JP3937836B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体、電子写真装置及びこれらの装置に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
【0002】
詳しくは、特定の保護層を有し、かつ、特定の構造を有する電荷輸送物質を感光層に含有する電子写真感光体とそれを有する電子写真装置及びプロセスカートリッジ(以下、電子写真装置等と称す)に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、安全性の高い、生産性に優れる、及び安価である等の利点から、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体の研究開発が活発に行われ、これ迄に数多くの提案がされ、実用化されてきている。
【0004】
しかしながら、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーと、2,4,7−トリニトロフルオレンなどから形成される電荷移動錯体とを主成分とする電子写真感光体は、感度、耐久性及び残留電位等の点で必ずしも満足できるものではなかった。
【0005】
一方、電荷発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別々の物質に分担させた機能分離型電子写真感光体が、従来の有機感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善をもたらした。また、機能分離型感光体は、電荷発生物質と電荷輸送物質の各々の材料選択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作成できるという利点を有している。
【0006】
電荷発生物質としては、種々のアゾ顔料、多環キノン顔料、フタロシアニン顔料、シアニン色素、スクエアリック酸染料及びピリリウム塩系色素等が知られている。
【0007】
電荷輸送物質としては、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物及びトリフェニルアミン化合物等が知られている。
【0008】
ところで、近年の高画質化及び高速・高耐久化に伴って、有機電子写真感光体にも異なる機械的耐久性の向上が求められている。
【0009】
また、近年、電子写真感光体を使用したプリンター、複写機及びファクシミリ等は多種多様な分野で使用されるようになり、より様々な環境においても常に安定した画像を提供することが更に厳しく要求されていて、感光層の表面特性に対する化学的、電気的及び機械的衝撃に曝される可能性が高くなり、表面層に対する要求が厳しくなっている。
【0010】
電子写真感光体は上述のような電気的及び機械的外力が直接加えられるために、それらに対する耐久性が求められている。具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生、また、帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等に対する耐久性が要求される。
【0011】
更に、電子写真感光体は、帯電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電等の手段が繰り返し適用される。帯電及び露光により形成された静電潜像はトナーといわれる微粒子状の現像剤によりトナー画像となる。更に、このトナー画像は転写手段により紙等の転写材に転写されるが、全てのトナーが転写されるわけではなく、一部が感光体上に残留する。
【0012】
この残留トナーの量が多いと、転写材の画像は、更に転写不良が生じる所謂ボソ抜け状となり、画像の均一性に欠けるだけでなく、感光体へのトナーの融着やフィルミングの発生という問題が生じる。これらの問題に対して、感光体の表面層の離型性を向上することが求められている。
【0013】
電子写真感光体に要求される上記のような要求を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなされている。中でも、樹脂を主成分とする保護層は数多く提案されている。例えば、特開昭57−30846号公報には樹脂に導電性粉末として金属酸化物を添加することにより体積抵抗率を制御することのできる保護層が提案されている。
【0014】
また、特開平5−181299号公報には熱硬化性フェノール樹脂を保護層用樹脂に使用することが提案されている。
【0015】
電子写真感光体の保護層に金属酸化物を分散するのは、保護層自体の体積抵抗率を制御し、電子写真プロセスの繰り返しに伴う感光体内での残留電位の増加を防止するのがその主な目的であり、一般的な抵抗体としての保護層の適切な体積抵抗率は1010〜10 (Ω・cm)であることが知られている。しかしながら、前記の範囲の体積抵抗率においては、保護層の体積抵抗率はイオン電導によって影響を受け易く、そのために環境の変化によって体積抵抗率が大きく変化する傾向にある。特に、金属酸化物を膜中に分散している場合には、金属酸化物表面の吸水性が高いために、全環境において、しかも、電子写真プロセスの繰り返しを行う際に、保護層の体積抵抗率を前記範囲に保つことはこれまで非常に困難であった。
【0016】
特に、高湿下においては、放置により体積抵抗率が徐々に低下したり、また、帯電により発生するオゾンやNOx等の活性物質が表面に繰り返し付着することにより、感光体表面の体積抵抗率の低下や表面層からのトナーの離型性の低下を引き起こし、所謂画像流れや画像ボケといったような欠陥が発生する、また画像均一性が不十分になる等の問題があった。
【0017】
また、一般的に保護層に粒子を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために、粒子の粒径が入射光の波長よりも小さいこと、即ち、0.3μm以下であることが好ましい。しかし、通常金属酸化物粒子は樹脂溶液中において凝集する傾向があり、均一に分散しにくく、一旦分散しても二次凝集や沈殿が起こり易いので粒径0.3μm以下といった微粒子の良好な分散膜を安定して生産することは非常に困難であった。更に、透明度及び導電均一性を向上させる観点から特に粒径の小さい超微粒子(一次粒径0.1μm以下)を分散することが好ましいが、このような超微粒子の分散性及び分散安定性は更に悪くなる傾向にあった。
【0018】
上記の欠点を補うために、例えば特開平1−306857号公報にはフッ素含有シランカップリング剤、チタネートカップリング剤あるいはC15NCO等の化合物を添加した保護層が、特開昭62−295066号公報には結着樹脂中に、撥水処理することにより分散性及び耐湿性の向上した金属微粉末または金属酸化物微粉末を分散した保護層が、また特開平2−50167号公報には結着樹脂中にチタネートカップリング剤、フッ素含有シランカップリング剤及びアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートで表面処理された金属酸化物微粉末を分散した保護層が提案されている。
【0019】
以上のように様々な提案がなされてはいる。しかしながら、これらの保護層を用いた電子写真感光体においても、未だ近年の高耐久化及び高画質化の要求に応えるべく、安定な電子写真特性を示すものが得られていないのが現状である。
【0020】
即ち、保護層を設けたときの感度低下と残留電位の上昇を防止し、更に繰り返し使用において残留電位変動が十分に抑制され、なおかつ保護層として感光体表面の削れを抑制できる電子写真感光体は得られていない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、保護層を設けたときの感度低下と残留電位の上昇を低く抑え、更に繰り返し使用においても残留電位等の電位変動を少なく抑制でき、なおかつ保護層として感光体表面の削れを抑制できる安定な電子写真特性を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
電子写真感光体及び電子写真装置の特性を決める要因は様々であるが、複数のプロセスを組み合わせて使用することで得られる画像の性質は決してある一部分の特性のみに左右されるものではなく、それぞれのデバイスやプロセスの組み合わせ方で得られる効果は大きく変わるものである。
【0023】
前出のような様々な問題点の解決法の一つとして特定の保護層と、特定の電荷輸送物質を用いた感光層とを組み合わせることで、これらの問題を効率的に改善することが本発明の主旨である。
【0024】
本発明者等は鋭意検討した結果、特定の結着樹脂を含有する保護層と、特定の電荷輸送物質を含有する感光層を組み合わせて用いた電子写真感光体が上記の問題点を効率的に解決することを見出した。
【0025】
そのメカニズムは完全に解明されていないが、これらの組み合わせによって、感光層から保護層への電荷の輸送がスムーズに行える効果により、他の組み合わせよりよい効果が得られたと考えられる。
【0026】
即ち、本発明は導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を積層した感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、該保護層がフェノール樹脂及び下記一般式(6)−(8)で示される置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する電荷輸送物質を含有し、かつ、該電荷輸送層が下記一般式(1)で示される電荷輸送物質を含有することを特徴とする電子写真感光体より構成される。
【0027】
【化10】
(式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArは置換基を有してもよいアリール基を示し、A及びBはそれぞれ置換基として、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基及び置換基を有してもよいアリール基より選ばれる基を1つ以上有してもよいベンゼン環を示す。AとBは置換基を有してもよい炭素原子を介して共同で環を形成してもよい。
【化15】
(式(6)中、R 41 は炭素数1−8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表し、R 42 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。Ar 41 およびAr 42 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を表す。Ar 43 は置換基を有してもよいアリーレン基、2価の置換基を有してもよい複素環基を表す。m4およびn4はそれぞれ0または1である。ただし、n4=0のとき、m4=0である。κおよびλはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。)
【化16】
(式(7)中、R 51 は炭素数1−8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。Ar 51 およびAr 52 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を表す。μおよびνはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。なお、μとνは置換基を介して共同で環をなしてもよい。m5は0または1である。)
【化17】
(式(8)中、R 61 およびR 62 はそれぞれ炭素数1−8の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。Ar 61 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を表す。ξ、π、ρおよびσはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。なお、ξとπ、および、ρとσは置換基を介して共同で環をなしてもよい。m6およびn6はそれぞれ0または1である。)
【0028】
【0029】
上記一般式(1)における置換基等の構造について以下に詳しく説明する。
【0030】
式中、ArAr は置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基である。
【0031】
式中、A及びBが表すベンゼン環が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基などが挙げられる。
【0032】
式中、ArAr が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等の芳香環基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。
【0033】
本発明において、該フェノール樹脂はレゾール型のフェノール樹脂であることが好ましい。
【0034】
【0035】
【0036】
本発明の置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する電荷輸送物質は、上記フェノール樹脂との相溶性が良好で均一に分散された保護層膜を容易に作製できるが、その相溶性をさらに良好にするためにはトリフェニルアミン誘導体であることが必要である
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
発明に用いられる置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する電荷輸送物質は、前記式(6)〜(8)のいずれかで表される特定の構造を有する化合物である。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
前記一般式(6)〜(8)における置換基等の構造について以下に詳しく説明する。
【0052】
式中、R41、R51、R61およびR62はそれぞれ炭素数1〜8の枝分かれしてもよい、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基等の2価の炭化水素基を表す。R42は水素原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基およびナフチルメチル基等のアラルキル基、またはフェニル基を示す。
【0053】
式中、κ、λ、μ、ν、ξ、π、ρおよびσが表すベンゼン環が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基等のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基およびピレニル基等のアリール基、または置換基を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基およびキノリル基等の複素環基を示す。
【0054】
また、μとν、ξとπおよびρとσは共同でそれぞれが結合している置換基等を介して、フルオレン骨格やジヒドロフェナントレン骨格等の環状構造を形成してもよい。
【0055】
Ar41、Ar42、Ar51、Ar52およびAr61は置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基およびナフチルメチル基等のアラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基およびピレニル基等のアリール基、または置換基を有してもよいピリジル基、チエニル基、フリル基およびキノリル基等の複素環基を示す。
【0056】
Ar43は置換基を有してもよいフェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基およびピレニレン基等のアリーレン基、ピリジレン基、またはチエニレン基等の2価の複素環基を示す。
【0057】
式(6)〜(8)において有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基等のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基およびナフチルメチル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基およびジベンゾチオフェニル基等の芳香環基;メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基およびナフトキシ基等のアリールオキシ基;フッ素、塩素、臭素およびヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基およびシアノ基等が挙げられる。
【0058】
本発明の保護層は導電性粒子を含有してもよい。導電性粒子は酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、ITO等の金属酸化物が好ましい。
【0059】
更に、導電性微粒子が表面処理されていてもよく、またドープされていてもよい酸化スズである電子写真感光体が好ましい。
【0060】
該保護層はフッ素原子含有化合物及びシロキサン化合物より選ばれる少なくとも1種類を含有してもよい
【0061】
更に、該保護層は潤滑性粒子を含有することが好ましい。
【0062】
潤滑性粒子はフッ素原子含有樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子及びシリコーン樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
【0063】
該フッ素原子含有化合物は含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及びフッ素系界面活性剤からなる群より選ばれることが好ましい。
【0064】
また、該シロキサン化合物は下記一般式(9)で示されることが好ましい。
【0065】
【化18】
(式中、Gは水素原子またはメチル基であり、かつ、Gの全部における水素原子の割合は0.1〜50%の範囲、nは0または正の整数である。)
【0066】
また、該保護層に用いられるレゾール型フェノール樹脂は、アミン系化合物またはアルカリ金属化合物を用いて製造された樹脂であることが好ましい。
【0067】
本発明は上記の構成の電子写真感光体からなり、これに加えて帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジであるか、または上記の構成の電子写真感光体と、これに加えて帯電手段、像露光手段、現像手段、クリーニング手段及び転写手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明における保護層に用いる結着樹脂である硬化性フェノール樹脂は、一般的にフェノール、クレゾール、キシレノール、各種ビスフェノール類、各種ポリフェノール類等のフェノール化合物とホルムアルデヒドの反応によって得られる樹脂である。フェノール樹脂には2つの型があり、フェノール類に対してホルムアルデヒドを過剰に用いてアルカリ触媒で反応させて得られるレゾール型と、ホルムアルデヒドに対してフェノール類を過剰に用いて酸触媒で反応させて得られるノボラック型に分けられる。
【0069】
本発明においてはどちらのフェノール樹脂も用いることができるが、レゾールタイプのフェノール樹脂を用いることが好ましい。
【0070】
レゾールタイプはアルコール類及びケトン類の溶媒にも可溶であり、加熱することで3次元的に架橋重合して硬化物となる。
【0071】
一般的に工業的には、レゾールは塗料、接着剤、注型品及び積層品用のワニスとして利用されている。
【0072】
本発明に用いられるフェノール樹脂は公知のフェノール樹脂であれば如何なるものを用いてもよく、樹脂を1種類または2種類以上混合して用いることができる。
【0073】
本発明に用いるレゾール型のフェノール樹脂は、その製造工程においてアミン系化合物又は、アルカリ金属化合物を添加して製造された樹脂がより好ましく用いられる。
【0074】
本発明の保護層はこれら熱硬化性フェノール樹脂を溶剤等で溶解または希釈して得た塗料を感光層上に塗工して成膜するが、塗工後に重合反応が起きて硬化層を形成する。重合の形態として、熱による付加及び縮合反応により進行し、保護層を塗工後、加熱することで重合反応を起こし高分子硬化層を生成する。
【0075】
また、本発明の保護層は前記のフェノール樹脂と共に電荷輸送物質を含有して構成される。更に、導電性粒子を含有しても良い。
【0076】
表面層に用いられる導電性粒子としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム、及びカーボンブラック等が挙げられる。
【0077】
本発明においては、上述した各種導電性粒子の中でも透明性の点から金属酸化物を用いることが好ましい。更に、これら金属酸化物の中でも透明性、分散性及び抵抗制御性等の点から酸化スズを用いることが特に好ましい。
【0078】
本発明において用いられる導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下であることが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。
【0079】
本発明において用いられるフッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量分布や粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0080】
本発明で用いられる導電性粒子や潤滑性粒子は溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の公知の分散方法により良く分散し、保護層用塗料とする。
【0081】
この潤滑性粒子を導電性粒子と共に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないように、潤滑性粒子を導電性粒子の分散時に添加したり、また、導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物等で表面処理するとよい。フッ素原子含有化合物を添加または導電性粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有化合物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子と潤滑性粒子の分散性及び分散安定性が格段に向上する。また、フッ素原子含有化合物を添加し導電性粒子を分散した液、または表面処理を施した導電性粒子を分散した液に、潤滑性粒子を分散することによって分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも非常に安定した分散性の良い塗工液が得られる。
【0082】
本発明におけるフッ素原子含有化合物としては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。表1〜3に好ましい化合物例を挙げるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
導電性粒子の表面処理方法としては、導電性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の方法としてはボールミルやサンドミル等の通常の分散手段を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を除去し、導電性粒子表面に固着させればよい。また、必要に応じて、この後更に熱処理を行ってもよい。また、処理液中には反応促進のための触媒を添加することもできる。更に、必要に応じて表面処理後の導電性粒子に更に粉砕処理を施すことができる。
【0087】
導電性粒子に対するフッ素原子含有化合物の割合は、粒子の粒径、形状及び表面積等に影響を受けるが、表面処理済みの導電性粒子全質量に対し、1〜65質量%であることが好ましく、特には1〜50質量%であることが好ましい。
【0088】
更に、本発明においては、より環境安定性のある保護層とするために、前記一般式(3)で示されるシロキサン化合物を導電性粒子分散時に添加したり、この化合物で表面処理を施した導電性粒子を混合することにより、更に環境安定性により優れた保護層を得ることができる。
【0089】
このシロキサン化合物を添加後分散した塗工液、または、これを表面処理した導電性粒子を溶剤に溶かした結着樹脂中に分散することによって、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定した分散性の良い塗工液が得られ、更にこの塗工液より形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に優れた膜が得られる。
【0090】
一般式(9)で示されるシロキサン化合物の分子量は特に制限されるものではないが、表面処理をする場合は、その容易さからは粘度が高過ぎない方がよく、質量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0091】
表面処理の方法としては湿式及び乾式の二通りがある。湿式では導電性粒子を一般式(9)で示されるシロキサン化合物とを溶剤中で分散し、該シロキサン化合物を微粒子表面に付着させる。分散の手段としてはボールミルやサンドミル等一般の分散手段を使用することができる。次に、この分散溶液を導電性粒子表面に固着させる。この熱処理においてはシロキサン中のSi−H結合が熱処理過程において空気中の酸素によって水素原子の酸化が起こり、新たなシロキサン結合ができる。その結果、シロキサンが三次元構造にまで発達し、導電性粒子表面がこの網状構造で包まれる。このように表面処理は、該シロキサン化合物を導電性粒子表面に固着させることによって完了するが、必要に応じて処理後の微粒子に粉砕処理を施してもよい。乾式処理においては、溶剤を用いずに該シロキサン化合物と導電性粒子とを混合し混練を行うことによってシロキサン化合物を微粒子表面に付着させる。その後は湿式処理と同様に熱処理及び粉砕処理を施して表面処理を完了する。
【0092】
保護層の塗料を分散する溶剤としては、フェノール樹脂を良く溶解し、導電性粒子の分散性が良く、更に本発明に用いるフッ素原子含有化合物、フッ素原子含有樹脂粒子及びシロキサン化合物との相溶性や処理性が良好で、更に、保護層の塗料と接触する電荷輸送層に悪影響を与えない溶剤が好ましい。
【0093】
従って、溶剤としてはメタノール、エタノール及び2−プロパノール等のアルコール類、アセトン及びMEK等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類、THF及びジオキサン等のエーテル類、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素類、及びクロロベンゼン及びジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素類等が使用可能である。これらの中でも、フェノール樹脂の形態に最も好適な溶剤はメタノール、エタノール及び2−プロパノール等のアルコール類である。
【0094】
本発明の保護層の塗布方法としては、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピンナー塗布法、ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法及びブレード塗布法等の一般的な塗工方法を用いることができる。
【0095】
本発明の保護層は熱により硬化反応を起こし高い強度を達成できる保護層であり、この硬化反応を保護層塗布後の溶剤乾燥時に同時に行う。従って、乾燥温度は70℃〜300℃が好ましく、更に90℃〜200℃の範囲の温度で乾燥することが好ましい。乾燥時間は好ましくは5分〜5時間、特に好ましくは10分〜2時間の範囲で送風乾燥または静止乾燥下で行うことができる。
【0096】
本発明の保護層の膜厚は、薄過ぎると感光体の耐久性を損ない、厚過ぎると保護層を設けたことによる残留電位が上昇するため、適度な厚さにする必要がある。具体的には0.1μm〜10μmであることが好ましく、0.5μm〜7μmであることがより好ましい。
【0097】
本発明においては、前記保護層中に、帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等を防止する目的で、酸化防止剤の添加剤を加えてもよい。
【0098】
次に、感光層について以下に説明する。
【0099】
本発明の感光体は主に積層構造を有することが好ましい。図1(A)の電子写真感光体は、導電性支持体14の上に電荷発生層13及び電荷輸送層12をこの順に設けており、更に最表面に保護層11を設けている。
【0100】
また、図1の(B)及び(C)のように導電性支持体と電荷発生層の間に、結着層15、更には干渉縞防止等を目的とする下引き層16を設けてもよい。
【0101】
ただし、感光層の層構成は、電荷発生物質と電荷輸送物質の両方を同一の層に含有する単層型、及び支持体側から電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生物質を含有する電荷発生層を順次積層した逆層型を用いることもできる。
【0102】
導電性支持体としては、支持体自身が導電性を持つもの、例えばアルミニウム、アルミニウム合金及びステンレスなどを用いることができ、その他にアルミニウム、アルミニウム合金及び酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有する前記導電性支持体やプラスチック、導電性微粒子(例えばカーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン及び銀粒子など)を適当なバインダーと共にプラスチックや紙に含浸した支持体、及び導電性バインダーを有するプラスチックなどを用いることができる。
【0103】
また、導電性支持体と感光層の間には、バリアー機能と接着機能を持つ結着層(接着層)を設けることができる。
【0104】
結着層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、及び感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。結着層にはカゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムなどによって形成できる。結着層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。
【0105】
本発明に用いられる電荷発生物質としては、(1)モノアゾ、ジスアゾ、及びトリスアゾ等のアゾ系顔料、(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、(3)インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ系顔料、(4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミド等のペリレン系顔料、(5)アンスラキノン及びピレンキノン等の多環キノン系顔料、(6)スクワリリウム色素、(7)ピリリウム塩及びチアピリリウム塩類、(8)トリフェニルメタン系色素、(9)セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無機物質、(10)キナクリドン顔料、(11)アズレニウム塩顔料、(12)シアニン染料、(13)キサンテン色素、(14)キノンイミン色素、(15)スチリル色素、(16)硫化カドミウム及び(17)酸化亜鉛などを用いることができる。
【0106】
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独、混合あるいは共重合体ポリマーとして1種または2種以上用いることができる。
【0107】
電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用する樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール類、スルホキシド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類及び芳香族化合物などを用いることができる。
【0108】
電荷発生層は、前記の電荷発生物質を重量基準で0.3〜4倍量の結着樹脂、及び溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミルなどの方法で良く分散し、塗布し、乾燥して形成される。その膜厚は、5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜1μmであることがより好ましい。
【0109】
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷発生物質を必要に応じて添加することもできる。
【0110】
電荷発生層が感光層の最上層の場合、本発明では更に、この電荷発生層の上に前記保護層を塗布し、硬化させて成膜することで作成される。
【0111】
本発明においては電荷輸送物質として、一般式(1)で示される化合物の少なくとも1種類を含有することが特徴である。これらは1種類でもよく、または2種類以上を混合して用いてもよい。また、公知の電荷輸送物質である各種トリアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化合物、各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合物、各種ピラゾリン系化合物、各種オキサゾール系化合物、各種チアゾール系化合物及び各種トリアリールメタン系化合物等と混合して用いても本発明の効果は変わりなく得られる。
【0112】
電荷輸送層を形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂などから選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
【0113】
電荷輸送層は一般的には前記の電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。電荷輸送物質と結着樹脂との混合割合は重量基準で2:1〜1:2程度である。溶剤としてはアセトン及びメチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチルなどのエステル類、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素などの塩素系炭化水素類などが用いられる。この溶液を塗布する際には、例えば浸漬塗布法、スプレー塗布法及びスピンナー塗布法などの塗布法を用いることができ、乾燥は好ましくは10℃〜200℃、より好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度で、好ましくは5分〜5時間、より好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥または静止乾燥下で行うことができる。
【0114】
電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的に接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キヤリアを受け取ると共に、これらの電荷キヤリアを保護層との界面まで輸送する機能を有している。この電荷輸送層は電荷キヤリアを輸送する限界があるので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、5〜40μmであることが好ましく、特には7〜30μmであることがより好ましい。
【0115】
更に、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷輸送物質を必要に応じて添加することもできる。
【0116】
電荷輸送層が感光層の最上層の場合、本発明では更に、この電荷輸送層の上に前記保護層を塗布し、硬化させて成膜することで作成される。
【0117】
本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置の具体例を図2に示す。この装置は、電子写真感光体101の周面上に一次帯電用部材103、像露光手段104、現像器105、転写手段106が配置されている。102は感光体回転軸である。
【0118】
画像形成の方法は、まず、一次帯電用部材103に電圧を印加し、感光体101表面を帯電し、像露光手段104によって原稿に対応した画像を感光体101表面に像露光し、静電潜像を形成する。次に、現像器105中のトナーを感光体101に付着させることにより感光体101上の静電潜像を現像(可視増加)する。更に、感光体101上に形成されたトナー像を供給された紙などの転写材107上に転写手段106によって転写し、転写材に転写されずに感光体101上に残った残トナーをクリーナー等で回収する。
【0119】
近年、クリーナーレスシステムも研究され、残トナーを直接、現像器で回収することもできる。更に、前露光手段110からの前露光により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、前露光手段は必ずしも必要ではない。
【0120】
この電子写真装置において、像露光手段104の光源はハロゲン光、蛍光灯、レーザー光及びLEDなどを用いることができる。また、必要に応じて他の補助プロセスを加えてもよい。
【0121】
本発明において、上述の感光体101、1次帯電手段103、現像手段105及びクリーニング手段109等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の電子写真装置本体に応じて着脱可能に構成してもよい。
【0122】
例えば1次帯電手段103、現像手段105及びクリーニング手段109の少なくとも1つを感光体101と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレール112等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ111とすることができる。また、画像露光104は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、信号化された原稿を、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0123】
次に、本発明で用いられる一般式(1)で示される電荷輸送物質の具体例を以下に示す。ただし、本発明の電荷輸送物質はこれらに限定されるものではない。
【0124】
【表4】
【0125】
【表5】
【0126】
【表6】
【0127】
【表7】
【0128】
【表8】
【0129】
【表9】
【0130】
【表10】
【0131】
【表11】
【0132】
【表12】
【0133】
【表13】
【0134】
【表14】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
次に、本発明で用いられる一般式(6)〜一般式(8)で示される電荷輸送物質の具体例を以下に示す。ただし、本発明の電荷輸送物質はこれらに限定されるものではない。
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【表26】
【0148】
【表27】
【0149】
【表28】
【0150】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0151】
参考例1
長さ260.5mm、直径30mm、シリンダー部の厚み1.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウムの合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬塗布法により塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層を設けた。
【0152】
次に、下記構造式のジスアゾ顔料4質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)2質量部及びシクロヘキサノン80質量部からなる混合溶液をサンドミルで52時間分散した後、MEK80質量部を加えて電荷発生層用塗工液を調製した。この塗工液を上記下引き層が形成されたアルミニウム支持体上に浸漬塗布法により塗布し、90℃で10分間加熱乾燥して、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
【0153】
【化19】
【0154】
次に、前記一般式(1)で示される電荷輸送物質として、化合物例(1)−3で表される化合物40質量部とポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)50質量部をクロロベンゼン280質量部とジメトキシメタン70質量部に溶解して調製した溶液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布法により塗布し、110℃で1時間加熱乾燥して、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0155】
次に、保護層として、平均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)100質量部を下記構造式のフッ素原子含有化合物(商品名:LS−1090、信越シリコーン(株)製)7質量部で表面処理した(以下、処理量:7%と表す)、処理済み酸化スズ微粒子50質量部と、
【0156】
【化20】
エタノール150質量部をサンドミルで60時間分散を行い、その後更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径:0.18μm)20質量部を加えて8時間分散を行った。その後、レゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−4804;アミン系触媒使用、群栄化学工業(株)製)を樹脂成分として30質量部を溶解し良く撹拌して保護層用塗料とした。
【0157】
この塗料を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により保護層を形成した後、145℃で1時間熱風乾燥して膜厚が3μmの保護層を作製した。
【0158】
保護層用塗料の分散状態は良好で、作製された保護層はムラのない均一な膜であった。
【0159】
得られた電子写真感光体を以下の方法で評価した。
【0160】
電子写真特性の評価は、レーザービームプリンター(商品名:LBP−NX、キヤノン(株)製)の改造機に取り付けて行った。電子写真感度として、暗部電位(Vd)が−700(V)になるように帯電設定をし、これに波長780(nm)のレーザー光を照射して−700(V)の電位を明部電位(Vl)として−200(V)まで下げるのに必要な光量を測定し感度とした。更に、20μJ/cmの光量を照射した場合の電位を残留電位Vrとして測定した。
【0161】
更に、同様のレーザービームプリンターを用いて、5000枚の通紙耐久後に同様に、残留電位を測定した。
【0162】
感光体の表面層の削れ量は、渦電流式膜厚測定装置(商品名:パーマスコープ、フィッシャーインスツルメンツ社製)を用いて初期と5000枚の通紙耐久後の膜厚の差から求めた。
【0163】
評価の結果を表4に示す。
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
【0203】
参考例2
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0204】
保護層として参考例1で作製した保護層用塗料において使用したレゾール型フェノール樹脂をPL−4804を、ノボラック型フェノール樹脂(商品名:CMK−2400;昭和高分子(株)製)に代え、更に硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを1.5質量部添加した以外は参考例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0205】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0206】
結果を表4に示す。
【0207】
参考例3
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0208】
次に、樹脂成分としてレゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−4852、群栄化学工業(株)製、アミン系触媒使用)40質量部(不揮発分:75%)、保護層に用いる電荷輸送物質として下記構造式(3)の化合物21質量部と、エタノール102質量部を溶解し4時間攪拌して保護層用塗料とした。
【化24】
【0209】
この塗料を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により膜を形成した後、145℃、1時間熱風乾燥して膜厚3μmの保護層を形成した。
【0210】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0211】
結果を表4に示す。
【0212】
【0213】
【0214】
【0215】
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
実施例1
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0228】
次に、参考例3で用いた保護層に用いる電荷輸送物質に代えて、前記化合物No.(39)で示される化合物21質量部と、エタノール102質量部を溶解して保護層用塗料とした。
【0229】
この塗料を参考例3と同様に電荷輸送層上に塗布し、膜厚3μmの保護層を形成した。
【0230】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0231】
結果を表4に示す。
【0232】
実施例2
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0233】
次に、参考例3で用いた保護層に用いる電荷輸送物質に代えて、前記化合物No.(49)で示される化合物21質量部と、エタノール102質量部を溶解して保護層用塗料とした。
【0234】
この塗料を参考例3と同様に電荷輸送層上に塗布し、膜厚3μmの保護層を形成した。
【0235】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0236】
結果を表4に示す。
【0237】
実施例3
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0238】
次に、参考例3で用いた保護層に用いる電荷輸送物質に代えて、前記化合物No.(56)で示される化合物21質量部と、エタノール102質量部を溶解して保護層用塗料とした。
【0239】
この塗料を参考例3と同様に電荷輸送層上に塗布し、膜厚3μmの保護層を形成した。
【0240】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0241】
結果を表4に示す。
【0242】
参考例4
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0243】
次に、参考例3で用いた樹脂成分に代えてレゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−2407、群栄化学工業(株)製、アミン系触媒使用)50質量部(不揮発分:60%)、保護層に用いる電荷輸送物質として前記構造式(3)の化合物21質量部と、エタノール82質量部を溶解し4時間攪拌して保護層用塗料とした。
【0244】
この塗料を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により膜を形成した後、145℃、1時間熱風乾燥して膜厚3μmの保護層を形成した。
【0245】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0246】
結果を表4に示す。
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
【0257】
実施例4
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0258】
次に、参考例4で用いた保護層に用いる電荷輸送物質に代えて、前記化合物No.(59)で示される化合物21質量部と、エタノール82質量部を溶解して保護層用塗料とした。
【0259】
この塗料を参考例3と同様に電荷輸送層上に塗布し、膜厚3μmの保護層を形成した。
【0260】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0261】
結果を表4に示す。
【0262】
参考例5
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0263】
ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径:0.18μm)26質量部、参考例1で用いたフッ素原子含有化合物(商品名:LS−1090、信越シリコーン(株)製)2質量部、エタノール300質量部を混合し、サンドミルにて60時間分散して分散液を得た。
【0264】
ついで、樹脂成分としてレゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−4852、群栄化学工業(株)製、アミン系触媒使用)40質量部(不揮発分:75%)、保護層に用いる電荷輸送物質として前記構造式(3)の化合物21質量部と、上記のポリテトラフルオロエチレン分散液164質量部を混合して4時間攪拌して保護層用塗料とした。
【0265】
この塗料を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により膜を形成した後、145℃、1時間熱風乾燥して膜厚3μmの保護層を形成した。
【0266】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0267】
結果を表4に示す。
【0268】
【0269】
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
【0274】
【0275】
【0276】
【0277】
【0278】
【0279】
【0280】
【0281】
実施例5
参考例1と同様のアルミニウムシリンダーに、参考例1と同様の方法で下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0282】
次に、参考例5で用いた保護層に用いる電荷輸送物質に代えて、前記化合物No.(60)で示される化合物21質量部用いた以外は参考例5と同様にして保護層用塗料とした。
【0283】
この塗料を参考例3と同様に電荷輸送層上に塗布し、膜厚3μmの保護層を形成した。
【0284】
得られた電子写真感光体を参考例1と同様に評価した。
【0285】
結果を表4に示す。
【0286】
【表29】
【0287】
(比較例1〜5)
参考例1において用いた電荷輸送物質(化合物例(1)−3)の代わりに、下記構造式で表される比較化合物1〜5に代えた以外は参考例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0288】
【化21】
結果を表5に示す。
【0289】
(比較例6〜10)
参考例5において用いた電荷輸送物質(化合物例(1)−3)の代わりに、上記構造式で表される比較化合物1〜5に代えた以外は参考例5と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0290】
結果を表5に示す。
【0291】
(比較例11)
参考例1における保護層の代わりに、参考例1で用いた処理済み酸化スズ微粒子50質量部と1,4−ジオキサン150質量部をサンドミルで66時間かけて分散を行い、更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20質量部を加えて、更に12時間サンドミルで分散を行った。その後、樹脂成分として熱硬化性フェノール樹脂の代わりにPMMA(商品名:J−899、星光化学社製)30質量部を溶解し、更に1時間サンドミルで分散を行い保護層用塗料とした。
【0292】
この塗料を用いて、電荷輸送層上にスプレー塗布法により膜を形成した後、100℃で30分間熱風乾燥して膜厚が3μmの保護層を形成した。
【0293】
参考例1と同様に評価した。
【0294】
結果を同様に表5に示す。
【0295】
(比較例12)
参考例1において用いたレゾール型フェノール樹脂を下記構造式[化22]のアクリルモノマーに代え、光重合開始剤として2−メチルチオキサントン2質量部を添加して溶解させて保護層用塗料を作製した。
【0296】
【化22】
【0297】
この塗料を前記電荷輸送層上に浸漬塗布法により塗布膜を形成させ、つづいて高圧水銀灯にて800mW/cmの光強度で60秒間光硬化を行い、その後120℃で2時間熱風乾燥して膜厚が3μmの保護層を形成した。それ以外は参考例1と全く同様に電子写真感光体を作製し、評価した。
【0298】
結果を表5に示す。
【0299】
(比較例13)
参考例2において作製した電子写真感光体の保護層において、保護層用塗料に硬化剤のヘキサメチレンテトラミンを添加せずに保護層を塗工し、参考例2と同様の条件で熱処理を施して保護層を形成した以外は参考例2と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
【0300】
この保護層は十分熱硬化していないことが確認された。
【0301】
結果を表5に示す。
【0302】
(比較例14)
参考例1において保護層を塗布しなかった以外は、参考例1と全く同様に行った。
【0303】
表4及び5に示すように、本発明の電子写真感光体を用いることにより、保護層を有する電子写真感光体として表面の削れを大幅に抑制し、なおかつ保護層を施したことに伴う感度の低下や、残留電位の上昇を少なく抑え、更に耐久使用した場合の残留電位の変動を小さく抑えることができる。
【0304】
【表30】
【0305】
【発明の効果】
本発明の特定の保護層と、特定の電荷輸送物質を含有する感光層を組み合わせて用いた電子写真感光体が、保護層を設けたときの感度低下と残留電位の上昇を低く抑え、更に繰り返し使用においても残留電位等の電位変動を少なく抑制でき、なおかつ保護層として感光体表面の削れを抑制できる安定な電子写真特性を有する電子写真感光体及び電子写真装置等を提供することができる。
【0306】
また、上記の電子写真感光体を電子写真装置及びプロセスカートリッジに装着して同様に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子写真感光体の層構成例。
【図2】 電子写真装置の具体例。
【符号の説明】
11 保護層
12 電荷輸送層
13 電荷発生層
14 導電性支持体
15 結着層
16 下引き層
101 電子写真感光体
102 感光体回転軸
103 一次帯電器
104 像露光
105 現像器
106 転写帯電器
107 転写材(紙など)
108 定着
109 クリーナー
110 前露光
111 プロセスカートリッジ
112 カートリッジ用本体ガイド

Claims (8)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を積層した感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、該保護層がフェノール樹脂及び下記一般式(6)−(8)で示される置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する電荷輸送物質を含有し、かつ、該電荷輸送層が下記一般式(1)で示される電荷輸送物質を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    (式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArは置換基を有してもよいアリール基を示し、A及びBはそれぞれ置換基として、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基及び置換基を有してもよいアリール基より選ばれる基を1つ以上有してもよいベンゼン環を示す。AとBは置換基を有してもよい炭素原子を介して共同で環を形成してもよい。)
    (式(6)中、R41は炭素数18の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表し、R42は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。Ar41およびAr42は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を表す。Ar43は置換基を有してもよいアリーレン基、2価の置換基を有してもよい複素環基を表す。m4およびn4はそれぞれ0または1である。ただし、n4=0のとき、m4=0である。κおよびλはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。)
    (式(7)中、R51は炭素数18の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。Ar51およびAr52は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を表す。μおよびνはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。なお、μとνは置換基を介して共同で環をなしてもよい。m5は0または1である。)
    (式(8)中、R61およびR62はそれぞれ炭素数18の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。Ar61は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を表す。ξ、π、ρおよびσはそれぞれ置換基としてハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を1つ以上有してもよいベンゼン環を表す。なお、ξとπ、および、ρとσは置換基を介して共同で環をなしてもよい。m6およびn6はそれぞれ0または1である。)
  2. 前記保護層に含有されるフェノール樹脂がレゾール型である請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記保護層が潤滑性粒子を含有する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記潤滑性粒子が、フッ素原子含有樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子及びシリコーン樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種類である請求項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記保護層に含有されるレゾール型フェノール樹脂が、アミン系化合物を用いて製造された樹脂である請求項2に記載の電子写真感光体。
  6. 前記保護層に含有されるレゾール型フェノール樹脂が、アルカリ金属化合物を用いて製造された樹脂である請求項2に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体と、これに加えて帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体と、これに加えて帯電手段、像露光手段、現像手段、クリーニング手段及び転写手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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