JP2002372837A - 磁気ブラシ帯電装置 - Google Patents

磁気ブラシ帯電装置

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JP2002372837A
JP2002372837A JP2001180002A JP2001180002A JP2002372837A JP 2002372837 A JP2002372837 A JP 2002372837A JP 2001180002 A JP2001180002 A JP 2001180002A JP 2001180002 A JP2001180002 A JP 2001180002A JP 2002372837 A JP2002372837 A JP 2002372837A
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magnetic
charging
magnetic brush
layer
charging device
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Tetsuya Atsumi
哲也 渥美
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気ブラシ帯電装置において、被帯電体がアモ
ルファスシリコン系感光体の場合であっても、簡易な構
成で端部の磁性粒子の被帯電体への付着を長期にわたり
防止すること。 【解決手段】帯電剤担持体33に帯電剤としての導電性
磁性粒子34aを磁界発生手段32の磁力により磁気ブ
ラシ34として担持させて被帯電体1に接触させ、電圧
を印加して被帯電体1の帯電を行なう磁気ブラシ帯電装
置3であって、帯電剤担持体33の長手方向端部表面が
端部に向かって高抵抗化処理36・37・38・39・
35され、その高抵抗化処理領域の内側端部が帯電保証
領域よりも外側であり、かつ磁界発生手段の長手方向の
磁力有効領域端部よりも内側であることを特徴とする磁
気ブラシ帯電装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電子写真
装置等の画像形成装置において感光体等の被帯電体を帯
電処理(除電処理も含む)する帯電装置に関する。特
に、磁気ブラシ帯電装置(磁気ブラシ帯電器)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、被帯電体の帯電装置としては、低
オゾン、低電力等の利点を有することから接触帯電装
置、すなわち、被帯電体に対し電圧を印加した帯電部材
を当接させて被帯電体の帯電を行なう方式の装置が実用
化されてきている。
【0003】このような接触帯電方式の帯電装置におい
て、被帯電体に接触させる帯電部材にはローラ型(帯電
ローラ)、ブレード型(帯電ブレード)など種々の形態
があり、また様々な改善提案がある。
【0004】その中で、特開昭59−133569号公
報等のように、磁性体(マグネット)と磁性粒子(或い
は粉体)からなる磁気ブラシ状の接触帯電部材を用いた
磁気ブラシ帯電方式が提案されており、接触帯電部材と
してローラ型、ブレード型などを用いた場合よりも、被
帯電体と帯電部材の接触性等の特性を向上させることが
可能である。
【0005】図6は磁気ブラシ帯電装置の実施形態例の
模式図である。この磁気ブラシ帯電装置3はスリーブ回
転タイプの装置であり、芯金31と、芯金31まわりに
同心一体に設けた円筒状の多極磁性体(磁界発生手段)
としてのマグネット・ローラ32と、このマグネット・
ローラ32の外側に芯金31を中心に回転自在に同心に
外嵌させて設けられた非磁性のスリーブ(帯電剤担持
体、帯電スリーブ)33と、この帯電スリーブ33の外
周面に帯電スリーブ内側のマグネット・ローラ32の磁
力により磁性粒子(帯電剤)を吸着保持させて形成され
る磁気ブラシ層34とで構成される磁気ブラシ帯電部材
30と、磁気ブラシ帯電部材30に対する帯電バイアス
電圧印加電源S1とからなり、磁気ブラシ帯電部材30
は、被帯電体としての感光体(感光体ドラム)1に略平
行にして芯金31の両端部を軸受けさせ、磁気ブラシ層
34を感光体1面に所定幅の帯電ニップ部nを形成する
ように接触させて配設してある。
【0006】この磁気ブラシ帯電部材30は、帯電ニッ
プ部nにおいて感光体1の回転方向とは逆方向(カウン
ター方向)である矢示の時計方向、或いは帯電ニップ部
nにおいて感光体1の回転方向と順方向である反時計方
向に周速差をもって回転駆動され、感光体1面が帯電ニ
ップ部nにおいて磁気ブラシ層34で摺擦される。
【0007】そして帯電バイアス電圧印加電源S1によ
り帯電スリーブ33を介して磁気ブラシ層34に対して
所定の帯電バイアスが所定の極性・電位の直流電圧(V
dc単独:DC印加方式)、或いは交流電圧Vacを重
畳した振動電圧(Vdc+Vac:AC印加方式)で印
加され、回転駆動されている感光体1の外周面が接触帯
電方式にて所定の極性・電位に均一帯電される。
【0008】ここで、マグネット・ローラ32は、通
常、フェライト磁石やゴム・マグネット等の磁性材料が
用いられる。
【0009】また、磁気ブラシ層34を形成させる磁性
粒子には、Cu−Zn−Fe−O系等の磁性酸化鉄(フ
ェライト)粉、マグネタイト粉、樹脂中にフェライトや
マグネタイト等の磁性材料を分散させたもの、周知の磁
性トナー材等が、一般的に用いられる。
【0010】この磁気ブラシ帯電方式を用い、被帯電体
として有機感光体(OPC)上に導電性微粒子を分散さ
せた表層を有するものや、アモルファスシリコン系感光
体(a−Si)などを用いると、磁気ブラシ帯電部材3
0に印加したバイアスのうちの直流成分(Vdc)と略
同等の帯電電位を被帯電体表面に得ることが可能である
ため、このような帯電方法のことを注入帯電と称する。
【0011】しかも注入帯電を用いれば、被帯電体への
帯電がコロナ帯電器を用いて行なわれるような放電現象
を利用しないので、完全なオゾンレス、かつ、低電力消
費型帯電が可能となり注目されてきている。
【0012】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、例
えば電子写真画像形成装置において、被帯電体としての
感光体1の帯電手段として前述した磁気ブラシ帯電方式
にも克服すべき特有の諸問題が存在する。その一つに、
以下のような問題があった。
【0013】磁気ブラシ帯電部材30の長手方向(回転
中心軸線方向、感光体の母線方向)の磁気ブラシ層端
部、すなわち帯電スリーブ33に内包されるマグネット
・ローラ32の着磁領域端部においては磁力が低下し、
磁気ブラシ層34の端部の磁性粒子の密度が粗となり、
その磁気ブラシ層端部と感光体1との接触が不安定とな
るため、微細領域までも均一に帯電することが難しい。
【0014】従って、感光体表面と磁気ブラシ先端との
間に電位差が生じ、磁気ブラシ層34を構成している磁
性粒子が磁気ブラシ帯電部材30側から感光体1へ付着
してしまうという問題である。その結果、長期耐久にお
いて、磁気ブラシ帯電部材30の磁性粒子が減少して帯
電性能が低下する。また感光体1に付着した磁性粒子は
現像装置に混入して現像性能を劣化させたり、複写機本
体内にこぼれ落ちて機内を汚染するなどの弊害を生じる
ことになる。
【0015】そこで従来は、帯電スリーブ33と端部の
磁性粒子を電気的に絶縁する部材を設け、感光体表面と
導電部材の導電経路を絶つことによりこれを防止した。
帯電スリーブ端部の絶縁部材としては、商品名マイラー
(ポリエチレンテレフタレート)テープ(商品名)、商
品名テフロン(ポリテトラフロロエチレン)テープ等の
絶縁性テープが用いられていた。
【0016】図7はその従来の磁気ブラシ帯電装置3の
端部構成を示す説明図である。aは帯電保証領域(=画
像形成領域:実際に潜像形成及び現像を行う領域)、b
は絶縁領域、cは磁気ブラシ層コート領域である。また
マグネット・ローラ32の長手寸法部分が磁力有効領域
(着磁有効幅)である。
【0017】磁気ブラシ層コート領域cの端部に絶縁領
域bとしてマイラーテープ35を貼ることにより絶縁性
を確保し、端部のコート不安定領域において感光体表面
と磁気ブラシ先端の電位差を生じさせない構成となって
いる。
【0018】図7は従来の磁気ブラシ帯電装置を用いた
場合の磁気ブラシ層34の表面電位について説明する電
位図である。Aは磁気ブラシ帯電部材30に印加してい
る直流電圧(Vdc)である。絶縁部材35が無い場合
(すなわち磁気ブラシ層コート領域cが帯電保証領域a
までしか無い場合)、Bの如く、磁気ブラシ層端部の磁
性粒子は未帯電領域の境に位置し、また端部で感光体1
に対する磁気ブラシの接触が不安定であり磁性粒子の接
触していない微細な領域において帯電の不十分な領域が
生じ、感光体側に付着する力を受ける。また、帯電領域
境界の内側と外側では帯電電位のギャップが大きく、感
光体上の外側へ向かって磁性粒子付着電界が生じる。
【0019】そこで、磁気ブラシ層コート領域cを長手
方向に延長し、延長した部分にマイラーテープ35を施
すことにより、Cの如く、端部の電位低下がスロープ状
になり、コート領域境界に近づくほど磁気ブラシ先端の
電位も低下し、キャリア付着電界は小さくなる。
【0020】図9と図10はそれぞれ磁気ブラシ帯電装
置3を有機感光体(OPC)とアモルファスシリコン系
感光体(a−Si)の帯電に用いた場合の帯電保証域に
おける帯電性能(図9)と磁気ブラシ層端部での帯電電
位を示す電位図(図10)である。
【0021】図9において、磁気ブラシ帯電部材30に
印加される直流電圧(Vdc)に対し、有機感光体(O
PC)の帯電電位は良好だが、アモルファスシリコン系
感光体(a−Si)は帯電電位としては追従性が悪く、
帯電電位が上がるほどそれが顕著となっている。
【0022】また、図10において、αは磁気ブラシ層
の表面電位である。αの印加電圧に対し、有機感光体
(OPC)の場合、βの如く帯電し、端部の電位低下が
磁気ブラシ層の表面電位とほぼ同等であり、帯電保証領
域aから絶縁領域bに磁気ブラシ層コート領域が変化し
てもその境界領域における磁気ブラシ層と感光体の表面
電位に変化が少ないので磁性粒子付着電界は小さくなっ
ている。−方、アモルファスシリコン系感光体(a−S
i)の場合、γの如く帯電しているため、帯電保証領域
aから絶縁領域bに変化した際、境界領域における磁気
ブラシ層34と感光体1との表面電位に大きな変化があ
るため、磁性粒子付着電界が大きく、OPCよりも磁性
粒子が感光体へ付着しやすいことが問題となっている。
【0023】本発明は、磁気ブラシ帯電装置において、
被帯電体がアモルファスシリコン系感光体の場合であっ
ても、簡易な構成で端部の磁性粒子の被帯電体への付着
を長期にわたり防止することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする磁気ブラシ帯電装置である。
【0025】(1)回転可能な帯電剤担持体と、前記帯
電剤担持体内に内包され、周方向に複数の磁極を有する
磁界発生手段と、前記帯電剤担持体の外面に前記磁界発
生手段の磁力により磁気拘束されて担持された帯電剤と
しての導電性磁性粒子の磁気ブラシを有し、前記磁気ブ
ラシを被帯電体に当接させ、電圧を印加して帯電を行う
磁気ブラシ帯電装置において、前記帯電剤担持体の長手
方向端部表面が端部に向かって高抵抗化処理され、その
高抵抗化処理領域の内側端部が帯電保証領域よりも外側
であり、かつ前記磁界発生手段の長手方向の磁力有効領
域端部よりも内側であることを特徴とする磁気ブラシ帯
電装置。
【0026】(2)被帯電体に電圧を印加した導電性磁
性粒子を当接させて帯電を行なう磁気ブラシ帯電装置で
あって、帯電剤としての前記導電性磁性粒子を収納する
ための帯電剤収納部を有すると共に、長手方向に開口部
を有する帯電剤容器と、前記開口部に取り付けられ、回
転可能な帯電剤担持体と、前記帯電剤担持体内に内包さ
れ、周方向に複数の磁極を有する磁界発生手段と、を有
する磁気ブラシ帯電装置において、前記帯電剤担持体の
長手方向端部表面が端部に向かって高抵抗化処理され、
その高抵抗化処理領域の内側端部が画像形成領域よりも
外側であり、かつ前記磁界発生手段の長手方向の磁力有
効領域端部よりも内側であることを特徴とする磁気ブラ
シ帯電装置。
【0027】(3)前記被帯電体はアモルファスシリコ
ン感光体であることを特徴とする(1)または(2)に
記載の磁気ブラシ帯電装置。
【0028】
【発明の実施の形態】〈実施例1〉図1は本発明に係る
磁気ブラシ帯電装置を用いた画像形成装置の一例の概略
構成模型図である。本実施例の画像形成装置は、電子写
真プロセス利用のレーザビームプリンタである。
【0029】Aはプリンタ部、Bはこのプリンタ部の上
に搭載したリーダ部(イメージスキャナ)である。
【0030】(1)リーダ部B 10は装置上面に固定配設した原稿台ガラスであり、こ
の原稿台ガラスの上面に原稿Gを複写すべき面を下向き
にして載置し、その上に不図示の原稿圧着板を被せてセ
ットする。
【0031】9は原稿照射用ランプ・短焦点レンズアレ
イ・CCDセンサ等を配設した画像読み取りユニットで
ある。このユニット9は、不図示のコピーボタンが押さ
れることで、原稿台ガラス10の下側において該ガラス
の左辺側の実線示のホームポジションから右辺側にガラ
ス下面に沿って往動駆動され、所定の往動終点に達する
と復動駆動されて始めの実線示のホームポジションに戻
される。
【0032】該ユニット9の往動駆動過程において、原
稿台ガラス10上の載置セット原稿Gの下向き画像面が
ユニット9の原稿照射用ランプにより右辺側から左辺側
にかけて順次に照明走査され、その照明走査光の原稿面
反射光が短焦点レンズアレイによってCCDセンサに結
像入射する。
【0033】CCDセンサは受光部、転送部、出力部よ
り構成されている。CCD受光部において光信号が電荷
信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期して順
次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を電圧信
号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。
得られたアナログ信号は周知の画像処理を行なわれデジ
タル信号に変換されプリンタ部Aに送られる。
【0034】即ち、リーダBにより原稿Gの画像情報が
時系列電気デジタル画素信号(画像信号)として光電読
み取りされる。
【0035】(2)プリンタ部A 1は像担持体(被帯電体)としての回転ドラム型の電子
写真感光体である。本例の感光体1は直径30mmのa
−C:H(アモルファスシリコン系感光体、後述する図
5の(c)の層構成)である。
【0036】待機状態のプリンタにコピー開始信号が入
力されると、感光体1は矢印の時計方向に100mm/
secのプロセス・スピード(周速度)をもって回転駆
動され、前露光ランプ8で均一に除電を受けた後、磁気
ブラシ帯電装置3により所定の極性・電位になるように
一様に帯電される。この磁気ブラシ帯電装置3について
は次の(3)項で詳述する。
【0037】そして該回転感光体1の一様帯電面に対し
て、固体レーザ素子、高速で回転するポリゴン・ミラー
等を含むレーザ露光手段2から出力される、前記リーダ
部Bの光電読み取り画像情報のデジタル信号に対応して
強度変調されたレーザビームによる走査露光Eがなさ
れ、感光体1の周面に対して原稿画像の画像情報に対応
した静電潜像が形成される。
【0038】その静電潜像は磁性一成分絶縁トナー(ネ
ガトナー)tを用いた現像装置4によりトナー像として
現像される。41はマグネット・ローラ(不図示)を内
包する直径16mmの非磁性の現象スリーブであり、こ
の現象スリーブ41に上記ネガトナーtをコートし、感
光体1表面との距離を200μmに固定した状態で、感
光体1と等速で回転させ、現像スリーブ41に現像バイ
アス電源(不図示)より現像バイアス電圧を印加する。
印加電圧は、−350Vの直流電圧と、周波数1.8M
Hz、ピーク間電圧1.6kVの矩形の交流電圧を重畳
したものを用い、現像スリーブ41と感光体1の間でジ
ャンピング現象を行なわせる。
【0039】一方、給紙カセット12内に収納の記録材
としての転写材Pが給紙ローラ13により一枚宛繰り出
されてプリンタ部A内に給送され、レジストローラ14
により所定の制御タイミングにて感光体1と接触転写手
段としての中抵抗の転写ローラ7との圧接ニップ部であ
る転写部Tに給紙される。
【0040】転写ローラ7には転写バイアス印加電源
(不図示)から所定の転写バイアス電圧が印加される。
本実施例ではローラ抵抗値は5×108Ωのものを用
い、+2000Vの直流電圧を印加して転写を行った。
転写部Tに導入された転写材Pはこの転写部Tを挟持搬
送されて、その表面側に感光体1の表面に形成担持され
ているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写
されていく。
【0041】転写部Tでトナー画像の転写を受けた転写
材Pは感光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着
装置6へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成
物(コピー、プリント)として装置外へ排出される。
【0042】また、転写材Pに対するトナー画像転写後
の感光体表面はクリーニング装置5により残留トナー等
の付着汚染物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像
に供される。
【0043】本実施例のプリンタは、感光体1、磁気ブ
ラシ帯電装置3、現像装置4及びクリーニング装置5の
4つのプロセス機器をカートリッジ11に包含させてプ
リンタ本体に対して一括して着脱交換自在のカートリッ
ジ方式にした装置にしてあるが、これに限るものではな
い。
【0044】(3)磁気ブラシ帯電装置3 図2は磁気ブラシ帯電装置3の横断面模式図、図3は磁
気ブラシ帯電装置3の一端部側の縦断正面模式図であ
る。この磁気ブラシ帯電装置3は、前述した図6・図7
の磁気ブラシ帯電装置3と同様のスリーブ回転タイプの
装置である。
【0045】40は帯電剤容器であり、帯電剤としての
導電性磁性粒子(磁性キャリア)34aと、磁気ブラシ
帯電部材30を収納させてある。磁気ブラシ帯電部材3
0は、芯金31と、芯金31まわりに同心一体に設け
た、周方向に複数の磁極を有する円筒状の多極磁性体
(磁界発生手段)としてのマグネット・ローラ32と、
このマグネット・ローラ32の外側に芯金31を中心に
回転自在に同心に外嵌させて設けられた、帯電剤担持体
としての外径16mmの非磁性の帯電スリーブ33と、
この帯電スリーブ33の外周面に帯電スリーブ内側のマ
グネット・ローラ32の磁力により磁性粒子(帯電剤)
を吸着保持させて形成される磁気ブラシ層34とで構成
される。帯電スリーブ33の両端部側はそれぞれ帯電剤
容器40の端面板間に軸受43を介して回転自在に支持
させてある。芯金31とマグネット・ローラ32は非回
転に固定されている。磁気ブラシ帯電部材30の下面部
は帯電剤容器40の下向き開口部41から外部に露呈さ
せてある。42は磁性粒子層厚規制ブレードであり、帯
電剤容器40の開口部41に先端部を帯電スリーブ33
に所定のギャップをあけて接近させて配設してある。
【0046】上記の磁気ブラシ帯電装置3は帯電剤容器
40の下向き開口部41から外部に露呈している磁気ブ
ラシ帯電部材30の磁気ブラシ層34を感光体1に対し
て帯電ニップ部nとして所定の接触幅をもって接触させ
た状態にして配設してある。
【0047】帯電剤容器40内の磁性粒子溜まり部の磁
性粒子34aは帯電スリーブ近傍部分が帯電スリーブ3
3内のマグネット・ローラ32の磁界により磁気ブラシ
層として磁気拘束されて帯電スリーブ上に保持される。
そして帯電スリーブ33が不図示の駆動機構により回転
駆動されることで該帯電スリーブ上に保持されている磁
性粒子の磁気ブラシ層34も搬送され、帯電スリーブ3
3と磁性粒子層厚規制ブレード42とのギャップ部を通
ることで層厚規制され、帯電ニップ部nにおいて感光体
1面を摺擦する。帯電ニップ部nを通った磁性粒子の磁
気ブラシ層34は引き続く帯電スリーブ33の回転で帯
電剤容器40内に戻し搬送される。
【0048】帯電スリーブ33には帯電バイアス電圧印
加電源S1から直流電圧−700Vの帯電バイアスに対
して矩形状の交番電圧2MHz、750Vを重畳したバ
イアスが印加されていて、電荷注入帯電によって感光体
1の外周面がほぼ−550Vに一様に帯電される。
【0049】帯電スリーブ33は感光体1に対しカウン
ター方向に回転しており、本実施例においては、感光体
1の回転速度100mm/secに対し帯電スリーブ3
3は150mm/secで回転している。また、感光体
1に対して形成される帯電ニップ部nのニップ幅は略6
mmになるよう調整している。
【0050】上記帯電スリーブ33に、帯電電圧を印加
することにより、磁性粒子から電荷が感光体1上に与え
られ、帯電電圧に対応した電位に帯電される。回転速度
については速いほど帯電均一性が良好になる傾向にあ
る。
【0051】磁性粒子34aとしては、フェライト粒子
が好ましく、組成としては、銅、亜鉛、マンガン、マグ
ネシウム、鉄、リチウム、ストロンチウム、バリウム等
の金属元素を含むものが好適に使用される。また、平均
粒径(体積50%のメジアン径)が10〜100μm、
飽和磁化が20〜250emu/cm3、抵抗が1×1
2〜1×1010Ω・cmのものが用いられるが、感光
体にピンホールのような絶縁欠陥が存在することを考慮
すると1×106Ω・cm以上のものを用いることが好
ましい。一方、帯電性能を良くするには可能な限り抵抗
の小さいものを用いる方が良好なので、本実施例におい
ては、平均粒径25μm、飽和磁化200emu/cm
3、抵抗が5×106Ω・cmの磁性粒子で、フェライト
表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行ったものを用い
ている。
【0052】ここで、磁性粒子の抵抗値は、底面積が2
28(mm2)の金属セルに磁性粒子を2g入れた後、
6.6kg/cm2で加重し、100Vの直流電圧を印
加して測定している。
【0053】次に本実施例において用いた磁気ブラシ帯
電装置3の端部処理について図3を参照して説明する。
【0054】図3において、aは帯電保証領域(=画像
形成領域:実際に潜像形成及び現像を行う領域)、b′
は絶縁領域、cは磁気ブラシ層コート領域である。また
マグネット・ローラ32の長手寸法部分が磁力有効領域
(着磁有効幅)である。
【0055】磁気ブラシ層コート領城cの端部に、高抵
抗化領域(抵抗領域)として .磁性粒子と同抵抗に調整した磁性テープ36(5×
106Ω・cm)、 .カーボンを分散し抵抗値を調整したフェノール樹脂
37(108Ω・cm)、 .カーボンを分散し抵抗値を調整したフェノール樹脂
38(1012Ω・cm)、 .ポリカーボネート・シート39(1016Ω・c
m)、 .マイラーテープ35(1017Ω・cm以上) を順次に貼ることにより端部に向かって高抵抗化し、端
部のコート不安定領域において感光体表面と磁気ブラシ
先端の電位差を生じさせない構成となっている。
【0056】即ち、帯電剤担持体である帯電スリーブ3
2の長手方向端部表面が端部に向かって高抵抗化処理3
6〜39、35され、その高抵抗化処理領域の内側端部
が帯電保証領域aよりも外側であり、かつ磁界発生手段
であるマグネット・ローラ32の端部、すなわちマグネ
ット・ローラ32の長手方向の磁力有効領域(着磁有効
幅)の端部よりも内側である構成である。
【0057】図4は上記の場合の磁気ブラシ層34と感
光体1の端部の表面電位について説明する電位図であ
る。α′は磁気ブラシ層34の表面電位である。α′の
印加電圧に対し、アモルファスシリコン系感光体(a−
Si)の場合、γ′の如く帯電し、帯電保証領域aから
抵抗領域b′に変化しても、抵抗領域内においても、磁
気ブラシ層34と感光体1との表面電位に大きな変化が
無いため、磁性粒子付着電界が小さく、OPCよりも磁
性粒子が感光体へ付着しないようにすることができた。
【0058】以上のような磁気ブラシ帯電装置構成にお
いて、5万枚の通紙耐久を行ったが、帯電スリーブ33
の端部から磁性粒子が感光体1に付着する量は激減し、
磁気ブラシ帯電部材としての磁性粒子が減少することも
なく初期の帯電性能を維持させることができた。
【0059】なお、実施例では、帯電スリーブ33の端
部を端部に向って高抵抗化処理する構成として、抵抗値
を変えた部材36・37・38・39・35を個々に帯
電スリーブ33の端部に貼り付ける構成としたが、本発
明はこの方法に限るものではなく、1枚のシート(或い
はテープ)中で、所定の幅で抵抗値を変えたものや、徐
々に抵抗値を変えたもの、シート厚(シート厚によって
体積抵抗が変化するもの)を変化させたものであっても
良い。
【0060】〈その他の実施形態〉 1)像担持体は電子写真感光体に限らず、静電記録誘電
体等であってもよい。この場合は、一様に帯電した該像
担持体の面を除電針アレイ、電子銃等の除電手段で選択
的に除電して静電潜像を形成する。
【0061】2)本発明の磁気ブラシ帯電装置は画像形
成装置の像担持体の帯電処理に限られず、広く被帯電体
の帯電処理(除電処理も含む)装置として有効である。
【0062】3)ここで、電子写真感光体に関していま
少し詳しく説明する。
【0063】磁気ブラシ帯電方式には、通常用いられて
いる有機感光体等を用いることができるが、望ましく
は、有機感光体上にその抵抗が109〜1014Ω・cm
の材質を有する表面層を持つものや、アモルファスシリ
コン系感光体などを用いると、電荷注入帯電を実現で
き、オゾン発生の防止、ならびに消費電力の低減に効果
がある。また、帯電性についても向上させることが可能
となる。
【0064】a)有機感光体(OPC) 帯電スリーブ33に対向する積層型感光体の感光層の構
成としては、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送
層をこの順に積層したものを用いている。
【0065】導電性支持体は導電性を有するものであれ
ば、いずれのものでもよく、例えばアルミニウム、銅、
クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属をドラ
ムあるいはシート状に成形したもの、アルミニウム及び
銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートした
もの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等を
プラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単
独またはバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設け
た金属、プラスチックフィルムあるいは紙等が挙げられ
る。
【0066】これらの導電性支持体の上に形成する感光
層の塗工方法はスプレーコーティング、ビームコーティ
ング及び浸漬コーティング等の方法が用いられる。その
際、通常導電性支持体を固定して支持することが必要で
あり、その支持部材に塗工液が付着しないように維持す
るために、支持体端部に未塗工領域が残る場合がある。
また、端部まで塗工する場合、塗工液が縁にだれる場合
が生じる。感光体を本体に支持するために装着する端部
支持部材であるフランジが正しい角度で装着され、感光
体のアライメント精度を維持するためには導電性支持部
材端部の研磨行程が必要となるため、感光体製造上はで
きる限り未塗工領域の存在を許容することが望ましい。
【0067】具体例においては、負帯電の有機感光体
で、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体上に下
記の第1〜第5の5つの層を下から順に設けた感光体を
用いた。
【0068】第1層は下引き層であり、アルミニウム基
体(以下アルミ基体と称する)の欠陥等をならすために
設けられている厚さ20μmの導電層である。
【0069】第2層は正電荷注入防止層であり、アルミ
基体から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負
電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹
脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×106Ω・
cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層であ
る。
【0070】第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の
顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、露
光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0071】第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネ
ート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導
体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこ
の層を移動することができず、電荷発生層で発生した正
電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0072】第5層は電荷注入層であり、絶縁性樹脂の
バインダーにSnO2超微粒子を分散した材料の塗工層
である。具体的には絶縁性樹脂に光透過性の絶縁フィラ
ーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電
化)した粒径約0.03μmのSnO2粒子を樹脂に対
して70重量パーセント分散した材料の塗工層である。
【0073】このように調合した塗工液をディッピング
塗工法にて厚さ約4μmに塗工して電荷注入層とした。
この際、感光体の奥側端部に5mmの感光層未塗工領域
が存在した。
【0074】b)アモルファスシリコン系感光体(a−
Si) 電子写真において、感光体における感光層を形成する光
導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)
/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクト
ル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答
性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時におい
て人体に対して無害であること、等の特性が要求され
る。
【0075】特に、事務機としてオフィスで使用される
画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の
場合には、大量に、且つ長期にわたり使用される事を考
えると、画質、画像濃度の長期安定性も重要な点であ
る。
【0076】この様な点に優れた性質を示す光導電材料
に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:
H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−350
59号公報には画像形成装置用感光体としての応用が記
載されている。
【0077】このような画像形成装置用感光体は、一般
的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該
支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCV
D法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成
する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガス
を直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によ
って分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法
が好適なものとして実用に付されている。
【0078】また、特開昭54−83746号公報にお
いては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素とし
て含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)
光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されてい
る。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1
乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、
画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、
光学的特性を得ることができるとしている。
【0079】また、特開昭57−115556号公報に
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さら
には経時的安定性について改善を図るため、シリコン原
子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層
上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のア
モルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が
記載されている。
【0080】更に、特開昭60−67951号公報に
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有
してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体
についての技術が記載され、特開昭62−168161
号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と
41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶
質材料を用いる技術が記載されている。
【0081】また更に、特開昭57−158650号公
報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペ
クトルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピーク
の吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光
導電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装
置用感光体が得られることが記載されている。
【0082】一方、特開昭60−95551号公報に
は、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のため
に、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して
帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行
なうことにより、感光体表面での水分の吸着による表面
抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する
技術が開示されている。
【0083】これらの技術により、画像形成装置用感光
体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が
向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0084】図5の(a)〜(f)はそれぞれ画像形成
装置用感光体の層構成を説明するための模式的構成図で
ある。
【0085】(a)に示す画像形成装置用感光体200
は、感光体用としての支持体201の上に、感光層20
2が設けられている。該感光層202はa−Si:H,
Xからなり光導電性を有する光導電層203で構成され
ている。
【0086】(b)に示す画像形成装置用感光体200
は、感光体用としての支持体201の上に、感光層20
2が設けられている。該感光層202はa−Si:H,
Xからなり光導電性を有する光導電層203と、アモル
ファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系
表面層204とから構成されている。
【0087】(c)に示す画像形成装置用感光体200
は、感光体用としての支持体201の上に、感光層20
2が設けられている。該感光層202はa−Si:H,
Xからなり光導電性を有する光導電層203と、アモル
ファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボン系
表面層204と、光導電層203と支持体201の間の
アモルファスシリコン系電荷注入阻止層205、また光
導電層203と表面層204との間の同205’とから
構成されている。
【0088】(d)及び(e)に示す画像形成装置用感
光体200は、それぞれ、感光体用としての支持体20
1の上に、感光層202が設けられている。該感光層2
02は光導電層203を構成するa−Si:H,Xから
なる電荷発生層207ならびに電荷輸送層208と、ア
モルファスシリコン系、及び/又はアモルファスカーボ
ン系表面層204と、光導電層203と支持体201の
間、及び/または光導電層203と電荷注入阻止層に電
荷注入阻止層205、205’とから構成されている。
【0089】(f)に示す画像形成装置用感光体200
は、感光体用としての支持体201の上に、感光層20
2が設けられている。該感光層202は光導電層203
を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層207
ならびに電荷輸送層208と、アモルファスシリコン
系、及び/又はアモルファスカーボン系表面層204と
から構成されている。
【0090】特に図示はしていないが、光導電層203
と支持体201の間、及び/または光導電層203と電
荷注入阻止層に電荷注入阻止層205、205’があっ
ても良い。
【0091】[支持体201]支持体201としては、
導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体と
しては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、
V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの
合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロース
アセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なく
とも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も
用いることができる。
【0092】[光導電層203]光導電層203は、支
持体201上、必要に応じて下引き層(不図示)上に形
成され、感光層202の一部を構成する光導電層203
は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるよ
うに適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成
される。
【0093】具体的には、例えばグロー放電法(低周波
CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等
の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、
スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング
法、光CVD法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法に
よって形成することができる。
【0094】これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資
本投資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装
置用感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択
されて採用されるが、所望の特性を有する画像形成装置
用感光体を製造するに当たっての条件の制御が比較的容
易であることからしてグロー放電法、特にRF帯、μW
帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放
電法が好適である。
【0095】グロー放電法によって光導電層203を形
成するには、基本的には周知のごとくシリコン原子(S
i)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子
(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハ
ロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、
内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入
して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじ
め所定の位置に設置されてある所定の支持体201上に
a−Si:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0096】また、ハロゲン原子供給用の原料ガスとし
て有効なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、
ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換さ
れたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロ
ゲン化合物が好ましく挙げられる。
【0097】また、さらにはシリコン原子とハロゲン原
子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハ
ロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして
挙げることができる。
【0098】一般にa−Siは伝導性を制御する原子を
含有させない場合、弱いn型伝導特性を有するため、ネ
ガa−Siにおいては、伝導性を制御する原子を含有
(ドープ)させなくても良いが、i型にする為、あるい
は製造安定性のラチチュードを広げる為等、必要に応じ
て伝導性を制御する原子を含有させてもよい。
【0099】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表IIIb族に属する原子
(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導
特性を与える周期律表Vb族に属する原子(以後「第V
b族原子」と略記する)を用いることができる。
【0100】第IIIb族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0101】第Vb族原子導入用の原料物質として有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2
4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3
PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が
挙げられる。この他、AsH 3、AsF3、AsCl3
AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、S
bCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3
等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして
挙げることができる。
【0102】[表面層204]本例においては、上述の
ようにして支持体201上に形成された光導電層203
の上に、更にアモルファスシリコン系及び/またはアモ
ルファスカーボン系の表面層204を形成することが好
ましい。
【0103】この表面層204は自由表面を有し、主に
耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環
境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために
設けられる。
【0104】表面層204は、アモルファスシリコン系
の材料であればいれずの材質でも可能であるが、例え
ば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を
含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に
酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−
SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/
またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,
X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素
原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材
料が好適に用いられる。
【0105】該表面層204は、例えばグロー放電法
(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波C
VD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD
法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレー
ティング法、光CVD法、熱CVD法など周知の薄膜堆
積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積
法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規
模、作成される画像形成装置用感光体に所望される特性
等の要因によって適宜選択されて採用される。
【0106】表面層204の層厚としては、通常0.0
1〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.
1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が
0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理
由により表面層が失われてしまい、3μmを越えると残
留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる場合が
ある。
【0107】その他に、表面層として炭素を主体とした
非晶質炭素膜(以下「a−C:H」と表記する)を使用
することが好ましい。さらに、内部且つ/又は最表面に
フッ素との結合を有する非晶質炭素膜(以下「a−C:
H:F」と表記する)を使用することが好ましい。
【0108】a−C:Hは撥水性に優れ、低摩擦であ
り、また、a−SiCと同等乃至はそれ以上の高硬度で
有り、環境対策ヒーターを除去した状態においても高湿
環境下での画像のぼけを防止する効果がある。また、帯
電促進粒子や磁性粒子の機械的な摩擦による感光体への
移動や感光体の摩耗を低減できる。
【0109】[電荷注入阻止層805]画像形成装置用
感光体200においては、導電性支持体201と光導電
層203との間に、導電性支持体201側からの電荷の
注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層805を、ま
た光導電層203と表面層204の間に、表面層側から
の電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層20
5’を設けてもよい。
【0110】前述の電荷注入阻止層205を下部注入阻
止層(UBL;Under Blocking Lay
er)、後述の電荷注入阻止層205’を上部注入阻止
層(Top Blocking Layer)と称す
る。
【0111】これらの電荷注入阻止層は、感光層が一定
極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側、
或いは表面層側より光導電層側に電荷が注入されるのを
阻止する機能を有している。逆の極性の帯電処理を受け
た際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極性
依存性を有している事が好ましい。
【0112】そのような機能を付与するために、電荷注
入阻止層には伝導性を制御する原子等を光導電層に比べ
比較的多く含有させる。
【0113】該層に含有される伝導性を制御する原子
は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、ある
いは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。分
布濃度が不均一な場合には、UBL205では支持体側
に、またTBL205’では表面層側に多く分布するよ
うに含有させるのが好適である。いずれの場合にも支持
体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏
なく含有されることが面内方向における特性の均一化を
はかる点からも必要である。
【0114】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純
物を挙げることができ、「第III族原子」または「第V
族原子」を用いることができる。
【0115】本例において、電荷注入阻止層の層厚は所
望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の
点から好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは
0.1〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが
望ましい。
【0116】また、画像形成装置用感光体200に於い
ては、支持体201と光導電層203あるいはUBL2
05との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例え
ば、Si34、SiO2、SiO、あるいはシリコン原
子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、
炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子と
を含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良
い。更に、前述のごとく、支持体からの反射光による干
渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けても良
い。
【0117】上記の各層は、例えば13.56MHz等
のRF帯を用いた高周波プラズマCVD法(RF−PC
VD)や50〜450MHzのVHF帯を用いた講習は
プラズマCVD法(VHF−PCVD)などの周知の装
置および膜形成方法にて製造される。
【0118】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
磁気ブラシ帯電装置において、被帯電体がアモルファス
シリコン系感光体の場合であっても、簡易な構成で端部
の磁性粒子の被帯電体への付着を長期にわたり防止する
ことができ、従って、磁性粒子が減少することによる問
題が解消されて長期にわたって初期の帯電性能を維持さ
せることに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における画像形成装置の構成概略図
【図2】 磁気ブラシ帯電装置の横断面模式図
【図3】 磁気ブラシ帯電装置の一端部側の縦断正面模
式図
【図4】 実施例における磁気ブラシ層及び感光体の端
部の表面電位を説明する概略電位図
【図5】 アモルファスシリコン系感光体の各種の層構
成を説明する模式図
【図6】 状ライの磁気ブラシ帯電装置の一例の要部の
横断面模式図
【図7】 端部構成図
【図8】 磁気ブラシ層の表面電位状態図
【図9】 感光体性能を説明する電位図
【図10】 感光体の端部帯電状態を説明する概略電位
【符号の説明】
1:感光体、2:レーザ露光手段、3:磁気ブラシ帯電
装置、31:芯金、32:マグネット・ローラ、33:
帯電スリーブ、34:磁気ブラシ層、35:マイラーテ
ープ、36〜39:抵抗シート、4:現像装置、5:ク
リーニング装置、6:定着装置、7:転写ローラ、8:
前露光ランプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能な帯電剤担持体と、前記帯電剤担
    持体内に内包され、周方向に複数の磁極を有する磁界発
    生手段と、前記帯電剤担持体の外面に前記磁界発生手段
    の磁力により磁気拘束されて担持された帯電剤としての
    導電性磁性粒子の磁気ブラシを有し、前記磁気ブラシを
    被帯電体に当接させ、電圧を印加して帯電を行う磁気ブ
    ラシ帯電装置において、 前記帯電剤担持体の長手方向端部表面が端部に向かって
    高抵抗化処理され、その高抵抗化処理領域の内側端部が
    帯電保証領域よりも外側であり、かつ前記磁界発生手段
    の長手方向の磁力有効領域端部よりも内側であることを
    特徴とする磁気ブラシ帯電装置。
  2. 【請求項2】被帯電体に電圧を印加した導電性磁性粒子
    を当接させて帯電を行なう磁気ブラシ帯電装置であっ
    て、 帯電剤としての前記導電性磁性粒子を収納するための帯
    電剤収納部を有すると共に、長手方向に開口部を有する
    帯電剤容器と、 前記開口部に取り付けられ、回転可能な帯電剤担持体
    と、 前記帯電剤担持体内に内包され、周方向に複数の磁極を
    有する磁界発生手段と、 を有する磁気ブラシ帯電装置において、 前記帯電剤担持体の長手方向端部表面が端部に向かって
    高抵抗化処理され、その高抵抗化処理領域の内側端部が
    画像形成領域よりも外側であり、かつ前記磁界発生手段
    の長手方向の磁力有効領域端部よりも内側であることを
    特徴とする磁気ブラシ帯電装置。
  3. 【請求項3】前記被帯電体はアモルファスシリコン感光
    体であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁
    気ブラシ帯電装置。
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