JP2002006527A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2002006527A
JP2002006527A JP2000186201A JP2000186201A JP2002006527A JP 2002006527 A JP2002006527 A JP 2002006527A JP 2000186201 A JP2000186201 A JP 2000186201A JP 2000186201 A JP2000186201 A JP 2000186201A JP 2002006527 A JP2002006527 A JP 2002006527A
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Yosuke Morikawa
陽介 森川
Kimihiro Yoshimura
公博 吉村
Koichi Nakada
浩一 中田
Hiroshi Saito
宏 齊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポジゴーストもなく、高温/高湿環境下での耐
久においても電位変動も少なく、耐摩耗性に優れ、高品
位の画像を安定に供給できる電子写真感光体の提供、さ
らにその用途を提供する。 【解決手段】導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、
電荷輸送層および保護層を順次配置した電子写真感光体
において、前記保護層がフェノール樹脂を含有し、か
つ、前記電荷輸送層中の電荷輸送物質の酸化電位Eox(CT
M)が式(1)を満足することを特徴とする電子写真感光
体にすることにより、 0.58(V)≦ Eox(CTM) ≦ 0.83(V)
(1) 上記問題を解決できた。必要に応じてその他にフッ素原
子含有化合物、フッ素原子含有樹脂粒子またはシロキサ
ン化合物を含有する。さらに電荷輸送層の膜厚が5μm
以上、24μm以下、より好ましくは、10μm以上、
24μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電
子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、帯電、露光、現像、
転写、クリーニング及び除電等の手段が繰り返し適用さ
れる。帯電及び露光により形成された静電潜像はトナー
を入れる微粒子状の現像剤によりトナー画像となる。さ
らにこのトナー画像は転写手段により紙等の転写材に転
写される。
【0003】また、電子写真感光体は上述のような電気
的および機械的外力が直接加えられるために、それらに
対する耐久性が求められている。具体的には、摺擦によ
る表面の磨耗や傷の発生、また、帯電時に発生するオゾ
ンやNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等に対
する耐久性が要求される。
【0004】電子写真感光体に要求される上記のような
要求を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなさ
れている。なかでも、樹脂を主成分とする保護層は数多
く提案されている。例えば、特開昭57―30846号
公報には樹脂に導電性粉末として金属酸化物を添加する
ことにより抵抗を制御することのできる保護層が提案さ
れている。
【0005】電子写真感光体の保護層に金属酸化物を分
散するのは、保護層自体の電気抵抗を制御し、電子写真
プロセスの繰り返しに伴う感光体内での残留電位の増加
を防止するのがその主な目的であり、他方、電子写真感
光体用の保護層の適切な抵抗値は1010〜1015Ω・c
mであることが知られている。しかしながら、前記の範
囲の抵抗値においては、保護層の電気抵抗はイオン電導
によって影響を受けやすく、そのために環境の変化によ
って電気抵抗が大きく変化する傾向にある。特に金属酸
化物を膜中に分散している場合には、金属酸化物表面の
吸水性が高いために、全環境において、しかも、電子写
真プロセスの繰り返しを行う際に、保護層の抵抗を前記
範囲に保つことはこれまで非常に困難であった。
【0006】特に高湿下においては、放置により抵抗が
徐々に低下したり、また、帯電により発生するオゾンや
NOx等の活性物質が表面に繰り返し付着したりすること
により、感光体表面の抵抗の低下や表面層からのトナー
の離型性の低下を引き起こし、画像流れが発生する、画
像均一性が不十分になる等の問題があった。表面保護層
のない感光体においては、上記の感光体表面への付着物
や劣化物を感光層表面と同時に削り取ることにより、画
像流れの発生を抑制している。しかしながら、表面保護
層を有する感光体においては、感光層に比べると削れ量
が極端に少なく、帯電により発生するオゾンやNOx等の
活性物質が表面に繰り返し付着するとそれらの活性分子
を保護層と同時に除去することは難しく、表面抵抗を下
げ画像ボケの原因となる。
【0007】また、一般的に保護層に粒子を分散させる
場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために、粒子
の粒径が入射光の波長よりも小さいこと、即ち、0.3
μm以下であることが好ましい。しかし、通常金属酸化
物粒子は樹脂溶液中において凝集する傾向があり、均一
に分散しにくく、一旦分散しても二次凝集や沈殿がおこ
りやすく、粒径0.3μm以下という微粒子の良好な分
散膜を安定して生産することは非常に困難であった。さ
らに透明度、導電均一性を向上させる観点から特に粒径
の小さい超微粒子(一次粒径0.1μm以下)を分散す
ることが好ましいが、このような超微粒子の分散性、分
散安定性はさらに悪くなる傾向にあった。
【0008】上記の欠点を補うために、例えば特開平1
―306857号公報にはフッ素含有シランカップリン
グ剤、チタネートカップリング剤あるいはC7F15NCO等の
化合物を添加した保護層が、特開昭62―295066
号公報には結着樹脂中に、撥水処理することにより分散
性及び耐湿性の向上した金属微粉末または金属酸化物微
粉末を分散した保護層が、特開平2―50167号公報
には結着剤樹脂中にチタネートカップリング剤、フッ素
含有シランカップリング剤及びアセトアルコキシアルミ
ニウムジイソプロピレートで表面処理された金属酸化物
微粉末を分散した保護層が提案されている。
【0009】さらに、これらの保護層においても、保護
層に用いられる結着剤樹脂そのものの離型性、摺擦によ
る磨耗や傷に対する耐久性が十分ではなく、未だ近年の
高画質に応える保護層として満足できる電子写真特性を
示すものが得られていないのが現状である。
【0010】また、感光層上に保護層を有する電子写真
感光体においては、通常感光体のみの場合に比べて残留
電位が上昇し、そのため反転現像時はネガゴーストにな
りやすいが、保護層にフェノール樹脂を用いる場合は、
なぜだか理由は定かではないが逆にポジゴーストとなる
場合があった。さらに、ある条件下においては、耐久に
より電位が徐々に下がっていく、所謂、立ち下がり現象
も起こり、濃度が濃くなりすぎる濃度UPや画像ボケ等
の問題もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は第一
に、優れた離型性を有し、磨耗や傷の発生に対して優れ
た耐久性を有する表面層を有し、高品位の画質を保つこ
との出来る電子写真感光体を提供すること、第二にポジ
ゴーストもなく、耐久による電位変動もなく、初期、耐
久を通して高品位の画質を高安定に保つことのできる電
子写真感光体を提供することである。更に該電子写真感
光体を有するプロセスカートリッジ並びに電子写真装置
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
について検討を重ねた。
【0013】従って、本発明は、導電性支持体上に少な
くとも電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を順次配置し
た電子写真感光体において、該保護層がフェノール樹脂
を含有し、かつ、前記電荷輸送層中の電荷輸送物質の酸
化電位Eox(CTM)が式(1)を満足することとしている。 0.58(V)≦ Eox(CTM) ≦ 0.83(V) (1) また、耐久による削れやキズを減らすためにフェノール
樹脂が硬化型であることがより好ましい。
【0014】また、本発明は、前記電子写真感光体、お
よび帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる
群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、
電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッ
ジから構成することとしている。
【0015】また、本発明は、前記電子写真感光体、帯
電手段、露光光手段、現像手段、及び転写手段を有する
電子写真装置から構成することとしている。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において、保護層に用いら
れる結着樹脂としては、フェノール樹脂を用いる。フェ
ノール樹脂は、硬化性の樹脂と可塑性の樹脂があるが、
本発明においては、耐久による削れやキズにより強い硬
化性のフェノール樹脂を用いることがより好ましい。さ
らに、調合液の安定性や生産性を考慮し、熱硬化型のレ
ゾール型フェノール樹脂を用いることがより好ましい。
通常、レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類化合
物とアルデヒド類化合物をアルカリ触媒下で製造され
る。
【0017】これに用いられる主なるフェノール類とし
ては、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラア
ルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシ
ン、ビスフェノールなどであるが、これらに限定される
ものではない。また、アルデヒド類としては、ホルムア
ルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセ
トアルデヒド等あるが、これらに限定されるものではな
い。これらのフェノール類とアルデヒド類をアルカリ触
媒下で反応させ、モノメチロールフェノール類、ジメチ
ロールフェノール類、トリメチロールフェノール類のモ
ノマー、及びそれらの混合物、又はそれらをオリゴマー
化されたもの、およびモノマーとオリゴマーの混合物を
作製する。このうち、分子の構造単位の繰り返しが2〜
20程度の比較的大きな分子がオリゴマー、それ以下の
ものがモノマーである。この時用いられるアルカリ触媒
として、NaOH、KOH、Ca(OH)2等のアルカリ金属及びアル
カリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる
が、高湿下での抵抗の変動を考慮するとアミン系触媒を
用いることがより好ましい。アミン系触媒として、アン
モニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等ある
が、これらに限定されるものではない。本発明において
は、溶液の安定性よりアンモニアを除くアミン系触媒を
用いることがより好ましい。
【0018】本発明において、残留電位を下げるために
保護層に導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子とし
ては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げ
られるが、金属または金属酸化物がより好ましい。金属
としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケ
ル、銀及びステンレス等、またはこれらの金属をプラス
チックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金
属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、
酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズ
をドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルを
ドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化
ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いるこ
とも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2
種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、
固溶体や融着の形にしてもよい。
【0019】本発明において用いられる導電性粒子の平
均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下、特に
0.1μm以下が好ましい。また、本発明においては、
上述した導電性粒子の中でも透明性の点で金属酸化物を
用いることが特に好ましい。
【0020】本発明におけるフッ素原子含有化合物とし
ては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリ
コーンオイル、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。表
1〜3に好ましい化合物例をあげるが、本発明はこれら
の化合物に限定されるものではない。フッ素原子含有化
合物の添加方法は、単純に分散時に添加する方法や導電
性粒子に表面処理する方法等あるが、本発明はこれらの
添加方法に限定されるものではない。これらフッ素原子
含有化合物を含有することにより、アルコール系溶媒で
も分散可能となり、感光体上に浸漬塗布できるようにな
った。
【0021】本発明において用いられる潤滑性粒子とし
ては、フッ素原子含有樹脂粒子、シリコン粒子、シリコ
ーン粒子が好ましく、より好ましくはフッ素原子含有樹
脂粒子である。更に、これらを2種以上混合してもよ
い。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレ
ン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロ
ピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹
脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およびこれらの共重合
体のなかから1種あるいは2種以上を適宜選択するのが
好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニ
リデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径
は適宜選択することができ、特に制限されるものではな
い。
【0022】また、前記フッ素原子含有化合物は、導電
性粒子の分散時に添加したり、また、導電性粒子の表面
をフッ素原子含有化合物で表面処理したりすることによ
り、上記フッ素原子含有樹脂粒子を導電性粒子と共に相
互の粒子を凝集させないようにする役割もある。
【0023】フッ素原子含有化合物を添加または導電性
粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有化合
物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子とフ
ッ素原子含有樹脂粒子の分散性及び分散安定性が格段に
向上した。また、フッ素原子含有化合物を添加し導電性
粒子を分散した液、または表面処理を施した導電性粒子
を分散した液に、フッ素原子含有樹脂粒子を分散するこ
とによって分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的に
も非常に安定した分散性のよい塗工液が得られる。
【0024】導電性粒子の表面処理方法としては、導電
性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、
表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の方法
としてはボールミル、サンドミル等の通常の分散手段を
用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を除
去し、導電性粒子表面に固着させればよい。また、必要
に応じて、この後さらに熱処理を行ってもよい。また、
処理液中には反応促進のための触媒を添加することもで
きる。更に、必要に応じて表面処理後の導電性粒子に更
に粉砕処理を施すことができる。
【0025】導電性粒子に対するフッ素原子含有化合物
の割合は、粒子の粒径にも影響を受けるが、表面処理済
みの導電性粒子全質量に対し、1〜65質量%、好まし
くは1〜50質量%である。表面処理量の測定は、表面
処理された金属または金属酸化物粒子をTG−DTAで
505℃に加熱した後の質量変化量から、または、るつ
ぼを用いる強熱減量法で500℃/2時間後の質量変化
量から求められる。
【0026】以上のように、フッ素原子含有化合物を添
加した後導電性粒子を分散する、または、フッ素原子含
有化合物によって表面処理された導電性粒子を用いるこ
とにより、フッ素原子含有樹脂粒子の分散が安定し、滑
り性、離型性に優れた保護層を形成することができる。
しかしながら、最近のカラー化、高画質化、高安定化が
進み、より環境に対する安定化を求めるようになり、保
護層にもより一層の環境安定性を求めるようになってき
た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】 R:アルキル基、アリル基、アラルキル基 X:―CF3,―C49,―C817等のフッ化カーボン
【0030】さらに、本発明においては、より環境安定
性のある保護層とするために、一般式(1)[化2]で
示されるシロキサン化合物を導電性粒子分散時に添加し
たり、または、予め表面処理を施した導電性粒子を混合
したりすることにより、さらに環境安定性により優れた
保護層を得ることができた。
【0031】
【化2】 (式中、Aは水素原子またはメチル基であり、かつ、A
の全部における水素原子の割合は0.1〜50質量%の
範囲、nは0以上の整数である。)
【0032】このシロキサン化合物を添加後分散した塗
工液、または、これを表面処理した導電性金属酸化物微
粒子を溶剤に溶かした結着剤樹脂中に分散することによ
って、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安
定した分散性の良い塗工液が得られ、更にこの塗工液よ
り形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に特に優れ
た膜が得られた。さらに、保護層に用いる樹脂が硬化型
フェノール樹脂の場合、保護層の膜厚又はその他の条件
により、スジ状のムラになったりセルを形成したりする
場合もみられるが、前述のシロキサン化合物を添加、又
はこれを表面処理した導電性微粒子を用いることによ
り、スジ状のムラやセルの形成を抑制することができ、
レベリング剤の効果という予期せぬ効果もあった。
【0033】一般式(1)で示されるシロキサン化合物
の分子量は特に制限されるものではないが、表面処理を
する場合は、その容易さからは粘度が高すぎない方がよ
く、重量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0034】表面処理の方法としては湿式、乾式の二通
りがある。湿式では導電性粒子を一般式(1)で示され
るシロキサン化合物とを溶剤中で分散し、該シロキサン
化合物を微粒子表面に付着させる。分散の手段としては
ボールミル、サンドミル等一般の分散手段を使用するこ
とができる。次に、この分散溶液を導電性粒子表面に固
着させる。この熱処理においてはシロキサン中のSi―H
結合が熱処理過程において空気中の酸素によって水素原
子の酸化が起こり、新たなシロキサン結合ができる。そ
の結果、シロキサンが三次元構造にまで発達し、導電性
粒子表面がこの網状構造で包まれる。このように表面処
理は、該シロキサン化合物を導電性粒子表面に固着させ
ることによって完了するが、必要に応じて処理後の微粒
子に粉砕処理を施してもよい。乾式処理においては、溶
剤を用いずに該シロキサン化合物と導電性粒子とを混合
し混練を行うことによってシロキサン化合物を微粒子表
面に付着させる。その後は湿式処理と同様に熱処理、粉
砕処理を施して表面処理を完了する。
【0035】本発明における導電性粒子に対するシロキ
サン化合物の割合は、微粒子の粒径やシロキサン中のメ
チル基と水素原子の比率等に依存するが、1〜50質量
%、好ましくは3〜40質量%である。
【0036】本発明においては、前記保護層中に、分散
性、結着性、耐候性を向上させる目的でカップリング
剤、酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。
【0037】本発明における保護層に用いられる樹脂
は、フェノール樹脂であり、好ましくは硬化型であり、
より好ましくは熱硬化型である。熱硬化型フェノール樹
脂を用いるときは、感光層上に塗布した後に通常熱風乾
燥炉等で硬化させる。この時の、硬化温度は、100℃
から200℃、好ましくは、120℃から180℃であ
る。また、保護層の膜厚は、0.5μm〜10μm、好
ましくは、1μm〜7μmである。
【0038】次に、感光層について説明する。本発明の
感光体は積層構造を有する。図1aの電子写真感光体
は、導電性支持体4の上に電荷発生層3、電荷輸送層2
が順に設けており、更に最表面に保護層1を設けてい
る。また、図1のb、cの様に導電性支持体と電荷発生
層の間に、結着層5、更には干渉縞防止等を目的とする
下引き層6を設けてもよい。
【0039】導電性支持体4としては、支持体自身が導
電性を持つもの、例えばアルミニウム、アルミニウム合
金、ステンレスなどを用いることができ、その他にアル
ミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化ス
ズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有す
る前記導電性支持体やプラスチック、導電性微粒子(例
えばカーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン、銀粒子
など)を適当なバインダーとともにプラスチックや紙に
含浸した支持体、導電性バインダーを有するプラスチッ
クなどを用いることができる。
【0040】また、導電性支持体と感光層の間には、バ
リアー機能と接着機能を持つ結着層(接着層)を設ける
ことができる。
【0041】結着層は感光層の接着性改良、塗工性改
良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの
電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護など
のために形成される。結着層にはカゼイン、ポリビニル
アルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸
コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタ
ン、ゼラチン、酸化アルミニウムなどによって形成でき
る。結着層の膜厚は、5μm以下が好ましく、0.2〜
3μmがより好ましい。
【0042】本発明に用いられる電荷発生材料として
は、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、多
環キノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、アズ
レニウム塩顔料、ピリリウム染料、チオピリリウム染
料、スクアリリウム染料、シアニン染料、キサンテン色
素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素、スチ
リル色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリ
コン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などが挙げられる。
【0043】電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用す
る樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択さ
れるが、有機溶剤としてはアルコール類、スルホキシド
類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲ
ン化炭化水素類または芳香族化合物などを用いることが
できる。
【0044】電荷発生層3は、前記の電荷発生物質を質
量基準で0.3〜4倍量の結着剤樹脂、および溶剤と共
に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミ
ル、アトライター、ロールミルなどの方法でよく分散
し、塗布、乾燥されて形成される。その厚みは、5μm
以下、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0045】電荷輸送物質としては、ヒドラゾン系化合
物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、オキサゾ
ール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタ
ン系化合物、ポリアリールアルカン系化合物などを用い
ることができる。 これらの電荷輸送材の酸化電位Eox(C
TM)は、式(1)を満足することが望ましい。
【0046】 0.58(V)≦ Eox(CTM) ≦ 0.83(V) (1) 電荷輸送材の酸化電位が高すぎると、通常では残留電位
が上昇し、反転現像系ではネガゴーストが発生しやすく
なるが、なぜだか理由は定かではないが、感光層に保護
層をつけたとき、特に保護層にフェノール樹脂を用いた
とき、逆にポジゴーストとなる問題があった。しかしな
がら、本発明者らが検討した結果、保護層の下層である
電荷輸送層中の電荷輸送材の酸化電位が0.83V以下
のときにポジゴーストが見えなくなることを見出した。
もちろん、ネガゴーストもなかった。
【0047】しかしながら、電荷輸送材の酸化電位を
0.58Vより下げすぎると、耐久による電位の立ち下
がりが大きくなる問題が起こった。特に、高温高湿下に
おいて著しかった。更に、保護層を有するものは、その
影響をうけにくいものの耐久により発生した傷が電荷輸
送層にまで達した時は、その傷部で酸化され、画像ボケ
や画像流れが生じる問題もあった。以上のことより、本
発明者らは、電荷輸送材の酸化電位を式(1)の範囲に
することにより、それらの問題を解決でき、良好な画像
を安定に得られることを見出した。
【0048】電荷輸送層2は一般的には前記の電荷輸送
物質と結着剤樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。
電荷輸送物質と結着剤樹脂との混合割合は質量基準で
2:1〜1:2程度である。溶剤としてはアセトン、メ
チルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エ
チルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化
炭素などの塩素系炭化水素類などが用いられる。この溶
液を塗布する際には、例えば浸漬コーティング法、スプ
レーコーティング法、スピンナーコーティング法などの
コーティング法を用いることができ、乾燥は10℃〜2
00℃、好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度で、
5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間の時間で送風
乾燥または静止乾燥下で行うことができる。
【0049】電荷輸送層2を形成するのに用いられる結
着剤樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポ
リエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、
ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、及び不飽和樹脂
などから選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂と
しては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート
樹脂またはジアリルフタレート樹脂が挙げられる。電荷
輸送層の膜厚は、画質の観点から薄膜にする方がよりド
ット再現性が良好であるが、特に保護層にフェノール樹
脂を用いるときは電荷輸送層の膜厚が25μm以上とな
ると急激に画質が悪化することが本発明者らの検討で明
らかとなった。よって、電荷輸送層の膜厚は、5μm以
上24μm以下が好ましく、更に高湿下等の悪条件での
黒ぽちを減少させるために、より好ましくは、10μm
以上24μm以下である。
【0050】また、電荷発生層あるいは電荷輸送層に
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤などの種々の添
加剤を含有させることができる。
【0051】さらに、前記感光層上に、前記保護層を塗
布し成膜する。
【0052】本発明の電子写真感光体を用いた電子写真
装置の具体例を図2に示す。この装置は、電子写真感光
体11の周面上に一次帯電器13、露光光14、現像器
15、転写帯電器16が配置されている。
【0053】画像形成の方法は、まず、一次帯電器13
に電圧を印加し、電子写真感光体11表面を帯電し、露
光光14によって原稿に対応した画像を電子写真感光体
11表面に露光し、静電潜像を形成する。次に、現像器
15中のトナーを電子写真感光体11に付着させること
により電子写真感光体11上の静電潜像を現像(可視像
化)する。さらに、電子写真感光体11上に形成された
トナー像を供給された紙などの転写部材17上に転写帯
電器16によって転写し、転写部材に転写されずに電子
写真感光体11上に残った残トナーをクリーナー等で回
収する。近年、クリーナーレスシステムも研究され、残
トナーを直接、現像器で回収することもできる。更に、
前露光20からの前露光により除電処理がされた後、繰
り返し画像形成に使用される。なお、前露光は必ずしも
必要ではない。
【0054】この画像形成装置において、露光光14の
光源はハロゲン光、蛍光灯、レーザー光、LEDなどを
用いることができる。また必要に応じて他の補助プロセ
スを加えてもよい。
【0055】本発明において、上述の電子写真感光体1
1、一次帯電器13、現像器15及びクリーナー19等
の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジ
として一体に結合して構成し、このプロセスカートリッ
ジを複写機やプリンター等の電子写真装置本体に対して
着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電器13、現
像器15およびクリーナー19の少なくとも1つを電子
写真感光体11と共に一体に支持してカートリッジ化
し、装置本体のカートリッジ用本体ガイド22等の案内
手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッ
ジ21とすることができる。また、露光光14は、電子
写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿か
らの反射光や透過光を用いる、あるいは、信号化された
原稿を、この信号に従って行われるレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆
動等により照射される光である。
【0056】
【実施例】(実施例1、2)以下、本発明を実施例によ
り説明する。ここでは、φ30mm×260.5mmの
アルミニウムシリンダーを支持体として、この上にポリ
アミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)
の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、0.5μm
の下引き層を設けた。
【0057】次に、下記構造式[化3]で、CuKαのX
線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2゜の9.0
°、14.2°、23.9°、27.1゜に強いピークを
有する
【0058】
【化3】 オキシチタニウムフタロシアニン顔料4部(質量部、以
下同様)、ポリビニルブチラール樹脂BX―1(積水化
学(株)製)2部およびシクロヘキサノン80部を、φ
1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で、4時間
ほど分散した。この調合液を浸漬塗布法により、下引き
層の上に塗布し、0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0059】次いで、下記構造式[化4]の、
【0060】
【化4】 化合物10部、及び、ビスフェノールZ型ポリカーボネ
ート(商品名:Z―200、三菱ガス化学(株)製)1
0部を、モノクロロベンゼン100部に溶解した。この
溶液を、前記電荷発生層上に塗布し、105℃、1時間
をかけて熱風乾燥して、20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0061】次に、保護層として、下記構造式[化5]
で表面処理した(処理量7%)アンチモンドープ酸化ス
ズ超微粒子:20部、
【0062】
【化5】 前記[化1]記載のメチルハイドロジェンシリコンオイ
ル(商品名KF―99、信越シリコーン(株)製)で表
面処理した(20%)アンチモンドープ酸化スズ微粒子
30部、エタノール:150部を、サンドミルにて、6
6時間かけて分散を行い、更に、ポリテトラフルオロエ
チレン微粒子(平均粒径0.18μm):20部を加え
て分散を行った。その後、熱硬化型フェノール樹脂(商
品名:PL―4804、PL4852(共に、アンモニ
アを除くアミン系化合物含有:群栄化学工業(株)
製))を樹脂成分として30部を溶解し、調合液とし
た。
【0063】この調合液を用いて、先の電荷輸送層上に
浸漬塗布法により、膜を形成し、145℃の温度で、1
時間、熱風乾燥して保護層を得たものを実施例1、2と
した。このとき、得られた保護層の膜厚測定は、薄膜の
ため光の干渉による瞬間マルチ測光システムMCPD―
2000(大塚電子(株)製)を用いて測定し、その膜
厚は2μmであった。また、保護層調合液の分散性は良
好で、膜表面はムラのない均一な面であった。
【0064】試験の評価は、ヒューレットパッカード
(株)製レーザージェット4000(ローラー接触帯
電、AC/DC印加)を用いた。評価として、23℃/
50%RH環境下での初期画像、さらに30℃/85%
RH環境下でのA4、10,000枚の耐久を行い、削
れ量の測定と明電位Vlの初期からの電位変動分ΔVl
(+:立ち上がり、―:立ち下がり)、および、耐久後
画像により評価を行った。
【0065】電荷輸送剤の酸化電位の測定は、以下の材
料を用い、3電極式のサイクリックボルターメトリーに
て行った。
【0066】 電極 : 作用電極―グラッシーカーボン電極、 対極―白金電極 参照電極―飽和カロメル電極(0.1mol/l KCl水溶液) 測定溶液 電解質: 過塩素酸t―ブチルアンモニウム 0.1モル 測定物質 : 電荷輸送材、 0.001モル 溶剤 : アセトニトリル 1リットル 以上を調合して測定溶液を調整した。
【0067】測定結果の第一酸化電位のピークトップを
その電荷輸送材の酸化電位とした。それぞれの結果を表
4に示す。
【0068】(実施例3、4)実施例1、2において、
電荷輸送層中の電荷輸送材[化4]を下記構造式[化
6]に変えた以外は、実施例1、2と全く同様に行っ
た。
【0069】
【化6】 (実施例5)実施例3において、酸化スズ微粒子、およ
び、フッ素原子含有樹脂粒子などを添加せずに、かつ、
レゾール型フェノール樹脂PL−4804からPR―5
3123(アミン系以外の化合物含有:住友デュレズ
(株)製)に変えて、樹脂のみを塗布し、1.5μmの
保護層を設けた以外は、実施例3と全く同様に行った。
【0070】(実施例6)実施例3において、レゾール
型フェノール樹脂(PL−4804)を、ノボラック型
フェノール樹脂(CMK−2400:昭和高分子(株)
製)に変え、更に、硬化剤としてヘキサメチレンテトラ
ミン1.5部を添加した以外は、実施例3と全く同様に
行った。
【0071】(実施例7)実施例3において、電荷輸送
層中の電荷輸送材料[化4]を下記構造式[化7]に変
えた以外は、実施例3と全く同様に行った。
【0072】
【化7】 (実施例8)実施例3において、電荷輸送層中の電荷輸
送材料[化4]を下記構造式[化8]に変えた以外は、
実施例3と全く同様に行った。
【0073】
【化8】 (実施例9)実施例3において、電荷輸送層中の電荷輸
送材料[化4]を下記構造式[化9]に変えた以外は、
実施例3と全く同様に行った。
【0074】
【化9】 (実施例10)実施例3において、電荷輸送層中の電荷
輸送材料[化4]を下記構造式[化10]に変えた以外
は、実施例3と全く同様に行った。
【0075】
【化10】 (比較例1)実施例3において、保護層を塗布しなかっ
た以外は、実施例3と全く同様に行った。
【0076】(比較例2)実施例3において、電荷輸送
層中の電荷輸送材料[化4]を下記構造式[化11]に
変えた以外は、実施例3と全く同様に行った。
【0077】
【化11】 (比較例3)実施例3において、電荷輸送層中の電荷輸
送材料[化4]を下記構造式[化12]に変えた以外
は、実施例3と全く同様に行った。
【0078】
【化12】 (比較例4)実施例3において、電荷輸送層中の電荷輸
送材料[化4]を下記構造式[化13]に変えた以外
は、実施例3と全く同様に行った。
【0079】
【化13】 (比較例5)実施例3において、電荷輸送層中の電荷輸
送材料[化4]を下記構造式[化14]に変えた以外
は、実施例3と全く同様に行った。
【0080】
【化14】 (比較例6)実施例3において、電荷輸送層中の電荷輸
送材料[化4]を下記構造式[化15]に変えた以外
は、実施例3と全く同様に行った。
【0081】
【化15】 (比較例7)実施例3において、電荷輸送層中の電荷輸
送材料[化4]を下記構造式[化16]に変えた以外
は、実施例3と全く同様に行った。
【0082】
【化16】 (比較例8)実施例3において、保護層に用いる溶剤を
エタノール150部からモノクロロベンゼン300部に
変え、さらに樹脂を熱硬化型フェノール樹脂PL-4804か
ら熱可塑性樹脂ポリカーボネート樹脂Z-200(三菱ガス化
学(株)製)に変え、さらに、浸漬塗布法からスプレー
塗布法に変えた以外は、実施例3と全く同様に行った。
【0083】(比較例9)実施例3において、保護層に
用いる溶剤をエタノール150部からモノクロロベンゼ
ン300部に変え、樹脂を熱硬化型フェノール樹脂PL-4
804から熱可塑性樹脂ポリカーボネート樹脂Z-200(三菱
ガス化学(株)製)に変え、さらに、導電性粒子を添加
せず前記電荷輸送材[化6]を2.5部に変え、ポリテ
トラフルオロエチレン粒子の分散剤としてフッ素含有化
合物GF-300(東亞合成(株)製)1.2部に変え、浸漬塗
布法からスプレー塗布法にかえた以外は、実施例3と全
く同様に行った。
【0084】(比較例10)実施例3において、保護層
に用いるフェノール樹脂を下記構造式[化17]のアク
リル樹脂に変え、光重合開始剤として2―メチルチオキ
サントン2部を溶解して調合した。この分散液を用い
て、前記電荷輸送層上に浸漬塗布して、膜を形成し、高
圧水銀灯にて800mW/cm2の光強度で、60秒間
光硬化を行い、その後120℃、2時間熱風乾燥して膜
厚2μmの保護層を形成した以外は、実施例1と全く同
様に行った。
【0085】
【化17】
【0086】
【表4】
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層お
よび保護層を順次配置した電子写真感光体において、前
記保護層がフェノール樹脂を含有し、かつ、前記電荷輸
送層中の電荷輸送物質の酸化電位Eox(CTM)が式(1)を
満足することを特徴とする電子写真感光体にすることに
より、 0.58(V)≦ Eox(CTM) ≦ 0.83(V) (1) 耐摩耗性に優れ、ポジゴーストもなく、高温/高湿環境
下での耐久においても、電位変動も少なく、高品位の画
像を安定に供給することができ、さらに該電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ並びに電子写真装置を
供給することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光体の層構成を示す図である。
【図2】電子写真装置の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1:保護層 2:電荷輸送層 3:電荷発生層 4:導電性支持体 5:結着層 6:下引き層 11:電子写真感光体 12:感光体回転軸 13:一次帯電器 14:露光光 15:現像器 16:転写帯電器 17:転写部材(紙など) 18:定着 19:クリーナー 20:前露光 21:カートリッジ 22:カートリッジ用本体ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 浩一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊藤 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA05 AA06 BA58 BA61 BB31 BB33 BB34 BB35 CA37 EA04

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、
    電荷輸送層および保護層を順次配置した電子写真感光体
    において、前記保護層がフェノール樹脂を含有し、か
    つ、前記電荷輸送層中の電荷輸送物質の酸化電位Eox(CT
    M)が式(1)を満足する電子写真感光体。 0.58(V)≦ Eox(CTM) ≦ 0.83(V) (1)
  2. 【請求項2】前記フェノール樹脂が、硬化型フェノール
    樹脂である請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】前記硬化型フェノール樹脂が、レゾール型
    フェノール樹脂である請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】前記保護層が、導電性粒子を含有する請求
    項1記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】前記導電性粒子が、金属または金属酸化物
    粒子である請求項4記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】前記保護層が、フッ素原子含有化合物また
    はシロキサン化合物の少なくとも一方を含有する請求項
    1記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】前記保護層が、潤滑性粒子を含有する請求
    項1記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】前記潤滑性粒子が、フッ素原子含有樹脂粒
    子、シリコン粒子またはシリコーン粒子の少なくとも一
    つである請求項7記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】前記フッ素原子含有化合物が含フッ素シラ
    ンカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイルおよび
    フッ素系界面活性剤からなる群より選択される請求項6
    記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】前記シロキサン化合物が一般式(1)
    [化1]で示されるシロキサン化合物である請求項6記
    載の電子写真感光体。 【化1】 (式中、Aは水素原子またはメチル基であり、かつ、A
    の全部における水素原子の割合は0.1〜50質量%の
    範囲、nは0以上の正の整数である。)
  11. 【請求項11】前記レゾール型フェノール樹脂が、アミ
    ン系化合物を用いて作製される樹脂である請求項3記載
    の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】前記アミン系化合物が、アンモニアを除
    くアミン系化合物である請求項11記載の電子写真感光
    体。
  13. 【請求項13】前記硬化型フェノール樹脂が熱により硬
    化する熱硬化型フェノール樹脂である請求項2記載の電
    子写真感光体。
  14. 【請求項14】前記電荷輸送層の膜厚が、5μm以上2
    4μm以下である請求項1記載の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】前記電荷輸送層の膜厚が、10μm以上
    24μm以下である請求項1記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれか1項に記載の
    電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段およびクリー
    ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手
    段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である
    プロセスカートリッジ。
  17. 【請求項17】請求項1〜15のいずれか1項に記載の
    電子写真感光体、帯電手段、露光光手段、現像手段及び
    転写手段を有する電子写真装置。
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