近接帯電では、多量の導電性微粉体及び転写残トナーにより像担持体を均一帯電することが困難であり、転写残トナーのパターンをならす効果が得られないため転写残トナーのパターン画像露光を遮光するためのパターンゴーストを生ずる。更に、画像形成中の電源の瞬断或いは紙詰まり時にはトナーによる機内汚染が著しくなる。
【0025】
一方、特開平10−307454号公報(特許文献3)、特開平10−307457号公報(特許文献4)で開示されているように、帯電部材と像担持体とに速度差を設け、導電微粉体を介して直接注入帯電を行なう方式が提案されている。
【0026】
該公報では、帯電補助を目的とした導電性微粉体の存在により像担持体と接触帯電部材との帯電当接部において接触帯電部材は像担持体との速度差をもって接触できると同時に、導電性微粉体を介して密に像担持体に接触して、つまり接触帯電部材と像担持体の帯電当接部に存在する導電性微粉体が像担持体表面を隙間無く摺擦することで像担持体に電荷を直接注入できるのである。即ち接触帯電部材による像担持体の帯電は導電性微粉体の存在により直接注入帯電が支配的となる。
【0027】
従って、図4の帯電特性Bに示すように、従来のローラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、接触帯電部材に印加した電圧とほぼ同等の電位を像担持体に与えることができる。
【0028】
(トナー・リサイクル・プロセス=クリーナレス・システム)
転写方式の画像形成装置においては、転写後の像担持体に残存する転写残トナーはクリーナ(クリーニング装置)によって像担持体面から除去されて、廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが望ましい。そこでクリーナを無くし、転写後の感光体上の転写残トナーは現像装置によって「現像同時クリーニング」で像担持体上から除去し現像装置に回収・再利用する装置構成にしたトナー・リサイクル・プロセスの画像形成装置も出現している。
【0029】
現像同時クリーニングとは、転写後に像担持体上に残留したトナーを次工程以降の現像時、即ち引き続き像担持体を帯電し、露光して潜像を形成し、該潜像の現像時に、カブリ取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と像担持体の表面電位間の電位差であるカブリ取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以後に再利用されるため、廃トナーを無くし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0030】
以下、直接注入帯電とトナー・リサイクル・システムを組み合わせた画像形成方法について説明する。
【0031】
図3は直接注入帯電方式を用いた接触帯電装置3の実施形態例の模式図である。
【0032】
図3において、接触帯電装置3は、接触帯電部材として導電性弾性ローラ30(以下「帯電ローラ」と記す)を用いた装置であり、芯金31と、芯金31上に可撓性部材であるゴム或いは発泡体の中抵抗層32を形成することにより作成された帯電ローラ30と、帯電ローラ30の外周面(即ち中抵抗層32の外周面)に初期においては帯電ローラ30上に塗布され、その後は転写残トナー34と共に供給される導電性微粉体33と、帯電ローラ30に帯電バイアスを印加する帯電バイアス電圧印加電源S1とからなる。
【0033】
帯電ローラ30は像担持体としての感光体1に対し略平行にして芯金31の両端部を軸受けさせ、中抵抗層32の弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し、帯電ローラ30と感光体1の当接部である帯電当接部を形成させる。この帯電当接部幅nは特に制限されるものではないが、導電性弾性ローラと像担持体の安定して密な密着性を得るため1mm以上、より好ましくは2mm以上が良い。
【0034】
この帯電ローラ30は、帯電当接部において感光体1の回転方向とは逆方向である矢示の時計方向、或いは帯電当接部において感光体1の回転方向と順方向である反時計方向に回転駆動され、感光体1面が帯電当接部において導電性微粉体33を保持した中抵抗層32で摺擦される。
【0035】
そして帯電バイアス電圧印加電源S1により帯電ローラ30を介して導電性微粉体33に対して所定の帯電バイアスが所定の極性・電位の直流電圧(V直流単独:直流印加方式)、或いは交番電圧Vを重畳した振動電圧(V直流+V交流:交流印加方式)で印加され、回転駆動されている感光体1の外周面が直接注入帯電方式にて所定の極性・電位に均一帯電される。
【0036】
次に、トナー母粒子に導電粒子である導電性微粉体33を外部添加した場合の画像形成プロセス中でのトナー母粒子及び導電性微粉体33の挙動を説明する。
【0037】
トナーに含有させた導電性微粉体33は、現像工程(不図示)における感光体1上の静電潜像の現像時にトナー母粒子とともに適当量が感光体1に移行する。
【0038】
感光体1上のトナー画像は転写工程(不図示)において記録媒体(不図示)に転移する。感光体1上の導電性微粉体33も一部は記録媒体に付着するが残りは感光体1上に付着保持されて残留する。トナーと逆極性の転写バイアスを印加して転写を行う場合には、トナーは記録媒体側に引かれて積極的に転移するが、感光体1上の導電性微粉体33は導電性であることで記録媒体側には積極的には転移せず、一部は記録媒体側に付着するものの残りは感光体1上に付着保持されて残留する。
【0039】
クリーナを用いない画像形成方法では、転写後の感光体1表面に残存の転写残トナー34および上記の残存導電性微粉体33は、感光体1と帯電ローラ30の当接部である帯電部に感光体1の移動でそのまま持ち運ばれて帯電ローラ30に付着・混入する。
【0040】
従って、感光体1と帯電ローラ30との当接部に導電性微粉体33が介在した状態で感光体1の直接注入帯電が行なわれる。
【0041】
この導電性微粉体33の存在により、帯電ローラ30への転写残トナー34の付着・混入による汚染にかかわらず、帯電ローラ30の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、帯電ローラ30による感光体1の帯電を良好に行なわせることができる。
【0042】
また、帯電ローラ30に付着・混入した転写残トナー34は、帯電ローラ30から感光体1へ印加される帯電バイアスによって、帯電バイアスと同極性に帯電を揃えられて帯電ローラ30から徐々に感光体1上に吐き出され、感光体1の移動とともに現像部に至り、現像工程において現像同時クリーニング(回収)される。
【0043】
更に、画像形成が繰り返されることで、トナーに含有させてある導電性微粉体33が、現像部で感光体1に移行し感光体1の移動により転写部を経て帯電部に持ち運ばれて帯電部に逐次に導電性微粉体が供給され続けるため、帯電部において導電性微粉体33が脱落等で減少したり、劣化するなどしても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定して維持される。
【0044】
この直接注入帯電方式を用い、像担持体として有機感光体(OPC)上に導電性微粒子を分散させた表層を有するものや、アモルファスシリコン系感光体(a−Si)などを用いれば、像担持体への帯電がコロナ帯電器を用いて行なわれるような放電現象を利用しないので完全なオゾンレス、かつ、低電力消費型帯電が可能となる。
【0045】
【特許文献1】
特公平7−99442号公報
【特許文献2】
特開平5−150539号公報
【特許文献3】
特開平10−307454号公報
【特許文献4】
特開平10−307457号公報
【0046】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像形成装置において、像担持体としての感光体1の帯電手段として前述した直接注入帯電を用いたローラ帯電方式にも克服すべき特有の諸問題が存在する。その一つに、以下のような問題があった。
【0047】
文字画像のような低比率の画像ではなく、ベタや写真画像のような高比率の画像を取り続けると、転写残トナー34が文字画像形成時よりも多いために、帯電ローラ30が転写残トナー34と接触する機会が多くなり、帯電ローラ30が転写残トナー34で汚染され、帯電不良となってしまうということである。
【0048】
即ち、帯電ローラ30に付着・混入した転写残トナー34は、帯電ローラ30から感光体1へ印加される帯電バイアスによって、帯電バイアスと同極性に帯電を揃えられて帯電ローラ30から徐々に感光体1上に吐き出されるが、付着・混入した転写残トナー34量と吐き出された転写残トナー34量との関係が
付着・混入した転写残トナー34>吐き出された転写残トナー34
となるために、導電性微粉体33が帯電ローラ30の感光体1への緻密な接触性を維持できなくなり、帯電ローラ30による感光体1の帯電が良好に行なえなくなる。従って、上記の帯電不良を防止し、高比率の画像を出力し続けても、長期に渡って安定した帯電が行える画像形成装置が求められていた。
【0049】
本発明の目的は、上記の帯電不良を防止し、高比率の画像を出力し続けても、長期に渡って安定した帯電が行える画像形成装置を提供することにある。
【0050】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材であって、前記像担持体に接触して設けられ電圧が印加される帯電部材と、前記像担持体に形成された現像剤像が受像部材へ転写された後で前記像担持体が前記帯電部材により帯電される前に、前記像担持体を除電する除電手段と、を有し、前記帯電部材に付着した現像剤を前記像担持体へ移動可能な画像形成装置において、前記帯電部材によって前記像担持体へ画像形成用の帯電を行なう前と、前記帯電部材に付着した現像剤を前記像担持体へ移動させる前と、で、前記除電手段による除電条件を可変に制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て重量部である。
【0052】
(導電性微粉体)
一次粒子径0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子を圧力により造粒して得られた粒子を風力分級して得られた、体積平均粒径1.5μm、粒度分布における0.5μm以下が35体積%、5μm以上が0個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗1500Ω・cm、透過率35%)を導電粒子である導電性微粉体1とする。
【0053】
この導電性微粉体1は、走査型電子顕微鏡にて300倍及び3万倍で観察したところ、0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子と1〜4μmの凝集体からなっていた。
【0054】
実施例の画像形成装置で画像露光に用いられるレーザービームスキャナの露光光波長740nmにあわせて、波長740nmの光源を用いて、この波長域における透過率をX−Rite社製310T透過型濃度計を用い測定したところ、この導電性微粉体1の透過率はおよそ35%であった。
【0055】
次に、本発明の画像形成装置の実施例に用いる帯電部材の製造例について述べる。
【0056】
(帯電部材の製造例)
直径6mm、264mmのSUSローラを芯金とし、芯金上にウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整え、可撓性部材として直径12mm、234mmの帯電ローラを作成した。
【0057】
得られた帯電ローラは、抵抗が105Ω・cmであり、硬度は、アスカーC硬度で30度であった。
【0058】
(アモルファスシリコン系感光体)
VHF−PCVD法によるバッファありマイナス帯電ドラム
図5に記載のVHFによるプラズマCVD装置を用いて表1に示した条件により円筒形のAL(アルミニウム)基体上に下部阻止層、光導電層、バッファ層、表面層を順次積層し、負帯電で用いられる光受容部材を完成させた。
【0059】
【表1】
【0060】
[実施例1]
以下、本発明の画像形成装置を電子写真方式の複写機に適用した場合について詳細に説明する。
【0061】
図2は画像形成装置の概略断面図、図3は接触帯電装置の模式図である。
【0062】
図2において、コピー開始信号が入力されると像担持体であるアモルファスシリコン感光体(a−Si)である感光体1が矢印方向に回転され、像担持体を除電する除電手段としての前露光ランプ8で均一に除電を受けた後、帯電器3により所定の電位になるように一様に帯電される。
【0063】
ここで、感光体1は回転ドラム型の電子写真感光体で、本実施例は直径30mmの交流:H(アモルファスシリコン系感光体、図5(c)の層構成)を用いており、矢示の時計方向に100mm/secプロセス・スピード(周速度)をもって回転駆動される。
【0064】
帯電器3は感光体1に当接された接触帯電部材としてのローラ帯電器3であり、帯電当接部において感光体1の回転方向とは逆方向である矢示の時計方向に回転駆動され、感光体1面が帯電当接部において導電粒子である導電性微粉体33を保持した帯電ローラ30で摺擦される。このローラ帯電器3には帯電バイアス電圧印加電源S1により帯電ローラ30の芯金31に対して直流電圧−500Vの帯電バイアスが印加されていて、直接注入帯電によって感光体1の外周面がほぼ−450Vに一様に帯電される。
【0065】
一方、リーダ部では、原稿台10上におかれた原稿Gに対し原稿照射用ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサが一体のユニット9となって原稿を照射しながら走査することにより、その照明走査光の原稿面反射光が短焦点レンズアレイによって結像されてCCDセンサに入射される。CCDセンサは受光部、転送部、出力部より構成されている。CCD受光部において光信号が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。得られたアナログ信号は周知の画像処理を行なわれデジタル信号に変換されプリンタ部に送られる。
【0066】
プリンタ部において、この感光体1の帯電面に対して、固体レーザ素子、高速で回転するポリゴン・ミラー等を含むレーザ露光手段2から出力される上記の画像情報のデジタル信号に対応して強度変調されたレーザビームによる走査露光Eがなされ、感光体1の周面に対して原稿画像の画像情報に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像は磁性一成分絶縁トナーを用いた現像手段である現像器4によりトナー像として現像される。41はマグネット・ローラ42(不図示)を内包する直径16mmの非磁性の現象スリーブであり、この現象スリーブ41に上記ネガトナーをコートし、感光体1表面との距離を200μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ41に現像バイアス電源S2(不図示)より現像バイアス電圧を印加する。印加電圧は、−350Vの直流電圧と、周波数1.8MHz、ピーク間電圧1.6kVの矩形の交流電圧を重畳したものを用い、現像スリーブ41と感光体1の間でジャンピング現象を行なわせる。
【0067】
一方、給紙部から受像部材である記録材としての転写材Pが供給されて、感光体1と、これに所定の押圧力で当接させた転写手段としての、中抵抗の転写ローラ7との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイミングにて導入される。転写ローラ7には転写バイアス印加電源S3(不図示)から所定の転写バイアス電圧が印加される。
【0068】
本実施例では転写ローラ抵抗値は5×108Ωのものを用い、+2000Vの直流電圧を印加して転写を行った。
【0069】
転写部Tに導入された転写材Pはこの転写部Tを挟持搬送されて、その表面側に感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写されていく。
【0070】
更に、トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置6へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0071】
なお、本実施例の電子写真装置は、感光体1、ローラ帯電器3、現像装置4の4つのプロセス機器をカートリッジ11に包含させて、画像形成装置本体に対して一括してカートリッジ11が着脱交換自在の装置であるが、これに限るものではない。
【0072】
次に、本実施例において用いたローラ帯電器3について説明する。
【0073】
図3において、接触帯電装置3は、接触帯電部材として導電性弾性ローラ30(以下「帯電ローラ」と記す)を用いた装置であり、芯金31と、芯金31上に可撓性部材であるゴム或いは発泡体の中抵抗層32を形成することにより作成された帯電ローラ30と、帯電ローラ30の外周面(即ち中抵抗層32の外周面)に初期においては帯電ローラ30上に塗布され、その後は転写残トナー34と共に供給される導電性微粉体33と、帯電ローラ30に帯電バイアスを印加する帯電バイアス電圧印加電源S1とからなる。
【0074】
帯電ローラ30は像担持体としての感光体1に対し略平行にして芯金31の両端部を軸受けさせ、中抵抗層32の弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し、帯電ローラ30と感光体1の当接部である帯電当接部を形成させる。この帯電当接部幅nは特に制限されるものではないが、導電性弾性ローラと像担持体の安定して密な密着性を得るため1mm以上、より好ましくは2mm以上が良い。
【0075】
この帯電ローラ30は、帯電当接部において感光体1の回転方向とは逆方向である矢示の時計方向、或いは帯電当接部において感光体1の回転方向と順方向である反時計方向に回転駆動され、感光体1面が帯電当接部において導電性微粉体33を保持した中抵抗層32で摺擦される。
【0076】
そして帯電バイアス電圧印加電源S1により帯電ローラ30を介して導電性微粉体33に対して所定の帯電バイアスが所定の極性・電位の直流電圧(V直流単独:直流印加方式)、或いは交番電圧Vを重畳した振動電圧(V直流+V交流:交流印加方式)で印加され、回転駆動されている感光体1の外周面が直接注入帯電方式にて所定の極性・電位に均一帯電される。
【0077】
更に、トナー母粒子に導電性微粉体33を外部添加してもよく、その場合の画像形成プロセス中でのトナー母粒子及び導電性微粉体33の挙動を説明する。
【0078】
トナーに含有させた導電性微粉体33は、現像工程(不図示)における感光体1上の静電潜像の現像時にトナー母粒子とともに適当量が感光体1に移行する。
【0079】
感光体1上のトナー画像は転写工程(不図示)において記録媒体(不図示)に転移する。感光体1上の導電性微粉体33も一部は記録媒体に付着するが残りは感光体1上に付着保持されて残留する。トナーと逆極性の転写バイアスを印加して転写を行う場合には、トナーは記録媒体側に引かれて積極的に転移するが、感光体1上の導電性微粉体33は導電性であることで記録媒体側には積極的には転移せず、一部は記録媒体側に付着するものの残りは感光体1上に付着保持されて残留する。
【0080】
本実施例において専用のクリーニング装置が存在しないクリーナレス方式であり、転写後の感光体1表面に残存の転写残トナー34および上記の残存導電性微粉体33は、感光体1と帯電ローラ30の当接部である帯電部に感光体1の移動でそのまま持ち運ばれて帯電ローラ30に付着・混入する。
【0081】
従って、感光体1と帯電ローラ30との当接部に導電性微粉体33が介在した状態で感光体1の直接注入帯電が行なわれる。
【0082】
この導電性微粉体33の存在により、帯電ローラ30への転写残トナー34の付着・混入による汚染にかかわらず、帯電ローラ30の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、帯電ローラ30による感光体1の帯電を良好に行なわせることができる。従って、帯電ローラ30と導電性微粉体30とによって、帯電当接部における感光体へ注入帯電性を向上させることができる。
【0083】
また、帯電ローラ30に付着・混入した転写残トナー34は、帯電ローラ30から感光体1へ印加される帯電バイアスの作用や導電性粉体33との摩擦帯電によって、帯電バイアスと同極性に帯電を揃えられて帯電ローラ30から徐々に感光体1上に吐き出される。従って、導電性微粉体33は、トナーに対して、トナーを正規の極性に摩擦帯電する特性を備える材料であるのが良い。帯電ローラ30から吐き出されたトナーを担持する感光体は、さらにレーザ光を照射されることにより、静電潜像が形成され、感光体1上に吐き出されたトナーは、感光体1の移動とともに現像部に至り、現像工程において現像同時クリーニング(回収)される。
【0084】
更に、画像形成が繰り返されることで、トナーに含有させてある導電性微粉体33が、現像部で感光体1に移行し感光体1の移動により転写部を経て帯電部に持ち運ばれて帯電部に逐次に導電性微粉体が供給され続けるため、帯電部において導電性微粉体33が脱落等で減少したり、劣化するなどしても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定して維持される。
【0085】
以下、本実施例において用いた帯電ローラ汚染防止の制御方法について説明する。
【0086】
図1は本実施例における画像形成装置でのローラ帯電装置3の吐き出しの動作の制御方法を示すシーケンス・チャートである。
【0087】
図1において、画像形成に先立って行なわれる前回転処理で、感光体1が駆動され、次いで帯電ローラ30に付着した転写残トナー34を積極的に帯電ローラ30から感光体1へ移動させるために前露光ランプ8の点灯電圧を36V(光量として通常画像形成時の1.5倍になるように設定)で点灯し、ローラ帯電器3の順で制御が開始され、帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給される高圧は、直流成分(−500V)が印加される。帯電ローラ30への高圧立ち上げ制御が終了した時点(破線A)で、帯電ローラ30からの転写残トナー34の吐き出しシーケンスに移行し、所定時間の吐き出し動作後、前回転時の吐き出しシーケンスを終了(破線B)して、画像形成前に前露光ランプ8の点灯電圧を画像形成用の24Vに切り換える。また、画像形成終了後(破線C)、いわゆる後回転処理で、前露光ランプ8の点灯電圧を再び36Vに切り換え、吐き出しシーケンスが再開され、所定時間の吐き出し動作後、後回転の吐き出しシーケンスを終了(破線D)して、帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給されている直流成分が落とされ、帯電ローラ30、前露光ランプ8、感光体1の順で動作が停止される。
【0088】
ここで、前露光ランプ8の点灯電圧に対し、帯電バイアス電圧印加電源S1から−500Vの直流成分が印加された帯電ローラ30での帯電工程通過後の帯電電位を図6に示す。通常、画像形成ではゴーストを除去するのに十分な光量かつ十分な帯電電位となるような光量設定を行っているが(ここでは24V)、本発明では前露光ランプへの点灯電圧(すなわち光量)が増大するに従って暗減衰と呼ばれる現象により十分な帯電電位を確保することができなくなる現象を利用し、帯電工程後の帯電ローラ30と感光体1との電位差を用いて積極的に吐き出すようにしている。即ち、帯電部材30によって感光体1へ画像形成用の帯電を行なう前と、帯電部材30に付着した現像剤を感光体1へ移動させる前と、で、除電手段である前露光ランプ8による除電条件(露光量)を可変に制御しているのである。
【0089】
このように、画像形成時よりも帯電ローラ30の吐き出しシーケンス時において、前露光ランプによる光量を大きくすると、帯電ローラ30に印加される電圧と帯電ローラ30によって帯電される感光体1の表面電位との電位差が、大きくなるので、この電位差によって帯電ローラ30から感光体1へのトナーの吐き出し性を向上することができる。
【0090】
以上のようなローラ帯電器3において、吐き出しを画像形成時以外で行なうことで、高比率の画像を通紙耐久した時、従来1万枚で帯電不良が発生していたが、4万枚行なっても、帯電ローラ30の転写残トナー34による汚染が見られることなく初期の帯電性能を維持させることができた。また、これによる問題点であった転写残トナー34が帯電ローラから画像形成域に吐き出されてくることに起因するカブリも防止することができた。
【0091】
[実施例2]
図7は本発明の第2の実施例を説明するための画像形成時でのローラ帯電装置3の吐き出しの制御方法を示すシーケンス・チャートである。
【0092】
以下、画像形成装置の構成及び動作、帯電装置の構成等は前述しているため省略し、実施例1とは異なっている装置における吐き出しシーケンスについて述べる。
【0093】
図7において、画像形成に先立って行なわれる前回転処理で、感光体1が駆動され、次いで帯電ローラ30に付着した転写残トナー34を積極的に帯電ローラ30から感光体1へ移動させるために前露光ランプ8の点灯電圧を36V(光量として1.5倍になるように設定)で点灯し、ローラ帯電器3の順で制御が開始され、帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給される高圧は、実施例1よりも帯電ローラ30と帯電工程終了後の感光体1の帯電電位の電位差を大きくし積極的に吐き出しを行うために、画像形成時よりも大きい直流成分(−700V)が印加される。帯電ローラ30への高圧立ち上げ制御が終了した時点(破線A)で、転写残トナー34の吐き出しシーケンスに移行し、所定時間の吐き出し動作後、前回転時の吐き出しシーケンスを終了(破線B)する。即ち、吐き出しシーケンス時において、帯電ローラ30に印加される電圧を、本実施例2では実施例1に比べて大きくしている(−700V)ので、帯電ローラ30に印加される電圧と帯電ローラ30によって帯電される感光体1の表面電位との電位差も大きくなり帯電ローラ30からのトナー吐き出し性も向上する。
【0094】
その後、画像形成前に前露光ランプ8の点灯電圧を画像形成用の24Vに、また帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給される高圧は−500Vに切り換える。画像形成終了後(破線C)、いわゆる後回転処理で、前露光ランプ8の点灯電圧を再び36Vに、また帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給される高圧は−700Vに切り換え、吐き出しシーケンスが再開され、所定時間の吐き出し動作後、後回転の吐き出しシーケンスを終了(破線D)して、帯電バイアス電圧印加電源S1から帯電ローラ30へ供給されている直流成分が落とされ、帯電ローラ30、前露光ランプ8、感光体1の順で動作が停止される。
【0095】
以上のようなローラ帯電器3において、吐き出しを画像形成時以外で行なうことで、高比率の画像を通紙耐久した時、従来1万枚で帯電不良が発生していたが、4万枚行なっても、帯電ローラ30の転写残トナー34による汚染が見られることなく初期の帯電性能を維持させることができた。また、これによる問題点であった転写残トナー34が帯電ローラから画像形成域に吐き出されてくることに起因するカブリも防止することができた。
【0096】
以上の実施例では帯電ローラ30へ供給される高圧を直流成分のみとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、積極的な電位差を利用するという点で直流成分に交流成分を重畳したものにおいても効果があることは言うまでもない。
【0097】
また、転写残トナー34の吐き出しモードは前回転、後回転での制御として説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、紙間においての実施がさらに効果的なのは言うまでもない。
【0098】
以下、本発明に用いることができる帯電部材、導電性微粉体、感光体に関して説明する。
【0099】
本発明における画像形成方法の帯電工程は、像担持体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して像担持体面を所定の極性・電位に帯電させる接触帯電装置を用いている。接触帯電部材に対する印加帯電バイアスは直流電圧のみでも良好な帯電性を得ることが可能であるが、直流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0100】
交番電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波であっても良い。このように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0101】
ただし、注入帯電方式の帯電装置を用いる場合においては、交流電圧のピーク間電圧は、放電開始電圧Vthの2倍よりも小さくするのが良い。この放電開始電圧とは、図4に示す放電閾値のことであり、被帯電体(感光体)の帯電が開始する印加直流電圧値であるが、例えば、帯電当接部に導電粒子を設けて帯電を行なう場合には、帯電当接部に導電粒子がない状態で放電閾値を測定すれば良い。
【0102】
本発明においては、帯電部材が、帯電部材と像担持体との間に導電性微粉体を介在させる当接部を設ける上で弾性を有することが好ましく、帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電するために導電性であることが好ましい。従って、帯電部材は導電性弾性ローラ、磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラシ部を有し該磁気ブラシ部を像担持体に接触させた磁気ブラシ接触帯電部材或いは導電性繊維から構成されるブラシであることが好ましい。
【0103】
導電性弾性ローラの硬度は、硬度が低すぎると形状が安定しないために像担持体との接触性が悪くなり、更に、帯電部材と像担持体との当接部に導電性微粉体を介在させることで導電性弾性ローラ表層を削り或いは傷つけ、安定した帯電性が得られない。また、硬度が高すぎると像担持体との間に帯電当接部を確保できないだけでなく、像担持体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で25度から50度が好ましい範囲である。
【0104】
導電性弾性ローラは弾性を持たせて像担持体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する像担持体を充電するに例えば、導電性弾性ローラは可撓性部材としてのゴムあるいは発泡体の中抵抗層を形成することにより作成される。中抵抗層は樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金31の上にローラ状に形成する。その後必要に応じて切削、表面を研磨して形状を整え導電性弾性ローラを作成することができる。なお、該ローラ表面は導電性微粉体を介在させるために微少なセルまたは凹凸を有していることが好ましい。
【0105】
導電性弾性ローラの材質としては、弾性発泡体に限定するものでは無く、弾性体の材料として、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものがあげられる。また、導電性物質を分散せずに、或いは導電性物質と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0106】
接触帯電部材は可撓性を有していることが接触帯電部材と像担持体の当接部において導電性微粉体が像担持体に接触する機会を増加させ、高い接触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点で好ましく良い。つまり、接触帯電部材が導電性微粉体を介して密に像担持体に接触して、接触帯電部材と像担持体の当接部に存在する導電性微粉体が像担持体表面を隙間なく摺擦することで、接触帯電部材による像担持体の帯電は帯電促進粒子の存在により放電現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となる。
【0107】
導電性弾性ローラは弾性を持たせて像担持体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する像担持体を充電するに十分低い抵抗を有する電極として機能することが重要である。一方では像担持体にピンホールなどの欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。像担持体として電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには103〜108Ωの抵抗であることが良く、より好ましくは104〜107Ωの抵抗であることが良い。該ローラの抵抗は、該ローラの芯金に総圧1kgの加重がかかるようφ30mmの円筒状アルミドラムに該ローラを圧着した状態で、芯金とアルミドラムとの間に100Vを印加し、計測した。
【0108】
帯電部材と像担持体との速度差は、具体的には帯電部材面を移動駆動して像担持体との間に速度差を設けることになる。好ましくは帯電部材を回転駆動し、さらにその回転方向は像担持体表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成するのがよい。
【0109】
帯電部材面を像担持体表面の移動方向と同じ方向に移動させて速度差を持たせることも可能であるが、直接注入帯電の帯電性は像担持体の周速と帯電部材の周速の比に依存するため、逆方向と同じ周速差を得るには順方向では帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて大きくなるので、帯電部材を逆方向に移動させる方が回転数の転で有利である。ここで記述した相対移動速度比は
相対移動速度比(%)=(帯電部材周速−像担持体周速)/像担持体周速×100
である(帯電部材周速は帯電当接部において帯電部材表面が像担持体表面と同じ方向に移動する時、正の値である)。
【0110】
更に、帯電当接部を形成する帯電部材の表面の移動速度と像担持体の表面の移動速度には、相対的速度差を設けることで、接触帯電部材と像担持体の当接部において導電性微粉体が像担持体に接触する機会を格段に増加させ、より高い接触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点で好ましく良い。
【0111】
接触帯電部材と像担持体との当接部に導電性微粉体を介在させることにより、導電性微粉体の潤滑効果(摩擦低減効果)により接触帯電部材と像担持体との間に大幅なトルクの増大及び接触帯電部材及び像担持体表面の顕著な削れ等を伴うことなく速度差を設けることが可能となる。
【0112】
像担持体と接触帯電部材との当接部における導電性微粉体の介在量は、少なすぎると、該粒子による潤滑効果が十分に得られず、像担持体と接触帯電部材との摩擦が大きくて接触帯電部材を像担持体に速度差を持って回転駆動させることが困難である。つまり、駆動トルクが過大となるし、無理に回転させると接触帯電部材や像担持体の表面が削れてしまう。更に導電性微粉体による接触機会増加の効果が得られないこともあり十分な帯電性能が得られない。一方、介在量が多過ぎると、導電性微粉体の接触帯電部材からの脱落が著しく増加し作像上に悪影響が出る。
【0113】
(導電性微粉体)
a)含有量
導電性微粉体のトナー全体に対する含有量は、1〜10重量%であることが好ましく良い。導電性微粉体のトナー全体に対する含有量が1重量%よりも少ないと、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行なわせるのに十分な量の導電性微粉体を、帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電性が低下し帯電不良を生じる。また、含有量が10重量%よりも多い場合では、現像同時クリーニングによって回収される導電性微粉体が多くなりすぎることによる現像部でのトナーの帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。導電性微粉体のトナー全体に対する含有量は、1.5〜5重量%であることが好ましく良い。
【0114】
b)抵抗
また、導電性微粉体の体積固有抵抗は、109Ω・cm以下である。導電性微粉体の抵抗が、109Ω・cmよりも大きいと導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在させ、接触帯電部材の導電性微粉体を介しての像担持体への緻密な接触性を維持させても、良好な帯電性を得るための帯電促進効果が得られない。
【0115】
導電性微粉体の帯電促進効果を十分に引き出し、良好な帯電性を安定して得るためには、導電性微粉体の抵抗が、接触帯電部材の表面部或いは像担持体との接触部の抵抗よりも小さいことが好ましい。
【0116】
更に、導電性微粉体の体積固有抵抗が、106Ω・cm以下であることが、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電をより良好に行なわせる上で好ましく良い。
【0117】
一方、導電性微粉体の抵抗が、10−1Ω・cm以上であることが、該微粉末が帯電し非画像部に現像され帯電を促進するために好ましい。
【0118】
c)平均粒径
導電性微粉体の体積平均粒子径は0.5〜10μmであることが好ましく良い。導電性微粉体の平均粒子径が小さいと、現像性の低下を防ぐために導電性微粉体のトナー全体に対する含有量を小さく設定しなければならない。導電性微粉体の平均粒子径が0.5μm未満では、導電性微粉体の有効量を確保できず、帯電工程において、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行なわせるのに十分な量の導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電不良を生じ易くなる。この観点から、導電性微粉体の平均粒子径は好ましくは0.8μm以上、更に好ましくは1.1μm以上、5μm未満が良い。
【0119】
また、導電性微粉体の平均粒子径が10μmよりも大きいと、帯電部材から脱落した導電性微粉体は静電潜像を書き込む露光光を遮光或いは拡散し、静電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させる。更に、導電性微粉体の平均粒子径が大きいと、単位重量当りの粒子数が減少するため、帯電部材からの導電性微粉体の脱落等による減少、劣化を考慮して導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に逐次に導電性微粉体が供給し続け介在させるために、また、接触帯電部材が導電性微粉体を介して像担持体への緻密な接触性を維持し良好な帯電性を安定して得るためには、導電性微粉体のトナー全体に対する含有量を大きくしなければならない。しかし、導電性微粉体の含有量を大きくしすぎると、特に高湿環境下でのトナー全体としての帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。このような観点から、導電性微粉体の平均粒子径は好ましくは5μm以下が良い。
【0120】
d)光透過性
また、導電性微粉体は、透明、白色或いは淡色の導電性微粉体であることが、転写材上に転写される導電性微粉体がカブリとして目立たないため好ましく良い。潜像形成工程における露光光の妨げとならない意味でも導電性微粉体は、透明、白色或いは淡色の導電性微粉体であることがよく、より好ましくは、導電性微粉体の露光光に対する透過率が30%以上であることが良い。
【0121】
本発明においては、粒子の光透過性については以下の手順で測定した。片面に接着層を有する透明のフィルムの導電性微粉体を一層分固定した状態で透過率を測定する。光はシートの鉛直方向から照射しフィルム背面に透過した光を集光し光量を測定した。フィルムのみと粒子を付着したときの光量から正味の光量として粒子の透過率を算出した。実際にはX−Rite社製310T透過型濃度計を用いて測定した。
【0122】
e)材料
本発明における導電粒子としての導電性微粉体としては、例えばカーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉末;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化すず、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれらの複合酸化物などが必要に応じて粒度及び粒度分布を調整することで使用できる。これらの中でも酸化亜鉛、酸化すず、酸化チタン等の無機酸化物微粒子が特に好ましい。
【0123】
また、導電性無機酸化物の抵抗値を制御する等の目的で、アンチモン、アルミニウムなどの元素をドープした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粒子なども使用できる。例えば酸化スズ・アンチモンで表面処理された酸化チタン微粒子、アンチモンでドープされた酸化第二スズ微粒子、あるいは酸化第二スズ微粒子などである。
【0124】
(測定方法)
a)平均粒径および粒度分布
本発明における導電性微粉体の平均粒径及び粒度分布の測定には、コールター社製、LS−230型レーザ回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取付けて0.04〜2000μmの測定範囲で測定した。測定法としては、純水10ccに微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微粉体の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザー)にて10分間分散した後、測定時間90秒、測定回数1回で測定し、その結果を元に体積平均粒径を算出した。
【0125】
本発明において、導電性微粉体の粒度及び粒度分布の調整方法としては、導電性微粉体の一次粒子が製造時において所望の粒度及び粒度分布が得られるように製造法、製造条件を設定する方法以外にも、一次粒子の小さな粒子を凝集させる方法、一次粒子の大きな粒子を粉砕する方法或いは分級による方法等が可能であり、更には、所望の粒度及び粒度分布の基材粒子の表面の一部もしくは全部に導電性粒子を付着或いは固定化する方法、所望の粒度及び粒度分布の粒子に導電性成分が分散された形態を有する導電性微粉体を用いる方法等も可能であり、これらの方法を組み合わせて導電性微粉体の粒度及び粒度分布を調整することも可能である。
【0126】
導電性微粉体の粒子が凝集体として構成されている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径として定義される。導電性微粉体は、一次粒子の状態で存在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在することも問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体として帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在し、帯電補助或いは促進の機能が実現できればその形態は問わない。
【0127】
b)抵抗
本発明において、導電性微粉体の抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求めた。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に凡そ0.5gの粉体試料を入れ上下電極に15kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0128】
ここで、本例に用いた感光体に関して説明する。
【0129】
直接注入帯電方式には、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、望ましくは、有機感光体上にその抵抗が109〜1014Ω・cmの材質を有する表面層を持つものや、アモルファスシリコン系感光体などを用いると、電荷注入帯電を実現でき、オゾン発生の防止、ならびに消費電力の低減に効果がある。また、帯電性についても向上させることが可能となる。
【0130】
(有機感光体(OPC))
帯電ローラ33に対向する積層型感光体の感光層の構成としては、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層したものを用いている。導電性支持体は導電性を有するものであれば、いずれのものでもよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属をドラムあるいはシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムあるいは紙等が挙げられる。
【0131】
これらの導電性支持体の上に形成する感光層の塗工方法はスプレーコーティング、ビームコーティング及び浸漬コーティング等の方法が用いられる。その際、通常導電性支持体を固定して支持することが必要であり、その指示部材に塗工液が付着しないように維持するために、支持体端部に未塗工領域が残る場合がある。また、端部まで塗工する場合、塗工液が縁にだれる場合が生じる。感光体を本体に支持するために装着する端部支持部材であるフランジが正しい角度で装着され、感光体のアライメント精度を維持するためには導電性支持部材端部の研磨行程が必要となるため、感光体製造上はできる限り未塗工領域の存在を許容することが望ましい。
【0132】
本例においては、負帯電の有機感光体で、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体上に下記の第1〜第5の5つの層を下から順に設けた感光ドラムを用いた。
【0133】
第1層は下引き層であり、アルミニウム基体(以下アルミ基体と称する)の欠陥等をならすために設けられている厚さ20μmの導電層である。
【0134】
第2層は正電荷注入防止層であり、アルミ基体から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×106Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層である。
【0135】
第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0136】
第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0137】
第5層は電荷注入層であり、絶縁性樹脂のバインダーにSnO2超微粒子を分散した材料の塗工層である。具体的には絶縁性樹脂に光透過性の絶縁フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径約0.03μmのSnO2粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の塗工層である。
【0138】
このように調合した塗工液をディッピング塗工法にて厚さ約4μmに塗工して電荷注入層とした。この際、感光体の奥側端部に5mmの感光層未塗工領域が存在した。
【0139】
(アモルファスシリコン系感光体(a−Si))
電子写真において、感光体における感光層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の場合には、大量に、且つ長期にわたり使用される事を考えると、画質、画像濃度の長期安定性も重要な点である。
【0140】
この様な点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記載されている。
【0141】
このような画像形成装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
【0142】
また、特開昭54−83746号公報においては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されている。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることができるとしている。
【0143】
また、特開昭57−115556号公報には、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が記載されている。
【0144】
更に、特開昭60−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての技術が記載され、特開昭62−168161号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0145】
また更に、特開昭57−158650号公報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2100cm−1と2000cm−1の吸収ピークの吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置用感光体が得られることが記載されている。
【0146】
一方、特開昭60−95551号公報には、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行なうことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示されている。
【0147】
これらの技術により、画像形成装置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0148】
図5は、本例の画像形成装置用感光体の層構成を説明するための模式的構成図である。
【0149】
図5(a)に示す画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層203で構成されている。
【0150】
図5(b)は、本例の画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層203と、アモルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204とから構成されている。
【0151】
図5(c)は、本例の画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202はa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層203と、アモルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204と、光導電層203と支持体201の間のアモルファスシリコン系電荷注入阻止層205、また光導電層203と表面層204との間の同205’とから構成されている。
【0152】
図5(d)及び(e)は、本例の画像形成装置用感光体のさらに他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202は光導電層203を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層207ならびに電荷輸送層208と、アモルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204と、光導電層203と支持体201の間、及び/または光導電層203と電荷注入阻止層に電荷注入阻止層205、205’とから構成されている。
【0153】
図5(f)は、本例の画像形成装置用感光体のさらに他の層構成を説明するための模式的構成図である。画像形成装置用感光体200は、感光体用としての支持体201の上に、感光層202が設けられている。該感光層202は光導電層203を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層207ならびに電荷輸送層208と、アモルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204とから構成されている。特に図示はしていないが、光導電層203と支持体201の間、及び/または光導電層203と電荷注入阻止層に電荷注入阻止層205、205’があっても良い。
【0154】
a)支持体
支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
【0155】
b)光導電層
本例に於いて、その目的を効果的に達成するために支持体201上、必要に応じて下引き層(不図示)上に形成され、感光層202の一部を構成する光導電層203は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成される。具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、所望の特性を有する画像形成装置用感光体を製造するに当たっての条件の制御が比較的容易であることからしてグロー放電法、特にRF帯、μW帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放電法が好適である。
【0156】
グロー放電法によって光導電層203を形成するには、基本的には周知のごとくシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体201上にa−Si:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0157】
また本例において使用されるハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。
【0158】
一般にa−Siは伝導性を制御する原子を含有させない場合、弱いn型伝導特性を有するため、本発明のネガa−Siにおいては、伝導性を制御する原子を含有(ドープ)させなくても良いが、i型にする為、あるいは製造安定性のラチチュードを広げる為等、必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させてもよい。
【0159】
前記伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0160】
第IIIb族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
【0161】
第Vb族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
【0162】
c)表面層
本例においては、上述のようにして支持体201上に形成された光導電層203の上に、更にアモルファスシリコン系及び/またはアモルファスカーボン系の表面層204を形成することが好ましい。この表面層204は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
【0163】
表面層204は、アモルファスシリコン系の材料であればいれずれの材質でも可能であるが、例えば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられる。
【0164】
該表面層204は、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法など周知の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用される。
【0165】
本例に於ける表面層204の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる場合がある。
【0166】
その他に、表面層として炭素を主体とした非晶質炭素膜(以下「交流:H」と表記する)を使用することが好ましい。さらに、内部且つ/又は最表面にフッ素との結合を有する非晶質炭素膜(以下「交流:H:F」と表記する)を使用することが好ましい。
【0167】
交流:Hは撥水性に優れ、低摩擦であり、また、a−SiCと同等乃至はそれ以上の高硬度で有り、環境対策ヒーターを除去した状態においても高湿環境下での画像のぼけを防止する効果がある。また、帯電促進粒子や磁性粒子の機械的な摩擦による感光体への移動や感光体の摩耗を低減できる。
【0168】
d)電荷注入阻止層
本例の画像形成装置用感光体においては、導電性支持体201と光導電層203との間に、導電性支持体201側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層805を、また光導電層203と表面層204の間に、表面層側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層205’を設けてもよい。
【0169】
前述の電荷注入阻止層205を下部注入阻止層(UBL;Under Blocking Layer)、後述の電荷注入阻止層205’を上部注入阻止層(Top Blocking Layer)と称する。
【0170】
これらの電荷注入阻止層は、感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側、或いは表面層側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有している。逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有している事が好ましい。
【0171】
そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子等を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0172】
該層に含有される伝導性を制御する原子は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、UBL205では支持体側に、またTBL205’では表面層側に多く分布するように含有させるのが好適である。いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0173】
電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、「第III族原子」または「第V族原子」を用いることができる。
【0174】
本例において、電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
【0175】
また、本例の画像形成装置用感光体に於いては、支持体201と光導電層203あるいはUBL205との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、Si3N4、SiO2、SiO、あるいはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良い。更に、前述のごとく、支持体からの反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けても良い。
【0176】
上記の各層は、例えば13.56MHz等のRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(RF−PCVD)や50〜450MHzのVHF帯を用いた講習はプラズマCVD法(VHF−PCVD)などの周知の装置および膜形成方法にて製造される。
【0177】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、帯電部材によって像担持体へ画像形成用の帯電を行なう前と、帯電部材に付着した現像剤を像担持体へ移動させる前と、で、除電手段による除電条件を可変に制御することにより、帯電不良を防止し、高比率の画像を出力し続けても、長期に渡って安定した帯電が行え、かつ高比率の画像を出力してもカブリのない画像形成装置を提供することに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吐き出しモード制御方法。
【図2】電子写真方式に本発明を適用した場合の画像形成装置の構成概略図。
【図3】ローラ帯電装置の模式図。
【図4】接触帯電部材に印加される直流電圧と感光体の表面電位との関係を示すグラフ。
【図5】アモルファスシリコン系感光体の層構成を説明する概略図。
【図6】本発明の作用を説明するための暗減衰による電位変化を示す図。
【図7】本発明の吐き出しモードの第2の制御方法。
【符号の説明】
1 感光体
2 レーザ露光手段
3 ローラ帯電器
31 芯金
32 中抵抗層
33 導電性微粒子
34 転写残トナー
4 現像器
6 定着装置
7 転写ローラ
8 前露光ランプ
Claims (15)
- 像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材であって、前記像担持体に接触して設けられ電圧が印加される帯電部材と、前記像担持体に形成された現像剤像が受像部材へ転写された後で前記像担持体が前記帯電部材により帯電される前に、前記像担持体を除電する除電手段と、を有し、前記帯電部材に付着した現像剤を前記像担持体へ移動可能な画像形成装置において、
前記帯電部材によって前記像担持体へ画像形成用の帯電を行なう前と、前記帯電部材に付着した現像剤を前記像担持体へ移動させる前と、で、前記除電手段による除電条件を可変に制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記帯電部材と前記像担持体との接触部に、導電粒子を介在させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像して現像剤像を形成する現像手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記現像手段は、前記像担持体上に残留している現像剤を回収可能であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 現像剤中に導電粒子を含有し、前記導電粒子は、前記現像手段によって前記像担持体へ供給され、前記帯電部材と前記像担持体との接触部へ搬送されることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材の表面の移動速度と前記像担持体の表面の移動速度が、相対的速度差を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材と前記像担持体は、前記帯電部材と前記像担持体との接触部において、互いに逆方向に移動することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材は、アスカーC硬度が50度以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材の抵抗は、103Ω以上108Ω以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記電圧は、直流電圧、又は直流電圧と放電開始電圧の2倍未満のピーク間電圧を備える交流電圧との重畳電圧であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材は、実質的に放電現象を伴うことなく像担持体を注入帯電することを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
- 前記導電粒子の体積固有抵抗は1×109Ω・cm以下であることを特徴とする請求項2又は5記載の画像形成装置。
- 前記導電粒子の体積固有抵抗は1×106Ω・cm以下であることを特徴とする請求項2又は5記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は、感光体であり、前記除電手段は、前記感光体を露光する露光手段であって、前記除電条件は露光量であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材は、ローラ形状であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか記載の画像形成装置。
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JP2012198284A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-18 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2015172728A (ja) * | 2014-02-18 | 2015-10-01 | キヤノン株式会社 | カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置 |
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- 2003-05-22 JP JP2003144970A patent/JP2004347870A/ja not_active Withdrawn
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