JP2002006526A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

Info

Publication number
JP2002006526A
JP2002006526A JP2000186126A JP2000186126A JP2002006526A JP 2002006526 A JP2002006526 A JP 2002006526A JP 2000186126 A JP2000186126 A JP 2000186126A JP 2000186126 A JP2000186126 A JP 2000186126A JP 2002006526 A JP2002006526 A JP 2002006526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophotographic
protective layer
electrophotographic photoreceptor
resin
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000186126A
Other languages
English (en)
Inventor
Yosuke Morikawa
陽介 森川
Shinji Takagi
進司 高木
Kimihiro Yoshimura
公博 吉村
Koichi Nakada
浩一 中田
Hiroshi Saito
宏 齊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000186126A priority Critical patent/JP2002006526A/ja
Publication of JP2002006526A publication Critical patent/JP2002006526A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磨耗に対して優れた耐久性を有する表面層を
有し、フィルミングの発生もなく、保存変形も良好で、
高品位の画質を保つことのできる電子写真感光体、その
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子
写真装置を提供することにある。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層及び保護層を有
する電子写真感光体において、該保護層が硬化性樹脂を
含有し、かつ該保護層の弾性変形の仕事量We(nJ)
と塑性変形の仕事量Wr(nJ)との関係が下記式
(I)を満足することを特徴とする電子写真感光体、そ
の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電
子写真装置。 32% ≦ We%=We/(We+Wr)×100 ≦ 60% (I) ∴ 23℃/55%RHの環境下において

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体並
びに該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及
び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、帯電、露光、現像、
転写、クリーニング及び除電等の手段が繰り返し適用さ
れる。帯電及び露光により形成された静電潜像は、トナ
ーをいわれる微粒子状の現像剤によりトナー画像とな
る。更に、このトナー画像は転写手段により紙等の転写
材に転写されるが、全てのトナーが転写されるわけでは
なく、一部が電子写真感光体上に残留する。
【0003】この残留トナーの量が多いと、転写材の画
像は、更に転写不良が生じる所謂ボソ抜け状となり、画
像の均一性に欠けるだけでなく、電子写真感光体へのト
ナーの融着やフィルミングの発生という問題が生じる。
これらの問題に対して、電子写真感光体の表面層の離型
性を向上することが求められている。
【0004】また、電子写真感光体は上述のような電気
的及び機械的外力が直接加えられるために、それらに対
する耐久性が求められている。具体的には、摺擦による
表面の磨耗や傷の発生、また、帯電時に発生するオゾン
やNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等に対
する耐久性が要求される。
【0005】電子写真感光体に要求される上記のような
要求を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなさ
れている。なかでも、樹脂を主成分とする保護層は数多
く提案されている。例えば、特開昭57−30846号
公報には樹脂に導電性粉末として金属酸化物を添加する
ことにより抵抗を制御することのできる保護層が開示さ
れている。
【0006】電子写真感光体の保護層に金属酸化物を分
散するのは、保護層自体の電気抵抗を制御し、電子写真
プロセスの繰り返しに伴う電子写真感光体内での残留電
位の増加を防止するのがその主な目的であり、他方、電
子写真感光体用の保護層の適切な抵抗値は1010〜10
15Ω・cmであることが知られている。しかしながら、
前記の範囲の抵抗値においては、保護層の電気抵抗はイ
オン電導によって影響を受け易く、そのために環境の変
化によって電気抵抗が大きく変化する傾向にある。特
に、金属酸化物を膜中に分散している場合には、金属酸
化物表面の吸水性が高いために、全環境において、しか
も、電子写真プロセスの繰り返しを行う際に、保護層の
抵抗を前記範囲に保つことはこれまで非常に困難であっ
た。
【0007】我々は、種々検討の結果、保護層が、硬化
型フェノール樹脂を含有することを特徴とする電子写真
感光体を用いることにより、保護層の電気抵抗の環境に
よる変化を大幅に改善することができ、全環境におい
て、優れた電子写真特性を有する電子写真感光体を得る
ことができた。
【0008】しかしながら、一般的に硬化性樹脂は、硬
く削れにくいが、脆く傷つき易い性質があり、電子写真
感光体に用いると表面傷の発生やフィルミングの発生と
いう問題が生じることがあった。特に、硬化型フェノー
ル樹脂は、脆い性質があり、上記問題が生じることがあ
った。
【0009】また、接触帯電器を電子写真感光体に接触
したままで、高温/高湿の環境下に約30日間放置する
と、物理的にへこみを生じる問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磨耗
に対して優れた耐久性を有する表面層を有し、フィルミ
ングの発生もなく、保存変形も良好で、高品位の画質を
保つことのできる電子写真感光体、その電子写真感光体
を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、導電性
支持体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体に
おいて、該保護層が硬化性樹脂を含有し、かつ該保護層
の弾性変形の仕事量We(nJ)と塑性変形の仕事量W
r(nJ)との関係が下記式(I)を満足することを特
徴とする電子写真感光体が提供される。
【0012】 32% ≦ We%=We/(We+Wr)×100 ≦ 60% (I) ∴ 23℃/55%RHの環境下において また、本発明に従って、上記電子写真感光体、及び帯電
手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選
ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真
装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ
ートリッジが提供される。
【0013】更に、本発明に従って、上記電子写真感光
体、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段を備
えることを特徴とする電子写真装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0015】保護層の弾性変形率の測定は、ドイツ、F
ISCHER社製硬度計(H100VP−HCU)を用
いて測定した。サンプルの作製は、下地の影響を受けな
いように約10μmの膜厚で作製した。よって、下地
は、ガラスプレート、アルミニウム板又はアルミニウム
シリンダー上等であり、特に限定されるものでない。硬
化条件等は、電子写真感光体作製の時と全く同様にして
行った。硬度計の測定条件は、四角錐で先端の対面角1
36゜のダイヤモンド圧子で荷重をかけて保護層の膜に
1μmまで押し込み、荷重をかけた状態での押し込み深
さを電気的に検出して読取る。
【0016】硬度計で測定された例を図1に示す。横軸
は押し込み深さ3(μm)で、縦軸は荷重L(mN)で
ある。弾性変形の仕事量We(nJ)は、図1中のC−
B−D−Cで囲まれる面積で表され、塑性変形の仕事量
Wr(nJ)は、図1中のA−B−C−Aで囲まれる面
積で表される。本発明の式(I)に記載の弾性変形率W
e%は、下記式(II)で表される。
【0017】 We%=We/(We+Wr)×100 (II) ∴ 23℃/55%RH環境下において本発明において
は、上記弾性変形率We%が下記式(I)を満足する電
子写真感光体であることである。
【0018】 32% ≦ We%=We/(We+Wr)×100 ≦ 60% (I) ∴ 23℃/55%RH環境下において
【0019】一般に、弾性とは外力によってひずみ(変
形)をうけた物体がそのひずみを元に戻そうとする性質
であり、その物体が弾性限界を超すか、又はその他の影
響で外力を取り去った後もひずみの一部として残るのが
塑性変形分である。つまり、弾性変形率We%の値が大
きいほど弾性変形分が大きく、We%の値が小さいほど
塑性変形分が大きいことを意味する。
【0020】保護層上での弾性変形率が前述の式(I)
のように32%より大きいときは問題なく、小さいとき
は保護層が感光層よりもかなり脆い膜であることより、
キズがつき易くなり、また耐久によりフィルミングの発
生が起こり易い。また、弾性変形率We%が式(I)に
示す60%より大きくなるときも通常状態ではあまり問
題とはならないが、接触帯電器をある条件下で接触した
ままで高温/高湿の環境下に約30日間放置すると、物
理的にへこみを生じるようになる。通常、弾性分が大き
いというのは、へこみも回復し易い性質ということであ
るが、この様にへこみになるはのは、なぜだかわからな
いが、薄膜の保護層上にある程度の圧力で接触を続ける
と保護層自体は弾性的に変化しても下地である感光層が
その弾性変形に順応できなくなるのかもしれないと予想
している。
【0021】本発明において、保護層に用いられる樹脂
は、表面硬度及び耐摩耗性の点から硬化性樹脂を用いて
いる。即ち、熱又は光等によって硬化するモノマー又は
オリゴマーを含有する樹脂の溶液を保護層の塗工液と
し、これを感光層上に塗工、硬化させて保護層を形成す
る。熱又は光等によって硬化するモノマー又はオリゴマ
ーとは、例えば分子の末端に熱又は光等のエネルギーに
よって重合反応を起こす官能基を有するもので、このう
ち、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的
大きな分子がオリゴマー、構成単位が1つのものがモノ
マーである。
【0022】該重合反応を起こす官能基としては、アク
リロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアセトフ
ェノン基等の炭素−炭素二重結合を有する基、シラノー
ル基、更に環状エーテル基等の開環重合を起こすもの、
及びフェノール+ホルムアルデヒドのように2種類以上
の分子が反応して重合を起こすもの等が挙げられる。本
発明においては、特に硬化型のフェノール樹脂を用いる
ことが好ましい。更に、熱硬化型のレゾール型のフェノ
ール樹脂を用いることがより好ましい。通常、レゾール
型フェノール樹脂は、フェノール類化合物とアルデヒド
類化合物とをアルカリ触媒下で製造される。これに用い
られる主なるフェノール類としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラ
フェニルフェノール、レゾルシン及びビスフェノール等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま
た、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド、フルフラール及びアセトアルデヒド等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】これらのフェノール類とアルデヒド類とを
アルカリ触媒下で反応させ、モノメチロールフェノール
類、ジメチロールフェノール類、トリメチロールフェノ
ール類のモノマー、及びそれらの混合物、又はそれらを
オリゴマー化されたもの、及びモノマーとオリゴマーの
混合物を作製する。この時、用いられるアルカリ触媒と
して、NaOH、KOH及びCa(OH)2等のアルカリ
金属、及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒
が用いられるが、高湿の環境下での抵抗の変動を考慮す
るとアミン系触媒を用いることがより好ましい。アミン
系触媒として、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリエタ
ノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。本発明においては、溶液の安定性よりアン
モニアを除くアミン系触媒を用いることがより好まし
い。
【0024】残留電位を下げるために保護層に導電性粒
子を分散し添加することもできるが、本発明で用いられ
る導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボン
ブラック等が挙げられる。金属としては、アルミニウ
ム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス
等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸
着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化
亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化イ
ンジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジ
ウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及び
アンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられ
る。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用い
る場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしても
よい。
【0025】本発明において用いられる導電性粒子の平
均粒径は、保護層の透明性の点で0.3μm以下が好ま
しく、特には0.1μm以下が好ましい。また、本発明
においては、上述した導電性粒子の中でも透明性の点で
金属酸化物を用いることが特に好ましい。
【0026】本発明において用いられる潤滑性粒子とし
ては、フッ素原子含有樹脂粒子、シリコン粒子及びシリ
コーン粒子が好ましく、より好ましくはフッ素原子含有
樹脂粒子である。更に、これらを2種以上混合してもよ
い。
【0027】フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ
化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化
エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビ
ニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれら
の共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択す
るのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂、フッ
化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量や粒子
の粒径は、適宜選択することができ、特に制限されるも
のではない。
【0028】このフッ素原子含有樹脂を導電性粒子と共
に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないように、フッ
素原子含有化合物を導電性粒子の分散時に添加したり、
また導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面処
理するとよい。フッ素原子含有化合物を添加又は導電性
粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有化合
物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子とフ
ッ素原子含有樹脂粒子の分散性及び分散安定性が格段に
向上した。また、フッ素原子含有化合物を添加し導電性
粒子を分散した液、又は表面処理を施した導電性粒子を
分散した液に、フッ素原子含有樹脂粒子を分散すること
によって分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも
非常に安定した分散性のよい塗工液が得られる。
【0029】本発明におけるフッ素原子含有化合物とし
ては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリ
コーンオイル及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
表1〜表3に好ましい化合物例を挙げるが、本発明はこ
れらの化合物に限定されるものではない。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】導電性粒子の表面処理方法としては、導電
性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、
表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の方法
としては、ボールミルやサンドミル等の通常の分散手段
を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を
除去し、導電性粒子表面に固着させればよい。また、必
要に応じて、この後に更に熱処理を行ってもよい。ま
た、処理液中には反応促進のための触媒を添加すること
もできる。更に、必要に応じて表面処理後の導電性粒子
に更に粉砕処理を施すことができる。
【0034】導電性粒子に対するフッ素原子含有化合物
の割合は、粒子の粒径にも影響を受けるが、表面処理済
みの導電性粒子全質量に対し、1〜65質量%が好まし
く、特には1〜50質量%が好ましい。表面処理量の測
定は、表面処理された金属又は金属酸化物粒子をTG−
DTAを用いて505℃に加熱した後の質量変化量か
ら、又はるつぼによる強熱減量法を用いて500℃/2
時間後の質量変化量から求められる。
【0035】以上のように、フッ素原子含有化合物を添
加した後に導電性粒子を分散する、又は、フッ素原子含
有化合物によって表面処理された導電性粒子を用いるこ
とにより、フッ素原子含有樹脂粒子の分散が安定し、滑
り性及び離型性に優れた保護層を形成することができ
る。しかしながら、最近のカラー化、高画質化、高安定
化が進み、より環境に対する安定化を求めるようにな
り、保護層にもより一層の環境安定性を求めるようにな
ってきた。
【0036】本発明において用いる保護層用の結着剤樹
脂としては、保護層の抵抗の環境変動が小さく、表面硬
度が硬く、耐磨耗性に優れ、更に微粒子の分散性、分散
後の安定性の点から、特に硬化型フェノール樹脂を用い
た。生産性を考慮し、レゾール型フェノール樹脂がより
好ましい。
【0037】更に、本発明においては、より環境安定性
のある保護層とするために、下記一般式(1)で示され
るシロキサン化合物を導電性粒子分散時に添加したり、
又は、予め表面処理を施した導電性粒子を混合すること
により、更に環境安定性により優れた保護層を得ること
ができた。
【0038】
【化2】
【0039】式中、Aは水素原子又はメチル基であり、
かつ、Aの全部における水素原子の割合は0.1〜50
%の範囲、nは0以上の整数である。
【0040】このシロキサン化合物を添加後に分散した
塗工液、又はこれを表面処理した導電性金属酸化物微粒
子を溶剤と共に分散し、更にバインダーを添加すること
によって、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的に
も安定した分散性の良い塗工液が得られ、更にこの塗工
液より形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に特に
優れた膜が得られた。更に、保護層に用いる樹脂が硬化
型フェノール樹脂の場合、保護層の膜厚又はその他の条
件により、スジ状のムラになったりセルを形成したりす
る場合も見られるが、前述のシロキサン化合物を添加、
又はこれを表面処理した導電性微粒子を用いることによ
り、スジ状のムラやセルの形成を抑制することができ、
レベリング剤の効果という予期せぬ効果もあった。
【0041】一般式(1)で示されるシロキサン化合物
の分子量は、特に制限されるものではないが、表面処理
をする場合は、その容易さからは粘度が高すぎない方が
よく、重量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0042】表面処理の方法としては、湿式・乾式の二
通りがある。湿式処理では、導電性金属酸化物粒子と一
般式(1)で示されるシロキサン化合物とを溶剤中で分
散し、該シロキサン化合物を微粒子表面に付着させる。
分散の手段としては、ボールミルやサンドミル等の一般
の分散手段を使用することができる。次に、この分散溶
液を導電性金属酸化物微粒子表面に固着させる。この熱
処理においては、シロキサン中のSi−H結合が熱処理
過程において空気中の酸素によって水素原子の酸化が起
こり、新たなシロキサン結合ができる。その結果、シロ
キサンが三次元構造にまで発達し、導電性金属酸化物微
粒子表面がこの網状構造で包まれる。このように表面処
理は、該シロキサン化合物を導電性金属酸化物微粒子表
面に固着させることによって完了するが、必要に応じて
処理後の微粒子に粉砕処理を施しても良い。
【0043】乾式処理においては、溶剤を用いずに該シ
ロキサン化合物と導電性金属酸化物微粒子とを混合し混
練を行うことによってシロキサン化合物を微粒子表面に
付着させる。その後は湿式処理と同様に熱処理、粉砕処
理を施して表面処理を完了する。
【0044】本発明における導電性金属酸化物微粒子に
対するシロキサン化合物の割合は、微粒子の粒径やシロ
キサン中のメチル基と水素原子の比率等に依存するが、
1〜50質量%が好ましく、特には3〜40質量%が好
ましい。
【0045】樹脂と導電性粒子との割合は、直接的に保
護層の抵抗を決定する値であり、保護層の抵抗が1010
〜1015(Ω・cm)の範囲になるように設定する。膜
強度的には、導電性粒子の量が増えれば増えるほど弱く
なるため、導電性粒子の量は、保護層の抵抗及び残留電
位が許容できる範囲において、少なくする方が好まし
い。保護層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特
には0.5〜7μmが好ましい。
【0046】本発明においては、前記保護層中に、分散
性、結着性及び耐候性を向上させる目的で、カップリン
グ剤及び酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。
【0047】次に、感光層について説明する。
【0048】本発明の電子写真感光体は積層構造を有す
る。図2(a)の電子写真感光体は、導電性支持体4の
上に電荷発生層3、電荷輸送層2が順に設けており、更
に最表面に保護層1を設けている。また、図2の
(b)、(c)の様に導電性支持体と電荷発生層の間
に、結着層5、更には干渉縞防止等を目的とする下引き
層6を設けてもよい。
【0049】導電性支持体4としては、支持体自身が導
電性を持つもの、例えば、アルミニウム、アルミニウム
合金又はステンレス等を用いることができ、その他にア
ルミニウム、アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸
化スズ合金等を真空蒸着によって被膜形成された層を有
する前記導電性支持体やプラスチック、導電性微粒子
(例えばカーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン及び
銀粒子等)を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に
含浸した支持体、導電性結着樹脂を有するプラスチック
等を用いることができる。
【0050】また、導電性支持体と感光層の間には、バ
リアー機能と接着機能を持つ結着層(接着層)を設ける
ことができる。結着層は、感光層の接着性改良、塗工性
改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体から
の電荷注入性改良、及び感光層の電気的破壊に対する保
護等のために形成される。結着層は、カゼイン、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリ
ル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウ
レタン、ゼラチン又は酸化アルミニウム等によって形成
できる。結着層の膜厚は、5μm以下が好ましく、0.
2〜3μmがより好ましい。
【0051】本発明に用いられる電荷発生材料として
は、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、インジコ顔料、多
環キノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、アズ
レニウム塩顔料、ピリリウム染料、チオピリリウム染
料、スクアリリウム染料、シアニン染料、キサンテン色
素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素、スチ
リル色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリ
コン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛等が挙げられる。
【0052】電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用す
る樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択さ
れるが、有機溶剤としては、アルコール類、スルホキシ
ド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類又は芳香族化合物等を用いることがで
きる。
【0053】電荷発生層3は、前記の電荷発生材料を質
量比で0.3〜4倍量の結着剤樹脂及び溶剤と共に、ホ
モジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アト
ライター又はロールミル等の方法でよく分散し、塗布、
乾燥されて形成される。その厚みは、5μm以下が好ま
しく、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0054】電荷輸送材料としては、ヒドラゾン系化合
物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、オキサゾ
ール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタ
ン系化合物又はポリアリールアルカン系化合物等を用い
ることができる。
【0055】電荷輸送層2は、一般的には前記の電荷輸
送材料と結着剤樹脂とを溶剤に溶解し、塗布して形成す
る。電荷輸送材料と結着剤樹脂との混合割合(質量比)
は、2:1〜1:2程度である。溶剤としては、アセト
ンやメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチルや酢
酸エチル等のエステル類、トルエンやキシレン等の芳香
族炭化水素類、又はクロロベンゼン、クロロホルム及び
四塩化炭素等の塩素系炭化水素類等が用いられる。この
溶液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、
スプレーコーティング法及びスピンナーコーティング法
等のコーティング法を用いることができ、乾燥は10℃
〜200℃が好ましく、特に好ましくは20℃〜150
℃の範囲の温度で、5分〜5時間が好ましく、特に好ま
しくは10分〜2時間の時間で送風乾燥又は静止乾燥下
で行うことができる。
【0056】電荷輸送層2を形成するのに用いられる結
着剤樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポ
リエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、
ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等
から選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂として
は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂
及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。電荷輸送層
の膜厚は、5〜40μmが好ましく、特には10〜30
μmが好ましい。
【0057】また、電荷発生層あるいは電荷輸送層に
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び潤滑剤等の種々の添
加剤を含有させることができる。
【0058】更に、前記感光層上に、前記保護層を塗
布、硬化させて成膜する。
【0059】図3に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を
示す。
【0060】図において、11はドラム状の本発明の電
子写真感光体であり、軸12を中心に矢印方向に所定の
周速度で回転駆動される。電子写真感光体11は、回転
過程において、一次帯電手段13によりその周面に正又
は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露
光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)か
ら出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像
信号に対応して強調変調された露光光14を受ける。こ
うして電子写真感光体11の周面に対し、目的の画像情
報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0061】形成された静電潜像は、次いで現像手段1
5によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真
感光体11と転写手段16との間に電子写真感光体11
の回転と同期して取り出されて給紙された転写材17
に、電子写真感光体11の表面に形成担持されているト
ナー画像が転写手段16により順次転写されていく。
【0062】トナー画像の転写を受けた転写材17は、
電子写真感光体面から分離されて像定着手段18へ導入
されて像定着を受けることにより画像形成物(プリン
ト、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0063】像転写後の電子写真感光体11の表面は、
クリーニング手段19によって転写残りトナーの除去を
受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの
前露光光20により除電処理された後、繰り返し画像形
成に使用される。なお、前露光は必ずしも必要ではな
い。
【0064】本発明においては、上述の電子写真感光体
11、一次帯電手段13、現像手段15及びクリーニン
グ手段19等の構成要素のうち、複数のものを容器21
に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構
成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービ
ームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在
に構成してもよい。例えば、一次帯電手段13、現像手
段15及びクリーニング手段19の少なくとも一つを電
子写真感光体11と共に一体に支持してカートリッジ化
して、装置本体のレール等の案内手段22を用いて装置
本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることがで
きる。
【0065】また、露光光14は、電子写真装置が複写
機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透
過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、
この信号に従って行われるレーザービームの走査、LE
Dアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等によ
り照射される光である。
【0066】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プ
リンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広
く用いることができる。
【0067】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中の「部」は質量部を表す。
【0068】(実施例1)以下、本発明を実施例により
説明する。ここでは、φ30mm×260.5mmのア
ルミニウムシリンダーを支持体として、この上にポリア
ミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の
5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.
5μmの下引き層を設けた。
【0069】次に、下記構造式(2)で、CuKαの特
性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2゜の9.0
°、14.2°、23.9°及び27.1゜に強いピー
クを有する
【0070】
【化3】 オキシチタニウムフタロシアニン顔料4部、ポリビニル
ブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学(株)
製)2部、及びシクロヘキサノン80部を、φ1mmガ
ラスビーズを用いたサンドミル装置で、4時間ほど分散
した。
【0071】次いで、下記構造式(3)の化合物10
部、
【0072】
【化4】 及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z
−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロ
ロベンゼン100部に溶解した。この溶液を、前記電荷
発生層上に塗布し、105℃で1時間をかけて熱風乾燥
し、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0073】次に、保護層として、下記構造式(4)で
表面処理した(処理量7%)アンチモンドープ酸化スズ
超微粒子50部、
【0074】
【化5】 エタノール150部を、サンドミルにて、66時間かけ
て分散を行い、更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒
子(平均粒径0.18μm)20部を加えて2時間分散
を行った。その後、レゾール型フェノール樹脂(商品
名:PL−4804、アンモニア以外のアミン系化合物
含有、群栄化学(株)製)を樹脂成分として25部を溶
解し、調合液とした。
【0075】この調合液を用いて、先の電荷輸送層上に
浸漬塗布法により、膜を形成し、145℃の温度で1時
間かけて熱風乾燥して保護層を得た。このとき、得られ
た保護層の膜厚測定は、薄膜のため光の干渉による瞬間
マルチ測光システムMCPD−2000(大塚電子
(株)製)を用いて測定し、その膜厚は3μmであっ
た。また、弾性変形測定用サンプルとして、ガラスプレ
ート上に同様に保護層調合液をワイヤーバーにより塗布
し、硬化条件等は上記電子写真感光体の作製時と同様に
して行い、サンプルを作製し、前述したFISCHER
社製硬度計(H100VP−HCU)を用いて測定し
た。この時、得られた膜の膜厚は、10μmであった。
【0076】試験の評価は、キヤノン(株)製LBP−
NX(ローラー接触帯電、AC/DC印加)を用いて行
った。評価として、初期画像、更に3000枚の耐久後
の画像、及び削れ量の測定をした。更に、へこみ試験と
して、帯電ローラーを約5kgの圧力で電子写真感光体
表面に押し当てた状態で、40℃/95%RHの環境下
に1ヶ月放置した後に画像評価を行った。それらの結果
を表4に示す。
【0077】(実施例2)実施例1において、前記構造
式(4)に記載の化合物で表面処理した(処理量7%)
アンチモンドープ酸化スズ微粒子を50部から20部に
代え、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(商品
名:KF99、信越シリコーン(株)製)で表面処理し
た(20%)アンチモンドープ酸化スズ微粒子30部を
更に添加分散した以外は、実施例1と全く同様にして行
った。結果を表4に示す。
【0078】(実施例3)実施例1において、前記構造
式(4)に記載の化合物で表面処理したアンチモンドー
プ酸化スズ微粒子に代えて、表面処理を施す以前のアン
チモンドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マ
テリアル(株)製)を50部とし、更に、前記構造式
(4)に記載のフッ素原子含有化合物(商品名:LS−
1090、信越シリコーン(株)製)を5部、メチルハ
イドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF−99、
信越シリコーン(株)製)を5部添加し、分散した以外
は、実施例1と全く同様にして行った。結果を表4に示
す。
【0079】(実施例4〜6)実施例2において、フェ
ノール樹脂をPL−4804に代えて、PL−4852
(アンモニア以外のアミン系化合物含有、群栄化学
(株)製)、PL−5294(アミン系化合物含有せ
ず、群栄化学工業(株)製)、BKS−316(アンモ
ニア以外のアミン系化合物含有、昭和高分子(株)製)
に代えた以外は、実施例2と全く同様にして行った。結
果を表4に示す。
【0080】(実施例7)実施例4において、フェノー
ル樹脂の樹脂成分として25部添加することに代えて、
50部添加した以外は、実施例4と全く同様にして行っ
た。結果を表4に示す。
【0081】(実施例8)実施例5において、酸化スズ
微粒子、及びフッ素原子含有樹脂粒子等を添加せずにレ
ゾール型フェノール樹脂PL−5294のみを塗布し、
膜厚が1.5μmの保護層を設けた以外は、実施例5と
全く同様にして行った。結果を表4に示す。
【0082】(実施例9)実施例5において、硬化温度
を145℃から120℃に代えた以外は、実施例5と全
く同様にして行った。結果を表4に示す。
【0083】(実施例10)実施例2において、レゾー
ル型フェノール樹脂(PL−4804)を、ノボラック
型フェノール樹脂(CMK−2400:昭和高分子
(株)製)に代え、更に、硬化剤としてヘキサメチレン
テトラミンを1.5部を添加した以外は、実施例2と全
く同様にして行った。結果を表4に示す。
【0084】(比較例1及び2)実施例1において、フ
ェノール樹脂をメチルフェニルポリシロキサン(KF−
50500CS:信越シリコーン(株)製)に代え、樹
脂成分として、40部、および20部にした以外は、実
施例1と全く同様にして行った。結果を表4に示す。
【0085】(比較例3、4及び5)実施例1におい
て、フェノール樹脂を熱硬化性シリコーン樹脂(XR3
1−A2105:東芝シリコーン(株)製)に代え、樹
脂成分として、60部、50部及び40部にした以外
は、実施例1と全く同様にして行った。結果を表4に示
す。
【0086】(比較例6及び7)実施例1において、下
記構造式(5)に代え、樹脂成分として120部及び1
50部添加し、更に光重合開始剤として2−メチルチオ
キサンソン6部
【0087】
【化6】 を溶解して調合液を作製し、前記感光層上に浸漬塗布法
により膜を形成し、高圧水銀灯にて800mW/cm2
の光強度で30秒間光硬化を行い、その後120℃で1
00分間熱風乾燥して保護層を作製した以外は、実施例
1と全く同様にして行った。結果を表4に示す。
【0088】(比較例8)実施例1において、保護層と
して、前記構造式(3)で示される化合物10部、ビス
フェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−20
0、三菱ガス化学(株)製)10部をモノクロロベンゼ
ン200部に溶解し、更にポリテトラフルオロエチレン
微粒子をフッ素含有化合物(商品名:GF−300、東
亜合成(株)製)を用いて分散した溶液を添加して、ポ
リテトラフルオロエチレン微粒子が全固形分に対して1
0%になるように調合し、これを保護層溶液として、ス
プレー塗布法により3μmの保護層を形成した以外は、
実施例1と全く同様にして行った。結果を表4に示す。
【0089】(比較例9)実施例10において、硬化剤
のヘキサメチレンテトラミンを添加しなかった以外は、
実施例10と全く同様にして行った。結果を表4に示
す。
【0090】
【表4】
【0091】表4に示すように、導電性支持体上に感光
層及び保護層を有する電子写真感光体において、該保護
層が、硬化性樹脂を含有し、かつ該保護層の弾性変形の
仕事量We(nJ)と塑性変形の仕事量Wr(nJ)と
の関係が式(I)を満足することを特徴とする電子写真
感光体にすることにより、 32%≦We%=We/(We+Wr)×100 ≦60% (I) ∴ 23℃/55%RH環境下において 磨耗に対して優れた耐久性を有する表面層を有し、フィ
ルミングの発生もなく、保存安定性も良好で、高品位の
画質を安定に保つことのできる電子写真感光体を供給で
きた。また更に、該電子写真感光体を有し、高品位の画
質を安定に保つことができるプロセスカートリッジ並び
に電子写真装置を供給することができた。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導電性支持体上に感光層及び保護層を有する電子写真感
光体において、該保護層が、硬化性樹脂を含有し、かつ
該保護層の弾性変形の仕事量We(nJ)と塑性変形の
仕事量Wr(nJ)との関係が式(I)を満足すること
を特徴とする電子写真感光体にすることにより、 32%≦We%=We/(We+Wr)×100 ≦60% (I) ∴ 23℃/55%RH環境下において 磨耗に対して優れた耐久性を有する表面層を有し、フィ
ルミングの発生もなく、保存安定性も良好で、高品位の
画質を安定に保つことのできる電子写真感光体を供給で
きた。また更に、該電子写真感光体を有し、高品位の画
質を安定に保つことができるプロセスカートリッジ並び
に電子写真装置を供給することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の硬度を荷重(mN)
−押し込み深さ(μm)で示した図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の層構成を示す図であ
る。
【図3】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 保護層 2 電荷輸送層 3 電荷発生層 4 導電性支持体 5 結着層 6 下引き層 11 電子写真感光体 12 軸 13 帯電手段 14 露光光 15 現像手段 16 転写手段 17 転写材 18 定着手段 19 クリーニング手段 20 前露光光 21 プロセスカートリッジ容器 22 案内手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 公博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中田 浩一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊藤 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA05 AA06 AA08 BA58 BA61 BB31 BB34 BB35 BB58 CA37 FA02 FA03 FA27

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層及び保護層を有
    する電子写真感光体において、該保護層が、硬化性樹脂
    を含有し、かつ該保護層の弾性変形の仕事量We(n
    J)と塑性変形の仕事量Wr(nJ)との関係が式
    (I)を満足することを特徴とする電子写真感光体。 32% ≦ We%=We/(We+Wr)×100 ≦ 60% (I) ∴ 23℃/55%RH環境下において
  2. 【請求項2】 前記硬化性樹脂が硬化型のフェノール樹
    脂である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記硬化型フェノール樹脂が、レゾール
    型フェノール樹脂である請求項2に記載の電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 前記保護層が、導電性粒子を含有する請
    求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記導電性粒子が金属又は金属酸化物粒
    子である請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記保護層が、フッ素原子含有化合物又
    はシロキサン化合物の少なくとも一方を含有する請求項
    1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記保護層が、潤滑性粒子を含有する請
    求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記潤滑性粒子が、フッ素原子含有樹脂
    粒子、シリコン粒子及びシリコーン粒子の少なくとも一
    つである請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記フッ素原子含有化合物が含フッ素シ
    ランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及び
    フッ素系界面活性剤からなる群より選択される請求項6
    に記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記シロキサン化合物が下記一般式
    (1)で示されるシロキサン化合物である請求項6に記
    載の電子写真感光体。 【化1】 (式中、Aは水素原子又はメチル基であり、かつ、Aの
    全部における水素原子の割合は0.1〜50%の範囲、
    nは0以上の正の整数である)
  11. 【請求項11】 前記保護層に用いられるレゾール型フ
    ェノール樹脂が、アミン系化合物を用いて作製される樹
    脂である請求項3に記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 前記アミン系化合物が、アンモニアを
    除くアミン系化合物である請求項11に記載の電子写真
    感光体。
  13. 【請求項13】 前記硬化型フェノール樹脂が熱により
    硬化する熱硬化型フェノール樹脂である請求項2に記載
    の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の電
    子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手
    段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現
    像する現像手段、及び転写工程後の電子写真感光体上に
    残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群
    より選ばれた少なくとも一つの手段と共に一体に支持
    し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とす
    るプロセスカートリッジ。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれかに記載の電
    子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手
    段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像
    を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感
    光体にトナーで現像する現像手段、及び電子写真感光体
    上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えるこ
    とを特徴とする電子写真装置。
JP2000186126A 2000-06-21 2000-06-21 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 Pending JP2002006526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000186126A JP2002006526A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000186126A JP2002006526A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002006526A true JP2002006526A (ja) 2002-01-09

Family

ID=18686345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000186126A Pending JP2002006526A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002006526A (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004090643A1 (ja) * 2003-04-04 2004-10-21 Sharp Kabushiki Kaisha 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
KR100467189B1 (ko) * 2001-06-21 2005-01-24 캐논 가부시끼가이샤 전자사진 장치 및 프로세스 카트리지
WO2005093519A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Canon Kabushiki Kaisha 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
KR100848615B1 (ko) 2006-03-13 2008-07-28 가부시키가이샤 리코 전자 사진 감광체, 그 제조 방법, 그것을 이용한 화상 형성방법, 화상 형성 장치 및 화상 형성 장치용 프로세스카트리지
US7473504B2 (en) 2004-05-25 2009-01-06 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, and image forming method, apparatus and process cartridge therefor using the photoreceptor
US7625682B2 (en) 2004-08-09 2009-12-01 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus
US7638248B2 (en) 2005-11-07 2009-12-29 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic photoconductor
US8263300B2 (en) 2008-03-03 2012-09-11 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, image forming apparatus, and process cartridge
US8518618B2 (en) 2010-07-07 2013-08-27 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, image forming apparatus, and process cartridge
US8535862B2 (en) 2010-07-07 2013-09-17 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus, and process cartridge
JP2013228441A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Fuji Xerox Co Ltd 感光体の摩耗予測装置及び感光体の摩耗予測プログラム
US8617778B2 (en) 2009-12-28 2013-12-31 Ricoh Company, Ltd. Image bearing member, image forming apparatus, and process cartridge
US8637216B2 (en) 2010-10-25 2014-01-28 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus and process cartridge for image forming apparatus
JP2014089224A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US9122183B2 (en) 2012-03-16 2015-09-01 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus and process cartridge
US9291924B2 (en) 2013-12-13 2016-03-22 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, and image forming method, image forming apparatus, and process cartridge using the electrophotographic photoconductor
US9298113B2 (en) 2013-01-16 2016-03-29 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, image forming apparatus, and process cartridge
JP2018112682A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 株式会社リコー クリーニングブレード、クリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100467189B1 (ko) * 2001-06-21 2005-01-24 캐논 가부시끼가이샤 전자사진 장치 및 프로세스 카트리지
WO2004090643A1 (ja) * 2003-04-04 2004-10-21 Sharp Kabushiki Kaisha 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
US7302210B2 (en) 2003-04-04 2007-11-27 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus having the same
CN100445876C (zh) * 2003-04-04 2008-12-24 夏普株式会社 电子照相感光体以及具有该感光体的成像装置
WO2005093519A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Canon Kabushiki Kaisha 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US7186489B2 (en) 2004-03-26 2007-03-06 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, electrophotographic photosensitive member manufacturing process, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US7473504B2 (en) 2004-05-25 2009-01-06 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, and image forming method, apparatus and process cartridge therefor using the photoreceptor
US7625682B2 (en) 2004-08-09 2009-12-01 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus
US7638248B2 (en) 2005-11-07 2009-12-29 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic photoconductor
KR100848615B1 (ko) 2006-03-13 2008-07-28 가부시키가이샤 리코 전자 사진 감광체, 그 제조 방법, 그것을 이용한 화상 형성방법, 화상 형성 장치 및 화상 형성 장치용 프로세스카트리지
US8263300B2 (en) 2008-03-03 2012-09-11 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, image forming apparatus, and process cartridge
US8617778B2 (en) 2009-12-28 2013-12-31 Ricoh Company, Ltd. Image bearing member, image forming apparatus, and process cartridge
US8518618B2 (en) 2010-07-07 2013-08-27 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, image forming apparatus, and process cartridge
US8535862B2 (en) 2010-07-07 2013-09-17 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus, and process cartridge
US8637216B2 (en) 2010-10-25 2014-01-28 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus and process cartridge for image forming apparatus
US9122183B2 (en) 2012-03-16 2015-09-01 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus and process cartridge
JP2013228441A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Fuji Xerox Co Ltd 感光体の摩耗予測装置及び感光体の摩耗予測プログラム
JP2014089224A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US9298113B2 (en) 2013-01-16 2016-03-29 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, image forming apparatus, and process cartridge
US9291924B2 (en) 2013-12-13 2016-03-22 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, and image forming method, image forming apparatus, and process cartridge using the electrophotographic photoconductor
JP2018112682A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 株式会社リコー クリーニングブレード、クリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3740389B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真装置およびプロセスカートリッジ
KR100435016B1 (ko) 전자 사진 감광체 및 상기 전자 사진 감광체를 갖는프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치
JP2002006526A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
KR100435017B1 (ko) 전자사진 감광체, 및 이 감광체를 포함하는 프로세스카트리지 및 전자사진 장치
JP2801478B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置、装置ユニット及びファクシミリ
KR100509535B1 (ko) 전자사진 감광체, 프로세스 카트리지 및 전자사진 장치
JP4401599B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4745542B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2002006527A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3944072B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP3944134B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4989619B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2007057792A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3814555B2 (ja) 電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JP4346793B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2000206724A (ja) 電子写真感光体、プロセスカ―トリッジ及び電子写真装置
JP2801427B2 (ja) 電子写真感光体、それを用いた電子写真装置およびファクシミリ
JP2003316041A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3046890B2 (ja) 電子写真感光体および該電子写真感光体を備えた電子写真装置
JP3848153B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2003186220A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2000131867A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置
JP4027220B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2000292960A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4174245B2 (ja) 電子写真装置及びプロセスカートリッジ