JP2689562B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、基板、下引き層及び感光層から構成される
電子写真感光体に関し、特に改良された下引き層を有す
る電子写真感光体に関する。
従来の技術 従来、電子写真感光体は、電荷発生材料に無機顔料を
用いたものと、有機顔料を用いたものに大別されてきた
が、近年、電子写真感光体の電荷発生機能と電荷輸送機
能を分離し、それぞれの機能を果たす機能層を積層する
ことで電子写真感光体として機能させるものが多く使用
されている。このような、いわゆる機能分離型電子写真
感光体は、材料選択上、また電子写真特性上、多くの利
点を有しているので、最近の電子写真感光体の多くは機
能分離型になっている。機能分離型の電子写真感光体と
しては、有機感光体、すなわち、電荷発生材料として有
機顔料を用いたものがよく見られる型であるが、Seなど
の無機顔料を電荷発生層に含有させ、有機高分子層を電
荷輸送層として積層したものも知られている。
これら機能分離型の電子写真感光体においては、導電
性基体上に有機電荷発生層や有機電荷輸送層が設けられ
るが、その際、導電性基体から、これらの層への不必要
な電荷の注入を阻止したり、或いは導電性基体とこれら
の層との接着性を高めるために、両者の間に下引き層を
設けることがしばしば行われている。
下引き層に用いられる材料としては、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、
セルロースエーテル類、セルロースエステル類、ポリア
ミド、ポリウレタン、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタ
ミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリ
アクリル酸、ポリアクリルアミド等があげられるが、実
際には、下引き層の上に塗布される電荷発生層或いは電
荷輸送層形成用の塗布液の溶剤に侵されず、かつ、電気
的特性に問題を生じないものが選ばれる。中でも、ポリ
アミド系の樹脂は、上記の如き接着性に優れ、電気的特
性として、残留電位が小さく、かつ、環境安定性がよい
ので、膜厚を2μm以下にして使用されることが多い。
また、ジルコニウムキレート化合物又はジルコニウム
アルコキシドを用いて、或いはシランカップリング剤を
用いて下引き層を形成させることも試みられている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、これらポリアミド系樹脂に代表される
上記従来使用されている樹脂材料は、本質的に吸湿しや
すい特徴を持ち、層中にイオン電導を生じやすいので、
これらの樹脂材料を用いた場合は、層中に混入した不純
物によるイオンや下引き層の上に塗布される電荷発生層
に含まれる有機、無機の酸によるイオンの影響を受け
る。したがって、電子写真感光体を長期間使用している
うちに、下引き層自身及びその上下の電荷発生層や導電
性基体表面との間で電気化学的な反応等を生じ、使用環
境の変化により、下引き層に要求される導電性基体から
の不必要な電荷注入阻止能が異常に失われたり、逆に増
大するため、プリントされるコピー画像に、白点状の白
抜けや黒斑が生じることが判明した。この不具合は、電
子写真感光体の使用開始後、ある期間を経過して発生す
るため、品質保証上改善すべき問題であった。
また、ポリアミド系樹脂を用いた下引き層は、電荷発
生層との組合せによっては使用開始後時間と共に、即
ち、サイクル数の増加と共に残留電位が上昇し、画像に
いわゆるカブリを生ずると言う不具合が発生することが
判明した。シランカップリング剤を用いた場合には、露
光部表面電位の上昇が在留電位が高いという電子写真特
性の点で問題があった。
本発明は、従来の技術における上記のような問題点を
解決する為になされたものである。
したがって、本発明の目的は、使用環境に影響される
ことなく、多数枚のコピー操作を行なっても、画質に何
等異常を生じない、極めて信頼性の高い電子写真感光体
を提供することにある。
課題を解決するための手段及び作用 本発明者等は、検討の結果、下引き層を特定の無機高
分子物質を用いて形成すると、上記の目的が達成される
ことを見出だし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、導電性基体上に、下引き層及び
感光層を設けてなる電子写真感光体において、該下引き
層が、ジルコニウム原子およびケイ素原子が酸素原子を
介して結合した架橋構造を有する無機高分子物質よりな
ることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。第1図は、本発明の
電子写真感光体の一例の模式的断面図である。図中1は
導電性支持体、2は下引き層、3は電荷発生層、4は電
荷輸送層である。
本発明において、導電性支持体としては、公知のもの
が使用できる。例えば、アルミニウム、ステンレススチ
ール等が好適に使用できる。
導電性支持体の上には、下引き層が形成される。下引
き層は、ジルコニウム原子およびケイ素原子が酸素原子
を介して結合した架橋構造を有する無機高分子物質より
なる塗膜であって、下記のような架橋構造を有してい
る。
(式中Xは、ビニル基、又はビニル基、エポキシ基、メ
タクリル基、アミノ基、メルカプト基、ウレタン基等の
官能基を含有するアルキル基を示す) この無機高分子物質よりなる塗膜は、ジルコニウムキ
レート化合物又はジルコニウムアルコキシドとシランカ
ップリング剤の混合溶液を塗布し、硬化させることによ
って形成される。
ジルコニウムキレート化合物は、3.4.6.8分子配位の
ものが一般に使用され、下記式で示される。
M〔ZrX3.4.6.8〕 (式中、M:金属イオン又は水素イオン(価数省略) X:ハロゲン原子、アセチルアセトン、ケトエステル、ア
ミノアルコール、グリコール、ヒドロキシ酸、アミノ酸
等) 代表的なものとして、ジルコニウムテトラアセチルア
セトネート、ジルコニウムトリラクタート塩、ジルコニ
ウムテトラオキザラート塩、ジルコニウムヘキサフルオ
ロ塩、ジルコニウムオクタフルオロ塩等があげられる。
ジルコニウムアルコキシドは、一般式 Zr−(OR) (式中、R:アルキル基) で示されるもので、代表的なものとして、ジルコニウム
テトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、
ジルコニウムテトラブトキシド等があげられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2
−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルトリメトキシシラン等をあげること
ができる。
本発明においてジルコニウムアルコキシドとシランカ
ップリング剤との混合割合は、必要に応じて適宜設定す
ることができる。しかしながら、電気写真特性の点から
見て、塗膜形成後の体積抵抗率が1010〜1013Ω・cmにな
る様に両者の混合比を設定するのが好ましい。体積抵抗
率が上記の範囲よりも高くなると、露光部表面電位及び
残留電位が上昇し、また上記の範囲よりも低くなると、
ブロッキング層としての作用を持たなくなり、帯電電位
の低下等の問題が発生する。
上記下引き層の上には、感光層が設けられるが、本発
明において、感光層は単層構造でも、積層構造でもよ
い。単層構造の場合としては、色素増感されたZnO感光
層、CdS感光層や、電荷発生物質を電荷輸送物質に分散
させた感光層などをあげることができる。
また、積層構造の場合には、電荷発生層と電荷輸送層
とに機能分離されたものがあげられる。基体上における
電荷発生層と電荷輸送層との積層順序は、いずれが先で
あってもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂
に分散させて形成される。電荷発生物質としては、例え
ばセレン及びセレン合金;CdS、CdSe、CdSSe、ZnO及びZn
S等の無機光導電体;金属又は無金属フタロシアニン顔
料;ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ系顔料;ス
クエアリウム化合物;アズレニウム化合物;ペリレン系
顔料;インジゴ顔料;キナクリドン顔料;多環キノン顔
料;シアニン色素;キサンテン染料;ポリ−N−ビニル
カルバゾールとトリニトロフルオレノン等からなる電荷
移動錯体;ピリリウム塩染料とポリカーボネート樹脂か
らなる共晶錯体等があげられる。
結着樹脂としては、周知のもの、例えば、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルブチ
ラール、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、メタクリル酸エ
ステル重合体又は共重合体、酢酸ビニル重合体又は共重
合体、セルロースエステル又はエーテル、ポリブタジエ
ン、ポリウレタン、エポキシ樹脂等が用いられる。
電荷輸送層は電荷移動物質を主成分として構成され
る。電荷移動物質としては、可視光に対して透明であ
り、かつ、電荷輸送能力を有するものであれば特に制限
されるものではなく、具体的には、イミダゾール、ピラ
ゾリン、チアゾール、オキサジアゾール、オキサゾー
ル、ヒドラゾン、ケタジン、アジン、カルバゾール、ポ
リビニルカルバゾール等、及びそれらの誘導体、トリフ
ェニルアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘
導体等があげられる。必要に応じて結着樹脂が併用され
るが、結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアリレート、ポリ
エステル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル
共重合体、ポリスルホン、ポリメタクリル酸エステル、
スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等があげられ
る。
本発明において、上記感光層、特に電荷発生層には、
感度向上その他の目的で、酸を含有させてもよい。含有
させる酸としては、例えば、有機酸として、モノ、ジ、
及びトリフルオロ酢酸、クロロ酢酸等のハロゲン化有機
酸をあげることができ、無機酸としては、塩酸、硫酸、
硝酸等をあげることができる。下引き層の上に形成され
る感光層に酸が含まれる場合にも、上記の無機高分子物
質よりなる下引き層はその機能を有効に果たすことがで
きる。
実施例 以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
なお、「部」は全て「重量部」意味する。
実施例1 下記構造式で示されるジルコニウムテトラアセチルアセ
トネート (ZC150、松本交商社製) 20部 下記構造式で示されるγ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン (KBM503、信越化学(株)製) 10部 メチルアルコール 400部 n−ブチルアルコール 100部 n−アミルアルコール 200部 上記成分をスターラーで撹拌し、下引き層形成用塗布
液を作製した。この塗布液を直径約85mmのアルミニウム
製円筒の表面にスプレー塗布法により塗布し、約5分間
風乾した後、135℃で10分間乾燥して、膜厚約0.4μmの
下引き層を形成した。
次いで、ジブロモアントアントロン10部を、ポリビニ
ルブチラール1部、トリフルオロ酢酸0.02部、塩酸0.06
部及びシクロヘキサノン90部よりなる溶液に分散させ
た。得られた分散液を上記下引き層の上に浸漬塗布法に
より塗布し、100℃で10分間乾燥させて、膜厚約0.8μm
の電荷発生層を形成した。
更にその上に、次のようにして電荷輸送層を形成し
た。すなわち、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−
メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジ
アミン5部を電荷輸送材料として、ポリカーボネートZ
樹脂6部と共にモノクロルベンゼン40部に溶解させ、得
られた溶液を浸漬塗布法により塗布し、110℃で1時間
乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして作製された電子写真感光体を、表面電
位800Vに帯電した後、常法の電子写真法の手法にしたが
って、画像露光、現像、転写、定着を行なうコピー操作
を繰り返し実施した。この繰り返しコピー操作を高温高
湿(28℃、85%RH)で行なったところ、50,000枚のコピ
ーを得ても、画質に何等異常は生じなかった。また、上
記の電子写真感光体を40℃、85%RHの環境下に1か月放
置した後、上記と同様に画質テストを行なったところ、
塗膜の変質によるコピー画像の異常は発生しなかった。
また、10℃15%RHの低温低湿で50,000枚以上のコピーを
取っても、何等画質に異常を生じないことが確認でき
た。なお、30KCVのランニングにおいても、残留電位が
上昇するなどの電気特性上の不具合点は発生せず、良好
な特性を示した。
実施例2 ジルコニウムテトラブトキシド: Zr(OC4H9 (ZA60、松本交商社製) 40部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (KBM503、信越化学(株)製) 10部 エチルアルコール 650部 n−ブチルアルコール 300部 n−アミルアルコール 180部 上記成分を用いて下引き層形成用塗布液を作製した。
この塗布液をアルミニウム製円筒の表面にスプレー塗布
法により塗布し、約10分間室温で乾燥した後、135℃で
5分間乾燥して、膜厚約0.4μmの下引き層を形成し
た。
以下、実施例1と同様にして電荷発生層と電荷輸送層
を形成した。得られた電子写真感光体について、実施例
1と同様に評価テストを行なったところ、実施例1とほ
ぼ同様の結果が得られた。
実施例3 ジルコニウムテトラアセチルアセトネート (ZC150、松本交商社製) 20部 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン H2N(CH23Si(OC2H5 (KBE903、信越化学(株)製) 11部 メチルアルコール 400部 n−ブチルアルコール 100部 n−アミルアルコール 200部 上記成分をスターラーで撹拌し、下引き層形成用塗布
液を作製した。この塗布液を用いた以外は、実施例1と
同様にして電子写真感光体を作製した。実施例1と同様
に評価テストを行なったところ、実施例1とほぼ同様の
結果が得られた。
実施例4 実施例1と同様にして下引き層を形成した。得られた
下引き層の上に電荷発生層を形成した。すなわち、粒状
三方晶系セレン87部と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体(ソレーション・ビニルVMCH、ユニオン・カーバイド
社製)13部を、酢酸n−ブチル200部に溶解した溶液と
を、アトライターで24時間分散させた。次いで、得られ
た分散液30部に対して酢酸n−ブチル57部を加えて希釈
し、浸漬塗布液を調製した。この浸漬塗布には、数百pp
mの亜セレン酸が含まれていた。この浸漬塗布液を下引
き層の上に浸漬塗布法によって塗布し、135℃で10分間
乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次
いで、実施例1と同様にして電荷輸送層を形成した。
得られた電子写真感光体について、実施例1と同様に
評価テストを行なったところ、実施例1とほぼ同様の結
果、すなわち28℃、85%RHの環境下でも、また10℃、15
%RHの環境下でも連続50,000枚以上の良好な画質のコピ
ーが得られた。また、電気特性上も環境に影響されるこ
とのほとんどない、即ち50,000枚以上のコピーを取って
も、実質的な残留電位の上昇を生ずることもなく、良好
な画質のコピーが得られた。
実施例5 実施例2と同様にして下引き層を形成し、実施例4と
同様にして、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。得
られた電子写真感光体について、実施例1と同様に評価
テストを行なったところ、実施例1とほぼ同様の結果が
得られた。
実施例6 実施例3と同様にして下引き層を形成し、実施例4と
同様にして、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。得
られた電子写真感光体について、実施例1と同様に評価
テストを行なったところ、実施例1とほぼ同様の結果が
得られた。
比較例1 30%メトキシメチル化8ナイロン1部を、メチルアル
コール3.8部、n−ブチルアルコール2.6部及び水0.6部
よりなる混合溶媒に溶解した。得られた溶液を直径約85
mmのアルミニウム製円筒表面に浸漬塗布法により塗布
し、約5分間風乾した後、135℃で10分間乾燥して、膜
厚約1μmの下引き層を形成した。
形成された下引き層の上に、実施例1と同様にして電
荷発生層及び電荷輸送層を積層して電子写真感光体を作
製した。
得られた電子写真感光体を、実施例1と同様にして評
価テストを行なった。高温高湿(28℃、85%RH)で20,0
00枚のコピーを得たところ、コピー画像に多数の白点状
の白抜けが発生し、塗膜に変質が生じていることが判明
した。また、この電子写真感光体を、40℃、85%RHの環
境下に1か月放置した後、上記と同様に画質テストを行
なったところ、コピーのハーフトーン画像に黒点が多数
発生した。また、低温低湿下で連続コピーを30,000枚程
度取ると、残留電位が数10V上昇し、画像に軽いカブリ
を生じた。
比較例2 実施例1における下引き層形成成分から、ジルコニウ
ムテトラアセチルアセトネートを除いて下引き層を形成
した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作
製した。
得られた電子写真感光体は、露光部の表面電位及び残
留電位が高く、特に低温低湿(10℃、15%RH)環境下で
は、繰り返し使用によって残留電位の上昇があり、実施
例1の場合に比べて電子写真特性が劣っていた。
比較例3 実施例1における下引き層形成成分から、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシランを除いて、実施例
1と同様に下引き層を作製した。その場合、乾燥に際し
てクラッキングが発生してしまい、塗膜性の劣ったもの
となった。
比較例4 実施例4と同様の電荷発生層と電荷輸送層を用いる
が、下引き層にポリビニールアルコール1部に対し、n
−プロパノール26部、水6部よりなる混合溶媒に溶解し
た液を、直径85mmのアルミニウム円筒に浸漬塗布し、13
5℃で10分間乾燥して得た膜厚0.5μmの膜を用いたもの
では、10℃、15%RHの環境で10,000枚連続コピーを取っ
たところ、コピーに無数の白点が生じた。また、その間
残留電位が100V程度に上昇し、多数枚のコピー取りをし
ていくと、画質が悪くなることが分かった。
発明の効果 本発明の電子写真感光体は、上記のように下引き層が
ジルコニウム原子およびケイ素原子が酸素原子を介して
結合した架橋構造を有する無機高分子物質よりなるか
ら、感光層に酸が含有されていても、そのイオンによる
影響を受けることがない。したがって、環境に左右され
ることなく、多数枚の連続コピー操作を行なっても、画
質にも電気特性上も、実質的に全く異常が生じることが
なく、極めて高い信頼性を持つという効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。 1……導電性基体、2……下引き層、3……電荷発生
層、4……電荷輸送層。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に、下引き層及び感光層を設
    けてなる電子写真感光体において、該下引き層が、ジル
    コニウム原子およびケイ素原子が酸素原子を介して結合
    した架橋構造を有する無機高分子物質よりなることを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】感光層が酸を含有する特許請求の範囲第1
    項に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】感光層に含有させる酸が、モノフルオロ酢
    酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、
    塩酸、硫酸及び硝酸より選択されたものである特許請求
    の範囲第1項に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】下引き層が、ジルコニウムキレート化合物
    又はジルコニウムアルコキシドとシランカップリング剤
    の混合溶液を塗布し、硬化させて形成されたものである
    特許請求の範囲第1項に記載の電子写真感光体。
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