JP3715829B2 - 電子写真方法及び電子写真装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方法及び電子写真装置に関し、更に詳しくは、アモルファスシリコン系感光体(a−Si感光体)を用いた電子写真方法及び該感光体を有する電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
a−Si感光体は表面硬度が高く、半導体レーザー(770nm〜800nm)などの長波長光に高い感度を示し、しかも繰返し使用による劣化もほとんど認められない等、特に高速複写機やLBP(レーザービームプリンター)等の電子写真用感光体として商用されている。
【0003】
図1はa−Si感光体を用いた電子写真装置の画像形成プロセスの一例を説明するための概略的構成図であって、矢印R1方向に回転する感光体401の周辺には、主帯電器402、静電潜像形成部位403、現像器405、転写紙供給系406、転写帯電器407(a)、分離帯電器407(b)、クリーナ409、搬送系410、除電光源411などが配設されている。主帯電器402としては通常、均一な帯電性に優れるコロナ帯電器が広く利用されている。
【0004】
以下、一例を以て画像形成プロセスを説明すると、感光体401は+6〜8kVの高電圧を印加した主帯電器402により一様に帯電され、これに静電潜像形成部位403より導き投影された静電潜像が形成され、この潜像に現像器405からネガ極性トナーが供給されてトナー像となる。一方、転写紙供給系406を通って感光体方向に供給される転写材Pは+7〜8kVの高電圧を印加した転写帯電器407(a)と感光体401の間隙において背面から、トナーとは反対極性の正電界を与えられ、これによって感光体表面のネガ極性トナー像は転写材Pに転移する。12〜14kVp−p、300〜600Hzの高圧AC電圧を印加した分離帯電器407(b)により、転写材Pは転写紙搬送系410を通って定着装置(不図示)に至り、トナー像は定着されて装置外に排出される。
【0005】
電子写真において、感光体における感光層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点である。この様な点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報に画像形成装置用感光体としての応用が記載されている。
【0006】
a−Si:Hを用いた画像形成装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
【0007】
たとえば、特開昭54−83746号公報においては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されている。ここでは、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることができるとしている。
【0008】
また、特開昭57−11556号公報には、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面層を設ける技術が記載されている。
【0009】
更に、特開昭60−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての技術が記載され、特開昭62−168161号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0010】
さらに、特開昭57−158650号公報には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクトルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置用感光体が得られることが記載されている。
【0011】
一方、特開昭60−95551号公報には、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して帯電、露光、現像および転写といった画像形成工程を行うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示されている。
【0012】
これらの技術により、画像形成装置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0013】
また、前述の感光体の高湿画像流れを防止、除去する為に、感光体内面側に熱源、たとえば面状乃至棒状の電熱ヒータを円筒状感光体内面側に配設し、感光体を加温することが知られている。
【0014】
とはいえ、画像流れを防止する為に、ヒーターによって常時加熱することは前述の様に消費電力量の増大を招く。こうしたヒーターの容量は通常15Wから80W程度と必ずしも大電力量といった印象ではないが、夜間も含め常時通電されているケースがほとんどであり、一日あたりの消費電力量としては、画像形成装置全体の消費電力量の5〜15%にも達する場合もある。
【0015】
ところで電子写真装置の多用途化やオフィス等の省スペース化にともない、それに合わせ、省スペースでかつ、多機能、コピー速度の速いものが求められてきている。そのため、設計面から高速度化、小型化、多機能化に配慮した設計が行われる必要がある。
【0016】
しかしながら、電子写真装置の、高速度化や、小型化、多機能化にともない、帯電装置の小型化、プロセススピードが上がることにより、帯電器内の感光体の通過時間が短くなり、高帯電を感光体表面に得ること、つまり充分に感光体表面を帯電させること、が難しくなっている。また、省エネルギーの面からは、ドラムヒーターのカットや帯電器の電流値を下げることにより、電子写真装置全体の消費電力をより一層下げることも望まれている。
【0017】
特に、高速度化や感光体の小径化を行う場合、帯電に対して大きな問題が発生する。高速化の場合、帯電器の幅が同じ場合においても、帯電器内を感光体のある1点が通過する時間、つまり、帯電されるための時間、が短くなり帯電量が低下する場合がある。また、ドラム状の感光体の直径の小径化を行う場合は、帯電器の幅が制限されることにより、結果として充分に帯電するための領域をとれず帯電を十分に得ることができない場合がある。
【0018】
高速度化や感光体の小径化の共通の問題として、露光から次の感光体表面の帯電のための帯電器まで感光体表面のある点が移動する時間が短くなることもある。非晶質シリコンを用いる場合、露光による光メモリー現象を有している。この光メモリーは露光後の時間により減少するので、この時間が短いほど、画像にゴーストとして現れやすい。このゴーストを消すために、除電露光を過剰に与えることは可能であるが、除電露光の光量を上げるに従い帯電能が低下し易い。
【0019】
またこれらの問題を解決しても、感光体特性の温度依存性が大きい場合はヒーターによる感光体の温度制御をやめることができない。
【0020】
従って、電子写真方式を利用した画像形成装置、乃至電子写真画像形成方法を設計する際に、上記のような課題が解決されるように、画像形成装置用感光体の電子写真特性、機械的耐久性など総合的な観点からの改良を図るとともに、帯電効率がよくかつ均一に帯電する帯電装置、画像形成装置の一段の改良を図ることが必要とされている。
【0021】
また、高画質化に向けてドット径を小さくすることが行われるが、この場合、ドットの再現性を上げることが必要であり、それに対し潜像レベルでの改善を行うことも重要である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、プロセスを高速度化した場合、または小型化した場合においても、ゴーストメモリを改善でき、且つ、高帯電能の電子写真方法および電子写真装置を提供することを目的とする。
【0023】
また、本発明は感光体を小径化し、あるいはより一層の高速化が可能でかつ露光スポット径の小径化が可能で更なる高画質化を達成することができる電子写真方法及び電子写真装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光受容層を有する感光体の表面を除電する除電工程、該感光体の表面を帯電させる帯電工程、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成する潜像露光工程、静電潜像にトナーを供給し現像してトナー像を形成する現像工程、を含む一連の工程により画像形成を行う電子写真方法において、前記光受容層はアモルファスシリコンを有し前記感光体の回転速度が、260mm/s〜360mm/sで、該感光体のコントラスト電位が、350Vのときに、前記潜像露光工程に用いる光として、該感光体に該感光体を帯電する前に光を照射しなかった場合の帯電電位と所望の波長の光を照射した後に帯電させた時の帯電電位の差を該帯電電位の差を発生させる該波長における感度で割った値がその極小値の1.5倍以下となる範囲の波長の光を用いる電子写真方法を提供する。
【0025】
また、本発明は該電子写真方法を利用した電子写真装置を提供する。
【0026】
加えて、本発明は、光受容層を有する感光体、該感光体の表面を除電する除電手段、該感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成する潜像露光手段、静電潜像にトナーを供給し現像してトナー像を形成する現像手段、を含む電子写真装置において、前記光受容層はアモルファスシリコンを有し前記感光体の回転速度が、260mm/s〜360mm/sで、該感光体のコントラスト電位が、350Vのときに、潜像露光工程に用いる光として、該感光体に該感光体を帯電する前に光を照射しなかった場合の帯電電位と所望の波長の光を照射した後に帯電させた時の帯電電位の差を該帯電電位の差を発生させる該波長における感度で割った値がその極小値の1.5倍以下となる範囲の波長の光を用いる電子写真装置を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明者は、検討を重ねた結果、感光体に照射する光に所定の範囲の波長の光を用いることにより、高速度化、感光体の小径化といった帯電能の厳しい条件の下でも、ゴーストが改善されることを発見した。これによって、過剰の除電露光を照射しなくてもゴーストが改善されるので、過剰の除電露光による帯電能の低下がなく、十分な帯電電位が得られることを見い出した。以下に、詳しく説明する。
【0028】
図2にアモルファスシリコン感光体の各波長における感度の一例を測定した結果を示す。ここでは、表面が400Vに帯電されたアモルファスシリコン感光体に各波長の光を照射して表面電位が200V(△200V)になったときと50V(△350V)になったときの単位光量[単位面積]あたりの表面電位の変化量(つまり△200Vと△350V)の値が照射された各波長の光ごとに示されている(単位V・cm2/μJ)。その結果、アモルファスシリコン感光体は、700nm付近に感度のピークを持っており、700nm以上の波長では、感度が急激に下がることがわかった。700nm以上の波長で感度が下がる理由はバンドギャップ以上の十分のエネルギーを付与できないためであると考えられる。
【0029】
したがって、効率良くアモルファスシリコン感光体を使用するのであれば感度の良好な波長を用いることが望ましい。
【0030】
しかし、感度の良い波長を像露光光源に用いるというだけではアモルファスシリコン感光体を使用するにあたっては充分とはいえない場合がある。即ち、アモルファスシリコンは感光による光メモリが発生するため、感度の最も感度の高い波長を像露光の波長に単に使うだけでは、光メモリの問題、たとえばゴーストが生ずる場合がある。
【0031】
そこで本発明者らは、帯電前に照射した光照射の光メモリとの関係をみるため、帯電前に波長の異なる光を照射して、光メモリの波長依存性を調べた。図3a)に、帯電前に照射した各波長及び各光量に対する帯電能の減少量(単位V)、即ち帯電前光メモリを示す。また、図3b)には帯電前の光照射から、帯電させるまでの時間を変更したときの各波長における帯電前光メモリを示す。
【0032】
露光から帯電までの時間が長いほど帯電前光メモリが小さくなったが、帯電前光メモリのピーク波長は、ほとんど変化がなかった。これらの結果から、帯電能を減少させる波長は、730nm付近であることが分かった。
【0033】
本発明者は、図2および図3の結果を基に、感度を維持したままメモリを小さくするためには、感光体の感度に対する帯電前光メモリを小さくすること、即ち(帯電前光メモリ)/(感度)の値、いいかえれば、単位コントラスト電位で発生する光メモリの値、がなるべく小さくなる像露光を用いることによりゴースト電位が小さくなることを発見し、本発明に至った。
【0034】
像露光に用いる光の波長として(帯電前光メモリ)/(感度)の値が極小値となる波長が最も好ましいが、極小値となる波長でなくても(帯電前光メモリ)/(感度)の値が極小値の1.5倍以下となる範囲の波長を用いれば、本発明の効果が十分に得られる。
【0035】
図4は、「感光体を帯電する前に光照射しなかった電位」と、「所望の波長の平利照射した後に帯電させた帯電電位」との差を「該波長における感度」で割った値を示すグラフの1例である。具体的には感度(単位V・cm2/μJ)として図2のコントラスト差△350Vの値を用いた。その結果、像露光波長には、500nm〜680nmの露光を用いることにより、画像上のゴーストメモリのランクが向上することがわかる。これにより、ゴーストレベルを落とさずに、帯電能を向上できた。また、より好ましくは600nmから660nmの範囲が有効であった。このように感度に対する帯電前光メモリの極小値となる像露光光源を使用することで、アモルファスシリコンドラムの高速化や小径化といった、帯電能の厳しい条件の下でも、アモルファスシリコンの高帯電能化に有効であることが分かった。
【0036】
これは、像露光が660nm以上になると帯電前光メモリが大きくなり、また、600nm以下の波長では、LEDや半導体レーザーのような単一波長光源を用いる場合、残留電位が大きくなり、見かけ上の感度の低下を招くことによると考えられる。そのため過剰の光が当たり、光メモリが増加するためと考えられる。
【0037】
また、半導体レーザーを使用する場合、これらの波長を用いることにより、光学設計レベルでドット径を小さくすることが可能であり、それによりより高画質な画像を得ることが可能である。
【0038】
本発明において、上記像露光を用いた場合、最適な除電露光について以下に示す。除電光波長が680nm以上の場合、電位ムラが急激に大きくなる傾向にある。これは、膜質にムラがある場合、除電光による光メモリのムラが発生しやすくなるためと考えられる。また、短波長側で波長が短くなるに従い、ムラが大きくなるのは、残留電位ムラが発生するためであり、ムラを軽減するためには、600nm以上680nm以下、より好ましくは630nm以上680nm以下の除電露光を用いると良い事が分かった。次に、帯電能に対するゴースト電位の評価を像露光を行った結果上記範囲を満足することでゴーストメモリ改善にも効果があることが分かった。
【0039】
すなわち、帯電能、ゴースト、帯電電位ムラの3点を共に満足するためには、像露光除電露光を本発明の範囲で用いることがより望ましい。
【0040】
本発明において、帯電は通常知られるコロナ放電により行うことができる。とはいえ、コロナ放電による帯電はオゾンの発生を伴う。
【0041】
発生するオゾンについては、従来からオゾン除去フィルターで分解無害化して排出していた。特にパーソナルユースの場合、排出オゾン量は極力低減しなければならない。このように経済面からも帯電時の発生オゾン量を大幅に低減する方式が求められている。そのような要望に沿う帯電装置として、たとえば特開昭63−208878号公報に記載されている様な接触帯電方式がある。これは、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に当接させて被帯電面を所望の電位に帯電するもので、コロナ放電装置に比べて、
第1に、被帯電体面に所望の電位を得るのに必要とされる印加電圧の低電圧化が図れる事、第2に、帯電過程で発生するオゾン量が無乃至極微量であり、オゾン除去フィルターの必要性が無くなる事、そのため装置の排気系の構成が簡素化される事、メンテナンスフリーである事、第3に、帯電過程で発生するオゾン量が無乃至極微量であることで、オゾン並びにオゾン生成物が被帯電体である像担持体、例えば感光体の表面に付着し、コロナ生成物の影響で感光体表面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなることによる、表面の低抵抗化による画像流れを防止する為に行われている加熱ヒーターによる感光体表面の除湿の必要性が無くなる事、そのため夜間通電等の電力消費の大幅な低減が図れる事、等の長所を有している。
【0042】
接触帯電方式の帯電装置としては、ブレード状やシート状の固定式の帯電部材を被帯電体に当接させ、これに帯電バイアスを印加して帯電を行うものがある。
【0043】
(a)帯電ブレード接触帯電装置
図5に帯電ブレードを用いた接触帯電装置の一実施態様を示す。20は接触帯電部材としての帯電ブレードであり、電極板21と、その感光体対向面側に形成した抵抗層22からなり、該帯電ブレード20の先端部を感光体1面に所定の押圧力で接触させて配設してある。nは接触ニップ部(帯電ニップ部)である。
【0044】
電極板21は、通常、アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮、銅、鉄、ステンレス等の金属や、樹脂、セラミック等の絶縁材料に導電処理、即ち、金属をコーティングしたり、導電性塗料を塗布したりしたものを用いる。
【0045】
抵抗層22は、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂や、シリコンゴム、ウレタンゴム等のエラストマーに、酸化チタン、炭素粉、金属粉等の導電性フィラーを分散したものが一般的に用いられる。
【0046】
抵抗層22の抵抗値は、HIOKI社(メーカー)製のMΩテスターで250Vから1kVの印加電圧における測定にて、1×103〜1×1012Ωcmなる抵抗を有する。
【0047】
該帯電部材20の抵抗値は、その使用される環境、高帯電効率、感光体表面層の耐圧特性等に応じて適宜選択されることが望ましい。
【0048】
Sは帯電ブレード20に対する帯電バイアス印加電源であり、該電源Sにより帯電ブレード20の電極板21に所定の帯電バイアス電圧が印加されることで、回転駆動されている感光体1の外周面が所定の極性・電位に接触帯電方式で帯電処理される。
【0049】
帯電部材20に対する帯電バイアスは直流電圧Vdcのみを印加するDC印加方式と、直流電圧Vdcに交流電圧Vacを重畳した振動電圧を印加するAC印加方式がある。AC印加方式について、特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望の帯電電位Vdに相当する直流電圧Vdcに被帯電体の帯電開始電圧Vthの2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分を重畳した振動電圧(時間と共に電圧値が周期的に変化する電圧)を印加して帯電を行わせる方式は、交流電圧成分による帯電電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の帯電電位は交流電圧成分の中央であるVdに収束し、帯電の均一化が図られる。帯電開始電圧Vthは帯電部材に直流電圧を印加して被帯電体の帯電が開始する場合の帯電部材への印加電圧値である。
【0050】
(b)磁気ブラシ接触帯電装置
上記の解決策として、接触帯電部材のさまざまな改善といった進み方の中で、特開昭59−133569号公報等のように、磁性体(マグネット、磁石)と磁性粉体(或は粒子)からなる磁気ブラシ状の接触帯電部材を用いた磁気ブラシ接触帯電装置が提案されている。
【0051】
磁気ブラシ接触帯電装置は、接触帯電部材としてローラー型、ブレード型などを用いた場合よりも、被帯電体と帯電部材の接触性等の特性の向上が図られる。
【0052】
図6に磁気ブラシ接触帯電装置の一実施態様を示す。23は磁気ブラシ帯電部材であり、本例のものは、芯金24と、該芯金まわりに同心一体に設けた円筒状の多極磁性体としてのマグネットローラー25と、このマグネットローラー25の外周面に該マグネットローラーの磁力により磁気ブラシとして吸着保持させた、磁性粉体(或は磁性粒子、磁性キャリア)の磁気ブラシ層26と、芯金24の両端側にそれぞれ回転自由に外嵌させた円盤型のスペーサーコロ27・27からなるマグネットローラー回転タイプである。この磁気ブラシ帯電部材23を、感光体1に略並行にして、両端側のスペーサーコロ27・27を感光体1の両端側の面に常時当接させた状態に保持させて、芯金24の両端側を軸受け保持させる。また、26aは付着物、28は付着物を除去するためのブレードである。
【0053】
スペーサーコロ27・27はマグネットローラー25の外径よりも大きく、磁気ブラシ層26の外径よりは小さい外径としてあり、マグネットローラー25と感光体1との最近接間隙(ギャップ)αを所定に規制する役目をする。該間隙αは50〜2000μmの範囲が好ましく、より好ましくは100〜1000μmである。
【0054】
磁気ブラシ層26は感光体1とマグネットローラー25との間において感光体1の面に接触して接触ニップ部nを形成する。感光体1とマグネットローラー25の最近接間隙αが上記のようにスペーサーコロ27・27で所定に規制されることで、接触ニップ部nの感光体回転方向における幅が安定化される。
【0055】
帯電部材23のマグネットローラー25は、本例においては、接触ニップ部nにおいて感光体1の回転方向とは逆方向である矢示の時計方向に回転駆動され、回転感光体1面が接触ニップ部nにおいて磁気ブラシ層26で摺擦される。
【0056】
電源Sにより芯金24、マグネットローラー25を介して磁気ブラシ層26に対して所定の帯電バイアス電圧がDC印加方式或はAC印加方式で印加されて、回転駆動されている感光体1の外周面が接触帯電方式にて所定の極性・電位に均一帯電処理される。磁性体としてのマグネットローラー25は、通常、フェライト磁石、ゴムマグネット等が用いられる。
【0057】
磁性粉体は、磁性酸化鉄(フェライト粉)、マグネタイト粉、周知の磁性トナー材等が一般的に用いられる。
【0058】
該帯電部材23の抵抗値は、その使用される環境、高帯電効率、感光体表面層の耐圧特性等に応じて適宜選択されることが望ましい。
【0059】
マグネットローラー25の外側に被磁性材の電極スリーブを外嵌させて、このスリーブの外周面に内部のマグネットローラー25の磁力で磁性粉体を磁気ブラシとして吸着保持させて磁気ブラシ層26を形成保持させスリーブを回転させる、スリーブ回転タイプもある。
【0060】
このような磁気ブラシ接触帯電装置により、像担持体と接触帯電部材の接触性、摩耗性特性が向上し、耐久劣化に対して機械的摩耗等の格段の向上を図ることができる。
【0061】
(c)ファーブラシ接触帯電装置
接触帯電部材としてファーブラシを利用した例を説明する。図7にファーブラシ接触帯電装置の一実施態様を示す。30はファーブラシ帯電部材であり、これはローラー状の電極部材31の外周面に、導電性を有するブラシ状接触子、例えば、メッキした金属ブラシや導電材料を分散させた繊維ブラシを植設してブラシ層(ファーブラシ)32を設け、該ブラシ層32を被帯電体としての感光体1に接触させて配設し、該ファーブラシ帯電部材30を回転させ、電極部材31には電源から所定の帯電バイアス電圧を印加して感光体1の帯電を行わせるものである。
【0062】
このファーブラシ接触帯電装置の場合は、磁気ブラシ接触帯電装置のような磁性粉体の減少がなく、メンテナンス間隔を伸ばすことが可能である。ファーブラシの毛状の帯電ムラは、ファーブラシ帯電部材30を感光体1との接触ニップ部nにおいて感光体の回転方向とは逆方向や高回転に回転させることで解消して画質の向上を図ることができる。
【0063】
また、除電光の条件を同じにし、コロナ帯電器、接触帯電を比較すると、接触帯電の方がゴーストに対して優位であることが分かった。これは以下の理由によると考えられる。
【0064】
コロナ帯電の場合電位が均等に降り注ぐため、ゴーストの電位差に関係なく帯電を与える。一方接触帯電は、接触部材の電位に合わせるように、帯電を与える。そのため発生したゴースト電位の電位差をなくす方向に働くと考えられる。
【0065】
また、接触帯電部材に磁性粉体ブラシを用いた場合は、磁性粉体の減少があった。しかしながら、本発明により、磁性粉体の減少を大幅に改善できた。つまり、本発明により、ゴーストレベルを改善することができるとともに、帯電能を下げ、暗減衰を大きくする除電光の光量を抑えることが出来たためと考えられる。そのため、帯電後の暗減衰も小さくなり、磁性粉体の付着に対して大幅な改善が出来たと考えられる。
【0066】
[画像形成装置]
図8はa−Si感光体を用いた電子写真装置の1例を示す概略図である。図8中、矢印R1方向に回転する感光体1301の周辺には、主帯電器1302、静電潜像形成部位1303、現像器1305、転写紙供給系1306、転写帯電器1307(a)、分離帯電器1307(b)、クリーナ1309、搬送系1310、除電光源1311などが配設されている。本例では主帯電器1302として接触帯電装置を用いた例を示している。以下、一例を以て画像形成プロセスを説明すると、感光体1301はローラー状の主帯電器1302により一様に帯電される。帯電部材には、弾性のゴムを用いたもの、磁性粉体、金属やグラファイトのファイバーを用いたファーブラシを、帯電に適した抵抗値に合わせ込み用いることが出来る。これに静電潜像形成部位より導き投影された静電潜像が形成され、この潜像に現像器1305からネガ極性トナーが供給されてトナー像となる。一方、転写紙供給系1306を通って感光体方向に供給される転写材Pは+7〜8kVの高電圧を印加した転写帯電器1307(a)と感光体1301の間隙において背面から、トナーとは反対極性の正電界が与えられ、これによって感光体表面のネガ極性トナー像は転写材Pに転移する。12〜14kVp−p、300〜600Hzの高圧AC電圧を印加した分離帯電器1307(b)により、転写材Pは転写紙搬送系1310を通って定着装置(不図示)に至り、トナー像は定着されて装置外に排出される。
【0067】
[アモルファスシリコン系感光体(a−Si)]
以下、図面に従って本発明で好適に用いられる感光体の光受容層について詳細に説明する。図9は、画像形成装置用感光体の層構成の一例を説明するための模式的構成図である。図9(a)に示す画像形成装置用感光体500は、感光体用としての支持体501の上に、光受容層である感光層502が設けられている。該感光層502はシリコン原子を母体とし水素原子又はハロゲン原子を含有するアモルファスシリコン(a−Si:H、X)からなり光導電性を有する光導電層503で構成されている。図9(b)は、画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。図9(b)に示す画像形成装置用感光体500は、感光体用としての支持体501の上に、感光層502が設けられている。該感光層502はa−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層503と、アモルファスシリコン系又はアモルファス炭素系表面層504とを有する。
【0068】
図9(c)は、画像形成装置用感光体の他の層構成を説明するための模式的構成図である。図9(c)に示す画像形成装置用感光体500は、感光体用としての支持体501の上に、感光層502が設けられている。該感光層502はa−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層503と、アモルファスシリコン系又はアモルファス炭素系表面層504と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層505とを有する。
【0069】
図9(d)は、画像形成装置用感光体のさらに他の層構成を説明するための模式的構成図である。図9(d)に示す画像形成装置用感光体500は、感光体用としての支持体501の上に、感光層502が設けられている。該感光層502は光導電層503を構成するa−Si:H、Xからなる電荷発生層507ならびに電荷輸送層508と、アモルファスシリコン系又はアモルファス炭素系表面層504とを有する。
【0070】
以下、実験例及び実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実験例及び実施例に限定されるものではない。
【0071】
[実験例1]
RF−PCVD法により画像形成装置用感光体の製造装置を用い、直径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層を形成して感光体を作成した。
【0072】
【表1】
Figure 0003715829
【0073】
この感光体の感度に対する帯電前露光のメモリを求めた結果、図4に示したようになった。
【0074】
このように作成した感光体を画像形成装置(キヤノン製NP6060をデジタルテスト用に改造)にセットして帯電能、ゴースト電位を評価した。
【0075】
なお、除電露光は680nmLEDを使用し、像露光には700nmのLEDヘッドを使用し、感光体は300mm/sの速度で回転した。帯電能の測定は1次帯電器の電流が1000μAの時の値を使用した。また、ゴースト電位の測定は、暗部電位400V、露光部電位50Vで露光後感光体1周後の暗部電位の測定をすることにより求めた。
【0076】
まず、除電露光の光量を増すことでどの程度ゴーストを消すことが可能かを確かめるために、この条件の下で、除電露光の光量を、1Lux・sから11Lux・sまで変化させ、各像露光波長における、ゴースト電位と帯電能を求めた。その結果、図10に示すように、除電露光の光量を上げるに従いゴーストとして現れる電位は減少したが、帯電能が低下した。つまり、除電露光の光量を上げるだけでは、ゴーストと帯電能の両方を満足することができないことが明らかである。
【0077】
そこで、次に前露光の光量を4Lux・sに固定し、像露光の波長を変化した。像露光の光源には565、610、660、700nmのLEDヘッドを使用し、ゴースト電位の測定を行った。結果を図11に示すように、像露光光源に565、610、660のLEDを用いた場合、像露光光源に700nmのLEDヘッドを使用したときに比べ、ゴースト電位が改善した。
【0078】
[実験例2]
実験例1で作製した感光体を、実験例1の画像形成装置を用いて帯電能、ゴースト電位を評価した。像露光光源には635、650、680、788nmの半導体レーザーを用いた。除電露光光源には、波長680nm、光量4Lux・sを使用した。
【0079】
図12の結果から、像露光光源に635、650の半導体レーザーを用いた場合、ゴースト電位が改善することが判る。
【0080】
実験例1および2から明らかなように、感度に対する帯電前光メモリの値がなるべく小さくなるような像露光光源を用いることで、ゴーストメモリが改善するし、その結果、従来に対し除電露光の光量を少なくすることができる。そのため、帯電能を上げることも可能である。
【0081】
[実験例3]
像露光を打たない場合での暗部電位の電位ムラの除電光波長についての検討を行った。図13には、帯電電位400Vを合わせた場合の電位ムラを示した。除電光波長が680nm以上の場合電位ムラが急激に大きくなる傾向にある。また、波長が短くなるのに従い、徐々に周ムラは拡大した。この結果、除電露光の波長は600nm以上680nm以下、より好ましくは630nm以上680nm以下の除電露光を用いると良いことが分かった。
【0082】
[実験例4]
除電露光のゴーストに対する影響について評価した。1次電流を1000μAで一定にし、帯電能が400Vになるように、各波長の除電光光源の光量を合わせた。像露光光源には650nmのレーザー光源を用い、露光部電位50V、コントラスト電位350Vになるように調整した。この時除電光の波長を変化した場合の、ゴースト電位を図14に示す。除電光に600nm以上680nm以下の除電露光を用いると、ゴーストが改善することが分かった。
【0083】
[実験例5]
実験例1で用いた感光体、画像形成装置を用いて、帯電部材に対するゴースト電位を評価した。なお、除電光は680nmLED光量を4Lux・sに固定し、像露光の波長を変化した場合の帯電部材に対するゴースト電位の測定を行った。像露光の光源には565、610、660、700nmのLEDヘッドを使用した。帯電部材には、▲1▼コロナ帯電器▲2▼−1ローラー帯電器▲2▼−2ファーブラシ帯電器▲2▼−3磁性粉体ブラシ帯電器を用いた。結果を図15に示す。図15より分かるように、コロナ帯電器を使用したときに比べ、接触帯電器を用いた場合よりゴースト電位が改善した。
【0084】
[実験例6]
実験例5で用いた磁性粉体ブラシ帯電器を用いて、露光条件を変え耐久試験を行った。その場合の磁性粉体ブラシの磁性粉体の減少量について調べた。なお条件は暗部電位400V明部電位50V、ゴースト電位が一定となるように除電露光量、帯電条件を変化した。除電露光700nm像露光700nmの減少量を10に規格化した場合の磁性粉体の減少量の結果を図16に示す。この場合、磁性粉体の減少防止に効果があった。
【0085】
[実施例1]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電はコロナ帯電、像露光光源には、635nmの半導体レーザーを用いた。除電露光には660nmのLEDを用い、感光体は300mm/sの速度で回転した。この時画像形成に必要な帯電能は十分に得られた。
【0086】
次に、暗部電位を400V、明部電位を50Vに設定し画像による評価を行った。評価用の原画像として、白画像、黒画像、50%反射画像、ゴースト画像、0.5mm方眼紙を用いた。いずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、評価用の原画像としてゴースト画像を用いた場合であっても、電子写真画像にはゴーストが見られず、良好な画像が得られた。
【0087】
[実施例2]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電はコロナ帯電、像露光光源には、650nmの半導体レーザーを用いた。除電露光には700nmのLEDを用い、感光体は260mm/sの速度にて回転した。この時画像形成に必要な帯電能は十分に得られた。
【0088】
次に、実施例1と同じ評価を行ったところいずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像を用いた場合もゴーストが見られず、良好であった。
【0089】
[実施例3]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電はコロナ帯電、像露光光源には、650nmのLEDヘッドを用いた。除電露光には660nmのLEDを用い、感光体は260mm/sの速度で回転した。この時画像形成に必要な帯電能は十分に得られた。
【0090】
次に、実施例1と同じ評価を行ったところいずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像を用いた場合もゴーストが見られず、良好であった。
【0091】
[実施例4]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電はコロナ帯電、像露光光源には、630nmのLEDヘッドを用いた。除電露光には680nmのLEDを用い、感光体は360mm/sの速度で回転した。この時画像形成に必要な帯電能は十分に得られた。
【0092】
次に、実施例1と同じ評価を行ったところいずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像を用いた場合もゴーストが見られず、良好であった。
【0093】
[実施例5]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電はコロナ帯電、像露光光源には、650nmの半導体レーザーを用いた。なお、除電光には630nmのLEDを用い、感光体は260mm/sの速度で回転した。この時画像形成に有効な帯電能は十分に得られた。次に、実施例1と同じ評価を行ったところ、いずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像にゴーストが見られず、良好であった。
【0094】
[実施例6]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電はコロナ帯電、像露光光源には、650nmのLEDヘッドを用いた。なお、除電光には610nmのLEDを用い、感光体は260mm/sの速度で回転した。この時画像形成に有効な帯電能は十分に得られた。次に、実施例1と同じ評価を行ったところ、いずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像にゴーストが見られず、良好であった。
【0095】
[実施例7]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電器は磁性粉体ブラシ帯電器を用い、像露光光源には、635nmの半導体レーザーを用いた。なお、除電光には660nmのLEDを用い、感光体は300mm/sの速度で回転した。この時画像形成に有効な帯電能は十分に得られた。次に、暗部電位を400V、明部電位を50Vに設定し画像による評価を行った。画像は、白画像、黒画像、50%反射画像、ゴースト画像、0.5mm方眼紙を用いた。いずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像にゴーストが見られず、良好であった。
【0096】
[実施例8]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電器はファーブラシ帯電器を用い、像露光光源には、650nmの半導体レーザーを用いた。なお、除電光には630nmのLEDを用い、感光体は260mm/sの速度で回転した。この時画像形成に有効な帯電能は十分に得られた。次に、実施例1と同じ評価を行ったところ、いずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像にゴーストが見られず、良好であった。
【0097】
[実施例9]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電器はローラー帯電器を用い、像露光光源には、650nmのLEDヘッドを用いた。なお、除電光には610nmのLEDを用い、感光体は260mm/sの速度で回転した。この時画像形成に有効な帯電能は十分に得られた。次に、実施例1と同じ評価を行ったところ、いずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像にゴーストが見られず、良好であった。
【0098】
[実施例10]
実験例1で作製した感光体を、実験例1で用いた画像形成装置を用いて、画像評価を行った。帯電器は磁性粉体ブラシ帯電器を用い、像露光光源には、630nmのLEDヘッドを用いた。なお、除電光には680nmのLEDを用い、感光体は360mm/sの速度で回転した。この時画像形成に有効な帯電能は十分に得られた。次に、実施例1と同じ評価を行ったところ、いずれの場合にも、良好な画像が得られた。特に、ゴースト画像にゴーストが見られず、良好であった。
【0099】
【発明の効果】
本発明によると、高速度化や、小型化といった条件においても、ゴーストメモリを改善でき、且つ、高帯電能の電子写真方法及び電子写真装置を提供することが出来る。特に、ゴーストメモリを効果的に改善し、除電光量等を大きくしなくても、ゴーストが画像上に現れない。
【0100】
また、像露光光源に半導体レーザーを用いる場合、スポット径を小さくすることが可能であり、更なる高画質な画像を実現出来る。
【0101】
加えて、本発明は接触帯電との組合せてより一層の効果を発揮し、なかでも接触帯電部材に、磁性粉体ブラシを用いる場合、磁性粉体の減少を大幅に改善することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真装置の構成の一例を示す概略的構成図である。
【図2】アモルファスシリコン感光体の波長に対する感度の一例を示す図である。
【図3】帯電前に感光体に照射した光とメモリとの関係の一例を示す図である。a)各波長に対する光強度の関係b)各波長に対する照射時間の関係
【図4】アモルファスシリコンの感度に対する帯電前に感光体に照射された光によるメモリの値と照射される光の波長との関係の一例を示す図である。
【図5】接触帯電装置の一例を説明するための模式的構成図である。
【図6】接触帯電装置の一例を説明するための模式的構成図である。
【図7】接触帯電装置の一例を説明するための模式的構成図である。
【図8】接触帯電装置を有する電子写真装置の構成の一例を示す概略的構成図である。
【図9】アモルファスシリコン感光体の層構成の一例を説明するための模式的断面図である。
【図10】除電露光光量の違いに対する帯電能とゴースト電位との関係の一例を示す散布図である。
【図11】各露光波長に対するゴースト電位の一例を示す図である。
【図12】各露光波長に対するゴースト電位の一例を示す図である。
【図13】各除電露光波長に対する電位ムラの一例を示す図である。
【図14】各除電露光波長に対するゴーストメモリの一例を示す図である。
【図15】各露光波長に対するゴースト電位の一例を示す図である。
【図16】各露光波長に対する磁性粉体の減少の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体
20 帯電ブレード
21 電極板
22 抵抗層
23 磁気ブラシ帯電部材
24 芯金
25 マグネットローラー
26 磁気ブラシ層
26a 付着物
27 スペーサーコロ
28 ブレード
30 ファーブラシ帯電部材
31 電極部材
32 ブラシ層(ファーブラシ)
n 接触ニップ部
S 帯電バイアス印加電源
401 a−Si感光体
402 主帯電器
403 静電潜像形成部位
405 現像器
406 転写紙供給系
407a) 転写帯電器
407b) 分離帯電器
409 クリーナー
410 搬送系
411 除電光源
500 感光体
501 支持体
502 感光層
503 光導電層
504 表面層
505 電荷注入阻止層
506 自由表面
507 電荷発生層
508 電荷輸送層
1301 感光体
1302 主帯電器
1303 静電潜像形成部位
1305 現像器
1306 転写紙供給系
1307(a) 転写帯電器
1307(b) 分離帯電器
1309 クリーナ
1310 搬送系
1311 除電光源

Claims (44)

  1. 光受容層を有する感光体の表面を除電する除電工程、該感光体の表面を帯電させる帯電工程、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成する潜像露光工程、静電潜像にトナーを供給し現像してトナー像を形成する現像工程、を含む一連の工程により画像形成を行う電子写真方法において、
    前記光受容層はアモルファスシリコンを有し
    前記感光体の回転速度が、260mm/s〜360mm/sで、該感光体のコントラスト電位が、350Vのときに、
    前記潜像露光工程に用いる光として、該感光体に該感光体を帯電する前に光を照射しなかった場合の帯電電位と所望の波長の光を照射した後に帯電させた時の帯電電位の差を該帯電電位の差を発生させる該波長における感度で割った値がその極小値の1.5倍以下となる範囲の波長の光を用いる電子写真方法。
  2. 前記範囲の波長の光は単一波長光源からの光である請求項1記載の電子写真方法。
  3. 前記範囲の波長の光は該範囲内に主波長を有する請求項1記載の電子写真方法。
  4. 前記範囲の波長の光は500nm以上680以下の光である請求項1記載の電子写真方法。
  5. 前記範囲の波長の光は600nm以上660nm以下の範囲に主波長を有する請求項1記載の電子写真方法。
  6. 前記範囲の波長の光はピーク波長が635nm以上650nm以下の波長を有する請求項1記載の電子写真方法。
  7. 前記除電工程は除電用露光を行なうことを含む請求項1記載の電子写真方法。
  8. 前記除電用露光は600nm以上680nm以下の波長の光を用いる請求項7記載の電子写真方法。
  9. 前記除電用露光はピーク波長が630nm以上680nm以下の波長を有する請求項7記載の電子写真方法。
  10. 前記帯電工程はコロナ帯電を用いて行なわれる請求項1記載の電子写真方法。
  11. 前記帯電工程は接触帯電を用いて行なわれる請求項1記載の電子写真方法。
  12. 前記帯電工程は前記感光体の表面に帯電部材を接触させた状態で該帯電部材に電圧を印加することを含む請求項1記載の電子写真方法。
  13. 前記帯電部材は、ゴムローラーである請求項12記載の電子写真方法。
  14. 前記帯電部材は、ファーブラシである請求項12記載の電子写真方法。
  15. 前記帯電部材は、磁性粉体ブラシである請求項12記載の電子写真方法。
  16. 前記除電工程は除電用露光を行なうことを含み、前記帯電工程はコロナ帯電を用いて行なわれる請求項1記載の電子写真方法。
  17. 前記除電用露光は600nm以上680nm以下の波長の光を用いる請求項16記載の電子写真方法。
  18. 前記除電用露光はピーク波長が630nm以上680nm以下の波長を有する請求項16記載の電子写真方法。
  19. 前記除電工程は除電用露光を行なうことを含み、前記帯電工程は接触帯電を用いて行なわれる請求項1記載の電子写真方法。
  20. 前記除電工程は除電用露光を行なうことを含み、前記帯電工程は前記感光体の表面に帯電部材を接触させた状態で該帯電部材に電圧を印加することを含む請求項1記載の電子写真方法。
  21. 前記除電用露光は600nm以上680nm以下の波長の光を用いる請求項20記載の電子写真方法。
  22. 前記除電用露光はピーク波長が630nm以上680nm以下の波長を有する請求項20記載の電子写真方法。
  23. 前記帯電部材は、ゴムローラーである請求項20記載の電子写真方法。
  24. 前記帯電部材は、ファーブラシである請求項20記載の電子写真方法。
  25. 前記帯電部材は、磁性粉体ブラシである請求項20記載の電子写真方法。
  26. 光受容層を有する感光体、該感光体の表面を除電するための除電手段、該感光体の表面を帯電させるための帯電手段、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成するための潜像露光手段、静電潜像にトナーを供給し現像してトナー像を形成するための現像手段、を有する電子写真装置において、
    前記光受容層はアモルファスシリコンを有し
    前記感光体の回転速度が、260mm/s〜360mm/sで、該感光体のコントラスト電位が、350Vのときに、
    前記潜像露光手段は、該感光体に該感光体を帯電する前に光を照射しなかった場合の帯電電位と所望の波長の光を照射した後に帯電させた時の帯電電位の差を該帯電電位の差を発生させる該波長における感度で割った値がその極小値の1.5倍以下となる範囲の波長の光を発生するための光源を有する電子写真装置。
  27. 前記光源は500nm以上680nm以下の波長を発生する光源である請求項26記載の電子写真装置。
  28. 前記光源は600nm以上660nm以下のピーク波長を発生する光源である請求項26記載の電子写真装置。
  29. 前記光源はピーク波長が635nm以上650nm以下の波長を有する請求項1記載の電子写真方法。
  30. 前記光源はLEDまたは半導体レーザーである請求項26記載の電子写真装置。
  31. 前記除電手段は除電用光源を有する請求項26記載の電子写真装置。
  32. 前記除電用光源は600nm以上680nm以下の波長の光を発する光源である請求項31記載の電子写真装置。
  33. 前記除電用光源はピーク波長が630nm以上680nm以下の波長の光を発する光源である請求項31記載の電子写真装置。
  34. 前記帯電手段はコロナ帯電を行なうための手段である請求項26記載の電子写真装置。
  35. 前記帯電手段は前記感光体の表面に接触した状態で電圧を印加することが可能な帯電部材を有する請求項26記載の電子写真装置。
  36. 前記帯電部材は、ゴムローラーである請求項35記載の電子写真装置。
  37. 前記帯電部材は、ファーブラシである請求項35記載の電子写真装置。
  38. 前記帯電部材は、磁性粉体ブラシである請求項35記載の電子写真装置。
  39. 前記除電手段は除電用光源を有し、前記帯電手段は該感光体の表面に接触した状態で電圧を印加することが可能な帯電部材を有する請求項26記載の電子写真装置。
  40. 前記帯電部材は、ゴムローラーである請求項39記載の電子写真装置。
  41. 前記帯電部材は、ファーブラシである請求項39記載の電子写真装置。
  42. 前記帯電部材は、磁性粉体ブラシである請求項39記載の電子写真装置。
  43. 前記除電用光源は600nm以上680nm以下の波長の光を発する光源である請求項39記載の電子写真装置。
  44. 前記除電用光源はピーク波長が630nm以上680nm以下の波長の光を発する光源である請求項39記載の電子写真装置。
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