JP4801607B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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現在では、その設計の自由度から機能分離型の積層型の占める割合が多いが、塗工工程の多さから生じる生産性の悪さや、電荷発生層で発生した電荷が電荷輸送層中に移動する際に拡散が生じ、解像度が低下するという問題などから高画質化に不向きであることが指摘されるようになってきている。
ここで、残像現象について説明する。電子写真方式の画像形成装置において、例えば、図1に示す明暗のはっきりした画像に次いでハーフトーン画像をプリントすると、ハーフトーン画像が本来なら一様で均一な画像とならなければならない画像の中に、ハーフトーン画像の前にプリントした画像パターンが浮き出てしまうケースがある。この模式図を図2に示す。このような画像劣化は、「ポジ残像」あるは「ポジゴースト」と称され、特に高画質フルカラー電子写真方式の画像形成装置では、この画像劣化の抑制が必要となる。これとは逆にハーフトーン画像部に、これの前にプリントした画像パターンが薄い濃度で識別される画像劣化を「ネガ残像」又は「ネガゴースト」と称し、同様にこのような画像劣化を抑制する必要がある。この模式図を図3に示す。
この感光体表面電位のゆらぎを引き起こす原因としては、例えば特許文献3に記載されているような感光層内部の空間電荷の蓄積が主原因と考えられる。そこで、残像画像の発生を解消するためには空間電荷の蓄積を予防する手段が必要となる。
(1)感光体表面層の改良
例えば特許文献4では、感光体の表面層にポリアリレート樹脂を含有し、かつ誘電率を2.3以上に規定することが提案されており、その効果に対する機構の説明は検討中(段落番号[0038])であるため、省略されているが、実施例により効果が確認されている。これに類する提案として、特許文献5では、感光層にアゾ顔料を含有し、かつ、感光体表面層にポリアリレート樹脂を含有させることが提案されている。この提案によれば、ポリアリレート樹脂は結晶性が高く、その性状により電子輸送物質をある程度配向させるものと推測され、その配向性と特定の電荷発生物質(アゾ顔料)を組み合わせることによって、注入界面の障壁が低くなり、その結果、フォトメモリが低減されると考えられている(段落番号[0036])。
また、特許文献7では、中間転写体を有する電子写真方式の画像形成装置において、フタロシアニン化合物を含有する電荷発生層を有する積層型構造の電子写真感光体の表面層に高分子重合体からなる電子輸送物質を含有させることが提案されている。その効果に対する機構の説明はないが、実施例により効果が確認されており、その効果は選択材料に起因するものと思われる。
また、特許文献9では、電荷輸送層などの感光体表面層にビスフェノールAと特定アリ−レン基との共重合ポリカーボネートを用いることで、表面層側からの逆極性電荷の注入が防止できることが提案されている。
例えば特許文献12では、電子写真感光体に含有する電子輸送物質にクロロガリウムフタロシアニン化合物及びヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物から選択される少なくとも1種を含有し、かつ電子輸送物質としてヒドラゾン骨格を有する特定化合物を少なくとも1種含有させることが提案されている。この提案では、電荷の受け渡しをする電荷発生物質と電子輸送物質の間にはより好ましい組み合わせがあり、これらが好ましい組み合わせであれば、転写メモリやフォトメモリも改善できると記載されている(段落番号[0017]〜[0021])。これらの組み合わせの相性についての法則を予想すること現状では困難である。
また、特許文献14では、電荷発生物質と電子輸送物質を含有する電子写真感光体において、電子輸送物質はPM3パラメータを使った半経験的分子起動計算を用いた構造最適化計算による分極率の計算値が70Åよりも大きく、かつ双極子モーメントの計算値が1.8Dよりも小さい物質とこの電子輸送物質の透過率50%となる波長よりも長波長側に透過率50%となる波長を有する化合物を含有することが提案されている。この提案では、後者の化合物が、余分に感光体に照射される光を吸収するため、フォトメモリ性が改善されると考察されている(段落番号[0071])。
例えば特許文献15では、積層型感光体において、電荷発生層にオキシチタニウムフタロシアニンを含有し、電荷輸送層に2種類以上の電荷輸送材料を含有し、個々の電荷輸送材料の酸化電位差を0.04V以内に規定することが提案されている。その効果に対する機構の説明が不明瞭であるが、電荷輸送材料のエネルギーレベルを合わせることで、電荷輸送材料間の電荷キャリアのホッピングを円滑にできること、また電荷輸送材料のトラッピングが少なくなることで、転写手段による逆極性の帯電によって励起されるエレクトロンの絶対量が小さくなるため残像が防止されると考察されている(段落番号[0021]〜[0022])。
また、特許文献17では、中間転写体を有する電子写真方式の画像形成装置において、フタロシアニン化合物を含有する電荷発生層を有する積層型構造の電子写真感光体の電荷輸送層にトリフェニルアミン化合物及びN,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン化合物から選択される電子輸送物質を含有させることが提案されている。その効果に対する機構の説明はないが、実施例によりその効果が確認されており、その効果は選択材料に起因するものと思われる。
例えば特許文献18では、電荷発生層の厚みを0.25μm以上の厚膜化若しくは電荷発生層中の電荷発生物質の含有量を50質量%以上の高濃度化して、この層を電荷の大トラップ化を図り、その結果、ゴーストを目立たなくしてしまう手段が提案されている。
また、特許文献19では、積層型構造の電子写真感光体において、電荷発生層にキシリル基を有するトリアリールアミン化合物を含有させることが提案されている。この提案によれば、電荷発生層と電荷輸送層の界面には、キャリア輸送のバリア(障壁)が形成され、ここに電荷がトラップされると記載してある。トラップキャリアは、電荷発生層中の空間電場を低減させるため、ハーフトーン画像部の電位は下がらず、この部位に残像が生じてしまう。そこで、電荷発生層に電荷輸送剤(キシリル基を有するトリアリールアミン化合物)を混在させることで、発生したキャリアが電荷輸送剤に速やかに注入され、電荷輸送層へ移動することとなる。その結果、トラッピングキャリアの堆積が防止でき、残像の発生が改善されるとされる(段落番号[0011]〜[0012])。
また、特許文献20では、導電性支持体上に少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体において、感光層に電荷発生物質としてCuKα特性X線回折における回折角(2θ±0.2°)が9.5°、24.1°及び27.3°に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有することが提案されている。その効果に対する機構の説明はないが、実施例により効果が確認されており、その効果は選択材料に起因するものと思われる。
例えば特許文献22では、積層型構造の電子写真感光体について、電荷発生層に特定のアゾ顔料を含有し、かつ電荷輸送層にはフルオレン骨格を有する電子輸送物質を含有することが提案されている。その効果に対する機構の説明はないが、実施例により光疲労の抑制効果が確認されており、その効果は選択材料に起因するものと思われる。
また、特許文献23では、負極性型の高ガンマ特性を示す感光体において、導電性支持体上にフタロシアニン化合物を含む電荷発生層とP型電荷輸送層を設ける積層型構成とし、かつ、P型電荷輸送層には無機P型半導体、t−Seの微粉末、及び電荷輸送性ポリマーから選択される材料を用いることが提案されている。この提案では、P型電荷輸送層に正孔輸送性分子を含めないことを特徴とし、これにより、電荷発生層中への正孔輸送性分子の拡散を生じないようにしている。これにより、フタロシアニン顔料によるトラップの抑制、残像の低減が図られると記載されている(段落番号[0003]、[0012])。
例えば特許文献24では、電子写真感光体として、シランカップリング剤と無機顔料を用いて作製された下引き層を設けることが提案されている。これにより、支持体(基体)側に流出すべき電荷の流出が円滑に行われる結果、残像が生じないとされている(段落番号[0017])。
また、特許文献25では、下引き層(中間層)を有する感光体について、下引き層に特定のポリアミド酸又はポリアミド酸エステル構造、及び特定構造のポリイミド構造樹脂とシアノエチル基を有する樹脂を含有することが提案されている。この提案には、効果に対する機構の説明はないが、実施例により光疲労の抑制効果が確認されており、その効果は選択材料に起因するものと思われる。
また、特許文献26では、下引き層(中間層)に外界の湿度変化によっても抵抗値の変動が少ない架橋性の樹脂を用いられてきたことが記載されている(段落番号[0004])。前記特許文献26には、残像発生低減の提案として、下引き層に多環キノン、ペリレン等を含有させた例(特許文献27参照)、また、メタロセン化合物と電子吸引性化合物、メラミン樹脂を用いた例(特許文献28参照)、また、金属酸化物微粒子とシランカップリング剤を用いた例(特許文献21)、また、シランカップリング剤で表面処理した金属酸化物微粒子を用いた例(特許文献29)、などが提案されている。
また、オキシチタニウムフタロシアニンを電荷発生層に用いる高感度型の電子写真感光体の場合、高感度故、励起された分子及び発生キャリアの絶対数が多く、帯電−露光を繰り返す電子写真プロセスにおいて電荷分離を起こさない励起種、電子、ホール等が感光体中に残存し易いことが指摘されている(段落番号[0010])。
また、特許文献31では、下引き層と電荷発生物質、電子輸送物質を含有する電子写真感光体において、電子輸送物質はPM3パラメータを使った半経験的分子起動計算を用いた構造最適化計算による分極率の計算値が70Åよりも大きくかつ、双極子モーメントの計算値が1.8Dよりも小さい物質ないし、特定のアリールアミン系化合物であり、下引き層に有機珪素化合物で被覆された酸化チタン粒子と特定構造のジアミン成分を構成成分として有するポリアミドを含有させることが提案されている。この特許文献31では、下引き層を設けることでフォトメモリ特性の改良が確認されているが、この機構として、下引き層を設けることで感光層中の滞留キャリアを逃しやすくするためと考えられている(段落番号[0075])。
例えば前記特許文献3では、中間転写体を有する電子写真方式の画像形成装置において、フタロシアニン化合物を含有する電荷発生層を有する積層型構造の電子写真感光体の表面層に少なくともヒンダードフェノール構造単位を含有させることが提案されている。その効果に対する機構の説明はないが、実施例により効果が確認されており、その効果は選択材料に起因するものと思われる。
また、特許文献33では、フタロシアニン顔料を用いる電荷発生層中にジチオベンジル化合物を含有することが提案されている。その効果に対する機構の説明は省略されているが、実施例ではフォトメモリの蓄積とポジゴーストの改善が示されている。
例えば特許文献34では、感光体を一定条件のもとで通常帯電とは逆極性(プラス)の帯電及び放置して使用することが提案されている。高感度電荷輸送層を持つ感光体の場合、露光により発生する光誘起電荷キャリアが多い。光誘起電荷キャリアは、電荷輸送層に注入したホールと同数のエレクトロンが生じるが、エレクトロンが速やかに支持体に抜け出ないと電荷発生層中にエレクトロンが残り、これにより残像が発生する。そこで、故意にプラス帯電を行うことで、支持体からエレクトロンを注入し、電荷発生層内部にエレクトロントラップを保持する。この状態で感光体を露光した場合、露光部と非露光部のエレクトロントラップの差が小さく、ゴースト画像を目立たなくしてしまう手段と考えられる(段落番号[0016]〜[0022])。
また、特許文献36では、フタロシアニン化合物を含有する電荷発生層を有する積層型構造の電子写真感光体に対して、主帯電以外の帯電を行い、次に光除電を行い、前記主帯電が最初になされた電子写真感光体の部位が、前記主帯電を行う手段に対向する位置に突入した時から主帯電を行うことにより、感光体内部の空間電荷を解放し、消滅させた状態で、画像形成を行うことができ、画像形成初期における残像の発生を抑えられることが提案されている(段落番号[0012]、[0020])。
また、特許文献38では、感度に対する帯電前光メモリ比のアクションスペクトルから、書込光波長乃至除電光波長を規定する手段が提案されている。
また、特許文献39では、フタロシアニン化合物を含有する電荷発生層を有する積層型構造の電子写真感光体に対して、転写前に露光を行うことで非露光部の帯電電位を、この露光前の1/3にすることで残像を抑制できることが提案されている。その効果に対する機構の説明は詳細に記載されていないが、転写前に露光を行えば、露光部電位と非露光部電位のギャップ差が小さくなるため、残像画像の識別ができなくなると思われる。
また、特許文献41では、S字型感光体のゴースト画像出力を防止する方策として、ゼログラフィックTOF法から算出される露光による感光体帯電電位の半減時間が、電子写真方式の画像形成装置の露光手段から現像手段に至る時間(以下、「露光−現像時間」と称することがある)の1/10以下に規定することが提案されている。
また、上記の下引き層の改良の項で記載したように、特許文献32では、除電手段(除電光)の省略により、感光体の光疲労を防止する方法が提案されている。
<1> 感光体と、該感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記感光体が、支持体と、該支持体上に単一の層構成からなる感光層を少なくとも有してなり、かつ該感光層が、少なくとも電荷発生物質と、電子輸送物質と、正孔輸送物質と、結着樹脂とを含有し、
前記電荷発生物質が、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さない結晶型を有するチタニルフタロシアニンと、X型無金属フタロシアニンとを含有し、
前記電子輸送物質が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする画像形成装置である。
<2> 感光層が、結晶型を有するチタニルフタロシアニン及びX型無金属フタロシアニンを、それぞれ別個に分散した2つの電荷発生物質分散液と、結着樹脂、電子輸送物質、及び正孔輸送物質を溶解した溶液とを混合してなる感光層塗工液から作製される前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 正孔輸送物質が、下記一般式(i)で表される化合物を含有する前記<1>から<2>のいずれか記載の画像形成装置である。
<4> 結着樹脂が、ポリカーボネート構造を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> 画像形成装置が、感光体表面と接触して摺擦する摺擦部材を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> 画像形成装置が、感光体と、該感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成要素を複数配列したタンデム型である前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<7> 画像形成装置が、感光体上に形成された可視像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持された可視像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、複数色のトナー画像を前記中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を前記記録媒体上に一括で二次転写する前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<8> 画像形成装置が、感光体と、更に帯電手段、現像手段、転写手段、クリ−ニング手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段を有するプロセスカートリッジである前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<9> 感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記感光体が、支持体と、該支持体上に単一の層構成からなる感光層を少なくとも有してなり、かつ該感光層が、少なくとも電荷発生物質と、電子輸送物質と、正孔輸送物質と、結着樹脂とを含有し、
前記電荷発生物質が、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さない結晶型を有するチタニルフタロシアニンと、X型無金属フタロシアニンとを含有し、
前記電子輸送物質が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする画像形成方法である。
<10> 感光層が、結晶型を有するチタニルフタロシアニン及びX型無金属フタロシアニンを、それぞれ別個に分散した2つの電荷発生物質分散液と、結着樹脂、電子輸送物質、及び正孔輸送物質を溶解した溶液とを混合してなる感光層塗工液から作製される前記<9>に記載の画像形成方法である。
<11> 正孔輸送物質が、下記一般式(i)で表される化合物を含有する前記<9>から<10>のいずれか記載の画像形成方法である。
<12> 結着樹脂が、ポリカーボネート構造を有する前記<9>から<11>のいずれかに記載の画像形成方法である。
前記感光体が支持体と、該支持体上に単一の層構成からなる感光層を少なくとも有してなり、かつ該感光層が、電荷発生物質と、電子輸送物質と、正孔輸送物質と、結着樹脂とを含有し、電荷発生物質がCu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さない結晶型を有するチタニルフタロシアニンと、X型無金属フタロシアニンとを含有し、電子輸送物質が上記一般式(1)で表される化合物を含有する。
前記一般式(1)で表される電子輸送物質は優れた電子輸送能を有することに加え、酸化性のガス、例えばオゾンやNOxに対して非常に安定性が高い。電子写真方式においてはその帯電時に量の多少はあるもののオゾン発生が避けられないため、このような酸化性ガスに対して安定な物質であることは長期間にわたって高品質な出力画像が得るうえで非常に重要となってくる。
また、前記一般式(1)で表される電子輸送性物質は通常の電子輸送性物質に比較して電荷発生物質から電子を引き出す効果に優れており、電荷発生物質内に自由な正孔を生じせしめその正孔が電荷発生物質表面のトラップに捕獲され空のトラップを減少させる効果が顕著であり、その結果感度特性が大幅に改善する。特に電荷発生物質がCu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さない結晶型を有するチタニルフタロシアニンの場合、非常に優れた光減衰特性を示す。しかしこの場合、光減衰特性は優れるものの繰り返しの使用によって帯電電位の低下が顕在化してくる傾向があり、その結果像露光をおこなう部分と行わない非露光部分においての電位差が、次回の帯電時において履歴として残り、感光体表面の帯電が均一に行われずに最終的な出力画像において前述のような残像を生じてしまう。
また、帯電性を改善させるため前記結晶型を有するチタニルフタロシアニンの添加量を低減させると、帯電性は改善するものの帯電性改善に効果が明確に現れる程度まで添加量を低減化させてしまうと優れた光減衰特性が損なわれて凡庸な感度特性になってしまい、前記一般式(1)で表される電子輸送物質の優れた特性を生かし切ることができない。
この対策として本発明者らが種々の検討した結果、前記結晶型を有するチタニルフタロシアニンとX型無金属フタロシアニンを併用することで高感度特性を維持しながら帯電性改善が大幅に改善されることを知見した。また、X型無金属フタロシアニンは単独でも電荷発生物質として機能するため前記結晶型を有するチタニルフタロシアニンと併用しても、前記一般式(1)で表される電子輸送物質と併用することで感度面での副作用を殆ど生じることなく繰り返し使用時における帯電性の持続性を大きく改善させる効果がみられる。特に前記一般式(i)で表される正孔輸送物質との組み合わせにおいて優れた特性を発揮し、これらの相乗効果により優れた光減衰特性を持続しながら、帯電性の変化の無い、長期間の繰り返しの使用においても残像発生の生じない高品質で高安定な画像形成装置を得ることが可能となった。この組み合わせ効果により、前記結晶型を有するチタニルフタロシアニンを単独で用いた場合に比べて帯電安定性が向上し、またX型無金属フタロシアニンを単独で用いた場合に比べて光減衰特性が大幅に優れている。
本発明の画像形成装置は、感光体と、該感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他による手段、例えば、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程とを含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記感光体は、支持体と、該支持体上に単一の層構成からなる感光層を少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
ここで、前記感光体としては、図5に示すように、支持体201上に、少なくとも単一の層構成の単層型感光層202有し、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記感光層は、少なくとも電荷発生物質と、電子輸送物質と、正孔輸送物質と、結着樹脂とを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生物質としては、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さない結晶型を有するチタニルフタロシアニンと、X型無金属フタロシアニンとを含有する。
また、前記X型無金属フタロシアニンとしては公知の方法で合成するかもしくは市販のものを用いることができる。該市販品としては、例えばFastogen Blue8120B(大日本インキ化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
この観点から分散時においては前記結晶型を有するチタニルフタロシアニン分散液と、X型無金属フタロシアニンをそれぞれ別個に分散させた後に混合し、更に後述する結着樹脂を溶解させた樹脂溶液と混合することが好ましい。これは、それぞれのフタロシアニンの適切な分散条件が異なるためを同時に混合させて分散させた場合には所望の効果を発現する分散条件を得ることが容易でない面があるためである。
前記電荷発生物質において、前記結晶型を有するチタニルフタロシアニンの添加量と、X型無金属フタロシアニンの添加量との比率は任意であるが、X型無金属フタロシアニンの比率が50%までが光減衰特性の面から好ましく、所望する特性に応じて適宜組成比を選択することができる。即ち光減衰特性を重視する場合は前記結晶型を有するチタニルフタロシアニンの比率を増やし、光減衰特性よりも帯電性を重視する場合はX型無金属フタロシアニンの比率を増やす。具体的にはX型無金属フタロシアニンの比率が1%〜10%においては光減衰特性重視の特性となり、10%〜50%では帯電性重視の特性となる。X型無金属フタロシアニンの比率が50%超えると、明らかな光減衰特性の低下が生じる場合がみられる。
前記電子輸送物質としては、下記一般式(1)で表される化合物が用いられる。
オリゴマー領域の分子量が小さい範囲では、段階的に合成することで、単分散の化合物を得ることができる。分子量が大きい化合物の場合は、分子量に分布をもった化合物が得られる。
これらの中でも、nが0である下記一般式(1−1)で表される電子輸送物質が特に好ましい。
前記(i)のモノイミド化は無溶媒、若しくは溶媒存在下で行う。前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロナフタレン、酢酸、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルエチレンウレア、ジメチルスルホキサイド等原料や生成物と反応せず、50℃〜250℃の温度で反応するものを用いることが好ましい。また、pH調整には、水酸化リチウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液をリン酸等の酸との混合により作製した緩衝液を用いることが好ましい。
前記(i)及び(ii)のようなカルボン酸とアミン類やジアミン類とを反応させるカルボン酸誘導体脱水反応は、無溶媒、若しくは溶媒存在下で行う。前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、無水酢酸等原料や生成物と反応せず50〜250℃の温度で反応させられるものを用いることが好ましい。いずれの反応も、無触媒若しくは触媒存在下で行ってよく、特に限定されないが、例えば、モレキュラーシーブスやベンゼンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸等を脱水剤として用いることができる。
<第一工程>
200mlの4つ口フラスコ内に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン2.14g(18.6mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体A 2.14g(収率31.5質量%)を得た。
<第二工程>
100mlの4つ口フラスコ内に、モノイミド体Aを2.0g(5.47mmol)と、ヒドラジン一水和物0.137g(2.73mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶して、上記構造式(1)で表される電子輸送物質0.668g(収率33.7質量%)を合成した。
<第一工程>
200mlの4つ口フラスコ内に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物10g(37.3mmol)、及びヒドラジン一水和物0.931g(18.6mmol)、p−トルエンスルホン酸20mg、及びトルエン100mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、二量体C 2.84g(収率28.7%)を得た。
<第二工程>
100mlの4つ口フラスコ内に、二量体Cを2.5g(4.67mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)30mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン0.278g(4.67mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体C 0.556g(収率38.5質量%)を得た。
<第三工程>
50mlの4つ口フラスコ内に、モノイミド体Cを0.50g(1.62mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン0.186g(1.62mmol)と、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)5mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶して、上記構造式(2)で表される電子輸送物質0.243g(収率22.4質量%)を合成した。
<第一工程>
200mlの4つ口フラスコ内に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン1.10g(18.6mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体B 2.08g(収率36.1質量%)を得た。
<第二工程>
100mlの4つ口フラスコ内に、モノイミド体Bを2.0g(6.47mmol)、ヒドラジン一水和物0.162g(3.23mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、及びトルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に、回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶して、上記構造式(3)で表される電子輸送物質0.810g(収率37.4質量%)を合成した。
<第一工程>
200mlの4つ口フラスコ内に、上述した二量体Cを5.0g(9.39mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン1.08g(9.39mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体D 1.66g(収率28.1質量%)を得た。
<第二工程>
100mlの4つ口フラスコ内に、モノイミド体Dを1.5g(2.38mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノオクタン0.308g(2.38mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶して、上記構造式(4)で表される電子輸送物質0.328g(収率18.6質量%)を合成した。
<第一工程>
200mlの4つ口フラスコ内に、上述した二量体Cを5.0g(9.39mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン1.08g(9.39mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体D 1.66g(収率28.1質量%)を得た。
<第二工程>
100mlの4つ口フラスコ内に、モノイミド体Dを1.5g(2.38mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlを入れ、加熱還流させた。これに、6−アミノウンデカン0.408g(2.38mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶して、上記構造式(5)で表される電子輸送物質0.276g(収率14.8質量%)を合成した。
<第一工程>
200mlの4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノペンタン1.62g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体E 3.49g(収率45.8%)を得た。
<第二工程>
100mlの4つ口フラスコに、モノイミド体Eを3.0g(7.33mmol)と、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物0.983g(3.66mmol)、ヒドラジン一水和物0.368g(7.33mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて2回精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、上記構造式(6)で表される化合物0.939g(収率13.7%)を得た。
質量分析(FD−MS)において、M/z=934のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値が、炭素66.81%、水素3.67%、窒素8.99%であるのに対し、実測値が炭素66.92%、水素3.74%、窒素9.05%であった。
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、公知のものをいずれも使用できるが、特にオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52ー139065、52ー139066号公報に記載)イミダゾール誘導体(特公昭34−10366号明細書に記載)、トリフェニルアミン誘導体(USP3,180,730に記載)、ベンジジン誘導体(特公昭58ー32372号に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭57ー73075号に記載)、ヒドラゾン誘導体(特開昭55ー154955、55ー156954、55ー52063、56ー81850などの公報に記載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭51ー10983号に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51ー94829号に記載)、スチリル誘導体(特開昭56ー29245、58ー198043に記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58ー58552号に記載)、ピレン誘導体(特開平2−190863号明細書に記載)などが好ましい。これらの中でも、下記一般式(i)で表される正孔輸送物質が、前記一般式(1)で表される電子輸送物質との組み合わせにおいて非常に優れた光減衰特性を発現することから特に好ましい。
前記R15、R16、R17、又はR18におけるアリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基など挙げられる。
また、前記アルキル基及びアリール基は、置換基で更に置換されていてもよく、アルキル基、芳香族炭化水素基、及びこれらを複数組み合わせたもののほか、例えば、下記構造式で表される基、アルキコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、シアノ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミノ基、ハロゲン原子などで更に置換されたものが挙げられる。
前記縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基等が挙げられる。
前記非縮合環式炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、ポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
前記複素環基としては、例えばカルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール等の1価基が挙げられる。
前記Ar2は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、前記Ar1で表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記結着樹脂(バインダー樹脂と称する場合もある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリアリレート、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができるが、これらの中でも、耐摩耗性の優れるポリカーボネート構造を有する樹脂が特に好ましい。
前記感光層の厚みは、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜35μmがより好ましい。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものが好適である。
前記支持体としては、材料、形状、及び大きさなどは特に制約はなく、板状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用できるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
前記導電性粉体の材料としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。前記結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層は、前記導電性粉体と結着樹脂とを溶剤に溶解乃至分散させた塗布液を支持体上に塗布することにより形成することができる。前記溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
前記支持体と前記感光層との間には、更に必要に応じて、下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、一般には樹脂を主成分として含有する。これらの樹脂は、その上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが好ましい。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂、等が挙げられる。
前記下引き層は、前記感光層と同様な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に、本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。前記下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
前記酸化防止剤として、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01質量部%〜10質量%が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記トナーは、製法や材料については、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、このようなトナーの製造方法としては、日本画像学会誌43巻、第1号(2004年)などに記載されているような粉砕分級法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させて、トナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等が挙げられる。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有すものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、離型剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含んでなり、更に必要に応じて、樹脂微粒子、帯電制御剤などのその他の成分を含んでなる。
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
前記体積平均粒径は、例えば、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」」を用いて測定することができる。
また、前記トナーの平均円形度は、0.90以上が好ましく、0.95以上がより好ましい。前記平均円形度が0.90以上であると、現像性、転写性が向上し、高画質な画像を得られる。
ここで、前記トナーの平均円形度は、例えば、トナーを含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス株式会社製)等を用いて計測することができる。
前記現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像器の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像器における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セロソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1質量部〜10.0質量部である。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、
該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図9は、本発明における画像形成装置の一例を説明するための概略図であり、後述するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図9において、感光体311は、本発明の要件を満たす感光体である。
この感光体311はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段312は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
転写手段316には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
また、313は露光手段を表し、半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)などを用いることができる。また、場合によっては所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
301は、除電手段であり必要性に応じて用いられる。光源としては蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を挙げることができる。
現像手段314により感光体上に現像されたトナー315は、記録媒体318に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段317により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
駆動手段302により駆動され、帯電手段312による帯電、露光手段313による像露光、現像(不図示)、転写手段316による転写、クリーニング前露光手段303によるクリーニング前露光、クリーニング手段317によるクリーニング、除電手段301による除電が繰返し行われる。図7においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行われる。
図10の露光手段313においても、光源として半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)などを用いることができる。また場合によっては所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
以上の画像形成装置は、本発明における実施形態を例示するものであって、他の実施形態も可能である。例えば、図10において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行うこともできる。
また、以上に示すような画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられる。これらのプロセスカートリッジは着脱自在でありメンテナンスが容易となる特徴がある。
前記感光体101としては、上記と同様なものを用いることができる。前記帯電手段102には、任意の帯電部材が用いられる。
ここで、図13に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
直接転写方式のものと、間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体1を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し後者は、2次転写位置を比較的自由に設置することができる。給紙装置6、及び定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには、定着装置7をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなる。そのため、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、シートsの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着装置7を通過するときのシート搬送速度と,転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。これに対し後者は、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
以上のようなことから、最近は、タンデム型電子写真方式の画像形成装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
そして、この種のカラー電子写真方式の画像形成装置では、図10に示すように、1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置8で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。また、2次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図11中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
−感光体1の作製−
電荷発生物質としてX型無金属フタロシアニン(Fastogen Blue8120BS、大日本インキ化学工業株式会社製)27質量部を、シクロヘキサンノン1015質量部とともにボールミル装置にて120分間分散させて、電荷発生物質分散液(1)とした。
これとは別に、特開2001−19871号公報に準じて、チタニルフタロシアニンを作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gと、スルホラン200mlとを混合し、窒素気流下、チタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下した。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄した。次に、メタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8であった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。
得られたウェットケーキの固形分濃度は15質量%であった。結晶変換溶媒のウェットケーキに対する質量比は33倍であった。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さない結晶型を有するチタニルフタロシアニン粉末を得られた。そのX線回折の結果を図14に示す。
〔X線回折スペクトル測定条件〕
・X線管球:Cu
・電圧:50kV
・電流:30mA
・走査速度:2°/分
・走査範囲:3°〜40°
・時定数:2秒
−感光体2の作製−
製造例1において、電荷発生物質分散液(1)を0.38質量部、電荷発生物質分散液(2)を62.21質量部添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体2を作製した。
−感光体3の作製−
製造例1において、電荷発生物質分散液(1)を0.75質量部、電荷発生物質分散液(2)を61.9質量部添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体3を作製した。
−感光体4の作製−
製造例1において、電荷発生物質分散液(1)を6.03質量部、電荷発生物質分散液(2)を57.52質量部添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体4を作製した。
−感光体5の作製−
製造例1において、電荷発生物質分散液(1)を9.05質量部、電荷発生物質分散液(2)を55.02質量部添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体5を作製した。
−感光体6の作製−
製造例1において、電荷発生物質分散液(1)を15.08質量部、電荷発生物質分散液(2)を50.02質量部添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体6を作製した。
−感光体7の作製−
製造例1において、電荷発生物質分散液(1)を22.62質量部、電荷発生物質分散液(2)を43.77質量部添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体7を作製した。
−感光体8の作製−
製造例1において、電荷発生物質分散液(1)を37.7質量部、電荷発生物質分散液(2)を31.26質量部添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体8を作製した。
−感光体9の作製−
製造例1において、電荷発生物質分散液(1)を39.21質量部、電荷発生物質分散液(2)を30.01質量部添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体9を作製した。
−感光体10の作製−
製造例1において、電荷発生物質としてX型無金属フタロシアニン(FastogenBlue8120BS)を6.83質量部と、前記特開2001−19871号公報に準じて作製したチタニルフタロシアニン粉末61.48質量部をシクロヘキサンノン2320.15質量部とともにボールミル装置にて80分間分散し、電荷発生物質分散液(3)とした。
これとは別にテトラヒドロフラン355質量部に、ポリカーボネート樹脂(Z型ポリカーボネート、粘度平均分子量=5.0万、帝人化成株式会社製)51質量部、前記構造式(1))で表される電子輸送物質26質量部、前記構造式(A)で表される正孔輸送物質33質量部、及びシリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)0.1質量部を溶解し、これに前述の電荷発生物質分散液(3)68.31質量部を添加し、撹拌して感光層塗工液を調製した以外は、製造例1と同様にして、感光体10を作製した。
−感光体11の作製−
製造例1において、感光層塗工液に構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(2)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体11を作製した。
−感光体12の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(3)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体12を作製した。
−感光体13の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(4)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体13を作製した。
−感光体14の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(5)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体14を作製した。
−感光体15の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(6)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体15を作製した。
−感光体16の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(7)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体16を作製した。
−感光体17の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(8)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体17を作製した。
−感光体18の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いたポリカーボネート樹脂に代えて、ポリアリレート樹脂(Uポリマー:U−100、ユニチカ株式会社製)を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体18を作製した。
−感光体19の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(A)で表される正孔輸送物質に代えて、下記構造式(B)で表される正孔輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、感光体19を作製した。
−比較感光体1の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(C)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、比較感光体1を作製した。
−比較感光体2の作製−
製造例1において、感光層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(D)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、比較感光体2を作製した。
−比較感光体3の作製−
製造例1において、感光層層塗工液に用いた構造式(1)で表される電子輸送物質に代えて、下記構造式(E)で表される電子輸送物質を用いた以外は、製造例1と同様にして、比較感光体3を作製した。
−比較感光体4の作製−
製造例1において、電荷発生物質として用いたCu−Kαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、かつ26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末に代えて、H.W.Sand社製のチタニルフタロシアニン(ELA3847)を用いた以外は、製造例1と同様にして、比較感光体4を作製した。
−比較感光体5の作製−
製造例1において、電荷発生物質としてX型無金属フタロシアニンを用いなかった以外は、製造例1と同様にして、比較感光体5を作製した。
−比較感光体6の作製−
製造例1において、電荷発生物質としてX型無金属フタロシアニンのみを用いた以外は、製造例1と同様にして、比較感光体6を作製した。
次に、以上のようにして作製した感光体1〜19及び比較感光体1〜6を、実装用にした後、感光体の摺擦部材としてクリーニングブラシ、クリーニングブレードを有するデジタル複合機(株式会社リコー製、イマジオMF7070)をベースとして、パワーパックを改造し、トナー極性も正帯電に変更した画像形成装置に装着した。この画像形成装置を用いて、画像面積率が6%となるようなA4サイズ(横)のテストチャートを連続で25万枚まで印刷(プリント)した。
初期(印刷スタート時)と5万枚印刷後、及び25万枚印刷後において以下の項目について評価を行った。結果を表1に示す。
印刷開始時(初期)における帯電時の感光体表面電位(暗部電位)が+800Vとなるように帯電装置(帯電チャージャー)の印加電圧を調整し、その後は印加電圧を変更せずに、5万枚印刷後、及び40万枚印刷時における感光体表面の帯電電位(暗部電位)の低下量ΔV(V)と、全面黒ベタ画像書込時の現像部での露光部電位(V)について評価した。
初期と5万枚印刷後、25万枚印刷後に出力された画像について残像の発生有無について評価した。
初期と5万枚印刷後、25万枚印刷後に出力された画像について残像以外の画像品質、例えば黒ベタ部分の画像濃度の変化、文字部などカスレの有無、像流れなどの有無等を評価項目に加え、残像を含めたあらゆる面から総合的に評価した。
−感光体20〜38、及び比較感光体7〜12の作製−
製造例1〜19及び比較製造例1〜6において、直径100mm、長さ360mmのアルミニウムドラムの代わりに、直径30mm、長さ256mmのアルミニウムドラムを用いた以外は、製造例1〜19及び比較製造例1〜6と同様にして、感光体20〜38、及び比較感光体7〜12を作製した。
作製した感光体20〜38、及び比較感光体7〜12を実装用にした後、感光体に摺擦するクリーニングブレードを有する複数の感光体カートリッジからなるタンデム機構を有し、中間転写ベルトによりカラー画像を形成するフルカラープリンタ(イプシオ CX400、株式会社リコー製)を、ベースとして、露光光源を波長655nmのレーザーダイオードから780nmものに変更し、パワーパックを改造しトナー極性も正帯電に変更した画像形成装置に装着した。
この画像形成装置を用いて、画像面積率がブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色がそれぞれ5%となるようなA4サイズ(縦)のテストチャートを連続で5万枚まで印刷(プリント)した。
初期(印刷スタート時)と1万枚印刷後、及び5万枚印刷後において以下の項目について評価を行った。結果を表2に示す。
印刷開始時(初期)に帯電時の感光体表面電位(暗部電位)が+550Vとなるように帯電装置(帯電ローラ)の印加電圧を調整し、その後は印加電圧を変更せずに1万枚印刷後、及び5万枚印刷時における感光体表面の帯電電位(暗部電位)の低下量ΔV(V)と、全面黒ベタ画像書込時の現像部での露光部電位について評価した。
初期と1万枚印刷後、及び5万枚印刷後に出力された画像について残像の発生有無について評価した。
初期と1万枚印刷後、5万枚印刷後に出力された画像について残像以外の画像品質、例えば黒ベタ部分の画像濃度の変化、文字部などカスレの有無、像流れなどの有無等を評価項目に加え、残像を含めたあらゆる面から総合的に評価した。
2 転写装置
3 シート搬送ベルト
4 中間転写体
5 2次転写装置
6 給紙装置
7 定着装置
8 感光体クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像器
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
110 ベルト式画像定着装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
201 支持体
202 感光層
210 画像定着装置
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
301 除電手段
302 駆動手段
311 感光体
312 帯電手段
313 露光手段
314 現像手段
316 転写手段
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (9)
- 感光体と、該感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記感光体が、支持体と、該支持体上に単一の層構成からなる感光層を少なくとも有してなり、かつ該感光層が、少なくとも電荷発生物質と、電子輸送物質と、正孔輸送物質と、結着樹脂とを含有し、
前記電荷発生物質が、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さない結晶型を有するチタニルフタロシアニンと、X型無金属フタロシアニンとを含有し、
前記電子輸送物質が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする画像形成装置。
- 感光層が、結晶型を有するチタニルフタロシアニン及びX型無金属フタロシアニンを、それぞれ別個に分散した2つの電荷発生物質分散液と、結着樹脂、電子輸送物質、及び正孔輸送物質を溶解した溶液とを混合してなる感光層塗工液から作製される請求項1に記載の画像形成装置。
- 正孔輸送物質が、下記一般式(i)で表される化合物を含有する請求項1から2のいずれか記載の画像形成装置。
- 結着樹脂が、ポリカーボネート構造を有する請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、感光体表面と接触して摺擦する摺擦部材を有する請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、感光体と、該感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成要素を複数配列したタンデム型である請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、感光体上に形成された可視像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持された可視像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、複数色のトナー画像を前記中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を該記録媒体上に一括で二次転写する請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、感光体と、更に帯電手段、現像手段、転写手段、クリ−ニング手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段を有するプロセスカートリッジである請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記感光体が、支持体と、該支持体上に単一の層構成からなる感光層を少なくとも有してなり、かつ該感光層が、少なくとも電荷発生物質と、電子輸送物質と、正孔輸送物質と、結着樹脂とを含有し、
前記電荷発生物質が、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さない結晶型を有するチタニルフタロシアニンと、X型無金属フタロシアニンとを含有し、
前記電子輸送物質が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする画像形成方法。
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