JPH1090931A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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Publication number
JPH1090931A
JPH1090931A JP26366596A JP26366596A JPH1090931A JP H1090931 A JPH1090931 A JP H1090931A JP 26366596 A JP26366596 A JP 26366596A JP 26366596 A JP26366596 A JP 26366596A JP H1090931 A JPH1090931 A JP H1090931A
Authority
JP
Japan
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undercoat layer
titanium oxide
resin
layer
conductive support
Prior art date
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Pending
Application number
JP26366596A
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English (en)
Inventor
Masayuki Ito
公幸 伊藤
Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH1090931A publication Critical patent/JPH1090931A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性支持体と感光層との間に下引層を設け
た電子写真感光体において、残留電位が高くなって形成
される画像にカブリが発生したり、また環境条件の変化
等によって導電性支持体から電荷が部分的に感光層に注
入されるということも抑制されて、反転現像を行なった
場合に黒ポチ等の画像ノイズが発生するのを抑制する。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも下引層と感
光層とが設けられた電子写真感光体において、下引層に
おける樹脂中に熱処理された酸化チタンを含有させるよ
うにし、またフェノール樹脂中に酸化チタンが含有され
た下引層を設ける場合、この下引層の3200〜360
0cm-1の範囲における赤外吸収の最大ピーク強度を
A、1550〜1650cm-1の範囲における赤外吸収
の最大ピーク強度をBとした場合に、A/B≦2.1の
条件を満たすようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の電子写真装置に使用される電子写真感光体に係
り、特に、導電性支持体上に少なくとも下引層と感光層
とが設けられた電子写真感光体において、その下引層を
改善してノイズの発生を少なくした点に特徴を有するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の電子
写真装置において画像形成を行なうにあたっては、一般
にアルミニウム等の導電性材料で構成された導電性支持
体の表面に感光層を形成した電子写真感光体が用いられ
ていた。
【0003】ここで、このような電子写真感光体を用い
て画像形成を行なうにあたっては、この感光体の表面を
帯電装置により帯電させた後、この感光体の表面に対し
て適当な露光手段から画像情報に対応した光を照射し
て、この感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を
トナーにより現像し、このように現像されたトナー像を
転写紙等の転写部材に転写させて画像形成を行なうよう
にしていた。
【0004】しかし、上記のような感光体を用いて画像
形成を行なうようにした場合、この感光体における導電
性支持体から電荷が感光層に注入されて、形成される画
像にカブリやノイズが生じやすく、特に、導電性支持体
上に感光層として電荷発生層と電荷輸送層とを積層させ
た機能分離型の感光体の場合には、その電荷発生層の膜
厚が非常に薄いため、導電性支持体の表面の影響を受け
やすく、この電荷発生層に塗布むらや膜厚むらが生じ、
形成された画像に画像欠陥や濃度むら等が発生するとい
う問題があった。
【0005】このため、従来においても、上記の導電性
支持体と感光層との間に下引層を設けることが行なわれ
るようになり、このような下引層としては、ポリアミ
ド,ポリビニールアルコール,ポリビニールブチラー
ル,メチルセルロース,ポリウレタン,カゼイン,エポ
キシ樹脂,フェノール樹脂等の樹脂を用いたものや、こ
のような樹脂に誘電率の高い酸化チタン等を分散させ
て、下引層におけるブロッキング性を向上させたものが
一般に使用されている。
【0006】しかし、このような下引層を設けた場合、
この下引層における電気抵抗が高いと、感光層において
発生した電荷が導電性支持体に流れるのが抑制され、感
光体における残留電位が高くなって、形成される画像カ
ブリが発生するという問題があり、また上記のように樹
脂に誘電率の高い酸化チタンを分散させてブロッキング
性を向上させた下引層を設けた場合においても、依然と
して導電性支持体から電荷が感光層に注入されるのを十
分に抑制することができず、形成される画像にカブリや
ノイズが発生し、特に、環境条件の変化等により、導電
性支持体から電荷が部分的に感光層に注入されるのを十
分に抑制することができず、反転現像を行なった場合
に、黒ポチと呼ばれる画像ノイズが発生するという問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、複写機や
プリンター等の電子写真装置に使用される電子写真感光
体における上記のような様々な問題を解決することを課
題とするものである。
【0008】そして、この発明においては、導電性支持
体と感光層との間に下引層を設けた電子写真感光体にお
いて、感光体における残留電位が高くなって形成される
画像にカブリが発生するということがなく、また環境条
件の変化等によって導電性支持体から電荷が部分的に感
光層に注入されるということも抑制され、反転現像を行
なった場合に黒ポチ等の画像ノイズが発生するというこ
とが少ない電子写真感光体を提供することを課題とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明における第1の
電子写真感光体においては、上記のような課題を解決す
るため、導電性支持体上に少なくとも下引層と感光層と
が設けられた電子写真感光体において、上記の下引層に
おける樹脂中に熱処理された酸化チタンを含有させるよ
うにしたのである。
【0010】そして、この発明における第1の電子写真
感光体のように、下引層として、樹脂中に熱処理された
酸化チタンを含有させたものを用いると、この下引層に
おける特性が一定化すると共に、環境の変化等によって
下引層における特性が低下するということもなく、カブ
リや黒ポチ等のノイズのない良好な画像が安定して得ら
れるようになる。
【0011】すなわち、熱処理しない通常の酸化チタン
においては、その表面に空気中の水分が吸着しており、
このように水分が吸着した状態で酸化チタンを樹脂中に
分散させた場合、酸化チタンと樹脂との結合がうまく行
なわれず、この酸化チタンの表面に吸着した水分が下引
層中に含有され、このように含有された水分によって下
引層の特性が低下し、環境条件の変化等により、この下
引層を通して導電性支持体から電荷が部分的に感光層に
注入されるようになるが、上記のように酸化チタンを熱
処理して、その表面における水分を除去した状態で樹脂
中に分散させると、酸化チタンと樹脂との結合がうまく
行なわれ、酸化チタンが樹脂中に均一に分散されると共
に下引層中に含まれる水分が著しく少なくなり、環境条
件の変化等により、この下引層を通して導電性支持体か
ら電荷が部分的に感光層に注入されるのが抑制されるよ
うになる。
【0012】また、この発明における第2の電子写真感
光体においては、上記のような課題を解決するため、導
電性支持体上に少なくとも下引層と感光層とが設けられ
た電子写真感光体において、フェノール樹脂中に酸化チ
タンが含有された下引層を設け、この下引層の3200
〜3600cm-1の範囲における赤外吸収の最大ピーク
強度をA、1550〜1650cm-1の範囲における赤
外吸収の最大ピーク強度をBとした場合に、A/B≦
2.1の条件を満たすようにしたのである。
【0013】そして、この発明における第2の電子写真
感光体のように、導電性支持体上にフェノール樹脂中に
酸化チタンが含有された下引層を設けるにあたって、こ
の下引層における3200〜3600cm-1の範囲の赤
外線吸収の最大ピーク強度をA、1550〜1650c
-1の範囲の赤外吸収の最大ピーク強度をBとした場合
に、A/B≦2.1の条件を満たすようにすると、この
下引層中における水分が少なくなって特性の良い下引層
が形成され、環境条件の変化等により、この下引層の部
分を通して導電性支持体から電荷が部分的に感光層に注
入されるということが抑制され、カブリや黒ポチ等のノ
イズのない良好な画像が安定して得られるようになる。
【0014】すなわち、上記の下引層において、320
0〜3600cm-1の範囲における赤外線吸収のピーク
強度は下引層に含まれるOH基の量を示すものであり、
また1550〜1650cm-1の範囲における赤外線吸
収のピーク強度は、ベンゼン環におけるC=C基の量を
示すものであり、A/Bの値が小さくなる程、下引層に
おける水分の量が少なくなり、特性のよい下引層が形成
されるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態に係る
電子写真感光体について具体的に説明する。
【0016】ここで、この発明における電子写真感光体
において、その導電性支持体としては、銅,アルミニウ
ム,金,銀,白金,鉄,パラジウム,ニッケル等の箔な
いし板をシート状又はドラム状に形成したものや、これ
らの金属をプラスチックフィルム等に真空蒸着,無電解
メッキ等によって付着させたもの、あるいは導電性ポリ
マー,酸化インジウム,酸化スズ等の導電性化合物の層
を同じく紙,プラスチックフィルム或いはガラス等の支
持体上に塗布もしくは蒸着によって形成したもの等を用
いることができる。
【0017】そして、このような導電性支持体上に、こ
の発明における第1の電子写真感光体においては、熱処
理された酸化チタンが樹脂中に含有された下引層を設
け、またこの発明における第2の電子写真感光体におい
ては、フェノール樹脂中に酸化チタンが含有された下引
層で、この下引層の3200〜3600cm-1の範囲に
おける赤外吸収の最大ピーク強度をA、1550〜16
50cm-1の範囲における赤外吸収の最大ピーク強度を
Bとした場合に、A/B≦2.1の条件を満たす下引層
を設けるようにする。なお、感光体の特性に影響を与え
ない範囲において、フェノール樹脂と共にポリアミド樹
脂,メラミン樹脂等の他の下引層用の公知の樹脂を併用
してもよい。
【0018】ここで、第1の電子写真感光体のように、
熱処理された酸化チタンを用いる場合、酸化チタンの表
面に吸着された水分を十分に除去するため、酸化チタン
を100℃の温度で10分間以上、好ましくは110℃
の温度で1時間以上、更に好ましくは130℃の温度で
1時間以上熱処理し、またこのように熱処理した酸化チ
タンを保管するにあたっては、デシケーター等により低
湿状態にして保管させるようにする。
【0019】また、上記の酸化チタンとしては、ルチル
型,アナターゼ型のいずれの構造のものであってもよ
く、またその粒径については、形成する下引層の膜厚よ
りも小さい通常1μm以下のものを用いるようにし、好
ましくは、樹脂に対する分散性等を向上させるため0.
2〜0.4μmのものを用いるようにする。
【0020】更に、この酸化チタンにおける樹脂への分
散性を向上させるためには、この酸化チタンの表面に、
シランカップリング処理とアルミナ被覆処理とを併用し
て行なうことが好ましい。ここで、酸化チタンにシラン
カップリング処理を行なうにあたっては、例えば、水や
アルコール等の溶媒にシランカップリング剤を1重量%
程度加えた処理液中に酸化チタン粒子を分散させてシラ
ンカップリング処理を行なうことができ、またアルミナ
被覆処理を行なうにあたっては、例えば、アルミニウム
塩の水溶液に酸化チタン粒子を分散させ、これにアルカ
リを加えて水酸化アルミニウムを酸化チタン粒子の表面
に析出させ、これを強熱させてアルミナ被覆処理を行な
うことができる。
【0021】また、上記の第1の電子写真感光体におい
ては、下引層における樹脂として、下引層用の公知の樹
脂を用いることができるが、第2の電子写真感光体の場
合と同様に、熱硬化性のレゾール型のフェノール樹脂を
用いることが好ましい。すなわち、このような熱硬化性
のフェノール樹脂を用いると、この樹脂を用いた下引層
におけるブロッキング性が向上し、感光層における感光
材料等がこの下引層に浸透するということが少なくなっ
て、画像ノイズの発生が抑制される。なお、このフェノ
ール樹脂については、その硬化温度が高くなりすぎる
と、その電気抵抗値が高くなりすぎて、感光体における
残留電位が高くなる一方、その硬化温度が低すぎると、
硬化が不十分になって感光体における感度が低下したり
するため、その硬化温度を110〜180℃、好ましく
は130〜160℃の範囲になるようにし、またこのフ
ェノール樹脂における体積抵抗値が温度20℃、湿度4
5%の環境下で測定した場合に1013〜1014Ω・cm
の範囲になるようにすることが好ましい。
【0022】そして、上記のような酸化チタンや樹脂を
用いて下引層を形成するにあたっては、例えば、適当な
溶剤中に上記の樹脂と酸化チタンとを加えて下引層用塗
液を調製し、この下引層用塗液を導電性支持体上に塗布
した後、これを乾燥させて下引層を設けることができ
る。なお、上記の溶剤としては、メチルアルコール,エ
チルアルコール,プロピルアルコール,ブチルアルコー
ル等のアルコール系溶剤や、このアルコール系溶剤にテ
トラヒドロフラン,トルエン,キシレン,メチルエチル
ケトン,アセトン等を混合させた混合溶剤を使用するこ
とができる。
【0023】また、上記のようにして下引層を設けた場
合において、樹脂中に含有される酸化チタンの量が少な
すぎると、環境変動により下引層の特性が変動しやすく
なり、導電性支持体から感光層に対する電荷の注入をブ
ロッキングする効果が不安定になる一方、酸化チタンの
量が多くなり過ぎると、下引層の強度が低下するため、
下引層中に含有させる酸化チタンの量が20〜70重量
%、好ましくは40〜60重量%の範囲になるようにす
る。
【0024】また、この下引層の厚みが薄すぎると、導
電性支持体から感光層への電荷の注入を十分にブロッキ
ングすることができない一方、その厚みが大きくなり過
ぎると、感光層から導電性支持体への電荷の流れが抑制
されて、残留電位が高くなるため、この下引層の厚みを
0.5〜4μm、好ましくは1〜3μmの範囲になるよ
うにする。
【0025】そして、このように形成した下引層の上に
感光層を設けるにあたっては、公知の方法によって感光
層を設けることができ、この感光層を構成する材料に
は、公知の有機及び無機材料を使用することができ、ま
た感光層の構造も特に限定されず、電荷発生材料と電荷
輸送材料とが含有された単層型の感光層であっても、電
荷発生材料が含有された電荷発生層と電荷輸送材料が含
有された電荷輸送層とが積層された機能分離型の感光層
であってもよく、さらにこの感光層の表面に保護層等を
設けるようにしてもよい。
【0026】ここで、上記の電荷発生材料としては、例
えば、モノアゾ系顔料,ビスアゾ系顔料,トリスアゾ系
顔料,テトラキスアゾ顔料,トリアリールメタン系染
料,チアジン系染料,オキサジン系染料,キサンテン系
染料,シアニン系色素,スチリル系色素,ビリリウム系
染料,キナクリドン系顔料,インジゴ系顔料,ペリレン
系顔料,多環キノン系顔料,ビスベンズイミダゾール系
顔料,インダスロン系顔料,スクアリリウム系顔料,フ
タロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレ
ン,セレン−ヒ素,セレン−テルル,硫化カドミウム,
酸化亜鉛,酸化チタン,アモルファスシリコン等の無機
材料を使用することができる。
【0027】また、上記の電荷輸送材料としては、例え
ば、アントラセン誘導体,ピレン誘導体,カルバゾール
誘導体,テトラゾール誘導体,メタロセン誘導体,フェ
ノチアジン誘導体,ピラゾリン化合物,ヒドラゾン化合
物,スチリル化合物,スチリルヒドラゾン化合物,エナ
ミン化合物,ブタジエン化合物,ジスチリル化合物,オ
キサゾール化合物,オキサジアゾール化合物,チアゾー
ル化合物,イミダゾール化合物,トリフェニルアミン誘
導体,フェニレンジアミン誘導体,アミノスチルベン誘
導体,トリフェニルメタン誘導体等を使用することがで
きる。
【0028】また、上記の感光層を形成するのに使用す
る結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知
の熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂及び光導
電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂とし
ては、例えば、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−酢酸ビニル
共重合体,ポリビニルブチラール,ポリビニルアセター
ル,ポリエステル,フェノキシ樹脂,(メタ)アクリル
樹脂,ポリスチレン,ポリカーボネ−ト,ポリアリレー
ト,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ABS樹脂
等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂,エポキシ樹脂,ウ
レタン樹脂,メラミン樹脂,イソシアネート樹脂,アル
キッド樹脂,シリコーン樹脂,熱硬化性アクリル樹脂等
の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール,ポリビニル
アントラセン,ポリビニルピレン等の光導電性樹脂を挙
げることができるが、特に、これらのものに限定される
ものではない。
【0029】
【実施例】次に、この発明に係る電子写真感光体の実施
例について具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、こ
の発明の実施例に係る感光体を用いた場合に黒ポチ等の
ノイズの発生が抑制されることを明らかにする。
【0030】(実施例1)この実施例においては、導電
性支持体として、直径が80mmの円筒状になったアル
ミニウム管を用いるようにした。
【0031】そして、この導電性支持体上に下引層を形
成するにあたり、アルミナとシリカによって表面処理さ
れた平均粒径が0.25μmの酸化チタン(石原産業社
製:タイペークCR−90)を130℃で1時間熱処理
して乾燥させたものを50重量部、フェノール樹脂(群
栄化学社製:PL2205)を83重量部、イソプロピ
ルアルコールを110重量部の割合にし、これらをガラ
スビーズを入れたペイントコンディショナー(レッドデ
ビル社製)により分散させて下引層用塗液を調製した。
【0032】そして、この下引層用塗液を上記の導電性
支持体上に塗布し、これを140℃で30分間乾燥させ
て、膜厚が約2μmになった下引層を形成した。
【0033】次に、τ型フタロシアニン顔料(東洋イン
キ製造社製:Liophoton TPH−278)を1重量部、
ブチラール樹脂(積水化学社製:BX−1)を1重量
部、テトラドヒロフランを90重量部の割合で加えて調
製した電荷発生層用塗液を上記の下引層上に塗布し、こ
れを乾燥させて膜厚が約0.3μmになった電荷発生層
を形成した。
【0034】そして、下記の化1に示すスチリル系化合
物を10重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート
樹脂(帝人化成社製:パンライト TS−2050)を
10重量部、塩化メチレンを90重量部の割合で加えて
調製した電荷輸送層用塗液を上記の電荷発生層上に塗布
し、これを110℃で30分間乾燥させて膜厚が約25
μmになった電荷輸送層を形成し、導電性支持体上に形
成された上記の下引層上に電荷発生層と電荷輸送層とが
積層された機能分離型の感光体を得た。
【0035】
【化1】
【0036】(比較例1)この比較例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、実施例1にお
いて使用した上記の酸化チタンを熱処理しないように
し、それ以外については、実施例1の場合と同様にして
機能分離型の感光体を得た。
【0037】(比較例2)この比較例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、実施例1の場
合と同様にして上記の酸化チタンを熱処理した後、この
酸化チタンを温度30℃、湿度80%中において1時間
放置させたものを用いるようにし、それ以外について
は、実施例1の場合と同様にして機能分離型の感光体を
得た。
【0038】(実施例2)この実施例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、実施例1の場
合と異なったフェノール樹脂(ノーテープ工業社製:G
4663C)を用いるようにし、それ以外については、
実施例1の場合と同様にして機能分離型の感光体を得
た。
【0039】(比較例3)この比較例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、上記の実施例
2と同じフェノール樹脂(ノーテープ工業社製:G46
63C)を用いると共に、比較例1と同様に熱処理して
いない酸化チタンを用いるようにし、それ以外について
は、実施例1の場合と同様にして機能分離型の感光体を
得た。
【0040】(実施例3)この実施例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、アルミナと有
機物とによって表面処理された平均粒径が0.25μm
の酸化チタン(石原産業社製:CR−50−2)を実施
例1の場合と同様にして熱処理したものを用いるように
し、それ以外については、実施例1の場合と同様にして
機能分離型の感光体を得た。
【0041】(実施例4)この実施例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、アルミナとシ
リカとによって表面処理された平均粒径が0.28μm
の酸化チタン(石原産業社製:CR−95)を実施例1
の場合と同様にして熱処理したものを用いるようにし、
それ以外については、実施例1の場合と同様にして機能
分離型の感光体を得た。
【0042】(実施例5)この実施例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、平均粒径が
0.16μmで表面処理されていない酸化チタン(石原
産業社製:A−100)を実施例1の場合と同様にして
熱処理したものを用いるようにし、それ以外について
は、実施例1の場合と同様にして機能分離型の感光体を
得た。
【0043】(実施例6)この実施例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、アルミナだけ
で表面処理された平均粒径が0.25μmの酸化チタン
(石原産業社製:CR−50)を実施例1の場合と同様
にして熱処理したものを用いると共に、電荷輸送層を形
成するにあたって、その電荷輸送材料として下記の化2
に示すジアミノ系化合物を上記実施例1の場合と同様に
10重量部加えるようにし、それ以外については、実施
例1の場合と同様にして機能分離型の感光体を得た。
【0044】
【化2】
【0045】(比較例4)この比較例においては、導電
性支持体上に下引層を形成するにあたり、上記の実施例
6と同じ酸化チタン(石原産業社製:CR−50)を用
いる一方、この酸化チタンに対して熱処理を行なわない
ようにし、また電荷輸送層における電荷輸送材料として
も、上記の実施例6と同じジアミノ系化合物を用いるよ
うにし、それ以外については、実施例1の場合と同様に
して機能分離型の感光体を得た。
【0046】ここで、上記のようにして実施例1〜6及
び比較例1〜4の各感光体を製造する途中において、上
記のようにして導電性支持体上に形成された各下引層に
ついて、3200〜3600cm-1の範囲における赤外
吸収の最大ピーク強度A及び1550〜1650cm-1
の範囲における赤外吸収の最大ピーク強度Bをそれぞれ
フーリエ変換赤外分光光度計(日本電子データム社製:
JIR−5500)により測定し、各下引層におけるA
/Bの値を求め、その結果を下記の表1に示した。
【0047】また、上記の実施例1〜6及び比較例1〜
4の各感光体を市販のデジタル複写機(ミノルタ社製:
Di30)に搭載し、各感光体の表面を帯電器により−
750Vに帯電させた後、露光により表面電位が1/2
まで減衰するのに要した露光量(半減露光量)E1/2
(erg/cm2 )を測定すると共に、各感光体に対し
て11erg/cm2 の露光を行ない、この露光された
部分における表面電位Virを測定し、これらの結果を下
記の表1に合わせて示した。なお、電位は全て現像装置
に設置した電位プローブで測定した。
【0048】さらに、実施例1〜6及び比較例1〜4の
各感光体をそれぞれ上記の市販の複写機に搭載させて反
転現像を行ない、白ベタ画像中における黒ポチの発生状
態を調べ、白ベタ画像100cm2 中における黒ポチの
個数が5個未満の場合を◎、10個未満の場合を○、1
0個以上の場合を×で下記の表1に合わせて示した。
【0049】
【表1】
【0050】この結果から明らかなように、導電性支持
体上に下引層を形成するにあたり、この下引層中に熱処
理を行なって乾燥させた酸化チタンを添加し、下引層に
おけるA/Bの値が2.1未満になった実施例1〜6の
各感光体においては、反転現像を行なった場合における
黒ポチの発生が少なかったのに対し、下引層中に熱処理
を行なわなかった酸化チタンを添加させた比較例1,
3,4の各感光体や、酸化チタンを熱処理した後、高湿
度下に放置させた酸化チタンを添加させた比較例2の感
光体においては、いずれも下引層におけるA/Bの値が
2.1未満で、下引層中に含まれる水分が多くなってお
り、反転現像を行なった場合における黒ポチの発生も多
くなった。
【0051】また、実施例1〜6の各感光体について比
較した場合、アルミナとシリカとによって表面処理され
た酸化チタンを用いた実施例1,2,4の各感光体にお
いて黒ポチの発生がより少なくなっていた。これは、ア
ルミナとシリカとによって表面処理された酸化チタンが
下引層における樹脂中にうまく分散されたためであると
考えられる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
電子写真感光体においては、下引層における樹脂中に熱
処理された酸化チタンを含有させるようにしたり、フェ
ノール樹脂中に酸化チタンが含有された下引層を設ける
にあたり、この下引層の3200〜3600cm-1の範
囲における赤外吸収の最大ピーク強度をA、1550〜
1650cm-1の範囲における赤外吸収の最大ピーク強
度をBとした場合に、A/B≦2.1の条件を満たすよ
うにしたため、下引層に含まれる水分が少なくなり、こ
の下引層における特性が一定化すると共に、環境の変化
等によって下引層における特性が低下するということも
なく、カブリや黒ポチ等のノイズのない良好な画像が安
定して得られるようになった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも下引層と感
    光層とが設けられた電子写真感光体において、上記の下
    引層における樹脂中に熱処理された酸化チタンが含有さ
    れてなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に少なくとも下引層と感
    光層とが設けられた電子写真感光体において、フェノー
    ル樹脂中に酸化チタンが含有された下引層が設けられ、
    この下引層の3200〜3600cm-1の範囲における
    赤外吸収の最大ピーク強度をA、1550〜1650c
    -1の範囲における赤外吸収の最大ピーク強度をBとし
    た場合に、A/B≦2.1の条件を満たすことを特徴と
    する電子写真感光体。
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