JP2004054022A - 帯電装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電装置、および帯電装置を具備している画像形成装置において、帯電部材の劣化、オゾン発生、被帯電体(像担持体)表層磨耗等の防止を目的とする。
【解決手段】被帯電体(像担持体)1を帯電する主帯電手段2と、副帯電手段9をもち、主帯電手段2と副帯電手段9の何れにもバイアスを印加して被帯電体1を帯電するモードと、主帯電手段2のみにバイアスを印加して被帯電体1を帯電するモードを持つこと。
【選択図】図1
【解決手段】被帯電体(像担持体)1を帯電する主帯電手段2と、副帯電手段9をもち、主帯電手段2と副帯電手段9の何れにもバイアスを印加して被帯電体1を帯電するモードと、主帯電手段2のみにバイアスを印加して被帯電体1を帯電するモードを持つこと。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電装置、および該帯電装置を具備して電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体を帯電する行程を有する作像プロセスにより画像形成を実行する、複写機・レーザービームプリンタ・ファクシミリ・画像表示装置(ディスプレイ装置)等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置における像担持体等の被帯電体の面を所定の極性・電位に帯電処理(除電処理も含む)する帯電手段は、非接触タイプと、接触タイプとに大別される。
【0003】
コロナ帯電器(コロナ放電器)は非接触タイプの帯電手段であり、被帯電体に非接触に対向配設し、高圧の印加で放出されるコロナシャワーに被帯電体面を曝して所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0004】
接触タイプの帯電手段は、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性帯電部材を被帯電体に接触させて、所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるもので、コロナ帯電器に比べて、低オゾン、低電力等の有利性がある。
【0005】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、▲1▼.放電帯電機構と、▲2▼.直接注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現れる。
【0006】
▲1▼.放電帯電機構
接触帯電部材と被帯電体との間の微小間隙に生じるコロナ放電現象により被帯電体表面が帯電される機構である。
【0007】
放電帯電機構は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電閾値(帯電開始電圧Vth)を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、前記の非接触タイプのコロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども原理的に放電生成物を生じる。
【0008】
例えば、接触帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電はその帯電機構は放電帯電機構が支配的である。
【0009】
▲2▼.直接注入帯電機構
接触帯電部材から被帯電体への電荷の直接注入により被帯電体表面が帯電される機構である。
【0010】
直接注入帯電は放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する被帯電体表面電位分のみであり、オゾンの発生もない、オゾンレス・低電力の帯電方式である。また電荷を直接注入するために、表面電位は印加した電圧に対して等価であり帯電開始電圧Vthは現れない。このためDC電圧を印加した場合でも、湿度などの環境の変動に対して変化せず、安定した帯電が可能となる。
【0011】
またその一方で、帯電部材が被帯電体表面に接触した領域のみに電荷が注入するという特性から、帯電部材と被帯電体表面の接触確率が帯電能力を左右する。接触確率が不十分で、未帯電領域が多い場合、帯電部材に印加した電圧に被帯電体表面電位が達する前に帯電が終了してしまうことになる。
【0012】
高い接触確率が均一に得られ、直接注入帯電機構が支配的な帯電手段としては、電圧を印加した帯電部材に付帯した導電性粒子を介在させて、移動する被帯電体を帯電する帯電手段、具体的には、磁気ブラシ帯電や、導電性の弾性ローラに導電性の微粒子を付着させて、弾性ローラ表面と被帯電体を微粒子を介在させて帯電する方法などが挙げられる。
【0013】
前者は一般的にマグネットローラを内包したスリーブ表面に磁性粒子を磁気的に拘束して、スリーブを回転させることにより、被帯電体表面との接触確率を高めつつ帯電を行なうものである。
【0014】
後者は、導電性のスポンジなどから形成されたスポンジローラ上に導電性の微粒子を付着させ、被帯電体表面に粒子を介在させることにより被帯電体との摩擦抵抗を減らして被帯電体と速度差を設けることを可能とし、速度差と粒子の介在により被帯電体との接触確率を向上させるものである。
【0015】
【発明が解決しようとしている課題】
例えば、電子写真画像形成装置においては、高速化対応や、像担持体(被帯電体)として高耐久性シリコンドラム等のように誘電率の高い感光ドラムを均一帯電するには、非常に大きな電流量が必要となる。帯電ローラなどの帯電部材の帯電性劣化は、総電流量に依存している。つまり大きな電流を長時間流すと、帯電部材は物性が変化し、帯電性能が落ちてくる。
【0016】
従来、感光体まわりの寿命は、感光ドラムの磨耗や傷によって決定されてきたが、シリコンドラムのように、機械的強度の高い耐久ドラムでは、感光ドラム周辺部材寿命が厳しくなってくる。特に帯電部材の劣化が非常に大きな課題となってくる。
【0017】
他の課題として、電流量が大きくなると、帯電部材周辺におけるオゾン発生量が増大し、周囲環境などに影響を与えることとなる。
【0018】
また、電流量が大きくなると、高強度の感光ドラムでも表層磨耗が発生してきて、感光ドラムの寿命の課題もあがってくる。
【0019】
本発明は、帯電装置、および該帯電装置を具備する画像形成装置について、上記の問題を解消する、すなわち、装置の高速化における帯電部材の劣化、オゾン発生量増加及び、被帯電体表層の磨耗等の問題を解消すべくなされたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする、帯電装置および画像形成装置である。
【0021】
(1)被帯電体を帯電する主帯電手段と、副帯電手段をもち、主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアスを印加して被帯電体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して被帯電体を帯電するモードを持つことを特徴とする帯電装置。
【0022】
(2)主帯電手段は電圧を印加した帯電部材に付帯した導電性粒子を介在させて、移動する被帯電体を帯電することを特徴とする(1)に記載の帯電装置。
【0023】
(3)導電性粒子は、帯電部材に付帯しており、帯電部材とともに被帯電体に接触して帯電を行なうことを特徴とする(2)に記載の帯電装置。
【0024】
(4)像担持体を帯電手段で帯電する行程を含む作像プロセスにより画像形成を実行する画像形成装置において、
像担持体を帯電する主帯電手段と副帯電手段をもち、主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアスを印加して像担持体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して像担持体を帯電するモードを持つことを特徴とする画像形成装置。
【0025】
(5)像担持体を帯電する主帯電手段と、一つ以上の副帯電手段をもち該像担持体の帯電を行い、像露光により電子潜像を形成し、現像手段によりトナー像を形成して該電子潜像を顕在化し、該トナー像をトナー受容体に転写し、熱定着することで永久固着像とする画像形成装置において、一つ以上の該副帯電手段と主帯電手段の何れにもバイアスを印加して像担持体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して像担持体を帯電するモードを持つことを特徴とする画像形成装置。
【0026】
(6)主帯電手段は電圧を印加した帯電部材に付帯した導電性粒子を介在させて、移動する像担持体を帯電することを特徴とする(4)または(5)に記載の画像形成装置。
【0027】
(7)導電性粒子は、帯電部材に付帯しており、帯電部材とともに像担持体に接触して帯電を行なうことを特徴とする(6)に記載の画像形成装置。
【0028】
(8)像担持体が表面に109〜1014Ω・cmの材料からなる層を有することを特徴とする(4)から(7)の何れかに記載の画像形成装置。
【0029】
(9)像担持体が、感光層、および表面層を有し、該表面層が樹脂および導電粒子を有することを特徴とする(4)から(7)の何れかに記載の画像形成装置。
【0030】
(10)導電粒子がSnO2であることを特徴とする(9)に記載の画像形成装置。
【0031】
(11)像担持体が非晶質のシリコンを有する表面層からなることを特徴とする(4)から(7)の何れかに記載の画像形成装置。
【0032】
〈作 用〉
被帯電体(像担持体)の帯電手段として、少なくとも1つの主帯電手段と、少なくとも1つの副帯電手段を具備させることで、この主・副の帯電手段の協働で均一かつ精度良く被帯電体の帯電を行なわせることができる。
【0033】
そして、均一かつ精度良く被帯電体の帯電を行う場合には主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアス印加して帯電を実行させ、その他の場合には主帯電手段のみにバイアス印加して、被帯電体を帯電する。そうすると、副帯電手段のバイアス印加時間が短くなるので、副帯電手段の通電劣化、オゾン発生量、被帯電体磨耗を少なくすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉
図1は本実施例1の画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【0035】
(1)画像形成装置の全体的な概略構成
本実施例の画像形成装置は転写方式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。像担持体の帯電手段として主・副2つの帯電器を具備させてある。主帯電器は磁気ブラシ帯電器(注入ブラシ帯電器)であり、副帯電器は帯電ローラであり、主帯電器と副帯電器の何れにもバイアスを印加して像担持体を帯電するモードと、主帯電器のみにバイアスを印加して像担持体を帯電するモードを具備させている。
【0036】
[像担持体]
1は像担持体(被帯電体)としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0037】
本実施例における感光ドラム1は、直径30mmのアルミシリンダ上に、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した電荷発生層と、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散した電荷輸送層を持ち、さらに最表層には樹脂および導電粒子を有する層、具体的には、光硬化性のアクリル樹脂に超微粒子のSnO2を分散した電荷注入層からなる有機感光層を持ち、200mm/secの周速度で回転駆動される。
【0038】
[主帯電器と副帯電器]
2は感光ドラム1の周面を帯電処理する主帯電器(主帯電手段)である。本実施例では、スリーブ回転タイプの磁気ブラシ帯電器である。
【0039】
9は感光ドラム1の周面を帯電処理する副帯電器(副帯電手段)である。本実施例では、接触帯電ローラ(以下、補助帯電ローラと記す)であり、主帯電器である磁気ブラシ帯電器2よりも感光ドラム回転方向上流側に配設してある。
【0040】
感光ドラム1は上記の補助帯電ローラ9と磁気ブラシ帯電器2の両方で帯電処理されるか、磁気ブラシ帯電器2のみにより帯電処理される。
【0041】
1)主帯電器2
主帯電器である磁気ブラシ帯電器2は、導電性磁性粒子担持体としての回転可能なφ16mmのスリーブ31とスリーブ31内に固定されたマグネットローラ30が感光ドラム1と500μmの間隔をもって設けられており、スリーブ31には電源S1より、500Vpp、1kVの交番電圧に−600Vの直流電圧Vdeを重畳した帯電バイアスが印加できるようになっている。
【0042】
スリーブ31はモータにより矢印の時計方向に150mm/secの周速度で回転駆動される。即ちスリーブ31は感光ドラム1との対向部において感光ドラム1の回転方向とは逆方向(カウンター)に回転駆動される。
【0043】
マグネットローラ30はスリーブ31の回転方向に5つの磁極ピークを持ち、隣接して同極性の磁極ピークを持つ反発極構成となっている。磁性粒子はマグネットローラ30による磁気拘束力によってスリーブ31上に磁気ブラシとして磁気拘束されて保持され、スリーブ31の回転とともに搬送され、ブレード32により層厚規制された後、感光ドラム1に接触しつつ感光ドラム1の回転方向とは逆方向に搬送される。
【0044】
aは磁性粒子の磁気ブラシと感光ドラム1との接触部である主帯電部である。この主帯電部aにおいて、磁性粒子の磁気ブラシは感光ドラム1の面を接触確率よくまんべんなく摺擦する。これにより感光ドラム1の帯電は直接注入帯電機構が支配的になされる。
【0045】
2)副帯電器9
副帯電器としての補助帯電ローラ9は、φ6mmのステンレス製芯金に厚さ3mmのカーボンブラックを分散させたEPDMを形成し、ディッピング方法にて皮膜層を形成し、150℃、30分間加熱乾燥させて、弾性層と抵抗制御体としての表層を持つφ12mmのローラとしたものである。
【0046】
補助帯電ローラ9は、芯金の両端部が付勢部材(付図示)によって感光ドラム1に向けて付勢されており、感光ドラム1表面に対して所定の押圧力を持って圧接され、感光ドラム1との間に帯状の帯電ニップ部dを形成している。この補助帯電ローラ9は駆動機構をもたず、感光ドラム1の回転に伴って矢印の反時計方向に従動回転する。芯金には電源S3より1.2kVの直流電圧が印加されるようになっている。補助帯電ローラ9の感光ドラム母線方向の帯電領域の幅は主帯電器である磁気ブラシ帯電器2の帯電領域より広くなっており、その関係を図2に示す。
【0047】
補助帯電ローラ9の弾性層としては上記に限ったものではなく、ウレタン、SBR、EVA、SBS、SEBS、SIS、TPO、EPM、NBR、IR、BR、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等があり、必要な抵抗値に応じて、たとえばカーボンブラック、カーボン繊維、金属酸化物、金属紛、過酸化水素塩などの固体電解質や界面活性剤などの導電性付与剤を添加したものなどがある。
【0048】
抵抗制御体の材料としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、フッ素、ポリビニルアルコール、シリコン、NBR、EPDM、CR、IR、BR、ヒドリンゴムなどの樹脂やゴム類などがあり、そこに例えば導電性あるいは、絶縁性のフィラーや添加剤などを混合したものがある。上述のような材料を使用し、帯電部材の電気抵抗値を1×103〜1×1010Ωにするが最終的にこの値になるのであれば上述の材料の組み合わせは特に問わない。本実施例の補助帯電ローラ9の電気抵抗値は1×108Ωであった。
【0049】
50はプリンタの制御回路部(CPU)である。この制御回路部50はプリンタ全体のシーケンス制御を司り、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2と副帯電器として補助帯電ローラ9の何れにもバイアスを印加して感光ドラム1を均一に精度良く帯電する制御モードと、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2のみにバイアスを印加して感光ドラム1を帯電する制御モードを持つ。これについては次の(2)項で詳述する。
【0050】
[像露光]
7は像露光手段である。本実施例ではレーザースキャナであり、画像信号に対応して変調された、発光波長680nmのレーザーLを出力して、上記の補助帯電ローラ9と磁気ブラシ帯電器2の両方で均一に精度良く帯電された感光ドラム1の面を走査露光(照射)する。これにより、感光ドラム1上の電位はレーザーLが照射されたところの電位が落ち、潜像が形成される。
【0051】
[現 像]
3は感光ドラム1面に形成された電子潜像を現像部bにおいてトナー像として現像する現像手段である。本実施例では、2成分現像剤を用いた反転現像器であり、静電潜像の露光明部すなわち感光ドラム1のレーザーLが照射されたところにマイナスのトナーが付着して、静電潜像が反転現像される。
【0052】
現像器3は、固定されたマグネットロール14を内包した回転するスリーブ15が設けられ、現像容器17内の現像剤19をブレード18で薄層にスリーブ15上にコーティングし現像部bへ搬送している。
【0053】
このときスリーブ15は図示しないモータによって駆動され矢印方向に250mm/secの周速度で回転している。現像剤19は2成分現像剤で負帯電性の8μmトナーと正帯電性の50μmの磁性キャリアが重量トナー濃度7%で混合されている。
【0054】
トナー濃度は図示しない光学式トナー濃度センサーによって制御され、トナーホッパー20内のトナーが供給ローラ23によって補給される。容器内の現像剤は攪拌部材21、22により均一に攪拌される。スリーブ15には電源S2から2kVpp、2kHzの交番電界に−500Vの直流電圧Vdeを重畳した現像バイアスが印加される。薄層にコーティングされ、現像部bに搬送された現像剤は前記AC+DC電圧による電界によって感光ドラム1上に現像に寄与する。
【0055】
[転 写]
4は転写手段としての転写ローラである。転写ローラ4は、芯金と、該芯金の外周部にローラ状に一体に形成した中抵抗の弾性層からなり、感光ドラム1に対して所定の押圧力をもって圧接させて転写ニップ部cを形成させている。転写ローラ4は感光ドラム1の回転に順方向に感光ドラム1の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また転写ローラ4の芯金に対して電源S4よりトナーの帯電極性とは逆極性(本例ではプラス)の所定の転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。
【0056】
そして、不図示の給紙機構部からトナー受容体(記録媒体)としての転写材Pが所定の制御タイミングにて転写ニップ部cに給紙されて転写ニップ部cを挟持搬送されていく。その転写材Pの転写ニップ部挟持搬送の間、転写ローラ4の芯金に対して電源S4よりトナーの帯電極性とは逆極性(本例ではプラス)の所定の転写バイアスが印加されることで、感光ドラム1面側のトナー像が転写材P面側に静電転写される。
【0057】
[定 着]
転写ニップ部cを出た転写材Pは感光ドラム1の面から分離され、定着器6に運ばれ、未定着のトナー像が永久固着画像として転写材Pの面に熱圧定着されて、画像形成物(プリント、コピー)として排紙される。
【0058】
[除電露光]
8は除電光ランプであり、中心波長660nm、8lsの光量で発光する。200mm/secで回転していて、転写材分離後の感光ドラム1の面はこの除電光ランプ8により除電光照射(全面露光)を受けることで、除電されて電気的メモリが消去される。
【0059】
[クリーニング]
5は上記除電光ランプ8の次位に配設したクリーナーであり、転写材分離後の感光ドラム1の面に残存する転写残トナーや紙粉等の付着物を除去して感光ドラム1の面を清掃する。クリーナー5で清掃された感光ドラム1は繰返して作像に供される。
【0060】
クリーナー5において、33は清掃部材としてのクリーニングブレードである。このクリーニングブレード33はシリコン変性ポリウレタンゴムからなり、支持板に接着されている。クリーニングブレード33によって感光ドラム1から掻き落とされたトナーはスクリュー34によって図示しない廃トナー容器に運ばれ回収される。
【0061】
(2)主・副帯電器2・9に対する印加バイアス制御モード
ここで、副帯電器としての補助帯電ローラ9に関して、これに通電を行うと、ローラ中の導電剤(抵抗調整剤)などの分布が不均一になって抵抗値が変動してくる。するとミクロ的には、不均一に電流が流れたり、放電が発生し、帯電性が変化してくる。
【0062】
図3に、帯電ローラの耐久試験結果を示す。横軸は耐久時間、縦軸は電流値を表す。DC1.0kV印加、感光ドラムは200mm/sで回転させた。初期電流値は400μAだったが、帯電ローラ抵抗が上昇したため、電流値は200μAまで低下し、飽和しているのが解る。抵抗が高くなると、帯電ローラの帯電性が落ちて、感光ドラム電位ムラとなる。それゆえ、通電時間を少なくすることは、帯電ローラの寿命を決定する大きな課題となる。
【0063】
図4に、帯電ローラに流れる電流値と帯電ローラ付近で発生したオゾン濃度の関係を示す。高速化によって、帯電ローラに流れる電流値が大きくなってくる。その電流量に応じて発生するオゾン濃度も増えてくる。オゾン濃度が増えてくると、本体内の空気の流量を増やしたり、より多くのオゾンフィルターなどが必要となってくる。
【0064】
一方、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2は帯電機構が、磁気ブラシによる感光ドラムへの接触注入帯電(注入ブラシ帯電)によるため、ブラシニップ部での放電が発生せず、オゾン発生も起こらない。
【0065】
前記したように、本実施例では、主帯電器である磁気ブラシ帯電器2のスリーブ31には電源S1より、500Vpp、1kVの交番電圧に−600Vの直流電圧Vdeを重畳した帯電バイアスが印加できるようになっている。
【0066】
また、副帯電器である補助帯電ローラ9の芯金には電源S3より1.2kVの直流電圧が印加されるようになっている。
【0067】
そして、プリンタの制御回路部(CPU)50はプリンタ全体のシーケンス制御を司り、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2と副帯電器として補助帯電ローラ9の何れにもバイアスを印加して感光ドラム1を均一に精度良く帯電する制御モードと、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2のみにバイアスを印加して感光ドラム1を帯電する制御モードを持つ。
【0068】
除電光ランプ8で除電露光を受けたあとの感光ドラム表面は補助帯電ローラ9により凡そ−550Vに帯電され、磁気ブラシ帯電器2の帯電領域における感光ドラム1と帯電スリーブ31間に生じる電位差は高々50V程度である。
【0069】
補助帯電ローラ9に印加する電圧としては、磁気ブラシ帯電器2に印加する電圧と同極性であり、かつ磁気ブラシ帯電器2による帯電時に感光ドラム1と帯電スリーブ31との電位差が100V以内であることが望ましい。
【0070】
副帯電器である補助帯電ローラ9と主帯電器である磁気ブラシ帯電器2の両方による感光ドラム1の帯電において、補助帯電ローラ9で大きな電流を使用し、感光ドラム1を目的の帯電電位まで引き上げる。磁気ブラシ帯電器2は、発生している帯電電位ムラを均一化させる役割を持つ。補助帯電ローラ9は、磁気ブラシ帯電器2より感光ドラム移動方向の上流側に配置し、感光ドラム中に存在するフォトキャリアを中和する役割も持ち、感光ドラム電位の暗減衰ムラを小さくする。補助帯電ローラ9による帯電ムラが大きすぎると、磁気ブラシ帯電器2での電位均一化が難しくなってくる。
【0071】
また副帯電器としての補助帯電ローラ9に印加する電圧は固定値とする必要はなく、たとえば補助帯電ローラ9の汚染や通電劣化による抵抗変化に応じて可変としても良い。また放電閾値の二倍以上の交流電圧を印加して、より安定した帯電を行なうことも出来る。また補助帯電ローラ9による帯電領域は、磁気ブラシ帯電器2による帯電領域全域をカバーしているので、主帯電時の帯電電流は非常に少なくてすむ。
【0072】
1)主・副の両帯電器2・9の何れにもバイアスを印加するモ−ド
制御回路部50は、通常の画像形成時で特に記録紙が搬送され、感光ドラム上に潜像及びトナー現像、転写が行われるタイミングや、感光ドラムの帯電性、感度などの特性を検知し最適な画像形成条件を決定する電位制御するタイミング、現像部の現像性を検知するパッチ検を行うタイミングなどにおいては、主・副の両帯電器2・9の何れにもバイアスを印加して、均一かつ精度良く感光ドラム1の帯電処理を実行させる。
【0073】
2)主帯電器2のみにバイアスを印加するモ−ド
一方、画像形成シーケンス中で感光ドラム1に潜像を形成する前後は、感光ドラム帯電は必ずしも精度良く、均一でなくてもかまわない。このタイミングでは、転写部材などのクリーニング、除電などが行われるだけで、感光ドラムの帯電は、感光ドラムへのフォトメモリーなどを防止するためだけである。一般に、上記感光ドラム前後回転時間は長い。例えば、一枚間欠モードと連続モードで、記録紙一枚に対する感光ドラム帯電時間は、製品にもよるが間欠の方が連続に対し数倍長くなる。それゆえ、帯電部材劣化やオゾン発生量などは、間欠モードの方が厳しくなる。制御回路部50は、画像形成シーケンス中のラフな帯電でも良いタイミングでは、副帯電器としての補助帯電ローラ9に対するバイアス印加はオフの状態にし、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2のみに帯電バイアスを印加して感光ドラムを帯電させる。
【0074】
図5に上記シーケンスのタイミング・チャートを示す。図のように感光ドラム上に潜像を形成するときには、感光ドラム帯電電位を精度良くかつ均一にすることが必要であるため、副帯電器である補助帯電ローラ9と主帯電器である磁気ブラシ帯電器2の両者に対するバイアスをオンする。その他の感光ドラム前後回転時は、主帯電器である磁気ブラシ帯電器2のみバイアスをオンする。
【0075】
本実施例によれば、画像形成時以外のシーケンス中において、副帯電器である補助帯電ローラ9へのバイアス印加を停止することができるので、補助帯電ローラ9の抵抗変動の速度を遅くでき、かつ、オゾン発生量を少なくすることができる。
【0076】
なお、副帯電器9は本実施例ではローラ帯電方式を用いたが、これに限ったものではなく、例えば一般的なコロナ帯電器、又は導電性のブラシを感光体に接触させるファーブラシ帯電器などでも、同様の効果を得ることが出来る。
【0077】
(3)感光体
感光ドラム1についていま少し解説する。像担持体(被帯電体)としての感光ドラム1は、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、好ましくは、有機感光体上に低抵抗の表面層を持つものや、アモルファスシリコン感光体など、表面抵抗が109〜1014Ω・cmの低抵抗層を持つことが、直接注入帯電機構を主体的にすることができ、オゾン発生の防止に効果がある。また帯電性についても向上させることが可能となる。上記実施例においては、有機感光体の表面に電荷注入層として導電粒子(SnO2)が分散され、表面抵抗が1013Ω・cm程度のものを用いている。
【0078】
[有機感光体]
電子写真感光体の光導電材料として、近年種々の有機光導電材料の開発が進み、特に電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型感光体は既に実用化され複写機やレーザービームプリンタに搭載されている。
【0079】
しかしながら、これらの感光体は一般的に耐久性が低い事が1つの大きな欠点であるとされてきた。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼけ等の電子写真物性面の耐久性及び摺擦による感光体表面の摩耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性に大別されいずれも感光体の寿命を決定する大きな要因となっている。
【0080】
この内、電子写真物性面の耐久性、特に画像ぼけに関しては、コロナ帯電器から発生するオゾン、NOx等の活性物質により感光体表面層に含有される電荷輸送物質が劣化する事が原因である事が知られている。
【0081】
また機械的耐久性に関しては、感光層に対して紙、ブレード/ローラ等のクリーニング部材、トナー等が物理的に接触して摺擦する事が原因である事が知られている。
【0082】
電子写真物性面の耐久性を向上させる為には、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにくい電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の高い電荷輸送物質を選択する事が知られている。また、機械的耐久性を上げる為には、紙やクリーニング部材による摺擦に絶える為に、表面の潤滑性を上げ摩擦を小さくする事、トナーのフィルミング融着等を防止する為に表面の離形性をよくすることが重要であり、フッ素系樹脂粉体粒子、フッ化黒鉛、ポリオレフィン系樹脂粉体等の滑材を表面層に配合することが粒子知られている。
【0083】
帯電方式として直接注入帯電を用いる場合、電荷の注入効率を高めるためにSnO2等の導電性微粒子を分散した表層をもうける場合がある。
【0084】
[アモルファスシリコン系感光体(a−Si)]
電子写真において、感光体における感光層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。
【0085】
特に、事務機としてオフィスで使用される電子写真装置内に組み込まれる電子写真装置用感光体の場合には、大量に、且つ長期にわたり複写される事を考えると、画質、画像濃度の長期安定性も重要な点である。
【0086】
この様な点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報には電子写真装置用感光体としての応用が記載されている。
【0087】
このような電子写真装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CD法、光CD法、プラズマCD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
【0088】
また、特開昭54−83746号公報においては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)光導電層からなる電子写真装置用感光体が提案されている。該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、電子写真装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることができるとしている。
【0089】
また、特開昭57−115556号公報には、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が記載されている。
【0090】
更に、特開昭60−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての技術が記載され、特開昭62−168161号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0091】
また更に、特開昭57−158650号公報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2100cm−1と2000cm−1の吸収ピークの吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電層に用いることにより高感度で高抵抗な電子写真装置用感光体が得られることが記載されている。
【0092】
一方、特開昭60−95551号公報には、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示されている。
【0093】
これらの技術により、電子写真装置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0094】
また、アモルファスシリコン感光体は直接注入帯電方式に対しても良好な帯電性を示す。
【0095】
(4)磁気ブラシ帯電器2
本実施例で用いた主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2において、スリーブ31の周速度は遅すぎると感光ドラム表面と磁性粒子の接触確率が不十分となり、帯電ムラ等画像不良の要因となり、速すぎると磁性粒子の飛散を引き起こしてしまう。良好な帯電が行なえる周速度は、スリーブ31の外径や感光ドラム1との間隔にも依存するが、本実施例における帯電スリーブ31の周速度としては50〜250mm/secが好ましい。帯電部aにおける感光ドラム1とスリーブ31のギャップは500μm、帯電部aのスリーブ31上でのマグネット30による磁束密度は950×10−4Tである。ブレード32のスリーブ回転方向の上流側には磁性粒子の溜まり部Tが形成されておりスクリュー36は溜まり部Tの磁性粒子をスリーブ母線方向に攪拌している。スクリュー34は楕円形の羽を方向を交互に取り付けたものであり、溜まり部Tの磁性粒子を偏らせることなく攪拌することが出来る。
【0096】
磁性粒子としては、下記のものが好適に用いられる。
【0097】
・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボン等を混ぜるたもの、
・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調節したもの、
・上記の磁性粒子を抵抗調整をしたコート材(フェノール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等。
【0098】
これら磁性粒子の抵抗値としては、高すぎると感光ドラムに電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。低すぎると感光ドラム表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電圧が降下し感光ドラム表面を帯電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。よって磁性粒子の抵抗値としては、1×104〜1×107Ωが望ましい。
【0099】
磁性粒子の磁気特性としては、感光ドラムへの磁性粒子付着を防止するために磁気拘束力を高くする方がよく、飽和磁化が50(A・m2/kg)以上が望ましい。
【0100】
実際に、本実施例で用いた磁性粒子は、体積平均粒径が30μm、見かけ密度2.0[g/cm3]、抵抗値1×106Ω、飽和磁化58(A・m2/kg)であった。また、磁性粒子の粒径は帯電能力や帯電の均一性に影響する。つまり、粒径が大きすぎると感光ドラム1との接触割合が低下し帯電ムラの原因となる。粒径が小さいと帯電能力、均一性ともに向上する反面、一粒子に作用する磁力が低下し、感光ドラム1への付着が起きやすくなる。このため磁性粒子の粒径としては5〜100μmのものが好適に用いられる。
【0101】
磁性粒子の総量は200gであり、スクリュー13およびマグネットローラ30の反発極による攪拌効果で磁性粒子全体が緩やかに攪拌される構成となっている。
【0102】
〈実施例2〉
本実施例は、画像形成装置本体の電源スイッチ・オン後のシーケンスに関するものである。
【0103】
電源スイッチ後は、画像形成装置本体の定着装置6がウオームアップされるまでに、感光ドラムの電位制御などが行われる。
【0104】
図6に電源スイッチ・オン後シーケンスのタイミング・チャートの一例を示す。電源をオンすると定着ヒータが点灯する。その後、あるタイミングで感光ドラム周りの制御が開始する。そのとき、感光ドラム帯電は均一かつ精度が良いことが必要となり、制御回路部50は副帯電器としての補助帯電ローラ9と主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2の両者にバイアス印加する。一方その他の精度を必要としないタイミングでは、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2のみにバイアス印加する。
【0105】
これにより、補助帯電ローラ9の通電時間を少なくできるので、補助帯電ローラの通電劣化、オゾン発生量を少なくすることができる。
【0106】
〈実施例3〉
本実施例は図7に示すように、主・副2つの帯電器2・2′をどちらも磁気ブラシ帯電器としたものである。感光ドラム回転方向に対して上流側の第一の磁気ブラシ帯電器2′を副帯電器(補助帯電)として使用する。一方、下流側の第二の磁気ブラシ帯電器2を主帯電器として使用され、感光ドラム1の帯電均一性をより高める。
【0107】
磁気ブラシ帯電器の場合、密になったキャリア(導電性磁性粒子)である磁気ブラシの穂を感光ドラムに接触させるため、感光ドラムの表面が削れことがある。この削れは、キャリアによる機械的な切削によるものが主であるが、バイアスを印加することによっても、磁気ブラシの穂のでき方が異なってきて、感光ドラム削れを促進することがある。図8に、バイアス印加有り無し時の感光ドラム削れ量を示す。図のように、バイアスあり時の削れ量は無し時に比べ二割程度多くなるのがわかる。
【0108】
そこで本実施例では、図9のシーケンスのタイミング・チャートにあるように、均一にかつ精度良く感光ドラムを帯電する必要がある場合は、主・副2つの帯電器である第一と第二の磁気ブラシ帯電器2・2′の両方にバイアスを印加する。一方、その他の精度があまり必要ないタイミングでは、主の帯電器である第二の磁気ブラシ帯電器2のみにバイアスを印加する。
【0109】
以上のように、感光ドラム帯電に関して精度が無くてもいい場合には、片方の磁気ブラシ帯電器2′に対する印加バイアスを停止することによって、該磁気ブラシ帯電器2′へのバイアス印加時間を短くできるので感光ドラム寿命を長くすることができる。
【0110】
〈その他〉
1)以上の実施例においては、主帯電器に磁気ブラシ帯電器を使用し、副帯電器に帯電ローラまたは磁気ブラシ帯電器を使用したが、必ずしもこの組み合わせが必須ではなく、主・副の帯電器ともにコロナ帯電器、帯電ローラあるいは、主の帯電器を帯電ローラ、副の帯電器をコロナ帯電器、またはその逆など、いろいろな組み合わせが考えられ、同様な効果を得ることができた。
【0111】
また主・副の帯電器の種類は上記に限ったものではなく、その他例えば、導電性のスポンジなどから形成されたスポンジローラ上に導電性の微粒子を付着させ、像担持体表面に粒子を介在させることにより像担持体との摩擦抵抗を減らして像担持体と速度差を設けることを可能とし、速度差と粒子の介在により像担持体との接触確率を向上させて直接注入帯電を行う帯電器、ファーブラシ帯電器、ブレード帯電器など、非接触タイプまたは接触タイプの適宜の帯電手段を用いることが出来る。
【0112】
また主・副の帯電器ともに複数個にした装置構成にすることも出来る。
【0113】
2)画像形成装置における像担持体としての感光体の帯電面に対する情報書き込み手段としての像露光手段は実施例のレーザー走査手段以外にも、例えば、LEDのような固体発光素子アレイを用いたディジタル露光手段であってもよい。ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。要するに、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであればよい。
【0114】
像担持体は静電記録誘電体等であってもよい。この場合は該誘電体面を所定の極性電位に一様に一次帯電させた後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的除電がなされて画像情報の静電潜像が形成される。
【0115】
像担持体としての電子写真感光体や静電記録誘電体に形成担持させたトナー像を一旦中間転写体に転写させ、それを更にトナー受容体としての転写材に転写させて熱や圧力等で永久固着像として定着させることもできる。
【0116】
また、像担持体としての電子写真感光体や静電記録誘電体を回動ベルト型にし、これに上記の帯電・潜像形成・現像の各行程手段により画像情報に対応したトナー像を形成担持させ、そのトナー像形成部を閲読表示部に位置させて画像表示させ、表示後はそのトナー像を転写材に転写させることなく像担持体面から除去し、像担持体は繰り返して表示画像の形成に使用する画像表示装置(ディスプレイ装置)も本発明の画像形成装置の範疇にある。
【0117】
3)本発明の帯電装置は画像形成装置の像担持体(電子写真感光体、静電記録誘電体等)の帯電装置に限られず、広く被帯電体の帯電処理手段(除電処理も含む)として使用して有効であることは勿論である。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、被帯電体(像担持体)の帯電手段として、少なくとも1つの主帯電手段と、少なくとも1つの副帯電手段とを具備させることで、この主・副の帯電手段の協働で均一かつ精度良く被帯電体の帯電を行なわせることができる。そして、均一かつ精度良く被帯電体の帯電を行う場合には主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアス印加して帯電を実行させ、その他の場合には主帯電手段のみにバイアス印加して、被帯電体を帯電することで、副帯電手段のバイアス印加時間が短くなるので、副帯電手段の通電劣化、オゾン発生量、被帯電体磨耗等を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の画像形成装置を示す概略図
【図2】本発明の実施例1の画像形成装置における主帯電と補助帯電の帯電領域と感光ドラムの関係を示す模式図
【図3】本発明の実施例1における帯電ローラの通電時電流変化を示す図
【図4】本発明の実施例1における帯電ローラから発生するオゾン量を示す図
【図5】本発明の実施例1における画像形成時のタイミング・チャート
【図6】本発明の実施例2における画像形成時のタイミング・チャート
【図7】本発明の実施例3の画像形成装置を示す概略図
【図8】本発明の実施例3における磁気ブラシ帯電器の感光ドラム研磨量を示す図
【図9】本発明の実施例3における画像形成時のタイミング・チャート
【符号の説明】
1・・像担持体(被帯電体)としての感光ドラム、2・・主帯電手段、9,2′・・副帯電手段、S1〜S4・・バイアス印加電源、50・・制御回路部
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電装置、および該帯電装置を具備して電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体を帯電する行程を有する作像プロセスにより画像形成を実行する、複写機・レーザービームプリンタ・ファクシミリ・画像表示装置(ディスプレイ装置)等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置における像担持体等の被帯電体の面を所定の極性・電位に帯電処理(除電処理も含む)する帯電手段は、非接触タイプと、接触タイプとに大別される。
【0003】
コロナ帯電器(コロナ放電器)は非接触タイプの帯電手段であり、被帯電体に非接触に対向配設し、高圧の印加で放出されるコロナシャワーに被帯電体面を曝して所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0004】
接触タイプの帯電手段は、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性帯電部材を被帯電体に接触させて、所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるもので、コロナ帯電器に比べて、低オゾン、低電力等の有利性がある。
【0005】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、▲1▼.放電帯電機構と、▲2▼.直接注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現れる。
【0006】
▲1▼.放電帯電機構
接触帯電部材と被帯電体との間の微小間隙に生じるコロナ放電現象により被帯電体表面が帯電される機構である。
【0007】
放電帯電機構は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電閾値(帯電開始電圧Vth)を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、前記の非接触タイプのコロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども原理的に放電生成物を生じる。
【0008】
例えば、接触帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電はその帯電機構は放電帯電機構が支配的である。
【0009】
▲2▼.直接注入帯電機構
接触帯電部材から被帯電体への電荷の直接注入により被帯電体表面が帯電される機構である。
【0010】
直接注入帯電は放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する被帯電体表面電位分のみであり、オゾンの発生もない、オゾンレス・低電力の帯電方式である。また電荷を直接注入するために、表面電位は印加した電圧に対して等価であり帯電開始電圧Vthは現れない。このためDC電圧を印加した場合でも、湿度などの環境の変動に対して変化せず、安定した帯電が可能となる。
【0011】
またその一方で、帯電部材が被帯電体表面に接触した領域のみに電荷が注入するという特性から、帯電部材と被帯電体表面の接触確率が帯電能力を左右する。接触確率が不十分で、未帯電領域が多い場合、帯電部材に印加した電圧に被帯電体表面電位が達する前に帯電が終了してしまうことになる。
【0012】
高い接触確率が均一に得られ、直接注入帯電機構が支配的な帯電手段としては、電圧を印加した帯電部材に付帯した導電性粒子を介在させて、移動する被帯電体を帯電する帯電手段、具体的には、磁気ブラシ帯電や、導電性の弾性ローラに導電性の微粒子を付着させて、弾性ローラ表面と被帯電体を微粒子を介在させて帯電する方法などが挙げられる。
【0013】
前者は一般的にマグネットローラを内包したスリーブ表面に磁性粒子を磁気的に拘束して、スリーブを回転させることにより、被帯電体表面との接触確率を高めつつ帯電を行なうものである。
【0014】
後者は、導電性のスポンジなどから形成されたスポンジローラ上に導電性の微粒子を付着させ、被帯電体表面に粒子を介在させることにより被帯電体との摩擦抵抗を減らして被帯電体と速度差を設けることを可能とし、速度差と粒子の介在により被帯電体との接触確率を向上させるものである。
【0015】
【発明が解決しようとしている課題】
例えば、電子写真画像形成装置においては、高速化対応や、像担持体(被帯電体)として高耐久性シリコンドラム等のように誘電率の高い感光ドラムを均一帯電するには、非常に大きな電流量が必要となる。帯電ローラなどの帯電部材の帯電性劣化は、総電流量に依存している。つまり大きな電流を長時間流すと、帯電部材は物性が変化し、帯電性能が落ちてくる。
【0016】
従来、感光体まわりの寿命は、感光ドラムの磨耗や傷によって決定されてきたが、シリコンドラムのように、機械的強度の高い耐久ドラムでは、感光ドラム周辺部材寿命が厳しくなってくる。特に帯電部材の劣化が非常に大きな課題となってくる。
【0017】
他の課題として、電流量が大きくなると、帯電部材周辺におけるオゾン発生量が増大し、周囲環境などに影響を与えることとなる。
【0018】
また、電流量が大きくなると、高強度の感光ドラムでも表層磨耗が発生してきて、感光ドラムの寿命の課題もあがってくる。
【0019】
本発明は、帯電装置、および該帯電装置を具備する画像形成装置について、上記の問題を解消する、すなわち、装置の高速化における帯電部材の劣化、オゾン発生量増加及び、被帯電体表層の磨耗等の問題を解消すべくなされたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする、帯電装置および画像形成装置である。
【0021】
(1)被帯電体を帯電する主帯電手段と、副帯電手段をもち、主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアスを印加して被帯電体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して被帯電体を帯電するモードを持つことを特徴とする帯電装置。
【0022】
(2)主帯電手段は電圧を印加した帯電部材に付帯した導電性粒子を介在させて、移動する被帯電体を帯電することを特徴とする(1)に記載の帯電装置。
【0023】
(3)導電性粒子は、帯電部材に付帯しており、帯電部材とともに被帯電体に接触して帯電を行なうことを特徴とする(2)に記載の帯電装置。
【0024】
(4)像担持体を帯電手段で帯電する行程を含む作像プロセスにより画像形成を実行する画像形成装置において、
像担持体を帯電する主帯電手段と副帯電手段をもち、主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアスを印加して像担持体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して像担持体を帯電するモードを持つことを特徴とする画像形成装置。
【0025】
(5)像担持体を帯電する主帯電手段と、一つ以上の副帯電手段をもち該像担持体の帯電を行い、像露光により電子潜像を形成し、現像手段によりトナー像を形成して該電子潜像を顕在化し、該トナー像をトナー受容体に転写し、熱定着することで永久固着像とする画像形成装置において、一つ以上の該副帯電手段と主帯電手段の何れにもバイアスを印加して像担持体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して像担持体を帯電するモードを持つことを特徴とする画像形成装置。
【0026】
(6)主帯電手段は電圧を印加した帯電部材に付帯した導電性粒子を介在させて、移動する像担持体を帯電することを特徴とする(4)または(5)に記載の画像形成装置。
【0027】
(7)導電性粒子は、帯電部材に付帯しており、帯電部材とともに像担持体に接触して帯電を行なうことを特徴とする(6)に記載の画像形成装置。
【0028】
(8)像担持体が表面に109〜1014Ω・cmの材料からなる層を有することを特徴とする(4)から(7)の何れかに記載の画像形成装置。
【0029】
(9)像担持体が、感光層、および表面層を有し、該表面層が樹脂および導電粒子を有することを特徴とする(4)から(7)の何れかに記載の画像形成装置。
【0030】
(10)導電粒子がSnO2であることを特徴とする(9)に記載の画像形成装置。
【0031】
(11)像担持体が非晶質のシリコンを有する表面層からなることを特徴とする(4)から(7)の何れかに記載の画像形成装置。
【0032】
〈作 用〉
被帯電体(像担持体)の帯電手段として、少なくとも1つの主帯電手段と、少なくとも1つの副帯電手段を具備させることで、この主・副の帯電手段の協働で均一かつ精度良く被帯電体の帯電を行なわせることができる。
【0033】
そして、均一かつ精度良く被帯電体の帯電を行う場合には主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアス印加して帯電を実行させ、その他の場合には主帯電手段のみにバイアス印加して、被帯電体を帯電する。そうすると、副帯電手段のバイアス印加時間が短くなるので、副帯電手段の通電劣化、オゾン発生量、被帯電体磨耗を少なくすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉
図1は本実施例1の画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【0035】
(1)画像形成装置の全体的な概略構成
本実施例の画像形成装置は転写方式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。像担持体の帯電手段として主・副2つの帯電器を具備させてある。主帯電器は磁気ブラシ帯電器(注入ブラシ帯電器)であり、副帯電器は帯電ローラであり、主帯電器と副帯電器の何れにもバイアスを印加して像担持体を帯電するモードと、主帯電器のみにバイアスを印加して像担持体を帯電するモードを具備させている。
【0036】
[像担持体]
1は像担持体(被帯電体)としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0037】
本実施例における感光ドラム1は、直径30mmのアルミシリンダ上に、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した電荷発生層と、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散した電荷輸送層を持ち、さらに最表層には樹脂および導電粒子を有する層、具体的には、光硬化性のアクリル樹脂に超微粒子のSnO2を分散した電荷注入層からなる有機感光層を持ち、200mm/secの周速度で回転駆動される。
【0038】
[主帯電器と副帯電器]
2は感光ドラム1の周面を帯電処理する主帯電器(主帯電手段)である。本実施例では、スリーブ回転タイプの磁気ブラシ帯電器である。
【0039】
9は感光ドラム1の周面を帯電処理する副帯電器(副帯電手段)である。本実施例では、接触帯電ローラ(以下、補助帯電ローラと記す)であり、主帯電器である磁気ブラシ帯電器2よりも感光ドラム回転方向上流側に配設してある。
【0040】
感光ドラム1は上記の補助帯電ローラ9と磁気ブラシ帯電器2の両方で帯電処理されるか、磁気ブラシ帯電器2のみにより帯電処理される。
【0041】
1)主帯電器2
主帯電器である磁気ブラシ帯電器2は、導電性磁性粒子担持体としての回転可能なφ16mmのスリーブ31とスリーブ31内に固定されたマグネットローラ30が感光ドラム1と500μmの間隔をもって設けられており、スリーブ31には電源S1より、500Vpp、1kVの交番電圧に−600Vの直流電圧Vdeを重畳した帯電バイアスが印加できるようになっている。
【0042】
スリーブ31はモータにより矢印の時計方向に150mm/secの周速度で回転駆動される。即ちスリーブ31は感光ドラム1との対向部において感光ドラム1の回転方向とは逆方向(カウンター)に回転駆動される。
【0043】
マグネットローラ30はスリーブ31の回転方向に5つの磁極ピークを持ち、隣接して同極性の磁極ピークを持つ反発極構成となっている。磁性粒子はマグネットローラ30による磁気拘束力によってスリーブ31上に磁気ブラシとして磁気拘束されて保持され、スリーブ31の回転とともに搬送され、ブレード32により層厚規制された後、感光ドラム1に接触しつつ感光ドラム1の回転方向とは逆方向に搬送される。
【0044】
aは磁性粒子の磁気ブラシと感光ドラム1との接触部である主帯電部である。この主帯電部aにおいて、磁性粒子の磁気ブラシは感光ドラム1の面を接触確率よくまんべんなく摺擦する。これにより感光ドラム1の帯電は直接注入帯電機構が支配的になされる。
【0045】
2)副帯電器9
副帯電器としての補助帯電ローラ9は、φ6mmのステンレス製芯金に厚さ3mmのカーボンブラックを分散させたEPDMを形成し、ディッピング方法にて皮膜層を形成し、150℃、30分間加熱乾燥させて、弾性層と抵抗制御体としての表層を持つφ12mmのローラとしたものである。
【0046】
補助帯電ローラ9は、芯金の両端部が付勢部材(付図示)によって感光ドラム1に向けて付勢されており、感光ドラム1表面に対して所定の押圧力を持って圧接され、感光ドラム1との間に帯状の帯電ニップ部dを形成している。この補助帯電ローラ9は駆動機構をもたず、感光ドラム1の回転に伴って矢印の反時計方向に従動回転する。芯金には電源S3より1.2kVの直流電圧が印加されるようになっている。補助帯電ローラ9の感光ドラム母線方向の帯電領域の幅は主帯電器である磁気ブラシ帯電器2の帯電領域より広くなっており、その関係を図2に示す。
【0047】
補助帯電ローラ9の弾性層としては上記に限ったものではなく、ウレタン、SBR、EVA、SBS、SEBS、SIS、TPO、EPM、NBR、IR、BR、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等があり、必要な抵抗値に応じて、たとえばカーボンブラック、カーボン繊維、金属酸化物、金属紛、過酸化水素塩などの固体電解質や界面活性剤などの導電性付与剤を添加したものなどがある。
【0048】
抵抗制御体の材料としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、フッ素、ポリビニルアルコール、シリコン、NBR、EPDM、CR、IR、BR、ヒドリンゴムなどの樹脂やゴム類などがあり、そこに例えば導電性あるいは、絶縁性のフィラーや添加剤などを混合したものがある。上述のような材料を使用し、帯電部材の電気抵抗値を1×103〜1×1010Ωにするが最終的にこの値になるのであれば上述の材料の組み合わせは特に問わない。本実施例の補助帯電ローラ9の電気抵抗値は1×108Ωであった。
【0049】
50はプリンタの制御回路部(CPU)である。この制御回路部50はプリンタ全体のシーケンス制御を司り、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2と副帯電器として補助帯電ローラ9の何れにもバイアスを印加して感光ドラム1を均一に精度良く帯電する制御モードと、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2のみにバイアスを印加して感光ドラム1を帯電する制御モードを持つ。これについては次の(2)項で詳述する。
【0050】
[像露光]
7は像露光手段である。本実施例ではレーザースキャナであり、画像信号に対応して変調された、発光波長680nmのレーザーLを出力して、上記の補助帯電ローラ9と磁気ブラシ帯電器2の両方で均一に精度良く帯電された感光ドラム1の面を走査露光(照射)する。これにより、感光ドラム1上の電位はレーザーLが照射されたところの電位が落ち、潜像が形成される。
【0051】
[現 像]
3は感光ドラム1面に形成された電子潜像を現像部bにおいてトナー像として現像する現像手段である。本実施例では、2成分現像剤を用いた反転現像器であり、静電潜像の露光明部すなわち感光ドラム1のレーザーLが照射されたところにマイナスのトナーが付着して、静電潜像が反転現像される。
【0052】
現像器3は、固定されたマグネットロール14を内包した回転するスリーブ15が設けられ、現像容器17内の現像剤19をブレード18で薄層にスリーブ15上にコーティングし現像部bへ搬送している。
【0053】
このときスリーブ15は図示しないモータによって駆動され矢印方向に250mm/secの周速度で回転している。現像剤19は2成分現像剤で負帯電性の8μmトナーと正帯電性の50μmの磁性キャリアが重量トナー濃度7%で混合されている。
【0054】
トナー濃度は図示しない光学式トナー濃度センサーによって制御され、トナーホッパー20内のトナーが供給ローラ23によって補給される。容器内の現像剤は攪拌部材21、22により均一に攪拌される。スリーブ15には電源S2から2kVpp、2kHzの交番電界に−500Vの直流電圧Vdeを重畳した現像バイアスが印加される。薄層にコーティングされ、現像部bに搬送された現像剤は前記AC+DC電圧による電界によって感光ドラム1上に現像に寄与する。
【0055】
[転 写]
4は転写手段としての転写ローラである。転写ローラ4は、芯金と、該芯金の外周部にローラ状に一体に形成した中抵抗の弾性層からなり、感光ドラム1に対して所定の押圧力をもって圧接させて転写ニップ部cを形成させている。転写ローラ4は感光ドラム1の回転に順方向に感光ドラム1の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また転写ローラ4の芯金に対して電源S4よりトナーの帯電極性とは逆極性(本例ではプラス)の所定の転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。
【0056】
そして、不図示の給紙機構部からトナー受容体(記録媒体)としての転写材Pが所定の制御タイミングにて転写ニップ部cに給紙されて転写ニップ部cを挟持搬送されていく。その転写材Pの転写ニップ部挟持搬送の間、転写ローラ4の芯金に対して電源S4よりトナーの帯電極性とは逆極性(本例ではプラス)の所定の転写バイアスが印加されることで、感光ドラム1面側のトナー像が転写材P面側に静電転写される。
【0057】
[定 着]
転写ニップ部cを出た転写材Pは感光ドラム1の面から分離され、定着器6に運ばれ、未定着のトナー像が永久固着画像として転写材Pの面に熱圧定着されて、画像形成物(プリント、コピー)として排紙される。
【0058】
[除電露光]
8は除電光ランプであり、中心波長660nm、8lsの光量で発光する。200mm/secで回転していて、転写材分離後の感光ドラム1の面はこの除電光ランプ8により除電光照射(全面露光)を受けることで、除電されて電気的メモリが消去される。
【0059】
[クリーニング]
5は上記除電光ランプ8の次位に配設したクリーナーであり、転写材分離後の感光ドラム1の面に残存する転写残トナーや紙粉等の付着物を除去して感光ドラム1の面を清掃する。クリーナー5で清掃された感光ドラム1は繰返して作像に供される。
【0060】
クリーナー5において、33は清掃部材としてのクリーニングブレードである。このクリーニングブレード33はシリコン変性ポリウレタンゴムからなり、支持板に接着されている。クリーニングブレード33によって感光ドラム1から掻き落とされたトナーはスクリュー34によって図示しない廃トナー容器に運ばれ回収される。
【0061】
(2)主・副帯電器2・9に対する印加バイアス制御モード
ここで、副帯電器としての補助帯電ローラ9に関して、これに通電を行うと、ローラ中の導電剤(抵抗調整剤)などの分布が不均一になって抵抗値が変動してくる。するとミクロ的には、不均一に電流が流れたり、放電が発生し、帯電性が変化してくる。
【0062】
図3に、帯電ローラの耐久試験結果を示す。横軸は耐久時間、縦軸は電流値を表す。DC1.0kV印加、感光ドラムは200mm/sで回転させた。初期電流値は400μAだったが、帯電ローラ抵抗が上昇したため、電流値は200μAまで低下し、飽和しているのが解る。抵抗が高くなると、帯電ローラの帯電性が落ちて、感光ドラム電位ムラとなる。それゆえ、通電時間を少なくすることは、帯電ローラの寿命を決定する大きな課題となる。
【0063】
図4に、帯電ローラに流れる電流値と帯電ローラ付近で発生したオゾン濃度の関係を示す。高速化によって、帯電ローラに流れる電流値が大きくなってくる。その電流量に応じて発生するオゾン濃度も増えてくる。オゾン濃度が増えてくると、本体内の空気の流量を増やしたり、より多くのオゾンフィルターなどが必要となってくる。
【0064】
一方、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2は帯電機構が、磁気ブラシによる感光ドラムへの接触注入帯電(注入ブラシ帯電)によるため、ブラシニップ部での放電が発生せず、オゾン発生も起こらない。
【0065】
前記したように、本実施例では、主帯電器である磁気ブラシ帯電器2のスリーブ31には電源S1より、500Vpp、1kVの交番電圧に−600Vの直流電圧Vdeを重畳した帯電バイアスが印加できるようになっている。
【0066】
また、副帯電器である補助帯電ローラ9の芯金には電源S3より1.2kVの直流電圧が印加されるようになっている。
【0067】
そして、プリンタの制御回路部(CPU)50はプリンタ全体のシーケンス制御を司り、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2と副帯電器として補助帯電ローラ9の何れにもバイアスを印加して感光ドラム1を均一に精度良く帯電する制御モードと、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2のみにバイアスを印加して感光ドラム1を帯電する制御モードを持つ。
【0068】
除電光ランプ8で除電露光を受けたあとの感光ドラム表面は補助帯電ローラ9により凡そ−550Vに帯電され、磁気ブラシ帯電器2の帯電領域における感光ドラム1と帯電スリーブ31間に生じる電位差は高々50V程度である。
【0069】
補助帯電ローラ9に印加する電圧としては、磁気ブラシ帯電器2に印加する電圧と同極性であり、かつ磁気ブラシ帯電器2による帯電時に感光ドラム1と帯電スリーブ31との電位差が100V以内であることが望ましい。
【0070】
副帯電器である補助帯電ローラ9と主帯電器である磁気ブラシ帯電器2の両方による感光ドラム1の帯電において、補助帯電ローラ9で大きな電流を使用し、感光ドラム1を目的の帯電電位まで引き上げる。磁気ブラシ帯電器2は、発生している帯電電位ムラを均一化させる役割を持つ。補助帯電ローラ9は、磁気ブラシ帯電器2より感光ドラム移動方向の上流側に配置し、感光ドラム中に存在するフォトキャリアを中和する役割も持ち、感光ドラム電位の暗減衰ムラを小さくする。補助帯電ローラ9による帯電ムラが大きすぎると、磁気ブラシ帯電器2での電位均一化が難しくなってくる。
【0071】
また副帯電器としての補助帯電ローラ9に印加する電圧は固定値とする必要はなく、たとえば補助帯電ローラ9の汚染や通電劣化による抵抗変化に応じて可変としても良い。また放電閾値の二倍以上の交流電圧を印加して、より安定した帯電を行なうことも出来る。また補助帯電ローラ9による帯電領域は、磁気ブラシ帯電器2による帯電領域全域をカバーしているので、主帯電時の帯電電流は非常に少なくてすむ。
【0072】
1)主・副の両帯電器2・9の何れにもバイアスを印加するモ−ド
制御回路部50は、通常の画像形成時で特に記録紙が搬送され、感光ドラム上に潜像及びトナー現像、転写が行われるタイミングや、感光ドラムの帯電性、感度などの特性を検知し最適な画像形成条件を決定する電位制御するタイミング、現像部の現像性を検知するパッチ検を行うタイミングなどにおいては、主・副の両帯電器2・9の何れにもバイアスを印加して、均一かつ精度良く感光ドラム1の帯電処理を実行させる。
【0073】
2)主帯電器2のみにバイアスを印加するモ−ド
一方、画像形成シーケンス中で感光ドラム1に潜像を形成する前後は、感光ドラム帯電は必ずしも精度良く、均一でなくてもかまわない。このタイミングでは、転写部材などのクリーニング、除電などが行われるだけで、感光ドラムの帯電は、感光ドラムへのフォトメモリーなどを防止するためだけである。一般に、上記感光ドラム前後回転時間は長い。例えば、一枚間欠モードと連続モードで、記録紙一枚に対する感光ドラム帯電時間は、製品にもよるが間欠の方が連続に対し数倍長くなる。それゆえ、帯電部材劣化やオゾン発生量などは、間欠モードの方が厳しくなる。制御回路部50は、画像形成シーケンス中のラフな帯電でも良いタイミングでは、副帯電器としての補助帯電ローラ9に対するバイアス印加はオフの状態にし、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2のみに帯電バイアスを印加して感光ドラムを帯電させる。
【0074】
図5に上記シーケンスのタイミング・チャートを示す。図のように感光ドラム上に潜像を形成するときには、感光ドラム帯電電位を精度良くかつ均一にすることが必要であるため、副帯電器である補助帯電ローラ9と主帯電器である磁気ブラシ帯電器2の両者に対するバイアスをオンする。その他の感光ドラム前後回転時は、主帯電器である磁気ブラシ帯電器2のみバイアスをオンする。
【0075】
本実施例によれば、画像形成時以外のシーケンス中において、副帯電器である補助帯電ローラ9へのバイアス印加を停止することができるので、補助帯電ローラ9の抵抗変動の速度を遅くでき、かつ、オゾン発生量を少なくすることができる。
【0076】
なお、副帯電器9は本実施例ではローラ帯電方式を用いたが、これに限ったものではなく、例えば一般的なコロナ帯電器、又は導電性のブラシを感光体に接触させるファーブラシ帯電器などでも、同様の効果を得ることが出来る。
【0077】
(3)感光体
感光ドラム1についていま少し解説する。像担持体(被帯電体)としての感光ドラム1は、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、好ましくは、有機感光体上に低抵抗の表面層を持つものや、アモルファスシリコン感光体など、表面抵抗が109〜1014Ω・cmの低抵抗層を持つことが、直接注入帯電機構を主体的にすることができ、オゾン発生の防止に効果がある。また帯電性についても向上させることが可能となる。上記実施例においては、有機感光体の表面に電荷注入層として導電粒子(SnO2)が分散され、表面抵抗が1013Ω・cm程度のものを用いている。
【0078】
[有機感光体]
電子写真感光体の光導電材料として、近年種々の有機光導電材料の開発が進み、特に電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型感光体は既に実用化され複写機やレーザービームプリンタに搭載されている。
【0079】
しかしながら、これらの感光体は一般的に耐久性が低い事が1つの大きな欠点であるとされてきた。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼけ等の電子写真物性面の耐久性及び摺擦による感光体表面の摩耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性に大別されいずれも感光体の寿命を決定する大きな要因となっている。
【0080】
この内、電子写真物性面の耐久性、特に画像ぼけに関しては、コロナ帯電器から発生するオゾン、NOx等の活性物質により感光体表面層に含有される電荷輸送物質が劣化する事が原因である事が知られている。
【0081】
また機械的耐久性に関しては、感光層に対して紙、ブレード/ローラ等のクリーニング部材、トナー等が物理的に接触して摺擦する事が原因である事が知られている。
【0082】
電子写真物性面の耐久性を向上させる為には、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにくい電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の高い電荷輸送物質を選択する事が知られている。また、機械的耐久性を上げる為には、紙やクリーニング部材による摺擦に絶える為に、表面の潤滑性を上げ摩擦を小さくする事、トナーのフィルミング融着等を防止する為に表面の離形性をよくすることが重要であり、フッ素系樹脂粉体粒子、フッ化黒鉛、ポリオレフィン系樹脂粉体等の滑材を表面層に配合することが粒子知られている。
【0083】
帯電方式として直接注入帯電を用いる場合、電荷の注入効率を高めるためにSnO2等の導電性微粒子を分散した表層をもうける場合がある。
【0084】
[アモルファスシリコン系感光体(a−Si)]
電子写真において、感光体における感光層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。
【0085】
特に、事務機としてオフィスで使用される電子写真装置内に組み込まれる電子写真装置用感光体の場合には、大量に、且つ長期にわたり複写される事を考えると、画質、画像濃度の長期安定性も重要な点である。
【0086】
この様な点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報には電子写真装置用感光体としての応用が記載されている。
【0087】
このような電子写真装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CD法、光CD法、プラズマCD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
【0088】
また、特開昭54−83746号公報においては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)光導電層からなる電子写真装置用感光体が提案されている。該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、電子写真装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることができるとしている。
【0089】
また、特開昭57−115556号公報には、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が記載されている。
【0090】
更に、特開昭60−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての技術が記載され、特開昭62−168161号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0091】
また更に、特開昭57−158650号公報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2100cm−1と2000cm−1の吸収ピークの吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電層に用いることにより高感度で高抵抗な電子写真装置用感光体が得られることが記載されている。
【0092】
一方、特開昭60−95551号公報には、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示されている。
【0093】
これらの技術により、電子写真装置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0094】
また、アモルファスシリコン感光体は直接注入帯電方式に対しても良好な帯電性を示す。
【0095】
(4)磁気ブラシ帯電器2
本実施例で用いた主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2において、スリーブ31の周速度は遅すぎると感光ドラム表面と磁性粒子の接触確率が不十分となり、帯電ムラ等画像不良の要因となり、速すぎると磁性粒子の飛散を引き起こしてしまう。良好な帯電が行なえる周速度は、スリーブ31の外径や感光ドラム1との間隔にも依存するが、本実施例における帯電スリーブ31の周速度としては50〜250mm/secが好ましい。帯電部aにおける感光ドラム1とスリーブ31のギャップは500μm、帯電部aのスリーブ31上でのマグネット30による磁束密度は950×10−4Tである。ブレード32のスリーブ回転方向の上流側には磁性粒子の溜まり部Tが形成されておりスクリュー36は溜まり部Tの磁性粒子をスリーブ母線方向に攪拌している。スクリュー34は楕円形の羽を方向を交互に取り付けたものであり、溜まり部Tの磁性粒子を偏らせることなく攪拌することが出来る。
【0096】
磁性粒子としては、下記のものが好適に用いられる。
【0097】
・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボン等を混ぜるたもの、
・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調節したもの、
・上記の磁性粒子を抵抗調整をしたコート材(フェノール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等。
【0098】
これら磁性粒子の抵抗値としては、高すぎると感光ドラムに電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。低すぎると感光ドラム表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電圧が降下し感光ドラム表面を帯電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。よって磁性粒子の抵抗値としては、1×104〜1×107Ωが望ましい。
【0099】
磁性粒子の磁気特性としては、感光ドラムへの磁性粒子付着を防止するために磁気拘束力を高くする方がよく、飽和磁化が50(A・m2/kg)以上が望ましい。
【0100】
実際に、本実施例で用いた磁性粒子は、体積平均粒径が30μm、見かけ密度2.0[g/cm3]、抵抗値1×106Ω、飽和磁化58(A・m2/kg)であった。また、磁性粒子の粒径は帯電能力や帯電の均一性に影響する。つまり、粒径が大きすぎると感光ドラム1との接触割合が低下し帯電ムラの原因となる。粒径が小さいと帯電能力、均一性ともに向上する反面、一粒子に作用する磁力が低下し、感光ドラム1への付着が起きやすくなる。このため磁性粒子の粒径としては5〜100μmのものが好適に用いられる。
【0101】
磁性粒子の総量は200gであり、スクリュー13およびマグネットローラ30の反発極による攪拌効果で磁性粒子全体が緩やかに攪拌される構成となっている。
【0102】
〈実施例2〉
本実施例は、画像形成装置本体の電源スイッチ・オン後のシーケンスに関するものである。
【0103】
電源スイッチ後は、画像形成装置本体の定着装置6がウオームアップされるまでに、感光ドラムの電位制御などが行われる。
【0104】
図6に電源スイッチ・オン後シーケンスのタイミング・チャートの一例を示す。電源をオンすると定着ヒータが点灯する。その後、あるタイミングで感光ドラム周りの制御が開始する。そのとき、感光ドラム帯電は均一かつ精度が良いことが必要となり、制御回路部50は副帯電器としての補助帯電ローラ9と主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2の両者にバイアス印加する。一方その他の精度を必要としないタイミングでは、主帯電器としての磁気ブラシ帯電器2のみにバイアス印加する。
【0105】
これにより、補助帯電ローラ9の通電時間を少なくできるので、補助帯電ローラの通電劣化、オゾン発生量を少なくすることができる。
【0106】
〈実施例3〉
本実施例は図7に示すように、主・副2つの帯電器2・2′をどちらも磁気ブラシ帯電器としたものである。感光ドラム回転方向に対して上流側の第一の磁気ブラシ帯電器2′を副帯電器(補助帯電)として使用する。一方、下流側の第二の磁気ブラシ帯電器2を主帯電器として使用され、感光ドラム1の帯電均一性をより高める。
【0107】
磁気ブラシ帯電器の場合、密になったキャリア(導電性磁性粒子)である磁気ブラシの穂を感光ドラムに接触させるため、感光ドラムの表面が削れことがある。この削れは、キャリアによる機械的な切削によるものが主であるが、バイアスを印加することによっても、磁気ブラシの穂のでき方が異なってきて、感光ドラム削れを促進することがある。図8に、バイアス印加有り無し時の感光ドラム削れ量を示す。図のように、バイアスあり時の削れ量は無し時に比べ二割程度多くなるのがわかる。
【0108】
そこで本実施例では、図9のシーケンスのタイミング・チャートにあるように、均一にかつ精度良く感光ドラムを帯電する必要がある場合は、主・副2つの帯電器である第一と第二の磁気ブラシ帯電器2・2′の両方にバイアスを印加する。一方、その他の精度があまり必要ないタイミングでは、主の帯電器である第二の磁気ブラシ帯電器2のみにバイアスを印加する。
【0109】
以上のように、感光ドラム帯電に関して精度が無くてもいい場合には、片方の磁気ブラシ帯電器2′に対する印加バイアスを停止することによって、該磁気ブラシ帯電器2′へのバイアス印加時間を短くできるので感光ドラム寿命を長くすることができる。
【0110】
〈その他〉
1)以上の実施例においては、主帯電器に磁気ブラシ帯電器を使用し、副帯電器に帯電ローラまたは磁気ブラシ帯電器を使用したが、必ずしもこの組み合わせが必須ではなく、主・副の帯電器ともにコロナ帯電器、帯電ローラあるいは、主の帯電器を帯電ローラ、副の帯電器をコロナ帯電器、またはその逆など、いろいろな組み合わせが考えられ、同様な効果を得ることができた。
【0111】
また主・副の帯電器の種類は上記に限ったものではなく、その他例えば、導電性のスポンジなどから形成されたスポンジローラ上に導電性の微粒子を付着させ、像担持体表面に粒子を介在させることにより像担持体との摩擦抵抗を減らして像担持体と速度差を設けることを可能とし、速度差と粒子の介在により像担持体との接触確率を向上させて直接注入帯電を行う帯電器、ファーブラシ帯電器、ブレード帯電器など、非接触タイプまたは接触タイプの適宜の帯電手段を用いることが出来る。
【0112】
また主・副の帯電器ともに複数個にした装置構成にすることも出来る。
【0113】
2)画像形成装置における像担持体としての感光体の帯電面に対する情報書き込み手段としての像露光手段は実施例のレーザー走査手段以外にも、例えば、LEDのような固体発光素子アレイを用いたディジタル露光手段であってもよい。ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。要するに、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであればよい。
【0114】
像担持体は静電記録誘電体等であってもよい。この場合は該誘電体面を所定の極性電位に一様に一次帯電させた後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的除電がなされて画像情報の静電潜像が形成される。
【0115】
像担持体としての電子写真感光体や静電記録誘電体に形成担持させたトナー像を一旦中間転写体に転写させ、それを更にトナー受容体としての転写材に転写させて熱や圧力等で永久固着像として定着させることもできる。
【0116】
また、像担持体としての電子写真感光体や静電記録誘電体を回動ベルト型にし、これに上記の帯電・潜像形成・現像の各行程手段により画像情報に対応したトナー像を形成担持させ、そのトナー像形成部を閲読表示部に位置させて画像表示させ、表示後はそのトナー像を転写材に転写させることなく像担持体面から除去し、像担持体は繰り返して表示画像の形成に使用する画像表示装置(ディスプレイ装置)も本発明の画像形成装置の範疇にある。
【0117】
3)本発明の帯電装置は画像形成装置の像担持体(電子写真感光体、静電記録誘電体等)の帯電装置に限られず、広く被帯電体の帯電処理手段(除電処理も含む)として使用して有効であることは勿論である。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、被帯電体(像担持体)の帯電手段として、少なくとも1つの主帯電手段と、少なくとも1つの副帯電手段とを具備させることで、この主・副の帯電手段の協働で均一かつ精度良く被帯電体の帯電を行なわせることができる。そして、均一かつ精度良く被帯電体の帯電を行う場合には主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアス印加して帯電を実行させ、その他の場合には主帯電手段のみにバイアス印加して、被帯電体を帯電することで、副帯電手段のバイアス印加時間が短くなるので、副帯電手段の通電劣化、オゾン発生量、被帯電体磨耗等を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の画像形成装置を示す概略図
【図2】本発明の実施例1の画像形成装置における主帯電と補助帯電の帯電領域と感光ドラムの関係を示す模式図
【図3】本発明の実施例1における帯電ローラの通電時電流変化を示す図
【図4】本発明の実施例1における帯電ローラから発生するオゾン量を示す図
【図5】本発明の実施例1における画像形成時のタイミング・チャート
【図6】本発明の実施例2における画像形成時のタイミング・チャート
【図7】本発明の実施例3の画像形成装置を示す概略図
【図8】本発明の実施例3における磁気ブラシ帯電器の感光ドラム研磨量を示す図
【図9】本発明の実施例3における画像形成時のタイミング・チャート
【符号の説明】
1・・像担持体(被帯電体)としての感光ドラム、2・・主帯電手段、9,2′・・副帯電手段、S1〜S4・・バイアス印加電源、50・・制御回路部
Claims (11)
- 被帯電体を帯電する主帯電手段と、副帯電手段をもち、主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアスを印加して被帯電体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して被帯電体を帯電するモードを持つことを特徴とする帯電装置。
- 主帯電手段は電圧を印加した帯電部材に付帯した導電性粒子を介在させて、移動する被帯電体を帯電することを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
- 導電性粒子は、帯電部材に付帯しており、帯電部材とともに被帯電体に接触して帯電を行なうことを特徴とする請求項2に記載の帯電装置。
- 像担持体を帯電手段で帯電する行程を含む作像プロセスにより画像形成を実行する画像形成装置において、
像担持体を帯電する主帯電手段と副帯電手段をもち、主帯電手段と副帯電手段の何れにもバイアスを印加して像担持体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して像担持体を帯電するモードを持つことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体を帯電する主帯電手段と、一つ以上の副帯電手段をもち該像担持体の帯電を行い、像露光により電子潜像を形成し、現像手段によりトナー像を形成して該電子潜像を顕在化し、該トナー像をトナー受容体に転写し、熱定着することで永久固着像とする画像形成装置において、一つ以上の該副帯電手段と主帯電手段の何れにもバイアスを印加して像担持体を帯電するモードと、主帯電手段のみにバイアスを印加して像担持体を帯電するモードを持つことを特徴とする画像形成装置。
- 主帯電手段は電圧を印加した帯電部材に付帯した導電性粒子を介在させて、移動する像担持体を帯電することを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
- 導電性粒子は、帯電部材に付帯しており、帯電部材とともに像担持体に接触して帯電を行なうことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 像担持体が表面に109〜1014Ω・cmの材料からなる層を有することを特徴とする請求項4から7の何れかに記載の画像形成装置。
- 像担持体が、感光層、および表面層を有し、該表面層が樹脂および導電粒子を有することを特徴とする請求項4から7の何れかに記載の画像形成装置。
- 導電粒子がSnO2であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 像担持体が非晶質のシリコンを有する表面層からなることを特徴とする請求項4から7の何れかに記載の画像形成装置。
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JP2007041190A (ja) * | 2005-08-02 | 2007-02-15 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212657A patent/JP2004054022A/ja active Pending
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JP4598650B2 (ja) * | 2005-10-20 | 2010-12-15 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
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