JPH0822136A - 電子写真法 - Google Patents

電子写真法

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JPH0822136A
JPH0822136A JP17312394A JP17312394A JPH0822136A JP H0822136 A JPH0822136 A JP H0822136A JP 17312394 A JP17312394 A JP 17312394A JP 17312394 A JP17312394 A JP 17312394A JP H0822136 A JPH0822136 A JP H0822136A
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JP
Japan
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electrophotographic
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charge
undercoat layer
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Pending
Application number
JP17312394A
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English (en)
Inventor
Masahiko Hozumi
正彦 穂積
Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
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Publication of JPH0822136A publication Critical patent/JPH0822136A/ja
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴーストのない複写画像を得ることができる
除電工程を省略した電子写真法を提供する。 【構成】 帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程お
よびクリーニング工程を含むプロセスにより複写像を得
る電子写真法において、電子写真感光体としてシランカ
ップリング剤と無機顔料を用いて作製された下引き層を
設けたものを使用し、前記のプロセスを繰り返し実施す
る際に、クリーニング工程の後、除電を行うことなく帯
電工程において一様帯電を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、除電工程を省略した電
子写真法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、基体の導電性表面に
感光層を形成した構成を有するが、直ちに感光層を塗布
形成するよりも、感光性を有しない樹脂層を介在させる
方が好ましい。この樹脂層は、一般に下引き層と呼ば
れ、感光層と基体との接着性の改良、感光層の塗工性の
向上、基体の保護、基体上の欠陥の被覆、感光層の電気
的破壊の保護、感光層のキャリア注入性の改良等を目的
として設けられるものである。下引き層を構成する材料
としては、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルアル
コール、エポキシ樹脂、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、カゼイン、メチル
セルロース、ニトロセルロース、フェノール樹脂等の有
機系の樹脂が知られている。しかしながら、これら有機
系の樹脂を用いて形成された下引き層については、環境
条件、特に低湿環境下において感度の低下を生じるとい
う欠点があった。この欠点を解消するものとして、特開
昭58−93062号公報には有機金属化合物を用いる
ことが、特開昭61−94057号公報には有機ジルコ
ニウム化合物を用いることが、また特開平2−1895
59号公報にはジルコニウムとシラン化合物の硬化膜が
好ましいことが、更に、特開平3−73962号公報に
は、その好ましい硬化度等が開示されている。これらの
公報に開示されているように、下引き層は、有機系の樹
脂よりは、無機系の硬化膜により形成されている方が好
ましい。
【0003】また、近年、電子写真感光体を用いた電子
写真方式を採用する複写機、ファクシミリ、プリンター
等で、プロセスの簡略化、低価格化等のために、転写工
程後の除電工程を省略したものが知られている。すなわ
ち、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等の
プロセスを含む通常の電子写真方式に対して、光または
AC電流等により除電する工程を含まない電子写真方式
を用いたものが知られている。この場合の帯電工程に
は、帯電ロール、フィルム、ブレード、ブラシ等による
接触帯電器を用いることが多いが、これは接触帯電器が
従来のコロナ帯電器よりも電位を均一化させる能力が高
いからである。しかしながら、この除電工程を省略した
複写機、ファクシミリ、プリンター等によって、文字画
像を印字した後にソリッド(ベタ黒)画像を印字した場
合、ソリッド画像部に、先に印字した文字がゴーストと
して出現する現象が生じる場合がある。このゴーストに
は、より濃い濃度で出現するポジゴーストと、濃度が薄
いネガゴーストがある。また、ゴーストは、文字ゴース
トだけでなく、ソリッド画像自体のゴーストも生じる場
合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、クリーニ
ング工程の後の除電工程を省略した電子写真方式を採用
する複写機、ファクシミリ、プリンター等において、複
写画像に上記のようなゴーストの出現をなくすことが求
められている。本発明は、従来の技術における上記のよ
うな要求に鑑みてなされたものである。すなわち、本発
明の目的は、ゴースト現象が発生することのない除電工
程を省略した電子写真法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、電子写真感
光体に設けられる下引き層として、特定の材料を用いる
ことにより、上記目的が達成されることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、帯電工
程、露光工程、現像工程、転写工程およびクリーニング
工程を含むプロセスにより複写像を得る電子写真法にお
いて、電子写真感光体としてシランカップリング剤と無
機顔料を用いて作製された下引き層を設けたものを使用
し、前記のプロセスを繰り返し実施する際に、クリーニ
ング工程の後、除電を行うことなく帯電工程において一
様帯電を行うことを特徴とする。
【0006】本発明に用いられる電子写真感光体につい
て、図1により説明すると、図1は電子写真感光体の模
式的断面図であり、基体11の上に下引き層12が形成
される。下引き層の中にはシランカップリング剤と無機
顔料13が含有されている。下引き層の上には、電荷発
生層14および電荷輸送層15が形成されている。
【0007】電子写真感光体における基体としては、電
子写真感光体において使用されるものであれば、何如な
るものでも使用できる。例えば、アルミニウム、ニッケ
ル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニ
ウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、
金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の
薄膜を設けたプラスチックフィルム等、或いは導電性付
与剤を塗布、または含浸させた紙、およびプラスチック
フィルム等があげられる。これらの導電性支持体は、ド
ラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものと
して使用されるが、これらに限定されるものではない。
更に、必要に応じて導電性支持体の表面は、画質に影響
のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、
表面の酸化処理や薬品処理、および着色処理等、また
は、砂目立て等の乱反射処理を行うことができる。
【0008】基体の上には、シランカップリング剤と無
機顔料を用いて作製された下引き層が形成されるが、シ
ランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−
アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルトリメトキシシラン等をあげること
ができる。
【0009】無機顔料としては、ZnO、TiO2 、B
aSO4 、Al2 3 、SiO2 、CaCO3 およびM
gO等が好ましく用いられる。TiO2 としては、アモ
ルファスなものよりはルチル型またはアナターゼ型結晶
形を有するものが好ましい。これら無機顔料としては、
平均粒径1μm以下のものが広く市販されており、それ
らが使用できるが、特に平均粒径0.1μm以下の超微
粒子であることが好ましい。平均粒径0.1μm以下の
超微粒子を用いる場合には、下引き層形成用の塗布液中
での無機顔料の沈降を防止することができるのみなら
ず、形成される下引き層の表面の凹凸を小さくすること
ができ、その結果、その上に形成される電荷発生層の膜
厚が0.1μm前後の薄膜の場合でも、電荷発生層に塗
布欠陥を生じることがなくなるという効果も生じる。ま
た、これら無機顔料は、塗布液中での分散性を向上させ
る目的で、顔料粒子表面を、例えば、アルミナ、シリ
カ、ジルコニア等で被覆処理されているのが好ましい。
上記の無機顔料の配合量は、下引き層中に10〜80重
量%の範囲で含有させるのが好ましい。特に、40〜7
0重量%の範囲では、分散性の点でより好ましい。
【0010】更に、下引き層の形成には、他の有機金属
化合物を使用してもよい。有機金属化合物としては、金
属アルキル化合物、金属アルコキシド等、および金属キ
レート化合物、例えば、クロム、バナジウム、コバル
ト、鉄等のアセト酢酸エステルキレート化合物、エチレ
ンジアミンキレート化合物、カルボニルキレート化合物
があげられる。また、有機金属化合物における金属とし
ては、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、鉄、銅、
亜鉛、錫、ホウ素、ニッケル等があげられる。具体的に
は、次のものがあげられる。すなわち、有機ジルコニウ
ム化合物としては、次のものが例示される。 1)ジルコニウム錯体 a.ジルコニウムキレート化合物 ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコ
ニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニ
ウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウム
テトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムブト
キシトリスエチルアセトアセテート、ジルコニウムジブ
トキシビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリ
ブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムテ
トラキスエチルラクテート、ジルコニウムジブトキシビ
スエチルラクテート、ビスアセチルアセトネートビスエ
チルアセトアセタトジルコニウム、モノアセチルアセト
ネートトリスエチルアセトアセタトジルコニウム、ビス
アセチルアセトネートビスエチルラクタトジルコニウ
ム。 b.その他の錯体 ジルコニウムトリフロロアセチルアセトン。 2)ジルコニウムエステル ジルコニウムn−ブチレート、ジルコニウムn−プロピ
レート。
【0011】有機チタン化合物としては、チタンオルソ
エステルの如きオルソチタン酸の有機誘導体、ポリオル
ソチタン酸エステルおよびチタンキレート等があげられ
る。チタンオルソエステルは、次の一般式(I)
【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立した
ものであって、それぞれメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、ステアリル基、ヘキシル基、ノニル基またはセチル
基を示す。)で示される化合物であり、ポリオルソチタ
ン酸エステルは、次の一般式(II)
【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ前記
の式(I)の場合と同じ意味を表し、mは1〜10の範
囲の整数を表す。)で示される化合物であり、またチタ
ンキレートは、次の一般式(III) Ti(L)1-n (III) (式中、Lはキレート基、Xはエステル基、nは1〜4
を示す。)で示されるO(酸素)配位の化合物であり、
配位子種としては、オクチレングリコール、ヘキサンジ
オール等のグリコール;アセチルアセトン等のβ−ジケ
トン;乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸等のヒドロ
キシカルボン酸;アセト酢酸エステル等のケトエステ
ル;およびジアセトンアルコール等のケトアルコールが
あげられる。
【0012】上記以外の有機金属化合物としては、アル
ミニウルムトリス(アセチルアセトネート)、鉄トリス
(アセチルアセトネート)、コバルトビス(アセチルア
セトネート)、銅ビス(アセチルアセトネート)、マグ
ネシウムビス(アセチルアセトネート)、マンガン(II)
ビス(アセチルアセトネート)、ニッケル(II)ビス(ア
セチルアセトネート)、バナジウムトリス(アセチルア
セトネート)、亜鉛ビス(アセチルアセトネート)、錫
ビス(アセチルアセトネート)等の金属アセチルアセト
ネート化合物;アルミニウムイソプロピレート、モノ−
sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウム−sec−ブチレート、バナジウムエチレー
ト、バナジウム−n−プロピレート、バナジウムイソブ
チレート等の金属アルコラート化合物;およびアルミニ
ウムジ−n−ブトキサイド−モノエチルアセトアセテー
ト、アルコニウムオキサイドオクテート、アルミニウム
オキサイドステアレート、アルミニウムオキサイドアク
リレート等の化合物;Zn(CH3 2 、Zn(C2
5 2 、Al(C2 5 3 、B(C2 5 3 等の金
属アルキル化合物;Al[OCH(CH3 2 3 等の
金属アルコキシド等が挙げられる。これら有機金属化合
物は、下引き層の50重量%までの範囲内で配合するこ
とができる。
【0013】下引き層は、上記のシランカップリング
剤、無機顔料および所望によって配合される有機金属化
合物を、適当な溶剤に添加して無機顔料分散液を調製
し、常法により塗布し、加湿または加熱により硬化させ
ることにより形成することができる。溶剤としては、シ
ランカップリング剤および有機金属化合物を溶解するも
のが使用でき、例えば、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン等の
芳香族炭化水素類、酢酸エチル、セロソルブアセテート
等のエステル類があげられる。分散液はそのまま塗布し
てもよいが、部分的に加水分解した状態で塗布すること
もできる。加熱による硬化は、100〜200℃の温度
で5分ないし2時間の範囲で実施するのが好ましい。ま
た、形成される下引き層の膜厚は0.3〜5μmの範囲
が好ましい。
【0014】下引層の上には感光層が設けられるが、感
光層は単層構造でもよい。単層構造の場合としては、色
素増感されたZnO感光層、CdS感光層や、電荷発生
物質等を電荷輸送物質に分散させた感光層等をあげるこ
とができる。また、積層構造の場合には、電荷発生層と
電荷輸送層とに機能分離されたものがあげられる。導電
性支持体上における電荷発生層との積層順序は、いずれ
が先であってもよい。電荷発生層は、電荷発生材料を必
要に応じて結着樹脂に分散させて形成させる。電荷発生
材料としては、例えばセレンおよびセレン合金;Cd
S、CdSe、CdSSe、ZnOおよびZnS等の無
機光導電体;金属または無金属フタロシアニン顔料;ビ
スアゾ顔、トリスアゾ顔料等のアゾ顔料;スクエアリウ
ム化合物;アズレニウム化合物;ペリレン系顔料;イン
ジゴ顔料;キナクリドン顔料;多環キノン顔料;シアニ
ン色素;キサンテン染料;ポリ−N−ビニルカルバゾー
ルとトリニトロフルオレノン等からなる電荷移動錯体;
ピリリウム塩染料とポリカーボネート樹脂からなる共晶
錯体等があげられる。結着樹脂としては、周知のもの、
例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合
体または共重合体、酢酸ビニル重合体または共重合体、
セルロースエステルまたはエーテル、ポリブタジエン、
ポリウレタン、エポキシ樹脂等が用いられる。電荷発生
層の膜厚は0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。
【0015】電荷輸送層は、電荷輸送材料を主成分とし
て構成される。電荷輸送材料としては、可視光に対して
透明であり、かつ、電荷輸送能力を有するものであれば
特に制限されるものではなく、具体的には、イミダゾー
ル、ピラゾリン、チアゾール、オキサジアゾール、オキ
サゾール、ヒドラゾン、ケタジン、アジン、カルバゾー
ル、ポリビニルカルバゾール等およびそれらの誘導体、
トリフェニルアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジ
ジン誘導体等があげられる。必要に応じて結着樹脂が併
用されるが、結着樹脂としては、例えばポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスチレン、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、ポリスルホン、ポ
リメタクリル酸エステル、スチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体等があげられる。電荷輸送層の膜厚は10
〜30μmの範囲が好ましい。
【0016】本発明の電子写真法は、上記の電子写真感
光体に用いて、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工
程およびクリーニング工程を含むプロセスにより複写像
を得るものであるが、これら各工程は、いずれも電子写
真法に使用される公知のものが採用される。図2は本発
明の電子写真法に使用する電子写真複写装置の一例の概
略構成図である。電子写真感光体1の周囲に、接触帯電
器2、露光装置3、現像器4、転写装置5およびクリー
ニング装置6が配設されている。電子写真感光体1は、
矢印方向に回転して、接触帯電器2により一様に帯電さ
れた後、露光装置3によって像露光され、形成された静
電潜像は、次いで現像器4でトナーによって顕像化され
る。次いで、コロナ帯電器等の転写装置5により転写紙
7に転写され、定着装置8によってトナー像が定着され
る。電子写真感光体1の表面に残留するトナーは、ブレ
ードクリーナー等を備えたクリーニング装置6によって
クリーニングされる。本発明においては、クリーニング
された後の電子写真感光体は、除電工程を経ることなく
そのまま次の帯電工程において接触帯電器2によって一
様帯電され、上記したように画像形成が行われる。
【0017】
【作用】本発明によれば、シランカップリング剤と無機
顔料を用いて形成された下引き層を有する電子写真感光
体を、除電工程を省略した電子写真法に使用するが、そ
の様な電子写真法を採用する複写機、ファクシミリ、プ
リンター等に使用した場合、画像に問題となるようなゴ
ースト像が発生しないという利点が生じる。その理由
は、上記の下引き層を設けることにより、感光層中で像
露光により発生した電荷のうち、基体側に流出すべき電
荷の流出が円滑に行われ、電子写真感光体が電気的に安
定なサイクル特性を持つようになり、したがって、除電
工程を省略した電子写真法においても、良好な画質を提
供することが可能になるためと考えられる。すなわち、
ゴースト画像は、電子写真感光体上の露光部と非露光部
が次サイクルで、電気特性の差を生じることから出現す
るものであるので、電気的に安定なサイクル特性を持つ
電子写真感光体においては、露光、非露光の履歴にかか
わらず、安定な露光部表面電位を示し、従来問題となっ
ているようなゴースト画像が出現しないと考えられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。なお「部」は全て「重量部」を意味する。 実施例1 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(A1100、
日本ユニカー社製)30部およびn−ブタノール130
部を混合した溶液に、アルミナ被覆した平均粒径0.5
μmのルチル型酸化チタン(SR−1T、堺化学工業社
製)50部を加え、サンドミルにて分散して、分散液を
得た。一方、基体として、Rmax =1.0μmの0.8
mmt×30mmφ×253mmのアルミニウム管を用
意し、その表面に上記分散液を100mm/分の速度で
リング塗布機によって塗布した。140℃で10分間の
加熱により、厚さ2.0μmの硬化した黄白色の下引き
層を得た。続いて、ポリビニルブチラール樹脂(BM−
1、積水化学社製)1部をシクロヘキサノン19部に溶
解し、これにX型無金属フタロシアニン3部を加えてサ
ンドミルで分散した。分散液に更に2−ブタノン20部
を加え、下引き層上にリング塗布機により塗布し、12
0℃で2分間乾燥して、膜厚0.25μmの電荷発生層
を形成した。次に、N,N′−ジフェニル−N,N′−
ビス(m−トリル)ベンジジン4部を電荷輸送材料と
し、ポリカーボネートZ樹脂6部と共にモノクロロベン
ゼン40部に溶解させ、得られた溶液を上記電荷発生層
上に浸漬塗布装置により塗布し、110℃で60分間加
熱乾燥して、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。以
上のようにして、電子写真感光体を作製した。
【0019】この電子写真感光体を用いて、帯電ロール
による接触帯電、半導体レーザーによる画像書き込み、
一成分トナーによる現像、転写、ウレタンゴムブレード
によるクリーニング等の各工程を有し、除電光、AC電
流による除電装置等による除電工程を含まないレーザー
プリンターによって画像評価を行った。帯電ロールとし
ては、5mmφのステンレス鋼シャフトの外周に、過塩
素酸リチウム0.5%を加えて導電性を持たせたポリエ
ーテル系ポリウレタンゴムよりなる弾性層を全体で15
mmφになるように形成し、その表面に0.001%の
メチルフェニルシリコーンレベリング剤を添加するポリ
エステル系ポリウレタンエマルジョン樹脂水溶液よりな
る塗布液を、浸漬塗布法により塗布し、120℃20分
間の乾燥を行って、膜厚20μmの被覆層を形成したも
のを用いた。上記レーザープリンターを用いて、上記帯
電ロールに、直流成分が−550V、交流成分が180
0Vの重畳電圧を印加し、上記電子写真感光体ドラムに
帯電を施し、A4サイズ紙前半に文字画像露光し、後半
に全面露光しベタ黒画像を作り、反転現像方式にて、画
像を形成し、画質評価を行った。その結果、問題となる
文字ゴーストは生じていなかった。また、上記レーザー
プリンターにおいて、A4サイズ複写時におけるドラム
状の感光体1回転目から3回転目までの露光部電位を測
定した。この場合、A4サイズ全面露光によるベタ黒複
写画像が得られるようにした。その結果、1回転目の電
位は−60V、3回転目の電位は−60Vであり、安定
していた。
【0020】実施例2 トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート(ZC
540、松本交商社製)の50%トルエン100部、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン(A1110、日
本ユニカー社製)11部、およびn−ブタノール130
部を混合した溶液に、アルミナ被覆した平均粒径0.5
μmのルチル型酸化チタン(SR−1T、堺化学工業社
製)80部を加え、サンドミルにて分散した。分散して
得た分散液を用いて下引き層を形成した以外は、実施例
1と同様に電子写真感光体ドラムを作製し、複写画像の
評価を行った。その結果、文字ゴーストの生じていない
良好な画像が得られていた。また、露光部電位は、1回
転目は−70V、3回転目は−70Vであり、安定して
いた。
【0021】比較例1 ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート(ZC1
50、松本交商社製)の50%トルエン溶液100部
に、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(A111
0、日本ユニカー社製)11部、およびn−ブタノール
130部を混合した溶液を用いて、下引き層を形成した
以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、複
写画像の評価を行った。得られた画像にはネガ文字ゴー
ストが発生するという問題があった。露光部電位は、1
回転目は−60V、3回転目は−80Vであり、サイク
ル上昇傾向がみられた。 比較例2 ポリアミド樹脂(CM8000、東レ社製)10部をメ
タノール60部、n−ブタノール40部を溶解させた溶
液を用いて、下引き層を形成した以外は、実施例1と同
様に電子写真感光体を作製し、複写画像の評価を行っ
た。得られた画像にはネガ文字ゴーストが発生するとい
う問題があった。露光部電位は、1回転目は−70V、
3回転目は−95Vであり、サイクル上昇傾向がみられ
た。また、ポリアミド樹脂に酸化チタンを分散したもの
を用いた場合にも、ゴーストは改善されなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明は、上記のようにシランカップリ
ング剤と無機顔料を用いて作製された下引き層を含む電
子写真感光体を、クリーニング工程の後、除電工程を行
うことなく帯電工程を実施する電子写真法に採用するか
ら、従来、この種の電子写真法においてしばしば生じて
いたゴースト現象が発生しなくなり、優れた画質の複写
画像を得ることができるという効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真用感光体の模式断面図であ
る。
【図2】 本発明を実施するための電子写真装置の一例
の概略構成図である。
【符号の説明】
1…電子写真感光体、2…接触帯電器、3…露光装置、
4…現像器、5…転写装置、6…クリーニング装置、7
…転写紙、8…定着装置、11…基体、12…下引き
層、13…無機顔料、14…電荷発生層、15…電荷輸
送層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電工程、露光工程、現像工程、転写工
    程およびクリーニング工程を含むプロセスにより複写像
    を得る電子写真法において、電子写真感光体としてシラ
    ンカップリング剤と無機顔料を用いて作製された下引き
    層を設けたものを使用し、前記プロセスを繰り返し実施
    する際に、クリーニング工程の後、除電を行うことなく
    帯電工程において一様帯電を行うことを特徴とする電子
    写真法。
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