JP2003186215A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2003186215A
JP2003186215A JP2001389093A JP2001389093A JP2003186215A JP 2003186215 A JP2003186215 A JP 2003186215A JP 2001389093 A JP2001389093 A JP 2001389093A JP 2001389093 A JP2001389093 A JP 2001389093A JP 2003186215 A JP2003186215 A JP 2003186215A
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electrophotographic
substituent
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photosensitive member
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Application number
JP2001389093A
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English (en)
Inventor
Kimihiro Yoshimura
公博 吉村
Yosuke Morikawa
陽介 森川
Koichi Nakada
浩一 中田
Hiroshi Saito
宏 齊藤
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護層形成の際の電子写真感光体の亀裂発生
や電荷輸送層中に含まれる化合物の析出を抑え、耐久性
が高く、かつ画像欠陥も生じなく、繰り返し電子写真プ
ロセスにおいて残留電位の蓄積がなく、高品位の画質を
保つことのできる電子写真感光体、プロセスカートリッ
ジ及び電子写真装置を提供する。 【解決手段】 保護層が少なくとも導電性粒子及び硬化
性フェノール樹脂を含有し、かつ電荷輸送層が電荷輸送
材料として式(1)で示される化合物を少なくとも1種
含有する電子写真感光体、該感光体を有するプロセスカ
ートリッジ及び電子写真装置。 【化1】 (式中、X及びYは式(2)又は式(3)で示される
基、nは0又は1の整数、R1〜R7はアルキル基、アリ
ール基等)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しく
は特定の樹脂を含有する保護層と、特定の化合物を含有
する感光層を有する電子写真感光体、この電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体には、当然ながら、適用
される電子写真プロセスに応じた所要の感度、電気特性
及び光学特性を有することが要求される。特に、繰り返
し使用される電子写真感光体にあっては、電子写真感光
体の表面にはコロナ帯電、画像露光、トナー現像、転写
材への転写及びクリーニング等の電気的や機械的な外力
が直接に加えられるために、それらに対する耐久性が要
求される。具体的には、転写やクリーニング等の際の電
子写真感光体表面の摺擦によって生じる表面の摩耗やキ
ズ、またコロナ帯電時に発生するオゾンによる電子写真
感光体及び電位特性の劣化等に対する耐久性が要求され
る。更に、トナー現像とクリーニングの繰り返しによる
電子写真感光体表面へのトナー付着という問題もあり、
良好なクリーニング性も要求されている。
【0003】上記のような電子写真感光体に要求される
特性を満足するために、感光層上に樹脂を主成分とする
表面保護層を設ける試みがなされている。例えば、特開
昭56−42863号公報及び特開昭53−10374
1号公報等には、硬化型樹脂を主成分とする保護層を用
いることによる硬度や耐摩耗性を向上させることが提案
されている。
【0004】しかしながら、これら硬化型の樹脂を表面
保護層として用いた場合、特に下層となる感光層が樹脂
を主成分とする有機系感光層の場合には、硬化性樹脂が
硬化する際に生じる収縮によって保護層や感光層に亀裂
が入り、得られる画像に欠陥が発生してしまうこともあ
った。
【0005】また、より優れた画像を得るためには、電
子写真感光体の保護層には高い硬度及び優れた耐摩耗性
等の特性だけでなく、保護層自体の抵抗が適当であるこ
とが要求される。保護層の抵抗が高過ぎる場合、帯電−
露光といった電子写真プロセスを繰り返すことにより、
保護層に電荷が蓄積されていく、所謂残留電位の増加が
起こり、電子写真感光体の繰り返し使用時に電位が安定
しないために、画質も不安定になる。また、抵抗が低過
ぎる場合には、静電潜像が保護層中を面方向に流れてし
まい、画像のにじみやボケ等の問題が発生してしまう。
この問題を解決するために、例えば、特開昭57−30
843号公報には保護層に導電性微粒子として金属酸化
物を添加することによって層の抵抗を制御することが提
案されている。
【0006】しかしながら、この保護層においても、樹
脂として硬化性樹脂を用い、感光層として有機系感光層
を用いた場合には、保護層や感光層に亀裂が入ってしま
うことがあった。
【0007】また、溶媒を含む保護層を塗料を電荷輸送
層上に塗布した際に、電荷輸送層中に含まれる電荷輸送
材料が析出してしまうという弊害も発生した。
【0008】近年の更なる高画質化や高耐久化に伴い、
より優れた耐久性を有し、優れた画像を安定して提供で
きる電子写真感光体が検討されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、保護
層形成の際の電子写真感光体の亀裂発生や電荷輸送層中
に含まれる化合物の析出を抑え、耐久性が高く、かつ画
像欠陥も生じない電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0010】本発明の別の目的は、繰り返し電子写真プ
ロセスにおいて残留電位の蓄積がなく、高品位の画質を
保つことのできる電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0011】本発明の更に別の目的は、上記電子写真感
光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、導電性
支持体上に、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に有す
る感光層の上に保護層を有する電子写真感光体におい
て、該保護層の結着樹脂が芳香族系の熱硬化性樹脂で、
かつ該電荷輸送層が電荷輸送材料として下記式(1)で
示される化合物を少なくとも1種含有することを特徴と
する電子写真感光体が提供される。
【0013】
【化3】
【0014】式中、X及びYは式(2)又は式(3)で
示される基を表し、nは0又は1の整数を表す。
【0015】
【化4】
【0016】式中、R1、R2及びR3は塩素原子、臭素
原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチ
ル基及びプロピル基等のアルキル基;メトキシ基、エト
キシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェニル基
及びナフチル基等のアリール基;ジメチルアミノ基のジ
アルキルアミ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールア
ミノ基;ジベンジルアミノ基等のジアラルキルアミノ
基;ジピリジルアミノ基等のジ複素環アミノ基を表し、
これらは互いに同一でも異なっていてもよく、特に、塩
素原子、メチル基及びメトキシ基が好ましい。これらの
アルキル基、アルコキシ基及びアリール基は置換基を有
していてもよく、置換基としては、水酸基;塩素原子、
臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基等のア
ルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びブトキシ基等の
アルコキシ基;フェニル基及びナフチル基等のアリール
基;ベンジル基、ナフチルメチル基及びフェネチル基等
のアラルキル基;フェノキシ基及びトリロキシ基等のア
リールオキシ基;ベンジルオキシ基及びフェネチルオキ
シ基等のアリールアルコキシ基;スチリル基及びナフチ
ルビニル基等のアリールビニル基;ジメチルアミノ基及
びジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニ
ルアミノ基及びジナフチルアミノ基等のジアリールアミ
ノ基;ジベンジルアミノ基及びジフェネチルアミノ基等
のジアラルキルアミノ基;ジピリジルアミノ基及びジチ
エニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリールアミ
ノ基、更には上記のアミノ基の置換基を組み合せたジ置
換アミノ基等が挙げられる。
【0017】式(1)において、p及びrは0〜4の整
数を表す。qはn=0のとき0〜5の整数を表し、n=
1のとき0〜4の整数を表す。
【0018】R4は水素原子、メチル基、エチル基及び
プロピル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基及
びアントラセニル等のアリール基;ピロリル基、チエニ
ル基、フリル基及びカルバゾリル基等の複素環基を表
す。これらのアルキル基、アリール基及び複素環は置換
基を有していてもよい。置換基としては、塩素原子、臭
素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基等のアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基及びブトキシ基等のア
ルコキシ基;ベンジル基、ナフチルメチル基及びフェネ
チル基等のアラルキル基;フェノキシ基及びトリロキシ
基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基及びフェネ
チルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基及
びナフチル基等のアリール基;スチリル基及びナフチル
ビニル基等のアリールビニル基;ジメチルアミノ基及び
ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニル
アミノ基及びジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ
基;ジベンジルアミノ基及びジフェネチルアミノ基等の
ジアラルキルアミノ基;ジピリジルアミノ基及びジチエ
ニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリールアミノ
基、更には上記のアミノ基の置換基を組み合せたジ置換
アミノ基等が挙げられる。
【0019】R5及びR6はメチル基、エチル基及びプロ
ピル基等のアルキル基;ベンジル基及びフェネチル基等
のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基及びアントラ
セニル基等のアリール基;ピロリル基、チエニル基、フ
リル基及びカルバゾリル基等の複素環基を表す。これら
のアルキル基、アラルキル基、アリール基及び複素環は
置換基を有していてもよい。置換基としては、塩素原
子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基等
のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びブトキシ基
等のアルコキシ基;ベンジル基、ナフチルメチル基及び
フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基及びトリ
ロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基及び
フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニ
ル基及びナフチル基等のアリール基;スチリル基及びナ
フチルビニル基等のアリールビニル基;ジメチルアミノ
基及びジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフ
ェニルアミノ基及びジナフチルアミノ基等のジアリール
アミノ基;ジベンジルアミノ基及びジフェネチルアミノ
基等のジアラルキルアミノ基;ジピリジルアミノ基及び
ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリール
アミノ基、更には上記のアミノ基の置換基を組み合せた
ジ置換アミノ基等が挙げられる。特に、R5及びR6のう
ち、少なくとも1つが置換基を有してもよいアリール基
であることが好ましい。
【0020】また、R5とR6とは直接もしくは結合基を
介して連結していてもよい。結合基としては、メチレン
基、エチレン基及びトリメチレン基のアルキレン基、−
S−、−O−及び−N−等のヘテロ原子が挙げられ、特
に−S−、−O−及び−CH 2−が好ましく、更には−
S−が好ましい。
【0021】また、R5及びR6において、上記に挙げた
置換基の組合せのうち、芳香環を形成する部分の炭素原
子の数の和が15以下であることが好ましい。
【0022】Zはメチレン基、エチレン基及びプロピレ
ン基等のアルキレン基を表し、特にメチレン基が好まし
い。これらのアルキレン基は置換基を有してもよく、置
換基としては、メチル基及びエチル基等の低級アルキル
基;メトキシ基及びエトキシ基等の低級アルコキシ基;
塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子;フェエル基及
びナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0023】Arはフェニル基、ナフチル基及びアント
ラセニル基等のアリール基;ピロリル基、チエニル基、
フリル基及びカルバゾリル基等の複素原基を表わし、特
にフェニル基が好ましい。これらのアリール基及び複素
環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、塩
素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル
基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びブトキ
シ基等のアルコキシ基;ベンジル基、ナフチルメチル基
及びフェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基及び
トリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基
及びフェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フ
ェニル基及びナフチル基等のアリール基;スチリル基及
びナフチルビニル基等のアリールビニル基;ジメチルア
ミノ基及びジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基及びジナフチルアミノ基等のジアリ
ールアミノ基;ジベンジルアミノ基及びジフェネチルア
ミノ基等のジアラルキルアミノ基;ジピリジルアミノ基
及びジチエニルアミノ差等のジ複素環アミノ基;ジアリ
ールアミノ基、更には上記のアミノ基の置換基を組み合
せたジ置換アミノ基が挙げられる。
【0024】R7はメチル基、エチル基及びプロピル基
等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基及びアントラ
セニル基等のアリール基;ピロリル基、チエニル基、フ
リル基及びカルバゾリル基等の複素環基;ベンジル基及
びフェネチル基等のアラルキル基を表わし、アルキル基
が好ましい。これらのアルキル基、アリール基、複素環
及びアラルキル基は置換基を有していてもよい。置換基
としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロ
ゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
及びヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ
基及びブトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基及びナ
フチル基等のアリール基;ベンジル基、ナフチルメチル
基及びフェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基及
びトリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ
基及びフェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;
スチリル基及びナフチルビニル基等のアリールビニル
基;ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基等のジアル
キルアミノ基;ジフェニルアミノ基及びジナフチルアミ
ノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基及び
ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;ジピ
リジルアミノ基及びジチエニルアミノ基等のジ複素環ア
ミノ基;ジアリールアミノ基、更には上記のアミノ基の
置換基を組み合せたジ置換アミノ基等が挙げられる。
【0025】また、本発明に従って、上記電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提
供される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0027】本発明の電子写真感光体が有する保護層
は、結着樹脂としてフェノール、、キシレノール、クレ
ゾール、レゾルシノール、、リグニンからなる群から選
ばれた一種ないしは複数種のフェノール性化合物とアル
デヒド化合物より合成された硬化性のプレポリマーであ
ることが好ましい。一般的に、フェノール性化合物とア
ルデヒド化合物より合成されたフェノール樹脂には、ノ
ボラック型とレゾール型に分けられる。ノボラック型は
フェノール性化合物とアルデヒドを酸性条件下で作用さ
せて得られるプレポリマーであり、レゾールはフェノー
ル性化合物とアルデヒドをアルカリ性条件下で作用させ
て得られるプレポリマーである。ノボラック型、レゾー
ル型の樹脂は、プレポリマーの段階ではメタノールやエ
タノール等のアルコール類やテトラヒドロフランやアセ
トン等の溶剤に可溶である。レゾール型のフェノール樹
脂は硬化官能基であるメチロール基を有しているため、
加熱処理を施すことにより硬化反応が起こる。また、ノ
ボラック型のフェノール樹脂の場合は、ヘキサメチルテ
トラミンの様な硬化剤を添加した状態で加熱することで
硬化架橋反応が進む。アルコール類、アセトン、テトラ
ヒドロフラン等の溶剤に対し、何れの樹脂の場合も、硬
化反応前のプレポリマーの状態では溶解性があっても、
硬化後は不要若しくは難溶となる。
【0028】本発明における保護層は、保護層の抵抗を
コントロールするという観点から、金属酸化物粒子等の
導電性粒子を分散含有することが好ましい。しかし、金
属微粒子を添加することで、保護層膜の機械的強度が低
下するという問題があるので、保護層の結着樹脂として
は、新たに触媒を添加することなく硬化せしめることが
可能なレゾール型フェノール樹脂が好ましい。
【0029】斯かる導電性金属酸化物としては、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化イン
ジウム、酸化ビスマス、インジウムをドープした酸化ス
ズ、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニ
ウム等の粒子が挙げられる。これら金属酸化物は、一種
類もしくは二種類以上を混合して用いる。二種類以上を
混合した場合には、固溶体又は融着の形をとってもよ
い。本発明における金属酸化物粒子の含有量は、保護層
の全質量に対し5〜90質量%であることが好ましく、
特には10〜90質量%であることが好ましい。金属酸
化物の含有量が5質量%未満の場合には、保護層として
の抵抗値が高くなり過ぎることがあり、90質量%より
多い場合には、電子写真感光体表面層として低抵抗とな
り易く、帯電能の低下やピンホールの原因となることが
ある。
【0030】保護層に導電性粒子を分散する場合、分散
粒子による入射光の散乱を防ぐためには、粒子径が入射
光の波長よりも小さいことが好ましく、一般には数平均
粒径で0.3μm以下であることが好ましい。
【0031】ここで、本発明における保護層の体積抵抗
は、1010〜1014Ω・cmであることが好ましく、特
には1011〜1014Ω・cmであることが好ましい。抵
抗が1010Ω・cmに満たないと、電荷を保持し難くな
り、画像流れが発生し易くなる。逆に、抵抗が1015Ω
・cmを超えると、電荷が移動し難くなり、濃度薄及び
ネガゴーストが発生し易くなる。
【0032】体積抵抗は、以下のようにして測定するこ
とができる。まず、電極間距融(D)180μm、長さ
(L)5.9cmのクシ型白金電極上に、厚さ(T)4
μmの本発明の保護層を設ける。次に、クシ型電極間に
100Vの直流電圧(V)を印加したときの電流値
(I)をpA(ピコアンペア)メーターによって測定
し、下記式によって体積抵抗ρvを得る。
【0033】
【数1】
【0034】また、本発明においては、分散性、接着性
及び耐環境性等を更に向上させるため、保護層に各種カ
ップリング剤や酸化防止剤を添加してもよい。
【0035】本発明に用いられる保護層の膜厚は0.1
〜10μmであることが好ましく、特には0.5〜7μ
mであることが好ましい。
【0036】保護層の塗工方法としては、溶媒を含む保
護層の塗料液を、浸漬コーティング法、スプレーコーテ
ィング法、ビームコーティング法、バーコーティング
法、ブレードコーティング法又はローラーコーティング
法等により塗布する方法が挙げられる。
【0037】溶媒を含む保護層塗料を感光層上に塗布し
た場合、電荷輸送層を構成する材料によっては、保護層
塗布以前は完全に電荷輸送層中に溶解していた電荷輸送
材料が、塗布後に析出してしまうという弊害が生じる。
【0038】また、溶媒を含む保護層塗料を感光層上に
塗布した場合、感光層に亀裂が入り易く、特に保護層の
結着樹脂としてフェノール樹脂のような芳香族系の化合
物を含む場合は感光層の亀裂がより激しくなる傾向があ
る。更に、熱硬化性樹脂を用いた保護層を加熱処理を施
すことにより有機系感光層上に設ける場合、保護層や感
光層に亀裂が入り易くなるという傾向がある。
【0039】これらの保護層塗布、硬化による電荷輸送
材料の析出及び電子写真感光体の亀裂発生の詳細な機構
については現在のところ不明であるが、保護層塗料中の
溶媒及びフェノール骨格を有する芳香族化合物と電荷輸
送層中の電荷輸送材料の何らかの相互作用、及び加熱処
理を施して保護層を硬化させる際に、保護層の収縮が一
因となっていることは容易に推察できる。
【0040】先に述べたように、3次元的に架橋したフ
ェノール樹脂の機械的強度は高く、この樹脂を設けて電
荷輸送材料の析出や感光層の亀裂を発生させること無く
有機系感光置上に保護層を形成する技術は非常に有益で
ある。
【0041】そこで本発明者らは種々の検討の結果、本
発明の保護層を特定の構造を有する電荷輸送材料を含有
する電荷輸送層上に設けることにより、電荷輸送材料の
析出や感光層の亀裂を防止できることを見出し、本発明
に至った。
【0042】次に、感光層について説明する。
【0043】本発明における電荷輸送材料は、前記一般
式(1)で示される電荷輸送材料である化合物を成膜性
を有する樹脂に適当な溶媒を用いて溶解した塗工液を塗
布、乾燥することによって形成される。斯かる樹脂とし
ては、従来用いられる電荷輸送層用の樹脂を用いること
ができ、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リメタクリル酸エステル及びポリスチレン等が挙げられ
る。電荷輸送層の厚さは、5〜40μmであることが好
ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
本発明においては、一般式(1)で示される化合物以外
の電荷輸送材料を更に添加することもできる。
【0044】本発明の電子写真感光体の電荷輸送材料と
しては、前記式(1)で表される特定のアリールアミン
ヒドラゾン系化合物を含有する。前記式(1)におい
て、X及びYは式(2)又は式(3)で示される基を表
し、特に式(2)で示される基が好ましい。
【0045】また、式(1)においてnは0又は1の整
数を表し、n=0であることがより好ましい。更に、式
(1)においてn=0であり、かつX−O−の置換位地
が4−位(N原子の置換位置からみてパラ位)であるこ
とが特に好ましい。
【0046】本発明における効果は、上記の電荷輸送材
料と電荷発生材料を組み合せて用いたときにだけ選択的
に優れた効果を発揮するものである。
【0047】次に、式(1)で表される化合物の具体例
を以下に挙げる。ただし、これらの具体例に限定される
ものではい。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】本発明における電荷発生層は、電荷発生材
料を結着樹脂に分散した分散液を塗布、乾燥することに
よって形成される。結着樹脂としては、アクリルモノマ
ーを硬化することにより得られる樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹
脂、酢酸セルロース及びエチルセルロース等が挙げられ
る。電荷発生材料としては、ビスアゾ顔料;トリスアゾ
顔料;ピレンキノン及びアントアントロン等のキノン顔
料;ペリレン顔料;インジゴ及びチオインジゴ等のイン
ジゴ顔料;銅フタロシアニン及びチタニルフタロシアニ
ン等のフタロシアニン顔料等が挙げられる。電荷発生層
の厚さは、5μm以下であることが好ましく、特には
0.05〜2μmであることが好ましい。
【0059】本発明で用いる支持体は導電性を有するも
のであれば、何れのものでもよく、例えば、アルミニウ
ム、クロム、ニッケル、ステンレス、銅及び亜鉛等の金
属や合金;アルミニウムや銅等の金属箔をプラスチック
フィルムにラミネートしたもの;アルミニウム、酸化イ
ンジウム及び酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着
したもの;あるいは、導電性物質を単独又は適当なバイ
ンダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラス
チックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0060】この導電層に用いられる導電性物質として
は、アルミニウム、銅、ニッケル及び銀等の金属粉体、
金属箔及び金属繊維;酸化アンチモン、酸化インジウム
及び酸化スズ等の導電性金属酸化物;ポリピロール、ポ
リアニリン及び高分子電解質等の高分子導電材;カーボ
ンブラック、グラファイト粉体及び有機もしくは無機の
電解質;又はこれらの導電性物質で表面を被覆した導電
性粉体等が挙げられる。
【0061】支持体の形状としては、ドラム状、シート
状及びベルト状等が挙げられるが、適用される電子写真
装置に最も適した任意の形状であることが好ましい。ま
た、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けても
よい。下引き層は、感光層との界面での電荷注入制御を
するバリヤー層や接着層として機能する。
【0062】下引き層は主に結着樹脂から成るが、前記
金属や合金、又はそれらの酸化物、塩類及び界面活性剤
等を含んでもよい。下引き層を形成する結着樹脂として
は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアタリレート、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミ
ド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリール樹脂、アルキド樹
脂、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエー
テル、ポリアセタール及びブチラール樹脂等が挙げられ
る。下引き層の膜厚は、好ましくは0.05μm〜7μ
mであり、より好ましくは0.1μm〜2μmである。
【0063】保護層以外の上記の各種層は、蒸着や塗布
により形成することができる。特に塗布による方法は、
薄膜から厚膜まで広い範囲で、しかもさまざまな組成の
膜が形成可能であるので好ましい。塗布方法としては、
浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビーム
コーティング法、バーコーティング法、ブレードコーテ
ィング法及びローラーコーティング法等が挙げられる。
【0064】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を
示す。
【0065】図1において、1はドラム状の本発明の電
子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周
速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程
において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の
所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ
ーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力
される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に
対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電
子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。
【0066】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感
光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と
同期して取り出されて給送された転写材7に、電子写真
感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写
手段6により順次転写されていく。
【0067】トナー画像の転写を受けた転写材7は、電
子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入され
て像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コ
ピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0068】像転写後の電子写真感光体1の表面は、ク
リーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受け
て清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露
光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に
使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を
用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必
要ではない。
【0069】本発明においては、上述の電子写真感光体
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロ
セスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプ
ロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ
ー等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成しても
よい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリー
ニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共
に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレー
ル等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロ
セスカートリッジ11とすることができる。
【0070】また、露光光4は、電子写真装置が複写機
やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、こ
の信号に従って行われるレーザービームの走査、LED
アレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等により
照射される光である。
【0071】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プ
リンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも幅
広く適用し得るものである。
【0072】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味す
る。
【0073】(実施例1)電子写真感光体を以下のよう
にして作製した。φ30mm×357.5mmのアルミ
ニウムシリンダーを支持体として、これにポリアミド樹
脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5%メ
タノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下
引層を設けた。
【0074】次に、下記式で示されるビスアゾ顔料を5
部、
【0075】
【化5】 ポリビニルブチラール樹脂(品名:エスレックBL−
S、積水化学(株))2部及びシクロヘキサノン150
部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で2
0時間分散した。この分散液にテトラヒドロフラン20
0部を加えた。これを浸漬塗布にて、前記下引層上に塗
布した。膜厚は、塗布された電荷発生層の濃度として画
像領域を1cm間隔に反射濃度計(マクベス社製モデ
ル:RD−914)で測定し、最大濃度と最小濃度の差
を0.02以下とした。
【0076】次に、例示化合物No.1の電荷輸送材9
部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:
Z−200、三菱ガス化学(株))10部をモノクロロ
ベンゼン40部/ジクロロメタン20部に溶解した。こ
の溶液を浸漬塗布法にて前記電荷発生層上に塗布し、1
10℃で1時間熱風乾燥し、電荷輸送層を形成した。得
られた電子写真感光体の電荷輸送層の膜厚を干渉製膜厚
計(大塚電子(株)製)で測定したところ20μmであ
った。
【0077】次に、(3,3,3−トリフルオロプロピ
ル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)で表
面処理(処理量7%)を施したアンチモン含有酸化スズ
微粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)2
0部、メチルヒドロキシシロキサン化合物(商品名:K
F−99、信越化学工業(株)製)で表面処理(処理量
8%)を行ったアンチモン含有酸化スズ微粒子(商品
名:T−1、三菱マテリアル(株)製)30部、エタノ
ール150部を、サンドミルにて66時間かけて分散を
行い、更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均
粒径0.18μm)20部を加えて分散を行った。その
後、フェノール樹脂(商品名:PL−4804、群栄化
学(株)製)を樹脂成分として22部溶解し、先の電荷
輸送層上に浸漬塗布法により、保護層を形成し、145
℃の温度で1時間熱風乾燥した。この時得られた保護層
の膜厚は4μmであった。また、保護層調合液の分散性
は良好で、保護層表面はムラのない均一な面であった。
【0078】(実施例2)実施例1と同様にして作製し
た下引き層の上に、下記式で示されるのビスアゾ顔料5
部、
【0079】
【化6】 ポリビニルブチラール樹脂(品名:エスレックBL−
S、積水化学(株))2部及びシクロヘキサノン150
部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で2
0時間分散して得られた液にテトラヒドロフラン200
部を加え、これを浸漬塗布にて塗布した。電荷輸送層及
び保護層は実施例1と同様にして形成した。
【0080】(実施例3)実施例1において電荷発生層
を下記のようにして設けた以外は、実施例1と同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0081】すなわち、下引き層を設けた後に、下記式
で示されるビスアゾ顔料1.5部、
【0082】
【化7】 下記式で示されるポリビニルベンザール(ベンザール化
率80%、重量平均分子量12000)2部
【0083】
【化8】 及びシクロヘキサノン30部をφ1mmのガラスビーズ
を用いたサンドミル装置で25時間分散した後、テトラ
エチルケトン60部を加えて電荷発生層用塗工液を調製
した。この塗工液を前記下引き層上に浸漬塗布し、80
℃で10分間乾燥して電荷発生層を形成した。
【0084】(実施例4)実施例1において、電荷発生
層を以下の様に設けた以外は同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0085】すなわち、CuKα特性X線回折における
ブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2
°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオ
キシチタニウムフタロシアニン結晶10.8部と下記式
で示されるアゾキシ顔料1.2部
【0086】
【化9】 をポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX
−1、積水化学製)10部とシクロヘキサノン250部
に溶解した液に添加し、1mmφのガラスビーズを用い
たサンドミルで分散し、これに下記式で示されるヒンダ
ードフェノール化合物2.2部を添加、溶解した。
【0087】
【化10】
【0088】次いでこの溶液に酢酸エチルを加えて希釈
したものを下引層上に塗布した後、80℃で10分間乾
燥して、膜厚が0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0089】(実施例5〜10)実施例1において、電
荷輸送材料を例示化合物No.1から例示化合物No.
2〜7に代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0090】(実施例11〜16)実施例2において、
電荷輸送材料を例示化合物No.1から例示化合物N
o.2、3、8、30、10及び11に代えた以外は、
実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0091】(実施例17〜22)実施例3において、
電荷輸送材料を例示化合物No.1から例示化合物N
o.2、3、12〜14及び32に代えた以外は、実施
例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0092】(実施例23〜29)実施例4において、
電荷輸送材料を例示化合物No.1から例示化合物N
o.2、3及び16〜20に代えた以外は、実施例4と
同様にして電子写真感光体を作製した。
【0093】(実施例30〜33)実施例1〜4におい
て、保護層を以下のように塗布して設けた以外は同様に
して電子写真感光体を作製した。
【0094】即ち、(3,3,3−トリフルオロプロピ
ル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)で表
面処理(処理量7%)を施したアンチモン含有酸化スズ
微粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)2
0部、メチルヒドロキシシロキサン化合物(商品名:K
F−99、信越化学工業(株)製)で表面処理(処理量
8%)を行ったアンチモン含有酸化スズ微粒子(商品
名:T−1、三菱マテリアル(株)製)30部、エタノ
ール150部を、サンドミルにて66時間かけて分散を
行い、更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均
粒径0.18μm)20部を加えて分散を行い、その
後、フェノール樹脂(商品名:CMK−2400、昭和
高分子(株)製)を樹脂成分として19部並びにヘキサ
メチルテトラミン3部を溶解し、先の電荷輸送層上に浸
漬塗布法により、保護層を形成し、148℃の温度で1
時間熱風乾燥した。この時得られた保護層の膜厚は4μ
mであった。また、保護層調合液の分散性は良好で、保
護層表面はムラのない均一な面であった。
【0095】(比較例1〜4)実施例30〜33におい
て、電荷輸送材料を下記式(B−1)で示される化合物
を用いた以外は、同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0096】
【化11】
【0097】(比較例5〜8)実施例30〜33におい
て、電荷輸送材料を下記式(B−2)で示される化合物
を用いた以外は、同様にして電子写真感光体を作製し
た。
【0098】
【化12】
【0099】(比較例9〜12)実施例1〜4におい
て、保護層の結着樹脂を下記式で示される6官能アクリ
レートを用いた以外は、同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0100】
【化13】
【0101】(比較例13〜16)実施例1〜4におい
て、保護層の塗料溶液にアンチモン含有酸化スズ微粒子
及びポリテトラフルオロエチレン微粒子を加えなかった
以外は、同様にして電子写真感光体を作製した。
【0102】(比較例17〜20)実施例1〜4におい
て、保護層を設けない以外は同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0103】<保護層の抵抗測定>実施例及び比較例に
設けた保護層の体積抵抗の測定は、ポリエチレンテレフ
タレートのシートの上に180μmのギャップを持つ櫛
形電極を蒸着により形成し、その上に保護層調合液を塗
布し、上記保護層作製時と同様の硬化条件により硬化さ
せてサンプルを作製した。
【0104】体積抵抗の測定は、前記サンプルを横河ヒ
ューレットパッカード(株)製PAメーター4140B
を用いて100V印加し測定した。測定環境は、温度/
湿度が23℃/50%RH及び30℃/80%RHの2
条件で行った。その結果を表2に示す。
【0105】
【表11】
【0106】その結果、結着樹脂としにアクリレート樹
脂を用いた保護層(比較例9〜12)は30℃/80%
RHという環境下においては、抵抗が著しく低下する現
象が認められた。更に、保護層に導電性微粒子を含有し
ていない電子写真感光体(比較例13〜16)について
は、抵抗が極端に高いことが認められた。
【0107】<保護層形成後の感光層の変化>実施例1
〜33及び比較例1〜16にて保護層を設けた電子写真
感光体に対して、15°の角度で光を照射しながら透過
型顕微鏡にて亀裂及び電荷輸送材料の析出の発生状況を
観察した。
【0108】評価は10倍の顕微鏡の全視野での亀裂並
びに析出の発生状況で判断し、○、△及び×でランク付
けした。亀裂に関して、○は全く亀裂無し、△は10m
m以下の比較的小さな亀裂が5個以下、×は6個以上の
亀裂個数又は10mmを超える大きな亀裂が発生したこ
とを示す。析出に関しては、○は全く析出無し、△は析
出した電荷輸送材料の結晶が3個以下、×は析出した電
荷輸送材料の結晶が4個以上であることを示す。感光層
の観察結果を表3〜表5に示した。
【0109】<初期の画像品位及び残留電位>実施例、
比較例で作製した電子写真感光体のうち、実施例1、
2、5〜16及び比較例1、2、5、6、9、10、1
3、14、17、18、30、31はキヤノン株式会社
製アナログ複写機NP−6035に装着し、それ以外は
キヤノン株式会社製デジタル複写機GP−215に装着
し、初期のコピー画像品質及び残留電位の評価を行っ
た。評価結果を表3〜表5に示した。
【0110】
【表12】
【0111】
【表13】
【0112】
【表14】
【0113】この結果、保護層にアクリレート樹脂を用
いた電子写真感光体(比較例9〜12)は温度30℃/
湿度80%という環境においては、コピー画像のボケや
流れが認められた。これは、高湿下で保護層が吸湿して
抵抗が下がったために静電潜像を保持できなくなったた
めと考えられる。
【0114】また、電荷輸送材料にB−1あるいはB−
2の化合物を使用した電子写真感光体(比較例1〜8)
においては、シロ筋あるいはクロ筋という画像欠陥が認
められた。これは、保護層を形成した後に感光層に発生
した亀裂に起因するものである。また、電荷輸送材料に
B−1あるいはB−2の化合物を使用した電子写真感光
体(比較例1〜8)においては、画像上にポチが多数見
受けられたが、これは保護層を設けた後に電荷輸送層中
の電荷輸送材料が析出した場所に対応していた。更に、
保護層に導電性微粒子を含有していない電子写真感光体
(比較例13〜16)については、アナログ複写機NP
−6035で評価したものは画像カブリがひどく、デジ
タル複写機GP−215で評価したものはコピー濃度が
極端に薄かった。これは、感光層で発生したキャリアが
高抵抗の保護層中を移動することができず、結果として
電子写真感光体の表面電位が所望の値にならなかったた
めである。
【0115】また、電荷輸送材料に30あるいは32の
化合物を使用した電子写真感光体(実施例14及び22)
においては、保護層を設けた際に電荷輸送層中の電荷輸
送材料がごく微量ではあるが析出していたが、これらの
電子写真感光体を用いて画出しを行ったところ、画像上
にはポチは認められなかった。
【0116】<耐久結果>電子写真感光体の実施例1〜
4、30〜33及び比較例の5〜12、17〜20につ
いては引き続きコピーの繰り返し試験を行い、4万枚ま
で耐久試験を続けた。4万枚耐久試験後のコピー画像、
及び1万枚当たりの電子写真感光体の削れ量平均値を表
6に示した。
【0117】
【表15】
【0118】比較例5〜8の電子写真感光体で初期に見
られたシロ筋もしくはクロ筋は耐久を継続しても消える
ことはなかった。また、比較例17〜20の電子写真感
光体は耐久試験により感光層の削れ及び傷が著しく、3
万枚以上になると感光層上の傷による筋やムラ削れによ
る画像カブリといった画像欠陥が発生した。
【0119】また、比較例9〜12の電子写真感光体に
ついては耐久4万枚終了時点で保護層の一部が完全に削
れて消滅し、感光層上の傷による筋が発生した。これに
対し、実施例1〜4及び30〜33の電子写真感光体に
ついては、耐久終了時まで初期と変わらない高品位の画
像を提供することが可能であり、保護層の削れ量も4μ
m以下であり、電荷輸送層に達するような深い傷の発生
も認められなかった。
【0120】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高度が
高く耐久性に富み、また抵抗の環境依存性が小さい保護
層を、電子写真感光体に亀裂や電荷輸送材料の析出を発
生させること無く形成することができ、更に残留電位も
小さく、初期から繰り返し使用後まで高品位名画像を得
られる電子写真感光体、この電子写真感光体を用いた電
子写真装置、装置ユニット及びファクシミリを提供する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 軸 3 帯電手段 4 露光光 5 現像手段 6 転写手段 7 転写材 8 定着手段 9 クリーニング手段 10 前露光光 11 プロセスカートリッジ 12 案内手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 浩一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊藤 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA05 AA20 AA37 BA22 BB35 BB58 CA37 FA27 2H071 BA13 DA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷
    輸送層をこの順に有する感光層の上に保護層を有する電
    子写真感光体において、該保護層が少なくとも導電性粒
    子及び硬化性フェノール樹脂を含有し、かつ該電荷輸送
    層が電荷輸送材料として下記式(1)で示される化合物
    を少なくとも1種含有することを特徴とする電子写真感
    光体。 【化1】 (式中、X及びYは式(2)又は式(3)で示される基
    を表し、nは0又は1の整数を表す) 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は、ハロゲン原子、置換基を
    有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコ
    キシ基を表し、置換基を有してもよいアリール基あるい
    は置換アミノ基を表し、p及びrは0〜4の整数を表
    す。qはn=0のとき0〜5の整数を表し、n=1のと
    き0〜4の整数を表す。R4は水素原子、置換基を有し
    てもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基
    あるいは置換基を有してもよい複素環基を表し。R5
    びR6は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
    してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリー
    ル基あるいは置換基を有してもよい複素環基を示す。R
    5及びR6は同一でも異なっていてもよく、直接もしくは
    結合基を介して環をなしてもよい。Zは置換基を有して
    もよいアルキレン基を表し、Arは置換基を有してもよ
    いアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示
    す。R7は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
    有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリ
    ール基あるいは置換基を有してもよい複素環基を示す)
  2. 【請求項2】 前記保護層を感光層上に形成する際に、
    保護層を塗布後に加熱処理を施して保護層膜を硬化せし
    める請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記保護層が含有する硬化性フェノール
    樹脂がレゾールタイププレポリマーを用いて形成される
    請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記保護層が溶媒に溶解した塗料を用い
    て形成される請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真
    感光体。
  5. 【請求項5】 前記導電性粒子が金属酸化物粒子である
    請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 R5及びR6における芳香環部分を形成す
    る炭素原子の数の和が15以下である請求項1〜5のい
    ずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写
    真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、
    静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像す
    る現像手段及び転写工程後の電子写真感光体上に残余す
    るトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選
    ばれた少なくとも1つの手段と共に一体に支持し、電子
    写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセ
    スカートリッジ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写
    真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯
    電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成
    する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体に
    トナーで現像する現像手段及び電子写真感光体上のトナ
    ー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴
    とする電子写真装置。
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