JP2002082469A - 電子写真感光体、電子写真装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
電子写真感光体、電子写真装置およびプロセスカートリッジInfo
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Abstract
題となる感度低下と残留電位上昇を効率的に抑制するこ
とができ、優れた強度を有し、磨耗や傷の発生に対して
優れた耐久性を有する表面性を有し、更に高い離型性を
有し、高品位の画質を保つことのできる電子写真感光
体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ
及び電子写真装置を提供することにある。 【解決手段】 支持体上に感光層および保護層を有する
電子写真感光体において、該保護層が硬化性フェノール
樹脂を含有し、かつ、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキ
シアルコキシ基および置換基を有してもよいヒドロキシ
フェニル基からなる群より選択される基の少なくとも1
つを有する電荷輸送物質を含有することを特徴とする電
子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセスカ
ートリッジおよび電子写真装置。
Description
プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳し
くは保護層に特定の樹脂と特定の電荷輸送物質とを含有
する電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロ
セスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
安価であるなどの利点から、有機光導電性物質を用いた
電子写真感光体の研究開発が活発に行われ、これまでに
数多くの提案がされ、実用化されてきている。
ールに代表される光導電性ポリマーと、2,4,7−ト
リニトロフルオレンなどから形成される電荷移動錯体と
を主成分とする電子写真感光体は、感度、耐久性および
残留電位などの点で必ずしも満足できるものではなかっ
た。
れぞれ別々の物質に分担させた機能分離型の電子写真感
光体が、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた
感度や耐久性に著しい改善をもたらした。また、機能分
離型の電子写真感光体は、電荷発生物質と電荷輸送物質
の各々の材料選択範囲が広く、任意の特性を有する電子
写真感光体を比較的容易に作製できるという利点を有し
ている。
多環キノン顔料、フタロシアニン顔料、シアニン色素、
スクエアリック酸染料およびピリリウム塩系色素などが
知られている。
物、ヒドラゾン化合物およびトリフェニルアミン化合物
などが知られている。
耐久化に伴って、有機電子写真感光体にもさらなる機械
的耐久性の向上が求められている。
リンター、複写機およびファクシミリなどは、多種多様
な分野で使用されるようになり、より様々な環境におい
ても常に安定した画像を提供することがさらに厳しく要
求されていて、感光層の表面特性に対する化学的、電気
的、機械的衝撃に曝される可能性が高くなり、表面層に
対する要求が厳しくなっている。
よび機械的外力が直接加えられるために、それらに対す
る耐久性が求められている。具体的には、摺擦による表
面の磨耗や傷の発生、また帯電時に発生するオゾンやN
Oxなどの活性物質の付着による表面層の劣化などに対
する耐久性が要求される。
現像、転写、クリーニングおよび除電などの手段が繰り
返し適用される。帯電および露光により形成された静電
潜像は、トナーといわれる微粒子状の現像剤によりトナ
ー画像となる。さらに、このトナー画像は、転写手段に
より紙などの転写材に転写されるが、総てのトナーが転
写されるわけではなく、一部が電子写真感光体上に残留
する。
像は、さらに転写不良が生じるいわゆるボソ抜け状とな
り、画像の均一性に欠けるだけでなく、電子写真感光体
へのトナーの融着やフィルミングの発生という問題が生
じる。これらの問題に対して、電子写真感光体の表面層
の離型性を向上することが求められている。
要求を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなさ
れている。なかでも、樹脂を主成分とする保護層は数多
く提案されている。例えば、特開昭57−30846号
公報には樹脂に導電性粉末として金属酸化物を添加する
ことにより体積抵抗を制御することのできる保護層が開
示されている。
は、硬化性フェノール樹脂を保護層用樹脂に使用するこ
とが開示されている。
散するのは、保護層自体の体積抵抗を制御し、電子写真
プロセスの繰り返しに伴う電子写真感光体内での残留電
位の増加を防止するのがその主な目的であり、他方、電
子写真感光体用の保護層の適切な体積抵抗値は1010
〜1015Ω・cmであることが知られている。しかし
ながら、前記の範囲の体積抵抗値においては、保護層の
体積抵抗はイオン電導によって影響を受け易く、そのた
めに環境の変化によって体積抵抗が大きく変化する傾向
にある。特に、金属酸化物を膜中に分散している場合に
は、金属酸化物表面の吸水性が高いために、全環境にお
いて、しかも、電子写真プロセスの繰り返しを行う際
に、保護層の体積抵抗を前記範囲に保つことはこれまで
非常に困難であった。
り体積抵抗が徐々に低下したり、また帯電により発生す
るオゾンやNOxなどの活性物質が表面に繰り返し付着
することにより、電子写真感光体表面の体積抵抗の低下
や表面層からのトナーの離型性の低下を引き起こし、い
わゆる画像流れや画像ボケといったような欠陥が発生す
る、画像均一性が不十分になるなどの問題があった。
場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために、粒子
の粒径が入射光の波長よりも小さいこと、すなわち、
0.3μm以下であることが好ましい。しかし、通常、
金属酸化物粒子は樹脂溶液中において凝集する傾向があ
り、均一に分散しにくく、一旦分散しても二次凝集や沈
殿が起こり易いので粒径0.3μm以下といった微粒子
の良好な分散膜を安定して生産することは非常に困難で
あった。さらに、透明度、導電均一性を向上させる観点
から特に粒径の小さい微粒子(一次粒径0.1μm以
下)を分散することが好ましいが、このような微粒子の
分散性、分散安定性はさらに悪くなる傾向にあった。
−306857号公報にはフッ素含有シランカップリン
グ剤、チタネートカップリング剤あるいはC7F15N
COなどの化合物を添加した保護層が、特開昭62−2
95066号公報には結着樹脂中に、撥水処理すること
により分散性および耐湿性の向上した金属微粉末または
金属酸化物微粉末を分散した保護層が、特開平2−50
167号公報には結着樹脂中にチタネートカップリング
剤、フッ素含有シランカップリング剤およびアセトアル
コキシアルミニウムジイソプロピレートで表面処理され
た金属酸化物微粉末を分散した保護層が開示されてい
る。
ようなヒドロキシ基を有する電荷輸送物質を保護層に含
有する例としては、特開平10−228126号公報お
よび特開平10−228127号公報などに開示されて
いる。
だ近年の高耐久、高画質化の要求に応えるべく、表面へ
の様々な衝撃や、磨耗や傷の発生に対する耐久性、離型
性などの保護層として満足できる電子写真特性を示すも
のが得られていないのが現状である。
写真感光体に保護層を施すことにより問題となる感度低
下と残留電位上昇を効率的に抑制することができ、優れ
た離型性を有し、磨耗や傷の発生に対して優れた耐久性
を有する表面性を有し、高品位の画質を保つことのでき
る電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセ
スカートリッジおよび電子写真装置を提供することにあ
る。
持体上に感光層および保護層を有する電子写真感光体に
おいて、該保護層が硬化性フェノール樹脂を含有し、か
つ、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基お
よび置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基からな
る群より選択される基の少なくとも1つを有する電荷輸
送物質を含有することを特徴とする電子写真感光体であ
る。
帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群
より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、
電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプ
ロセスカートリッジである。
帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する
ことを特徴とする電子写真装置である。
細に説明する。
定の結着樹脂と特定の化合物を組み合わせて成形した保
護層を有した電子写真感光体を用いることにより上記の
問題を解決できることを見出すに至った。
アルデヒド類の縮合反応により得られる、硬化性フェノ
ール樹脂層に対し、電荷輸送層と保護層の界面などにた
まった電荷を速やかに逸散させる作用のある、電荷輸送
物質を合わせて含有することにより、保護層の強度を損
なうことなく、保護層を有する電子写真感光体の感度を
維持し、残留電位を低下させることができる電子写真感
光体を提供するものである。
樹脂である硬化性フェノール樹脂は、一般的にフェノー
ル類とホルムアルデヒドの反応によって得られる樹脂で
ある。フェノール樹脂には2つのタイプがあり、フェノ
ール類に対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ
触媒で反応させて得られるレゾール型と、ホルムアルデ
ヒドに対しフェノール類を過剰にして酸触媒で反応させ
て得られるノボラック型にわけられる。
類の溶媒にも可溶であり、加熱することで3次元的に架
橋重合して硬化物となる。一方、ノボラック型は、一般
にそのまま加熱しても硬化はしないが、パラホルムアル
デヒドやヘキサメチレンテトラミンなどのホルムアルデ
ヒド源を加えて加熱することで硬化物を生成する。
接着剤、注型品および積層品用のワニスとして利用さ
れ、ノボラック型は主として成形材料や結合剤として利
用されている。
フェノール樹脂は、上記のレゾール型およびノボラック
型のどちらでも利用可能であるが、硬化剤を加えること
なく硬化することや、塗料としての操作性などからレゾ
ール型を用いることが好ましい。
種類または2種類以上混合して用いることができ、また
レゾール型とノボラック型を混合して用いることも可能
である。
知のフェノール樹脂であれば、いかなるものを用いても
よい。
を溶剤などで溶解または希釈して得た塗料を感光層上に
塗工して成形するが、塗工後に重合反応が起こり硬化層
を形成する。重合の形態として、熱による付加および縮
合反応により進行し、保護層を塗工後、加熱することで
重合反応を起こし高分子硬化層を生成する。
ドロキシアルコキシ基または置換基を有してもよいヒド
ロキシフェニル基を有する電荷輸送物質は、上記硬化性
フェノール樹脂との相溶性が良好で均一に分散された保
護層膜を容易に作製できるが、その相溶性をさらに良好
にするためにはトリフェニルアミン誘導体であることが
好ましい。
もよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ
素などのハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル
基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキ
ル基、置換基を有してもよいメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基およびブトキシ基などのアルコキシ基、置
換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリ
ル基およびピレニル基などのアリール基、または置換基
を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基およ
びキノリル基などの複素環基が挙げられる。
うち、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアルコキ
シ基を有する電荷輸送物質は、下記式(1)〜(3)の
いずれかで表される特定の構造を有する化合物であるこ
とが好ましい。
ぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素
基を表し、α、βおよびγはそれぞれ置換基としてハロ
ゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有し
てもよいベンゼン環を表し、a1、b1およびc1は1
または0であり、m1およびn1は0または1である。
ぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素
基を表し、δおよびεはそれぞれ置換基としてハロゲン
原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有しても
よいベンゼン環を表し、a2、b2およびc2は1また
は0である。m2、n2およびp2は0または1であ
り、総てが同時に0になることはない。τおよびυはそ
れぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置
換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい
複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。な
お、τとυは置換基を介して共同で環をなしてもよい。
34はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価
の炭化水素基を表し、ζ、η、θおよびιはそれぞれ置
換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキ
ル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有
してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基
を1つ以上有してもよいベンゼン環を表し、a3、b
3、c3およびd3は1または0であり、m3、n3お
よびp3は0または1である。φおよびχはそれぞれ置
換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキ
ル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有
してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基
を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。なお、φと
χは置換基を介して共同で環をなしてもよい。
c1、上記式(2)中のa2、b2およびc2、上記式
(3)中のa3、b3、c3およびd3が0のとき、上
記式(1)〜(3)で示される構造を有する電荷輸送物
質は、それらはヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送
物質であり、1のとき、それらはヒドロキシアルコキシ
基を有する電荷輸送物質である。
の構造について以下に詳しく説明する。
R31〜R34はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれして
もよい、メチレン基、エチレン基、プロピレン基および
ブチレンなどの2価の炭化水素基を表す。式中、α、
β、γ、δ、ε、ζ、η、θおよびιが表すベンゼン環
が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素お
よびヨウ素などのハロゲン原子、置換基を有してもよい
メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの
アルキル基、置換基を有してもよいメトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基およびブトキシ基などのアルコキシ
基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、ア
ンスリル基およびピレニル基などのアリール基、置換基
を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基およ
びキノリル基などの複素環基を示す。
ゼン環が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、
臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、置換基を有して
もよいメチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基
などのアルキル基、置換基を有してもよいメトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基などのアル
コキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル
基、アンスリル基およびピレニル基などのアリール基、
置換基を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル
基およびキノリル基などの複素環基を示す。なお、τと
υ、および、φとχは共同でそれぞれが結合しているビ
フェニル骨格を介して、フルオレン骨格やジヒドロフェ
ナントレン骨格などの環状構造を形成してもよい。
換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基および
ブチル基などのアルキル基;ベンジル基、フェネチル基
およびナフチルメチル基などのアラルキル基;フェニル
基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、フルオレ
ニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基およびジベ
ンゾチオフェニル基などの芳香環基;メトキシ基、エト
キシ基およびプロポキシ基などのアルコキシ基、フェノ
キシ基およびナフトキシ基などのアリールオキシ基;フ
ッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子;ニ
トロ基、またはシアノ基などが挙げられる。
ルキル基を有する電荷輸送物質、および、ヒドロキシア
ルコキシ基を有する電荷輸送物質の具体例を示すが、本
発明の電荷輸送物質は、これらに限定されるものではな
い。
構造を有する電荷輸送物質の中では、(1−3)、(1
−5)、(1−21)、(1−22)、(1−23)、
(1−28)、(1−40)、(1−41)、(1−4
4)、(1−53)、(1−54)、(1−55)、
(1−56)、(1−57)、(1−58)、(1−5
9)、(1−60)および(1−61)が好ましく、特
には(1−5)、(1−22)、(1−23)、(1−
41)、(1−54)および(1−59)がより好まし
い。
輸送物質の中では、(2−7)、(2−20)、(2−
29)、(2−30)および(2−32)が好ましく、
特には(2−20)および(2−30)がより好まし
い。
輸送物質の中では、(3−7)、(3−9)、(3−1
0)、(3−17)、(3−22)および(3−23)
が好ましく、特には(3−10)および(3−23)が
より好ましい。
うち、置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有
する電荷輸送物質は、下記式(4)〜(6)のいずれか
で表される特定の構造を有する化合物であることが好ま
しい。
てもよい2価の炭化水素基を表し、R42は水素原子、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表
す。Ar41およびAr42は置換基を有してもよいア
ルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基
を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素
環基を表す。Ar43は置換基を有してもよいアリーレ
ン基、2価の置換基を有してもよい複素環基を表す。m
4およびn4はそれぞれ0または1である。ただし、n
4=0のとき、m4=0である。κおよびλはそれぞれ
置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアル
キル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を
有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環
基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。
てもよい2価の炭化水素基を表す。Ar51およびAr
52は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよい複素環基を表す。μおよびν
はそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有して
もよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ
基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有して
もよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表
す。なお、μとνは置換基を介して共同で環をなしても
よい。m5は0または1である。
数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表
す。Ar61は置換基を有してもよいアルキル基、置換
基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよい
アリール基、置換基を有してもよい複素環基を表す。
ξ、π、ρおよびσはそれぞれ置換基としてハロゲン原
子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有しても
よいベンゼン環を表す。なお、ξとπ、および、ρとσ
は置換基を介して共同で環をなしてもよい。m6および
n6はそれぞれ0または1である。
などの構造について以下に詳しく説明する。
62はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基
などの2価の炭化水素基を表す。R42は水素原子、置
換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基お
よびブチル基などのアルキル基、置換基を有してもよい
ベンジル基、フェネチル基およびナフチルメチル基など
のアラルキル基、またはフェニル基を示す。
σが表すベンゼン環が有してもよい置換基としては、フ
ッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、置
換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基お
よびブチル基などのアルキル基、置換基を有してもよい
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ
基などのアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル
基、ナフチル基、アンスリル基およびピレニル基などの
アリール基、または置換基を有してもよいピリジル基、
チエニル基、フリル基およびキノリル基などの複素環基
を示す。
でそれぞれが結合している置換基などを介して、フルオ
レン骨格やジヒドロフェナントレン骨格などの環状構造
を形成してもよい。
およびAr61は置換基を有してもよいメチル基、エチ
ル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基、置
換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基およびナ
フチルメチル基などのアラルキル基、置換基を有しても
よいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基およびピレ
ニル基などのアリール基、または置換基を有してもよい
ピリジル基、チエニル基、フリル基およびキノリル基な
どの複素環基を示す。
ン基、ナフチレン基、アンスリレン基およびピレニレン
基などのアリーレン基、ピリジレン基、またはチエニレ
ン基などの2価の複素環基を示す。
換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基および
ブチル基などのアルキル基;ベンジル基、フェネチル基
およびナフチルメチル基などのアラルキル基;フェニル
基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、フルオレ
ニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基およびジベ
ンゾチオフェニル基などの芳香環基;メトキシ基、エト
キシ基およびプロポキシ基などのアルコキシ基;フェノ
キシ基およびナフトキシ基などのアリールオキシ基;フ
ッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子;ニ
トロ基およびシアノ基などが挙げられる。
てもよいヒドロキシフェニル基を有する電荷輸送物質の
具体例を示すが、本発明の電荷輸送物質は、これらに限
定されるものではない。
構造を有する電荷輸送物質の中では、(4−6)、(4
−8)、(4−13)、(4−14)および(4−5
5)が好ましく、特には(4−14)および(4−5
5)がより好ましい。
輸送物質の中では、(5−13)、(5−14)、(5
−16)、(5−18)、(5−19)、(5−28)
および(5−29)が好ましく、特には(5−29)が
より好ましい。
輸送物質の中では、(6−10)、(6−11)、(6
−12)、(6−14)、(6−15)、(6−1
8)、(6−19)および(6−20)が好ましく、特
には(6−14)、(6−18)、(6−19)および
(6−20)がより好ましい。
樹脂であるフェノール樹脂と共に硬化、3次元的に架橋
する置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有す
る電荷輸送物質がより好ましく、一方、感度低下や残留
電位上昇の観点からは、ヒドロキシアルキル基を有する
電荷輸送物質およびヒドロキシアルコキシ基を有する電
荷輸送物質が湿度の影響を受けにくくより好ましい。
樹脂との相溶性をより一層良好にするためには、上記式
(1)〜(6)中のR11、R12、R13、R21、
R2 2、R23、R31、R32、R33、R34、R
41、R51、R61およびR62で示される2価の炭
化水素基は炭素数4以下であることがより好ましく、ま
た、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基お
よび置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基の数は
2個以上であることがより好ましい。
は、該保護層を作製するための塗料中に均一に溶解また
は分散させ、塗布して形成する。本発明の電荷輸送物質
と硬化性フェノール樹脂の混合割合は、質量比で、電荷
輸送物質/硬化性フェノール樹脂=0.1/10〜20
/10が好ましく、特には0.5/10〜10/10が
好ましい。硬化性フェノール樹脂に対して電荷輸送物質
が少なすぎると残留電位低下の効果が小さくなり、多す
ぎると保護層の強度を弱める可能性がある。
いて、さらに導電性微粒子を含有させることによって、
電子写真感光体の残留電位低下をより高い次元で達成で
きる。
およびカーボンブラックなどが挙げられる。金属として
は、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀お
よびステンレスなど、またはこれらの金属をプラスチッ
クの粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。金属
酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸
化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズを
ドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをド
ープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジ
ルコニウムなどが挙げられる。これらは、単独で用いる
ことも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合して
も、固溶体や融着の形にしてもよい。
粒子の中でも透明性の点から金属酸化物を用いることが
特に好ましい。さらに、これら金属酸化物の中でも透明
性、分散性、抵抗制御性などの点から酸化スズを用いる
ことが特に好ましい。ここで用いられる酸化スズは、分
散性、液安定性を改良する目的で表面処理などされてい
てもよく、抵抗制御性を良くする目的でアンチモンやタ
ンタルをドープすることもできる。
体積平均粒径は、保護層の透明性の点で0.3μm以下
が好ましく、特に0.1μm以下が好ましい。
的に抵抗体として電荷の移動をさせるものではなく、保
護層中に含有させた電荷輸送物質により電荷を移動させ
て、保護層を施した電子写真感光体の感度を維持し、残
留電位を低下させるものである。したがって、抵抗体と
しての体積抵抗率は低く設定する必要はなく、その体積
抵抗率として、1×1012(Ω・cm)以上にするこ
とにより、形成された静電潜像の流れなどを高い次元で
抑制することができる。
体積抵抗率を調整する補助的な役割を担うものであり、
必要なければ必ずしも用いなくてよい。
ば増えるほど弱くなるため、導電性微粒子の量は、保護
層の体積抵抗および残留電位が許容できる範囲におい
て、少なくする方が好ましい。
いて、さらにフッ素原子含有樹脂微粒子を含有させるこ
とによって、電子写真感光体表面の離型性の向上をより
高い次元で達成できる。
ッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エ
チレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニ
リデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およびこれら
の共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択す
るのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂および
フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量分
布や粒径は、適宜選択することができ、特に制限される
ものではない。
粒子と共に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないよう
にするために、フッ素原子含有化合物を導電性微粒子の
分散時に添加したり、また、導電性微粒子の表面をフッ
素原子含有化合物で表面処理したりすることが好まし
い。
微粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有化
合物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性微粒子
とフッ素原子含有樹脂微粒子の分散性および分散安定性
が格段に向上した。また、フッ素原子含有化合物を添加
し導電性微粒子を分散した液、または表面処理を施した
導電性微粒子を分散した液に、フッ素原子含有樹脂微粒
子を分散することによって分散粒子の二次粒子の形成も
なく、経時的にも非常に安定した分散性のよい塗工液が
得られる。
シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイルお
よびフッ素系界面活性剤などが挙げられる。表1〜表3
に好ましい化合物例を挙げるが、本発明はこれらの化合
物に限定されるものではない。
電性微粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散
し、表面処理剤を導電性微粒子表面に付着させる。分散
の方法としてはボールミルやサンドミルなどの通常の分
散手段を用いることができる。次に、この分散溶液から
溶剤を除去し、導電性微粒子表面に固着させればよい。
また、必要に応じて、この後にさらに熱処理を行っても
よい。また、処理液中には反応促進のための触媒を添加
することもできる。さらに、必要に応じて表面処理後の
導電性微粒子にさらに粉砕処理を施すことができる。
物の割合は、粒子の粒径、形状および表面積などに影響
を受けるが、表面処理済みの導電性微粒子全質量に対
し、1〜65質量%が好ましく、特には1〜50質量%
である。
性のある保護層とするために、下記式で示されるシロキ
サン化合物を導電性微粒子分散時に添加したり、または
下記式で示されるシロキサン化合物で表面処理を施した
導電性微粒子を混合したりすることが好ましい。
り、かつ、Tの全部における水素原子の割合は0.1〜
50%の範囲、tは0以上の整数である。
工液、またはこれを表面処理した導電性金属酸化物微粒
子を溶剤に溶かした結着樹脂中に分散することによっ
て、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定
した分散性の良い塗工液が得られ、さらにこの塗工液よ
り形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に特に優れ
た膜が得られる。
量は、特に制限されるものではないが、表面処理をする
場合は、その容易さからは粘度が高すぎない方がよく、
重量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
通りがある。湿式処理では、導電性金属酸化物粒子を上
記式で示されるシロキサン化合物とを溶剤中で分散し、
該シロキサン化合物を微粒子表面に付着させる。分散の
手段としては、ボールミルやサンドミルなどの一般の分
散手段を使用することができる。次に、この分散溶液を
導電性金属酸化物微粒子表面に固着させる。この熱処理
においては、シロキサン中のSi−H結合が熱処理過程
において空気中の酸素によって水素原子の酸化が起こ
り、新たなシロキサン結合ができる。その結果、シロキ
サンが三次元構造にまで発達し、導電性金属酸化物微粒
子表面がこの網状構造で包まれる。このように表面処理
は、該シロキサン化合物を導電性金属酸化物微粒子表面
に固着させることによって完了するが、必要に応じて処
理後の微粒子に粉砕処理を施してもよい。
キサン化合物と導電性金属酸化物微粒子とを混合し混練
を行うことによってシロキサン化合物を微粒子表面に付
着させる。その後は、湿式処理と同様に熱処理、粉砕処
理を施して表面処理を完了する。
化性フェノール樹脂を良く溶解し、本発明の上記電荷輸
送物質も良く溶解し、導電性微粒子を用いる場合は、そ
の分散性が良く、さらに、フッ素原子含有樹脂微粒子、
フッ素原子含有化合物およびシロキサン化合物を用いる
場合は、それらとの相溶性や処理性が良好で、さらに、
保護層の塗料と接触する電荷輸送層に悪影響を与えない
溶剤が好ましい。
エタノールおよび2−プロパノールなどのアルコール
類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、酢
酸メチルや酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロ
フランやジオキサンなどのエーテル類、トルエンやキシ
レンなどの芳香族炭化水素類、またはクロロベンゼンや
ジクロロメタンなどのハロゲン系炭化水素類などが使用
可能であり、さらにこれらを混合して用いてもよい。こ
れらの中でも、フェノール樹脂の形態に最も好適な溶剤
はメタノール、エタノールおよび2−プロパノールなど
のアルコール類である。
ル類の溶剤には不溶または難溶であり、一般のフェノー
ル樹脂への均一な分散は困難であるが、本発明の電荷輸
送物質の多くはアルコール類を主成分とする溶剤に可溶
であるので、フェノール樹脂塗料への分散が可能とな
る。
コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナー
コーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバ
ーコーティング法およびブレードコーティング法などの
一般的な塗工方法を用いることができる。
写真感光体の耐久性を損ない、厚すぎると保護層を設け
たことによる残留電位が上昇するため、適度な厚さにす
る必要がある。具体的には、0.1μm〜10μmの範
囲が好ましく、0.5μm〜7μmの範囲がより好まし
い。
時に発生するオゾンやNOxなどの活性物質の付着によ
る表面層の劣化などを防止する目的で、酸化防止剤の添
加材を加えてもよい。
を有することが好ましい。図1(a)の電子写真感光体
は、支持体4の上に電荷発生層3、電荷輸送層2が順に
設けており、さらに最表面に保護層1を設けている。ま
た、図1の(b)、(c)の様に支持体と電荷発生層の
間に、結着層5、さらには干渉縞防止などを目的とする
下引き層6を設けてもよい。
持つもの、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金ま
たはステンレスなどを用いることができ、その他にアル
ミニウム、アルミニウム合金または酸化インジウム−酸
化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を
有する前記支持体やプラスチック、導電性微粒子(例え
ば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタンおよび銀
粒子など)を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に
含浸した支持体、導電性結着樹脂を有するプラスチック
などを用いることができる。
機能と接着機能を持つ結着層(接着層)を設けることが
できる。結着層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、
支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷
注入性改良および感光層の電気的破壊に対する保護など
のために形成される。結着層には、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル
酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレ
タン、ゼラチンまたは酸化アルミニウムなどによって形
成できる。結着層の膜厚は、5μm以下が好ましく、特
には0.1〜3μmが好ましい。
は、(1)モノアゾ、ジスアゾおよびトリスアゾなどの
アゾ系顔料、(2)金属フタロシアニンおよび非金属フ
タロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、(3)イン
ジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、(4)
ペリレン酸無水物およびペリレン酸イミドなどのペリレ
ン系顔料、(5)アンスラキノンおよびピレンキノンな
どの多環キノン系顔料、(6)スクワリリウム色素、
(7)ピリリウム塩およびチアピリリウム塩類、(8)
トリフェニルメタン系色素、(9)セレン、セレン−テ
ルルおよびアモルファスシリコンなどの無機物質、(1
0)キナクリドン顔料、(11)アズレニウム塩顔料、
(12)シアニン染料、(13)キサンテン色素、(1
4)キノンイミン色素、(15)スチリル色素、(1
6)硫化カドミウムおよび(17)酸化亜鉛などが挙げ
られる。
えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェ
ノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポ
キシ樹脂、尿素樹脂および塩過ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらは、単独・混合あるいは共重合体ポリ
マーとして1種または2種以上用いることができる。
る樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択さ
れるが、有機溶剤としては、アルコール類、スルホキシ
ド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類または芳香族化合物などを用いること
ができる。
量基準で0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤と共に、
ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、ア
トライターまたはロールミルなどの方法でよく分散し、
塗布、乾燥されて形成される。その厚みは、5μm以下
が好ましく、特には0.01〜1μmの範囲が好まし
い。
化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤および公知の電荷発生
物質を必要に応じて添加することもできる。
リアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化合物、
各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合物、各種
ピラゾリン系化合物、各種オキサゾール系化合物、各種
チアゾール系化合物および各種トリアリールメタン系化
合物などが挙げられる。
着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリ
エステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポ
リサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂および不飽和樹脂など
から選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂として
は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂
およびジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
送物質と結着樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。
電荷輸送物質と結着樹脂との混合割合(質量比)は、
2:1〜1:2程度である。溶剤としては、アセトンや
メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチルや酢酸
エチルなどのエステル類、トルエンやキシレンなどの芳
香族炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルムおよび
四塩化炭素などの塩素系炭化水素類、テトラヒドロフラ
ンやジオキサンなどのエーテル類などが用いられる。こ
の溶液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング
法、スプレーコーティング法およびスピンナーコーティ
ング法などのコーティング法を用いることができ、乾燥
は10℃〜200℃が好ましく、より好ましくは20℃
〜150℃の範囲の温度で、5分〜5時間が好ましく、
より好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥または
静止乾燥下で行うことができる。
の接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入
された電荷キャリアを受け取ると共に、これらの電荷キ
ャリアを保護層との界面まで輸送する機能を有してい
る。この電荷輸送層は、電荷キャリアを輸送する限界が
あるので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、
5〜40μmが好ましく、特には7〜30μmの範囲が
好ましい。
線吸収剤、可塑剤および公知の電荷輸送物質を必要に応
じて添加することもできる。
前記保護層を塗布、硬化させて成膜することで完成され
る。
ロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を
示す。
子写真感光体であり、軸12を中心に矢印方向に所定の
周速度で回転駆動される。電子写真感光体11は、回転
過程において、一次帯電手段13によりその周面に正ま
たは負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット
露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図
示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタ
ル画像信号に対応して強調変調された露光光14を受け
る。こうして電子写真感光体11の周面に対し、目的の
画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
5によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真
感光体11と転写手段16との間に電子写真感光体11
の回転と同期して取り出されて給紙された転写材17
に、電子写真感光体11の表面に形成担持されているト
ナー画像が転写手段16により順次転写されていく。
電子写真感光体面から分離されて像定着手段18へ導入
されて像定着を受けることにより画像形成物(プリン
ト、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
クリーニング手段19によって転写残りトナーの除去を
受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)から
の前露光光20により除電処理された後、繰り返し画像
形成に使用される。なお、一次帯電手段13が帯電ロー
ラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は
必ずしも必要ではない。
11、一次帯電手段13、現像手段15およびクリーニ
ング手段19などの構成要素のうち、複数のものを容器
21に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合し
て構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザ
ービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着
脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段13、
現像手段15およびクリーニング手段19の少なくとも
1つを電子写真感光体11と共に一体に支持してカート
リッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段22を
用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとす
ることができる。
機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透
過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、
この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、
LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動
などにより照射される光である。
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プ
リンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野に
も広く用いることができる。
し、本発明の実施の形態は、これらに限定されるもので
はない。なお、実施例中の「部」は質量部を示す。
0mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003
アルミニウムの合金)を支持体として、この上にポリア
ミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の
5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.
5μmの下引き層を設けた。
る構造を有し、CuKαの特性X線回折におけるブラッ
グ角2θ±0.2゜の9.6°および27.3゜に強い
ピークを有する結晶型であるオキシチタニウムフタロシ
アニン顔料4部、
化学工業(株)製)2部、および、シクロヘキサノン1
10部を、直径1mmガラスビーズを用いてサンドミル
で、4.5時間分散した。その後、酢酸エチル130部
で希釈し電荷発生層用塗料とした。この分散液を前記下
引き層上に浸漬法で塗布し、膜厚が0.18μmの電荷
発生層を形成した。
荷輸送物質7.5部、
ト(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)製)10
部を、モノクロロベンゼン60部/ジクロロメタン20
部に溶解した。この溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗
布し、110℃で1時間で熱風乾燥し、膜厚が20μm
の電荷輸送層を形成した。
化スズ微粒子100部を下記式で示される構造を有する
フッ素原子含有化合物(商品名:LS−1090、信越
化学工業(株)製)7部で表面処理した(以下、処理
量:7%と表す)処理済み酸化スズ微粒子35部と
66時間かけて分散を行い、さらに、ポリテトラフルオ
ロエチレン微粒子(体積平均粒径0.18μm)18部
を加えて、さらに12時間サンドミルで分散を行った。
(株)製レゾール型硬化性フェノール樹脂(商品名:P
R−53123)54部(不揮発分:45%)、さらに
ヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送物質として前記
化合物No.1−23を15部溶解し、エタノール35
部で希釈して保護層用塗料とした。
漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1時間熱
風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成した。保護層塗
料の分散性は良好で、作製された保護層はムラのない均
一な膜であった。
60%RH)環境下および常温低湿(23℃10%R
H)環境下でレーザービームプリンター(商品名:LB
P−NX:キヤノン(株)製)の改造機に取り付けて行
った。電子写真感度として、暗部電位が−700Vにな
るように帯電設定をし、これに波長780nmのレーザ
ー光を照射して−700Vの電位を−200Vまで下げ
るのに必要な光量を測定し、感度とした。また、20μ
J/cm2の光量を照射した場合の電位を残留電位Vr
として測定した。さらに、同様のレーザービームプリン
ターを用いて初期転写効率、またさらに5000枚の耐
久による削れ量の測定を行った。
度と体積抵抗率の測定を別途サンプルを作製して行っ
た。
製硬度計(H100VP−HCU)を用いて測定した。
この測定による硬度は、次のようにして定められる。
のダイヤモンド圧子で荷重をかけて保護層の膜に1μm
まで押し込み、圧子の幾何学的形状から計算された圧痕
の表面積とその時の荷重から次の式(I)のように求ま
る。 ユニバーサル硬さ値HU(N/mm2)=荷重(N)/荷重下での圧痕の表面積(m m2)・・・(I) 本実施例の保護層の硬度測定は、ガラスプレート上に保
護層塗料を塗布し、硬化条件は上記電子写真感光体の作
製時と同様に行い、この保護層膜を3〜4回塗工して膜
厚を約10μmにして硬度測定サンプルとした。
レンテレフタレートフィルム上に180μmのギャップ
を持つ櫛形電極をアルミニウム蒸着により作製し、その
上に上記電子写真感光体上に塗布したと同様の保護層用
塗料をマイヤーバーを用いて同様の膜厚で塗布し、上記
と同様の硬化条件で熱風乾燥して保護層膜を作製した。
ッカード社製pAメーター (4140B型)を用い
て、印加電圧100Vの条件で、温度:23℃、湿度:
50%の環境下で測定した。結果を表4に示す。
ヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送物質(化合物N
o.1−23)の代わりに、表4に示される電荷輸送物
質に代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光
体などを作製し、評価した。結果を同様に表4に示す。
よび9において、前記フッ素原子含有化合物で示される
化合物で表面処理した(処理量:7%)アンチモンドー
プ酸化スズ微粒子を20部に代え、メチルハイドロジェ
ンシリコーンオイル(商品名:KF99、信越化学工業
(株)製)で処理した(処理量:20%)アンチモンド
ープ酸化スズ微粒子15部をさらに添加分散して塗料を
作製した以外は、実施例1、5、6および9と同様にし
て行った。結果を同様に表4に示す。
よび9において、前記フッ素原子含有化合物で表面処理
したアンチモンドープ酸化スズ微粒子に代えて、表面処
理を施していないアンチモンドープ酸化スズ微粒子(商
品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)を35部、前
記フッ素原子含有化合物(商品名:LS−1090、信
越化学工業(株)製)を3.5部を添加し分散した以外
は、実施例1と同様にして行った。結果を同様に表4に
示す。
おいて用いた保護層塗工用塗料に対し、さらにメチルハ
イドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF99、信
越化学工業(株)製)を1.5部を添加し、4時間攪拌
して塗料とした以外は、実施例14〜17と同様にして
行った。結果を同様に表4に示す。
理済み酸化スズ微粒子35部とエタノール150部を、
サンドミルにて、66時間かけて分散を行い、その後、
樹脂成分として、同様のフェノール樹脂を67部(不揮
発分:45%)、さらに表4に示される本発明の電荷輸
送物質15部を溶解し4時間攪拌して保護層用塗料とし
た。
に塗工し保護層を施し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を同様に表4に示す。
ェノール樹脂を67部(不揮発分:45%)、さらに表
4に示される本発明の電荷輸送物質21部とエタノール
82部を溶解し4時間攪拌して保護層用塗料とした。
に塗工し保護層を施し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を同様に表4に示す。
と同様にして作製した。
フェノール樹脂に代えて、群栄化学工業(株)製レゾー
ル型硬化性フェノール樹脂(商品名:PL−2211)
42部(不揮発分:58%)を使用し、さらにヒドロキ
シアルキル基を有する電荷輸送物質として前記化合物N
o.1−23を15部溶解し保護層用塗料とした。
漬塗布法により膜を形成した後、145℃で1時間熱風
乾燥し膜厚が3μmの保護層を形成した。保護層塗料の
分散性は良好で、作製された保護層はムラのない均一な
膜であった。得られた電子写真感光体を実施例1と同様
にして評価を行った。結果を同様に表4に示す。
用いたヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送物質(化
合物No.1−23)の代わりに、表4に示される本発
明の電荷輸送物質に代えた以外は、実施例31と同様に
して電子写真感光体などを作製し、評価した。結果を同
様に表4に示す。
フェノール樹脂を52部(不揮発分:58%)、さらに
表4に示される本発明の電荷輸送物質21部とエタノー
ル82部を溶解し4時間攪拌して保護層用塗料とした。
に塗工し保護層を施し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を同様に表4に示す。
超微粒子100部を前記フッ素原子含有化合物(商品
名:LS−1090、信越化学工業(株)製)7部で表
面処理した(以下、処理量:7%と表す)処理済み酸化
スズ微粒子35部とエタノール150部を、サンドミル
にて、66時間かけて分散を行い、さらに、ポリテトラ
フルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)18
部を加えて、さらに12時間サンドミルで分散を行っ
た。その後、樹脂成分として、住友デュレズ(株)製硬
化性レゾール型フェノール樹脂(商品名:PR−531
23)54部(不揮発分:45%)、さらに、本発明の
置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する電
荷輸送物質として前記化合物No.4−14を15部溶
解し、アセトン35部で希釈して保護層用塗料とした。
に塗工し保護層を施し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を同様に表4に示す。
用いた本発明の電荷輸送物質(化合物No.4−14)
を表4に示される電荷輸送物質に代えた以外は、実施例
40と同様にして電子写真感光体などを作製し、評価し
た。結果を同様に表4に示す。
よび44において、前記フッ素原子含有化合物で表面処
理した(処理量:7%)アンチモンドープ酸化スズ微粒
子を20部に減らし、代わりにメチルハイドロジェンシ
リコーン(商品名:KF99、信越化学工業(株)製)
で処理した(処理量:20%)アンチモンドープ酸化ス
ズ微粒子15部を添加、分散して塗料を作製した以外
は、実施例40、42および44と同様にして行った。
結果を同様に表4に示す。
よび44において、前記フッ素原子含有化合物で表面処
理したアンチモンドープ酸化スズ微粒子に代えて、表面
処理を施していないアンチモンドープ酸化スズ微粒子
(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)を35
部、前記フッ素原子含有化合物(商品名:LS−109
0、信越化学工業(株)製)3.5部を添加し分散した
以外は、実施例40、42および44と同様にして行っ
た。結果を同様に表4に示す。
おいて用いた保護層塗工用塗料に対し、さらにメチルハ
イドロジェンシリコーン(商品名:KF99、信越化学
工業(株)製)1.5部を添加し、4時間攪拌して塗料
とした以外は、実施例49〜51と同様にして行った。
結果を同様に表4に示す。
処理済み酸化スズ微粒子35部とエタノール150部
を、サンドミルにて、66時間かけて分散を行い、その
後、樹脂成分として、同様のフェノール樹脂を67部
(不揮発分:45%)、さらに表4に示される本発明の
電荷輸送物質15部を溶解し、アセトン35部で希釈し
て4時間攪拌して保護層用塗料とした。
塗工し保護層を施し、実施例40と同様にして評価し
た。結果を同様に表4に示す。
施例40と同様にして作製した。
部(不揮発分:45%)に、表4に示される本発明の電
荷輸送物質21部とエタノール58部とアセトン24部
加え溶解し、4時間攪拌して保護層用塗料とした。
上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1
時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成した。実
施例40と同様にして評価した。結果を同様に表4に示
す。
0と同様にして作製した。
たフェノール樹脂に代えて、群栄化学工業(株)製硬化
性レゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−221
1)42部(不揮発分:58%)を使用し、さらに、本
発明の電荷輸送物質として前記化合物No.4−44を
15部溶解し保護層用塗料とした。
漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1時間熱
風乾燥して、膜厚が3μmの保護層を形成した。保護層
塗料の分散性は良好で、作製された保護層はムラのない
均一な膜であった。得られた電子写真感光体を実施例4
0と同様にして評価を行った。結果を同様に表4に示
す。
用いた本発明の電荷輸送物質(化合物No.4−44)
を表4に示される本発明の電荷輸送物質に代えた以外
は、実施例65と同様にして電子写真感光体などを作製
し、評価した。結果を同様に表4に示す。
フェノール樹脂を52部(不揮発分:58%)、さらに
表4に示される本発明の電荷輸送物質21部とエタノー
ル58部とアセトン24部加え溶解し、4時間攪拌して
保護層用塗料とした。
上に浸漬塗布法により、膜を形成した後、145℃で1
時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成し、実施
例1と同様にして評価した。結果を同様に表4に示す。
いたヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送物質(化合
物No.1−23)の代わりに、表4に示される電荷輸
送物質に代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真
感光体などを作製し、評価した。結果を同様に表4に示
す。
用いたヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送物質(化
合物No.1−23)の代わりに、表4に示される電荷
輸送物質に代えた以外は、実施例26と同様にして電子
写真感光体などを作製し、評価した。結果を同様に表4
に示す。
用いたヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送物質(化
合物No.4−14)の代わりに、表4に示される電荷
輸送物質に代えた以外は、実施例40と同様にして電子
写真感光体などを作製し、評価した。結果を同様に表4
に示す。
用いたヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送物質(化
合物No.4−6)の代わりに、表4に示される電荷輸
送物質に代えた以外は、実施例58と同様にして電子写
真感光体などを作製し、評価した。結果を同様に表4に
示す。
様にして作製した。
のと同様の住友デュレズ(株)製レゾール型硬化性フェ
ノール樹脂(商品名:PR−53123)を希釈して塗
料とし、浸漬塗布法により、膜を形成した。その後、1
45℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形
成し、電子写真感光体などを作製し、評価した。結果を
同様に表5に示す。
様にして作製した。
たのと同様の群栄化学工業(株)製レゾール型硬化性フ
ェノール樹脂(商品名:PL−2211)を希釈して塗
料とし、浸漬塗布法により、膜を形成した。その後、1
45℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形
成し、電子写真感光体などを作製し、評価した。結果を
同様に表5に示す。
1と同様にして作製した。
ュレズ(株)製レゾール型硬化性フェノール樹脂(商品
名:PR−53123)67部(不揮発分:45%)を
用い、さらに実施例1において用いたヒドロキシアルキ
ル基を有する電荷輸送物質(化合物No.1−23)の
代わりに、下記式で示される比較化合物1〜8に代えた
21部を1,4−ジオキサン400部とTHF180部
に溶解し、4時間攪拌して保護層用塗料とした。
プレー塗布法により、膜を形成した後、145℃で1時
間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成し、同様に
評価した。結果を同様に表5に示す。
護層の代わりに、実施例1で用いた処理済み酸化スズ微
粒子35部と1,4−ジオキサン150部を、サンドミ
ルにて66時間かけて分散を行い、さらにポリテトラフ
ルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)18部
を加えて、さらに12時間サンドミルで分散を行った。
その後、樹脂成分として硬化性フェノール樹脂の代わり
にポリメタクリル酸メチル(商品名:J−899、星光
化学工業社製)24部を溶解し、さらに表5に示される
本発明の電荷輸送物質を15部溶解し、さらに1時間サ
ンドミルで分散を行い、1,4−ジオキサン700部と
THF370部で希釈して保護層用塗料とした。
ー塗布法により、膜を形成した後、100℃で30分間
熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を形成した。実施例
1と同様にして評価した。結果を同様に表5に示す。
を塗布しなかった以外は、実施例1と同様にして行っ
た。結果を同様に表5に示す。
護層を有する電子写真感光体を用いることにより、保護
層を施したことに伴う感度の低下や、残留電位の上昇が
小さく、高転写効率であり、さらに膜強度を保ち、耐削
れ性を維持し、高耐久、高安定である。
十分高抵抗であるため、形成された静電潜像の流れが生
じることなく、鮮明で良好な画像を得ることができた。
一方、比較例3〜12に示される保護層は、体積抵抗率
が低いため静電潜像の流れによる画質低下が見られた。
り、保護層を施した電子写真感光体の感度低下と残留電
位の上昇が小さく、さらに高転写効率、高耐久、高安定
で、良好な画像を得ることができる電子写真感光体を提
供することが可能となった。
カートリッジおよび電子写真装置において同様に顕著な
効果を奏することができた。
る。
トリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
Claims (14)
- 【請求項1】 支持体上に感光層および保護層を有する
電子写真感光体において、該保護層が硬化性フェノール
樹脂を含有し、かつ、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキ
シアルコキシ基および置換基を有してもよいヒドロキシ
フェニル基からなる群より選択される基の少なくとも1
つを有する電荷輸送物質を含有することを特徴とする電
子写真感光体。 - 【請求項2】 前記電荷輸送物質がヒドロキシアルキル
基を有する請求項1に記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 前記電荷輸送物質が下記式(1)〜
(3)からなる群より選択される式で示される構造を有
する請求項2に記載の電子写真感光体。 【外1】 (式中、R11、R12およびR13はそれぞれ炭素数
1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表し、
α、βおよびγはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置
換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベ
ンゼン環を表し、a1、b1およびc1は0であり、m
1およびn1は0または1である。) 【外2】 (式中、R21、R22およびR23はそれぞれ炭素数
1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表し、
δおよびεはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換
基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
ルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基
を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼ
ン環を表し、a2、b2およびc2は0である。m2、
n2およびp2は0または1であり、総てが同時に0に
なることはない。τおよびυはそれぞれ置換基としてハ
ロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基
を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいア
リール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有
してもよいベンゼン環を表す。なお、τとυは置換基を
介して共同で環をなしてもよい。) 【外3】 (式中、R31、R32、R33およびR34はそれぞ
れ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基
を表し、ζ、η、θおよびιはそれぞれ置換基としてハ
ロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基
を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいア
リール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有
してもよいベンゼン環を表し、a3、b3、c3および
d3は0であり、m3、n3およびp3は0または1で
ある。φおよびχはそれぞれ置換基としてハロゲン原
子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有しても
よいベンゼン環を表す。なお、φとχは置換基を介して
共同で環をなしてもよい。) - 【請求項4】 前記電荷輸送物質がヒドロキシアルコキ
シ基を有する請求項1に記載の電子写真感光体。 - 【請求項5】 電荷輸送物質が下記式(1)〜(3)か
らなる群より選択される式で示される構造を有する請求
項4に記載の電子写真感光体。 【外4】 (式中、R11、R12およびR13はそれぞれ炭素数
1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表し、
α、βおよびγはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよ
いアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置
換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベ
ンゼン環を表し、a1、b1およびc1は0または1で
あり、総てが同時に0になることはない。m1およびn
1は0または1である。) 【外5】 (式中、R21、R22およびR23はそれぞれ炭素数
1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表し、
δおよびεはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換
基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
ルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基
を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼ
ン環を表し、a2、b2およびc2は0または1であ
り、総てが同時に0になることはない。m2、n2およ
びp2は0または1であり、総てが同時に0になること
はない。τおよびυはそれぞれ置換基としてハロゲン原
子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール
基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有しても
よいベンゼン環を表す。なお、τとυは置換基を介して
共同で環をなしてもよい。) 【外6】 (式中、R31、R32、R33およびR34はそれぞ
れ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基
を表し、ζ、η、θおよびιはそれぞれ置換基としてハ
ロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基
を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいア
リール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有
してもよいベンゼン環を表し、a3、b3、c3および
d3は0または1であり、総てが同時に0になることは
ない。m3、n3およびp3は0または1である。φお
よびχはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を
有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコ
キシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有
してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環
を表す。なお、φとχは置換基を介して共同で環をなし
てもよい。) - 【請求項6】 前記電荷輸送物質が置換基を有してもよ
いヒドロキシフェニル基を有する請求項1に記載の電子
写真感光体。 - 【請求項7】 前記電荷輸送物質が下記式(4)〜
(6)からなる群より選択される式で示される構造を有
する請求項6に記載の電子写真感光体。 【外7】 (式中、R41は炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2
価の炭化水素基を表し、R42は水素原子、置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキ
ル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。Ar
41およびAr42は置換基を有してもよいアルキル
基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有し
てもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を
表す。Ar43は置換基を有してもよいアリーレン基、
2価の置換基を有してもよい複素環基を表す。m4およ
びn4はそれぞれ0または1である。ただし、n4=0
のとき、m4=0である。κおよびλはそれぞれ置換基
としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を
1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。) 【外8】 (式中、R51は炭素数1〜8の枝分かれしてもよい2
価の炭化水素基を表す。Ar51およびAr52は置換
基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいア
ラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基
を有してもよい複素環基を表す。μおよびνはそれぞれ
置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアル
キル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を
有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環
基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。なお、μ
とνは置換基を介して共同で環をなしてもよい。m5は
0または1である。) 【外9】 (式中、R61およびR62はそれぞれ炭素数1〜8の
枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。Ar61
は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても
よいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、
置換基を有してもよい複素環基を表す。ξ、π、ρおよ
びσはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキ
シ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有し
てもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を
表す。なお、ξとπ、および、ρとσは置換基を介して
共同で環をなしてもよい。m6およびn6はそれぞれ0
または1である。) - 【請求項8】 前記硬化性フェノール樹脂がレゾール型
フェノール樹脂である請求項1〜7のいずれかに記載の
電子写真感光体。 - 【請求項9】 前記保護層が導電性微粒子を含有する請
求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項10】 前記導電性微粒子が表面処理されてい
てもよく、またドープされていてもよい酸化スズである
請求項9に記載の電子写真感光体。 - 【請求項11】 前記保護層がフッ素原子含有化合物お
よびフッ素原子含有樹脂微粒子を含有する請求項1〜1
0のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項12】 前記保護層がフッ素原子含有化合物、
フッ素原子含有樹脂微粒子およびシロキサン化合物を含
有する請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光
体。 - 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の電
子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニン
グ手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段
とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 【請求項14】 請求項1〜12のいずれかに記載の電
子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転
写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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